説明

移動局及び移動通信方法

【課題】移動局の移動速度に応じて、ネットワークより通知された測定処理の測定頻度を調整する。
【解決手段】本発明に係る移動局UEは、移動局UEの移動速度を検出するように構成されている速度検出部13と、検出された移動速度に基づいて、移動局UEが測定処理を行う頻度である測定頻度(具体的には、測定頻度を算出するために用いるパラメータ)を決定するように構成されているパラメータ・スケーリング選択部14(決定部)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局及び移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPで規定されているWCDMA(Wideband-CDMA)方式やLTE(Long Term Evolution)方式やLTE-A(LTE-Advanced)方式では、移動局UEは、かかる移動局UEの移動速度に応じて、各種ネットワークパラメータの値をスケーリング又は選択するように構成されている。
【0003】
3GPPでは、かかる移動速度を検出する方法として、一定区間のセルまたぎ数に応じて、「Low」、「Medium」又は「High」を判定する方法が標準化されている。
【0004】
移動局UEは、かかる判定結果に基づいて、予めネットワークから通知された「Medium」用の係数又は「High」用の係数を用いて、「Low」用に設定された各種ネットワークパラメータをスケーリングするように構成されていてもよい。
【0005】
或いは、移動局UEは、かかる判定結果に基づいて、予めネットワークから通知された「Low」用に設定された各種ネットワークパラメータ、「Medium」用に設定された各種ネットワークパラメータ又は「High」用に設定された各種ネットワークパラメータを用いるように構成されていてもよい。
【0006】
かかるネットワークパラメータとしては、IDLEモードの場合に用いられる「Qhyst(受信レベルのヒステリシス)」や「Treselection(時間方向のヒステリシス)」や、CONNECTEDモードの場合に用いられる「Hysteresis(受信レベルのヒステリシス)」や「Time to trigger(TTT)(時間方向のヒステリシス)」が想定されている。
【0007】
かかる標準仕様の目的は、以下の通りである。すなわち、移動局UEが、高速で移動している場合には、ヒステリシス期間中にも、在圏セルの受信品質が急速に低下していく可能性がある。
【0008】
かかる場合、「Qhyst/Treselection(又は、Hysteresis/TTT)」の値 が大きいと、その分、セル再選択処理(Cell reselection)又はハンドオーバ処理(HO)の実施が遅れることになるため、移動局UEの移動速度の検出結果に基づいて、かかるヒステリシスについてスケーリングしたり、適切なヒステリシスを選択したりする仕様となっている。
【0009】
ここで、図8を参照にして、移動局UEのセル跨ぎ数に応じた移動速度の検出方法の一例について説明する。
【0010】
図8に示すように、移動中のIDLEモードの移動局UEは、判定期間AにおけるセルA/Bの受信品質の測定結果に基づいて、T2において、セル再選択処理を行い、在圏セル(active cell)をセルAからセルBに変更する。この際、セルAは、移動局UEが検出しているが在圏していないセルである「monitor cell」に移る。
【0011】
同様に、移動中のIDLEモードの移動局UEは、判定期間BにおけるセルB/Cの受信品質の測定結果に基づいて、T3において、セル再選択処理を行い、在圏セル(active cell)をセルBからセルCに変更する。この際、セルBは、移動局UEが検出しているが在圏していないセルである「monitor cell」に移る。
【0012】
なお、IDLEモードの移動局UEが同時に在圏(発着信)することができるセルは、1つだけである。
【0013】
また、移動中のCONNECTEDモードの移動局UEは、判定期間AにおけるセルA/Bの受信品質の測定結果に基づいて、T2において、予めネットワークから通知されたEvent条件(HysteresisやTTT)が満たされていることを検出し、ネットワークに対して「Measurement Report(MR)」を送信するように構成されている。
【0014】
同様に、移動中のCONNECTEDモードの移動局UEは、判定期間BにおけるセルB/Cの受信品質の測定結果に基づいて、T3において、予めネットワークから通知されたEvent条件(HysteresisやTTT)が満たされていることを検出し、ネットワークに対して「Measurement Report(MR)」を送信するように構成されている。
【0015】
ここで、移動局UEは、予めネットワークから通知された期間(TCRmax)に行ったセル再選択処理やハンドオーバ処理の回数をカウントし、かかる回数が予めネットワークから通知された回数(NCR_M、又は、NCR_H)を超えると、移動局UEの移動速度を、それぞれ「Medium」又は「High」と判定するように構成されている。
【0016】
また、図9を参照して、移動局UEのセル再選択処理を行うか否かについて判定する方法、又は、「Measurement Report(MR)」を送信するか否かについて判定する方法(或いは、Event条件が満たされているか否かについて判定する方法)の一例を示す。
【0017】
ここで、これらの方法では、ばたつきを押さえるための「判定条件」として、各種のヒステリシスが規定されている。
【0018】
図9に示すように、IDLEモードの移動局UEは、在圏セルよりも受信品質の良いセルを検出しても、すぐにセル再選択処理を行うわけではない。
【0019】
例えば、IDLEモードの移動局UEは、図9に示すように、「monitor sell(セルb)」の受信品質が、「active cell(セルa)」の受信品質と「Qhyst」との和を上回る状態が、「Treselection」秒以上続いた場合に、セル再選択処理を行うように構成されている。
【0020】
また、CONNECTEDモードの移動局UEは、Event条件(HysteresisやTTT)を満たした場合に、ネットワークに対して、「Measurement Report(MR)」を送信するように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】3GPP TS25.304
【非特許文献2】3GPP TS25.306
【非特許文献3】3GPP TS25.331
【非特許文献4】3GPP TS36.304
【非特許文献5】3GPP TS36.306
【非特許文献6】3GPP TS36.331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ここで、上述した従来の移動通信システムでは、移動局UEは、移動速度の検出結果に応じて、ヒステリシス等のネットワークパラメータを、スケーリングしたり、各移動速度に対応するネットワークパラメータを選択したりするが、そもそも、セル再選択処理を行うか否かについて判定する方法や、「Measurement Report(MR)」を送信するか否かについて判定する方法を実施するためには、在圏セルや周辺セルに対する測定処理(Measurement)を実施し、これらのセルの受信品質を取得していなければならない。
【0023】
特に、移動局UEが高速で移動している場合には、かかる移動局UEによる測定処理の測定頻度を上げることが重要になる。
【0024】
ただし、これらの測定処理の測定頻度は、移動局UEの実装依存になっており、ネットワークでは、かかる測定頻度について制御することができないという問題点があった。
【0025】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、移動局の移動速度に応じて、ネットワークより通知された測定処理の測定頻度を調整することができる移動局及び移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の第1の特徴は、移動局であって、前記移動局の移動速度を検出するように構成されている速度検出部と、検出された前記移動速度に基づいて、前記移動局が測定処理を行う頻度である測定頻度を決定するように構成されている決定部とを具備することを要旨とする。
【0027】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局が、該移動局の移動速度を検出する工程と、前記移動局が、検出された前記移動速度に基づいて、該移動局が測定処理を行う頻度である測定頻度を決定する工程とを有することを要旨とする。
【0028】
本発明の第3の特徴は、無線基地局であって、移動局に対して、該移動局が移動速度に基づいて測定処理の測定頻度を決定するために用いるネットワークパラメータを送信するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、移動局の移動速度に応じて、ネットワークより通知された測定処理の測定頻度を調整することができる移動局及び移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動局が測定頻度を決定する動作について説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の変更例1に係る移動局の機能ブロック図である。
【図7】本発明の変更例1に係る移動局の動作を説明するフローチャートである。
【図8】従来の移動通信システムについて説明するための図である。
【図9】従来の移動通信システムについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0032】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式又はLTE-A方式の移動通信システムであり、図1に示すように、セルAを管理する無線基地局eNB#A、セルBを管理する無線基地局eNB#B及びセルCを管理する無線基地局eNB#Cを具備している。
【0033】
ここで、LTE-A方式に対応している移動局UEは、LTE-A方式の移動通信システムにおいて、同時に複数のキャリア(Component Carrier:CC)と通信する「Carrier Aggregation(CA)」を行うことができる。
【0034】
なお、CCには、「Primary CC(PCC)」及び「Secondary CC(SCC)」がある。
【0035】
「CA」を行っている移動局UEは、PCC上では、常に通信を行うように構成されている。なお、PCC上のサービングセルを「Pcell」と呼ぶ。
【0036】
一方、「CA」を行っている移動局UEは、SCC上では、常に通信しているわけではなく、送受信すべきデータが存在するときだけ通信するように構成されている(「Deactive状態」)。なお、SCC上のサービングセルを「Scell」と呼ぶ。
【0037】
「Deactive状態」であっても、移動局UEは、一定間隔で、Scell又はSCC上の他セルに対する測定処理を実施する必要がある。ネットワークは、「measCycleScell」を用いて、かかる測定処理の測定頻度を指定するように規定されている。
【0038】
図2に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、パラメータ取得部11と、Cell reselection(CR)/HO回数カウント部12と、速度検出部13と、パラメータ・スケーリング選択部14と、測定部15と、判定部16と、通知部17とを具備している。
【0039】
パラメータ取得部11は、ネットワークから、ネットワークパラメータを取得するように構成されている。かかるネットワークパラメータには、移動局UEによる測定処理の測定頻度(測定周期)や、移動局UEの移動速度を検出するために用いられる閾値や、セル再選択処理を行うか否かについて判定するための閾値や、「Measurement Report(MR)」を送信するか否かについて判定するための閾値等が想定される。
【0040】
パラメータ取得部11は、報知情報を介して、ネットワークパラメータを取得するように構成されていてもよいし、測定コマンドを受信する際に、ネットワークパラメータを取得するように構成されていてもよい。
【0041】
Cell reselection(CR)/HO回数カウント部12は、予めネットワークから通知された期間(TCRmax)に行われた移動局UEのセル再選択処理やハンドオーバ処理の回数をカウントするように構成されている。
【0042】
なお、Cell reselection(CR)/HO回数カウント部12は、速度検出部13に対して、カウントした回数を通知するように構成されている。
【0043】
速度検出部13は、移動局UEの移動速度を検出するように構成されている。具体的には、速度検出部13は、上述のネットワークパラメータや、Cell reselection(CR)/HO回数カウント部12によって通知された移動局UEのセル再選択処理やハンドオーバ処理の回数等を用いて、移動局UEの移動速度を検出するように構成されていてもよい。
【0044】
例えば、速度検出部13は、かかる移動局UEのセル再選択処理やハンドオーバ処理の回数が予めネットワークから通知された回数(NCR_M、又は、NCR_H)を超えると、移動局UEの移動速度を、それぞれ「Medium」又は「High」と判定するように構成されていてもよい。
【0045】
一方、速度検出部13は、かかる移動局UEのセル再選択処理やハンドオーバ処理の回数が予めネットワークから通知された回数(NCR_M)を超えていない場合、移動局UEの移動速度を、「Low」と判定するように構成されていてもよい。
【0046】
ここで、Cell reselection(CR)/HO回数カウント部12及び速度検出部13は、「TCRmax」や「NCR_M」や「NCR_H」について、パラメータ取得部11によって取得された値を用いてもよいし、移動局UEに独自に設定されている値を用いてもよい。
【0047】
なお、速度検出部13は、ドップラー周波数測定による検出機能等の独自に実装されている機能を用いて、移動局UEの移動速度を検出するように構成されていてもよい。
【0048】
パラメータ・スケーリング選択部14は、速度検出部13によって検出された移動局UEの移動速度に基づいて、移動局UEが用いるべきネットワークパラメータ(例えば、測定頻度)を決定するように構成されている。
【0049】
具体的には、パラメータ・スケーリング選択部14は、速度検出部13によって検出された移動局UEの移動速度に対応するネットワークパラメータ(例えば、測定頻度)を選択するように構成されていてもよい。
【0050】
例えば、パラメータ・スケーリング選択部14は、予めネットワークから通知されている各移動速度に対応する測定頻度を選択するように構成されていてもよい。
【0051】
ここで、パラメータ・スケーリング選択部14は、予めネットワークから通知されている各移動速度に対応する測定頻度を超えない範囲で、各移動速度に対応する測定頻度を独自に決定するように構成されていてもよい。
【0052】
或いは、パラメータ・スケーリング選択部14は、速度検出部13によって検出された移動局UEの移動速度に基づいて、ネットワークパラメータ(例えば、測定頻度)をスケーリングするように構成されていてもよい。
【0053】
例えば、パラメータ・スケーリング選択部14は、予めネットワークから通知された「Medium」用の係数又は「High」用の係数を用いて、「Low」用に設定された測定頻度をスケーリングするように構成されていてもよい。
【0054】
かかる場合、パラメータ・スケーリング選択部14は、速度検出部13によって検出された移動局UEの移動速度が所定閾値(「Medium」又は「High」)以上である場合にのみ、「Low」用に設定された測定頻度を変更するように構成されていてもよい。
【0055】
さらに、図3(a)及び図3(b)に示すように、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークによって通知された「measCycleScell」に対して、予めネットワークから通知されている各移動速度に対応する係数を乗算することによって、Scell又はSCC上の他セルに対する測定処理の測定頻度を算出するように構成されていてもよい。
【0056】
また、パラメータ・スケーリング選択部14は、「CA」が行われている場合に、「Deactive状態」にあるScell又は「Deactive状態」にあるScellのSCCに対する測定処理を行う際に、かかる測定処理の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0057】
或いは、パラメータ・スケーリング選択部14は、「CA」が行われている場合に、Pcell又はPCCに対する測定処理を行う際に、かかる測定処理の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0058】
すなわち、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、上述の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0059】
ここで、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、Pcell又はPCCにおける測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0060】
また、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、Scell又はSCCにおける測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0061】
測定部15は、パラメータ・スケーリング選択部14によって決定された測定頻度にて、在圏セル及び周辺セルに対する測定処理を行うように構成されている。
【0062】
判定部16は、上述のネットワークパラメータ及び測定部15による測定結果に基づいて、セル再選択処理を行うか否かについて、或いは、「Measurement Report(MR)」を送信するか否かについて判定するように構成されている。
【0063】
通知部17は、判定部16によって「Measurement Report(MR)」を送信すると判定された場合、ネットワークに対して、「Measurement Report(MR)」を送信するように構成されている。
【0064】
本実施形態に係る移動通システムにおいて、無線基地局eNB#1乃至eNB#3の構成は、基本的に同一であるため、以下、代表して、無線基地局eNB#1の構成について説明する。図4に示すように、無線基地局eNB#1は、生成部21と、送信部22とを具備している。
【0065】
生成部21は、移動局UEに対して送信すべきネットワークパラメータを生成するように構成されている。
【0066】
例えば、生成部21は、ネットワークパラメータとして、移動局UEによる測定処理の測定頻度(測定周期)や、移動局UEの移動速度を検出するために用いられる閾値や、セル再選択処理を行うか否かについて判定するための閾値や、「Measurement Report(MR)」を送信するか否かについて判定するための閾値等を生成するように構成されている。
【0067】
ここで、生成部21は、自律的に、かかるネットワークパラメータを生成するように構成されていてもよいし、上位ノードから通知された情報に基づいて、かかるネットワークパラメータを生成するように構成されていてもよい。
【0068】
送信部22は、生成部22によって生成されたネットワークパラメータを、移動局UEに対して送信するように構成されている。例えば、送信部22は、報知情報を介して、かかるネットワークパラメータを送信するように構成されていてもよいし、測定コマンド等の個別メッセージを介して、かかるネットワークパラメータを送信するように構成されていてもよい。
【0069】
以下、図5を参照して、本実施形態に係る移動局UEの動作について説明する。
【0070】
図5に示すように、ステップS101において、移動局UEは、移動局UEの移動速度を検出する。
【0071】
ステップS102において、移動局UEは、検出した移動速度が所定閾値(例えば、「Medium」又は「High」)以上であるか否かについて判定する。
【0072】
「Yes」の場合、本動作は、ステップS103に進み、「No」の場合、本動作は、ステップS104に進む。
【0073】
ステップS103において、移動局UEは、検出した移動速度に基づいて、予めネットワークから通知されている測定頻度を変更する。
【0074】
ステップS104において、移動局UEは、予めネットワークから通知されている測定頻度、或いは、ステップS103において変更された測定頻度を用いて、測定処理を行う。
【0075】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEの移動速度に対応する測定頻度によって適切に測定処理(例えば、ScellやSCCに対する測定処理)を行うことができる。
【0076】
(変更例1)
以下、図6及び図7を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0077】
図6に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、図2に示す構成に加えて、状態管理部14Aを具備している。
【0078】
状態管理部14Aは、移動局UEが間欠受信(DRX)状態であるか否かについて管理するように構成されている。
【0079】
また、パラメータ取得部11は、ネットワークから、Pcell又はPCCに対する測定処理の測定頻度を示す「measCyclePcell」を取得するように構成されている。
【0080】
また、パラメータ・スケーリング選択部14は、移動局UEが間欠受信状態であるか否かに基づいて、上述の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0081】
例えば、パラメータ・スケーリング選択部14は、状態管理部14Aを参照して、移動局UEが間欠受信状態である場合に、Pcell又はPCCに対する測定処理の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0082】
例えば、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークによって通知された「measCyclePcell」に対して、予めネットワークから通知されている各移動速度に対応する係数を乗算することによって、Pcell又はPCCに対する測定処理の測定頻度を算出するように構成されていてもよい。
【0083】
なお、パラメータ・スケーリング選択部14は、状態管理部14Aを参照して、移動局UEが間欠受信状態である場合に、Scell又はSCCに対する測定処理の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0084】
以下、図7を参照して、本変更例1に係る移動局UEの動作について説明する。
【0085】
図7に示すように、ステップS201において、移動局UEは、移動局UEの移動速度を検出する。
【0086】
ステップS202において、移動局UEは、検出した移動速度が所定閾値(例えば、「Medium」又は「High」)以上であるか否かについて判定する。
【0087】
「Yes」の場合、本動作は、ステップS203に進み、「No」の場合、本動作は、ステップS205に進む。
【0088】
ステップS203において、移動局UEは、間欠受信状態であるか否かについて判定する。
【0089】
「Yes」の場合、本動作は、ステップS204に進み、「No」の場合、本動作は、ステップS205に進む。
【0090】
ステップS204において、移動局UEは、検出した移動速度に基づいて、予めネットワークから通知されている測定頻度を変更する。
【0091】
ステップS205において、移動局UEは、予めネットワークから通知されている測定頻度、或いは、ステップS103において変更された測定頻度を用いて、測定処理を行う。
【0092】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEの移動速度に対応する測定頻度によって適切に測定処理(例えば、PcellやPCCに対する測定処理)を行うことができる。
【0093】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0094】
本実施形態の第1の特徴は、移動局UEであって、移動局UEの移動速度を検出するように構成されている速度検出部13と、検出された移動速度に基づいて、移動局UEが測定処理を行う頻度である測定頻度を決定するように構成されているパラメータ・スケーリング選択部14(決定部)とを具備することを要旨とする。
【0095】
本実施形態の第1の特徴において、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、上述の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0096】
本実施形態の第1の特徴において、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、Pcell又はPCCにおける測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0097】
本実施形態の第1の特徴において、パラメータ・スケーリング選択部14は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、Scell又はSCCにおける測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0098】
本実施形態の第1の特徴において、パラメータ・スケーリング選択部14は、移動局UEが間欠受信状態であるか否かに基づいて、上述の測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0099】
本実施形態の第1の特徴において、パラメータ・スケーリング選択部14は、移動局UEが間欠受信状態であるか否かに基づいて、Pcell又はPCCにおける測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0100】
本実施形態の第1の特徴において、パラメータ・スケーリング選択部14は、移動局UEが間欠受信状態であるか否かに基づいて、Scell又はSCCにおける測定頻度を決定するように構成されていてもよい。
【0101】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局UEが、かかる移動局UEの移動速度を検出する工程と、移動局UEが、検出された移動速度に基づいて、かかる移動局UEが測定処理を行う頻度である測定頻度を決定する工程とを有することを要旨とする。
【0102】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局eNB#1乃至eNB#3であって、 移動局UEに対して、移動局UEが移動速度に基づいて測定処理の測定頻度を決定するために用いるネットワークパラメータを送信するように構成されている送信部22を具備することを要旨とする。
【0103】
なお、上述の無線基地局eNB#A〜eNB#Cや移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0104】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0105】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNB#A〜eNB#Cや移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNB#A〜eNB#Cや移動局UE内に設けられていてもよい。
【0106】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0107】
eNB#A、eNB#B、eNB#C…無線基地局
UE…移動局
11…パラメータ取得部
12…Cell reselection(CR)/HO回数カウント部
13…速度検出部
14…パラメータ・スケーリング選択部
14A…状態管理部
15…測定部
16…判定部
17…通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局であって、
前記移動局の移動速度を検出するように構成されている速度検出部と、
検出された前記移動速度に基づいて、前記移動局が測定処理を行う頻度である測定頻度を決定するように構成されている決定部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項2】
前記決定部は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、前記測定頻度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項3】
前記決定部は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、Pcell又はPCCにおける前記測定頻度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項4】
前記決定部は、ネットワークから通知されるパラメータに基づいて、Scell又はSCCにおける前記測定頻度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項5】
前記決定部は、前記移動局が間欠受信状態であるか否かに基づいて、前記測定頻度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動局。
【請求項6】
前記決定部は、前記移動局が間欠受信状態であるか否かに基づいて、Pcell又はPCCにおける前記測定頻度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動局。
【請求項7】
前記決定部は、前記移動局が間欠受信状態であるか否かに基づいて、Scell又はSCCにおける前記測定頻度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動局。
【請求項8】
移動局が、該移動局の移動速度を検出する工程と、
前記移動局が、検出された前記移動速度に基づいて、該移動局が測定処理を行う頻度である測定頻度を決定する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項9】
移動局に対して、該移動局が移動速度に基づいて測定処理の測定頻度を決定するために用いるネットワークパラメータを送信するように構成されている送信部を具備することを特徴とする無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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