説明

移動通信端末機のPDPコンテキスト設定及び解除方法

【課題】PDPコンテキストを要求するメッセージを再送信する回数によってPDPコンテキストを要求するメッセージに対する予め決定された応答時間を調節することにより、PDPコンテキストを効率的に設定又は解除し得るGPRSネットワークにおける移動通信端末機のPDPコンテキスト設定及び解除方法を提供する。
【解決手段】移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法は、活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、前記調節された予め決定された応答時間を有する前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末機に関し、特に、パケットデータプロトコル(以下、PDPと称する)コンテキストを効率的に設定又は解除し得る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定及び解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、移動通信端末機は基地局により形成されるサービスエリア内で移動中に、MSC(Mobile Switching Center)のスイッチング制御によりいつでもどこでも直ちに無線呼び出し及び無線接続することにより相手と通信できる装置である。
【0003】
最近、移動通信端末機は、音声通信だけでなく記号、数字、文字などからなるデータの通信及び映像信号が含まれたマルチメディアの通信も可能である。このように、音声のみを交換する通信方式を超えて移動通信技術が急速に発展しているが、特に、データネットワークを無線通信ネットワークに拡張させるために、GPRS(General Packet Radio Service)という概念が提案された。
【0004】
前記GPRSは、無線通信システムを介して送受信される情報に非音性情報を追加し得るため、GPRSネットワークと既存のインターネット間の接続を可能にし、それにより、前記移動通信端末機は、一般的に有線インターネットネットワークで広く使用されるFTP(File Transfer Protocol)、ウェブブラウジング、テルネット(Telnet)などのサービス使用が可能である。このような一般のGPRSネットワークの概念的な構造を図3に基づいて説明する。
【0005】
図3は、一般のGPRSネットワークの概念的な構造を示す図である。
【0006】
図3に示すように、一般のGPRSネットワークは基地局制御機(BSC)20を介してサービスエリア内の移動通信端末機10にパケットを転送するためのSGSN(Serving GPRS Support Node)30と、該SGSN30と外部のパケットデータネットワークであるインターネット50の論理的インタフェースを担当し、ルーティング情報を管理するGGSN(Gateway GPRS Support Node)40とを含む。
【0007】
このように構成された一般のGPRSネットワークにおいて移動通信端末機のPDPコンテキストを設定又は解除する方法を簡略に説明する。
【0008】
まず、移動通信端末機10は、活性化PDPコンテキストを要求するメッセージをSGSN30に送信し、該SGSN30から通常30秒の予め決定された応答時間以内に活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かをを確認する。
【0009】
移動通信端末機10は、前記予め決定された応答時間が経過していない場合、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認し、前記予め決定された応答時間が経過した場合、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを再送信する。ここで、移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを最大5回まで再送信する。
【0010】
従って、移動通信端末機10は、前記PDPコンテキストを設定するための活性化PDPコンテキストを要求するメッセージに対する応答メッセージとして、活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが前記予め決定された応答時間以内に受信された場合、前記PDPコンテキストをSGSN30に設定し、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが予め決定された応答時間以内に受信されなかった場合、最大5回まで前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージをSGSN30に再送信する。
【0011】
一方、移動通信端末機10は、非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージをSGSN30に送信し、該SGSN30から非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを通常30秒の予め決定された応答時間以内に受信することにより、前記PDPコンテキストを設定する方法と同様な方式で、前記設定されたPDPコンテキストを解除する。
【0012】
しかしながら、従来の移動通信端末機のPDPコンテキストの設定及び解除方法は、予め決定された所定応答時間以内にPDPコンテキストを承認するメッセージが受信されなかった場合、予め決定された送信回数までPDPコンテキストを要求するメッセージを再送信するため、PDPコンテキストが設定又は解除されないときは、最大2分30秒という多くの時間がかかるので、非効率的であるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、PDPコンテキストを要求するメッセージを再送信する回数によってPDPコンテキストを要求するメッセージに対する予め決定された応答時間を調節することにより、PDPコンテキストを効率的に設定又は解除し得るGPRSネットワークにおける移動通信端末機のPDPコンテキスト設定及び解除方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するために、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法は、活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、前記調節された予め決定された応答時間を有する前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、このような目的を達成するために、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法は、非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、前記調節された予め決定された応答時間を有する前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明により、以下が提供される:
項目1.
活性化パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、
前記調節された予め決定された応答時間を有する前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、
前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを判断し、前記判断結果に基づいて、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階と
を含むことを特徴とする移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0017】
項目2.
前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信された場合、PDPコンテキストを設定する段階をさらに含むことを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0018】
項目3.
前記予め決定された応答時間を調節する段階は、
活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ないか否かを確認する段階と、
前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ない場合、前記送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階とを含むことを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0019】
項目4.
前記予め決定された送信回数は、
5回以下であることを特徴とする項目3に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0020】
項目5.
前記予め決定された応答時間は、
前記送信回数が増加するほど予め決定された値だけ減少することを特徴とする項目4に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0021】
項目6.
前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階は、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間をカウントする段階を含むことを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0022】
項目7.
前記応答時間は、
前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する時点から前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信する時点までであることを特徴とする項目6に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0023】
項目8.
前記確認する段階は、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを判断する段階と、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含むことを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0024】
項目9.
前記判断する段階は、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間を超過すると、前記調節する段階をさらに含むことを特徴とする項目8に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0025】
項目10.
前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されなかった場合、前記判断する段階をさらに含むことを特徴とする項目8に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0026】
項目11.
前記移動通信端末機は、
携帯電話端末、携帯情報端末(PDA)、ノートブックコンピュータのいずれか1つであることを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【0027】
項目12.
非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、
前記調節された予め決定された応答時間を有する前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、
前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階と
を含むことを特徴とする移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0028】
項目13.
前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信した場合、PDPコンテキストを解除する段階をさらに含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0029】
項目14.
前記調節する段階は、
非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ないか否かを確認する段階と、
前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ない場合、前記送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階とを含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0030】
項目15.
前記予め決定された送信回数は、
5回以下であることを特徴とする項目14に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0031】
項目16.
前記予め決定された応答時間は、
前記送信回数が増加するほど予め決定された値だけ減少することを特徴とする項目14に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0032】
項目17.
前記送信する段階は、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間をカウントする段階を含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0033】
項目18.
前記応答時間は、
前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する時点から前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信する時点までであることを特徴とする項目17に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0034】
項目19.
前記確認する段階は、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを判断する段階と、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0035】
項目20.
前記判断する段階は、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間を超過すると、前記調節する段階を行うことを特徴とする項目19に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0036】
項目21.
前記確認する段階は、
前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されなかった場合、前記判断する段階を行うことを特徴とする項目19に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0037】
項目22.
前記移動通信端末機は、
携帯電話端末、携帯情報端末、ノートブックコンピュータのいずれか1つであることを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【0038】
項目23.
PDPコンテキストの設定又は解除要求を送信するそれぞれの機会に関連した適切な承認待機時間を与える段階と、
前記PDPコンテキストの設定又は解除要求の送信を1回又は数回行い、各送信機会に与えられた承認待機時間内に要求に対する承認が受けられたか否かを確認する段階と、
前記PDPコンテキストの設定又は解除要求に対する承認が受けられた場合、PDPコンテキストを設定又は解除する段階と
を含むことを特徴とするPDPコンテキスト処理方法。
【0039】
項目24.
通信環境や他の要素によって適切な承認待機時間を与えることを特徴とする項目23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【0040】
項目25.
最初の送信を行う前に、1つ又はそれ以上の適切な承認待機時間を与えることを特徴とする項目23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【0041】
項目26.
適合切な承認待機時間を、各送信機会に送信を行う度に決定することを特徴とする項目23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【0042】
項目27.
最初の送信時の承認待機時間が後の送信の時の承認待機時間より長いことを特徴とする項目23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定及び解除方法は、PDPコンテキストを要求するメッセージを再送信する回数によってPDPコンテキストを要求するメッセージに対する予め決定された応答時間を調節するので、PDPコンテキストを効率的に設定又は解除し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、PDPコンテキストを要求するメッセージの再送信回数によってPDPコンテキストを要求するメッセージに対する予め決定された応答時間を調節することにより、PDPコンテキストを効率的に設定又は解除し得る、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキストの設定及び解除方法の好ましい実施形態を添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】
本発明の発明者らは、PDPコンテキストの設定(又は解除)の承認を受けるために待機する一定の時間(通常5秒)が、ある状況では不要かつ不利であるということを認識した。従って、発明者らは、PDPコンテキスト送信に対する適切な1つ又はそれ以上の時間を状況に応じて調節する特別な方法を開発し、それにより、通信環境の条件及び/又は他の要素によってn回目の送信に対して独立した時間(すなわち、待機時間)を有するようになった。
【0046】
図1は、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法を示す図である。
【0047】
図1に示すように、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法は、活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ないか否かを確認する段階(S21)と、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ない場合、前記送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階(S22)と、前記調節された予め決定された応答時間を有する活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階(S23)と、前記送信されたメッセージの応答時間が前記調節された予め決定された応答時間以内であるか否かを判断する段階(S24)と、前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階(S25)と、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信された場合、前記活性化PDPコンテキストを設定する段階(S26)とを含む。
【0048】
以下、このような本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキストを設定する方法を詳細に説明する。
【0049】
まず、移動通信端末機10は、前記送信する活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数以内であるか否かを確認する(S21)。移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が前記予め決定された回数以内である場合、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節し、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が前記予め決定された送信回数を超過した場合、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信を終了する。ここで、前記応答時間は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する時点から前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信する時点までの時間である。
【0050】
移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する(S22)。すなわち、移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数に対応する予め決定された応答時間を決定することにより、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって前記予め決定された応答時間を調節する。
【0051】
例えば、移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの最大送信回数を5回に決定すると、前記活性化PDPコンテキストを要求する第1メッセージの応答時間を従来技術と同様に30秒に決定した後、前記活性化PDPコンテキストを再要求する第2メッセージの応答時間を20秒、第3メッセージの応答時間を10秒、第4メッセージの応答時間を5秒、第5メッセージの応答時間を5秒に予め決定することにより、再送信される活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間を前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって異なる時間に調節し得る。
【0052】
前記調節された予め決定された応答時間を有する移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージをSGSN30に送信した後、前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間をカウンターによりカウントする(S23)。すなわち、移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する度に前記カウンターを初期化して駆動することにより、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間を毎回カウントする。
【0053】
これにより、移動通信端末機10は、前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージに対する応答メッセージとして、活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが前記予め決定された応答時間以内に受信されたか否かを判断し得る。
【0054】
移動通信端末機10は、前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間、すなわち、前記カウントされた応答時間が前記予め決定された時間以内であるか否かを判断する(S24)。移動通信端末機10は、前記カウントされた応答時間が前記予め決定された時間以内である場合、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認し、前記カウントされた応答時間が前記予め決定された時間を超過した場合、前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを再送信する。
【0055】
その後、移動通信端末機10は、SGSN30から活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する(S25)。移動通信端末機10は、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信された場合、SGSN30との前記PDPコンテキストを設定し、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されなかった場合、前記カウントされた応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを再び判断する。
【0056】
このように、移動通信端末機10は、前記PDPコンテキストを設定する(S26)。前記設定されたPDPコンテキストによりGPRSネットワークと既存のインターネット50とが接続されるため、移動通信端末機10は、無線通信ネットワークで自由にデータ通信を行うことができる。
【0057】
一方、前記PDPコンテキストが設定されている間に、移動通信端末機10が、非活性PDPコンテキストを要求するメッセージをSGSN30に送信し、該SGSN30から非活性PDPコンテキストを承認するメッセージを受信すると、前記設定されたPDPコンテキストを解除する。
【0058】
このような本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法を図2に基づいて説明する。
【0059】
図2は、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法を示す図である。
【0060】
図2に示すように、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法に関する説明は、本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法における説明と同様であるため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0061】
ただし、移動通信端末機10は、前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの最大送信回数に対応する予め決定された応答時間を決定することにより、前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を異なる時間に調節する。
【0062】
例えば、移動通信端末機10は、前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの最大送信回数を5回に決定すると、前記非活性化PDPコンテキストを要求する第1メッセージの応答時間を従来と同様に8秒に決定した後、前記非活性化PDPコンテキストを再要求する第2メッセージの応答時間を5秒、第3メッセージの応答時間を5秒、第4メッセージの応答時間を3秒、第5メッセージの応答時間を3秒に予め決定することにより、再送信される非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間を前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって異なる値に調節し得る。
【0063】
ここで、それぞれの後の再送信に対する応答時間の特定時間は、通信環境又は他の要素により変更可能である。
【0064】
本発明は、PDPコンテキストの設定又は解除要求を送信するそれぞれの機会に関連した適切な承認待機時間を状況に応じて与える段階と、前記PDPコンテキストの設定又は解除要求送信を1回又は数回行い、各送信機会に与えられた承認待機時間内に要求に対する承認が受けられたか否かを確認する段階と、前記PDPコンテキストの設定又は解除要求に対する承認が受けられた場合、PDPコンテキストを設定又は解除する段階とを含むことを特徴とするPDPコンテキストを処理する方法を提供する。
【0065】
ここで、通信環境や他の要素によって適切な承認待機時間を与えることができ、最初の送信を行う前に、1つ又はそれ以上の適切な承認待機時間を与えることができる。さらに、適切な承認待機時間を各送信機会に送信を行う度に決定することができ、最初の送信時の承認待機時間が後の送信時の承認待機時間より長いこともある。
【0066】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法を示す図である。
【図2】本発明に係る移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法を示す図である。
【図3】一般のGPRSネットワークの概念的な構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、
前記調節された予め決定された応答時間を有する前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、
前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを判断し、前記判断結果に基づいて、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階と
を含むことを特徴とする移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項2】
前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信された場合、PDPコンテキストを設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項3】
前記予め決定された応答時間を調節する段階は、
活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ないか否かを確認する段階と、
前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ない場合、前記送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項4】
前記予め決定された送信回数は、
5回以下であることを特徴とする請求項3に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項5】
前記予め決定された応答時間は、
前記送信回数が増加するほど予め決定された値だけ減少することを特徴とする請求項4に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項6】
前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階は、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間をカウントする段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項7】
前記応答時間は、
前記活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する時点から前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信する時点までであることを特徴とする請求項6に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項8】
前記確認する段階は、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを判断する段階と、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項9】
前記判断する段階は、
前記送信された活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間を超過すると、前記調節する段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項10】
前記活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されなかった場合、前記判断する段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項11】
前記移動通信端末機は、
携帯電話端末、携帯情報端末(PDA)、ノートブックコンピュータのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト設定方法。
【請求項12】
非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階と、
前記調節された予め決定された応答時間を有する前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する段階と、
前記送信されたメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階と
を含むことを特徴とする移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項13】
前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信した場合、PDPコンテキストを解除する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項14】
前記調節する段階は、
非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ないか否かを確認する段階と、
前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの送信回数が予め決定された送信回数より少ない場合、前記送信回数によって予め決定された応答時間を調節する段階とを含むことを特徴とする請求項12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項15】
前記予め決定された送信回数は、
5回以下であることを特徴とする請求項14に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項16】
前記予め決定された応答時間は、
前記送信回数が増加するほど予め決定された値だけ減少することを特徴とする請求項14に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項17】
前記送信する段階は、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間をカウントする段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項18】
前記応答時間は、
前記非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージを送信する時点から前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージを受信する時点までであることを特徴とする請求項17に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項19】
前記確認する段階は、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であるか否かを判断する段階と、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間以内であると、前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されたか否かを確認する段階とを含むことを特徴とする請求項12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項20】
前記判断する段階は、
前記送信された非活性化PDPコンテキストを要求するメッセージの応答時間が前記予め決定された応答時間を超過すると、前記調節する段階を行うことを特徴とする請求項19に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項21】
前記確認する段階は、
前記非活性化PDPコンテキストを承認するメッセージが受信されなかった場合、前記判断する段階を行うことを特徴とする請求項19に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項22】
前記移動通信端末機は、
携帯電話端末、携帯情報端末、ノートブックコンピュータのいずれか1つであることを特徴とする請求項12に記載の移動通信端末機のPDPコンテキスト解除方法。
【請求項23】
PDPコンテキストの設定又は解除要求を送信するそれぞれの機会に関連した適切な承認待機時間を与える段階と、
前記PDPコンテキストの設定又は解除要求の送信を1回又は数回行い、各送信機会に与えられた承認待機時間内に要求に対する承認が受けられたか否かを確認する段階と、
前記PDPコンテキストの設定又は解除要求に対する承認が受けられた場合、PDPコンテキストを設定又は解除する段階と
を含むことを特徴とするPDPコンテキスト処理方法。
【請求項24】
通信環境や他の要素によって適切な承認待機時間を与えることを特徴とする請求項23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【請求項25】
最初の送信を行う前に、1つ又はそれ以上の適切な承認待機時間を与えることを特徴とする請求項23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【請求項26】
適合切な承認待機時間を、各送信機会に送信を行う度に決定することを特徴とする請求項23に記載のPDPコンテキスト処理方法。
【請求項27】
最初の送信時の承認待機時間が後の送信の時の承認待機時間より長いことを特徴とする請求項23に記載のPDPコンテキスト処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−191573(P2006−191573A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366771(P2005−366771)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】