説明

移動時間算出装置及び移動時間算出システム

【課題】ユーザの利便性を向上させつつ、地点の変更に対しても迅速に対応して地点間の移動時間を算出することができる移動時間算出装置及び移動時間算出システムを提供すること。
【解決手段】この移動時間算出装置300は、所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶部321と、位置情報記憶部321に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択部333と、地点選択部333が選択した2の地点の位置情報に基づいて、2の地点間の距離を導出する距離導出部346と、距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、距離導出部346が導出した距離を代入して、2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出部347と、を有し、移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように移動時間長を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動時間算出装置及び移動時間算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人旅行をする旅行者は、その旅行中にどこに泊まり、何を食べ、どこへ行き、どのような交通手段で移動するか等のプランを自ら決定する。しかし、このような個人旅行の旅行プランをたてるには、その旅行地域にある観光地の所在地・移動手段・移動時間・飲食店・催し物の有無・目的地の開場時間帯・観光対象の開催時間帯等の情報を予め調べる必要がある。
【0003】
近年のインターネットの普及に伴い、各種の情報サイトや経路検索エンジン等を使用することにより、このような情報を手軽に取得することができるようになった。しかし、個々の情報を吟味して、移動時間や開催時間帯等を調整しつつ実際に実現可能な旅行プランをたてることは、依然として旅行者本人が行う必要があり、旅行者の手間は多大であった。特に、出発地から目的地までの移動に必要な移動時間を、その移動に使用する交通手段の乗換に必要な時間までも含めて算出することができるネットワーク上の検索エンジンが、下記特許文献1などに記載されている。この特許文献1に記載の経路検索エンジンによれば、正確な移動時間をネットワークを介して提供することができるため、その移動時間についての情報を取得したユーザは、正確な旅行プランを作成することか可能である。
【0004】
【特許文献1】特開平08−263786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、旅行会社の社員や旅慣れた旅行者ではなく、例えば、個人の旅行者などのように、旅慣れていない一般の利用者が旅行プランを作成する場合、どのようなイベントを旅行プランに含めるべきか一度に決定されることは少ない。このように一般の利用者が旅行プランを作成する場合、移動時間を算出するための出発地点と到着地点とが一義には決定されず、複数の出発地点と複数の到着地点とを様々に入れ替えて、複数のパターンを比較することが、多々行われる。
【0006】
そこで、旅行プランを作成する際に、上記特許文献1に記載の経路検索エンジンを使用したのでは、正確な移動時間が算出可能であるものの、出発地点や到着地点、経由地点等を入れ替える度に移動時間長をネットワーク経由で検索することになる。その結果、移動時間長の検索に、多大な時間が必要になってしまう。また、このような経路検索エンジンが、例えば検索回数や通信量に応じて料金が発生するいわゆる重量課金システムの場合、出発地点や到着地点、経由地点等を微調整する毎に、費用がかさんでしまう。よって、このような移動経路検索エンジンを利用した旅行プラン作成では、到着地点等の微調整するだけでも、長時間を要したり、費用がかかるため、利用者の利便性は良くない。また、このような不便さは、利用者に到着地点等を変更する際に躊躇させる結果を招くことも考えられる。そこで利用者は、このような不便さを逃れるために、出発地点や到着地点、経由地点等を一度に決定する必要に迫られるが、移動時間は、これらの地点を決定する上で重要な要因となるため、本末転倒な結果を招くことも考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの利便性を向上させつつ、地点の変更に対しても迅速に対応して地点間の移動時間を算出することが可能な、新規かつ改良された移動時間算出装置及び移動時間算出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶部と、上記位置情報記憶部に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択部と、上記地点選択部が選択した2の地点の位置情報に基づいて、上記2の地点間の距離を導出する距離導出部と、距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、上記距離導出部が導出した距離を代入して、上記2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出部と、を有し、上記移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように上記移動時間長を導出することを特徴とする、移動時間算出装置が提供される。
【0009】
この構成によれば、地点選択部により、移動時間長を算出したい2の地点が選択され、距離導出部により、位置情報に基づいた2の地点間の距離を導出することができる。そして、移動時間導出部が、この距離を移動時間関数に代入することにより、移動時間長を導出することができる。この際、移動時間導出部が使用する移動時間関数は、距離に応じて、その距離に対する移動時間長の増加量が変化するように移動時間長を導出することができる。つまり、この移動時間関数は、実際に移動する際の交通手段や地域の特性等が反映されるように、移動時間長の増加量を距離に応じて変化させる。従って、実際に2地点間の移動に必要とされる移動時間長に、より近い移動時間長を算出することができる。また、この移動時間長の算出は、移動時間導出部により移動時間関数を使用して行われるため、ネットワークを介した経路検索等を行うことなく、移動時間長を迅速且つ容易に導出することができる。よって、例えば、地点選択部が、選択する地点を変更したとしても、迅速且つ容易に移動時間長を導出することが可能である。
【0010】
また、上記移動時間関数は、上記代入される距離が長くなるにつれて、該距離に対する移動時間長の増加量が減少するように上記移動時間長を導出してもよい。
【0011】
また、相異なる複数の上記移動時間関数が記録される移動時間関数記憶部と、上記位置情報に基づいて、上記地点が含まれるエリアを特定するエリア特定部と、上記エリア特定部が特定したエリアに応じて、上記移動時間関数記憶部に記録された複数の上記移動時間関数から、1又は2以上の移動時間関数を選択する移動時間関数選択部と、を有し、上記移動時間導出部は、上記移動時間関数選択部が選択した移動時間関数を使用して上記2の地点間の移動時間長を導出してもよい。
【0012】
また、上記移動時間関数選択部は、上記2の地点が同一エリアに含まれる場合、該エリア内の移動に関連付けられたエリア内移動時間関数を選択し、上記2の地点が異なるエリアに含まれる場合、上記エリア内移動時間関数とは異なり、かつ、各エリア間の移動に関連付けられたエリア間移動時間関数を少なくとも選択してもよい。
【0013】
また、上記エリア間移動時間関数は、上記距離に対する移動時間長の増加量における上記距離に対する減少量が、上記エリア内移動時間関数よりも大きくてもよい。
【0014】
また、上記移動時間関数選択部は、上記2の地点が異なるエリアに含まれる場合、各エリア内の移動に関連付けられた上記エリア内移動時間関数と、該エリア間の移動に関連付けられた上記エリア内移動時間関数とを選択し、上記移動時間導出部は、上記各エリアのそれぞれに新たな地点を設定し、上記エリア内移動時間関数を用いて各エリア内での上記2の地点と上記新たな地点との間のエリア内移動時間長を導出すると共に、上記エリア間移動時間関数を用いて上記新たな地点間のエリア間移動時間長を導出してもよい。
【0015】
また、上記2の地点それぞれで実行されるイベントを実行するための実行時間帯を設定する実行時間設定部と、上記移動時間導出部により導出された移動時間長と、上記実行時間設定部により設定された実行時間帯とに基づいて、上記実行時間帯が設定可能であるか否かを判定する判定部と、を更に有してもよい。
【0016】
この構成によれば、判定部により、設定されたイベントの実行時間帯が実行可能か否かを判定することができる。この判定の例としては、判定部は、例えば、複数のイベントの実行時間帯間の時間間隔が、移動時間長未満である場合には、実行時間帯が設定不可能であると判定し、移動時間長以上である場合には、実行時間帯が設定可能であると判定してもよい。このように判定部は実行時間帯を設定可能であるか否かを判定するので、実行時間設定部は、実行時間帯を柔軟に設定することができ、かつ、その実行時間帯がイベントを実際に実行可能なように設定されているか否かをユーザ自らが確認せずに済む。また、実際に実行不可能な旅行プランを作成することも防止される。
【0017】
また、上記地点選択部により2以上の地点が選択され、かつ、その2以上の地点の各イベントについて上記実行時間設定部により上記実行時間帯が設定された後に、少なくとも、上記各イベントの実行時間帯を表す実行時間情報と、上記2以上の地点の位置情報とに基づいて、実際に2以上の地点間を移動可能な移動時間帯を設定する移動時間設定部を更に有し、上記判定部は、上記移動時間設定部により設定された移動時間帯を表す可能移動時間情報と上記実行時間情報とに基づいて、上記実行時間帯が設定可能であるか否かを更に判定してもよい。
【0018】
この構成によれば、地点選択部により2以上の地点が選択され、かつ、2以上の地点の各イベントについて実行時間設定部により実行時間帯が設定された後に、移動時間設定部により、実際に2以上の地点間を移動可能な移動時間帯を設定することができる。この移動時間帯は、実行時間帯を表す実行時間情報と、そのイベントの地点の位置情報とに基づいて設定され、交通手段等に応じて実際に移動可能な時間帯を表す。そして、この移動時間帯を表す可能移動時間情報を使用して、判定部により、イベントの実行時間帯が設定可能か否かを判定することができる。この判定の例としては、判定部は、例えば、イベントの実行時間帯と移動時間帯とが重畳している場合には、実行時間帯が設定不可能であると判定し、イベントの実行時間帯と移動時間帯とが重畳していない場合には、実行時間帯が設定可能であると判定してもよい。
つまり、実行時間帯を設定する際には、2以上の地点間の移動に必要であると予測される移動時間長が移動時間導出部により導出されて、この移動時間長に基づいて実行時間帯が設定可能か否かが判定部により判定される。一方、実行時間帯が設定された後には、2以上の地点間の移動が実際に可能な移動時間帯が移動時間設定部により設定されて、この移動時間帯に基づいて実行時間帯が設定可能か否かが判定される。なお、移動時間設定部は、移動時間帯を自ら算出したり、他の構成に算出させたりすることができ、この算出結果の移動時間帯を設定する。一般的に、概算の移動時間長を算出するよりも、実際の移動時間帯を算出する方が、処理するデータ量等が多く、より多くの時間を要する。従って、このように、実行時間帯を設定する際には、より速く算出されうる移動時間長に基づいた判定を行い、実行時間帯を設定した後には、実際の移動時間帯を用いて判定を行うことにより、必要最低限の移動時間を確保しつつ、2以上の地点を選択したり、その地点の各イベントの実行開始時刻や終了時刻を柔軟に設定し、かつ、より速く作成することができる。
【0019】
また、上記実行時間設定部は、上記実行時間帯が設定可能ではないと上記判定部により判定された場合、上記実行時間帯が設定可能となるように上記実行時間帯を再度設定してもよい。
この構成によれば、実行時間設定部が一旦設定した実行時間帯が、実際には設定不可能である場合、実行時間設定部により、設定可能なように再度実行時間帯を設定することができる。
【0020】
また、上記実行時間設定部により設定された実行時間帯を調整する実行時間調整部を有し、上記判定部は、上記実行時間調整部により調整された実行時間帯が設定可能であるか否かを更に判定してもよい。
この構成によれば、実行時間帯調整部は、実行時間帯設定部により設定された実行時間帯を調整することができる。そして、判定部は、その調整後の実行時間帯をも設定可能であるか否かを判定することができる。
【0021】
また、上記実行時間設定部により少なくとも1のイベントの実行時間帯が既設定されており、上記イベント選択部により新たなイベントが選択された場合、該新たなイベントの地点と既設定されているイベントの地点との間の移動時間長を表示画面に表示させる表示制御部を有してもよい。
この構成によれば、1のイベントの実行時間帯が既設定されており、イベント選択部により新たなイベントが選択された場合、表示制御部により、新たなイベントの地点と既設定のイベントの地点との間の移動時間長を表示画面に表示させることができる。従って、ユーザは、表示された移動時間長を考慮しつつ、新たなイベントの実行時間帯を設定させることができる。
【0022】
また、上記表示制御部は、上記判定部による判定結果を更に上記表示画面に表示させてもよい。
この構成によれば、表示制御部により、判定部による判定結果を表示画面に表示させることができる。従って、ユーザは、設定された実行時間帯が設定可能であるか否かをその判定結果から知ることができる。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、2の地点間の移動に要する予想される移動時間長を算出する移動時間算出装置と、上記移動時間算出装置にネットワークを介して接続可能であり、上記移動時間算出部に移動時間長を算出させる移動時間要求端末と、を有し、上記移動時間算出装置は、所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶部と、上記位置情報記憶部に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択部と、上記地点選択部が選択した2の地点の位置情報に基づいて、上記2の地点間の距離を導出する距離導出部と、距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、上記距離導出部が導出した距離を代入して、上記2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出部と、を有し、上記移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように上記移動時間長を導出することを特徴とする、移動時間算出システムが提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶機能と、上記位置情報記憶機能に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択機能と、上記地点選択機能が選択した2の地点の位置情報に基づいて、上記2の地点間の距離を導出する距離導出機能と、距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、上記距離導出部が導出した距離を代入して、上記2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出機能と、を含み、上記移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように上記移動時間長を導出すること、を実現させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの利便性を向上させつつ、地点の変更に対しても迅速に対応して地点間の移動時間を算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
なお、本発明の各実施形態に係る移動時間算出装置又はシステムは、2の地点間の移動時間長を、迅速且つ容易に算出することが可能であり、その地点が変更されたとしても、同様に、迅速且つ容易に地点間の移動時間を算出することが可能である。このような移動時間算出装置又はシステムは、様々な装置等に適用することが可能であるが、特に、移動時間長を算出する地点が変更されうるような場合に、その効果等をより発揮することが可能である。そこで、このように地点が変更された場合の効果等の理解が容易になるように、以下では、地点が変更されることが度々ある旅行プラン作成装置及びシステムに、本発明の各実施形態に係る移動時間算出装置及びシステムが適用された場合について説明する。つまり、以下では、本発明の各実施形態に係る移動時間算出装置及びシステムの一例として、旅行プラン作成装置及びシステムを例に挙げて説明する。ただし、この旅行プラン作成装置及びシステムは、本発明の各実施形態に係る移動時間算出装置及びシステムの適用先を限定するものではない。移動時間算出装置及びシステムは、単に移動時間を算出するためのみに使用することも可能であり、その他様々な装置等に適用可能であることは言うまでもない。
【0028】
<第1実施形態に係る旅行プラン作成システムの構成>
まず、図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る旅行プラン作成システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る旅行プラン作成システムの構成について説明する説明図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係る旅行プラン作成システム100は、旅行プラン要求端末200と、旅行プラン作成装置300と、移動時間検索エンジン500とを有する。
【0030】
この旅行プラン作成システム100は、移動時間算出システムの一例であって、ユーザによる所定の操作に応じて、旅行プランを作成する。ここで言う「旅行プラン」とは、例えば、1又は2以上のイベントが時系列に沿って並べられた予定表・タイムスケジュール・計画表などを意味する。つまり、旅行プランは、「あるイベントを何時から何時まで実行する」という情報を、所定の期間(旅行期間)中に設定されている1又は2以上のイベント毎に有しており、ユーザが旅行中の行動時に参照するためのものである。本実施形態に係る旅行プラン作成システム100は、この旅行プランとして、各イベント間の移動時間、つまり、各イベントが実行される地点間の移動に要すると予想される移動時間等をも考慮した旅行プランを作成する。なお、この旅行プランは、ユーザの行動に指針を与えるものであり、ユーザの行動を束縛するものではない。この旅行プラン作成システム100は、旅行プランを作成することを目的としており、作成された旅行プランは実際に実行される必要はない。更に言えば、この旅行プランを作成するユーザと、実際の旅行プランを実行するユーザとは別人であってもよい。
【0031】
また、説明の便宜上、旅行プランが作成される期間におけるユーザの行動目的を「旅行」と言うが、厳密な意味での旅行に限定されるものではなく、例えば出張・帰郷・外出など様々な目的をも含むものとし、旅行プランには、ユーザの通常の行動範囲(例えば居所・勤め先・よく訪れる地域やその近傍)の外部だけでなく、その内部における計画等をも含まれるものとする。つまり、旅行プランには、例えば、単なる近郊への外出時の予定表も含まれる。
【0032】
更に、ここで言う「イベント」は、例えば、旅行中にユーザが滞在・参加・鑑賞・実行等するための、場所・出来事・行事・催し物・行動などを意味する。イベントとしては、例えば、コンサートやスポーツや催し物を見ることやその実行、名所や景勝や観光地への訪問、宿泊施設などへの宿泊、会合への参加、飲食店などでの食事、観光用乗り物に乗ることなどが挙げられる。しかし、イベントはここで挙げた例に限定されるものではなく、ユーザが所定の場所(地点)で実行可能であり、その実行に所定の時間長を要する様々な事象を含めることが可能である。ここではこのような事象を総称してイベントと言い、このイベントについて滞在・参加・鑑賞・実行等を行うことを「実行」と総称する。そして、旅行プラン中に含まれた各イベントの実行を予定している時間間隔(時間帯)のことを、ここでは「実行時間帯」ともいう。
【0033】
旅行プラン作成システム100の構成についての説明に戻る。
上記の旅行プラン要求端末200と旅行プラン作成装置300とは、例えばインターネット、LAN、WAN等の通信ネットワーク(以下、「ネットワーク400」という。)を経由して相互に接続可能である。
【0034】
旅行プラン要求端末200は、移動時間要求端末の一例であって、ユーザによって操作され、このユーザ操作に応じて、移動時間算出装置の一例である旅行プラン作成装置300に、旅行プランを作成させるための所定の信号及び情報を送信する。一方、この所定の信号を受信した旅行プラン作成装置300は、以下で説明する所定の処理や動作を通じて、ユーザが所望する旅行プランを作成する。そして、旅行プラン要求端末200は、作成された旅行プランを取得して、例えば、表示画面に表示したり、音声出力したり、記録装置に記録するなどにより、旅行プランをユーザに提供する。
【0035】
また、旅行プラン作成装置300は、ネットワーク400を介して更に移動時間検索エンジン500(例えば移動経路検索エンジン)に接続可能である。移動時間検索エンジン500は、ある地点から他の地点まで移動可能な移動時間を検索する。より具体的にこの移動時間検索エンジン500について説明する。この移動時間検索エンジン500は、実際の交通手段(移動手段)に関する情報についてネットワーク400上の他のサーバを検索したり、その情報を自ら有している。「交通手段に関する情報」としては、例えば、列車・バス・飛行機・船などの定期又は不定期に運転される交通手段の時刻表、徒歩・自動車・自転車などのように、ユーザが通常採りうる交通手段による所要時間を算出可能な情報(速度情報であってもよい。)などが挙げられる。移動時間検索エンジン500は、更に、出発地点と到着地点に関する位置情報と、出発時刻に関する出発時刻情報とを取得する。そして、移動時間検索エンジン500は、位置情報及び出発時刻情報(到着時刻情報でもよい。)に基づいて、それらに応じて実際に採りうる交通手段に関する情報を検索する。更に、この検索した交通手段に関する情報に基づいて、移動時間検索エンジン500は、実際に2つの地点間を移動することが可能な移動時間帯を算出する。つまり、移動時間帯は、2つの地点間を移動手段に応じて実際に移動することが可能な時間帯となる。そして、移動時間検索エンジン500は、算出した移動時間帯を表す情報を出力することができる。この出力される「移動時間帯を表す情報」をここでは「可能移動時間情報」ともいう。つまり、この可能移動時間情報には、実際の移動手段に基づいて2つの地点間を移動することが可能な移動時間帯が含まれる。なお、この可能移動時間情報には、検索された移動手段に関する情報も含まれてもよい。また、移動時間検索エンジン500は、1の可能移動時間情報だけでなく、採りうる他の移動手段や出発時間に応じた複数のルート(経路)に対する可能移動時間情報を検索して出力してもよい。一方、旅行プラン作成装置300は、この可能移動時間情報を移動時間検索エンジン500から取得して、旅行プランの作成に使用することができる。旅行プラン作成装置300は、この可能移動時間情報以外に「予測移動時間情報」を算出して使用するが、予想移動時間情報については後述する。
【0036】
なお、本実施形態では、旅行プランを作成する構成として、図1に示す旅行プラン作成システム100を例に挙げて説明する。しかし、これは本発明の一実施形態であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。本発明は、例えば、旅行プラン要求端末200と旅行プラン作成装置300とが一体となった1つの旅行プラン作成装置として実施されることも可能である。また、本発明は、ネットワーク400を介して接続差可能なコンピュータ・携帯電話・PDA(Personal Digital Assistant)などの様々な情報処理端末からの要求に応じて、旅行プランを作成する旅行プラン作成装置として実施されることも可能である。つまり、本発明は、様々な形態で実施されることも可能である。なお、本発明が1つの旅行プラン作成装置として実施される場合、ユーザは、旅行プラン作成装置を直接操作することにより、旅行プランを作成させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、上述の通り、旅行プラン作成装置300が可能移動時間情報を外部の移動時間検索エンジン500から取得する構成を例に挙げて説明する。しかし、これも本発明の一実施形態であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。例えば、旅行プラン作成装置300自身が上記移動時間検索エンジン500と同様に可能移動時間情報を算出してもよい。
【0038】
<旅行プラン要求端末の構成>
図1に示すように、旅行プラン要求端末200は、旅行プラン作成要求送信部210と、旅行プラン受信部220と、表示部230とを有する。
【0039】
旅行プラン作成要求送信部210は、ユーザの操作に応じて、旅行プラン作成装置300に旅行プランを作成させるための所定の信号及び情報を送信する。この所定の信号及び情報としては、例えば、作成開始情報・イベント選択情報・実行時間設定情報・ルート設定情報などが挙げられるが、その他必要に応じて様々な信号及び情報であってもよいことは言うまでもない。
【0040】
「作成開始情報」は、旅行プラン作成装置300に旅行プラン作成を開始させるための必要な情報と、その他必要に応じた付加的な情報とを含む。作成開始情報が含む情報の例としては、旅行プラン作成装置300に旅行プラン作成を開始させる「スタート信号」、ユーザが旅行することを予定している地域を表した「地域情報」、ユーザが旅行することを予定している期間を表した「期間情報」などが挙げられる。なお、作成開始情報は、その他、ユーザの年齢・性別・嗜好・過去に実行したイベントなどのような付加的な情報を含んでもよい。「イベント選択情報」は、ユーザの操作に応じて出力され、「ユーザがどのイベントを旅行プラン中に含めることを所望しているか」などを表した情報である。「実行時間設定情報」は、ユーザの操作に応じて出力され、「ユーザがイベントを実行したいと所望している時間帯は何時なのか」などを表した情報である。なお、この実行時間設定情報は、旅行プラン作成装置300が作成する旅行プラン中の実行時間帯を固定するものではなく、旅行プラン中に含まれる各イベントの実行時間帯は、この実行時間設定情報を必ずしも正確に反映しているとは限らない。「ルート設定情報」は、ユーザの操作に応じて出力され、旅行プラン中に設定されたイベント間の移動経路(ルート)を表した情報である。
【0041】
旅行プラン受信部220は、旅行プラン作成装置300が作成した旅行プランを受信し、受信した旅行プランを表示部230の表示画面に表示させる。また、この旅行プラン受信部220は、旅行プランだけでなく、例えば、旅行プラン作成装置300が旅行プラン作成中などに出力する様々な情報を受信し、受信した情報の一部又は全部を表示部230の表示画面に表示させることができる。旅行プラン受信部220は、ユーザの操作に応じて、更に他の様々な情報を表示部230の表示画面に表示させてもよい。なお、以下で説明する表示部230の表示画面に表示される表示映像例は、この旅行プラン受信部220及び表示部230によって表示させられるが、説明の便宜上、表示映像を説明する際に、この旅行プラン受信部220及び表示部230が表示させる旨についての説明は適宜省略する。この表示部230に表示させる情報の例としては、イベントの内容を表した「イベント情報」、「判定結果」を表した「判定結果情報」、「警告表示(アラーム表示)」を表した「警告情報」などが挙げられるが、これらの情報については後述する。なお、旅行プラン受信部220は、所定の情報を表示画面に表示させるだけでなく、例えば、音声出力したり、別途の記憶装置(図示せず)に記録することも可能である。
【0042】
<旅行プラン作成装置300の構成>
更に図1を参照して、旅行プラン作成装置300の構成について説明する。
図1に示すように、旅行プラン作成装置300は、通信部310と、イベント情報記憶部321と、イベント情報登録部322と、イベントリスト作成部331と、表示制御部332と、イベント選択部333と、移動時間算出部340と、実行時間設定部351と、時間整合性判定部352と、実行時間調整部353と、移動時間設定部354とを有する。
【0043】
通信部310は、ネットワーク400に接続され、旅行プラン要求端末200や他の端末との通信のインターフェイスの役割を担う。
【0044】
イベント情報記憶部321は、位置情報記憶部の一例であって、それぞれイベントの内容を表した1又は2以上のイベント情報を記録される。各イベント情報には、そのイベントに関する名称・開催時間・開催場所などの情報が含まれる。このイベント情報に含まれる情報の例を、図2に示す。図2は、本実施形態に係る旅行プラン作成システムが使用するイベント情報について説明する説明図である。
【0045】
(イベント情報について)
イベント情報には、例えば、「id情報」、「name_jp情報」、「post_code情報」、「address_jp情報」、「op_hour_jp情報」、「op_start_minutes情報」、「op_end_minutes情報」、「links情報」、「lat情報」、「lon情報」、「keywords情報」、「pre_time_length情報」、「image情報」、「guidance情報」及び「priority情報」などが含まれる。
【0046】
id情報は、各イベントを識別するための識別子であり、例えばID(Identification)番号等で表される。ここでは、id情報は、イベント毎に異なる値が割り当てられた目的地番号であるものとする。name_jp情報は、イベントの名称を表す情報である。post_code情報は、イベントが実行される位置(以下「所在地」ともいう。)の郵便番号を表す情報である。address_jp情報は、イベントの所在地の住所を表す情報である。op_hour_jp情報は、イベントの開催時間についての説明文を表す情報である。op_start_minutes情報は、イベントの開催時間帯の開始時刻(例えば開場時刻・開演時刻等)を表す情報である。op_end_minutes情報は、イベントの開催時間帯の終了時刻(例えば閉場時刻・閉演時刻等)を表す情報である。links情報は、イベントに関するホームページなどのような外部リンク先を表した情報であり、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)を表す。lat情報は、イベントの所在地の緯度を表した情報である。lon情報は、イベントの所在地の経度を表した情報である。keywords情報は、イベントのキーワード等を表した情報であり、例えば、当該イベントの名称・内容・所在地等に含まれるキーワード、そのイベントの属性や種類等を表した情報であってもよい。pre_time_length情報は、イベントを実行する際に必要であろうと予想され、初期設定として設定される実行時間長を表す情報である。image情報は、イベント自体の画像などのようにそのイベントを連想させるようなイベントに関する画像データである。guidance情報は、例えば「そのイベントが何のイベントであるのか」等のように、イベントについての説明(アナウンス)を表した情報である。priority情報は、そのイベントの優先度を表した情報である。なお、イベント情報には、これらの情報以外に、更に様々な情報が含まれてもよいことは言うまでもない。
【0047】
イベント情報記憶部321には、上記のような情報が記録されるが、本実施形態に係る旅行プラン作成システム100では、上記複数の情報中、特に、「address_jp情報」、「lat情報」、「lon情報」、「op_start_minutes情報」、「op_end_minutes情報」、「pre_time_length情報」及び「priority情報」などを使用して、旅行プランを作成する。
この「address_jp情報」、「lat情報」及び「lon情報」を、そのイベントが実行される所定の地点の位置を表した情報であるという意味で「位置情報」と総称する。なお、位置情報は「post_code情報」を含んでもよい。この位置情報のうち、「address_jp情報」(及び「post_code情報」)を、ここでは「住所情報」ともいう。また、「lat情報」及び「lon情報」を、ここではそれぞれ「緯度情報」及び「経度情報」ともいう。
また、「op_start_minutes情報」及び「op_end_minutes情報」を、開催時間帯の開始及び終了時刻を定める情報であるという意味で「開催時間情報」ともいう。なお、ここでいう「開催時間」とは、そのイベントを実行することが可能な時間を意味し、通常、開始時刻から終了時刻までの所定の時間幅を有する時間帯として表される。よって、このような時間帯を「開催時間帯」とも言う。また、「pre_time_length情報」を、ここでは「実行時間長情報」とも言う。この実行時間長情報は、例えば、実際にそのイベントを実行した結果その実行に要した時間長を統計的に求めて予め設定してもよく、イベントの主催者などにより決定されている時間長に予め設定されてもよく、イベントを実行する際に必要な最小時間長に予め設定されてもよい。
また、「priority情報」をここでは「優先情報」とも言う。この優先情報は、例えば、イベント毎に優先順位が付される場合には、その優先順位を表した情報であってもよい。また、優先情報は、例えば、イベントを実行する年齢層や性別などのように実行者の属性を表した情報であってもよい。この場合、優先情報により、旅行プランを作成させたいユーザの属性等に応じて、イベントの優先度を決定することができる。
【0048】
再び図1を参照して、旅行プラン作成装置300の他の構成の説明に戻る。
イベント情報登録部322は、位置情報登録部の一例であって、上記イベント情報記憶部321にイベント情報を記録(登録)することができる。このイベント情報登録部322は、ネットワーク400上にイベント情報を公開している他のポータルサイトなどの記憶装置等から、通信部310を介してそのイベント情報を取得して、イベント情報記憶部321に記録してもよい。また、イベント情報登録部322は、ユーザの操作に応じて旅行プラン要求端末200から出力されたイベント情報や、ユーザによる旅行プラン作成装置300の直接操作により入力されるイベント情報を、イベント情報記憶部321に記録してもよい。
【0049】
イベントリスト作成部331は、イベント情報記憶部321に記録された1又は2以上のイベント情報から、旅行プランに含めるイベントのイベント情報を選択し、そのイベントのリストを作成する。
【0050】
より具体的には、イベントリスト作成部331は、旅行プラン要求端末200から出力された「作成開始情報」に含まれる「スタート信号」を取得すると動作を開始する。動作を開始したイベントリスト作成部331は、まず、「地域情報」及び「期間情報」に基づいて、ユーザが指定した旅行先の地域内及びその近郊であり、かつ、旅行期間に開催されているイベント情報を、イベント情報記憶部321の中から検索し、表示制御部332に出力する。表示制御部332は、そのイベント情報と、所定の情報(例えばその地域の地図データなど)とを、旅行プラン要求端末200が有する表示部230の表示画面に表示させる。
【0051】
この際、旅行プラン要求端末200の表示画面に表示される表示映像の一例を、図3に示す。図3に示すように、表示映像M1として表示画面には、その地域の地図データと、各イベント情報のアイコンI(icon、例えばimage情報やname_jp情報など)が表示される。そして、この表示映像を参照したユーザは、旅行プラン要求端末200を操作して、旅行プランに含めたいイベントの候補を選択する。このイベントの操作としては、例えば、ユーザは、旅行プランに含めたいイベントのアイコンIをドラッグ(drag)し、矢印A1に示すように、このアイコンIをイベントリスト欄Lにドロップ(drop)することにより、イベントの候補を選択することができる。旅行プラン作成要求送信部210は、この選択されたイベントの候補を、イベントリストを作成するための「イベント選択情報」として、イベントリスト作成部331に出力する。なおこの際、旅行プラン要求端末200は、例えば、ユーザがアイコンIにカーソルをあわせたり、アイコンIをドラッグ又はクリックした時点で、メッセージ欄MEにaddress_jp情報・op_hour_jp情報・links情報・image情報・guidance情報などを表示させることにより、ユーザにそのイベントに関する情報を提供することもできる。
【0052】
イベントリスト作成部331は、この取得したイベント選択情報に基づいて、旅行プランに含めるイベントのリスト(以下、「イベントリスト」ともいう。)を作成する。そして、イベントリスト作成部331は、作成したイベントリストを表示制御部332及びイベント選択部333に出力する。表示制御部332は、このイベントリストと、後述するタイムテーブルTに関する情報とを、旅行プラン要求端末200が有する表示部230の表示画面に表示させる。
【0053】
この際、旅行プラン要求端末200の表示画面に表示される表示映像の一例を、図4に示す。図4に示すように、表示映像M2として表示画面には、イベントリストが、タイムテーブルTと共に表示される。なお、このイベントリストは、表示映像M2中のイベントリスト欄Lに表示される。また、タイムテーブルTは、例えば、イベント情報記憶部321に記録されており、表示制御部332によりユーザが設定した「期間情報」に基づいて出力される。
【0054】
表示制御部332は、上述の通り、イベントリスト作成部331や旅行プラン要求端末200などから出力された様々な情報に基づいた所定の映像を、旅行プラン要求端末200の表示部230の表示画面に表示させる。なお、この表示制御部332は、以下で説明するように、旅行プラン作成装置300が有する他の構成から出力される様々な情報などをも、表示部230の表示画面に表示させる。
【0055】
イベント選択部333は、地点選択部の一例であって、イベントリストに含まれるイベント情報のうち、実行時間帯を設定する2以上のイベントを選択する。その結果、イベント選択部333は、イベント情報記憶部321にイベント情報が記録されたイベント(その地点を含む)を2以上選択することになる。この際、イベント選択部333は、旅行プラン要求端末200の旅行プラン作成要求送信部210から出力される、実行時間帯を設定するための「イベント選択情報」に基づいて、各イベントを順次選択する。なお、このイベント選択情報は、ユーザの操作に応じて、旅行プラン作成要求送信部210から出力される。
【0056】
より具体的には、ユーザは、イベントリスト作成部331が作成し、表示制御部332が表示画面に表示させたイベントリスト(例えば、図4)を参照しつつ、イベントリスト欄L中のイベントのアイコンIから、実行時間帯を設定すべきイベントのアイコンIを選択する。すると、旅行プラン作成要求送信部210は、このユーザの操作に応じて、イベント選択情報を送信する。イベント選択部333は、イベント選択情報を取得し、イベント選択情報に表された(つまり、ユーザが選択した)イベントを選択する。そして、イベント選択部333は、選択したイベントのイベント情報を、表示制御部332及び移動時間算出部340に出力する。この動作が繰り返されることにより、イベント選択部333は、2以上のイベントを選択し、そのイベント情報を順次表示制御部332及び移動時間算出部340に出力する
【0057】
このイベント情報を受取った表示制御部332は、イベント情報中の開催時間情報を表示画面に表示させる。この表示画面上に表示された開催時間情報の一例を、図4に示す。上述の通り、開催時間情報は、そのイベントの開催時間帯を表す。よって、表示制御部332は、開催時間情報を旅行プラン要求端末200に出力することにより、表示画面に開催時間帯OPを表示させる。なお、図4では、この開催時間帯OPをタイムテーブルT上にバー(Bar、タイムライン)表示している場合を示している。しかし、この開催時間帯OPの表示形式は、図4に示す例に限定されるものではなく、例えば、開始時刻及び終了時刻を直接表示したり、円グラフ状に表示するなど様々な表示形式が考えられる。つまり、この開催時間帯OPの表示形式は、ユーザがそのイベントの開催時間帯が何時から何時までなのかを把握することが可能な形式であれば、如何なる形式であってもよい。
【0058】
なお、図4に示した開催時間帯OPの表示形式について、具体的に説明すれば以下の通りである。つまり、図4に示す表示映像M2中のタイムテーブルT中には、その時間軸(横軸)方向に沿ってバーBが表示される。このバーBには、開催時間帯OPと、開催時間帯OP以外の非開催時間帯CLとが、相互に異なる形態(例えば、色・模様・形状・輝度・塗り潰しなど)で含まれる。よって、ユーザは、バーB上の開催時間帯OPと非開催時間帯CLとを視覚的に区別することができる。なお、ユーザが直感的に理解しやすい開催時間帯の表示形式としては、バーBのような表示形式に限られるものではなく、上記のように、例えば、円グラフ状に表示することなども考えられる。
【0059】
移動時間算出部340は、図5に示すように、既に実行時間帯が設定されたイベントが存在し、イベント選択部により他のイベントが新たに選択された場合、既設定されたイベントと新たに選択されたイベントとの位置情報に基づいて、両イベントの地点間の必要と予測される「移動時間長」を算出する。そして、移動時間算出部340は、この移動時間長を表示制御部332及び時間整合性判定部352に出力し、新たに選択されたイベントのイベント情報を実行時間設定部351に出力する。この移動時間算出部340については、実行時間設定部351を説明した後に、図7〜図11等を参照しつつ詳しく説明する。
【0060】
実行時間設定部351は、イベント選択部333により選択されたイベントの実行時間帯を設定する。この際、実行時間設定部351は、旅行プラン要求端末200の旅行プラン作成要求送信部210から出力される、実行時間帯を仮に設定するための「実行時間設定情報」に基づいて、実行時間帯を設定する。なお、この実行時間設定情報も、ユーザの操作に応じて、旅行プラン作成要求送信部210から出力される。
【0061】
より具体的に実行時間設定部351による実行時間帯の設定について図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5に示すように、例えば、イベントリスト欄Lから実行時間帯を設定したいイベントのアイコンIを選択したユーザは、更に、このアイコンをドラッグして、矢印A2に示すように、タイムテーブル上の所望の位置(つまり、所望の時間帯を表す)へとドロップする。すると、旅行プラン作成要求送信部210は、このユーザの操作に応じて、アイコンIがドラッグされて移動させられている間、そのアイコンIの位置に応じた時間帯又は時刻を実行時間帯設定情報として出力し続ける。そして、旅行プラン作成要求送信部210は、ユーザの操作に応じて、アイコンIがドロップされた時間帯又は時刻を、実行時間帯を仮設定するための実行時間設定情報(ここでは「一時的実行時間設定情報」とも言う。)として出力する。そして、アイコンIがドロップされた位置に対応する実行時間設定情報を受取った実行時間設定部351は、そのイベントの実行時間帯を、実行時間設定情報に表された時間帯又は時刻に設定する。なお、実行時間設定情報が時刻を表す場合、実行時間設定部351は、この時刻と、初期設定されている実行時間長情報に表された実行時間長とに基づいて、実行時間帯を仮に設定する。そして、実行時間設定部351は、この設定した実行時間帯を表した「実行時間情報」を移動時間算出部340、時間整合性判定部352及び実行時間調整部353に出力し、ここで実行時間帯が仮設定されたイベントのイベント情報を時間整合性判定部352及び実行時間調整部353に出力する。また、実行時間設定部351は、アイコンIがドラッグされて移動させられている間旅行プラン作成要求送信部210から出力され続け、そのアイコンIの位置に応じた時間帯又は時刻を表す一時的実行時間設定情報を、移動時間算出部340に順次出力する。
【0062】
実行時間設定部351で実行時間帯が設定されたイベントの実行時間帯は、表示制御部332により、図4〜図6等に示すように、タイムテーブルT上にボックスIB1,IB2(Box)の形態で表示させる。このボックスIB1,IB2は、時間軸(横)の方向の幅が、実行時間長情報に表された初期設定の実行時間長に対応する。つまり、ボックスIB1において、時間軸方向の左方端部が実行開始時刻に対応し、時間軸方向の右方端部が実行終了時刻に対応する。また、このボックスIB1中には、そのボックスIB1を、他の各イベントと区別することができるように、そのイベントのアイコンIや他のイベント情報が含まれてもよい。なお、各イベントの実行時間帯の表示形式は、ボックス形式に限定されるものではない。イベントの実行時間帯の表示形式も、例えば、実行開始時刻及び実行終了時刻を直接表示したり、円グラフ上の一部の領域(扇形等)に表示するなど様々な表示形式が考えられる。つまり、この開催時間帯OPの表示形式は、ユーザがそのイベントの開催時間帯が何時から何時までなのかを把握することが可能な形式であれば、如何なる形式であってもよい(以下のボックス形式の表示においても同様である。)。しかし、表示制御部332は、上記の開催時間帯の表示形式と同様に、実行時間帯をボックスIB1などのように直感的に理解しやすい形式で表示することにより、ユーザの旅行プラン作成時の労力を低減することができる。
【0063】
図4には、未だイベントの実行時間帯が設定されていない(つまり、タイムテーブルT上にボックスが表示されていない)場合に表示画面に表示される表示映像M2を示した。一方、図5には、一のイベントの実行時間帯が既に設定されており、そのイベントを表したボックスIB2がタイムテーブルT上に表示されている場合の表示映像M1を示した。なおこの図5では、イベント選択部333により、ボックスIB2とは異なる他のイベントが新たに選択された場合をも示している。そして、図6には、図5に示した状態から、実行時間設定部351が上述の動作を通じて新たなイベントの実行時間帯を仮設定し、そのイベントに対応したボックスIB1が新たに表示されたタイムテーブルTを示した。この新たに実行時間帯が設定される過程では、上述の通り、アイコンIの位置に応じた一時的実行時間設定情報が旅行プラン作成要求送信部210により送信され、移動時間算出部340は、この一時的実行時間設定情報を取得する。
【0064】
(移動時間算出部340について)
ここで移動時間算出部340について、より詳細に説明する。
移動時間算出部340は、上述の通り、既に実行時間帯が設定されたイベントが存在し、イベント選択部により他のイベントが新たに選択された場合、既設定されたイベントと新たに選択されたイベントとの位置情報に基づいて、両イベントが実行される地点間の移動に必要と予測される「移動時間長」を算出する。図5は、この既に実行時間帯が設定されたイベントが存在し、イベント選択部により他のイベントが新たに選択された場合の例を示している。この場合、移動時間算出部340は、新たなイベントの一時的実行時間設定情報を取得する。そして、移動時間算出部340は、その一時的実行時間設定情報と、既設定されたイベントの実行時間帯を表した実行時間情報とに基づいて、時間軸上、新たなイベントの前後に存在している既設定されたイベントを特定する。更に、移動時間算出部340は、新たなイベントの位置情報とその前後のイベントの位置情報とに基づいて、新たなイベントとその前のイベント又は後のイベントとの間を移動するのに要すると予測される概算の移動時間長を算出する。そして、移動時間算出部340は、この算出した移動時間長を表した「予測移動時間情報」を表示制御部332及び時間整合性判定部352に出力する。なお、この移動時間算出部340による移動時間算出過程については、詳しく後述する。
【0065】
この予測移動時間情報を取得した表示制御部332は、移動時間長をタイムテーブルT上に表示する。この移動時間長がタイムテーブルTに表示された例を、図5に示している。図5では、移動時間TA1の時間軸方向の長さが、移動時間長に対応する。なお、図5では、表示制御部332は、移動時間長を表した移動時間TA1の一端部を、既設定されているイベントのボックスIB2に接触させて表示する。そして、実行時間設定部351が新たに選択されたイベントの実行時間帯を設定すると、表示制御部332は、図6に示すように、この新たに設定されたイベントを表したボックスIB1をタイムテーブルT上に表示させる。更に、表示制御部332は、既設定されていたイベントのボックスIB2と新たに設定されたイベントのボックスIB1との間に、移動時間長を表した移動時間TA1を表示した状態を維持する。
【0066】
なお、図5及び図6では、既に設定されたイベントが1つだけの場合を示しているが、既に設定されたイベントが複数ある場合を図11に示す。図11に示すように、複数のイベント(ボックスIB2,IB3)が既設定されている場合、移動時間算出部340は、上記同様に、新たに選択されたイベントの前後にある既設定されたイベント(ボックスIB2,IB3)を、一時的実行時間情報から特定する。そして、移動時間算出部340は、新たに選択されたイベントの位置情報と、その前後に既設定されているイベントの位置情報とに基づいて、概算の移動時間長を算出する。この算出された移動時間長を表した予測移動時間情報は、表示制御部332により、タイムテーブル上に表示される(移動時間TA1,TA2)。
【0067】
従って、旅行プラン作成システム100は、表示画面のタイムテーブルT上に、既設定されたイベントの実行時間帯と共に、そのイベントから新たに選択されたイベントまで移動するのに要すると予想される時間長を表示する。従って、図5に示すように、ユーザは、新たに選択したイベントのアイコンIを、移動時間TA1と重畳しないように設定することができる。つまり、ユーザは、各イベントの実行時間帯を任意の時間帯に設定させることができると共に、この際、各イベント間の移動時間を考慮した時間帯に設定させることが可能となる。なお、この移動時間長の表示形式は、図11等に例示した棒状に限定されるものではないが、図11等に示すように、移動時間長を棒状の移動時間TA1,TA2の長さで表すことにより、直感的に理解しやすい形式でユーザに通知することができる。
【0068】
(移動時間長算出過程について)
上述の通り、移動時間算出部340は、新たなイベントの前後に存在する既設定のイベントを特定し、その既設定のイベントの地点と、新たなイベントの地点との間に必要な移動時間長を、各イベントの位置情報に基づいて算出する。この移動時間算出過程について、より詳しく説明する。なお、以下では、説明の便宜上、移動時間算出部340が、2のイベントの地点間の移動時間長を算出する場合を例に挙げて説明する。移動時間算出部340は、以下で説明する移動時間算出過程を、新たなイベントと、その前後に既設定されているイベントとの間で行うことにより、新たなイベントの前後に必要な複数の移動時間長を算出することが可能である。
【0069】
移動時間算出部340による移動時間算出過程では、2のイベントそれぞれの地点の位置情報に基づいて、その2地点間の距離を計算し、その距離から移動時間長を導出することができる移動時間関数を使用して、移動時間長を算出する。この際、移動時間算出部340は、位置情報として、例えば、各イベントの「緯度情報」及び「経度情報」を使用する。従って、移動時間長を他の移動時間検索エンジン500等に検索させる必要がなく、移動時間長を算出することができる。但し、位置情報は、この例に限られるものではなく、例えば、住所や他の地点を表す情報などのように、2地点間の距離を計算できる位置情報であれば、どのような位置情報であってもよい。
【0070】
この移動時間長算出を行うために、移動時間算出部340は、図7に示すように、エリア特定部341と、エリア情報記憶部342と、移動時間関数選択部343と、移動時間関数記憶部344と、移動時間関数設定部345と、直線距離導出部346と、移動時間導出部347とを有する。
【0071】
エリア特定部341は、2のイベントそれぞれの位置情報(他のイベント情報を含んでもよい。)を取得して、その位置情報に基づいて、各イベントの地点がいずれのエリアに含まれるのかを特定する。この各イベントのエリアの概念を、図8に示す。図8は、旅行プラン作成装置300が旅行プランを作成可能な地域的範囲として、エリアARを例示している。そして、そのエリアARは、2以上のエリアAR1,AR2に分けられていることが望ましい。また、図8には、イベント情報記憶部321にイベント情報(特に位置情報)が記録された複数のイベントE1〜E4の地点を例示している。つまり、各イベントE1〜E4は、いずれかのエリアAR1,AR2に含まれることになる。そこで、エリア特定部341は、移動時間長を計算するイベントが、どのエリアに含まれるのかを特定する。なお、設定されるエリアAR1,AR2の範囲は、例えば、鉄道が発達した地域(例えばエリアAR1)、交通手段として自動車が使用されることが多い地域(例えばエリアAR2)などのように、通常使用される交通手段毎に異なるエリアが設定されることが望ましい。そして、所定の面積毎に、エリアが更に細分化されることが望ましい。
【0072】
そして、エリア特定部341は、各イベントの位置情報に基づいて、そのイベントの地点が含まれるエリアを特定する。この特定方法は、様々な態様が考えられる。例えば、位置情報として住所を使用する場合、その住所がどのエリアに対応するのかを表した「エリア情報」が、予めエリア情報記憶部342に記録される。そして、エリア特定部341は、そのエリア情報と、イベントの住所とに基づいて、エリアを特定する。また、位置情報として緯度情報と経度情報を使用することももちろん可能である。この場合も同様に、緯度情報と経度情報がどのエリアに対応するのかを表した「エリア情報」がエリア情報記憶部342に記録され、エリア特定部341は、このエリア情報と、緯度情報及び経度情報とに基づいて、エリアを特定することになる。
【0073】
更にまた、例えば、イベント情報自体にエリア情報が含まれていてもよい。イベント情報にエリア情報が含まれる場合、エリア特定部341は、そのエリア情報を参照することにより、各イベントのエリアを特定することになる。よって、この場合、エリア情報記憶部342は、必ずしも必要ではない。但し、上述の通り、エリアは、地域の交通手段毎に設定されることが望ましく、かつ、各イベント情報は、イベント情報登録部322がイベント情報記憶部321に登録することが可能である。従って、例えば他のポータルサイトをポーリングするなどにより、イベント情報を取得する場合、エリア情報がイベント情報に含まれることは少ない。よって、このようにイベント情報にエリア情報を含める場合、例えば、イベント情報登録部322がエリア情報記憶部342に記録されたエリア情報に基づいてエリアを割り当てた後にイベント情報を登録させることが望ましい。
【0074】
移動時間関数選択部343は、エリア特定部341が特定したエリアに応じて、移動時間長を算出する際に使用する1又は2以上の「移動時間関数」を選択する。相異なる複数の移動時間関数が、移動時間関数記憶部344に記録されており、移動時間関数選択部343は、この移動時間関数記憶部344から1又は2以上の移動時間関数を選択する。なお、移動時間関数設定部345が、通信部310を介して取得した移動時間関数や直接作成した移動時間関数を、移動時間関数記憶部344に記録して移動時間関数を更新又は新設することも可能である。この移動時間関数設定部345により、ユーザが望む移動時間関数を移動時間関数記憶部344に記録しておくことももちろん可能である。
【0075】
ここで、移動時間関数について説明する。
移動時間関数Fは、距離xが代入されると、その距離の移動に要すると予想される移動時間長tを導出する関数である。この移動時間関数Fは、上述の通り、エリア特定部341が特定したエリアに応じて選択される。つまり、各移動時間関数Fは、エリアに関連付けられる。この際、移動時間関数Fは、その関連付けられたエリアにおける交通事情やそのエリアの特定に応じて移動時間長tを算出することが可能なように設定される。
【0076】
例えば、一のエリアでの移動が主として徒歩のみで行われる場合、その一のエリア内における移動では、移動距離xと移動時間長tとの間に比例関係が存在することが考えられる。この場合、その一のエリアに対応する移動時間関数Fは、距離xと移動時間長tとが比例するように、移動時間長tを導出する。この場合の移動時間関数Fは、そのエリア内での移動が、徒歩による平均的な一定の速さで行われることを反映した関数となる。
【0077】
しかし、このような徒歩のみの場合のように単純な移動が予想されるエリアばかりであるとは限られない。そこで、本実施形態に係る移動時間関数Fは、代入される距離xに応じて、その距離xに対する移動時間長tの増加量(つまり傾き)が変化するように、移動時間長tを算出することにより、エリアの交通事情や特性等を更に細やかに反映させることが可能である。つまり、例えば、距離xが短ければ徒歩で移動するので、単位距離x移動するのに必要な時間長(移動時間長tの増加量。)は長いが、距離xが長ければ電車等で移動するので、単位距離x移動するのに必要な時間長は短くなる一のエリアが存在すると仮定する。このエリアでは、距離xが長くなるにつれて、その距離xに対する移動時間長tの増加量は、減少することが予想される。そこで、本実施形態に係る移動時間関数Fは、例示したような距離xに対する移動時間長tの増加量の変化を反映するように、移動時間長tを導出することで、より実際の移動時間長に近い移動時間長tを導出することを可能にしている。
【0078】
なお、例えば、上記一のエリアが都市部であれば、徒歩と電車との乗り継ぎに必要な時間は短く、距離xが長くなるにつれて、距離xに対する移動時間長tの増加量が減少することが考えられる(例えば図9参照。)。一方、例えば、上記一のエリアが交通網の発達していない田舎などであれば、電車の本数が少ないなどの理由により、単に距離xが長くなるにつれて移動時間長tの増加量が減少するだけでなく、ある一定の距離xの区間では増加量が増加することも考えられる(例えば図20参照。)。また、これらの例とは逆に、エリアの交通事情の特性などによっては、距離xが長くなるにつれて移動時間長tの増加量が増加したり、一部の区間だけ増加量が減少する場合も考えられる。更にまた、様々な交通事情等により、移動時間長tの増加量が、距離xに応じて不規則に増減することも考えられる。そこで、本実施形態に係る移動時間関数Fは、ここで例示したようなエリアの特性を反映して、移動時間長tを導出することが可能なように設定される。
【0079】
そのために、移動時間関数Fでは、例えば、距離xが複数の区間に分割され、各区間に対して相異なる移動時間長tの増加量が設定されてもよい(もちろん増加量が同じになる区間が存在してもよい。)。また、このように区間に分割されなくても、距離xの変化に対して、移動時間長tの増加量が連続的に変化するように、移動時間関数Fを設定することももちろん可能である。
【0080】
つまり、距離xに応じて移動時間長tの増加量が様々に変化する移動時間関数Fを設定することにより、ここで例示した場合だけでなく様々なエリアの特性等を、移動時間関数Fに反映させることが可能である。しかしながら、説明の便宜上、以下では、移動時間関数Fが、代入される距離xが長くなるにつれて、その距離xに対する移動時間長tの増加量が減少するように、移動時間長tを導出する関数である場合について説明する。もちろん他の移動時間関数Fの方が適したエリアも存在する可能性はあるが、このように設定される移動時間関数Fは、その他の移動時間関数Fに比べて各エリアの特性をより正確に反映することができる可能性が高い。この移動時間関数Fの例を、図9に示し、より詳細に説明する。
【0081】
(移動時間関数Fの一例)
図9には、複数ある移動時間関数Fiの一例として、移動時間関数F1を示している(添え字iは、関数を識別するための番号である。i=1,2,3…)。図9に示すように、この移動時間関数F1は、距離xが代入されると、移動時間長tを返す関数(グラフ)であり、その傾き(つまり、距離xに対する移動時間長tの増加量)は、距離xが大きくなるにつれて、小さくなるように設定される。なお、図9では、距離xの値の範囲毎に、異なる直線上のプロファイルを有する場合、つまり、一次間数が連結された下記式1のような関数である場合を示している。そして、各一次関数の傾き(1/kij)は、正の範囲で下記式2のように距離xが増えるにつれて減少する。ただし、この移動時間関数Fは、一次関数の連結である必要はなく、例えば、距離xの平方根のように、同様なプロファイルを有する関数であればよい。
【0082】
【数1】

【0083】
このように傾きが減少するようなプロファイルを有する移動時間関数Fは、実際の正確な移動時間長を必ずしも反映したものとはならないが、交通手段・移動手段の特定を反映させて、実際の移動時間長に非常に近い移動時間長を導出することが可能である。
つまり、例えば、鉄道に乗る場合、短距離であれば、切符の購入や改札口の通過、ホームへの移動などに要する時間が移動時間長内に占める割合が多い。従って、短距離であれば、距離xの変化に対して要する移動時間長は長くなる。一方、長距離であれば、このような時間が占める割合が少なくなるので、距離xの変化に対して要する移動時間長は相対的に短くなる。
また、例えば、鉄道の場合、短距離であれば通常の鉄道を使用し、長距離であれば特急などを使用し、また、自動車の場合、短距離であれば一般道を通行し、長距離であれば高速道路や有料道路などを通行する可能性が高い。この場合も、短距離であれば、単位距離あたりの移動時間長の増加は大きく、長距離であれば、単位距離あたりの移動時間長の増加量は小さく抑えられる。
更にまた、移動距離xが長くなるにつれて、使用する交通手段も、徒歩から自転車、自動車、鉄道、飛行機などのように、単位距離あたりの移動時間長がより小さい交通手段が使用されることも考えられる。
一方、この移動時間関数Fは、短距離であれば、移動時間長の増加量を大きく設定し、距離が長くなるにつれて、その増加量を減少させて設定することにより、このような現実の交通手段による移動時間長を反映させた、より正確な移動時間長を導出することを可能にしている。
【0084】
従って、移動時間関数Fは、単に距離を速度で割って算出する場合に比べて、現実の交通手段やエリア等の特性を、より正確に反映させた移動時間長を算出することが可能である。つまり、例えば、単に距離を速度で割って算出した場合には、算出結果には、以下で例示するような実際の交通事情が含まれず、正確で妥当性のある移動時間長を算出することが難しい。
1)複数の交通手段を使用する場合
2)鉄道であれば路線や停車駅数、急行・特急・普通などの鉄道の種類
3)車が通行する道路(一般道・高速道など)や地域の混雑度合や道路状況(市街地・農道など)
4)飛行機や新幹線などの待ち時間
5)直線距離では移動できない地域(山を挟んだ場合)
しかしながら、上述の通り、移動時間算出関数は、これらの条件や状況を考慮して、上記のプロファイルと、定数(kij,mijなど)が設定されることにより、実際の交通手段やエリアの特性を含んだ移動時間長を算出することが可能である。なお、上述の通り、ここで例示した動時間関数Fだけでなく、エリア特性等を反映して、距離xに応じて移動時間長tの増加量が変化するように移動時間長tを導出する他の移動時間関数Fでも同様に、実際のエリア特性等を含んだ移動時間長の算出が可能であることは言うまでもない。
【0085】
このように移動時間長tが変化するプロファイルを有する移動時間関数Fは、上述の通り、移動時間関数記憶部344に複数記録されている。このうち3つの異なる移動時間関数F1〜F3を図10に例示する。移動時間関数F1〜F3は、上述のようなプロファイル、つまり、距離xが長くなるにつれて、移動時間長tの増加量が減少するプロファイルを有する(このようなプロファイルに限定されるものではない。)。例えば、移動時間関数F1は、移動時間関数F2,F3に比べて、距離xに対する移動時間長tの増加量における距離xに対する減少量が、大きく設定され、移動時間長F2は、移動時間長F3に比べて、この減少量が、やはり大きく設定される。つまり、仮に移動時間関数F1〜F3が滑らかな曲線で表されるとすると、これらの距離xに対する二回微分は、大きい順で移動時間関数F1、移動時間関数F2、そして、移動時間関数F3となる。換言すれば、距離xが小さい間は、移動時間関数F1〜F3の傾きは、移動時間関数F1、移動時間関数F2、そして、移動時間関数F3の順番の大きさで設定されている。一方、距離xが大きくなると、この傾きは、逆に、移動時間関数F3、移動時間関数F2、そして、移動時間関数F1の順番の大きさとなる。これは、移動時間関数F1は、他の移動時間関数F2,F3に比べて、短距離であれば一定の距離xに対して導出される移動時間長tが大きい一方、長距離になると一定の距離xに対して導出される移動時間長tが小さくなることを意味する。このような特性は、移動時間関数F2において移動時間関数F3と比べて同様なことが言える。
【0086】
このようなプロファイルの移動時間関数F1〜F3を概念的に例えるとすると、例えば、移動時間関数F1は、飛行機での移動に対応し、移動時間関数F2は、鉄道での移動に対応し、移動時間関数F3は、車での移動に対応すると言える。もちろん、徒歩・自転車・船などの他の交通手段に応じた移動時間関数が設定されることも可能である。上述の通り、1の移動時間関数でも、交通手段に応じた移動時間長tを導出することが可能であるが、このように複数の移動時間関数F1〜F3は、更に、上記の交通手段による移動時間長tに対する特性を反映させることが可能である。つまり、飛行機(移動時間関数F1)であれば、近距離では長い移動時間長tが必要であるのに対して、長距離では短い移動時間長tで済む。また、鉄道(移動時間長F2)であれば、車(移動時間長F3)に比べれば、同様なことが言える。このような交通手段の特定が、個々の移動時間関数Fに反映されることになる。
【0087】
そして、移動時間関数選択部343は、移動時間長を算出するイベントの地点が含まれるエリアに応じて、この移動時間関数を選択する。この場合、移動時間関数記憶部344に記録された移動時間関数Fは、それぞれエリア、又は、エリア間(つまり2つのエリア)に対応付けられており、移動時間関数選択部343は、エリア特定部341が特定したエリア等に対応付けられた移動時間関数Fを選択する。
【0088】
この移動時間関数選択部343による選択例を、図8を再び参照して説明する。
例えば、図8に示すように、エリアAR1は、鉄道網が発達した地域であり、エリアAR2は、車以外の交通手段が使用しにくい地域であると仮定する。この場合、エリアAR1には、鉄道の特性が反映された移動時間関数F2が対応付けられ、エリアAR2には、車の特性が反映された移動時間関数F3が対応付けられる。一方、エリアAR1とエリアAR2とは、非常に離れており、その間の移動には一般的に飛行機が使用されることが多いと仮定する。この場合、エリアAR1,AR2間の移動には、飛行機の特性が反映された移動時間関数F1が対応付けられる。
【0089】
そして、例えば、移動時間長を算出する2のイベントがイベントE1,E2である場合、つまり、ルートRT1の移動時間長を算出する場合、エリア特定部341は、イベントE1,E2の両者のエリアを、エリアAR1に特定する。すると、移動時間関数選択部343は、このエリアAR1に対応付けられた移動時間関数F2を選択する。一方、移動時間長を算出する2のイベントがイベントE1,E3である場合、つまり、ルートRT2の移動時間長を算出する場合、エリア特定部341は、イベントE1のエリアをエリアAR1に特定する一方、イベントE2のエリアをエリアAR2に特定する。すると、移動時間関数選択部343は、このエリアAR1,AR2の両者、つまり、このエリアAR1,AR2間の移動に対応付けられた移動時間関数F1を選択することになる。
【0090】
このようにエリア内移動の際に選択される移動時間関数F2(エリアAR2の場合、移動時間関数F3)を、「エリア内移動時間関数」ともいう。一方、エリア間移動の際に選択される移動時間関数F1を、「エリア間移動時間関数」ともいう。
【0091】
そして、このエリア間移動時間関数は、例えば、移動時間関数F1(飛行機)の場合のように、エリア内移動時間関数としての移動時間関数F2(鉄道)や移動時間関数F3(車)よりも、移動時間長tの増加量における距離xに対する減少量(二回微分)が大きくなるように設定される。
【0092】
このようにエリア又はエリア間の移動を反映した移動時間関数Fが選択されることにより、移動時間算出部340は、更に実際の交通手段・時刻表・地域のインフラストラクチャ等を反映させた、移動時間長tを算出することを可能にしている。
【0093】
直線距離導出部346は、距離導出部の一例であって、移動時間長を算出する2のイベント(つまり地点)の位置情報に基づいて、その2のイベントの地点間の直線距離を導出する。この距離導出方法は、様々な方法が使用可能である。この際、直線距離導出部346は、位置情報として、例えば住所等の位置情報を使用することも可能ではあるが、ここでは緯度情報と経度情報を使用する場合について説明する。
【0094】
例えば、直線距離導出部346は、緯度情報laと、経度情報loとを使用して、下記式3に基づいて、暫定距離Xを算出した後、下記式4に基づいて、概算の直線距離xを算出する。
【0095】
【数2】

【0096】
上記式3及び式4中、la1,la2は、それぞれ出発地点と目的地点の緯度を表し、lo1,lo2は、それぞれ出発地点と目的地点の経度を表す。そして、Yは、その地点で緯度が1度に対応する距離を表す(例えば、東京の場合、Y=142.9km)。この単位緯度当たりの距離Yは、例えば、旅行プラン要求端末200から受信する信号等により、適宜、設定されてもよく、また、移動時間長を算出するイベントの位置情報に基づいて、適宜、設定されてもよい。
【0097】
なお、本実施形態では、直線距離導出部346が2地点間の直線距離を導出する場合を説明しているが、ここで導出される距離は、直線距離である必要は必ずしも無い。例えば、直線距離導出部346が地図情報を有しており、その地図情報に応じて実際の道・線路・空路・航路などを反映した2地点間の距離を算出することも可能である。しかし、最終的に算出する移動時間長tに対する第1近似として、移動時間関数を使用している。移動時間関数は、実際のエリアや交通手段の特定を反映させたより正確な移動時間長tを導出することが可能ではあるが、既に近似が行われていることになる。従って、正確な距離算出に、多大な時間と処理能力を消費するよりは、上述のような簡易の距離算出過程により、直線距離を導出することが、ユーザの利便性を向上させ、使い勝手を良くするという意味でも望ましい。
【0098】
移動時間導出部347は、移動時間関数選択部343が選択した移動時間関数Fに、直線距離導出部346が導出した距離xを代入して、2のイベントの地点間の移動時間長tを導出する。
【0099】
このように移動時間算出部340は、移動時間検索エンジン500等により正確な移動時間長を検索させることなく、実際の交通手段やエリアの特性に応じて現実に近い移動時間長を算出することが可能である。この移動時間長の算出は、移動時間検索エンジン500による実際の交通手段に応じた現実の移動時間長検索に比べて、非常に容易かつ迅速に実行されうる。従って、例えば、移動時間長を算出するイベントが変更された場合にも、移動時間算出部340は、迅速に移動時間を算出することが可能である。
【0100】
三度図1を参照して、旅行プラン作成装置300の他の構成の説明に戻る。
【0101】
時間整合性判定部352は、判定部の一例であって、実行時間帯を表す実行時間情報と、概算された移動時間長を表した予測移動時間情報とに基づいて、その実行時間帯が設定可能であるか否かを判定する。つまり、時間整合性判定部352は、例えば、時間的に連続した2つのイベントの実行時間帯間の時間間隔と、予測移動時間情報に表された移動時間長とを比較し、この時間間隔が移動時間長未満の場合には、実行時間帯は設定不可能であると判定し、時間間隔が移動時間長以上の場合には、実行時間帯は設定可能であると判定する。そして、この判定結果及び実行時間情報は、表示制御部332に出力される。
【0102】
この判定結果を受取った表示制御部332は、判定結果及び実行時間情報を表示画面に表示させる。図11及び図12は、この表示画面上に表示された判定結果の一例を示している。なお、図11は、仮設定された実行時間帯を時間整合性判定部352が設定可能であると判定した場合を示し、図12は、逆に設定不可能であると判定した場合を示す。
【0103】
図11に示すように、仮設定された実行時間帯が設定可能であると判定された場合、表示制御部332は、その実行時間帯に対応したイベントを表したボックスIB1をタイムテーブルT上に表示させる。
【0104】
一方、図12に示すように、仮設定された実行時間帯が設定不可能であると判定された場合、表示制御部332は、その実行時間帯に対応したイベントをタイムテーブル上にボックスIB1(Box)の形態で表示させると共に、警告情報を出力して、実行時間帯が設定不可能であることを通知する警告表示(以下「アラーム」ともいう。)を表示させる。図12には、表示制御部332が、ボックスIB1中の色を変更するなど、ボックスIB1を図11とは異なる形態(例えば、色・模様・形状・輝度・塗り潰しなど)で表示させることにより、アラームを表示させる場合を示している。このアラームとしては、表示制御部332は、例えば、図4中のメッセージ欄MEに所定の警告表示を行うことも可能であり、他にも警告音を音声出力することも可能である。このアラームは、ここで挙げた例に限定されるものではなく、ユーザに実行時間帯が設定不可能であることを通知できるような様々な警告表示であってもよい。
【0105】
また、この時間整合性判定部352は、更に各イベントの開催時間情報に基づいて、仮設定された実行時間情報が表す実行時間帯が開催時間帯に含まれるか否かを確認して、その実行時間帯が設定可能であるか否かを判定することも可能である。つまり、時間整合性判定部352は、各イベントの実行時間帯がそのイベントの実行時間帯を含む場合には、その実行時間帯は設定可能であると判定し、各イベントの実行時間帯がそのイベントの実行時間帯を含まない場合には、その実行時間帯は設定不可能であると判定する。そして、この判定結果も表示制御部332に出力される。そして、表示制御部332は、上記同様、設定可能である場合には、図11に示すように、新たに設定するイベントをボックス形式で表示させ、設定不可能である場合には、図12で示したようにボックスと同時にアラームをも表示させる。
【0106】
更に、この時間整合性判定部352は、図11等に示すように、既に他のイベントの実行時間帯が設定されている場合には、更に、そのイベントの実行時間情報を使用して、新たに設定されたイベントの実行時間帯と、その既設定されているイベントの実行時間帯とが重複していないか否かを確認して、その実行時間帯が設定可能であるか否かを判定することも可能である。つまり、時間整合性判定部352は、両イベントの実行時間帯が重畳している場合には、新たに設定されたイベントの実行時間帯は設定不可能であると判定することも可能である。ただし、時間整合性判定部352は、移動時間長による判定を既に行っているため、このように複数のイベントの実行時間帯が重畳するような場合は発生しにくいことは言うまでもない。また、この判定結果も、表示制御部332により、上記同様アラームなどにより表示される。
【0107】
従って、時間整合性判定部352は、実行時間帯が実際に設定可能であるか否かを判定することができ、表示制御部332は、例えば、その判定結果として、設定不可能である場合にはアラームを出力することができる。従って、実際に実現不可能な旅行プランが作成されようとしている場合には、ユーザにその旨を通知することが可能である。よって、移動時間が適切に確保された状態で、各イベントの実行時間帯が設定されているか否かについてユーザに通知することができる。
【0108】
この時間整合性判定部352による判定結果が、「実行時間帯が設定不可能である」ことを示している場合、実行時間設定部351は、ユーザの操作に応じて旅行プラン要求端末200から出力された「実行時間設定情報」に基づいて、再度実行時間帯を設定し直す。また、実行時間設定部351は、「実行時間設定情報」に依らずに、開催時間情報などに基づいて、設定可能となるように実行時間帯を再度自動的に設定し直すことも可能である。2つのイベントの実行時間帯が互いに重畳しており、自動的に実行時間帯を再設定する場合、実行時間設定部351は、各イベントの優先情報に応じて、その優先順位が高いイベントの実行時間帯が長くなり、かつ、実行時間帯が互いに重畳しないように、再度実行時間帯を設定し直すことも可能である。
【0109】
このように、時間整合性判定部352により、特に移動時間長よりも長い時間間隔が、各イベント間に確保されているか否かを確認しつつ、実行時間設定部351により、各イベントの実行時間帯を柔軟に設定することができる。よって、必要最低限の移動時間を確保しつつ、各イベントの実行開始時刻や終了時刻を柔軟に設定することができる。
【0110】
実行時間調整部353は、実行時間設定部351により設定されたイベントの実行時間帯を調整する。この際、実行時間調整部353は、旅行プラン要求端末200の旅行プラン作成要求送信部210から出力される、実行時間帯を調整するための「実行時間設定情報」に基づいて、実行時間帯を設定する。なお、この実行時間設定情報も、ユーザの操作に応じて、旅行プラン作成要求送信部210から出力される。
【0111】
より具体的に実行時間調整部353による実行時間帯の調整について図12〜図14を参照して説明する。図13は、実行時間調整部353が実行時間帯(ボックスIB1)を移動させた場合を示しており、図14は、実行時間調整部353が実行時間帯の長さを変更した場合を示している。
【0112】
表示制御部332は、上述の通り、例えば図12に示すように、各イベントの実行時間帯をボックスIB1,IB2として表示させる。ユーザは、このタイムテーブルTを参照して、実行時間帯を移動させたいイベントのボックス(例えばボックスIB1)をドラッグし、図13の矢印A3に示すように、移動先の時間に対応した位置にこのボックスをドロップする。すると、旅行プラン作成要求送信部210は、この移動先の時間に応じた実行時間設定情報を出力する。そして、実行時間調整部353は、この実行時間設定情報に基づいて、そのイベントの実行時間帯を調整する。
【0113】
また、図12〜図14に示すように、表示制御部332が表示画面に表示させるタイムテーブルT中の各ボックスIB1,IB2は、実行時間長を調整するためのボタンP1,P2を有している。ボタンP1は、実行時間帯の開始時刻を変更するためのボタンであり、ボタンP2は、実行時間帯の終了時刻を変更するためのボタンである。ユーザは、タイムテーブルTを参照して、実行時間帯の長さを調整したいイベントのボックス(例えばIB1)のボタン(例えばボタンP1)をドラッグし、図14の矢印A4に示すように、所望の実行時間長となる位置でドロップする。すると、旅行プラン作成要求送信部210は、この変更後の実行開始時刻又は実行終了時刻に応じた実行時間設定情報を出力する。そして、実行時間調整部353は、上記同様、この実行時間設定情報に基づいて、そのイベントの実行時間帯を調整する。
【0114】
なお、実行時間調整部353により調整された実行時間帯を表した実行時間情報は、再度、時間整合性判定部352に出力される。そして、時間整合性判定部352は、調整後の実行時間帯が設定可能であるか否かを判定する。この時間整合性判定部352による判定は、上記同様に行われ、判定結果は、上記同様表示制御部332により、図11及び図12で説明したように表示画面に表示される。
【0115】
従って、実行時間調整部353は、実行時間帯を調整することが可能であり、かつ、時間整合性判定部352は、調整された実行時間帯を実行可能であるか否かをも判定することができる。よって、ユーザは、調整後の実行時間帯が設定可能であるか否かを自ら判断することなく、各イベントの実行時間帯を調整することができる。
【0116】
移動時間設定部354は、旅行プランを表したタイムテーブルT上に実行時間帯が設定された複数のイベント間を、実際に移動することが可能な移動時間帯を設定する。この移動時間設定部354による移動時間帯の設定は、イベント選択部333により旅行プランに含めるべき複数のイベントが選択され、かつ、それらのイベントについて実行時間設定部351により実行時間帯が設定された後に行われる。なお、この複数のイベントの選択及びそれらの実行時間帯の設定は、再度行われてもよいが、移動時間設定部354による移動時間帯の設定は、イベントの選択及びそれらの実行時間帯の設定が一旦終了した際に行われることが好ましい。
【0117】
この移動時間設定部354による移動時間帯の設定について、図15等を参照しつつ説明する。図15は、本実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示する表示映像の一例について説明する説明図である。
【0118】
まず、イベント選択部333による複数のイベントの選択、及び実行時間設定部351によるそれらのイベントの実行時間帯の設定が終了すると、表示制御部332は、図15に例示したような表示映像M3を表示画面に表示させる。なお、イベントの選択及び実行時間の設定の一旦の終了は、例えば、図5に示す確認ボタンK1をユーザが押下することにより旅行プラン作成要求送信部210が送信する確認信号を、旅行プラン作成装置300が取得することにより判断される。
【0119】
そして、表示制御部332は、表示映像M3を表示させる。この表示映像M3中のタイムテーブルTには、各イベントの実行時間帯を表したボックスIB1,IB2,IB3が表示される。そして、図14に示した移動時間TA1,TA2の代わりに、移動時間帯を設定することを表した移動時間アイコンTB1,TB2が、各ボックス間に表示される。この移動時間アイコンTB1,TB2の少なくとも1つがユーザによって押下されると、旅行プラン作成要求送信部210は、「どのイベント間の移動時間を設定するのか」を表した信号を出力し、移動時間設定部354は、この信号を取得する。図15では、移動時間アイコンTB1がユーザによって押下された場合を例示している。
【0120】
そして、移動時間設定部354は、その信号に表されたイベントの位置情報と、設定されている実行時間情報とを、ネットワーク400を介して、移動時間検索エンジン500に出力する。すると、上述の通り、移動時間検索エンジン500は、交通手段に関する情報を検索して、1又は2以上のルートを決定し、各ルートにおいて実際の交通手段に基づいてイベント間を移動することが可能な移動時間帯を表した可能移動時間情報を算出する。そして、移動時間設定部354は、この1又は2以上の可能移動時間情報を取得して、表示制御部332に出力する。可能移動時間情報を取得した表示制御部332は、図15に示すように、この可能移動時間情報を表示映像M3中のルート表示欄Rに表示させる。
【0121】
このルート表示欄Rに表示された可能移動時間情報を参照したユーザは、1又は2以上のルートから、所望のルートを選択する。すると、この操作に応じて、旅行プラン作成要求送信部210は「ルート設定情報」を出力する。移動時間設定部354は、このルート設定情報を取得する。そして、移動時間設定部354は、ルート設定情報に基づいて、そのルートに対応した可能移動時間情報に表された移動時間帯を設定する。移動時間設定部354は、この動作を繰り返すことにより、各イベント間に移動時間帯を設定することができる。
【0122】
なお、移動時間設定部354が選択して設定した可能移動時間情報は、時間整合性判定部352に出力される。そして、時間整合性判定部352は、この可能移動時間情報に基づいて、各イベントの実行時間帯が設定可能であるか否かを判定する。つまり、時間整合性判定部352は、設定された可能移動時間情報に表された移動時間帯と、各イベントの実行時間帯とが重畳していないかを確認する。そして、時間整合性判定部352は、両時間帯が重畳している場合には、その重畳している実行時間帯は設定不可能であると判定する。そして、この設定不可能であるとの判定結果は、上記同様表示制御部332により、図11及び図12で説明したように例えばアラームとして表示画面に表示される。更に、実行時間帯が設定不可能であると判定された場合、実行時間設定部351は、上記同様に、その実行時間帯を再度設定し直してもよい。
【0123】
以上、本実施形態に係る旅行プラン作成システムの構成について説明した。次に、図16〜図18を参照しつつ、本実施形態に係る旅行プラン作成システムの動作について説明する。
【0124】
<第1実施形態に係る旅行プラン作成システムの動作の一例>
図16〜図18は、本実施形態に係る旅行プラン作成システムの動作の一例について説明する説明図である。
【0125】
図16に示すように、まず、ユーザの操作に応じて、旅行プラン要求端末200から作成開始情報が出力され、この作成開始情報を取得した旅行プラン作成装置300は、ステップS01を処理する。
【0126】
ステップS01では、イベントリスト作成部331が、その作成開始情報に含まれる地域情報や期間情報に基づいて、その地域及び期間に設定されてるイベント情報を取得する。そして、ステップS03に進む。
【0127】
ステップS03では、イベントリスト作成部331が、ユーザの操作(特にイベント選択情報)に基づいて、図4及び図5のイベントリスト欄Lに示すようなイベントリストを作成する。そして、ステップS05に進む。
【0128】
ステップS05では、表示制御部332が、イベントリスト作成部331により作成されたイベントリストを、タイムテーブルTと共に表示画面に表示させる(図4及び図5参照。)。そして、ステップS07に進む。
【0129】
ステップS07(イベント選択ステップ)では、イベント選択部333が、ユーザの操作(特にイベント選択情報)に応じて、イベントリストに含まれる1のイベントを選択する。そして、ステップS11に進む。
【0130】
ステップS11では、移動時間算出部340が、ユーザの操作に応じた一時的実行時間情報(図4及び図5に示すように、アイコンIの移動中の位置に応じた時間帯又は時刻を表す情報)を取得する。なお、この一時的実行時間情報の取得は、後述のステップS23まで継続されうる。そして、ステップS13に進む。
【0131】
ステップS13では、移動時間算出部340が、既に実行時間帯が設定されたイベントが存在するか否かを確認する。既設定のイベントがない場合、ステップS21に進み、既設定のイベントがある場合、ステップS15に進む。
【0132】
ステップS15では、移動時間算出部340が、まず、一時的実行時間情報に基づいて、新たに選択されたイベントの時間的な前後に既に設定されている他のイベントを特定する。そして、移動時間算出部340は、新たに選択されたイベントと特定したイベントとの位置情報に基づいて、そのイベント間の移動に要すると予測される移動時間長を算出する(移動時間長算出処理)。そして、ステップS17に進む。
【0133】
ステップS17の説明をする前に、図15を参照しつつステップS15における移動時間長算出処理についてより詳細に説明する。
【0134】
ステップS15の移動時間長算出処理として、図17に示すように、ステップS151〜ステップS157が処理される。まず始めに処理されるステップS151では、エリア特定部341が、新たに選択されたイベントと特定したイベントとの位置情報に基づいて、そのイベントの地点が含まれるエリアを特定する。そして、ステップS153に進む。
【0135】
ステップS153では、移動時間関数選択部343が、ステップS153で特定されたエリアに対応する移動時間関数を、移動時間関数記憶部344から選択して取得する。そしてステップS155に進む。
【0136】
ステップS155では、直線距離導出部346が、新たに選択されたイベントと特定したイベントとの位置情報に基づいて、イベントの地点間の直線距離を導出する。そして、ステップS157に進む。
【0137】
ステップS157では、移動時間導出部347が、ステップS153で選択された移動時間関数に、ステップS155で導出された距離を代入して、移動時間長を算出する。そして、この移動時間長算出処理は、終了し、ステップS17へと進む。
【0138】
ステップS17(移動時間表示ステップ)では、表示制御部332が、移動時間算出部340により算出された予測される移動時間長を表示画面に表示させる(図5〜図14中の移動時間TA1,TA2など参照)。そして、ステップS21に進む。
【0139】
ステップS21では、表示制御部332が、イベント選択部333により選択されたイベントの開催時間帯を表示画面に表示させる(図4中の開催時間帯OPなど参照。)。そして、ステップS23に進む。
【0140】
ステップS23(実行時間設定ステップ、実行時間再設定ステップ)では、実行時間設定部351が、ユーザの操作(特に実行時間設定情報)に基づいて、ステップS07で選択されたイベントの実行時間帯を仮設定する。そして、ステップS25に進む。
【0141】
ステップS13(第1の判定ステップ、第2の判定ステップ)では、時間整合性判定部352が、「ステップS23(又はステップS32)で仮設定(又は調整)された実行時間帯が設定可能か否か」を判定する。この際、時間整合性判定部352は、新たに選択されたイベントの仮設定された実行時間帯と、そのイベントの前後に既設定されているイベントの実行時間帯との間の時間間隔が、移動時間長以上であるか否かを判定する。そして、時間整合性判定部352は、この時間間隔が移動時間長未満の場合、仮設定された実行時間帯は設定不可能であると判定し、時間間隔が移動時間長以上の場合、仮設定された実行時間帯は設定可能であると判定する。この際、時間整合性判定部352は、仮設定された実行時間帯が開催時間帯(開催時間帯OP)に含まれるか否かをも判定する。そして、時間整合性判定部352は、実行時間帯が開催時間帯に含まれない場合、仮設定された実行時間帯は設定不可能であると判定し、実行時間帯が開催時間帯に含まれる場合、仮設定された実行時間帯は設定可能であると判定する。更にこの際、時間整合性判定部352は、仮設定された実行時間帯が既に設定されている実行時間帯と重畳しないか否かをも判定してもよい。この場合、両者が重畳する場合、仮設定された実行時間帯は設定不可能であると判定され、両者が重畳しない場合、仮設定された実行時間帯は設定可能であると判定される。そして、仮設定された実行時間帯が設定可能であると判定された場合、ステップS29に進み、設定不可能であると判定された場合、ステップS27に進み、このステップS27では、表示制御部332が警告情報を出力する。そして、ステップS29に進む。
【0142】
ステップS29(判定結果表示ステップ)では、表示制御部332が、ステップS23で設定された実行時間帯を表示画面に表示させる(図6〜図13参照。)。この際、ステップS27が処理されている場合には、この実行時間帯と共に、アラームを表示画面に表示させる(図12参照。)。そして、ステップS31に進む。
【0143】
ステップS31では、実行時間調整部353が、ステップS23で設定された実行時間帯を調整する必要があるか否かを判断する。この判断は、ユーザの操作(例えば実行時間設定情報など)に基づいて行われてもよく、ステップS25における判定結果に基づいて行われてもよい(例えば実行時間帯が設定不可能であると判定されている場合には調整が必要であると判断してよい。)。ここで、調整が必要であると判断された場合には、ステップS32に進み、調整が不要である場合には、ステップS33に進む。
【0144】
ステップS32(実行時間調整ステップ)では、実行時間調整部353が、ユーザの操作(例えば実行時間設定情報など)に基づいて、実行時間帯を調整し、再度ステップS13以降の処理が行われる。つまり、実行時間調整部353が調整した後の実行時間帯についても、時間整合性判定部352により設定可能であるか否かが判定される。
【0145】
一方、ステップS31において実行時間帯の調整が不要であると判定されてステップS33に進んだ場合、ステップS33では、イベント選択部333により他のイベントの設定、及び実行時間帯の設定や調整が完了したか否かが判断される。そして、イベントの設定等が完了した場合には、図18のステップS41に進む一方、更に他のイベントの設定などが必要な場合には、ステップS07以降の処理が繰り返される。
【0146】
ステップS41では、まず、表示制御部332が複数のイベントと実行時間帯が設定されたタイムテーブルTを表示させる(例えば、図15)。そして、移動時間設定部354は、旅行プラン作成要求送信部210からユーザの操作に応じて出力される「どのイベント間の移動時間を設定するのか」を表した信号を取得する。そして、移動時間設定部354は、この信号に表された移動時間長、つまり、予測移動時間情報を選択する。そして、ステップS43に進む。
【0147】
ステップS43では、移動時間設定部354が、ネットワークを介して接続された移動時間検索エンジン500に1又は2以上の可能移動時間情報を検索・算出させ、その可能移動時間情報を取得する。そして、ステップS45に進む。
【0148】
ステップS45では、まず、表示制御部332が、移動時間設定部354により取得された可能移動時間情報を表示させる(図15中のルート表示欄Rなど参照。)。そして、旅行プラン作成要求送信部210は、このルート表示欄Rを参照したユーザの操作に応じてルート選択情報を出力し、移動時間設定部354は、このルート選択情報を取得する。移動時間設定部354は、ルート選択情報に表された1のルートを選択する。そして、ステップS47に進む。
【0149】
ステップS47では、移動時間設定部354は、選択されたルートに対応する可能移動時間情報に表された移動時間帯(及び交通手段)を設定する。そして、ステップS49に進む。
【0150】
ステップS49(第2の判定ステップ)では、時間整合性判定部352が、設定された移動時間帯を表した可能移動時間情報に基づいて、設定されている実行時間帯が設定可能であるか否かについて判定する。この際、時間整合性判定部352は、移動時間帯と実行時間帯とが重畳していないか否かを確認する。そして、時間整合性判定部352は、両時間帯が重畳している場合には、その重畳した実行時間帯は設定不可能であると判定してステップS51に進む。一方、時間整合性判定部352は、両時間帯が重畳していない場合には、その重畳した実行時間帯は設定可能であると判定してステップS57に進む。
【0151】
移動時間帯に重畳した実行時間帯が存在し、ステップS51(判定結果表示ステップ)に進んだ場合、時間整合性判定部352は、表示制御部332に警告情報を出力し、表示制御部332は、アラームを表示させる。このアラームとしては、上記同様例えば、図12に示したアラーム表示などが挙げられる。そして、ステップS53に進む。
【0152】
ステップS53では、アラーム表示を参照したユーザの操作に応じて、ルート変更を行うためのルート設定情報が旅行プラン作成要求送信部210から出力されたか否かを、移動時間設定部354が確認する。そして、ルート設定情報を取得した場合、ステップS45以降の処理が繰り返される。一方、ルート設定情報を取得しない場合、ステップS55に進む。
【0153】
ステップS55では、実行時間設定部351が、アラーム表示を参照したユーザの操作(例えば実行時間設定情報など)に基づいて、移動時間帯と重畳していた実行時間帯を再設定し直す。なお、実行時間設定部351は、ユーザの操作に依らずに、自動的に、移動時間帯と実行時間帯とが重畳しないように、実行時間帯を再設定してもよい。この場合、実行時間設定部351は、実行時間帯を移動させてもよく、また、実行時間帯の長さを変更してもよい。また、このステップS55は、実行時間設定部351による再設定の代わりにか、再設定と共に、実行時間調整部353による実行時間帯の再調整が行われてもよい。このステップS55の処理後は、再度ステップS49が処理され、時間整合性判定部352は、再設定又は再調整された実行時間帯が設定可能か否かを確認する。
【0154】
一方、ステップS49において実行時間帯が設定可能であると判定され、ステップS57へと進んだ場合、このステップS57では、移動時間設定部354が、新たに「どのイベント間の移動時間を設定するのか」を表した信号を取得したかを確認する。つまり、他の予測移動時間情報が選択されたか否かを確認する。そして、他の予測移動時間情報が選択された場合、ステップS43以降の処理を再度繰り返す。一方、他の予測移動時間情報が選択されない場合、特に、全ての予測移動時間情報に対して移動時間帯が設定された場合には、ステップS59に進む。そして、ステップS59では、表示制御部332が、完成した旅行プランを表示画面に表示させ、旅行プラン作成動作は終了する。
【0155】
<第1実施形態に係る旅行プラン作成システムによる効果の一例>
以上、本発明の第1実施形態に係る旅行プラン作成システム100について説明した。この旅行プラン作成システム100により作成された旅行プランの一例を、図19のタイムテーブルTに示す。図19は、本実施形態に係る旅行プラン作成システムによって作成された旅行プランの一例について説明する説明図である。
【0156】
図19に示すように、旅行プラン作成システム100は、所定の期間中に1又は2以上のイベントを時系列に沿って配置した旅行プランを作成する。そして、各イベントの間には、移動時間帯を表した移動時間アイコンTC1,TC2が表示され、旅行プラン作成システム100は、この移動時間アイコンTC1,TC2が押下(選択)された場合、イベント間に設定された可能移動時間情報(移動時間帯及び交通手段)を表示画面に表示させることができる。つまり、旅行プラン作成システム100は、各イベントの実行時間帯間に、移動時間帯を確保しつつ、旅行プランを作成することができる。
【0157】
また、旅行プラン作成システム100は、各イベントの実行時間帯を設定する際に、イベント間の移動に必要な移動時間長を表示することができ、かつ、実行時間帯を所望の時間帯に設定することができる。よって、ユーザは、移動時間長を参照することにより、移動に確保すべきと思われる時間間隔を考慮しつつ、各イベントの実行時間帯を所望の時間帯に設定させることができる。そして、旅行プラン作成システム100は、設定された実行時間帯が実際に実行可能であるかを判定するので、実際に実行可能な旅行プランを作成することができる。
【0158】
また、旅行プラン作成システム100は、各実行時間帯を一旦設定した後に、実際に移動が可能な移動時間帯を設定することができ、この移動時間帯に基づいて、各実行時間帯が実際に設定可能であるか否かを判定することができる。よって、旅行プラン作成システム100は、実際に実行可能である旅行プランを作成することができる。
【0159】
旅行プラン作成システム100が実行時間帯の設定時に表示させる移動時間長、つまり、移動時間算出部340が算出する移動時間長は、イベントの位置間の距離から算出できるため、複雑な計算や検索等をせずに容易かつ迅速に算出できる。一方、実際の交通手段を反映して設定される移動時間帯は、交通手段に関する情報を検索して算出されるので、移動時間長に比べれば多少複雑な検索及び計算が必要となる。また、この移動時間帯は、例えばネットワーク経由で移動時間検索エンジン500から取得するため、その通信に多少の時間を要する。そこで、この旅行プラン作成システム100は、実行時間帯の設定が繰り返される場合や、旅行プランに含まれるイベントが変更される場合などには、算出が容易な移動時間長を算出して表示させる。そして、旅行プラン作成システム100は、実行時間帯が一旦設定された後に、移動時間長よりも算出に時間を要するが実際の交通手段を反映した移動時間帯を設定する。これにより、旅行プラン作成システム100は、ユーザによる操作性を向上させ、かつ、旅行プランの作成を容易にすることができる。従って、イベントが変更された場合や実行時間帯が変更された場合にも、迅速に対応して移動時間長をユーザに通知することが可能である。また、この際通知される移動時間長は、実際の交通手段等が反映されたものではないものの、各イベントのエリアやそのエリアの交通事情等を反映した移動時間関数により算出される。従って、この移動時間長は、例えば、平均速度などで求める場合などよりも、より実際の移動時間長に近く正確である。従って、ユーザは、イベント(つまり地点)の選択やそのイベントの実行時間帯の設定時に、迅速且つ正確に算出された移動時間長を参考にすることが可能となり、ユーザの利便性は大きく向上する。また、例えば、他の移動時間検索エンジンなどのような重量課金システムなどを使用せずに済むことも、ユーザの利便性を大きく向上させることが可能である。
【0160】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0161】
例えば、上記実施形態では、移動時間算出部340による移動時間長tの算出は、移動時間関数Fにより行われた。そして、上記実施形態では、図9に示すように、代入される距離xが長くなるにつれて、その距離xに対する移動時間長tの増加量が減少するように、移動時間長tを導出する移動時間関数Fを特に例に取上げて説明した。しかしながら、上述の通り、移動時間関数Fは、このようなプロファイルの関数に限定されるものではない。つまり、上記で詳しく説明したように、移動時間関数Fは、実際の交通事情やエリアの特性等を反映させて、代入される距離xに応じて、その距離xに対する移動時間長tの増加量(つまり傾き)が変化するように移動時間長tを導出すれば、様々なプロファイルに設定可能である。このような他のプロファイルを有する移動時間関数の一例を、図20に示す。図20に示す移動時間関数F4は、図8に示す移動時間関数F1のように単純に距離xが増加するにつれて移動時間長tの増加量が減少するだけでなく、一部区間(距離x12〜x13)において、距離xが増加するにつれて移動時間長tの増加量も増加している(1/k42<1/k43)。この図20に示す移動時間関数F4は、対応するエリアが、例えば、電車やバス等の本数が少なく乗り継ぎが悪いなどの様々な事情により、距離x12〜x13移動する場合の方が距離x11〜x12移動する場合よりも単位距離x当たりの移動に時間を必要とすることを反映している。このように、移動間関数Fは、実際の交通事情・エリアの特性等を反映して様々なプロファイルを有することが可能である。
【0162】
例えば、上記実施形態では、移動時間算出部340が、エリア間の移動時間長を算出する際、単に、エリア間移動時間関数と、イベントの地点間の距離とを使用して、移動時間長を算出する場合について説明した。しかしながら、移動時間算出部340は、例えば、そのイベント(地点)間に、他のイベント(地点)を設定することにより、より正確な移動時間長を算出することも可能である。この場合の例について、図21を参照しつつ説明する。
【0163】
例えば、上記実施形態では、図21に示すようにイベントE1とイベントE3との間の移動時間長を算出する場合、ルートRT2に対応した移動時間関数F1が使用され、移動時間長が算出さえることになる。
これに対して、本変更例では、この場合、移動時間関数選択部343は、エリア間移動であることを判断し、エリア間移動である場合には、そのエリア間移動に関連付けられたエリア間移動時間関数F1だけでなく、各エリアAR1,AR2内の移動に関連付けられたエリア内移動時間関数F2,F3をも選択する。
一方、移動時間導出部347は、各エリアAR1,AR2のそれぞれに新たなイベントE2,E4を設定する。この新たなイベントE2,E4としては、そのエリアのランドマーク的な場所の訪問を意味し、例えば、長距離移動の際に中心となる駅(東京駅や新宿駅)・高速道路のインターチェンジ・飛行場などが挙げられる。
そして、移動時間導出部347は、それぞれのエリアAR1,AR2内で、そのエリア内移動時間関数F2,F3を使用して、そのエリアAR1,AR2内での既存のイベントE1,E3と新たなイベントE2,E4との間の移動時間長を導出する。つまり、イベントE1からイベントE2への移動(ルートRT1)の移動時間長を、移動時間関数F2を用いて導出し、イベントE4からイベントE3への移動(ルートRT4)の移動時間長を、移動時間関数F3と、各イベント間の距離(ルートRT1の距離又はルートRT4の距離)とを用いて導出する。更に、移動時間導出部347は、エリアAR1,AR2間の移動時間長を、エリア間移動時間関数F1を使用して導出する。つまり、イベントE2からイベントE4への移動(ルートRT3)の移動時間長を、移動時間関数F1と、新イベントE2,E4間の距離(ルートRT3の距離)とを用いて導出する。
その後、移動時間導出部347は、ルートRT1,RT3,RT4に対する移動時間長を加算して、イベントE1からイベントE3までの移動時間長として導出する。
【0164】
この変更例によれば、移動時間算出部340は、エリア間移動の移動時間長を算出する場合、そのエリア間移動に使用されると予想される2以上の交通手段に更にきめ細やかに対応して正確な移動時間長を、容易に算出することが可能である。なお、上記実施形態のように単にエリア間移動時間関数のみを使用する場合よりも、多少処理量が増えることになるが、その増加分は、移動時間検索エンジン500等を使用する場合に比べれば遙かに少なく抑えられることになる。
【0165】
また、上記実施形態では、最終的に作成される旅行プランには、実際の交通手段に応じた移動時間帯が含まれる場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。つまり、例えば、移動時間算出部340が算出した移動時間長(予想移動時間情報)により、旅行プランを作成することも可能である。この場合、移動時間設定部354及び移動時間検索エンジン500等は必ずしも必要ではない。そして、この場合でも、旅行プラン作成装置300は、移動時間長を移動時間関数を用いて算出するため、妥当性の高い旅行プランを作成することが可能である。
【0166】
また、上記実施形態では、図16で説明したように、ステップS25で時間整合性判定部352により設定不可能であると判定された実行時間帯も、ステップS29で表示される場合について説明した。しかし、本発明はかかる例に限定されず、例えば、ステップS13で設定不可能であると判定された場合には、実行時間帯を設定できなくすることも可能である。この場合、例えば、図16において、ステップS27の処理後にステップS23を再度処理し直してもよい。
【0167】
また、上記実施形態では、イベントリスト作成部331により一旦イベントリストが作成され、その後に旅行プランを作成する場合について説明した。このイベントリストは、表示される情報が煩雑となることを防止して、ユーザによる操作性を向上させるなどのために、作成される。従って、旅行プランの作成においては、必ずしも一旦イベントリストを作成する必要性はない。この場合、例えば図3の表示映像M1中に含まれる複数のイベントのアイコンIを直接タイムテーブルTにクリックアンドドロップするなどにより、旅行プランを作成することも可能である。更にこの場合、イベントリスト作成部331は必ずしも必要ではない。
【0168】
また、上記各実施形態で説明した一連の処理は、専用のハードウエアにより実行させてもよいが、ソフトウエアにより実行させてもよい。一連の処理をソフトウエアにより行う場合、図22に示すような汎用又は専用のコンピュータにプログラムを実行させることにより、上記の一連の処理を実現することができる。
【0169】
図22は、プログラムを実行することにより一連の処理を実現するコンピュータの構成例を説明するための説明図である。一連の処理を行うプログラムのコンピュータによる実行について説明すれば、以下のようになる。
【0170】
図22に示すように、コンピュータは、例えば、バス601と、CPU(Central Processing Unit)602と、記録装置と、入出力インターフェイス606と、通信装置607と、入力装置609と、ドライブ610と、出力装置となどを有する。これらの各構成は、バス601や入出力インターフェイス606等を介して相互に情報を伝達可能に接続されている。
【0171】
プログラムは、例えば、記録装置の一例である、HDD(Hard Disk Drive)603・ROM(Read Only Memory)604・RAM(Random Access Memory)605等に記録しておくことがきる。
【0172】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、各種のCD(Compact Disc)・MO(Magneto Optical)ディスク・DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体611に、一時的又は永続的に記録しておくこともできる。このようなリムーバブル記憶媒体611は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらのリムーバブル記憶媒体611に記録されたプログラムは、ドライブ610により読み出されて、入出力インターフェイス606・バス601等を介して上記の記録装置に記録されてもよい。
【0173】
更に、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LAN(Local Area Network)・インターネット等のネットワーク608(ネットワーク400)を介して転送され、通信装置607がこのプログラムを受信する。そして、通信装置607が受信したプログラムは、入出力インターフェイス606・バス601等を介して上記の記録装置に記録されてもよい。
【0174】
そして、CPU602が、上記の記録装置に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の一連の処理が、実現される。この際、CPU602は、例えば、上記の記録装置からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM605に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU602は、例えば、プログラムを通信装置607やドライブ610を介して受信する場合、受信したプログラムを記録装置に記録せずに直接実行してもよい。
【0175】
更に、CPU602は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置609から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0176】
そして、CPU602は、上記の一連の処理を実行した結果を、例えばモニタなどの表示装置612・スピーカやヘッドホンなどの音声出力装置613等の出力装置から出力してもよく、更にCPU602は、必要に応じてこの処理結果を通信装置607から送信してもよく、上記の記録装置やリムーバブル記憶媒体611に記録させてもよい。
【0177】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の第1実施形態に係る旅行プラン作成システムの構成について説明する説明図である。
【図2】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが使用するイベント情報について説明する説明図である。
【図3】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示する表示映像の一例について説明する説明図である。
【図4】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示する表示映像の一例について説明する説明図である。
【図5】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示する表示映像の一例について説明する説明図である。
【図6】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示するタイムテーブルの一例について説明する説明図である。
【図7】同実施形態に係る移動時間算出部の構成について説明する説明図である。
【図8】同実施形態に係る移動時間算出部によるエリア特定等について説明する説明図である。
【図9】同実施形態に係る移動時間算出部による移動時間算出過程について説明する説明図である。
【図10】同実施形態に係る移動時間算出部による移動時間算出過程について説明する説明図である。
【図11】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示するタイムテーブルの一例について説明する説明図である。
【図12】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示するタイムテーブルの一例について説明する説明図である。
【図13】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示するタイムテーブルの一例について説明する説明図である。
【図14】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示するタイムテーブルの一例について説明する説明図である。
【図15】同実施形態に係る旅行プラン作成システムが表示画面に表示する表示映像の一例について説明する説明図である。
【図16】同実施形態に係る旅行プラン作成システムの動作の一例について説明する説明図である。
【図17】同実施形態に係る旅行プラン作成システムの動作の一例について説明する説明図である。
【図18】同実施形態に係る旅行プラン作成システムの動作の一例について説明する説明図である。
【図19】同実施形態に係る旅行プラン作成システムによって作成された旅行プランの一例について説明する説明図である。
【図20】同実施形態に係る移動時間算出部による移動時間算出過程の変更例について説明する説明図である。
【図21】同実施形態に係る移動時間算出部による移動時間長算出の変更例について説明する説明図である。
【図22】プログラムを実行することにより一連の処理を実現するコンピュータの構成例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0179】
100 旅行プラン作成システム
200 旅行プラン要求端末
210 旅行プラン作成要求送信部
220 旅行プラン受信部
230 表示部
300 旅行プラン作成装置
310 通信部
321 イベント情報記憶部
322 イベント情報登録部
331 イベントリスト作成部
332 表示制御部
333 イベント選択部
340 移動時間算出部
341 エリア特定部
342 エリア情報記憶部
343 移動時間関数選択部
344 移動時間関数記憶部
345 移動時間関数設定部
346 直線距離導出部
347 移動時間導出部
351 実行時間設定部
352 時間整合性判定部
353 実行時間調整部
354 移動時間設定部
400 ネットワーク
500 移動時間検索エンジン
A1,A2,A3,A4 矢印
B バー
CL 非開催時間帯
I アイコン
IB1,IB2,IB3 ボックス
L イベントリスト欄
M1,M2,M3 表示映像
ME メッセージ欄
OP 開催時間帯
R ルート表示欄
T タイムテーブル
TA1,TA2 移動時間
TB1,TB2 移動時間アイコン
TC1,TC2 移動時間アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶部と、
前記位置情報記憶部に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択部と、
前記地点選択部が選択した2の地点の位置情報に基づいて、前記2の地点間の距離を導出する距離導出部と、
距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、前記距離導出部が導出した距離を代入して、前記2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出部と、
を有し、
前記移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように前記移動時間長を導出することを特徴とする、移動時間算出装置。
【請求項2】
前記移動時間関数は、前記代入される距離が長くなるにつれて、該距離に対する移動時間長の増加量が減少するように前記移動時間長を導出することを特徴とする、請求項1に記載の移動時間算出装置。
【請求項3】
相異なる複数の前記移動時間関数が記録される移動時間関数記憶部と、
前記位置情報に基づいて、前記地点が含まれるエリアを特定するエリア特定部と、
前記エリア特定部が特定したエリアに応じて、前記移動時間関数記憶部に記録された複数の前記移動時間関数から、1又は2以上の移動時間関数を選択する移動時間関数選択部と、
を有し、
前記移動時間導出部は、前記移動時間関数選択部が選択した移動時間関数を使用して前記2の地点間の移動時間長を導出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の移動時間算出装置。
【請求項4】
前記移動時間関数選択部は、
前記2の地点が同一エリアに含まれる場合、該エリア内の移動に関連付けられたエリア内移動時間関数を選択し、
前記2の地点が異なるエリアに含まれる場合、前記エリア内移動時間関数とは異なり、かつ、各エリア間の移動に関連付けられたエリア間移動時間関数を少なくとも選択することを特徴とする、請求項3に記載の移動時間算出装置。
【請求項5】
前記エリア間移動時間関数は、前記距離に対する移動時間長の増加量における前記距離に対する減少量が、前記エリア内移動時間関数よりも大きいことを特徴とする、請求項4に記載の移動時間算出装置。
【請求項6】
前記移動時間関数選択部は、前記2の地点が異なるエリアに含まれる場合、各エリア内の移動に関連付けられた前記エリア内移動時間関数と、該エリア間の移動に関連付けられた前記エリア内移動時間関数とを選択し、
前記移動時間導出部は、前記各エリアのそれぞれに新たな地点を設定し、前記エリア内移動時間関数を用いて各エリア内での前記2の地点と前記新たな地点との間のエリア内移動時間長を導出すると共に、前記エリア間移動時間関数を用いて前記新たな地点間のエリア間移動時間長を導出することを特徴とする、請求項4又は5に記載の移動時間算出装置。
【請求項7】
前記2の地点それぞれで実行されるイベントを実行するための実行時間帯を設定する実行時間設定部と、
前記移動時間導出部により導出された移動時間長と、前記実行時間設定部により設定された実行時間帯とに基づいて、前記実行時間帯が設定可能であるか否かを判定する判定部と、
を更に有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の移動時間算出装置。
【請求項8】
2の地点間の移動に要する予想される移動時間長を算出する移動時間算出装置と、
前記移動時間算出装置にネットワークを介して接続可能であり、前記移動時間算出部に移動時間長を算出させる移動時間要求端末と、
を有し、
前記移動時間算出装置は、
所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶部と、
前記位置情報記憶部に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択部と、
前記地点選択部が選択した2の地点の位置情報に基づいて、前記2の地点間の距離を導出する距離導出部と、
距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、前記距離導出部が導出した距離を代入して、前記2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出部と、
を有し、
前記移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように前記移動時間長を導出することを特徴とする、移動時間算出システム。
【請求項9】
コンピュータに、
所定の地点の位置を表す位置情報が複数記録された位置情報記憶機能と、
前記位置情報記憶機能に位置情報が記録された地点を2つ選択する地点選択機能と、
前記地点選択機能が選択した2の地点の位置情報に基づいて、前記2の地点間の距離を導出する距離導出機能と、
距離が代入されると該距離の移動に要すると予測される移動時間長を導出する移動時間関数に、前記距離導出部が導出した距離を代入して、前記2の地点間の移動時間長を導出する移動時間導出機能と、
を含み、
前記移動時間関数は、代入される距離に応じて、該距離に対する移動時間長の増加量が変化するように前記移動時間長を導出すること、を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−86187(P2010−86187A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252976(P2008−252976)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】