説明

移植機

【課題】圃場に土塊があっても安定した機体の昇降制御が行なえる移植機を提供する。
【解決手段】移植対象物を植え付ける植付具28と、機体を走行用の車輪14に対して昇降させる昇降装置23と、昇降装置23の昇降動作を切り替える昇降切替部24と、昇降切替部24に連結された中間連結部55、56、57と、圃場面の高低変化に対応して、機体に連結された走行方向に対して左右方向に伸びる接地体回動軸52、61の周りに回動することにより個別に上下動する、走行方向に対して左右に配置された2つの接地体36、37と、接地体回動軸よりも上の位置で、2つの接地体を連結し、2つの接地体の上下動に応じて位置が変化する天秤50と、天秤の2つの接地体とのそれぞれの連結部分の中央位置で天秤に一部が連結され、接地体回動軸よりも上の位置で他の部分が中間連結部に連結し、接地体回動軸の周りに回動する連動アーム51とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗や種芋等を圃場に移植する移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圃場面に接地する接地センサーの動きを機体の昇降を行なう油圧切換バルブに関連させることにより、圃場面に対する機体の高さを制御して、所定の植え付け深さで苗を植え付けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図21〜図23に、特許文献1に記載の従来の野菜苗を植え付ける歩行型の苗移植機を示す。図21は苗移植機の側面図を、図22は苗移植機の平面図を、図23は苗移植機の一部の作動機構を示す側面図をそれぞれ示している。
【0004】
特許文献1に記載の苗移植機は、主として車体の前部に、エンジン202、主伝動ケース203、走行車輪としての左右一対の前輪204、204および後輪205、205を備え、後部に、苗植付装置206、苗供給部207、覆土鎮圧輪208および操縦ハンドル209を備えて構成される。この苗移植機は、機体が圃場内の畝をまたぐように前輪204、204および後輪205、205が畝間を走行し、畝の上面の左右中央に苗植付装置206により苗を植え付けていくようになっている。
【0005】
エンジン202から入力される主伝動ケース203内の動力を伝動する走行チェーンケース210、210の回動先端部の左右外側に、走行車輪である左右一対の後輪205、205がそれぞれ取り付けられており、この左右一対の後輪205、205の駆動により機体が走行するようになっている。
【0006】
機体の前後左右の略中央には、油圧式の後輪昇降シリンダ214を設けている。また、主伝動ケース203の左側には油圧ポンプ215、主伝動ケース203の後部には油圧切替バルブケース216を固着して設けている。後輪昇降シリンダ214は、油圧切替バルブケース216内の後輪昇降操作バルブ216vを操作することにより油圧ポンプ215からの油圧を切り替えて作動するようになっている。
【0007】
後輪昇降シリンダ214のシリンダロッド端には左右に延びる横杆217を設け、この横杆217の左右端部にそれぞれ後輪昇降ロッド218、219を枢着し該後輪昇降ロッド218、219の他端をそれぞれの走行チェーンケース210、210に固着された上側アーム210a、210aに枢着して、横杆17と走行チェーンケース210、210とが連結された構成となっている。したがって、後輪昇降シリンダ214の伸縮により横杆217、後輪昇降ロッド218、219を介して主伝動ケース203の左右の出力軸回りに走行チェーンケース210、210が回動され、該走行チェーンケース210、210の回動により後輪205、205が上下して機体が昇降する構成となっている。
【0008】
苗植付装置206は、主伝動ケース203内からの動力により駆動され、上下方向に長い閉ループ状の軌跡211を描きながら作動して、一株ずつ苗を圃場に植え付けるようになっている。
【0009】
さらに、苗植付装置206の前方には圃場面の凹凸変化に順応しながらこの凹凸変化を感知する接地センサー235を設けている。該接地センサー235は左右方向の軸236回りに回動可能に設けられ、接地することによる該接地センサー235の回動に伴ってロッド237a、二股アーム238a、ロッド237b等を介して油圧切替バルブケース216内の後輪昇降操作バルブ216vを操作して、苗植付装置206により所定の植付深さとなるよう後輪205、205を昇降制御するようになっている。
【0010】
覆土鎮圧輪208は、苗植付位置の後方位置において左右一対設けられ、横軸239回りに上下揺動自在な鎮圧輪支持フレーム240に軸受支持されている。
【0011】
覆土鎮圧輪208の車体に対する上昇位置が上限を越える位置に達すると、鎮圧輪支持フレーム240、鎮圧輪昇降用ロッド247a、支軸248回りに揺動する揺動アーム249、連結ロッド247b、二股アーム238b、ロッド237b等を介して油圧切替バルブケース216内の後輪昇降操作バルブ216vを油圧上げ方向に操作して、後輪205を押し下げ、機体をリフトするように構成している。
【0012】
連結ロッド247bは一端を二股アーム238bに連結するが、他端は遊びを有するように設けた長孔250を介して揺動アーム249に連結保持している。要するに、長孔250による遊びの範囲内においてのみ自由に接地センサー235による後輪205の昇降制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−312509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記した従来の苗移植機における圃場面に対して機体の高さを制御する構成では、畝上に土塊があった場合に機体の高さが適正に昇降制御されないという問題があった。
【0015】
すなわち、上記した従来の苗移植機は、単一の接地センサー235により圃場面を検出する構成であるため、苗移植機が走行する畝上に土塊があった場合、接地センサー235がその土塊を検出し、機体から圃場面までの距離が小さくなったと判断される。その結果、この場合には、後輪205を押し下げ、機体が上昇するように制御されるので、苗の植え付けが浅くなってしまう。
【0016】
本発明は、このような従来の苗移植機の課題を考慮し、土塊があっても安定した機体の昇降制御が行なえる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。
【0018】
第1の本発明は、
走行用の車輪(14)を有する機体と、
前記機体に設けられ、移植対象物を植え付ける植付具(28)と、
前記機体を、前記車輪(14)に対して昇降させる昇降装置(23)と、
前記昇降装置(23)の昇降動作を切り替える昇降切替部(24)と、
前記昇降切替部(24)に連結された中間連結部(55、56、57)と、
圃場面に接地し前記圃場面の高低変化に対応して、前記機体に連結された走行方向に対して左右方向に伸びる接地体回動軸(52、61)の周りに回動することにより個別に上下動する、走行方向に対して左右に配置された2つの接地体(36、37)と、
前記接地体回動軸(52、61)よりも上の位置で、前記2つの接地体(36、37)を連結し、前記2つの接地体(36、37)の上下動に応じて位置が変化する天秤(50)と、
前記天秤(50)の2つの前記接地体(36、37)とのそれぞれの連結部分の中央位置で前記天秤(50)に一部が連結され、前記接地体回動軸(61)よりも上の位置で他の部分が前記中間連結部(55)に連結し、前記接地体回動軸(61)の周りに回動する連動アーム(51)とを備えた、移植機である。
【0019】
また、第2の本発明は、
前記接地体回動軸(52、61)を上下移動して植付深さを変更する植付深さ変更機構(53、54)を備え、
前記連動アーム(51)は、左右側面視でV字形状であり、前記V字形状の一端部が前記中間連結部(55)に連結され、前記V字形状の他端側の直線部が前記天秤(50)に連結され、前記V字形状の谷部が前記接地体回動軸(61)に連結され、
前記天秤(50)が2つの前記接地体(36、37)のそれぞれと連結する前記連結部分は、左右側面視で、前記V字形状の一端部と前記V字形状の他端側の直線部との間にある、第1の本発明の移植機である。
【0020】
また、第3の本発明は、
前記2つの接地体(36、37)の間に配置された支持フレーム(111)に取り付けられ、上下動することにより前記圃場の植付位置に穴を作る作穴体(110)を備えた、第1の本発明の移植機である。
【0021】
また、第4の本発明は、
前記作穴体(110)は、前記2つの接地体(36、37)の後方で、後方から見て前記2つの接地体(36、37)と重なる位置に配置されている、第3の本発明の移植機である。
【0022】
また、第5の本発明は、
前記植付具(28)を側面視でループ状の作動軌跡(17)で上下動させる上下動機構(19)を備え、
前記上下動機構は、
所定方向に揺動する複数の第1揺動リンク(80、81、99)と、一端が前記第1揺動リンク(80、81、99)に連結され、他端が前記植付具(28)に連結し、別の所定方向に揺動する複数の第2揺動リンク(82、83、97)とを有するリンク機構(29)と、
前記第1揺動リンク(80、81、99)を作動させる第1揺動用部材(84)と、
前記第2揺動リンク(82、83、97)を作動させる第2揺動用部材(85)と、を有し、
前記複数の第1揺動リンク(80、81、99)および前記複数の第2揺動リンク(82、83、97)は、それぞれ前記機体の走行方向に対して左右に配置されており、
左右に配置された前記第2揺動リンク(82、83、97)の間に、左右に配置された前記第1揺動リンク(80、81、99)、前記植付具(28)および前記第2揺動用部材(85)が配置され、
左右に配置された前記第1揺動リンク(80、81、99)の間に前記第1揺動用部材(84)が配置されている、第1の本発明の移植機である。
【0023】
また、第6の本発明は、
前記第1揺動用部材(84)へ伝動される動力を出力する第1出力軸(88)および前記第2揺動用部材(85)へ伝動される動力を出力する第2出力軸(89)を有する、左右に配置された前記第1揺動リンク(80、81、99)の間に設けられた伝動ケース(106)を備えた、第5の本発明の移植機である。
【0024】
また、第7の本発明は、
前記2つの接地体(36、37)の間に配置された支持フレーム(111)に取り付けられ、上下動することにより前記圃場の植付位置に穴を作る作穴体(110)と、
左右に配置された前記第2揺動リンク(82、83、97)の間に設けられ、前記第2出力軸(89)の動力を伝達して前記作穴体(110)を上下動させる作穴体上下動機構(113、115、112)とを備えた、第6の本発明の移植機である。
【発明の効果】
【0025】
第1の本発明によって、左右の接地体(36、37)により圃場面を平均化して検出できるので、移植機が走行する畝上に土塊があっても安定した機体の昇降制御が行なえ、昇降制御の適正化が図れる。
【0026】
さらに、左右の接地体(36、37)を低い位置に配置しながら、左右の接地体(36、37)からの連繋機構を簡潔な構造にでき、コンパクト化及びコストダウンが図れる。
【0027】
第2の本発明によって、第1の本発明の効果に加えて、更なるコンパクト化が図れると共に、植付深さの変更に影響されずに適正に昇降させることができる。
【0028】
第3の本発明によって、第1の本発明の効果に加えて、左右の接地体(36、37)間のスペースを有効利用することができ、機体のコンパクト化が図れる。
【0029】
第4の本発明によって、第3の本発明の効果に加えて、左右の接地体(36、37)により安定した昇降を維持しながら、所望の大きさに作穴できる。
【0030】
第5の本発明によって、第1の本発明の効果に加えて、左右の上下揺動リンク(82、83、97)および左右の前後揺動リンク(80、81、99)への伝動をねじれないように安定して行え、植付精度が向上する。また、上下動機構(19)のコンパクト化が図れる。
【0031】
第6の本発明によって、第5の本発明の効果に加えて、更なるコンパクト化が図れる。
【0032】
第7の本発明によって、第6の本発明の効果に加えて、更なるコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1〜3の種芋移植機の左側面図
【図2】本発明の実施の形態1〜3の種芋移植機の平面図
【図3】本発明の実施の形態1〜3の種芋供給部を下から見た底面図
【図4】本発明の実施の形態1の種芋移植機の、機体の高さを制御するための連繋機構部分の側面図
【図5】(a)本発明の実施の形態1の天秤連結ステーの側面図、(b)本発明の実施の形態1の天秤連結ステーの平面図
【図6】(a)本発明の実施の形態1の天秤の正面図、(b)本発明の実施の形態1の天秤の平面図
【図7】(a)本発明の実施の形態1の右側の接地位置検出体の側面図、(b)本発明の実施の形態1の右側の接地位置検出体の平面図
【図8】(a)本発明の実施の形態1の左側の接地位置検出体の側面図、(b)本発明の実施の形態1の左側の接地位置検出体の平面図
【図9】(a)本発明の実施の形態1の油圧ロッドの側面図、(b)本発明の実施の形態1の油圧ロッドの平面図
【図10】本発明の実施の形態1の種芋移植機の、機体高さ制御の連繋機構の各部の接続関係を説明するための平面図
【図11】本発明の実施の形態2の植付装置の左後方から見た斜視図
【図12】本発明の実施の形態2の植付装置の左前方から見た斜視図
【図13】本発明の実施の形態2の植付装置の右後方から見た斜視図
【図14】本発明の実施の形態2の植付装置の側面図
【図15】本発明の実施の形態2の植付装置の平面図
【図16】(a)〜(d)本発明の実施の形態2の、植付動作中の各位置における植付装置の側面図
【図17】本発明の実施の形態2の、植付動作中の植付具の、上下動速度、前後動速度および絶対速度を示したグラフ
【図18】(a)〜(c)本発明の実施の形態2の、植付動作中の植付具先端の静軌跡および動軌跡を示したグラフ
【図19】本発明の実施の形態3の、植付具が上死点付近にあるときの作穴体上下動機構部分の側面図
【図20】本発明の実施の形態3の、植付具が下死点付近にあるときの作穴体上下動機構部分の側面図
【図21】従来の苗移植機の側面図
【図22】従来の苗移植機の平面図
【図23】従来の苗移植機の一部の作動機構を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の移植機の一例としてジャガイモ等の種芋を移植する種芋移植機10を示す側面図であり、図2は、種芋移植機10の平面図である。
【0036】
なお、本願の図面では、特に記載のない限り、紙面に向かって左側が種芋移植機の前方となるように記載している。
【0037】
図1に示すように、この種芋移植機10は、前部にエンジン11および主伝動ケース12と、走行車輪としての左右一対の前輪13および後輪14と、後部に植付装置19、種芋供給部31、鎮圧輪15および操縦ハンドル16とを備えて構成されている。
【0038】
この種芋移植機10は、走行機体が圃場内の畝Uを跨ぐように、前輪13および後輪14が畝間を走行し、畝Uの上面の左右幅方向における中央位置に植付装置19により種芋を植付けていくようになっている。
【0039】
また、図2に示すように、主伝動ケース12の左右端には該主伝動ケース12に対して回動可能な走行エクステンションケース40を左右それぞれ設け、左右の走行エクステンションケース40のそれぞれの端部に走行チェーンケース20を取り付けている。したがって、エンジン11から入力される主伝動ケース12内の動力を走行チェーンケース20内に伝動する構成となっている。
【0040】
走行チェーンケース20の回動先端部の左右外側には、走行車輪である左右一対の後輪14をそれぞれ取り付け、この左右一対の後輪14の駆動により機体が走行するようになっている。したがって、主伝動ケース12は、走行車輪としての後輪14に伝動する伝動装置となっている。
【0041】
一方、エンジン載置台の下部には左右方向に延びる前輪支持フレーム41を前後方向のローリング軸18(図1参照)回りに回動可能に設け、この前輪支持フレーム41の左右両端部に前輪13を取り付けた構成としている。
【0042】
また、図2に示すように、主伝動ケース12の後端には左右方向に延びる後フレーム21を固着して設け、後フレーム21の後端面の右端部には、機体の右寄りの位置で前後方向に延びる主フレーム22を設けている。主フレーム22の後端部には操縦ハンドル16を設け、この操縦ハンドル16が主フレーム22および後フレーム21を介して主伝動ケース12に支持された構成となっている。後フレーム21の左右一方寄り(右寄り)の位置の上面には、植付伝動ケース26の前下端部を載せて該植付伝動ケース26を固着して設けている。
【0043】
また、主伝動ケース12の後部で左右方向の中央には、油圧昇降シリンダ23を設けている。この油圧昇降シリンダ23は、主伝動ケース12に取り付けられた油圧切替バルブ部24(図1参照)に固着して設けられ、主伝動ケース12に取り付けられた油圧ポンプからの油路を油圧切替バルブ部24で切り替えることにより作動する。
【0044】
なお、油圧昇降シリンダ23が、本発明の昇降装置の一例にあたり、油圧切替バルブ部24が、本発明の昇降切替部の一例にあたる。
【0045】
また、油圧昇降シリンダ23のシリンダロッドの後端には左右に延びる横杆43を設け、この横杆43の左右端部にそれぞれロッドとなる左側の後輪昇降ロッド44および右側の後輪昇降ロッド45を連結し、左側の後輪昇降ロッド44および右側の後輪昇降ロッド45の他端をそれぞれの走行エクステンションケース40に取り付けられた上側アーム40aに枢着して、横杆43と走行エクステンションケース40とが連結された構成となっている。
【0046】
したがって、油圧昇降シリンダ23の伸縮により横杆43、左側の後輪昇降ロッド44および右側の後輪昇降ロッド45を介して主伝動ケース12の左右の出力軸回りに走行チェーンケース20を回動し、該走行チェーンケース20の回動により後輪14が上下して走行機体が昇降する構成となっている。なお、油圧昇降シリンダ23のシリンダロッド、横杆43、左側の後輪昇降ロッド44および右側の後輪昇降ロッド45は、シリンダロッドの進出位置によっては、機体側面視で後述する昇降リンク機構29の下方に位置する構成となっており、スペースを有効利用して機体のコンパクト化を図っている。
【0047】
また、機体中央部の下方位置で植付装置19の植付具28が種芋を畝Uに植え付ける位置の直前の位置には、周知の畝U上面に接当して畝U上面の高さを検出する左右の接地位置検出体36、37が設けられており、該接地位置検出体36、37の畝U検出により油圧切替バルブ部24に備えられた昇降制御用切替バルブを介して油圧昇降シリンダ23を作動させて左右後輪14を昇降制御して、走行機体を畝Uに対する所定の高さに制御して植付具28が種芋を畝Uに植え付ける深さが一定になるようにしている。
【0048】
また、左側の後輪昇降ロッド44が伸縮するように該左側の後輪昇降ロッド44の中途部に油圧ポンプからの油圧により作動する左右傾斜用油圧シリンダ25を設けており、該左右傾斜用油圧シリンダ25の伸縮により右側の後輪14の上下位置に対して左側の後輪14を上下させて、畝Uの谷部の凹凸に関係なく走行機体を所望の左右傾斜姿勢に制御する構成となっている。
【0049】
なお、主伝動ケース12の右側には振り子式の左右傾斜センサー42が設けられて、この左右傾斜センサー42の検出により油圧切替バルブ部24に備えられた左右傾斜用切替バルブを介して左右傾斜用油圧シリンダ25を作動させ、走行機体を所望の左右傾斜姿勢に制御する構成となっている。
【0050】
本実施の形態1の植付装置19は、種芋を1個ずつ圃場の畝に植付けるべく、主伝動ケース12内からの動力が主伝動ケース12の後側に設けた植付伝動ケース26と、その植付伝動ケース26に取り付けられた植付装置駆動ケース27を介して伝達され作動するようになっている。
【0051】
植付装置19は、先端が尖ったカップ状の植付具28と該植付具28を昇降させるべく作動する昇降リンク機構29とで構成される。植付具28の先端は、植付具28の昇降動作によって、図1に示すように、前側で下降し後側で上昇するとともに、前後方向の幅が上部よりも下部の方が大きい形状の軌跡17を描いて図中の矢印方向に繰り返し作動する。
【0052】
なお、植付装置19が、本発明の植付具28を上下動させる上下動機構の一例にあたる。
【0053】
また、植付具28によって種芋を植え付ける際に、植え付けた種芋の周囲に浅い凹み状の穴を圃場に形成する作穴体110を備えている。作穴体110を一端に支持する作穴支持フレーム111が、作穴体110が上下に移動可能なように、他端が主フレーム22に回動自在に取り付けられている。
【0054】
また、作穴支持フレーム111の途中部分には、作穴支持軸112が連結されており、作穴支持軸112が上下に移動することにより、作穴支持フレーム111が上下動され、作穴体110の上下動が制御されるようになっている。
【0055】
図3は、種芋供給部31を下から見た底面図である。
【0056】
図2に示すように、種芋供給部31には、植付伝動ケース26からの動力により作動し、作業者が手で種芋を一個ずつ供給するための供給カップ33が、供給回転台32上に円形のループ状で所定間隔毎に配置されている。
【0057】
そして、図3に示すように、各供給カップ33の底部には、上下方向に可動する開閉蓋34が、それぞれ1つずつ設けられている。
【0058】
また、図3に示すように、各供給カップ33の下方には、供給回転台32の矢印A方向への回転により供給カップ33が、植付具28の上方の位置である所定位置Pに来たときにのみ供給カップ33の底部の開閉蓋34が開くべく、環状の一部を切り欠いた略C字型の供給カップ開閉ガイド35が、走行機体側に固定されている。なお、供給カップ開閉ガイド35は、前記所定位置P以外の位置で、開閉蓋34を下側から接触して支えて開閉蓋34が開くのを規制する。
【0059】
本実施の形態1の種芋移植機10は、その機体の走行と共に歩行する作業者が、種芋載置台30にある種芋を一つずつ手でつかんで、機体の走行にあわせて矢印A方向に回転している供給カップ33に、それぞれ入れていく。
【0060】
供給カップ33の開閉蓋34が、前記所定位置Pで開くと、供給カップ33内の種芋が下方の植付具28に供給される。植付具28は、図1に示す作動の軌跡17の下死点に来た時に土中に所定深さまで突入するとともに鳥の嘴の如く左右に開いて、内部に保持されていた種芋を落下して植え付ける。
【0061】
次に、本実施の形態1の種芋移植機10における、圃場面に対して機体の高さを一定に制御する機構の構成および動作について説明する。
【0062】
図4に、種芋移植機10の、機体の高さを制御するための連繋機構部分の側面図を示す。種芋移植機10は、畝U上面の高さをそれぞれ独立して検出する左右の接地位置検出体36、37を備えているが、図4は、左側の接地位置検出体36の図示を省略して、種芋移植機10の左側方から右側の接地位置検出体37を見た側面図を示している。
【0063】
また、図5(a)に、天秤連結ステー51の側面図を示し、図5(b)に天秤連結ステー51の平面図を示す。図6(a)に、天秤50の正面図を示し、図6(b)に天秤50の平面図を示す。図7(a)に、右側の接地位置検出体37の側面図を示し、図7(b)に、接地位置検出体37の平面図を示す。図8(a)に、左側の接地位置検出体36の側面図を示し、図8(b)に、接地位置検出体36の平面図を示す。図9(a)に、油圧ロッド55の側面図を示し、図9(b)に、油圧ロッド55の平面図を示す。
【0064】
また、図10に、機体高さ制御の連繋機構の各部の接続関係を説明するための平面図を示す。
【0065】
図5(b)に示すように、天秤連結ステー51は、直角に折り曲げ加工された円柱状の連結ステー丸軸部61の途中に、連結ステー丸軸部61の軸方向に対して垂直な面となるように、板状の連結ステー板部60の一端部分に連結ステー丸軸部61が貫通されて溶接により固着されている。そして、連結ステー丸軸部61の折り曲げられた側の軸部と連結ステー板部60は、図5(a)に示すように、側面視でV字形状となるように構成されている。また、連結ステー板部60のもう一方の端部に筒状の油圧ロッド連結部62が立設している。
【0066】
連結ステー丸軸部61の連結ステー板部60が固着された側の軸部分は、その軸方向が機体の左右方向となるように、図4に示す植付深さ調節バー54の先端部分に回動自在に軸支され、また、その軸部分は、右側の接地位置検出体37の回動軸となる。
【0067】
なお、天秤連結ステー51が、本発明の連動アームの一例にあたる。
【0068】
図6(a)および図6(b)に示すように、天秤50は、長い円柱状の天秤ロッド部63と、短い円筒状の天秤ボス部64で構成される。天秤ロッド部63の長手方向の中央部分に、天秤ロッド部63の長手方向に対して天秤ボス部64の円筒形状の高さ方向が直角の向きとなるように、天秤ロッド部63の外周面が溶接して固着されている。
【0069】
右側に配置される接地位置検出体37は、図7(a)および図7(b)に示すように、圃場面に接する湾曲した接地板70の、圃場面に接する面とは反対側の面の前方左側に天秤連結板71および回動軸支板72が立設している。
【0070】
天秤連結板71および回動軸支板72には、回動軸孔74が形成されており、これらの2つの回動軸孔74に、天秤連結ステー51の連結ステー丸軸部61が通されて、連結ステー丸軸部61を中心に、接地板70が上下に回動する。
【0071】
また、天秤連結板71の上部には、天秤50の天秤ロッド部63の一端部分が係合するための長溝孔73が形成されている。
【0072】
左側に配置される接地位置検出体36は、図8(a)および図8(b)に示すように、圃場面に接する湾曲した接地板65の、圃場面に接する面とは反対側の面の前方右側に天秤連結板66および回動軸支板67が立設している。
【0073】
天秤連結板66および回動軸支板67には、回動軸孔69が形成されている。植付深さ調節バー54の先端部分に固定された、機体の左右方向に延びる接地体回動軸52が、これらの2つの回動軸孔69に通されて、接地体回動軸52を中心に、接地板65が上下に回動する。
【0074】
また、天秤連結板66の上部には、天秤50の天秤ロッド部63の他端部分が係合するための長溝孔68が形成されている。
【0075】
なお、接地位置検出体36および37が、本発明の2つの接地体の一例にあたる。
【0076】
図9(a)および図9(b)に示すように、油圧ロッド55の一端には、油圧ロッド55の長手方向と直角の向きに連結ステー接続軸75が設けられており、他端には、回動ステー56と連結するための回動ステー連結孔76が形成されている。
【0077】
図10に示すように、連結ステー接続軸75が油圧ロッド連結部62の筒状内に挿入されることにより、油圧ロッド55が天秤連結ステー51と回動可能に連結される。
【0078】
なお、図10では、天秤50および天秤50に係合する連結ステー丸軸部61の軸部分の記載は省略している。
【0079】
図4に示すように、連結ステー丸軸部61の折れ曲がった軸部分、すなわち側面視で連結ステー板部60とV字形状をなす軸部分に、天秤50の天秤ボス部64が挿入され、連結ステー丸軸部61の軸方向に天秤50が摺動可能となっている。また、天秤50の天秤ロッド部63の両端部が、それぞれ接地位置検出体36、37の長溝孔68、73に係合し、それぞれの端部が長溝孔68、73内を移動可能となっている。
【0080】
機体の左右方向に延びる接地体回動軸52が、植付深さ調節バー54に固定されており、また、連結ステー丸軸部61の回動軸となる軸部分が、接地体回動軸52と同軸の位置に植付深さ調節バー54に回動自在に軸支されているので、左右方向の同軸を中心として、接地位置検出体36、接地位置検出体37および天秤連結ステー51が回動する。
【0081】
回動ステー56は、主フレーム22に設けられた回動ステー軸58を中心に自在に回動するように取り付けられている。油圧ロッド55は、一端に設けられた連結ステー接続軸75が天秤連結ステー51の油圧ロッド連結部62に連結し、他端に形成された回動ステー連結孔76によって回動ステー56の一端に連結している。
【0082】
さらに、回動ステー56の他端が連結ロッド57に連結し、連結ロッド57の他端が、油圧切替バルブ部24に連結している。
【0083】
連結ロッド57の上下動に応じて、油圧切替バルブ部24に備えられた昇降制御用切替バルブを介して油圧昇降シリンダ23が作動し、左右後輪14が昇降する。
【0084】
なお、天秤連結ステー51を油圧切替バルブ部24へ連結する、油圧ロッド55、回動ステー56および連結ロッド57が、本発明の中間連結部の一例にあたる。
【0085】
次に、このように構成された機体の高さを一定に制御する機構の動作について説明する。
【0086】
種芋の植え付け作業の際に、畝U上面が機体に近づくと、畝U上面に沿って接地板65、70が押し上げられ、畝U上面が機体から遠ざかると、畝U上面に沿って接地板65、70が下がる。
【0087】
ここでは、畝U上面が機体に近づいて、左右の接地板65、70が押し上げられた場合について説明する。
【0088】
図4において、左右の接地板65、70が押し上げられると、左右の接地位置検出体36、37は、左右方向に同軸の接地体回動軸52および連結ステー丸軸部61を中心として反時計方向に回動する。
【0089】
左右の接地位置検出体36、37が反時計方向に回動すると、両端が長溝孔68、73に係合している天秤ロッド部63に機体前方への力が加わり、天秤50に機体前方への力が加わることにより、天秤ボス部64に貫通している連結ステー丸軸部61に機体前方への力が加わり、天秤連結ステー51が、左右方向に配置された連結ステー丸軸部61を中心として反時計方向に回動する。
【0090】
天秤連結ステー51が反時計方向に回動すると、油圧ロッド55を機体前方に移動する力が加わり、油圧ロッド55の他端に連結された回動ステー56が、回動ステー軸58を中心として時計方向に回動する。回動ステー56が時計方向に回動すると、回動ステー56の他端に連結された連結ロッド57が上方に移動する。
【0091】
連結ロッド57が上方に移動すると、連結ロッド57の他端に連結した油圧切替バルブ部24が、昇降制御用切替バルブを介して油圧昇降シリンダ23を作動させ、左右後輪14が下降する。
【0092】
左右後輪14が下降することにより、畝U上面に対して機体が上昇し、機体と畝U上面との距離を一定に保つことができる。
【0093】
種芋の植え付け作業の際に、畝U上面が機体から遠ざかった場合には、畝U上面に沿って接地板65、70が下がって、図4において左右の接地位置検出体36、37が時計方向に回動し、畝U上面が機体に近づく上記の場合とは逆に動作する。つまり、この場合は、連結ロッド57が下方に移動し、油圧切替バルブ部24が、昇降制御用切替バルブを介して油圧昇降シリンダ23を作動させ、左右後輪14を上昇させる。すなわち、この場合には、畝U上面に対して機体が下降して、機体と畝U上面との距離が一定に保たれる。
【0094】
このように制御することにより、機体に対して畝U上面が近づいたり遠ざかったりした場合でも、機体と畝U上面との距離が一定に保たれるので、種芋の植え付けが深過ぎたり浅過ぎたりしないようにできる。
【0095】
なお、植付深さ調節バー54は、植付深さロッド53に対する取り付け角度を調節可能で、植付深さ調節バー54の取り付け角度の調節により、植付深さ調節バー54の先端部の上下位置を変更できる。植付深さ調節バー54の取り付け角度に応じて、植付深さ調節バー54の先端部に固定された接地体回動軸52および軸支された連結ステー丸軸部61の上下位置が変化する。
【0096】
したがって、植付深さ調節バー54の取り付け角度を調節することにより、接地位置検出体36、37の回動中心軸の上下位置を変更できるので、植え付け対象物の植え付け深さに応じて、機体と畝U上面との間の一定とする距離を調節することができる。
【0097】
なお、植付深さロッド53と植付深さ調節バー54を合わせた構成が、本発明の植付深さ変更機構の一例にあたる。
【0098】
次に、圃場が荒れて土塊がある等で、左右の接地位置検出体36、37の一方のみが、機体から畝U上面までの距離の変化を検知した場合の動作について説明する。
【0099】
ここでは、その一例として、左の接地板65側の機体に対する畝U上面の位置は変化せず、右の接地板70側の畝U上に土塊があった場合について説明する。
【0100】
右の接地板70が接している畝Uの右側に土塊があると、その土塊に沿って接地板70が押し上げられ、図4において、右の接地位置検出体37のみが、左右方向に配置された連結ステー丸軸部61を中心として反時計方向に回動する。
【0101】
右の接地位置検出体37が反時計方向に回動すると、接地位置検出体37の長溝孔73に係合している天秤ロッド部63の一端部分に機体前方への力が加わり、天秤50に機体前方への力が加わる。このとき、左側の接地位置検出体36は回動しないので、接地位置検出体36の長溝孔68に係合している天秤ロッド部63の他端側には前方へ移動させる力が加わらない。天秤50の天秤ボス部64は、天秤ロッド部63の両端の中央位置に固着されているので、天秤ボス部64は、天秤ロッド部63の一端部分の移動距離の半分の距離を移動する。
【0102】
したがって、天秤ボス部64に貫通している連結ステー丸軸部61には、天秤ロッド部63の一端部分の移動距離の半分の距離に対応した機体前方への力が加わる。そして、その機体前方への力に応じて、天秤連結ステー51が、左右方向に配置された連結ステー丸軸部61を中心として反時計方向に回動する。
【0103】
天秤連結ステー51が反時計方向に回動すると、油圧ロッド55を機体前方に移動する力が加わり、油圧ロッド55の他端に連結された回動ステー56が、回動ステー軸58を中心として時計方向に回動する。回動ステー56が時計方向に回動すると、回動ステー56の他端に連結された連結ロッド57が上方に移動する。このときの連結ロッド57の上方への移動量は、天秤ロッド部63の一端部分の移動距離の半分の距離に対応した移動量となる。
【0104】
連結ロッド57の上方への移動量に対応して、連結ロッド57の他端に連結した油圧切替バルブ部24が、昇降制御用切替バルブを介して油圧昇降シリンダ23を作動させ、左右後輪14を下降させることにより、畝U上面に対して機体が上昇する。
【0105】
このとき、畝U上面に対して機体が上昇する移動量は、接地位置検出体36で検知された上下方向の畝Uに近づいた変化量の半分となる。
【0106】
このように、本実施の形態1の機体の高さを一定に制御する連繋機構では、接地位置検出体36、37のそれぞれで検出された上下動の変化量を平均化した変化量分に対応して、機体が昇降するように制御される。左右に配置した2つの接地体36および37による検出を平均化して圃場面を検出するので、畝U上に土塊があっても機体が大きく上下に変動することなく安定した昇降制御が行え、昇降制御の適正化が図れる。
【0107】
また、本実施の形態1の機体の高さを一定に制御する連繋機構は、図4に示すように、天秤50を、接地位置検出体36および37と、それらの回動軸52、61よりも上の位置の長溝孔68および73で連結し、天秤50の位置が、左右の接地位置検出体36、37の上下動の位置に応じて変化する構成としている。そして、両端が左右の接地位置検出体36、37に連結する天秤ロッド部63の中央位置にある天秤ボス部64で天秤連結ステー51の連結ステー丸軸部61に連結し、回動軸52、61よりも上の位置で、天秤連結ステー51が油圧ロッド55に連結する構成としているので、連繋機構全体として小型の構成となっている。
【0108】
また、図4に示すように、側面視において、左右の接地位置検出体36、37に連結する天秤連結ステー51の位置は、油圧ロッド55に連結するV字形状の一端である油圧ロッド連結部62と、天秤ボス部64に連結する連結ステー丸軸部61の軸部分との間に配置している。
【0109】
なお、図4に示す側面視において、天秤ボス部64に連結する連結ステー丸軸部61の軸部分が、本発明の、天秤に連結される連動アームの一部の一例にあたり、油圧ロッド55に連結する油圧ロッド連結部62が、本発明の、中間連結部の連結する連動アームの他の部分の一例にあたる。また、油圧ロッド連結部62の位置が、本発明のV字形状の一端部の一例にあたり、天秤ボス部64に連結する連結ステー丸軸部61の軸部分が、本発明のV字形状の他端側の直線部の一例にあたる。また、右側の接地位置検出体37の回動軸となる連結ステー丸軸部61の軸部分と連結ステー板部60が連結している部分が、本発明の、V字形状の谷部の接地体回動軸に連結されている部分の一例にあたる。
【0110】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、図1に示した種芋移植機10の植付装置19の詳細な構成および動作について説明する。
【0111】
図11、図12および図13に、それぞれ、本実施の形態2の植付装置19の、左後方からみた斜視図、左前方から見た斜視図、および右後方から見た斜視図を示す。また、図14に、本実施の形態2の植付装置19の側面図を示し、図15に平面図を示す。
【0112】
植付装置19は、図11〜図15に示すように、上部に形成した開口から種芋を受けて左右に開閉可能な先端が尖ったカップ状の植付具28と、この植付具28を昇降駆動する、植付駆動伝動ケース106に設けられた昇降リンク機構29とから構成される。
【0113】
なお、植付具28は、先端が尖ったカップ状の下部が閉じた状態で内部に種芋を保持して、植付け軌跡17の最下端で左右に開いて畝内で種芋を植付ける一般的な構成である。
【0114】
本実施の形態2の昇降リンク機構29は、植付駆動伝動ケース106の左側において、上端が揺動カム駆動軸88に回動自在に枢支され、下端が下前軸91にて回動自在に連結支持板94に連結された前揺動アーム80と、植付駆動伝動ケース106に対して回動自在な上後軸90に上端が固定され、下端が下後軸93にて回動自在に連結支持板94に連結されて、前揺動アーム80と前後に平行に設けられた左後揺動アーム81を備える。また、上後軸90は、他端が植付駆動伝動ケース106の右側へ突出しており、植付駆動伝動ケース106の右側において、右後揺動アーム99の上端が固定されている。
【0115】
植付駆動伝動ケース106は、植付装置駆動ケース27から出力される動力を伝達し、左側に突出して設けた揺動カム駆動軸88および右側に突出して設けたクランクアーム駆動軸89を駆動する。
【0116】
なお、昇降リンク機構29が、本発明のリンク機構の一例にあたり、植付駆動伝動ケース106が、本発明の伝動ケースの一例にあたる。
【0117】
また、連結支持板94の上軸92と下後軸93に前端がそれぞれ回動自在に枢支され、後端がそれぞれ植付具28の回動上軸95と回動下軸96に回動自在に連結された平行な上アーム82および左下アーム83を備える。植付駆動伝動ケース106の右側には、右後揺動アーム99の下端部分に、前端が回動自在に枢支され、後端が植付具28の右側に回動自在に連結された右下アーム97を備える。
【0118】
右下アーム97は、左下アーム83と平行に配置され、左下アーム83および右下アーム97に両端がそれぞれ回動自在に枢支された左右連結棒98によって、左下アーム83と連結されている。
【0119】
植付駆動伝動ケース106から右側に突出して設けたクランクアーム駆動軸89に基部が固着されて回転するクランクアーム85と、クランクアーム85の先端に設けた回動支持軸に回動自在に一端が枢支され、他端が左右連結棒98の途中部分に連結された連結アーム86を備える。左右連結棒98は、連結アーム86に対して回動自在に連結されている。
【0120】
また、植付駆動伝動ケース106から左側に突出して設けた揺動カム駆動軸88に固定されて回転する揺動駆動カム84を備え、揺動駆動カム84の周縁部に当接するように、左後揺動アーム81の上後軸90寄りの途中部分に回動自在に回動ローラー87が設けられている。
【0121】
また、植付装置駆動ケース27に設けられた支持ピンと左後揺動アーム81の下端部との間に設けられて、前揺動アーム80および左後揺動アーム81を機体前方に向けて付勢し、揺動駆動カム84と回動ローラー87を当接させる引張バネ107(図16(a)参照)を備えている。
【0122】
また、植付具28の開閉動作のためのカウンターアーム104が、上アーム82の一端が連結されている回動上軸95に、回動自在に軸支されている。
【0123】
また、開閉アーム101が、上アーム82の他端が連結されている上軸92に、回動自在に軸支されており、開閉アーム101とカウンターアーム104が、連結ロッド103により連結されている。カウンターアーム104には、孔が設けられており、植付具28のホルダ部分に立設されたピン105が遊嵌されている。
【0124】
また、揺動駆動カム84とともに揺動カム駆動軸88に固定されて回転する開閉駆動カム100が設けられており、開閉駆動カム100の周縁部に当接するように、開閉アーム101上に開閉用ローラー102が設けられている。揺動カム駆動軸88の回転にしたがって開閉駆動カム100が回転することにより、開閉用ローラー102を介して開閉アーム101に所定のタイミングで作用させる。
【0125】
このような構成により、本実施の形態2の植付装置19は、植付動作時において、種芋移植機10が停止している場合に、先端が軌跡17を描くように動作する。
【0126】
次に、本実施の形態2の植付装置19の動作について説明する。
【0127】
図16(a)〜(d)は、植付動作中の各位置における植付装置19の側面図を示している。図16(a)は、上死点における側面図を示し、図16(c)は、下死点における側面図を示している。図16(b)は、上死点から下死点に向けて下降している際の側面図を示し、図16(d)は、下死点から上死点に向けて上昇している際の側面図を示している。
【0128】
揺動カム駆動軸88が回転することにより、揺動カム駆動軸88に固定されている揺動駆動カム84は揺動カム駆動軸88とともに回動し、揺動駆動カム84と当接する回動ローラー87を介して左後揺動アーム81および前揺動アーム80が前後に揺動する。このとき、上後軸90によって左後揺動アーム81と連結している右後揺動アーム99も、左後揺動アーム81とともに前後に揺動する。
【0129】
なお、主として前後に揺動する前揺動アーム80、左後揺動アーム81および右後揺動アーム99が、本発明の複数の第1揺動リンクの一例にあたる。また、これらのアームが主に前後方向に揺動する方向が、本発明の所定方向の一例にあたる。また、揺動駆動カム84が、本発明の第1揺動用部材の一例にあたり、揺動カム駆動軸88が、本発明の第1出力軸の一例にあたる。
【0130】
一方、クランクアーム駆動軸89が回転することにより、クランクアーム駆動軸89に固定されているクランクアーム85がクランクアーム駆動軸89とともに回動し、連結アーム86および左右連結棒98を介して左下アーム83および右下アーム97が上下に揺動し、左下アーム83とともに上アーム82も上下に揺動する。
【0131】
なお、主として上下に揺動する左下アーム83、右下アーム97および上アーム82が、本発明の複数の第2揺動リンクの一例にあたる。また、これらのアームが主に上下方向に揺動する方向が、本発明の別の所定方向の一例にあたる。また、クランクアーム85が、本発明の第2揺動用部材の一例にあたり、クランクアーム駆動軸89が、本発明の第2出力軸の一例にあたる。
【0132】
したがって、前揺動アーム80、左後揺動アーム81および右後揺動アーム99と、上アーム82、左下アーム83および右下アーム97は、いずれも平行リンク機構であるから、植付具28は垂直方向を向いた姿勢を維持してその下端が植付け軌跡17を描いて作動し、植付具28内に受け入れられた種芋を適正な姿勢で畝Uに植付けることができる。
【0133】
本実施の形態2の昇降リンク機構29は、左右連結棒98が、左下アーム83と右下アーム97との中間部分で連結アーム86に連結しているので、左下アーム83および右下アーム97を上下に揺動させる際、連結アーム86が左下アーム83および右下アーム97のいずれか一方のみに連結している場合に比べて、左下アーム83と右下アーム97とのねじれが生じ難い。
【0134】
また、左右連結棒98で連結されて左下アーム83と右下アーム97が一体となって揺動するので、左下アーム83と右下アーム97を連結しない場合に比べて強度が大きい。
【0135】
また、左後揺動アーム81および右後揺動アーム99を、左下アーム83と右下アーム97の間に配置しているので、昇降リンク機構29を小型に構成することができる。
【0136】
また、植付駆動伝動ケース106の左右両側に上後軸90に固定される左後揺動アーム81および右後揺動アーム99を設け、それぞれ左下アーム83および右下アーム97に連結したことにより、左下アーム83および右下アーム97がいずれも植付駆動伝動ケース106に固定される構成となるので、強度が大きい。また、左後揺動アーム81と右後揺動アーム99が一体となって揺動するので、左下アーム83と右下アーム97とのねじれを抑制できる。
【0137】
また、植付具28を左右から支持する上アーム82、左下アーム83および右下アーム97の間に植付駆動伝動ケース106を配置する構成としているので、植付駆動伝動ケース106からの駆動力をスムーズに植付具28に伝達することができる。また、上アーム82、左下アーム83および右下アーム97をそれらの間の位置から固定する構成となるので、昇降リンク機構29の傾きを抑制できる。また、植付駆動伝動ケース106を、上アーム82、左下アーム83および右下アーム97の間に配置したことで、昇降リンク機構29を小型に構成することができる。
【0138】
また、クランクアーム85を植付駆動伝動ケース106の右側に設け、揺動駆動カム84を植付駆動伝動ケース106の左側に設けたことにより、クランクアーム85が揺動駆動カム84と干渉することが無いので、昇降リンク機構29を小型にできる。
【0139】
次に、植付具28の開閉動作について説明する。
【0140】
揺動カム駆動軸88の回転と共に開閉駆動カム100が右回りに回転し、開閉駆動カム100の周縁部が開閉用ローラー102に当接すると、開閉駆動カム100の周縁部の形状にしたがって、開閉アーム101には、上軸92を中心として左回りに回転する力が作用する。
【0141】
開閉アーム101が左回りに回転することに伴って、連結ロッド103には、開閉アーム101側へ引っ張る力が作用し、カウンターアーム104には、回動上軸95を中心として、左回りに回動する力が作用する。そして、カウンターアーム104の左回りの回動に伴って、ピン105を上げる力が作用する。ピン105に上向きの力が作用すると、植付具28の下部が開いて、植付具28内に受け入れられた種芋が落下する。
【0142】
植付具28は、ピン105に対して上向きの力が作用していない場合には、下部の閉じた状態が維持されるように構成されており、ピン105に対して上向きの力が作用すると、下部が開くようになっている。
【0143】
図16(a)および図16(b)に示す位置では、開閉用ローラー102には開閉駆動カム100が当接していないので、上死点および上死点から下降する位置では、植付具28の下部が閉じた状態が維持されている。
【0144】
図16(c)の下死点の位置において、開閉用ローラー102に開閉駆動カム100が当接し始め、下死点から上昇する図16(d)の位置では、開閉用ローラー102に開閉駆動カム100が当接し続ける状態となる。
【0145】
したがって、植付具28は、下降して下死点に至るまでは、下部が閉じた状態が維持され、下死点の位置で下部が開き始め、下死点からは下部が開いた状態のまま上昇し始める。
【0146】
このように、上アーム82が連結されている回動上軸95に軸支したカウンターアーム104が、上アーム82および左下アーム83の昇降位置によることなく、連結ロッド103を介して開閉アーム101と並行動作し、この開閉アーム101は、開閉用ローラー102を介して開閉駆動カム100によって動作制御される。したがって、簡易な形状の開閉駆動カム100によって開閉タイミングと開閉量の高精度の制御が可能となる。
【0147】
図17は、植付動作時の、本実施の形態2の植付具28の、上下動速度、前後動速度、および上下動速度と前後動速度を合成した絶対速度を示したグラフである。
【0148】
図17では、植付具28の、上下動速度を破線で示し、前後動速度を一点鎖線で示し、それらを合成した絶対速度を実線で示している。
【0149】
図17より、植付具28の絶対速度は、下死点では速いのに対し、上死点では非常に遅くなっていることがわかる。つまり、植付具28は、下死点付近では、比較的早く移動しているのに対し、上死点では、ゆっくりと移動しており停止に近い状態になっている。
【0150】
つまり、供給カップ33から種芋が供給される上死点付近では、植付具28の速度が非常に遅くなっているので、供給カップ33から確実に種芋を供給させることができる。
【0151】
図18(a)〜(c)は、植付動作時における、本実施の形態2の植付具28の、種芋移植機10が停止している場合の静軌跡、および種芋移植機10が走行している場合の動軌跡を示している。それぞれ、静軌跡を一点差線で示し、動軌跡を実線で示している。
【0152】
図18(a)〜(c)に示す動軌跡は、種芋移植機10の走行速度を変えて株間を変えたものであり、それぞれ、株間を40cm、50cmおよび60cmとした場合を示している。
【0153】
図18(a)〜(c)より、動軌跡は、株間50cmで、下死点から75mmでの軌跡のラップ代は4.9mmであり、また、株間40cmおよび60cmでは、19.1mmおよび20.2mmであり、問題なく植え付け可能であることを確認できた。
【0154】
また、上死点では、X方向変位が10mm以下になる時間が0.21秒であり、供給カップ33から確実に種芋を供給できる停止時間であることを確認できた。
【0155】
よって、植付具28の上死点での移動速度を小さく(停止時間を大きく)できるので、植付具28への伝動比を変更するだけで種々の株間で適正な動軌跡により植え付けることができる。
【0156】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、図1に示した種芋移植機10の作穴体上下動機構の詳細な構成および動作について説明する。
【0157】
作穴体110は、植付具28によって種芋を圃場に植え付ける際に下降して、植え付けた種芋の周囲に、植え付けた種芋の深さよりも浅い凹み状の穴を形成する。
【0158】
図19は、植付具28が上死点付近にあるときの、作穴体上下動機構部分の側面図を示し、図20は、植付具28が下死点付近にあるときの、作穴体上下動機構部分の側面図を示している。
【0159】
作穴体110は、図2に示すように、平面視でコ字状の内部空間が形成された形状で、下部が圃場に突入することにより、圃場面に浅い凹み状の穴を形成する構成となっている。
【0160】
先端に作穴体110が固着された作穴支持フレーム111は、左右の接地位置検出体36および37の間に配置され、作穴体110が上下に可動するように、他端が主フレーム22に回動自在に取り付けられている。したがって、棒状の作穴支持フレーム111の先端に固着された作穴体110は、左右の接地位置検出体36および37の後方で、後方から見て、左右方向が接地位置検出体36および37の両方に重なる位置に配置されている。
【0161】
作穴支持フレーム111を、左右の接地位置検出体36および37の間に配置することにより、左右の接地位置検出体36、37間のスペースを有効利用することができ、機体のコンパクト化が図れる。
【0162】
作穴支持フレーム111の途中部分には、上方に向けて設けた作穴支持軸112の基部が固着されている。作穴支持軸112は、その上方で作穴アーム113の端部に係合している。作穴アーム113の他端は、植付駆動伝動ケース106の側面に突出した作穴アーム支持軸114に回動自在に枢着されている。
【0163】
なお、作穴支持フレーム111が、本発明の支持フレームの一例にあたる。
【0164】
また、植付駆動伝動ケース106から突出したクランクアーム駆動軸89に固定されて回転する作穴体駆動カム115を備えている。作穴体駆動カム115は、左下アーム83と右下アーム97の間に配置されている。作穴体駆動カム115を、左下アーム83と右下アーム97の間に配置することで、作穴体上下動機構の構成を小型にすることができる。
【0165】
作穴支持軸112には、作穴体110および作穴支持フレーム111の自重により常に下方への力が加わるが、作穴アーム113のアームの途中部分に回動自在に設けられている回動ローラー116が作穴体駆動カム115の周縁部に当接するように配置されており、作穴支持軸112の上下位置は、回動ローラー116が作穴体駆動カム115に当接する位置に応じた位置となる。
【0166】
クランクアーム駆動軸89の回転とともに、作穴体駆動カム115が回転し、作穴体駆動カム115の周縁部の形状の変化に応じて、作穴アーム113が作穴アーム支持軸114を中心として回動する。
【0167】
作穴アーム113の回動に伴い、作穴アーム113の先端に係合する作穴支持軸112が上下動する。そして、作穴支持軸112の上下動に応じて、作穴支持フレーム111を介して作穴体110が上下動する。
【0168】
作穴体駆動カム115は、植付具28を昇降させる昇降リンク機構29の上下動を制御するクランクアーム85を駆動するクランクアーム駆動軸89とともに回転するので、作穴体110は、植付具28の昇降動作に同期して上下動する。
【0169】
なお、作穴体駆動カム115、作穴アーム113および作穴支持軸112による連繋機構が、本発明の作穴体上下動機構の一例にあたる。
【0170】
図19に示すように、植付具28が上昇位置にあるとき、すなわち種芋が供給カップ33から植付具28へ供給されるときは、作穴体110も上方へ持ち上げられており、圃場面から離れている。
【0171】
一方、植付具28が下降して植え付け位置にあるときには、図20に示すように、作穴体110も圃場面よりも下の位置まで下降された位置となる。このとき、作穴体110の下面が植付具28の先端位置よりも少し上の位置とすることで、十分な深さに種芋を圃場に植え付けるとともに、作穴体110によって、植え付けた種芋の周囲に浅い凹みを圃場に形成することができる。
【0172】
植付具28の昇降動作に対する作穴体110の上下動のタイミングは、作穴体駆動カム115の周囲形状により自由に設定することができる。また、作穴体駆動カム115の周囲形状により、種芋を植え付ける深さに対して、作穴体110によって圃場に形成させる凹みの深さも自由に変えることができる。
【0173】
また、植付具28が圃場に植え付ける位置に到達する少し前に作穴体110を作穴する位置まで下降させておくことにより、種芋が植え付けられる手前から圃場に凹みを形成させることができるとともに、植付具28が作穴体110に囲まれ防護された状態で種芋を植え付けることができるので、適正で種芋の植え付け姿勢が良好な植え付けが行なえる。
【0174】
本実施の形態3の作穴体上下動機構により、植付具28によって植え付けた種芋の周囲に浅い凹み状の穴を形成することができ、種芋を植え付けた後や植え付けと同時に、種芋の周囲に形成した浅い凹み状の穴内に水を灌水したり肥料を施肥したり薬剤を施薬したりすることができ、植え付けた種芋の活着や育成管理が容易に行なえる。
【0175】
また、植付具28を上下動させる駆動軸であるクランクアーム駆動軸89によって、作穴体上下動機構を作動させる構成としたので、植付具28と作穴体110が同じ駆動軸で駆動されて両者に駆動タイミングの誤差が生じることが少なくなり、良好な種芋の植え付けと種芋の周囲に浅い凹み状の穴の形成とが行なえて、移植後の種芋の活着や管理が容易になる。
【0176】
なお、各実施の形態では、本発明の移植対象物として種芋を例に説明したが、本発明の移植機は、種芋以外の移植対象物を植え付ける移植機としても適用できる。例えば、植付装置を利用する苗株用の移植機としても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明にかかる移植機は、土塊があっても安定した機体の昇降制御が行なえるので、種芋や苗株等の移植対象物を植え付ける移植機などに適用でき、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0178】
10 種芋移植機
11 エンジン
12 主伝動ケース
13 前輪
14 後輪
15 鎮圧輪
16 操縦ハンドル
17 軌跡
18 ローリング軸
19 植付装置
20 走行チェーンケース
21 後フレーム
22 主フレーム
23 油圧昇降シリンダ
24 油圧切替バルブ部
25 左右傾斜用油圧シリンダ
26 植付伝動ケース
27 植付装置駆動ケース
28 植付具
29 昇降リンク機構
30 種芋載置台
31 種芋供給部
32 供給回転台
33 供給カップ
34 開閉蓋
35 供給カップ開閉ガイド
36、37 接地位置検出体
40 走行エクステンションケース
40a 上側アーム
41 前輪支持フレーム
42 左右傾斜センサー
43 横杆
44、45 後輪昇降ロッド
50 天秤
51 天秤連結ステー
52 接地体回動軸
53 植付深さロッド
54 植付深さ調節バー
55 油圧ロッド
56 回動ステー
57 連結ロッド
58 回転ステー軸
60 連結ステー板部
61 連結ステー丸軸部
62 油圧ロッド連結部
63 天秤ロッド部
64 天秤ボス部
65 接地板
66 天秤連結板
67 回動軸支板
68 長溝孔
69 回動軸孔
70 接地板
71 天秤連結板
72 回動軸支板
73 長溝孔
74 回動軸孔
75 連結ステー接続軸
76 回動ステー連結孔
80 前揺動アーム
81 左後揺動アーム
82 上アーム
83 左下アーム
84 揺動駆動カム
85 クランクアーム
86 連結アーム
87 回動ローラー
88 揺動カム駆動軸
89 クランクアーム駆動軸
90 上後軸
91 下前軸
92 上軸
93 下後軸
94 連結支持板
95 回動上軸
96 回動下軸
97 右下アーム
98 左右連結棒
99 右後揺動アーム
100 開閉駆動カム
101 開閉アーム
102 開閉用ローラー
103 連結ロッド
104 カウンターアーム
105 ピン
106 植付駆動伝動ケース
107 引張バネ
110 作穴体
111 作穴支持フレーム
112 作穴支持軸
113 作穴アーム
114 作穴アーム支持軸
115 作穴体駆動カム
116 回動ローラー
202 エンジン
203 主伝動ケース
204 前輪
205 後輪
206 苗植付装置
207 苗供給部
208 覆土鎮圧輪
209 操縦ハンドル
210 走行チェーンケース
210a 上側アーム
211 軌跡
214 後輪昇降シリンダ
215 油圧ポンプ
216 油圧切替バルブケース
216v 後輪昇降操作バルブ
217 横杆
218 後輪昇降ロッド
219 後輪昇降ロッド
235 接地センサー
236 軸
237a、237b ロッド
238a、238b 二股アーム
239 横軸
240 鎮圧輪支持フレーム
247a 鎮圧輪昇降用ロッド
247b 連結ロッド
248 支軸
249 揺動アーム
250 長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の車輪(14)を有する機体と、
前記機体に設けられ、移植対象物を植え付ける植付具(28)と、
前記機体を、前記車輪(14)に対して昇降させる昇降装置(23)と、
前記昇降装置(23)の昇降動作を切り替える昇降切替部(24)と、
前記昇降切替部(24)に連結された中間連結部(55、56、57)と、
圃場面に接地し前記圃場面の高低変化に対応して、前記機体に連結された走行方向に対して左右方向に伸びる接地体回動軸(52、61)の周りに回動することにより個別に上下動する、走行方向に対して左右に配置された2つの接地体(36、37)と、
前記接地体回動軸(52、61)よりも上の位置で、前記2つの接地体(36、37)を連結し、前記2つの接地体(36、37)の上下動に応じて位置が変化する天秤(50)と、
前記天秤(50)の2つの前記接地体(36、37)とのそれぞれの連結部分の中央位置で前記天秤(50)に一部が連結され、前記接地体回動軸(61)よりも上の位置で他の部分が前記中間連結部(55)に連結し、前記接地体回動軸(61)の周りに回動する連動アーム(51)とを備えた、移植機。
【請求項2】
前記接地体回動軸(52、61)を上下移動して植付深さを変更する植付深さ変更機構(53、54)を備え
前記連動アーム(51)は、左右側面視でV字形状であり、前記V字形状の一端部が前記中間連結部(55)に連結され、前記V字形状の他端側の直線部が前記天秤(50)に連結され、前記V字形状の谷部が前記接地体回動軸(61)に連結され、
前記天秤(50)が2つの前記接地体(36、37)のそれぞれと連結する前記連結部分は、左右側面視で、前記V字形状の一端部と前記V字形状の他端側の直線部との間にある、請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
前記2つの接地体(36、37)の間に配置された支持フレーム(111)に取り付けられ、上下動することにより前記圃場の植付位置に穴を作る作穴体(110)を備えた、請求項1に記載の移植機。
【請求項4】
前記作穴体(110)は、前記2つの接地体(36、37)の後方で、後方から見て前記2つの接地体(36、37)と重なる位置に配置されている、請求項3に記載の移植機。
【請求項5】
前記植付具(28)を側面視でループ状の作動軌跡(17)で上下動させる上下動機構(19)を備え、
前記上下動機構は、
所定方向に揺動する複数の第1揺動リンク(80、81、99)と、一端が前記第1揺動リンク(80、81、99)に連結され、他端が前記植付具(28)に連結し、別の所定方向に揺動する複数の第2揺動リンク(82、83、97)とを有するリンク機構(29)と、
前記第1揺動リンク(80、81、99)を作動させる第1揺動用部材(84)と、
前記第2揺動リンク(82、83、97)を作動させる第2揺動用部材(85)と、を有し、
前記複数の第1揺動リンク(80、81、99)および前記複数の第2揺動リンク(82、83、97)は、それぞれ前記機体の走行方向に対して左右に配置されており、
左右に配置された前記第2揺動リンク(82、83、97)の間に、左右に配置された前記第1揺動リンク(80、81、99)、前記植付具(28)および前記第2揺動用部材(85)が配置され、
左右に配置された前記第1揺動リンク(80、81、99)の間に前記第1揺動用部材(84)が配置されている、請求項1に記載の移植機。
【請求項6】
前記第1揺動用部材(84)へ伝動される動力を出力する第1出力軸(88)および前記第2揺動用部材(85)へ伝動される動力を出力する第2出力軸(89)を有する、左右に配置された前記第1揺動リンク(80、81、99)の間に設けられた伝動ケース(106)を備えた、請求項5に記載の移植機。
【請求項7】
前記2つの接地体(36、37)の間に配置された支持フレーム(111)に取り付けられ、上下動することにより前記圃場の植付位置に穴を作る作穴体(110)と、
左右に配置された前記第2揺動リンク(82、83、97)の間に設けられ、前記第2出力軸(89)の動力を伝達して前記作穴体(110)を上下動させる作穴体上下動機構(113、115、112)とを備えた、請求項6に記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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