説明

積重貨物固定装置及び使用方法

【課題】輸送中にアイテムを固定する改良された装置及び方法を提供する。
【解決手段】積み重ねた貨物用荷物固定装置は、一対の積み重ねた貨物アイテムのそれぞれの側面部に係合するようになされた接触面を有する本体部材を備えている。ストラップのようなフレキシブルメンバーの一端を前記本体部材に取り付ける。そのフレキシブルメンバーは、積み重ねたアイテムの間に形成されたスペースを通るように配置し、その他端部を積み重ねたアイテムを支持するキャリヤーに固定する。好適には、また積み重ねたアイテムの両側に力が作用することが予期される場合には、荷物固定装置を、積み重ねたアイテムの輸送中に生じる力が両方向に耐えるように積み重ねたアイテムのいずれかの側に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積重貨物固定装置、特に輸送中に貨物に作用する力、特に横方向の力に抵抗するように積重貨物の一部に接続するようになされた装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2004年12月15日付出願に係る米国仮出願第60/636,014号に基づく米国特許法第119条(e)項に規定の優先権の主張を伴うものである。
【0003】
先行技術においては、パレット、他の支持構造物あるいは平床式トレーラー等のキャリヤー上に載せた輸送中の荷物を荷物固定用のフレキシブルメンバーで張力をかけてキャリヤーに固定することは周知である。特に、木材やパイプ等を輸送する際は、特にそうである。このような場合、1本あるいは複数本のベルトが、荷物の上あるいは積み重ねた荷物の間にかけらる。通常、まずベルトの一端が次いで同他端がキャリヤーに取り付けられる。その後、ベルトに適切な張力をかけて荷物を定位置に固定する。図1は、積み重ねた貨物を固定するための一般的な配置であり、荷物ペア1、3、及び5が、支持構造物すなわちキャリヤー9の表面7上に積み重ねられている。ベルト11は、荷物3と5の間に介在され、ベルト13の端部が一般的な方法でウィンチメカニズム15でキャリヤーに固定されている。図示されていないが、キャリヤー9の反対側でも同様に取り付けられている。図示されていないが、別のベルトが荷物ペア5上にかけられるべきである。
【0004】
多層あるいは多重に積み重ねたアイテムを輸送する際における一つの大きな問題点は、輸送中に作用する加速度によってアイテムが相対的にずれ動いてしまいやすいことである。ずれ動くと、積み重ねたアイテムが不安定な状態になり、キャリヤーから落下する可能性がある。この問題は、図1に示すように積み重ねた2つあるいはそれ以上のアイテムの中間層にとって特に重大である。先行技術による固定方法は、中間アイテムの安定性を向上させるものであるが、そのアイテムは、その上下のアイテムとの摩擦接触によってかろうじて固定されているだけであり、急カーブを曲る車両あるいは荒海に遭遇した船舶に搭載されていた場合に生じる加速力で横方向にずれ動く可能性が依然としてある。
【0005】
従って、輸送中により良好に荷物を固定する改良された装置及び方法を提供する必要性がある。本発明は、荷重、とくに積み重ねたアイテムの輸送中に生じる横向き荷重に効果的に抵抗する荷物固定装置を提供してその必要性に応じるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、輸送中に積重アイテムを固定するための改良された装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、積み重ねた荷物やアイテムの側部に係合させてその荷物やアイテムの輸送中に生じる力に抵抗力を付与するようになされた荷物固定装置を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、1あるいは複数セットの積み重ねた荷物あるいはアイテムの輸送中にそれらの側部を支持するように構成された装置を提供することによってその荷物あるいはアイテムを固定する方法を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、当該荷物固定装置が既存のリングおよび、ベルトあるいはストラップと共に使用される荷物固定装置サブコンビネーションを提供することにある。
【0010】
他の目的及び利点は、説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様の一つは、少なくとも第1及び第2荷物を提供することによってキャリヤー上に積み重ねたアイテムを固定する方法を含み、前記第1荷物はキャリヤー面上に載置され、前記第2荷物は前記第1荷物上に積み重ねたものであり、前記第1荷物と前記第2荷物との間にスペースを形成する。第1荷物抵抗部材を、各荷物の一側部に配置し、第1フレキシブルメンバーを用いて前記キャリヤーに固定する。ここで前記第1フレキシブルメンバーの一端は前記第1荷物抵抗部材に取り付け、他端は前記キャリヤーに固定し、前記第1フレキシブルメンバーは前記スペースを介して配置する。
【0012】
第1及び第2荷物の位置に応じて、第2荷物抵抗部材を各荷物の他側部に配置すると共に、前記第2荷物抵抗部材を第2フレキシブルメンバーを介して前記キャリヤーに固定し、前記第2フレキシブルメンバーの一端を前記少なくとも1つの第2荷物抵抗部材に取り付けると共に、他端を前記キャリヤーに固定し、前記第2フレキシブルメンバーを前記スペースの間に配置するようにしても良い。
【0013】
多数の第1及び第2荷物を前記キャリヤー上に配置し、第1及び第2荷物抵抗部材を用いて固定するようにしても良い。また、一対以上の第1及び第2荷物を前記キャリヤーに載置して荷物抵抗部材で隣接する荷物を固定しても良い。前記荷物抵抗部材は、荷物及びキャリヤーの形状に応じて荷物の一側又は両側あるいは両端に配置させても良い。
【0014】
本発明の他の態様は、前記荷物抵抗部材及びフレキシブルメンバーを用いた荷物固定アセンブリである。この実施形態では、荷物抵抗部材は一対の荷物支持面を備えた本体を有し、前記フレキシブルメンバーの一端が前記荷物抵抗部材の前記本体の中間部に固定される。この本体の前記中間部は前記一対の荷物支持面を区画する箇所にほぼ一致して形成されている。前記フレキシブルメンバーの他端は前記キャリヤーに固定し続いて張力をかけるようになっている。
【0015】
前記本体は、当該本体の長軸を横切るように及び/又はその長手方向に沿って延びた1又は複数の細長いリブを有するものであっても良く、前記荷物支持面は前記リブの面にほぼ直交するものである。リングあるいは他の取付部材を前記フレキシブルメンバーの一端に取り付け、前記本体の中間部がリングを保持するようにしても良い。前記本体の中間部にノッチを有し、前記フレキシブルメンバーに張力をかけている間前記リングが前記ノッチに係合するようにしても良い。前記フレキシブルメンバーはどのようなタイプのものであっても良いが、好ましいタイプには、ベルト、ケーブル、チェーン等がある。
【0016】
本発明は、また、第1及び第2本体部にそれぞれ延びた荷物支持面を有する本体としての前記荷物抵抗部材を必要とする。前記本体の長さ方向に沿った及び/又はその長さ方向を横切る1又はそれ以上の補強リブを採用しても良い。長手方向に延びたリブは前記第1及び第2本体部の前記荷物支持面にほぼ平行な方向に延びるものとしても良い。前記荷物抵抗部材は、前記第1及び第2本体部の間に形成されたノッチを有し、そのノッチは、リングが前記本体の第1及び第2本体部の間で前記本体に固定されるようにリングを係合するようになされ、そのリングは、前記荷物支持面を用いて荷物を固定するためのフレキシブルメンバーの一端に固定されるようになされている。前記ノッチは、前記第1本体部が前記本体の長さの半分を超えるように前記本体を分割する位置に配置しても良い。
【0017】
前記本体は細長く形成されても良く、前記本体の第1本体部の前記荷物支持面は、前記第2本体部の前記荷物支持面の幅より狭い幅を有するものであっても良い。前記第1本体部に対応する前記リブの第1セグメントは、前記第2本体部に形成されたリブの第2セグメントの幅より狭い幅を有するものとしても良く、その幅の相違が前記第1と第2本体部との間にストップを形成し、前記第1本体部及び第1セグメントを越えて前記リブがスライドして前記ノッチに到達することができ、前記ストップにより前記リングの回転が制限される。前記第1及び第2本体部及び/又は前記リブは開口部を有するものであっても良く、前記荷物支持面は貨物接触時に表面の保持力を増強させる1又はそれ以上の突起を有するものであっても良い。
【0018】
本発明の他の実施形態では、使用中に前記リングを前記ノッチに保持する安全機構を使用している。一実施形態では、その安全機構は、前記本体の長さ方向に沿ってスライドするハウジングを備えている。開き位置で、そのハウジングはリングの着脱のために前記ノッチを露出させる。ロック位置では、前記ハウジングの一部が前記リングがノッチ内に維持されるようにカバーする。枢軸アーム等のような使用時にリングをノッチに位置させる他の機構を採用しても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、トラックや他の車両のような運搬装置の上、あるいは例えばパレットのような、車両と共に使用されるように構成された支持構造物のような中間的キャリヤーの上に積み重ねたアイテムの輸送能力を飛躍的に向上させるものである。通常は積み重ねたアイテムの上面に抵抗力を付与し最低限の横方向の抵抗力だけをかける従来の方法とは異なり、本発明は積み重ねたアイテムの側面に抵抗力をかけることを可能にする。これによって積み重ねられたアイテムを輸送中に安定化させる著しく優れた能力を提供する。
【0020】
本発明の1実施形態を図2ないし図6に示す。特に図5Aないし図6を参照して説明すると、この荷物固定装置は、第1本体部21と第2本体部23とを有する本体20を備えている。各部は、ほぼ平らな表面25および27を有する。前記本体20は、第1および第2セグメントを有するリブ29も備えており、そのリブは本体20の長手方向に沿って延びており、前記表面25及び27に対してほぼ垂直である。このリブは、以下に説明するように、この装置を使用する際に前記本体及び前記表面25及び27を補強するものである。この本体20にはリング35とベルト37とが連結されて、以下に詳述するように、積み重ねたアイテムを固定する。
【0021】
特に図6に示すように、前記本体20には、リブセグメント31及び33と、本体部21及び23を区画するノッチ34とがある。このノッチ34は、三角形状のリング35のコーナー部をはめ込むようになされている。このリングの別の部分には、ベルト37が環状端部38で取り付けられている。前記ノッチに合わせて、本体部23の端部にエッジ36が形成されており、このエッジ36は、「A」方向の動きを阻止するように作用する。これにより、リング35が本体20に対して連結されあるいは固定された状態となり、またリング35がノッチに対して回動するのを制限し、当該装置の保持力が増強される。前記リング35が前記本体20に対して確実に係合されるように、前記リブセグメント31及び本体部21は、それぞれ対応する部分33及び23より幅が狭く設定されている。これによって、前記リング35が、本体部21とリブセグメント31に沿ってスライドして、ノッチ34およびエッジ36に係合できるようになる。三角形状のリング35を図示したが、ベルト37を前記本体20に連結するために他の形状を適用してもよい。また、アイテムを安定化するためには係止構造にすることが望ましいが、このリングは、必要であれば、例えば下記に詳述するようにノッチだけ又は別の固定手段を使用して、自由に回転する態様で本体20に連結しても良い。
【0022】
リブセグメント31と33及び本体部21と23には、それぞれ本体の重量を軽減する目的で開口部28を形成しても良い。しかしながら、開口部の形成は任意であり、本体は、開口部が必要でないとされる場合、高強度かつ軽量な材料で作成しても良い。要するところ、前記本体20は、使用中に作用する力に抵抗するのに十分な強度を有する、例えば、高力アルミ二ウム合金、チタニウム又はチタン合金、ポリマー又は複合材料等、如何なる材料で作成しても良い。もし材料が十分な強度を有するものである場合には、前記リブはオプショナルである。
【0023】
ノッチ34、端部36、リブセグメント31及び33、及び本体部21と23の構造は、リング35を本体20に固定する方法として機能するが、ここに開示されている実施例は、例示的なものであるとみなされるべきである。例えば、リング35は、必要であれば、本体20から取り外せないように固定してもよい。あるいは、リング35は、上述したように滑り込ませるようにして固定するのではなく、リブ及び/又は本体部の一つの開口部に取り付けるようにしても良い。要するところ、図示したような取り外し可能なタイプのものであれ、あるいはリングを使用する取り外せないタイプのものであれ、如何なるタイプの固定装置、即ちリングおよびベルトを使用することができる。リング35とベルト37は、図1に示された先行技術を使用してアイテムを固定するのに一般的に使用されるものであり容易に入手できるため、前記本体20は、リング35に取り外し可能なように固定されるようになされたものであることが望ましい。従って、リングとベルトが利用可能な場合、新しい方法で使用するためには、前記本体部とそれにリングを固定する手段しか必要でない。
【0024】
図2ないし図4には、荷物固定装置が使用状態で図示されている。図1のアイテムのペア1、3及び5は 図2において、2つの荷物固定装置と反対側にあるため図示されていない2つの同装置との合計4つの荷物固定装置20と共に描かれている。各リングが取り付けられたベルト37が荷物のペア3と5の間に介在された状態で、リング35が各本体20のノッチ34に取り付けられている。
【0025】
図2ないし図4において、隠れた本体20に一端部が取り付けられたベルト37が示されている。そのベルトの他の自由端は、所定のウィンチ機構15(図示略)でキャリヤーに固定されている。このウィンチ機構15は、ベルト37を張るために締められている。このように締め付けることにより、図示されていない前記本体20の本体部23が荷物5の側部に押し付けられる一方、本体20の本体部21が荷物3の側面に押し付けられる。これと同様の手順が、図示されている荷物固定装置で繰り返され、図示されている本体20が荷物3と5の側面に対して横方向に押し付けられるように隠れたウィンチ機構がベルト(図示されていない)を張るようになっている。本体20とそれをリング37に取り付ける手段がアイテムのペア3と5の各サイドに取り付けられる場合(図2参照)に固定装置を2つ使用すると、荷物に作用する横方向の力が効果的に抑えられる。
【0026】
荷物のペア1、3及び5が図2及び図4に示されているが、他の荷物も同荷物固定装置を使って固定することができる。図3は、荷物としてのチューブ状物40が固定されている代替使用法を示している。積み重ねられた荷物は、1つの荷物が別の荷物の上に積み重ねられたユニタリー貨物であっても良い。あるいは、各積み重ね貨物は、例えば図2の荷物ペア、あるいは図3のパイプの束等の2つ以上のアイテムからなるものであっても良い。
【0027】
例示した用途では、この荷物固定装置は、積み重ねた荷物ペア1,3及び5の一側部側に用いられている。しかしながら、これら装置は、横向き荷重に抵抗するように例示されているが、車両あるいは他の支持構造物上での前後方向の動きに対して抵抗するように使用しても良い。この様態では、これら荷物固定装置は、図示されているようにアイテムの対向する側部に加えてあるいはそれに代えて、貨物の前部および後部に接触するように使用しても良い。更に別の使用法では、例えば、図2及び図3に図示したように、横方向の力に抵抗するように2対の荷物固定装置を使用するなど、水平方向に同装置をいくつでも並べて使用することができる。また、これら装置を、例えば積み重ねた第1荷物と第2荷物との間、積み重ねた第2荷物と第3荷物との間、及び/又は積み重ねた第3荷物と第4荷物との間に介在させる等、積み重ねた多数の荷物あるいは貨物を固定するのに垂直方向に配置しても良い。更に、積み重ねた荷物が十分に長くかつ高くて複数の荷物固定装置を使用する必要がある場合、当該固定装置を縦方向および横方向の両方向に配置するように組み合わせて使用しても良い。
【0028】
積み重ねたアイテムを輸送するキャリヤーとして分離構造体を例示しているが、キャリヤーは海上、空中あるいは地上を移動する車両自体であれ、その車両に取り付けられる支持構造物であれ、あらゆる種類のキャリヤーを本発明に適合することができる。そのキャリヤーが、積み重ねたアイテムを支持する表面を有し、かつ例えばベルトなどのフレキシブルメンバーの一端を留めることができるような構造が、キャリヤーの一部あるいはキャリヤーに近接して有する限り、本発明に関連して使用することが可能である。同様に、積み重ねられたアイテムは、フレキシブルメンバーが動くスペースを有する限り、如何なる形及び種類のものでもよい。
【0029】
ベルトがフレキシブルメンバーの一態様として例示してあるが、ウィンチ機構あるいは他の装置がアイテムを固定するために張力をかけることを可能にするものであれば如何なる種類のフレキシブルメンバーであっても使用することができる。例えば、ケーブルやチェーンなどのより硬いフレキシブルメンバーでも、前記本体20とキャリヤーとが輸送のために張力をかけて確実に連結できる張力付与装置あるいは方法があれば、使用することができる。
【0030】
前記本体20は細長い形に形成されているが、正方形、長円形などの他の形状であっても良いと理解されるべきである。また、第1本体部21と第2本体部23との比率は、用途に応じて変更しても良い。前記本体20の主要部が21として示されているが、23の部分が主要部であっても良く、またノッチが前記本体20を分断した状態で両部が均等であっても良い。本体20は、荷物の側面との接触を最大にするために前記本体20はほぼ平らな表面25と27を持つものであることが好ましいが、表面25及び27は、必要であれば、突起部あるいは他の摩擦を増加させる特徴を持つものでもよい。
【0031】
他の使用態様において、もし荷物がその一側面にだけ力に抵抗しなければならないように配置されている場合には、たった1つの荷物固定装置だけ、あるいは複数の荷物固定装置がその荷物の同じ側面に位置するように取り付けても良い。これは、もし荷物がその動きに抵抗する壁等の動かない構造物に対して立てかけられている場合に起こりうる。そのような状況において唯一要求されることは、張力をかけるために前記ベルトの一端が固定できるようになっていることである。
【0032】
図7ないし図8Bに、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、参照符号40として示されている荷物抵抗部材の代替設計を示すものである。この部材は、高力ポリマー又はプラスチック等の非金属素材で形成されたものであり、そのために長手方向のリブ41や横方向のリブ43等の多数の補強機能を有するものである。前述のように、そのリブの使用は、ポリマーがリブなしでも荷物抵抗部材を形成できるほど十分に強いものである場合、任意である。荷物抵抗部材40も、リング35をはめ込むためのノッチ45、および前述したものと同様の第1本体部49と第2本体部51がある。使用中にリング35がノッチ45内に保持するための安全ラッチ53も備えている。
【0033】
図8Aおよび図8Bにおいて、ラッチ53は、荷物抵抗部材40の本体及び図8Aに示されている開状態と図面8Bに示されている閉状態との間にはめ込まれるU型の筐体55として形成されている。ラッチには、スロット58に入り、荷物抵抗部材40の底面と係合して、ラッチ53を荷物抵抗部材40に取り付けるのを補助する(1つしか示されていない)リップ56がある。ラッチ53には、ハウジング55の一側面から延びて、リング35がノッチ45にかみ合わされた後にそれを保持するように成形されたアーム57が設けられている。より詳細に、アーム57は、図8Bに示されているように曲った形になっていて、その自由端は、リング35がノッチから外れないようにする機能を果たすものである。アーム57は、ハウジング55を開状態にする時、自由端がリング35の上に持ち上げられるような弾力を多少持つものである。安全ラッチは、リングをノッチにかみ合わせるアームをもつスライディングハウジングとして示されているが、例えば、リングを保持するためにアームがラッチされた状態に旋回するようにラッチのアームが、荷物抵抗部材に枢動可能に取り付けられるなど、他のラッチ装置あるいは手段を、使用中にリングをノッチに保留するために使用されてもよい。開くには、アームを反対の方向に旋回して、リングを外すために保管する状態にラッチする。
【0034】
本発明は、前述した目的のそれぞれあるいは全てを満たす好ましい実施形態として開示し、輸送中に貨物を固定するための改良された装置及び方法を提供するものである。
【0035】
当然ながら、本発明の精神と範囲から外れないように当業者によって本発明の教示に多様な変更及び修正が考慮される可能性がある。本発明は、添付クレームの条件だけによって制限されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、積み重ねた貨物を固定する先行技術の斜視図である。
【図2】図2は、本発明を用いた積み重ねた貨物の斜視図である。
【図3】図3は、本発明を用いた積み重ねた貨物の斜視図である。
【図4】図4は、図2の部分拡大図である。
【図5A】図5Aは、本発明の固定装置の上面図である。
【図5B】図5Bは、本発明の固定装置の側面図である。
【図6】図6は、リングとベルトを備えた貨物固定装置の拡大斜視図である。
【図7】図7は、貨物固定装置の代替貨物抵抗部材の斜視図である。
【図8A】図8Aは、安全ラッチの操作を示す、図7の貨物固定装置の側面図である。
【図8B】図8Bは、安全ラッチの操作示す、図7の貨物固定装置の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねたアイテムをキャリヤーに固定する方法であって、
a)少なくとも第1及び第2荷物を準備し、
ここで前記第1荷物はキャリヤー面上に載置し、前記第2荷物は前記第1荷物上に積み重ね、スペースを前記第1及び第2荷物間に形成させる、かつ
b)少なくとも1つの第1荷物抵抗部材を各荷物の一側部に配置すると共に、前記少なくとも1つの第1荷物抵抗部材を第1フレキシブルメンバーを介して前記キャリヤーに固定し、
ここで前記第1フレキシブルメンバーの一端は前記少なくとも1つの第1荷物抵抗部材に取り付け、他端は前記キャリヤーに固定し、前記第1フレキシブルメンバーは前記スペースを介して配置する、そしてオプションとして、
c)少なくとも1つの第2荷物抵抗部材を各荷物の他側部に配置すると共に、前記少なくとも1つの第2荷物抵抗部材を第2フレキシブルメンバーを介して前記キャリヤーに固定する、
ここで前記第2フレキシブルメンバーの一端は前記少なくとも1つの第2荷物抵抗部材に取り付け、他端は前記キャリヤーに固定し、前記第2フレキシブルメンバーは前記スペースを介して配置する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
多数の第1及び第2荷物を前記キャリヤー上に配置し、前記第1及び第2荷物のそれぞれをステップ(b)、及びオプションとしてステップ(c)に従って、固定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1、第2及び第3荷物を前記キャリヤー上に積み重ね、
少なくとも1つの第3荷物抵抗部材を、第2及び第3荷物の一側部に接触させると共に第3フレキシブルメンバーを使って前記キャリヤーに固定し、
ここで前記第3フレキシブルメンバーの一端は前記少なくとも1つの第3荷物抵抗部材に固定し、他端は前記キャリヤーに固定し、前記第3フレキシブルメンバーは前記第2及び第3荷物間のスペースに介在させる、
そしてオプションとして、
少なくとも1つの第4荷物抵抗部材を、前記第2及び第3荷物の他側部に接触させると共に第4フレキシブルメンバーを使って前記キャリヤーに固定し、
ここで前記第4フレキシブルメンバーの一端は前記少なくとも1つの第4荷物抵抗部材に取り付け、他端は前記キャリヤーに固定し、前記第4フレキシブルメンバーは前記第2及び第3荷物間の前記スペースに介在させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2荷物抵抗部材を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第3及び第4荷物抵抗部材を用いる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記荷物の前記側部は、横方向の側部あるいは前後方向の側部のいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
キャリヤー上に載置されたアイテムを固定するための荷物固定装置であって、
a)一対の荷物支持面を有する本体を備えた荷物抵抗部材と、
b)フレキシブルメンバーと、を有し、
前記フレキシブルメンバーの一端は、前記荷物抵抗部材の前記本体の中間部に固定され、前記一対の荷物支持面を区画するものであり、前記フレキシブルメンバーの他端は、前記キャリヤーに取り付けられ、続いて張力をかけられるようになっている、ことを特徴とする荷物固定装置。
【請求項8】
前記本体は、その長さ方向にのびた細長いリブを有し、前記荷物支持面が前記リブの面に対してほぼ垂直である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
更に、前記フレキシブルメンバーの前記一端に取り付けられるようになされたリングを有し、前記本体の前記中間部が、その上部に前記リングを保持するようになされている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
更に、前記フレキシブルメンバーの前記一端に取り付けられるようになされたリングを有し、前記本体の前記中間部は、ノッチを有し、前記リングが、前記フレキシブルメンバーに張力がかかっている間前記ノッチに係合されるようなされている、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記フレキシブルメンバーは、ベルト、ケーブル、チェーンのいずれかである、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記荷物支持面は、前記本体の第1及び第2部に延びており、前記ノッチが前記第1及び第2部を区画し、前記リングが前記第1部を通って前記切り欠き部に係合するようなサイズに前記第1部が形成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第2部が、前記第1部より寸法が大きく形成されて前記リングを係止するようになされている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
積み重ねたアイテムをキャリヤー上に固定する方法であって、
a)一対の荷物支持面を有する本体を備えた荷物抵抗部材と、フレキシブルメンバーと、を準備するステップと、
ここで前記フレキシブルメンバーの一端は前記荷物抵抗部材の前記本体の中間部に固定し、前記フレキシブルメンバーの他端は自由端とする、
b)キャリヤー上に垂直方向に積み重ねた少なくとも2つの荷物を準備するステップと、
c)前記2つの積み重ねた荷物の間に形成されたスペースに前記フレキシブルメンバーを配置するステップと、
d)前記フレキシブルメンバーの前記自由端を前記キャリヤーに取り付けるステップと、
e)前記本体の各荷物支持面が各荷物のそれぞれの側部に接触して前記荷物抵抗部材の方向に作用する力に抵抗するように、前記フレキシブルメンバーに張力をかけるステップと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
多数の荷物抵抗部材を、横方向に配列して用いる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記積み重ねた荷物が、縦方向に積み重ねられて一対のスペースが形成された少なくとも3つの荷物を含むものであり、ステップ(a)、(c)、(d)及び(e)が、各スペースを用いて行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
荷物固定装置であって、
a)第1及び第2本体部上にそれぞれ延びた荷物支持面を有する本体と、
b)前記本体の長さに沿って形成されかつ前記第1及び第2本体部の前記荷物支持面にほぼ平行な方向に延びた少なくとも1つのリブと、
c)前記第1及び第2本体部間に形成されたノッチとを有し、
前記ノッチは、リングを前記本体の第1及び第2本体部間で係合して前記本体に固定するようになされており、前記リングは、前記荷物支持面を用いて荷物を固定するためのフレキシブルメンバーの一端に固定されるようになされている、ことを特徴とする荷物固定装置。
【請求項18】
前記ノッチは、前記第1本体部が前記本体の長さの半分を超えるように前記本体を区画するものである、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記本体が、細長いものである、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記本体の第1本体部の前記荷物支持面が、前記第2本体部の前記荷物支持面の幅よりも小さい幅を有し、前記第1本体部に整列された前記少なくとも1つのリブの第1セグメントは、前記第2本体部に整列された前記少なくとも1つのリブの第2セグメントの幅より小さい幅を有し、その幅の相違が、第1及び第2本体部間にストップを形成し、かつ前記リングが前記第1本体部及び第1セグメントを越えてスライドするようになされ、前記ストップが前記リングの回転を阻止するようになされている、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記第1本体部、前記2本体部及び前記少なくとも1つのリブのうち1つ以上が、開口部を有するものである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記荷物支持面は、貨物接触時にその表面の保持力を増強するための1あるいはそれ以上の突起部を備えている、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
a)第1及び第2本体部上に延びた荷物支持面を有する本体と、
b)前記本体の長さに沿って形成され、かつ前記第1及び第2本体部の前記荷物支持面にほぼ平行な方向に延びた少なくとも1つのリブと、
c)前記第1及び第2本体部間にリングを固定するための手段とを有し、
前記リングは、前記荷物支持面を用いて荷物を固定するためのフレキシブルメンバーの一端に固定するようになされている、ことを特徴とする荷物固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2008−524082(P2008−524082A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546865(P2007−546865)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/045277
【国際公開番号】WO2006/065924
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507195232)マーハロ ホールディングス リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】MARHALO HOLDINGS LIMITED
【住所又は居所原語表記】45599 Pioneer Drive, Chilliwack, British Columbia V2R 2T2 Canada
【Fターム(参考)】