説明

穀類における菌類防除のための5−フルオロピリミジン誘導体を含有する相乗性殺菌剤組成物

殺菌有効量のa)式IAおよび/またはIBの化合物、ならびに(b)エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、プロクロラズ、クロロタロニル、イソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステル、および(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺菌剤を含有する殺菌剤組成物により、選択された菌類を相乗作用的に防除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年9月1日に出願された米国仮特許出願第61/238,793号および2009年10月2日に出願された米国仮特許出願第61/248,192号の利益を主張するものであり、これらは参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本発明は、(a)式IAおよび/またはIBの化合物、ならびに(b)エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、プロクロラズ、クロロタロニル、イソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステル、および(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺菌剤を含有する、相乗性殺菌剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
殺菌剤は、天然由来または合成由来の化合物であり、その作用は菌類によって引き起こされる被害から植物を守る。現代の農法は、殺菌剤の使用に大いに依存している。事実、作物の中には、殺菌剤の使用なしには有用に育つことができないものがある。殺菌剤を使用することによって、栽培者は収穫を増やし、作物の品質を高めて、結果として作物の価値を上げることが可能になる。大抵の場合、その作物の価値の上昇は、殺菌剤の使用コストの少なくとも3倍に値する。
【0004】
しかし、1つの殺菌剤であらゆる状況において有用であるものは存在せず、単一の殺菌剤を繰り返し使用することは、往々にして当該殺菌剤および関連の殺菌剤に対する耐性の発生につながる。そのため、より安全で、より良い性能を有し、必要とする投与量がより少なく、使用がより簡単で、コストがより低い殺菌剤および複数殺菌剤の配合剤を生み出すための研究が行われている。
【0005】
2つ、またはそれより多くの化合物の活性が、それらの化合物を単独で使用した際の活性を上回る場合、相乗作用が起きる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、殺菌剤化合物を含む相乗性組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、これらの相乗性組成物を使用する方法を提供することである。相乗性組成物は、子嚢菌類(Ascomycetes)クラスの菌類によって引き起こされる疾患を予防または治療すること、あるいはその両方が可能である。加えて、相乗性組成物は、コムギ葉枯病(leaf blotch)を含め、子嚢菌病原体に対する改善された効能を有する。本発明によれば、相乗性組成物はその使用のための方法とともに提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、殺菌有効量の(a)式IAおよび/またはIBの化合物、ならびに(b)エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、プロクロラズ、クロロタロニル(chlorothalanil)、イソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステル、および(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺菌剤を含む、相乗性殺菌剤混合物に関する。
【0008】
【化1】

【発明を実施するための形態】
【0009】
エポキシコナゾールは、rel−1−[[(2R,3S)−3−(2−クロロフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)オキシラニル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾールの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。エポキシコナゾールは、穀類および他の作物における子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)および不完全菌類(Deuteromycetes)によって引き起こされる疾患について、広域のスペクトルで殺菌防除し、予防的および治療的に作用する。
【0010】
プロチオコナゾールは、2−[2−(1−クロロシクロプロピル)−3−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオンの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。プロチオコナゾールは、コムギ、オオムギおよび他の作物において、葉面施用により、眼紋病、赤かび病(Fusarium ear blight)、葉枯病、さび病およびうどんこ病等の疾患を防除するのに使用される。
【0011】
アゾキシストロビンは、メチル(αE)−2−[[6−(2−シアノフェノキシ)−4−ピリミジニル]オキシ]−α−(メトキシメチレン)ベンゼンアセテートの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。アゾキシストロビンは、100〜375グラム/ヘクタール(g/ha)の施用割合で、様々な病原菌を防除する。
【0012】
ピラクロストロビンは、メチル[2−[[[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ]メチル]フェニル]メトキシカルバメートの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。ピラクロストロビンは、穀類におけるセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、プッシニア属種(Puccinia spp.)、ドレクスレラ・トリチシ−レペンチス(Drechslera tritici-repentis)およびオオムギ網斑病菌(Pyrenophora teres)等の主要な植物病原菌を防除する。
【0013】
ペンチオピラドは、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。ペンチオピラドは、さび病およびリゾクトニア病(Rhizoctonia disease)、ならびに灰色かび病(grey mold)、うどんこ病およびリンゴ黒星病を防除する。
【0014】
イソピラザムは、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの一般名である。その殺菌活性は、http://www.agropages.com.に記載されている。イソピラザムは、コムギにおけるセプトリア病(Septoria)およびさび病、ならびにオオムギにおけるラムラリア病(Ramularia)を防除する。
【0015】
ビキサフェンは、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの一般名である。
【0016】
ボスカリドは、2−クロロ−N−(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)−3−ピリジンカルボキサミドの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。ボスカリドは、種々の果実および野菜におけるうどんこ病、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)、ボトリチス属種(Botrytis spp.)、スクレロチニア属種(Sclerotinia spp.)およびモニリア属種(Monilia spp.)を防除する。
【0017】
プロクロラズは、N−プロピル−N−[2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキサミドの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。プロクロラズは、畑作物、果実、芝草および野菜を侵す幅広い疾患に対する活性を有する、保護殺菌剤および撲滅殺菌剤として作用する。
【0018】
クロロタロニルは、2,4,5,6−テトラクロロ−1,3−ベンゼンジカルボニトリルの一般名である。その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。クロロタロニルは、幅広い作物における多くの菌類疾患を防除する。
【0019】
イソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステルを、以下に化合物Aとして示す。
【0020】
【化2】

【0021】
(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンを、以下に化合物Bとして、参照により本明細書に明確に組み込まれている2009年8月31日に出願された米国特許出願第12/550952号に開示されているのと同様に示す。
【0022】
【化3】

【0023】
本発明の組成物において、殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のエポキシコナゾールに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のプロチオコナゾールに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のアゾキシストロビンに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のピラクロストロビンに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のペンチオピラドに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のイソピラザムに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のビキサフェンに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のボスカリドに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のプロクロラズに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のクロロタロニルに対する重量比は、約1:1〜約1:16の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IAの化合物のイソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステルに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。殺菌効果が相乗的となる式IBの化合物の(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンに対する重量比は、約1:4〜約4:1の範囲内である。
【0024】
相乗性組成物を施用する割合は、防除の対象となる特定の菌タイプ、必要とする防除の程度ならびに施用のタイミングおよび方法によるであろう。一般に、本発明の組成物は、組成物中の有効成分の総量を基準として、約50グラム/ヘクタール(g/ha)〜約2300g/haの施用割合で施用され得る。エポキシコナゾールは約30g/ha〜約125g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。プロチオコナゾールは約50g/ha〜約200g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。アゾキシストロビンは約50g/ha〜約250g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。ピラクロストロビンは約50g/ha〜約250g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。ペンチオピラドは約50g/ha〜約300g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。イソピラザムは約30g/ha〜約125g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。ビキサフェンは約50g/ha〜約300g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。ボスカリドは約50g/ha〜約350g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。プロクロラズは約50g/ha〜約450g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。クロロタロニルは約100g/ha〜約2000g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。イソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステルは、約35g/ha〜約300g/haの割合で施用され、式IAの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンは、約50g/ha〜約300g/haの割合で施用され、式IBの化合物は約20g/ha〜約300g/haの割合で施用される。
【0025】
本発明の相乗性混合物の成分は、個別に施用することも、複数部分による殺菌システムの一部として施用することもできる。
【0026】
本発明の相乗性混合物を、1つまたは複数の他の殺菌剤と併用して施用することにより、より多様な望ましくない疾患を防除することができる。他の殺菌剤(複数可)と併用する場合、本明細書で特許請求される化合物は、他の殺菌剤(複数可)とともに製剤化されてもよく、他の殺菌剤(複数可)とタンク混合されてもよく、または他の殺菌剤(複数可)と順に施用してもよい。このような他の殺菌剤としては、2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール、2−フェニルフェノール、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、アメトクトラジン、アミスルブロム、アンチマイシン、アンペロミセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、枯草菌(Bacillus subtilis)、枯草菌QST713株(Bacillus subtilis strain QST713)、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、ベンジルアミノベンゼン−スルホン酸(BABS)塩、重炭酸塩、ビフェニル、ビスメルチアゾール、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン−S、ホウ砂、ボルドー液(Bordeaux mixture)、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリマート、多硫化カルシウム、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、クラザフェノン(chlazafenone)、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、水酸化銅、オクタン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、亜酸化銅(cuprous oxide)、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジアンモニウムエチレンビス−(ジチオカルバメート)、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、ドジン、ドジン遊離塩基、エジフェンホス、エネストロビン、エネストロブリン、エポキシコナゾール、エタボキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチン、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、酢酸グアザチン、GY−81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジントリス(アルベシレート)、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェンピラゾロン(ipfenpyrazolone)、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、クレソキシム−メチル、ラミナリン、マンカッパー、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メプチル−ジノカップ、塩化第二水銀(mercuric chloride)、酸化第二水銀(mercuric oxide)、塩化第一水銀(mercurous chloride)、メタラキシル、メタラキシル−M、メタム、メタム−アンモニウム、メタム−カリウム、メタム−ナトリウム、メトコナゾール、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ナバム、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモール、オクチリノン、オフラセ、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン銅(oxine-copper)、フマル酸オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンタクロロフェノール、ラウリン酸ペンタクロロフェニル、ペンチオピラド、酢酸フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオキソリム、重炭酸カリウム、カリウムヒドロキシキノリンサルフェート、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、塩酸プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン(pyriofenone)、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、オオイタドリ(Reynoutria sachalinensis)抽出物、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、重炭酸ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、硫黄、SYP−Z048、タール油、テブコナゾール、テブフロキン、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、バリフェナラート、バリフェナール、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、カンジダ・オレオフィラ(Candida oleophila)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、グリオクラディウム属種(Gliocladium spp.)、カミカワタケ(Phlebiopsis gigantea)、ストレプトマイセス・グリセオビリディス(Streptomyces griseoviridis)、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)、(RS)−N−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−スクシンイミド、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロアセトン水和物、1−クロロ−2,4−ジニトロナフタレン、1−クロロ−2−ニトロプロパン、2−(2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−1−イル)エタノール、2,3−ジヒドロ−5−フェニル−1,4−ジチイン1,1,4,4−テトラオキシド、2−メトキシエチル水銀アセテート、2−メトキシエチル水銀クロリド、2−メトキシエチル水銀シリケート、3−(4−クロロフェニル)−5−メチルロダニン、4−(2−ニトロプロパ−1−エニル)フェニルチオシアナテム(phenyl thiocyanateme)、アンプロピルホス、アニラジン、アジチラム、バリウムポリスルフィド、Bayer 32394、ベノダニル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル、ベンズアモルフ、ビナパクリル、ビス(メチル水銀)サルフェート、ビス(トリブチルスズ)オキシド、ブチオバート、カドミウムカルシウム銅亜鉛クロメートサルフェート、カルバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロルフェナゾール、クロルキノックス、クリンバゾール、銅ビス(3−フェニルサリチレート)、銅亜鉛クロメート、クフラネブ、第二銅ヒドラジニウムサルフェート(cupric hydrazinium sulfate)、クプロバム、シクラフラミド、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン、ジクロン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモール、ジノクトン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジピリチオン、ジタリムホス、ドジシン、ドラゾキソロン、EBP、ESBP、エタコナゾール、エテム、エチリム(ethirim)、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパン、フルオトリマゾール、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、フロファナート、グリオジン、グリセオフルビン、ハラクリナート(halacrinate)、Hercules 3944、ヘキシルチオホス、ICIA0858、イソパムホス(isopamphos)、イソバレジオン、メベニル、メカルビンジド、メタゾキソロン、メトフロキサム、メチル水銀ジシアンジアミド、メトスルホバックス、ミルネブ、ムコクロリン酸無水物、ミクロゾリン、N−3,5−ジクロロフェニル−スクシンイミド、N−3−ニトロフェニルイタコンイミド、ナタマイシン、N−エチルメルクリオ−4−トルエンスルホンアニリド、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、OCH、フェニル水銀ジメチルジチオカルバメート、硝酸フェニル水銀、フォスジフェン、プロチオカルブ;塩酸プロチオカルブ、ピラカルボリド、ピリジニトリル、ピロキシクロル、ピロキシフル(pyroxyfur)、キナセトール;硫酸キナセトール、キナザミド、キンコナゾール、ラベンザゾール、サリチルアニリド、SSF−109、スルトロペン、テコラム、チアジフルア(thiadifluor)、チシオフェン、チオクロルフェンフィム、チオファネート、チオキノックス、チオキシミド、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリクラミド、ウルバシド(urbacid)、ザリラミド、およびそれらの任意の組合せを挙げることができる。
【0027】
本発明の組成物は、(a)式IAおよび/またはIBの化合物、ならびに(b)エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、プロクロラズ、クロロタロニル、イソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステル、および(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺菌剤の組成物を、植物学的に許容される担体とともに含む製剤の形態で施用されるのが好ましい。
【0028】
濃縮製剤は、施用のため水もしくは別の液体に分散し得る、または製剤は粉状または粒状で、さらなる処理をせずに施用し得る。製剤は、農芸化学分野において一般的な手法によって調製されるが、ただしその手法は相乗性組成物の存在によって新規であり、かつ重要である。
【0029】
最もよく施用されている製剤は、水性懸濁剤またはエマルション剤である。このような水溶性、水懸濁性または乳化性製剤はいずれも、水和剤(wettable powder)として通常知られる固体であるか、乳剤(emulsifiable concentrate)、水性懸濁剤またはフロアブル剤(suspension concentrate)として通常知られる液体である。本発明は、相乗性組成物を、送達および殺菌剤としての使用のために製剤化し得る、すべてのビヒクルを想定している。
【0030】
容易に理解されることだろうが、これらの相乗性組成物の抗菌剤としての活性を有意に妨げず、所望の有用性を生み出すものであれば、これらの相乗性組成物を添加し得るいかなる材料を使用してもよい。
【0031】
水和剤は、小さく固めて顆粒水和剤(water dispersible granule)を形成してもよく、相乗性組成物、担体および農学的に許容される界面活性剤の密な混合物を含む。相乗性組成物の水和剤中での濃度は、通常、製剤の総重量を基準として約10重量%〜約90重量%であり、より好ましくは約25重量%〜約75重量%である。水和製剤の調製において、相乗性組成物は、プロフィライト(prophyllite)、タルク、チョーク、石膏、フラー土、ベントナイト、アタパルジャイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、珪藻土、精製ケイ酸塩等の、微細に分割した固体のいずれとも混合し得る。このような操作において、その微細に分割した担体は粉砕されるか、揮発性の有機溶媒中で相乗性組成物と混合される。水和剤の約0.5重量%〜約10重量%を構成する有効な界面活性剤としては、スルホン化リグニン、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、およびアルキルフェノールの酸化エチレン付加物などの非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0032】
相乗性組成物の乳剤は、適切な液体中において、該乳剤製剤の総重量を基準として約10重量%〜約50重量%等の好都合な濃度を有する。相乗性組成物の成分は、水混和性溶媒か、または水不混和性有機溶媒と乳化剤との混合物である担体中に、合わせてまたは別々に溶解される。濃縮物を水と油で希釈して、水中油型エマルションの形態の噴霧混合剤を形成してもよい。有用な有機溶媒としては、芳香族化合物、特に重質芳香族(heavy aromatic)ナフサなどの石油の高沸点ナフタレン部分およびオレフィン部分が挙げられる。他の有機溶媒、例えば、ロジン誘導体を含めたテルペン系溶媒、シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン、および2−エトキシエタノールなどの複合アルコール等も用いてよい。
【0033】
本発明において有利に用いることができる乳化剤は、当業者は容易に判断することができるが、様々な非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および両性乳化剤、または2つ以上の乳化剤のブレンドが挙げられる。乳剤を調製するのに有用な非イオン性乳化剤の例としては、ポリアルキレングリコールエーテル、およびエトキシ化アルキルフェノールなどの、アルキルおよびアリールフェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは脂肪酸と酸化エチレン、酸化プロピレンとの縮合生成物、およびポリオールまたはポリオキシアルキレンで可溶化されたカルボン酸エステルが挙げられる。陽イオン性乳化剤としては、第四級アンモニウム化合物および脂肪アミン塩が挙げられる。陰イオン性乳化剤としては、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例えば、カルシウム)、硫酸化ポリグリコールエーテルの油溶性塩、およびリン酸化ポリグリコールエーテルの適切な塩が挙げられる。
【0034】
本発明の乳剤を調製するのに用いられ得る代表的な有機液体は、キシレン、プロピルベンゼン留分などの芳香族液体;または混合ナフタレン留分、鉱油、フタル酸ジオクチルなどの置換芳香族有機液体;ケロシン;様々な脂肪酸のジアルキルアミド、特に、脂肪グリコールのジメチルアミド、ならびにジエチレングリコールのn−ブチルエーテル、エチルエーテルまたはメチルエーテルおよびトリエチレングリコールのメチルエーテルなどのグリコール誘導体のジメチルアミドである。2つ以上の有機液体の混合物も度々、乳剤の調製に適切に用いられる。好ましい有機液体は、キシレン、およびプロピルベンゼン留分であるが、キシレンが最も好ましい。界面活性分散剤(surface-active dispersing agent)は、通常、液体製剤中で、該分散剤と相乗性組成物とを合わせた重量の0.1〜20重量パーセントの量で用いられる。製剤はまた、他の適合性のある添加物、例えば、植物成長調整剤、および農業で使用される他の生物学的に活性な化合物を含有し得る。
【0035】
水性懸濁剤は、該水性懸濁製剤の総重量を基準として約5重量%〜約70重量%の範囲の濃度で水性ビヒクル中に分散した、1つまたは複数の非水溶性化合物の懸濁液を含む。懸濁剤は、相乗性配合剤の成分を合わせてまたは別々に微細に粉砕し、水および上述したのと同じタイプから選択される界面活性剤で構成されるビヒクル中に、その粉砕した材料を激しく混合することによって調製される。無機塩および合成ゴムまたは天然ゴム等の他の構成成分も添加して、水性ビヒクルの密度および粘度を増加させてもよい。サンドミル、ボールミルまたはピストン型ホモジナイザー等の器具中で水性混合物を調製し、それを均質化することによって、同時に粉砕し混合することが、多くの場合最も有効である。
【0036】
相乗性組成物はまた、粒状製剤として施用してもよく、これは土壌への施用において特に有用である。粒状製剤は、通常、粗く分割したアタパルジャイト、ベントナイト、珪藻土、粘土または類似の安価な物質からその全体または大部分がなる担体中に分散した、該粒状製剤の総重量を基準として約0.5重量%〜約10重量%の化合物を含有する。このような製剤は、通常、相乗性組成物を適切な溶媒に溶解し、約0.5〜約3mmの範囲の適した粒度に予め成形した粒状担体に適用することにより調製される。このような製剤はまた、担体および相乗性組成物の練粉またはペーストを作り、粉砕し、乾燥させて所望の粒状粒子を得ることにより調製してもよい。
【0037】
相乗性組成物を含有する粉剤は、単純に、粉末形態の相乗性組成物を、例えば、カオリン粘土、粉砕した火山岩などの適切な粉状の農業用担体と密に混合することにより調製される。粉剤は、適切には、約1重量%〜約10重量%の相乗性組成物/担体の配合物を含有し得る。
【0038】
製剤は、相乗性組成物の標的作物および標的生物への付着性、湿潤性および浸透性をより良くするために、農学的に許容されるアジュバント界面活性剤を含有してもよい。これらのアジュバント界面活性剤は、任意選択により、製剤の一成分またはタンク混合剤として用いてもよい。アジュバント界面活性剤の量は、水の散布量を基準として、0.01パーセント〜1.0パーセント(v/v)の間で異なるであろうが、0.05〜0.5パーセントが好ましい。適切なアジュバント界面活性剤としては、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化合成または天然アルコール、エステルまたはスルホコハク酸の塩、エトキシ化有機シリコーン(ethoxylated organosilicone)、エトキシ化脂肪アミン、および界面活性剤と鉱油または植物油とのブレンドが挙げられる。
【0039】
製剤は、任意選択により、少なくとも1重量%の1つまたは複数の相乗性組成物と、別の殺有害生物剤化合物とを含み得る配合剤を包含することができる。このような追加の殺有害生物剤化合物は、施用のために選択された媒体中で本発明の相乗性組成物との適合性があり、かつ本化合物の活性に拮抗しない殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺節足動物剤、殺バクテリア剤またはそれらの組合せとしてもよい。したがって、このような実施形態では、その別の殺有害生物剤化合物は、同一のまたは異なる殺有害生物用途のための補助的な毒物として用いられる。殺有害生物剤化合物および相乗性組成物は、一般的に1:100〜100:1の重量比で混合することができる。
【0040】
本発明は、菌類の攻撃を防除または予防するための方法をその範囲内に包含する。これらの方法は、殺菌有効量の相乗性組成物を、菌類の居所、またはその蔓延が予防されるべき場所に施用(例えば、コムギまたはオオムギ植物に対して施用)することを含む。相乗性組成物は、殺菌性レベルにおいて様々な植物の治療に適しているが、示されている植物毒性は低い。相乗性組成物は、保護剤または撲滅剤的な様式において有用である。相乗性組成物は、あらゆる公知の様々な技術によって、相乗性組成物として、または相乗性組成物を含む製剤として施用される。例えば、相乗性組成物は、植物の根、種または葉に対し、様々な菌類の防除のため、植物の商品的価値を損なうことなく施用され得る。相乗性組成物は、一般的に使用される製剤タイプのあらゆるものの形態において、例えば、溶液、粉剤、水和剤、フロアブル剤(flowable concentrate)、または乳剤として施用される。これらの素材は、公知の様々な様式で簡便に施用される。
【0041】
相乗性組成物は、特に農業上の使用において顕著な殺菌効果を有することが分かった。相乗性組成物は、農作物および園芸植物での使用、または木材、塗料、皮革もしくはカーペット裏地での使用において、特に有効である。
【0042】
特に相乗性組成物は、有用な栽培作物に感染する様々な望ましからぬ菌類を防除するのに有効である。相乗性組成物は、例えば以下の代表的な菌種を含めた、様々な子嚢菌類(Ascomycetes)の菌に対して使用できる:コムギ葉枯病(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola);アナモルフ:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici);Bayerコード SEPTTR);コムギふ枯病(glume blotch)(レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum);Bayerコード LEPTNO;アナモルフ:スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum));オオムギ斑点病(コクリオボルス・サティブム(Cochliobolus sativum);Bayerコード COCHSA;アナモルフ:ヘルミントスポリウム・サティブム(Helminthosporium sativum));テンサイ褐斑病(leaf spot)(セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola);Bayerコード CERCBE);ラッカセイ褐斑病(ミコスファエレラ・アラキジス(Mycosphaerella arachidis);Bayerコード MYCOAR;アナモルフ:セルコスポラ・アラキディコラ(Cercospora arachidicola));キュウリ炭疽病(グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium);アナモルフ:コレトトリカム・ラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium);Bayerコード COLLLA);リンゴ黒星病(ベンチュリア・イナクアリス(Venturia inaequalis);Bayerコード VENTIN);およびバナナブラックシガトカ病(ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis);Bayerコード MYCOFI)。上記の菌類のうちの1つまたは複数に対する相乗性組成物の効力により、相乗性組成物の殺菌剤としての一般的有用性が立証されることを、当業者は理解されよう。
【0043】
相乗性組成物は、殺菌剤として幅広い効能を有する。相乗性組成物を施用する厳密な量は、成分の相対的な量のみならず、所望される特定の作用、防除の対象となる菌種およびそれらの成長段階、ならびに植物の部位または相乗性組成物と接触する他の製品によって異なってくる。したがって、相乗性組成物を含有する製剤は、同じ濃度において、または同じ菌種に対して、同等に有効であるとは限らない。
【0044】
相乗性組成物は、疾患を阻害しかつ植物学的に許容される量において、植物に使用するのに有効である。用語「疾患を阻害しかつ植物学的に許容される量」とは、防除が所望される植物疾患を消滅させるまたは阻害するが、植物にとって著しく有毒ではない相乗性組成物の量を指す。この量は、一般的には約1〜約1000ppmであろうが、約2〜約500ppmが好ましい。必要とされる相乗性組成物の厳密な濃度は、防除の対象となる菌類疾患、用いる製剤のタイプ、施用の方法、特定の植物種、気象条件等により異なる。相乗性組成物の適切な施用割合は、典型的には、約0.10〜約4ポンド/エーカー(約0.1〜0.45グラム/平方メートルg/m)相当である。
【0045】
本組成物は、従来の走行式噴霧機(ground sprayer)、散粒機の使用、および当業者に公知である他の従来手段により、菌類またはそれらの居所に施用し得る。
【0046】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するためのものである。これらは、本発明を限定するものと解釈されることを意図したものではない。
【実施例】
【0047】
殺菌剤混合物対コムギ葉枯病(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola);アナモルフ:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici);Bayerコード:SEPTTR)における治療的および保護的活性の評価
コムギ植物(品種 Yuma)を、温室中で、50%の鉱質土壌/50%のソイルレス・メトロミックス(soil-less Metro mix)を入れた表面積27.5平方センチメートル(cm)のプラスチック製の鉢で種から育て、1鉢当たり8〜12の実生とした。植物は、最初の葉が完全に現れた時点で試験に利用したが、これは典型的には植付けから7〜8日後であった。殺菌剤処理の3日前(3日治療試験;3DC)または1日後(1日保護試験;1DP)のいずれかにおいて、試験植物にセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)の水性胞子懸濁液を接種した。接種後、植物を100%の相対湿度で保持し(暗いデューチャンバー(dew chamber)で1日、次いで照明されたミストチャンバー(mist chamber)で2日)、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで植物を、疾患症状が完全に現れるまで、温室に移した。
【0048】
式IAの化合物との混合物の研究に関して:処理は、式IAの化合物、エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、プロクロラズ、クロロタロニル、およびイソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステル(化合物A)等の殺菌剤からなり、個別にまたは式IAの化合物との2種混合物として施用した。テクニカルグレードの物質をアセトンに溶解してストック溶液を作製し、これを用いて個々の殺菌剤成分用または2種混合物用にアセトンで3倍希釈した。希釈液と、110パーツパーミリオン(ppm)のTriton X−100を含有する9容量の水とを混合後、所望の殺菌剤割合を実現した。葉面の両方に及ばせるために反対の角度に設定した20ポンド/平方インチ(psi)で作動する6218−1/4 JAUPMスプレーノズル2本を利用する自動ブース噴霧機(automated booth sprayer)を使用し、殺菌剤溶液10mLを植物6鉢に施用した。噴霧済みの植物はすべて、さらに処理する前に自然乾燥させた。対照植物は、溶媒ブランクを用いて同じ方法で噴霧した。
【0049】
式IBの化合物との混合物の研究に関して:化合物IBおよび化合物B、またはそれらの2種混合物を、0.1%Trycol 5941中のフロアブル(SC)製剤を使用して、3倍段階希釈した。200リットル/ヘクタール(L/Ha)の施用容量でトラック噴霧機(track sprayer)を使用して、噴霧液を植物に施用した。
【0050】
対照植物において疾患が80〜100%に達した時点で、処理済み植物の感染レベルを目視で評価し、0〜100パーセントの尺度で数値化した。次いで、対照植物に対する処理済み植物の疾患率を用いて、疾患防除のパーセントを計算した。
【0051】
コルビーの式を用いて、混合物からの予想される殺菌効果を求めた。(Colby, S.R. Calculation of the synergistic and antagonistic response of herbicide combinations. Weeds 1967, 15, 20-22を参照されたい。)
【0052】
以下の式を用いて、2つの有効成分、AおよびBを含有する混合物の予想される活性を計算した。
予想=A+B−(A×B/100)
A=混合物中で使用されるのと同じ濃度での活性成分Aの観察された効力
B=混合物中で使用されるのと同じ濃度での活性成分Bの観察された効力
【0053】
評価した処理、採用した施用割合、評価した病原菌および疾患防除結果を、以下の表1〜12に提示する。
%DC Obs=観察された疾患防除のパーセント
%DC Exp=予想された疾患防除のパーセント
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
【表6】

【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
【表9】

【0063】
【表10】

【0064】
【表11】

【0065】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌有効量のa)式IAの化合物、ならびにb)エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、プロクロラズ、クロロタロニル、およびイソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステルからなる群から選択される少なくとも1つの殺菌剤を含む、相乗性殺菌剤混合物。
【化4】

【請求項2】
化合物IAのエポキシコナゾールに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
化合物IAのプロチオコナゾールに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
化合物IAのアゾキシストロビンに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
化合物IAのピラクロストロビンに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項6】
化合物IAのペンチオピラドに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項7】
化合物IAのイソピラザムに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項8】
化合物IAのビキサフェンに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項9】
化合物IAのボスカリドに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項10】
化合物IAのプロクロラズに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項11】
化合物IAのクロロタロニルに対する重量比が約1:1〜約1:16である、請求項1に記載の混合物。
【請求項12】
化合物IAのイソ酪酸(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−[(3−イソブチリルオキシメトキシ−4−メトキシピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−メチル−4,9−ジオキソ−[1,5]ジオキソナン−7−イルエステルに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項13】
殺菌有効量の請求項1に記載の殺菌剤混合物および農学的に許容されるアジュバントまたは担体を含む殺菌剤組成物。
【請求項14】
殺菌有効量のa)式IBの化合物、およびb)(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンを含む、相乗性殺菌剤混合物。
【化5】

【請求項15】
化合物IBの(5,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−{2−[2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−エチル}−アミンに対する重量比が約1:4〜約4:1である、請求項14に記載の混合物。
【請求項16】
殺菌有効量の請求項14に記載の殺菌剤混合物および農学的に許容されるアジュバントまたは担体を含む殺菌剤組成物。

【公表番号】特表2013−503870(P2013−503870A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527948(P2012−527948)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/047135
【国際公開番号】WO2011/028657
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】