説明

移送ライン

本発明は、2つの連続する処理ステーション間で同じ充填済みの2部分式カプセルを移送するための移送ラインであって、積み込み領域および取り出し領域と、各々が積み込み領域でカプセルを受けとり、取り出し領域でカプセルを取り出させるようになっている複数の空所を各々が包含する複数の同じ移送ユニットであり、各移送ユニットの前記複数の空所が、積み込み領域内の積み込み位置にあるときに充填済みの2部分式カプセルの群を第1の相対的な配置で受けとるように設計してあり、また、取り出し領域内の取り出し位置にあるときにこれらの群を放出するように設計してある複数の同じ移送ユニットと、積み込み、取り出し位置において、そして、少なくとも積み込み位置から取り出し位置まで移送ユニットをほぼ同じ向きに保ちながら移送ユニットを一時的にかつ個別に支持して移送ユニットを積み込み位置から取り出し位置へ、また、その逆に移送するようになっているコンベヤ装置とを包含する移送ラインに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の処理領域から第2処理領域へほぼ垂直方向に制御した向きで充填済み2部分式カプセルを移送するための移送ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤、ビタミンまたは栄養補助食品を含む種々のヘルスケア製品を経口投与するためにカプセルが多年にわたって使用されてきた。最初、充填製品は、粉末状または粒状の形態の薬剤であり、嚥下するのが容易な投薬形態で薬剤の苦みを効果的に隠すと共に迅速に効くように充填済みのカプセルが単位投与分として使用されていた。その後、この特殊な投薬形態の多用途性からの利益を得るために、充填製品のタイプをより複雑な精剤や多数の粒子状薬剤に拡大することが提案され、最近では液体製品にまで拡大することが提案された。
【0003】
カプセルは、一般的には、2つの部分、すなわち、丸い底部を有する円筒形本体とこの本体の自由端まわりに装着される丸いキャップを有する。これらのカプセルは、一般的には、ゼラチン、HPMC、プルランその他で作られている。
【0004】
このようなカプセルの製作は、カプセルの2つの部分の用意及びこのようなカプセルの充填を含む。2つの部分は、ばらばらの部分として、または、空のカプセルとして用意してもよい。カプセルの充填は、一般的に、空の部分を或る程度調整した後に行う(たとえば、特許文献1または2参照)か、または、空の部分の向きを或る程度決めてから行うか、または、これら両方を行う(たとえば、特許文献3参照)。カプセルの充填は、一般に充填機と呼ばれている機械で行われる。その場合、充填製品を本体内に投与量入れ、次いで、キャップをこの本体上に入れ子状に装着する。
【0005】
このような2部分式カプセルでの問題の1つは、特に充填製品が細かい粉末状の製品または低粘度液体製品である場合、充填作業とカプセルを使用しようとする瞬間に、充填製品が組み立てたカプセルから漏れる可能性があるということである。このような漏洩の結果の1つは、カプセルを使用するときに、カプセルに収容された実際の薬剤量がもはや適切な意図した投与量ではないということである。
【0006】
さらに、漏れた製品がカプセルを収容するパッケージ、または、パッケージ内の他のカプセルを損傷したり、あるいは、汚染によって外部製品との或る種の望ましくない化学反応を引き起こす可能性すらある。したがって、パッケージ(たとえば、ブリスタ・パック)内でのカプセルの輸送、保管中でのこのような漏出を防ぐことが特に重要である。したがって、特に充填製品が液体であるときの、一般的なカプセル充填プロセスの本質的部分は、2つの部分の結合部をそのときに効果的に強化するという能力にあることが理解できよう。本体およびキャップに、或る程度の錠止作用を与える相補的な幾何学的特徴を与えたり、または、或る種の超音波溶接を行ったり(たとえば、特許文献4参照)することを含めて種々の方法が利用できる。
【0007】
しかしながら、特に細かい粉末状製品または液体製品の場合、以下のプロセスが好ましい。すなわち、i)乾燥時に2つの部分の隣接する面の間をシールするシーリング溶液を使用して「シールする」こと、ならびに、ii)2つの部分の境界のところでカプセルの円周まわりにゼラチン・バンドを使用して「帯締めする」ことが好ましい。
【0008】
シーリング溶液の例としては、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9または特許文献10に記載されているものがある。このようなシーリング機は、一般的に、或る種の適切なシーリング流体でカプセルを濡らし、カプセルを乾燥させてから放出シュートを経てシールしたカプセルを放出する或る種の搬送装置を包含する。
【0009】
その後、或る種のさらなる処理、たとえば重量測定(たとえば、特許文献11参照)または制御(たとえば、特許文献12参照)を行ってから、最終的にカプセルをブリスタ内に詰める。
【0010】
充填機とシーリング機は、一般的に、独立した入口、出口を有するが、異なった機械である。シーリング機は、一般的に、シールしようとしているカプセルをランダムな向きで入れるホッパからなる入口要素を包含する。シールの精度を確保するためには、いくつかのシーリング機では、入力ホッパの後に、向き矯正ステーションが設けてある(たとえば、上記の特許文献6または特許文献9参照)。それにより、カプセルを所与の向きでシーリング/帯締めステーションに送り込む。しかしながら、たいていの場合、充填機からシーリング機への充填済みカプセルの移送は、カプセルの向きをまったく制御することなく行われる。一般的に、充填済みカプセルはバスケットのような容器に放出されるか、または、カプセルが任意の方向を向いてしまう旧式のコンベヤ上へ放出されるのである。容易にわかるように、この場合、カプセルがキャップを下にして転がるときに漏出のリスクが高まる。ここで、このとき生じた漏洩が、漏れた製品、特にキャップと本体の対面している表面間に残留する製品が以降のステーションでの適切なシーリングを妨げる可能性があるという特有の帰結があることに注目されたい。さらに、シーリング機内でカプセルの向きを矯正する必要があるといっても、そのために必要な圧迫の影響により、軽微な変形が生じ、漏出のリスクをさらに高めることになるということに注目されたい。
【0011】
上記の特許文献7では、向き矯正が不要であると共に、前段階の充填機とシーリング機の入口との間でカプセルが転がるというリスクがないシーリング機が提案されている。しかしながら、この効果は、シーリング機の入口を充填機の出口に直結することによって得られるのである。より正確に言うと、この充填機の可動レースウェイ要素内に位置するカプセル収容区画からカプセル群が間欠的に放出される。しかしながら、これには、両方の機械を直結できるように設計することが必要であり(この場合、これらの機械をその個々の性能にのみ基づいて選択し、購入することができない)、両方の機械を一線に設置するために充分なスペースが利用できなければならないのは明らかである。
【0012】
生産性のために、カプセルは、一方の機械から他方の機械まで広範囲に異なる配列で分布するカプセル群として処理されるので、直結を可能にする機械の組み合わせを選択すべく機械を選ぶのに厳しい制限があるということをここで明らかにすべきであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,238,124号
【特許文献2】米国特許第6,539,686号
【特許文献3】米国特許第5,417,030号
【特許文献4】ヨーロッパ特許第0135372号
【特許文献5】ヨーロッパ特許第0116744号
【特許文献6】米国特許第4,584,817号
【特許文献7】米国特許第4,724,019号
【特許文献8】米国特許第4,734,149号
【特許文献9】米国特許第4,940,499号
【特許文献10】ドイツ特許第3800852号
【特許文献11】米国特許第4,204,951号
【特許文献12】米国特許第6,162,998号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、充填機とシーリング機を直結する必要なしに(その結果、機械を独立して設計、選択、獲得できる)、もしくは、これらの機械を一線に配置する必要なしに、または、これら両方のことを必要とすることなく、充填機とシーリング機の間で充填済みの2部分式カプセルの群をほぼ垂直方向の向き(実際のところ、本体上方にキャップがある向き)で移送することを可能にする解決策の必要性があるのは明らかである。本発明の一目的は、この必要性を満たす移送ラインを提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、これら機械の機能とは独立して2台の連続する機械間で上記のような向きの制御を可能にする、充填済み2部分式カプセル用の移送ラインを提供することにある。点検機、計量機またはブリスタ−包装機に搬送するときにほぼ垂直方向の向きに充填済みの2部分式カプセルを保つことができれば、製品を完全な状態に保ち、中味の漏出を回避できることは明らかである。
【0016】
本発明の別の目的は、2部分式カプセルの群を制御したほぼ垂直方向の向きで、そして、互いに隔たった所与の幾何学的な配列で移送することを可能にすることにある。これにより、カプセルが相互に膠着するリスクを減らすことができる。さらに一般的に言えば、これにより、次のプロセス段階を容易にし、最終製品の品質を向上させるための或る種の熱処理(冷却または加熱)を適用するための移送ラインの利点を得ることができる。
【0017】
本発明の別の目的は、連続する処理ステーションをほんの少し修正するだけで連続する処理ステーション間で充填済みのカプセルを移送することのできる移送ラインを提供することにある。
【0018】
実のところ、いくつかの公知のシーリング機は、所与の向きを与えながらカプセルを湿潤後に放出部に向かって搬送するコンベヤを包含するが、この所与の向きというのが水平方向であり、これらのコンベヤは所与の機械内にすべて内蔵されることを意図されている。
【0019】
本発明は、2つの連続する処理ステーション間で同じ充填済みの2部分式カプセルを移送するための移送ラインであって、第1の処理ステーションの出口のところに位置し、ほぼ垂直方向の向きで前記充填済みの2部分式カプセルの群を連続して受け入れる積み込み領域と、第2の連続する処理ステーションの入口のところに位置し、ほぼ垂直方向の向きで充填済みの2部分式カプセルの前記群を連続して放出する取り出し領域と、各々が積み込み領域でカプセルを受けとり、取り出し領域でカプセルを取り出させるようになっている複数の空所を各々が包含する複数の同じ移送ユニットであり、各移送ユニットの前記複数の空所が、積み込み領域内の積み込み位置にあるときに充填済みの2部分式カプセルの群を第1の相対的な配置で受けとるように設計してあり、また、取り出し領域内の取り出し位置にあるときにこれらの群を放出するように設計してある複数の同じ移送ユニットと、積み込み、取り出し位置において、そして、少なくとも積み込み位置から取り出し位置まで移送ユニットをほぼ同じ向きに保ちながら移送ユニットを一時的にかつ個別に支持して移送ユニットを積み込み位置から取り出し位置へ、また、その逆に移送するようになっているコンベヤ装置とを包含する移送ラインを提案する。
【0020】
ここで、この構造が、高い作動速度に適合しながら大きな融通性(移送ユニットの数を必要に応じて変えられることができ、そして、コンベヤを、特にその長さ、方向を変更できる)を持ち、充填済みの2部分式カプセルの向きを連続して制御できるということは注目に値する。この移送ラインは、カプセルがほぼ垂直に留まり、本体にキャップを付けた状態でカプセルを垂直の向きで積み込み領域に送達する場合に、製品が低粘度液体であっても、製品漏出のリスクを無視できるほどにすることを保証する。さらに、向きを正すためのいかなる手段も第2のステーションに設ける必要がない。これは、このような第2処理ステーションの構造を簡略化する助けとなる。
【0021】
移送ユニットの材料(たとえば、鋼)を適切に選ぶならば、(移送ラインに沿って適切な送風機または任意の類似の手段を設けると共に)或る種の熱処理、滑らかな加熱または滑らかな冷却を適用できるという移送の利点を得ることができる。一方、移送ユニットの材料が熱を伝えないならば、カプセルの温度を維持することが可能である。
【0022】
とにかく、カプセル同士の接触のリスク(それ故、カプセル同士の膠着のリスク)が全くないので、カプセルの完全性保持が保証される。
【0023】
好ましくは、移送ユニットにある前記空所は、全体として、各々上方入口および下方出口を有する垂直方向の穴である。これにより、例えば吸引装置または送風装置のようなより複雑な手段の代わりに、重力を使用できるので、移送ユニットの積み込み、取り出しが容易になる。
【0024】
この場合、好ましくは、移送ユニットは、平行な上下面を有し、前記の穴は、互いに平行を保ちながらこれらの上下面から延びる。これは、移送ユニットを製作、取り扱い、保管するのが容易になる幾何学的形状、配置である。特に、移送ユニットは、ほぼ平行六面体形状のブロックであるとよい。
【0025】
移送ユニットへの入口のところでの相対的な形態とは異なる第2の相対的な形態で第2ステーションにおいて充填済みの2部分式カプセルの群を処理しようとしているときでも、ほぼ垂直方向のボアが互いに平行であると好ましい。この場合、取り出し領域は、好ましくは、第1の形態で配置された入口と、第2の相対的な形態で配置された出口とを包含するインタフェース取り出しブロックを包含する。したがって、移送ユニットは、すべて、単純な配置を有し、一方、第1、第2の相対的な形態の差異のみが単一のインタフェース・ブロック上に幾何学的な結果を与える。ここで、これらの穴がほぼ垂直となるようにやや傾斜した穴を経て1つのブロックの頂面、底面上の異なった相対的な形態をつなげることができることに注目されたい。
【0026】
好ましくは、このコンベヤ装置は、積み込み、取り出し領域内で移送ユニットを移動させ、積み込み、取り出しのそれぞれの最中にこれらの移送ユニットを積み込み、取り出し領域に維持する、積み込み、取り出し領域の両方に設けた割り出し装置と、割り出し装置間で移送ユニットを移動させる連続移動装置とを包含する。接続しようとしているステーションの全体的な形態の実際の配置をなんら考慮することなく一般的に連続移動装置よりも高価である割り出し装置を選ぶことができるのに対して段階的な移動と積み込み、取り出し領域間の連続移動とのこの組み合わせにより、それぞれの位置(整列していなくてもよいし、同じレベルになくてもよい)に応じて積み込み、取り出し領域間の任意の公知の連続移動装置を選ぶことができる。
【0027】
好ましい例として、連続移動装置は、移送ユニットを支持するために移送ユニットの下方に延在する少なく1つの搬送ベルトを包含する。しかしながら、他の連続コンベヤ要素を使用してもよい。たとえば、移送ユニットが垂直軸線を有するとき、ならびに、移送ユニットの軸線が水平であるとき(ただし、たとえば、移送ユニットが吊り下げられているとき)に移送ユニットの向きを維持できる回転コンベヤであってもよい。
【0028】
好ましい例として、おそらく先の特徴との組み合わせにおいて、各割り出し装置は、連続移動装置から滑ってきた移送ユニットを受け取るための固定案内フレームを備える緩衝帯域と、積み込み位置または取り出し位置へ、あるいは、そこから連続的に移送ユニットを移動させる少なくとも1つの往復動要素とを包含する。
【0029】
好ましくは、前記移送ユニットは、前記固定案内フレームと協働する横向きのピンを有する。こうすることにより、連続移動装置と割り出し装置のそれぞれによって引き起こされる運動を組み合わせることが非常に容易になる。
【0030】
或る重要な形態においては、連続移動装置は、積み込み領域から取り出し領域へ積み込まれた移送ユニットを移送する上方搬送ベルトと、取り出し領域から積み込み位置まで空の移送ユニットを移送する下方搬送ベルトとを包含する。この場合、積み込み装置のところで割り出し装置は、積み込み位置に向かって空の移送ユニットを上方へ移動させるようになっており、取り出し装置のところで割り出し装置は、積み込み済みの移送ユニットを取り出し位置から下方搬送ベルトに向かって押すようになっている。これは、上方から積み込み、下方へ取り出すのに非常に適している。
【0031】
移送ユニットの向きが、積み込み位置(同様のものを含む)(including same)から取り出し位置(同様のものを含む)(including same)までばかりでなく、まったくカプセルを持たずに戻る移動中にも維持され、移送ユニットが1方向でも反対方向でも同じ向きで移動できることを可能にする。
【0032】
移送ラインは、好ましくは、接続しようとしているステーション内に含まれるべきインタフェース要素を包含する(同様の要素が既にこれらのステーション内に存在するときには役立たないかも知れない)。換言すれば、移送ラインは、好ましくは、積み込み位置で第1処理ステーション内に含まれるべき第1のインタフェース要素と、取り出し位置で第2処理ステーション内に含まれるべき第2のインタフェース要素とを包含する。重要な例として、第1のインタフェース要素は、カプセルをつかみ、積み込み位置にある移送ユニットにカプセルを積み込むようになっている揺動アームであり、第2のインタフェース要素は、取り出し位置において、カプセルを上端で受け入れ、これらのカプセルを下端から送出するようになっている穴を備えたブロックである。
【0033】
この第2のインタフェース要素の場合、上端および下端を異なった配列で構成することができ、穴の少なくともいくつが他の穴に関して傾斜しているということが重要である。このことは、適切なインタフェース・ブロックが存在すると仮定するならば、カプセル群が、第2の処理ステーション内での処理中のカプセル群の配置とは異なる、積み込み位置での第1の配置を有することができることを意味する。ここで、第2の処理ステーションを変更するときに、特に移送ユニットにいかなる変更をも行うことなく、せいぜいインタフェース・ブロックの交換しか必要としないであろうことに注目されたい。
【0034】
上記のことから、本発明が、2つのステーションが充填ステーション及びシーリングのステーションであるときに特別な利点を有することは明らかである。本発明は、また、単独での移送ラインのみだけでなく、その移送ライン並びに第1処理ステーションおよび第2処理ステーションとの組み合わせを包含し、この場合、第1処理ステーションがカプセル充填ステーションであり、第2処理ステーションがカプセル・シーリング・ステーションである。
【0035】
しかしながら、ここで、連続する移送ラインを他のタイプのステーション間に、たとえば、充填ステーションと点検ステーションまたは重量測定ステーションとの間、あるいは、このような先行ステーションの1つとブリスタ包装ステーションとの間に設けてもよいことに注目されたい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】2つのカプセル処理ステーション間に延在する移送ラインの全体的な概略図である。
【図2】積み込み領域のところでのこの移送ラインの端部を示す詳細な概略図である。
【図3】取り出し領域のところでのこの移送ラインの反対端部を示す詳細な概略図である。
【図4】移送ラインの取り出し端のところにあるインタフェース・ブロックの図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1の移送ラインは、全体的に1、2で示す2つの連続する処理ステーション間に延在している。
【0038】
これらの処理ステーションは、たとえば、薬剤の製造のために2部分式カプセルに処理を施すことを意図している。この場合、これらのステーションは、それぞれ、任意公知のタイプの充填ステーション、シーリング・ステーションである。第1のステーションは、第1の所定の配置または配列で充填済みの2部分式カプセルの群を送出し、一方、第2のステーションは、第1の配置と同じ、または、同じでなくてもよい第2の所定の配置でこれらのカプセル群を受け入れること意図している。
【0039】
この移送ラインは、通常、
ステーション1の出口のところに位置する積み込み領域10と、
ステーション2の入口のところに位置する取り出し領域20と、
互いに全く同じである複数の移送ユニット30と、
コンベヤ装置40とを包含する。
【0040】
全く同じ移送ユニットが、各々、複数の空所31を包含する。各空所は、積み込み領域のところでカプセルを受け取り、取り出し領域のところでカプセルを取り出させるようになっている。各移送ユニットの空所の設計(または配列)は、この移送ユニットが積み込み領域内の積み込み位置に位置するとき、カプセル群を受け取り、取り出し領域の取り出し位置にあるときにカプセル群を放出するようになっている。
【0041】
このことは、移送ユニットが、1群のカプセルが第1ステーションから送出されたときにカプセルを受け取ることができる空所を有し、また、移送ユニット内に積み込まれたカプセルが、取り出し領域のところで送出されてさらに処理され得ることを意味する。しかしながら、移送ユニットが所与の充填ステーションで必要とするよりも多い空所を包含することも可能である。これによれば、異なった充填ステーションに対して同じ移送ユニットを使用することが可能になる。
【0042】
移送ユニット30の空所では、種々の技術的作用、たとえば、吸引や送風を利用してカプセルを積み込んだり、取り出したりすることができる。好ましくは、これらの空所は穴を有し、この穴が、上方入口31Aと下方出口31Bとを有する(移送ユニットが前部を切り取って示してある図2参照)。より正確に言うと、図面に示す移送ユニットは、平行な上下面を有し、ボアは、互いに平行を保ちながらこの上下面から延びている。これは非常に簡単な配置である。ここでは、移送ユニットは、平行六面体形状であり、より正確に言うと矩形の平行六面体形状である。
【0043】
これらの移送ユニットが横向きのピン32を備えていることに注目されたい。その重要性は以下に明らかにする。
【0044】
コンベヤは、移送ユニットを一時的に個別に支持して、積み込み、取り出し位置において、そして、少なくともこの積み込み位置からこの取り出し位置まで(そして、好ましくは、戻り運動中に)移送ユニットをほぼ同じ向きに保ちながら積み込み位置から取り出し位置まで、そして、その逆方向に移送ユニットを移送するようになっている。このコンベヤは、以下を包含すると有利である。すなわち、
積み込み、取り出し領域の両方にあって、これらの領域内で移送ユニットを移動させると共に、積み込み、取り出し中に積み込み、取り出し位置のそれぞれにこれらの移送ユニットを保持する割り出し装置と、
割り出し装置間で移送ユニットを移動させる連続移動装置と
を包含すると有利である。全体的に41で示す連続移動装置は、図1の移送ラインの中央部分である。この中央部分は、移送ユニットの下方に延在する少なくとも1つの搬送ベルトを包含し、この搬送ベルトで、移送ユニットの個別の一時的な支持を容易に行うことができる。あるいは、この連続装置は回転コンベヤを包含する。
【0045】
より正確に言うと、この中央部分は、図示例では、積み込み領域から取り出し領域へ積み込み済みの移送ユニットを移送する上方搬送ベルト42と、取り出し領域から取り出し位置へ空の移送ユニットを移送する下方搬送ベルト43とを包含する。
【0046】
各割り出し装置は、ここでは、連続移動装置から滑り出る移送ユニットを受け取る固定案内フレームを備えた緩衝帯域と、積み込み位置または取り出し位置へ、または、そこから移送ユニットを連続的に移動させる少なくとも1つの往復動要素とを包含する。
【0047】
図2において、積み込み領域のところで、割り出し装置45は、積み込み位置P1に向かって空の移送ユニットを上方へ移動させるようになっており、矢印45Aで概略的に示す第1の往復動要素は、空の移送ユニットを上方へ押し、一方、矢印45Bで概略的に示す第2の往復動要素は、積み込み済みの移送ユニットを上方搬送ベルト上に戻すように押し離す。
【0048】
この例においては、46で概略的に示す固定案内フレームは、移送ユニットが積み込み位置に向かって動かされるときに移送ユニットを支持するプレートを包含する。あるいは、このフレームは、移送ユニットの横向きピンと協働するバーからなる(これは図3に示すものに類似している)。
【0049】
図3において、取り出し領域のところで、割り出し装置47は、取り出し位置P2から下方搬送ベルトに向かって、そして、その上に積み込み済みの移送ユニットを押すようになっている。割り出し装置47は、プッシャ47Aとして示す往復動装置を包含する。
【0050】
固定案内フレーム48は、上部ベルトの出口のところで水平方向に延び、次いで、取り出し位置P2に向かって垂直方向に延びる2本の横向きのバーを包含する。
【0051】
移送ラインは、処理ステーションの1つに内蔵するインタフェース要素を包含していてもよい。
【0052】
図2は、第1のインタフェース要素であり得る揺動アームを第1ステーションと共に示している。このような揺動アームは、いくつかの現存するカプセル充填ステーションの出口のところにあり、それ自体公知である。この揺動アームは、ステーションでの処理の終りでカプセルをつかみ、次いで、積み込み位置P1にある移送ユニット内へカプセルを積み込むようになっている。もちろん、この第1のインタフェース要素は、第1の処理ステーションがこのようなインタフェース要素を既に備えているときには不要である。その他の点では、このような揺動アームを内蔵するようにステーションをとのように変更すべきかは当業者であればわかるであろう。
【0053】
図3は、必要に応じて使用できる第2のインタフェース要素60を示している。この第2のインタフェース要素60は、ここでは、平行となっている穴61を備えたブロックである、これらの穴は、その上端でカプセルを受け取り、下端でこれらのカプセルを送出するようになっている。
【0054】
移送ユニットまたはこのブロックに下端のところにゲート要素を設け、適切でない場合に積み込み済みのカプセルが脱落するのを防ぐようにすることは当業者の技倆内にある。
【0055】
図4は、ブロックの代替設計を60'で示している。この場合、上端の配列は、ドラム部分80でさらに処理するために下端の配列とは異なっている。より正確に言うと、穴61は、上端の配列が2横列、5縦列であり、下端の配列が1横列、10縦列となるようにしてある。これは、穴を互いに関して適切に傾斜させることで達成される。
【0056】
ここで、移送ラインが、市場に存在する機械の種類に応じて、いくつかのインタフェース・ブロックを備えていてもよいことに注目されたい。この場合、操作者は、移送ラインの後にある機械を変更するときにブロックを変えるだけでよい。
【0057】
さらに、ここで、移送ラインが、シーリング機以外のステーション(たとえば、点検ステーションまたはブリスタ包装ステーション)の前に使用できることに注目されたい。そして、この移送ラインは、充填機の後ならびにこの点検ステーションの後で使用できる(カプセルの向きが充填後の全プロセスで制御され続けるので、或る種の粉末状製品の場合、シーリング段階を省略し、全プロセスを簡略化することすら可能である。)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの連続する処理ステーション間で同じ充填済みの2部分式カプセルを移送するための移送ラインであって、第1の処理ステーションの出口のところに位置し、ほぼ垂直方向の向きで前記充填済みの2部分式カプセルの群を連続して受け入れる積み込み領域と、第2の連続する処理ステーションの入口のところに位置し、ほぼ垂直方向の向きで充填済みの2部分式カプセルの前記群を連続して放出する取り出し領域と、各々が積み込み領域でカプセルを受けとり、取り出し領域でカプセルを取り出させるようになっている複数の空所を各々が包含する複数の同じ移送ユニットであり、各移送ユニットの前記複数の空所が、積み込み領域内の積み込み位置にあるときに充填済みの2部分式カプセルの群を第1の相対的な配置で受けとるように設計してあり、及び、取り出し領域内の取り出し位置にあるときにこれらの群を放出するように設計してある複数の同じ移送ユニットと、積み込み及び取り出し位置において、そして、少なくとも積み込み位置から取り出し位置まで移送ユニットをほぼ同じ向きに保ちながら移送ユニットを一時的にかつ個別に支持して移送ユニットを積み込み位置から取り出し位置へ、及び、その逆に移送するようになっているコンベヤ装置とを包含する移送ライン。
【請求項2】
移送ユニットの空所が、各々上方入口および下方出口を有するほぼ垂直方向の穴である、請求項1に記載の移送ライン。
【請求項3】
移送ユニットが平行な上下面を有し、穴が互いに平行を保ちながらこの上下面から延びている、請求項2に記載の移送ライン。
【請求項4】
ほぼ垂直方向の穴が互いに平行であり、上方入口および下方出口が第1の相対的な配置であり、取り出し領域が、第1の配置で配置した入口と、第1の相対的な配置とは異なっている第2の相対的な配置で配置した出口とを包含するインタフェース取り出しブロックを包含する、請求項2に記載の移送ライン。
【請求項5】
コンベヤ装置が、積み込み及び取り出し領域内で移送ユニットを移動させ、積み込み及び取り出しのそれぞれの最中にこれらの移送ユニットを積み込み及び取り出し位置に維持する、積み込み及び取り出し領域の両方に設けた割り出し装置と、割り出し装置間で移送ユニットを移動させる連続移動装置とを包含する、請求項1に記載の移送ライン。
【請求項6】
連続移動装置が、移送ユニットを支持するために移送ユニットの下方に延在する少なく1つの搬送ベルトを包含する、請求項5に記載の移送ライン。
【請求項7】
各割り出し装置が、連続移動装置から移送ユニットを移送するため位置決め装置を備える緩衝帯域と、積み込み位置または取り出し位置へ、あるいは、そこから連続的に移送ユニットを移動させる少なくとも1つの往復動要素とを包含する、請求項5に記載の移送ライン。
【請求項8】
移送ユニットが、固定案内フレームと協働する横向きのピンを有する、請求項7に記載の移送ライン。
【請求項9】
連続移動装置が、積み込み領域から取り出し領域へ積み込み済みの移送ユニットを移送する上方搬送ベルトと、取り出し領域から積み込み位置まで空の移送ユニットを移送する下方搬送ベルトとを包含し、積み込み装置のところで割り出し装置が、積み込み位置に向かって空の移送ユニットを上方へ移動させるようになっており、取り出し装置のところで割り出し装置が、積み込み済みの移送ユニットを取り出し位置から下方搬送ベルトに向かって押すようになっている、請求項7に記載の移送ライン。
【請求項10】
コンベヤ装置が、移送ユニットを連続的にほぼ同じ向きに保ちながら移送ユニットを移動させるようになっている、請求項1に記載の移送ライン。
【請求項11】
積み込み位置で第1処理ステーション内に含まれるべき第1のインタフェース要素と、取り出し位置で第2処理ステーション内に含まれるべき第2のインタフェース要素とをさらに包含する、請求項1に記載の移送ライン。
【請求項12】
第1のインタフェース要素が、カプセルをつかみ、積み込み位置にある移送ユニットにカプセルを積み込むようになっている揺動アームである、請求項11に記載の移送ライン。
【請求項13】
第2のインタフェース要素が、取り出し位置においてカプセルを上端で受け取り、これらのカプセルを下端で送出するようになっている穴を備えたブロックである、請求項11に記載の移送ライン。
【請求項14】
上端および下端が異なった配列となっており、穴のうちの少なくともいくつかがこれらの穴の他の穴に対して傾斜している、請求項13に記載の移送ライン。
【請求項15】
請求項1の移送ラインと第1及び第2の処理ステーションとの組み合わせであって、第1の処理ステーションがカプセル充填ステーションであり、第2の処理ステーションがカプセル・シーリング・ステーションである組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−507434(P2010−507434A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533975(P2009−533975)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003157
【国際公開番号】WO2008/050208
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】