積み木セット
【課題】積み木ブロックの角部に当たっても問題となるような痛みを感じることはなく、また鋭角部があっても過度の痛みや危険性を与えることがなく、さらに積み上げていった場合に、種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状が安定であり、かつ衝撃につよい、積み木セットを提供する。
【解決手段】複数の積み木ブロックからなる積み木セットであって、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成され、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げにより粘着性を付与し、隣接する積み木ブロックの表面同士を粘着させることによって所望の平面的あるいは立体的多種幾何学形状を形成することが可能であることを特徴とする、積み木セット。
【解決手段】複数の積み木ブロックからなる積み木セットであって、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成され、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げにより粘着性を付与し、隣接する積み木ブロックの表面同士を粘着させることによって所望の平面的あるいは立体的多種幾何学形状を形成することが可能であることを特徴とする、積み木セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み木セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、同一形状あるいは異形形状の積み木ブロックからなる積み木セットが用いられているが、積み木ブロックの材質としては木材や硬質プラスチックが用いられてきた。木材や硬質プラスチック製の積み木ブロックの各表面は平らとされていたので、積み上げていった場合、積み上げ体は不安定であり、衝撃に弱く、積み木ブロックで形成できる幾何学形状には制限があった。また、従来の木製積み木等は、表面摩擦係数が小さいためすべりやすく、積み木ブロックの傾斜面上へ他の積み木ブロックを積み重ねると、滑り落ちてしまい、創作可能な積み重ね構造には制限があった。また、木材や硬質プラスチックで作られた積み木ブロックの場合、ブロックの角部に当たると痛みを感じることがあり、危険性を回避するため鋭角な形状の積み木ブロックを形成することはあまりなされておらず、この面からも創作可能な積み重ね構造には制限があった。
【0003】
通常、接触面での滑りを低減するためには、隣接面の摩擦力を増やすことが重要であると考えられている。面と面との間の摩擦力は、マクロ的に考えると平滑と思われている面であっても、それらの面に生じている細かな微細凸凹同志が、面を滑らせようとする力が生じた時点で、ミクロ的にひっかかりあって発生していると考えられている。つまり見掛けの接触面積が小さくても、微細凸凹の引っかかり状態を理想的なものとすることによって、有効な面摩擦力を得ることができる、と一般的に考えられている。
【0004】
従って、工業製品などの場合、摩擦係数を大きくするために、その面を適度に荒らしたり、細かいシボを付けたり、シボのサイズグレードを実験選定したりして滑りにくくする面を作るというのが一般的技術である。金属やプラスチック材料や木材などはその典型であり、面を適度に荒くすることによって摩擦係数を上げ、滑りにくい面を作りあげている。よって、積み木も同様で、摩擦係数を上げ滑りにくい面を製造するためには、積み木ブロック面を適度に荒らすか、その金型にシボ面加工を施すなどを実施するのが、一般的な技術対応であると考えられる。
【0005】
特許文献1は、木材の立体の面にゴム状の皮膜を設けて形成してなる玩具用積み木を開示しており、積み重ねても摩擦により安定で、本来は困難な球体の積み木どうし、または球体の積み木と球体以外の立体の積み木とを積み重ねても崩れにくく安定させることが可能で、簡単に積み重ねることが可能な玩具用積み木を提案している。
【0006】
しかしながら、木材の立体の面にゴム状の皮膜を設けて摩擦係数を大きくしてあるが、隣接する積み木の斜面に積み重ねた場合に積み重ね形状を安定に維持することはできない。また、積み木の全面にゴム上の皮膜を施すことは製造する上での加工コストが膨大となり、現実性に欠けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−245996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、積み木ブロックを重ねることによって種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状を安定に保持することが可能でかつ衝撃に強く、積み上げ体を手に持って運んだり、一定の重量限界内で引き上げたり逆さに吊るしたりしても分離せず一体的に維持され、積み木ブロックに鋭角部があった場合にその角部に当たっても過度の痛みや危険性を与えことがなく、さらに隣接する積み木ブロック同士を左程の困難性もなく引き剥がすことが可能な、積み木セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、複数の積み木ブロックからなる積み木セットであって、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成され、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与し、隣接する積み木ブロックの表面同志を粘着させることによって所望の種々の平面的あるいは立体的多種幾何学形状を形成することが可能であることを特徴とする、積み木セットを提供する。
【0010】
以下に、本発明に係る積み木セットの好ましい態様について記載する。それらの任意の組合せも、特に本発明の目的・効果に対して矛盾がない限り、また本発明に係る積み木セットの好ましい態様である。
(1)前記弾性ゴム質材料が、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、軟質プラスチックからなる群から選択される弾性ゴム質材料が使用できる。
(2)前記弾性ゴム質材料が、シリコーンゴムである。上記弾性ゴム質材料中、シリコーンゴムは撥水性、耐水性、耐熱性、難燃性、化学的安定性、耐候性、電気絶縁性、安全性、安心性、着色性に優れるので、好ましい。
(3)前記弾性ゴム質材料の硬度は、JIS K 6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度20〜90である。好ましくは、弾性ゴム質材料の硬度は、30〜70である。
(4)前記積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げとは、前記積み木ブロックを成形する金型表面を定番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダイヤモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げを行って得られる面粗さと同等の面粗さを成形金型に付与し、その金型を用いて成形をした場合に得られる積み木ブロックの表面の鏡面仕上げをいう。
(5)前記複数の積み木ブロックの少なくとも一部の積み木ブロックは多角体形状を有し、一側面を底面として平面に配置した場合に、少なくとも1つの側面は該平面に対して傾斜する面を有する。
(6)前記積み木セットの組み合わせ原型形状は、多角体形状あるいは原型形状の外表面に少なくとも一部曲面を有する立体形状である。
(7)前記積み木セットは、立体図形学習用教材として利用可能な構成を有する。
(8)前記積み木セットは、図2Aの積み木セットを4個、図2Bの積み木セットを4個有し、図2Aの積み木セット4個、図2Bの積み木セット4個を、図2Cに示す通り組立てて得られる立方体形状の積み木組合せ原型形状を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の積み木セットによれば、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げにより粘着性を付与しているので、積み上げていった場合に、滑り落ちたり崩れ落ちたりすることなく、種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状が安定であり、かつ衝撃につよい。さらに、積み上げ体を手に持って運んだり、積み上げ体の重量が一定の限界内で引き上げたり逆さに吊るしたりしても分離せず一体的に維持される。
また、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成されているので、手触り感覚に優れ、ソフトで、角部に当たっても問題となるような痛みを感じることはない。また鋭角部があっても過度の痛みや危険性を与えることがない。
【0012】
そもそも、鏡面仕上げは、面をきわめて平滑鏡面に仕上げるもので、鏡面仕上げした金属材料などは対相手部材に対して非常に滑り易くなるので、摩擦係数を最小限に近づけるための加工技術であると言える。つまり、きわめて平滑にした鏡面というものは、対相手部材に対して摩擦係数が最小となる状態であるということが、一般的な技術常識であり、本発明の積み木セットのように、粘着性を増大させ、相互に滑りをなくすことを利用する例はない。
【0013】
本発明に係る積み木セットは、従来全く知られてもおらず、提案もされておらず、全く新規な積み木セットであり、今迄存在しなかった様々な形状の積み木ブロック形状が可能となり、粘着により今迄積み重ねることができなかった形状の積み木ブロック積み重ね体が可能となり、種々の積み木ブロック積み重ね構成を創作することができるので、子供達の構造物創作範囲を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0014】
また、積み木ブロックをシリコーンゴム等の着色可能なエラストマーで形成した場合には、積み木ブロックを種々の色に着色をすることができ、積み木ブロックによる美的造形物形成範囲がより一層広がり、幾何学的なデザイン性が向上し、デザイナーが立体デザインを検討するためのツールとしても利用できる積み木を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の積み木セットを構成することが可能な種々の積み木ブロックの立体形状を示す。
【図2A】本発明の積み木セットの組合せ原型形状と分解した積み木ブロックの形状を示す。
【図2B】本発明の別の積み木セットの組合せ原型形状と分解した積み木ブロックの形状を示す。
【図2C】図2Aに示す積み木セット4つと図2Bに示す積み木セット4つを組み合わせた本発明のさらに別の積み木セットの組合せ原型形状を示す。
【図2D】図2Cの積み木セットを組みかえて形成した本発明の他の積み木セットの組合せ原型形状を示す。
【図2E】図2Cの積み木セットをその断面図を考えるため使用する例を示す。
【図2F】図2Cの積み木セットをその展開図を考えるため使用する例を示す。
【図3A】図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した角形ボール状の積み木組立体を示す。
【図3B】図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した四つ葉状の積み木組立体を示す。
【図3C】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した家状の積み木組立体を示す。
【図3D】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した塔状の積み木組立体を示す。
【図3E】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した花状の積み木組立体を示す。
【図3F】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した宇宙基地状の積み木組立体を示す。
【図4A】本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成したロボットの頭部状の積み木組立体を示す斜視図である。
【図4B】本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した飛行機の積み木組立体を示す斜視図である。
【図4C】本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した自動車の積み木組立体を示す斜視図である。
【図5A】1対の非粘着性積み木ブロックを用いて作成した立方体形状の滑り試験を説明する図である。
【図5B】本発明の粘着性積み木セットの1対の積み木ブロックを用いて作成した立方体形状の滑り試験を説明する図である。
【図6】本発明の積み木セットの1対の積み木ブロックを用いて作成した立方体形状の剥離試験を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の積み木セットを詳細に説明する。
(1)積み木ブロック
(1−1)形状
本発明の積み木セットを構成する複数の積み木ブロックの各々は、任意の立体形状に形成されている。例えば、立体形状としては、直方体、立方体、三角柱、四角柱等の多角柱、三角錘、四角錘等の多角錘、四面体、五面体等の多面体、円柱、楕円柱、異形状(複数の立体形状が融合したような複雑な立体形状)等のものが挙げられる。これらの積み木ブロックの形状を図面に図示する(図1)。
【0017】
本発明の積み木セットを構成する複数の積み木ブロックの側面に着目すると該側面は、例えば以下のいずれかのものとすることができる。
1)三角形、正三角形、二等辺三角形
2)四角形、ひし形、台形
3)五角形、正五角形
4)六角形、正六角形
5)円形、楕円
【0018】
本発明の積み木セットを構成する積み木ブロックは、中実形状としても良いし、その重量及び材料コストを低減するために、中空形状としてもよい。
【0019】
本発明の積み木セットは、積み上げていった場合に、種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状が安定であり、かつ衝撃に強いという本発明の目的が損なわれない範囲において、積み木セット中に粘着性を有する積み木ブロック以外に、通常使用される非粘着性の積み木ブロックも含むことができる。このような場合も本発明の積み木セットに含まれる。
【0020】
(1−2)材質
本発明の積み木セットを構成する積み木ブロックは、弾性ゴム質材料からなる。弾性ゴム質材料とすることによって、手触り感覚に優れ、ソフトで、角部に当たっても問題となるような痛みを感じることはなく、また鋭角部があっても過度の痛みや危険性を与えることがない。このような弾性ゴム質材料としては、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、軟質プラスチックが挙げられる。本発明の積み木セットを構成する積み木ブロックは、上掲の弾性ゴム質材料を用いて射出成型等により形成することができる。
【0021】
例えば、シリコーンゴムについて述べると、日本のシリコーンゴムメーカーとしては、信越化学工業株式会社、東レダウコーニングシリコーン、東芝シリコーンがあるが、シリコーンゴムとしては各社のものを使用することができる。例えば、信越化学工業株式会社のものでは、信越シリコーン:シリコーンゴム(メチルビニルあるいはメチルフェニル置換)を使用することができる。使用に当たっては、各社によるロッド別材料に各社指定の加硫剤を適量(一般に0.5PHR)用いて加硫成形を行い所望の硬度のゴム弾性体を得る。
本発明においては、シリコーンゴムが特に好ましい。シリコーンゴムは、一般に撥水性、耐水性、耐熱性、難燃性、耐油性に優れ、化学的に安定で酸化・分解されにくく、また生理活性が低いので人を含む生体への毒性が小さく、積み木として用いた場合の安全性、安心性、着色性にすぐれる。
【0022】
(1−3)粘着性付与
各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与する。各積み木ブロックの各表面の全面を鏡面仕上げにより粘着性を付与してもよいし、本発明の目的、効果が得られる限りにおいて、各積み木ブロックの各表面の一部を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与してもよい。なお、粘着性付与について考えると、粘着剤で積み木ブロックの表面を被覆して粘着性を付与することもできるであろう。
1)鏡面仕上げ:
各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げは、例えば、射出あるいは圧縮成形する場合において、各積み木ブロックの金型の成形表面を鏡面仕上げした金型を用いて、各積み木ブロックの表面を鏡面仕上げする。鏡面仕上げ面は平面、凹曲面、凸曲面のいずれかとすることができるが、種々の隣接積み木ブロックとの粘着を考えると平面が好ましい。
【0023】
本発明で言う鏡面仕上げとは、隣接する積み木ブロックの斜面に積み木を積み重ねても自重により落下しない程度の粘着性を発揮する加工処理を言い、例えば、積み木ブロックを成形する金型表面を低番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げを行ってえられる面粗さと同等の面粗さを成形金型に付与し、その金型を用いて成形をした場合に得られる積み木ブロックの表面の鏡面仕上げをいう。なお、上記「同等の面粗さ」とは、「積み木ブロックを成形する金型表面を低番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダイヤモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げ」以外の工程でも面粗さが同等であれば、それらの工程も本発明にいう鏡面仕上げに含まれることを意味する。
2)粘着性
粘着性とは、隣接する積み木ブロックの斜面に積み木ブロックを積み重ねても密着していて自然には落下せず、両者を分離させるには剥離する程度の粘着性を言う。密着させる積み木ブロックが制限重量内であれば、一方をつかんで吊あげたりしても粘着していて剥離しない程度の粘着力を言う。
3)硬度
硬度は、積み木ブロックの寸法・形状にもよるが、積み木ブロックが形状安定性を発揮し、角部に当たっても過度な痛みを与えない程度の硬度であれば良く、隣接ブロック同士の対向面が密着するように設定することが好ましい。例えば、大きい寸法の積み木ブロック、端部が鋭角の積み木ブロックが積み木セットに含まれている場合等を考慮して選択する。
硬度は、JIS K6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度20〜90が好ましく、更に好ましくは硬度30〜70とする。本実施例ではJIS K6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度が50のものを用いている。
【0024】
(2)積み木セットの組合せ原型形状等
(2−1)積み木セットの組合せ原型形状
積み木セットの組合せ原型形状とは、販売時あるいは収納時に積み木ブロックを組み合わせた時に形成される積み木セット全体の形状をいう。積み木セットの組合せ原型形状としては、立方体、直方体、三角錘、四角錘等の多角錘、四面体、五面体等の多面体、三角柱、四角柱等の多角柱、円柱、楕円柱、半球状体、球状体等を挙げることができる。
【0025】
これらの積み木セットの組合せ原型形状と分解した形状を図面に例示する(図2A〜図2D)。本発明の積み木セットは積み木ブロックが粘着性を有するため、図2A〜図2Dに示す原型形状を安定して取ることが可能となる。図2A〜図2Dに示す原型形状を従来のように非粘着性とした場合には、このような原型形状を取ることは不可能であり、たとえ取れた場合でも手を離すとただちに崩れてしまうことに留意すべきである。
図2Aは小三角錘を2個、平三角錘を1個、8面体を1個からなる立方体形状の積み木組合せ原型形状を示し、図2Bは三角錘1個、7面体1個、ひし形6面体1個からなる立方体形状の積み木組合せ原型形状を示す。図2Cは、図2Aの積み木セットを4個、図2Bの積み木セットを4個組み合わせた立方体形状の積み木組合せ原型形状を示す。図2Dは、図2Bの積み木セットを組みかえた状態を示す。
【0026】
図2Eは、図2Cの積み木セットの一部を取り除いて、二等辺三角形切断面、正三角形切断面、ひし形切断面、五角形切断面、正六角形切断面の模様を考えるために使用する例を示す。さらに、図2Fは、図2Cの積み木セットを用いて、正方形立体、正三角形切断立体、ひし形切断立体、五角形切断立体、正六角形切断立体の展開図を考えるために用いた場合を示す。図2E、図2Fのように図2Cの積み木セットを用いることによって、図形理解のための立体図形学習用教材として利用可能な構成とした積み木セットとして利用することもできる。
【0027】
図3A〜図3Fは、図2Cに示す本発明の積み木セットの積み木ブロックを使用して形成積み木組立体を示すが、従来のように積み木ブロックを非粘着性とした場合には、このような型形状を取ることは不可能であり、たとえ取れた場合でも手を離すとただちに崩れてしまうことに留意すべきである。
図3Aは、図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した角形ボール状の積み木組立体を示す。図3Bは、図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した四つ葉状の積み木組立体であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は前方から見た図である。図3Cは、図2Cに示す積み木セットを使用して形成した家状の積み木組立体を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は前方から見た図である。図3Dは、図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した塔状の積み木組立体を示し、(a)は斜視図、(b)は斜め上方から見た斜視図、(c)は前方から見た図である。図3Eは、図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した花状の積み木組立体を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は前方から見た図である。図3Fは、図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した宇宙基地状の積み木組立体を示す。
【0028】
図4A〜図4Cは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使用して種々の具象的な組立体を形成したもので、従来のように積み木ブロックを非粘着性とした場合には、このような型形状を取ることは不可能であり、たとえ取れた場合でも手を離すとただちに崩れてしまうことに留意すべきである
図4Aは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成したロボットの頭部形状の積み木組立体を示す斜視図である。図4Bは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した飛行機形状の積み木組立体を示す斜視図である。図4Cは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した自動車形状の積み木組立体を示す斜視図である。
【0029】
本発明に係る積み木セットの積み木ブロックを組み立てて(積み重ねて)作成した積み木ブロック組立体(積層体)を図面に例示したが、図からわかる通り、本発明に係る積み木セットは、今迄積み木で全く実現不可能であった斬新で多種多様な積み木ブロック積層体を実現することができ、世界初の積み木セットとして、積み木の概念を完全に塗り替えるものである。
【実施例】
【0030】
次に、本発明の積み木セットについて、実施例に基づいてさらに説明をする。
以下に、本発明の積み木セットの積み木ブロックの特性の理解を図るため、以下の実験を行った。
(実施例1)
図5Aの(c)に示す三角錘と七面体の非粘着性の積み木ブロックを、シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、商品名SH851U)100g、加硫剤0.5gを用いて圧縮成型し、組み合わせて立方体となるようにした。一方、図5Bの(f)に示す三角錘と七面体の積み木ブロックで組み合わせて立方体となる本発明の粘着性積み木ブロックを、シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、商品名SH851U)100g、加硫剤0.5gを用いて、ダイヤモンドペースト#2500で最終磨き仕上げを行って鏡面処理した成形面を有する圧縮成型により形成した。それぞれの立方体の形状は70cm x 70cm x 70cm)とした。なお、三角錘は青色に着色し重量は8.2gとし、七面体の重量は41.8gとした。
【0031】
次に、図5Aの(a)に示すように参考例の非粘着性の積み木ブロックを上下に積み重ねて積重体の底面を段差部に位置させたが、図5Aの(b)に示すように指を離すと三角錘は七面体から滑り落ちてしまい、積み重ね形状を維持することはできなかった。一方、図5Bの(a)に示すように本発明の粘着性の積み木ブロックを上下に積み重ねて、積重体の底面を段差部に位置させ指を離したが、図5Bの(b)に示すように三角錘は七面体から滑り落ちず、積み重ね形状を維持することができた。また、図5Bの(c)〜(e)に示すように、三角錘あるいは七面体ブロックを指先でつまんで空中で保持したが、三角錘は七面体から分離せず、積み重ね形状を維持することができた。
【0032】
(実施例2)
(1)剥離試験1
本発明の粘着性積み木ブロックの密着性及び剥離試験を行った。試験片は、実施例1に記載した方法で作成した積み木ブロックを使用した。立方体の形状は70cm x 70cm x 70cm)とし、三角錘は青色に着色し重量は8.2g、七面体の重量は41.8gとし、密着面の面積は約12.25cm2とした。
まず、図6の(a)に示すように積み木ブロックを積層し、三角錘の中央頂点部にフックの一端部を取付け、図6の(b)に示すように他端のフックを重量ばね測定器の先端部に取付け、七面体を指で固定し三角錘を引っ張り、七面体から三角錘が剥離する時の力を測定した。試験は、3対の試験片について行ったが、それぞれの剥離時の力は530g、450g、420gであった。ばらつきがあるのは指固定による固定力のばらつきや、試料のばらつき、三角錘を引っ張る方向のばらつき等によるものと思われるが、密着面に垂直な方向での粘着力は、積み上げた積み木ブロックの積み上げ形状を保持するのには十分であることが分かる。
【0033】
(2)剥離試験2
次に、図6の(c)に示すように、積み木ブロックを積層し、三角錘の底面側の一端部にフックの一端部を取付け、図6の(d)に示すように他端のフックを重量ばね測定器の先端部に取付け、七面体を指で固定し三角錘を引っ張り、七面体を指で固定し三角錘を引っ張って七面体から三角錘を引き剥がすように剥離する時の力を測定した。試験は、3対の試験片について行ったが、それぞれの剥離時の力は65g、50g、20gであった。ばらつきがあるのは指固定による固定力のばらつきや、試料のばらつき、三角錘を引っ張る方向のばらつき等によるものと思われるが、引き剥がす方向、引き剥がし剥離方向での粘着力は、積み重ねた積み木ブロックを引き剥がすのを比較的容易とする程度であることが分かる。
【0034】
(3)耐久性試験
上下の積み木ブロックを粘着させた後、剥離させた。この粘着、剥離試験を繰り返し行ったが、積み木ブロック粘着面およびその角部には損傷は見られなかった。その理由は、剥離強度に比べて、ゴム強度は非常に大きいためであり、本発明の積み木ブロックは十分な耐久性があることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の積み木セットは、全く新たな積み木概念を形成する玩具用あるいは教育用積み木セットとして、産業の利用可能性は大きい。また、幼少の子供達の積み木として今までにない創造形状の創作が可能となり、立体幾何学理解・教育の側面からも大きな意義を有する積み木を提供するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み木セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、同一形状あるいは異形形状の積み木ブロックからなる積み木セットが用いられているが、積み木ブロックの材質としては木材や硬質プラスチックが用いられてきた。木材や硬質プラスチック製の積み木ブロックの各表面は平らとされていたので、積み上げていった場合、積み上げ体は不安定であり、衝撃に弱く、積み木ブロックで形成できる幾何学形状には制限があった。また、従来の木製積み木等は、表面摩擦係数が小さいためすべりやすく、積み木ブロックの傾斜面上へ他の積み木ブロックを積み重ねると、滑り落ちてしまい、創作可能な積み重ね構造には制限があった。また、木材や硬質プラスチックで作られた積み木ブロックの場合、ブロックの角部に当たると痛みを感じることがあり、危険性を回避するため鋭角な形状の積み木ブロックを形成することはあまりなされておらず、この面からも創作可能な積み重ね構造には制限があった。
【0003】
通常、接触面での滑りを低減するためには、隣接面の摩擦力を増やすことが重要であると考えられている。面と面との間の摩擦力は、マクロ的に考えると平滑と思われている面であっても、それらの面に生じている細かな微細凸凹同志が、面を滑らせようとする力が生じた時点で、ミクロ的にひっかかりあって発生していると考えられている。つまり見掛けの接触面積が小さくても、微細凸凹の引っかかり状態を理想的なものとすることによって、有効な面摩擦力を得ることができる、と一般的に考えられている。
【0004】
従って、工業製品などの場合、摩擦係数を大きくするために、その面を適度に荒らしたり、細かいシボを付けたり、シボのサイズグレードを実験選定したりして滑りにくくする面を作るというのが一般的技術である。金属やプラスチック材料や木材などはその典型であり、面を適度に荒くすることによって摩擦係数を上げ、滑りにくい面を作りあげている。よって、積み木も同様で、摩擦係数を上げ滑りにくい面を製造するためには、積み木ブロック面を適度に荒らすか、その金型にシボ面加工を施すなどを実施するのが、一般的な技術対応であると考えられる。
【0005】
特許文献1は、木材の立体の面にゴム状の皮膜を設けて形成してなる玩具用積み木を開示しており、積み重ねても摩擦により安定で、本来は困難な球体の積み木どうし、または球体の積み木と球体以外の立体の積み木とを積み重ねても崩れにくく安定させることが可能で、簡単に積み重ねることが可能な玩具用積み木を提案している。
【0006】
しかしながら、木材の立体の面にゴム状の皮膜を設けて摩擦係数を大きくしてあるが、隣接する積み木の斜面に積み重ねた場合に積み重ね形状を安定に維持することはできない。また、積み木の全面にゴム上の皮膜を施すことは製造する上での加工コストが膨大となり、現実性に欠けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−245996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、積み木ブロックを重ねることによって種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状を安定に保持することが可能でかつ衝撃に強く、積み上げ体を手に持って運んだり、一定の重量限界内で引き上げたり逆さに吊るしたりしても分離せず一体的に維持され、積み木ブロックに鋭角部があった場合にその角部に当たっても過度の痛みや危険性を与えことがなく、さらに隣接する積み木ブロック同士を左程の困難性もなく引き剥がすことが可能な、積み木セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、複数の積み木ブロックからなる積み木セットであって、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成され、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与し、隣接する積み木ブロックの表面同志を粘着させることによって所望の種々の平面的あるいは立体的多種幾何学形状を形成することが可能であることを特徴とする、積み木セットを提供する。
【0010】
以下に、本発明に係る積み木セットの好ましい態様について記載する。それらの任意の組合せも、特に本発明の目的・効果に対して矛盾がない限り、また本発明に係る積み木セットの好ましい態様である。
(1)前記弾性ゴム質材料が、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、軟質プラスチックからなる群から選択される弾性ゴム質材料が使用できる。
(2)前記弾性ゴム質材料が、シリコーンゴムである。上記弾性ゴム質材料中、シリコーンゴムは撥水性、耐水性、耐熱性、難燃性、化学的安定性、耐候性、電気絶縁性、安全性、安心性、着色性に優れるので、好ましい。
(3)前記弾性ゴム質材料の硬度は、JIS K 6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度20〜90である。好ましくは、弾性ゴム質材料の硬度は、30〜70である。
(4)前記積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げとは、前記積み木ブロックを成形する金型表面を定番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダイヤモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げを行って得られる面粗さと同等の面粗さを成形金型に付与し、その金型を用いて成形をした場合に得られる積み木ブロックの表面の鏡面仕上げをいう。
(5)前記複数の積み木ブロックの少なくとも一部の積み木ブロックは多角体形状を有し、一側面を底面として平面に配置した場合に、少なくとも1つの側面は該平面に対して傾斜する面を有する。
(6)前記積み木セットの組み合わせ原型形状は、多角体形状あるいは原型形状の外表面に少なくとも一部曲面を有する立体形状である。
(7)前記積み木セットは、立体図形学習用教材として利用可能な構成を有する。
(8)前記積み木セットは、図2Aの積み木セットを4個、図2Bの積み木セットを4個有し、図2Aの積み木セット4個、図2Bの積み木セット4個を、図2Cに示す通り組立てて得られる立方体形状の積み木組合せ原型形状を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の積み木セットによれば、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げにより粘着性を付与しているので、積み上げていった場合に、滑り落ちたり崩れ落ちたりすることなく、種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状が安定であり、かつ衝撃につよい。さらに、積み上げ体を手に持って運んだり、積み上げ体の重量が一定の限界内で引き上げたり逆さに吊るしたりしても分離せず一体的に維持される。
また、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成されているので、手触り感覚に優れ、ソフトで、角部に当たっても問題となるような痛みを感じることはない。また鋭角部があっても過度の痛みや危険性を与えることがない。
【0012】
そもそも、鏡面仕上げは、面をきわめて平滑鏡面に仕上げるもので、鏡面仕上げした金属材料などは対相手部材に対して非常に滑り易くなるので、摩擦係数を最小限に近づけるための加工技術であると言える。つまり、きわめて平滑にした鏡面というものは、対相手部材に対して摩擦係数が最小となる状態であるということが、一般的な技術常識であり、本発明の積み木セットのように、粘着性を増大させ、相互に滑りをなくすことを利用する例はない。
【0013】
本発明に係る積み木セットは、従来全く知られてもおらず、提案もされておらず、全く新規な積み木セットであり、今迄存在しなかった様々な形状の積み木ブロック形状が可能となり、粘着により今迄積み重ねることができなかった形状の積み木ブロック積み重ね体が可能となり、種々の積み木ブロック積み重ね構成を創作することができるので、子供達の構造物創作範囲を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0014】
また、積み木ブロックをシリコーンゴム等の着色可能なエラストマーで形成した場合には、積み木ブロックを種々の色に着色をすることができ、積み木ブロックによる美的造形物形成範囲がより一層広がり、幾何学的なデザイン性が向上し、デザイナーが立体デザインを検討するためのツールとしても利用できる積み木を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の積み木セットを構成することが可能な種々の積み木ブロックの立体形状を示す。
【図2A】本発明の積み木セットの組合せ原型形状と分解した積み木ブロックの形状を示す。
【図2B】本発明の別の積み木セットの組合せ原型形状と分解した積み木ブロックの形状を示す。
【図2C】図2Aに示す積み木セット4つと図2Bに示す積み木セット4つを組み合わせた本発明のさらに別の積み木セットの組合せ原型形状を示す。
【図2D】図2Cの積み木セットを組みかえて形成した本発明の他の積み木セットの組合せ原型形状を示す。
【図2E】図2Cの積み木セットをその断面図を考えるため使用する例を示す。
【図2F】図2Cの積み木セットをその展開図を考えるため使用する例を示す。
【図3A】図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した角形ボール状の積み木組立体を示す。
【図3B】図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した四つ葉状の積み木組立体を示す。
【図3C】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した家状の積み木組立体を示す。
【図3D】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した塔状の積み木組立体を示す。
【図3E】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した花状の積み木組立体を示す。
【図3F】図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した宇宙基地状の積み木組立体を示す。
【図4A】本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成したロボットの頭部状の積み木組立体を示す斜視図である。
【図4B】本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した飛行機の積み木組立体を示す斜視図である。
【図4C】本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した自動車の積み木組立体を示す斜視図である。
【図5A】1対の非粘着性積み木ブロックを用いて作成した立方体形状の滑り試験を説明する図である。
【図5B】本発明の粘着性積み木セットの1対の積み木ブロックを用いて作成した立方体形状の滑り試験を説明する図である。
【図6】本発明の積み木セットの1対の積み木ブロックを用いて作成した立方体形状の剥離試験を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の積み木セットを詳細に説明する。
(1)積み木ブロック
(1−1)形状
本発明の積み木セットを構成する複数の積み木ブロックの各々は、任意の立体形状に形成されている。例えば、立体形状としては、直方体、立方体、三角柱、四角柱等の多角柱、三角錘、四角錘等の多角錘、四面体、五面体等の多面体、円柱、楕円柱、異形状(複数の立体形状が融合したような複雑な立体形状)等のものが挙げられる。これらの積み木ブロックの形状を図面に図示する(図1)。
【0017】
本発明の積み木セットを構成する複数の積み木ブロックの側面に着目すると該側面は、例えば以下のいずれかのものとすることができる。
1)三角形、正三角形、二等辺三角形
2)四角形、ひし形、台形
3)五角形、正五角形
4)六角形、正六角形
5)円形、楕円
【0018】
本発明の積み木セットを構成する積み木ブロックは、中実形状としても良いし、その重量及び材料コストを低減するために、中空形状としてもよい。
【0019】
本発明の積み木セットは、積み上げていった場合に、種々の幾何学形状を形成することができ、その積み上げ形状が安定であり、かつ衝撃に強いという本発明の目的が損なわれない範囲において、積み木セット中に粘着性を有する積み木ブロック以外に、通常使用される非粘着性の積み木ブロックも含むことができる。このような場合も本発明の積み木セットに含まれる。
【0020】
(1−2)材質
本発明の積み木セットを構成する積み木ブロックは、弾性ゴム質材料からなる。弾性ゴム質材料とすることによって、手触り感覚に優れ、ソフトで、角部に当たっても問題となるような痛みを感じることはなく、また鋭角部があっても過度の痛みや危険性を与えることがない。このような弾性ゴム質材料としては、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、軟質プラスチックが挙げられる。本発明の積み木セットを構成する積み木ブロックは、上掲の弾性ゴム質材料を用いて射出成型等により形成することができる。
【0021】
例えば、シリコーンゴムについて述べると、日本のシリコーンゴムメーカーとしては、信越化学工業株式会社、東レダウコーニングシリコーン、東芝シリコーンがあるが、シリコーンゴムとしては各社のものを使用することができる。例えば、信越化学工業株式会社のものでは、信越シリコーン:シリコーンゴム(メチルビニルあるいはメチルフェニル置換)を使用することができる。使用に当たっては、各社によるロッド別材料に各社指定の加硫剤を適量(一般に0.5PHR)用いて加硫成形を行い所望の硬度のゴム弾性体を得る。
本発明においては、シリコーンゴムが特に好ましい。シリコーンゴムは、一般に撥水性、耐水性、耐熱性、難燃性、耐油性に優れ、化学的に安定で酸化・分解されにくく、また生理活性が低いので人を含む生体への毒性が小さく、積み木として用いた場合の安全性、安心性、着色性にすぐれる。
【0022】
(1−3)粘着性付与
各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与する。各積み木ブロックの各表面の全面を鏡面仕上げにより粘着性を付与してもよいし、本発明の目的、効果が得られる限りにおいて、各積み木ブロックの各表面の一部を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与してもよい。なお、粘着性付与について考えると、粘着剤で積み木ブロックの表面を被覆して粘着性を付与することもできるであろう。
1)鏡面仕上げ:
各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げは、例えば、射出あるいは圧縮成形する場合において、各積み木ブロックの金型の成形表面を鏡面仕上げした金型を用いて、各積み木ブロックの表面を鏡面仕上げする。鏡面仕上げ面は平面、凹曲面、凸曲面のいずれかとすることができるが、種々の隣接積み木ブロックとの粘着を考えると平面が好ましい。
【0023】
本発明で言う鏡面仕上げとは、隣接する積み木ブロックの斜面に積み木を積み重ねても自重により落下しない程度の粘着性を発揮する加工処理を言い、例えば、積み木ブロックを成形する金型表面を低番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げを行ってえられる面粗さと同等の面粗さを成形金型に付与し、その金型を用いて成形をした場合に得られる積み木ブロックの表面の鏡面仕上げをいう。なお、上記「同等の面粗さ」とは、「積み木ブロックを成形する金型表面を低番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダイヤモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げ」以外の工程でも面粗さが同等であれば、それらの工程も本発明にいう鏡面仕上げに含まれることを意味する。
2)粘着性
粘着性とは、隣接する積み木ブロックの斜面に積み木ブロックを積み重ねても密着していて自然には落下せず、両者を分離させるには剥離する程度の粘着性を言う。密着させる積み木ブロックが制限重量内であれば、一方をつかんで吊あげたりしても粘着していて剥離しない程度の粘着力を言う。
3)硬度
硬度は、積み木ブロックの寸法・形状にもよるが、積み木ブロックが形状安定性を発揮し、角部に当たっても過度な痛みを与えない程度の硬度であれば良く、隣接ブロック同士の対向面が密着するように設定することが好ましい。例えば、大きい寸法の積み木ブロック、端部が鋭角の積み木ブロックが積み木セットに含まれている場合等を考慮して選択する。
硬度は、JIS K6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度20〜90が好ましく、更に好ましくは硬度30〜70とする。本実施例ではJIS K6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度が50のものを用いている。
【0024】
(2)積み木セットの組合せ原型形状等
(2−1)積み木セットの組合せ原型形状
積み木セットの組合せ原型形状とは、販売時あるいは収納時に積み木ブロックを組み合わせた時に形成される積み木セット全体の形状をいう。積み木セットの組合せ原型形状としては、立方体、直方体、三角錘、四角錘等の多角錘、四面体、五面体等の多面体、三角柱、四角柱等の多角柱、円柱、楕円柱、半球状体、球状体等を挙げることができる。
【0025】
これらの積み木セットの組合せ原型形状と分解した形状を図面に例示する(図2A〜図2D)。本発明の積み木セットは積み木ブロックが粘着性を有するため、図2A〜図2Dに示す原型形状を安定して取ることが可能となる。図2A〜図2Dに示す原型形状を従来のように非粘着性とした場合には、このような原型形状を取ることは不可能であり、たとえ取れた場合でも手を離すとただちに崩れてしまうことに留意すべきである。
図2Aは小三角錘を2個、平三角錘を1個、8面体を1個からなる立方体形状の積み木組合せ原型形状を示し、図2Bは三角錘1個、7面体1個、ひし形6面体1個からなる立方体形状の積み木組合せ原型形状を示す。図2Cは、図2Aの積み木セットを4個、図2Bの積み木セットを4個組み合わせた立方体形状の積み木組合せ原型形状を示す。図2Dは、図2Bの積み木セットを組みかえた状態を示す。
【0026】
図2Eは、図2Cの積み木セットの一部を取り除いて、二等辺三角形切断面、正三角形切断面、ひし形切断面、五角形切断面、正六角形切断面の模様を考えるために使用する例を示す。さらに、図2Fは、図2Cの積み木セットを用いて、正方形立体、正三角形切断立体、ひし形切断立体、五角形切断立体、正六角形切断立体の展開図を考えるために用いた場合を示す。図2E、図2Fのように図2Cの積み木セットを用いることによって、図形理解のための立体図形学習用教材として利用可能な構成とした積み木セットとして利用することもできる。
【0027】
図3A〜図3Fは、図2Cに示す本発明の積み木セットの積み木ブロックを使用して形成積み木組立体を示すが、従来のように積み木ブロックを非粘着性とした場合には、このような型形状を取ることは不可能であり、たとえ取れた場合でも手を離すとただちに崩れてしまうことに留意すべきである。
図3Aは、図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した角形ボール状の積み木組立体を示す。図3Bは、図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した四つ葉状の積み木組立体であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は前方から見た図である。図3Cは、図2Cに示す積み木セットを使用して形成した家状の積み木組立体を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は前方から見た図である。図3Dは、図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した塔状の積み木組立体を示し、(a)は斜視図、(b)は斜め上方から見た斜視図、(c)は前方から見た図である。図3Eは、図2Cに示す積み木セットの一部の積み木ブロックを使用して形成した花状の積み木組立体を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は前方から見た図である。図3Fは、図2Cに示す積み木セットの積み木ブロックを使用して形成した宇宙基地状の積み木組立体を示す。
【0028】
図4A〜図4Cは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使用して種々の具象的な組立体を形成したもので、従来のように積み木ブロックを非粘着性とした場合には、このような型形状を取ることは不可能であり、たとえ取れた場合でも手を離すとただちに崩れてしまうことに留意すべきである
図4Aは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成したロボットの頭部形状の積み木組立体を示す斜視図である。図4Bは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した飛行機形状の積み木組立体を示す斜視図である。図4Cは、本発明の別の積み木セットの積み木ブロックを使って形成した自動車形状の積み木組立体を示す斜視図である。
【0029】
本発明に係る積み木セットの積み木ブロックを組み立てて(積み重ねて)作成した積み木ブロック組立体(積層体)を図面に例示したが、図からわかる通り、本発明に係る積み木セットは、今迄積み木で全く実現不可能であった斬新で多種多様な積み木ブロック積層体を実現することができ、世界初の積み木セットとして、積み木の概念を完全に塗り替えるものである。
【実施例】
【0030】
次に、本発明の積み木セットについて、実施例に基づいてさらに説明をする。
以下に、本発明の積み木セットの積み木ブロックの特性の理解を図るため、以下の実験を行った。
(実施例1)
図5Aの(c)に示す三角錘と七面体の非粘着性の積み木ブロックを、シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、商品名SH851U)100g、加硫剤0.5gを用いて圧縮成型し、組み合わせて立方体となるようにした。一方、図5Bの(f)に示す三角錘と七面体の積み木ブロックで組み合わせて立方体となる本発明の粘着性積み木ブロックを、シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、商品名SH851U)100g、加硫剤0.5gを用いて、ダイヤモンドペースト#2500で最終磨き仕上げを行って鏡面処理した成形面を有する圧縮成型により形成した。それぞれの立方体の形状は70cm x 70cm x 70cm)とした。なお、三角錘は青色に着色し重量は8.2gとし、七面体の重量は41.8gとした。
【0031】
次に、図5Aの(a)に示すように参考例の非粘着性の積み木ブロックを上下に積み重ねて積重体の底面を段差部に位置させたが、図5Aの(b)に示すように指を離すと三角錘は七面体から滑り落ちてしまい、積み重ね形状を維持することはできなかった。一方、図5Bの(a)に示すように本発明の粘着性の積み木ブロックを上下に積み重ねて、積重体の底面を段差部に位置させ指を離したが、図5Bの(b)に示すように三角錘は七面体から滑り落ちず、積み重ね形状を維持することができた。また、図5Bの(c)〜(e)に示すように、三角錘あるいは七面体ブロックを指先でつまんで空中で保持したが、三角錘は七面体から分離せず、積み重ね形状を維持することができた。
【0032】
(実施例2)
(1)剥離試験1
本発明の粘着性積み木ブロックの密着性及び剥離試験を行った。試験片は、実施例1に記載した方法で作成した積み木ブロックを使用した。立方体の形状は70cm x 70cm x 70cm)とし、三角錘は青色に着色し重量は8.2g、七面体の重量は41.8gとし、密着面の面積は約12.25cm2とした。
まず、図6の(a)に示すように積み木ブロックを積層し、三角錘の中央頂点部にフックの一端部を取付け、図6の(b)に示すように他端のフックを重量ばね測定器の先端部に取付け、七面体を指で固定し三角錘を引っ張り、七面体から三角錘が剥離する時の力を測定した。試験は、3対の試験片について行ったが、それぞれの剥離時の力は530g、450g、420gであった。ばらつきがあるのは指固定による固定力のばらつきや、試料のばらつき、三角錘を引っ張る方向のばらつき等によるものと思われるが、密着面に垂直な方向での粘着力は、積み上げた積み木ブロックの積み上げ形状を保持するのには十分であることが分かる。
【0033】
(2)剥離試験2
次に、図6の(c)に示すように、積み木ブロックを積層し、三角錘の底面側の一端部にフックの一端部を取付け、図6の(d)に示すように他端のフックを重量ばね測定器の先端部に取付け、七面体を指で固定し三角錘を引っ張り、七面体を指で固定し三角錘を引っ張って七面体から三角錘を引き剥がすように剥離する時の力を測定した。試験は、3対の試験片について行ったが、それぞれの剥離時の力は65g、50g、20gであった。ばらつきがあるのは指固定による固定力のばらつきや、試料のばらつき、三角錘を引っ張る方向のばらつき等によるものと思われるが、引き剥がす方向、引き剥がし剥離方向での粘着力は、積み重ねた積み木ブロックを引き剥がすのを比較的容易とする程度であることが分かる。
【0034】
(3)耐久性試験
上下の積み木ブロックを粘着させた後、剥離させた。この粘着、剥離試験を繰り返し行ったが、積み木ブロック粘着面およびその角部には損傷は見られなかった。その理由は、剥離強度に比べて、ゴム強度は非常に大きいためであり、本発明の積み木ブロックは十分な耐久性があることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の積み木セットは、全く新たな積み木概念を形成する玩具用あるいは教育用積み木セットとして、産業の利用可能性は大きい。また、幼少の子供達の積み木として今までにない創造形状の創作が可能となり、立体幾何学理解・教育の側面からも大きな意義を有する積み木を提供するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積み木ブロックからなる積み木セットであって、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成され、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与し、隣接する積み木ブロックの表面同士を粘着させることによって所望の平面的あるいは立体的多種幾何学形状を形成することが可能であることを特徴とする、積み木セット。
【請求項2】
前記弾性ゴム質材料が、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、軟質プラスチックからなる群から選択されるゴム質材料であることを特徴とする、請求項1に記載の積み木セット。
【請求項3】
前記弾性ゴム質材料が、シリコーンゴムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の積み木セット。
【請求項4】
前記弾性ゴム質材料の硬度は、JIS K 6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度20〜90であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項5】
前記弾性ゴム質材料の硬度は、JIS K 6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度30〜70であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項6】
前記積み木ブロックの各表面の鏡面仕上げとは、前記積み木ブロックを成形する金型表面を低番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダイヤモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げを行って得られる面粗さと同等の面粗さを成形金型に付与し、その成形金型を用いた場合に金型成形して得られる積み木ブロックの表面の鏡面仕上げであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項7】
前記複数の積み木ブロックの少なくとも一部の積み木ブロックは多角体形状を有し、一側面を底面として平面に配置した場合に、少なくとも1つの側面は該平面に対して傾斜する面を有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項8】
前記積み木セットの組み合わせ原型形状は、多角体形状あるいは原型形状の外表面に少なくとも一部曲面を有する立体形状であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項9】
前記複数の積み木ブロックの少なくとも一部の積み木ブロックは多角体形状を有し、一側面を底面として平面に配置した場合に、少なくとも1つの側面は該平面に対して傾斜する面を有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項10】
前記積み木セットの組み合わせた原型形状は、多角体形状あるいは原型形状の外表面に少なくとも一部曲面を有する立体形状であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項11】
前記積み木セットは、立体図形学習用教材として利用可能な構成を有することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項12】
前記積み木セットは、図2Aの積み木セットを4個と図2Bの積み木セットを4個とを有し、図2Aの積み木セットを4個、図2Bの積み木セットを4個とを、図2Cに示す通り組立てて得られる立方体形状の積み木組合せ原型形状を有することを特徴とする、請求項11に記載の積み木セット。
【請求項1】
複数の積み木ブロックからなる積み木セットであって、各積み木ブロックが弾性ゴム質材料で形成され、各積み木ブロックの各表面を鏡面仕上げすることにより粘着性を付与し、隣接する積み木ブロックの表面同士を粘着させることによって所望の平面的あるいは立体的多種幾何学形状を形成することが可能であることを特徴とする、積み木セット。
【請求項2】
前記弾性ゴム質材料が、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、軟質プラスチックからなる群から選択されるゴム質材料であることを特徴とする、請求項1に記載の積み木セット。
【請求項3】
前記弾性ゴム質材料が、シリコーンゴムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の積み木セット。
【請求項4】
前記弾性ゴム質材料の硬度は、JIS K 6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度20〜90であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項5】
前記弾性ゴム質材料の硬度は、JIS K 6250(硬さ タイプAデュロメータ)の硬度30〜70であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項6】
前記積み木ブロックの各表面の鏡面仕上げとは、前記積み木ブロックを成形する金型表面を低番手の砥石から数段階の磨きを行ない、次に高番手の砥石で磨き、最後にダイヤモンドペースト#2500以上で最終磨き仕上げを行って得られる面粗さと同等の面粗さを成形金型に付与し、その成形金型を用いた場合に金型成形して得られる積み木ブロックの表面の鏡面仕上げであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項7】
前記複数の積み木ブロックの少なくとも一部の積み木ブロックは多角体形状を有し、一側面を底面として平面に配置した場合に、少なくとも1つの側面は該平面に対して傾斜する面を有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項8】
前記積み木セットの組み合わせ原型形状は、多角体形状あるいは原型形状の外表面に少なくとも一部曲面を有する立体形状であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項9】
前記複数の積み木ブロックの少なくとも一部の積み木ブロックは多角体形状を有し、一側面を底面として平面に配置した場合に、少なくとも1つの側面は該平面に対して傾斜する面を有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項10】
前記積み木セットの組み合わせた原型形状は、多角体形状あるいは原型形状の外表面に少なくとも一部曲面を有する立体形状であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項11】
前記積み木セットは、立体図形学習用教材として利用可能な構成を有することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の積み木セット。
【請求項12】
前記積み木セットは、図2Aの積み木セットを4個と図2Bの積み木セットを4個とを有し、図2Aの積み木セットを4個、図2Bの積み木セットを4個とを、図2Cに示す通り組立てて得られる立方体形状の積み木組合せ原型形状を有することを特徴とする、請求項11に記載の積み木セット。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公開番号】特開2012−75757(P2012−75757A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225309(P2010−225309)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(303057974)株式会社モリセイ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(303057974)株式会社モリセイ (2)
【Fターム(参考)】
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