説明

稜部を補強する容器

【課題】稜部を補強する容器であり、より詳細には骨材の取付けである。
【解決手段】容器の隅部に変形挿入袋7aを取付け、変形挿入袋7aに対応する稜部の隅部に挿入袋7bを取り付けて、変形挿入袋7aと挿入袋7bの間に骨材5を挿入して稜部を補強する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、稜部を補強する容器であり、より詳細には稜部に骨材を取付けことに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、よく知られた、例えば、自立開口、折り畳み可能な容器は、図4に示すように、各隅部で曲折かのに構成してある。即ち、図4(A)の折り畳み容器は、各隅部に於て、T字状の挿入袋48が面部材(網体や合成樹脂シート体等)50に取り付けてある。そして、この容器の稜部を補強するときには、前記T字状の挿入袋48と挿入袋48の間に、細いFRPポール等の骨材51を挿入することによって、各稜部が連結され、自立開口状態になる。
【0003】
そして、この自立開口状態の容器は、開口部から物品(例えば、ポットボトル)を投入して、例えば、廃品回収の容器として使用する。一方、容器内の物品を排出して、空の状態のときには、骨材51を挿入袋48から抜くと、折り畳み可能な面部材(網体や合成樹脂シート体等)50であるので、折り畳んで平坦状に図ることができる。
【0004】
又、図4(B)の容器は、前記図4(A)と異なり、縦辺の骨材51を下地材50に直接、結合した状態で容器を製作するものであり、隅部にはL字状の挿入袋49が取り付けてある。そして、この容器は、前記挿入袋49と挿入袋40の間に、細いFRPポール等の骨材51を挿入することによって、各稜部が連結され、自立開口状態になる。
そして、この自立開口状態の容器は、使用時には開口部から物品を投入し、空のときには、骨材51を挿入袋49から抜いて、折り畳んだ平坦状で搬送できる。
尚、この従来の発明は、例示するまでもないので、列挙しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図4(A)に示す容器は、稜部を補強するために、挿入袋48と挿入袋48の間に、骨材51を装着する。
又、図4(B)に示す容器に於いても、挿入袋49と挿入袋49の間に、骨材51を装着する。
前記骨材51の長さは、挿入袋48と挿入袋48に挿入した骨材51が挿入袋48から抜けない状態にしなければならない。そのため、骨材51の長さは、挿入袋48と挿入袋48の外端部間の距離より僅かに短いものを使用することになる。このことは、図4(B)に示す容器に於ける挿入袋49と挿入袋49の間に装着する骨材51においても同様である。
【0006】
この様な長さの骨材51を挿入袋48と挿入袋48の間、或いは、挿入袋49と挿入袋49の間に装着するためには、骨材51を、弓状に曲折した状態で挿入することを要し、挿入に当たって、曲折する力を要する。このため、容器の組立作業能率が落ち、更に、簡便な作業が望まれている。
そこで、本願発明は、係る不都合を解消する骨材の取付けに関する発明を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の容器は、容器の隅部に変形挿入袋を取付け、前記変形挿入袋に対応する稜部における他の隅部に挿入袋を取り付け、変形挿入袋と挿入袋の間に骨材を挿入して稜部を補強するものである。
又、前記挿入袋は骨材を挿入可能な筒状であり、前記変形挿入袋は、上シート体が下シート体に重なる状態に形成されている。そして、骨材の端部を前記挿入袋に挿入し、骨材の他端部を前記上シート体の裏面側をスライドさせて、その後、前記下シート体の裏面側に装着すると、骨材は変形挿入袋と挿入袋の間に装着でき、抜けることがない。
この様な操作によって、骨材は変形挿入袋と挿入袋の間に装着できるので、従来のように、骨材を弓状に曲折せずに装着することができるし、取り外すこともできる。
【0008】
又、請求項2の容器は、各隅部を曲折可能に形成してあるので、折り畳みができる。
又、請求項3の容器の縦稜部は、面部材に骨材が固定してあるので、骨材を中心に折り畳みができる。
【発明の効果】
【0009】
本願発明は、骨材を弓状に曲折することなく稜部に取り付けることができ、稜部の補強を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本願の発明における一実施の形態を図1を参照して説明する。
図1の容器は、上部が開口状のほぼ立方体形状の容器であり、正面体A、裏面体B、側面体C、D及び底面体で構成してある。
又、前記各面体A、B、C、D、Eは、曲折可能な面部材(網体や合成樹脂シート体)を張って構成してあると共に、各隅部a、b、c、d、e、f、g、hは曲折可能に構成してある。
【0011】
又、各隅部a〜hが曲折可能に構成するための一例として、正面体Aの隅部a〜d、左側面体Cの隅部c〜d等には、後述する変形挿入袋7aと挿入袋7bが取り付けてある。この挿入袋7bは、骨材(細いFRPポール等)5を挿入可能な円筒形状等で、合成樹脂等のシートを縫製等で面部材に結合してある。
尚、この曲折可能な容器は、縦稜部には骨材(細いFRPポール等)5aが面部材に固定してあり、この容器は縦稜部5aを中心軸として折り畳むことができる。
【0012】
次に、図2を参照して、前記変形挿入袋7aの作成方法等について説明する。 平行四辺形状のシート体10を中心線で2つ折りすると、上シート10bが下シート体10aに載置状態となり、半分重なった状態の変形挿入袋7aができる。
そして、この変形挿入袋7aの上縁部11aと下縁部11bを、容器の隅部aや隅部c等において、面部材に結合する。
この結果、例えば、容器の隅部cには変形挿入袋7aが取り付けられ、この隅部cに対応する稜部の隅部dに挿入袋7bを取り付けて、後述する骨材5を変形挿入袋7aと挿入袋7bの間に装着して、稜部の補強を図ることができる。
【0013】
次に、前記容器の隅部cの変形挿入袋7aと、隅部dの挿入袋7bの間の稜部に装着する骨材(細いFRPポール等)5の装着方法について、図3を参照して説明する。
図3(A)は、変形挿入袋7aと挿入袋7b、及び、骨材(細いFRPポール等)5の装着前の図である。この骨材5の長さ(L)は変形挿入袋7aの外端部と挿入袋7bの外端部の長さ(L’)より僅かに短い。
従って、従来の場合には、隅部cに挿入袋7bを、他の隅部dに挿入袋7bが取り付けてある場合には、骨材5は弓状に曲折した状態で装着しなければならない。
【0014】
しかし、本願の変形挿入袋7aは、上シート体10bが下シート体10aの左下隅部Xから右斜め上の右上端部Yに到る傾斜状に形成された袋である。
その結果、骨材5の右端部を挿入袋7bを装着した後に、骨材5が長さ(L)にも拘らず、骨材5を曲げずに、骨材5の左端部を、上シート体10bと下シート体10aの間を、上シート体10bの左下隅部Xから右上端部Yに到るようにスライドさせることができる。この理由は、骨材5の右端部を挿入袋7bを装着したとき、長さ(L)の骨材5の左端部は、上シート体10bの左下隅部Xまでの距離より短いからである。
【0015】
そして、その後、骨材5を下シート体10aの裏面側に、即ち、面部材と下シート体10aの間にスライドさせると、骨材5は下シート体10aによって、取り外すことができない状態になり、隅部cと隅部dの間の稜部に骨材5が装着された状態になる。
以上のように、変形挿入袋7aと挿入袋7bを使用すると、骨材5は弓状に曲折せずに、変形挿入袋7aと挿入袋7bの間に装着することができ、稜部の補強を図ることができるし、前記操作の逆を行うことによって、取り外すこともできる。
そして、空の容器において、前記骨材5を取り外すと、折り畳みができて収納することができる。
【0016】
前記は、隅部c、dの間に骨材5を装着する例であるが、図1に示すように、隅部aに変形挿入袋7aを取付け、隅部dに挿入袋7bを取付けて、前記図3に示す要領で、骨材5を弓状に曲折せずに、変形挿入袋7aと挿入袋7bの間に装着することができ、隅部aと隅部dの間の稜部を補強することができる。
【0017】
前記容器は、縦稜部には骨材5aが面部材に固定されていて、各隅部が曲折可能な容器であり、変形挿入袋7aと挿入袋7bの間に、図3に示す要領で骨材5を装着すると、この容器の稜部は骨材5、5aで堅固に連結された状態になり、自立開口の容器となる。
一方、前記変形挿入袋7aと挿入袋7bの間の骨材5を抜くと、縦稜部に骨材5aが面部材に固定された容器となり、面部材に折り畳み可能な材料を使用すると、縦稜部に固定の骨材5aを中心に折り畳むことができる。
この結果、未使用時の容器は、小さな容積となり搬送に便利であり、使用時には前記骨材5を装着することによって、自立開口の容器となる。
【0018】
尚、前記容器は、折り畳み可能な、即ち、各隅部が曲折可能に形成の容器であるが、必ずしもこの様に曲折可能な形態の容器でなくても隅分が固定された容器にも適用でき、変形挿入袋7aと挿入袋7bの間に骨材5を装脱着する、或いは、装着後に固定してもよいとする本願発明は、容器の稜部を補強するという意味で、種々の形態の容器に適用できる。
又、変形挿入袋7aは、上シート体10bと下シート体10aの形状が三角状であるが、骨材5が上シート体10bと下シート体10aの間を、上シート体10bの左下隅部Xから右上端部Yに到るまでスライドでき、且つ、その後、骨材5を面部材と下シート体10aの間にスライド(挿入)可能な形状であればよい。従って、上シート体10bの辺は、直線の他、曲線であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】容器の全体図である。
【図2】変形挿入袋の製作方法の図である。
【図3】骨材を変形挿入袋と挿入袋に装着する操作の図である。
【図4】従来の容器の図である。
【符号の説明】
【0020】
5 骨材
5a 縦骨材
7a 変形挿入袋
7b 挿入袋
10a 下シート体
10b 上シート体
a〜h 隅部
A 正面体
B 裏面体
C、D 側面体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の隅部に変形挿入袋を取付け、前記変形挿入袋に対応する稜部の隅部に挿入袋を取り付けて、前記変形挿入袋と挿入袋の間に骨材を挿入して稜部を補強してなる容器であって、
前記挿入袋は骨材を挿入可能な筒状であり、
前記変形挿入袋は、上シート体が下シート体に重なる状態に形成され、
骨材の端部を前記挿入袋に挿入し、骨材の他端部を前記上シート体の裏面側をスライドさせて、その後、前記下シート体の裏面側に装着する容器。
【請求項2】
各隅部を曲折可能に形成する請求項1の容器。
【請求項3】
縦稜部は面部材に骨材を固定してなる請求項1又は請求項2の容器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−126249(P2010−126249A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306769(P2008−306769)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(595147504)
【Fターム(参考)】