積荷を搬送体に自動的に積込むシステム及び方法
搬送体に対して積込み及び積下ろしを自動で行うための方法及びシステムを開示する。誘導システムは、走行パスを搬送体の近傍の位置までたどり、その後、センサによる搬送体のプロファイルにより、自動案内車両用が積荷を下ろすために搬送体の中へ向かってたどり、積荷を下ろすと搬送体を出るためにたどる搬送体パスが確定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本PCT出願は、「積荷を搬送体に自動的に積込むシステム及び方法」という題の2008年4月28日に出願された米国特許出願の出願番号第12/110,615の権益を引継ぎ、該出願に開示の全内容は引用することによって本願の一部を構成する。
【0002】
本発明は、一般に物品処理車両に関し、特に、搬送体の床が積込みベイの床あるいは該積込みベイの床と搬送体の床の間に延出するドックランプに対して縦ないし垂直方向にオフセットしている場合、又は角度がある場合であっても、搬送体に対する、該搬送体の端部付近の積荷を含む積荷の積込み及び積下ろしを最小限の干渉で自動的に遂行し得る自動案内車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動案内車両(AGV)は、積荷搬送のために種々の物品処理の工業分野において用いられている。この自動案内車両という用語は、一般に複数の自動誘導システムないし装置を搭載した頑丈な車両構造のものを指す。他方、自動案内カート(AGC)という用語は同様の目的を有するが、その適用範囲が限られるとともに、より構造が簡素な車両構造のものを指す。請求項も含む本願において用いられる用語「自動案内車両」は、上記両方の車両、AGV,AGCを含むとともに、更に自動案内される種類の他の車両をも含む意味に解される。
【0004】
現今の軽荷重用自動案内車両の設計は、そのフレームの四隅に旋回脚輪を一般に備えているのが特徴であり、他の特徴は、カートの方向制御のための固定の脚輪及び駆動ホイールを備えていることである。現行の設計の例として、2つの固定脚輪がフレームに取着されるとともにカートフレームの各側の旋回脚輪の間のほぼ中央位置に配置される。これら旋回脚輪の2対の支軸及び固定脚輪の支軸はおおむね互いに平行をなす。カートフレームには操縦可能な駆動ユニットないし装置が設けられ、これはヒンジ結合されるとともにカートフレームからバネ負荷されたプレートにより取付けられ、これによって該操縦可能な駆動ホイールが支持面に対して適切な粘着摩擦を維持するようになっている。又、他の例では、固定された駆動ホイールが自動案内車両を推進し、操縦可能な脚輪用ホイールが該車両の運動を方向付ける構造となっている。一般的に重荷重用自動案内車両は、重荷重用フレーム及び少なくとも3つのホイールが含まれ、3つのホイールのうちの少なくとも1つは駆動ホイールであり、少なくとも1つは誘導システムによって指示される操縦ホイールである。これら自動案内車両の多くは、積荷を移動させるための既存の車両と製造又は配送設定の点において似ているが、自動的に誘導されるようになっている。
【0005】
自動案内車両はその運動を制御する誘導システムを備えている。今日使用されている誘導システムとしては、ワイヤー誘導、レーザー誘導、磁気テープ誘導、オドメータ誘導、慣性誘導及び光学誘導などがあるが、それらは各々利点もあれば欠点もある。例えば、慣性誘導は追跡エラーを生じ易く、自動案内車両によって測定された走行距離と方向が実際の走行距離と方向とは異なることがある。このエラーを最小限にすることは可能であるが、長い走行距離の間にそれが大きくなるので、このエラーを例えば、中間点指示マーカー(磁気ペイント、無線周波数同一確認(RFID)タグ等)を利用して、指定通路に沿って調整しなければならない。
【0006】
レーザー誘導システムでは、自動案内車両が検出する特別のマーカーを用い、これによって走行制御を行なう。しかし、この型式のシステムはマーカーのトラブルが起き易い問題がある。特に注目すべきことは該マーカーは走行時のいかなる周囲状況においても存在することが求められることである。もし、自動案内車両の走行通路が変更された場合、これらマーカーも物理的に移動しなければならない。従って、この種の誘導システムを備えた自動案内車両は、このような特別のマーカーがある領域においてしか走行できないのであり、この発明の文脈では積込みあるいは積下ろしがなされるいずれの搬送体にも、これらマーカーを必要とする問題がある。
【0007】
搬送体の自動的な積込み及び積下ろしに係る1つの困難な点は、固定の積込みドック位置に対する搬送体の位置の変化である。トラックの場合、搬送体は、例えばトラックの場合ドライバーによって手動で位置付けられるのが通常である。しかし、この手動による位置付けは、搬送体の位置において感得されない変化を結果として招くことになる。例えばドライバーがトレーラ等の搬送体を積込みドックに位置付けても該トレーラがドックのドアに対して完全に合致させることは困難である。従って、トレーラがドックのドアに対して傾斜した角度状態になることとなり、その傾斜角度が不明であるとともにドックでの角度位置が変化し得るので、自動案内車両は、このトレーラの傾きを検出及び補償し得ず、トレーラ内の積荷を効果的に案内し分配することになるのである。公知の構成では、この問題を解決するために、スキッドプレートを用い、積込みドックに対する搬送体の位置を決めているが、これはコストがかかるとともにその効果も不十分である。トレーラは、ドックのドアに対する最適な位置からオフセットして位置付けられる可能性がある。自動案内車両によってより幅広の積荷を積み込む際に、1インチ程度のオフセットが積込み動作中に問題を引き起こす場合がある。
【0008】
一般的に搬送体は、積込みのため、積込みベイのドアの外にある搬送体積込みエリア内に位置付けられる。搬送体の位置付け及び搬送体と積込みドックの間の多くの不一致により、自動案内車両による搬送体、特に、搬送体の端部に対する積込みが難しくなることがある。搬送体の自動積込み及び積下ろしに関連した困難な点は、自動案内車両が搬送体とドックとの間の高さの違いを克服しなければならないことである。搬送体は種々の型式のものがあり、又、同じ型式の搬送体でも種々の仕様のものがあって、高さがまちまちである。更に、一つの特定の搬送体の高さも一定ではない。搬送体に積込みがなされると、サスペンションが圧縮されるので搬送体の高さが変化する。確実な動作をなすために、自動案内車両は搬送体の高さ変化、すなわち、搬送体とドックとの間の変動する高さの違いに対応して作動する構成としなければならない。高さの変動によって、積荷が搬送体のルーフ又は搬送体のエントランス又は入口部のルーフの縁部に接触することがある。積荷と搬送体が接触すると、搬送体の積込みに問題が起こる。この問題の解決のために従来構成では流体圧作動装置あるいはジャッキ等を用いて搬送体の高さ位置の調整ならびに安定をはかるものが見られるが、これもコスト高となるとともに十分な効果も上げられない問題があった。
【0009】
搬送体位置付けにおける変動は、搬送体の自動積込みを妨げる可能性があり、ほぼ確実に効率を下げる。例えば、最も効率的な積込みとして、複数の積荷を互いに極力近接させて位置付ける方法があるが、搬送体の予想される位置のいかなる変化も、これら積荷の分離を増大する傾向がある。
【0010】
自動案内車両の実際の位置と、誘導システムによって確定された予定された位置の間の誤差を引き起こす他の問題を引き起こす可能性もある。そのような問題の原因の1つは、積込みベイの床、ドックランプ及び搬送体の床等、自動案内車両がその上を走行する滑らかな表面によるものである。多くの搬送体は、通常セミトラックのトレーラであり、滑りやすい物質がこぼれたり漏れたりする可能性のある様々な物品を運搬するために用いられる。搬送体はまた、搬送体の床に凝結したり、場合によっては、霜や氷の層を搬送体の床に形成したりする水蒸気等その他多くの環境条件に晒される。搬送体は、様々な施設で使用されているので、状況によっては、積込み装置が、オイル、作動液及び他の液体等の滑りやすい物質を搬送体の床に漏らしてしまうことがある。自動案内車両が様々な搬送体に対して積込み及び積下ろしを実行する際、これらの物質が自動案内車両のホイールによってドックランプや積込みベイの床に運ばれることがある。搬送体の床及びドックランプは通常、水平からオフセットした角度を有するので、自動案内車両は、ホイールが水、氷、オイル又は他の物質によりスリップしやすい。このようなホイールのスリップにより自動案内車両の実際の位置が誘導システムにより確定された予定位置から変化してしまう。
【0011】
予期される通り、予定された位置と実際の位置の誤差によって、積荷を下ろす際のエラーや、自動案内車両又は積荷の搬送体の側壁への望ましくない接触や、将来的な誘導エラーを起こす虞がある。積荷又は自動案内車両が搬送体の側壁に接触しないことを保証する、いくつかのシステムが開発されてきた。そのような解決法の1つとして、壁からの自動案内車両の距離を連続的に測定し、自動案内車両を壁の間の中央位置に保つように常に調整するものがある。このシステムの問題点の1つは、自動案内車両が常に測定及び変化に対する調整をしなければならないために搬送体に対する積込み及び積下ろしのペースが遅くなってしまうことである。
【0012】
ドックランプは、搬送体の床と積込みベイの床の高さの違いを補償する。この2つの間の移行には、ドックと搬送体の間が険しい上り勾配又は険しい下り勾配が必要になることがあり、そのため、誘導が困難になったりトレーラの端部における積込みが困難になったりする。例えば、レーザ誘導システムを用いた自動案内車両は、上り傾斜を上る際、あるいは下り傾斜を下る際にレーザがターゲットの上方又は下方を指すことによって該ターゲットを見失う虞がある。上述した搬送体及び搬送体積込みエリア施設に関してトレーラの端部における積込みが困難なのは、例えば自動案内車両の大部分がドックランプ又は積込み施設の床に位置している場合のように、自動案内車両が搬送体の床に対して平行でないと、自動案内車両にとって、積荷を搬送体の床に下げてからパレットポケットからフォークを簡単に取り外すことが困難となることである。より具体的には、搬送体の床が積込み施設の床又はドックランプに対して垂直方向にかつ角度的に位置合わせされていなければ、フォークの先端が上面又は底面の一方に接触し、フォークの自動案内車両に最も近い部分が上面又は底面の他方に接触するので、パレットのポケットにフォークを挿入したり引き抜いたりすることが困難になることがある。従って、自動案内車両が最後の積荷を下ろした後で搬送体から戻ろうとする際に、当該最後の積荷が自動案内車両によって引き戻される可能性がある。2つの支持面の間の角度は、搬送体に積荷が積まれるのに従って大きくなる。積荷が搬送体に追加されるにつれて、サスペンションが圧縮する。サスペンションが圧縮しているときは、トレーラの高さは低いので搬送体の床と自動案内車両の支持面との角度が大きくなる。ドックランプは一般的にはスチールから成るために滑りやすく、誘導システムのエラーを引き起こす。
【発明の概要】
【0013】
上記に鑑みて、搬送体の自動積込み及び積下ろしのために、効果的、効率的かつ正確に誘導システムを用いる構成の自動案内車両が求められる。より具体的には、本発明は、予定された位置にない搬送体に対して積込み及び積下ろしを行うことができるとともに、搬送体に対し積荷を下ろしたり回収したりする際に自動案内車両の動きを減速させる可能性のある連続的な更新を行う必要なしに自動案内車両の予定された位置と実際の位置の間の誤差を補償し、調整する自動案内車両の構成に関する。
【0014】
本発明は、上記要求及び本明細書及び添付の図面から当業者にとって明らかになるようなその他要求を満足させるよう、自動案内車両によって搬送体に積荷の積込み及び積下ろしを行う方法及びシステムを提案するものである。本発明において、自動案内車両がまず積荷と係合し、次いで、この係合した積荷とともに主たる第1の誘導システムによって既知の位置まで案内される。この位置から、自動案内車両は搬送体の位置を確定し、そして搬送体に積荷を下ろすため進む。次いで、自動案内車両は次の所望位置に進む。
【0015】
本発明の他の実施形態において、自動案内車両がまず積荷と係合し、次いで係合した積荷とともに誘導システムにより既知の位置まで案内される。この位置から該誘導システムが搬送体上の適切な所望位置を確定し、調整して自動案内車両を積荷とともに、その適切な位置に案内するとともに該積荷を配置する。次いで、調整された誘導システムが用いられて自動案内車両をおおむね上述した既知の位置まで戻し、ここにおいて、元の調整されていない誘導システムが自動案内車両の制御を再開する。
【0016】
本発明の他の実施形態において、自動案内車両は、搬送体の位置を走査して、搬送体の床が垂直方向にオフセットしているか又は、搬送体の床が積込みベイ又はドック・ランプの床に対して角度を有するかを判断する。最後の自動案内車両が最後の積荷又は、場合によってはドアの内側の最後数個の積荷の1つを下ろすとき自動案内車両は、下ろした積荷の位置を変えることなく自動案内車両のフォークがパレット・ポケットにスムーズに出入りするように、フォークを自動案内車両に対して角度的に調整して角度的又は垂直方向のオフセットを補償する。従って、システムは、搬送体の位置を能動的に計測して、搬送体のドアの内側に配置された最後数個の積荷に対する自動案内車両のフォークの位置を補償する。
【0017】
他の実施形態においてシステムは、自動案内車両の予定された位置が自動案内車両の実際の位置と合っているか確認するために搬送体内における連続的ではなく定期的な更新を行う。より具体的には、レーザーセンサ又は他のセンサは、搬送体の内部を一定の間隔で走査し、必要であれば搬送体内の自動案内車両の位置を更新してもよい。定期的な更新により、位置を確定するために必要な処理時間が最小化する一方で、自動案内車両上の誘導システムが、搬送体内の自動案内車両の位置を正確に確定することも保証される。
【0018】
本発明の適用可能性は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び以下に図面より更に明らかになる。尚、本発明の精神と範囲内で種々の変更や変形がなされることが当業者にとって明らかになるよう、詳細な説明及び具体例は、好適な実施形態を示素者であるが、あくまで例示的である。
【0019】
本発明は、以下の詳細な説明、添付した請求の範囲及び添付の図面により、更により良く理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る自動案内車両の上面図である。
【図2】本発明に係る自動案内車両の側面図である。
【図3】本発明に係る自動案内車両の正面図である。
【図4a】本発明に係る自動案内車両において積荷の1つの積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4b】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4c】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4d】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4e】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図5】積込み動作の例示的フロー図である。
【図6】代替的自動案内車両の上面図である。
【図7】代替的自動案内車両の側面図である。
【図8】自動案内車両システム及び積込みエリアに対する搬送体の上面図である。
【図9】積荷を運ぶ例示的自動案内車両の説明図である。
【図10】積込みベイ内で積み込みがされる搬送体を含む、積込みエリアの説明図である。
【図11】積込みエリアの床よりも低い床を有する搬送体を示す部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る自動案内車両10は図に示され、図を参照に説明される。但し、本発明において搬送体に積荷を自動的に積込む作業及び積下ろす作業は、図示の自動案内車両以外の構造のものにも適用可能である。例えば、本発明は、種々の構造の自動案内車両ならびに他の物品処理用車両にも適用可能である。
【0022】
この自動案内車両10は、該車両を操縦及び推進するための操縦機構及び駆動機構を備えている。図1−7に示すように、操縦及び駆動機構は、誘導システムに連結されているとともに該車両10の推進および操縦のために用いられる駆動ホイール12と操縦可能なホイール14を有している。誘導システムは、自動案内車両10が推進される際に操縦可能ホイール14を旋回させて該車両10を操縦する。駆動ホイール12は、電気的差動を形成するように直列に接続された二重駆動ホイールで構成するのが望ましい。又、差動推進システムを用いても良い、例えば、駆動ホイールのためのマスター/スレーブモータ・コントローラの使用を介して、あるいは旋回脚輪を備えた差動又はパンツアー操縦システムである。
【0023】
この誘導システム自体としては、公知の種々の誘導システムの内の1つを用いることができる。好ましい実施形態では以下に詳述するように2つの誘導システムを用いる。主たる第1の誘導システムは自動案内車両10をプログラムされた走行路に沿って案内する慣性誘導システムである。好ましいシステムはプログラムされた走行路を使用する。操縦可能なホイール14の位置は既に定められているとともに操作して動かすことができる。自動案内車両10が走行する距離及び方向は、その限りではないが、好ましくは追跡ホイールによって測定される。この追跡ホイール又はその他システムと共働して、あるいはこれとは別途に操縦用エンコーダ及び各駆動ホイール上のエンコーダを備えたシステムを用いてもよく、これによって自動案内車両10の走行距離及び方向を追跡する。該車両10が走行する際、操縦可能なホイール14が所定ないし任意の距離のところで所定ないし任意の位置に向けて旋回される。このようにして、自動案内車両10は、該操縦可能なホイール14の位置を特定すること、及びその位置まで走行した距離を特定することにより、殆どの走行面の全体にわたって走行するのに使用可能である。この詳細な記述は図面のみで与えられるが、主たる誘導システムとして、例えばレーザー誘導システムの使用も、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0024】
自動案内車両10は、積荷60と係合するために用いられる図9等に示すようなクランプ又は、好ましくは対をなすフォーク(以下、フォーク対)16等の積荷捕捉機構を更に備える。積荷60は、当業者には公知であるように、フォーク対と係合するためのフォーク・ポケット又はパレット・ポケット74を有するパレット72を含むことが好ましい。当業者には公知であるように、フォーク対16は、水平セグメント62、縦ないし垂直セグメント70及びその間に形成された移行セクション68からなるセグメントを一般に含む。水平セグメント62は、自動案内車両10がパレット72を持ち上げたときにパレット72と係合する下部面64及び上部面63を一般に含む。水平セグメント62は、フォーク端66も含む。フォーク対16の縦ないし垂直セグメント64は、昇降機構18又はマストに連結されている。昇降機構18により積荷は、例えば、積荷を互いに積み重ねる等のため、種々な高さの位置に持ち上げられたり下ろされたりすることが可能となる。フォーク対16は、一般的にフォーク・キャリッジ17に装着される。フォーク対16は、フォーク・キャリッジ17に連結され、フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に連結される。好ましい実施形態において自動案内車両10は、更に2組の距離センサ、後部距離測定装置20及び前部距離測定装置30を備える。距離測定装置20、30はいずれも、操縦及び駆動機構に作動連結され、以下に更に詳述するように、自動案内車両10を案内するために用いられる。
【0025】
上述した積荷捕捉機構は、側方シフト機構22によって水平方向に、係合した積荷をシフトないし移動可能であってもよい。図3に示すように、昇降機構18には2つのフォーク対16が備えられてもよく、各フォーク対16は分離したフォーク・キャリッジ17に取付けられ、各フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に取付けられている。昇降機構18によってフォーク・キャリッジ17はフォーク対16及び/又は積荷を必要に応じて縦方向に位置付けるように動作する。フォーク・キャリッジ17は、縦スライド部材15上に取付けられ、それは流体圧作動装置を備えていてもよく、これにより、昇降機構18の持ち上げ能力に加えて各フォーク対16がそれぞれ個別に6インチ(15.24cm)持ち上げる能力を有する。この個別の持ち上げ動作により自動案内車両10は走行して、そのフォーク対16を隣接する一対の積荷に対して位置付けることができる。フォーク対16の一方のみを6インチ持ち上げることにより、自動案内車両10が単一の積荷を隣接する一対の積荷から取り上げることができる。側方シフト機構22を伴う同様な動作によって、自動案内車両10は、2つの積荷を互いに横に並べた状態に配置したり、あるいはこれら積荷を単一箱型収容ラック内に配置することができる。水平移動可能となるため、フォーク・キャリッジ17は油圧モータ24及びチェーン25を備えていても良い。フォーク・キャリッジ17はチェーン25により所望位置に引かれる。好ましい実施形態において、キャリッジ側レール26がフォーク・キャリッジ17を中央位置を越えて走行させ、自動案内車両10がその中央位置に積荷を落下させることを可能とする。これを行なうために、1つのフォーク対16が一側に移動ないしシフトするとともに通路より外れ、これによって他方のフォーク対16が自動案内車両10の中央に位置することが許容される。
【0026】
積荷が積荷捕捉機構によって自動案内車両10と係合したとき、該車両10の前後方向の走行動作ならびに昇降機構18と関連する側方シフト機構22により、積荷は3次元の全ての方向において位置の調整が可能となる。図1に示す好ましい実施形態において、各フォーク対16は、矢印31で示すように水平方向に独立して移動可能である。又、各側方シフト機構22は、フォーク対16の移動を追跡するエンコーダ23をそれぞれ備える。これらエンコーダ23は、好ましくは水平方向におけるフォーク対16の位置及び位置の変化速度の両方を追跡することができる。これらエンコーダ23は自動案内車両10の誘導システムと共働するとともにフォーク対16を正しく位置付けるのに用いられる。フォーク対16の水平方向の移動ないしシフト動作は、以下に記述する搬送体50に積荷を積込む動作に関連して更に説明する。
【0027】
上述の自動案内車両10は、搬送体50に積荷を自動的に積込む、あるいは積下ろしするのに使用される。この動作過程は、工場内の積込みドック位置に格納された運搬トレーラについて説明するが、これと同様の動作は、例えば平床式トレーラや軌道カーなどの同様の搬送体50についても適用される。
【0028】
搬送体への自動積込み動作
【0029】
搬送体50に積荷を積込むために、自動案内車両10は、まず積荷と係合しなければならない。この係合は、通常パレットと一体をなす積荷のフォーク・ポケットと合致した自動案内車両のフォーク対16の使用及び、積荷を地面より持ち上げる昇降機構18の使用によって遂行される。フォーク・ポケットに対するフォーク対16の合致は難しい動作であり精密さを要する。そのために好ましくは、該積荷が比較的精度の高い既知の位置ないし場所に位置付けられる。次いで、自動案内車両10の誘導システムがこの既知の位置で該積荷に対応するようにプログラムされる。これによって、フォーク対16及びフォーク・ポケットは互いに合致する。もし、積荷を精度高く既知の位置に配置するのが困難または実用的でない場合、自動案内車両によって積荷積込みをより広い領域とするように変更することも可能である。例えば、フォーク対16の端部又はその近傍に光学センサをそれぞれ配置して積荷のフォーク・ポケットを検出するのに用いることができる。そして、自動案内車両10が積荷位置に近づいたとき、フォーク・ポケットを探すようこれらの光学センサの電源を入れてもよい。フォーク・ポケットの検出位置に基づいて、自動案内車両10は、その走行通路を調整ないし変更するか、あるいはフォーク対16とフォーク・ポケットが対応するように、フォーク対16が側方シフト機構22によって調整される。これによって、より確実かつ安定した動作が保証されるが、このために追加的部材が必要となると、よりコストがかかり構成としての好ましさも低下する。
【0030】
自動案内車両10に積荷が積込まれると、該車両10が工場内の積込みドック領域へ走行する。この実施形態においては、この場合は、トラックトレーラである搬送体50は積込みドックの隣接位置に配置される。場合によっては、該ドックから搬送体50への自動案内車両10の走行を容易にするために積込みランプが用いられる。このランプは2つの異なる面の間での自動案内車両10の移行を容易にするように構成されている。この移行がいくらか平坦でない場合は、もし使うとすれば追跡ホイールが必要となろう。これにより損傷を回避するために押し上げられるとともに不作動状態にする。
【0031】
自動案内車両10は、搬送体50に対して、その主たる第1の誘導システムを用い、積荷を積込みドック及び搬送体50の近傍ないし近接した位置に搬送する。好ましい実施形態において、自動案内車両10は、その主たる第1の誘導システムを用いて、搬送体50の開口部ないし入口部52に移動する。この地点で、該車両10の第2の誘導システムが作動して該車両10が意図した所望の積込み位置へ案内される。好ましい実施形態において、第2の誘導システムは、上述した2組の距離測定装置20,30を備える。後部距離測定装置20は、該車両10が前進するときに動作し、前部距離測定装置30は、該車両10が後進するときに動作するようになっている。これら距離測定装置は、アナログ音響センサで構成されるが、これに代えて、光学/ビジョンシステムや可動ビーム型のレーザー・スキャナ、レーザー型のものを用い得る。各組の距離測定装置は、自動案内車両10が搬送体50の中央を求めて移動するように動作する。これは、この装置のセンサを用いることにより達成されるが、そのセンサは、1つのセンサから搬送体50の側壁をなす一側54までの距離を他のセンサから搬送体50の他方の側壁をなす他側54までの距離から減算し、+/−エラー信号を形成するように作動する。この+/−エラー信号は自動案内車両10の操縦機構によって使用され、該+/−エラー信号をゼロに近づけさせるために、自動案内車両を適切な方向へと案内する。このようにして自動案内車両10は搬送体50の中央を求めるように移動するので、これにより、積込みドックに対する搬送体50の位置付けにおいて傾斜ないし位置の外れを補償することができる。もし、積込みがなされる搬送体50が既知の幅のものであれば、各組において1つのみのセンサを使用し得る。この実施形態において、1つのセンサからの距離は、+/−エラー信号を得るために、搬送体50の中央にある自動案内車両10と関連する既知の距離から減算されるべきであり、それは自動案内車両10の操縦機構により用い得、+/−エラー信号をゼロに近づけるようにするために自動案内車両10を適切な方向に案内する。他の実施形態において、自動案内車両10は搬送体の中央を求める追跡動作を行なわないが、搬送体50の一方の側54から特定の距離を維持する。
【0032】
自動案内車両10は第2の誘導システムにより意図された所望の積荷位置へ案内される。この意図された所望積荷位置は、搬送体50の最前の非占有部であるのが望ましい。実施形態において、自動案内車両10は、搬送体50の端部ないし端壁56又は該搬送体50上に予め積込まれた積荷が検出されるまで、搬送体50のおおむね中央に向かって前進を継続する。この検出は、適宜構成された圧力センサ等により行なわれる。すなわち、圧力センサはフォーク対16の一端部に配置され、搬送体50の端壁56又は他の積荷との接触を検出する。あるいは、好ましい実施形態において、該圧力センサは、フォーク対16の他端部に配置され、積荷自体が端壁56又は他の積荷と接触したときに該積荷に作用する。自動案内車両10は意図する所望積荷位置に近づくと、その移動速度を低下させ、該車両10のモータの駆動電流をモニターすることによって、搬送体50の一端部ないし端壁56と積荷との接触ないし衝突あるいは他の積荷との接触ないし衝突を検出する。例えば、比較的不動の対象物が自動案内車両10に接触したとき、走行抵抗が増大すると、該車両10の電動モータに供給される電流は同様に増大する。電流の増大は積荷がその意図する所望積荷位置に達したことの指標として用い得る。
【0033】
自動案内車両が意図した積荷位置に達すると、該車両10は積荷を他へ引渡す動作を遂行する。好ましい実施形態において、この動作は、積荷を昇降機構18によって搬送体50上に下降させる動作及びフォーク対16をフォーク・ポケットから離脱させる動作である。積荷を引渡す動作ステップは、その前に側方シフト機構22によって搬送体50の一側に向かって外方向にフォーク対16を係合した積荷とともに、移動ないしシフトさせる動作をも含む。好ましい実施形態において、積荷は2つの独立したパレットよりなり、その各々は図1に示すフォーク対16の1つと係合する。この実施形態において、自動案内車両10が自動案内車両10の走行方向における意図した所望、積荷位置に達しようとするとき、側方シフト機構22がフォーク対16及びそれに係合した独立のパレットを搬送体50の側部54に向かって外方向に移動ないしシフトして互いに離間させる。この側方への移動ないしシフト動作の間、フォーク対16の位置変化をエンコーダ23が追跡する。好ましい実施形態において、該エンコーダ23によりフォーク対16の位置がもはや変化しないと検出されると、積荷は搬送体50の側部54に接触したと推測され、そして上述のように自動案内車両10は更に搬送体50の端部56又は該搬送体上に前に積込まれた積荷を検出するまで前進する。この地点で、積荷は意図した積荷位置に達し、搬送体50のベース上に積荷が下ろされる。
【0034】
特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、上述の実施形態の種々の変形例についても本発明に含まれるものである。例えば、単一のフォーク対16を備えた自動案内車両も本発明の方法を実施するのに使用可能である。この構成においては、フォーク対16は、それぞれの積荷を搬送体50の側部54に配置し得るように側方シフト機構22によって移動ないしシフトし得る。この態様では搬送体50は一度に1つの積荷を積み込み得る。又、自動案内車両10は積荷が引渡される搬送体50の側部54を交替することができる。更に、本発明においては、自動案内車両10により搬送体50に任意の積荷状態に積荷を積込むことが可能である。すなわち、例えば図4aに示す好適な実施形態ように、積荷を搬送体50の前部から後部にかけて並べた2つの積荷状態や、図4bに示すような積荷を前後に2つ並べた状態と前後の中間に1つ配置した状態により互いに異なる配列とした積荷状態など、考えられる種々のレイアウトに対応し得る。積荷が非対称形状の場合、例えば図4cに示す60’で示す積荷が積荷60の積荷状態に対して90度回転した状態や、図4dで積荷60を、いわゆるピンホイール・レイアウトで配置状態で示す、一部の積荷が他の積荷に対して回転するように、積荷に角度をつけてもよい。又更に、図4a−dは全て積荷が矩形状のものを示したが、本発明では、その他の任意の形状のものも扱うことができる。
【0035】
上述のように、自動案内車両により積荷を搬送体に引渡す位置の自由度が高いので、積込みがなされる搬送体50について最適な積荷状態を得ることができる。一般の配置構成では、搬送体には積荷がない遊びスペースが最少となるように積込みをするのが望ましいが、重い積荷の場合には搬送体の許容重量限度を越える恐れもある。このような場合、あるいは積荷積込みが満載状態よりは少ない場合、搬送体50内の積荷の移動ないしシフトを最小限とするレイアウトを採り得る。この場合、本発明に係る自動案内車両10及び方法により所望の積荷レイアウトで搬送体50に積荷の積込みをなし得る。
【0036】
積荷を引渡した後、第2の誘導システムが用いられ、自動案内車両10とほぼ同じ場所ないし位置へ戻すように案内する。好ましい実施形態では、この場所は搬送体50の入口部52である。この場所において、主たる第1の誘導システムが用いられて自動案内車両の走行案内を行ない、例えば、他の積荷のピックアップを遂行させる。もし、実施形態におけるように追跡ホイールが用いられる場合、該ホイールは下降し、グラウンドに再び接触して、主たる第1の誘導システム、すなわち慣性誘導システムによる利用に供せられる。
【0037】
好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムは、自動案内車両10が第2の誘導システムにより誘導案内されているときに、該車両10の運動を継続して追跡する。この継続的追跡によって、主たる第1の誘導システムによる、より正確な誘導案内再開を可能とする。以上の積込み動作は図5にフローで例示的に示してある。
【0038】
搬送体からの自動積下ろし動作
【0039】
搬送体からの積荷の積下ろし動作は、上述した積込み動作に極めて類似している。主たる違いは、ピックアップ動作で引き出されるべき積荷を搬送体上の正しい位置にあることを保証することが難しいことである。従って、自動案内車両10は、これに対処し得るとともに積荷の位置のその他変化を補償し得るように構成されなければならない。当該動作のステップは、主たる第1の誘導システムで自動案内車両10を案内して搬送体の近傍ないし近接した位置、好ましくは、搬送体50の入口部52のところに位置付けることである。この地点において、好ましくは上述したようなアナログ音響センサよりなる第2の誘導システムが作動して自動案内車両10を積荷と合致するように案内する。上述のように、自動案内車両10は、積荷のフォーク・ポケットを検出するのに用いる光学センサをフォーク対16上又はその近傍に設けて、広範囲の積荷位置付けをなし得るように構成し得る。該車両10が搬送体50上の積荷位置に近づいたとき、これら光学センサが動作してフォーク・ポケットを見出す。そして、フォーク・ポケットの検出位置を基準として自動案内車両10は、その走行路を変更するか、あるいは又、フォーク対16が、これを移動ないしシフトさせるフォーク・シフター、すなわち上述の側方シフト機構22及びスライド部材15によって調整され、これによってフォーク対16が自動案内車両10とは独立して運動し得、フォーク対16とフォーク・ポケットが相互に対応する。係合されると、積荷は自動案車両10の昇降機構18により持ち上げられる。次いで、第2の誘導システムが該車両10を誘導案内を始めた同じ位置、すなわち搬送体50の入口部52とほぼ同じ位置へ、第2の誘導システムにより該車両が戻される。この地点において、主たる第1の誘導システムが用いられ、該車両10の走行を案内する。好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムは該車両10が第2の誘導システムにより案内されているときにも継続して該車両10の運動を追跡する。これにより、主たる第1の誘導システムによる、より正確な誘導案内動作の再開を可能とする。
【0040】
本発明の他の実施形態によれば、最初の自動案内車両10が搬送体内50に入る前に搬送体走行通路ないしパスを確定して主たる第1の誘導システムにより搬送体50内をナビゲートすることが可能となる。搬送体パスを確定するに当たって、システムは積込みドック82に対する搬送体50の傾斜及び積込みドック82の中央から搬送体入口部の中央部の水平方向のずれ、すなわちオフセットを確定しなければならない。実施形態によっては、システムも搬送体の床及びルーフの一方の位置及び相対角度を確定する。上述したように好ましい実施形態において、自動案内車両は慣性誘導システムを利用して自動案内車両10を積込みがなされる搬送体50の入口部52へ誘導案内する。搬送体50の入口部52は、搬送体50のドア55の近傍にある。上述した方法とは異なり自動案内車両10は、第2の誘導システムに切り替える必要はなく、その代りに、搬送体50の入口部52の付近で、システムが自動案内車両10用に搬送体走行パスを、例えば、移動ビームレーザ又は光学システムを有するセンサを用いて確定して、搬送体50の側壁の位置を確定すること等により搬送体50を走査する。実施形態によっては、センサが搬送体のルーフ58及び搬送体の床57の少なくとも一方を走査してもよい。搬送体走行パスが確定されると、慣性誘導システム等の主たる第1の誘導システムを利用して、上述した例で説明した方法と同様の方法で搬送体50対する積込み及び積下ろしを遂行することができる。
【0041】
自動案内車両10は、単一のセンサ100又は複数のセンサを用いて搬送体50の外部から搬送体50の内部のデータ・プロファイルを作成してもよい。この別の実施形態において、搬送体50のデータ・プロファイルは、自動案内車両10の大部分が、その中に積荷60が下ろされる搬送体50に形成された空洞に入る前、特に、積荷60が搬送体50に入る前に作成される。例えば、水平変位、搬送体50の傾斜、縦変位及び、搬送体の床57の角度等の予定された位置からの偏差を特定するために搬送体50のデータ・プロファイルを作成することにより、自動案内車両10が搬送体50に入る前に搬送体50内に積荷60を下ろすための最適パスに向かうよう自動案内車両10が容易に操作を遂行できるようになる。より具体的には、オペレータのエラーにより、積荷60が下ろされる搬送体50、特にセミトレーラは、積込み領域80に後ろ付けされたときの最適位置から通常にずれており、水平方向のオフセット又は傾斜において全く同じように位置付けされることはほとんどない。積込み領域又はドック80は、積込みドック壁によって画定されるベイ開口部82を含み、この開口部が搬送体の幅よりも広いためにこのオペレータのエラーが起こる。しかしながら、これにより起こったオペレータのエラーは、図4eに示したように、搬送体50の幅とほぼ同一の幅の積荷60を用いるシステムにおいて自動案内車両10に関する問題を引き起こす。搬送体50の積込み施設の床85に対する垂直方向のずれも、自動案内車両10にとって背の高い積荷に関する問題を引き起こす可能性がある。垂直方向のずれ及び自動案内車両の支持面に対する搬送体の床57の角度も、自動案内車両に搬送体50の入口部52近傍に積荷を下ろす際の問題を引き起こす可能性がある。従って、自動案内車両10は、積荷60が搬送体に入る前にセンサ100を用いて搬送体50のプロファイルを作成する。それにより、図8に示すように搬送体50が予定された位置から水平方向にずれている場合でも、側壁54に積荷を接触させることなく、自動案内車両10が搬送体50に入ることが可能となる。図8に示したように、オペレータが搬送体50を適切に合せた場合、搬送体50の長軸51は予定された長軸84に合せられる。しかしながら、図8において搬送体50は、搬送体の開口部52又は入口部において予定された長手長軸をなす84から水平方向にずれているだけでなく、予定された長手軸線をなす長軸84からある角度で傾斜している。図9〜図11において示したように、搬送体は積込み施設の床85又はドック・ランプ86に対して垂直方向にずれるまたは角度を持つ可能性がある。
【0042】
搬送体50へ入る際、搬送体50の側壁54との障害となる接触を避け、その後上述した第2誘導システムを用いて1組のセンサからの距離を減算して+/−エラー信号を生成することにより搬送体50の中央部を探し、自動案内車両10を単純化させ、追加的なセンサを省くことにより製造コストを削減し、そして、積荷時間を短縮するために、自動案内車両は、「レーザーによる障害物センサを利用した無人車両用の慣性航法誘導システム」という題の米国特許第2006/0276958に開示してあるようなセンサ100を用いることができる一方で、本発明は、センサ100を用いて搬送体50の水平方向のずれ(オフセット)及び搬送体50の傾斜又は角度の両方を単一のステップで処理する搬送体50のデータ・プロファイルを作成する。この単一のステップにおいてセンサ100は、垂直方向のオフセットを搬送体50の角度と合せて判断してもよい。この方法によっても、2つのセンサを用いるシステムに必要な継続的な計算及び調整を排除することができるので、自動案内車両10のより素早い動作及び積込み時間の短縮が可能となる。搬送体50に対する積込み時間の短縮により、システムにおいて用いる自動案内車両の数を減少させることができるので、システムの初期費用及び運営費を大きく削減することができる。
【0043】
好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムがたどる搬送体パスを作成するためにセンサ100を用いることで第2の誘導システムの必要がなくなるが、場合によっては、第2の誘導システムを用いる。好ましい実施形態において自動案内車両10は、A位置、すなわちポジションAに向けて進むことと搬送体パスに沿って進むことに同じナビゲーションシステムを用いる。上述したようにこの誘導システムは、慣性誘導、有線誘導、視覚誘導、テープ誘導、レーザターゲット誘導、又はレーザー誘導等のレーザー誘導を含む公知の任意のシステムであってよい。しかしながら、有線誘導システム、テープ誘導又は、レーザターゲット誘導が用いられる場合、慣性誘導システム、推測航法による誘導システム、視覚誘導システム又は、レーザー誘導システムも搬送体の走行のために含まれてもよい。特に段落(0014)、(0023)、(0031)−(0037)において上述したように、自動案内車両10は、主たる第1の誘導システムを用いて、積荷60を取得し、その後搬送体50の外側の図8に示したポジションA等のポイントに自動案内車両を誘導する際、希望どおりに作動する。
【0044】
ポジションAは搬送体の外にあり、積荷60の大きさ、自動案内車両10の操縦能力、及び、センサ100が自動案内車両上に位置する場合はセンサ100の感度等に基づいて搬送体の入口部52からの距離が異なる。より具体的には、ポジションAは、センサ100による搬送体50の正確なデータ・プロファイルが可能であれば搬送体50の外のいかなる位置、距離にあってもよい。センサ100が側壁54の位置を正確に確定しなければならない場合、それによって搬送体50が予定された位置からどの程度横方向にオフセットしているかを確定し、そして、図8に示したように搬送体の傾斜又は角度を確定する。このデータ・プロファイルから、自動案内車両がたどる搬送体パスを計算してもよい。実施形態によっては、2つ以上のセンサを用いて搬送体の正確で完全なプロファイルを確実に行う。例えば、1つのセンサは持ち上げられた積荷の下で動作できるように自動案内車両の低いに位置に配置し、もう1つのセンサは、積荷の上から動作できるように高い位置に配置してもよい。2つ以上のセンサを用いる場合、それらセンサは、自動案内車両の両側に配置してもよいし、他の所望の場所に配置されてもよい。
【0045】
搬送体のデータ・プロファイルによって自動案内車両及び実施形態によっては、中央コントローラが、搬送体に対して積込み及び積下ろしを遂行するために搬送体に対して出入りする最適なパスを確定し追加することによって運用システム及び運用パス又は自動案内車両の経路の中へ搬送体50を配置させることが可能となる。システムは、フォーク対16及び積荷60の動きを自動案内車両の搬送体の中及び外における走行と統合させて搬送体50の入口部52の近傍での動作の干渉を避けるようにしても良い。もちろん、当業者であれば気が付くように、人間のオペレータが搬送体のシステムに対する利用可能性及びその搬送体の予定された目的地に関するデータを識別してシステムに対して提供することで、自動案内車両システムがいつ特定の搬送体50に対して積込みを実行するか、積荷60は何なのか、積荷60はいくつあるか等を知るようにしても良い。搬送体50の最適な位置付けからのずれに言及する際に「予定された位置」又は「理想的位置」と表現するが、自動案内車両又は自動案内車両を操作しているシステムは、予定された位置に関するデータを必ずしも備える必要はない。その代わりに、センサ100が搬送体のデータ・プロファイルを作成し、次に自動案内車両が、搬送体が満たされシステムから取り外されるまでたどる最適なパス又は搬送体パスをシステムに対して計算して追加する。従って、コントローラ又は自動案内車両は、システムが各積込みドアに対して、使用中の動作システムの走行パス又はシステムにおける経路を切り替える最適な地点として識別したものであるポジションAから各積込みベイにおける搬送体50へ出入りする走行パスを、各搬送体に対して計算した追加的なセグメント又は追加的な走行パスに対して追加してもよい。自動案内車両は、ポジションAから搬送体50の中へと搬送体パスをたどり、積荷を下ろすと自動案内車両はポジションAに戻るよう走行し、使用中のデータ・プロファイル又は搬送体50内で確定された経路から次の目的に向かう標準システム走行パス又は経路に切り替える。
【0046】
自動案内車両10は、一般的に搬送体50の長軸51に対応するトレーラの中へ入っていく最適経路と位置合せするように動作する際に、最大の積荷60がトレーラの入口部52の外側に留まることを可能にする最も搬送体の入口部52に近い地点としてのポジションAは、システムのセットアップ時に確定されることが好ましい。自動案内車両10をできる限り搬送体50に近づけて配置することで、センサ100が自動案内車両上に位置する場合、通常は自動案内車両による搬送体50のデータ・プロファイルがよりよくなる。
【0047】
例えば、センサの位置を最適化しながら積荷60が搬送体50の開口部ないし入口部52を越える前に自動案内車両自体を搬送体50内へ向かう所望の走行パスに合わせるために十分な操作スペースを提供することに関して、積荷60がおよそ3フィートの深さを持つとともに自動案内車両自体を搬送体50へ適切に合わせるために自動案内車両が必要とする操作スペースの平均がおよそ3フィートである場合、搬送体50の外の予定された停止位置は、入口部52から6フィート又はそれより若干遠くにある。センサ100が自動案内車両に位置していない場合、入口部からより遠い距離に位置するポジションAを設定することで、より大きな操作スペースを提供することが好ましい場合がある。これにより、自動案内車両は、積荷60が搬送体50に入る前に所望の搬送体パスに合わせるために、その位置及び走行パスをより楽に調整するので、操作速度が増し、結果として積込み時間が短縮される。
【0048】
自動案内車両10が、搭載コントローラ又は自動案内車両を指示する中央コントローラに、自動案内車両10が動作する全体的なシステムに入った搬送体50の方向又は計算された所望の搬送体パスを持たない場合、自動案内車両10は、搬送体50の方向を判断し得る、トレーラに関するイメージ、マップ又は、他のデータ・プロファイルを作成する。搬送体50の方向を判断する際に重要なことは、進入する積荷60が側壁54に接触しないための、開口部52、特に、開口部52の各側における側壁54が、予定された位置、すなわち一般的には積込みベイ84の中央部からオフセットしているか、より詳細には、側壁54の位置、及び側壁54から判断されるトレーラの角度又は傾斜を判定することである。必要条件ではないが、空の搬送体50に対して積込みを行う際にセンサ100を用いて端壁56の位置を判断し、搬送体がある程度荷積みされて到着した場合、搬送体における任意のパレット又は積荷までの距離を判断してもよい。端壁56又は任意の搭載済みの積荷の位置から、自動案内車両10又はシステムコントローラは、最初の積荷60を下ろすために自動案内車両10がどれほどトレーラ内に移動しなければならないかを計算することができる。好ましい実施形態において自動案内車両は、搬送体パスの長さを計算することで積荷が下ろされて最終的な位置に押される前にトレーラ内のより奥部まで移動することが可能となる。搬送体において積荷を押す距離を最小化することにより、自動案内車両10の電池が再充電を必要とするまでの時間が長くなる。しかし、例えば、トレーラ及び移動のおおよその距離を知っている自動案内車両10等を用いたりする他の任意の方法を用いて、積荷60を配置する際に自動案内車両がどれほどトレーラ内に移動しなければならないかを判断してもよい。
【0049】
自動案内車両10の搬送体内の搬送体パスを決める際に、自動案内車両10は、通常搬送体のデータ・プロファイルを集めて、次に側壁54を分析して、搬送体の実際の長手方向に沿う軸線をなす長軸におおむね沿う走行ラインを確定する。より具体的には、自動案内車両10は通常、積込みベイ82の予定された長軸84に沿った位置まで近づく。そして、センサ100が搬送体50の像を作ってデータ・プロファイルを作成し、通常は搬送体50の実際の長軸51に沿うものである予定された走行パスを確定する。この実際の長軸は、一般的には搬送体の側壁54を数学的に平均することで搬送体50への中央走行パスを作成することで計算される。
【0050】
自動案内車両10がポジションAにあるとき、あるいは、ポジションAより手前の位置にあるとき、自動案内車両は、センサ100が搭載されていれば停止し、センサ100を用いて搬送体50をプロファイルする。ポジションAが操作に必要な最小距離よりも遠くに位置するように搬送体の入口部52から十分に離れている場合、自動案内車両は、積荷60が搬送体50に入る前に停止せずにセンサ100を用いて搬送体をプロファイルできる可能性がある。図8におけるポジションAはただ、搬送体の内部を感知するため及び/又は搬送体パスをたどる自動案内車両10に切り替える、または更に積荷60が側壁54に接触せずに搬送体に入ることを含む搬送体パスに沿うよう適切に操作を行うための最も理想的な位置を示すのみである。そのため、誘導システム間で切り替えが起こるときにセンサ20及び30が搬送体内にある上述した実施形態と比べると、本実施形態では、搬送体への新規経路を計算し該経路を利用するために切り替えが行われている間、センサ100が完全に搬送体の外にある。そのため、センサ100が自動案内車両10に搭載されている場合、ポジションAに最初着いた自動案内車両が、搬送体50のデータ・プロファイルを取得する。自動案内車両又は中央コントローラは、データ・プロファイルを用いて、どのような積荷60を搬送体50が受け取るのか、及び搬送体50の長さならびに幅に応じて、搬送体50への最適経路、すなわち搬送体パス及び積荷60の最適配置を計算する。そして自動案内車両は、ポジションAから該搬送体50への搬送体パスをたどって、積荷60を配置し、その後、搬送体パスをたどって搬送体50からポジションAへ戻る。ポジションAにおいて、搬送体パスからシステムにおいて用いられる次の目的地に向かう経路へ切り替える。
【0051】
センサ100は、レーザセンサ又は、例えば搬送体の開口部52、側壁54及び、端壁56を感知し、搬送体の内部の画像を形成できるその他センサであることが好ましい。例えば、特に、搬送体に嵩の高い積荷を積み込む際に、センサは、搬送体のルーフ(図示せず)に関する情報も提供して、積荷60の上面と搬送体のルーフの間に十分な隙間をもって自動案内車両が搬送体に入ることを保証してもよい。図6、7に説明したように、センサはフォーク対16の間の自動案内車両の中央にある。この配置により通常、積荷60間の隙間から搬送体50の側壁54及び天井までの高さの測定が可能となる。しかしながら、操作上の様々な必要性に応じて、センサ100を他の位置に配置してもよい。例えば通常より幅又は長さにおいて2倍の大きさのパレットを使用するような、テーブルや家具又は他の装置等の大きな物体を有する工場もある。そのため、センサ100が、パレットが幅2倍のパレットである場合に、天井見ることができ、又は自動案内車両のフォーク上に2つの長さが2倍のパレットが配置される場合に、側壁54を見ることができるようにするために、センサ100の配置に自動案内車両上の他の位置を利用してもよい。
【0052】
好ましい実施形態においては、2番目に到着する自動案内車両は、既にシステム内の搬送方向に関する情報、より詳細には、ポジションAから搬送体への搬送体パス及び積荷を下ろした後に搬送体からポジションAへ戻る搬送体パスを備えている。先に到着した自動案内車両がシステムにシステム追加した、たどるべき搬送体パスを自動案内車両は知っているため、自動案内車両がたどっている経路を切り替えるときに、自動案内車両は、停止、さらには搬送体50を感知せずにポジションAを通過し、搬送体に入ることができる。最大限に効率を高めるためにシステムは、予定された搬送体パスへの切り替えをポジションAの前に行ってもよい。これにより自動案内車両の操作時間を増やし、さらに経路を所望の搬送体パスに合わせるためにより長い時間と距離があるため自動案内車両の操作速度を上げることができる。例えば、慣性誘導システムを用いて自動案内車両を図8に示したようにポジションAへ運ぶ。ポジションAに到達する前又は到達すると中央コントローラは、所望の搬送体パスを自動案内車両に提供して、自動案内車両は継続して慣性誘導システムを用いて自車両を搬送体パスに合わせ、搬送体パスをたどって搬送体に入り、積荷60を適切な位置に下ろす。自動案内車両は、慣性誘導システムを用いて逆方向のパスをたどってポジションAへ戻る。ここで新しい目的地に向かうパスに切り替える。
【0053】
もちろん、各自動案内車両は、搬送体に最初に近づいたとき又は近づく度に個別にデータ・プロファイルを作成し、通常は積荷60が下ろすために搬送体50の長軸51に沿う所望の搬送体パスを計算するセンサ100及びコントローラを備えてもよい。2度目以降に自動案内車両が積荷60を下ろすために搬送体50に近づく際、所望の走行パスを再計算してもよいし、あるいは、前回確定した走行パスを使用してもよい。少なくとも最初の2〜3台の自動案内車両にたどるべき搬送体パスを計算させることで、より正確な経路のための搬送体パス及びデータ・プロファイルの平均化が可能となる。しかしながら、センサ100が自動案内車両に搭載されている場合、搬送体50が積荷60で満たされるにつれて通常側壁が見にくくなり、データ・プロファイルが測定する側壁が減るため、再計算したときに所望の走行パスにエラーがもたらされる可能性が大きくなるので自動案内車両が入る前に毎回分析することが逆効果となる可能性がある。
【0054】
更なるステップとして、センサ100がトレーラ50の内部を走査するときに別のセンサが、積込みベイエリア80内に固定された物品を走査して、システム内でその位置を較正してもよい。より具体的には、自動案内車両10は、図8のポジションAまで走行し、搬送体50の内部を走査する際に積込みドック壁83及び積込みドック・ベイ82の場所に基づいて、ポジションAから1/2インチ(1.27cm)離れていると判断する可能性がある。積荷を置くために搬送体50の中へと移動した後の自動案内車両は、ポジションAに戻ってくる。しかし、ポジションAに戻ってくると、予定された位置と実際の位置の間の以前の差異を調整する。そのため、自動案内車両10は、追加のステップまたはシステム内の他の地点における較正なしに、簡単に自車両位置を再較正できる。第1の実施形態において、新規搬送体パスが搬送体50の長軸51に沿って確定すると自動案内車両は、慣性誘導システムを用いて搬送体50に向かって走行し、積荷60を下ろす。個別の又は別の誘導システムではなく慣性誘導システムを用いることによって、自動案内車両を作成するにあったて、その如何なる利益を引き換えにすることなく経費を抑えることが可能となる。しかしながら、本システムは、推測航法、レーザー誘導、視覚誘導、テープ誘導、及び有線誘導等のその他多くの誘導システムを用いてもよい。慣性誘導システムを用いる際に、垂直方向ではなく水平方向の動きにジャイロスコープが調整されるため、自動案内車両がトレーラ50に入るときに積込みドックに対する搬送体50の垂直方向の如何なる位置ズレも、慣性誘導システムに影響しない。当業者であれば、実施形態によっては、較正の問題の排除又は、積荷からの重さが加わったときの搬送体の設定によって嵩の高い積荷が搬送体の上面に接触しないことを保証するため、各自動案内車両が独自で搬送体のデータ・プロファイルを作成することが有益であるとこを認識するだろう。実施形態によっては、特定の地点で慣性誘導システムを再較正したい場合、搬送体及び積込みエリア内の特定の固定された位置のデータ・プロファイルを作成して、システムに対する自動案内車両の較正を行うことが望ましい。
【0055】
当業者であれば理解可能であるが、自動案内車両は一般にフォーク及び積荷60を車両の後方に位置付けた状態で前方へ走行する。従って、図8のポジションAに到達する前に自動案内車両は、一般に積荷60又はフォーク対16が搬送体50に面するように動作する。その後自動案内車両は、必要があれば、搬送体を感知してデータ・プロファイル及び搬送体パスを作成し、積荷60から先に搬送体50の中へ移動する。搬送体を出ると次の積荷をピックアップするので、自動案内車両は、積荷60を配置すると搬送体からポジションAまで戻り、一般に車両がスローダウン、又は、停止しないようにプロファイル間又はシステム間の切り替えを行う。もちろん場合によってはセンサ100をフォークの反対側に配置して、トレーラのデータ・プロファイルを作成するため、センサ100の視界を開けてもよい。本実施形態においては、ポジションAは、積荷60が側壁54に接触することなく積荷が先に搬送体50に入るように、自動案内車両が180度回転して、搬送体パスに位置合わせができるよう入口部52から十分離れた位置に配置されている。
【0056】
自動案内車両は、最大限の積荷が車両に置けるよう積込みを行うため、自動案内車両は一般に計算したパスの端に到達すると積荷を下ろし、その積荷を搬送体の床に沿って残りの距離を押す。駆動ホイール上の電流センサを用いることにより、積荷が前回の積荷と接触したこと、そして、積荷が搬送体上の前回の積荷に対して密着して下ろされたことを判断することができる。
【0057】
上述した実施形態の変更例として、本発明は、自動案内車両が積荷位置とポジションAの間を走行する間に特定の間隔での更新等、定期的な更新を行ってもよい。定期的な更新により、あらゆるホイールのスリップによるエラーも修正される一方で、位置の連続的な更新を行うための追加的な必要処理や連続的な更新において自動案内車両のパスを連続的に修正することによる搬送体に対する積込みの効率の低減が最小化する。定期的な更新の間隔は、主たる第1の誘導システムの型式及び主たる第1の誘導システムの正確さによって異なる。定期的な更新の間隔は、通常は特定の時間、自動案内車両の走行距離又は時間と距離の要素を組み合わせたもの等の他の要素に設定される。更新回数を最小化することにより、漸進的かつ不必要な誘導修正等の不必要な処理を防いでいる。多くのコース修正を行うことは、搬送体50に対して積込みを行う自動案内車両の速度を減少させる可能性があるので、搬送体に対する積込みの速度や効率性を減少させてしまう虞がある。より具体的には、少しの位置確認及び更新を加えた方法により、自動案内車両が搬送体の外側、例えばポジションAの位置から予定された積荷位置(又は、搬送体に対する積下ろしを実行している場合、積下ろし位置)まで移動するときの効率が最大となる。自動案内車両が主たる第1の誘導システムを使い続け、更新はこの主たる第1の誘導システムに対してされるものであることに留意することが重要である。システムは、上述した実施形態の1つに関して説明したように、第2の誘導システムへ切り替えない方が好ましい。そのため、この追加的な方法のステップにより、システムは、誘導システムによる制限又は環境要因によるエラーにより引き起こされる誘導エラーを容易に修正することが可能となる。
【0058】
多くの誘導エラーは、搬送体の床の上の水蒸気、氷、液体、オイル又は他の物質によるホイールのスリップによって起こる。様々な搬送体が搬送体に対する積込みを行う際、時間と共にこれらの物質が搬送体内に延びるドックランプや積込みベイの床に運ばれることがある。例えば、搬送体は通常、様々な製品が輸送される複数の施設において用いられるので、搬送体が時間と共に誘導エラーを引き起こす可能性のある様々な滑りやすい物質を蓄積してしまうことが多い。不連続的かつ定期的な更新を実行することで、システムは、処理に必要な電力を最小化しつつあらゆる潜在的なエラーを修正するため、自動案内車両の搬送体に対する積込みに係る効率性や速度が最大化する。
【0059】
システムは、上述のような距離測定センサ20又は30、より好ましくはセンサ100等の任意のセンサを用いてよい。自動案内車両10が搬送体50に入るときにセンサ100を用いることは、計画された走行パスが既知であり、搬送体の内部を走査する又はプロファイルする、少なくとも最初の自動案内車両からポジションAで受信したデータとセンサデータを簡単に比較することができるので、特に有利である。
【0060】
自動案内車両10は、慣性誘導システムを主たる第1の誘導システムとして含む場合、センサ100は、ホイールが2回転から3回転する毎等、定期的な間隔でセンサ100を起動して搬送体の内部の像を作成し、そして、このデータをコントローラに提供し処理する。センサ100は、搬送体内の自動案内車両10の位置のプロファイルを3次元的、又は少なくとも2次元的に提供するように構成されていてもよい。それに対し、センサ20及び30のそれぞれは、搬送体内の1次元的なデータを提供する。そのため、誘導システムにとっては、少なくとも2次元的な更新を行って自動案内車両の位置のエラー確認をすることが非常に有利である。センサ100が、レーザレーダ、光学又はレーザ誘導システム等の主たる第1の誘導システム用のセンサである実施形態においては、誘導システムは、更新間では推測航法を用いてよい。これにより、自動案内車両が高価な慣性センサを必要としなくなる。
【0061】
実施形態によっては、センサ100を車両ではなく、自動案内車両10の通路上でない場所で、かつ、搬送体50の内部が十分に見える場所である積込みドックの任意の場所に含まれていてもよい。例えば、積込みベイのドア及び搬送体50へのドアを開けるとすぐにセンサが自動的に撮像し、所望の位置に対するオフセットや傾斜等を含む搬送体の実際の位置のデータ・プロファイルを作成できるように、搬送体に面する各積込みベイから6フィートほど離れた位置にあってもよい。この更新されたデータ・プロファイルは、その後中央コントローラに記録され、それにより、各自動案内車両に対して走行経路又は搬送体パスが提供されるため、搬送体の位置のデータ・プロファイルを作成し、中央コントローラを更新して自動案内車両用の走行パスを確定するというステップを少なくとも最初の自動案内車両に関して省くことができる。従って、中央コントローラは所望の走行パスを作成でき、自動案内車両は車両走行パスの標準データ・プロファイルを用いる慣性誘導システムを用いてポジションAまで走行可能となる。そして、ポジションAに到達すると、ポジションAのデータ・プロファイルを予定された走行パスから実際の搬送体50への走行パスへ切り替えるので、停止することなく、多くの場合にはスローダウンさせすることもなく、搬送体50の中へと停止せずに移動することができる。センサが自動案内車両の外に位置する場合、センサは、積込みベイエリア80内または各トレーラの上方又は各トレーラの間等、積込みベイの外側に位置していてもよい。自動案内車両用の更新されたデータ・プロファイルを提供するためには、一般に搬送体50の水平方向の傾斜及びオフセットだけを確定する必要がある。
【0062】
図には搬送体の中にパレット対を運搬できるように2組のフォーク対を有する車両として自動案内車両を示しているが、場合によっては、1組のフォーク対を有する車両を用いて積荷を並べて配置するための新規搬送体パスを搬送体への各パスに対して確定してもよい。
【0063】
本発明は、特にダブル・パレット・システムにおけるパレットの各側と搬送体の側壁との間に最小限の隙間しかない非常に幅の広い積荷に対して有効である。計算した搬送体パスを用いて自動案内車両10は、積荷と各側の側壁との隙間が1/2インチ(1.27cm)よりも狭い状態で搬送体に入り、搬送体50の側壁に当たることなく積荷60を配置予定位置まで移動することができると考えられる。
【0064】
上述したシステムは、自動で搬送体からの積荷の積下ろしを行うためにも用いることができる。搬送体からの積荷の積下ろし動作は、実質的に上述した搬送体への積荷の積込み動作と同様である。しかしながら、パレットが搬送体50の開口部付近に配置されるような完全に満載状態の搬送体50において自動案内車両は、データ・プロファイルを作成するために搬送体50を感知することなしにこのパレットを積下ろしてもよい。最初のパレットが下ろされた後又は、搬送体50が満載状態でない場合、自動案内車両は、トレーラの側壁及び位置を感知して搬送体50の傾斜及び水平方向のオフセットを確定してもよい。積荷60が連続的に自動案内車両から下ろされる際、センサ100によって最初に測定された部分的に積み込まれた搬送体の側壁の量は限られるので、データ・プロファイルにおけるエラーを減らために後続の自動案内車両がトレーラのデータ・プロファイルを作成してもよい。各パレット又は積荷60が搬送体50から下ろされると、側壁54のより多くの部分が見えるようになり、より正確なデータ・プロファイルが作成可能となる。システムは、前回とそれに続くデータ・プロファイルの間の差異が閾値レベルより小さくなったとき、搬送体の傾斜やオフセット及び各後続の自動案内車両に対する所望の搬送体パスを確定してもよい。トレーラ上のパレットの位置ズレのためにトレーラ内の位置合わせを一旦微調整するために、当技術分野で公知の何れかのパレット・ポケット感知システムを用いてフォークをパレット・ポケット内に合せてもよい。積込みエリア80の天井から吊るされる場合のようにセンサ100が自動案内車両から離れて位置する実施形態においては、搬送体からの積下ろしにおいて、センサ100は積荷60を上面から見ることができるため、搬送体の内部に関するエラーが最小限の完全なデータ・プロファイルを作成することができ、積荷が満載の搬送体についても搬送体の傾斜及びオフセットを正確に確定することができる。各自動案内車両が搬送体50のデータ・プロファイルを作成する必要はないので、搬送体から積み下ろすために自動案内車両の外にセンサを配置させることにより、より有効なシステムを提供することができる。
【0065】
センサ100が自動案内車両上に位置していない実施形態においては、システムは、各自動案内車両がセンサを含むシステムと同様、誘導システムによって確定された自動案内車両の予定された位置に対する自動案内車両の実際の位置のエラーを確認するために定期的な更新を行ってもよい。一般的に、上述したようなシステムは、自動案内車両がポジションAから予定された積荷位置まで動くときに定期的な間隔で搬送体50を再プロファイルするが、自動案内車両から離れたセンサを用いる。そのため、センサのデータから、搬送体のもともとのプロファイルと比較して、自動案内車両10の実際の位置を確定してもよい。位置に関する如何なるずれも、自動案内車両に対し不一致に関するデータを提供するシステムによって修正することができる。
【0066】
センサ100が自動案内車両上に位置する場合、センサが積荷を下又は上から見ることができるような位置に配置することが好ましい。施設によって積荷60のタイプが異なるので、センサを車両の下部に配置して積荷60の下を見て搬送体50の内部を感知することが好ましい。通常、このタイプの配置は地面から少なくとも4〜6インチ(10.16〜15.24cm)ほど離れており、2重フォーク自動案内車両上では、予定された好ましい位置が自動案内車両の水平方向のほぼ中央で、7.5インチ(19.05cm)地面から離れている。もちろんセンサは、搬送体50の側壁54、好ましくは搬送体50への開口部を画定する側壁の端壁を含む側壁54の位置の許容できる読取を受け取り可能な位置ならどこに配置してもよい。センサ100を積荷60の通常運搬位置の下に配置した状態にあることで、動いている間に自動案内車両は、トレーラのデータ・プロファイルを作成することができるため、停止することなく、ポジションAにおいてセンサが提供した新しいデータ・プロファイルによって確定される更新された走行パスに切り替えることができる。
【0067】
上述したように、センサ100を用いて搬送体の床57又は搬送体のルーフ58のどちらか一方の相対位置を確定することにより、パレットの最後の数点又は搬送体50の入口部52のすぐ内側の積荷60等のような搬送体の端における積込みに関して選択肢ができる。搬送体50に対する積込み及び積下ろしを行う上記方法は、全てのタイプの搬送体に対して有効であるが、搬送体50の端部近傍の積荷60の積込み及び積下ろしは困難な場合がある。より具体的には、図11に示したように、自動案内車両のより多くの部分が載っている支持面が積荷60、具体的にはパレット72が、下ろされるまたは移動される面に対して角度を有する場合、フォークがパレット72から取り外される又は挿入される際、自動案内車両10のパレット・フォーク16がパレット72と干渉することで困難が生じる可能性がある。パレット72には、フォーク対16が積荷60を持ち上げるために挿入されるパレット・ポケット74を有する。積荷60を所望の位置に運んだ後、フォーク対16は、積荷を置いて、積荷60から取り外される。図11に示すよう、積込みベイの床85又はドック・ランプ86等のような自動案内車両10が載っている面に対して角度を有する搬送体の床57等の面に積荷60が載せられる場合、自動案内車両は、積荷を正確に下ろし、自動案内車両がポケットからフォークを取り出すときに下ろされた位置に留まることを保証することが困難であり、又、搬送体50からの積下ろしを行う場合、自動案内車両がフォークをポケットに挿入して積荷60をピックアップすることが困難である。パレット・ポケット74は狭いので、面同士の角度の僅かに異なることで、パレット・ポケット74の上部表面又は下部表面の一方にフォーク端66が当たり、パレット・ポケット74の上部表面又は下部表面の他方に水平セグメント62の移行セクション68に最も近い位置が当たる。上記の説明及び説明図から容易に理解できるように、この接触により搬送体50の入口部又は端部52での操作中に問題が起こる場合がある。より具体的には、自動案内車両が搬送体に入ると、ホイール12及び14は、搬送体の床57に位置するようになるので、自動案内車両の支持面は積荷の支持面と同じとなるため、搬送体の奥部にある積荷に関しては問題がない。従って、図面から明らかなように、ドア55又は入口部52の内側の1つ又は2つのパレットについては、自動案内車両10が、搬送体の床57に対して角度を有するドック・ランプ86又は積込みベイエリア85の上に留まった状態で積荷を配置しようとするため、問題が存在することがある。
【0068】
上述したように、自動案内車両がポジションAに到達するとセンサ100は、搬送体を走査して搬送体の床57又は搬送体のルーフ58のうちの少なくとも一方を確定する。搬送体のルーフ58及び搬送体の床57は、通常平行であり、通常、自動案内車両が搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的な高さと搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的角度を確定するために、これらの表面のうちの一方だけを確定すればよい。又、センサ100が搬送体50の位置を走査するときは、搬送体50の積込みベイの開口部82又はドック壁83に対する相対的位置を確定してもよい。この搬送体50のドック壁83に対する位置と、搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的な角度及び高さの違いを併せて確定することにより、自動案内車両10又はシステムコントローラが搬送体50の内部へ延びるドック・ランプ86の相対的角度を確定できるようになる。必要に応じて自動案内車両は、ドック・ランプ86が搬送体内部にどのくらい延びるかを更に確定してもよい。従って、積荷60を搬送体50の端部の近傍に配置するためにシステムは、上述した誘導システムに従い、搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的角度及び相対的な垂直方向の変位を確定する。自動案内車両は必要に応じてドック・ランプ86の相対的位置及び角度も確定する。
【0069】
この通りに搬送体50の相対的位置を自動案内車両10が確定することで、自動案内車両10は、搬送体の床57に対して角度を有する支持面上の端に位置するときに、パレット72が搬送体の床57又は搬送体のルーフ58に確実に触れないように所望の高さまで積荷60を持ち上げた状態で搬送体50に入ることができる。所望の位置に積荷60がある状態で自動案内車両10は、傾斜機構40を用いて昇降機構18又はフォーク・キャリッジの一方を傾けてもよい。昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17の相対的傾斜を確定するために傾斜センサ(図示せず)を含んでもよい。図11は傾斜した昇降機構18を示す図であるが、当業者であれば分かるように、フォーク・キャリッジ17が傾斜している間に昇降機構18は静止したままでもよい。昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17を傾斜させることで、自動案内車両10は、自動案内車両10の支持面とパレット60の支持面の相対的角度の違いを埋め合わせてもよい。この埋め合わせにより自動案内車両は、積荷を搬送体の床57に確実に配置することが可能となり、そして、フォーク対16を実質的に干渉がないとされる最小限の干渉でパレット・ポケット74から取り出すことが可能になり、積荷60の位置が実質的に変わらないようにできる。
【0070】
積荷60を搬送体50内に下ろす際に、搬送体50の外側又は部分的に搬送体50の中にある自動案内車両10の支持面と搬送体の床57の相対的位置の間に険しい相対角度がある場合、昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17を傾斜機構40によって傾斜させる際に複数の調整が必要である。より具体的には、搬送体のルーフ58までの隙間が最小限の嵩の高い積荷等に対しては、搬送体の長軸に沿った自動案内車両の動きに合せて複数の傾斜機構40による角度調整が必要となることがある。例えば、自動案内車両10が搬送体50に入るにつれて傾斜機構40は、協調した傾斜運動、具体的には、自動案内車両10の前進する動きと協調した動きをすることが必要となる。そのため、最小限の隙間の積荷に対しては、パレット72は、積荷が搬送体のルーフ58又は搬送体の床57に対して接触しないようにほぼ弓状の動きをする。従って、自動案内車両10が搬送体の内部に進むにつれて、傾斜機構40は積荷60に徐々に角度をつけるので、パレット72の前縁は搬送体の床57とは接触しない。そしてパレット72は、搬送体の床57の所望の位置に配置される。そして、積荷60を下ろす間フォーク対16は下げられ、自動案内車両は、進む方向を搬送体50から出る方向に逆向きする。パレット・ポケット74内の隙間が極小であるため、フォーク対16がパレット・ポケット74に接触しないことを保証するために、フォーク対16もまた、一般に自動案内車両が搬送体を出るにつれて、徐々に角度がつけられる。フォーク対16がパレット・ポケット74を実質的に持たない状態になると、自動案内車両10は続けてポジションAに戻り、同時に、傾斜機構40、具体的には、昇降機構18及びフォーク・キャリッジ17のうちの一方を実質的に垂直な位置に戻す。
【0071】
上述したように、自動案内車両上のコントローラ又はシステムコントローラは、自動案内車両の支持面と搬送体の床57の相対角度を測定して、自動案内車両が搬送体50を出たり入ったりする際の積荷60又はフォーク対16に要求される傾斜及び、必要であれば、自動案内車両の動きと協調したフォーク対16の動きを確定してもよい。これにより、搬送体50の端部での積込み又は入口部に最も近い場所での積込みがスムーズかつ効率的に行われるので、自動案内車両10が搬送体50の入口部52に積み込むときに積荷の配置が移動したりズレたりすることを確実に防止することができる。上述したシステムは、搬送体50に対する積下ろしを改善するために図に説明したように逆にしてもよい。より具体的には、自動案内車両が、フォーク対16を少なくとも入口部52又は搬送体50の端部の最初の積み荷60のパレット・ポケット74に延ばす際、自動案内車両は、搬送体50の確定された相対的位置を利用して傾斜機構40を用いるフォーク対16の位置合せをしてパレット・ポケット74内のフォーク対16の干渉を防止してもよい。自動案内車両は、パレット・ポケット74に入る際のフォーク対16の動きを調整して自動案内車両が前方へ動いてもフォーク対16がパレット72に確実に接触しないことようにしてもよい。センサ100が積荷を積み込まれた搬送体50をポジションAにおいて測定する場合、積荷60が搬送体の床57を測定するのを干渉することがあるので、センサは、搬送体のルーフ58を測定することになっている。もちろん、実施形態によっては、センサは積込みベイのドアの外側又は搬送体の積込みエリア80の先の積込み施設の外側に配置されて、搬送体50の相対的位置を確定することで個々の自動案内車両10が搬送体を走査する必要性を無くしてもよい。施設内にあり自動案内車両10上にはないセンサも、搬送体50の床又はルーフの一方を計測して自動案内車両又はシステムコントローラにそれを通信してもよい。外部のスキャナの利用は、積込みベイの施設に対する搬送体の位置を確定させ、積荷を適切に配置するとともに入口部52に最も近い積荷を積込んだり積み下ろしたりするために必要な情報で自動案内車両を更新する中央コントローラと通信してもよい。
【0072】
実施形態によっては、搬送体は自動案内車両が搬送体に対して積荷を積み込む間に側壁がなく平坦になっている。これらの状況において自動案内車両は、搬送体の床や床部と地面への急落の間の明確な縁を感知してもよい。従って、自動案内車両は、トレーラの側壁がないことを走査するように構成されてもよい。
【0073】
以上の説明は、本発明の例示的施形態を開示する。当業者には本発明が、これら実施形態の構成に限定されず、以下の請求項で定義される発明の本質及び妥当な範囲から離れることなく種々の可能な変形構成を含み得ることが理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本PCT出願は、「積荷を搬送体に自動的に積込むシステム及び方法」という題の2008年4月28日に出願された米国特許出願の出願番号第12/110,615の権益を引継ぎ、該出願に開示の全内容は引用することによって本願の一部を構成する。
【0002】
本発明は、一般に物品処理車両に関し、特に、搬送体の床が積込みベイの床あるいは該積込みベイの床と搬送体の床の間に延出するドックランプに対して縦ないし垂直方向にオフセットしている場合、又は角度がある場合であっても、搬送体に対する、該搬送体の端部付近の積荷を含む積荷の積込み及び積下ろしを最小限の干渉で自動的に遂行し得る自動案内車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動案内車両(AGV)は、積荷搬送のために種々の物品処理の工業分野において用いられている。この自動案内車両という用語は、一般に複数の自動誘導システムないし装置を搭載した頑丈な車両構造のものを指す。他方、自動案内カート(AGC)という用語は同様の目的を有するが、その適用範囲が限られるとともに、より構造が簡素な車両構造のものを指す。請求項も含む本願において用いられる用語「自動案内車両」は、上記両方の車両、AGV,AGCを含むとともに、更に自動案内される種類の他の車両をも含む意味に解される。
【0004】
現今の軽荷重用自動案内車両の設計は、そのフレームの四隅に旋回脚輪を一般に備えているのが特徴であり、他の特徴は、カートの方向制御のための固定の脚輪及び駆動ホイールを備えていることである。現行の設計の例として、2つの固定脚輪がフレームに取着されるとともにカートフレームの各側の旋回脚輪の間のほぼ中央位置に配置される。これら旋回脚輪の2対の支軸及び固定脚輪の支軸はおおむね互いに平行をなす。カートフレームには操縦可能な駆動ユニットないし装置が設けられ、これはヒンジ結合されるとともにカートフレームからバネ負荷されたプレートにより取付けられ、これによって該操縦可能な駆動ホイールが支持面に対して適切な粘着摩擦を維持するようになっている。又、他の例では、固定された駆動ホイールが自動案内車両を推進し、操縦可能な脚輪用ホイールが該車両の運動を方向付ける構造となっている。一般的に重荷重用自動案内車両は、重荷重用フレーム及び少なくとも3つのホイールが含まれ、3つのホイールのうちの少なくとも1つは駆動ホイールであり、少なくとも1つは誘導システムによって指示される操縦ホイールである。これら自動案内車両の多くは、積荷を移動させるための既存の車両と製造又は配送設定の点において似ているが、自動的に誘導されるようになっている。
【0005】
自動案内車両はその運動を制御する誘導システムを備えている。今日使用されている誘導システムとしては、ワイヤー誘導、レーザー誘導、磁気テープ誘導、オドメータ誘導、慣性誘導及び光学誘導などがあるが、それらは各々利点もあれば欠点もある。例えば、慣性誘導は追跡エラーを生じ易く、自動案内車両によって測定された走行距離と方向が実際の走行距離と方向とは異なることがある。このエラーを最小限にすることは可能であるが、長い走行距離の間にそれが大きくなるので、このエラーを例えば、中間点指示マーカー(磁気ペイント、無線周波数同一確認(RFID)タグ等)を利用して、指定通路に沿って調整しなければならない。
【0006】
レーザー誘導システムでは、自動案内車両が検出する特別のマーカーを用い、これによって走行制御を行なう。しかし、この型式のシステムはマーカーのトラブルが起き易い問題がある。特に注目すべきことは該マーカーは走行時のいかなる周囲状況においても存在することが求められることである。もし、自動案内車両の走行通路が変更された場合、これらマーカーも物理的に移動しなければならない。従って、この種の誘導システムを備えた自動案内車両は、このような特別のマーカーがある領域においてしか走行できないのであり、この発明の文脈では積込みあるいは積下ろしがなされるいずれの搬送体にも、これらマーカーを必要とする問題がある。
【0007】
搬送体の自動的な積込み及び積下ろしに係る1つの困難な点は、固定の積込みドック位置に対する搬送体の位置の変化である。トラックの場合、搬送体は、例えばトラックの場合ドライバーによって手動で位置付けられるのが通常である。しかし、この手動による位置付けは、搬送体の位置において感得されない変化を結果として招くことになる。例えばドライバーがトレーラ等の搬送体を積込みドックに位置付けても該トレーラがドックのドアに対して完全に合致させることは困難である。従って、トレーラがドックのドアに対して傾斜した角度状態になることとなり、その傾斜角度が不明であるとともにドックでの角度位置が変化し得るので、自動案内車両は、このトレーラの傾きを検出及び補償し得ず、トレーラ内の積荷を効果的に案内し分配することになるのである。公知の構成では、この問題を解決するために、スキッドプレートを用い、積込みドックに対する搬送体の位置を決めているが、これはコストがかかるとともにその効果も不十分である。トレーラは、ドックのドアに対する最適な位置からオフセットして位置付けられる可能性がある。自動案内車両によってより幅広の積荷を積み込む際に、1インチ程度のオフセットが積込み動作中に問題を引き起こす場合がある。
【0008】
一般的に搬送体は、積込みのため、積込みベイのドアの外にある搬送体積込みエリア内に位置付けられる。搬送体の位置付け及び搬送体と積込みドックの間の多くの不一致により、自動案内車両による搬送体、特に、搬送体の端部に対する積込みが難しくなることがある。搬送体の自動積込み及び積下ろしに関連した困難な点は、自動案内車両が搬送体とドックとの間の高さの違いを克服しなければならないことである。搬送体は種々の型式のものがあり、又、同じ型式の搬送体でも種々の仕様のものがあって、高さがまちまちである。更に、一つの特定の搬送体の高さも一定ではない。搬送体に積込みがなされると、サスペンションが圧縮されるので搬送体の高さが変化する。確実な動作をなすために、自動案内車両は搬送体の高さ変化、すなわち、搬送体とドックとの間の変動する高さの違いに対応して作動する構成としなければならない。高さの変動によって、積荷が搬送体のルーフ又は搬送体のエントランス又は入口部のルーフの縁部に接触することがある。積荷と搬送体が接触すると、搬送体の積込みに問題が起こる。この問題の解決のために従来構成では流体圧作動装置あるいはジャッキ等を用いて搬送体の高さ位置の調整ならびに安定をはかるものが見られるが、これもコスト高となるとともに十分な効果も上げられない問題があった。
【0009】
搬送体位置付けにおける変動は、搬送体の自動積込みを妨げる可能性があり、ほぼ確実に効率を下げる。例えば、最も効率的な積込みとして、複数の積荷を互いに極力近接させて位置付ける方法があるが、搬送体の予想される位置のいかなる変化も、これら積荷の分離を増大する傾向がある。
【0010】
自動案内車両の実際の位置と、誘導システムによって確定された予定された位置の間の誤差を引き起こす他の問題を引き起こす可能性もある。そのような問題の原因の1つは、積込みベイの床、ドックランプ及び搬送体の床等、自動案内車両がその上を走行する滑らかな表面によるものである。多くの搬送体は、通常セミトラックのトレーラであり、滑りやすい物質がこぼれたり漏れたりする可能性のある様々な物品を運搬するために用いられる。搬送体はまた、搬送体の床に凝結したり、場合によっては、霜や氷の層を搬送体の床に形成したりする水蒸気等その他多くの環境条件に晒される。搬送体は、様々な施設で使用されているので、状況によっては、積込み装置が、オイル、作動液及び他の液体等の滑りやすい物質を搬送体の床に漏らしてしまうことがある。自動案内車両が様々な搬送体に対して積込み及び積下ろしを実行する際、これらの物質が自動案内車両のホイールによってドックランプや積込みベイの床に運ばれることがある。搬送体の床及びドックランプは通常、水平からオフセットした角度を有するので、自動案内車両は、ホイールが水、氷、オイル又は他の物質によりスリップしやすい。このようなホイールのスリップにより自動案内車両の実際の位置が誘導システムにより確定された予定位置から変化してしまう。
【0011】
予期される通り、予定された位置と実際の位置の誤差によって、積荷を下ろす際のエラーや、自動案内車両又は積荷の搬送体の側壁への望ましくない接触や、将来的な誘導エラーを起こす虞がある。積荷又は自動案内車両が搬送体の側壁に接触しないことを保証する、いくつかのシステムが開発されてきた。そのような解決法の1つとして、壁からの自動案内車両の距離を連続的に測定し、自動案内車両を壁の間の中央位置に保つように常に調整するものがある。このシステムの問題点の1つは、自動案内車両が常に測定及び変化に対する調整をしなければならないために搬送体に対する積込み及び積下ろしのペースが遅くなってしまうことである。
【0012】
ドックランプは、搬送体の床と積込みベイの床の高さの違いを補償する。この2つの間の移行には、ドックと搬送体の間が険しい上り勾配又は険しい下り勾配が必要になることがあり、そのため、誘導が困難になったりトレーラの端部における積込みが困難になったりする。例えば、レーザ誘導システムを用いた自動案内車両は、上り傾斜を上る際、あるいは下り傾斜を下る際にレーザがターゲットの上方又は下方を指すことによって該ターゲットを見失う虞がある。上述した搬送体及び搬送体積込みエリア施設に関してトレーラの端部における積込みが困難なのは、例えば自動案内車両の大部分がドックランプ又は積込み施設の床に位置している場合のように、自動案内車両が搬送体の床に対して平行でないと、自動案内車両にとって、積荷を搬送体の床に下げてからパレットポケットからフォークを簡単に取り外すことが困難となることである。より具体的には、搬送体の床が積込み施設の床又はドックランプに対して垂直方向にかつ角度的に位置合わせされていなければ、フォークの先端が上面又は底面の一方に接触し、フォークの自動案内車両に最も近い部分が上面又は底面の他方に接触するので、パレットのポケットにフォークを挿入したり引き抜いたりすることが困難になることがある。従って、自動案内車両が最後の積荷を下ろした後で搬送体から戻ろうとする際に、当該最後の積荷が自動案内車両によって引き戻される可能性がある。2つの支持面の間の角度は、搬送体に積荷が積まれるのに従って大きくなる。積荷が搬送体に追加されるにつれて、サスペンションが圧縮する。サスペンションが圧縮しているときは、トレーラの高さは低いので搬送体の床と自動案内車両の支持面との角度が大きくなる。ドックランプは一般的にはスチールから成るために滑りやすく、誘導システムのエラーを引き起こす。
【発明の概要】
【0013】
上記に鑑みて、搬送体の自動積込み及び積下ろしのために、効果的、効率的かつ正確に誘導システムを用いる構成の自動案内車両が求められる。より具体的には、本発明は、予定された位置にない搬送体に対して積込み及び積下ろしを行うことができるとともに、搬送体に対し積荷を下ろしたり回収したりする際に自動案内車両の動きを減速させる可能性のある連続的な更新を行う必要なしに自動案内車両の予定された位置と実際の位置の間の誤差を補償し、調整する自動案内車両の構成に関する。
【0014】
本発明は、上記要求及び本明細書及び添付の図面から当業者にとって明らかになるようなその他要求を満足させるよう、自動案内車両によって搬送体に積荷の積込み及び積下ろしを行う方法及びシステムを提案するものである。本発明において、自動案内車両がまず積荷と係合し、次いで、この係合した積荷とともに主たる第1の誘導システムによって既知の位置まで案内される。この位置から、自動案内車両は搬送体の位置を確定し、そして搬送体に積荷を下ろすため進む。次いで、自動案内車両は次の所望位置に進む。
【0015】
本発明の他の実施形態において、自動案内車両がまず積荷と係合し、次いで係合した積荷とともに誘導システムにより既知の位置まで案内される。この位置から該誘導システムが搬送体上の適切な所望位置を確定し、調整して自動案内車両を積荷とともに、その適切な位置に案内するとともに該積荷を配置する。次いで、調整された誘導システムが用いられて自動案内車両をおおむね上述した既知の位置まで戻し、ここにおいて、元の調整されていない誘導システムが自動案内車両の制御を再開する。
【0016】
本発明の他の実施形態において、自動案内車両は、搬送体の位置を走査して、搬送体の床が垂直方向にオフセットしているか又は、搬送体の床が積込みベイ又はドック・ランプの床に対して角度を有するかを判断する。最後の自動案内車両が最後の積荷又は、場合によってはドアの内側の最後数個の積荷の1つを下ろすとき自動案内車両は、下ろした積荷の位置を変えることなく自動案内車両のフォークがパレット・ポケットにスムーズに出入りするように、フォークを自動案内車両に対して角度的に調整して角度的又は垂直方向のオフセットを補償する。従って、システムは、搬送体の位置を能動的に計測して、搬送体のドアの内側に配置された最後数個の積荷に対する自動案内車両のフォークの位置を補償する。
【0017】
他の実施形態においてシステムは、自動案内車両の予定された位置が自動案内車両の実際の位置と合っているか確認するために搬送体内における連続的ではなく定期的な更新を行う。より具体的には、レーザーセンサ又は他のセンサは、搬送体の内部を一定の間隔で走査し、必要であれば搬送体内の自動案内車両の位置を更新してもよい。定期的な更新により、位置を確定するために必要な処理時間が最小化する一方で、自動案内車両上の誘導システムが、搬送体内の自動案内車両の位置を正確に確定することも保証される。
【0018】
本発明の適用可能性は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び以下に図面より更に明らかになる。尚、本発明の精神と範囲内で種々の変更や変形がなされることが当業者にとって明らかになるよう、詳細な説明及び具体例は、好適な実施形態を示素者であるが、あくまで例示的である。
【0019】
本発明は、以下の詳細な説明、添付した請求の範囲及び添付の図面により、更により良く理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る自動案内車両の上面図である。
【図2】本発明に係る自動案内車両の側面図である。
【図3】本発明に係る自動案内車両の正面図である。
【図4a】本発明に係る自動案内車両において積荷の1つの積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4b】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4c】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4d】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図4e】本発明に係る自動案内車両において積荷の他の積込み状態を示す搬送体の概略上面図である。
【図5】積込み動作の例示的フロー図である。
【図6】代替的自動案内車両の上面図である。
【図7】代替的自動案内車両の側面図である。
【図8】自動案内車両システム及び積込みエリアに対する搬送体の上面図である。
【図9】積荷を運ぶ例示的自動案内車両の説明図である。
【図10】積込みベイ内で積み込みがされる搬送体を含む、積込みエリアの説明図である。
【図11】積込みエリアの床よりも低い床を有する搬送体を示す部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る自動案内車両10は図に示され、図を参照に説明される。但し、本発明において搬送体に積荷を自動的に積込む作業及び積下ろす作業は、図示の自動案内車両以外の構造のものにも適用可能である。例えば、本発明は、種々の構造の自動案内車両ならびに他の物品処理用車両にも適用可能である。
【0022】
この自動案内車両10は、該車両を操縦及び推進するための操縦機構及び駆動機構を備えている。図1−7に示すように、操縦及び駆動機構は、誘導システムに連結されているとともに該車両10の推進および操縦のために用いられる駆動ホイール12と操縦可能なホイール14を有している。誘導システムは、自動案内車両10が推進される際に操縦可能ホイール14を旋回させて該車両10を操縦する。駆動ホイール12は、電気的差動を形成するように直列に接続された二重駆動ホイールで構成するのが望ましい。又、差動推進システムを用いても良い、例えば、駆動ホイールのためのマスター/スレーブモータ・コントローラの使用を介して、あるいは旋回脚輪を備えた差動又はパンツアー操縦システムである。
【0023】
この誘導システム自体としては、公知の種々の誘導システムの内の1つを用いることができる。好ましい実施形態では以下に詳述するように2つの誘導システムを用いる。主たる第1の誘導システムは自動案内車両10をプログラムされた走行路に沿って案内する慣性誘導システムである。好ましいシステムはプログラムされた走行路を使用する。操縦可能なホイール14の位置は既に定められているとともに操作して動かすことができる。自動案内車両10が走行する距離及び方向は、その限りではないが、好ましくは追跡ホイールによって測定される。この追跡ホイール又はその他システムと共働して、あるいはこれとは別途に操縦用エンコーダ及び各駆動ホイール上のエンコーダを備えたシステムを用いてもよく、これによって自動案内車両10の走行距離及び方向を追跡する。該車両10が走行する際、操縦可能なホイール14が所定ないし任意の距離のところで所定ないし任意の位置に向けて旋回される。このようにして、自動案内車両10は、該操縦可能なホイール14の位置を特定すること、及びその位置まで走行した距離を特定することにより、殆どの走行面の全体にわたって走行するのに使用可能である。この詳細な記述は図面のみで与えられるが、主たる誘導システムとして、例えばレーザー誘導システムの使用も、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0024】
自動案内車両10は、積荷60と係合するために用いられる図9等に示すようなクランプ又は、好ましくは対をなすフォーク(以下、フォーク対)16等の積荷捕捉機構を更に備える。積荷60は、当業者には公知であるように、フォーク対と係合するためのフォーク・ポケット又はパレット・ポケット74を有するパレット72を含むことが好ましい。当業者には公知であるように、フォーク対16は、水平セグメント62、縦ないし垂直セグメント70及びその間に形成された移行セクション68からなるセグメントを一般に含む。水平セグメント62は、自動案内車両10がパレット72を持ち上げたときにパレット72と係合する下部面64及び上部面63を一般に含む。水平セグメント62は、フォーク端66も含む。フォーク対16の縦ないし垂直セグメント64は、昇降機構18又はマストに連結されている。昇降機構18により積荷は、例えば、積荷を互いに積み重ねる等のため、種々な高さの位置に持ち上げられたり下ろされたりすることが可能となる。フォーク対16は、一般的にフォーク・キャリッジ17に装着される。フォーク対16は、フォーク・キャリッジ17に連結され、フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に連結される。好ましい実施形態において自動案内車両10は、更に2組の距離センサ、後部距離測定装置20及び前部距離測定装置30を備える。距離測定装置20、30はいずれも、操縦及び駆動機構に作動連結され、以下に更に詳述するように、自動案内車両10を案内するために用いられる。
【0025】
上述した積荷捕捉機構は、側方シフト機構22によって水平方向に、係合した積荷をシフトないし移動可能であってもよい。図3に示すように、昇降機構18には2つのフォーク対16が備えられてもよく、各フォーク対16は分離したフォーク・キャリッジ17に取付けられ、各フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に取付けられている。昇降機構18によってフォーク・キャリッジ17はフォーク対16及び/又は積荷を必要に応じて縦方向に位置付けるように動作する。フォーク・キャリッジ17は、縦スライド部材15上に取付けられ、それは流体圧作動装置を備えていてもよく、これにより、昇降機構18の持ち上げ能力に加えて各フォーク対16がそれぞれ個別に6インチ(15.24cm)持ち上げる能力を有する。この個別の持ち上げ動作により自動案内車両10は走行して、そのフォーク対16を隣接する一対の積荷に対して位置付けることができる。フォーク対16の一方のみを6インチ持ち上げることにより、自動案内車両10が単一の積荷を隣接する一対の積荷から取り上げることができる。側方シフト機構22を伴う同様な動作によって、自動案内車両10は、2つの積荷を互いに横に並べた状態に配置したり、あるいはこれら積荷を単一箱型収容ラック内に配置することができる。水平移動可能となるため、フォーク・キャリッジ17は油圧モータ24及びチェーン25を備えていても良い。フォーク・キャリッジ17はチェーン25により所望位置に引かれる。好ましい実施形態において、キャリッジ側レール26がフォーク・キャリッジ17を中央位置を越えて走行させ、自動案内車両10がその中央位置に積荷を落下させることを可能とする。これを行なうために、1つのフォーク対16が一側に移動ないしシフトするとともに通路より外れ、これによって他方のフォーク対16が自動案内車両10の中央に位置することが許容される。
【0026】
積荷が積荷捕捉機構によって自動案内車両10と係合したとき、該車両10の前後方向の走行動作ならびに昇降機構18と関連する側方シフト機構22により、積荷は3次元の全ての方向において位置の調整が可能となる。図1に示す好ましい実施形態において、各フォーク対16は、矢印31で示すように水平方向に独立して移動可能である。又、各側方シフト機構22は、フォーク対16の移動を追跡するエンコーダ23をそれぞれ備える。これらエンコーダ23は、好ましくは水平方向におけるフォーク対16の位置及び位置の変化速度の両方を追跡することができる。これらエンコーダ23は自動案内車両10の誘導システムと共働するとともにフォーク対16を正しく位置付けるのに用いられる。フォーク対16の水平方向の移動ないしシフト動作は、以下に記述する搬送体50に積荷を積込む動作に関連して更に説明する。
【0027】
上述の自動案内車両10は、搬送体50に積荷を自動的に積込む、あるいは積下ろしするのに使用される。この動作過程は、工場内の積込みドック位置に格納された運搬トレーラについて説明するが、これと同様の動作は、例えば平床式トレーラや軌道カーなどの同様の搬送体50についても適用される。
【0028】
搬送体への自動積込み動作
【0029】
搬送体50に積荷を積込むために、自動案内車両10は、まず積荷と係合しなければならない。この係合は、通常パレットと一体をなす積荷のフォーク・ポケットと合致した自動案内車両のフォーク対16の使用及び、積荷を地面より持ち上げる昇降機構18の使用によって遂行される。フォーク・ポケットに対するフォーク対16の合致は難しい動作であり精密さを要する。そのために好ましくは、該積荷が比較的精度の高い既知の位置ないし場所に位置付けられる。次いで、自動案内車両10の誘導システムがこの既知の位置で該積荷に対応するようにプログラムされる。これによって、フォーク対16及びフォーク・ポケットは互いに合致する。もし、積荷を精度高く既知の位置に配置するのが困難または実用的でない場合、自動案内車両によって積荷積込みをより広い領域とするように変更することも可能である。例えば、フォーク対16の端部又はその近傍に光学センサをそれぞれ配置して積荷のフォーク・ポケットを検出するのに用いることができる。そして、自動案内車両10が積荷位置に近づいたとき、フォーク・ポケットを探すようこれらの光学センサの電源を入れてもよい。フォーク・ポケットの検出位置に基づいて、自動案内車両10は、その走行通路を調整ないし変更するか、あるいはフォーク対16とフォーク・ポケットが対応するように、フォーク対16が側方シフト機構22によって調整される。これによって、より確実かつ安定した動作が保証されるが、このために追加的部材が必要となると、よりコストがかかり構成としての好ましさも低下する。
【0030】
自動案内車両10に積荷が積込まれると、該車両10が工場内の積込みドック領域へ走行する。この実施形態においては、この場合は、トラックトレーラである搬送体50は積込みドックの隣接位置に配置される。場合によっては、該ドックから搬送体50への自動案内車両10の走行を容易にするために積込みランプが用いられる。このランプは2つの異なる面の間での自動案内車両10の移行を容易にするように構成されている。この移行がいくらか平坦でない場合は、もし使うとすれば追跡ホイールが必要となろう。これにより損傷を回避するために押し上げられるとともに不作動状態にする。
【0031】
自動案内車両10は、搬送体50に対して、その主たる第1の誘導システムを用い、積荷を積込みドック及び搬送体50の近傍ないし近接した位置に搬送する。好ましい実施形態において、自動案内車両10は、その主たる第1の誘導システムを用いて、搬送体50の開口部ないし入口部52に移動する。この地点で、該車両10の第2の誘導システムが作動して該車両10が意図した所望の積込み位置へ案内される。好ましい実施形態において、第2の誘導システムは、上述した2組の距離測定装置20,30を備える。後部距離測定装置20は、該車両10が前進するときに動作し、前部距離測定装置30は、該車両10が後進するときに動作するようになっている。これら距離測定装置は、アナログ音響センサで構成されるが、これに代えて、光学/ビジョンシステムや可動ビーム型のレーザー・スキャナ、レーザー型のものを用い得る。各組の距離測定装置は、自動案内車両10が搬送体50の中央を求めて移動するように動作する。これは、この装置のセンサを用いることにより達成されるが、そのセンサは、1つのセンサから搬送体50の側壁をなす一側54までの距離を他のセンサから搬送体50の他方の側壁をなす他側54までの距離から減算し、+/−エラー信号を形成するように作動する。この+/−エラー信号は自動案内車両10の操縦機構によって使用され、該+/−エラー信号をゼロに近づけさせるために、自動案内車両を適切な方向へと案内する。このようにして自動案内車両10は搬送体50の中央を求めるように移動するので、これにより、積込みドックに対する搬送体50の位置付けにおいて傾斜ないし位置の外れを補償することができる。もし、積込みがなされる搬送体50が既知の幅のものであれば、各組において1つのみのセンサを使用し得る。この実施形態において、1つのセンサからの距離は、+/−エラー信号を得るために、搬送体50の中央にある自動案内車両10と関連する既知の距離から減算されるべきであり、それは自動案内車両10の操縦機構により用い得、+/−エラー信号をゼロに近づけるようにするために自動案内車両10を適切な方向に案内する。他の実施形態において、自動案内車両10は搬送体の中央を求める追跡動作を行なわないが、搬送体50の一方の側54から特定の距離を維持する。
【0032】
自動案内車両10は第2の誘導システムにより意図された所望の積荷位置へ案内される。この意図された所望積荷位置は、搬送体50の最前の非占有部であるのが望ましい。実施形態において、自動案内車両10は、搬送体50の端部ないし端壁56又は該搬送体50上に予め積込まれた積荷が検出されるまで、搬送体50のおおむね中央に向かって前進を継続する。この検出は、適宜構成された圧力センサ等により行なわれる。すなわち、圧力センサはフォーク対16の一端部に配置され、搬送体50の端壁56又は他の積荷との接触を検出する。あるいは、好ましい実施形態において、該圧力センサは、フォーク対16の他端部に配置され、積荷自体が端壁56又は他の積荷と接触したときに該積荷に作用する。自動案内車両10は意図する所望積荷位置に近づくと、その移動速度を低下させ、該車両10のモータの駆動電流をモニターすることによって、搬送体50の一端部ないし端壁56と積荷との接触ないし衝突あるいは他の積荷との接触ないし衝突を検出する。例えば、比較的不動の対象物が自動案内車両10に接触したとき、走行抵抗が増大すると、該車両10の電動モータに供給される電流は同様に増大する。電流の増大は積荷がその意図する所望積荷位置に達したことの指標として用い得る。
【0033】
自動案内車両が意図した積荷位置に達すると、該車両10は積荷を他へ引渡す動作を遂行する。好ましい実施形態において、この動作は、積荷を昇降機構18によって搬送体50上に下降させる動作及びフォーク対16をフォーク・ポケットから離脱させる動作である。積荷を引渡す動作ステップは、その前に側方シフト機構22によって搬送体50の一側に向かって外方向にフォーク対16を係合した積荷とともに、移動ないしシフトさせる動作をも含む。好ましい実施形態において、積荷は2つの独立したパレットよりなり、その各々は図1に示すフォーク対16の1つと係合する。この実施形態において、自動案内車両10が自動案内車両10の走行方向における意図した所望、積荷位置に達しようとするとき、側方シフト機構22がフォーク対16及びそれに係合した独立のパレットを搬送体50の側部54に向かって外方向に移動ないしシフトして互いに離間させる。この側方への移動ないしシフト動作の間、フォーク対16の位置変化をエンコーダ23が追跡する。好ましい実施形態において、該エンコーダ23によりフォーク対16の位置がもはや変化しないと検出されると、積荷は搬送体50の側部54に接触したと推測され、そして上述のように自動案内車両10は更に搬送体50の端部56又は該搬送体上に前に積込まれた積荷を検出するまで前進する。この地点で、積荷は意図した積荷位置に達し、搬送体50のベース上に積荷が下ろされる。
【0034】
特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、上述の実施形態の種々の変形例についても本発明に含まれるものである。例えば、単一のフォーク対16を備えた自動案内車両も本発明の方法を実施するのに使用可能である。この構成においては、フォーク対16は、それぞれの積荷を搬送体50の側部54に配置し得るように側方シフト機構22によって移動ないしシフトし得る。この態様では搬送体50は一度に1つの積荷を積み込み得る。又、自動案内車両10は積荷が引渡される搬送体50の側部54を交替することができる。更に、本発明においては、自動案内車両10により搬送体50に任意の積荷状態に積荷を積込むことが可能である。すなわち、例えば図4aに示す好適な実施形態ように、積荷を搬送体50の前部から後部にかけて並べた2つの積荷状態や、図4bに示すような積荷を前後に2つ並べた状態と前後の中間に1つ配置した状態により互いに異なる配列とした積荷状態など、考えられる種々のレイアウトに対応し得る。積荷が非対称形状の場合、例えば図4cに示す60’で示す積荷が積荷60の積荷状態に対して90度回転した状態や、図4dで積荷60を、いわゆるピンホイール・レイアウトで配置状態で示す、一部の積荷が他の積荷に対して回転するように、積荷に角度をつけてもよい。又更に、図4a−dは全て積荷が矩形状のものを示したが、本発明では、その他の任意の形状のものも扱うことができる。
【0035】
上述のように、自動案内車両により積荷を搬送体に引渡す位置の自由度が高いので、積込みがなされる搬送体50について最適な積荷状態を得ることができる。一般の配置構成では、搬送体には積荷がない遊びスペースが最少となるように積込みをするのが望ましいが、重い積荷の場合には搬送体の許容重量限度を越える恐れもある。このような場合、あるいは積荷積込みが満載状態よりは少ない場合、搬送体50内の積荷の移動ないしシフトを最小限とするレイアウトを採り得る。この場合、本発明に係る自動案内車両10及び方法により所望の積荷レイアウトで搬送体50に積荷の積込みをなし得る。
【0036】
積荷を引渡した後、第2の誘導システムが用いられ、自動案内車両10とほぼ同じ場所ないし位置へ戻すように案内する。好ましい実施形態では、この場所は搬送体50の入口部52である。この場所において、主たる第1の誘導システムが用いられて自動案内車両の走行案内を行ない、例えば、他の積荷のピックアップを遂行させる。もし、実施形態におけるように追跡ホイールが用いられる場合、該ホイールは下降し、グラウンドに再び接触して、主たる第1の誘導システム、すなわち慣性誘導システムによる利用に供せられる。
【0037】
好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムは、自動案内車両10が第2の誘導システムにより誘導案内されているときに、該車両10の運動を継続して追跡する。この継続的追跡によって、主たる第1の誘導システムによる、より正確な誘導案内再開を可能とする。以上の積込み動作は図5にフローで例示的に示してある。
【0038】
搬送体からの自動積下ろし動作
【0039】
搬送体からの積荷の積下ろし動作は、上述した積込み動作に極めて類似している。主たる違いは、ピックアップ動作で引き出されるべき積荷を搬送体上の正しい位置にあることを保証することが難しいことである。従って、自動案内車両10は、これに対処し得るとともに積荷の位置のその他変化を補償し得るように構成されなければならない。当該動作のステップは、主たる第1の誘導システムで自動案内車両10を案内して搬送体の近傍ないし近接した位置、好ましくは、搬送体50の入口部52のところに位置付けることである。この地点において、好ましくは上述したようなアナログ音響センサよりなる第2の誘導システムが作動して自動案内車両10を積荷と合致するように案内する。上述のように、自動案内車両10は、積荷のフォーク・ポケットを検出するのに用いる光学センサをフォーク対16上又はその近傍に設けて、広範囲の積荷位置付けをなし得るように構成し得る。該車両10が搬送体50上の積荷位置に近づいたとき、これら光学センサが動作してフォーク・ポケットを見出す。そして、フォーク・ポケットの検出位置を基準として自動案内車両10は、その走行路を変更するか、あるいは又、フォーク対16が、これを移動ないしシフトさせるフォーク・シフター、すなわち上述の側方シフト機構22及びスライド部材15によって調整され、これによってフォーク対16が自動案内車両10とは独立して運動し得、フォーク対16とフォーク・ポケットが相互に対応する。係合されると、積荷は自動案車両10の昇降機構18により持ち上げられる。次いで、第2の誘導システムが該車両10を誘導案内を始めた同じ位置、すなわち搬送体50の入口部52とほぼ同じ位置へ、第2の誘導システムにより該車両が戻される。この地点において、主たる第1の誘導システムが用いられ、該車両10の走行を案内する。好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムは該車両10が第2の誘導システムにより案内されているときにも継続して該車両10の運動を追跡する。これにより、主たる第1の誘導システムによる、より正確な誘導案内動作の再開を可能とする。
【0040】
本発明の他の実施形態によれば、最初の自動案内車両10が搬送体内50に入る前に搬送体走行通路ないしパスを確定して主たる第1の誘導システムにより搬送体50内をナビゲートすることが可能となる。搬送体パスを確定するに当たって、システムは積込みドック82に対する搬送体50の傾斜及び積込みドック82の中央から搬送体入口部の中央部の水平方向のずれ、すなわちオフセットを確定しなければならない。実施形態によっては、システムも搬送体の床及びルーフの一方の位置及び相対角度を確定する。上述したように好ましい実施形態において、自動案内車両は慣性誘導システムを利用して自動案内車両10を積込みがなされる搬送体50の入口部52へ誘導案内する。搬送体50の入口部52は、搬送体50のドア55の近傍にある。上述した方法とは異なり自動案内車両10は、第2の誘導システムに切り替える必要はなく、その代りに、搬送体50の入口部52の付近で、システムが自動案内車両10用に搬送体走行パスを、例えば、移動ビームレーザ又は光学システムを有するセンサを用いて確定して、搬送体50の側壁の位置を確定すること等により搬送体50を走査する。実施形態によっては、センサが搬送体のルーフ58及び搬送体の床57の少なくとも一方を走査してもよい。搬送体走行パスが確定されると、慣性誘導システム等の主たる第1の誘導システムを利用して、上述した例で説明した方法と同様の方法で搬送体50対する積込み及び積下ろしを遂行することができる。
【0041】
自動案内車両10は、単一のセンサ100又は複数のセンサを用いて搬送体50の外部から搬送体50の内部のデータ・プロファイルを作成してもよい。この別の実施形態において、搬送体50のデータ・プロファイルは、自動案内車両10の大部分が、その中に積荷60が下ろされる搬送体50に形成された空洞に入る前、特に、積荷60が搬送体50に入る前に作成される。例えば、水平変位、搬送体50の傾斜、縦変位及び、搬送体の床57の角度等の予定された位置からの偏差を特定するために搬送体50のデータ・プロファイルを作成することにより、自動案内車両10が搬送体50に入る前に搬送体50内に積荷60を下ろすための最適パスに向かうよう自動案内車両10が容易に操作を遂行できるようになる。より具体的には、オペレータのエラーにより、積荷60が下ろされる搬送体50、特にセミトレーラは、積込み領域80に後ろ付けされたときの最適位置から通常にずれており、水平方向のオフセット又は傾斜において全く同じように位置付けされることはほとんどない。積込み領域又はドック80は、積込みドック壁によって画定されるベイ開口部82を含み、この開口部が搬送体の幅よりも広いためにこのオペレータのエラーが起こる。しかしながら、これにより起こったオペレータのエラーは、図4eに示したように、搬送体50の幅とほぼ同一の幅の積荷60を用いるシステムにおいて自動案内車両10に関する問題を引き起こす。搬送体50の積込み施設の床85に対する垂直方向のずれも、自動案内車両10にとって背の高い積荷に関する問題を引き起こす可能性がある。垂直方向のずれ及び自動案内車両の支持面に対する搬送体の床57の角度も、自動案内車両に搬送体50の入口部52近傍に積荷を下ろす際の問題を引き起こす可能性がある。従って、自動案内車両10は、積荷60が搬送体に入る前にセンサ100を用いて搬送体50のプロファイルを作成する。それにより、図8に示すように搬送体50が予定された位置から水平方向にずれている場合でも、側壁54に積荷を接触させることなく、自動案内車両10が搬送体50に入ることが可能となる。図8に示したように、オペレータが搬送体50を適切に合せた場合、搬送体50の長軸51は予定された長軸84に合せられる。しかしながら、図8において搬送体50は、搬送体の開口部52又は入口部において予定された長手長軸をなす84から水平方向にずれているだけでなく、予定された長手軸線をなす長軸84からある角度で傾斜している。図9〜図11において示したように、搬送体は積込み施設の床85又はドック・ランプ86に対して垂直方向にずれるまたは角度を持つ可能性がある。
【0042】
搬送体50へ入る際、搬送体50の側壁54との障害となる接触を避け、その後上述した第2誘導システムを用いて1組のセンサからの距離を減算して+/−エラー信号を生成することにより搬送体50の中央部を探し、自動案内車両10を単純化させ、追加的なセンサを省くことにより製造コストを削減し、そして、積荷時間を短縮するために、自動案内車両は、「レーザーによる障害物センサを利用した無人車両用の慣性航法誘導システム」という題の米国特許第2006/0276958に開示してあるようなセンサ100を用いることができる一方で、本発明は、センサ100を用いて搬送体50の水平方向のずれ(オフセット)及び搬送体50の傾斜又は角度の両方を単一のステップで処理する搬送体50のデータ・プロファイルを作成する。この単一のステップにおいてセンサ100は、垂直方向のオフセットを搬送体50の角度と合せて判断してもよい。この方法によっても、2つのセンサを用いるシステムに必要な継続的な計算及び調整を排除することができるので、自動案内車両10のより素早い動作及び積込み時間の短縮が可能となる。搬送体50に対する積込み時間の短縮により、システムにおいて用いる自動案内車両の数を減少させることができるので、システムの初期費用及び運営費を大きく削減することができる。
【0043】
好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムがたどる搬送体パスを作成するためにセンサ100を用いることで第2の誘導システムの必要がなくなるが、場合によっては、第2の誘導システムを用いる。好ましい実施形態において自動案内車両10は、A位置、すなわちポジションAに向けて進むことと搬送体パスに沿って進むことに同じナビゲーションシステムを用いる。上述したようにこの誘導システムは、慣性誘導、有線誘導、視覚誘導、テープ誘導、レーザターゲット誘導、又はレーザー誘導等のレーザー誘導を含む公知の任意のシステムであってよい。しかしながら、有線誘導システム、テープ誘導又は、レーザターゲット誘導が用いられる場合、慣性誘導システム、推測航法による誘導システム、視覚誘導システム又は、レーザー誘導システムも搬送体の走行のために含まれてもよい。特に段落(0014)、(0023)、(0031)−(0037)において上述したように、自動案内車両10は、主たる第1の誘導システムを用いて、積荷60を取得し、その後搬送体50の外側の図8に示したポジションA等のポイントに自動案内車両を誘導する際、希望どおりに作動する。
【0044】
ポジションAは搬送体の外にあり、積荷60の大きさ、自動案内車両10の操縦能力、及び、センサ100が自動案内車両上に位置する場合はセンサ100の感度等に基づいて搬送体の入口部52からの距離が異なる。より具体的には、ポジションAは、センサ100による搬送体50の正確なデータ・プロファイルが可能であれば搬送体50の外のいかなる位置、距離にあってもよい。センサ100が側壁54の位置を正確に確定しなければならない場合、それによって搬送体50が予定された位置からどの程度横方向にオフセットしているかを確定し、そして、図8に示したように搬送体の傾斜又は角度を確定する。このデータ・プロファイルから、自動案内車両がたどる搬送体パスを計算してもよい。実施形態によっては、2つ以上のセンサを用いて搬送体の正確で完全なプロファイルを確実に行う。例えば、1つのセンサは持ち上げられた積荷の下で動作できるように自動案内車両の低いに位置に配置し、もう1つのセンサは、積荷の上から動作できるように高い位置に配置してもよい。2つ以上のセンサを用いる場合、それらセンサは、自動案内車両の両側に配置してもよいし、他の所望の場所に配置されてもよい。
【0045】
搬送体のデータ・プロファイルによって自動案内車両及び実施形態によっては、中央コントローラが、搬送体に対して積込み及び積下ろしを遂行するために搬送体に対して出入りする最適なパスを確定し追加することによって運用システム及び運用パス又は自動案内車両の経路の中へ搬送体50を配置させることが可能となる。システムは、フォーク対16及び積荷60の動きを自動案内車両の搬送体の中及び外における走行と統合させて搬送体50の入口部52の近傍での動作の干渉を避けるようにしても良い。もちろん、当業者であれば気が付くように、人間のオペレータが搬送体のシステムに対する利用可能性及びその搬送体の予定された目的地に関するデータを識別してシステムに対して提供することで、自動案内車両システムがいつ特定の搬送体50に対して積込みを実行するか、積荷60は何なのか、積荷60はいくつあるか等を知るようにしても良い。搬送体50の最適な位置付けからのずれに言及する際に「予定された位置」又は「理想的位置」と表現するが、自動案内車両又は自動案内車両を操作しているシステムは、予定された位置に関するデータを必ずしも備える必要はない。その代わりに、センサ100が搬送体のデータ・プロファイルを作成し、次に自動案内車両が、搬送体が満たされシステムから取り外されるまでたどる最適なパス又は搬送体パスをシステムに対して計算して追加する。従って、コントローラ又は自動案内車両は、システムが各積込みドアに対して、使用中の動作システムの走行パス又はシステムにおける経路を切り替える最適な地点として識別したものであるポジションAから各積込みベイにおける搬送体50へ出入りする走行パスを、各搬送体に対して計算した追加的なセグメント又は追加的な走行パスに対して追加してもよい。自動案内車両は、ポジションAから搬送体50の中へと搬送体パスをたどり、積荷を下ろすと自動案内車両はポジションAに戻るよう走行し、使用中のデータ・プロファイル又は搬送体50内で確定された経路から次の目的に向かう標準システム走行パス又は経路に切り替える。
【0046】
自動案内車両10は、一般的に搬送体50の長軸51に対応するトレーラの中へ入っていく最適経路と位置合せするように動作する際に、最大の積荷60がトレーラの入口部52の外側に留まることを可能にする最も搬送体の入口部52に近い地点としてのポジションAは、システムのセットアップ時に確定されることが好ましい。自動案内車両10をできる限り搬送体50に近づけて配置することで、センサ100が自動案内車両上に位置する場合、通常は自動案内車両による搬送体50のデータ・プロファイルがよりよくなる。
【0047】
例えば、センサの位置を最適化しながら積荷60が搬送体50の開口部ないし入口部52を越える前に自動案内車両自体を搬送体50内へ向かう所望の走行パスに合わせるために十分な操作スペースを提供することに関して、積荷60がおよそ3フィートの深さを持つとともに自動案内車両自体を搬送体50へ適切に合わせるために自動案内車両が必要とする操作スペースの平均がおよそ3フィートである場合、搬送体50の外の予定された停止位置は、入口部52から6フィート又はそれより若干遠くにある。センサ100が自動案内車両に位置していない場合、入口部からより遠い距離に位置するポジションAを設定することで、より大きな操作スペースを提供することが好ましい場合がある。これにより、自動案内車両は、積荷60が搬送体50に入る前に所望の搬送体パスに合わせるために、その位置及び走行パスをより楽に調整するので、操作速度が増し、結果として積込み時間が短縮される。
【0048】
自動案内車両10が、搭載コントローラ又は自動案内車両を指示する中央コントローラに、自動案内車両10が動作する全体的なシステムに入った搬送体50の方向又は計算された所望の搬送体パスを持たない場合、自動案内車両10は、搬送体50の方向を判断し得る、トレーラに関するイメージ、マップ又は、他のデータ・プロファイルを作成する。搬送体50の方向を判断する際に重要なことは、進入する積荷60が側壁54に接触しないための、開口部52、特に、開口部52の各側における側壁54が、予定された位置、すなわち一般的には積込みベイ84の中央部からオフセットしているか、より詳細には、側壁54の位置、及び側壁54から判断されるトレーラの角度又は傾斜を判定することである。必要条件ではないが、空の搬送体50に対して積込みを行う際にセンサ100を用いて端壁56の位置を判断し、搬送体がある程度荷積みされて到着した場合、搬送体における任意のパレット又は積荷までの距離を判断してもよい。端壁56又は任意の搭載済みの積荷の位置から、自動案内車両10又はシステムコントローラは、最初の積荷60を下ろすために自動案内車両10がどれほどトレーラ内に移動しなければならないかを計算することができる。好ましい実施形態において自動案内車両は、搬送体パスの長さを計算することで積荷が下ろされて最終的な位置に押される前にトレーラ内のより奥部まで移動することが可能となる。搬送体において積荷を押す距離を最小化することにより、自動案内車両10の電池が再充電を必要とするまでの時間が長くなる。しかし、例えば、トレーラ及び移動のおおよその距離を知っている自動案内車両10等を用いたりする他の任意の方法を用いて、積荷60を配置する際に自動案内車両がどれほどトレーラ内に移動しなければならないかを判断してもよい。
【0049】
自動案内車両10の搬送体内の搬送体パスを決める際に、自動案内車両10は、通常搬送体のデータ・プロファイルを集めて、次に側壁54を分析して、搬送体の実際の長手方向に沿う軸線をなす長軸におおむね沿う走行ラインを確定する。より具体的には、自動案内車両10は通常、積込みベイ82の予定された長軸84に沿った位置まで近づく。そして、センサ100が搬送体50の像を作ってデータ・プロファイルを作成し、通常は搬送体50の実際の長軸51に沿うものである予定された走行パスを確定する。この実際の長軸は、一般的には搬送体の側壁54を数学的に平均することで搬送体50への中央走行パスを作成することで計算される。
【0050】
自動案内車両10がポジションAにあるとき、あるいは、ポジションAより手前の位置にあるとき、自動案内車両は、センサ100が搭載されていれば停止し、センサ100を用いて搬送体50をプロファイルする。ポジションAが操作に必要な最小距離よりも遠くに位置するように搬送体の入口部52から十分に離れている場合、自動案内車両は、積荷60が搬送体50に入る前に停止せずにセンサ100を用いて搬送体をプロファイルできる可能性がある。図8におけるポジションAはただ、搬送体の内部を感知するため及び/又は搬送体パスをたどる自動案内車両10に切り替える、または更に積荷60が側壁54に接触せずに搬送体に入ることを含む搬送体パスに沿うよう適切に操作を行うための最も理想的な位置を示すのみである。そのため、誘導システム間で切り替えが起こるときにセンサ20及び30が搬送体内にある上述した実施形態と比べると、本実施形態では、搬送体への新規経路を計算し該経路を利用するために切り替えが行われている間、センサ100が完全に搬送体の外にある。そのため、センサ100が自動案内車両10に搭載されている場合、ポジションAに最初着いた自動案内車両が、搬送体50のデータ・プロファイルを取得する。自動案内車両又は中央コントローラは、データ・プロファイルを用いて、どのような積荷60を搬送体50が受け取るのか、及び搬送体50の長さならびに幅に応じて、搬送体50への最適経路、すなわち搬送体パス及び積荷60の最適配置を計算する。そして自動案内車両は、ポジションAから該搬送体50への搬送体パスをたどって、積荷60を配置し、その後、搬送体パスをたどって搬送体50からポジションAへ戻る。ポジションAにおいて、搬送体パスからシステムにおいて用いられる次の目的地に向かう経路へ切り替える。
【0051】
センサ100は、レーザセンサ又は、例えば搬送体の開口部52、側壁54及び、端壁56を感知し、搬送体の内部の画像を形成できるその他センサであることが好ましい。例えば、特に、搬送体に嵩の高い積荷を積み込む際に、センサは、搬送体のルーフ(図示せず)に関する情報も提供して、積荷60の上面と搬送体のルーフの間に十分な隙間をもって自動案内車両が搬送体に入ることを保証してもよい。図6、7に説明したように、センサはフォーク対16の間の自動案内車両の中央にある。この配置により通常、積荷60間の隙間から搬送体50の側壁54及び天井までの高さの測定が可能となる。しかしながら、操作上の様々な必要性に応じて、センサ100を他の位置に配置してもよい。例えば通常より幅又は長さにおいて2倍の大きさのパレットを使用するような、テーブルや家具又は他の装置等の大きな物体を有する工場もある。そのため、センサ100が、パレットが幅2倍のパレットである場合に、天井見ることができ、又は自動案内車両のフォーク上に2つの長さが2倍のパレットが配置される場合に、側壁54を見ることができるようにするために、センサ100の配置に自動案内車両上の他の位置を利用してもよい。
【0052】
好ましい実施形態においては、2番目に到着する自動案内車両は、既にシステム内の搬送方向に関する情報、より詳細には、ポジションAから搬送体への搬送体パス及び積荷を下ろした後に搬送体からポジションAへ戻る搬送体パスを備えている。先に到着した自動案内車両がシステムにシステム追加した、たどるべき搬送体パスを自動案内車両は知っているため、自動案内車両がたどっている経路を切り替えるときに、自動案内車両は、停止、さらには搬送体50を感知せずにポジションAを通過し、搬送体に入ることができる。最大限に効率を高めるためにシステムは、予定された搬送体パスへの切り替えをポジションAの前に行ってもよい。これにより自動案内車両の操作時間を増やし、さらに経路を所望の搬送体パスに合わせるためにより長い時間と距離があるため自動案内車両の操作速度を上げることができる。例えば、慣性誘導システムを用いて自動案内車両を図8に示したようにポジションAへ運ぶ。ポジションAに到達する前又は到達すると中央コントローラは、所望の搬送体パスを自動案内車両に提供して、自動案内車両は継続して慣性誘導システムを用いて自車両を搬送体パスに合わせ、搬送体パスをたどって搬送体に入り、積荷60を適切な位置に下ろす。自動案内車両は、慣性誘導システムを用いて逆方向のパスをたどってポジションAへ戻る。ここで新しい目的地に向かうパスに切り替える。
【0053】
もちろん、各自動案内車両は、搬送体に最初に近づいたとき又は近づく度に個別にデータ・プロファイルを作成し、通常は積荷60が下ろすために搬送体50の長軸51に沿う所望の搬送体パスを計算するセンサ100及びコントローラを備えてもよい。2度目以降に自動案内車両が積荷60を下ろすために搬送体50に近づく際、所望の走行パスを再計算してもよいし、あるいは、前回確定した走行パスを使用してもよい。少なくとも最初の2〜3台の自動案内車両にたどるべき搬送体パスを計算させることで、より正確な経路のための搬送体パス及びデータ・プロファイルの平均化が可能となる。しかしながら、センサ100が自動案内車両に搭載されている場合、搬送体50が積荷60で満たされるにつれて通常側壁が見にくくなり、データ・プロファイルが測定する側壁が減るため、再計算したときに所望の走行パスにエラーがもたらされる可能性が大きくなるので自動案内車両が入る前に毎回分析することが逆効果となる可能性がある。
【0054】
更なるステップとして、センサ100がトレーラ50の内部を走査するときに別のセンサが、積込みベイエリア80内に固定された物品を走査して、システム内でその位置を較正してもよい。より具体的には、自動案内車両10は、図8のポジションAまで走行し、搬送体50の内部を走査する際に積込みドック壁83及び積込みドック・ベイ82の場所に基づいて、ポジションAから1/2インチ(1.27cm)離れていると判断する可能性がある。積荷を置くために搬送体50の中へと移動した後の自動案内車両は、ポジションAに戻ってくる。しかし、ポジションAに戻ってくると、予定された位置と実際の位置の間の以前の差異を調整する。そのため、自動案内車両10は、追加のステップまたはシステム内の他の地点における較正なしに、簡単に自車両位置を再較正できる。第1の実施形態において、新規搬送体パスが搬送体50の長軸51に沿って確定すると自動案内車両は、慣性誘導システムを用いて搬送体50に向かって走行し、積荷60を下ろす。個別の又は別の誘導システムではなく慣性誘導システムを用いることによって、自動案内車両を作成するにあったて、その如何なる利益を引き換えにすることなく経費を抑えることが可能となる。しかしながら、本システムは、推測航法、レーザー誘導、視覚誘導、テープ誘導、及び有線誘導等のその他多くの誘導システムを用いてもよい。慣性誘導システムを用いる際に、垂直方向ではなく水平方向の動きにジャイロスコープが調整されるため、自動案内車両がトレーラ50に入るときに積込みドックに対する搬送体50の垂直方向の如何なる位置ズレも、慣性誘導システムに影響しない。当業者であれば、実施形態によっては、較正の問題の排除又は、積荷からの重さが加わったときの搬送体の設定によって嵩の高い積荷が搬送体の上面に接触しないことを保証するため、各自動案内車両が独自で搬送体のデータ・プロファイルを作成することが有益であるとこを認識するだろう。実施形態によっては、特定の地点で慣性誘導システムを再較正したい場合、搬送体及び積込みエリア内の特定の固定された位置のデータ・プロファイルを作成して、システムに対する自動案内車両の較正を行うことが望ましい。
【0055】
当業者であれば理解可能であるが、自動案内車両は一般にフォーク及び積荷60を車両の後方に位置付けた状態で前方へ走行する。従って、図8のポジションAに到達する前に自動案内車両は、一般に積荷60又はフォーク対16が搬送体50に面するように動作する。その後自動案内車両は、必要があれば、搬送体を感知してデータ・プロファイル及び搬送体パスを作成し、積荷60から先に搬送体50の中へ移動する。搬送体を出ると次の積荷をピックアップするので、自動案内車両は、積荷60を配置すると搬送体からポジションAまで戻り、一般に車両がスローダウン、又は、停止しないようにプロファイル間又はシステム間の切り替えを行う。もちろん場合によってはセンサ100をフォークの反対側に配置して、トレーラのデータ・プロファイルを作成するため、センサ100の視界を開けてもよい。本実施形態においては、ポジションAは、積荷60が側壁54に接触することなく積荷が先に搬送体50に入るように、自動案内車両が180度回転して、搬送体パスに位置合わせができるよう入口部52から十分離れた位置に配置されている。
【0056】
自動案内車両は、最大限の積荷が車両に置けるよう積込みを行うため、自動案内車両は一般に計算したパスの端に到達すると積荷を下ろし、その積荷を搬送体の床に沿って残りの距離を押す。駆動ホイール上の電流センサを用いることにより、積荷が前回の積荷と接触したこと、そして、積荷が搬送体上の前回の積荷に対して密着して下ろされたことを判断することができる。
【0057】
上述した実施形態の変更例として、本発明は、自動案内車両が積荷位置とポジションAの間を走行する間に特定の間隔での更新等、定期的な更新を行ってもよい。定期的な更新により、あらゆるホイールのスリップによるエラーも修正される一方で、位置の連続的な更新を行うための追加的な必要処理や連続的な更新において自動案内車両のパスを連続的に修正することによる搬送体に対する積込みの効率の低減が最小化する。定期的な更新の間隔は、主たる第1の誘導システムの型式及び主たる第1の誘導システムの正確さによって異なる。定期的な更新の間隔は、通常は特定の時間、自動案内車両の走行距離又は時間と距離の要素を組み合わせたもの等の他の要素に設定される。更新回数を最小化することにより、漸進的かつ不必要な誘導修正等の不必要な処理を防いでいる。多くのコース修正を行うことは、搬送体50に対して積込みを行う自動案内車両の速度を減少させる可能性があるので、搬送体に対する積込みの速度や効率性を減少させてしまう虞がある。より具体的には、少しの位置確認及び更新を加えた方法により、自動案内車両が搬送体の外側、例えばポジションAの位置から予定された積荷位置(又は、搬送体に対する積下ろしを実行している場合、積下ろし位置)まで移動するときの効率が最大となる。自動案内車両が主たる第1の誘導システムを使い続け、更新はこの主たる第1の誘導システムに対してされるものであることに留意することが重要である。システムは、上述した実施形態の1つに関して説明したように、第2の誘導システムへ切り替えない方が好ましい。そのため、この追加的な方法のステップにより、システムは、誘導システムによる制限又は環境要因によるエラーにより引き起こされる誘導エラーを容易に修正することが可能となる。
【0058】
多くの誘導エラーは、搬送体の床の上の水蒸気、氷、液体、オイル又は他の物質によるホイールのスリップによって起こる。様々な搬送体が搬送体に対する積込みを行う際、時間と共にこれらの物質が搬送体内に延びるドックランプや積込みベイの床に運ばれることがある。例えば、搬送体は通常、様々な製品が輸送される複数の施設において用いられるので、搬送体が時間と共に誘導エラーを引き起こす可能性のある様々な滑りやすい物質を蓄積してしまうことが多い。不連続的かつ定期的な更新を実行することで、システムは、処理に必要な電力を最小化しつつあらゆる潜在的なエラーを修正するため、自動案内車両の搬送体に対する積込みに係る効率性や速度が最大化する。
【0059】
システムは、上述のような距離測定センサ20又は30、より好ましくはセンサ100等の任意のセンサを用いてよい。自動案内車両10が搬送体50に入るときにセンサ100を用いることは、計画された走行パスが既知であり、搬送体の内部を走査する又はプロファイルする、少なくとも最初の自動案内車両からポジションAで受信したデータとセンサデータを簡単に比較することができるので、特に有利である。
【0060】
自動案内車両10は、慣性誘導システムを主たる第1の誘導システムとして含む場合、センサ100は、ホイールが2回転から3回転する毎等、定期的な間隔でセンサ100を起動して搬送体の内部の像を作成し、そして、このデータをコントローラに提供し処理する。センサ100は、搬送体内の自動案内車両10の位置のプロファイルを3次元的、又は少なくとも2次元的に提供するように構成されていてもよい。それに対し、センサ20及び30のそれぞれは、搬送体内の1次元的なデータを提供する。そのため、誘導システムにとっては、少なくとも2次元的な更新を行って自動案内車両の位置のエラー確認をすることが非常に有利である。センサ100が、レーザレーダ、光学又はレーザ誘導システム等の主たる第1の誘導システム用のセンサである実施形態においては、誘導システムは、更新間では推測航法を用いてよい。これにより、自動案内車両が高価な慣性センサを必要としなくなる。
【0061】
実施形態によっては、センサ100を車両ではなく、自動案内車両10の通路上でない場所で、かつ、搬送体50の内部が十分に見える場所である積込みドックの任意の場所に含まれていてもよい。例えば、積込みベイのドア及び搬送体50へのドアを開けるとすぐにセンサが自動的に撮像し、所望の位置に対するオフセットや傾斜等を含む搬送体の実際の位置のデータ・プロファイルを作成できるように、搬送体に面する各積込みベイから6フィートほど離れた位置にあってもよい。この更新されたデータ・プロファイルは、その後中央コントローラに記録され、それにより、各自動案内車両に対して走行経路又は搬送体パスが提供されるため、搬送体の位置のデータ・プロファイルを作成し、中央コントローラを更新して自動案内車両用の走行パスを確定するというステップを少なくとも最初の自動案内車両に関して省くことができる。従って、中央コントローラは所望の走行パスを作成でき、自動案内車両は車両走行パスの標準データ・プロファイルを用いる慣性誘導システムを用いてポジションAまで走行可能となる。そして、ポジションAに到達すると、ポジションAのデータ・プロファイルを予定された走行パスから実際の搬送体50への走行パスへ切り替えるので、停止することなく、多くの場合にはスローダウンさせすることもなく、搬送体50の中へと停止せずに移動することができる。センサが自動案内車両の外に位置する場合、センサは、積込みベイエリア80内または各トレーラの上方又は各トレーラの間等、積込みベイの外側に位置していてもよい。自動案内車両用の更新されたデータ・プロファイルを提供するためには、一般に搬送体50の水平方向の傾斜及びオフセットだけを確定する必要がある。
【0062】
図には搬送体の中にパレット対を運搬できるように2組のフォーク対を有する車両として自動案内車両を示しているが、場合によっては、1組のフォーク対を有する車両を用いて積荷を並べて配置するための新規搬送体パスを搬送体への各パスに対して確定してもよい。
【0063】
本発明は、特にダブル・パレット・システムにおけるパレットの各側と搬送体の側壁との間に最小限の隙間しかない非常に幅の広い積荷に対して有効である。計算した搬送体パスを用いて自動案内車両10は、積荷と各側の側壁との隙間が1/2インチ(1.27cm)よりも狭い状態で搬送体に入り、搬送体50の側壁に当たることなく積荷60を配置予定位置まで移動することができると考えられる。
【0064】
上述したシステムは、自動で搬送体からの積荷の積下ろしを行うためにも用いることができる。搬送体からの積荷の積下ろし動作は、実質的に上述した搬送体への積荷の積込み動作と同様である。しかしながら、パレットが搬送体50の開口部付近に配置されるような完全に満載状態の搬送体50において自動案内車両は、データ・プロファイルを作成するために搬送体50を感知することなしにこのパレットを積下ろしてもよい。最初のパレットが下ろされた後又は、搬送体50が満載状態でない場合、自動案内車両は、トレーラの側壁及び位置を感知して搬送体50の傾斜及び水平方向のオフセットを確定してもよい。積荷60が連続的に自動案内車両から下ろされる際、センサ100によって最初に測定された部分的に積み込まれた搬送体の側壁の量は限られるので、データ・プロファイルにおけるエラーを減らために後続の自動案内車両がトレーラのデータ・プロファイルを作成してもよい。各パレット又は積荷60が搬送体50から下ろされると、側壁54のより多くの部分が見えるようになり、より正確なデータ・プロファイルが作成可能となる。システムは、前回とそれに続くデータ・プロファイルの間の差異が閾値レベルより小さくなったとき、搬送体の傾斜やオフセット及び各後続の自動案内車両に対する所望の搬送体パスを確定してもよい。トレーラ上のパレットの位置ズレのためにトレーラ内の位置合わせを一旦微調整するために、当技術分野で公知の何れかのパレット・ポケット感知システムを用いてフォークをパレット・ポケット内に合せてもよい。積込みエリア80の天井から吊るされる場合のようにセンサ100が自動案内車両から離れて位置する実施形態においては、搬送体からの積下ろしにおいて、センサ100は積荷60を上面から見ることができるため、搬送体の内部に関するエラーが最小限の完全なデータ・プロファイルを作成することができ、積荷が満載の搬送体についても搬送体の傾斜及びオフセットを正確に確定することができる。各自動案内車両が搬送体50のデータ・プロファイルを作成する必要はないので、搬送体から積み下ろすために自動案内車両の外にセンサを配置させることにより、より有効なシステムを提供することができる。
【0065】
センサ100が自動案内車両上に位置していない実施形態においては、システムは、各自動案内車両がセンサを含むシステムと同様、誘導システムによって確定された自動案内車両の予定された位置に対する自動案内車両の実際の位置のエラーを確認するために定期的な更新を行ってもよい。一般的に、上述したようなシステムは、自動案内車両がポジションAから予定された積荷位置まで動くときに定期的な間隔で搬送体50を再プロファイルするが、自動案内車両から離れたセンサを用いる。そのため、センサのデータから、搬送体のもともとのプロファイルと比較して、自動案内車両10の実際の位置を確定してもよい。位置に関する如何なるずれも、自動案内車両に対し不一致に関するデータを提供するシステムによって修正することができる。
【0066】
センサ100が自動案内車両上に位置する場合、センサが積荷を下又は上から見ることができるような位置に配置することが好ましい。施設によって積荷60のタイプが異なるので、センサを車両の下部に配置して積荷60の下を見て搬送体50の内部を感知することが好ましい。通常、このタイプの配置は地面から少なくとも4〜6インチ(10.16〜15.24cm)ほど離れており、2重フォーク自動案内車両上では、予定された好ましい位置が自動案内車両の水平方向のほぼ中央で、7.5インチ(19.05cm)地面から離れている。もちろんセンサは、搬送体50の側壁54、好ましくは搬送体50への開口部を画定する側壁の端壁を含む側壁54の位置の許容できる読取を受け取り可能な位置ならどこに配置してもよい。センサ100を積荷60の通常運搬位置の下に配置した状態にあることで、動いている間に自動案内車両は、トレーラのデータ・プロファイルを作成することができるため、停止することなく、ポジションAにおいてセンサが提供した新しいデータ・プロファイルによって確定される更新された走行パスに切り替えることができる。
【0067】
上述したように、センサ100を用いて搬送体の床57又は搬送体のルーフ58のどちらか一方の相対位置を確定することにより、パレットの最後の数点又は搬送体50の入口部52のすぐ内側の積荷60等のような搬送体の端における積込みに関して選択肢ができる。搬送体50に対する積込み及び積下ろしを行う上記方法は、全てのタイプの搬送体に対して有効であるが、搬送体50の端部近傍の積荷60の積込み及び積下ろしは困難な場合がある。より具体的には、図11に示したように、自動案内車両のより多くの部分が載っている支持面が積荷60、具体的にはパレット72が、下ろされるまたは移動される面に対して角度を有する場合、フォークがパレット72から取り外される又は挿入される際、自動案内車両10のパレット・フォーク16がパレット72と干渉することで困難が生じる可能性がある。パレット72には、フォーク対16が積荷60を持ち上げるために挿入されるパレット・ポケット74を有する。積荷60を所望の位置に運んだ後、フォーク対16は、積荷を置いて、積荷60から取り外される。図11に示すよう、積込みベイの床85又はドック・ランプ86等のような自動案内車両10が載っている面に対して角度を有する搬送体の床57等の面に積荷60が載せられる場合、自動案内車両は、積荷を正確に下ろし、自動案内車両がポケットからフォークを取り出すときに下ろされた位置に留まることを保証することが困難であり、又、搬送体50からの積下ろしを行う場合、自動案内車両がフォークをポケットに挿入して積荷60をピックアップすることが困難である。パレット・ポケット74は狭いので、面同士の角度の僅かに異なることで、パレット・ポケット74の上部表面又は下部表面の一方にフォーク端66が当たり、パレット・ポケット74の上部表面又は下部表面の他方に水平セグメント62の移行セクション68に最も近い位置が当たる。上記の説明及び説明図から容易に理解できるように、この接触により搬送体50の入口部又は端部52での操作中に問題が起こる場合がある。より具体的には、自動案内車両が搬送体に入ると、ホイール12及び14は、搬送体の床57に位置するようになるので、自動案内車両の支持面は積荷の支持面と同じとなるため、搬送体の奥部にある積荷に関しては問題がない。従って、図面から明らかなように、ドア55又は入口部52の内側の1つ又は2つのパレットについては、自動案内車両10が、搬送体の床57に対して角度を有するドック・ランプ86又は積込みベイエリア85の上に留まった状態で積荷を配置しようとするため、問題が存在することがある。
【0068】
上述したように、自動案内車両がポジションAに到達するとセンサ100は、搬送体を走査して搬送体の床57又は搬送体のルーフ58のうちの少なくとも一方を確定する。搬送体のルーフ58及び搬送体の床57は、通常平行であり、通常、自動案内車両が搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的な高さと搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的角度を確定するために、これらの表面のうちの一方だけを確定すればよい。又、センサ100が搬送体50の位置を走査するときは、搬送体50の積込みベイの開口部82又はドック壁83に対する相対的位置を確定してもよい。この搬送体50のドック壁83に対する位置と、搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的な角度及び高さの違いを併せて確定することにより、自動案内車両10又はシステムコントローラが搬送体50の内部へ延びるドック・ランプ86の相対的角度を確定できるようになる。必要に応じて自動案内車両は、ドック・ランプ86が搬送体内部にどのくらい延びるかを更に確定してもよい。従って、積荷60を搬送体50の端部の近傍に配置するためにシステムは、上述した誘導システムに従い、搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的角度及び相対的な垂直方向の変位を確定する。自動案内車両は必要に応じてドック・ランプ86の相対的位置及び角度も確定する。
【0069】
この通りに搬送体50の相対的位置を自動案内車両10が確定することで、自動案内車両10は、搬送体の床57に対して角度を有する支持面上の端に位置するときに、パレット72が搬送体の床57又は搬送体のルーフ58に確実に触れないように所望の高さまで積荷60を持ち上げた状態で搬送体50に入ることができる。所望の位置に積荷60がある状態で自動案内車両10は、傾斜機構40を用いて昇降機構18又はフォーク・キャリッジの一方を傾けてもよい。昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17の相対的傾斜を確定するために傾斜センサ(図示せず)を含んでもよい。図11は傾斜した昇降機構18を示す図であるが、当業者であれば分かるように、フォーク・キャリッジ17が傾斜している間に昇降機構18は静止したままでもよい。昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17を傾斜させることで、自動案内車両10は、自動案内車両10の支持面とパレット60の支持面の相対的角度の違いを埋め合わせてもよい。この埋め合わせにより自動案内車両は、積荷を搬送体の床57に確実に配置することが可能となり、そして、フォーク対16を実質的に干渉がないとされる最小限の干渉でパレット・ポケット74から取り出すことが可能になり、積荷60の位置が実質的に変わらないようにできる。
【0070】
積荷60を搬送体50内に下ろす際に、搬送体50の外側又は部分的に搬送体50の中にある自動案内車両10の支持面と搬送体の床57の相対的位置の間に険しい相対角度がある場合、昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17を傾斜機構40によって傾斜させる際に複数の調整が必要である。より具体的には、搬送体のルーフ58までの隙間が最小限の嵩の高い積荷等に対しては、搬送体の長軸に沿った自動案内車両の動きに合せて複数の傾斜機構40による角度調整が必要となることがある。例えば、自動案内車両10が搬送体50に入るにつれて傾斜機構40は、協調した傾斜運動、具体的には、自動案内車両10の前進する動きと協調した動きをすることが必要となる。そのため、最小限の隙間の積荷に対しては、パレット72は、積荷が搬送体のルーフ58又は搬送体の床57に対して接触しないようにほぼ弓状の動きをする。従って、自動案内車両10が搬送体の内部に進むにつれて、傾斜機構40は積荷60に徐々に角度をつけるので、パレット72の前縁は搬送体の床57とは接触しない。そしてパレット72は、搬送体の床57の所望の位置に配置される。そして、積荷60を下ろす間フォーク対16は下げられ、自動案内車両は、進む方向を搬送体50から出る方向に逆向きする。パレット・ポケット74内の隙間が極小であるため、フォーク対16がパレット・ポケット74に接触しないことを保証するために、フォーク対16もまた、一般に自動案内車両が搬送体を出るにつれて、徐々に角度がつけられる。フォーク対16がパレット・ポケット74を実質的に持たない状態になると、自動案内車両10は続けてポジションAに戻り、同時に、傾斜機構40、具体的には、昇降機構18及びフォーク・キャリッジ17のうちの一方を実質的に垂直な位置に戻す。
【0071】
上述したように、自動案内車両上のコントローラ又はシステムコントローラは、自動案内車両の支持面と搬送体の床57の相対角度を測定して、自動案内車両が搬送体50を出たり入ったりする際の積荷60又はフォーク対16に要求される傾斜及び、必要であれば、自動案内車両の動きと協調したフォーク対16の動きを確定してもよい。これにより、搬送体50の端部での積込み又は入口部に最も近い場所での積込みがスムーズかつ効率的に行われるので、自動案内車両10が搬送体50の入口部52に積み込むときに積荷の配置が移動したりズレたりすることを確実に防止することができる。上述したシステムは、搬送体50に対する積下ろしを改善するために図に説明したように逆にしてもよい。より具体的には、自動案内車両が、フォーク対16を少なくとも入口部52又は搬送体50の端部の最初の積み荷60のパレット・ポケット74に延ばす際、自動案内車両は、搬送体50の確定された相対的位置を利用して傾斜機構40を用いるフォーク対16の位置合せをしてパレット・ポケット74内のフォーク対16の干渉を防止してもよい。自動案内車両は、パレット・ポケット74に入る際のフォーク対16の動きを調整して自動案内車両が前方へ動いてもフォーク対16がパレット72に確実に接触しないことようにしてもよい。センサ100が積荷を積み込まれた搬送体50をポジションAにおいて測定する場合、積荷60が搬送体の床57を測定するのを干渉することがあるので、センサは、搬送体のルーフ58を測定することになっている。もちろん、実施形態によっては、センサは積込みベイのドアの外側又は搬送体の積込みエリア80の先の積込み施設の外側に配置されて、搬送体50の相対的位置を確定することで個々の自動案内車両10が搬送体を走査する必要性を無くしてもよい。施設内にあり自動案内車両10上にはないセンサも、搬送体50の床又はルーフの一方を計測して自動案内車両又はシステムコントローラにそれを通信してもよい。外部のスキャナの利用は、積込みベイの施設に対する搬送体の位置を確定させ、積荷を適切に配置するとともに入口部52に最も近い積荷を積込んだり積み下ろしたりするために必要な情報で自動案内車両を更新する中央コントローラと通信してもよい。
【0072】
実施形態によっては、搬送体は自動案内車両が搬送体に対して積荷を積み込む間に側壁がなく平坦になっている。これらの状況において自動案内車両は、搬送体の床や床部と地面への急落の間の明確な縁を感知してもよい。従って、自動案内車両は、トレーラの側壁がないことを走査するように構成されてもよい。
【0073】
以上の説明は、本発明の例示的施形態を開示する。当業者には本発明が、これら実施形態の構成に限定されず、以下の請求項で定義される発明の本質及び妥当な範囲から離れることなく種々の可能な変形構成を含み得ることが理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁及び入口部を有する搬送体に対して自動案内車両(AGV)を用いて積込みを行う方法であって、
積荷を前記自動案内車両に係合させるステップと、
前記自動案内車両を誘導システムを用いてポジションAまで案内するステップであって、前記ポジションAは前記搬送体の外に位置する、ステップと、
前記積荷を前記搬送体上の所望の積荷位置に下ろすための搬送体パスを確定するステップと、
前記自動案内車両を、前記誘導システムを用いて確定した前記搬送体パスに沿って前記所望の積荷位置まで案内するステップと、
前記自動案内車両が前記確定した搬送体パスに沿って走行するときに、前記搬送体に対する前記自動案内車両の位置を確定するステップと
前記積荷を前記搬送体の前記所望の積荷位置に下ろすステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記積荷を所望の積荷位置に下ろすための搬送体パスを確定する前記ステップは、センサを用いて前記搬送体の内部をプロファイルするステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記搬送体に対する前記自動案内車両の位置を確定する前記ステップは、センサを用いて前記搬送体の内部をプロファイルするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送体に対する前記自動案内車両の前記位置を決定する前記ステップは、定期的な間隔で行われる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記定期的な間隔は、連続的には行われない請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記定期的な間隔は、おおむね1秒間に30回発生する請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記センサは、前記自動案内車両から離れて位置する請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記センサは、前記自動案内車両上に位置する請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記確定された搬送体パスに沿って前記自動案内車両を案内する前記ステップは、前記自動案内車両が前記確定された搬送体パスに沿って走行するときに前記搬送体の内部をプロファイルする前記ステップの間に受信したデータを用いて前記確定された搬送体パスからのあらゆるずれを確定するステップを更に含む請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記確定された搬送体パスからのあらゆるずれを確定する前記ステップにおけるずれの確定に応じて前記確定した搬送体パスと合わせるために前記自動案内車両の前記走行パスを修正するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記自動案内車両を前記確定された搬送体パスに沿って案内するときに、前記搬送体の前記側壁の少なくとも1つまでの距離を測定するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
搬送体パスを確定する前記ステップは、LADARセンサ、レーザーセンサ、音響センサ又は光学センサを用いて前記搬送体の内部をプロファイルするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記自動案内車両を前記確定された搬送体パスに沿って案内するときに、前記搬送体の縁を感知するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記自動案内車両が搬送体上にある間に、1秒間に35回を超えないように少なくとも1度前記搬送体の前記プロファイルを更新するステップを更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
側壁及び入口部を有する搬送体に対して自動案内車両(AGV)を用いて積込みを行う方法であって、
積荷を前記自動案内車両に係合させるステップと、
前記自動案内車両を主たる第1の誘導システムを用いて前記搬送体の前記入口部の外側の位置まで案内するステップと、
少なくとも前記搬送体の前記入口部をプロファイルするステップと、
前記搬送体の外の前記位置から前記搬送体の前記入口部を通過する前記自動案内車両用の走行パスを確定するステップと、
前記搬送体内において前記搬送体上の積荷位置まで前記自動案内車両を案内し、前記搬送体内において前記積荷位置まで前記自動案内車両を案内するときに、前記搬送体の前記内部を少なくとも1回プロファイルするステップと、
前記搬送体内の前記自動案内車両を前記積荷位置から前記搬送体の前記入口部外側の位置まで案内するステップと、を含む方法。
【請求項16】
走行パスを確定する前記ステップは、前記自動案内車両が前記搬送体の前記入口部を通過する前に前記搬送体の内部をプロファイルするステップを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動案内車両を前記搬送体内において案内する前記ステップは、第2の誘導システムによって実行される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記自動案内車両を前記搬送体内において案内する前記ステップは、前記主たる第1の誘導システムによって実行される請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記搬送体内において前記自動案内車両を案内する前記ステップは、センサを用いて少なくとも1つの側壁からの距離を求め、同時に前記自動案内車両の前記走行パス内のあらゆる障害物を判断するステップを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記搬送体内において前記自動案内車両を前記所望の積荷位置まで案内する前記ステップは、前記搬送体の前記プロファイルから確定される前記所望の搬送体パスからのあらゆるずれを修正するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記搬送体内において前記自動案内車両を案内する前記ステップは、前記主たる第1の誘導システムが、前記自動案内車両が前記搬送体パスに実質的に沿っていると予測すると、前記搬送体内における前記プロファイルを更新するステップを更に含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記搬送体をプロファイルする前記ステップは、前記搬送体内で少なくとも1回発生するがおおむね1秒間に35回を超えない請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記自動案内車両が前記確定された搬送体パスに沿って案内されるときに、前記搬送体の床の前記縁を感知するステップを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項1】
側壁及び入口部を有する搬送体に対して自動案内車両(AGV)を用いて積込みを行う方法であって、
積荷を前記自動案内車両に係合させるステップと、
前記自動案内車両を誘導システムを用いてポジションAまで案内するステップであって、前記ポジションAは前記搬送体の外に位置する、ステップと、
前記積荷を前記搬送体上の所望の積荷位置に下ろすための搬送体パスを確定するステップと、
前記自動案内車両を、前記誘導システムを用いて確定した前記搬送体パスに沿って前記所望の積荷位置まで案内するステップと、
前記自動案内車両が前記確定した搬送体パスに沿って走行するときに、前記搬送体に対する前記自動案内車両の位置を確定するステップと
前記積荷を前記搬送体の前記所望の積荷位置に下ろすステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記積荷を所望の積荷位置に下ろすための搬送体パスを確定する前記ステップは、センサを用いて前記搬送体の内部をプロファイルするステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記搬送体に対する前記自動案内車両の位置を確定する前記ステップは、センサを用いて前記搬送体の内部をプロファイルするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送体に対する前記自動案内車両の前記位置を決定する前記ステップは、定期的な間隔で行われる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記定期的な間隔は、連続的には行われない請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記定期的な間隔は、おおむね1秒間に30回発生する請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記センサは、前記自動案内車両から離れて位置する請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記センサは、前記自動案内車両上に位置する請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記確定された搬送体パスに沿って前記自動案内車両を案内する前記ステップは、前記自動案内車両が前記確定された搬送体パスに沿って走行するときに前記搬送体の内部をプロファイルする前記ステップの間に受信したデータを用いて前記確定された搬送体パスからのあらゆるずれを確定するステップを更に含む請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記確定された搬送体パスからのあらゆるずれを確定する前記ステップにおけるずれの確定に応じて前記確定した搬送体パスと合わせるために前記自動案内車両の前記走行パスを修正するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記自動案内車両を前記確定された搬送体パスに沿って案内するときに、前記搬送体の前記側壁の少なくとも1つまでの距離を測定するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
搬送体パスを確定する前記ステップは、LADARセンサ、レーザーセンサ、音響センサ又は光学センサを用いて前記搬送体の内部をプロファイルするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記自動案内車両を前記確定された搬送体パスに沿って案内するときに、前記搬送体の縁を感知するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記自動案内車両が搬送体上にある間に、1秒間に35回を超えないように少なくとも1度前記搬送体の前記プロファイルを更新するステップを更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
側壁及び入口部を有する搬送体に対して自動案内車両(AGV)を用いて積込みを行う方法であって、
積荷を前記自動案内車両に係合させるステップと、
前記自動案内車両を主たる第1の誘導システムを用いて前記搬送体の前記入口部の外側の位置まで案内するステップと、
少なくとも前記搬送体の前記入口部をプロファイルするステップと、
前記搬送体の外の前記位置から前記搬送体の前記入口部を通過する前記自動案内車両用の走行パスを確定するステップと、
前記搬送体内において前記搬送体上の積荷位置まで前記自動案内車両を案内し、前記搬送体内において前記積荷位置まで前記自動案内車両を案内するときに、前記搬送体の前記内部を少なくとも1回プロファイルするステップと、
前記搬送体内の前記自動案内車両を前記積荷位置から前記搬送体の前記入口部外側の位置まで案内するステップと、を含む方法。
【請求項16】
走行パスを確定する前記ステップは、前記自動案内車両が前記搬送体の前記入口部を通過する前に前記搬送体の内部をプロファイルするステップを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動案内車両を前記搬送体内において案内する前記ステップは、第2の誘導システムによって実行される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記自動案内車両を前記搬送体内において案内する前記ステップは、前記主たる第1の誘導システムによって実行される請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記搬送体内において前記自動案内車両を案内する前記ステップは、センサを用いて少なくとも1つの側壁からの距離を求め、同時に前記自動案内車両の前記走行パス内のあらゆる障害物を判断するステップを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記搬送体内において前記自動案内車両を前記所望の積荷位置まで案内する前記ステップは、前記搬送体の前記プロファイルから確定される前記所望の搬送体パスからのあらゆるずれを修正するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記搬送体内において前記自動案内車両を案内する前記ステップは、前記主たる第1の誘導システムが、前記自動案内車両が前記搬送体パスに実質的に沿っていると予測すると、前記搬送体内における前記プロファイルを更新するステップを更に含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記搬送体をプロファイルする前記ステップは、前記搬送体内で少なくとも1回発生するがおおむね1秒間に35回を超えない請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記自動案内車両が前記確定された搬送体パスに沿って案内されるときに、前記搬送体の床の前記縁を感知するステップを更に含む請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−519800(P2011−519800A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507565(P2011−507565)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/041887
【国際公開番号】WO2009/134739
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(595057306)ジエービス・ビー・ウエブ・インターナショナル・カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/041887
【国際公開番号】WO2009/134739
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(595057306)ジエービス・ビー・ウエブ・インターナショナル・カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
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