移動端末、移動端末の制御プログラム、移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することにより測位時間を短縮し、また、電力消費を節約することができる移動端末等を提供すること。
【解決手段】移動端末20は、移動端末20の屋内に対応する動作モードである屋内モードを示す屋内モード情報及び前記移動端末の屋外に対応する動作モードである屋外モードを示す屋外モード情報を格納する動作モード情報格納手段と、光によって発電するための光発電手段32と、光発電手段32による光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得手段と、光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断手段と、屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、移動端末20を屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード設定手段と、を有する。
【解決手段】移動端末20は、移動端末20の屋内に対応する動作モードである屋内モードを示す屋内モード情報及び前記移動端末の屋外に対応する動作モードである屋外モードを示す屋外モード情報を格納する動作モード情報格納手段と、光によって発電するための光発電手段32と、光発電手段32による光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得手段と、光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断手段と、屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、移動端末20を屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード設定手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの信号に基いて測位をする移動端末、移動端末の制御プログラム、移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS端末で現在位置を測位する測位方法が実用化されている。このようなGPS端末の中には、複数の動作モードを備えており、GPS端末の環境に応じて動作モードを切替える構成となっているものがある(例えば、特許文献1)。
上述の複数の動作モードが例えば、屋外に対応する屋外モードと屋内に対応する屋内モードである場合には、屋外モードで測位ができない場合に屋内モードに移行するのが一般的である。
【特許文献1】特開2002−196064号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、GPS端末が屋内に位置し、屋外モードでは測位できないにもかかわらず、屋外モードで測位を試みるのは時間及び電力を無駄に消費する。特に、GPS端末が例えば、携帯用の小型端末である場合等には、電力の無駄な消費によってGPS端末の動作時間が短縮される場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することにより測位時間を短縮し、また、電力消費を節約することができる移動端末、移動端末の制御プログラム、移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位手段を有する移動端末であって、前記移動端末は、前記移動端末の屋内に対応する動作モードである屋内モードを示す屋内モード情報及び前記移動端末の屋外に対応する動作モードである屋外モードを示す屋外モード情報を格納する動作モード情報格納手段と、光によって発電するための光発電手段と、前記光発電手段による光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得手段と、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断手段と、前記屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード設定手段と、を有することを特徴とする移動端末により達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記移動端末は、屋内モード対応範囲内外判断手段を有するから、前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内か否かを判断することができる。前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内である場合には、前記移動端末の現在位置が屋内である可能性が大きい。
前記光発電量が前記屋内モード対応範囲内であって前記移動端末の現在位置が屋内である場合には、前記移動端末は前記屋外モードで測位することはできない。それにもかかわらず、前記移動端末が、屋外モードで測位を試みると時間及び電力を無駄に消費する。特に、前記移動端末が例えば、携帯用の小型端末である場合等には、電力の無駄な消費によって前記移動端末の動作時間が短縮される。
【0007】
この点、第1の発明の構成によれば、前記移動端末は前記動作モード設定手段を有するから、前記屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定することができる。すなわち、前記屋内モード対応範囲内外判断手段による判断結果が、前記光発電量が前記屋内モード対応範囲内である場合には、
前記屋外モードを経ることなく前記屋内モードに設定する。
これにより、前記端末装置は、屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することができるから、測位時間を短縮することができ、また、電力消費を節約することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の構成において、複数の構造物に関する構造物情報を格納する構造物情報格納手段と、前記構造物情報から前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得手段と、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断手段と、前記構造物内外判断手段の判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
上述のように、前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内である場合には、前記移動端末の現在位置が屋内である可能性が大きい。しかし、例えば、夜間など太陽光が不十分な場合には、前記移動端末の現在位置が屋外であっても、前記移動端末が、前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内であると判断する場合がある。この場合、前記移動端末の動作モードを屋内モードに維持したままであると、次回の測位は前回測位の動作モードと同じ屋内モードで実施される。
ここで、前記屋内モードは、屋外に比べて前記位置情報衛星からの前記位置関連信号の信号強度が弱い場合にも測位できる高感度の動作モードであり、前記屋外モードよりも消費電力が大きい。
この点、第2の発明の構成においては、構造物内外判断手段を有するから、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断することができる。そして、動作モード修正手段を有するから、前記構造物内外判断手段の判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定することができる。例えば、前記構造物内外判断手段が前記移動端末の現在位置が前記構造物外であると
判断した場合には、前回測位の動作モードが屋内モードであっても、次回の測位のための動作モードを前記屋外モードに設定する。
これにより、前記移動端末の現在位置が屋外であれば、次回の測位を前記屋外モードで実施できるから、電力消費を少なくすることができる。
【0010】
これに対して、前記移動端末が屋内に位置するにもかかわらず例えば、ガラス張りの建物内など太陽光が十分な場合には、前記移動端末の動作モードは屋外モードに設定される。しかし、前記位置関連信号の信号強度が不十分であるから、前回測位時においては、屋外モードを経て屋内モードで測位される。
この点、第2の発明の構成においては、上述のように、構造物内外判断手段及び動作モード修正手段を有するから、次回の測位のための前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定することができる。
これにより、前記移動端末の現在位置が屋外であれば、次回の測位は前記屋外モードを経ることなく前記屋内モードで実施できるから、測位時間を短縮することができ、また電力消費も少なくすることができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の構成において、前記屋内モードにおいては、前記移動端末は、前記移動端末と通信可能な補助情報提供装置から前記測位のための補助情報を取得する構成となっていることを特徴とする。
【0012】
前記屋内モードの適用が予定される屋内においては、前記位置情報衛星からの前記位置関連信号の信号強度が弱く、測位に長時間かかる場合がある。
この点、第3の発明の構成によれば、前記屋内モードにおいては、前記移動端末は、前記移動端末と通信可能な補助情報提供装置から前記測位のための補助情報を取得する。このため、前記補助情報を使用して、測位時間を短縮することができる。
これにより、電力消費を少なくすることができる。
【0013】
前記目的は、第4の発明によれば、屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、を有することを特徴とする移動端末の制御方法によって達成される。
【0014】
第4の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前記端末装置は、屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することができるから、測位時間を短縮することができ、また、電力消費を少なくすることができる。
また、第2の発明の構成と同様に、前記移動端末の現在位置が屋外であれば、前記屋内モードを経ることなく前記屋外モードで測位を開始できるから、測位時間を短縮することができ、また電力消費も少なくすることができる。
【0015】
前記目的は、第5の発明によれば、コンピュータに、屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラムによって達成される。
【0016】
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る端末20等を示す概略図である。
図1に示すように、移動端末である例えば、端末20は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dから位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位手段である例えば、GPS装置34を有する。
端末20は、太陽1からの太陽光Sによって発電するための光発電手段である例えば、太陽電池パネル32を有する。なお、太陽電池パネル32は、太陽1からの太陽光Sに限らず、他の光によっても発電可能である。すなわち、太陽光Sは光の一例である。
端末20が、図1に示すように、建物15内に位置する場合には、太陽光S1が端末20に到達しないから、太陽電池パネル32による発電量は、建物15外に位置する場合よりも小さい。
端末20は、アンテナ20aを有しており、基地局50及び通信網である例えば、インターネット網60を介して、端末20に対して測位のための補助情報である例えば、アシスト情報を提供する情報配信サーバ70と通信可能になっている。この情報配信サーバ70は、補助情報提供装置の一例である。アシスト情報は、GPS衛星12a等の衛星番号、軌道情報等を含む。
【0019】
端末20は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であるが、これらに限らない。
なお、本実施の形態はGPS衛星12a等は4個としているが、これに限られず、GPS衛星12a等は、5個以上でもよい。
【0020】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は、端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24及び記憶装置26が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0021】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28、電源装置であるバッテリ30、太陽電池パネル32、GPS装置34が接続されている。
また、このバス32には、図1の情報配信サーバ70等と通信するための通信装置36、各種情報を表示するための表示装置38が接続されている。
【0022】
図3は、図2の太陽電池パネル32の構成等を示す概略図である。
図3(a)に示すように、太陽電池パネル32は、複数の太陽電池セル32aで構成されている。太陽電池セル32aは、太陽光Sなどの光が当たることによって電気が起きる性質を有する光電気変換素子である。太陽電池パネル32は、発電量計測部33を介してバッテリ30に接続されており、生成した電力をバッテリ30に供給できるように構成されている。
【0023】
図3(b)に示すように、太陽電池セル32aは例えば、N型半導体32aa及びP型半導体32ab、外部と連絡するための電極L1及び電極L2を有している。光が当たることによって、N型半導体32aaはマイナス(−)の電気を帯び、P型半導体32abはプラス(+)の電気を帯び、各太陽電池セル32aは、電極L1及び電極L2を介して電力を直流として太陽電池パネル32の外部に供給できるように構成されている。
【0024】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図4は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように端末20は、各部を制御する端末制御部100、図2のバッテリ30に対応する電源部102、図2の太陽電池パネル32に対応する太陽発電部104、図2のGPS装置34に対応する測位部106、図2の通信装置36に対応する通信部108、及び、図2の表示装置38に対応する表示部110を有する。
端末20はまた、各種プログラムを格納する第1記憶部120、予め各種情報を格納する第2記憶部150、及び、端末20が取得又は生成した各種情報を格納する第3記憶部170を有する。
【0025】
図4に示すように、端末20は第1記憶部120に、測位間隔経過判断プログラム122を格納している。測位間隔経過判断プログラム122は、端末制御部100が、図4の測位部106による端末20の現在位置の測位を実行する時間間隔が経過したか否かを判断するための情報である。この時間間隔は、図4の第2記憶部150に格納されている測位間隔情報154に示されており例えば、10分間である。
端末制御部100は、測位を実行する時間間隔が経過したと判断すると、測位部106によって現在位置の測位を実行し、測位結果を示す現在位置情報174を第3記憶部170に格納する。
【0026】
図4に示すように、端末20は第1記憶部120に、太陽光発電量計測プログラム124を格納している。太陽光発電量計測プログラム124は、端末制御部100が、図4の太陽発電部104による太陽光発電量を示す太陽光発電量情報176を取得するための情報である。すなわち、太陽光発電量計測プログラム124と端末制御部100は、発電量情報取得手段の一例である。
具体的には、端末制御部100は、太陽光発電量計測プログラム124に基づいて、太陽発電部104によって生成された電圧(V)及び電流(I)に基づいて、太陽光発電量(W)を示す太陽光発電量情報176生成する。そして、端末制御部100は、生成した
太陽光発電量情報176を第3記憶部170に格納する。
【0027】
図4に示すように、端末20は、太陽光発電量閾値判断プログラム126を有する。太陽光発電量閾値判断プログラム126は、端末制御部100が、太陽光発電量情報176に示される太陽光発電量が、太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値以下か否かを判断するための情報である。
この太陽光発電量閾値情報156は、端末20が、後述の屋内モードで動作することが許容される範囲を示す情報である。
すなわち、太陽光発電量閾値判断プログラム126と端末制御部100は、屋内モード対応範囲内外判断手段の一例である。
【0028】
図5は、太陽光発電量閾値情報156の一例を示す図である。
図5に示すように、太陽光発電量閾値情報156は、太陽光発電量PS(W)に対応する各動作モードに対応する太陽光発電量PS(W)を示す情報である。具体的には、太陽光発電量PS(W)が0ワット(W)以上1ワット(W)以下であれば、端末20を省電力モードに設定し、太陽光発電量PS(W)が1ワット(W)よりも大きい場合には屋外モードに設定することを示している。すなわち、1ワット(W)が太陽光発電量閾値であり、1ワット(W)以内が、屋内モード対応範囲内の一例である。
上述の通常動作モード等の内容については、図4の第2記憶部150に格納されている動作モード情報158に示されている。
【0029】
図6は、動作モード情報158の一例を示す図である。
図6に示すように、動作モード情報158は、屋外モード158a、屋内モード158bの各動作モードの動作条件を示す情報である。具体的には、図6に示すように、探索(サーチ)するGPS衛星12a等(図1参照)の数、サーチする周波数範囲、サーチしてGPS衛星を捕捉できない場合にサーチを中止するまでの時間を示すサーチタイムアウト時間、情報配信サーバ70(図1参照)にアシスト情報を要求するか否かに関する情報を含む。
上述の屋外モード158aの動作条件は、GPS衛星12a等(図1参照)からの位置関連信号の信号強度が十分なときの測位に適するように規定されている。従って、屋内など位置関連信号の信号強度が不十分な場合には測位することができない。
これに対して、屋内モード158bの動作条件は、GPS衛星12a等からの位置関連信号の強度が不十分な場合においても測位が可能なように規定されている。従って、例えば、サーチ周波数範囲が屋外モード158aよりも広く、サーチタイムアウト時間が屋外モード158aよりも長い。このため、屋内モード158bは、測位開始から測位結果を取得するまでの電力消費量が屋外モード158aよりも大きい。
【0030】
図4に示すように、端末20は、動作モード設定プログラム130を有する。動作モード設定プログラム130は、端末制御部100が、太陽光発電量閾値判断プログラム126によって判断した判断結果に基づいて、端末20を上述の屋外モード158a又は屋内モード158bに設定するための情報である。すなわち、動作モード設定プログラム130と端末制御部100は、動作モード設定手段の一例である。
【0031】
図7は、動作モードの設定方法の一例を示す概略図である。
図7(a)に示すように、端末20が建物15外に位置し、太陽1から太陽光Sの直射を受けている場合には、太陽電池パネル32による太陽光発電量は例えば、1.2ワット(W)である。この場合、図4の端末制御部100は、動作モード設定プログラム130に基いて、動作モードを図6の屋外モード158aに設定し、記憶部170内の動作モードフラグ情報172のフラグを1とする。
端末制御部100は、この動作モードフラグ情報172を参照して、現在の動作モードを判断することができる。
【0032】
これに対して、図7(b)に示すように、端末20が建物15内に位置し、太陽1から太陽光Sが届かない場合には、太陽電池パネル32による太陽光発電量は例えば、0.5ワット(W)である。この場合、図4の端末制御部100は、動作モード設定プログラム130に基いて、動作モードを図6の屋内モード158bに設定し、記憶部170内の動作モードフラグ情報172のフラグを0とする。
【0033】
以上が本実施の形態に係る端末20の構成であるが、以下、その動作例を主に図8を使用して説明する。
図8は本実施の形態に係る端末20の動作例を示す概略フローチャートである。
【0034】
端末20が、図7(b)に示すように、建物15内に位置し、太陽電池パネル32の太陽光発電量が0.5ワット(W)であるという前提で、以下説明する。
まず、端末20は、GPS装置34の起動間隔が経過したかを判断し(図8のステップST1)、GPS装置34の起動間隔が経過したと判断すると、太陽電池パネル32による太陽光発電量を計測し、太陽光発電量を示す太陽光発電量情報176(図4参照)を取得する(ステップST2)。すなわち、ステップST2は、発電量情報取得ステップの一例である。
【0035】
続いて、端末20は、太陽光発電量が、太陽光発電量閾値情報156(図5参照)に示される太陽光発電量閾値(1ワット(W))以下であるか否かを判断する(ステップST3)。このステップST3は、屋内モード対応範囲内外判断ステップの一例である。
上述したように、端末20は図7(b)の建物15内に位置し、太陽光発電量は0.5ワット(W)であるから、端末20は、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であると判断する。
【0036】
続いて、端末20は、ステップST4における太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であるという判断結果に基づいて、屋内モード158b(図6参照)に設定する(ステップST4)。
なお、ステップST3において太陽光発電量が太陽光発電量閾値である1ワット(W)より大きいという判断をした場合には、屋外モード158aに設定する(ステップST31)。
すなわち、ステップST4及びステップST31は、動作モード設定ステップの一例である。
【0037】
続いて、端末20は、測位部106(図4参照)によって現在位置を測位し、現在位置を示す現在位置情報174を生成する(ステップST5)。すなわち、ステップST5は、測位ステップの一例である。
続いて、端末20は、測位結果を出力し、図2の表示装置38に表示する。
【0038】
上述のように、端末20は、太陽光発電量閾値判断プログラム126に基いて、太陽光発電量が太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値以下であるか否かを判断することができる。太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下である場合には、端末20の現在位置が屋内である可能性が大きい。
端末20の現在位置が屋内であって、GPS衛星12a等(図1参照)からの位置関連信号の信号強度が不十分な場合には、屋外モード158a(図6参照)で測位することはできない。それにもかかわらず、端末20が、屋外モード158aで測位を試みると時間及び電力を無駄に消費する。特に、端末20が例えば、携帯用の小型端末である場合等には、電力の無駄な消費によって端末20の動作時間が短縮される。
【0039】
この点、端末20は動作モード設定プログラム130(図4参照)によって、太陽光発電量閾値判断プログラム126に基く判断結果が太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下である場合には、動作モードを屋内モード158b(図6参照)に設定することができる。すなわち、屋外モード158aを経ることなく屋内モード158bに設定する。
これにより、端末20は、屋外モード158aでは測位できない場合に、屋外モード158aを経ることなく屋内モード158bで測位することができるから、測位時間を短縮することができ、また、電力消費を節約することができる。
また、上述のように、端末20は、図1の情報配信サーバ70等の外部装置からの情報に依存せずに、端末20自身の構成によって、屋内モード158bと屋外モード158aに自動的に設定することができるから、情報配信サーバ70等の外部装置の存在等に関わらず、適切な動作モードに設定することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の端末21(図1参照)について説明する。第2の実施の形態の端末21の構成は、上記第1の実施の形態の端末20と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0041】
第2の実施の形態における端末21は第1の実施の形態の端末20と異なり、以下に説明するように、太陽光発電量に基いて屋外モード158a又は屋内モード158bに設定して測位した後に、端末21の位置が実際に屋内か否かを確認するための構成を有する。
【0042】
図9は、第2の実施の形態の端末21の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図9に示すように、端末21は第2記憶部150に、建物情報160を格納している。建物情報160は、図1の建物15を含む複数の建物に関する情報であり、各建物を識別するための建物識別情報160a、各建物の名称を示す建物名称情報160b、及び、各建物の位置を示す建物位置情報160cを含む。この建物15等は構造物の一例であり、建物情報160は構造物情報の一例であり、第2記憶部150は構造物情報格納手段の一例である。
建物位置情報160cは例えば、建物15等が地面に占める範囲の中心位置及び建物15等が地面に占める範囲の広がりを示す情報、又は、建物15等が地面に占める範囲の各頂点を示す情報である。
【0043】
端末21は、また、図9に示すように、第1記憶部120に、建物位置情報取得プログラム132を格納している。建物位置情報取得プログラム132は、端末制御部100が、上述の建物情報160から現在位置情報174に示される現在位置に対応する例えば、建物15に関する建物情報を取得するための情報である。建物15に関する建物情報は現在位置対応構造物情報の一例であり、建物位置情報取得プログラム132と端末制御部100は、現在位置対応構造物情報取得手段の一例である。
【0044】
端末21は、また、図9に示すように、第1記憶部120に、現在位置建物範囲判断プログラム134を格納している。現在位置建物範囲判断プログラム134は、端末制御部100が、現在位置情報174に示される現在位置が建物15内であるか否かを判断するための情報である。すなわち、現在位置建物範囲判断プログラム134と端末制御部100は、構造物内外判断手段の一例である。
【0045】
図10は、端末21が、現在位置が建物内であるか否かを判断する方法の一例を示す図である。
建物位置情報160cが、建物15等が地面に占める範囲の中心位置及び建物15等が地面に占める範囲の広がりを示す情報である場合には、図10(a)に示すように、現在位置情報174に示される現在位置P1(x1,y1)と建物中心位置Q1(x2,y2)との距離dと、建物中心位置Q1を中心とする円Tの半径rとを比較することによって、現在位置が建物15内であるか否かを判断する。半径rは、建物15が地面に占める範囲の広がりに基づいて規定されている。
【0046】
これに対して、建物位置情報160cが、建物15等が地面に占める範囲の各頂点を示す情報である場合には、図10(b)に示すように、各頂点A(x3,y3),B(x4,y4),C(x5,y5)及びD(x6,y6)によって形成される多角形Vの外の領域に基準点Q2(x7,y7)を設け、基準点Q2と現在位置情報174に示される現在位置P2(x8,y8)を結ぶ線分P2Q2が多角形Vと交わる辺の数に基いて、現在位置が建物15内であるか否かを判断する。
【0047】
端末21は、図9に示すように、動作モード修正プログラム136を有する。動作モード修正プログラム136は、端末制御部100が、現在位置建物範囲判断プログラム134による判断結果に基いて、動作モードを屋内モード158b又は屋外モード158a(図6参照)に設定するための情報である。すなわち、動作モード修正プログラム136と端末制御部100は、動作モード修正手段の一例である。
【0048】
上述のように、太陽光発電量が太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値以下である場合には、端末21の現在位置が屋内である可能性が大きい。しかし、例えば、夜間など太陽光Sが不十分な場合には、端末21の現在位置が屋外であっても、端末21が、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であると判断する場合がある。
上述のように、屋内モード158bは、屋外に比べてGPS衛星12a等からの位置関連信号の信号強度が弱い場合にも測位できる高感度の動作モードであるが、屋外モード158aよりも消費電力が大きい。
従って、端末21の現在位置が屋外であれば、次回の測位は屋外モード158aで実施する方が電力消費が少なくて済む。
【0049】
この点、端末21は、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、現在位置情報174に示される現在位置が建物15内であるか否かを判断することができる。そして、動作モード修正プログラム136に基いて、動作モードを屋内モード158b又は屋外モード158aに設定することができる。例えば、端末21が、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、端末21の現在位置が建物15の外であると判断した場合には、動作モードを屋外モード158aに設定する。
これにより、端末21の現在位置が屋外であれば、次回の測位を屋外モード158aで実施できるから、電力消費を少なくすることができる。
【0050】
これに対して、太陽発電量が太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値よりも大きい場合には、端末21の現在位置が屋外である可能性が大きい。しかし、例えば、ガラス張りの建物内など太陽光が十分な場合には、端末21の現在位置が屋内であっても、端末21が、太陽発電量が太陽光発電量閾値よりも大きいと判断する場合がある。
端末21の現在位置が屋内であれば、屋外モード158aで測位を開始しても測位結果を取得できない可能性が高いから、次回の測位においては屋外モード158aを経ずに屋内モード158bで測位を開始する方が測位時間も短く、電力消費も少なくて済む。
【0051】
この点、端末21は、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、現在位置情報174に示される現在位置が建物15内であるか否かを判断することができる。そして、動作モード修正プログラム136に基いて、動作モードを屋内モード158b又は屋外モード158aに設定することができる。例えば、端末21が、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、端末21の現在位置が建物15内であると判断した場合には、動作モードを屋内モード158bに設定する。
これにより、端末21の現在位置が屋内であれば、次回の測位は屋外モード158aを経ることなく屋内モード158aで実施できるから、測位時間を短縮することができ、また電力消費も少なくすることができる。
【0052】
以上が本実施の形態に係る端末21の構成であるが、以下、その動作例を主に図11を使用して説明する。
図11は本実施の形態に係る端末21の動作例を示す概略フローチャートである。
以下、端末21の現在位置が図1の建物15の外であるが、夜間のため太陽光Sがない状態であるという前提で説明する。
【0053】
端末21は、起動時には、まず、図9の動作モードフラグ情報172のフラグを0に設定する。すなわち、動作モードを屋内モード158b(図6参照)に設定する(図11のステップST51)。
続いて、端末21は、GPS装置の起動間隔が経過したかを判断し(ステップST52)、屋外モードフラグが1ではないと判断する(ステップST53)。そして、端末21は、太陽光発電量を計測し(ステップST54)、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であるか否かを判断する(ステップST55)。ここで、上述のように、夜間であって図1の太陽光S1がないから、端末21は、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であると判断する。
続いて、端末21は動作モードを屋内モード158b(図6参照)に設定する(ステップST56)。そして、動作モードフラグ情報172のフラグを0にする。
続いて、端末21は、現在位置を測位して(ステップST57)、現在位置情報174を出力して図2の表示装置38に表示する。
【0054】
続いて、端末21は、現在位置情報174に示される現在位置に対応する例えば、建物15に関する建物情報を取得する(ステップST59)。このステップST59は、現在位置対応構造物情報取得ステップの一例である。
続いて、端末21は、建物情報と現在位置情報174に基いて、現在位置が建物15内か否かを判断する(ステップST60)。このステップST60は、構造物内外判断ステップの一例である。上述のように、端末21は、建物15の外に位置するから、ステップST60においては、現在位置は建物15内ではないと判断する。
【0055】
続いて、端末21は、動作モードを屋外モード158aに設定する(ステップST160)。このステップST160は、動作モード修正ステップの一例である。
【0056】
上述のように、端末21の現在位置が屋外であれば、次回の測位は屋内モード158aではなくて、屋外モード158aで実施できるから、電力消費も少なくすることができる。
【0057】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の発電量情報取得ステップと、屋内モード対応範囲内外判断ステップと、動作モード設定ステップと、測位ステップと、現在位置対応構造物情報取得ステップと、構造物内外判断ステップと、動作モード修正等を実行させるための移動端末の制御プログラムとすることができる。
また、このような移動端末の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0058】
これら移動端末の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、 CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0059】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る端末を示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】太陽電池の構成例を示す概略図である。
【図4】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】太陽光発電量閾値情報の一例を示す図である。
【図6】動作モード情報の一例を示す図である。
【図7】動作モードの設定方法の一例を示す概略図である。
【図8】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【図9】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図10】現在位置が建物内であるか否かを判断する方法の一例を示す図である。
【図11】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1・・・太陽、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20・・・端末、32・・・太陽電池パネル、34・・・GPS装置、36・・・通信装置、40・・・時計、50・・・基地局、60・・・インターネット網、70・・・情報配信サーバ、122・・・測位間隔経過判断プログラム、124・・・太陽光発電量計測プログラム、126・・・太陽光発電量閾値判断プログラム、130・・・動作モード設定プログラム、132・・・建物位置情報取得プログラム、134・・・現在位置建物範囲判断プログラム、136・・・動作モード修正プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの信号に基いて測位をする移動端末、移動端末の制御プログラム、移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS端末で現在位置を測位する測位方法が実用化されている。このようなGPS端末の中には、複数の動作モードを備えており、GPS端末の環境に応じて動作モードを切替える構成となっているものがある(例えば、特許文献1)。
上述の複数の動作モードが例えば、屋外に対応する屋外モードと屋内に対応する屋内モードである場合には、屋外モードで測位ができない場合に屋内モードに移行するのが一般的である。
【特許文献1】特開2002−196064号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、GPS端末が屋内に位置し、屋外モードでは測位できないにもかかわらず、屋外モードで測位を試みるのは時間及び電力を無駄に消費する。特に、GPS端末が例えば、携帯用の小型端末である場合等には、電力の無駄な消費によってGPS端末の動作時間が短縮される場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することにより測位時間を短縮し、また、電力消費を節約することができる移動端末、移動端末の制御プログラム、移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位手段を有する移動端末であって、前記移動端末は、前記移動端末の屋内に対応する動作モードである屋内モードを示す屋内モード情報及び前記移動端末の屋外に対応する動作モードである屋外モードを示す屋外モード情報を格納する動作モード情報格納手段と、光によって発電するための光発電手段と、前記光発電手段による光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得手段と、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断手段と、前記屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード設定手段と、を有することを特徴とする移動端末により達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記移動端末は、屋内モード対応範囲内外判断手段を有するから、前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内か否かを判断することができる。前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内である場合には、前記移動端末の現在位置が屋内である可能性が大きい。
前記光発電量が前記屋内モード対応範囲内であって前記移動端末の現在位置が屋内である場合には、前記移動端末は前記屋外モードで測位することはできない。それにもかかわらず、前記移動端末が、屋外モードで測位を試みると時間及び電力を無駄に消費する。特に、前記移動端末が例えば、携帯用の小型端末である場合等には、電力の無駄な消費によって前記移動端末の動作時間が短縮される。
【0007】
この点、第1の発明の構成によれば、前記移動端末は前記動作モード設定手段を有するから、前記屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定することができる。すなわち、前記屋内モード対応範囲内外判断手段による判断結果が、前記光発電量が前記屋内モード対応範囲内である場合には、
前記屋外モードを経ることなく前記屋内モードに設定する。
これにより、前記端末装置は、屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することができるから、測位時間を短縮することができ、また、電力消費を節約することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の構成において、複数の構造物に関する構造物情報を格納する構造物情報格納手段と、前記構造物情報から前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得手段と、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断手段と、前記構造物内外判断手段の判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
上述のように、前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内である場合には、前記移動端末の現在位置が屋内である可能性が大きい。しかし、例えば、夜間など太陽光が不十分な場合には、前記移動端末の現在位置が屋外であっても、前記移動端末が、前記光発電量が前記移動端末の屋内モード対応範囲内であると判断する場合がある。この場合、前記移動端末の動作モードを屋内モードに維持したままであると、次回の測位は前回測位の動作モードと同じ屋内モードで実施される。
ここで、前記屋内モードは、屋外に比べて前記位置情報衛星からの前記位置関連信号の信号強度が弱い場合にも測位できる高感度の動作モードであり、前記屋外モードよりも消費電力が大きい。
この点、第2の発明の構成においては、構造物内外判断手段を有するから、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断することができる。そして、動作モード修正手段を有するから、前記構造物内外判断手段の判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定することができる。例えば、前記構造物内外判断手段が前記移動端末の現在位置が前記構造物外であると
判断した場合には、前回測位の動作モードが屋内モードであっても、次回の測位のための動作モードを前記屋外モードに設定する。
これにより、前記移動端末の現在位置が屋外であれば、次回の測位を前記屋外モードで実施できるから、電力消費を少なくすることができる。
【0010】
これに対して、前記移動端末が屋内に位置するにもかかわらず例えば、ガラス張りの建物内など太陽光が十分な場合には、前記移動端末の動作モードは屋外モードに設定される。しかし、前記位置関連信号の信号強度が不十分であるから、前回測位時においては、屋外モードを経て屋内モードで測位される。
この点、第2の発明の構成においては、上述のように、構造物内外判断手段及び動作モード修正手段を有するから、次回の測位のための前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定することができる。
これにより、前記移動端末の現在位置が屋外であれば、次回の測位は前記屋外モードを経ることなく前記屋内モードで実施できるから、測位時間を短縮することができ、また電力消費も少なくすることができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の構成において、前記屋内モードにおいては、前記移動端末は、前記移動端末と通信可能な補助情報提供装置から前記測位のための補助情報を取得する構成となっていることを特徴とする。
【0012】
前記屋内モードの適用が予定される屋内においては、前記位置情報衛星からの前記位置関連信号の信号強度が弱く、測位に長時間かかる場合がある。
この点、第3の発明の構成によれば、前記屋内モードにおいては、前記移動端末は、前記移動端末と通信可能な補助情報提供装置から前記測位のための補助情報を取得する。このため、前記補助情報を使用して、測位時間を短縮することができる。
これにより、電力消費を少なくすることができる。
【0013】
前記目的は、第4の発明によれば、屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、を有することを特徴とする移動端末の制御方法によって達成される。
【0014】
第4の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前記端末装置は、屋外モードでは測位できない場合に、屋外モードを経ることなく屋内モードで測位することができるから、測位時間を短縮することができ、また、電力消費を少なくすることができる。
また、第2の発明の構成と同様に、前記移動端末の現在位置が屋外であれば、前記屋内モードを経ることなく前記屋外モードで測位を開始できるから、測位時間を短縮することができ、また電力消費も少なくすることができる。
【0015】
前記目的は、第5の発明によれば、コンピュータに、屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラムによって達成される。
【0016】
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る端末20等を示す概略図である。
図1に示すように、移動端末である例えば、端末20は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dから位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位手段である例えば、GPS装置34を有する。
端末20は、太陽1からの太陽光Sによって発電するための光発電手段である例えば、太陽電池パネル32を有する。なお、太陽電池パネル32は、太陽1からの太陽光Sに限らず、他の光によっても発電可能である。すなわち、太陽光Sは光の一例である。
端末20が、図1に示すように、建物15内に位置する場合には、太陽光S1が端末20に到達しないから、太陽電池パネル32による発電量は、建物15外に位置する場合よりも小さい。
端末20は、アンテナ20aを有しており、基地局50及び通信網である例えば、インターネット網60を介して、端末20に対して測位のための補助情報である例えば、アシスト情報を提供する情報配信サーバ70と通信可能になっている。この情報配信サーバ70は、補助情報提供装置の一例である。アシスト情報は、GPS衛星12a等の衛星番号、軌道情報等を含む。
【0019】
端末20は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であるが、これらに限らない。
なお、本実施の形態はGPS衛星12a等は4個としているが、これに限られず、GPS衛星12a等は、5個以上でもよい。
【0020】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は、端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24及び記憶装置26が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0021】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28、電源装置であるバッテリ30、太陽電池パネル32、GPS装置34が接続されている。
また、このバス32には、図1の情報配信サーバ70等と通信するための通信装置36、各種情報を表示するための表示装置38が接続されている。
【0022】
図3は、図2の太陽電池パネル32の構成等を示す概略図である。
図3(a)に示すように、太陽電池パネル32は、複数の太陽電池セル32aで構成されている。太陽電池セル32aは、太陽光Sなどの光が当たることによって電気が起きる性質を有する光電気変換素子である。太陽電池パネル32は、発電量計測部33を介してバッテリ30に接続されており、生成した電力をバッテリ30に供給できるように構成されている。
【0023】
図3(b)に示すように、太陽電池セル32aは例えば、N型半導体32aa及びP型半導体32ab、外部と連絡するための電極L1及び電極L2を有している。光が当たることによって、N型半導体32aaはマイナス(−)の電気を帯び、P型半導体32abはプラス(+)の電気を帯び、各太陽電池セル32aは、電極L1及び電極L2を介して電力を直流として太陽電池パネル32の外部に供給できるように構成されている。
【0024】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図4は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように端末20は、各部を制御する端末制御部100、図2のバッテリ30に対応する電源部102、図2の太陽電池パネル32に対応する太陽発電部104、図2のGPS装置34に対応する測位部106、図2の通信装置36に対応する通信部108、及び、図2の表示装置38に対応する表示部110を有する。
端末20はまた、各種プログラムを格納する第1記憶部120、予め各種情報を格納する第2記憶部150、及び、端末20が取得又は生成した各種情報を格納する第3記憶部170を有する。
【0025】
図4に示すように、端末20は第1記憶部120に、測位間隔経過判断プログラム122を格納している。測位間隔経過判断プログラム122は、端末制御部100が、図4の測位部106による端末20の現在位置の測位を実行する時間間隔が経過したか否かを判断するための情報である。この時間間隔は、図4の第2記憶部150に格納されている測位間隔情報154に示されており例えば、10分間である。
端末制御部100は、測位を実行する時間間隔が経過したと判断すると、測位部106によって現在位置の測位を実行し、測位結果を示す現在位置情報174を第3記憶部170に格納する。
【0026】
図4に示すように、端末20は第1記憶部120に、太陽光発電量計測プログラム124を格納している。太陽光発電量計測プログラム124は、端末制御部100が、図4の太陽発電部104による太陽光発電量を示す太陽光発電量情報176を取得するための情報である。すなわち、太陽光発電量計測プログラム124と端末制御部100は、発電量情報取得手段の一例である。
具体的には、端末制御部100は、太陽光発電量計測プログラム124に基づいて、太陽発電部104によって生成された電圧(V)及び電流(I)に基づいて、太陽光発電量(W)を示す太陽光発電量情報176生成する。そして、端末制御部100は、生成した
太陽光発電量情報176を第3記憶部170に格納する。
【0027】
図4に示すように、端末20は、太陽光発電量閾値判断プログラム126を有する。太陽光発電量閾値判断プログラム126は、端末制御部100が、太陽光発電量情報176に示される太陽光発電量が、太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値以下か否かを判断するための情報である。
この太陽光発電量閾値情報156は、端末20が、後述の屋内モードで動作することが許容される範囲を示す情報である。
すなわち、太陽光発電量閾値判断プログラム126と端末制御部100は、屋内モード対応範囲内外判断手段の一例である。
【0028】
図5は、太陽光発電量閾値情報156の一例を示す図である。
図5に示すように、太陽光発電量閾値情報156は、太陽光発電量PS(W)に対応する各動作モードに対応する太陽光発電量PS(W)を示す情報である。具体的には、太陽光発電量PS(W)が0ワット(W)以上1ワット(W)以下であれば、端末20を省電力モードに設定し、太陽光発電量PS(W)が1ワット(W)よりも大きい場合には屋外モードに設定することを示している。すなわち、1ワット(W)が太陽光発電量閾値であり、1ワット(W)以内が、屋内モード対応範囲内の一例である。
上述の通常動作モード等の内容については、図4の第2記憶部150に格納されている動作モード情報158に示されている。
【0029】
図6は、動作モード情報158の一例を示す図である。
図6に示すように、動作モード情報158は、屋外モード158a、屋内モード158bの各動作モードの動作条件を示す情報である。具体的には、図6に示すように、探索(サーチ)するGPS衛星12a等(図1参照)の数、サーチする周波数範囲、サーチしてGPS衛星を捕捉できない場合にサーチを中止するまでの時間を示すサーチタイムアウト時間、情報配信サーバ70(図1参照)にアシスト情報を要求するか否かに関する情報を含む。
上述の屋外モード158aの動作条件は、GPS衛星12a等(図1参照)からの位置関連信号の信号強度が十分なときの測位に適するように規定されている。従って、屋内など位置関連信号の信号強度が不十分な場合には測位することができない。
これに対して、屋内モード158bの動作条件は、GPS衛星12a等からの位置関連信号の強度が不十分な場合においても測位が可能なように規定されている。従って、例えば、サーチ周波数範囲が屋外モード158aよりも広く、サーチタイムアウト時間が屋外モード158aよりも長い。このため、屋内モード158bは、測位開始から測位結果を取得するまでの電力消費量が屋外モード158aよりも大きい。
【0030】
図4に示すように、端末20は、動作モード設定プログラム130を有する。動作モード設定プログラム130は、端末制御部100が、太陽光発電量閾値判断プログラム126によって判断した判断結果に基づいて、端末20を上述の屋外モード158a又は屋内モード158bに設定するための情報である。すなわち、動作モード設定プログラム130と端末制御部100は、動作モード設定手段の一例である。
【0031】
図7は、動作モードの設定方法の一例を示す概略図である。
図7(a)に示すように、端末20が建物15外に位置し、太陽1から太陽光Sの直射を受けている場合には、太陽電池パネル32による太陽光発電量は例えば、1.2ワット(W)である。この場合、図4の端末制御部100は、動作モード設定プログラム130に基いて、動作モードを図6の屋外モード158aに設定し、記憶部170内の動作モードフラグ情報172のフラグを1とする。
端末制御部100は、この動作モードフラグ情報172を参照して、現在の動作モードを判断することができる。
【0032】
これに対して、図7(b)に示すように、端末20が建物15内に位置し、太陽1から太陽光Sが届かない場合には、太陽電池パネル32による太陽光発電量は例えば、0.5ワット(W)である。この場合、図4の端末制御部100は、動作モード設定プログラム130に基いて、動作モードを図6の屋内モード158bに設定し、記憶部170内の動作モードフラグ情報172のフラグを0とする。
【0033】
以上が本実施の形態に係る端末20の構成であるが、以下、その動作例を主に図8を使用して説明する。
図8は本実施の形態に係る端末20の動作例を示す概略フローチャートである。
【0034】
端末20が、図7(b)に示すように、建物15内に位置し、太陽電池パネル32の太陽光発電量が0.5ワット(W)であるという前提で、以下説明する。
まず、端末20は、GPS装置34の起動間隔が経過したかを判断し(図8のステップST1)、GPS装置34の起動間隔が経過したと判断すると、太陽電池パネル32による太陽光発電量を計測し、太陽光発電量を示す太陽光発電量情報176(図4参照)を取得する(ステップST2)。すなわち、ステップST2は、発電量情報取得ステップの一例である。
【0035】
続いて、端末20は、太陽光発電量が、太陽光発電量閾値情報156(図5参照)に示される太陽光発電量閾値(1ワット(W))以下であるか否かを判断する(ステップST3)。このステップST3は、屋内モード対応範囲内外判断ステップの一例である。
上述したように、端末20は図7(b)の建物15内に位置し、太陽光発電量は0.5ワット(W)であるから、端末20は、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であると判断する。
【0036】
続いて、端末20は、ステップST4における太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であるという判断結果に基づいて、屋内モード158b(図6参照)に設定する(ステップST4)。
なお、ステップST3において太陽光発電量が太陽光発電量閾値である1ワット(W)より大きいという判断をした場合には、屋外モード158aに設定する(ステップST31)。
すなわち、ステップST4及びステップST31は、動作モード設定ステップの一例である。
【0037】
続いて、端末20は、測位部106(図4参照)によって現在位置を測位し、現在位置を示す現在位置情報174を生成する(ステップST5)。すなわち、ステップST5は、測位ステップの一例である。
続いて、端末20は、測位結果を出力し、図2の表示装置38に表示する。
【0038】
上述のように、端末20は、太陽光発電量閾値判断プログラム126に基いて、太陽光発電量が太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値以下であるか否かを判断することができる。太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下である場合には、端末20の現在位置が屋内である可能性が大きい。
端末20の現在位置が屋内であって、GPS衛星12a等(図1参照)からの位置関連信号の信号強度が不十分な場合には、屋外モード158a(図6参照)で測位することはできない。それにもかかわらず、端末20が、屋外モード158aで測位を試みると時間及び電力を無駄に消費する。特に、端末20が例えば、携帯用の小型端末である場合等には、電力の無駄な消費によって端末20の動作時間が短縮される。
【0039】
この点、端末20は動作モード設定プログラム130(図4参照)によって、太陽光発電量閾値判断プログラム126に基く判断結果が太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下である場合には、動作モードを屋内モード158b(図6参照)に設定することができる。すなわち、屋外モード158aを経ることなく屋内モード158bに設定する。
これにより、端末20は、屋外モード158aでは測位できない場合に、屋外モード158aを経ることなく屋内モード158bで測位することができるから、測位時間を短縮することができ、また、電力消費を節約することができる。
また、上述のように、端末20は、図1の情報配信サーバ70等の外部装置からの情報に依存せずに、端末20自身の構成によって、屋内モード158bと屋外モード158aに自動的に設定することができるから、情報配信サーバ70等の外部装置の存在等に関わらず、適切な動作モードに設定することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の端末21(図1参照)について説明する。第2の実施の形態の端末21の構成は、上記第1の実施の形態の端末20と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0041】
第2の実施の形態における端末21は第1の実施の形態の端末20と異なり、以下に説明するように、太陽光発電量に基いて屋外モード158a又は屋内モード158bに設定して測位した後に、端末21の位置が実際に屋内か否かを確認するための構成を有する。
【0042】
図9は、第2の実施の形態の端末21の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図9に示すように、端末21は第2記憶部150に、建物情報160を格納している。建物情報160は、図1の建物15を含む複数の建物に関する情報であり、各建物を識別するための建物識別情報160a、各建物の名称を示す建物名称情報160b、及び、各建物の位置を示す建物位置情報160cを含む。この建物15等は構造物の一例であり、建物情報160は構造物情報の一例であり、第2記憶部150は構造物情報格納手段の一例である。
建物位置情報160cは例えば、建物15等が地面に占める範囲の中心位置及び建物15等が地面に占める範囲の広がりを示す情報、又は、建物15等が地面に占める範囲の各頂点を示す情報である。
【0043】
端末21は、また、図9に示すように、第1記憶部120に、建物位置情報取得プログラム132を格納している。建物位置情報取得プログラム132は、端末制御部100が、上述の建物情報160から現在位置情報174に示される現在位置に対応する例えば、建物15に関する建物情報を取得するための情報である。建物15に関する建物情報は現在位置対応構造物情報の一例であり、建物位置情報取得プログラム132と端末制御部100は、現在位置対応構造物情報取得手段の一例である。
【0044】
端末21は、また、図9に示すように、第1記憶部120に、現在位置建物範囲判断プログラム134を格納している。現在位置建物範囲判断プログラム134は、端末制御部100が、現在位置情報174に示される現在位置が建物15内であるか否かを判断するための情報である。すなわち、現在位置建物範囲判断プログラム134と端末制御部100は、構造物内外判断手段の一例である。
【0045】
図10は、端末21が、現在位置が建物内であるか否かを判断する方法の一例を示す図である。
建物位置情報160cが、建物15等が地面に占める範囲の中心位置及び建物15等が地面に占める範囲の広がりを示す情報である場合には、図10(a)に示すように、現在位置情報174に示される現在位置P1(x1,y1)と建物中心位置Q1(x2,y2)との距離dと、建物中心位置Q1を中心とする円Tの半径rとを比較することによって、現在位置が建物15内であるか否かを判断する。半径rは、建物15が地面に占める範囲の広がりに基づいて規定されている。
【0046】
これに対して、建物位置情報160cが、建物15等が地面に占める範囲の各頂点を示す情報である場合には、図10(b)に示すように、各頂点A(x3,y3),B(x4,y4),C(x5,y5)及びD(x6,y6)によって形成される多角形Vの外の領域に基準点Q2(x7,y7)を設け、基準点Q2と現在位置情報174に示される現在位置P2(x8,y8)を結ぶ線分P2Q2が多角形Vと交わる辺の数に基いて、現在位置が建物15内であるか否かを判断する。
【0047】
端末21は、図9に示すように、動作モード修正プログラム136を有する。動作モード修正プログラム136は、端末制御部100が、現在位置建物範囲判断プログラム134による判断結果に基いて、動作モードを屋内モード158b又は屋外モード158a(図6参照)に設定するための情報である。すなわち、動作モード修正プログラム136と端末制御部100は、動作モード修正手段の一例である。
【0048】
上述のように、太陽光発電量が太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値以下である場合には、端末21の現在位置が屋内である可能性が大きい。しかし、例えば、夜間など太陽光Sが不十分な場合には、端末21の現在位置が屋外であっても、端末21が、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であると判断する場合がある。
上述のように、屋内モード158bは、屋外に比べてGPS衛星12a等からの位置関連信号の信号強度が弱い場合にも測位できる高感度の動作モードであるが、屋外モード158aよりも消費電力が大きい。
従って、端末21の現在位置が屋外であれば、次回の測位は屋外モード158aで実施する方が電力消費が少なくて済む。
【0049】
この点、端末21は、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、現在位置情報174に示される現在位置が建物15内であるか否かを判断することができる。そして、動作モード修正プログラム136に基いて、動作モードを屋内モード158b又は屋外モード158aに設定することができる。例えば、端末21が、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、端末21の現在位置が建物15の外であると判断した場合には、動作モードを屋外モード158aに設定する。
これにより、端末21の現在位置が屋外であれば、次回の測位を屋外モード158aで実施できるから、電力消費を少なくすることができる。
【0050】
これに対して、太陽発電量が太陽光発電量閾値情報156に示される太陽光発電量閾値よりも大きい場合には、端末21の現在位置が屋外である可能性が大きい。しかし、例えば、ガラス張りの建物内など太陽光が十分な場合には、端末21の現在位置が屋内であっても、端末21が、太陽発電量が太陽光発電量閾値よりも大きいと判断する場合がある。
端末21の現在位置が屋内であれば、屋外モード158aで測位を開始しても測位結果を取得できない可能性が高いから、次回の測位においては屋外モード158aを経ずに屋内モード158bで測位を開始する方が測位時間も短く、電力消費も少なくて済む。
【0051】
この点、端末21は、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、現在位置情報174に示される現在位置が建物15内であるか否かを判断することができる。そして、動作モード修正プログラム136に基いて、動作モードを屋内モード158b又は屋外モード158aに設定することができる。例えば、端末21が、現在位置建物範囲判断プログラム134に基いて、端末21の現在位置が建物15内であると判断した場合には、動作モードを屋内モード158bに設定する。
これにより、端末21の現在位置が屋内であれば、次回の測位は屋外モード158aを経ることなく屋内モード158aで実施できるから、測位時間を短縮することができ、また電力消費も少なくすることができる。
【0052】
以上が本実施の形態に係る端末21の構成であるが、以下、その動作例を主に図11を使用して説明する。
図11は本実施の形態に係る端末21の動作例を示す概略フローチャートである。
以下、端末21の現在位置が図1の建物15の外であるが、夜間のため太陽光Sがない状態であるという前提で説明する。
【0053】
端末21は、起動時には、まず、図9の動作モードフラグ情報172のフラグを0に設定する。すなわち、動作モードを屋内モード158b(図6参照)に設定する(図11のステップST51)。
続いて、端末21は、GPS装置の起動間隔が経過したかを判断し(ステップST52)、屋外モードフラグが1ではないと判断する(ステップST53)。そして、端末21は、太陽光発電量を計測し(ステップST54)、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であるか否かを判断する(ステップST55)。ここで、上述のように、夜間であって図1の太陽光S1がないから、端末21は、太陽光発電量が太陽光発電量閾値以下であると判断する。
続いて、端末21は動作モードを屋内モード158b(図6参照)に設定する(ステップST56)。そして、動作モードフラグ情報172のフラグを0にする。
続いて、端末21は、現在位置を測位して(ステップST57)、現在位置情報174を出力して図2の表示装置38に表示する。
【0054】
続いて、端末21は、現在位置情報174に示される現在位置に対応する例えば、建物15に関する建物情報を取得する(ステップST59)。このステップST59は、現在位置対応構造物情報取得ステップの一例である。
続いて、端末21は、建物情報と現在位置情報174に基いて、現在位置が建物15内か否かを判断する(ステップST60)。このステップST60は、構造物内外判断ステップの一例である。上述のように、端末21は、建物15の外に位置するから、ステップST60においては、現在位置は建物15内ではないと判断する。
【0055】
続いて、端末21は、動作モードを屋外モード158aに設定する(ステップST160)。このステップST160は、動作モード修正ステップの一例である。
【0056】
上述のように、端末21の現在位置が屋外であれば、次回の測位は屋内モード158aではなくて、屋外モード158aで実施できるから、電力消費も少なくすることができる。
【0057】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の発電量情報取得ステップと、屋内モード対応範囲内外判断ステップと、動作モード設定ステップと、測位ステップと、現在位置対応構造物情報取得ステップと、構造物内外判断ステップと、動作モード修正等を実行させるための移動端末の制御プログラムとすることができる。
また、このような移動端末の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0058】
これら移動端末の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、 CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0059】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る端末を示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】太陽電池の構成例を示す概略図である。
【図4】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】太陽光発電量閾値情報の一例を示す図である。
【図6】動作モード情報の一例を示す図である。
【図7】動作モードの設定方法の一例を示す概略図である。
【図8】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【図9】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図10】現在位置が建物内であるか否かを判断する方法の一例を示す図である。
【図11】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1・・・太陽、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20・・・端末、32・・・太陽電池パネル、34・・・GPS装置、36・・・通信装置、40・・・時計、50・・・基地局、60・・・インターネット網、70・・・情報配信サーバ、122・・・測位間隔経過判断プログラム、124・・・太陽光発電量計測プログラム、126・・・太陽光発電量閾値判断プログラム、130・・・動作モード設定プログラム、132・・・建物位置情報取得プログラム、134・・・現在位置建物範囲判断プログラム、136・・・動作モード修正プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位手段を有する移動端末であって、
前記移動端末は、
前記移動端末の屋内に対応する動作モードである屋内モードを示す屋内モード情報及び前記移動端末の屋外に対応する動作モードである屋外モードを示す屋外モード情報を格納する動作モード情報格納手段と、
光によって発電するための光発電手段と、
前記光発電手段による光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得手段と、
前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断手段と、
前記屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード設定手段と、
を有することを特徴とする移動端末。
【請求項2】
複数の構造物に関する構造物情報を格納する構造物情報格納手段と、
前記構造物情報から前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得手段と、
前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断手段と、
前記構造物内外判断手段の判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記屋内モードにおいては、前記移動端末は、前記移動端末と通信可能な補助情報提供装置から前記測位のための補助情報を取得する構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の移動端末。
【請求項4】
屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、
前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、
前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、
を有することを特徴とする移動端末の制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、
屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、
前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、
前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、
を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、
前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、
前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、
を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位手段を有する移動端末であって、
前記移動端末は、
前記移動端末の屋内に対応する動作モードである屋内モードを示す屋内モード情報及び前記移動端末の屋外に対応する動作モードである屋外モードを示す屋外モード情報を格納する動作モード情報格納手段と、
光によって発電するための光発電手段と、
前記光発電手段による光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得手段と、
前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断手段と、
前記屋内モード対応範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末を屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード設定手段と、
を有することを特徴とする移動端末。
【請求項2】
複数の構造物に関する構造物情報を格納する構造物情報格納手段と、
前記構造物情報から前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得手段と、
前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断手段と、
前記構造物内外判断手段の判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記屋内モードにおいては、前記移動端末は、前記移動端末と通信可能な補助情報提供装置から前記測位のための補助情報を取得する構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の移動端末。
【請求項4】
屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、
前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、
前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、
を有することを特徴とする移動端末の制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、
屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、
前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、
前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、
を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
屋内での動作モードである屋内モード又は屋外での動作モードである屋外モードで動作可能な移動端末が、光発電量を示す発電量情報を取得する発電量情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記光発電量が前記屋内モードが適する屋内モード対応範囲内か否かを判断する屋内モード対応範囲内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記屋内モード対応範囲内外判断ステップにおける判断に基いて、前記移動端末の動作モードを前記屋内モード又は前記屋外モードに設定する動作モード設定ステップと、
前記移動端末が、位置情報衛星から位置関連信号を受信して現在位置を測位する測位ステップと、
前記移動端末が、前記移動端末の構造物情報格納手段に格納した複数の構造物に関する構造物情報から、前記測位手段によって測位した前記現在位置に対応する前記構造物に関する現在位置対応構造物情報を取得する現在位置対応構造物情報取得ステップと、
前記移動端末が、前記現在位置が前記現在位置対応構造物情報に示される前記構造物内であるか否かを判断する構造物内外判断ステップと、
前記移動端末が、前記構造物内外判断ステップにおける判断結果に基いて、前記移動端末の動作モードを屋内モード又は屋外モードに設定する動作モード修正ステップと、
を実行させることを特徴とする移動端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−29961(P2006−29961A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208855(P2004−208855)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]