説明

移動式射出成形装置専用コンテナー

【課題】生産と使用の中間過程を減らし、コストと加工時間を節約し、必要のない浪費を削減した上、生産効率を高め、悪環境の中でも射出成型製品の加工生産のできる移動式射出成型装置専用コンテナーを提供すること。
【解決手段】台座(1)と、台座の周囲にヒンジで連結する側板(2)と、台座(1)の上に設置される床板(3)と、床板の下に設置される貯水槽(4)と、床板の上に設置される射出成型装置(5)と、側板の上に設置される簡易棚(6)と、簡易棚(6)の上に覆われるズック覆い(7)とを含む移動式射出成型装置専用コンテナーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナーに関し、具体的に射出成形装置専用コンテナーを関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術により、射出成形方式で生産した製品は固定の生産作業場で行われている。これらの製品は、大半が中空であり、作業場で生産完了した後、各種の輸送手段(例えば、車、船、列車など)で客先または使用現場まで輸送される。
また、通常のコンテナーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4982860号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の製品は、中空である為、空間の浪費が非常に大きく、輸送コストも高い。また輸送手段と積卸し及び積重ねの制限により、工場で生産した製品の長さは一般的に一定である。一定長の製品はお客様の実際の要望に合わないことがよくあるため、余分の部分を切り取ることで、大きな浪費になってしまう。更に長い製品が生産できない為、中間の連結作業を増やし、取り付けの費用も増えてしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、生産と使用の中間過程を減らし、コストと加工時間を節約し、必要のない浪費を削減した上、生産性を高め、悪環境の中でも射出成形製品の加工生産のできる射出成形装置専用コンテナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る射出成形装置専用コンテナーは、箱本体を含み、上記箱本体が台座及びその周囲に設置される側板を含み、上記側板を倒すことができる上記箱本体内に射出成形装置を設けている。
少なくとも2個の上記箱本体がレールによって連結される。
上記台座の周囲に上記側板がヒンジで連結され、上記台座の上に床板が設置される。上記床板の下に貯水槽を設置し、上記床板の上に上記射出成形装置を設置する。上記側板の上に簡易棚が設置され、上記簡易棚の上をズック覆いが覆っている。
上記貯水槽の上の上記床板にポンプを設置している。
上記床板の上に巻き上げ機を設置し、上記巻き上げ機がワイヤで上記側板のトップに連結する。
上記ズック覆いは上記側板に設置されるズック覆い巻取り機に連結する。
上記床板の上にレールが設置され、上記レールの上に上記射出成形装置を設置する。
上記射出成形装置は、射出成形機と、金型と、真空成形箱と、シャワー冷却箱と、牽引機と、切断機と、置く棚とを含む。
【0007】
本発明の移動式射出成形装置専用コンテナーは、通常40インチの専用コンテナーを使用し、コンテナーの数が生産ラインの長さにより決められる。専用コンテナーは、外形寸法が標準コンテナーと同じであるが、構造設計が違う。専用コンテナーは、トップが開放し、輸送途中にズック覆いで縛って被せられ、当該ズック覆いが取り付け時に簡易テントとして利用される。専用コンテナーの4つの側面は、ヒンジにより巻き上げ機で下へ開き、専用コンテナーの台座の上面と作業台になる。専用コンテナーの台座の上面に射出成形装置を移動するレールが設置され、台座内部のキャビティーが貯水槽として利用され、2個以上の専用コンテナーの台座がパイプで繋がって大きな貯水槽になり、台座にポンプが設置される。台座には空気コンプレッサーも設置し、生産ラインに圧縮空気を提供する。専用の道具箱と金型棚も設置される。コンテナーの側ドアと側板に伸縮可能な棚が取り付けされ、当該棚をフレームとして、コンテナーのトップに広げられたズック覆いと簡易テントになる。コンテナーの余分の空間には作業室と、休憩室と、トイレと、シャワー室と、台所と、簡易薬箱などとを同時に設置することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の移動式射出成形装置専用コンテナーによれば、射出成形装置の梱包と、輸送に存在する問題を解決し、木製の梱包箱を作る必要がなくなり、輸送中における保護が保障できると共に、生産までかかる時間を短縮する。コンテナーが作業場に届いた後、指定の場所に置き、全ての側板を取り外してコンテナーの台座を台として残し、電源を入れれば直接に生産ができる。これによって通常の工場における基礎施設の作業を減らし、地面をならしたり、用水路の溝を掘ったり、水道と空気パイプを取り付けたりする作業は不要となる。生産と使用の中間過程を減らし、コストと加工時間を節約し、必要のない浪費を削減した上、生産性を高め、悪環境の中でも射出成型製品の加工生産ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】移動式射出成形装置専用コンテナーの内部構造を示す断面図である。
【図2】移動式射出成形装置専用コンテナーの構造を示す展開概要図である。
【図3】移動式射出成形装置専用コンテナーの作業状態を示す正面図である。
【図4】移動式射出成形装置専用コンテナーの作業状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、図面と具体的な実施例を用いて本発明について更に説明するが、本発明の制限としない。
以下は一つの最良の実施例を説明する。
【0011】
この実施例の移動式射出成形装置専用コンテナーは、台座1と、上記台座の周囲にヒンジで連結する側板2と、上記台座1の上に設置される床板3と、上記床板の下に設置される貯水槽4と、上記床板3の上に設置される射出成形装置5と、上記側板2の上に設置される簡易棚6と、上記簡易棚6の上を覆うズック覆い7とを含む。
【0012】
貯水槽4の上の床板3にポンプ8を設置している。
床板3の上に昇降巻き上げ機9を設置し、上記昇降巻き上げ機9はワイヤ10で上記側板2のトップに連結する。
ズック覆い7は側板2に設置されるズック覆い巻取り機11に連結する。
床板3の上にレール12が設置され、上記レール12の上に上記射出成形装置5を設置する。
射出成形装置5は、射出成型機と、金型と、真空成形箱と、シャワー冷却箱と、牽引機と、切断機と、置く棚とを含む。
【0013】
本発明の移動式射出成形装置専用コンテナーを使用した時に、指定場所に輸送して、コンテナーを降ろした後、要求に応じてコンテナーの距離、地面の平坦度、コンテナーの直線度を調整する。電源線を連結し、コンテナー台座間のパイプを接続した後、順次に側板2を開き、作業台にする。
【0014】
図1に示すように、専用コンテナーはトップを開放し、テント取り付け用の支え棚6を横梁としてズック覆い7で縛って被せ、ズック覆い7をズック覆い巻取り機11で引っ張る。コンテナーの台座1は、標準コンテナーと違い、二層密封構造に設計され、台座1の中のキャビティーが貯水槽4として使われる。3つの専用コンテナーの台座1はパイプで連結されて大きな貯水槽になり、容量が30〜60立方メートルになる。このため、専用コンテナーの設計は標準コンテナーと比べ、内部空間が減っている。専用コンテナーの2つの側ドアと2つの側板がヒンジにより巻き上げ機9で下へ開いた後の側ドアと側板2および専用コンテナーの台座1の上面を作業台にし、側板2に簡易テントの支え棚を取り付ける場所も設けている。専用コンテナーの台座1の上面に射出成形装置を移動するレール12が設置されている。このレール12は同様に専用コンテナーの側ドアの裏面にも設置されている。専用コンテナーには給水システムが設置されている。給水システムはポンプとパイプにより構成されている。専用コンテナーには圧縮空気システムと、照明システムと、道具箱と、金型棚なども設置されている。
【0015】
図2に示すように、側板が開くと同時にズック覆い巻取り機11はズック覆い7を弛める。簡易棚6によって保護されているため、弛められたズック覆い7は装置を壊すことがなく、簡易棚6は液圧で昇降可能な支え棚でもあり、昇降巻き上げ機9と、ズック覆い巻取り機11と液圧で支えられた簡易棚の協同作動により、簡易テントを形成する。
【0016】
本発明に関わる専用コンテナーは、プラスチック射出成型製品(例えばプラスチック管材と、プラスチック成形材など)をはじめ、プラスチック原料チップと、アルミプラスチック複合管と、スチールプラスチック複合管と、電線ケーブルと、光ファイバーと、アルミ合金成形材と、食品射出成形製品を生産するための移動式射出成形装置に使用するコンテナーである。
【0017】
上記の実施例は、本発明の良い具体的な実施形態の1つであり、当業者が本発明の技術案の範囲内に行われた通常の変化と取替えも本発明の保護範囲に含まれなければならない。
【符号の説明】
【0018】
1………台座
2………側板
3………床板
4………貯水槽
5………射出成形装置
6………簡易棚
7………ズック覆い
8………ポンプ
9………昇降巻き上げ機
10………ワイヤ
11………ズック覆い巻取り機
12………レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体を含み、上記箱本体が台座及びその周囲に設置される側板を含む移動式射出成形装置専用コンテナーであって、上記側板を倒すことができる上記箱本体内に上記射出成形装置を設置していることを特徴とする移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項2】
少なくとも2個の上記箱本体がレールによって連結されることを特徴とする請求項1に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項3】
上記台座の周囲に上記側板がヒンジで連結され、上記台座の上に床板が設置され、上記床板の下に貯水槽が設置され、床板の上に上記射出成形装置を設置し、上記側板の上に簡易棚が設置され、上記簡易棚の上をズック覆いが覆うことを特徴とする請求項1に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項4】
上記貯水槽の上の上記床板にポンプが設置されることを特徴とする請求項3に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項5】
上記床板の上に昇降巻き上げ機が設置され、上記昇降巻き上げ機がワイヤで上記側板のトップに連結することを特徴とする請求項3に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項6】
上記ズック覆いが上記側板に設置されるズック覆い巻取り機に連結することを特徴とする請求項3に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項7】
上記床板の上にレールが設置され、上記レールの上に上記射出成形装置を設置することを特徴とする請求項3に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。
【請求項8】
上記射出成形装置が射出成型機と、金型と、真空成形箱と、シャワー冷却箱と、牽引機、切断機と、置く棚とを含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の移動式射出成形装置専用コンテナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−513909(P2012−513909A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542648(P2011−542648)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/CN2009/071197
【国際公開番号】WO2010/081309
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(510304863)
【Fターム(参考)】