説明

移動用変圧器及びその注油方法並びに抜油方法

【課題】変圧器本体側と冷却器側とが分離された状態で別々に現地へ輸送され、また、現地で容易に結合または分離されるようにした移動用変圧器を提供する。
【解決手段】継手3aと配管3bとが接続され、配管3bにバルブV8及びフローサイトA1を設けた配管4が接続されると共に、バルブV9及びフローサイトB1を設けた配管5が接続されてなる配管3と、継手7aとバルブV2とが接続され、配管7bにバルブV5及びフローサイトA2を設けた配管8が接続されると共に、バルブV6及びフローサイトB2を設けた配管9が接続されてなる配管7とを、変圧器本体1側で着脱自在となるように変圧器本体1と冷却器2との間に接続する。バルブV9とフローサイトB1との間の配管5と、配管2aとの間にバルブV10を設けた配管6を接続し、バルブV6とフローサイトB2との間の配管9と、配管2bとの間にバルブV7を設けた配管10を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内に鉄心、巻線等を収納した変圧器本体と、このタンク内に電気絶縁油(以下、絶縁油という)を循環させることにより変圧器本体の冷却を行う冷却器とを備え、絶縁油を変圧器本体と冷却器との間に流動させる上部接続配管及び下部接続配管がこの間に設けられている移動用変圧器及びその注油並びに抜油方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動用変圧器は、発電所または変電所内の変圧器等が故障して電力が供給されない事態に、その電力施設の設置場所(以下、現地という)に緊急輸送して直ちに電力を再度供給することを目的するものであり、現地に輸送された時点で電力が再度供給できるように、トレーラまたはトラックに積載されている。このような移動用変圧器は、例えば特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開平9−246052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の移動用変圧器では、容量が大きくなると、普通トレーラ、トラック等では輸送できない場合があり、この場合には大形の専用トレーラが必要となるので、このような車両(専用トレーラ)をレンタルすることによるコストをアップさせたくない、また、道路許可申請等の煩雑な作業をなくしたいという移動用変圧器のユーザからの要求に応えられないという問題が生じる。
【0004】
また、上記の問題を回避しようとすれば、例えば変圧器本体と冷却器とを分離し、変圧器本体側は絶縁油を充填させた状態にすると共に、冷却器側は上部接続配管及び下部接続配管を取り付けたままで絶縁油を抜いた状態にし、現地へそれぞれ輸送されて再組立されることになるが、再組立の際に位置合わせ作業が煩雑になり、また、再組立後の注油時に柱抜油装置が必要になるという問題が生じる。さらに、再組立後の注油時または抜油時に大量の絶縁油を処理することになるので、柱抜油作業が煩雑になると共に、直ちに電力を再度供給するのに支障を来すという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、変圧器本体側と冷却器側とが分離された状態で別々に現地へ輸送され、また、現地で変圧器本体側と冷却器側とが容易に結合または分離されるようにした移動用変圧器を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、変圧器本体側と冷却器側とが分離された状態で別々に現地へ輸送され、また、現地で変圧器本体側と冷却器側とが容易に結合または分離されるようにした移動用変圧器の注油方法を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、変圧器本体側と冷却器側とが分離された状態で別々に現地へ輸送され、また、現地で変圧器本体側と冷却器側とが容易に結合または分離されるようにした移動用変圧器の抜油方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、タンク内に鉄心、巻線等を収納した変圧器本体と、タンク内に電気絶縁油を循環させることにより変圧器本体の冷却を行う冷却器とを備え、変圧器本体と冷却器との間に電気絶縁油を流動させる上部接続配管及び下部接続配管が設けられている移動用変圧器を対象とし、変圧器本体の上部に、端部に第1の上部主開閉バルブを設けた変圧器本体側上部配管が接続され、冷却器の電気絶縁油の流入側に、端部に第2の上部主開閉バルブを設けた冷却器流入側配管が接続され、上部接続配管は、第1の上部主開閉バルブに接続される上部伸縮継手と第2の上部主開閉バルブに接続される上部配管とが接続されてなり、上部配管に、端部及び途中に第1の上部開閉バルブ及び第1の上部フローサイトをそれぞれ設けた第1の上部分岐配管が接続されると共に、端部及び途中に第2の上部開閉バルブ及び第2の上部フローサイトをそれぞれ設けた第2の上部分岐配管が下方に向けて接続され、第2の上部開閉バルブと第2の上部フローサイトとの間の第2の上部分岐配管と、冷却器流入側配管との間に第3の上部開閉バルブを設けた上部バイパス配管が接続され、変圧器本体の下部に、端部に第1の下部主開閉バルブを設けた変圧器本体側下部配管が接続され、冷却器の電気絶縁油の流出側に、端部に第2の下部主開閉バルブを設けた冷却器流出側配管が接続され、下部接続配管は、第1の下部主開閉バルブに接続される下部伸縮継手と第2の下部主開閉バルブに接続される下部配管、または、第1の下部主開閉バルブに接続される下部配管と第2の下部主開閉バルブに接続される下部伸縮継手とが接続されてなり、下部配管に、端部及び途中に第1の下部開閉バルブ及び第1の下部フローサイトをそれぞれ設けた第1の下部分岐配管が接続されると共に、端部及び途中に第2の下部開閉バルブ及び第2の下部フローサイトをそれぞれ設けた第2の下部分岐配管が下方に向けて接続され、第2の下部開閉バルブと第2の下部フローサイトとの間の第2の下部分岐配管と、冷却器流出側配管との間に第3の下部開閉バルブを設けた下部バイパス配管が接続され、冷却器流入側配管または冷却器流出側配管に、排油開閉バルブを有する補助コンサベータがコンサ用開閉バルブを介して接続され、変圧器本体と冷却器とは、第1の上部主開閉バルブと上部伸縮継手との間、また、第1の下部主開閉バルブと下部伸縮継手との間または下部伸縮継手と下部配管との間で分離または結合されるように、第1の上部主開閉バルブと上部伸縮継手とが着脱自在に接続されると共に、第1の下部主開閉バルブと下部伸縮継手または下部伸縮継手と下部配管とが着脱自在に接続され、上部接続配管及び下部接続配管内が空の状態で、かつ、変圧器本体内と変圧器本体側上部配管内と変圧器本体側下部配管及び冷却器内と冷却器流入側配管内と冷却器流出側配管内とに電気絶縁油がそれぞれ充填された状態で、変圧器本体側と冷却器側とが分離された状態で別々の輸送手段に積載されるようにしたものである。
【0009】
第2の発明は、請求項1に記載の移動用変圧器が現地で変圧器本体側と冷却器側とが結合された状態で上部接続配管及び下部接続配管に注油する方法を対象とし、上部接続配管の注油時は、上部接続配管内を真空引きし、第3の上部開閉バルブを徐々に開け、冷却器流入側配管から上部接続配管内に注油し、下部接続配管の注油時は、下部接続配管内を真空引きし、第3の下部開閉バルブを徐々に開け、冷却器流出側配管から下部接続配管内に注油するようにしたものである。
【0010】
第3の発明は、請求項1に記載の移動用変圧器が現地で変圧器本体側と冷却器側とが結合された状態で上部接続配管及び下部接続配管から抜油する方法を対象とし、上部接続配管の抜油時は、上部に設けられた第1のタンク開閉バルブと、下部に設けられた第2のタンク開閉バルブと、上部に設けられた排油回収口と、下部に設けられた覗き窓と、上面に設けられた空気抜栓とを有する補助タンクを、排油回収口の位置が第2の上部開閉バルブよりも下方となるように配設し、第1の上部主開閉バルブ及び第2の上部主開閉バルブを閉じ、補助タンク内及び第2のタンク開閉バルブと排油開閉バルブとを接続する真空ホース内を第1のタンク開閉バルブから真空引きした後、第1のタンク開閉バルブを閉じ、排油開閉バルブを徐々に開け、覗き窓に油面が見える程度まで電気絶縁油を入れた後、第2のタンク開閉バルブを閉じ、空気抜栓を徐々に開け、補助タンク内の真空を開放し、第2の上部開閉バルブを開けた後、第1の上部開閉バルブを開け、上部接続配管内の電気絶縁油を第2の上部開閉バルブと排油回収口とを接続する排油ホースを介して補助タンク内に入れ、第1の上部開閉バルブ及び第2の上部開閉バルブを閉じ、下部接続配管の抜油時は、補助タンクを、排油回収口の位置が第2の下部開閉バルブよりも下方となるように配設し、第1の下部主開閉バルブ及び第2の下部主開閉バルブを閉じ、補助タンク内及び第2のタンク開閉バルブと排油開閉バルブとを接続する真空ホース内を第1のタンク開閉バルブから真空引きした後、第1のタンク開閉バルブを閉じ、排油開閉バルブを徐々に開け、第2のタンク開閉バルブと排油開閉バルブとの間の真空ホース内の空間が電気絶縁油で置き換えられる量として、覗き窓に油面が見える程度まで電気絶縁油を入れた後、第2のタンク開閉バルブを閉じ、空気抜栓を徐々に開け、補助タンク内の真空を開放し、第2の下部開閉バルブを開けた後、第1の下部開閉バルブを開け、上部接続配管内の電気絶縁油を第2の下部開閉バルブと排油回収口とを接続する排油ホースを介して補助タンク内に入れ、第1の下部開閉バルブ及び第2の下部開閉バルブを閉じ、上部接続配管及び下部接続配管の抜油終了後は、補助タンク内の電気絶縁油を補助コンサベータへ押し上げるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、第1の発明によれば、専用トレーラをレンタルすることによるコストをアップさせたくない、また、道路許可申請等の煩雑な作業をなくしたいという移動用変圧器のユーザからの要求に応えることができる。さらに、現地での再組立を容易に行うことができる。
【0012】
第2の発明によれば、ユーザは、移動用変圧器を自ユーザの管理施設から現地、また、現地から他の現地への輸送に際し、現地また他の現地での柱抜油作業をなくすと共に、直ちに電力を再供給することができる。
【0013】
第3の発明によれば、ユーザは、移動用変圧器を現地から他の現地への輸送に際し、現地での柱抜油作業をなくすと共に、直ちに電力を再供給する態勢を採ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明に係る移動用変圧器が現地で組み立てられた状態の実施形態を示す概略構成図である。図2は、本発明に係る移動用変圧器を構成する変圧器本体側の輸送状態の実施形態を示す概略構成図である。図3は、本発明に係る移動用変圧器を構成する冷却器側の輸送状態の実施形態を示す概略構成図である。なお、図1及び図2には変圧器本体に取り付けられるブッシング、コンサベータ等は図示してない。
【0015】
移動用変圧器が現地で組み立てられた状態では、図1に示すように、変圧器本体1側と冷却器2側とは、ベース14上で結合されて据え付けられており、ベース14はこれらの位置合わせを容易にさせるためのものでもある。なお、配管同士または配管とバルブとはフランジ結合されており、そのフランジは図示していない。
【0016】
冷却器2側は冷却器用架台15に取り付けられ、また、補助コンサベータ11はコンサ用架台16に取り付けられており、コンサ用架台16は冷却器用架台15に取り付けられ、冷却器2と補助コンサベータ11とが一体化されている。
【0017】
移動用変圧器の上部には、端部に第1の上部主開閉バルブV3を設けた変圧器本体側上部配管1aが接続され、また、その下部には、端部に第1の下部主開閉バルブV1を設けた変圧器本体側下部配管1bが接続されている。この変圧器本体側下部配管1bには、絶縁油を変圧器本体1と冷却器2との間に流動させるためのポンプPが設けられている。
【0018】
冷却器2の絶縁油流入側には、端部に第2の上部主開閉バルブV4を設けた冷却器流入側配管2aが接続されており、第1の上部主開閉バルブV3と接続させるための上部接続配管3が第2の上部主開閉バルブV4に接続されている。
【0019】
上部接続配管3は、第1の上部主開閉バルブV3に接続される上部伸縮継手3aと第2の上部主開閉バルブV4に接続される上部配管3bとが接続されて構成されており、第1の上部主開閉バルブV3と第2の上部主開閉バルブV4との間に接続されている。上部配管3bには、端部及び途中に第1の上部開閉バルブV8及び第1の上部フローサイトA1をそれぞれ設けた第1の上部分岐配管4が接続されると共に、端部及び途中に第2の上部開閉バルブV9及び第2の上部フローサイトB1をそれぞれ設けた第2の上部分岐配管5が下方に向けて接続されている。第2の上部開閉バルブV9と第2の上部フローサイトB1との間の第2の上部分岐配管5と、冷却器流入側配管2aとの間に第3の上部開閉バルブV10を設けた上部バイパス配管6が接続されている。
【0020】
冷却器2の絶縁油流出側に、端部に第2の下部主開閉バルブV2を設けた冷却器流出側配管2bが接続されており、第1の下部主開閉バルブV1と接続させるための下部接続配管7が第2の下部主開閉バルブV2に接続されている。
【0021】
下部接続配管7は、第1の下部主開閉バルブV1に接続される下部伸縮継手7aと第2の下部主開閉バルブV2に接続される下部配管7bとが接続されて構成されており、第1の下部主開閉バルブV1と第2の下部主開閉バルブV2との間に接続されている。下部配管7bには、端部及び途中に第1の下部開閉バルブV5及び第1の下部フローサイトA2をそれぞれ設けた第1の下部分岐配管8が接続されると共に、端部及び途中に第2の下部開閉バルブV6及び第2の下部フローサイトB2をそれぞれ設けた第2の下部分岐配管9が下方に向けて接続されている。第2の下部開閉バルブV6と第2の下部フローサイトB2との間の第2の下部分岐配管9と、冷却器流出側配管2bとの間に第3の下部開閉バルブV7を設けた下部バイパス配管10が接続されている。
【0022】
例えば冷却器流入側配管2aには、排油開閉バルブV21及び吸湿呼吸器17を設けた補助コンサベータ11がコンサ用開閉バルブV11を介して接続されている。
【0023】
変圧器本体1側と冷却器2側とは、第1の上部主開閉バルブV3と上部伸縮継手3aとの間、また、第1の下部主開閉バルブV1と下部伸縮継手7aとの間で分離または結合されるように、第1の上部主開閉バルブV3と上部伸縮継手3aとが着脱自在に接続されると共に、第1の下部主開閉バルブV1と下部伸縮継手7aが着脱自在に接続されている。
【0024】
上記のように構成されているので、変圧器本体1側と冷却器2側とが、第1の上部主開閉バルブV3と上部伸縮継手3aとの間、また、第1の下部主開閉バルブV1と下部伸縮継手7aとの間で分離または結合できるようになり、また、上部伸縮継手3a及び下部伸縮継手7aは変圧器本体1側と冷却器2側との結合作業が容易になる。
【0025】
一方、移動用変圧器のユーザが移動用変圧器を自ユーザの管理施設から現地、また、現地から他の現地へ輸送させる状態では、変圧器本体1側と冷却器2側とが、第1の上部主開閉バルブV3と上部伸縮継手3a、また、第1の下部主開閉バルブV1と下部伸縮継手7aとの2箇所のみで切り離されており、変圧器本体1側は図2に示すように、普通トレーラ18に積載され、また、冷却器2側は図3に示すように、ベース14上の所定位置に据え付けられた状態でトラック19に積載される。
【0026】
また変圧器本体1側及び冷却器2側の輸送状態では、第1の上部主開閉バルブV3、第2の上部主開閉バルブV4、第1の上部開閉バルブV8、第2の上部開閉バルブV9及び第3の上部開閉バルブV10を閉じている。また、第1の下部主開閉バルブV1、第2の下部主開閉バルブV2、第1の下部開閉バルブV5、第2の下部開閉バルブV6及び第3の下部開閉バルブV7は閉じている。さらに、コンサ用開閉バルブV11は開けている。
【0027】
したがって、変圧器本体1側の絶縁油は、第1の上部主開閉バルブV3及び第1の下部主開閉バルブV1により閉じ込められ、冷却器2側の絶縁油は、第2の上部主開閉バルブV4及び第2の下部主開閉バルブV2により閉じ込められ、また、上部接続配管3及び下部接続配管7内は空の状態である。
【0028】
図1にはまた、真空排気装置12、補助タンク13及び窒素ボンベ18が示されており、これらは現地での上部接続配管3及び下部接続配管7の注油時または抜油時に用いられる。補助タンク13には、上部に設けられた第1のタンク開閉バルブV18と、下部に設けられた第2のタンク開閉バルブV19と、上部に設けられた排油回収口13a、下部に設けられた覗き窓13bと、上面に設けられた空気抜栓S22とが設けられている。
【0029】
現地での上部接続配管3及び下部接続配管7の注油時
変圧器本体1側及び冷却器2側が現地に輸送され、移動用変圧器として組み立てられた後、注油が行われる。
【0030】
注油に順序がないので、上部接続配管3及び下部接続配管7のどちらから始めてもよいような工程を説明する。
【0031】
上部接続配管3及び下部接続配管7の注油時は、上部接続配管3及び下部接続配管7内は空の状態である。
【0032】
注油を行う前の変圧器本体1側の状態は、それまで輸送されていたので、第1の上部主開閉バルブV3、第2の上部主開閉バルブV4、第1の上部開閉バルブV8、第2の上部開閉バルブV9及び第3の上部開閉バルブV10は閉状態である。また、第1の下部主開閉バルブV1、第2の上部主開閉バルブV2、第1の上部開閉バルブV5、第2の上部開閉バルブV6及び第3の上部開閉バルブV7は閉状態である。さらに、コンサ用開閉バルブV11は開状態である。
【0033】
(1−1)上部接続配管3の注油時
上部接続配管3の注油時の工程は、以下のステップからなる。
【0034】
(ステップ1)第1の上部主開閉バルブV3、第2の上部主開閉バルブV4、第1の上部開閉バルブV8、第2の上部開閉バルブV9及び第3の上部開閉バルブV10が閉状態であることを確認する。
【0035】
(ステップ2)真空排気装置12と第1の上部開閉バルブV8とを図示しない真空ホースにより接続し、この真空ホース内が例えば10Paになるまで真空引きを行う。
【0036】
(ステップ3)第1の上部開閉バルブV8を開け、上部接続配管3内が例えば10Paになるまで真空引きを行う。
【0037】
(ステップ4)真空引きが完了すると、第1の上部開閉バルブV8を閉じる。
【0038】
(ステップ5)コンサ用開閉バルブV11が開状態であることを確認する。
【0039】
(ステップ6)第3の上部開閉バルブV10を徐々に開け、冷却器流入側配管2aから上部バイパス配管6を経由させて上部接続配管3内に注油を行う。
【0040】
(ステップ7)第1の上部フローサイトA1にて油面が上がってくることを確認し、数秒後に第3の上部開閉バルブV10を閉じる。
【0041】
(1−2)下部接続配管7の注油時
下部接続配管7の注油時の工程は、以下のステップからなる。
【0042】
(ステップ1)第1の下部主開閉バルブV1、第2の上部主開閉バルブV2、第1の上部開閉バルブV5、第2の上部開閉バルブV6及び第3の上部開閉バルブV7が閉状態であることを確認する。
【0043】
(ステップ2)真空排気装置12と第1の下部開閉バルブV5とを図示しない真空ホースにより接続し、この真空ホース内が10Paになるまで真空引きを行う。
【0044】
(ステップ3)第1の下部開閉バルブV5を開け、下部接続配管7内が10Paになるまで真空引きを行う。
【0045】
(ステップ4)真空引きが完了すると、第1の下部開閉バルブV5を閉じる。
【0046】
(ステップ5)コンサ用開閉バルブV11が開状態であることを確認する。
【0047】
(ステップ6)第3の下部開閉バルブV7を徐々に開け、冷却器流出側配管2bから下部バイパス配管10を経由させて下部接続配管7内に注油を行う。
【0048】
(ステップ7)第1の下部フローサイトA2にて油面が上がってくることを確認し、数秒後に第3の下部開閉バルブV7を閉じる。
【0049】
(1−3)注油終了後
下部接続配管7の注油時の工程は、以下のステップからなる。
【0050】
(ステップ1)第1の上部主開閉バルブV3及び第2の上部主開閉バルブV4を開ける。また、第1の下部主開閉バルブV1及び第2の上部主開閉バルブV2を開ける。
【0051】
(ステップ2)第1の上部開閉バルブV8を少し開け、第1の上部分岐配管4の上部に残った空気が絶縁油と入れ替わるまで空気抜きを行って閉じる。また、第1の下部開閉バルブV5を少し開け、第1の下部分岐配管8の上部に残った空気が絶縁油と入れ替わるまで空気抜きを行って閉じる。
【0052】
上部接続配管3及び下部接続配管7の注油は、上記のような工程であるので、ユーザは、移動用変圧器を自ユーザの管理施設から現地、また、現地から他の現地への輸送に際し、現地また他の現地での柱抜油作業をなくすと共に、直ちに電力を再供給することができる。
【0053】
(2)現地での上部接続配管3及び下部接続配管7の抜油時
移動用変圧器を現地から他の現地に輸送させる場合、変圧器本体1側及び冷却器2側が分離される前に抜油が行われる。
【0054】
抜油に順序がないので、上部接続配管3及び下部接続配管7のどちらから始めてもよいような工程を説明する。
【0055】
上部接続配管3及び下部接続配管7の抜油時(現地から他の現地に移動させる場合)は、変圧器本体1側及び冷却器2側は絶縁油が充填された状態である。
【0056】
抜油を行う前の変圧器本体1側の状態は、それまで運転されていたので、第1の上部開閉バルブV8、第2の上部開閉バルブV9及び第3の上部開閉バルブV10は閉状態である。また、第1の下部開閉バルブV5、第2の上部開閉バルブV6及び第3の上部開閉バルブV7は閉状態である。さらに、コンサ用開閉バルブV11、第1のタンク開閉バルブV18及び第2のタンク開閉バルブV19、排油開閉バルブV21は閉状態である。
【0057】
(2−1)上部接続配管3の抜油時
上部接続配管3の抜油時の工程は、以下のステップからなる。
【0058】
(ステップ1)補助タンク13を、排油回収口13aの位置が第2の上部開閉バルブV9よりも下方となるように配設する。
【0059】
(ステップ2)第1の上部主開閉バルブV3及び第2の上部主開閉バルブV4を閉じる。
【0060】
(ステップ3)真空排気装置12と第1のタンク開閉バルブV18とを図示しない真空ホースにより接続する。
【0061】
(ステップ4)第2のタンク開閉バルブV19と排油開閉バルブV21とを図示しない真空ホースにより接続する。
【0062】
(ステップ5)第2の上部開閉バルブV9と排油回収口13aとを図示しない排油ホースにより接続する。
【0063】
(ステップ6)第1の上部開閉バルブV8、第2の上部開閉バルブV9及び第3の上部開閉バルブV10、コンサ用開閉バルブV11、第1のタンク開閉バルブV18及び第2のタンク開閉バルブV19、排油開閉バルブV21及び補助タンク13の空気抜栓S22が閉状態であることを確認する。
【0064】
(ステップ7)真空排気装置12と第1の真空開閉バルブV18との間の真空ホース内が例えば10Paになるまで真空引きを行う。
【0065】
(ステップ8)第2のタンク開閉バルブV19を開け、その後、第1のタンク開閉バルブV18を徐々に開け、補助タンク13内及び第2のタンク開閉バルブV19と排油開閉バルブV21との間の真空ホース内が例えば10Paになるまで真空引きを行う。
【0066】
(ステップ9)真空引きが完了すると、第1のタンク開閉バルブV18を閉じ、真空排気装置12を停止させる。
【0067】
(ステップ10)補助コンサベータ11の排油開閉バルブV21を徐々に開け、第2のタンク開閉バルブV19と排油開閉バルブV21との間の真空ホース内の空間が絶縁油で置き換えられる量として、補助タンク13の覗き窓13bに油面が見える程度まで絶縁油を入れる。
【0068】
(ステップ11)その後、第2のタンク開閉バルブV19を閉じる。
【0069】
(ステップ12)補助タンク13の空気抜栓S22を徐々に開け、補助タンク13内の真空を開放する。
【0070】
(ステップ13)第2の上部開閉バルブV9を開けた後、第1の上部開閉バルブV8を開け、上部接続配管3内の絶縁油を第2の上部開閉バルブV9と排油回収口13aとを接続する排油ホースを介して補助タンク13内に入れる。
【0071】
(ステップ14)第1の上部開閉バルブV8及び第2の上部開閉バルブV9を閉じた後、第2の上部開閉バルブV9に接続していた排油ホースを外し、第2の下部開閉バルブV6へ接続する。
【0072】
(2−2)下部接続配管7の抜油時
下部接続配管7の抜油時の工程は、以下のステップからなる。
【0073】
(ステップ1)補助タンク13を、排油回収口13aの位置が第2の下部開閉バルブV6よりも下方となるように配設する。
【0074】
(ステップ2)第1の下部主開閉バルブV1及び第2の下部主開閉バルブV2を閉じる。
【0075】
(ステップ3)真空排気装置12と第1のタンク開閉バルブV18とを図示しない真空ホースにより接続する。
【0076】
(ステップ4)第2のタンク開閉バルブV19と排油開閉バルブV21とを図示しない真空ホースにより接続する。
【0077】
(ステップ5)第2の上部開閉バルブV9と排油回収口13aとを図示しない排油ホースにより接続する。
【0078】
(ステップ6)第1の下部開閉バルブV5、第2の上部開閉バルブV6及び第3の上部開閉バルブV7、コンサ用開閉バルブV11、第1のタンク開閉バルブV18及び第2のタンク開閉バルブV19、排油開閉バルブV21及び補助タンク13の空気抜栓S22が閉状態であることを確認する。
【0079】
(ステップ7)真空排気装置12と第1の真空開閉バルブV18との間の真空ホース内が例えば10Paになるまで真空引きを行う。
【0080】
(ステップ8)第2のタンク開閉バルブV19を開け、その後、第1のタンク開閉バルブV18を徐々に開け、補助タンク13内及び第2のタンク開閉バルブV19と排油開閉バルブV21との間の真空ホース内が例えば10Paになるまで真空引きを行う。
【0081】
(ステップ9)真空引きが完了すると、第1のタンク開閉バルブV18を閉じ、真空排気装置12を停止させる。
【0082】
(ステップ10)補助コンサベータ11の排油開閉バルブV21を徐々に開け、補助タンク13の覗き窓13bに油面が見える程度まで絶縁油を入れる。
【0083】
(ステップ11)その後、第2のタンク開閉バルブV19を閉じる。
【0084】
(ステップ12)補助タンク13の空気抜栓S22を徐々に開け、補助タンク13内の真空を開放する。
【0085】
(ステップ13)第2の下部開閉バルブV6を開けた後、第1の下部開閉バルブV5を開け、下部接続配管7内の絶縁油を第2の下部開閉バルブV6と排油回収口13aとを接続する排油ホースを介して補助タンク13内に入れる。
【0086】
(ステップ14)第1の下部開閉バルブV5及び第2の下部開閉バルブV6を閉じた後、第2の下部開閉バルブV6に接続していた排油ホースを外し、第2の下部開閉バルブV6へ接続する。
【0087】
なお、上記のステップ2〜11は、抜油終了後、連続して他の接続配管を抜油する場合、不要である。
【0088】
(2−3)抜油完了後
抜油終了後の工程は、以下のステップからなる。
【0089】
(ステップ1)排油ホースを外し、排油回収口13aに閉止蓋を取り付ける。
【0090】
(ステップ2)第1の上部開閉バルブV8、第2の上部開閉バルブV9、第1の上部開閉バルブV5及び第2の上部開閉バルブV6が閉状態であることを確認する。
【0091】
(ステップ3)第1のタンク開閉バルブV18に接続していた真空ホースを外し、その後、窒素ボンベ17に接続されている、図示しない窒素ホースを接続した後、第1のタンク開閉バルブV18を開ける。
【0092】
(ステップ4)補助タンク13の空気抜栓S22を閉じる。
【0093】
(ステップ5)補助タンク13内の窒素圧を例えば0.05MPaにし、第2のタンク開閉バルブV19を徐々に開け、補助タンク13内の絶縁油を補助コンサベータ11へ押し上げる。
【0094】
(ステップ6)油面が補助タンク13の覗き窓13bの約1/4まで低下したときに、第2のタンク開閉バルブV19を閉じ、窒素封入を停止する。
【0095】
(ステップ7) 排油開閉バルブV21を閉じる。
【0096】
(ステップ8)空気抜栓S22を開け、補助タンク13内を大気圧に戻した後、第1のタンク開閉バルブV18を閉じ、窒素ホースを外す。
【0097】
(ステップ9)第2のタンク開閉バルブV19を開けた後、真空ホースを排油開閉バルブV21からゆっくりと外しながら真空ホース内の残油を補助タンク13に回収する。
【0098】
(ステップ10)その後、第2のタンク開閉バルブV19を閉じ、真空ホースを第2のタンク開閉バルブV19から外す。
【0099】
(ステップ11)空気抜栓S22を閉じる。
【0100】
(ステップ12)コンサ用開閉バルブV11を開ける。
【0101】
上部接続配管3及び下部接続配管7の抜油は、上記のような工程であるので、ユーザは、移動用変圧器を現地から他の現地への輸送に際し、現地での柱抜油作業をなくすと共に、直ちに電力を再供給する態勢を採ることができる。
【0102】
下部伸縮継手7aと下部配管7bとが接続されてなる下部接続配管7を、上部接続配管3と同じ配置にしたが、下部伸縮継手7aが第2の下部主開閉バルブV2に着脱自在に接続され、また、下部配管7bが第1の下部主開閉バルブV1に着脱自在に接続されるように配置し、変圧器本体1側と冷却器2側とが、下部伸縮継手7aと下部配管7bとの間で分離または結合させるようにしてもよい。
【0103】
補助コンサベータ11は、コンサ用開閉バルブV11を介して冷却器流入側配管2aに接続するようにしたが、冷却器流出側配管2bでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係る移動用変圧器が現地で組み立てられた状態の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る移動用変圧器を構成する変圧器本体側の輸送状態の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る移動用変圧器を構成する冷却器側の輸送状態の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0105】
1 変圧器本体
1a 変圧器本体側上部配管
1b 変圧器本体側下部配管
2 冷却器
2a 冷却器流入側配管
2b 冷却器流出側配管
3 上部接続配管
3a 上部伸縮継手
3b 上部配管
4 第1の上部分岐配管
5 第2の上部分岐配管
6 部バイパス配管
7 下部接続配管
7a 下部伸縮継手
7b 下部配管
8 第1の下部分岐配管
9 第2の下部分岐配管
10下部バイパス配管
11 補助コンサベータ
13 補助タンク
13a 排油回収口
13b 覗き窓
S22 空気抜栓
V1 第1の下部主開閉バルブ
V2 第2の下部主開閉バルブ
V3 第1の上部主開閉バルブ
V4 第2の上部主開閉バルブ
V5 第1の下部開閉バルブ
V6 第2の下部開閉バルブ
V7 第3の下部開閉バルブ
V8 第1の上部開閉バルブ
V9 第2の上部開閉バルブ
V10 第3の上部開閉バルブ
V11 コンサ用開閉バルブ
V18 第1のタンク開閉バルブ
V19 第2のタンク開閉バルブ
V21 排油開閉バルブ
A1 第1の上部フローサイト
B1 第2の上部フローサイト
A2 第1の下部フローサイト
B2 第2の下部フローサイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内に鉄心、巻線等を収納した変圧器本体と、前記タンク内に電気絶縁油を循環させることにより前記変圧器本体の冷却を行う冷却器とを備え、前記変圧器本体と冷却器との間に電気絶縁油を流動させる上部接続配管及び下部接続配管が設けられている移動用変圧器において、
前記変圧器本体の上部に、端部に第1の上部主開閉バルブを設けた変圧器本体側上部配管が接続され、
前記冷却器の電気絶縁油の流入側に、端部に第2の上部主開閉バルブを設けた冷却器流入側配管が接続され、
前記上部接続配管は、前記第1の上部主開閉バルブに接続される上部伸縮継手と前記第2の上部主開閉バルブに接続される上部配管とが接続されてなり、前記上部配管に、端部及び途中に第1の上部開閉バルブ及び第1の上部フローサイトをそれぞれ設けた第1の上部分岐配管が接続されると共に、端部及び途中に第2の上部開閉バルブ及び第2の上部フローサイトをそれぞれ設けた第2の上部分岐配管が下方に向けて接続され、前記第2の上部開閉バルブと第2の上部フローサイトとの間の第2の上部分岐配管と、前記冷却器流入側配管との間に第3の上部開閉バルブを設けた上部バイパス配管が接続され、
前記変圧器本体の下部に、端部に第1の下部主開閉バルブを設けた変圧器本体側下部配管が接続され、
前記冷却器の電気絶縁油の流出側に、端部に第2の下部主開閉バルブを設けた冷却器流出側配管が接続され、
前記下部接続配管は、前記第1の下部主開閉バルブに接続される下部伸縮継手と前記第2の下部主開閉バルブに接続される下部配管、または、前記第1の下部主開閉バルブに接続される下部配管と前記第2の下部主開閉バルブに接続される下部伸縮継手とが接続されてなり、前記下部配管に、端部及び途中に第1の下部開閉バルブ及び第1の下部フローサイトをそれぞれ設けた第1の下部分岐配管が接続されると共に、端部及び途中に第2の下部開閉バルブ及び第2の下部フローサイトをそれぞれ設けた第2の下部分岐配管が下方に向けて接続され、前記第2の下部開閉バルブと第2の下部フローサイトとの間の第2の下部分岐配管と、前記冷却器流出側配管との間に第3の下部開閉バルブを設けた下部バイパス配管が接続され、
前記冷却器流入側配管または冷却器流出側配管に、排油開閉バルブを有する補助コンサベータがコンサ用開閉バルブを介して接続され、
前記変圧器本体と冷却器とは、前記第1の上部主開閉バルブと上部伸縮継手との間、また、前記第1の下部主開閉バルブと下部伸縮継手との間または前記下部伸縮継手と下部配管との間で分離または結合されるように、前記第1の上部主開閉バルブと上部伸縮継手とが着脱自在に接続されると共に、前記第1の下部主開閉バルブと下部伸縮継手または前記下部伸縮継手と下部配管とが着脱自在に接続され、
前記上部接続配管及び下部接続配管内が空の状態で、かつ、前記変圧器本体内と変圧器本体側上部配管内と変圧器本体側下部配管及び前記冷却器内と冷却器流入側配管内と冷却器流出側配管内とに電気絶縁油がそれぞれ充填された状態で、前記変圧器本体側と冷却器側とが分離された状態で別々の輸送手段に積載される移動用変圧器。
【請求項2】
請求項1に記載の移動用変圧器が現地で変圧器本体側と冷却器側とが結合された状態で上部接続配管及び下部接続配管に注油する方法であって、
前記上部接続配管の注油時は、
前記上部接続配管内を真空引きし、
前記第3の上部開閉バルブを徐々に開け、前記冷却器流入側配管から上部接続配管内に注油し、
前記下部接続配管の注油時は、
前記下部接続配管内を真空引きし、
前記第3の下部開閉バルブを徐々に開け、前記冷却器流出側配管から下部接続配管内に注油する移動用変圧器の注油方法。
【請求項3】
請求項1に記載の移動用変圧器が現地で変圧器本体側と冷却器側とが結合された状態で上部接続配管及び下部接続配管から抜油する方法であって、
前記上部接続配管の抜油時は、
上部に設けられた第1のタンク開閉バルブと、下部に設けられた第2のタンク開閉バルブと、上部に設けられた排油回収口と、下部に設けられた覗き窓と、上面に設けられた空気抜栓とを有する補助タンクを、前記排油回収口の位置が前記第2の上部開閉バルブよりも下方となるように配設し、
前記第1の上部主開閉バルブ及び第2の上部主開閉バルブを閉じ、
前記補助タンク内及び前記第2のタンク開閉バルブと排油開閉バルブとを接続する真空ホース内を前記第1のタンク開閉バルブから真空引きした後、前記第1のタンク開閉バルブを閉じ、
前記排油開閉バルブを徐々に開け、前記第2のタンク開閉バルブと排油開閉バルブとの間の真空ホース内の空間が電気絶縁油で置き換えられる量として、前記覗き窓に油面が見える程度まで電気絶縁油を入れた後、前記第2のタンク開閉バルブを閉じ、
前記空気抜栓を徐々に開け、前記補助タンク内の真空を開放し、前記第2の上部開閉バルブを開けた後、前記第1の上部開閉バルブを開け、前記上部接続配管内の電気絶縁油を前記第2の上部開閉バルブと排油回収口とを接続する排油ホースを介して前記補助タンク内に入れ、前記第1の上部開閉バルブ及び第2の上部開閉バルブを閉じ、
前記下部接続配管の抜油時は、
前記補助タンクを、前記排油回収口の位置が前記第2の下部開閉バルブよりも下方となるように配設し、
前記第1の下部主開閉バルブ及び第2の下部主開閉バルブを閉じ、
前記補助タンク内及び前記第2のタンク開閉バルブと排油開閉バルブとを接続する真空ホース内を前記第1のタンク開閉バルブから真空引きした後、前記第1のタンク開閉バルブを閉じ、
前記排油開閉バルブを徐々に開け、前記覗き窓に油面が見える程度まで電気絶縁油を入れた後、前記第2のタンク開閉バルブを閉じ、
前記空気抜栓を徐々に開け、前記補助タンク内の真空を開放し、前記第2の下部開閉バルブを開けた後、前記第1の下部開閉バルブを開け、前記上部接続配管内の電気絶縁油を前記第2の下部開閉バルブと排油回収口とを接続する排油ホースを介して前記補助タンク内に入れ、前記第1の下部開閉バルブ及び第2の下部開閉バルブを閉じ、
前記上部接続配管及び下部接続配管の抜油終了後は、
前記補助タンク内の電気絶縁油を前記補助コンサベータへ押し上げる移動用変圧器の抜油方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−150056(P2007−150056A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343803(P2005−343803)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】