説明

穴埋めテスト問題作成プログラム、方法及び装置

【課題】講義ビデオのレーザーポインタ等による指示位置から講義に使用したスライド情報中の重要箇所を判断して適切な穴埋めテスト問題を自動的に作成する。
【解決手段】ポインティング情報抽出部56は講義に使用したスライドファイル22とポインティングデバイスを使用した講義ビデオのビデオファイル54から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出する。単語情報生成部60はスライドファイル22から抽出したテキスト文章を解析して単語とその位置を示す単語情報ファイル64を生成する。単語ポインティング情報生成部65は、スライドファイル22のポインティング位置に最も近い単語を推定してポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報ファイル66を生成する。穴埋め単語抽出部は、単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め問題単語ファイルとして抽出する。テスト問題作成部は、スライド情報の穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、講義に使用したスライド等のプレゼンテーション資料の一部を空白に置き換えることで穴埋めテスト問題を自動的に作成する穴埋めテスト問題作成プログラム、方法及び装置に関し、特に、プレゼンテーション資料に対しレーザーポインタのようなポインティングツールを使用した講義のビデオとの連携により穴埋めテスト問題を自動的に作成する穴埋めテスト問題作成プログラム、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社内教育や、一般の教育分野では、イー・ラーニング(e−Learning)の導入が行われつつある。イー・ラーニングは、インターネットを使った遠隔地教育で、ウェブ画面を使って行われることが多い。また、イー・ラーニングでは講師が生徒の反応を確かめることができないため、WEB画面での学習の後に、WEB画面でテストを行うのが普通である。
【0003】
ウェブのテストコンテンツの作成は、コンテンツの内容を理解している専門家が、内容の重要度を考えながら作成するため、大変工数のかかる作業である。
【0004】
一方、講義ビデオを使用する形態のウェブコンテンツでは、講師は、講義の撮影中に重要な箇所は時間をかけて説明するのが普通である。講義に使用した資料から、時間をかけて説明した重要な箇所を自動的に抽出できれば、テスト問題作成の自動化が可能となる。
【0005】
このような穴埋めテスト問題を作成するための従来技術としては以下のようなものが知られている。
【0006】
(1)画面上に表示された文書中の任意の文字をポインティングデバイスによる簡単な操作で伏せ字とした後、伏せ字を簡単な操作で表示して確認するもの(特許文献1)。
【0007】
(2)暗記学習支援装置及び暗記学習支援制御プログラムを記憶した媒体ペンにより表示された文書中から暗記学習対象とする文字列の領域を指定するもの(特許文献2)。
【0008】
(3)マスク編集部により、既に存在する教材を編集(変更)することなく、教材上の任意の領域に対し任意の時間だけマスク設定を行うことで見た目に変更を加えることができるもの。このため再利用性を高めてマスク形式問題を平易に作成することができ、学習者が教材を編集せずに見た目に変更を加えられる(特許文献3)。
【0009】
(4)学習対象文として例えば「織田信長を継いだ豊臣秀吉は、1590年小田原の北条氏を滅ぼし、全国を統一した。」を入力すると、この中から人名、地名、数字の品詞情報を持つ語をランダムに選択し、穴埋め問題の問題文、解答欄、正答を自動的に作成するもの。このため問題作成労力が軽減でき、学習者がこの装置で学習することにより、応用力が身に付き、学習効果が期待できるようになる(特許文献4)。
【特許文献1】特願平5−19163号公報
【特許文献2】特願平8−274646号公報
【特許文献3】特開平6−95583号公報
【特許文献4】特開2003−248417号公報
【特許文献5】特開2000−148079号公報
【特許文献6】特開2001−188792号公報
【特許文献7】特開平7−302036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来の穴埋めテスト問題作成にあっては、ユーザが画面を見ながら手動で穴埋め箇所を指定する方法であり、穴埋めテスト問題の自動作成とはなっていない。
【0011】
(1)のものは、画面上でユーザがマウスポインタ等で指定した箇所だけ表示と非表示の切り替えを行うものであり、手動でテスト問題を作成するための工数がかかる。
【0012】
(2)のものは、画面上でペンにより穴埋め箇所を指示するものであり、手動でテスト問題を作成するので工数がかかる。
【0013】
(3)のものは、画面上でユーザがマウスポインタ等で指定した箇所だけ表示と非表示の切り替えを行うものであり、穴埋め箇所はユーザが手動で指定するものなので、テスト問題を作成するのに工数がかかる。
【0014】
また従来の穴埋めテスト問題作成にあっては、講義資料から穴埋めテスト問題を自動作成できるが、講師が重要と思われる所以外も穴埋め箇所になってしまい、適切な問題が作成できない。即ち(4)のものは、テキストの中から人名、地名、数字の品詞情報を持つ語をランダムに選択し、穴埋め問題の問題文、解答欄、正答を自動的に作成するものであり、講師による穴埋め項目の重要度の判断がされない。
【0015】
一方、本願発明者にあっては、講義を撮影したビデオと、その講義で使用されたスライドとを同期を取ってウェブ上で再生するコンテンツの自動作成技術や、レーザーポインタを使用した講義で、レーザーポインタ情報をウェブ上で再現するコンテンツを講義ビデオから自動的に作成する技術を開発してきている(特願2004−569359)。
【0016】
講義ビデオを使用する形態のウェブコンテンツでは、講師は、講義の撮影中に重要な箇所は時間をかけて説明するのが普通である。講義に使用した資料から、時間をかけて説明した重要な箇所を自動的に抽出できれば、テスト問題作成の自動化が可能となる。
【0017】
本発明は、講義ビデオのレーザーポインタ等によるポインティング位置から講義に使用したスライド情報なかの重要箇所を判断して適切な穴埋めテスト問題を自動的に作成する穴埋めテスト問題作成プログラム、方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。
(プログラム)
本発明は、穴埋めテスト問題作成プログラムを提供するものであり、コンピュータに、
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出ステップと、
スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成ステップと、
スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定してポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成ステップと、
単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出ステップと、
スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0019】
ここで、単語情報生成ステップは、テキスト情報を形態素解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する。
【0020】
ポインティング情報抽出ステップは、
ビデオ情報のビデオフレーム単位に前記スライド情報との対応関係を同定し、
同定した前記対応関係から前記スライド単位にビデオフレームをまとめて各スライドの表示時間を検出し、更に、
ビデオフレーム単位にポインティング位置を抽出すると共にポインティング時刻を抽出して同定したスライド上のポインティング位置に変換することにより、スライド上のポインティング位置とポインティング時刻を示すポインティング情報を抽出する。
【0021】
ポインティング情報抽出ステップは、ビデオ情報に存在するレーザーポインタの輝点、パーソナルコンピュータのマウス操作に連動したマウスカーソル、指示棒の先端部位、講師の手又は指先等をポインティング位置として抽出する。
【0022】
単語ポインティングジ情報生成ステップは、スライド毎に、ポインティング位置に最も近い単語を検出してポインティング時間を割当ると共に、同じ単語のポインティング時刻を統合して各単語のポインティング時間を生成する。
【0023】
テスト問題生成ステップは、穴埋め単語情報の中から所定の制約条件を満たす穴埋め単語を抽出して穴埋めテスト問題を作成する。テスト問題生成ステップは、前記制約条件として、
一行あたりに設定した穴埋め単語数以下であること、
先行する穴埋め単語に隣接しないこと、又は、
スライド1ページに設定した穴埋め単語数以下であること、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択する。
【0024】
テスト問題生成ステップは、制約条件として穴埋め単語数を所定数以下に制限した場合、所定の優先条件に従って所定数以下の穴埋め単語を選択する。
【0025】
テスト問題生成ステップは、優先条件として、
名詞の優先させるか、又は、
英語、かたかな、漢字、ひらがな等の文字種の内の予め設定した文字種を優先させる、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択する。
【0026】
(方法)
本発明は、穴埋めテスト問題作成方法を提供するもので、
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出ステップと、
スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成ステップと、
スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定してポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成ステップと、
単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出ステップと、
スライド情報の穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成ステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0027】
(装置)
本発明は、穴埋めテスト問題作成装置を提供するものであり、
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出部と、
スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成部と、
スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定してポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成部と、
単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出部と、
スライド情報の穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成部と、
を備えたことを特徴とする。
【0028】
なお、本発明による穴埋めテスト問題作成方法及び装置の詳細は、本発明の穴埋めテスト問題作成プログラムの場合と基本的に同じであるる
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、スライドを用いた講義ビデオを使用する形態のウェブコンテンツでは、講師はスライドを用いた講義の撮影中に重要な箇所は時間をかけて説明するのが普通であり、スライド上の重要な箇所についてはレーザーホインタなどを使用して何度も指し示していることから、講義ビデオにおけるレーザーポインタなどのポインティング情報からスライド上の文章の中の重要な箇所の自動的に抽出し、重要箇所の単語を空白領域に置き換えるこで、講義内容が習得できたか否かを判定する適切な穴埋めテスト問題を自動生成することができ、従来、講師が講義スライドとは別に作成していた穴埋めテスト問題が自動的に作成でき、人為的な作成に比べて手間と時間が節減され、大幅にコストダウンすることができる。
【0030】
またビデオ撮影している講義が終了すれば、撮影した講義ビデオから、講義内容に即した適性な穴埋め問題が速やかに作成でき、タイムリーに簡単なテストを生徒に提供し、生徒の理解度チェック等に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は本発明による穴埋めテスト問題作成装置の使用環境の一例を示した説明図である。図1において、本発明による穴埋めテスト問題作成装置10は、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置で構成されている。穴埋めテスト問題作成装置10の処理には講義ビデオ情報と講義で使用するスライド情報が必要である。
【0032】
このためビデオカメラ12により、スライド14とレーザーポインタ18などのポインティングデバイスを使用した講師16による講義を撮影する。ビデオカメラ12による講義撮影映像の中には、講師16がスライド14の説明に使用しているレーザーポインタ18により指し示しているレーザースポット(輝点)20の映像が含まれる。
【0033】
このようなスライド14を使用した講義にあっては、講師16はスライド14の中の重要な箇所については時間を掛けて説明しており、その説明の際には重要箇所をレーザーポインタ18で何回も指し示しながら説明をしており、したがってスライド14上におけるレーザーポインタ18によるレーザースポット20の画像状態から、講師16が時間を掛けて説明した重要な箇所を判別することが可能である。
【0034】
ビデオカメラ12で撮影されたビデオ情報は、AVI(Audio Video Interleaving)形式などに変換して穴埋めテスト問題作成装置10に保存する。また穴埋めテスト問題作成装置10は、講義で使用したスライド情報としてパワーポイント(R)ファイルなどのスライドファイル22を入力する。このようなビデオカメラ12からのビデオ情報と講義で使用したスライドファイル22を入力した後に、講義で講師16が長い時間を掛けて説明した箇所を重要箇所と判断し、その箇所を穴埋めにした穴埋めテスト問題ファイル24を自動的に生成して出力する。
【0035】
ここで講義に使用するスライドファイル22にはテキスト文章25−1,25−2,25−3が含まれており、講義においてはスライド14上に映し出されたスライドファイル22につき、講師16はレーザーポインタ18を使用してテキスト文章25−1〜25−3の中の重要な箇所をレーザースポット20により何回も指し示しており、このレーザースポット20のビデオ画像における検出情報から重要箇所を判断し、穴埋めテスト問題ファイル24において空白26−1,26−2を形成して、穴埋めテスト問題ファイル24を作成している。
【0036】
図2は本発明による穴埋めテスト問題作成装置10のハードウェア構成のブロック図である。図2において、穴埋めテスト問題作成装置10はCPU28のバス30に対し、ビデオ入力制御部32、RAMなどのメモリ34、ディスプレイ38,キーボード40及びマウス42を接続したデバイスインタフェース36、プログラム用HDD(ハードディスクドライブ)44、データ用HDD46、形態素解析辞書用HDD48及びファイル入出力部50を接続している。
【0037】
ビデオ入力制御部32に対してはビデオカメラ12が外部接続され、図1のようにビデオカメラ12で撮影した講義の動画像がビデオ入力制御部32を通って、データ用HDD46にAVI形式などでビデオファイルとして蓄積される。一方、ファイル入出力部50に対しては、講義で使用するパワーポインタなどのスライドファイル22が接続されており、スライドファイル22をファイル入出力部50を通してデータ用HDD46に保存する。
【0038】
プログラム用HDD46には本発明による穴埋めテスト問題作成プログラムがアプリケーションプログラムとしてインストールされている。このような穴埋めテスト問題作成装置10は、パーソナルコンピュータのハードウェア環境により実現される。
【0039】
穴埋めテスト問題作成装置10を起動すると、即ちコンピュータにおけるアプリケーションプログラムとしてインストールされているプログラム用HDD44の穴埋めテスト問題作成プログラムをメモリ34に読み出して実行すると、データ用HDD46から、保存されている講義のビデオ情報と講義で使用したスライド情報がメモリ34に読み込まれ、講義で講師が長い時間を掛けて説明した箇所を重要箇所と判断し、その箇所を空白とした穴埋めテスト問題が作成され、作成された穴埋めテスト問題は穴埋めテスト問題ファイル24に、例えばHTML形式に変換して保存される。
【0040】
図3は本発明による穴埋めテスト問題作成装置10の機能構成のブロック図であり、図2において、メモリ34にプログラム用HDD45からローディングされた穴埋めテスト問題作成プログラムをCPU28で実行することにより実現される機能である。
【0041】
図3において、穴埋めテスト問題作成装置10は、穴埋めテスト問題作成プログラムを実行するためのアプリケーション実行環境52を備える。アプリケーション実行環境52には、ビデオファイル54、ポインティング情報抽出部56、ポインティング情報ファイル58、単語情報生成部60、単語情報ファイル64、単語ポインティング情報生成部65、単語ポインティング情報ファイル66、穴埋め問題単語抽出部68、穴埋め問題単語ファイル70、テスト問題作成部72及び制約条件ファイル71が設けられる。
【0042】
なお単語情報生成部60に対してはビデオファイル54と同様、図2のデータ用HDD46によるスライドファイルが設けられることになるが、これは外部のスライドファイル22と同じ内容であることから省略している。また単語情報生成部60に対しては、外部的に形態素解析辞書ファイル62が設けられている。
【0043】
ポインティング情報抽出部56は、講義で使用したスライドファイル22とポインティングデバイスを使用したビデオファイル54の講義のビデオ情報から、スライドごとにスライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出して、ポインティング情報ファイル58に格納する。
【0044】
単語情報生成部60は、講義に使用したスライドごとに、スライドの中からテキスト情報を抽出し、抽出したテキスト情報につき形態素解析辞書ファイル62に基づく形態素解析を実行して単語とその位置座標を求め、単語情報ファイル64に格納する。
【0045】
単語ポインティング情報生成部65は、ポインティング情報ファイル58及び単語情報ファイル64からスライドごとにポインティング情報と単語情報を読み込み、スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して、ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成し、単語ポインティング情報ファイル66に格納する。
【0046】
この単語ポインティング情報が生成されると、スライド中の各単語についてレーザーポインタで指し示したポインティング時間が得られており、ポインティング時間が長いほど講師が時間を掛けて説明した重要箇所を表わすことになる。
【0047】
穴埋め問題単語抽出部68は、単語ポインティング情報ファイル66からスライドごとに単語ポインティング情報を読み込み、単語ポインティング情報の中の各単語について割り当てられているポインティング時間の中から予め定めた所定時間以上、即ち所定の重要度を示す閾値以上となるポインティング時間を持つ単語を穴埋め単語として抽出し、穴埋め問題単語ファイル70に格納する。
【0048】
テスト問題作成部72は、穴埋め問題単語ファイル70からスライドごとに穴埋め単語を読み込み、スライド情報の穴埋め単語の領域を空白領域に設定して穴埋めテスト問題を作成し、例えばHTML形式に変換して、穴埋めテスト問題コンテンツとして穴埋めテスト問題ファイル24に出力する。
【0049】
ここでテスト問題作成部72に対しては制約条件ファイル71が設けられており、必要に応じて制約条件ファイル71に格納されている制約条件を使用して穴埋めテスト問題を作成することもできる。
【0050】
制約条件ファイル71に格納されている制約条件としては
(1)1行当たりに設定した所定の穴埋め単語数以下であること。
(2)先行する穴埋め単語に隣接しないこと。
(3)スライド1ページに設定した所定の穴埋め単語数以下であること。
【0051】
更に、制約条件ファイル71には優先条件が設定される。これはスライド1ページまたは1行当たりの穴埋め単語数を所定数に制限した際に、その候補となる穴埋め単語のポインティング時間が同一のものが多数存在するような場合に、制限数を満足する単語を抽出する優先順位を設定する。この優先順位としては例えば次のものを設定する。
(1)名詞を優先させる。
(2)英語、カタカナ、漢字、ひらがななどの文字種のうち、予め設定した文字種を優先させる。例えば英語、カタカナの単語を、漢字、ひらがなの単語より優先させる。
【0052】
このような制約条件ファイル71における制約条件及び優先条件は、問題作成対象となる講義内容や受講生のレベル、講師の意向などに基づき、必要に応じて適宜の制約条件及び優先条件を設定してテスト問題作成処理に反映させることができる。
【0053】
図4は本発明の処理対象となる講義で使用したスライドファイルの説明図である。図4において、スライドファイル22は例えばパワーポイント(R)ファイルであり、スライド上にはテキスト文章25が表示されている。
【0054】
図5は図4のスライドファイル22を使用した講義のビデオ画像である。図5において、ビデオ画像74は、図1のようにビデオカメラ12でスライド14を使用した講師16による講義の様子を撮影した1シーンであり、ビデオ画像74の中にスライド画像76が映し出されている。
【0055】
このような図4のスライドファイル22及び図5のビデオ画像74を、図3の穴埋めテスト問題作成装置10に入力して、講師が長い時間を掛けて説明した重要箇所をレーザーポインタによるレーザースポットにより指し示した位置に基づいて抽出して穴埋めテスト問題を作成する際には、図5のビデオ画像74の中からスライド画像76を画像処理により切り出し、画像情報として図4のスライドファイル22とスライド画像76の同期を取る処理を行った後に、スライド画像76の中からポインティング情報を生成し、また図4のスライドファイル22の中から単語情報を生成し、両者を結合することで単語ポインティング情報を抽出し、ポインティング時間の長い単語を穴埋め単語として抽出してテスト問題を生成することになる。
【0056】
図6及び図7は、図3の穴埋めテスト問題作成装置10に設けたアプリケーション実行環境52の機能による本発明の穴埋めテスト問題作成処理の手順を示した説明図である。
【0057】
図6において、まず図3の単語情報生成部60による処理が行われる。単語情報生成部60は、対象となる例えば3枚のスライドファイル22−1〜22−3を読み込み、スライドファイル22−1〜22−3のそれぞれからテキスト情報を抽出してテキスト情報ファイル82−1〜82−3を作成するテキスト情報抽出処理80を実行する。
【0058】
このテキスト情報ファイル82−1〜82−3のそれぞれにつき、形態素解析辞書ファイル62を使用して形態素解析処理84を実行し、スライドごとに単語情報ファイル64−1〜64−3を作成する。単語情報ファイル64−1〜64−3は、各スライドにおいて抽出したテキスト情報の形態素解析で得られた単語と、その座標位置を格納している。
【0059】
一方、図3のポインティング情報抽出部56は、スライドファイル22−1〜22−3と、これを使用した講義内容を持つビデオ情報としてビデオフレーム78−1〜78−3nを読み込み、両者の対応付け処理88を実行する。対応付け処理88は、スライドファイル22−1〜22−3のそれぞれが映っているビデオフレーム78−1〜78−3nを対応付けする(同定)。対応付け処理88によりビデオフレームとスライドの対応関係が特定された対応情報ファイル90が作成される。
【0060】
続いて対応情報ファイル90を対象に、スライドそれぞれにつき表示時間検出処理92を実行し、スライド表示時間ファイル94を作成する。スライド表示時間の検出は、対応情報ファイル90について各スライドに属するビデオフレームの全フレーム時間の合計した時間を検出する。
【0061】
更に図3のポインティング情報抽出部56は、図6においてポインティング情報検出処理95を実行し、スライド毎にポインティング情報ファイル58−1〜58−3を作成する。ポインティング情報検出処理95は、例えばスライドファイル22−1を例にとると、スライドファイル22−1に対応するビデオフレーム78−1〜78−nのそれぞれにおけるレーザーポインタによるスポットのポインティング座標とその時刻を抽出し、更にビデオフレーム上のポインティング座標についてはスライド上の座標に変換する。この処理結果として、スライドごとのポインティング情報として座標(スライド座標)と時刻が出力されることになる。
【0062】
図6のポインティング情報検出処理95の詳細は図8に示している。図8において、ビデオフレーム78−1〜78−3nは、対応付け処理によってスライド22−1にビデオフレーム78−1〜78−nが対応付けられ、スライド22−2にビデオフレーム78−(n+1)〜78−2nが対応付けられ、更にスライド22−3にビデオフレーム78−(2n+1)〜78−3nが対応付けられている。
【0063】
このようなビデオフレーム78−1〜78−3nとスライド22−1〜22−3が対応付けられる同定が済むと、スライド22−1〜22−3につき、対応付けられたビデオフレーム78−1〜78−3nのフレーム時刻t1〜t3nからスライド22−1〜22−3の表示時間100−1〜100−3を検出する。
【0064】
スライド22−1の表示時間T1は、対応付けられたフレームの開始時刻t1から終了時刻tnまでの時間である。スライド22−2の表示時間T2は、対応付けられたフレーム時刻tn+1から終了時刻t2nまでの時間である。更にスライド22−3の表示時間T3は、対応付けられたフレーム時刻t2n+1からフレーム時刻t3nまでの時間である。
【0065】
更に、スライド22−1〜22−3毎に、対応付けられたビデオフレーム78−1〜78−3nに撮像されているレーザーポインタのポインタP1〜P3nのそれぞれにつき、ポインティング情報ファイル58−1〜58−3が作成される。例えばスライド22−1に対応付けられたビデオフレーム78−1,78−2を例にとると、レーザーポインタによるポインタP1の座標は(x1,y1)であり、時刻t1が格納される。また次のビデオフレーム78−2については、ポイントP2の座標(x2,y2)とその時刻t2が格納される。
【0066】
なお図8のビデオフレーム78−1〜78−3nについては、全てのフレームにレーザーポインタによるポインタが映っている場合を例にとっているが、これは説明を簡単にするためであり、実際のビデオ画像では講義の状況によりポインタが映ったり映らなかったりしていることはもちろんである。
【0067】
再び図6を参照するに、図3の単語情報生成部60及びポインティング情報抽出部56の処理により、スライドごとに単語情報ファイル64−1〜64−3及びポインティング情報ファイル58−1〜58−3が作成されたならば、続いて図7の処理に移行する。図7は図3における単語ポインティング情報生成部65及び穴埋め問題単語抽出部68による処理手順を示している。
【0068】
まず単語ポインティング情報生成部65にあっては、スライドごとに作成された単語情報ファイル64−1〜64−3及びポインティング情報ファイル58−1〜58−3を読み込み、単語ポインティング情報生成処理96を実行し、単語ポインティング情報ファイル66−1,66−2,66−3を作成する。この単語ポインティング情報生成処理96の詳細は図9に示される。
【0069】
図9(A)は、図7のポインティング情報ファイル58−1と単語情報ファイル64−1を対応するスライド22−1上に説明を分かりやすくするために表示したもであり、スライド22−1上には、単語情報ファイル64−1の内容である単語W1〜W7と、ポインティング情報ファイル58−1のポインタP1〜P6が表示されている。
【0070】
図9(B)はスライド22−1に基づく単語ポインティング情報の生成処理の手順である。図9(B)において、ポインティング情報58−1は、ポインタP1〜P6につきスライド22−1上の座標PP1〜PP6とポインティング時刻t1〜t6を格納している。一方、単語情報ファイル64−1は、単語W1〜W7と、その座標WP1〜WP7を登録している。
【0071】
したがって、ポインティング情報ファイル58−1と単語情報ファイル68−1に基づき、図9(A)のスライド22−1上におけるような単語W1〜W7の配置及びポインタP1〜P6の配置が得られる。
【0072】
次にポインタP1〜P6の順番に、それぞれのポインタにつき最も近い位置にある単語を判定する。この例ではポインタP1,P2は単語W1に最も近く、ポインタP3は単語W2に最も近く、ポインタP4は単語W6に最も近く、更にポインタP5,P6は単語W7に最も近い。
【0073】
したがって、これらの関係から図9(B)のポインタ・単語対応情報102が中間的なワーク情報として作成される。このポインタ・単語対応情報102につき、同一の単語における時刻を1つにまとめ、これに単語の座標を組み合わせることで、単語ポインティング情報68−1が生成される。単語ポインティング情報ファイル66−1は、単語、座標、時刻で構成されており、各単語につきレーザーポインタにより指し示している時刻、具体的にはフレーム時刻がまとめられている。
【0074】
ここでフレーム時刻は一定の時間間隔を持つことから、時刻t1〜t6はそれぞれフレーム単位時間として扱うことができる。フレーム単位時間をTとすると、(t1,t2)=2T、t3=T、t4=T、(t5,t6)=2Tとして時間に変換することができる。
【0075】
単語ポインティング情報ファイル66−1を作成する際のポインタと単語の距離の検出は、例えば図10のようにして行われる。図10はスライド22−11上に単語104が配置された場合であり、単語104は単語領域の座標として左上隅と右下隅の2つの座標点の座標を持っている。この左上隅と右下隅の2点の座標を持つことで、矩形の単語104の領域を特定することができる。
【0076】
単語104に対しては破線のように、縦横に仕切られた8つの領域106〜120が周囲に形成される。そして、単語104の矩形領域の各辺の外側の領域108,112,116,120については、その領域に存在するポインタP2,P4,P6,P8から辺に垂線を下ろした距離を検出する。これに対し単語104のコーナーに対応した領域106,110,114,118については、その領域に存在するポインタP1,P3,P5,P7と各コーナーを結んだ直線の距離を検出する。
【0077】
図11は本発明により作成された穴埋めテスト問題の表示画面の説明図である。図11において、穴埋めテスト問題画面122には、本発明により作成された穴埋めテスト問題124が表示される。穴埋めテスト問題124は、図4に示した講義に使用したスライドファイル22につき、ビデオ情報に映っているレーザーポインタによるレーザースポットに基づき、講師が時間を掛けて説明した重要箇所である単語を抽出し、抽出した単語を空白とし、更にこの例では(問1)〜(問5)を割り当てている。
【0078】
穴埋めテスト問題124の右側には、ヒントとして関連語126のダイアログが表示される。また穴埋めテスト問題124の下部には解答欄128が設けられている。解答欄128については、問1、問2、問3、問4、問5のそれぞれにつき答えの記入欄が設けられている。また解答欄としては、「問1の答え」の右側に示すように「A:WWW,B:WBT,C:Internet,C:CBT」のように選択問題とすることもできる。
【0079】
なお、この穴埋めテスト問題124については、図3における制約条件ファイル71による制約条件は特に設定していないことから、例えば(問1)(問2)については1行に問題が連続して割り当てられている。また穴埋めテスト問題124としては、関連語126や解答欄128を設けず、(問1)〜(問5)の部分をカッコ書きやボックスなどの単なる空欄とし、ここに直接、回答を書き込める問題形式としてもよい。
【0080】
図12は本発明による穴埋めテスト問題作成処理のフローチャートであり、図3を参照して説明すると次のようになる。まずステップS1で、ファイル入出力部50を介してスライドファイル22を単語情報生成部60に読み込み、ステップS2でスライドごとにテキスト情報を抽出する。
【0081】
続いて、ステップS3で形態素解析辞書ファイル62に基づきスライドごとにテキスト情報を形態素解析し、ステップS4で単語情報ファイル64を作成する。続いて、ステップS5でビデオファイル54により講義ビデオファイルをポインティング情報抽出部56に読み込み、ステップS6でビデオフレームとスライドの対応情報とスライド表示時間情報を作成する。次にステップS7で、フレームごとにポインティング座標とポインティング時刻を検出し、ポインティング座標をスライド座標に変換したポインティング情報を作成してポインティング情報ファイル58に格納する。
【0082】
ここでステップS1〜S4の単語情報の作成処理と、ステップS5〜S7のポインティング情報の作成処理は、並行処理として同時に実行するようにしてもよい。
【0083】
続いてステップS8で、単語ポインティング情報生成部65により単語ポインティング情報を作成して単語ポインティング情報ファイル66に格納する。続いてステップS9で穴埋め問題単語抽出部68が単語ポインティング情報から閾値時間以上の単語を抽出し、ステップS10で穴埋め問題単語ファイル70をスライドごとに作成する。続いてステップS11で穴埋め問題単語ファイル70を対象に必要に応じて制約条件ファイル71の制約条件に基づく穴埋め単語の絞り込み処理を行う。
【0084】
次にステップS12で、テスト問題作成部72がスライドごとに得られた穴埋め単語のスライド上の位置を、空白あるいはカッコ書きあるいは(問1),(問2)というように変換し、穴埋めテスト問題を作成する。そしてステップS13で、例えばHTML形式に変換して穴埋めテスト問題ファイル24に出力する。
【0085】
図13は図12のステップS8の図3における単語ポインティング情報生成部65による処理の詳細を示したフローチャートである。
【0086】
図13において、単語ポインティング情報生成部65は、ステップS1で単語情報ファイル64からスライドごとに単語情報を読み込み、またステップS2でポインティング情報ファイル58からスライドごとにポインティング情報を読み込み、ステップS3でポインタに最も近い単語を検出し、その時刻を割り当てたポインタ・単語対応情報をワーク情報として作成する。
【0087】
続いてステップS4でポインタ単語対応情報における同じ単語の時刻を統合した単語ポインティング情報を作成する。続いてステップS5で全スライドの処理済か否かチェックし、全スライドについて処理が済むまで、ステップS1〜S5の処理を繰り返す。このステップS1〜S5の単語ポインティング情報生成処理の内容は図9の処理手順に対応している。
【0088】
また本発明はコンピュータで実行される穴埋めテスト問題作成プログラムを提供するものであり、このプログラムは図12及び図13のフローチャートに従った内容を持つことになる。
【0089】
また本発明は穴埋めテスト問題作成プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供する。記録媒体とは、CD−ROM、フロッピィディスクFD(R)、DVDディスク,光磁気ディスク、ICカードなどの可搬型記憶媒体やコンピュータシステムの内外に備えられたハードディスクHDDなどの記憶装置のほか、回線を介してプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータシステム、PC並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体を含むものである。
【0090】
なお上記の実施形態にあっては、ポインティングデバイスとしてレーザーポインタを例に取るものであったが、ポインティングデバイスとしては、これ以外に、講師が使用している棒や講師の手や指先をポインタとしてビデオ画像から抽出して、そのポインティング位置とポインティング時刻を示すポインティング情報を抽出してもよい。
【0091】
またスライドを使用した講義にあっては、パーソナルコンピュータにプロジェクターを接続し、パーソナルコンピュータのディスプレイ上にパワーポイント(R)などのスライド画面を表示し、これに連動してプロジェクターでスライド表示を行う場合がある。この場合にはパーソナルコンピュータの画面上でマウスを操作しながらマウスをスライド上に表示して説明していることから、スライドのアプリケーションをマウスボタンで操作した画面を記録した講義ビデオについて、マウスポインタを対象としたポインティング情報を生成することで、そのまま適用できる。
【0092】
更に上記の実施形態は講義のビデオ画像を入力しているが、コンピュータ上でのスライド操作とマウスボタン操作につき、それぞれの操作情報を記録したデータを入力してポインティング情報を抽出するようにしてもよい。この場合には、ビデオのフレームからポインタの座標及び時刻を抽出する必要がない分、処理が簡単にできる。
【0093】
また上記の実施形態にあっては、作成された穴埋めテスト問題をHTML形式に変換して出力しているが、これに限定されず、テキスト文書、ワード文書など、テスト問題を表現できる形式であれば適宜の形式に変換して出力することができ、更にウェブのテスト問題だけではなく印刷した紙文書として出力することもできる。
【0094】
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0095】
ここで本発明の特徴をまとめて列挙すると次の付記のようになる。
(付記)
(付記1)
コンピュータに、
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した前記講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出ステップと、
前記スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成ステップと、
前記スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して前記ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成ステップと、
前記単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出ステップと、
前記スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成ステップと、
を実行させることを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(1)
【0096】
(付記2)
付記1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記単語情報生成ステップは、前記テキスト情報を形態素解析して単語とその位置を示す単語情報を生成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(2)
【0097】
(付記3)
付記1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記ポインティング情報抽出ステップは、
前記ビデオ情報のビデオフレーム単位に前記スライド情報との対応関係を同定し、
同定した前記対応関係から前記スライド単位にビデオフレームをまとめて各スライドの表示時間を検出し、更に、
前記ビデオフレーム単位にポインティング位置を抽出すると共にポインティング時刻を抽出して前記同定したスライド上のポインティング位置に変換することにより、スライド上のポインティング位置とポインティング時刻を示すポインティング情報を抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(3)
【0098】
(付記4)
付記1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記ポインティング情報抽出ステップは、ビデオ情報に存在するレーザーポインタの輝点、パーソナルコンピュータのマウス操作に連動したマウスカーソル、指示棒の先端部位、講師の手又は指先をポインティング位置として抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(4)
【0099】
(付記5)
付記1の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記単語ポインティングジ情報生成ステップは、前記スライド毎に、ポインティング位置に最も近い単語を検出してポインティング時間を割当ると共に、同じ単語のポインティング時刻を統合して各単語のポインティング時間を生成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(5)
【0100】
(付記6)
付記1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記穴埋め単語情報の中から所定の制約条件を満たす穴埋め単語を抽出して穴埋めテスト問題を作成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(6)
【0101】
(付記7)
付記6記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記制約条件として、
一行あたりに設定した穴埋め単語数以下であること、
先行する穴埋め単語に隣接しないこと、又は
スライド1ページに設定した穴埋め単語数以下であること、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(7)
【0102】
(付記8)
付記6記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記制約条件として穴埋め単語数を所定数以下に制限した場合、所定の優先条件に従って所定数以下の穴埋め単語を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。(8)
【0103】
(付記9)
付記8記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記優先条件として、
名詞の優先させるか、又は
英語、かたかな、漢字、ひらがな等の文字種の内の予め設定した文字種を優先させる、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【0104】
(付記10)
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した前記講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出ステップと、
前記スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成ステップと、
前記スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して前記ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成ステップと、
前記単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出ステップと、
前記スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成ステップと、
を備えたことを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。(9)
【0105】
(付記11)
付記10記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記単語情報生成ステップは、前記テキスト情報を形態素解析して単語とその位置を示す単語情報を生成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0106】
(付記12)
付記10記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記ポインティング情報抽出ステップは、
前記ビデオ情報のビデオフレーム単位に前記スライド情報との対応関係を同定し、
同定した前記対応関係から前記スライド単位にビデオフレームをまとめて各スライドの表示時間を検出し、更に、
前記ビデオフレーム単位にポインティング位置を抽出すると共にポインティング時刻を抽出して前記同定したスライド上のポインティング位置に変換することにより、スライド上のポインティング位置とポインティング時刻を示すポインティング情報を抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0107】
(付記13)
付記10記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記ポインティング情報抽出ステップはビデオ情報に存在するレーザーポインタの輝点、パーソナルコンピュータのマウス操作に連動したマウスカーソル、指示棒の先端部位、講師の手又は指先をポインティング位置として抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0108】
(付記14)
付記10記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記単語ポインティングジ情報生成ステップは、前記スライド毎に、ポインティング位置に最も近い単語を検出してポインティング時間を割当ると共に、同じ単語のポインティング時刻を統合して各単語のポインティング時間を生成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0109】
(付記15)
付記10記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記穴埋め単語情報の中から所定の制約条件を満たす穴埋め単語を抽出して穴埋めテスト問題を作成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0110】
(付記16)
付記15記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記制約条件として、
一行あたりに設定した穴埋め単語数以下であること、
先行する穴埋め単語に隣接しないこと、又は
スライド1ページに設定した穴埋め単語数以下であること、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0111】
(付記17)
付記15記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記制約条件として、前記制約条件として穴埋め単語数を所定数以下に制限した場合、所定の優先条件に従って所定数以下の穴埋め単語を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0112】
(付記18)
付記17記載の穴埋めテスト問題作成方法に於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記優先条件として、
名詞の優先させるか、又は
英語、かたかな、漢字、ひらがな等の文字種の内の予め設定した文字種を優先させる、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【0113】
(付記19)
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した前記講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出部と、
前記スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成部と、
前記スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して前記ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成部と、
前記単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出部と、
前記スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成部と、
を備えたことを特徴とする穴埋めテスト問題作成装置。(10)
【0114】
(付記20)
付記19記載の穴埋めテスト問題作成装置に於いて、前記ポインティング情報抽出部はビデオ情報に存在するレーザーポインタの輝点、パーソナルコンピュータのマウス操作に連動したマウスカーソル、指示棒の先端部位、講師の手又は指先をポインティング位置として抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成装置。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明による穴埋めテスト問題作成装置の使用環境の説明図
【図2】本発明による穴埋めテスト問題作成装置のハードウェア構成のブロック図
【図3】本発明による穴埋めテスト問題作成装置の機能構成のブロック図
【図4】本発明で使用するスライドファイルの説明図
【図5】本発明で使用する講義ビデオの説明図
【図6】本発明の穴埋めテスト問題作成処理の手順説明図
【図7】図6に続く穴埋めテスト問題作成処理の手順説明図
【図8】ビデオフレームからスライド毎にポインティング情報を生成する処理の説明図
【図9】単語情報とポインティング情報から単語ポインティング情報を生成する処理の説明図
【図10】図9における単語とポインタの距離の検出処理の説明図
【図11】本発明により作成された穴埋めテスト問題の表示画面の説明図
【図12】本発明による穴埋めテスト問題作成処理のフローチャート
【図13】図12のステップS8における単語ポインティング情報生成処理のフローチャート
【符号の説明】
【0116】
10:穴埋めテスト問題作成装置
12:ビデオカメラ
14:スライド
16:講師
18:レーザーポインタ
20:レーザースポット
22:スライドファイル
24:穴埋めテストファイル
25,25−1〜25−3:テキスト文章
26−1,26−2:空白
28:CPU
30:バス
32:ビデオ入力制御部
34:メモリ
36:デバイスインタフェース
38:ディスプレイ
40:キーボード
42:マウス
44:プログラム用HDD
46:データ用HDD
48:形態素解析辞書用HDD
50:ファイル入出力部
52:アプリケーション実行環境
54:ビデオファイル
56:ポインティング情報抽出部
58,58−1〜58−3:ポインティング情報ファイル
60:単語情報生成部
62:形態素解析辞書ファイル
64:単語情報ファイル
65:単語ポインティング情報生成部
66:単語ポインティング情報ファイル
68:穴埋め問題単語抽出部
70:穴埋め問題単語ファイル
71:制約条件ファイル
72:テスト問題作成部
74:ビデオ画像
76:スライド画像
78−1〜78−3n:ビデオフレーム
80:テキスト情報抽出処理
82−1〜82−3:テキスト情報ファイル
84:形態素解析処理
88:対応付け処理
90:対応情報ファイル
92:表示時間検出処理
94:スライド表示時間ファイル
95:ポインティング情報検出処理
96:単語ポインティング情報生成処理
98:穴埋め単語抽出処理
100−1〜100−3:スライド表示時間
102:ポインタ・単語対応情報
104:単語
106〜120:領域
122:穴埋めテスト問題画面
124:穴埋めテスト問題
126:関連語表示部
128:解答欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した前記講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出ステップと、
前記スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成ステップと、
前記スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して前記ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成ステップと、
前記単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出ステップと、
前記スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成ステップと、
を実行させることを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項2】
請求項1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記単語情報生成ステップは、前記テキスト情報を形態素解析して単語とその位置を示す単語情報を生成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項3】
請求項1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記ポインティング情報抽出ステップは、
前記ビデオ情報のビデオフレーム単位に前記スライド情報との対応関係を同定し、
同定した前記対応関係から前記スライド単位にビデオフレームをまとめて各スライドの表示時間を検出し、更に、
前記ビデオフレーム単位にポインティング位置を抽出すると共にポインティング時刻を抽出して前記同定したスライド上のポインティング位置に変換することにより、スライド上のポインティング位置とポインティング時刻を示すポインティング情報を抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項4】
請求項1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記ポインティング情報抽出ステップは、ビデオ情報に存在するレーザーポインタの輝点、パーソナルコンピュータのマウス操作に連動したマウスカーソル、指示棒の先端部位、講師の手又は指先をポインティング位置として抽出することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項5】
請求項1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記単語ポインティングジ情報生成ステップは、前記スライド毎に、ポインティング位置に最も近い単語を検出してポインティング時間を割当ると共に、同じ単語のポインティング時刻を統合して各単語のポインティング時間を生成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項6】
請求項1記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記穴埋め単語情報の中から所定の制約条件を満たす穴埋め単語を抽出して穴埋めテスト問題を作成することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項7】
請求項6記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記制約条件として、
一行あたりに設定した穴埋め単語数以下であること、
先行する穴埋め単語に隣接しないこと、又は
スライド1ページに設定した穴埋め単語数以下であること、
の少なくともいずれかを設定して穴埋め文字を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項8】
請求項6記載の穴埋めテスト問題作成プログラムに於いて、前記テスト問題生成ステップは、前記制約条件として穴埋め単語数を所定数以下に制限した場合、所定の優先条件に従って所定数以下の穴埋め単語を選択することを特徴とする穴埋めテスト問題作成プログラム。
【請求項9】
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した前記講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出ステップと、
前記スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成ステップと、
前記スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して前記ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成ステップと、
前記単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出ステップと、
前記スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成ステップと、
を備えたことを特徴とする穴埋めテスト問題作成方法。
【請求項10】
講義に使用したスライド情報とポインティングデバイスを使用した前記講義のビデオ情報から、スライド上のポインティング位置とポインティング時間を示すポインティング情報を抽出するポインティング情報抽出部と、
前記スライド情報から抽出したテキスト情報を解析して単語とその位置を示す単語情報を生成する単語情報生成部と、
前記スライド上のポインティング位置に最も近い単語を推定して前記ポインティング時間を割り付けた単語ポインティング情報を生成する単語ポインティング情報生成部と、
前記単語ポインティング情報から所定時間以上のポインティング時間をもつ単語を穴埋め単語として抽出する穴埋め単語抽出部と、
前記スライド情報の前記穴埋め単語に空白領域を設定して穴埋めテスト問題を作成するテスト問題作成部と、
を備えたことを特徴とする穴埋めテスト問題作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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