説明

移動性管理のための擬似配線

【課題】無線デバイスが、検出されたアクセス・ルータへのハンドオフを望むとき、ハンドオフ時間を最小にするために、ターゲット・アクセス・ルータと無線デバイスとの間の通信方法および移動性管理を提供する。
【解決手段】ターゲット・アクセス・ルータ106と無線デバイス102との間の通信は、隣接ルータ探査と少なくとも2つの擬似配線を利用して、現在のアクセス・ルータ104を経由して実行される。双方向隣接ルータ探査と創始は、後続の無線デバイス102が複数のアクセス・ルータ間で自動的にハンドオフすることを該アクセス・ルータ104が可能にすることにより実施される。

【発明の詳細な説明】
【関連文献】
【0001】
本出願は、米国特許仮出願番号第60/792,018号、2006年4月14日出願、名称“移動性管理のための方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR MOBILITY MANAGEMENT)”、の利益を主張し、その全体が引用によって本明細書中に取り込まれている。
【技術分野】
【0002】
下記の記載は、一般に通信システムに係わり、より詳しくは、複数のアクセス・ルータ間のハンドオーバーに関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムは、多数のアクセス・ノードを含むことが可能であり、それを通してエンド・ノード(例えば、モービル・デバイス)がネットワークに接続される。エンド・ノードは、一般的に設定された接続を経由してアクセス・ノード(例えば、アクセス・ルータ)と通信する。そのような通信システムは、複数のノード間の2−方向通信をサポートするためにエンド・ノードとアクセス・ノードとの間の双方向通信リンクを当てにしている。そのようなシステムでは、エンド・ノードは、目的の宛先アクセス・ノードのネットワーク・レイヤ・アドレスを知らないことがあるが、同報通信チャネルをわたり受信することが可能な情報を認識することができ、それはメッセージ・ルーティングのために通常利用されない物理レイヤ識別子を含むことが可能である。そのエンド・ノードが同時に1つの双方向通信リンクを維持することができるだけであるときには、このアプローチは、ハンドオフ遅延及びパケット紛失を結果としてもたらす。
【0004】
隣接する地理的なセルを取り扱っているアクセス・ノードは、手動設定を通して相互に知られるはずであり、その設定の間に、様々なパラメータが隣接するもののうちの複数に対応するアクセス・ノードの中に設定される。そのような設定は、労働集約的であり、そして人間の誤り及び下記の事実のために誤りを起こしがちである、その事実は、無線のネットワーク・レイアウトが、ネットワーク拡張、システムの徐々に段階的に実行される展開、又は環境状態のために変化することがあることである。
【0005】
通信システムにおいて、エンド・ノードが隣接する複数の地理的セル間を移動するとき、中断のないサービスを提供することが望ましい。中断が音声通信の品質劣化又は欠落を結果としてもたらすことがあるので、そのような移動は、きわどいデータ(例えば、音声データ)にとって重要である。
【0006】
エンド・ノードがターゲット・アクセス・ノードと直接通信できない場合、そして現在のアクセス・ノードを経由してターゲット・アクセス・ノードと通信することを強いられる場合に、上記の欠点、同様に他の欠点を克服するために、現在のアクセス・ノードからターゲット・アクセス・ノードへのハンドオーバーをサポートする必要がある。
【発明の概要】
【0007】
下記は、開示された実施形態の複数の態様の基本的な理解を提供するための簡単なサマリーを提示する。このサマリーは、本発明の完璧な全体像ではなく、そしてそのような実施形態の鍵となる要素又は重要な要素を識別するように又はそのような実施形態の範囲を詳細に叙述するように意図されていない。その1つの目的は、後で与えられるより詳細な説明への前置きとして単純化した形式で記述される実施形態の複数の概念を与えることである。
【0008】
1又はそれより多くの実施形態及びそれらの対応する明細にしたがって、様々な態様が、インターネット・プロトコル(IP)アーキテクチャにおいて複数の基地局間のシグナリング及びユーザ・トラフィックをカプセル化するためにL2TPv3(レイヤ2トンネリング・プロトコル・バージョン3)擬似配線を利用することに関連して説明される。
【0009】
ある実施形態にしたがったものは、移動性管理のための方法である。本方法は、ターゲット・アクセス・ルータへのハンドオフ要請に応答して隣接ルータ認識失敗を受信すること;該ターゲット・アクセス・ルータとCCPリンクを開設すること;及び現在のアクセス・ルータと該ターゲット・アクセス・ルータとの間で新たな隣接ルータ・アラート(alert)を開始すること、を含む。
【0010】
別の1つの実施形態にしたがったものは、移動性管理を容易にする装置である。本装置は、ハンドオフ要請のためのパケット・ヘッダを形成するプロセッサを含み、ここで、該パケット・ヘッダは第1のアクセス・ルータのアドレスに対応する宛先アドレス及びソース・アドレスを含む。本装置は、しかも、第2のアクセス・ルータから受信する隣接ルータ認識失敗に応じて該第1のアクセス・ルータへ該形成されたパケット・ヘッダを送信する送信機を含む。
【0011】
別の1つの実施形態にしたがったものは、2つのアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にするための装置である。本装置は、第1のアクセス・ルータから信号を受信するための手段;及び該第1のアクセス・ルータのアドレスを含んでいる第1のハンドオフ要請を送信するための手段を含む。同様に含まれるものは、該第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を開始するための手段;及び少なくとも2つの擬似配線を経由して該第1のアクセス・ルータと通信するための手段、である。
【0012】
さらに別の1つの実施形態は、移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令をその上に記憶しているコンピュータ読取り可能な媒体である。本命令は、ターゲット・アクセス・ルータから送信される目標アクセス・ビーコンを認識すること、及び該ターゲット・アクセス・ルータへ第1のハンドオフを要請することを含む。本命令は、しかも、該第1のハンドオフ要請の失敗の受信で第2のハンドオフ要請を送ること、及び該ターゲット・アクセス・ルータと現在のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を開始することを含む。
【0013】
別の1つの実施形態は、移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサである。本命令は、隣接ルータ認識失敗にハンドオフ要請で応答すること;及び第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を、該ハンドオフ要請によって部分的に開始すること、を含む。
【0014】
別の1つの実施形態にしたがったものは、移動性管理のための方法である。本方法は、新たな隣接ルータ探査創始(create)メッセージを受信すること;そして該新たな隣接ルータ創始メッセージへの回答で受領通知を送ることを含む。本方法は、さらに、新たな隣接ルータ・アラート要請に応じてターゲット・アクセス・ルータと第1のL2TP接続及び第2のL2TP接続を設定すること、を含む。
【0015】
別の1つの実施形態にしたがったものは、無線端末のハンドオフを容易にする装置である。本装置は、隣接するアクセス・ルータに関連する情報を記憶するメモリ;無線端末からハンドオフ要請を受信する受信機;及び該記憶された情報を検索し、そして該ハンドオフ要請に応答するプロセッサ、を含む。
【0016】
さらに別の1つの実施形態は、移動性管理を容易にする装置である。本装置は、インターネット・プロトコルのカプセル化されたものを作り出して、情報を送るための手段;及び該情報を送るために少なくとも2つの擬似配線を利用するための手段、を含む。
【0017】
さらに別の1つの実施形態では、移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令をその上に記憶しているコンピュータ読取り可能な媒体である。その命令は、無線端末から新たな隣接ルータ探査創始メッセージを受信すること、及び該新たな隣接ルータ創始メッセージへの回答で受領通知を送ることを含む。その命令は、該新たな隣接ルータ創始メッセージに応答して隣接するアクセス・ルータと情報を交換すること、及びターゲット・アクセス・ルータと第1のL2TP接続及び第2のL2TP接続を設定することをさらに含む。
【0018】
別の1つの実施形態にしたがったものは、複数のアクセス・ルータ間のハンドオフのためのコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサである。その命令は、インターネット・プロトコルをカプセル化したものにより第1のアクセス・ルータへ情報を送ること;及び該情報を送るために少なくとも2つの擬似配線を利用することを含む。
【0019】
さらに別の1つの実施形態は、移動性管理のための方法である。本方法は、無線端末から新たな隣接ルータ・アラートを受信すること;及び該新たな隣接ルータ・アラートにおいて識別されたアクセス・ルータから隣接ルータ探査創始を要請することを含む。本方法は、さらに、該要請された隣接ルータ探査創始の受領通知を該アクセス・ルータから受信すること;及び該アクセス・ルータによって開設された第1のリンクと第2のリンクとを経由して該無線端末と通信することを含む。
【0020】
別の1つの実施形態にしたがったものは、移動性管理を容易にする装置である。本装置は、アクセス端末から受信した新たな隣接ルータ・アラートに応じて隣接ルータ探査創始を開始するプロセッサ;及び該隣接ルータ探査創始への応答に関連する情報を記憶するメモリを含む。
【0021】
さらに別の1つの実施形態は、複数のアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にする装置である。本装置は、ビーコン信号を送信するための手段;及び該ビーコン信号に応じてハンドオフ要請を受信するための手段を含む。同様に含まれるものは、新たな隣接ルータ探査を開始するための手段;及び隣接するアクセス・ルータとルーティング情報を交換するための手段である。
【0022】
別の1つの実施形態にしたがったものは、移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令をその上に記憶しているコンピュータ読取り可能な媒体である。その命令は、新たな隣接ルータ・アラートを無線端末から受信すること、及び該新たな隣接ルータ・アラートにおいて識別されたアクセス・ルータから隣接ルータ探査創始を要請することを含む。その命令は、さらに、該アクセス・ルータから該要請された隣接ルータ探査創始の受領通知を受信すること、及び該アクセス・ルータによって開設された第1のリンクと第2のリンクとを経由して該無線端末と通信することを含む。
【0023】
別の1つの実施形態にしたがったものは、移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサである。その命令は、ビーコン信号を送信すること;及び該ビーコン信号に応じてハンドオフ要請を受信することを含む。その命令は、さらに、新たな隣接ルータ探査を開始すること;及び隣接するアクセス・ルータとルーティング情報を交換することを含む。
【0024】
上記の目的そして関連する目的の実現のために、1又はそれより多くの実施形態は、下記に詳細に記載され、そして特に特許請求の範囲において示される特徴を具備する。下記の説明及び添付された図面は、ある種の例示的な態様を詳細に説明し、そして本実施形態の原理がその中で利用されることができる様々な方法のうちの幾つかだけを表す。他の利点及び新規な特徴は、図面とともに考察されるときに下記の詳細な説明から明らかになるであろう、そして開示された実施形態は、全てのそのような態様及びそれらと等価なものを含むように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】擬似配線を利用してハンドオフを容易にする無線通信システムのブロック図を図示する。
【図2】本明細書中に提示される様々な実施形態にしたがって複数のアクセス・ルータ間のメッセージをカプセル化するためそして逆カプセル化するために使用されるシステム・モデルを図示する。
【図3】擬似配線を利用するハンドオフを容易にするための方法のフローチャートを図示する。
【図4】開示された実施形態を利用するための方法の別の1つのフローチャートを図示する。
【図5】現在のアクセス・ルータとターゲット・アクセス・ルータとの間のハンドオフを確立するための方法のフローチャートを図示する。
【図6】開示された実施形態で利用されるLLC擬似配線ヘッダ・フォーマットを図示する。
【図7】開示された技術を利用するL2TPv3IPサブ・レイヤのためのヘッダ・フォーマットを図示する。
【図8】様々な実施形態にしたがってハンドオフを実行するための方法のフローチャートを図示する。
【図9】様々な実施形態にしたがった無線デバイスを図示する。
【図10】様々な実施形態にしたがったアクセス・ルータを図示する。
【図11】少なくとも2つのアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にする装置のブロック図を図示する。
【図12】移動性管理を容易にする装置のブロック図を図示する。
【図13】複数のアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にする装置を図示する。
【図14】開示された実施形態にしたがって与えられる具体例の通信システムのネットワーク図を図示する。
【図15】本明細書中に開示された様々な実施形態にしたがって与えられる具体例のアクセス端末を図示する。
【図16】開示された実施形態にしたがって与えられる具体例のアクセス・ポイントを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
様々な実施形態が、図面を参照してここに説明される。下記の記載では、説明の目的のために、数多くの特定の詳細が1又はそれより多くの態様の十分な理解を提供するために説明される。しかしながら、そのような(複数の)実施形態がこれらの具体的な詳細を用いずに実行され得ることは、明らかであろう。別の例では、周知の構造及びデバイスは、これらの実施形態を記述することを容易にするためにブロック図形式で示される。
【0027】
本実施形態において使用されるように用語“構成要素(コンポーネント)”、“モジュール”、“システム”、及びその他は、コンピュータ関連の実体、いずれかのハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェア、を呼ぶように意図されている。例えば、構成要素は、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能なもの、実行のスレッド、プログラム、及び/又はコンピュータ、であり得るが、これらであるように限定されない。説明の目的で、計算デバイス上で走っているアプリケーションと計算デバイスの両者は、構成要素であることが可能である。1又はそれより多くの構成要素は、プロセス及び/又は実行のスレッドの内部に常駐することが可能であり、そして構成要素は、1つのコンピュータ上に局在化されることができる及び/若しくは2又はそれより多くのコンピュータの間で分散されることができる。それに加えて、これらの構成要素は、その媒体上に記憶された様々なデータ構造を有するコンピュータ読取り可能な媒体から実行されることが可能である。構成要素は、1又はそれより多くのデータ・パケット(例えば、ローカル・システム、分散型システム中の別の1つの構成要素と情報交換している1つの構成要素からのデータ、及び/又は信号として別のシステムとインターネットのようなネットワークをわたるデータ)を有する信号にしたがうようなローカル・プロセス及び/又は遠隔プロセスを通して通信できる。
【0028】
その上、様々な実施形態が、ユーザ・デバイスと関係して本明細書中で説明される。ユーザ・デバイスは、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、移動デバイス、遠隔局、アクセス・ポイント、基地局、遠隔端末、アクセス端末、ハンドセット、ホスト、ユーザ端末、端末、ユーザ・エージェント、又はユーザ装置とも同様に呼ばれることができる。ユーザ・デバイスは、セルラ電話機、コードレス電話機、セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)電話機、無線ローカル・ループ(WLL:wireless local loop)局、個人ディジタル補助装置(PDA:Personal Digital Assistant)、無線接続能力を有する手持ちデバイス、又は無線モデムに接続された(複数の)他の処理デバイス、であり得る。
【0029】
その上、本明細書中に記載される様々な態様又は特徴は、方法、装置、又は標準プログラミング技術及び/又はエンジニアリング技術を使用する製造文書(article of manufacture)として実施されることができる。本明細書中で使用されるように、用語“製造文書”は、いずれかのコンピュータ読取り可能なデバイス、キャリア、又は媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを含むように意図されている。例えば、コンピュータ読取り可能な媒体は、磁気記憶デバイス(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ...)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD:compact disk)、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD:digital versatile disk)...)、スマート・カード、及びフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、カード、スティック、キー・ドライブ...)を含むことが可能であるが、これらに限定されない。
【0030】
様々な実施形態が、複数の構成要素、モジュール、及びその他を含むことができるシステムの観点から提示されるであろう。様々なシステムが追加の構成要素、モジュール、等を含むことができること、及び/又は図面に関連して論じられる全ての構成要素、モジュール、等を必ずしも含まないことがあることが、理解されそして認識されるべきである。これらのアプローチの組み合わせも、使用されることができる。
【0031】
ここで図面を参照して、図1は、擬似配線を利用してハンドオフを容易にする無線通信システム100のブロック図を図示する。システム100は、無線デバイス102を含み、それは1又はそれより多くのアクセス・ルータ、アクセス・ルータ104及びアクセス・ルータ106と名付けられる、と無線で通信することが可能である、ここで、Nは1より大きい又はそれに等しい任意の整数である。アクセス・ルータは、基地局、パケット・データ・サービング・ノード(PDSN:packet data serving node)、及び/又はゲートウェイ汎用パケット・ラジオ・サービス(GPRS:gateway general packet radio service)サポート・ノードであり得る。
【0032】
各アクセス・ルータ104,106は、対応する地理的な範囲すなわちセル108,110を有する。隣接するセル108,110は、セル境界領域112により示されるように、わずかに重なることができる。そのような重なりは、各アクセス・ルータ104,106により送られたビーコン信号114,116を無線デバイス102が認識する潜在能力を提供することが可能である。ビーコン信号114,116は、LLC識別子をアクセス・ルータ104,106に関連する他の情報と同様に含むことが可能である。
【0033】
無線デバイス102がセル108からセル110に移動するにつれて、矢印で示されたように、無線デバイス102は、アクセス・ルータ106により送られるビーコン116を受信する。無線デバイス102は、アクセス・ルータ104からアクセス・ルータ106へハンドオフするように望むことができる。しかしながら、もしアクセス・ルータ104,106が互いに認識できないならば、ハンドオフは実行されるはずがなく、そして無線デバイス102は、ターゲット・アクセス・ルータ106と適正に通信することが不可能である。それゆえ、無線デバイス102は、アクセス・ルータ104を経由してアクセス・ルータ106と通信することを強いられる。アクセス・ルータ104,106間の信号通信及びトラフィックを伝達するために、擬似配線が作り出される。第1の擬似配線は、LLCフレームのために作り出されることができ、そして第2の擬似配線は、IP通信のために作り出されることができる。そのような方法で、無線デバイス102は、例えば、ハンドオフを経由して直接通信が開設されることができるまで、アクセス・ルータ104を経由してアクセス・ルータ106に通信する。
【0034】
図2は、本明細書中に提示される様々な実施形態にしたがって複数のアクセス・ルータ間のメッセージをカプセル化するためそして逆カプセル化するために使用されるシステム・モデル200を図示する。システム200は、無線端末202、第1のアクセス・ルータ(アクセス・ルータ)204、及び第2のアクセス・ルータ(アクセス・ルータ)206を含む。説明の目的のために、無線端末202は、アクセス・ルータ204(現在のアクセス・ルータ)と直接通信中であり、そしてアクセス・ルータ206(ターゲット・アクセス・ルータ)にハンドオフをしたがっている。各アクセス・ルータ204,206は、それぞれのインターフェース212,214及びそれぞれのLLCエンティティ216,218を含むことができる。
【0035】
無線端末202は、ビーコン信号を通してターゲット・アクセス・ルータ206の存在を認識することが可能であり、そのビーコン信号はアクセス・ルータにより(定期的に又は連続的に)送られて、アクセス・ルータが利用可能であることを近くの範囲内の(例えば、アクセス・ルータの地理的なセル内の)無線デバイスに知らせる。ビーコン信号は、LLC、同様にそのアクセス・ルータに関連する他の情報を含むことが可能である。
【0036】
ターゲット・アクセス・ルータ206のビーコンを既に検出している無線端末は、現在のアクセス・ルータ204にハンドオフ要請を送る。例えば、メモリ中に維持管理されたアクセス・ルータのルック−アップ・テーブル中の情報を検索した後で、もし現在のアクセス・ルータ204がターゲット・アクセス・ルータを認識しない場合には、隣接ルータ認識失敗が無線端末に送られる。
【0037】
そのような失敗を受信した後で、無線端末は、隣接ルータ探査及びアクセス・ルータ204,206間で新たな隣接ルータ・アラート(alert)を開始することができる。実質的に同じ時間に又は実質的に同じ地理的領域内でそれぞれのアクセス・ルータ204,206からのビーコン信号を受信することに基づいて、アクセス・ルータ204と206とが隣接ルータであることを、無線端末202は、推論することができる。
【0038】
少なくとも2つのL2TPv3擬似配線は、IPアーキテクチャのアクセス・ルータ204,206間のユーザ・トラフィック及び信号送信をカプセル化するために使用されることが可能である。無線端末202が新たなアクセス・ルータ(アクセス・ルータ206)と直接通信することが不可能であり、そして現在のもの(アクセス・ルータ204)を経由して新たなアクセス・ルータと通信することを強いられるときには、そのような配線は、ハンドオーバーの促進をサポートすることができる。送る側のエンティティと受け取る側のエンティティがそれぞれのタイプの配線に対して異なるために、2つの擬似配線が利用される。
【0039】
第1のL2TPv3擬似配線208は、IP通信に対してであり得る。アクセス・ルータ204,206間のハンドオーバーをサポートするために、無線端末202は、自身の動きを予想し、そして現在のアクセス・ルータ204を経由して新たなアクセス・ルータ206と複数のタスクを実行する必要がある。これらの情報交換は、移動性管理プロトコル(MMP:mobility management protocol)、接続制御プロトコル(CCP:connection control protocol)、安全関連プロトコル(SAP:secure association protocol)、及び新たなアクセス・ルータへの潜在的に延長可能な認証プロトコル(EAP:extensible authentication protocol)メッセージを含む。これらのプロトコルは、IPを介しては動作しない、それゆえ、複数のホッピングを経由してこの情報を送るためにIPカプセル化に対する必要性がある。同じ理由付けは、既に圧縮されているRHCPフレームを送ることに適用される。これらのメッセージは、現在のアクセス・ルータのLLCから新たなアクセス・ルータのLLCへ送られ、そして本明細書中ではLLCフレームと呼ばれる。
【0040】
第2のL2TPv3擬似配線210は、現在のアクセス・ルータ204において受信された全体のIPパケットをカプセル化し逆多重化するために、そしてそのパケットを新たなアクセス・ルータ206へバイキャストするか転送するかのどちらかのために、使用されることができる。これらのパケットは、現在のアクセス・ルータ・インターフェース212のうちの1つから新たなアクセス・ルータ・インターフェース214のうちの1つへ直接送られる。アクセス・ルータ・インターフェースは、識別情報と構成を含む。これらのメッセージは、“IPパケット”として本明細書中では呼ばれる。
【0041】
図3は、擬似配線を利用してハンドオフを容易にするための方法のフローチャートを図示する。説明の平易さの目的のために、本方法は、一連のブロックとして示されそして説明されるものの、ある複数のブロックが本明細書中で図示されそして説明されるものとは異なる順番で及び/又はそれら以外の別のブロックと同時に生じることがあるので、開示される実施形態は、ブロックの数又は順番により限定されないことが理解される。その上、全ての図示されるブロックが、説明される方法を実施するために必ずしも必要でないことがある。ある方法は、例えば、状態図でのように、一連の相互に関連する状態又は事象として代わりに表わされることができる。ブロックに関係付けられる機能が、ソフトウェア、ハードウェア、それらの組み合わせ、又は任意の別の適切な手段(例えば、デバイス、システム、プロセス、コンポーネント)により実施され得ることが、認識されるべきである。それに加えて、本明細書の全体を通して開示される方法が、かかる方法を様々なデバイスへ伝達すること又は転送することを容易にするために製造の文書に記憶されることが可能であることは、認識されるはずである。
【0042】
ビーコン信号がアクセス・ルータから受信されるときに、方法300は、302で開始する。その信号は、アクセス・ルータに関するLLC又は他の識別子を含むことができる。無線デバイスは、通信速度、品質、又は他のパラメータを含んでいるビーコンで受信される情報に基づいてそのアクセス・ルータ(例えば、ターゲット・アクセス・ルータ)へハンドオフすることを望むことができる。ターゲット・アクセス・ルータへハンドオフするための要請は、現在のアクセス・ルータに送られる。現在のアクセス・ルータがそのターゲット・アクセス・ルータを認識しない場合には、失敗メッセージ(例えば、隣接ルータ認識失敗)が、ハンドオフ要請に応じて、304において受信される。
【0043】
方法300は、306において続き、CCPリンクがターゲット・アクセス・ルータと開設される。そのようなリンクの開設は、ソース・アドレス及び宛先アドレスの両者としてターゲット・アクセス・アドレスをパケット・ヘッダ中に含む第2のハンドオフ要請を送ることを含むことができる。CCP申込み(challenge)は、ハンドオフ要請に応じてターゲット・アクセス・ルータから受信され、それはアクセス端末により応答される。
【0044】
新たな隣接ルータ・アラートは、308において始められ、それは互いの存在についてアクセス・ルータに注意を喚起する。アクセス・ルータは、IPをカプセル化したメッセージの交換を通して通信することができそして通信を開設する。少なくとも2つの擬似配線又はトンネルは、それらのアクセス・ルータ間で開設され、直接リンクが312でターゲット・アクセス・ルータと開設されるまで、310において、無線端末が現在のアクセス・ルータを経由してターゲット・アクセス・ルータと通信することを可能にする。
【0045】
擬似配線は、複数のアクセス・ルータ間で維持され、そして次の無線デバイスは、開示される実施形態にしたがって新たな擬似配線を開設する必要なしにいずれの方向にもアクセス・ルータ間でハンドオフすることが可能である。開示される実施形態は、双方向通信を作り出すことに注目すべきであり、それはもしハンドオフがターゲット・アクセス・ルータから現在のアクセス・ルータに要請される場合に、同じ擬似配線と技術が利用されることが可能であること、を意味する。
【0046】
図4は、開示された実施形態を利用するための方法400の別の1つのフローチャートを図示する。方法400は、402で開始し、そこではあるアクセス・ルータ(例えば、ターゲット・アクセス・ルータ)へのハンドオフ要請が無線端末から受信される。現在のアクセス・ルータは、ターゲット・アクセス・ルータに関連する情報(例えば、IPアドレス、LLC、他のルーティング情報)について内部メモリ、例えば、ルック−アップ・テーブル、を検索することができる。その情報が見つからない場合には、隣接ルータ認識失敗が、404において無線端末に送られ、そのハンドオフが実行不可能であることを指示する。無線端末は、ハンドオフ要請を放棄することができる、又は前に論じたようにターゲット・アクセス・ルータとCCPリンクを始めることができる。
【0047】
無線端末が新たな隣接ルータ・アラートを送る場合には、本方法は、406において続き、そこでは隣接ルータ探索創始が受信される。これは、ターゲット・アクセス・ルータへの通信リンクを開設するために必要なルーティング情報をターゲット・アクセス・ルータから受信することを含むことができる。受け入れ可能である場合には、408において、受領通知が、ターゲット・アクセス・ルータに送られ、それは現在のアクセス・ルータに対するルーティング情報を含む。そのように、双方向ルーティング情報を設定する。
【0048】
擬似配線は、複数のアクセス・ルータ間に創設されることができ、直接の無線リンクがターゲット・アクセス・ルータと開設され得るまで、無線端末が現在のアクセス・ルータを経由してターゲット・アクセス・ルータと通信することを可能にする。
【0049】
図5は、現在のアクセス・ルータとターゲット・アクセス・ルータとの間のハンドオフを確立するための方法500のフローチャートを図示する。502において、ビーコン信号が送信され、それはそのビーコンを送信しているアクセス・ルータのLLCを含む。ビーコンは、近くの範囲内のデバイスにより傍聴されるように意図されており、そのようなデバイスがアクセス・ルータを経由して通信することを可能にする。
【0050】
504において、ハンドオフ要請は、無線端末から受信されることができ、そこでは、無線端末はターゲット・アクセス・ルータに直接通信できない。かかるハンドオフ要請は、無線端末による最初のハンドオフ要請に応じて現在のアクセス・ルータからの最初の失敗応答の後で受け取られるはずである。ハンドオフ要請は、パケット・ヘッダ中にソース・アドレス及び宛先アドレスとしてターゲット・アクセス・ルータ・アドレスを含む。
【0051】
CCPリンクが開設されることに応じて、新たな隣接ルータ・アラートが506で受信される。かかる新たな隣接ルータ・アラートは、各アクセス・ルータから受信されるビーコン信号に基づいて2又はそれより多くのアクセス・ルータが隣接ルータであるとされる無線端末から受信されることがある。隣接ルータ探査創始は、508において実行され、そこでは、ターゲット・アクセス・ルータと現在のアクセス・ルータは、双方向ルーティング情報を交換する。現在のアクセス・ルータからのルーティング情報は、510において、隣接ルータ探査創始に応答して現在のアクセス・ルータからの受領通知で受信される。ターゲット・アクセス・ルータは、直接の無線リンクが開設されるまで現在のアクセス・ルータを経由してその無線端末と通信する。
【0052】
図6は、LLCフレーム擬似配線を伝達するために利用されるLLC擬似配線ヘッダ・フォーマット600を図示する。擬似配線のタイプは、L2TPv3ヘッダ中に含まれるセッション識別子により指示され、そしてL2TPv3サブ・レイヤ・ヘッダとして利用されることができる。バージョン602の記載は、ヘッダのバージョン番号を含む。フィールドは、このバージョンに対して1に設定されることができる。バージョンは、長さが1バイトでありそして整数タイプであり得る。
【0053】
フィールド604は、メッセージの方向を示すフラッグである。設定されたときに、図示されたようにアップリンク“U”を指示する。それが設定されないときには、ダウンリンクを指示する。フィールド604は、1ビットであることができ、そして整数タイプのフィールドである。フィールドres606は、将来の使用のために確保されることができる。それは送り手によってゼロに設定されることができ、そして受信者によって無視されることができる。フィールドres606は、7ビット長であることができ、そしてフィールド・タイプ整数からなる。
【0054】
フィールド連続番号608記載は、2バイトであり得て、そしてそのフィールド・タイプは整数である。このフィールドは、転送された情報に関する連続番号を含む。連続番号フィールド608は、送り手が新たなメッセージを送る毎に1だけ増加されることができる。
【0055】
無線端末識別子(WT Id)記載フィールド610は、グローバルに唯1つの無線端末識別子を含むことができ、無線端末仮識別子及びグローバルに唯1つのモービル・ネットワーク・サーバ(MNS)識別子を含む。WT Idフィールド610は、フィールド・タイプ整数でありそして12バイトであり得る。
【0056】
宛先LLCに関する識別子(Dst LLCid)を含むフィールド612は、2バイトでありそして整数タイプであり得る。Dst LLCid612フィールド中に含まれる識別子は、受信者にとってローカルに固有である。送る側のLLCインターフェースに関する識別子(Src LLCid)を含むフィールド614は、整数タイプであり得て、2バイトの長さを有する。Src LLCidフィールド614中に含まれる識別子は、送る側のインターフェースに対してローカルに固有であり、そして応答を送るために受信者により使用される。
【0057】
巡回冗長性チェック(CRC)記載フィールド616は、L2TPv3ヘッダとサブ・レウヤ・ヘッダとをカバーする。CRCフィールド616は、送信エラーを検出するために使用され、そして2バイトでありそのタイプは整数である。フィールド618は、将来の使用のために確保され、そして送り手によってゼロに設定されることができ、そして受信者により無視されることができる。それは、長さ2バイトであり、そして整数フィールド・タイプである。
【0058】
下記は、トンネル内で交換される情報を処理するためにアクセス・ルータに対して推奨される動きを記述する。LLCフレームを送るとき、送り手は、適切なセッション識別子を選択するはずである。このプロトコルは、L2TPv3ヘッダ中の64ビット・クッキー(Cookie)フィールドを使用する。バージョン・フィールド602は、1に設定されることができる。連続番号フィールド608は、送られるメッセージ毎に1だけ増加される。連続番号フィールド608は、全ての発信メッセージに対して増加され、そしてある無線端末に関連しているメッセージの特定の集合に固有ではない。Dst LLCidフィールド612とSrc LLCidフィールド614は、このセッションを取り決めるときに取得した値にしたがって設定される。フィールド604は、メッセージの方向を示すために設定される。CRCは、次に計算される。送り手は、CRC値を計算している間、CRCフィールド616それ自身をゼロに設定することができる。
【0059】
LLC擬似配線を経由してフレームを受信することは、バージョン・フィールド602を最初にチェックするカプセル化されたサブIPパケットを受信するアクセス・ルータを含む。もしフィールド602が1に等しくない場合には、パケットは、黙って破棄されることができる。もしバージョンが1に設定される場合には、受信者は、CRCフィールド616を計算し、そしてCRCフィールド616それ自身をゼロに設定することができる。エラーが検出される場合には、パケットは黙って破棄されることができる。CRCの好結果の検証に引き続いて、WT id610が使用され、連続番号フィールド608と統合されて、パケットが誤った順番で到着したかどうかを検出する。あるプロトコル(例えば、EAP)は、パケットが送られたものと同じ順番でパケットが受け取られることを求める。パケット再配列は、カプセル化されたプロトコル及び実施に依存する。連続番号フィールド608は、メッセージが誤った順番で到着するときに、ケース・バイ・ケースのベースで、必要な行為を行うための実施を可能にするために含まれる。特定のユーザに対して最後に受信される連続番号フィールド608は、無線端末毎のベースでパケットを再配列することを可能にするために記憶される。
【0060】
図7は、開示された技術を利用するL2TPv3IPサブ・レイヤのためのヘッダ・フォーマット700を図示する。このヘッダは、IPセッション擬似配線を経由してIPパケットを搬送するために使用される。擬似配線のタイプは、L2TPv3ヘッダ中に含まれるセッション識別子によって示され、そしてL2TPv3サブ・レイヤ・ヘッダとして利用されることが可能である。
【0061】
バージョン記載フィールド702は、整数タイプでありそして長さが1バイトであり得る。バージョン・フィールド702は、ヘッダのバージョン番号を含み、そしてこのバージョンに対して1つ設定されることができる。フィールド704は、設定されたときに、パケットが送り手によりバイキャストされた(B)ことを示す。このフィールドは、整数でありそして長さが1ビットである。
【0062】
パケットの残存時間(TTL:time to live)フィールド706は、2ビットでありそして整数であり得る。もしTTLフィールド706がゼロに設定される場合、パケットは破棄されることができる。フィールド708は、将来の使用のために確保され、そして送り手によりゼロに設定されることができそして受信者により無視されることができる。フィールド708は、整数でありそして長さが5ビットである。
【0063】
連続番号記載フィールド710は、転送される情報に関する連続番号を含む。このフィールドは、2バイトでありそして整数フィールド・タイプであり得る。連続番号フィールド710は、送り手が新たなメッセージを送る毎に1ずつ増加される。無線端末識別子(WT Id)フィールド712は、12バイトでありそして整数フィールド・タイプである。WT Idフィールド712は、グローバルに唯1つの無線端末識別子を含むことができ、無線端末仮識別子及びグローバルに唯1つのMNS識別子を含む。
【0064】
宛先無線リンク・インターフェース識別子(Dst Interface Id)フィールド714は、整数フィールド・タイプでありそして長さが4バイトである。このフィールドは、受信者に対してローカルに固有であるだけであり得て、送り手に対して必ずしも意味がある必要がない。このフィールドは、IPアドレスを含むことができる。送り手に対する無線リンク・インターフェースに関する識別子を含むフィールドは、Srcインターフェースid記載フィールド716である。このフィールドは、いずれかの受信されたメッセージに対して生成される応答で使用される。Srcインターフェースid記載フィールド716は、送り手にとってローカルに固有であり、そして受信者にとって意味がない。このフィールドは、IPアドレスを含むことができる。このフィールド・タイプは、整数であり、そして長さが4バイトであり得る。
【0065】
CRCフィールド718は、長さが2バイトである。CRCフィールド718は、L2TPv3ヘッダとサブ・レイヤ・ヘッダをカバーする。このフィールドは、送信エラーを検出するために使用される。フィールド・タイプは、整数である。フィールド720は、将来の使用のために確保され、そして送り手によりゼロに設定されることができそして受信者により無視されることができる。そのフィールド・タイプは、整数でありそして将来の使用のために確保され、そして送り手によりゼロに設定されることができそして受信者により無視されることができる。長さが2バイトである。
【0066】
下記は、トンネル内で交換される情報を処理するためにアクセス・ルータに対して推奨される動きを説明する。IPパケットを送るときに、送り手は、適切なセッション識別子を選択する。このプロトコルは、L2TPv3ヘッダ中の64−ビット・クッキー・フィールドを使用することが可能である。バージョン・フィールド702は、1に設定されることができ、そして連続番号フィールド710は、送られるメッセージ毎に1だけ増加される。連続番号フィールド710が全ての発信メッセージに対して増加され、そしてある無線端末に関連するメッセージの特定の集合に特有ではないことに注意する。TTLフィールド706は、ルーティングの必要性にしたがって設定される。パケットがバイキャストである場合には、フィールド704は、“B”フラッグを示すように設定されることができる。CRCフィールド718は、図6を参照して上に記述されたように計算される。
【0067】
IP擬似配線がIP擬似配線セッションを経由して受信されるとき、バージョン・フィールド704とCRCフィールド718は、上に説明したものと類似の方法で検証される。受信者は、TTLフィールド706を1だけ減少させ、そしてパケットは処理のために適正なインターフェースへ転送される。もしパケットが1つのインターフェースから別の1つに転送されようとしている場合には、TTLフィールド706は、それがゼロより大きいことを確かめるために検査される。もしTTLフィールド706がゼロであるならば、パケットは、黙って破棄されることができる。
【0068】
L2TPv3パケットを使用することによって、ハンドオフのあいだに現在のアクセス・ルータからターゲット・アクセス・ルータへユーザ・データを転送すること;ハンドオフの促進を実現するためにレイヤ2(L2)制御シグナリングを転送すること、ダウンリンクにおけるマクロ−ダイバーシティを提供するためにユーザ・データをバイキャストすること;そして一般的なアップリンクL2−に基づくIPを経由するルーティングは、効率的に処理されることが可能である。L2TPv3を使用することの利点は、複数のアクセス・ルータ間のパケット搬送のためにIPネットワーキングとルーティングを利用することを含む。L2ルーティングと搬送とのいずれもが、複数のアクセス・ルータ間で必要とされない。無線端末は、L2アドレシングとルーティングとを認識する必要があるだけである。追加の制御情報は、L2TPv3ヘッダ中に与えられて、別のユーザ・データ処理そして受信側のアクセス・ルータにおけるスケジューリングを可能にする。それに加えて、エラー検出は、パケットが誤った無線端末に適用されないことを確実にするためにアドレシング情報をカバーする。
【0069】
図8は、様々な実施形態にしたがってハンドオフを実行するための方法800のフローチャートを図示する。方法800は、ハンドオフ・パケットを転送することで802において開始する。ターゲット・アクセス・ルータからのMIPバインディング更新信号の受信に基づいて、バッファされたパケット及びホーム・エージェントから到着する引き続くパケットは、L2TPv3パケットへとカプセル化され、そしてターゲット・アクセス・ルータに送られる。L2TPv3ヘッダは、ターゲット・アクセス・ルータにおける適正なスケジューリングと処理のための追加情報及び無線端末識別子を含む。
【0070】
804において、無線端末からのレイヤ2シグナリングの受信でハンドオフ促進のためのレイヤ2制御シグナリングを転送することが、実行される。宛先LLCid/Cidは、F−OFDMレイヤ2ヘッダにおいて検査される。近隣探査を通して確立されたルーティングに基づいて、このシグナリングは、L2TPv3パケット中へとカプセル化され、そして適正なアクセス・ルータへ転送される。これは、新たなリンクを実際に持ち出す前に、ハンドオフ・シグナリングが制御シグナリングのための古いアップリンクと交差することを認める。
【0071】
方法800は、806において、マクロ−ダイバーシティのためにユーザ・データをバイキャストすることで続く。悪い信号対ノイズ配分が経験されるとき、ダウンリンクにおいてエラーに強くそしてより良いダイバーシティを提供するために、ある複数のユーザ・データ・パケットは、2つの異なるアクセス・ルータにおいて2つの異なるダウンリンクを下り選択的に配送される又はバイキャストされることができる。これは、L2TPv3パケットのユーザ・データ・パケットを複製しそしてカプセル化することにより、そしてこのパケットを副アクセス・ルータへ送ることにより実現されることができる。
【0072】
808において、一般的アップリンク・レイヤ2に基づくIPを経由するルーティングが、実行される。レイヤ2シグナリング又はユーザ・データ・パケットは、L2TPv3へとパケットをカプセル化することによりそして標準IPネットワーキングとルーティングを当てにすることにより、IPルーティングの方法でいずれかの地理的に近いアクセス・ルータへ配送されることが可能である。
【0073】
上記の方法800では、無線端末識別子は、受信側のアクセス・ルータが正しい無線端末にパケットを振り向けることを可能にするために存在する。他のレイヤ2及びレイヤ3制御情報は、受信者による使用のためにヘッダ中に含まれることができる。巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)は、無線端末識別子及びL2TPv3ヘッダ中のレイヤ2とレイヤ3制御情報を保護するために実行される。
【0074】
図9は、様々な実施形態にしたがった無線デバイス900を図示する。無線デバイス900は、受信機902を含み、それはアクセス・ルータ又は他のデバイスから情報を受信する。例えば、受信機902は、アクセス・ルータにより送信されたビーコンを検出することができる。送信機904は、1又はそれより多くのアクセス・ルータ及び/又はデバイスへの情報を伝達する。そのような送信された通信は、ハンドオフ要請、通信(例えば、音声、テキスト、データ、イメージ)、同様にその他の通信を含むことができる。
【0075】
プロセッサ906は、無線デバイス900中に同様に含まれることができる。プロセッサは、ハンドオフ要請のためにパケット・ヘッダを形成することができ、そのパケット・ヘッダは、第1のアクセス・ルータのアドレスに対応するソース・アドレス及び宛先アドレスを含む。オプティマイザ908は、第1のアクセス・ルータとCCPリンクを開設し、第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探索を開始するように構成されることができる。オプティマイザ908は、装置に関するハンドオフ状態をさらに指定することが可能である。
【0076】
図10は、様々な実施形態にしたがったアクセス・ルータ1000を図示する。アクセス・ルータ1000は、送信機1002、受信機1004、プロセッサ1006、及びメモリ1008を含む。送信機1002は、ビーコン信号を送信するように構成されることができ、それはLLC又は他のアクセス・ルータ情報を含む。送信機1002は、他のアクセス・ルータ又は無線デバイスへの様々な通信を送信するように同様に構成されることができる。受信機1004は、ハンドオフ要請、新たな隣接ルータ・アラート、隣接ルータ探査要請、又は複数の無線デバイス間の通信を含むその他の情報を受信するように構成されることができる。
【0077】
プロセッサ1006は、無線端末から受信されるハンドオフ要請に応じてメモリ中に記憶された情報を検索するように構成されることができる。プロセッサ1006は、その無線端末とハンドオフ要請中に含まれるアクセス・ルータとの通信を容易にするために少なくとも2つの擬似配線をさらに創設することができる。第1の擬似配線は、LLCフレームを含み、そして第2の擬似配線は、少なくとも1つのIP通信に対してである。ある実施形態にしたがって、プロセッサ1006は、アクセス端末から受信される新たな隣接ルータ・アラートに応じて隣接ルータ探査創設を開始する。メモリ1008は、隣接ルータ探査の間に交換されたアクセス・ルータ情報に関連する情報と同様にアクセス・ルータに与えられた他の情報を維持管理するように構成されることができる。
【0078】
図11は、少なくとも2つのアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にする装置1100のブロック図を図示する。装置1100は、機能ブロックとして表わされ、それはプロセッサ、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)により実行される機能を表す機能ブロックであり得る。
【0079】
装置1100に含まれるものは、第1のアクセス・ルータから信号を受信するための論理モジュール1102である。第1のアクセス・ルータは、装置1100の近くのアクセス・ルータであり得るが、装置1100が通信中のアクセス・ルータではない。第1のアクセス・ルータのアドレスを含む第1のハンドオフ要請を送信するための論理モジュール1104は、論理モジュール1102が信号を受信するのと実質的に同時にそのような要請を送信することができる。
【0080】
第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を開始するための論理モジュール1106は、装置1100の中に含まれる。同様に含まれるものは、少なくとも2つの擬似配線を経由して第1のアクセス・ルータと通信するための論理モジュール1108である。そのような配線は、第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間の通信パスであり得る。第2のアクセス・ルータは、装置1100と現在通信しているルータであり得る。ある実施形態にしたがって、論理モジュール1108は、無線リンクが開設されたときに第1のアクセス・ルータと直接通信するように構成されることができる。そのような無線リンクが開設されると、装置1100は、その少なくとも2つの擬似配線を経由する第1のアクセス・ルータとの通信を打ち切ることができる。
【0081】
ある複数の実施形態にしたがって、装置1100のハンドオフ状態を特定するためのオプションの論理モジュール1110が、提供される。ハンドオフ状態の例は、アクティブ状態、ホールド状態、及びオフ状態を含む。そのようにして、第1のアクセス・ルータへハンドオフをすると、装置1100は、ハンドオフ状態を特定するために論理モジュール1110によって規定されるように機能することができる。
【0082】
図12は、移動性管理を容易にする装置1200のブロック図を図示する。装置1200は、機能ブロックとして表わされ、それはプロセッサ、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)により実行される機能を表す機能ブロックであり得る。
【0083】
装置1200は、情報を送るためにインターネット・プロトコル・カプセル化を行うように構成された論理モジュール1202を含む。そのようなカプセル化は、メッセージのヘッダ中に含まれることが可能である。装置1200に同様に含まれるものは、情報を送るために少なくとも2つの擬似配線を利用するための論理モジュール1204である。
【0084】
ある複数の実施形態にしたがって、装置1200は、無線デバイスからの新たな隣接ルータ・アラートに応じて隣接するアクセス・ルータと隣接ルータ情報を交換するためのオプションの論理モジュールを含む。無線デバイスは、そのアクセス・ルータが2つのアクセス・ルータからのビーコンを検出することに基づいて隣接ルータであることを推論する。
【0085】
図13は、複数のアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にする装置1300を図示する。装置1300は、機能ブロックとして表わされ、それはプロセッサ、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)により実行される機能を表す機能ブロックであり得る。
【0086】
装置1300は、ビーコン信号を送信するための論理モジュール1302を含む。このビーコン信号は、その近くの範囲内の無線デバイスにより聴取されることが可能であり、そのようなデバイスは、そのビーコン信号を送信しているアクセス・ルータへハンドオフするかどうかの判断を下すことができる。同様に含まれるものは、そのビーコン信号に応じてハンドオフ要請を受信するための論理モジュール1304である。そのようなハンドオフ要請は、近くの範囲内の複数のデバイスから受信されることができる。同様に含まれるものは、新たな隣接ルータ探査を、例えば、隣接するアクセス・ルータと開始するための論理モジュール1306である。隣接するアクセス・ルータとルーティング情報を交換するための論理モジュール1308は、装置に同様に含まれる。
【0087】
ある複数の実施形態では、装置1300は、少なくとも2つの擬似配線を経由して無線端末と通信するための論理モジュール1310を含む。そのような通信は、隣接するアクセス・ルータを経由して行われることが可能である。同様に含まれるものは、無線リンクがその無線端末と開設されたときに少なくとも2つの擬似配線を経由する通信を終わらせるための論理モジュール1312であり得る。そのように、隣接するアクセス・ルータを経由する通信は、それ以上利用されない。
【0088】
図14は、開示された実施形態にしたがって与えられる具体例の通信システム1400(例えば、セルラ通信ネットワーク)を図示し、それは通信リンクにより相互接続された複数のノードを備える:そのネットワークは、無線リンクを経由して情報を通信するために直交周波数分割多重化(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)信号を使用することができる。しかしながら、別のタイプの信号、例えば、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)信号又は時分割多元接続(TDMA:time division multiple access)信号が、代わりに使用されるはずである。具体例の通信システム1400内のノードは、通信プロトコル(例えば、インターネット・プロトコル(IP:Internet Protocol))に基づいて信号を使用する情報(例えば、メッセージ)を交換する。システム1400の通信リンクは、例えば、電線、光ファイバ・ケーブル、及び/又は無線通信技術を使用して与えられることができる。具体例の通信システム1400は、複数のアクセス端末1444,1446,1444’,1446’,1444”,1446”を含み、それは複数のアクセス・ポイント1440,1440’,1440”を経由して通信システムをアクセスする。アクセス端末1444,1446,1444’,1446’,1444”,1446”は、例えば、無線通信デバイス又は端末であり得て、そしてアクセス・ポイント1440,1440’,1440”は、例えば、アクセス・ルータ又は基地局であり得る。具体例の通信システム1400は、相互接続性を提供するために若しくは特定のサービス又は機能を提供するために使用する複数の別のノード1402,1404,1406,1408,1410と1412を同様に含むことができる。
【0089】
システム1400は、ネットワーク1401を図示し、それはアクセス制御ノード1402、移動性サポート・ノード1404、ポリシー制御ノード1406、及びアプリケーション・サーバ・ノード1408を含み、その全ては、それぞれ対応するネットワーク・リンク1403,1405,1407と1409により中間ネットワーク・ノード1410に接続される。ある複数の実施形態では、アクセス制御ノード(例えば、遠隔認証ダイアル・イン・ユーザ・サービス(RADIUS)又はダイアメータ・サーバ)は、認証(authentication)、認定(authorization)、及び/又はアクセス端末のアカウンティング及び/又はアクセス端末に関係するサービスをサポートする。ある複数の実施形態では、移動性サポート・ノード(例えば、モービルIPホーム・エージェント及び/又はコンテクスト移動サーバ)は、(例えば、アクセス端末への/からのトラフィックの切り換え、及び/又は複数のアクセス・ポイント間でアクセス端末に関係する状態の移動、を介して)複数のアクセス・ポイント間のアクセス端末の移動性(例えば、ハンドオフ)をサポートする。ある複数の実施形態では、ポリシー制御ノード(例えば、ポリシー・サーバ又はポリシー決定ポイント(PDP:Policy Decision Point)は、サービス又はアプリケーション・レイヤ・セッションに関するポリシー認定をサポートする。ある複数の実施形態では、アプリケーション・サーバ・ノード(例えば、セッション・イニシエーション・プロトコル・サーバ、ストリーミング媒体サーバ、又は他のアプリケーション・レイヤ・サーバ)は、アクセス端末に利用可能なサービスのためのセッション・シグナリングをサポートする、そして/又はアクセス端末に利用可能なサービス又はコンテントを提供する。
【0090】
ネットワーク1401の中間ネットワーク・ノード1410は、ネットワーク・リンク1411を経由するネットワーク1401の観点から外部であるネットワーク・ノードへの相互接続性を提供する。ネットワーク・リンク1411は、別の中間ネットワーク・ノード1412に接続され、それは、それぞれネットワーク・リンク1441,1441’,1441”を経由して複数のアクセス・ポイント1440,1440’,1440”へのさらなる接続性を提供する。
【0091】
各アクセス・ポイント1440,1440’,1440”は、それぞれ対応するアクセス・リンク(1445,1447)、(1445’,1447’)、(1445”,1447”)を経由して、それぞれ複数のN個のアクセス端末(1444,1446)、(1444’,1446’)、(1444”,1446”)への接続性を提供するように図示されている。具体例の通信システム1400において、各アクセス・ポイント1440,1440’,1440”は、アクセスを提供するために無線技術(例えば、無線アクセス・リンク)を使用するように図示される。無線交信可能領域(例えば、各アクセス・ポイント1440,1440’,1440”の通信セル1448,1448’,1448”)は、それぞれ、対応するアクセス・ポイントを囲む円として図示されている。
【0092】
具体例の通信システム1400は、様々な実施形態の説明のための基礎として引き続き使用される。代わりの実施形態は、様々なネットワーク・トポロジーを含み、そこではノード(ネットワーク・ノード、アクセス・ポイント、アクセス端末、同様に様々な制御ノード、サポート・ノード、及びサーバ・ノードを含む)の数とタイプ、リンクの数とタイプ、及び様々なノード間の相互接続性は、具体例の通信システム1400のそれとは異なることがある。
【0093】
様々な実施形態において、図14に図示された機能エンティティのあるものは、省略される又は組み合されることができる。ネットワークにおけるこれらの機能エンティティの位置又は配置は、発明によって同様に変化することがある。
【0094】
図15は、開示された実施形態にしたがって与えられる具体例のアクセス端末1500(例えば、無線端末)の詳細な図説を提供する。具体例のアクセス端末1500は、上記の図において図示されたアクセス端末1444,1446,1444’,1446’,1444”,1446”のいずれかとして使用されることができる装置の詳細な表示である。アクセス端末1500は、バス1506により接続されたプロセッサ1504、無線通信インターフェース・モジュール1530、ユーザ入力/出力インターフェース1540及びメモリ1510を含む。したがって、バス1506を経由してアクセス端末1500の様々な構成要素は、情報、信号及びデータを交換することが可能である。アクセス端末1500の構成要素1504,1506,1510,1530,1540は、ハウジングの内部に設置される。
【0095】
無線通信インターフェース・モジュール1530は、アクセス端末1500の内部構成要素が外部デバイス及びネットワーク・ノード(例えば、アクセス・ポイント)へ/から信号をそれにより送りそして受け取ることができる機構を提供する。無線通信インターフェース・モジュール1530は、例えば、アクセス端末1500を(例えば、無線通信チャネルを経由して)別のネットワーク・ノードに接続するために使用される、対応する受信アンテナ1536を有する受信機モジュール1532、及び対応する送信アンテナ1538を有する送信機モジュール1534を含む。
【0096】
具体例のアクセス端末1500は、ユーザ入力デバイス1542(例えば、キーパッド)及びユーザ出力デバイス1544(例えば、ディスプレイ)を同様に含み、それらはユーザ入力/出力インターフェース1540を経由してバス1506に接続される。そのように、ユーザ入力/出力デバイス1542,1544は、ユーザ入力/出力インターフェース1540とバス1506を介してアクセス端末1500の他の構成要素と情報、信号及びデータを交換することができる。ユーザ入力/出力インターフェース1540及び関係するデバイス1542,1544は、ユーザが様々なタスクを達成するためにそれにより動作することが可能な機構を提供する。特に、ユーザ入力デバイス1542とユーザ出力デバイス1544は、ユーザがアクセス端末1500及びそのアクセス端末1500のメモリ1510において実行するアプリケーション(例えば、モジュール、プログラム、ルーチン及び/又は機能)を制御することを可能にする機能を提供する。
【0097】
メモリ1510中に含まれる様々なモジュール(例えば、ルーチン)の制御の下でプロセッサ1504は、アクセス端末1500の動作を制御して、様々なシグナリングと処理を実行する。メモリ1510中に含まれるモジュールは、スタートアップ時に又は他のモジュールによる呼び出しに応じて実行される。モジュールは、実行されるときにデータ、情報、及び信号を交換することができる。モジュールは、しかも実行されたときにデータ及び情報を共有することができる。アクセス端末1500のメモリ1510は、制御シグナリング・モジュール1512、アプリケーション・モジュール1514、及びトラフィック制御モジュール1550を含み、トラフィック制御モジュール1550はさらに設定情報1551及び様々な追加モジュール1552,1553,1554,1555,1556,1557,1558と1559を含む。
【0098】
アプリケーション・モジュール1514は、アクセス端末1500によってサポートされる1又はそれより多くのアプリケーションに関係する処理及び通信を制御する。ある複数の実施形態では、アプリケーション・モジュール1514処理は、ユーザ入力/出力インターフェース1540を介した情報の入力/出力、アプリケーションに関係する情報の操作、及び/又はアプリケーションに関係する信号(例えば、メッセージ)を受け取ること又は送ること、に関連する複数のタスクを含む。ある複数の実施形態では、−アプリケーション・モジュール1514は、そのアプリケーション・モジュール1514によってサポートされる1又はそれより多くのアプリケーションの動作に関連する状態情報(例えば、パラメータ、ステータス及び/又はその他の情報)を含む。特に、アプリケーション・モジュール1514は、設定情報(例えば、ユーザ識別情報)及び/又はパラメータ設定、及び動作情報(例えば、現在の処理状態、保留中の応答のステータス、等に関する情報)を含むことができる。アプリケーション・モジュール1514によってサポートされるアプリケーションは、例えば、IPを介した音声(VoIP)、ウェブ・ブラウジング、オーディオ/ビデオのストリーミング、即時メッセージ通信、ファイル共用、ゲーム、等を含む。
【0099】
制御シグナリング・モジュール1512は、例えば、トラフィック制御モジュール1550、同様に設定情報1551及びその中に含まれる様々な追加モジュール1552,1553,1554,1555,1556,1557,1558と1559を含む、アクセス端末1500の様々な態様の動作及び/又は設定を制御するための信号(例えば、メッセージ)を受け取ること及び送ることに関連する処理を制御する。ある複数の実施形態では、制御シグナリング・モジュール1512は、アクセス端末1500の動作に関連する状態情報(例えば、パラメータ、ステータス及び/又はその他の情報)、及び/又は制御シグナリング・モジュール1512によってサポートされる1又はそれより多くのシグナリング・プロトコルを含む。特に、制御シグナリング・モジュール1512は、設定情報(例えば、アクセス端末識別情報及び/又はパラメータ設定)及び動作情報(例えば、現在の処理状態、保留中のメッセージ・トランザクションのステータス、等に関する情報)を含むことができる。
【0100】
トラフィック制御モジュール1550は、無線通信インターフェース・モジュール1530を経由してデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)を受け取ること及び送ることに関連する処理を制御する。具体例のトラフィック制御モジュールは、設定情報1551、同様に様々な追加モジュール1552,1553,1554,1555,1556,1557,1558と1559を含み、追加モジュールはパケットに対するサービスの品質及び/又は、例えば、パケットのシーケンスに関係するトラフィック・フローの様々な態様を制御する。ある複数の実施形態では、トラフィック制御モジュール1550は、アクセス端末1500、トラフィック制御モジュール1550、及び/又は1又はそれより多くのその中に含まれる様々な追加モジュール1552,1553,1554,1555,1556,1557,1558と1559の動作に関連する状態情報(例えば、パラメータ、ステータス及び/又はその他の情報)を含む。設定情報1551、例えば、パラメータ設定、は、トラフィック制御モジュール1550及び/又はその中に含まれる様々な追加モジュール1552,1553,1554,1555,1556,1557,1558と1559の動作を決定し、影響を及ぼし、そして/又は規定する。様々な追加モジュールは、ある複数の実施形態では、トラフィック制御の特定の態様をサポートするために必要とされるような特定の機能及び動作を実行するために含まれる。様々な実施形態において、複数のモジュールは、トラフィック制御の機能的な必要条件に応じて必要とされるように省略される及び/又は組み合わせられることができる。具体例のトラフィック制御モジュール1550に含まれる各追加モジュールの簡単な説明は、下記の通りである。
【0101】
承認制御モジュール1552は、リソースの利用/利用可能性に関連する情報を維持管理し、そして十分なリソースが特定のトラフィック・フローのサービスの品質要求をサポートするために利用可能であるかどうかを判断する。アップリンク・スケジューラ・モジュール1553は、送信スケジューリング(例えば、順番及び/又はタイミング)と送信リソース(例えば、情報コーディング・レート)送信時間スロットの割り当てに関連する処理、及び/又は(例えば、アクセス端末1500からアクセス・ポイントへ)無線インターフェース・モジュール1530を経由して送られようとしているデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)に対する送信出力、を制御する。
【0102】
アップリンクPHY/MACモジュール1554は、(例えば、アクセス端末1502からアクセス・ポイントへ)無線通信インターフェース・モジュール1530を経由してデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)を送ることに関連する物理(PHY)レイヤとメディア・アクセス制御(MAC)レイヤ処理を制御する。アップリンクLLC(ARQ)モジュール1555は、(例えば、アクセス端末1500からアクセス・ポイントへ)無線通信インターフェース・モジュール1530を経由してデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)を送ることに関連する論理リンク制御(LLC)レイヤ処理を制御する。
【0103】
アップリンク待ち行列管理モジュール1556は、(例えば、アクセス端末1500からアクセス・ポイントへ)無線通信インターフェース・モジュール1530を経由して送られようとしているデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)の記憶に関連する情報を維持管理し、そして処理を制御する。アップリンク分類モジュール1557は、(例えば、アクセス端末1500からアクセス・ポイントへ)無線通信インターフェース・モジュール1530を経由して送られる前に特定のトラフィック・フローに属しているとして、データ情報、例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム、の識別に関連する処理を制御する。
【0104】
ダウンリンクPHY/MACモジュール1558は、(例えば、アクセス・ポイントからアクセス端末1500へ)無線通信インターフェース・モジュール1530を経由してデータ情報(例えば、パケット及び/又はフレーム)を受け取ることに関連するPHYレイヤとMACレイヤ処理を制御する。ダウンリンクLLC(ARQ)モジュール1559は、(例えば、アクセス・ポイントからアクセス端末1500へ)無線通信インターフェース・モジュール1530を経由してデータ情報(例えば、パケット及び/又はフレーム)を受け取ることに関連するLLCレイヤ処理を制御する。
【0105】
図16は、様々な実施形態にしたがって与えられる具体例のアクセス・ポイント1600の詳細な図説を提供する。具体例のアクセス・ポイント1600は、上記の図において図示されたアクセス・ポイント1440,1440’,1440”のうちのいずれか1つとして使用されることができる装置の詳細な表示である。アクセス・ポイント1600は、バス1606により接続されたプロセッサ1604、メモリ1610、ネットワーク/ネットワーク間インターフェース・モジュール1620、及び無線通信インターフェース・モジュール1630、を含む。したがって、バス1606を経由してアクセス・ポイント1600の様々な構成要素は、情報、信号及びデータを交換することが可能である。アクセス・ポイント1600の構成要素1604,1606,1610,1620,1630は、ハウジング1602の内部に設置される。
【0106】
ネットワーク/ネットワーク間インターフェース・モジュール1620は、アクセス・ポイント1600の内部構成要素が外部デバイス及びネットワーク・ノードへ/から信号をそれにより送ること又は受け取ることができる機構を提供する。ネットワーク/ネットワーク間インターフェース・モジュール1620は、ノード1600を別のネットワーク・ノードに(例えば、銅配線又は光ファイバ・リンクにより)接続するために使用される、受信機モジュール1622及び送信機モジュール1624を含む。無線通信インターフェース・モジュール1630は、アクセス・ポイント1600の内部構成要素が外部デバイス及びネットワーク・ノード(例えば、アクセス端末)へ/から信号をそれにより送ること又は受け取ることができる機構を同様に提供する。無線通信インターフェース・モジュール1630は、例えば、対応する受信アンテナ1636を有する受信機モジュール1632、及び対応する送信アンテナ1638を有する送信機モジュール1634を含む。無線通信インターフェース・モジュール1630は、(例えば、無線通信チャネルを経由して)アクセス・ポイント1600を別のネットワーク・ノードに接続するために使用される。
【0107】
メモリ1610中に含まれる様々なモジュール(例えば、ルーチン)の制御の下でプロセッサ1604は、様々なシグナリングと処理を実行するためにアクセス・ポイント1600の動作を制御する。メモリ1610中に含まれるモジュールは、スタートアップ時に又は他のモジュールによる呼び出しに応じて実行される。モジュールは、実行されるときにデータ、情報、及び信号を交換することができる。モジュールは、しかも実行されたときにデータ及び情報を共有することができる。アクセス・ポイント1600のメモリ1610は、制御シグナリング・モジュール1612及びトラフィック制御モジュール1650を含み、それはさらに設定情報1651及び様々な追加モジュール1652,1653,1654,1655,1656,1657,1658,1659,1660,1661,1162と1163を含む。
【0108】
制御シグナリング・モジュール1612は、例えば、トラフィック制御モジュール1650、同様に設定情報1651及びその中に含まれる様々な追加モジュール1652,1653,1654,1655,1656,1657,1658,1659,1660,1661,1662と1663を含む、アクセス・ポイント1600の様々な態様の動作及び/又は設定を制御するための信号(例えば、メッセージ)を受け取ること及び送ることに関連する処理を制御する。ある複数の実施形態では、制御シグナリング・モジュール1612は、アクセス・ポイント1600の動作に関連する状態情報(例えば、パラメータ、ステータス及び/又はその他の情報)、及び/又は制御シグナリング・モジュール1612によってサポートされる1又はそれより多くのシグナリング・プロトコルを含む。特に、制御シグナリング・モジュール1612は、設定情報(例えば、アクセス・ポイント識別情報)及び/又はパラメータ設定、及び動作情報(例えば、現在の処理状態に関する情報)、保留中のメッセージ・トランザクションのステータス、等を含むことができる。
【0109】
トラフィック制御モジュール1650は、無線通信インターフェース・モジュール1630を経由してデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)を受け取ること及び送ることに関連する処理を制御する。具体例のトラフィック制御モジュールは、設定情報1651、同様に様々な追加モジュール1652,1653,1654,1655,1656,1657,1658,1659,1660,1661,1662と1663を含み、追加モジュールはパケットに対するサービスの品質及び/又はトラフィック・フロー(例えば、パケットに関連するシーケンス)の様々な態様を制御する。ある複数の実施形態では、トラフィック制御モジュール1650は、アクセス・ポイント1600、トラフィック制御モジュール1650、及び/若しくは1又はそれより多くのその中に含まれる様々な追加モジュール1652,1653,1654,1655,1656,1657,1658,1659,1660,1661,1662と1663の動作に関連する状態情報(例えば、パラメータ、ステータス及び/又はその他の情報)を含む。設定情報1651(例えば、パラメータ設定)は、トラフィック制御モジュール1650及び/又はその中に含まれる様々な追加モジュール1652,1653,1654,1655,1656,1657,1658,1659,1660,1661,1662と1663の動作を決定し、影響を及ぼし、そして/又は規定する。様々な追加モジュールは、ある複数の実施形態では、トラフィック制御の特定の態様をサポートするために必要とされるような特定の機能及び動作を実行するために含まれる。本発明の様々な実施形態において、複数のモジュールは、トラフィック制御の機能的な必要条件に応じて必要とされるように省略される及び/又は組み合わせられることができる。具体例のトラフィック制御モジュール1650に含まれる各追加モジュールの簡単な説明は、下記の通りである。
【0110】
承認制御モジュール1652は、リソースの利用/利用可能性に関連する情報を維持管理し、そして十分なリソースが特定のトラフィック・フローのサービス要求の品質をサポートするために利用可能であるかどうかを判断する。承認制御モジュール1652は、リソースの利用/利用可能性に関連する情報を維持管理し、そして十分なリソースが特定のトラフィック・フローのサービス要求の品質をサポートするために利用可能であるかどうかを判断する。承認制御モジュール1652により維持管理されるリソース利用可能性情報は、例えば、パケット及び/又はフレーム待ち行列能力、スケジューリング能力を、同様に1又はそれより多くのトラフィック・フローをサポートするために必要とされる処理能力とメモリ容量を含む。
【0111】
アップリンク・スケジューラ・モジュール1653は、送信スケジューリング(例えば、順番及び/又はタイミング)に関連する処理、そして1又はそれより多くのアクセス端末からアクセス・ポイントへ無線インターフェース・モジュール1630を経由して送られようとしているデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)に対する送信リソース(例えば、情報コーディング・レート、送信時間スロット、及び/又は送信出力)の割り当て、を制御する。
【0112】
ダウンリンク・スケジューラ・モジュール1654は、送信スケジューリング(例えば、順番及び/又はタイミング)に関連する処理、そしてアクセス・ポイント1600から1又はそれより多くのアクセス端末へ無線インターフェース・モジュール1630を経由して送られようとしているデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)に対する送信リソース(例えば、情報コーディング・レート、送信時間スロット、及び/又は送信出力)の割り当て、を制御する。アップリンク・トラフィック・コンディショナ・モジュール1655は、データ情報(例えば、メッセージ)に対するトラフィック調整(例えば、メータリング、マーキング、ポリシイング、等)に関連する処理を制御する。
【0113】
アップリンク分類モジュール1656は、アップリンク・トラフィック・コンディショナ・モジュール1655により処理される前に特定のトラフィック・フローに属しているとして、例えば、アクセス端末からアクセス・ポイント1600へ、無線インターフェース・モジュール1630を経由して受け取られるデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)の識別に関連する処理を制御する。
【0114】
アップリンクLLC(ARQ)モジュール1657は、例えば、アクセス端末からアクセス・ポイント1600へ、無線通信インターフェース・モジュール1630を経由してデータ情報(例えば、パケット及び/又はフレーム)を受け取ることに関連するLLCレイヤ処理を制御する。アップリンクPHY/MACモジュール1658は、(例えば、アクセス端末からアクセス・ポイント1600へ)無線通信インターフェース・モジュール1630を経由してデータ情報(例えば、パケット及び/又はフレーム)を受け取ることに関連するPHYレイヤとMACレイヤ処理を制御する。
【0115】
ダウンリンク分類モジュール1659は、例えば、アクセス・ポイント1600からアクセス端末へ、無線通信インターフェース・モジュール1630を経由して送られる前に特定のトラフィック・フローに属しているとして、データ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)の識別に関連する処理を制御する。ダウンリンク・トラフィック・コンディショナ・モジュール1660は、(例えば、アクセス・ポイント1602からアクセス・ポイントへ)無線インターフェース・モジュール1630を経由して送られようとしているデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)に対するトラフィック調整(例えば、メータリング、マーキング、ポリシイング、等)に関連する処理を制御する。
【0116】
ダウンリンク待ち行列管理モジュール1661は、(例えば、アクセス・ポイント1600からアクセス端末へ)無線通信インターフェース・モジュール1630を経由して送られようとしているデータ情報(例えば、メッセージ、パケット、及び/又はフレーム)の記憶に関連する情報を維持管理し、そして処理を制御する。
【0117】
ダウンリンクLLC(ARQ)モジュール1662は、(例えば、アクセス・ポイント1602からアクセス端末へ)無線通信インターフェース・モジュール1630を経由してデータ情報(例えば、メッセージ、パケット及び/又はフレーム)を送ることに関連するLLCレイヤ処理を制御する。
【0118】
ダウンリンクPHY/MACモジュール1663は、(例えば、アクセス・ポイント1600からアクセス端末へ)無線通信インターフェース・モジュール1630を経由して、データ情報(例えば、メッセージ、パケット及び/又はフレーム)を送ることに関連するPHYレイヤとMACレイヤ処理を制御する。
【0119】
本明細書中に記述された複数の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又はこれらの任意の組み合わせにより実行されることができることが理解されるはずである。本システム及び/又は方法が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードにおいて実行されるとき、それらは、記憶コンポーネントのような、機械読み取り可能な媒体中に記憶されることができる。コード・セグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、又は命令、データ構造、又はプログラム・ステートメントの任意の組み合わせ、を表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、主張(argument)、パラメータ、又はメモリ・コンテントを渡すこと及び/又は受け取ることにより別のコード・セグメント又はハードウェア回路に接続されることができる。情報、主張、パラメータ、データ、等は、他のものの中でメモリ分割方式、メッセージ通過方式(passing)、トークン通過方式、ネットワー伝送、等を含む適当な手段を使用して渡されるか、転送されるか、又は伝送されることができる。
【0120】
ソフトウェア・インプリメンテーションに関して、本明細書で説明された技術は、本明細書中に説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能、及びその他)を用いて実行されることができる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット中に記憶されることができ、そしてプロセッサによって実行されることができる。メモリ・ユニットは、プロセッサの内部に、又はプロセッサの外部に与えられることができる。外部の場合には、この分野において公知の種々の手段を介してプロセッサに通信的に接続されることが可能である。
【0121】
上に説明されてきたものは、1又はそれより多くの実施形態の複数の例を含む。当然のことながら、上記の実施形態を説明する目的のために全ての考え得るコンポーネント又は方法の組み合わせを記述することは不可能であるが、様々な実施形態の複数のさらなる組み合わせ及び置き換えが可能であることを、当業者は認識することができる。したがって、記載された実施形態は、添付された特許請求の範囲の精神及びスコープの範囲内になる全てのそのような代替物、変更及び変形を包含するように意図されている。その上、用語 “含む(include)”が詳細な説明又は特許請求の範囲において使用される限りは、“具備する(comprising)”が特許請求の範囲においてつなぎの用語として利用されるときに解釈されるように、そのような用語は、用語“具備する”と同様にある意味では包括的であるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動性管理のための方法であって、
ターゲット・アクセス・ルータへのハンドオフ要請に応答して隣接ルータ認識失敗を受信すること;
前記ターゲット・アクセス・ルータとCCPリンクを開設すること;及び
現在のアクセス・ルータと前記ターゲット・アクセス・ルータとの間で新たな隣接ルータ・アラート(alert)を開始すること、
を具備する方法。
【請求項2】
前記現在のアクセス・ルータを経由して前記ターゲット・アクセス・ルータと通信すること;
前記ターゲット・アクセス・ルータへの直接リンクを検出すること;及び
前記現在のアクセス・ルータへのリンクを切断すること、
をさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
CCPリンクを開設することは、
目的の基地局からCCP申込み(challenge)を受信すること;及び
前記CCP申込みに応答すること、
をさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項4】
隣接ルータ認識失敗を受信することの前に、
ターゲット・アクセス・ルータから信号を受信すること;
現在のアクセス・ルータから前記ターゲット・アクセス・ルータへのハンドオフを要請すること;及び
前記現在のアクセス・ルータから失敗を受信すること、
をさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記ターゲット・アクセス・ルータへハンドオフ・メッセージを送ることは、アクティブ状態、ホールド状態、及びオフ状態のうちの1つとして前記ハンドオフを要請することを具備する、請求項1の方法。
【請求項6】
ターゲット・アクセス・ルータとCCPリンクを開設することは、ソース・アドレス及び宛先アドレスを前記ターゲット・アクセス・ルータのアドレスに設定することをさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項7】
ターゲット・アクセス・ルータとCCPリンクを開設することは、レイヤ2ルーティング情報の機能である、請求項1の方法。
【請求項8】
ターゲット・アクセス・ルータとCCPリンクを開設することは、迅速なハンドオフ、ハンドオフ切断の前に接続、ハンドオフ接続の前に切断のうちの1つである、請求項1の方法。
【請求項9】
移動性管理を容易にする装置であって、
ハンドオフ要請のためのパケット・ヘッダを形成するプロセッサ、ここで、前記パケット・ヘッダは第1のアクセス・ルータのアドレスに対応する宛先アドレス及びソース・アドレスを含む;並びに
第2のアクセス・ルータから受信する隣接ルータ認識失敗に応じて前記第1のアクセス・ルータへ前記形成されたパケット・ヘッダを送信する送信機、
を具備する装置。
【請求項10】
前記第1のアクセス・ルータから送信されたビーコン信号を受信する受信機;及び
前記第1のアクセス・ルータとCCPリンクを開設して前記第1のアクセス・ルータと前記第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査(discovery)を開始するオプティマイザ、
をさらに具備する、請求項9の装置。
【請求項11】
前記送信機は、少なくとも2つの擬似配線を通り前記第2のアクセス・ルータを経由して前記第1のアクセス・ルータとさらに通信する、請求項9の装置。
【請求項12】
前記装置に関するハンドオフ状態を特定するオプティマイザをさらに具備する、請求項9の装置。
【請求項13】
2つのアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にするための装置であって、
第1のアクセス・ルータから信号を受信するための手段;
前記第1のアクセス・ルータのアドレスを含んでいる第1のハンドオフ要請を送信するための手段;
前記第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を開始するための手段;及び
少なくとも2つの擬似配線を経由して前記第1のアクセス・ルータと通信するための手段、
を具備する装置。
【請求項14】
前記装置は、ハンドオフ状態を特定するための手段をさらに具備する、請求項13の装置。
【請求項15】
前記通信するための手段は、無線リンクが開設されたときに、前記第1のアクセス・ルータとさらに直接通信する、請求項13の装置。
【請求項16】
移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令をその上に記憶しているコンピュータ読取り可能な媒体であって、
ターゲット・アクセス・ルータから送信される目標アクセス・ビーコンを認識するための第1の命令セット;
前記ターゲット・アクセス・ルータへの第1のハンドオフを要請するための第2の命令セット;
前記第1のハンドオフ要請に対する失敗の受信で第2のハンドオフ要請を送るための第3の命令セット;及び
前記ターゲット・アクセス・ルータと現在のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を開始するための第4の命令セット、
を具備する、コンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項17】
宛先アドレス及びソース・アドレスとして前記ターゲット・アクセス・ルータのアドレスを含むヘッダ・パケットを前記第2のハンドオフ要請の中に含ませるための第5の命令セット、
をさらに具備する、請求項16のコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項18】
無線端末のハンドオフ状態を第2のハンドオフ・メッセージに追加するための第6の命令セット、をさらに具備し、ここで、前記ハンドオフ状態は、アクティブ状態、ホールド状態、及びオフ状態のうちの1つである、
請求項16のコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項19】
移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサであって、前記命令は、
隣接ルータ認識失敗にハンドオフ要請で応答すること;
第1のアクセス・ルータと第2のアクセス・ルータとの間で隣接ルータ探査を、前記ハンドオフ要請によって部分的に開始すること、
を具備する命令である、プロセッサ。
【請求項20】
前記命令は、直接無線リンク通信が前記第2のアクセス・ルータに利用可能であるとき、前記第1のアクセス・ルータとのリンクを切断することを具備する、請求項19のプロセッサ。
【請求項21】
移動性管理のための方法であって、
新たな隣接ルータ探査創始(create)メッセージを受信すること;
前記新たな隣接ルータ創始メッセージへの回答で受領通知を送ること;及び
新たな隣接ルータ・アラート要請に応じてターゲット・アクセス・ルータと第1のL2TP接続及び第2のL2TP接続を設定すること、
を具備する方法。
【請求項22】
新たな隣接ルータ探査創始メッセージを受信することの前に、新たな隣接ルータ・アラートを受信することをさらに具備する、請求項21の方法。
【請求項23】
新たな隣接ルータ創始メッセージ(a new neighbor create message)を受信することの前に、
無線端末からハンドオフのための要請を第1の基地局において受信すること;
前記ハンドオフ要請に応答して失敗メッセージを送ること、
をさらに具備する、請求項21の方法。
【請求項24】
新たな隣接ルータ探査創始メッセージ(a new neighbor discovery create message)を受信することは、目的の基地局のルーティングを現在の基地局へとロードすることを具備する、請求項21の方法。
【請求項25】
受領通知を送ることは、現在の基地局のレイヤ2ルーティング情報で応答することを具備する、請求項21の方法。
【請求項26】
前記第1のL2TP接続は、少なくとも1つのLLCフレームのためであり、そして前記第2のL2TP接続は、少なくとも1つのIP通信のためである、請求項21の方法。
【請求項27】
無線端末のハンドオフを容易にする装置であって、
隣接するアクセス・ルータに関連する情報を記憶するメモリ;
無線端末からハンドオフ要請を受信する受信機;及び
前記記憶された情報を検索し、そして前記ハンドオフ要請に応答するプロセッサ、
を具備する装置。
【請求項28】
前記ハンドオフ要請がメモリ中に記憶されていないアクセス・ルータを含む場合に、隣接ルータ認識失敗を送信する送信機をさらに具備する、請求項27の装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記無線端末と前記ハンドオフ要請に含まれるアクセス・ルータとの間の通信を容易にするために少なくとも2つの擬似配線をさらに創出する、請求項27の装置。
【請求項30】
第1の擬似配線は、LLCフレームを含み、そして第2の擬似配線は、少なくとも1つのIP通信のためである、請求項29の装置。
【請求項31】
移動性管理を容易にする装置であって、
インターネット・プロトコルのカプセル化されたものを作り出し、情報を送るための手段;及び
前記情報を送るために少なくとも2つの擬似配線を利用するための手段、
を具備する装置。
【請求項32】
無線デバイスから受信される新たな隣接ルータ・アラートに応じて隣接するアクセス・ルータと隣接ルータ情報を交換するための手段、
をさらに具備する、請求項31の装置。
【請求項33】
移動性管理のためにコンピュータ実行可能な命令をその上に記憶しているコンピュータ読取り可能な媒体であって、
無線端末から新たな隣接ルータ探査創始メッセージを受信するための第1の命令セット;
前記新たな隣接ルータ創始メッセージへの回答で受領通知を送るための第2の命令セット;
前記新たな隣接ルータ創始メッセージに応答して隣接するアクセス・ルータと情報を交換するための第3の命令セット;及び
ターゲット・アクセス・ルータと第1のL2TP接続及び第2のL2TP接続を設定するための第4の命令セット、
を具備する、コンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項34】
無線リンクが前記無線端末と前記ターゲット・アクセス・ルータとの間で開設されるまで、前記無線端末が前記ターゲット・アクセス・ルータと通信することを可能にするための第5の命令セット、
をさらに具備する、請求項33のコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項35】
複数のアクセス・ルータ間のハンドオフのためのコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサであって、前記命令は、
インターネット・プロトコルをカプセル化したものにより第1のアクセス・ルータへ情報を送ること;及び
前記情報を送るために少なくとも2つの擬似配線を利用すること、
を具備する命令である、プロセッサ。
【請求項36】
前記命令は、前記第1のアクセス・ルータからの新たな隣接ルータ・アラートに応答することをさらに具備し、ここで、前記応答は、ルーティング情報を含む、請求項35のプロセッサ。
【請求項37】
移動性管理のための方法であって、
無線端末から新たな隣接ルータ・アラートを受信すること;
前記新たな隣接ルータ・アラートにおいて識別されたアクセス・ルータから隣接ルータ探査創始を要請すること;
前記アクセス・ルータから前記要請された隣接ルータ探査創始の受領通知を受信すること;及び
前記アクセス・ルータによって開設された第1のリンクと第2のリンクとを経由して前記無線端末と通信すること、
を具備する方法。
【請求項38】
新たな隣接ルータ・アラートを受信する前に、LLCアドレスを含んでいるビーコン信号を送信することを具備する、請求項37の方法。
【請求項39】
前記第1のリンクは、少なくとも1つのLLCフレームのための第1のL2TP接続であり、そして前記第2のリンクは、少なくとも1つのIP通信のための第2のL2TP接続である、請求項37の方法。
【請求項40】
前記無線端末と通信することは、レイヤ2ルーティング情報である、請求項37の方法。
【請求項41】
隣接ルータ探査創始を要請することは、前記アクセス・ルータにルーティング情報を送ることを具備する、請求項37の方法。
【請求項42】
移動性管理を容易にする装置であって、
アクセス端末から受信される新たな隣接ルータ・アラートに応じて隣接ルータ探査創始を開始するように構成されたプロセッサ;
前記隣接ルータ探査創始への応答に関連する情報を記憶するように構成されたメモリ、を具備する装置。
【請求項43】
LLCアドレスを含んでいるビーコン信号を送信するように構成された送信機をさらに具備する、請求項42の装置。
【請求項44】
少なくとも2つの擬似配線を経由して前記アクセス端末へ情報を伝達するように構成された送信機;及び
前記少なくとも2つの擬似配線を経由して前記アクセス端末から情報を受信するように構成された受信機、
をさらに具備する、請求項42の装置。
【請求項45】
複数のアクセス・ルータ間のハンドオフを容易にする装置であって、
ビーコン信号を送信するための手段;
前記ビーコン信号に応じてハンドオフ要請を受信するための手段;
新たな隣接ルータ探査を開始するための手段;及び
隣接するアクセス・ルータとルーティング情報を交換するための手段、
を具備する装置。
【請求項46】
少なくとも2つの擬似配線を経由して無線端末と通信するための手段;及び
無線リンクが前記無線端末と開設されたときに、前記少なくとも2つの擬似配線を経由する前記通信を切断するための手段、
をさらに具備する、請求項45の装置。
【請求項47】
移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令をその上に記憶しているコンピュータ読取り可能な媒体であって、
新たな隣接ルータ・アラートを無線端末から受信するための第1の命令セット;
前記新たな隣接ルータ・アラートにおいて識別されたアクセス・ルータから隣接ルータ探査創始を要請するための第2の命令セット;
前記要請された隣接ルータ探査創始の受領通知を前記アクセス・ルータから受信するための第3の命令セット;及び
前記アクセス・ルータによって開設された第1のリンクと第2リンクとを経由して前記無線端末と通信するための第4の命令セット、
を具備する、コンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項48】
前記無線端末と直接無線リンク通信を開設するための第5の命令セット;及び
前記直接無線リンクが開設されたときに、前記第1のリンクと前記第2のリンクを切断するための第6の命令セット
をさらに具備する、請求項47のコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項49】
移動性管理のためのコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサであって、前記命令は、
ビーコン信号を送信すること;
前記ビーコン信号への応答でハンドオフ要請を受信すること;
新たな隣接ルータ探査を開始すること;及び
隣接するアクセス・ルータとルーティング情報を交換すること、
を具備する命令である、プロセッサ。
【請求項50】
前記命令は、
少なくとも2つの擬似配線を経由してアクセス端末と通信すること;及び
無線リンクが前記無線端末と開設されたときに、前記少なくとも2つの擬似配線を経由する前記通信を切断すること、
をさらに具備する命令である、請求項49のプロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−102468(P2013−102468A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−279841(P2012−279841)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2009−505647(P2009−505647)の分割
【原出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】