説明

移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法及び受信装置

本発明は、LTEシステムのPDCP層でPDCP SDUの受信状態を相手に報告するPDCP状態報告を構成するとき、一連のPDCP SDUの受信成功又は受信失敗をビットマップ形式で送信することにより、無線リソースを低減できるPDCP状態報告のためのPDCP層の状態報告の送信に関する。好ましくは、前記PDCP SDUに関する受信状態報告は、PDCP Control PDU形態で前記受信側PDCP層から前記送信側PDCP層に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LTE(Long Term Evolution)システムのPDCP層においてPDCP SDUの受信状態を相手に報告するPDCP状態報告の送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の移動通信システムであるLTEシステムのネットワーク構造である。LTEシステムは、従来のUMTSシステムから進化したシステムであり、現在3GPPで基礎的な標準化作業が行われている。
【0003】
LTEネットワークは、E−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)とコアネットワーク(Core Network:CN)とに分けられる。前記E−UTRANは、端末(すなわち、User Equipment:UE)、基地局(すなわち、eNode B)、及びネットワークのエンドに位置して外部ネットワークに接続される接続ゲートウェイ(Access Gateway:aGW)から構成される。前記aGWは、ユーザトラフィックを処理する部分と、制御用トラフィックを処理する部分とに分けられる。ここで、新しいユーザトラフィック処理のためのaGWと制御用トラフィックを処理するaGWは、新しいインタフェースを介して通信できる。1つのeNBには1つ以上のセルが存在する。前記eNB間には、ユーザトラフィック又は制御用トラフィックの伝送のためのインタフェースが使用される。前記コアネットワーク(CN)は、前記UEのユーザ登録のために使用されるノードなどと前記aGWとから構成される。また、前記E−UTRANと前記CNを区別するためのインタフェースが使用される。
【0004】
図2は、3GPP無線接続ネットワーク標準に準拠した端末とE−UTRAN間の無線インタフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御プレーン構造である。図3は、3GPP無線接続ネットワーク標準に準拠した端末とE−UTRAN間の無線インタフェースプロトコルのユーザプレーン構造である。
【0005】
以下、図2及び図3を参照して端末とE−UTRAN間の無線インタフェースプロトコルの構造を説明する。
【0006】
無線インタフェースプロトコルは、水平的には物理層、データリンク層、及びネットワーク層からなり、垂直的にはデータ情報送信のためのユーザプレーンと制御信号伝達のための制御プレーンに区分される。図2及び図3のプロトコル層は、通信システム分野において公知の開放型システム間相互接続(OSI)基準モデルの下位3層に基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、及びL3(第3層)に区分される。このような無線プロトコル層は、端末とE−UTRANにペアで存在し、無線区間のデータ送信を担当する。
【0007】
以下、図2の無線プロトコル制御プレーンと図3の無線プロトコルユーザプレーンの各層を説明する。
【0008】
第1層である物理層は、物理チャネルを利用して上位層に情報伝送サービスを提供する。物理層は上位の媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)層とトランスポートチャネルで接続され、このトランスポートチャネルを介してMAC層と物理層間でデータが移動する。ここで、トランスポートチャネルは、チャネルが共有されているか否かによって専用トランスポートチャネルと共用トランスポートチャネルに大別される。さらに、異なる物理層間、すなわち、送信側(送信機)と受信側(受信機)の物理層間では、無線リソースを利用した物理チャネルを介してデータが移動する。
【0009】
第2層には様々な層が存在する。まず、MAC層は、多様な論理チャネルを多様なトランスポートチャネルにマッピングする役割を果たし、また、複数の論理チャネルを1つのトランスポートチャネルにマッピングする論理チャネル多重化の役割を果たす。MAC層は、上位層の無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)層とは論理チャネルで接続され、論理チャネルは、伝送される情報の種類によって制御プレーンの情報を伝送する制御チャネルとユーザプレーンの情報を伝送するトラフィックチャネルに大別される。
【0010】
第2層のRLC層は、上位層から受信したデータを分割及び連結して下位層が無線区間のデータ送信に適するようにデータサイズを調節する役割を果たす。また、それぞれの無線ベアラ(Radio Bearer:RB)が要求する多様なQoSを保証するためにトランスペアレントモード(Transparent Mode:TM)、無応答モード(Un-acknowledged Mode:UM)、及び応答モード(Acknowledged Mode:AM)の3つの動作モードを提供する。特に、AMモードで動作するRLC層(以下、AM RLC層という)は、信頼性のあるデータ送信のために自動再送要求(Automatic Repeat Request:ARQ)機能により再送機能を行う。
【0011】
第2層のパケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)層は、IPv4やIPv6などのIPパケットを相対的に帯域幅が小さい無線区間で効率的に伝送するために、相対的に大きくて不要な制御情報を含むIPパケットヘッダサイズを小さくするヘッダ圧縮(Header Compression)機能を行う。これは、データのヘッダ部分で必要不可欠な情報のみを伝送するようにして無線区間の伝送効率を増加させる役割を果たす。
【0012】
第3層の最上部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)層は、制御プレーンにおいてのみ定義され、無線ベアラ(RB)の設定、再設定、及び解除に関連して論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルの制御を担当する。ここで、RBは、端末とUTRAN間のデータ送信のために無線プロトコルの第1及び第2層により提供される論理パスを意味し、一般に、RBの設定とは、特定サービスを提供するために必要なプロトコル層及びチャネルの特性を規定し、それぞれの具体的なパラメータ及び動作方法を設定する過程を意味する。
【0013】
図4は、PDCPエンティティの構造である。以下、前記PDCPエンティティについて具体的に説明する。ただし、図4のブロックは、機能ブロックであり、実際とは異なることもある。
【0014】
前記PDCPエンティティは、上向きにはRRC層又はユーザアプリケーションに接続され、下向きにはRLC層に接続される。以下、その詳細な構造について説明する。
【0015】
図4に示す1つのPDCPエンティティは、送信側及び受信側からなる。左側の送信側は、上位層から受信したSDUをPDUとして構成するか、又は、PDCPエンティティ自身が生成した制御情報をPDUとして構成して、受信側のピアPDCPエンティティに送信する。右側の受信側であるピアPDCPエンティティは、送信側から受信した前記PDCP PDUからPDCP SDU又は制御情報を抽出する。
【0016】
前述したように、前記PDCPエンティティの送信側により生成されたPDUは、Data PDU及びControl PDUの2つのタイプがある。まず、PDCP Data PDUは、前記上位層から受信した前記SDUを前記PDCPエンティティが加工して形成するデータブロックであり、前記PDCP Control PDUは、PDCPエンティティがピアエンティティに制御情報を送信するためにPDCPエンティティが独自に生成するデータブロックである。
【0017】
前記PDCP Data PDUは、ユーザプレーン(U−plane)と制御プレーン(C−plane)のRBにおいて生成され、PDCPエンティティの一部機能は、使用するプレーンにより選択的に適用される。すなわち、ヘッダ圧縮機能は、U−planeデータにのみ適用され、セキュリティ機能のうち完全性保護(Integrity Protection)機能は、C−planeデータにのみ適用される。セキュリティ機能には前記完全性保護機能の他にもデータのセキュリティを維持するための暗号化(Ciphering)機能も含まれ、前記暗号化機能は、U−planeデータにもC−planeデータにも適用される。
【0018】
前記PDCP Control PDUは、U−plane RBにおいてのみ生成され、以下の2つのタイプに大別される。PDCPエンティティ受信バッファ状況を前記送信側に通知するための「PDCP状態報告(Status Report)」、及び受信側ヘッダ復元機(Header Decompressor)の状況を送信側ヘッダ圧縮機(Header Compressor)に通知するための「HC(Header Compression)フィードバックパケット」である。
【0019】
図5は、PDCPエンティティ内における各PDCP PDUの処理過程を示すブロック図である。
【0020】
特に、図5は、PDCPエンティティにおいて3つのPDCP PDU(すなわち、PDCP Data PDU、PDCP状態報告のためのPDCP Control PDU、及びヘッダ圧縮フィードバックのためのPDCP Control PDU)が経路(1)〜経路(8)を介して処理する過程を示す。以下、各タイプのPDUに対してPDCPエンティティの処理経路について説明する。
【0021】
1.PDCPエンティティにおいてPDCP Data PDUの処理過程は、経路(1)、(8)、(3)、及び(7)に関連する。以下、各経路について説明する。
【0022】
経路(1):前記送信側PDCPは、上位層から受信したSDUに対してヘッダ圧縮及びセキュリティを行った後、PDCPシーケンスナンバー(SN)及びData PDUであるかControl PDUであるかを示すD/Cフィールドなどをヘッダに加えてPDCP Data PDUを構成した後、前記受信側PDCPエンティティ(すなわち、ピアPDCPエンティティ)に送信する。ここで、前記ヘッダ圧縮は、ヘッダ圧縮機により行われる。
【0023】
経路(8):前記受信側PDCPエンティティは、下位層から伝送されたPDCP Data PDUからヘッダを除去し、セキュリティチェック及びヘッダ復元(Header Decompression)を行ってPDCP SDUを復元して前記上位層に伝送する。前記上位層にPDCP SDUを伝送するときは順に伝送する。前記PDCP SDUが順序を外れて受信されると、受信バッファにおいて並び替えられた後、上位層に伝送される。ここで、ヘッダ復元は、ヘッダ復元機により行われる。
【0024】
経路(3):前記送信側PDCPエンティティは、HCフィードバックパケットをPDCP Data PDUにピギーバックする(例えば、前記HCフィードバックパケットは、前記PDCP Data PDUに付加されるか又は含まれて伝送される)。ここで、前記HCフィードバックパケットは、前記送信側PDCPエンティティと同位置(co-located)の受信側PDCPエンティティのヘッダ復元から情報を受信し、前記上位層から受信した前記PDCP SDUにヘッダ圧縮を行うときにこの情報を前記PDCP SDUにピギーバックしてパケットを生成する。その後、PDCP SDU及びピギーバックされたHCフィードバックパケットに対してセキュリティが行われ、前記PDCP SNやD/Cフィールドなどがヘッダに付加されてPDCP Data PDUが生成され、前記送信側PDCPエンティティから前記受信側PDCPエンティティに送信される。
【0025】
経路(7):前記受信側PDCPエンティティは、PDCP Data PDUを受信すると、まず前記ヘッダを除去し、前記セキュリティチェック及び前記ヘッダ復元を行って前記PDCP SDUを復元する。ここで、前記ピギーバックされたHCフィードバックパケットが存在する場合、これを抽出して同位置の送信側PDCPエンティティのヘッダ圧縮に伝送する。前記HCフィードバックパケットを受信すると、前記送信側PDCPエンティティのヘッダ圧縮は、前記フィードバック情報により次のパケットをフルヘッダ(full header)に伝送するか圧縮ヘッダに伝送するかを決定することができる。
【0026】
2.前記PDCPエンティティ内におけるPDCP状態報告のためのPDCP Control PDUの処理過程は、経路(2)及び(5)に関連する。以下、各経路について説明する。
【0027】
経路(2):前記受信側PDCPエンティティは、前記受信バッファをチェックして受信されていないPDCP SDUの再送信を送信側PDCPエンティティに要求する。ここで、前記受信バッファ状態は、PDCP状態報告として構成され、前記構成されたPDCP状態報告は、同位置の送信側PDCPエンティティにControl PDUの形態で送信される。一方、前記PDCP Control PDUのヘッダは、PDUがData PDUであるかControl PDUであるかを示すD/Cフィールド、及びControl PDUがPDCP状態報告を含むかHCフィードバックパケットを含むかを示すCPT PDU Typeフィールドなどを含む。
【0028】
経路(5):前記受信側PDCPエンティティは、前記PDCP状態報告(Status Report)を含むPDCP Control PDUを受信すると、前記受信したPDCP状態報告を同位置の送信側PDCPエンティティに伝送する。前記同位置の送信側PDCPエンティティは、前記PDCP状態報告に基づいて前記受信側PDCPエンティティにより受信されていない前記PDCP SDUを再送信する。
【0029】
3.前記PDCPエンティティ内におけるHCフィードバックのためのPDCP Control PDUの処理過程は、経路(4)及び(6)に関連する。以下、各経路について説明する。
【0030】
経路(4):前記送信側PDCPエンティティは、前記HCフィードバックパケットを前記PDCP Data PDUにピギーバックせずに、前記PDCP Control PDUに含めて独立して送信することができる。ここで、前記HCフィードバックパケットは、前記送信側PDCPと同位置の受信側PDCPエンティティのヘッダ復元から情報を受信する。前記HCフィードバックパケットは、D/Cフィールド及びCPTフィールドなどが前記ヘッダに加えられて前記PDCP Control PDUとして構成された後、ピアエンティティとしての受信側PDCPエンティティに送信される。
【0031】
経路(6):前記受信側PDCPエンティティは、前記HCフィードバックを含むPDCP Control PDUを受信すると、これを同位置の送信側PDCPエンティティのヘッダ圧縮に送信する。前記PDCP Control PDUを受信すると、前記送信側PDCPエンティティのヘッダ圧縮は、フィードバック情報によって次のパケットをフルヘッダに伝送するか圧縮ヘッダに伝送するかを決定することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0032】
前述したように、受信側PDCPエンティティは、PDCP状態報告を利用して、受信していないPDCP SDUの再送信を送信側PDCPエンティティに要求することができる。このために、PDCPエンティティは、適切な形態のPDCP Control PDUを構成して相手に送信しなければならないが、送信のために用いられるフォーマットのタイプは、まだ決定されていない。
【0033】
本発明の目的は、受信側PDCPエンティティがPDCP状態報告をピアエンティティとしての送信側PDCPエンティティに送信するために使用するPDCP Control PDUの形態を定義することにある。このために、本発明においては、PDCPエンティティが受信バッファの状況をビットマップ形式で通知する方法を提案する。
【0034】
このような目的を達成するために、本発明による移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法は、受信側PDCP層が送信側PDCP層に一連のデータに関する状態報告を送信する方法であって、前記受信側PDCP層がPDCP SDUである一連のデータの受信状態を判断する段階と、前記受信側PDCP層が前記送信側PDCP層に前記PDCP SDUに関する受信状態報告を送信する段階とを含み、前記受信状態報告は、前記PDCP SDUが正常に受信されたか否かを、前記PDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)情報を含むビットマップ形式で送信する。
【0035】
好ましくは、前記PDCP SDUに関する受信状態報告は、PDCP Control PDU形態で前記受信側PDCP層から前記送信側PDCP層に送信される。
【0036】
好ましくは、前記PDCP Control PDUは、BITMAPフィールドを含む。
【0037】
好ましくは、前記PDCP Control PDUは、LSN(Last Sequence Number)フィールド又はFSN(First Sequence Number)フィールドを含む。
【0038】
好ましくは、前記LSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示す。
【0039】
好ましくは、前記FSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最初のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示す。
【0040】
好ましくは、前記PDCP Control PDUは、長さ(LENGTH)フィールドを含み、前記LENGTHフィールドは、前記ビットマップの長さを示す情報を含む。
【0041】
好ましくは、前記BITMAPフィールドは、それぞれの前記PDCP SDUが正常に受信されているか否かを示すインジケータから構成される。
【0042】
好ましくは、それぞれの前記インジケータは、1ビットで構成され、前記1ビットが「0」又は「1」に設定されることにより該当PDCP SDUが正常に受信されているか否かを示す。
【0043】
また、このような目的を達成するために、本発明による移動通信システムにおける受信装置は、PDCP層を介して受信したPDCP SDUが正常に受信されているか否かを判断し、前記判断した前記PDCP SDUの受信成功又は受信失敗に関する情報をビットマップ形式で生成し、前記生成したビットマップ形式の情報をPDCP Control PDUに含めて送信する通信モジュールを含む。
【0044】
好ましくは、前記PDCP Control PDUは、LSNフィールド又はFSNフィールドを含み、ここで、前記LSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示し、前記FSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最初のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示す。
【0045】
好ましくは、前記PDCP Control PDUは、長さ(LENGTH)フィールドを含み、前記LENGTHフィールドは、前記ビットマップの長さを示す情報を含む。
【発明の効果】
【0046】
本発明は、PDCP層で受信されていないPDCP SDUを再送信できるようにPDCP状態報告を送信するとき、効果的に状態報告を構成することによりヘッダのサイズを縮小し、無線リソースの浪費を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の移動通信システムであるLTEシステムのネットワーク構造を示す図である。
【図2】3GPP無線アクセスネットワーク標準に準拠した端末とE−UTRAN間の無線インタフェースプロトコルの制御プレーン構造を示す図である。
【図3】3GPP無線アクセスネットワーク標準に準拠した端末とE−UTRAN間の無線インタフェースプロトコルのユーザプレーン構造を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態により、タイマーが満了して受信側が送信側に状態報告を送信する方法を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態により、タイマーが駆動されたPDUが受信されると駆動中のタイマーを停止する方法を示すブロック図である。
【図6】L2プロトコル構造と送信側によるデータの処理順序を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態によるPDCP状態報告のためのPDCP Control PDUのフォーマットを示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるPDCP状態報告のためのPDCP Control PDUのフォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、移動通信システムのLTEシステムに適用され、特に、UMTSから進化したE−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)に適用される。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の技術的思想が適用できる全ての通信システム及び通信プロトコルに適用できる。
【0049】
本発明は、多様な形態で実現することができ、多様な実施形態を有することができ、好ましい実施形態を添付図面に示して詳細に説明する。
【0050】
本発明は特定実施形態によって限定されるのではなく、むしろ請求の範囲に記載の本発明の思想や範囲内で広く解釈されるべきであり、本発明の請求の範囲内で行われるあらゆる変更及び変形、並びに請求の範囲の均等物は本発明の請求の範囲に含まれる。。
【0051】
第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は、前記用語により限定されるものではない。
【0052】
前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるだけである。例えば、本発明の権利範囲から外れない限り、第1構成要素を第2構成要素ということができ、同様に第2構成要素を第1構成要素ということもできる。「及び/又は」という用語は、複数の関連した記載項目の組み合わせ又は複数の関連した記載項目のいずれかの項目を含む。
【0053】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると言及されたときは、他の構成要素に直接連結又は接続されている可能性もあるが、その構成要素間にさらに他の構成要素が介在することもある。それに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか、「直接接続」されていると言及されたときには、その構成要素間にさらに他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0054】
本出願において使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明らかに異なる表現を使用しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0055】
他の定義がない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同様の意味を有する。一般に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上持つ意味と同じ意味を持つものと解釈されるべきであり、本出願において明らかに定義しない限り、過度に形式的な意味には解釈されない。
【0056】
本発明は、受信側PDCPエンティティがPDCP状態報告を利用してピアエンティティとしての送信側PDCPエンティティから受信されていないPDCP SDUの再送信を要求するとき、PDCP Control PDUの適したフォーマットが存在しないと認識している。
【0057】
このような点を考慮して、本発明の基本概念は、1)PDCPエンティティが受信バッファの状況をビットマップ形式で通知し、かつ2)前記ビットマップ形式でピアエンティティとしての送信側PDCPエンティティに通知するPDCP Control PDU構造を定義するというものである。3)すなわち、前記受信側PDCPエンティティは、それぞれのPDCP SDUの受信状態を1ビットで表現し、受信の成功は1に設定し、受信の失敗は0に設定する。4)特に、受信が成功したか否かは、PDCP PDUが正常に受信されているか否かにより判断するのではなく、PDCP SDUが受信されているか否かにより、すなわち、受信されたPDCP PDUに対して復号化(deciphering)及びヘッダ復元を行って得られたPDCP SDUがエラーを有していない場合に受信が成功したと判断する。
【0058】
本発明において使用される用語のうち、PDCP PDUのシーケンスナンバー(SN)とPDCP SDUのSNは区別される。以下、図6を参照してPDCP PDUとPDCP SDUの相違点、及び前記PDCP PDUのSNと前記PDCP SDUのSNの相違点について説明する。ただし、図6の内容は、本発明と同一出願人により出願された「大韓民国特許出願番号10−2008−0021112(2008年3月6日出願)(米国仮出願番号60/895720(2007年3月19日))」の明細書の図5に関する内容を引用したものである。一方、本発明の説明のために、前記出願における他の部分を引用することもできる。
【0059】
図6は、L2プロトコル構造及び送信側によるデータの処理順序を示す図である。
【0060】
図6は、LTEにおけるRLC及びPDCP層の送信側により上位層から受信されたデータを処理して送信する順序を示す。前記順序は次の通りである。
【0061】
本発明において使用される用語のうち、SDUとは、上位層から受信したデータをいい、PDUとは、上位層から受信されて処理された後に下位層に送信されるデータをいう。
【0062】
以下、図6を参照して、本発明の説明のために必要な用語、すなわち、前記PDCP PDUと前記PDCP SDUの相違点、及び前記PDCP PDUのSNと前記PDCP SDUのSNの相違点について説明する。
【0063】
S11:図6に示すように、前記PDCP層は、下位層に送信されるデータ(PDCP SDU)を上位層から受信する。また、前記PDCP層は、それぞれのPDCP SDUに仮想のSNを設定する。この場合、前記PDCP SDU SNは、前記それぞれのPDCP SDUを区別するために順に設定される。前記過程S11は、第1設定モジュールにより行われる。図6のS11で、前記SNが前記PDCP SDUに実際に付加されるのではなく、異なるSNにより区別される一種のポインタ(図示せず)によりそれぞれのPDCP SDUが管理される。このような理由で、過程S11における前記SNは仮想のSNと表される。さらに、図6のS11で、前記PDCP SDUの各SN(すなわち、仮想のSN)を点線で示した。
【0064】
S12:前記PDCP層は、前記それぞれのPDCP SDUをPDCP SDUバッファに保存する。これは、ハンドオーバー中にソース基地局(Source NodeB)がターゲット基地局(Target NodeB)に端末により受信が確認されていないPDCP SDUを送信するためである。
【0065】
ハンドオーバー中に前記PDCP SDUが送信又は再送信されるとき、前記RLC層又は前記PDCP層の状態報告により、受信側が正常に受信していないPDCP SDUのみが送信又は再送信される。これを選択的送信/再送信(Selective forwarding/retransmission)という。前記過程S12は、前記PDCP SDUバッファにより行われる。2回の仮想SN設定過程及び3回のSDUバッファリングは、同時に行われてもよい。前記PDCP層が選択的送信/再送信をサポートしない場合、前記PDCP SDUバッファは提供されないこともある。
【0066】
S13:ヘッダ圧縮機(又は、ヘッダ圧縮モジュールという)は、前記PDCP SDUに対してヘッダ圧縮を順に行う。この場合、前記ヘッダ圧縮機は、前記PDCP SDUとは関係のないヘッダ圧縮フィードバックパケットやPDCP STATUS PDUなどを自ら生成することができる。
【0067】
S14:前記PDCP層は、ヘッダ圧縮されたPDCP SDUを順に暗号化(Ciphering)する。この場合、前記PDCP層は、前記PDCP SDUをバッファに保存するときに設定された仮想のPDCP SNを利用して暗号化を行う。すなわち、前記PDCP SNは、暗号化アルゴリズムにおいて入力パラメータとして作用して各SDUに異なる暗号化マスクが生成されるようにする役割を果たす。前記過程S14は、前記暗号化モジュールにより行われる。前記PDCP層は、前記暗号化動作以外にも、完全性保護(Integrity Protection)機能を含むセキュリティ機能を行う。さらに、前記完全性保護の場合、前記PDCP SDUは、仮想のPDCP SNを利用して完全性が保護される。前記PDCP層は、前記PDCP層により独自に生成されるパケットを含み、前記パケットは、ヘッダ圧縮機により独自に生成されたフィードバックパケットや前記PDCP層により独自に生成されたPDCP STATUS PDUなどである。前記フィードバックパケット又は、前記PDCP STATUS PDUなどは、それらに対応するPDCP SDU又は設定された仮想のPDCP SNがないため、暗号化されない。
【0068】
S15:前記過程(S13及びS14)によりヘッダ圧縮されて暗号化されたそれぞれのPDCP SDUに対応する仮想のPDCP SN(すなわち、S11で設定されたSN)をPDCP PDUヘッダに付加することによりPDCP PDUを構成する。すなわち、前記PDCP PDUが前記RLC層に送信されるとき、過程S11で設定された前記仮想のPDCP SNが実際にPDCP SNとしてそれぞれのSDUに付加される。前記過程S15は、第2設定モジュールにより行われる。
【0069】
この場合、前記ヘッダ圧縮機により独自に生成されたフィードバックパケット又は前記PDCP層により独自に生成されたPDCP STATUS PDUなどに対して設定された仮想のPDCP SNがないので、前記フィードバックパケット又は前記PDCP STATUS PDUは、前記PDCP SNなしに単独でPDCP PDUを構成する。また、前記PDCP層は、前記構成されたPDCP PDUを下位のRLC層に伝送する。
【0070】
S16:前記RLC層は、前記PDCP層から前記RLC SDU、すなわち、前記PDCP PDUを受信すると、これを前記RLC SDUバッファに保存する。これは、前記RLC層のPDUサイズを柔軟にサポートするためである。
【0071】
S17:前記RLC層は、前記RLC SDUを前記SDUバッファに保存し、前記下位のMAC層が毎送信時に送信を要求すると、前記RLC層は前記要求されたサイズに合わせて必要なだけの前記RLC SDUを分割及び/又は連結する。前記過程S17は、分割/連結モジュールにより行われる。
【0072】
S18:前記RLC層は、分割及び/又は連結されたデータブロックに順にRLC SNを付加する。この場合、前記RLC層は、前記RLC SDUに関係なくRLC制御PDUを独自に生成することができる。前記RLC SNが付加されたデータブロック又は前記RLC SNのないRLC制御PDUは、RLC PDUを構成する。前記過程S18は、第3設定モジュールにより行われる。
【0073】
S19:前記AM RLC層は、再送信をサポートするため、前記構成されたRLC PDUを前記RLC PDUバッファに保存する。これは、後に必要になる可能性のある再送信のためである。
【0074】
過程S11及びS15における前記PDCD SNと過程S18における前記RLC SNは、前述したように、その性質が異なる。すなわち、前記PDCS SNは、前記PDCP層において暗号化のために使用され、究極的に前記受信側により受信が確認されていない前記PDCPデータのみの送信又は再送信のために使用される。それに対して、前記RLC SNは、前記RNC層で使用され、前記PDCP SNとは用途が異なる。すなわち、本発明において、前記SDUが前記上位層から前記PDCP層により受信されるとき、前記PDCP SNは前記SDUに付けられ、前記PDCP SNが付けられたSDUが前記RLC層に伝送されるとき、前記RLC SNがさらに付けられる。
【0075】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。添付図面において同一又は類似する構成要素には同一の参照番号を付し、これについての同じ説明は省略する。
【0076】
本発明は、前記受信側PDCPエンティティが前記PDCP状態報告をピアエンティティとしての送信側PDCPエンティティに送信するために使用するPDCP Control PDUのフォーマットを定義する。このために、本発明は、前記PDCPエンティティが受信バッファの状態をビットマップ形式で通知する方法を提案する。
【0077】
以下、PDCP状態報告に対応するPDCP Control PDUにおけるビットマップのフォーマット(又は、構成)について説明する。前記ビットマップは、少なくとも1ビットで構成される。また、前記ビットマップのそれぞれのビットは、前記PDCP SDUが正常に受信されているか否か、すなわち、受信状態報告に関する情報を含む。
【0078】
すなわち、前記受信側PDCPエンティティは、それぞれのPDCP SDUの受信状態を1ビットで表現し、受信成功は「1」に設定し、受信失敗は「0」に設定する。ここで、受信が成功したか否かは、前記PDCP PDUが正常に受信されているか否かにより判断されるのではなく、前記PDCP SDUが正常に受信されているか否かにより、すなわち、前記受信されたPDCP PDUに復号化及びヘッダ復元を行って得られた前記PDCP SDUがエラーを有していない場合にPDCP SDUの受信が成功したと判断する。すなわち、前記PDCP状態報告のビットマップの各ビットは、1つのPDCP SDUの受信成功を通知する一種のインジケータの役割を果たす。
【0079】
ビットマップで特定ビット(これは、前記特定SNを有する前記PDCP SDUの受信が成功したか否かを示す)を基準に隣接するビットは、隣接するシーケンスナンバーを有する前記PDCP SDUが正常に受信されているか否かに関する情報を含む。従って、全てのビットマップは、特定範囲内のシーケンスナンバーを有する全てのPDCP SDUの受信状態(すなわち、受信成功又は受信失敗)を示す状態報告である。
【0080】
しかしながら、各PDCP SDUの正確なシーケンスナンバーは、ビットマップのみでは認知できない。この正確なシーケンスナンバーを通知するために、前記ビットマップの最初又は最後のSDUに対応するシーケンスナンバーをPDCP Control PDUに付加して送信する。すなわち、前記受信側PDCPエンティティが前記PDCP Control PDUによりPDCP SDUの受信状態をビットマップ形式で前記送信側PDCPエンティティに送信する場合、ピアエンティティとしての前記送信側PDCPエンティティは、ビットマップのみでは前記受信されたPDCP Control PDUから前記PDCP SDUが正常に受信されているか否かを判断することができない。従って、前記ビットマップの各ビットが前記PDCP SDUを示しているか否かを通知する情報が必要である。これを通知するために、前記ビットマップの最初又は最後のビットにより示される前記PDCP SDUのSN情報が前記PDCP Control PDUに含まれなければならない。このような前記PDCP SDUのSN情報は、前記ビットマップの最初のビットに対応するPDCP SDUのSN(図8の「FSN」)又は最後のビットに対応するPDCP SDUのSNである(図7の「LSN」)。
【0081】
さらに、前記ビットマップの長さを通知する必要がある場合、前記長さを示すLengthフィールドも必要である。
【0082】
以下、本発明によるPDCP状態報告のためのPDCP Control PDUのフォーマットについて図7及び図8を参照して説明する。
【0083】
図7は、本発明の第1実施形態によるPDCP状態報告のためのPDCP Control PDUのフォーマットを示す図である。ここで、図7は、「LSN」フィールドを含む実施形態を示す。
【0084】
図7のPDCP Control PDUのフォーマットは、D/Cフィールド及びControl PDU Typeフィールド以外にも、LENGTHフィールド、LSNフィールド、及びBITMAPフィールドを含む。ここで、前記LENGTHフィールドは、オプションフィールドであり、前記PDCP Control PDUに含まれることもあり、含まれないこともある。
【0085】
前記LENGTHフィールドは、前記ビットマップの長さが通知されるべきときに前記PDCP Control PDUに付加される。前記ビットマップの長さが固定されている場合、又は、前記PDCP Control PDUの長さから前記ビットマップの長さが得られる場合のように、前記ビットマップの長さを通知する必要がなければ、前記LENGTHフィールドは必要ない。
【0086】
前記BITMAPフィールドは、前記受信側PDCPエンティティにより前記送信側PDCPから受信されて処理されたPDCP SDUがエラーなしに正常に受信されているか否かを示す各PDCP SDUの受信状態情報を含む。ここで、各ビットマップに対応するそれぞれのPDCP SDUのシーケンスナンバーを正確に通知するために前記ビットマップの最初又は最後のPDCP SDUのSNを追加しなければならない。図7においては、前記最後のPDCP SDUのSN(すなわち、LSN)が付加される。また、図7は、前記ビットマップの長さを通知する必要がある場合のPDCP Control PDUのフォーマットを示す。
【0087】
以下、図7における前記LSN及び前記ビットマップの設定方法について説明する。
【0088】
− D/C:該当PDCP PDUがData PDUであるかControl PDUであるかを示すフィールドである。
【0089】
− Control PDU Type:該当制御情報のタイプを示すフィールド、例えば、前記該当制御情報が状態報告であるかHCフィードバック情報であるかを示す。
【0090】
− LSNフィールド:前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのSNの値を含む。前記受信側PDCPエンティティにより最後に受信されたか、又は、受信に失敗したPDCP SDUのSN値である。すなわち、最後のビットに対応する前記PDCP SDUのSNを用いて前記BITMAPフィールドの各ビットが示すPDCP SDUのSNを把握することができる。これは、前記ビットマップの各ビットが一連のPDCP SDUの受信状態を示すためである。従って、前記最後のビット、すなわち、前記LSNは、前記ビットマップの最後のビット(最下位ビット)が示す前記PDCP SDUのSNであるので、前記最後のビットの下位ビットが示す該当PDCP SDUの各SNを認知することができる。このビットマップフォーマットを用いると、前記PDCP状態報告のためのPDCP Control PDUのサイズを小さくすることができ、さらに、無線リソースの効率を向上させることができる。
【0091】
− BITMAPフィールド:ピアエンティティとしての前記送信側PDCPエンティティから受信された前記PDCP SDUの受信状態報告(情報)を含む。前記PDCP SDUの各受信状態を含むBITMAPフィールドにおいて、ターゲットPDCP SDUのSNは、「LSN−LENGTH*8+1」と「LSN」間の[LSN−LENGTH*8+1,LSN]である。各ビットマップの各ビットは、各ビットが示す前記PDCP SDUが正常に受信されているか否かに関する受信状態情報(すなわち、PDCP状態報告)を有する。例えば、LSN値が「100」であり、LENGTH値が「5」である場合、前記受信状態報告のターゲットであるPDCP SDUのSNの範囲は「61」〜「100」である。
【0092】
前記ビットマップにあるそれぞれのbit_positionは1〜LENGTH*8であり、例えば、前記LENGTHが「5」である場合、各bit_positionは「1」〜「40」になる。すなわち、ビットマップにあるビットの数は40個である。言い換えると、該当PDCP SDUの受信状態報告(受信成功又は受信失敗)のターゲットになるPDCP SDUの数が40個である。各bit_positionの解析方法は、次の通りである。
【0093】
◆ 1:PDCP Sequence Number=(LSN−LENGTH*8+bit_position)であるPDCP SDUの受信成功。
【0094】
◆ 0:PDCP Sequence Number=(LSN−LENGTH*8+bit_position)であるPDCP SDUの受信失敗。
【0095】
一方、前記LENGTHが「0」である場合は、前記BITMAPフィールドは存在しない。この場合、全てのPDCP SDUが正常に受信されていることを考慮すると、前記LSNのみが含まれる。
【0096】
図8は、本発明の第2実施形態によるPDCP状態報告のためのPDCP Control PDUのフォーマットを示す。ここで、図8は、「FSN」フィールドを含む実施形態を示す。以下、図8の実施形態については、図7の実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0097】
図7と比較すると、図8の実施形態は、PDCP SDUの正確なシーケンスナンバーを通知するために前記LSNの代わりにFSNを使用する。このFSNは、ビットマップの最初のビットが示すターゲットPDCP SDUのSNに対応する。すなわち、前記ビットマップの最初のビットは、前記FSNが示す前記PDCP SDUの受信状態報告に関する情報を有する。
【0098】
さらに、図7と同様に、前記ビットマップの長さが固定されている場合、又は、前記ビットマップの長さが前記PDCP Control PDUの長さから得られる場合のように、前記ビットマップの長さを通知する必要がなければ、前記LENGTHフィールドは必要ない。
【0099】
前記LSNの代わりに前記FSNを使用して前記FSN及びビットマップを設定する方法は、図7とは少し異なる点がある。
【0100】
− FSNフィールド:
前記FSNフィールドの値は、前記BITMAPフィールドの最初のビットに対応するPDCP SDUのSNを示す。
【0101】
前記FSNフィールドの値は、前記受信側PDCPエンティティが前記送信側PDCPエンティティから受信したPDCP SDUのうち受信していない最初のPDCP SDUのSNに対応する。
【0102】
− BITMAP:
ピアエンティティとしての送信側PDCPエンティティから受信した前記PDCP SDUの受信状態報告(情報)を含む。
【0103】
前記BITMAPの範囲は、PDCP SDUのSNが[FSN,FSN+LENGTH*8−1]間にあることを示し、受信の成功又は失敗に関する情報を含む。
【0104】
前記PDCP SDUの各受信状態を有する前記BITMAPフィールドにおいて、ターゲットPDCP SDUのSNは、「FSN」と「FSN+LENGTH*8−1」間のものである。前記ビットマップの各ビットは、その各ビットが示すPDCP SDUが正常に受信されているか否かに関する受信状態情報(すなわち、PDCP状態報告)を有する。例えば、FSN値が「100」であり、LENGTH値が「5」である場合、受信状態報告のターゲットになるPDCP SDUのSNの範囲は「100」〜「139」になる。
【0105】
前記ビットマップにおけるそれぞれのbit_positionは、1〜LENGTH*8であり、例えば、LENGTHが「5」である場合、bit_positionは「1」〜「40」になる。すなわち、前記ビットマップにおけるビットの数は40個である。言い換えると、該当PDCP SDUの受信状態報告(受信成功又は受信失敗)のターゲットになるPDCP SDUの数が40個である。
【0106】
各bit_positionの解析方法は、次の通りである。
【0107】
◆ 1:PDCP Sequence Number=(FSN+bit_position−1)であるPDCP SDUの受信成功。
【0108】
◆ 0:PDCP Sequence Number=(FSN+bit_position−1)であるPDCP SDUの受信失敗。
【0109】
前記LENGTHが「0」である場合、前記BITMAPフィールドは存在しない。この場合、全てのPDCP SDUが正常に受信されていることを考慮すると、前記FSNのみが含まれる。
【0110】
図7及び図8の実施形態は、前記受信側PDCPエンティティがピアエンティティとしての前記送信側PDCPエンティティから受信した一連のデータ(すなわち、PDCP SDU)に関する受信状態情報(すなわち、PDCP状態報告)のPDCP Control PDUのフォーマットについて説明している。
【0111】
以下、このような一連のデータ(すなわち、PDCP SDU)に関する受信状態情報(すなわち、PDCP状態報告)のPDCP Control PDUを送信する方法を整理する。
【0112】
前記受信側PDCPエンティティは、前記送信側PDCPエンティティから受信したPDCP PDUを復号化及びヘッダ復元してPDCP SDUを取得した後、それぞれの前記PDCP SDUがエラーを有しているか否かを確認して各PDCP SDUの受信成功又は受信失敗を判断する。
【0113】
前記受信側PDCPエンティティは、各PDCP SDUの受信状態(すなわち、受信成功又は受信失敗)を示す各インジケータ(ビットマップの各ビット)を前記BITMAPフィールドに加える。
【0114】
前記受信側PDCPエンティティは、前記BITMAPフィールドを含むPDCP Control PDUを構成し、前記構成されたPDCP Control PDUを前記送信側PDCPエンティティに送信する。
【0115】
一方、前記PDCP Control PDUは、前記BITMAPフィールドのサイズを示すLENGTHフィールドを含む。
【0116】
さらに、前記PDCP Control PDUは、LSNフィールド又はFSNフィールドを含む。ここで、前記LSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのSN情報を有する。前記FSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最初のビット(最上位ビット)に対応するPDCP SDUのSN情報を有する。このように、本発明は、前記LSNフィールド及び前記FSNフィールドを利用するため、前記BITMAPフィールドの全てのbit_positionに対する該当PDCP SDUのSNを有する必要がなく、前記PDCP Control PDUのサイズを小さくすると共に、リソースの効率を向上させる。
【0117】
以下、本発明による送信機(送信装置)及び受信機(受信装置)について説明する。
【0118】
本発明による受信機(受信装置)は、図7及び図8の実施形態を実現できるハードウェア、ソフトウェア、ソフトウェアを含むモジュールなどから構成された装置である。
【0119】
本発明による前記装置は、エンティティと言え、本発明による前記装置は、端末とも言える。
【0120】
本発明による受信機は、図7及び図8で説明した機能を実行できる通信モジュールを含む。
【0121】
すなわち、PDCP層を介して受信した順次的なPDCP SDUのそれぞれに対して受信成功又は受信失敗を判断し、前記判断された結果に関する状態報告をビットマップ形式で生成し、前記生成したビットマップ形式の状態報告を含むPDCP Control PDUを送信する通信モジュールが提供される。
【0122】
前記PDCP Control PDUは、前記LSNフィールド又は前記FSNフィールドを含む。ここで、前記LSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示し、前記FSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最初のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示す。
【0123】
本発明による送信機(送信装置)は、図7及び図8で説明した機能を実行できる通信モジュールを含む。ここで、この通信モジュールの機能は、図7及び図8で既に説明したので、その詳細な説明を省略する。
【0124】
前述したように、本発明による受信機及び送信機は、前述した構成要素以外に本発明の技術的思想を実現するために必要なソフトウェア及びハードウェア、例えば、出力装置(ディスプレイ、スピーカなど)、入力装置(キーパッド、マイクなど)、メモリ、マイクロプロセッサ、送受信部(RFモジュール、アンテナなど)を基本的に含む。このような構成要素に関する詳細な説明は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであるため、省略する。
【0125】
前述した方法は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせで実現することができる。例えば、前述した本発明による方法は、記憶媒体(例えば、端末機の内部メモリ、フラッシュメモリ、ハードディスクなど)に格納することができ、プロセッサ(例えば、移動端末機内部のマイクロプロセッサ)により実行することができるソフトウェアプログラム内のコード又はコマンドで実現することもできる。
【0126】
本発明の思想や範囲から外れない限り、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば多様な代案、変更、変形が可能であることを理解できるであろう。従って、本発明の請求の範囲及びその均等物の範囲内で行われる変更及び変形は本発明の請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信側パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層が送信側PDCP層に一連のデータに関する状態報告を送信する方法であって、
前記受信側PDCP層がPDCP SDU(Service Data Unit)である一連のデータの受信状態を判断する段階と、
前記受信側PDCP層が前記送信側PDCP層に前記PDCP SDUに関する受信状態報告を送信する段階とを含み、
前記受信状態報告は、前記PDCP SDUが正常に受信されたか否かを、前記PDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)情報を含むビットマップ形式で送信することを特徴とする移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項2】
前記一連のデータの受信状態報告は、
PDCP Control PDU(Protocol Data Unit)形態で前記受信側PDCP層から前記送信側PDCP層に送信されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項3】
前記PDCP Control PDUは、
BITMAPフィールドを含むことを特徴とする請求項2に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項4】
前記PDCP Control PDUは、
LSN(Last Sequence Number)フィールド又はFSN(First Sequence Number)フィールドを含むことを特徴とする請求項2に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項5】
前記LSNフィールドは、
前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示すことを特徴とする請求項4に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項6】
前記FSNフィールドは、
前記BITMAPフィールドの最初のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示すことを特徴とする請求項4に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項7】
前記PDCP Control PDUは、長さ(LENGTH)フィールドを含み、前記LENGTHフィールドは、前記ビットマップの長さを示す情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項8】
前記BITMAPフィールドは、
それぞれの前記PDCP SDUが正常に受信されているか否かを示すインジケータから構成されることを特徴とする請求項3に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項9】
それぞれの前記インジケータは、1ビットで構成され、前記1ビットが「0」又は「1」に設定されることにより該当PDCP SDUが正常に受信されているか否かを示すことを特徴とする請求項8に記載の移動通信システムにおけるPDCP層の状態報告の送信方法。
【請求項10】
パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)層を介して受信したPDCP SDUが正常に受信されているか否かを判断し、前記判断した前記PDCP SDUの受信成功又は受信失敗に関する情報をビットマップ形式で生成し、前記生成したビットマップ形式の情報をPDCP Control PDUに含めて送信する通信モジュールを含むことを特徴とする移動通信システムにおける受信装置。
【請求項11】
前記PDCP Control PDUは、
LSN(Last Sequence Number)フィールド又はFSN(First Sequence Number)フィールドを含み、
ここで、前記LSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最後のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示し、前記FSNフィールドは、前記BITMAPフィールドの最初のビットに対応するPDCP SDUのシーケンスナンバー(SN)を示すことを特徴とする請求項10に記載の移動通信システムにおける受信装置。
【請求項12】
前記PDCP Control PDUは、長さ(LENGTH)フィールドを含み、前記LENGTHフィールドは、前記ビットマップの長さを示す情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の移動通信システムにおける受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−519880(P2010−519880A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551959(P2009−551959)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005345
【国際公開番号】WO2009/035262
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】