移動体の給電装置
【目的】 電極構造を簡易にする。
【構成】 移動体に複数個設けられた電源集電用の電極と、移動体駆動用の電源電圧を供給する給電板21と、給電板21に電源電圧を供給する電源とを備えた移動体の給電装置において、第1の絶縁板21aを挾んで互いに絶縁された2枚の導体板21b、21cと、いずれか一方の導体板21cと第2の絶縁板21dを挾んで互いに絶縁された電極板21e、21fとを設け、電極板21e、21fを互いに分離した状態で複数個形成し、相隣合う電極板21e、21fを貫通孔23、24を介してそれぞれ異なる導体板21b、21cに電気的に接続し、2枚の導体板21b、21cをそれぞれ陽極及び陰極の電極となるように電源から電源電圧を供給し、少なくとも2本の電極を常に相隣合う電極板21e、21fに接触させた。
【構成】 移動体に複数個設けられた電源集電用の電極と、移動体駆動用の電源電圧を供給する給電板21と、給電板21に電源電圧を供給する電源とを備えた移動体の給電装置において、第1の絶縁板21aを挾んで互いに絶縁された2枚の導体板21b、21cと、いずれか一方の導体板21cと第2の絶縁板21dを挾んで互いに絶縁された電極板21e、21fとを設け、電極板21e、21fを互いに分離した状態で複数個形成し、相隣合う電極板21e、21fを貫通孔23、24を介してそれぞれ異なる導体板21b、21cに電気的に接続し、2枚の導体板21b、21cをそれぞれ陽極及び陰極の電極となるように電源から電源電圧を供給し、少なくとも2本の電極を常に相隣合う電極板21e、21fに接触させた。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車、競走馬等を模した移動体を移動平面内で走行させる際に、この移動体に外部から駆動用電源を供給するための移動体の給電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の移動体の給電装置としては、例えば実開平1−56287号公報に開示されたものがある。実開平1−56287号公報に開示された移動体の給電装置は、絶縁板の上面と下面に帯状の電極を複数形成し、さらに、両面の電極が互いに交叉するように敷設した状態で上面又は下面において隣り合う電極同志が互いに陽極又は陰極となるように上面及び下面の電極を貫通孔(スルーホール)により電気的に接続したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の移動体の給電装置では、上面及び下面の電極は全く同一形状に形成されており、従って、いずれの面においても移動体に対する給電作用をもたらすことができるが、それぞれの面に電極加工を施さねばならず、構造が複雑であるという問題があった。
【0004】本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極構造が簡易な移動体の給電装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1の発明は、移動平面内を移動する移動体に複数個設けられた電源集電用の電極と、移動平面と平行に設けられ、移動体に駆動用の電源電圧を供給する給電板と、給電板に電源電圧を供給する電源とを備えた移動体の給電装置に適用される。そして、上述の目的は、第1の絶縁板を挾んで互いに絶縁された2枚の導体板と、導体板のうちいずれか一方の導体板と第2の絶縁板を挾んで互いに絶縁された電極板とを給電板に設け、第2の絶縁板の表面に電極板を互いに分離した状態で複数個形成し、相隣合う電極板を貫通孔を介してそれぞれ異なる導体板に電気的に接続し、2枚の導体板をそれぞれ陽極及び陰極の電極となるように電源から電源電圧を供給し、複数の移動体の電極のうち少なくとも2本の電極を常に相隣合う電極板に接触させることにより達成される。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載の移動体の給電装置において、複数の電極板を全て同一の多角形状に形成したようなものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の移動体の給電装置において、第1及び第2の絶縁板に接触する側の導体板を陽極とするように電源から電源電圧を供給したようなものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項1〜3に記載の移動体の給電装置において、第1の絶縁板にのみ接触する側の導体板の表面に絶縁処理を施したようなものである。
【0009】
【作用】
−請求項1−給電板の一方の面には電極板が列設されるとともに、他方の面には一方の導体板のみ露出する。加えて、2枚の導体板は単一の板状部材で足りる。
【0010】−請求項2−複数の電極板は同一の多角形状に形成されているので、電極板の面積を適宜設定することにより、複数の移動体が走行した場合でも複数の移動体の集電用電極が共通の電極板に集中することがなくなる。
【0011】−請求項3−陽極となる導体板は第1及び第2の絶縁板に挾持されるため、この導体板は常に外部から絶縁状態で保護される。
【0012】−請求項4−絶縁処理により、2枚の導体板はともに絶縁状態で保護される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。本実施例のゲーム装置は、競輪レースを模した競輪ゲーム装置に適用されたものである。この図において、1は基台、2は基台1上に形成されたトラックである。本実施例のトラック2は、2本の直線トラック2aの両端をそれぞれ半円状の円形トラック2bで連結した、いわゆる長円環状に形成されている。
【0014】円形トラック2bは、内周部から外周部に向かうに従って斜め上方に傾斜した、いわゆるバンク形状に形成されている。より詳細には、円形トラック2bの中央(直線トラック2aから一番遠い部分)の外周部が最も高く形成され、内周部は直線トラック2aと同一高さに形成されている。円形トラック2bと直線トラック2aとの接続部の外周部も内周部よりやや高く形成されており、従って、直線トラック2aの円形トラック2bとの接続部は、トラック2全体として連続した曲面に形成するために、内周部より外周部がやや高く形成されている。
【0015】基台1の周囲には操作部(コントロールパネルとも言う)3が設けられている。この操作部3は、本実施例のゲーム装置のプレーヤーに対して所定の表示を行い、かつ、プレーヤーからの所定の操作入力を受けるためのものであり、本実施例のゲーム装置において同時遊戯可能なプレーヤー数(本実施例では8人)に対応する個数だけ設けられている。
【0016】操作部3は、モニター4、モニター4の表面に設けられた透明なタッチパネルからなる操作パネル5、コイン投入口6及びコイン払出口7を備えている。モニター4にはゲーム進行に必要な情報、一例としてゲーム開始告知、出場選手紹介、賭け率(オッズ)表示、入賞表示等が表示される。操作パネル5はプレーヤーからの各種情報入力、一例として賭け入力(ベット)のために設けられている。
【0017】本実施例では、トラック2上に6台の模型自転車(図1では図示略)が配置され、各模型自転車は以下詳述する駆動機構によりこのトラック2上を走行可能に構成されている。
【0018】図2は、模型自転車の駆動機構の概略を示す模式図である。図2に示すように、本実施例のゲーム装置の基台1は、ガラス等の光線透過能を有する材質からなる支持板20と、支持板20上方にこの支持板20と平行に設けられた中間支持板21と、上面がトラック2となる走行板22とを有する3階構成とされている。そして、支持板20と中間支持板21との間には自走車30が、中間支持板21と走行板22との間には中継車60がそれぞれ模型自転車の台数分だけ配置され、走行板22の上面(すなわちトラック2の上面)には上述の模型自転車80が配置されている。
【0019】図3は、自走車30の外観構成を示す正面図、図4は同右側面図である。これらの図において、31は自走車30の筐体であり、中空箱状に形成されている。筐体31の進行方向前方(図3において右方)下部にはキャスター32が、進行方向後方(図3において左方)下部には駆動車輪33がそれぞれ回転自在に取り付けられている。駆動車輪33の駆動軸(図示略)は図3及び図4において図示しないモータに連結され、このモータにより駆動車輪33が回転駆動される。34は筐体31内に収納された基板であり、後述するマイコン等の各種回路がこの基板34上に形成されている。
【0020】35は筐体31の上方に設けられた上部基台であり、筐体31と上部基台35とはパンタグラフ機構36により上下方向伸縮自在に連結されている。パンタグラフ機構36は、筐体31の上方左右両端にそれぞれ2枚ずつ設けられたリンク板37を備え、リンク板37の両端はそれぞれピン38、39により筐体31上部及び上部基台35下部に連結されている。左方及び右方にあるそれぞれ2枚のリンク板37は互いの中央部においてピン40により連結され、さらにスプリング41により筐体31と上部基台35との間の距離が離間する方向に付勢されている。
【0021】上部基台35の進行方向前方にはキャスター42が、進行方向後方の左右両端部には一対のローラ43がそれぞれ回転自在に取り付けられている。これらキャスター42及びローラ43の上端高さは同一にされており、図2に示すように自走車30が支持板20及び中間支持板21の間に配置されるとこれらキャスター42及びローラ43の上端は中間支持板21の底面に当接し、自走車30の走行に連れて転動する。一対のローラ43の間には永久磁石44が配設されている。この永久磁石44の上端高さはローラ43の上端高さより僅かに低くされており、ローラ43が中間支持板21の底面に当接した状態でこの底面に対して微少間隔をもって中間支持板21の下方に位置するように構成されている。
【0022】45は上部基台35の進行方向前方に設けられた集電用電極である。集電用電極45の構造の詳細は図13及び図14を参照して詳細に説明する。
【0023】図13は集電用電極45の構造を示す一部破断斜視図、図14は同断面図である。これらの図において、集電用電極45は、基板55上に載置された電極支持基台54に複数本植設されている。集電用電極45は、上端が半球状に形成された摺接部45aと、摺接部45aの下端に形成された摺接部45aより大径なストッパ部45bと、ストッパ部45bの下端に形成されたストッパ部45bより小径な接地部45cとを備えている。
【0024】電極支持基台54には、摺接部45aよりやや大径でかつストッパ部45bより小径な貫通孔54aと、この貫通孔54aの下部に連通して設けられ、ストッパ部45bよりやや大径な収容孔54bとを備えている。また、基板55には、収容孔54bの底部に対応する位置に接地部45cよりやや大径でかつストッパ部45bより小径な貫通孔55aが形成されている。
【0025】以上から、集電用電極45は全体として収容孔54bの高さに相当するストロークを持って上下動自在に電極支持基台54に支持されている。さらに、ストッパ部45bと基板55との間には、スプリング56が収容孔54bに収容された状態で介装されており、このスプリング56の付勢力により集電用電極45は常に上方に付勢されている。
【0026】57はリード線であり、その一端は後述する安定化電源(図5参照)に接続されているとともに、他端は配線用ベース58を介して集電用電極45の接地部45cに接続されている。
【0027】一方、中間支持板21の底面には電源供給用の正側及び負側電極がそれぞれ形成されており、各電極には外部電源から電源電圧が供給されている。
【0028】図15は中間支持板21の底面形状を示す平面図、図16は図15のA−A’矢視断面図である。これらの図において、中間支持板21は、第1の絶縁層21aの上下面にそれぞれ形成された正側導電板21b及び負側導電板21cと、第1の絶縁層21aと反対側の正側導電板21bの表面に形成された第2の絶縁層21dと、第2の絶縁層21dの露出側表面に形成され、互いに所定間隔を置いて市松状に配置された全て同一の正方形状の電極板21e、21fと、負側電極板21cの露出側表面に形成された第3の絶縁層21gとを備える。
【0029】そして、相隣合う電極板はそれぞれ異なる導電板21b、21cに貫通孔23、24を介してそれぞれ電気的に接続されている。そして、正側導電板21bには不図示の外部電源から正の電源電圧が供給されるとともに負側導電板21cは外部電源に接地されることにより、中間支持板21の底面には交互に陽極電極板21e及び陰極電極板21fが列設されることになる。
【0030】従って、自走車30が支持板20及び中間支持板21の間に配置されるとスプリング56の付勢力により集電用電極45の摺接部45a上端が中間支持板21の陽極電極板21e及び陰極電極板21fにそれぞれ当接し、自走車30が支持板20上を走行しても集電用電極45の摺接部45a上端が常に中間支持板21の陽極電極板21e及び陰極電極板21fにそれぞれ摺接することにより、この集電用電極45を介して外部電源からの電源電圧が自走車30に供給される。
【0031】より詳細には、各集電用電極45には互いに逆方向のダイオードが一対接続されており、正方向のダイオードの出力線は1つにまとめられて安定化電源の正側端子に接続され、負方向のダイオードの出力線は1つにまとめられて安定化電源の負側端子に接続されている。従って、少なくとも1つの集電用電極45が中間支持板21の陽極電極板21e及び陰極電極板21fにそれぞれ当接すれば、安定化電源に外部電源から電源電圧が供給され、かつ、その極性は常に一定となる。このため、自走車30が支持板20上のどの位置を走行していても少なくとも1つの集電用電極45が中間支持板21の正側電極及び負側電極にそれぞれ当接するように、正側電極、負側電極及び集電用電極45の配置が定められている。
【0032】本実施例では、図15に示すように、陽極電極板21e及び陰極電極板21fは1辺が8mmの正方形状に形成され、かつ、隣り合う電極板21e、21fの間隔は2.5mmに設定されている。
【0033】一方、本実施例の集電用電極45は3本×2列、及びこれらの間に4本×1列、合計10本設けられており、1列の中の集電用電極45の間の間隔は一例として5mmに設定されている。列の間隔は一例として6mmとされ、さらに、隣り合う列の集電用電極は半ピッチ(すなわち2.5mm)だけずらされている。これにより、全体として集電用電極45は仮想的な六角形の頂点、辺及びこの六角形の内側に配置され、かつ、この六角形の全ての辺に平行な列上に集電用電極45が位置している。これにより、図15に示すように、自走車30がどの位置にあっても少なくとも1本の集電用電極45がそれぞれ陽極電極板21e及び陰極電極板21fに接触する。
【0034】加えて、集電用電極45の摺接部45aの直径は隣り合う陽極電極板21e及び陰極電極板21fの間の間隔より小さく形成されている(本実施例では1.5mmφ)。これにより、1本の集電用電極45が陽極電極板21e及び陰極電極板21fに跨って接触することがなく、安定した電源供給ができる。
【0035】図5は、自走車を構成面から平面的に見た状態のブロック構成図である。自走車30は、樹脂等から構成された一対の駆動車輪33a、33bをそれぞれ独立して回転駆動する一対のモータ46a、46bを有する。なお、以下の説明において、個々の駆動車輪、モータを区別して説明しない限り符号33、46で代表して指示する。
【0036】本実施例ではモータ46としてDCモータが用いられ、デューティ制御で速度調整及び必要に応じてバック走行(供給電流の極性反転による)を行うようにしている。また、パルス周波数で速度制御可能なパルスモータを用いてもよい。モータ46の回転軸と駆動車輪33の回動軸との間は減速ギアを複数段だけ介在させて所要の速度範囲が得られるようにしてある。
【0037】47は自走車30側の制御部としてのワン・チップ・マイコンで、後述するゲーム装置本体12側の送信LED11からの送信信号を解析して、自走車30の走行制御信号を生成したり、赤外光を発光する前後LED48、49の発光動作を行わせるものである。ROM50はそのための動作プログラムが格納されているものである。なお、52はマイコン47から出力される速度制御用デジタル信号をモータ駆動用のアナログ信号にD/A変換してモータ46に供給するD/Aコンバータである。
【0038】前LED48は自走車30の筐体31(図5において図示略)の前部中央に、後LED49は後部中央に、いずれも真下に向けられて配設されている。そして、この前後LED48、49の点灯による赤外光の周波帯は、後述するCCDカメラ10前面の赤外線透過フィルタの透過周波帯に一致しており、支持板20の下方に配設されているCCDカメラ10で撮像されるようになっている。前後LED48、49は発光方向が広い角度を有するように構成されており、支持板20上の任意の位置でもCCDカメラ10で撮像し得るようにしている。
【0039】51は赤外線受信ユニットであり、送信LED11から送信された光パルス信号を受光するフォトダイオード等からなり、自走車30の筐体31の、例えば中央下部に下向けに配設されている。このフォトダイオードも広い方向からの光を受光し得るように、例えば露出されている。53は外部から供給される電源電圧からマイコン47の動作に必要なレベル5vや必要に応じてモータ46の動作に必要な6vの電圧を生成する安定化電源回路である。
【0040】図6は、中継車60の外観構成を示す正面図、図7は同左側面図、図8は同平面図である。これらの図において、61は板状の基台であり、この基台61の進行方向前方(図6において右方)及び進行方向後方(図6において左方)の下部にはそれぞれ左右両端部にキャスター62が一対ずつ、合計4個取り付けられている。63は基台61の下面に取り付けられた永久磁石であり、その下端高さはキャスター62の下端高さより若干だけ高くされている。従って、中継車60が中間支持板21上に載置されると、永久磁石63は中間支持板21の上面に対して微少間隔をおいて離間した状態で中間支持板21の上方に位置するように構成されている。
【0041】基台61には上端が開口した有底円筒状の大シリンダ64がそれぞれ左右両端部に立設されており、各大シリンダ64内にはさらに大シリンダ64より直径の小さい小シリンダ65が収容されている。小シリンダ65も大シリンダ64と同様に上端が開口した有底円筒状に形成されており、小シリンダ65の底部と大シリンダ64の底部との間には不図示のスプリングが介装されている。小シリンダ65の内部には棒状のピストンロッド66が収容されており、ピストンロッド66の底部と小シリンダ65の底部との間にも不図示のスプリングが介装されている。従って、小シリンダ65及びピストンロッド66はスプリングにより常に上方に付勢された状態にある。なお、大シリンダ64の上端には小シリンダ65の抜け止め用の押え板64aが、小シリンダ65の上端にはピストンロッド66の抜け止め用のナット65aがそれぞれ取り付けられている。
【0042】ピストンロッド66の上端にはブラケット67が固設されている。このブラケット67には、図8に最も良く示されるように進行方向に沿って(図8において左右方向に)貫通孔67aが水平に穿設されている。貫通孔67aはブラケット67の内側、より詳細には一対のブラケット67の相対向する側に形成されている。各々の貫通孔67aには回転ロッド68が挿通されている。回転ロッド68の両端はそれぞれ連結板69に回転可能に連結されている。この連結板69は、矩形板状の本体部69aの前後両端から左右にフランジ部69bが突設された構成とされ、フランジ部69bにはそれぞれ不図示の貫通孔が形成されてこの貫通孔に回転ロッド68が挿通されている。
【0043】連結板69の後端部(図6において左端部)には揺動プレート70が揺動可能に取り付けられている。この揺動プレート70は、細長板状の基部70aの後端部(図6において左端部)の両端からそれぞれ下方に向かって一対の板状の揺動取付部70bがそれぞれ立ち下がり、一方、基部70aの前端部(図6において右端部)の両端からそれぞれ上方に向かって一対の板状のローラ取付部70cが立ち上がる構成になっている。
【0044】連結板69の後端部には不図示の貫通孔が水平に形成されると共に揺動プレート70の揺動取付部70bにも貫通孔が形成され、これら連結板69及び揺動取付部70bの貫通孔にピン71が挿通、固定されることにより揺動プレート70が連結板69に対して揺動自在に取り付けられている。なお、連結板69と揺動プレート70との間には図示されないスプリングが介装されており、このスプリングにより揺動プレート70は常に上方に付勢されている。
【0045】一方、揺動プレート70のローラ取付部70cにも貫通孔が形成され、この貫通孔70cにローラ72の回転軸73が挿通されることによりこのローラ73が揺動プレート70に対して回転自在に取り付けられている。74は揺動プレート70の基部70a後端に取り付けられたキャスターである。一方、ブラケット67の上部にも同様にキャスター75が取り付けられている。これらローラ72、キャスター74、75の上面高さは、小シリンダ65及びピストンロッド66が伸長した状態において全て等しくなるようにされている。
【0046】76は揺動プレート70の基部70aの上面に取り付けられた永久磁石であり、その上端高さはローラ72、キャスター74、75の上端高さより若干だけ低くされている。従って、中継車60が中間支持板21と走行板22との間に配置されると、永久磁石76は走行板22の下面に対して微少間隔をおいて離間した状態でこの走行板22の下方に位置するように構成されている。
【0047】以上の構成により、中間支持板21と走行板22との間の距離が変化しても小シリンダ65及びピストンロッド66が適宜伸縮することによりローラ72、キャスター74、75は常に走行板22の下面に当接し、中継車60全体の移動に伴ってこの走行板22の下面を転動する。加えて、中継車60の進行方向(図6において左右方向)に沿って走行板22が傾斜していても、揺動プレート70が連結板69に対して揺動することによりローラ72、キャスター74も進行方向に沿って俯仰し、ローラ72、キャスター74は常に走行板22の下面に当接したままである。
【0048】さらに、中継車60の進行方向に直交する方向(図7において左右方向)に沿って走行板22が傾斜していても一対の小シリンダ65及びピストンロッド66が各々独立に伸縮することによりキャスター75は常に走行板22の下面に当接したままである。これにより、走行板22が3次元的に変化する曲面を有していても、この曲面が連続した面である限りローラ72、キャスター74、75は常に走行板22の下面に当接し、その変化に追従しうる。
【0049】従って、大シリンダ64、小シリンダ65及びピストンロッド66の長さ及び伸縮ストロークは、中間支持板21と走行板22との間の距離変化に十分対応しうるように設定されており、本実施例では、後述する模型自転車80が直線トラック2a上(すなわち中間支持板21と走行板22との間の距離が最も小さい場所)に位置したとき小シリンダ65及びピストンロッド66が若干の余裕を持って収縮し、一方、模型自転車80が円形トラック2bの中央部外周(すなわち中間支持板21と走行板22との間の距離が最も大きい場合)に位置したとき小シリンダ65及びピストンロッド66が若干の余裕を持って伸長した状態にあるように設定されている。
【0050】図9は模型自転車80の外観構成を示す正面図、図10は同左側面図、図11は同右側面図、図12は同平面図である。これらの図において、81は模型自転車80のメインフレーム、82は前輪、83は後輪であり、共にメインフレーム81に対して回転自在に取り付けられている。84は駆動プーリであり、後輪83の回転軸に固設されることによりこの後輪83に連れ回りする。85はクランクプーリであり、メインフレーム81に対して回転自在に取り付けられている。駆動プーリ84の回転駆動力はゴムベルト86を介してクランクプーリ85に伝達され、後輪83の回転に伴ってクランクプーリ85も同一方向に回転する。
【0051】一方、図9では図示されていないが、クランクプーリ85が設けられている側と反対側にはクランクペダル87がメインフレーム81に対して回転可能に設けられており、このクランクペダル87はクランクプーリ85の回転軸に固設されることによりこのクランクプーリ85に連れ回りする。
【0052】88は車手模型本体であり、その左右両側には脚部ユニット89が設けられている。脚部ユニット89は2つのリンク部材90a、90bからなり、これらリンク部材90a、90b相互、及び車手模型本体87やクランクプーリ85、クランクペダル87とリンク部材90a、90bとはピン結合されている。従って、クランクプーリ85の回転により脚部ユニット88はクランク運動を行い、あたかも車手が自転車を漕いでいるような動きを示す。
【0053】91は車手模型の上半身ユニットであり、その前端部(図9において右端部)はメインフレーム81の前端に設けられたハンドルユニット92に固定されている。
【0054】93はメインフレーム81の下部にこのメインフレーム81に対して回転自在に設けられた一対の支持ローラである。この支持ローラ93の下端高さは、前輪82及び後輪83の下端をそれぞれ結んだ線より下方に位置するように設定されている。このため、模型自転車80を走行板22上に載置すると、この模型自転車80は後輪83及び一対の支持ローラ93とで3点支持され、前輪82は走行板22から若干浮いた状態で支持されている。
【0055】94は同様にメインフレーム81の下部に取り付けられた永久磁石であり、その下端高さは後輪83、支持ローラ93の下端高さより若干だけ高くされている。従って、模型自転車80が走行板22の上面に載置されると、永久磁石94は走行板22の上面に対して微少間隔をおいて離間した状態でこの走行板22の上方に位置するように構成されている。
【0056】以上説明した自走車30、中継車60及び模型自転車80は、図2に示すように互いの永久磁石44、63、76、94が中間支持板21、走行板22を挾んで相対向するように配置されている。従って、自走車30、中継車60及び模型自転車80は永久磁石44、63、76、94の磁力により互いに吸引され、自走車30の走行に従って中継車60が中間支持板21上を走行し、さらに模型自転車80が走行板22上を走行する。
【0057】図2に戻って、10はエリアセンサとしてのCCDカメラ、11は送信手段としての送信LED、12はゲーム装置本体である。装置本体12は、コントローラ13を備えるとともに、CCDカメラ10とコントローラ13との間には位置検出回路14が、コントローラ13と送信LED11との間には赤外線LEDドライバ15がそれぞれ介装されている。
【0058】コントローラ13は本実施例のゲーム装置の全体動作を統括制御するものであり、内部にコンピュータ(マイコン)を内蔵するとともに、ゲームプログラム等が予め記憶されたROM、及び位置検出回路14からの位置検出データを一時的に格納したり、演算途中のデータを一時的に格納したり、所要のパラメータを記憶するRAMを備えている。
【0059】CCDカメラ10は1台の場合には、基台1のほぼ中央であって、支持板20の下方所定高さ位置に撮像方向を上方に向けられて配設されており、基台1下面のほぼ全体を視野に含むように設定されている。このため、上述のように支持板20はガラス等透明な板材から構成されており、この支持板20を通して自走車30がCCDカメラ10により撮像される。CCDカメラ10の視野枠を考慮すれば、支持板20の形状は正方形あるいは円形状が好ましいが、本実施例ではトラック2にマッチした形状に形成されている。
【0060】CCDカメラ10は、公知のように固体撮像素子である受光素子がマトリクス状に多数配列されて構成されており、所定時間、例えば1フィールド1/60秒走査周期と1フレーム1/30秒走査周期の選択可能な仕様において、1フィールドを走査周期として画像の撮像を行うものである。そして、各受光素子からの受光光量に応じたレベルに変換された電気(画像)信号が転送出力されるようになっている。
【0061】本実施例に適用されるCCDカメラ10はその受光面に赤外線透過フィルタが対面配置されており、所定周波帯の赤外光のみを受光するようにして、外光による誤動作の防止を図っている。なお、CCDカメラ10に代って複数のCCDカメラを使用し、支持板20の下面を複数に分割してそれぞれの面を各CCDカメラが担当するようにしてもよく、このようにすることで撮像分解能、すなわち位置検出精度を向上させることができる。
【0062】位置検出回路14は、CCDカメラ10からの画像信号が書き込まれるフレームメモリと、このフレームメモリの内容を読み出して自走車1の位置を検出してその座標値を検出信号として出力する画像処理部とを備える。本実施例では位置検出動作をリアルタイム、正確には微少時間間隔毎に連続して行っているので、CCDカメラ10からの画像信号書込動作及び画像処理部による画像信号読出動作を並行して行うために1フレーム分の記憶容量を有するフレームメモリが2組用意され、画像処理部からの切換信号により書込専用/読出専用のフレームメモリが切り換えられる。
【0063】画像処理部による自走車1の位置検出手法は公知の画像処理手法から適宜選択されればよく、一例として、本実施例では自走車30に2つのLED48、49が搭載されている(図5参照)ので、画像信号の信号レベルに適当な閾値(スレッショルド)を設定して画像を2値化処理し、その後画像中の輝点の位置をパターンマッチング、ラベリング等により検出すればよい。
【0064】送信LED11は例えば赤外光を発光する発光素子であり、上記CCDカメラ10と同様、支持板20下方の所定高さ位置に送信方向を上方に向けられて配設されているものである。この送信LED11からの赤外光信号は支持板20上を走行する自走車30に向けて所要の広がり角度を有して送信されるもので、その個数は中央位置に1個でもよいが、信号伝達の確実性を期する点から支持板20を分割した各エリアをカバーするように複数個配設してもよい。
【0065】送信LED11は赤外線LEDドライバ15に接続されている。この赤外線LEDドライバ15は、コントローラ13側からの各送信LED11の点灯指令信号に基づいて送信LED11を駆動(点灯、消灯)制御し、送信LED11から所定の赤外光パルス信号を送出させる。送信LED11が複数個配設されている構成では、LEDドライバ15は、パラレルに接続されている各送信LED11から同期した光パルス信号が送信されるようにこれら送信LED11を駆動制御している。これにより、各送信LED11がカバーするエリアが一部重複していても混信することはなく、誤動作の発生を防止している。
【0066】次に、本実施例の競輪ゲーム装置の動作を説明する。本実施例のゲーム装置の電源が投入されると、まずシステム全体に対して初期設定が施されて各種変数の値がリセットされ、さらにコントローラ13の通信ポートの初期化が行われる。
【0067】次いで、コントローラ13により1つのレースをスタートさせるための処理が行われる。具体的には、各操作部3のモニター4によりゲームスタート画面、オッズ表示画面等が表示され、操作パネル5により各プレーヤーがベットするまで所定時間待機し、待機後にトラック2の所定位置に設けられたスタートラインまで各模型自転車80を移動させ、さらに、位置検出回路14による位置検出動作を開始してスタートラインに位置した各模型自転車80の初期位置(正確には自走車30の初期位置)を検出する等の動作が実行される。
【0068】レーススタート処理には、その回に実施されるレースのシナリオ、すなわち、どの模型自転車80がどのようなスピードで走行し、各模型自転車80がどの順番でゴールするか(以降、レース展開と称する)を決定する作業も含まれる。レース展開が毎回同一であるとプレーヤーの興趣をそぐ結果になるので、コントローラ13のROM内には複数のレース展開が記憶されており、レーススタート処理が実行される毎にいずれか1つのレース展開が選択、決定される。
【0069】特に、本実施例のゲーム装置では、模型自転車80を駆動する自走車30は後述するようにコントローラ13側の走行制御信号に基づいて支持板20上の任意の経路上を走行可能であるため、上述のレース展開にはどの自走車30がどのような経路を通って走行するか(ひいては模型自転車80がトラック2上のどのような経路を通って走行するか)といったデータを含めることができる。当然、各々の模型自転車80が互いに重複しない同一経路を毎回通って走行するのであれば経路に関するデータをレース展開データと別にしてもよい。あるいは、予めレース展開を定めずに所定時間毎にその時点の模型自転車80の位置に応じて各模型自転車80の走行制御を行うようにすれば、レース展開そのものを決定する作業も省略できる。
【0070】この後、決定されたレース展開及び検出された各模型自転車80の初期位置に基づいて、レーススタート直後の各模型自転車80の目標位置がコントローラ13により決定される。目標位置は、一例として模型自転車80がスタートから1秒後に到達すべき位置とされる。
【0071】目標位置が決定されると、各模型自転車80の初期位置と目標位置との偏差が算出され、この偏差に基づいて各自走車30に対する指令値が出力され、この指令値は赤外線LEDドライバ15により送信LED11駆動用の信号に変換される。これにより、指令値を示すコマンドに対応した赤外光パルス信号が送信LED11から各自走車30に向けて送信される。
【0072】自走車30に対する速度及び方向指示は以下のように、目標速度データのみで行われる。すなわち、速度指示は特定の一方の車輪、例えば駆動車輪33a、33bを駆動するモータ46a、46bに対して与えられ、方向指示は特定の側であるモータ46a(又はモータ46b)の回転速度に対する速度差として与えられる。なお、各モータ46a、46bにぞれぞれ独立した回転速度を指示するようにしても同様に方向制御が可能である。
【0073】自走車30の赤外線受信ユニット51が送信LED11からの赤外光パルス信号を受信すると、マイコン47はこの赤外光パルス信号を解析して指令値を算出し、各モータ46a、46bを指令値に基づいた所定回転数で回転駆動させるための信号をモータ46a、46bに向けて送出する。モータ46a、46bは、集電用電極45から供給された電源電圧により、マイコン47からの信号に基づいて回転し、これにより駆動車輪33a、33bが所定の回転数で回転駆動されて自走車30全体が指令値に基づいた所定速度で所定方向に向かって走行を開始する。
【0074】自走車30の走行に連れて永久磁石44、63の磁気吸引力により中継車60も同一方向及び同一速度で走行を開始し、さらに、永久磁石76、94の磁気吸引力により模型自転車80も同一方向及び同一速度で走行を開始する。
【0075】各々の模型自転車80が走行を開始してレースがスタートすると、コントローラ13は所定時間毎(一例として数十ms毎)に位置検出回路14により検出された各自走車30の現在位置データを取り込み、各自走車30の現在位置を確認する。そして、各自走車30が目標位置に到達したら次の目標位置を算出し、この目標位置に基づいて指令値を算出して赤外線LEDドライバ15及び送信LED11を介して自走車30に赤外線パルス信号を送出する。
【0076】自走車30のマイコン47は、送信LED11から赤外線パルス信号による指令値が送信されてくると、この指令値に基づいて上述したようにモータ46a、46bを所定回転数で回転駆動し、これにより自走車30全体(ひいては模型自転車80)が所定方向に沿って所定速度で走行する。以上の繰り返しにより決定されたレース展開に基づいて各模型自転車80が走行制御され、レースが実行される。
【0077】この際、中継車60のローラ72、キャスター74、75は中間支持板21と走行板22との距離変化によらず常に走行板22の下面を転動するので、中継車60の上部側に設けられた永久磁石76も常に微少間隙をもって走行板22の下方に位置する。これにより、模型自転車80がトラック2上のどの位置にあっても模型自転車80は磁気吸引力により中継車60と磁気結合され、中継車60の移動に連れて移動する。
【0078】そして、全ての模型自転車80が決定されたレース展開により定められる所定周回数だけトラック2を周回し、トラック2上に設定されたゴールラインを越えた時点でゲームは終了し、コントローラ13側からの指令値送出動作も終了する。この後、ゲームの後処理を行う。具体的には、入賞自走車の決定及び表示、プレーヤーへの払い戻しなどが行われる。
【0079】以上のようにしてレースが実行される。ここで、本実施例のゲーム装置では、電源供給用の中間支持板21の底面にのみ複数の電極(陽極電極板21e、陰極電極板21f)が形成されているので、電極形状が従来のものに比較して簡易なものとなり、加工の手間が省けてその信頼性も向上する。
【0080】特に、本実施例の電極板21e、21fは全て同一の正方形状に形成されており、1つの電極板21e、21fには複数の自走車30の集電用電極45が接触するようなことはない。そして、これら電極板21e、21fは単一板である正側、負側導体板21b、21cに電気的に接続されているので、従来の移動体の給電装置で生じていた、1つの電極板に複数の自走車の集電用電極が集中することに伴う電力低下という現象が本質的に生じない、という利点もある。
【0081】加えて、本実施例の中間支持板21では電極板21e、21fと反対側の面(すなわち上面)は第3の絶縁層21gで保護されており、上述した実開平1−56287号公報のように絶縁板の両面に電極板が露出する構成に比較して電極板露出による経年変化を防ぎ、かつ、メンテナンス時における安全確保にも役立つ。
【0082】なお、本実施例のゲーム装置は、その細部が上述の一実施例に限定されず、種々の変形例が可能である。一例として、上述の一実施例では電極板21e、21fを正方形状に形成したが、三角形、六角形等他の多角形、あるいは円形等の電極板であってもよい。加えて、陽極及び陰極の電極板を同一形状に形成する必要はなく、一例として、陽極電極板を所定間隔で配置してそれらの間に共通の陰極電極板を形成するような構成でも良い。
【0083】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、給電板に加工を施すべき面を電極板が形成された面の一方にのみ限定することができ、電極形状が従来のものに比較して簡易なものとなり、加工の手間が省けてその信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】一実施例に用いられる模型自転車の駆動機構の概略を示す模式図である。
【図3】一実施例に用いられる自走車の外観構成を示す正面図である。
【図4】一実施例の自走車の外観構成を示す右側面図である。
【図5】一実施例の自走車を構成面から平面的に見た状態のブロック構成図である。
【図6】一実施例に用いられる中継車の外観構成を示す正面図である。
【図7】一実施例の中継車の外観構成を示す左側面図である。
【図8】一実施例の中継車の外観構成を示す平面図である。
【図9】一実施例に用いられる模型自転車の外観構成を示す正面図である。
【図10】一実施例の模型自転車の外観構成を示す左側面図である。
【図11】一実施例の模型自転車の外観構成を示す右側面図である。
【図12】一実施例の模型自転車の外観構成を示す平面図である。
【図13】一実施例の集電用電極の構成を示す一部破断斜視図である。
【図14】一実施例の集電用電極の構成を示す断面図である。
【図15】一実施例の中間支持板の底面を示す平面図である。
【図16】図15のA−A’矢視断面図である。
【符号の説明】
20 支持板
21 中間支持板
21a 第1の絶縁層
21b、21c 導体板
21d 第2の絶縁層
21e 陽極電極板
21f 陰極電極板
21g 第3の絶縁層
30 自走車
45 集電用電極
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車、競走馬等を模した移動体を移動平面内で走行させる際に、この移動体に外部から駆動用電源を供給するための移動体の給電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の移動体の給電装置としては、例えば実開平1−56287号公報に開示されたものがある。実開平1−56287号公報に開示された移動体の給電装置は、絶縁板の上面と下面に帯状の電極を複数形成し、さらに、両面の電極が互いに交叉するように敷設した状態で上面又は下面において隣り合う電極同志が互いに陽極又は陰極となるように上面及び下面の電極を貫通孔(スルーホール)により電気的に接続したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の移動体の給電装置では、上面及び下面の電極は全く同一形状に形成されており、従って、いずれの面においても移動体に対する給電作用をもたらすことができるが、それぞれの面に電極加工を施さねばならず、構造が複雑であるという問題があった。
【0004】本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極構造が簡易な移動体の給電装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1の発明は、移動平面内を移動する移動体に複数個設けられた電源集電用の電極と、移動平面と平行に設けられ、移動体に駆動用の電源電圧を供給する給電板と、給電板に電源電圧を供給する電源とを備えた移動体の給電装置に適用される。そして、上述の目的は、第1の絶縁板を挾んで互いに絶縁された2枚の導体板と、導体板のうちいずれか一方の導体板と第2の絶縁板を挾んで互いに絶縁された電極板とを給電板に設け、第2の絶縁板の表面に電極板を互いに分離した状態で複数個形成し、相隣合う電極板を貫通孔を介してそれぞれ異なる導体板に電気的に接続し、2枚の導体板をそれぞれ陽極及び陰極の電極となるように電源から電源電圧を供給し、複数の移動体の電極のうち少なくとも2本の電極を常に相隣合う電極板に接触させることにより達成される。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載の移動体の給電装置において、複数の電極板を全て同一の多角形状に形成したようなものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の移動体の給電装置において、第1及び第2の絶縁板に接触する側の導体板を陽極とするように電源から電源電圧を供給したようなものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項1〜3に記載の移動体の給電装置において、第1の絶縁板にのみ接触する側の導体板の表面に絶縁処理を施したようなものである。
【0009】
【作用】
−請求項1−給電板の一方の面には電極板が列設されるとともに、他方の面には一方の導体板のみ露出する。加えて、2枚の導体板は単一の板状部材で足りる。
【0010】−請求項2−複数の電極板は同一の多角形状に形成されているので、電極板の面積を適宜設定することにより、複数の移動体が走行した場合でも複数の移動体の集電用電極が共通の電極板に集中することがなくなる。
【0011】−請求項3−陽極となる導体板は第1及び第2の絶縁板に挾持されるため、この導体板は常に外部から絶縁状態で保護される。
【0012】−請求項4−絶縁処理により、2枚の導体板はともに絶縁状態で保護される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。本実施例のゲーム装置は、競輪レースを模した競輪ゲーム装置に適用されたものである。この図において、1は基台、2は基台1上に形成されたトラックである。本実施例のトラック2は、2本の直線トラック2aの両端をそれぞれ半円状の円形トラック2bで連結した、いわゆる長円環状に形成されている。
【0014】円形トラック2bは、内周部から外周部に向かうに従って斜め上方に傾斜した、いわゆるバンク形状に形成されている。より詳細には、円形トラック2bの中央(直線トラック2aから一番遠い部分)の外周部が最も高く形成され、内周部は直線トラック2aと同一高さに形成されている。円形トラック2bと直線トラック2aとの接続部の外周部も内周部よりやや高く形成されており、従って、直線トラック2aの円形トラック2bとの接続部は、トラック2全体として連続した曲面に形成するために、内周部より外周部がやや高く形成されている。
【0015】基台1の周囲には操作部(コントロールパネルとも言う)3が設けられている。この操作部3は、本実施例のゲーム装置のプレーヤーに対して所定の表示を行い、かつ、プレーヤーからの所定の操作入力を受けるためのものであり、本実施例のゲーム装置において同時遊戯可能なプレーヤー数(本実施例では8人)に対応する個数だけ設けられている。
【0016】操作部3は、モニター4、モニター4の表面に設けられた透明なタッチパネルからなる操作パネル5、コイン投入口6及びコイン払出口7を備えている。モニター4にはゲーム進行に必要な情報、一例としてゲーム開始告知、出場選手紹介、賭け率(オッズ)表示、入賞表示等が表示される。操作パネル5はプレーヤーからの各種情報入力、一例として賭け入力(ベット)のために設けられている。
【0017】本実施例では、トラック2上に6台の模型自転車(図1では図示略)が配置され、各模型自転車は以下詳述する駆動機構によりこのトラック2上を走行可能に構成されている。
【0018】図2は、模型自転車の駆動機構の概略を示す模式図である。図2に示すように、本実施例のゲーム装置の基台1は、ガラス等の光線透過能を有する材質からなる支持板20と、支持板20上方にこの支持板20と平行に設けられた中間支持板21と、上面がトラック2となる走行板22とを有する3階構成とされている。そして、支持板20と中間支持板21との間には自走車30が、中間支持板21と走行板22との間には中継車60がそれぞれ模型自転車の台数分だけ配置され、走行板22の上面(すなわちトラック2の上面)には上述の模型自転車80が配置されている。
【0019】図3は、自走車30の外観構成を示す正面図、図4は同右側面図である。これらの図において、31は自走車30の筐体であり、中空箱状に形成されている。筐体31の進行方向前方(図3において右方)下部にはキャスター32が、進行方向後方(図3において左方)下部には駆動車輪33がそれぞれ回転自在に取り付けられている。駆動車輪33の駆動軸(図示略)は図3及び図4において図示しないモータに連結され、このモータにより駆動車輪33が回転駆動される。34は筐体31内に収納された基板であり、後述するマイコン等の各種回路がこの基板34上に形成されている。
【0020】35は筐体31の上方に設けられた上部基台であり、筐体31と上部基台35とはパンタグラフ機構36により上下方向伸縮自在に連結されている。パンタグラフ機構36は、筐体31の上方左右両端にそれぞれ2枚ずつ設けられたリンク板37を備え、リンク板37の両端はそれぞれピン38、39により筐体31上部及び上部基台35下部に連結されている。左方及び右方にあるそれぞれ2枚のリンク板37は互いの中央部においてピン40により連結され、さらにスプリング41により筐体31と上部基台35との間の距離が離間する方向に付勢されている。
【0021】上部基台35の進行方向前方にはキャスター42が、進行方向後方の左右両端部には一対のローラ43がそれぞれ回転自在に取り付けられている。これらキャスター42及びローラ43の上端高さは同一にされており、図2に示すように自走車30が支持板20及び中間支持板21の間に配置されるとこれらキャスター42及びローラ43の上端は中間支持板21の底面に当接し、自走車30の走行に連れて転動する。一対のローラ43の間には永久磁石44が配設されている。この永久磁石44の上端高さはローラ43の上端高さより僅かに低くされており、ローラ43が中間支持板21の底面に当接した状態でこの底面に対して微少間隔をもって中間支持板21の下方に位置するように構成されている。
【0022】45は上部基台35の進行方向前方に設けられた集電用電極である。集電用電極45の構造の詳細は図13及び図14を参照して詳細に説明する。
【0023】図13は集電用電極45の構造を示す一部破断斜視図、図14は同断面図である。これらの図において、集電用電極45は、基板55上に載置された電極支持基台54に複数本植設されている。集電用電極45は、上端が半球状に形成された摺接部45aと、摺接部45aの下端に形成された摺接部45aより大径なストッパ部45bと、ストッパ部45bの下端に形成されたストッパ部45bより小径な接地部45cとを備えている。
【0024】電極支持基台54には、摺接部45aよりやや大径でかつストッパ部45bより小径な貫通孔54aと、この貫通孔54aの下部に連通して設けられ、ストッパ部45bよりやや大径な収容孔54bとを備えている。また、基板55には、収容孔54bの底部に対応する位置に接地部45cよりやや大径でかつストッパ部45bより小径な貫通孔55aが形成されている。
【0025】以上から、集電用電極45は全体として収容孔54bの高さに相当するストロークを持って上下動自在に電極支持基台54に支持されている。さらに、ストッパ部45bと基板55との間には、スプリング56が収容孔54bに収容された状態で介装されており、このスプリング56の付勢力により集電用電極45は常に上方に付勢されている。
【0026】57はリード線であり、その一端は後述する安定化電源(図5参照)に接続されているとともに、他端は配線用ベース58を介して集電用電極45の接地部45cに接続されている。
【0027】一方、中間支持板21の底面には電源供給用の正側及び負側電極がそれぞれ形成されており、各電極には外部電源から電源電圧が供給されている。
【0028】図15は中間支持板21の底面形状を示す平面図、図16は図15のA−A’矢視断面図である。これらの図において、中間支持板21は、第1の絶縁層21aの上下面にそれぞれ形成された正側導電板21b及び負側導電板21cと、第1の絶縁層21aと反対側の正側導電板21bの表面に形成された第2の絶縁層21dと、第2の絶縁層21dの露出側表面に形成され、互いに所定間隔を置いて市松状に配置された全て同一の正方形状の電極板21e、21fと、負側電極板21cの露出側表面に形成された第3の絶縁層21gとを備える。
【0029】そして、相隣合う電極板はそれぞれ異なる導電板21b、21cに貫通孔23、24を介してそれぞれ電気的に接続されている。そして、正側導電板21bには不図示の外部電源から正の電源電圧が供給されるとともに負側導電板21cは外部電源に接地されることにより、中間支持板21の底面には交互に陽極電極板21e及び陰極電極板21fが列設されることになる。
【0030】従って、自走車30が支持板20及び中間支持板21の間に配置されるとスプリング56の付勢力により集電用電極45の摺接部45a上端が中間支持板21の陽極電極板21e及び陰極電極板21fにそれぞれ当接し、自走車30が支持板20上を走行しても集電用電極45の摺接部45a上端が常に中間支持板21の陽極電極板21e及び陰極電極板21fにそれぞれ摺接することにより、この集電用電極45を介して外部電源からの電源電圧が自走車30に供給される。
【0031】より詳細には、各集電用電極45には互いに逆方向のダイオードが一対接続されており、正方向のダイオードの出力線は1つにまとめられて安定化電源の正側端子に接続され、負方向のダイオードの出力線は1つにまとめられて安定化電源の負側端子に接続されている。従って、少なくとも1つの集電用電極45が中間支持板21の陽極電極板21e及び陰極電極板21fにそれぞれ当接すれば、安定化電源に外部電源から電源電圧が供給され、かつ、その極性は常に一定となる。このため、自走車30が支持板20上のどの位置を走行していても少なくとも1つの集電用電極45が中間支持板21の正側電極及び負側電極にそれぞれ当接するように、正側電極、負側電極及び集電用電極45の配置が定められている。
【0032】本実施例では、図15に示すように、陽極電極板21e及び陰極電極板21fは1辺が8mmの正方形状に形成され、かつ、隣り合う電極板21e、21fの間隔は2.5mmに設定されている。
【0033】一方、本実施例の集電用電極45は3本×2列、及びこれらの間に4本×1列、合計10本設けられており、1列の中の集電用電極45の間の間隔は一例として5mmに設定されている。列の間隔は一例として6mmとされ、さらに、隣り合う列の集電用電極は半ピッチ(すなわち2.5mm)だけずらされている。これにより、全体として集電用電極45は仮想的な六角形の頂点、辺及びこの六角形の内側に配置され、かつ、この六角形の全ての辺に平行な列上に集電用電極45が位置している。これにより、図15に示すように、自走車30がどの位置にあっても少なくとも1本の集電用電極45がそれぞれ陽極電極板21e及び陰極電極板21fに接触する。
【0034】加えて、集電用電極45の摺接部45aの直径は隣り合う陽極電極板21e及び陰極電極板21fの間の間隔より小さく形成されている(本実施例では1.5mmφ)。これにより、1本の集電用電極45が陽極電極板21e及び陰極電極板21fに跨って接触することがなく、安定した電源供給ができる。
【0035】図5は、自走車を構成面から平面的に見た状態のブロック構成図である。自走車30は、樹脂等から構成された一対の駆動車輪33a、33bをそれぞれ独立して回転駆動する一対のモータ46a、46bを有する。なお、以下の説明において、個々の駆動車輪、モータを区別して説明しない限り符号33、46で代表して指示する。
【0036】本実施例ではモータ46としてDCモータが用いられ、デューティ制御で速度調整及び必要に応じてバック走行(供給電流の極性反転による)を行うようにしている。また、パルス周波数で速度制御可能なパルスモータを用いてもよい。モータ46の回転軸と駆動車輪33の回動軸との間は減速ギアを複数段だけ介在させて所要の速度範囲が得られるようにしてある。
【0037】47は自走車30側の制御部としてのワン・チップ・マイコンで、後述するゲーム装置本体12側の送信LED11からの送信信号を解析して、自走車30の走行制御信号を生成したり、赤外光を発光する前後LED48、49の発光動作を行わせるものである。ROM50はそのための動作プログラムが格納されているものである。なお、52はマイコン47から出力される速度制御用デジタル信号をモータ駆動用のアナログ信号にD/A変換してモータ46に供給するD/Aコンバータである。
【0038】前LED48は自走車30の筐体31(図5において図示略)の前部中央に、後LED49は後部中央に、いずれも真下に向けられて配設されている。そして、この前後LED48、49の点灯による赤外光の周波帯は、後述するCCDカメラ10前面の赤外線透過フィルタの透過周波帯に一致しており、支持板20の下方に配設されているCCDカメラ10で撮像されるようになっている。前後LED48、49は発光方向が広い角度を有するように構成されており、支持板20上の任意の位置でもCCDカメラ10で撮像し得るようにしている。
【0039】51は赤外線受信ユニットであり、送信LED11から送信された光パルス信号を受光するフォトダイオード等からなり、自走車30の筐体31の、例えば中央下部に下向けに配設されている。このフォトダイオードも広い方向からの光を受光し得るように、例えば露出されている。53は外部から供給される電源電圧からマイコン47の動作に必要なレベル5vや必要に応じてモータ46の動作に必要な6vの電圧を生成する安定化電源回路である。
【0040】図6は、中継車60の外観構成を示す正面図、図7は同左側面図、図8は同平面図である。これらの図において、61は板状の基台であり、この基台61の進行方向前方(図6において右方)及び進行方向後方(図6において左方)の下部にはそれぞれ左右両端部にキャスター62が一対ずつ、合計4個取り付けられている。63は基台61の下面に取り付けられた永久磁石であり、その下端高さはキャスター62の下端高さより若干だけ高くされている。従って、中継車60が中間支持板21上に載置されると、永久磁石63は中間支持板21の上面に対して微少間隔をおいて離間した状態で中間支持板21の上方に位置するように構成されている。
【0041】基台61には上端が開口した有底円筒状の大シリンダ64がそれぞれ左右両端部に立設されており、各大シリンダ64内にはさらに大シリンダ64より直径の小さい小シリンダ65が収容されている。小シリンダ65も大シリンダ64と同様に上端が開口した有底円筒状に形成されており、小シリンダ65の底部と大シリンダ64の底部との間には不図示のスプリングが介装されている。小シリンダ65の内部には棒状のピストンロッド66が収容されており、ピストンロッド66の底部と小シリンダ65の底部との間にも不図示のスプリングが介装されている。従って、小シリンダ65及びピストンロッド66はスプリングにより常に上方に付勢された状態にある。なお、大シリンダ64の上端には小シリンダ65の抜け止め用の押え板64aが、小シリンダ65の上端にはピストンロッド66の抜け止め用のナット65aがそれぞれ取り付けられている。
【0042】ピストンロッド66の上端にはブラケット67が固設されている。このブラケット67には、図8に最も良く示されるように進行方向に沿って(図8において左右方向に)貫通孔67aが水平に穿設されている。貫通孔67aはブラケット67の内側、より詳細には一対のブラケット67の相対向する側に形成されている。各々の貫通孔67aには回転ロッド68が挿通されている。回転ロッド68の両端はそれぞれ連結板69に回転可能に連結されている。この連結板69は、矩形板状の本体部69aの前後両端から左右にフランジ部69bが突設された構成とされ、フランジ部69bにはそれぞれ不図示の貫通孔が形成されてこの貫通孔に回転ロッド68が挿通されている。
【0043】連結板69の後端部(図6において左端部)には揺動プレート70が揺動可能に取り付けられている。この揺動プレート70は、細長板状の基部70aの後端部(図6において左端部)の両端からそれぞれ下方に向かって一対の板状の揺動取付部70bがそれぞれ立ち下がり、一方、基部70aの前端部(図6において右端部)の両端からそれぞれ上方に向かって一対の板状のローラ取付部70cが立ち上がる構成になっている。
【0044】連結板69の後端部には不図示の貫通孔が水平に形成されると共に揺動プレート70の揺動取付部70bにも貫通孔が形成され、これら連結板69及び揺動取付部70bの貫通孔にピン71が挿通、固定されることにより揺動プレート70が連結板69に対して揺動自在に取り付けられている。なお、連結板69と揺動プレート70との間には図示されないスプリングが介装されており、このスプリングにより揺動プレート70は常に上方に付勢されている。
【0045】一方、揺動プレート70のローラ取付部70cにも貫通孔が形成され、この貫通孔70cにローラ72の回転軸73が挿通されることによりこのローラ73が揺動プレート70に対して回転自在に取り付けられている。74は揺動プレート70の基部70a後端に取り付けられたキャスターである。一方、ブラケット67の上部にも同様にキャスター75が取り付けられている。これらローラ72、キャスター74、75の上面高さは、小シリンダ65及びピストンロッド66が伸長した状態において全て等しくなるようにされている。
【0046】76は揺動プレート70の基部70aの上面に取り付けられた永久磁石であり、その上端高さはローラ72、キャスター74、75の上端高さより若干だけ低くされている。従って、中継車60が中間支持板21と走行板22との間に配置されると、永久磁石76は走行板22の下面に対して微少間隔をおいて離間した状態でこの走行板22の下方に位置するように構成されている。
【0047】以上の構成により、中間支持板21と走行板22との間の距離が変化しても小シリンダ65及びピストンロッド66が適宜伸縮することによりローラ72、キャスター74、75は常に走行板22の下面に当接し、中継車60全体の移動に伴ってこの走行板22の下面を転動する。加えて、中継車60の進行方向(図6において左右方向)に沿って走行板22が傾斜していても、揺動プレート70が連結板69に対して揺動することによりローラ72、キャスター74も進行方向に沿って俯仰し、ローラ72、キャスター74は常に走行板22の下面に当接したままである。
【0048】さらに、中継車60の進行方向に直交する方向(図7において左右方向)に沿って走行板22が傾斜していても一対の小シリンダ65及びピストンロッド66が各々独立に伸縮することによりキャスター75は常に走行板22の下面に当接したままである。これにより、走行板22が3次元的に変化する曲面を有していても、この曲面が連続した面である限りローラ72、キャスター74、75は常に走行板22の下面に当接し、その変化に追従しうる。
【0049】従って、大シリンダ64、小シリンダ65及びピストンロッド66の長さ及び伸縮ストロークは、中間支持板21と走行板22との間の距離変化に十分対応しうるように設定されており、本実施例では、後述する模型自転車80が直線トラック2a上(すなわち中間支持板21と走行板22との間の距離が最も小さい場所)に位置したとき小シリンダ65及びピストンロッド66が若干の余裕を持って収縮し、一方、模型自転車80が円形トラック2bの中央部外周(すなわち中間支持板21と走行板22との間の距離が最も大きい場合)に位置したとき小シリンダ65及びピストンロッド66が若干の余裕を持って伸長した状態にあるように設定されている。
【0050】図9は模型自転車80の外観構成を示す正面図、図10は同左側面図、図11は同右側面図、図12は同平面図である。これらの図において、81は模型自転車80のメインフレーム、82は前輪、83は後輪であり、共にメインフレーム81に対して回転自在に取り付けられている。84は駆動プーリであり、後輪83の回転軸に固設されることによりこの後輪83に連れ回りする。85はクランクプーリであり、メインフレーム81に対して回転自在に取り付けられている。駆動プーリ84の回転駆動力はゴムベルト86を介してクランクプーリ85に伝達され、後輪83の回転に伴ってクランクプーリ85も同一方向に回転する。
【0051】一方、図9では図示されていないが、クランクプーリ85が設けられている側と反対側にはクランクペダル87がメインフレーム81に対して回転可能に設けられており、このクランクペダル87はクランクプーリ85の回転軸に固設されることによりこのクランクプーリ85に連れ回りする。
【0052】88は車手模型本体であり、その左右両側には脚部ユニット89が設けられている。脚部ユニット89は2つのリンク部材90a、90bからなり、これらリンク部材90a、90b相互、及び車手模型本体87やクランクプーリ85、クランクペダル87とリンク部材90a、90bとはピン結合されている。従って、クランクプーリ85の回転により脚部ユニット88はクランク運動を行い、あたかも車手が自転車を漕いでいるような動きを示す。
【0053】91は車手模型の上半身ユニットであり、その前端部(図9において右端部)はメインフレーム81の前端に設けられたハンドルユニット92に固定されている。
【0054】93はメインフレーム81の下部にこのメインフレーム81に対して回転自在に設けられた一対の支持ローラである。この支持ローラ93の下端高さは、前輪82及び後輪83の下端をそれぞれ結んだ線より下方に位置するように設定されている。このため、模型自転車80を走行板22上に載置すると、この模型自転車80は後輪83及び一対の支持ローラ93とで3点支持され、前輪82は走行板22から若干浮いた状態で支持されている。
【0055】94は同様にメインフレーム81の下部に取り付けられた永久磁石であり、その下端高さは後輪83、支持ローラ93の下端高さより若干だけ高くされている。従って、模型自転車80が走行板22の上面に載置されると、永久磁石94は走行板22の上面に対して微少間隔をおいて離間した状態でこの走行板22の上方に位置するように構成されている。
【0056】以上説明した自走車30、中継車60及び模型自転車80は、図2に示すように互いの永久磁石44、63、76、94が中間支持板21、走行板22を挾んで相対向するように配置されている。従って、自走車30、中継車60及び模型自転車80は永久磁石44、63、76、94の磁力により互いに吸引され、自走車30の走行に従って中継車60が中間支持板21上を走行し、さらに模型自転車80が走行板22上を走行する。
【0057】図2に戻って、10はエリアセンサとしてのCCDカメラ、11は送信手段としての送信LED、12はゲーム装置本体である。装置本体12は、コントローラ13を備えるとともに、CCDカメラ10とコントローラ13との間には位置検出回路14が、コントローラ13と送信LED11との間には赤外線LEDドライバ15がそれぞれ介装されている。
【0058】コントローラ13は本実施例のゲーム装置の全体動作を統括制御するものであり、内部にコンピュータ(マイコン)を内蔵するとともに、ゲームプログラム等が予め記憶されたROM、及び位置検出回路14からの位置検出データを一時的に格納したり、演算途中のデータを一時的に格納したり、所要のパラメータを記憶するRAMを備えている。
【0059】CCDカメラ10は1台の場合には、基台1のほぼ中央であって、支持板20の下方所定高さ位置に撮像方向を上方に向けられて配設されており、基台1下面のほぼ全体を視野に含むように設定されている。このため、上述のように支持板20はガラス等透明な板材から構成されており、この支持板20を通して自走車30がCCDカメラ10により撮像される。CCDカメラ10の視野枠を考慮すれば、支持板20の形状は正方形あるいは円形状が好ましいが、本実施例ではトラック2にマッチした形状に形成されている。
【0060】CCDカメラ10は、公知のように固体撮像素子である受光素子がマトリクス状に多数配列されて構成されており、所定時間、例えば1フィールド1/60秒走査周期と1フレーム1/30秒走査周期の選択可能な仕様において、1フィールドを走査周期として画像の撮像を行うものである。そして、各受光素子からの受光光量に応じたレベルに変換された電気(画像)信号が転送出力されるようになっている。
【0061】本実施例に適用されるCCDカメラ10はその受光面に赤外線透過フィルタが対面配置されており、所定周波帯の赤外光のみを受光するようにして、外光による誤動作の防止を図っている。なお、CCDカメラ10に代って複数のCCDカメラを使用し、支持板20の下面を複数に分割してそれぞれの面を各CCDカメラが担当するようにしてもよく、このようにすることで撮像分解能、すなわち位置検出精度を向上させることができる。
【0062】位置検出回路14は、CCDカメラ10からの画像信号が書き込まれるフレームメモリと、このフレームメモリの内容を読み出して自走車1の位置を検出してその座標値を検出信号として出力する画像処理部とを備える。本実施例では位置検出動作をリアルタイム、正確には微少時間間隔毎に連続して行っているので、CCDカメラ10からの画像信号書込動作及び画像処理部による画像信号読出動作を並行して行うために1フレーム分の記憶容量を有するフレームメモリが2組用意され、画像処理部からの切換信号により書込専用/読出専用のフレームメモリが切り換えられる。
【0063】画像処理部による自走車1の位置検出手法は公知の画像処理手法から適宜選択されればよく、一例として、本実施例では自走車30に2つのLED48、49が搭載されている(図5参照)ので、画像信号の信号レベルに適当な閾値(スレッショルド)を設定して画像を2値化処理し、その後画像中の輝点の位置をパターンマッチング、ラベリング等により検出すればよい。
【0064】送信LED11は例えば赤外光を発光する発光素子であり、上記CCDカメラ10と同様、支持板20下方の所定高さ位置に送信方向を上方に向けられて配設されているものである。この送信LED11からの赤外光信号は支持板20上を走行する自走車30に向けて所要の広がり角度を有して送信されるもので、その個数は中央位置に1個でもよいが、信号伝達の確実性を期する点から支持板20を分割した各エリアをカバーするように複数個配設してもよい。
【0065】送信LED11は赤外線LEDドライバ15に接続されている。この赤外線LEDドライバ15は、コントローラ13側からの各送信LED11の点灯指令信号に基づいて送信LED11を駆動(点灯、消灯)制御し、送信LED11から所定の赤外光パルス信号を送出させる。送信LED11が複数個配設されている構成では、LEDドライバ15は、パラレルに接続されている各送信LED11から同期した光パルス信号が送信されるようにこれら送信LED11を駆動制御している。これにより、各送信LED11がカバーするエリアが一部重複していても混信することはなく、誤動作の発生を防止している。
【0066】次に、本実施例の競輪ゲーム装置の動作を説明する。本実施例のゲーム装置の電源が投入されると、まずシステム全体に対して初期設定が施されて各種変数の値がリセットされ、さらにコントローラ13の通信ポートの初期化が行われる。
【0067】次いで、コントローラ13により1つのレースをスタートさせるための処理が行われる。具体的には、各操作部3のモニター4によりゲームスタート画面、オッズ表示画面等が表示され、操作パネル5により各プレーヤーがベットするまで所定時間待機し、待機後にトラック2の所定位置に設けられたスタートラインまで各模型自転車80を移動させ、さらに、位置検出回路14による位置検出動作を開始してスタートラインに位置した各模型自転車80の初期位置(正確には自走車30の初期位置)を検出する等の動作が実行される。
【0068】レーススタート処理には、その回に実施されるレースのシナリオ、すなわち、どの模型自転車80がどのようなスピードで走行し、各模型自転車80がどの順番でゴールするか(以降、レース展開と称する)を決定する作業も含まれる。レース展開が毎回同一であるとプレーヤーの興趣をそぐ結果になるので、コントローラ13のROM内には複数のレース展開が記憶されており、レーススタート処理が実行される毎にいずれか1つのレース展開が選択、決定される。
【0069】特に、本実施例のゲーム装置では、模型自転車80を駆動する自走車30は後述するようにコントローラ13側の走行制御信号に基づいて支持板20上の任意の経路上を走行可能であるため、上述のレース展開にはどの自走車30がどのような経路を通って走行するか(ひいては模型自転車80がトラック2上のどのような経路を通って走行するか)といったデータを含めることができる。当然、各々の模型自転車80が互いに重複しない同一経路を毎回通って走行するのであれば経路に関するデータをレース展開データと別にしてもよい。あるいは、予めレース展開を定めずに所定時間毎にその時点の模型自転車80の位置に応じて各模型自転車80の走行制御を行うようにすれば、レース展開そのものを決定する作業も省略できる。
【0070】この後、決定されたレース展開及び検出された各模型自転車80の初期位置に基づいて、レーススタート直後の各模型自転車80の目標位置がコントローラ13により決定される。目標位置は、一例として模型自転車80がスタートから1秒後に到達すべき位置とされる。
【0071】目標位置が決定されると、各模型自転車80の初期位置と目標位置との偏差が算出され、この偏差に基づいて各自走車30に対する指令値が出力され、この指令値は赤外線LEDドライバ15により送信LED11駆動用の信号に変換される。これにより、指令値を示すコマンドに対応した赤外光パルス信号が送信LED11から各自走車30に向けて送信される。
【0072】自走車30に対する速度及び方向指示は以下のように、目標速度データのみで行われる。すなわち、速度指示は特定の一方の車輪、例えば駆動車輪33a、33bを駆動するモータ46a、46bに対して与えられ、方向指示は特定の側であるモータ46a(又はモータ46b)の回転速度に対する速度差として与えられる。なお、各モータ46a、46bにぞれぞれ独立した回転速度を指示するようにしても同様に方向制御が可能である。
【0073】自走車30の赤外線受信ユニット51が送信LED11からの赤外光パルス信号を受信すると、マイコン47はこの赤外光パルス信号を解析して指令値を算出し、各モータ46a、46bを指令値に基づいた所定回転数で回転駆動させるための信号をモータ46a、46bに向けて送出する。モータ46a、46bは、集電用電極45から供給された電源電圧により、マイコン47からの信号に基づいて回転し、これにより駆動車輪33a、33bが所定の回転数で回転駆動されて自走車30全体が指令値に基づいた所定速度で所定方向に向かって走行を開始する。
【0074】自走車30の走行に連れて永久磁石44、63の磁気吸引力により中継車60も同一方向及び同一速度で走行を開始し、さらに、永久磁石76、94の磁気吸引力により模型自転車80も同一方向及び同一速度で走行を開始する。
【0075】各々の模型自転車80が走行を開始してレースがスタートすると、コントローラ13は所定時間毎(一例として数十ms毎)に位置検出回路14により検出された各自走車30の現在位置データを取り込み、各自走車30の現在位置を確認する。そして、各自走車30が目標位置に到達したら次の目標位置を算出し、この目標位置に基づいて指令値を算出して赤外線LEDドライバ15及び送信LED11を介して自走車30に赤外線パルス信号を送出する。
【0076】自走車30のマイコン47は、送信LED11から赤外線パルス信号による指令値が送信されてくると、この指令値に基づいて上述したようにモータ46a、46bを所定回転数で回転駆動し、これにより自走車30全体(ひいては模型自転車80)が所定方向に沿って所定速度で走行する。以上の繰り返しにより決定されたレース展開に基づいて各模型自転車80が走行制御され、レースが実行される。
【0077】この際、中継車60のローラ72、キャスター74、75は中間支持板21と走行板22との距離変化によらず常に走行板22の下面を転動するので、中継車60の上部側に設けられた永久磁石76も常に微少間隙をもって走行板22の下方に位置する。これにより、模型自転車80がトラック2上のどの位置にあっても模型自転車80は磁気吸引力により中継車60と磁気結合され、中継車60の移動に連れて移動する。
【0078】そして、全ての模型自転車80が決定されたレース展開により定められる所定周回数だけトラック2を周回し、トラック2上に設定されたゴールラインを越えた時点でゲームは終了し、コントローラ13側からの指令値送出動作も終了する。この後、ゲームの後処理を行う。具体的には、入賞自走車の決定及び表示、プレーヤーへの払い戻しなどが行われる。
【0079】以上のようにしてレースが実行される。ここで、本実施例のゲーム装置では、電源供給用の中間支持板21の底面にのみ複数の電極(陽極電極板21e、陰極電極板21f)が形成されているので、電極形状が従来のものに比較して簡易なものとなり、加工の手間が省けてその信頼性も向上する。
【0080】特に、本実施例の電極板21e、21fは全て同一の正方形状に形成されており、1つの電極板21e、21fには複数の自走車30の集電用電極45が接触するようなことはない。そして、これら電極板21e、21fは単一板である正側、負側導体板21b、21cに電気的に接続されているので、従来の移動体の給電装置で生じていた、1つの電極板に複数の自走車の集電用電極が集中することに伴う電力低下という現象が本質的に生じない、という利点もある。
【0081】加えて、本実施例の中間支持板21では電極板21e、21fと反対側の面(すなわち上面)は第3の絶縁層21gで保護されており、上述した実開平1−56287号公報のように絶縁板の両面に電極板が露出する構成に比較して電極板露出による経年変化を防ぎ、かつ、メンテナンス時における安全確保にも役立つ。
【0082】なお、本実施例のゲーム装置は、その細部が上述の一実施例に限定されず、種々の変形例が可能である。一例として、上述の一実施例では電極板21e、21fを正方形状に形成したが、三角形、六角形等他の多角形、あるいは円形等の電極板であってもよい。加えて、陽極及び陰極の電極板を同一形状に形成する必要はなく、一例として、陽極電極板を所定間隔で配置してそれらの間に共通の陰極電極板を形成するような構成でも良い。
【0083】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、給電板に加工を施すべき面を電極板が形成された面の一方にのみ限定することができ、電極形状が従来のものに比較して簡易なものとなり、加工の手間が省けてその信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】一実施例に用いられる模型自転車の駆動機構の概略を示す模式図である。
【図3】一実施例に用いられる自走車の外観構成を示す正面図である。
【図4】一実施例の自走車の外観構成を示す右側面図である。
【図5】一実施例の自走車を構成面から平面的に見た状態のブロック構成図である。
【図6】一実施例に用いられる中継車の外観構成を示す正面図である。
【図7】一実施例の中継車の外観構成を示す左側面図である。
【図8】一実施例の中継車の外観構成を示す平面図である。
【図9】一実施例に用いられる模型自転車の外観構成を示す正面図である。
【図10】一実施例の模型自転車の外観構成を示す左側面図である。
【図11】一実施例の模型自転車の外観構成を示す右側面図である。
【図12】一実施例の模型自転車の外観構成を示す平面図である。
【図13】一実施例の集電用電極の構成を示す一部破断斜視図である。
【図14】一実施例の集電用電極の構成を示す断面図である。
【図15】一実施例の中間支持板の底面を示す平面図である。
【図16】図15のA−A’矢視断面図である。
【符号の説明】
20 支持板
21 中間支持板
21a 第1の絶縁層
21b、21c 導体板
21d 第2の絶縁層
21e 陽極電極板
21f 陰極電極板
21g 第3の絶縁層
30 自走車
45 集電用電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動平面内を移動する移動体に複数個設けられた電源集電用の電極と;前記移動平面と平行に設けられ、前記移動体に駆動用の電源電圧を供給する給電板と;前記給電板に電源電圧を供給する電源と;を備えた移動体の給電装置において:前記給電板は、第1の絶縁板を挾んで互いに絶縁された2枚の導体板と;前記導体板のうちいずれか一方の導体板と第2の絶縁板を挾んで互いに絶縁された電極板と;を備え、前記電極板は前記第2の絶縁板の表面に互いに分離された状態で複数個形成され、相隣合う電極板は貫通孔を介してそれぞれ異なる前記導体板に電気的に接続され、前記2枚の導体板はそれぞれ陽極及び陰極の電極となるように前記電源から電源電圧が供給され、前記移動体の複数の電極のうち少なくとも2本の電極は常に相隣合う電極板に接触していることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項2】 請求項1に記載の移動体の給電装置において:複数の前記電極板は全て同一の多角形状に形成されていることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の移動体の給電装置において:前記第1及び第2の絶縁板に接触する側の前記導体板は陽極となるように前記電源から電源電圧が供給されることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の移動体の給電装置において:前記第1の絶縁板にのみ接触する側の前記導体板の表面には絶縁処理が施されていることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項1】 移動平面内を移動する移動体に複数個設けられた電源集電用の電極と;前記移動平面と平行に設けられ、前記移動体に駆動用の電源電圧を供給する給電板と;前記給電板に電源電圧を供給する電源と;を備えた移動体の給電装置において:前記給電板は、第1の絶縁板を挾んで互いに絶縁された2枚の導体板と;前記導体板のうちいずれか一方の導体板と第2の絶縁板を挾んで互いに絶縁された電極板と;を備え、前記電極板は前記第2の絶縁板の表面に互いに分離された状態で複数個形成され、相隣合う電極板は貫通孔を介してそれぞれ異なる前記導体板に電気的に接続され、前記2枚の導体板はそれぞれ陽極及び陰極の電極となるように前記電源から電源電圧が供給され、前記移動体の複数の電極のうち少なくとも2本の電極は常に相隣合う電極板に接触していることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項2】 請求項1に記載の移動体の給電装置において:複数の前記電極板は全て同一の多角形状に形成されていることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の移動体の給電装置において:前記第1及び第2の絶縁板に接触する側の前記導体板は陽極となるように前記電源から電源電圧が供給されることを特徴とする移動体の給電装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の移動体の給電装置において:前記第1の絶縁板にのみ接触する側の前記導体板の表面には絶縁処理が施されていることを特徴とする移動体の給電装置。
【図3】
【図4】
【図10】
【図1】
【図2】
【図5】
【図11】
【図12】
【図16】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図13】
【図14】
【図15】
【図4】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開平8−224373
【公開日】平成8年(1996)9月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−55229
【出願日】平成7年(1995)2月21日
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【公開日】平成8年(1996)9月3日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)2月21日
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
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