説明

積層平面ランプおよびその製造方法

本発明は、平行位置に保持され且つ封止ライナー(8)によって封止された第1および第2のガラスシート(2、3)の形態であり、電気的に供給される可視光および/または紫外線光源(7)が設けられた内部空間(10)を画定する2つの壁と、第1のガラスシートと結合された第1の電極(4)と、第1または第2のガラスシートと結合された第2の電極(5)と、プラスチック材料から形成された分離フィルム(12、13、14)を介して第1のシートに取り付けられた少なくとも他のいわゆるクリップ留めガラスシート(16)と、封止ライナー(8)外側の溝(81)を被覆し且つ第1および第2のガラスシートの側面に重なり合っている高分子材料から形成された周辺ライナー(15)とを含む平面積層ランプ(1000)に関する。本発明はまた、その製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面ランプ、特に積層平面ランプおよびその製造プロセスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている平面発光構造体のうち、装飾上の若しくは建築上の照明器具として使用されることができる、または、液晶ディスプレイのバックライトに役立つことができる平面放電ランプがある。
【0003】
これらの平面放電ランプは、通常、それらの間に一般に数ミリメートル未満からなる小さい間隙を有してともに保持され、且つ、放電がその後に可視光を放射するフォトルミネッセンス物質を励起する紫外線領域において放射線発生を生み出す減圧下でガスを含むように密封された2枚のガラスシートから構成される。
【0004】
したがって、国際公開第2004/015739A2号パンフレットは、
互いに平行に保持され且つガス入りの内部空間を画定し、内部空間に向けられる面がフォトルミネッセンス物質によって被覆されているガラスシートの形態の2つの壁と、
この内部空間の外側に2つの壁のそれぞれを被覆している均一層の形態の2つの電極であって、これらの電極が、したがって、電極に対して垂直な少なくとも1つの成分を有する電界線を発生させる2つの電極と、
プラスチック層間フィルムを介して壁に接合されている2枚のガラスシートとを備える、平面積層放電ランプを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この平面型の積層放電ランプは、取り扱われる場合(設置中等)に損傷を受けることがある。
【0006】
本発明の目的は、より低コストで、また、簡便且つ信頼性が高い方法で、積層平面ランプをより堅固にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、
互いに平行に保持され且つ内部シールによって封止された第1および第2のガラスシートの形態であり、電気的に供給される可視光および/または紫外線(UV)光源が設けられた内部空間を画定する2つの壁と、
第1のガラスシートと結合された第1の電極と、第1または第2のガラスシートと結合された第2の電極と、
プラスチック層間フィルムを介して第1のシートに接合された第1のガラスバッキングと称される少なくとも他のガラスシートと、
シール外側の溝をマスクし且つ第1および第2のガラスシートの端縁を越えて延在している高分子材料から形成された周辺シールと
を備える、積層平面ランプを提供する。
【0008】
したがって、この本発明の周辺シールは、内部シールに対する接近を不可能とし、ランプの結合を確実にし、必要に応じて、内部空間の減圧の保持を確実にする。
【0009】
高分子材料はまた、液体水、水蒸気、および、塵埃に対する不浸透性を高める。
【0010】
勿論、ガラス枠に接着し且つ十分に硬い高分子材料が選択されてもよい。
【0011】
周辺シールは、好ましくは、溝を埋めてもよく、したがって、内部シールと接触してもよい。したがって、内部空間におけるいかなる汚染も回避するために好ましくは非有機である(ガラスフリット等)、内部シールに適合する高分子材料が選択される。
【0012】
周辺シールは、第1のガラスシートの端縁を完全に被覆してもよく、層間フィルムを延伸してもよく、または、第1のガラスバッキングの端縁を被覆しさえしてもよい。
【0013】
この被覆周辺シールについて、したがって、電気的安全は、その端縁を介した第1の電極に対するいかなる接近も防止することによって高められ、第1の電極は、任意に、第1のガラスシートに対して正しく位置合わせされていない。これは、第1の電極に高周波電力が供給される場合に特に重要である。
【0014】
この被覆周辺シールはまた、ランプの境界に配置された(一般にバスバーと称される)電流導線回路とともに(銅等から形成されている)電流供給導線についてのはんだ接続を保護する。
【0015】
第2の電極が第2のガラスシートと結合された場合、特に高周波電力(例えば第1の電極に対して印加される電圧と逆位相の電圧)で供給された場合には、この周辺シールは、第2のガラスシートの端縁および第2の電極の端縁を完全に被覆してもよい。
【0016】
特に電流を電極および1つ以上の任意の他の導電体に供給するための導線の端部において局所的に調整された厚みの周辺シールを提供することもまた可能である。したがって、これらの導線の端部は、それらの機械的一体性およびそれらの保持力を改善するために埋め込まれる。
【0017】
高分子材料は、シリコーン、ポリウレタン、アクリル系マスチック、ブチルゴム、または、ホットメルト接着剤であってもよい。例えば、ビードは、押出によって形成される。しかしながら、周辺シールの仕上げは、特にこのシールの端部において最適でない。
【0018】
製造の容易化のために、電気的絶縁材料は、層間フィルムのプラスチックと好ましくは同一であってもよい。
【0019】
例えば、ポリウレタン(PU)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、または、ポリビニルブチラール(PVB)が使用された柔軟性のあるものが選択されてもよい。
【0020】
第1の実施形態において、内部シールは、層間材料から形成されているフレームを使用し且つ好ましくは積層の瞬間にシールを形成して製造されてもよく、このフレームは、任意に、層間フィルムと十分に接触するように広げられることができる。
【0021】
第2の好ましい実施形態において、周辺シールは、部分的にまたは好ましくは全体的に層間フィルム(複数を含む)から形成される。
【0022】
層間フィルムは、特に埋められることになる体積に応じた所定の寸法で、溝を埋めるのに十分に広がる流れに合わせて作られている。通常、溝は、約2mmの高さおよび約1mmの幅を有する。
【0023】
そのような周辺シールは、積層中に最も特に形成されてもよい。
【0024】
最適には、周辺シールは、少なくとも0.5mmだけ、さらにより好ましくは1.5mmから6mmだけ第1のガラスシートを越えて延在している層間フィルムから形成されてもよい。
【0025】
層間フィルムに関して、単純な加熱が十分であるものを除き、オートクレーブ内の通過が接着および十分な透明度の双方を保証するのを必要としないプラスチックが好ましい。
【0026】
EVAを主成分とするシールが最も特に選択され、これは、後述するように、さらに適切な誘電特性を有する。
【0027】
実際の積層プロセスにおいて、高分子層間フィルムは、第1および第2のガラスシートと同じ寸法を有し、しかしながら溝を埋めることなく積層中に流れる。さらにまた、第1および第2のガラスシートの端縁において突出している材料は、見栄えがせず除去されなければならない。
【0028】
また、好ましくは、より良好な仕上げのために、本発明にかかる周辺シールの外面は、溝内に特にドーム状に予め形成、好ましくは成形されることができる。
【0029】
したがって、材料の分配は、周辺シールの所望の形状について相補形状の型を使用することによって強制される。
【0030】
このようにして得られる周辺シールにより、フレームを使用することが不要である。
【0031】
周辺シールの表面は、平面(または換言すれば矩形横断面)、平滑、または、意図的に溝付き若しくは鋸歯状であってもよい。このシールは、特に材料の節約のために、外見上ドーム状であるように形成されてもよい。
【0032】
(好ましくは溝内で最大である)周辺シールの横方向寸法は、少なくとも0.5mm、好ましくは最高で6mm、特に約2mmだけ溝を越えて突出してもよい。
【0033】
周辺シールの横断面および/またはその横方向寸法は、必ずしもランプの全周にわたって同じではない。例えば、横方向寸法は、既に示されたように、導線の領域においてより大きくてもよい。
【0034】
したがって、型の形状および/または表面は、それに応じて適応される。
【0035】
ランプのガラス枠は、周辺シールがランプの端縁から現れる場合に、層間フィルムが突出していれば、略同一寸法を有してもよい。
【0036】
既に示されたように、本発明にかかるランプは、第1の層間フィルムのものと同一のプラスチックから形成された層間フィルムを介して第2のシートに接合された第2のガラスバッキングと称される他のガラスシートを含んでもよい。
【0037】
勿論、この他の層間フィルムは、好ましくは、積層中にシールの形成に寄与してもよく、例えばEVAから形成されている。それは、少なくとも0.5mm以上、好ましくは1.5mmから6mmだけ第2のガラスシートを越えて延在してもよい。
【0038】
好ましい実施形態において、第1のガラスバッキングおよび第2のシート若しくは任意の第2のガラスバッキング、または、突出しているガラス枠は、好ましくは少なくとも1mm、より好ましくは最高で7mm、特に約2mmだけ第1のガラス枠を越えて延在している。周辺シールは、好ましくは、突出しているガラス枠の内面(内部空間に向かって方向付けられた面)間における空間内に収容されてもよい。
【0039】
突出しているガラス枠の内部空間の間の高さは、例えば3mmから20mmであってもよい。
【0040】
ランプは、例えば0.1m以上の面積を有する任意の大きさからなってもよい。
【0041】
本発明は、紫外線および/または可視光を発する任意のタイプの平面ランプに適用される。
【0042】
紫外線ランプの場合、紫外線に対して十分に透過的なガラス枠は、参照のために本明細書に組み込まれる仏国特許出願公開第2,889,886号明細書において記載されているように、第1および/または第2のガラスシートのために選択される。
【0043】
上記紫外線放射を伝達する材料は、好ましくは、石英、シリカ、フッ化マグネシウム(MgF)若しくはフッ化カルシウム(CaF)、ホウケイ酸ガラス若しくは少なくとも0.05%のFeを有するガラスのために選択されてもよい。しかしながら、Saint−Gobain社によって販売されているガラスPLANILUX等のソーダ石灰シリカガラスは、ある実施形態およびある用途のために十分であり得る360mmを上回って80%よりも大きい透過率を有する。
【0044】
可視光および/または紫外線の光源は、放射ガス、フォトルミネッセンス物質、ダイオードタイプのほぼ点状の発光システム、または、有機発光ダイオード(OLED)タイプの幅広い光源のうちの任意のタイプからなってもよい。
【0045】
例えば上映光のためにガスが可視光において放射するとき、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)若しくは他のガス(空気、酸素、窒素、水素、塩素、メタン、エチレン、アンモニア等)またはその混合物について言及されてもよい。
【0046】
ガスが紫外線において放射するとき、ガスまたはガス混合物は、例えば上記紫外線放射を効率的に放射するガス、特にキセノン、または、水銀若しくはハロゲン化物、および、例えば、ネオン、キセノン、若しくは、アルゴン、あるいは、ヘリウム等の希ガス、または、ハロゲン化物、あるいは、空気若しくは窒素等の容易にイオン化されることができ且つプラズマを構成することができるガス(すなわち、プラズマガス)が使用される。
【0047】
平面ランプの使用は、多岐にわたってもよい(単方向および/または双方向照明を有するランプ、装飾用ランプ、ディスプレイのバックライト)。
【0048】
紫外線ランプの使用例は、参照により本明細書に組み込まれる仏国特許出願公開第2,889,886号明細書において挙げられている。
【0049】
本発明は、平面放電ランプ等の高周波電力が供給される任意の平面ランプに特に適用される。
【0050】
このタイプの平面ランプを供給するために、少なくとも第1の電極は、通常は1kVオーダーで、且つ、通常は1kHzから100kHzオーダーの高周波のVを超え、通常は約100Wの電力を有する電位である。
【0051】
電極は、共面であってもよく(したがって、第1のガラスシートと結合される)、二重に共面であってもよい。すなわち、ガラスシートあたり一連の電極を有し、参照により本明細書に組み込まれる仏国特許出願公開第2,890,232号明細書に示されているように好ましくはより良好な放電のためにオフセットされてもよい。
【0052】
好ましい実施形態において、
第1および第2の電極は、それぞれ、第1および第2のガラスシートと結合され、
第1および第2の電極は、上記シート内に一体化されているまたは上記シートの外側にあり、連続若しくは不連続導電層の形態または導線の形態である。
【0053】
勿論、電極のうちの少なくとも1つは、紫外線に対して透過的な、および/または、可視光において透過的な材料から形成される、または、可視光および/または紫外線において全体に十分に伝達するために用意された材料から形成されてもよい。
【0054】
したがって、電極は、例えば一方または双方のガラスシート上に連続的で且つ直接蒸着された導電層の形態であってもよい。
【0055】
電極は、例えば格子に編成されたガラスシート(複数を含む)内にまたは層間フィルム(複数を含む)内に一体化された導線の配列であってもよい。
【0056】
最後に、電極は、例えば銅から形成されて例えばPETフィルム等のプラスチックフィルム上に配置された導電トラックの配列であってもよい。
【0057】
外部または一体化された電極により、ガラスシートは、イオン衝撃からの電極の容量性保護を形成する。さらにまた、電源に対する接続は、非常に簡便である。
【0058】
ガラスバッキング/プラスチックフィルムアセンブリの電気的絶縁性能は、しかしながら、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2006/090086号パンフレットにおいて記載されたように最適なものではない。
【0059】
第1の電極と第1のガラスバッキングとの間に、少なくともプラスチック層間フィルムによって第1の電極から分離された導電体を配置するのもまた好ましく、この導電体は、接地されたまたは220V以下の電圧且つ50Hz以下の周波数に接続されている。
【0060】
電極と同様に、導電体は、例えば層または導線であってもよい。
【0061】
電位Vが非ゼロである場合、層間フィルムは、できる限り低い比誘電率を有し且つ好ましくは制限された厚みを有し、したがってより低いコストを有する層間フィルム(単純なまたは合成フィルムであるかにかかわらず)を選択することにより、できる限り限定するのに役立つ静電容量を導入する。
【0062】
容量性の層間は、その損失角δによって且つ比誘電率εに比例する静電容量Cを導入することによって定義される。
【0063】
1kHzから100kHzの周波数且つ30℃から60℃の表面温度範囲について0.06以下の値のtanδと、
1kHzから100kHzの周波数且つ30℃から60℃の表面温度範囲について4.5以下の比誘電率ε
を選択することが有利であり得る。
【0064】
EVAは、これらの範囲内のtanδおよび比誘電率εの値を有する。
【0065】
好ましくは、周辺シールを形成するために、ガラスシートの変形および/または締め付けを防止しながら、第1および第2のガラスシート間の間隙を保持する任意の方法が選択される。
【0066】
したがって、本発明の他の主題は、前項のいずれか一項に記載の積層平面ランプの製造方法であって、
第1および第2の封止されたガラスシートと、ガラスシートの両面に結合された第1および第2の電極と、突出している層間フィルムと、第1のガラスバッキングおよび任意の第2のガラスバッキングとが形成され、
周辺シールが形成され、
ランプの周囲が、第1および第2の封止されたガラスシート並びに突出している層間フィルムの少なくとも一部に面し且つ離隔した好ましくはランプの高さ以上である成形面と称される内面の型によって取り囲まれ、
アセンブリが真空気密システム内に配置され、
真空とされて、アセンブリが、突出している層間フィルムのプラスチックを流して、プラスチックが成形面に追従して溝をマスクするように加熱される
という作業によって少なくとも第1の工程で積層が実行される、積層平面ランプの製造方法である。
【0067】
既に上述されたように、成形作業は、周辺シールの製造が管理されるのを可能とし(寸法、形状等)、これは、さらにまた、製造の速度および簡便さのために積層中に実行される。
【0068】
型によってランプの周囲を取り囲むことにより、ガラスバッキング(突出しているか否かにかかわらず)または第1のガラスバッキングおよび第2のガラスシート(これらが突出しているか否かにかかわらず)は、さらにまた位置合わせされ、それらの端縁は、型に対して当接する。
【0069】
有利な設計において、上記突出しているガラス枠が使用され、取り囲む作業中に、成形面は、突出しているガラス枠の内面間における空間内に挿入される。
【0070】
成形面は、突出端および平面または丸みのある窪んだ中央部のみを有してもよい。成形面は、オーバーモールドであってもよい。
【0071】
このようにして、突出しているガラス枠は、その後、それらの内面を介して成形面の側端縁に対して支持し、これは、以下のいくつかの効果を提供する:
ランプの厚みが規制される、
突出しているガラスのクリープのリスクが除去される、
保護された(非同一平面の)シールが得られる、
シールの横方向寸法が場合によっては低減される。
【0072】
本発明のさらなる詳細および特徴は、添付された図面とともに与えられる以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明にかかる第1の実施形態における積層平面ランプの概略的な横断面図を示している。
【図2】周辺シールの製造中における図1のランプの概略的な横断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0074】
明確化のために、示される対象の様々な要素が必ずしも縮尺どおりに描かれるわけではないことが指摘されるべきである。
【0075】
図1は、例えば約3mmの厚みを有する第1および第2のガラスシート2、3によって形成された主要部1から構成され、ガラスシートのそれぞれが、
第1および第2の電極4、5がそれぞれ結合された外面21、31と、
例えば透明であり、且つ、例えばケイ酸リチウムを主成分とする無機基質に分散された蛍光粒子の形態であるフォトルミネッセンス物質のコーティング6、7をそれぞれ支持する内面22、32と
を有する平面ランプ1000を示している。
【0076】
ガラスシート2、3は、互いに面したそれらの内面22、23と結合されており、例えば端縁から約1mmだけ封止フリット8を介してともに接合され、ガラスシート間の間隙は、(一般に5mm未満の値で)シート間に配置されたガラススペーサ9によって与えられている。ここでは、間隔は、例えば約2mmである。
【0077】
ガラスシート2、3間の内部空間10と称されるものにおいて、任意にネオン若しくはヘリウムと混合されたキセノン等の希ガスからなる一般に大気の約1/10の減圧がある。
【0078】
好ましくは、各電極4、5は、例えば100μmのスペースおよびトラック間300μm、および10μmから20μmのトラック幅を有する、可視光において十分な全体的な透過率を有するように配列された銅導電トラックの形態である。トラック4、5は、例えば厚みが0.125mmのPETから形成された薄い電気的絶縁体41、51の内面(すなわち、内部空間10に向けられたもの)に蒸着されている。
【0079】
変形例として、ランプ1000は、1つの発光面を有してもよく、他の面は、反射要素(電極など)を有してもよい。
【0080】
第1および第2の電極4、5は、導線11a、11bを介して高周波電源に接続されている。
【0081】
第1の電極4は、1kVオーダーの電位V0であり且つ40kHzから50kHzの高周波におけるものである。
【0082】
第2の電極5は、約220Vの電位V1であり且つ50Hzの周波数であり、あるいは、接地されている。
【0083】
より正確には、第1のガラスシート2から始まって、
約0.16mmの厚みを有する第1のEVA層間フィルム12、
そのPETフィルム41上の第1の電極4、
容量性層間を形成する約3.6mmの厚みを有する第2のEVA層間フィルム13、
電気的安全のために、導線11cを介して電気的に供給されて第2の電極5に接続されている例えば第1の電極と同一構造(すなわち、PETフィルム上の導電トラック)からなる導電体4’、
約0.4mmの厚みを有する第3のEVA層間フィルム14、および、
約3mmの厚みを有する第1のガラスバッキング16
の順序で(外側に向かって)配置されている。
【0084】
変形例として、導電体は、第1のガラスバッキング16(またはこのガラス枠内に一体化された導電体)の内面に蒸着された導電層であり、これにより、層間フィルム14を省くことが可能となる。同様に、第1の電極4は、第1のガラス枠2(またはこのガラス枠内に一体化された導電体)の外面21に蒸着された導電層であってもよく、これにより、層間フィルム12を省くことが可能となる。
【0085】
より正確には、第2のガラスシート3から始まって、
約0.16mmの厚みを有するEVA層間フィルム12’、
そのPETフィルム51上の第2の電極5、
1.6mmの厚みを有する他のEVA層間フィルム14’、および、
約3mmの厚みを有する第2のガラスバッキング16’
の順序で(外側に向かって)配置されている。
【0086】
同様に、変形例として、第2の電極5は、第2のガラス枠3(またはこのガラス枠内に一体化された導電体)の外面31に蒸着された導電層であってもよく、これにより、層間フィルム12’を省くことが可能となる。
【0087】
第1および第2のガラスバッキング16、16’は、相互に位置合わせされて約4mmだけ第1のガラスシート2を越えて延在している。
【0088】
積層された平面ランプ1000は、ランプの周囲にEVAから形成され、第1および第2のガラスバッキング16、16’の内面間に延在し、好ましくは、内部シール8外側の溝81を埋める周囲シール15が設けられている。この周囲のシール15はまた、電極4、5および導電体4’に接近するのを防止し、バスバーおよび導線のはんだ接点を保護する(図示せず)。
【0089】
(図2において記載された)16’に取り付けられた層間フィルムから得られるこの成形されたシール15は、外見上ドーム状の平滑な外面150を有する。溝81において、シール15は、約2mmだけガラス枠2を越えて突出している。
【0090】
好ましくは、導線11a、11b、11cの端部は、より良好な保持のために周囲のシール15内に埋め込まれている。シール15は、この目的ためにより厚くてもよい。
【0091】
第1の変形例として(図示せず)、ランプは、第2の電極を有する側面に単一発光面を有する紫外線ランプであってもよい。蛍光体は除去され、紫外線源は、内部空間におけるガスである。ガラスシートは、紫外線に対して透過的であるように選択され、第1のガラスシートの内面に例えば酸化アルミニウムから形成された紫外線反射体が配置される、または、第1の紫外線反射電極が外面に配置される。
【0092】
紫外線放射を通過させるために、第2の電極5は、(固体バンであるか導線若しくはトラックの配列の形態であるかにかかわらず)バンの形態で不連続であり、層間フィルムおよび第2のガラスバッキングが省略される。
【0093】
第2のガラスシートは、好ましくは、2つのガラス枠間において周囲シールを保持するために、第1のガラスシートに対して4mmだけ突出するように選択されるか、または、変形例として、全てのガラス枠は、略同一寸法を有し、シールは、端縁にある。
【0094】
第2の変形例として(図示せず)、発光ダイオードに基づくランプが形成される。再び蛍光体およびプラズマガスが省略され、内部空間は真空下であり、電極および保護導体は省略される。ガラスシートの1つの内面として例えば連続または不連続な透明導電層(例えばフッ素ドープ酸化スズから形成された)、または、双方のシートの内面における2つの連続した透明導電層等の内部電極が使用される。したがって、光源としては、発光ダイオードが使用される。各ダイオードは、例えば活性多重量子井戸層を有する単純な半導体チップであってもよい。各チップは、その対向面にまたは内部電極と電気的に接続する一方の面に接触する第1および第2の層を備える。
【0095】
図2は、周囲シールの製造中における図1のランプの概略的な横断面図を示している。
【0096】
主要部1が形成されると、第1のガラス枠2の上に、
第1のEVA層間フィルム12、
そのPETフィルム上の第1の電極(図示せず)、
第2のEVA層間フィルム13、
電気的安全のための導電体(図示せず)、
第3のEVA層間フィルム14、
第1のガラスバッキング16
の順序で配置されている。
【0097】
同様に、第2のガラスシート3の下に、
EVA層間フィルム12’、
そのPETフィルム上の第2の電極(図示せず)、
他のEVA層間フィルム14’、
第2のガラスバッキング16’
の順序で配置されている。
【0098】
好ましくは、全ての層間フィルム12、13、14、12’、14’は、周囲シールの形成に寄与するように、好ましくは少なくとも2mmだけ第1のガラス枠2を越えて延在している。
【0099】
周囲のシールが形成され、積層は、以下の作業によって単一工程で実行される。
【0100】
ランプ1000は、例えばテフロン(登録商標)PTFE等の非粘着物質から形成された型2000によって取り囲まれ、この型は、ランプの全高よりも大きい高さを有し、成形領域と称される所定領域18が、突出しているガラスバッキング間に挿入され、層間フィルムから離隔されている。
【0101】
成形面18は、その中央部180における窪み形状と、突出している端部181、182とを有する。成形面18は、突出しているガラスバッキング16、16’の内面間における空間内に挿入される。
【0102】
突出しているガラスバッキング16、16’は、成形面18の端部181、182に接触してそれらの内面を介して支持し、これにより、ガラスバッキングが積層/成形中にクリープするのを防止し、その周囲におけるランプの高さが規制されるのを可能とする。
【0103】
突出しているガラスバッキング16、16’は、型2000の周囲面180’に対して当接するそれらの端縁を有し、したがって、ガラスバッキングは位置合わせされ、型2000は、さらにまた、ガラスバッキングの寸法差を吸収するのを可能とする。
【0104】
アセンブリ全体は、真空気密バッグ内に配置される。EVAから脱気(泡の除去等)するために低真空が形成され、突出している層間フィルムのEVAプラスチックを流すために、アセンブリが100℃を超えて加熱される。プラスチックは、成形面18と突出しているガラス枠16、16’の内面との間における空間を埋め、内部シール8外側の溝81を埋め、成形面18に合わせる。
【0105】
ランプの変形例において(図示せず)、ガラスバッキングは、突出していない。この構造において、突出してはいないが単なる窪みである平面または丸みのある成形面を有する型が選択される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に保持され且つ内部シール(8)によって封止された第1および第2のガラスシート(2、3)の形態であり、電気的に供給される可視光および/または紫外線光源(7)が設けられた内部空間(10)を画定する2つの壁と、
第1のガラスシートと結合された第1の電極(4)および、第1または第2のガラスシートと結合された第2の電極(5)と、
プラスチック層間フィルム(12、13、14)を介して第1のシートに接合された第1のガラスバッキングと称される少なくとも他のガラスシート(16)とを備える積層平面ランプ(1000)であって、
シール(8)外側の溝(81)をマスクし且つ第1および第2のガラスシートの端縁を越えて延在している高分子材料から形成された周辺シール(15)を含むことを特徴とする、積層平面ランプ(1000)。
【請求項2】
周辺シール(15)が、第1のガラスシート(2)の端縁を被覆し、層間フィルム(12、13、14)を延伸していることを特徴とする、請求項1に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項3】
高分子材料が層間フィルム(12、13、14)のプラスチックと同一であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項4】
周辺シール(15)が、好ましくは積層中に層間フィルム(12、13、14)から形成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項5】
周辺シール(15)が、少なくとも0.5mmだけ第1のガラスシート(2)を越えて延在している層間フィルム(12、13、14)から形成されることを特徴とする、請求項4に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項6】
それぞれが周辺シール(15)に埋め込まれた端縁のうちの1つを有する電流供給導線(11a、11b、11c)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項7】
高分子材料がエチレン/酢酸ビニルを主成分とすることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項8】
周辺シール(15)の外面(150)が、溝内に特にドーム状に予め形成、好ましくは成形されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項9】
第2のガラスバッキングと称される好ましくは他のガラスシート(16’)が、第1の層間フィルム(12、13、14)のものと同一のプラスチックから形成されている他の層間フィルム(12’、14’)を介して第2のシート(3)に接合されており、第1のガラスバッキングおよび第2のシート若しくは任意の第2のガラスバッキングが、第1のガラスシートを越えて突出しており、これらの突出しているガラス枠が、好ましくは少なくとも1mmだけ突出しており、周辺シール(15)が、好ましくは、前記突出しているガラス枠の内面間における空間内に収容されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項10】
第1の電極(4)および第2の電極(5)が、それぞれ、第1および第2のガラスシート(2、3)と結合されており、第1および第2の電極が、前記シート内に一体化されているまたは前記シートの外側にあり、連続若しくは不連続導電層の形態または導線の形態であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項11】
平面放電ランプを形成し、第1の電極(4)には高周波電力が供給されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項12】
第1の電極と第1のガラスバッキングとの間に、少なくともプラスチック層間フィルムによって第1の電極から分離され、且つ、接地されたまたは220V以下の電圧且つ50Hz以下の周波数に接続された導電体を含むことを特徴とする、請求項11に記載の積層平面ランプ(1000)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の積層平面ランプ(1000)の製造方法であって、
第1および第2の封止されたガラスシート(2、3)と、ガラスシートの両面に結合された第1および第2の電極(4、5)と、突出している層間フィルム(12、13、14、12’、14’)と、第1のガラスバッキング(16)および任意の第2のガラスバッキング(16’)とが形成され、
周辺シール(15)が形成され、
ランプ(1000)の周囲が、第1および第2の封止されたガラスシート(2、3)並びに突出している層間フィルム(12、13、14、12’、14’)の少なくとも一部に面し且つ離隔した成形面と称される内面(18、180)の型(2000)によって取り囲まれ、
アセンブリが真空気密システム内に配置され、
真空とされて、アセンブリが、突出している層間フィルムのプラスチックを流して、プラスチックが成形面に追従して溝(81)をマスクするように加熱される
という作業によって少なくとも第1の工程で積層が実行される、積層平面ランプ(1000)の製造方法。
【請求項14】
前記突出しているガラス枠(16、16’)が使用され、取り囲む作業中に成形面が突出しているガラス枠(16、16’)の内面間における空間内に挿入されることを特徴とする、請求項13に記載の積層平面ランプ(1000)の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−521770(P2010−521770A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553191(P2009−553191)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050427
【国際公開番号】WO2008/129199
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】