説明

禁煙支援の非治療方法

本発明は、禁煙の支援に有用な非治療方法を提供する。本発明の該非治療方法は、一般的に被験者の両腕又は両手内部又は上部の経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む。適切な点には、合谷経穴(LI−4)、該合谷経穴の手の反対側の点、外関経穴(SJ−5)及び内関経穴(PC−6)が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、禁煙支援の非治療方法に関するものである。特に、本発明は経穴(針治療のつぼ)へ電流を適用することによる禁煙支援の非治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鍼は約4000年前の中国に由来する。これは形而上の概念である“気”に基づくものであり、想定される身体エネルギーが“経脈”と呼ばれる仮説の通路を流れる。これらの“経脈”は、“気”の流れの閉塞を除去することにより“陰”と“陽”のバランスをとる刺激に使用できる、365の特定された経穴である。
【0003】
生理学及び解剖学に基づく経穴が研究されている。経穴は、小型又は大型末梢神経及びこれらの分岐点、神経筋付着部の運動点、血管、靱帯及び頭蓋骨の縫合線の付近に位置することが発見されている。
【0004】
喫煙者を彼らの中毒から克服するため及び/又はニコチン依存状態を克服するための方法として、耳への鍼の使用が既に報告されている。禁煙促進の支援やニコチン依存を克服する助けには効果的でないと報告するケリー及びマックローリー(Kelly and McCrory)(2003年)、ウィルスメンら(Willsement et al.)(2003年)、ホワイト エイ.アール.ら(White A.R et al.)(2002年)、リンデら(Linde et al.)(2001年)、ハウスタイン ケイ.オー.(Haustein K.O)(2000年)、ホワイト エイ.アール(White A.R)(1999年)、ホワイト エイ.アール.ら(White A.R et al.)(1998)、ボルシュグレヴィンク シー.エフ(Borchgrevink C.F)(1997年)、クラベル−チャペロン エフ.ら(Clavel-Chapelon F et al.)(1997年)、ランド エッチ.エイ(Lando H.A)(1996年)、ロー アンド タン(Law and Tang)(1995年)及びラベル−チャペロン エフ.ら(Clavel-Chapelon et al.)(1992年)等の最近の多くの刊行物により、多数の矛盾する結果が報告されている。また、アウスフェフド−ハフターその他(Ausfeld-Hafter B et al.)(2004年)、ビエール アイ.ディーら(Bier I.D et al.)(2002年)、ヘ ディーら(He D et al.)(2001年)、イミン シーら(Yiming C et al.)(2000年)、ワイト クラフ(Waite Clough)(1998年)、コトロークス ジェイら(Cottraux J et al.)(1986年)及びフュラー ジェイ.エイ(Fuller J.A)(1982年)等の他の著者は、耳への鍼は、禁煙促進を助けるために実行可能であると報告している。
【0005】
この矛盾は、ガリソン エム.エムら(Garrison M.M et al)(2003年)、マーゴリン エイ.ら(Margolin A et al)(2002年)及びエルンスト イー(Ernst E)(1998年)等の研究により強調されており明らかにする必要があると述べられている。
【0006】
さらに、幾つかの試験は、“実”と“偽”の経穴群の間には禁煙率について大差がないと示していることから、特定の喫煙経穴の存在が疑問視されている。
【0007】
耳以外の経穴は、以前は禁煙促進のための鍼の有効性の試験に使用されており、これらの使用は一般的な処置計画と組み合わされている。例えば、ヘ ディーその他(He D et al.)(1997年)は、身体への鍼(列欠(Lieque)と孔最(Kongzui))、耳の鍼(神門(Shenmen)、口、肺)及び指圧(神門、口、肺、気管、飢え、内分泌腺)の組み合わせが、禁煙の促進に効果的なことを発見した。
【0008】
喫煙者に喫煙を止めることを支援する多くの装置が説明されている。豪州特許AU611745には、依存治療を援助する音声発生装置と耳介電気鍼装置が組み合わされたものが記載されている。該装置は、耳に対し弱電流による高電圧刺激と超低周波音を伝える耳に装着するクリップ電極とブザーから構成される。
【0009】
喫煙者が永久に喫煙を止めるのを助ける着脱自在のリストバンドが米国特許5601598に提案されている。ここに記載されている如く、該リストバンドは、指圧刺激機器をL−7経穴に隣接して使用者の手首に置き、手首に対し該バンドをバチンと弾くと該経穴を刺激するものである。この著者は、該リストバンドは非嫌悪的行動の改善と該L−7経穴を刺激することとの二つの機能を有することを示唆している。
【0010】
中国特許出願CN1140062は、丁子、シナモン樹皮、ビンロウジュ及びイヒチオールの含有物を含む膏薬を列欠経穴に適応して、人が喫煙を断念するのを支援することが記載されている。この著者は、該膏薬が口腔内の感覚器官を刺激する作用により、舌の先端をひりひりさせ煙草の味をより苦くすることを示唆している。
【0011】
本発明の目的は、禁煙を支援するための改善された又は代替非治療方法を提供するか、或いは少なくとも公衆に有益な選択を提供することである。
本発明の他の目的は、例示としてのみ示される下記の記載により明らかにされる。
【発明の開示】
【0012】
本発明の第1の見地によれば、被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、喫煙欲求の低減を必要とする、被験者への非治療喫煙欲求低減方法が提供される。
【0013】
本発明の更なる見地によれば、被験者の両腕及び被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、禁煙を必要とする、被験者への非治療禁煙支援方法が提供される。
【0014】
本発明の更なる見地によれば、被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン禁断症状の緩和を必要とする、被験者への非治療ニコチン禁断症状緩和方法が提供される。
【0015】
本発明の更なる見地によれば、被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン中毒の結果による渇望症状の緩和を必要とする、被験者への非治療渇望症状緩和方法が提供される。
【0016】
本発明の更なる見地によれば、被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン渇望緩和又は軽減を必要とする、被験者への非治療ニコチン渇望緩和又は軽減方法が提供される。
【0017】
本発明の更なる見地によれば、被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン中毒処理を必要とする、被験者への非治療ニコチン中毒処理方法が提供される。
【0018】
一実施例において、該経穴は、
合谷(LI−4)経穴、
該合谷経穴の手の反対側の点、
内関(PC−6)経穴、及び
外関(SJ−5)経穴
から選択される。
【0019】
電流は、2,3又は4つの該選択された経穴の周囲に適用されるのが望ましく、該2又は4つの該経穴であることが望ましい。
【0020】
一実施例においては、該電流は、被験者の選択された経穴の周囲内又は周囲上に配置された少なくとも一の電極を通じて適用される。
【0021】
該電極は、針電極及び肌接触電極より選択されるのが望ましい。
【0022】
電流は、選択された経穴の周囲に単一の針電極又は2つの肌接触電極を使用して提供するのが望ましい。
【0023】
電流は、選択された経穴の周囲に単一の針電極を被験者の選択された経穴の周囲に挿入して提供するのが望ましい。
【0024】
電流は、選択された経穴付近の第1の肌面上に第1の肌接触電極と、該選択された経穴付近の第2の肌面上に第2の肌接触電極を配置することにより、選択された経穴の周囲に適用することが望ましい。該第1及び第2の肌面は、該選択された経穴が位置する肢の両側であることが望ましい。
【0025】
一実施例においては、該電流は該経穴から約1又は2cm上又は以内で適用されることが望ましく、約0.5,0.6,0.7,0.8,又は0.9cm以内であることがより望ましい。
【0026】
該電流は合谷(LI−4)経穴から約1又は2cm上又は以内で適用されることが望ましく、約0.5,0.6,0.7,0.8,又は0.9cm以内であることがより望ましい。
【0027】
該電流は、手の合谷経穴の反対側から約1又は2cm上又は以内で適用されることが望ましく、約0.5,0.6,0.7,0.8,又は0.9cm以内であることがより望ましい。
【0028】
該電流は内関(PC−6)経穴から約1又は2cm上又は以内で適用されるのが望ましく、約0.5,0.6,0.7,0.8,又は0.9cm以内であることがより望ましい。
【0029】
該電流は外関(SJ−5)経穴から約1又は2cm上又は以内で適用されるのが望ましく、約0.5,0.6,0.7,0.8,又は0.9cm以内であることがより望ましい。
【0030】
一実施例では、該電流は被験者の閾値かこれよりも強く提供される。該電流は被験者の閾値の少なくとも約2倍であることが望ましい。
【0031】
該電流は、少なくとも約1,2,4,5,6,8,10,12,14,16,20,22又は24mAであることが望ましい。
【0032】
該電流は約4から16mAであることが望ましい。
【0033】
一実施例においては、該電流は少なくとも約1Hzの周波数で提供される。該電流は、約120Hz以下の周波数で提供されるのが望ましい。該電流は、約2Hzから約100Hzの周波数で提供されるのが望ましい。
【0034】
一実施例では、該電流は少なくとも2つの周波数の間で交互に変化する。該電流は、約1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10Hzから、約15,30,40,50,60,70,80,90,100,110又は120Hzの周波数の間で交互に変化するのが望ましい。
【0035】
一実施例では、前記周波数は1,2,3,4又は5秒毎に変化する。該周波数は3秒毎に変化するのが望ましい。
【0036】
該周波数は、約2Hzの周波数から、約100Hzの周波数に3秒毎に変化するのがより望ましい。
【0037】
一実施例では、約2Hzの周波数から、約15Hzの周波数に3秒毎に変化する。
【0038】
一実施例では、該電極は、電気鍼装置からの電流を受ける。
【0039】
一以上の電極が使用される実施例では、電流は各電極に同時に提供されるのが望ましい。
【0040】
一実施例では、該電気鍼装置は、電流を独立して供給可能な、少なくとも第1のチャンネルと第2のチャンネルとを有する。
【0041】
一実施例では、各チャンネルは少なくとも一つの電極に繋がれており、複数の電極が望ましく、また各チャンネルは二つの電極に繋がれているのがより望ましい。
【0042】
一実施例では、該第1チャンネルは第1の条件のセットを、該第2チャンネルは第2の条件のセットを提供する。
【0043】
一実施例では、該非治療方法は、
(1)初期周期、及び
(2)離脱周期
を含む計画にしたがって行われる。
【0044】
一実施例では、該初期周期は約2週間から約8週間の期間である。前記初期周期は約4週間の期間であることが最も望ましい。
【0045】
本発明の非治療方法は、該初期周期の間に、毎日2,3,4又は5回行われる、毎日3回又は4回であることが望ましい。
【0046】
本発明の非治療方法は、午前中、昼食後、昼下がり及び就寝前行われるのが望ましい。
【0047】
一実施例では、該離脱周期は約2週間から約12週間の期間であり、非治療方法は毎日1又は2回或いは渇望が生じたときに行われる。
【0048】
本発明の他の見地は、例だけの方法で与えられる下記の記載及び添付の図面より明らかにされる。
【0049】
この発明は、個別的又は集団的に本願明細書で参照されたか又は示された各部分、要素及び特徴、及び2以上の各部分、要素及び特徴の全ての組み合わせに本質的に広く存在し、ここで説明された整数は、本発明が関連する技術の公知の等価物を有し、これらの公知の等価物は、あたかも個別に説明するように組み込まれる。
【0050】
ここで開示されている数値範囲(例えば、1〜10)についての参照は、この範囲内の全ての有理数(例えば、1, 1.1, 2, 3, 3.9, 4, 5, 6, 6.5, 7, 8, 9及び 10)を参照すること及びこの範囲の有理数の全ての範囲(例えば、2〜8,1.5〜5.5及び3.1〜4.7)が含まれる。
【0051】
本発明は、ここでは例のみ及び図面により説明される。
【発明の詳細な説明】
【0052】
本発明は、被験者の喫煙の欲求の低減、禁煙支援、ニコチン離脱症状の緩和、ニコチン中毒による渇望の緩和、ニコチンへの欲求の緩和を必要とする、これらに有用な非治療方法を提供する。
【0053】
世界保健機関(WHO)は、喫煙及びニコチン中毒を、世界中に最も流行している人間の行動の中毒の一つと分類している(グラウ及びその他、2005年)。禁煙の成功には、個人の行動パターンの変更が要求される(モヒット、エイ.、2002年)。現在の発明は、喫煙に向かう個人の行動を助けることに集中している。
【0054】
この文書で、“非治療方法”の表現は行動論的方法を意味し、喫煙に関する病気の予防や治療とは何ら関係しない。本発明による該非治療方法は、人々の喫煙又はニコチンの中毒の克服を支援する。
【0055】
さらに、この非治療方法を使用する該“被験者”は、単なる喫煙中毒であり、必ずしも病気ではない。
【0056】
本発明の該非治療方法は、該被験者に対し被験者の両腕及び両手の中又は上より選択された2以上の経穴の周囲に電流を適用することを一般に含む。この手法は電気鍼として知られている。
【0057】
電気鍼は、組織に挿入された金属鍼を通じるか使用することにより運ばれる電気的刺激を含む。
【0058】
技術的に多くの電気鍼装置が知られており、所望の経穴を刺激可能ないかなる装置も使用可能である。適当な装置は、電源に接続された鍼又は皮膚接触電極を含む電極を用いることができる。
【0059】
このような電極は、関係する経穴の周囲に別々に又は同時に配置することができる。さらに、該電極は、関連する経穴を覆い着用されるように設計された物品である着脱可能な手袋袖、ブレスレットのような形状又は腕時計のような装置においても用いることができる。これらの装置は被験者による自己管理を可能とし、持ち運びが可能であるという利点を提供する。
【0060】
上記で引用された該装置は、経穴の身体的刺激を利用するものであり、直接的な物理的近接を利用することなく刺激を与える非侵襲的技術を可能とする。例えば、実際に手に物理的に接触することなく刺激を与える、手を包む装置の使用が可能であると想定される。そのような装置は、電界、レーザー鍼等を用いることができる。
【0061】
本発明の該非診療方法は、これを必要とする被験者に電流を適用することを含み、この電流は下記より選択される2以上の経穴の周囲に適用される。
【0062】
各手の裏側の親指の骨と人差し指の骨の交わる箇所である合谷「Hegu」(LI−4)経穴、
合谷経穴の手の反対側の点、
橈骨と尺骨の間、手首の背の横の皺から2寸(cun)上にある、外関「Wai Guan」(SJ−5)経穴、および
長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手首の横の皺から2寸上にある、内関「Nei Guan」(PC−6)。
【0063】
ここで使用される語“寸(cun)”とは、人の指の幅の距離の単位を意味し、一寸とは中指の近位指節間関節背面において交差する距離と概ね等しい。
【0064】
図1は、これらの4つの経穴:合谷(LI−4)(手の上下両側)、外関(SJ−5)及び内関(PC−6)を図示する。
【0065】
電流はこれら2、3又は4つの経穴の周囲に適用されるのが望ましく、これらの2つ又は4つの経穴に与えられるのが望ましい。
【0066】
一実施例では、電流は被験者の選択された経穴の周囲上又は内部に配置された少なくとも一つの電極を通じて適用される。
【0067】
電極は、一の針電極及び2つの肌に接触する電極を選択することが望ましい。
【0068】
電流は、一の針電極又は2つの肌に接触する電極を使用して選択された経穴の周囲に適用されるのが望ましい。
【0069】
電流は、被験者の選択された一の経穴の周囲に、一の針電極を挿入して適用するのが望ましい。該針は被験者の手又は腕の組織に被験者の肌を通じて、該針の部分が選択された経穴の周囲内に位置する所望の位置まで挿入される。
【0070】
電流は、該選択された経穴付近の第一の皮膚表面上に第一の肌接触電極と、該選択された経穴付近の第二の皮膚表面上に第二の肌接触電極を配置することにより経穴の周囲に適用するのが望ましい。該第一及び第二の肌表面は、該選択された経穴が位置する肢の両側であることが望ましい。このような少なくとも二つの肌接触電極の使用は、皮膚面の下に位置する経穴を通じる該電流が役立つレベルで適用することを確実とするためである。
【0071】
該電流は、選択された経穴の周囲に、一以上の該選択された経穴の周囲の神経、皮下組織、筋繊維及び生体系を刺激するために適用されるのが望ましい。
【0072】
理論よる束縛を望まないが、本発明の非治療法の有効性は、選択された経穴又は該選択された経穴付近の身体の構造を刺激する非治療法の能力に由来すると考えられる。
【0073】
考えられる身体構造には、一以上の神経、皮下組織、筋繊維及び生体経が含まれる。
【0074】
ここで用いられる“生体系”の語は、本発明の非治療方法により化学的又は電気的の何れによっても刺激可能な、シグナル伝達又は調節ネットワークに向けることを目的とする。このようなネットワークは中枢神経系、末梢神経系、ホルモン調製システム及び化学的シグナル経路を含む。
【0075】
該経穴自体又は該選択された経穴の周囲の身体構造を刺激することは、ヒト天然分子の合成と放出を誘発することが示されている。これらの天然分子は、体の自己調整システムの多くに直接作用し、また生物学的経路を通じ、身体恒常性上の刺激点から遊離して他の分子の変調を誘発し、体の自然治癒力を刺激することや、身体的及び感情的な安らぎを促進する。例として、遠隔的な刺鍼法は、免疫反応や免疫プロセスの意識的及び無意識的な身体機能に関連する中枢神経の一部に作用し、それによってヒトの血圧、血流及び体温が調節されることが確認されている。
【0076】
一実施例においては、電流は略1、2、3、4又は5cm、望ましくは略1から2cm、より望ましくは該経穴から略0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9cm上又は以内で適用される。
【0077】
複数の電極が使用されるこれらの実施例においては、該選択された経穴の周囲における所望の位置に各電極が置かれると、各電極は同時に作動して上記経穴に同時刺激を供給する。
【0078】
一実施例においては、該電極は電気鍼装置からの電流を受ける。一実施例においては、該電気鍼装置は刺激の強度、周波数、変化及び持続時間により定義される刺激条件を複数セット供給する。該刺激条件の複数セットの供給は、分離したチャンネルを経由することが望ましい。
【0079】
一以上の電極が使用される実施例においては、電流を各電極に同時に提供することが望ましい。一実施例においては、該電気鍼装置は独立して電流を提供する少なくとも第一のチャンネル及び第二のチャンネルを有する。一実施例においては、各チャンネルは少なくとも一の電極、望ましくは複数の電極、より望ましくは各チャンネルが二つの電極に繋がれていることが望ましい。
【0080】
一実施例においては、該第一のチャンネルは条件の第一のセット、該第二のチャンネルは条件の第二のセットを提供する。
【0081】
複数の経穴を同時に刺激する場合、複数の刺激条件を提供する複数のチャンネルの使用は、使用者が特に希望する経穴について最も適切な刺激条件のセットを選択することを可能にする。
【0082】
好ましい実施例における肌接触電極は下記の4つの点に適用される:
第一チャンネル: 一の電極を合谷経穴(LI−4)に配置し、他の電極は同じ手の対応する反対側の点(即ち手の平側)に配置する。
第二チャンネル: 一の電極を内関経穴(PC−6)に配置し、他の電極を外関経穴(SJ−6)に配置する。
【0083】
電流は、合谷経穴(LI−4)の約1、2、3、4又は5cm上又は以内、より好ましくは約0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9cm以内で適用されるのが望ましい。
【0084】
電流は、手の反対側の合谷経穴の約1、2、3、4又は5cm上又は以内、より好ましくは約0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9cm以内で適用されるのが望ましい。
【0085】
電流は、内関経穴(PC−6)の約1、2、3、4又は5cm上又は以内、より好ましくは約0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9cm以内で適用されるのが望ましい。
【0086】
電流は、外関経穴(SJ−5)の約1、2、3、4又は5cm上又は以内、より好ましくは約0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9cm以内で適用されるのが望ましい。
【0087】
望ましい結果を得るために、刺激強度の範囲を用いることができる。我々は、この範囲の下限値は略1mAか、或いは少なくとも被験者の閾値であると想定する。さらに、この範囲の上限値は、被験者の閾値の三倍か或いは24mAであると想定する。24mAの電流の強さは、一般的に刺激の上限であり、これより上は筋肉の痙攣や不快な感覚を引き起こすおそれがある。本発明の該望ましい実施形態では、該刺激の強さは被験者の閾値の略2倍から3倍である。当然のことながら、ヒトの電流の刺激感応性の変動によって、用いられる実際の刺激の強さ(すなわち、mAにおける電流)は、各被験者の痛みの閾値による。好ましい範囲が略4〜16mAである場合、刺激強度の該望ましい範囲は、各個人のために調節することが必要とされるだろう。例えば、痛みの感度は年齢と共に減少するため、年長被験者のための望ましい範囲はより高い範囲に調節することが必要とされる(例えば、3〜7、4〜8、5〜9、6〜10、5〜12mAなど)。若年被験者のための望ましい範囲は、例えば1〜3、2〜4、或いは3〜5mA)である。
【0088】
痛みの閾値の変化にはばらつきがあるため、通常は患者の電気刺激の閾値の検査が必要とされる。これは、通常被験者を非常に低い電流の強度(1mA未満)で刺激し、該被験者が最初に電気刺激を感じるまで該強度を増すことにより行われる。該被験者が電気刺激を感じる最初のポイントが、該被験者の閾値である。
【0089】
一実施例では、該電流は該被験者の閾値と同じであるか或いは強い。該電流は、該被験者の少なくとも約2倍であることが望ましい。
【0090】
該電流は少なくとも略1、2、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、22或いは22mAが望ましい。
【0091】
本発明の該好ましい実施例においては、電気鍼は直流も使用可能であるが、交流が使用される。
【0092】
図2を参照すると、連続的な波形1、希薄及び高密度な波形2又は断続的な波形3が波形の異なる種類の例であり、これらは電気鍼装置によって生成される。連続的な波が望ましい。総体的な刺激の周波数は(連続波或いは高密度波のパルスの何れでも)、針を回し、持ち上げ/差し込むことを介する手の刺激により誘発される神経インパルスの周波数と同様に設定することが望ましい。
【0093】
望ましい結果を得るために、刺激周波数の範囲を用いることができる。我々は、この範囲の下限値は略1Hz、上限値は略120Hzであり、より望ましい範囲は略2〜略100Hzであると想定する。したがって、一実施例において電流は少なくとも略1Hzの周波数で適用される。該電流は、略120Hz未満の周波数で適用することが望ましい。被験者に与えられる適切な周波数は、本発明の非治療方法を用いる場合の長期にわたる選択された周波数の効果についての熟練者により定めることができる。
【0094】
本発明の望ましい実施例においては、刺激周波数は多周波間で変わる。該刺激周波数は、個人の被験者の相違により使用される周波数の上下の範囲と認識されるものであるが、略2及び100Hzの間で交互に変わる(例えば、下限値は略1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10Hzであり、上限値は略15、30、40、50、60、70、80、90、100、110又は120Hzその他である)。
【0095】
一実施例では、電流は少なくとも二つの周波数の間で交互に変わる。該電流の周波数は略2Hzの周波数から略100Hzの周波数で交互に変わることが望ましい。
【0096】
該周波数は、3秒毎に略2Hzの周波数から略100Hzの周波数に交互に変わることが最も望ましい。
【0097】
一実施例においては、該周波数は15秒毎に略2Hzの周波数から略15Hzの周波数に交互に変わる。
【0098】
複数の周波数において刺激を適用する場合、電流は約0.1秒から約30秒間で各周波数が使用される。各周波数は約1秒から約6秒間で使用されるのが望ましく、さらに約3秒間で使用されるのがより望ましい。したがって、一実施例においては、該周波数は1、2、3、4又は5秒毎に交互に変わる。該周波数は3秒毎に交互に変わるのが望ましい。
【0099】
望ましい一実施例においては、該周波数は略2Hzの周波数から略100Hzの周波数へ3秒毎に交互に変わる。
【0100】
異なる経穴の刺激は異なる電流及び周波数で行うことができる。複数の周波数が使用される場合、該周波数が交互に変わる周期は次から次へと変化できる。
【0101】
該刺激周期の間に、被験者は該刺激に適応できるようになる(これは、一般的に最初の1分または2分後で起こる)。電気的出力は、その後の該感覚のために周波数及び/又は強度において調節可能である。
【0102】
最大限の効果を発揮するための刺激の周期及び強度は、被験者の快適性を維持するべく選択されるべきである。標準的な電気鍼の周期は、使用状況及びこれらの有効性と被験者の許容範囲による。被験者間で選択された条件の様々な反応により、功を奏するセッションは一度から我慢できる限度まで、どのような周期でもよい。各セッションは通常少なくとも一分間の周期であることが望ましく、望ましくは10〜60分であり、より望ましくは10、15、20、25、30,35又は40分であり、そして最も望ましいのは20、25又は30分である。
【0103】
図3を参照すると、本発明の非治療方法の我々の好ましい実施例は異なる2段階で用いられる。最初の段階は約2〜約8週間又は実質的な解毒を達成するのに必要な期間と同じ、解毒段階である。我々の好ましい実施例では、該解毒段階は、毎日使用される3〜4回の鍼セッションと共に約4週間継続し、この毎日のセッションは朝、昼食時又は昼食後、昼下がりの期間及び就寝前のセッションに対応する。
【0104】
第2の“離脱”段階は、さらなる期間にわたって減少する該セッションの該周期である。
【0105】
第2の“離脱”段階は、更なる期間(例えば1、2、4、6、8、10又は12週)に渡るか、或いは渇望の頻度の実質的な減少を達成するのに必要であるのと同じ期間のセッションの頻度を伴う。我々の好適な実施例では、該解毒段階は約2〜約12週間続く。最終的な狙いは、毎日就寝前の1回のセッション及びいつでも渇望が生じた場合のセッションの頻度に減少させることである。
【0106】
したがって、非治療方法の一実施例は、
a)初期周期、及び
b)離脱周期
含む管理体制により行われる。
【0107】
一実施例における該初期周期は約4週間であり、本発明の非治療方法は毎日2、3、4又は5回行われる。一実施例における離脱周期は約12週間であり、本発明の非治療方法は毎日1又は2回或いは渇望が生じた場合に行われる。
【0108】
万一渇望が再発した場合にはいつでもセッションを適用できることは、本技術の熟練者にとって評価されている。また該鍼を受ける人の必要に適応させるために、該2段階の長さと鍼セッションの頻度を変化させることができるのも明らかである。
【0109】
試験
試験1
個人の喫煙者3人が本発明の非治療方法を使用し、渇望の感覚が低減したことが報告された。該3人の個人は就寝前に一度そして、日中に半セッションを用いた。各セッションは30分間であり、3秒毎に2から100Hz周期の当該個人の閾値の2倍の電流が含まれた。一つのチャンネルが二つの電極に繋がれた二つのチャンネルを含む電気鍼装置が用いられた。これは下記の各経穴に連続的な刺激を可能とした:
合谷経穴(LI−4)、
該合谷経穴の手の反対側の点、
内関経穴(PC−6)、及び
外関経穴(SJ−5)。
【0110】
試験2
試験計画
我々は、20人の喫煙依存者の二つのグループを無作為に
10mA“標準強度”の第1群;又は
5mA“低強度”の第2群
に割り当てることを含む、本発明の非治療方法を使用する二重盲検比較一日パイロット試験を設計した。
【0111】
到着と同時に、全ての被験者は、全試験期間にわたり禁煙することを頼まれた。該被験者の遵守を確実にするべく、コチニン濃度を監視するための3つの血液見本と、6つの呼気中の一酸化炭素(CO)濃度の測定結果が本試験の間に採取された。本試験の期間中、合計20〜30mLの量の血液が採取された。
【0112】
本試験への参加は26時間継続した(金曜日の午後6時から土曜日の午後8時迄)が、被験者は金曜日の午後9時から土曜日の午前8時30分迄帰宅することが許可された。
【0113】
各グループにおいて、被験者は3秒毎に2〜100Hz周期の電流を含む30分間のセッションを4回受けた。各セッションは下記のように施された:
−第1日目午後6時に1セッション
−第2日目午前8時、午後12時、午後4時に3セッション。
鍼装置及び刺激される経穴は、試験1に関するものと同じである。
【0114】
本発明の非治療法の有効性を評価する第一の有効性結果の程度は、渇望の評価に使われる標準的なアンケートであった:喫煙衝動のアンケート(QSU−ブリーフ)、第2の有効性結果の指標は、喫煙の渇望を測定するVASスケール(視覚的アナログ尺度)であった。
【0115】
コックス(Cox)その他の研究(2001)から、制御された研究所の設置と外来患者禁煙クリニック内からQSU−ブリーフアンケートの信頼性が明らかに確立され、この指標が渇望の自己報告の多次元特徴を捕捉できたことを証明した。
【0116】
アンケートは、ティファニー&ドローブス(Tiffany & Drobes)(1991)によって開発された概要10項目のバージョンの該QSUであり、より信頼性の高い指標と、渇望の多次元的種類の潜在性の評価を提供する。被験者は、“決してそう思わない”から“非常にそう思う”迄にわたる7つの基準を使用して該各10項目を評価するように指示された。全体的なスコアは、該10項目のスコアの平均として表された。各項目は、4つの顕著な喫煙願望:喫煙欲、喫煙意思、肯定的な結果の予想、及び使用中止又は悪影響の緩和の予想、の概念化の一を表している。該評価された10項目とは:
1.今すぐに煙草が欲しい。
2.今は煙草を吸うより良いことは何もない。
3.もし可能であれば、すぐに喫煙するだろう。
4.もし煙草が吸えれば、今すぐものごとをうまくコントロールできる。
5.今は煙草しか頭にない。
6.煙草に対する欲求がある。
7.今、煙草は美味いだろう。
8.今は煙草のためなら何でもする。
9.喫煙は落胆を軽減する。
10.できる限り早く煙草を吸うつもりである。
【0117】
試験手順
第1日−午後6時
・ 5mA又は10mAのグループにランダム化
・ 次の26時間のための最後の喫煙
・ コチニン用量のための血液サンプルの収集
・ 呼気中のCO(一酸化炭素)の収集、計測のために使用される装置へ息を吹き込む
・ QSU−ブリーフアンケート及び視覚的アナログ尺度(VAS)の記入
・ 医師による健康診断
・ 最初の電気鍼セッション(30分間持続)
第1日−午後8時〜午後9時
・ QSU−ブリーフアンケート及びVASの記入
・ 看護婦によるバイタルサインのコントロール
第2日−午前8時
・ コチニン用量のための血液サンプルの収集
・ 呼気中のCO(一酸化炭素)の収集、計測のために使用される装置へ息を 吹き込む
・ QSU−ブリーフアンケート及びVASの記入
・ 看護婦によるバイタルサインのコントロール
・ 2度目の電気鍼セッション(30分間持続)
第2日−午前12時
・ 呼気中のCO(一酸化炭素)の収集、計測のために使用される装置へ息を 吹き込む
・ QSU−ブリーフアンケート及びVASの記入
・ 看護婦によるバイタルサインのコントロール
・ 3度目の電気鍼セッション(30分間持続)
第2日−午後4時
・ 血液サンプルの採取
・ 呼気中のCO(一酸化炭素)の収集、計測のために使用される装置へ息を 吹き込む
・ QSU−ブリーフアンケート及びVASの記入
・ 看護婦によるバイタルサインのコントロール
・ 4度目の電気鍼セッション(30分間持続)
第2日−午後6時
・ 呼気中のCO(一酸化炭素)の収集、計測のために使用される装置へ息を 吹き込む
・ QSU−ブリーフアンケート及びVASの記入
・ 看護婦によるバイタルサインのコントロール
第2日−午後8時
・ 呼気中のCO(一酸化炭素)の収集、計測のために使用される装置へ息を 吹き込む
・ QSU−ブリーフアンケート及びVASの記入
・ 看護婦によるバイタルサインのコントロール
試験結果
図4は、該実験過程全般における被験者の平均血中コチニン濃度の減少を示し、同時に図5は被験者の呼気中の平均CO濃度の減少を示す。これらの結果は、該被験者が該試験過程中に喫煙していないことを確認するものである。
【0118】
被験者が喫煙せず、また処置を受けない場合には喫煙の渇望が増加する。本発明の非治療方法は、処置期間における喫煙への渇望又は喫煙への渇望が増加するのを低減する。この効果は、開始時点と比較して喫煙への渇望が増加しなかった平均のグループだけでなく、その渇望が減少したものも該QSU及びVAS曲線(図6及び図7)に明確に示されている。図6及び図7において、各電気鍼セッションの時間は矢印で示されている。
【0119】
喫煙を伴わず一日経過した後は(該遵守規定により評価されたもの)、図7に示すように、本発明の該非治療方法を受けた二つのグループにおける煙草渇望QSUスコアの該平均は減少した。対照的に、如何なる処置もないと、その後の禁煙で渇望の増加が予想される。同様の結果は、図7に示すようにVASスコアの平均から観察される。
【0120】
我々はまた、表1で例示されているように、5mAの刺激を受けているグループと、10mAの刺激を受けているグループを比較し、QSUスコアに沿った絶対低下による反応強度を分析した場合の用量有効性効果を観察した。
【0121】


【0122】
参考文献

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【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の非治療方法は、個人に喫煙を控えるか又は完全に回避するために用いることができる。
【0124】
前述の記述の参照は、公知の均等物を有する要素または整数についてなされ、そして、これらの均等物は独立して説明するものも含まれる
本発明は例として及び個々の実施例を参照して示されているが、変更及び/又は改良は本発明の精神と範囲から逸脱することなくできる。
【0125】
さらに、本発明の特徴と側面がマーカッシュグループで記載されている場合には、当業者は、該マーカッシュグループの如何なる独立の要素又は要素の下位グループで記載された本発明についても認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1は、人の前腕上の好ましい経穴の位置を示す。
【図2】図2は、電気鍼装置により生成される異なる波形のサンプルを示す線図である。
【図3】図3は、本発明の非治療方法を用いるための好ましい計画の工程表である。
【図4】図4は、試験2の全体における被験者の血中コチニン濃度の平均を示すグラフである。
【図5】図5は、試験2の全体における被験者の呼気中の一酸化炭素(CO)濃度の平均を示すグラフである。
【図6】図6は、試験2の全体におけるQSU評価の変化の平均を示すグラフである。矢印は、各電気鍼セッションの時間を示す。
【図7】図7は、試験2の全体におけるVAS評価の変化の平均を示すグラフである。矢印は、各電気鍼セッションの時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、喫煙欲求の低減を必要とする、被験者への非治療喫煙欲求低減方法。
【請求項2】
被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、禁煙を必要とする、被験者への非治療禁煙支援方法。
【請求項3】
被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン禁断症状の緩和を必要とする、被験者への非治療ニコチン禁断症状緩和方法。
【請求項4】
被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン中毒の結果による渇望症状の緩和を必要とする、被験者への非治療渇望症状緩和方法。
【請求項5】
被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン渇望緩和又は軽減を必要とする、被験者への非治療ニコチン渇望緩和又は軽減方法。
【請求項6】
被験者の両腕及び両手の内部又は上部にある経穴から選択された二以上の経穴の周囲に電流を与えることを含む、ニコチン中毒処理を必要とする、被験者への非治療ニコチン中毒処理方法。
【請求項7】
該経穴は、
合谷(LI−4)経穴、
該合谷経穴の手の反対側の点、
内関(PC−6)経穴、及び
外関(SJ−5)経穴
より選択される請求項1から6のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項8】
前記電流は、2,3又は4つの該選択された経穴の周囲に適用される請求項7に記載の非治療方法。
【請求項9】
該電流は、被験者の選択された経穴の周囲内又は周囲上に配置された少なくとも一の電極を通じて適用される、請求項1から8のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項10】
該電極は、針電極又は肌接触電極より選択される請求項9に記載の非治療方法。
【請求項11】
前記電流は、該選択された経穴付近の第1の肌面上に第1の肌接触電極と、該選択された経穴付近の第2の肌面上に第2の肌接触電極を配置することにより、選択された経穴の周囲に適用される請求項9又は請求項10に記載の非治療方法。
【請求項12】
前記第1及び第2の肌面は、該選択された経穴が位置する肢の両側である請求項11に記載の非治療方法。
【請求項13】
該電流は、選択された経穴の周囲に、該選択された経穴の周囲の神経、皮下組織、筋繊維及び生体系を刺激する請求項9に記載の非治療方法。
【請求項14】
前記電流は2、3又は4つの該選択された経穴から約0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1又は2cmで又は以内で適用される請求項1から請求項13のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項15】
前記電流は、被験者の閾値の約2倍かこれよりも強く提供される請求項1から14のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項16】
前記電流は、少なくとも略1,2,4,5,6,8,10,12,14,
16,18,20,22又は24mAである請求項1から15のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項17】
前記電流は、周波数が略1Hzから略120Hz又は略2Hzから略100Hzで提供される請求項1から16のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項18】
前記電流は、少なくとも2つの周波数の間で交互に変化する請求項1から
17のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項19】
前記電流の周波数は、略1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10Hzの周波数から、略30,40,50,60,70,80,90,100,110又は120Hzの周波数へ変化する請求項18に記載の非治療方法。
【請求項20】
前記周波数は、1,2,3,4又は5秒毎に変化する請求項18又は請求項19に記載の非治療方法。
【請求項21】
前記電流は、1以上の電極に同時に提供される請求項9から13のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項22】
前記1以上の電極は、電気鍼装置からの電流を受ける請求項9から13のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項23】
前記電気鍼装置は、電流を独立して供給することができる、少なくとも第1のチャンネルと第2のチャンネルとを有する請求項22に記載の非治療方法。
【請求項24】
前記各チャンネルは一以上の電極に繋がれている請求項23に記載の非治療方法。
【請求項25】
前記第1チャンネルは第1の条件のセットを、前記第2チャンネルは第2の条件のセットを提供する請求項23又は請求項24に記載の非治療方法。
【請求項26】
前記非治療方法は、
a)初期周期、及び
b)離脱周期
を含む計画にしたがって行われる請求項1から25のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項27】
前記初期周期は約2週間から約8週間の期間である請求項26に記載の非治療方法。
【請求項28】
前記初期周期の間に、該非治療方法が毎日2,3,4又は5回行われる請求項26又は請求項27に記載の非治療方法。
【請求項29】
前記離脱周期は、約2週間から約12週間の期間である請求項26から28のいずれかに記載の非治療方法。
【請求項30】
前記離脱周期の間に、該非治療方法が毎日1又は2回行われる請求項26から29の何れかに記載の非治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−515528(P2008−515528A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535649(P2007−535649)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【国際出願番号】PCT/SG2005/000342
【国際公開番号】WO2006/043905
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507115322)モレアック ピーティーイー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】