説明

種々の厚さと頂表面直径を持つ共通寸法の膝蓋構成要素を有する膝義足

【課題】複数の共通寸法のドーム型膝蓋構成要素を有する整形外科用移植片組立体を提供する。
【解決手段】埋込み型の整形外科用膝義足組立体が、第1のドーム型膝蓋構成要素10を含み、その第1のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面20と、外向きに延びる複数のペグ42を有する前方表面40とを有する。共通寸法のドーム型膝蓋構成要素はそれぞれ、様々な厚さ及び/又は頂表面直径で提供され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には埋込み型の整形外科用義足に関し、より具体的には、種々の厚さと頂表面直径を持つ共通寸法のドーム型膝蓋構成要素を有する埋込み型の整形外科用義足に関する。
【背景技術】
【0002】
関節置換術は、1つ又は複数の患者の骨に埋め込まれる義足の使用を伴い得るものである。関節置換術は、1つ又は複数の患者の骨に埋め込まれる義足の使用を伴い得るものである。膝蓋置換術の場合、整形外科用義足が患者の膝蓋の中に埋め込まれる。特に、義足の膝蓋構成要素は、その後方表面が膝の伸展及び屈曲の間に大腿骨構成要素と関節接合をなすように、患者の天然の膝蓋に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のドーム型膝蓋構成要素が、球状のドーム型の輪郭を有するドーム形状のポリマー製支持部として埋め込まれる。したがって、構成要素の厚さを変更するには、構成要素の寸法(すなわち構成要素の外径)を変更することが必要となる。換言すれば、構成要素の厚さと寸法は、互いに幾何学的に依存している。例えば、従来技術の41mmのドーム型膝蓋構成要素の最小厚さは、11.4mm以下である。これは、特定の外科用途には厚すぎるものとなり得る。しかしながら、厚さの低減もまた、構成要素の寸法(すなわち構成要素の外径)の低減を必要とする。そのような寸法依存性は、膝蓋大腿の間隙の不均衡を外科的に矯正する上で難題を生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、埋込み型の整形外科用膝義足組立体が、第1のドーム型膝蓋構成要素を含み、その第1のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有する。冠状断面図で見ると、第1のドーム型膝蓋構成要素の後方支持表面は、第1のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有する。第1の想像線区間が、第1のドーム型膝蓋構成要素の前方表面から第1のドーム型膝蓋構成要素の最後方点へと直角に延びる。この埋込み型の整形外科用膝義足組立体はまた、第2のドーム型膝蓋構成要素を含み、その第2のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有する。第2のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅は、第1のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅と同じである。冠状断面図で見ると、第2のドーム型膝蓋構成要素の後方支持表面は、第2のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有している。第2の想像線区間が、第2のドーム型膝蓋構成要素の前方表面から第2のドーム型膝蓋構成要素の最後方点へと直角に延びる。第2の想像線区間は、第1の想像線区間よりも長い。
【0005】
この埋込み型の整形外科用膝義足組立体はまた、第3のドーム型膝蓋構成要素を含み、その第3のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有する。第3のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅は、第1のドーム型膝蓋構成要素及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの内側/外側幅とも同じである。冠状断面図で見ると、第3のドーム型膝蓋構成要素の後方支持表面は、第3のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有している。第3の想像線区間が、第3のドーム型膝蓋構成要素の前方表面から第3のドーム型膝蓋構成要素の最後方点へと直角に延びる。第3の想像線区間は、第1の想像線区間及び第2の想像線区間のいずれよりも長い。
【0006】
第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素の湾曲頂表面のいずれも、半球形状表面を有し得る。第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの後方支持表面も、円錐形状表面を更に有し得るものであり、その円錐形状表面は、半球形状表面から離れて前方に延び、丸み付き縁部表面へと遷移し、その丸み付き縁部表面は、前方表面に向かう方向に、円錐形状表面から離れて前方に延びる。
【0007】
第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を有し得る。
【0008】
第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素は、第1のドーム型膝蓋構成要素の前方表面から離れて前方に延びる第1の個数のペグを有する。この第1の個数のペグは、第2の個数のペグと同じ直径を有する。第1の個数のペグは、第2の個数のペグが第2のドーム型膝蓋構成要素の前方表面上に配置されるのと同じパターンで、第1のドーム型膝蓋構成要素の前方表面上に配置される。
【0009】
別の態様によれば、埋込み型の整形外科用膝義足組立体が、内側顆表面と外側顆表面とを有する大腿骨構成要素と、その大腿骨構成要素の顆表面と接触して別々に配置されるように構成された複数のドーム型膝蓋構成要素とを有する。複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、それら複数のドーム型膝蓋構成要素のうちのその他のドーム型膝蓋構成要素それぞれと同じ内側/外側幅を有する。また、複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、大腿骨構成要素の内側顆表面と関節接合をなすように構成された内側関節表面と、大腿骨構成要素の外側顆表面と関節接合をなすように構成された外側関節表面とを有する。複数のドーム型膝蓋構成要素はそれぞれ、それら複数のドーム型膝蓋構成要素のうちのその他のドーム型膝蓋構成要素の少なくともいくつかとは異なる前方/後方厚さを有する。
【0010】
複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの後方支持表面は、ドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前方/後方厚さは、前方表面から最後方点へと垂直に延びる想像線区間によって規定され得る。
【0011】
複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの後方支持表面は、半球形状頂表面と、その半球形状頂表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有し得る。円錐形状表面は、その円錐形状表面から離れて前方に延びる丸み付き縁部表面へと遷移する。
【0012】
複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体として具現されてもよい。
【0013】
複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの対応するペグは、互いに同じ直径を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれのペグは、互いに同じパターンで配置され得る。
【0014】
別の態様によれば、埋込み型の整形外科用膝義足組立体が、第1のドーム型膝蓋構成要素を含み、その第1のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有する。第1のドーム型膝蓋構成要素の後方支持表面は、第1のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む半球形状頂表面と、その半球形状表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有する。
【0015】
この埋込み型の整形外科用膝義足組立体はまた、第2のドーム型膝蓋構成要素を含み、その第2のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有する。第2のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅は、第1のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅と同じである。第2のドーム型膝蓋構成要素の後方支持表面は、第2のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む半球形状頂表面と、その半球形状頂表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有する。第2のドーム型膝蓋構成要素の半球形状頂表面の直径は、第1のドーム型膝蓋構成要素の半球形状頂表面の直径よりも大きい。
【0016】
この埋込み型の整形外科用膝義足組立体は、第3のドーム型膝蓋構成要素を更に含み、その第3のドーム型膝蓋構成要素は、埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有してもよい。第3のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅は、第1のドーム型膝蓋構成要素及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの内側/外側幅とも同じである。第3のドーム型膝蓋構成要素の後方支持表面は、第3のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む半球形状頂表面と、その半球形状頂表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有する。第3のドーム型膝蓋構成要素の半球形状頂表面の直径は、第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの半球形状頂表面の直径よりも大きい。
【0017】
第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの円錐形状表面も、丸み付き縁部表面へと遷移し、その丸み付き縁部表面は、前方表面に向かう方向に、円錐形状表面から離れて前方に延びる。
【0018】
第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体として具現され得る。
【0019】
第1のドーム型膝蓋構成要素は、第1のドーム型膝蓋構成要素の前方表面から離れて前方に延びる第1の個数のペグを有してもよく、第2のドーム型膝蓋構成要素は、第2のドーム型膝蓋構成要素の前方表面から離れて前方に延びる第2の個数のペグを有する。この第1の個数のペグは、第2の個数のペグと同じ直径を有する。第1の個数のペグは、第2の個数のペグが第2のドーム型膝蓋構成要素の前方表面上に配置されるのと同じパターンで、第1のドーム型膝蓋構成要素の前方表面上に配置される。
【0020】
別の態様によれば、ある埋込み型の整形外科用膝義足組立体が、内側顆表面と外側顆表面とを有する大腿骨構成要素と、その大腿骨構成要素の顆表面と接触して別々に配置されるように構成された複数のドーム型膝蓋構成要素とを含む。複数のドーム型膝蓋構成要素はそれぞれ、それら複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素それぞれと同じ内側/外側幅を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素はそれぞれ、大腿骨構成要素の外側顆表面と関節接合をなすように構成された円錐形状表面と、それら複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素の少なくともいくつかの半球形状頂表面の直径とは異なる直径を有する半球形状頂表面とを有する。
【0021】
複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの半球形状頂表面は、ドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含むものであり、前方に延び、ドーム型膝蓋構成要素の円錐形状表面へと遷移する。
【0022】
複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を有する。
【0023】
膝蓋構成要素は、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体として具現されてもよい。
【0024】
複数のドーム型膝蓋構成要素は、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの対応するペグは、互いに同じ直径を有する。複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれのペグは、互いに同じパターンで配置される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
この詳細な説明は特に、以下の図に関連するものである。
【図1】膝義足のドーム型膝蓋構成要素の立面図。
【図2】図1のドーム型膝蓋構成要素を示す冠状断面図であり、このドーム型膝蓋構成要素は、膝義足の大腿骨構成要素と関節接触をなして配置されている。
【図3】種々様々な構成要素の幅と厚さの選択肢を伴って提供される図1のドーム型膝蓋構成要素を示す図。
【図4】互いに重ね合わされた、種々の厚さを持つ多数の共通寸法のドーム型膝蓋構成要素を示す冠状断面図。
【図5】図4のドーム型膝蓋構成要素の底面斜視図。
【図6】図4のドーム型膝蓋構成要素の底面斜視図。
【図7】図4のドーム型膝蓋構成要素の底面斜視図。
【図8】図3と類似した図であるが、種々様々な構成要素の幅と頂直径の選択肢を伴って提供される図1のドーム型膝蓋構成要素を示す図。
【図9】共通の幅と種々の頂直径を有する図8の2つのドーム型膝蓋構成要素を示す概略的矢状断面図であり、これらのドーム型膝蓋構成要素は、互いに重ね合わされ、膝義足の大腿構成要素と接触して配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の構想は様々な修正及び代替の形態を認めるが、それらの具体的な例示的実施形態が一例として図面に示されており、また本明細書で詳しく説明される。しかしながら、理解されたいこととして、開示した特定の形態に本開示の構想を限定することは意図されておらず、それとは逆に、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれるすべての修正物、等価物、及び代替物を網羅することが意図されている。
【0027】
前方、後方、内側、外側、上方、下方など、解剖学的な基準を表わす用語が、本明細書で説明する整形外科用移植片及び患者の天然組織に関して、本開示の全体を通じて用いられ得る。そのような用語は、解剖学の研究と整形外科の分野の両方において、周知の意味を有している。そのような解剖学的な基準の用語を本明細書及び特許請求の範囲において用いることは、特に断りのない限り、それらの周知の意味と一致することを意図したものである。
【0028】
ここで図1〜4を参照すると、埋込み型膝義足のドーム型膝蓋構成要素10が示されている。以下で更に詳細に説明するように、多数の共通寸法のドーム型膝蓋構成要素10(すなわち、これらはそれぞれ同じ直径を有する)が種々の厚さで提供され得る。図2に示すように、膝義足はまた大腿構成要素30を含んでおり、大腿構成要素30は、外科的に調製された、患者の遠位大腿骨(図示せず)の端部に固定されるように構成されている。ドーム型膝蓋構成要素10は、大腿骨構成要素30の顆表面と関節接合をなすように構成された後方支持表面20を有している。具体的には、ドーム型膝蓋構成要素10の後方支持表面20は、外側関節表面22と内側関節表面24とを含んでいる。関節表面22、24はそれぞれ、大腿骨構成要素30の外側顆表面32及び内側顆表面34と関節接合をなすように構成されている。具体的に言えば、大腿骨構成要素30は、患者の天然の大腿顆の構成を模倣するように構成されており、したがって、外側顆表面32及び内側顆表面34は、天然の大腿骨の顆をまねる様式で構成されている(例えば湾曲している)。外側顆表面32と内側顆表面34は互いに離間しており、それによって、それらの間に顆間切痕を画定している。
【0029】
図1で分かるように、ドーム型膝蓋構成要素10はまた平坦な前方表面40を有し、この前方表面40は、ドーム型膝蓋構成要素42から離れて延びる、ペグ42などの複数の固定部材を有している。ペグ42は、外科的に調製された、患者の天然の膝蓋の後方表面(図示せず)に埋め込まれるように構成されている。このように、ドーム型膝蓋構成要素10の後方支持表面20は大腿骨構成要素30に面しており、それによって、後方支持表面20が、患者の膝の屈曲及び伸展の間に、大腿顆表面32、34と関節接合をなすことが可能となっている。
【0030】
ドーム型膝蓋構成要素10は、ドーム型膝蓋構成要素10と大腿骨構成要素30との間の平滑な関節接合を可能にする材料で構成された、一体式のポリマー製本体として具現される。そのような高分子材料の1つが、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレンである。大腿骨構成要素30は、コバルトクロム合金などの生体適合性金属で構成されてもよいが、セラミクスなどの他の材料が使用されてもよい。
【0031】
詳細に説明するように、ドーム型膝蓋構成要素10の幾何学的設計により、構成要素の寸法(すなわち構成要素の外径)と構成要素の厚さとの依存性が低減される。具体的には、図3に示すように、複数の共通寸法のドーム型膝蓋構成要素10(すなわち同じ直径を有する構成要素)が、ある範囲の厚さにわたって製作され得る。様々な構成要素の厚さが各構成要素の寸法ごとに利用可能となることにより、膝蓋大腿を釣り合わせる際の外科医の労力が軽減される。例えば、患者の膝蓋が、伸展時の間隙と屈曲時の間隙のいずれにおいても緩んでいる場合、外科医は、同じ寸法であるがより厚い膝蓋を選択して、適切に骨が被覆されるように(あるいは、患者の膝蓋が伸展時の間隙と屈曲時の間隙のいずれにおいても緊密である場合はその反対に)することができる。これは従来技術での設計とは対照的であり、従来技術では、寸法依存性により、構成要素の厚さを増加又は減少させるためには構成要素の寸法(すなわち構成要素の外径)を変化させることが必要となる。
【0032】
ここで図1及び4を参照すると、ドーム型膝蓋構成要素10の後方支持表面20の幾何学的形状がより詳細に示されている。ドーム型膝蓋構成要素10の後方支持表面20は、湾曲頂表面44を有している。湾曲頂表面44は、ドーム型膝蓋構成要素10の最後方表面を画定している。具体的には、湾曲頂表面44上の一点が、ドーム型膝蓋構成要素10の最後方点38を画定している。湾曲頂表面44は、半球形状表面として具現されている。半球形状頂表面44は、後方支持表面20の残部から幾何学的に分離されている。具体的には、半球形状頂表面44は、後方支持表面の全体にわたって延びるのではなく、むしろ、前方表面40に向かう全体的方向に、最後方点38から離れて前方に延び、実質的に円錐形状の表面46へと遷移している。円錐形状表面46は次に、丸み付き縁部表面48へと遷移しており、この丸み付き縁部表面48は、ドーム型膝蓋構成要素10の前方表面40へ向かう方向に円錐形状表面46から離れて前方に延びている。本明細書で説明するドーム型膝蓋構成要素10の例示的な実施形態において、丸み付き縁部表面48は、円錐形状表面46から遷移する湾曲角部表面52と、その湾曲角部表面52をドーム型膝蓋構成要素10の前方表面40へと遷移させる平坦な表面54とを含んでいる。
【0033】
本明細書で説明する例示的な実施形態において、後方支持表面20の幾何学的設計は、半球形状頂表面44が円錐形状表面46へと遷移するものであり、構成要素の寸法(すなわち構成要素の外径)と構成要素の厚さとの依存性を低減するものとなっている。したがって、ドーム型膝蓋構成要素10は、ある範囲の構成要素寸法で提供され得る。例えば、図3に示すように、ドーム型膝蓋構成要素10は、41mm、38mm、35mm、32mm、及び29mmの寸法で提供され得る。通常の呼称において、そのような寸法は、構成要素の直径を表すものである(例えば、寸法41mmの膝蓋構成要素は41mmの外径を有する)。従来技術での設計の寸法依存性を排除することにより、様々な寸法の膝蓋構成要素10はそれぞれ、多数の様々な厚さで提供され得る。例えば、41mmの膝蓋構成要素10は、10.5mm、11.0mm、及び11.5mmなどの3種類の厚さで提供され得る。そのような厚さは事実上、例示的なものであることを理解されたい。上記の例は、従来技術での設計と対照的であり、従来技術での設計においては、例えば、最も薄い41mmの構成要素は、設計の寸法依存性により、約11.4mmの厚さを有するものとなる。ドーム型膝蓋構成要素10の各寸法は、異なる3種類の厚さの選択肢を有するものとして図3に示されているが、そのような選択肢は事実上、例示的なものであることを理解されたい。例えば、各寸法の構成要素は、より少数の又はより多数の種々の厚さの選択肢を利用可能にしてもよい。更に、ある共通寸法の構成要素10の厚さは、上記の例では5mmの増分で異なっており、そのような増分の大きさは、特定の設計の要求に適合するように異なっていてもよい。
【0034】
種々の構成要素厚さの選択肢が、図4の冠状断面図に幾何学的に示されており、3つの共通寸法のドーム型膝蓋構成要素10a、10b、10cが互いに重ね合わされている。図4の説明用の例において、41mmのドーム型膝蓋構成要素10(すなわちW=41mm)が、10.5mm(すなわちT=10.5mm)、11.0mm(すなわちT=11.0mm)、及び11.5mm(すなわちT=11.5mm)など、異なる3種類の厚さで示されている。図4で分かるように、ドーム型膝蓋構成要素10a、10b、10cはそれぞれ、互いに同じ内側/外側幅(W)を有している(すなわち、この説明用の例の場合、W=41mm)。また図4で分かるように、ドーム型膝蓋構成要素10a、10b、10cはそれぞれ、それらを貫いて前方/後方の方向に延びる想像線区間を有している。それぞれの想像線区間の長さにより、膝蓋構成要素10a、10b、10cそれぞれの厚さが規定される。具体的には、想像線区間62は、膝蓋構成要素10aの最後方点38を貫いて膝蓋構成要素10aの前方表面40から直角に延び、想像線区間64は、膝蓋構成要素10bの最後方点38を貫いて膝蓋構成要素10bの前方表面40から直角に延び、想像線区間66は、膝蓋構成要素10cの最後方点38を貫いて膝蓋構成要素10cの前方表面40から直角に延びている。線区間66(すなわち、この説明用の例の場合、T=11.5mm)は線区間64(すなわち、この説明用の例の場合、T=11.0mm)よりも長く、線区間64は線区間62(すなわち、この説明用の例の場合、T=10.5mm)よりも長い。
【0035】
図5〜7に示すように、ある構成要素寸法の様々なドーム型膝蓋構成要素10が、同じ固定機構を有している。具体的に言えば、所定の構成要素寸法のドーム型膝蓋構成要素が様々な厚さを有しているが、構成要素10のペグ42は同じ直径を有し、互いに同じパターンで配置されている(すなわち同じ位置に配置されている)。例えば、41mmのドーム型膝蓋構成要素10が、図5〜7に異なる3種類の厚さ(例えば、図5では11.5mm、図6では11.0mm、図7では10.5mm)で示されている。そのような例で分かるように、41mmのドーム型膝蓋構成要素は種々の厚さを有しているが、構成要素10のペグ42は同じ直径を有し、互いに同じパターンで配置されている(すなわち同じ位置に配置されている)。したがって、骨の調製及び装置の埋込みに、共通の1組の器具と、共通の外科的手法が用いられ得る。
【0036】
ドーム型膝蓋構成要素10を様々な厚さで提供することに代わって、あるいはそれに加えて、後方支持表面20の幾何学的設計により、ドーム型膝蓋構成要素10を、様々な頂直径の選択肢を伴って提供することが可能となっている。具体的には、半球形状頂表面44は後方支持表面20の残部から幾何学的に分離されているので、半球形状頂表面44の直径は、同じ寸法のドーム型膝蓋構成要素10(すなわち同じ外径を有する構成要素)の間で異なり得る。具体的には、従来技術での設計の寸法依存性を排除することにより、様々な寸法の膝蓋構成要素10がそれぞれ、多数の様々な頂直径で提供され得る。例えば、図8に示すように、共通寸法の膝蓋構成要素10はそれぞれ、異なる3種類の頂表面直径で提供され得る。例えば、41mmの膝蓋構成要素10は、異なる3種類の頂表面直径70、72、74で具現され得る。同様に、35mmの膝蓋構成要素10(又は他の構成要素寸法のうちのいずれか)は、複数の異なる頂表面直径で提供され得る。ドーム型膝蓋構成要素10の各寸法は、3種類の異なる頂表面直径の選択肢を有するものとして図8に示されているが、そのような選択肢は事実上、例示的なものであることを理解されたい。例えば、各寸法の構成要素は、より少数の又はより多数の種々の頂直径の選択肢を利用可能にしてもよい。
【0037】
半球形状頂表面44の直径を変更することにより、ドーム型膝蓋構成要素10の構造が変化することを理解されたい。具体的に言えば、半球形状頂表面44の直径を増加させることにより、構成要素10はより平坦になる。半球形状頂表面44の直径を減少させることにより、構成要素10はより尖ったものとなる。これは、伸展時の間隙が屈曲時の間隙と等しくない場合に、膝蓋大腿を釣り合わせる間に有用となる。半球形状頂表面44の直径を修正することにより、屈曲時の間隙を不変に維持する一方で、伸展時の間隙を緊密にするか、あるいは緩めることができる。そのようにすることにより、外科医は、屈曲時及び伸展時の間隙に所望の張力を生じさせる膝蓋の選択肢を選定することができる。
【0038】
そのような修正された膝蓋構成要素10の使用法が、図9の概略的矢状断面図に示されている。図9から分かるように、伸張の際、大腿骨構成要素30の大腿顆表面32、34と関節接合をなすのは、構成要素の後方支持表面20の球状形状頂表面44である。したがって、より小さな直径を持つ半球形状頂表面44を有するドーム型膝蓋構成要素10a(すなわち、より尖った構成要素)を使用すると、より大きな直径を持つ半球形状頂表面44aを有するドーム型膝蓋構成要素10b(すなわち、より平坦な構成要素)を使用する場合と比べて、より緊密な伸展時の間隙が生じる。このことが図9に幾何学的に示されており、図9において、伸展の間、より尖ったドーム型膝蓋構成要素10aの前方表面40は、より平坦なドーム型膝蓋構成要素10bの前方表面40から距離Dだけ前方に離間していることが示されている。本明細書で述べるこの説明用の実施形態において、片寄り距離(D)は0.90mmである。
【0039】
膝が伸展から屈曲へと移動するとき、この片寄りは、より尖ったドーム型膝蓋構成要素10aの前方表面40がより平坦なドーム型膝蓋構成要素10bの前方表面40と一致する点へ向かって減少する。具体的に言えば、屈曲の際、大腿骨構成要素30の大腿顆表面32、34と関節接合をなすのは、構成要素の後方支持表面20の円錐形状表面46である。共通寸法の構成要素10それぞれの円錐形状表面46は互いに同一であるため、より尖ったドーム型膝蓋構成要素10aを使用することにより、より平坦なドーム型膝蓋構成要素10bを使用する際と同じ屈曲時の間隙が生じる。このことが図9に幾何学的に示されており、図9において、膝が伸展から屈曲へと移動するとき、より平坦なドーム型膝蓋構成要素10bの前方表面40に対する、より尖ったドーム型膝蓋構成要素10aの前方表面40の前方への片寄りが減少することが示されている(例えば、2つの表面間の距離Dは、伸展と屈曲との間のある点において0.3mmである)。
【0040】
膝が屈曲すると、構成要素の後方支持表面20のうち円錐形状表面46のみが、大腿骨構成要素30の大腿顆表面32、34と関節接合をなす(すなわち、半球状頂表面44は大腿顆表面32、34と関節接合をなさなくなる)。したがって、屈曲の際、より平坦なドーム型膝蓋構成要素10bの前方表面40に対する、より尖ったドーム型膝蓋構成要素10aの前方表面40の前方への片寄りは存在しなくなり、これら2つの表面は互いに一致する(例えば、2つの表面間の距離Dは0.00mmである)。
【0041】
図9で分かるように、半球形状頂表面44の直径を変化させることにより、伸展時の間隙は、屈曲時の間隙とは独立して変更され得る。したがって、外科医は、屈曲時の間隙を変更することなく伸展時の間隙を緊密にするか、あるいは緩めるように、複数の共通寸法のドーム型膝蓋構成要素(例えば複数の41mmの構成要素)から選択することができる。
【0042】
本開示について、図面及び以下の説明にて詳細に図示及び説明されているが、そのような図示及び説明は、例示的なものであり、特徴を限定するものではないと見なされるべきである。理解されたいこととして、例示的な実施形態のみが示され、説明されており、本開示の趣旨に含まれるすべての変更及び修正が保護されることが望まれる。
【0043】
本開示には多数の利点があり、それらは、本明細書で説明する装置、システム、及び方法の様々な特徴から生じるものである。留意されたいこととして、本開示の装置、システム、及び方法の別の実施形態が、説明した特徴のすべてを含まなくてもよく、それでいて、そのような特徴の利点のうちの少なくとも一部を享受することができる。本発明の特徴の1つ以上を取り入れた、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本開示の趣旨及び範囲に含まれる装置、システム、及び方法を独自に実現したものを、当業者は容易に考案することができる。
【0044】
〔実施の態様〕
(1) 埋込み型の整形外科用膝義足組立体であって、
第1のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有し、冠状断面図で見ると、(a)前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、(b)第1の想像線区間が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記最後方点へと直角に延びる、第1のドーム型膝蓋構成要素と、
第2のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面と、(iii)前記第1のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅と同じ内側/外側幅とを有し、冠状断面図で見ると、(a)前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面は、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、(b)第2の想像線区間が、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記最後方点へと直角に延び、前記第2の想像線区間が、前記第1の想像線区間よりも長いものである、第2のドーム型膝蓋構成要素と、を備える埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(2) 第3のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面と、(iii)前記第1のドーム型膝蓋構成要素及び前記第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの内側/外側幅とも同じ内側/外側幅とを有し、冠状断面図で見ると、(a)前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、前記第3のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、(b)第3の想像線区間が、前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記最後方点へと直角に延び、前記第3の想像線区間が、前記第1の想像線区間及び前記第2の想像線区間のいずれよりも長いものである、第3のドーム型膝蓋構成要素を更に備える、実施態様1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(3) 前記第1及び前記第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの前記湾曲頂表面も半球形状表面を有し、
前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの前記後方支持表面も円錐形状表面を更に有し、前記円錐形状表面が、前記半球形状表面から離れて前方に延び、丸み付き縁部表面へと遷移し、前記丸み付き縁部表面が、前記前方表面に向かう方向に、前記円錐形状表面から離れて前方に延びる、実施態様1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(4) 前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を備える、実施態様1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(5) 前記第1のドーム型膝蓋構成要素が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から離れて前方に延びる第1の個数のペグを備え、
前記第2のドーム型膝蓋構成要素が、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から離れて前方に延びる第2の個数のペグを備え、
前記第1の個数のペグが、前記第2の個数のペグと同じ直径を有し、
前記第1の個数のペグが、前記第2の個数のペグが前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面上に配置されるのと同じパターンで、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面上に配置される、実施態様1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(6) 内側顆表面と外側顆表面とを有する大腿骨構成要素と、
前記大腿骨構成要素の前記顆表面と接触して別々に配置されるように構成された複数のドーム型膝蓋構成要素とを備え、前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、(i)前記複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素それぞれと同じ内側/外側幅と、(ii)前記大腿骨構成要素の前記内側顆表面と関節接合をなすように構成された内側関節表面、及び前記大腿骨構成要素の前記外側顆表面と関節接合をなすように構成された外側関節表面を有する、後方支持表面と、(iii)前記複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素の少なくともいくつかとは異なる前方/後方厚さとを有する、埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(7) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を備え、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記後方支持表面が、前記ドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記前方/後方厚さが、前記前方表面から前記最後方点へと垂直に延びる想像線区間によって規定される、実施態様6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(8) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記後方支持表面が、
半球形状頂表面と、
前記半球形状頂表面から離れて前方に延び、丸み付き縁部表面へと遷移する円錐形状表面であって、前記丸み付き縁部表面が、前記円錐形状表面から離れて前方に延びる、円錐形状表面とを備える、実施態様6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(9) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を備える、実施態様6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(10) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を備え、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの対応する前記ペグが、互いに同じ直径を有し、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記ペグが、互いに同じパターンで配置される、実施態様6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【0045】
(11) 第1のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有し、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、(a)前記ドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む半球形状頂表面と、(b)前記半球形状表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有する、第1のドーム型膝蓋構成要素と、
第2のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面と、(iii)前記第1のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅と同じ内側/外側幅とを有し、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、(a)前記第2のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む半球形状頂表面と、(b)前記半球形状頂表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有し、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記半球形状頂表面の直径が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記半球形状頂表面の直径よりも大きい、第2のドーム型膝蓋構成要素とを備える、埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(12) 第3のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面と、(iii)前記第1のドーム型膝蓋構成要素及び前記第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの内側/外側幅とも同じ内側/外側幅とを有し、前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、(a)前記第3のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む半球形状頂表面と、(b)前記半球形状頂表面から離れて前方に延びる円錐形状表面とを有し、前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記半球形状頂表面の直径が、前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの前記半球形状頂表面の直径よりも大きい、第3のドーム型膝蓋構成要素を更に備える、実施態様11に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(13) 前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの前記円錐形状表面も丸み付き縁部表面へと遷移し、前記丸み付き縁部表面が、前記前方表面に向かう方向に、前記円錐形状表面から離れて前方に延びる、実施態様11に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(14) 前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を備える、実施態様11に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(15) 前記第1のドーム型膝蓋構成要素が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から離れて前方に延びる第1の個数のペグを備え、
前記第2のドーム型膝蓋構成要素が、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から離れて前方に延びる第2の個数のペグを備え、
前記第1の個数のペグが、前記第2の個数のペグと同じ直径を有し、
前記第1の個数のペグが、前記第2の個数のペグが前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面上に配置されるのと同じパターンで、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面上に配置される、実施態様11に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(16) 内側顆表面と外側顆表面とを有する大腿骨構成要素と、
前記大腿骨構成要素の前記顆表面と接触させて別々に配置されるように構成された複数のドーム型膝蓋構成要素とを備え、前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、(i)前記複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素それぞれと同じ内側/外側幅と、(ii)前記大腿骨構成要素の前記外側顆表面と関節接合をなすように構成された円錐形状表面と、(iii)前記複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素の少なくともいくつかの半球形状頂表面の直径とは異なる直径を有する半球形状頂表面とを有する、埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(17) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記半球形状頂表面が、(i)前記ドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含み、(ii)前方に延び、前記ドーム型膝蓋構成要素の前記円錐形状表面へと遷移する、実施態様16に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(18) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を備える、実施態様16に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(19) 前記膝蓋構成要素が、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を備える、実施態様16に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
(20) 前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を備え、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの対応する前記ペグが、互いに同じ直径を有し、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記ペグが、互いに同じパターンで配置される、実施態様16に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込み型の整形外科用膝義足組立体であって、
第1のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面とを有し、冠状断面図で見ると、(a)前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、(b)第1の想像線区間が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記最後方点へと直角に延びる、第1のドーム型膝蓋構成要素と、
第2のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面と、(iii)前記第1のドーム型膝蓋構成要素の内側/外側幅と同じ内側/外側幅とを有し、冠状断面図で見ると、(a)前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面は、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、(b)第2の想像線区間が、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記最後方点へと直角に延び、前記第2の想像線区間が、前記第1の想像線区間よりも長いものである、第2のドーム型膝蓋構成要素と、を備える埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項2】
第3のドーム型膝蓋構成要素であって、(i)埋込み型の大腿骨構成要素の大腿顆と関節接合をなすように構成された後方支持表面と、(ii)外向きに延びる複数のペグを有する前方表面と、(iii)前記第1のドーム型膝蓋構成要素及び前記第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの内側/外側幅とも同じ内側/外側幅とを有し、冠状断面図で見ると、(a)前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記後方支持表面が、前記第3のドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、(b)第3の想像線区間が、前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から前記第3のドーム型膝蓋構成要素の前記最後方点へと直角に延び、前記第3の想像線区間が、前記第1の想像線区間及び前記第2の想像線区間のいずれよりも長いものである、第3のドーム型膝蓋構成要素を更に備える、請求項1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項3】
前記第1及び前記第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの前記湾曲頂表面も半球形状表面を有し、
前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素のいずれの前記後方支持表面も円錐形状表面を更に有し、前記円錐形状表面が、前記半球形状表面から離れて前方に延び、丸み付き縁部表面へと遷移し、前記丸み付き縁部表面が、前記前方表面に向かう方向に、前記円錐形状表面から離れて前方に延びる、請求項1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項4】
前記第1及び第2のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を備える、請求項1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項5】
前記第1のドーム型膝蓋構成要素が、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から離れて前方に延びる第1の個数のペグを備え、
前記第2のドーム型膝蓋構成要素が、前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面から離れて前方に延びる第2の個数のペグを備え、
前記第1の個数のペグが、前記第2の個数のペグと同じ直径を有し、
前記第1の個数のペグが、前記第2の個数のペグが前記第2のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面上に配置されるのと同じパターンで、前記第1のドーム型膝蓋構成要素の前記前方表面上に配置される、請求項1に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項6】
内側顆表面と外側顆表面とを有する大腿骨構成要素と、
前記大腿骨構成要素の前記顆表面と接触して別々に配置されるように構成された複数のドーム型膝蓋構成要素とを備え、前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、(i)前記複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素それぞれと同じ内側/外側幅と、(ii)前記大腿骨構成要素の前記内側顆表面と関節接合をなすように構成された内側関節表面、及び前記大腿骨構成要素の前記外側顆表面と関節接合をなすように構成された外側関節表面を有する、後方支持表面と、(iii)前記複数のドーム型膝蓋構成要素のうちの他のドーム型膝蓋構成要素の少なくともいくつかとは異なる前方/後方厚さとを有する、埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項7】
前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を備え、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記後方支持表面が、前記ドーム型膝蓋構成要素の最後方点を含む湾曲頂表面を有し、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記前方/後方厚さが、前記前方表面から前記最後方点へと垂直に延びる想像線区間によって規定される、請求項6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項8】
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記後方支持表面が、
半球形状頂表面と、
前記半球形状頂表面から離れて前方に延び、丸み付き縁部表面へと遷移する円錐形状表面であって、前記丸み付き縁部表面が、前記円錐形状表面から離れて前方に延びる、円錐形状表面とを備える、請求項6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項9】
前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、一体型のポリエチレン製本体を備える、請求項6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。
【請求項10】
前記複数のドーム型膝蓋構成要素が、それぞれ、外向きに延びる複数のペグを有する前方表面を備え、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの対応する前記ペグが、互いに同じ直径を有し、
前記複数のドーム型膝蓋構成要素それぞれの前記ペグが、互いに同じパターンで配置される、請求項6に記載の埋込み型の整形外科用膝義足組立体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−139505(P2012−139505A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−288688(P2011−288688)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】