説明

穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物及び緑化培地用籾殻成形基材並びにこれらの製造方法

【課題】穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物として緑化培地用籾殻成形基材等の新たな材料開発を図る。
【解決手段】粉末成形性及び易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材として供される緑化培地用籾殻成形基材Xを含む穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物である。粉末成形材料は、籾殻1その他の穀類副産物の粉砕物からなる第1の原料粉砕物(11,12,13)と、古紙を含む紙類その他の動植物に由来するバイオ繊維材料の粉砕物からなる第2の原料粉砕物を配合して主原料とし、ミスト状の水分を加えて撹拌することにより該主原料の粉砕物表面に湿潤性を付与し、かつ、絶乾状態の天然系接着剤を添加・混合してなるものである。そして、粉末成形材料を所望形状の成形型に投入して材料表面を整え、かつ、水蒸気加熱処理又は電磁波加熱することにより複合・賦型化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類副産物の粉砕物と動植物に由来するバイオ繊維材料の粉砕物を配合した粉末成形材料を用いて賦型化した複合再生成形物に係り、詳しくは、籾殻、ピーナッツ殻、イネ茎その他の穀類副産物と、古紙を含む紙類(木質繊維)、竹繊維、綿繊維、獣毛繊維その他の動植物に由来するバイオ繊維材料との粉砕物を主原料として賦型化され、粉末成形性及び易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材として供される穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物、及び穀類副産物として籾殻を用い、マット状、ブロック状その他の所望形状からなる培地成形体の骨格要素となるように賦型化した緑化培地用籾殻成形基材、並びにこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、穀類副産物、特に籾殻を原料とする成形体が知られている(例えば、特許文献1、2、3及び4を参照)。
【特許文献1】特開2004−316048号公報
【特許文献2】特表2004−519363号公報
【特許文献3】特開2002−46112号公報
【特許文献4】特開平11−42614号公報
【0003】
また、籾殻を有効利用した植生用培地成形体が知られている(例えば、特許文献5、6、及び7を参照)。
【特許文献5】特開2003−52241号公報
【特許文献6】特表2003−61464号公報
【特許文献7】特開2002−78416号公報
【0004】
上記従来技術は、いずれも籾殻の再生処理技術として考慮してよいが、用途に応じた材料設計上の柔軟性という点では改善される余地がある。
【0005】
すなわち、籾殻と動植物由来の繊維を主原料として、それらを至適な形態に粉砕処理して粉末成形技術を適用可能とし、所望用途に応じた材料設計上の自由度(柔軟性)を増補する点である。ただし、本発明に関する粉末成形材料は、主原料を至適な形態へ粉砕化処理したものであって極限的な擂り潰し等により得られる粉末材料とは異質のものであることに注意されたい。ここでは、以下に紹介するような特徴的な粉砕処理技術が問われることになる。
【0006】
本発明者らは、古紙等の繊維含有材料の再生利用に関し、該繊維含有材料の粗粉砕から解繊までを効率的におこなう解繊装置(粗粉砕装置を含む)を提案してきた(例えば、特許文献8を参照)。
【特許文献8】特許第3051981号公報
【0007】
この開発技術(自社技術)によれば、繊維含有材料を粒径(片状のものであれば長さ)1mm以下にトゲ状突起を有する微細粉末状(海綿状)に切り刻む(粉砕する)ことができ、もって利用価値の高い再生原料を得ることができる。しかも、粉砕をより微細化してゆくと、トゲ状突起を有する微細粉末状(海綿状)になり、その粒径は従来的なチップフォームの粒径より1桁低いオーダーまでほぼ均一に粉砕化できる。
【0008】
その後の技術動向の一端は、幾つかの複合再生成形物の開発に結実してきた(例えば、特許文献9及び10を参照)。
【特許文献9】特許第3663512号公報
【特許文献10】特許第3622088号公報
【0009】
本発明者らは、これらの特許発明の実施を推進していくなかで、用途拡大に相応した材料設計や成形技術(粉砕処理技術を含む)を要請され、積極的に対応し、かつ、研究開発を継続してきた。
【0010】
先述のとおり、籾殻や古紙等を再生処理して、建材、剛性ボード、代替枠材その他の剛性材や、緩衝材、緑化培地成形基材その他の準剛性材又は弾性材に転換しようとする試みはあったのであるが、籾殻をどのように粉砕処理するのかについては見るべきところはない。
【0011】
こうしたなかで、本発明に関する籾殻を含む穀類副産物及びバイオ繊維材料は、上記特許発明の粉砕技術及び粉末成形技術を活用して同様に取り扱うことができる点で、新たな材料開発への展望を開拓するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明が解決しようとする問題点は、籾殻を含む穀類副産物と動植物由来の繊維を主原料として、それらを至適な形態に粉砕処理して粉末成形技術を適用可能とし、所望用途に応じた材料設計上の自由度(柔軟性)を増補する点にある。とりわけ、再生籾殻の有効利用範囲の拡大、例えば屋上設置等が可能な緑化培地用籾殻成形基材としての材料開発を図る点にある。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、上記課題を解消し、籾殻を含む穀類副産物と、古紙を含む動植物由来のバイオ繊維材料との粉砕物を主原料として賦型化され、粉末成形性及び易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材として供される穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物、及び穀類副産物として籾殻を用いて所望形状の培地成形体の骨格要素となるように賦型化した緑化培地用籾殻成形基材、並びにこれらの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題を解決するために第1の発明は、穀類副産物と動植物に由来するバイオ繊維材料をそれぞれ粉砕処理して配合した粉末成形材料を用いて賦型化した複合再生成形物において、粉末成形性及び易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材として供される穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物であって、
粉末成形材料が、籾殻、ピーナッツ殻、イネ茎その他の穀類副産物の少なくとも1種類の粉砕物からなる第1の原料粉砕物と、古紙を含む紙類(木質繊維)、竹繊維、綿繊維、獣毛繊維その他の動植物に由来するバイオ繊維材料の少なくとも1種類の粉砕物からなる第2の原料粉砕物を配合して主原料とし、ミスト状の水分を加えて撹拌することにより該主原料の粉砕物表面に湿潤性を付与し、かつ、絶乾状態の天然系接着剤を添加・混合してなるものであり、
前記粉末成形材料を所望形状の成形型に投入して材料表面を整え、かつ、水蒸気加熱処理又は電磁波加熱することにより複合・賦型化してなることを特徴とするものである。〔請求項1〕
【0015】
また、第2の発明は、上記構成の穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物において、
第1の原料粉砕物となる穀類副産物として籾殻を用い、マット状、ブロック状その他の所望形状からなる培地成形体の骨格要素となるように賦型化した緑化培地用籾殻成形基材であって、
前記籾殻の粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物の少なくとも2つの異なる粉砕形態の籾殻粉砕物を組み合わせて用いるとともに、バイオ繊維材料粉砕物及び天然系接着剤を配合して粉末成形材料を調製し、成形型に投入して材料表面を整え、かつ、100 〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持して複合・賦型化してなることを特徴とするものである。〔請求項4〕
【0016】
また、第3の発明は、上記穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物の製造方法であって、
穀類副産物を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物からなる複数の粉砕形態を有する穀類副産物粉砕物を得る第1の原料粉砕処理と、
バイオ繊維材料を乾式で解繊処理することにより、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物を得る第2の原料粉砕処理を施し、
前記粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物の少なくとも2つの異なる粉砕形態の粉砕物を組み合わせて用いた穀類副産物粉砕物70〜95重量%と、前記バイオ繊維材料粉砕物20重量%以下とを配合して主原料とし、該主原料にミスト状の水分を加えて撹拌することにより粉砕物表面に湿潤性を付与するとともに、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%を添加・混合して粉末成形材料を調製し、該粉末成形材料を成形型に投入し、加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持することにより、所望の最終形状に複合・賦型化することを特徴とするものである。〔請求項5〕
【0017】
さらに、第4の発明は、上記緑化培地用籾殻成形基材の製造方法であって、
籾殻を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物からなる複数の粉砕形態を有する籾殻粉砕物を得る第1の原料粉砕処理と、
バイオ繊維材料を乾式で解繊処理することにより、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物を得る第2の原料粉砕処理を施し、
前記粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物の少なくとも2つの異なる粉砕形態の粉砕物を組み合わせて用いた籾殻粉砕物70〜95重量%と、前記バイオ繊維材料粉砕物20重量%以下とを配合して主原料とし、該主原料にミスト状の水分を加えて撹拌することにより粉砕物表面に湿潤性を付与するとともに、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%を添加・混合して粉末成形材料を調製し、該粉末成形材料を成形型に投入し、加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持することにより、所望の最終形状に複合・賦型化することを特徴とするものである。〔請求項6〕
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上の構成よりなるものであり、これによれば籾殻を含む穀類副産物と古紙を含む動植物由来のバイオ繊維材料をそれぞれ至適な形態に粉砕処理し、粉末成形技術を適用可能で粉末成形性を増補可能な至適な形態の原料粉砕物を得るとともに、その配合条件を選択することにより、易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材となる複合再生成形物を得ることができる。
【0019】
とりわけ、屋上設置等が可能な緑化培地用籾殻成形基材として籾殻の有効利用範囲を拡大可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良形態は、上記第1の発明の穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物において、
第1の原料粉砕物が、穀類副産物を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、それぞれ粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物からなる少なくとも2つの異なる粉砕形態の穀類副産物粉砕物を組み合わせて用いるものであり、
第2の原料粉砕物が、バイオ繊維材料を乾式で解繊処理し、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物を用いるものであり、
天然系接着剤が、澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤を用いるものであり、水蒸気加熱処理が、常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持するものである。〔請求項2〕
【0021】
ここでは、粉末成形材料の配合条件を、第1の原料粉砕物である穀類副産物粉砕物70〜95重量%と、第2の原料粉砕物であるバイオ繊維材料粉砕物20重量%以下と、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%とするものであり、該粉末成形材料を成形型内で加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持することにより複合・賦型化するようにしている。〔請求項3〕
【実施例】
【0022】
本発明の一実施例である籾殻と古紙を主原料とする穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物(以下、実施例緑化培地用籾殻成形基材。)及びその製造方法について添付図面を参照しながら以下説明する。
【0023】
図1は、穀類副産物である籾殻を至適な形態に粉砕して分別する粉砕処理プロセスを示す説明図である。
【0024】
図2は、粉末成形材料を成形型で(a)常圧過熱水蒸気加熱又は(b)電磁波加熱による賦型化処理を示す説明図である。
【0025】
図3は、ブロック状に賦型化した緑化培地用籾殻成形基材を示す説明図である。
【0026】
実施例緑化培地用籾殻成形基材Xは、第1の原料粉砕物となる穀類副産物として籾殻(1)を用い、マット状、ブロック状その他の所望形状からなる培地成形体の骨格要素となるように賦型化したものである。
【0027】
図1に示すように、第1の原料粉砕処理は、籾殻1を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、粗粉砕物11、篩上微粉砕物12及び篩下微粉砕物13からなる複数の粉砕形態を有する籾殻粉砕物を得るものである。そして、これら粗粉砕物11、篩上微粉砕物12及び篩下微粉砕物13の少なくとも2つの異なる粉砕形態の粉砕物を組み合わせて用いるものである。篩による分別は、好適には3mmメッシュとし、篩下微粉砕物13の大きさ(粒形)は3mm以下、篩上微粉砕物12の大きさ(粒形)は6mm程度まで許容する。なお、粒形は粒径又は片状長さと同義である。
【0028】
また、第2の原料粉砕処理は、古紙を乾式で解繊処理することにより、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物(図示しない古紙解繊綿状物に同じ。)を得るものである。
【0029】
粉末成形材料の調製は、第1の原料粉砕物(穀類副産物粉砕物)である籾殻粉材物70〜95重量%と、第2の原料粉砕物(バイオ繊維材料粉砕物)である古紙解繊綿状物20重量%以下とを配合して主原料とし、該主原料にミスト状の水分を加えて撹拌することにより粉砕物表面に湿潤性を付与するとともに、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%を添加・混合するものである。ここでは、至適な天然系接着剤として澱粉糊を用いている。
【0030】
なお、配合条件下で、第2の原料粉砕物(バイオ繊維材料粉砕物)として古紙解繊綿状物や竹繊維を用いると、量比とともに弾性が増加するので、準剛性材(可撓性材)から弾性材まで材料設計可能となる。
【0031】
成形条件は、蒸気加熱成形又は電磁波加熱成形であって、上記構成の粉末成形材料を成形型2内で加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中(a)又は電磁波加熱雰囲気中(b)で所定時間保持することにより複合・賦型化するものである。〔図2及び図3を参照〕
【0032】
なお、成形型を雌雄の割型として構成し、同様の加熱条件下で加圧成形を施すと、硬質な成形体(剛性材)を得ることもできる。
【0033】
天然系接着剤は、実施例緑化培地用籾殻成形基材Xのように利用先において易分解性(生分解性に同じ)を要請する場合を考慮したものであり、そのような要請がない場合にはPVA(ポリビニルアルコール)、酢酸ビニル、ウレタンその他の合成系接着剤の使用も許される。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、原料である籾殻を含む穀類副産物と古紙を含む動植物由来のバイオ繊維材料にそれぞれ独自の粉砕装置を用いて固有の粉砕処理を施し、粉末成形技術を適用可能で粉末成形性を増補可能な至適な形態の原料粉砕物を得るとともに、その配合条件を選択することにより、易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材となる複合再生成形物を提供可能とするものであり、資源(廃材)の有効利用(再生利用)に寄与するという点で産業上有益である。特に、産出量の大きい籾殻の有効利用(再生利用)範囲を拡大可能とする点で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】穀類副産物である籾殻を至適な形態に粉砕して分別する粉砕処理プロセスを示す説明図である。
【図2】粉末成形材料を成形型で(a)常圧過熱水蒸気加熱又は(b)電磁波加熱による賦型化処理を示す説明図である。
【図3】ブロック状に賦型化した緑化培地用籾殻成形基材を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 籾殻〔穀類副産物;第1原料粉砕物〕
11 籾殻粗粉砕物〔第1原料粉砕物〕
12 籾殻篩上微粉砕物〔第1原料粉砕物〕
13 籾殻篩下微粉砕物〔第1原料粉砕物〕
2 成形型
X 緑化培地用籾殻成形基材〔穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物〕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀類副産物と動植物に由来するバイオ繊維材料をそれぞれ粉砕処理して配合した粉末成形材料を用いて賦型化した複合再生成形物において、
粉末成形性及び易分解性を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材として供される穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物であって、
粉末成形材料が、籾殻、ピーナッツ殻、イネ茎その他の穀類副産物の少なくとも1種類の粉砕物からなる第1の原料粉砕物と、古紙を含む紙類(木質繊維)、竹繊維、綿繊維、獣毛繊維その他の動植物に由来するバイオ繊維材料の少なくとも1種類の粉砕物からなる第2の原料粉砕物を配合して主原料とし、ミスト状の水分を加えて撹拌することにより該主原料の粉砕物表面に湿潤性を付与し、かつ、絶乾状態の天然系接着剤を添加・混合してなるものであり、
前記粉末成形材料を所望形状の成形型に投入して材料表面を整え、かつ、水蒸気加熱処理又は電磁波加熱処理することにより複合・賦型化してなることを特徴とする穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物。
【請求項2】
第1の原料粉砕物が、穀類副産物を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、それぞれ粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物からなる少なくとも2つの異なる粉砕形態の穀類副産物粉砕物を組み合わせて用いるものであり、
第2の原料粉砕物が、バイオ繊維材料を乾式で解繊処理し、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物を用いるものであり、
水蒸気加熱処理が、常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持するものである
請求項1記載の穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物。
【請求項3】
粉末成形材料の配合条件を、第1の原料粉砕物である穀類副産物粉砕物70〜95重量%と、第2の原料粉砕物であるバイオ繊維材料粉砕物20重量%以下と、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%とするものであり、該粉末成形材料を成形型内で加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持することにより複合・賦型化してなるものである請求項1又は2記載の穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物において、第1の原料粉砕物となる穀類副産物として籾殻を用い、マット状、ブロック状その他の所望形状からなる培地成形体の骨格要素となるように賦型化した緑化培地用籾殻成形基材であって、
前記籾殻の粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物の少なくとも2つの異なる粉砕形態の籾殻粉砕物を組み合わせて用いるとともに、バイオ繊維材料粉砕物及び絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤を配合して粉末成形材料を調製し、成形型に投入して材料表面を整え、かつ、100 〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持して複合・賦型化してなることを特徴とする緑化培地用籾殻成形基材。
【請求項5】
籾殻、ピーナッツ殻、イネ茎その他の穀類副産物と、古紙を含む紙類(木質繊維)、竹繊維、綿繊維、獣毛繊維その他の動植物に由来するバイオ繊維材料をそれぞれ粉砕処理して配合した粉末成形材料を用いて賦型化することにより、粉末成形性及び易分解性の性質を増補した剛性材、準剛性材又は弾性材として供するようにした穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物の製造方法であって、
穀類副産物を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物からなる複数の粉砕形態を有する穀類副産物粉砕物を得る第1の原料粉砕処理と、
バイオ繊維材料を乾式で解繊処理することにより、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物を得る第2の原料粉砕処理を施し、
前記粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物の少なくとも2つの異なる粉砕形態の粉砕物を組み合わせて用いた穀類副産物粉砕物70〜95重量%と、前記バイオ繊維材料粉砕物20重量%以下とを配合して主原料とし、該主原料にミスト状の水分を加えて撹拌することにより粉砕物表面に湿潤性を付与するとともに、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%を添加・混合して粉末成形材料を調製し、該粉末成形材料を成形型に投入し、加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持することにより、所望の最終形状に複合・賦型化することを特徴とする穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の穀類副産物−バイオ繊維複合再生成形物の製造方法において、
第1の原料粉砕物となる穀類副産物として籾殻を用い、マット状、ブロック状その他の所望形状からなる培地成形体の骨格要素となるように賦型化した緑化培地用籾殻成形基材の製造方法であって、
籾殻を粗粉砕処理及び粗粉砕後微粉砕処理して篩上、篩下に分別し、粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物からなる複数の粉砕形態を有する籾殻粉砕物を得る第1の原料粉砕処理と、
バイオ繊維材料を乾式で解繊処理することにより、その粒径又は片状長さを1mm未満に切り刻んで綿状物としたバイオ繊維材料粉砕物を得る第2の原料粉砕処理を施し、
前記粗粉砕物、篩上微粉砕物及び篩下微粉砕物の少なくとも2つの異なる粉砕形態の粉砕物を組み合わせて用いた籾殻粉砕物70〜95重量%と、前記バイオ繊維材料粉砕物20重量%以下とを配合して主原料とし、該主原料にミスト状の水分を加えて撹拌することにより粉砕物表面に湿潤性を付与するとともに、絶乾状態の澱粉糊、カゼイン、アラビヤガムその他の天然系接着剤0.5〜15重量%を添加・混合して粉末成形材料を調製し、該粉末成形材料を成形型に投入し、加圧して又は無加圧で整面処理し、かつ、 100〜200 ℃の常圧過熱水蒸気加熱雰囲気中又は電磁波加熱雰囲気中で所定時間保持することにより、所望の最終形状に複合・賦型化することを特徴とする緑化培地用籾殻成形基材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−156797(P2008−156797A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348986(P2006−348986)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(595067718)西日本技術開発有限会社 (5)
【Fターム(参考)】