説明

空圧式回転補助装置

【課題】回転部に自ら発生した圧力エネルギーと回転エネルギーを加え、外部動力を補助する空圧式回転補助装置により、原資源、原動力を省エネルギー化する。また、空圧式回転補助装置を、重量の増加無しに空圧ロスの無い機構とする。
【解決手段】空気加圧装置により加圧された空気をクランクシャフトの同軸上に設置される空気圧駆動装置に送りこみ、作動させる事により、回転体の回転に要する外部動力を補助する。このとき、空気圧駆動装置のクランクピン軸内に内蔵される増速装置により空気加圧装置を増速し、空気圧駆動装置からの圧力エネルギーとは異なる回転エネルギーを出力する。また、隣接する空気加圧装置シリンダー1と空気圧駆動装置シリンダー2間において圧力タンクに代わり空気加圧装置シリンダーヘッド、空気加圧装置排気ポートと排吸気管に蓄圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の空圧式回転補助装置は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体の回転を原動力として、本発明の空圧式回転補助装置が装着される車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等にクランクシャフトが固定されるものであり、このクランクシャフト同軸上のクランクピン周囲を回転する空気加圧装置から、加圧された空気を上記のクランクシャフトの同軸上に別途設置されるクランクピンにコンロッドの一方を連結される空気圧駆動装置に送りこみ、空気圧駆動装置を作動させる事で、空気加圧装置による圧縮時の反発力でクランクピンを押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置がクランクピンを押す力により、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転に要する外部動力を補助する装置であり、これらの装置がホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等と一体化された形状と剛性を有するものである。
また本発明の空圧式回転補助装置は空気圧駆動装置のコンロッドの回転をクランクピン軸内に内蔵される増速装置により上記の回転部の回転数とは異なる回転数を取り出す事ができる出力軸を有するものであり、この出力軸が空気加圧装置と空気圧駆動装置からの圧力エネルギーとは異なる回転エネルギーを出力するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮空気を圧力タンクに充填し、圧縮空気を動力として空気圧駆動装置を駆動し車両等のホイールを回転させる機構を装着する発明、考案は存在するが、回転部と一体型で圧力タンクを有せずにホイールの回転に要する外部動力を補助する装置を有する機構、構造の装置は存在しない。
【0003】
従来、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転する装置においては、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転を摩擦係数の低減化、軽量化、変速ギアによる回転に要するエネルギーの均一化、可変ブレード、装置の流体力学上の高効率化等により、回転効率の効率化を図ってきたものであるが、本発明のように、回転体の回転を原動力として、補助エネルギーの空気圧を発生させ、その空気圧縮時の反発力、ならびに膨張時の膨張力を補助回転力として利用する機構、構造の装置は存在しない。
【先行技術文献】

【実用新案文献】
【0004】
実用新案登録第3112598号/国際公開番号PCT/JP2005/021326
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以上の技術によれば、[0004]のホイールイン式回転補助空圧装置においては圧力タンクを使用する事から、回転初動時においては空気加圧装置より圧力タンクへの充填にタイムラグがあり、空気圧駆動装置に充分な空圧が送り込まれないという問題があった。
そこで、この考案は、回転初動時より空気圧駆動装置に充分な空圧が送り込まれる機構を装置の重量増加無くして提供することを課題とする。
【0006】
また、以上の技術によれば、[0004]のホイールイン式回転補助空圧装置は圧力タンクに加圧された空気が充填された時点においても、ホイールの回転が停止した時点においてはバルブ開放位置にある空気圧駆動装置より、圧力タンクより加圧された空気が抜けるという問題点があった。
そこで、この考案は、回転停止時に空圧ロスの無い機構を装置の重量増加無くして提供することを課題とする。
【0007】
そこで、本発明の第一の課題は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転を原動力として、本発明の空圧式回転補助装置が装着される車両、船舶、航空機、あるいは発電機、産業機械等の回転部に要する外部動力を補助する装置である事である。
【0008】
本発明の第二の課題は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に空気加圧装置、空気圧駆動装置等の本発明の空圧式回転補助装置を構築する全ての装置が内蔵され、空圧式回転補助装置としての機構が完結している装置である事である。
【0009】
本発明の第三の課題は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転する本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部が回転体としての剛性を有する機構、構造の装置である事である。
【0010】
本発明の第四の課題は、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等において、装置そのものが回転する構造を有する事から回転バランスの向上の為、空気加圧装置、空気圧駆動装置等の本発明の空圧式回転補助装置を構築する全ての装置がクランクシャフトを中心軸として放射状に配置される機構、構造の装置である事である。
【0011】
本発明の第五の課題は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転を原動力として、本発明の空圧式回転補助装置が装着される車両、船舶、航空機、あるいは発電機、産業機械等において、省エネルギー化こそが社会的に求められる最大の訴求点である事から、本発明の空圧式回転補助装置が外部動力を補助する装置として、原動力の省エネルギー化を具体的に実現する装置である事である。
【0012】
本発明の第六の課題は、回転初動時より本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転方向に圧力エネルギーを加える機構、構造の装置である事である。
【0013】
本発明の第七の課題は、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転方向に圧力エネルギーを加える事に加え、上記の回転部の回転数とは異なる回転数の回転エネルギーを加える出力軸を備える機構、構造の装置である事である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上の課題を解決するために、本発明の空圧式回転補助装置は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転する本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に一体化された形状と構造を有する空気加圧装置、空気圧駆動装置等を備える事を特徴とし、空気加圧装置と空気圧駆動装置間に圧力タンクを介さない事により、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に回転初動時より回転方向に圧力エネルギーを加える機構、構造の空圧式回転補助装置であるものである。
【0015】
また本発明の空圧式回転補助装置は、空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等を備える車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等に固定されたクランクシャフトにコンロッドの一方を連結され周囲を回転する空気加圧装置により、加圧された空気を上記のクランクシャフトの同軸上にコンロッドの一方を連結される空気圧駆動装置に送りこみ、空気圧駆動装置を作動させる事で、空気加圧装置による圧縮時の反発力でクランクシャフトのクランクピンを押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置がクランクシャフトのクランクピンを押す力により、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転に要する外部動力を補助する機構、構造の装置であるものである。
【0016】
次に、本発明の空圧式回転補助装置においては、上記の空圧式回転補助装置が装着される車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等に固定されたクランクシャフトにコンロッドの一方を連結され周囲を回転する空気加圧装置と上記のクランクシャフトの同軸上にコンロッドの一方を連結される空気圧駆動装置が、空気加圧装置においてはピストン上昇時、空気圧駆動装置においてはピストン下降時にクランクシャフトのクランクを押す位置にクランク角が設定されている機構、構造の装置である事である。
【0017】
本発明の空圧式回転補助装置においては、上記の空圧式回転補助装置が装着される車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等に固定されたクランクシャフトを軸として、本発明を構成する空気加圧装置、空気圧駆動装置等がホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転方向に圧力エネルギーを加える事に加え、空気圧駆動装置のコンロッドの回転をクランクピン軸内に内蔵される増速装置により、上記の回転部の回転数とは異なる回転数を取り出す事ができる出力軸を備える機構、構造の装置である事である。
【0018】
以下の0019項より0026項において本発明の空圧式回転補助装置の機構、構造を明らかにするものである。
【0019】
本発明の空圧式回転補助装置は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部内にクランクシャフトを中心軸として空気加圧装置を構成するコンロッド、ピストン、シリンダー、吸排気バルブ、排吸気管、ならびに空気圧駆動装置を構成するコンロッド、ピストン、シリンダー、給排気バルブ等の空圧式回転補助装置を構築する全ての装置が内蔵され、空圧式回転補助装置としての機構が完結している装置である事である。
【0020】
本発明の空圧式回転補助装置は、空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部内にクランクシャフトを中心軸として回転するものであるが、中心軸となるクランクシャフトは空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー等を備える車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等に固定され回転しないものである。
【0021】
本発明の空圧式回転補助装置において中心軸となる固定されたクランクシャフトは、空気加圧装置を構成するシリンダー内のピストンが圧縮時の反発力でクランクシャフトに連結されたコンロッドを通じてクランクピンを押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置を構成するシリンダー内のピストンが押し下げられクランクシャフトに連結されたコンロッドを通じてクランクピンを押す力が連続して発生する事が望ましく、その為に給排気バルブのタイミング間隔を短く、空気加圧装置、空気圧駆動装置間の排吸気管の距離を短く構成する事からクランク角が小さく設定されるものである。
【0022】
なお、空気加圧装置を構成するシリンダー内のピストンが圧縮時の反発力でクランクシャフトに連結されたコンロッドを通じてクランクシャフトのクランクピンを押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置を構成するシリンダー内のピストンが押し下げられクランクシャフトのクランクピンに連結されたコンロッドを通じてクランクピンを押す力が連続して発生する事が望ましい事から、空気加圧装置、空気圧駆動装置を多気筒の配列とした場合、空気加圧装置、空気圧駆動装置は星型の配置とし、星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置を複列配置とする事で、それぞれにクランクシャフト同軸上に設けられるクランクピンを中心軸として回転するものである。
【0023】
したがって、上記0021項、ならびに0022項から、空気加圧装置のコンロッドが連結されるクランクピンと空気圧駆動装置のコンロッドが連結されるクランクピンはクランクシャフト同軸上において、星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置をそれぞれ9気筒とした場合は20度、星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置をそれぞれ10気筒とした場合は18度、12気筒とした場合は15度、18気筒とした場合は10度のクランク角を与えられるものである。
【0024】
本発明の空圧式回転補助装置においては、空圧式回転補助装置を構築する全ての装置がクランクシャフトを中心軸として放射状に配置される事により、空圧式回転補助装置そのものが本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の剛性体として機能する構造であるのみならず、回転体としての回転バランスに優れた構造と配置を有するものである。
また、上記0022項、ならびに0023項に記した星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置を複列配置とした事で多気筒の配列とした場合にも装置の幅が拡大する事無く、多気筒化を実現するものである。
【0025】
次に、本発明の空圧式回転補助装置においては、空気加圧装置のピストン上昇時のシリンダー内の圧縮空気の圧縮時の抵抗がコンロッドを通じクランクを押す構造を有する為に圧縮空気が空気圧駆動装置シリンダー内部で開放されるタイミングが遅い方が好ましく、その為に空気圧駆動装置の給気バルブは空気圧駆動装置シリンダーヘッド内部でスライドしピストンにより同期する特殊なスライドバルブ構造を有するものであり、ピストン上死点で開き、シリンダーヘッド上部、スライドバルブ頂部に設けられるバルブスプリングで閉じられる構造を有するものである。
【0026】
本発明の空圧式回転補助装置においては、空気加圧装置と空気圧駆動装置においては、空気加圧装置におけるボアとストロークが空気圧駆動装置のボアとストロークを上回る設定がなされるものである事から、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性ならびに本発明の空圧式回転補助装置のエネルギーにより回転する本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部が回転する限り、空気加圧装置における圧縮空気圧縮時の反発力でクランクシャフトのクランクピンを押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置がクランクシャフトのクランクピンを押す力が発生し、回転方向に圧力エネルギーを加える装置として作動するものである。
【0027】
本発明の空圧式回転補助装置においては、空気圧駆動装置のコンロッドの回転をクランクピン軸内に内蔵される増速装置により、上記の回転部の回転数とは異なる回転数を取り出す事ができる出力軸出力軸を有するものであり、この出力軸が本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に接続される事により、空気加圧装置と空気圧駆動装置からの圧力エネルギーとは異なる回転エネルギーを上記回転体に加える機構と構造を有するものである。
【0028】
前記0027項の空気圧駆動装置のコンロッドの回転をクランクピン軸内に内蔵される増速装置により増速した出力軸は、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転数とは異なる回転数を出力する事から、隣接する別途の装置を駆動する事が可能な機構と構造を有するものである。
【0029】
前記0027項、0028項の空気圧駆動装置のコンロッドの回転を増速装置により上記の回転部の回転数とは異なる回転数を取り出す事ができる出力軸は、増速装置と共にクランクシャフトの空気圧駆動装置クランクピン軸内に内蔵される構造を有する事からクランクシャフトの剛性に大きく寄与するものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明の空圧式回転補助装置は人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に一体化された形状と構造を持ち、空気加圧装置と空気圧駆動装置間に圧力タンクを介さない事により、回転初動時より空気加圧装置よりクランク角分のバルブタイミングで空気圧駆動装置へ圧縮空気が送り込まれる事から、0005項のホイールイン式回転補助空圧装置による回転初動時の圧力タンクへの充填における課題を解決したものである。
【0031】
また、本発明の空圧式回転補助装置においては、圧力エネルギーとなる空気圧は空気加圧装置と空気圧駆動装置のボア、ストロークの差により発生するものであるが、回転初動時より常時同圧の圧縮空気を空気加圧装置から空気圧駆動装置へ送り込むものであり、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部が回転する限り、回転数に関係なく回転部の回転方向に圧力エネルギーを加え、外部動力を補助するものである。
【0032】
なお、0006項に記したホイールイン式回転補助空圧装置による回転停止時の空圧ロスの課題も、圧力タンクへの充填、ならびに蓄圧の必要性が、本発明の空圧式回転補助装置においては圧力タンクを有さない事から無くなったものであり、同時に圧力タンクを使用しない事がホイールイン式回転補助空圧装置に比較して本発明の空圧式回転補助装置が機構、構造の軽量化を具現化したものである。
【0033】
本発明の空圧式回転補助装置においては、空気加圧装置のピストン上昇時のシリンダー内の圧縮空気の圧縮時の反発力がコンロッドを通じクランクを押す事により、第1段の圧力エネルギーが回転方向に加えられるものであり、次に空気圧駆動装置のシリンダーに圧縮空気が送り込まれる事でシリンダー内のピストンが押し下げられクランクシャフトに連結されたコンロッドを通じてクランクピンを押す力により第2段の圧力エネルギーが回転方向に加えられるものである。
【0034】
本発明の空圧式回転補助装置においては、空気圧駆動装置のコンロッドの回転を増速装置により増速した出力軸を有するものであり、この出力軸が本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に接続される事により、空気加圧装置と空気圧駆動装置からの圧力エネルギーとは異なる回転エネルギーが上記回転体に第3段のエネルギーとして加えられるものである。
【0035】
本発明の空圧式回転補助装置においては、本発明の空圧式回転補助装置は人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転を原動力として作動するものであり、他エネルギーを必要としないものであり、省エネルギー化を具体的に実現する装置である。
【0036】
本発明の空圧式回転補助装置においては、一般的に抵抗エネルギーとなる、空気加圧装置のピストン上昇時のシリンダー内における圧縮時の反発力をクランクシャフトを固定し空圧式回転補助装置のコンロッド、ピストン、シリンダー、給排気バルブ側が回転する事で、理想的なクランクピン位置と共に圧力エネルギーが回転方向に加えられる独特な機構と構造により、一般的な抵抗エネルギーを変換する、エネルギー変換装置として機能するものである。
【0037】
また、0033項に記した、空気加圧装置の圧縮空気を空気圧駆動装置のシリンダーに送り込まれる事でシリンダー内のピストンが押し下げられクランクシャフトに連結されたコンロッドを通じてクランクピンを押す力は0036項で使用した圧縮空気と同じものが利用される為、こちらも省エネルギー化を具体的に実現する装置である。
【0038】
なお、0034項の空気圧駆動装置のコンロッドの回転をクランクピン軸内に内蔵される増速装置により増速した出力軸は、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転が0036項、0037項の回転補助機構が作動した状態と共に作動する機構と構造であり、上記回転部とは異なる回転数を出力する事から、必要であれば、隣接する別途の装置を駆動する事が可能な機構と構造を有する省エネルギー装置であるものである。
【0039】
本発明の空圧式回転補助装置においては、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転を空気加圧装置と空気圧駆動装置からの圧力エネルギーにより補助するものであるが、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転1回転に対し常時プラスアルファの補助回転エネルギーが加わる事から、2回目の回転の原動力はプラスアルファの補助回転エネルギーが加わったものになり、さらに3回目の回転の原動力は2回目の回転の原動力にプラスアルファの補助回転エネルギーが加わったものとなるものである。
したがって、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転は回転すればするほど上昇する事から、原動力の原質である人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因のエネルギーを絞り回転数をコントロールする事により原資源の省エネルギー化を具体的に実現する装置である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化した場合のシリンダー配列とクランクピン位置、コンロッドの関連を示す概念図。
【図2】本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化した場合のシリンダー配列とクランクピン位置、コンロッドとピストンの概念図。
【図3】本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化した場合のシリンダーとクランクピン位置、コンロッドとピストンならびに増速装置の概念図。
【図4】本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化し、回転体に組み込んだ状態を示す概念図。
【図5】本発明の空圧式回転補助装置における空気加圧装置のシリンダーとシリンダーヘッドならびに吸排気バルブの概念図。
【図6】本発明の空圧式回転補助装置における空気加圧装置のピストンの概念図。
【図7】本発明の空圧式回転補助装置における空気圧駆動装置のシリンダーとシリンダーヘッドならびにスライド式バルブの概念図。
【図8】本発明の空圧式回転補助装置における空気圧駆動装置のピストンの概念図。
【図9】本発明の空圧式回転補助装置における空気加圧装置のメインコンロッドの概念図。
【図10】本発明の空圧式回転補助装置における空気圧駆動装置のメインコンロッドの概念図。
【図11】本発明の空圧式回転補助装置におけるクランクピン軸内に内蔵される増速装置の概念図。
【図12】本発明の空圧式回転補助装置を自転車のホイールに組み込んだ場合の一実施形態を示す概念図。
【図13】本発明の空圧式回転補助装置を船舶のスクリュープロペラに組み込んだ場合の一実施形態を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の空圧式回転補助装置は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転する本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部に一体化された形状と構造を有する空気加圧装置、空気圧駆動装置等を備える事を特徴とし、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等を備える車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等に固定されたクランクシャフトにコンロッドの一方を連結され周囲を回転する空気加圧装置により、加圧された空気を上記のクランクシャフトの同軸上にコンロッドの一方を連結される空気圧駆動装置に送りこみ、空気圧駆動装置を作動させる事で、空気加圧装置による圧縮時の反発力でクランクシャフトのクランクピンを押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置がクランクシャフトのクランクピンを押す力により、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転に要する外部動力を補助する機構、構造の装置であるものである事から、以下に空気の流れる順にその作動を記すものである。
【0042】
また本発明の空圧式回転補助装置は空気圧駆動装置のコンロッドの回転をクランクピン軸内に内蔵される増速装置により上記の回転部の回転数とは異なる回転数を取り出す事ができる出力軸を有するものであり、0041項の空気圧駆動装置が作動する事で、この出力軸が空気加圧装置と空気圧駆動装置からの圧力エネルギーとは異なる回転エネルギーを第3段のエネルギーとして出力されるものである。
【0043】
本発明のエネルギー要因となる空気は、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部内部において空気加圧装置のシリンダーヘッド側面に設けられる大気流入孔より、ピストンが下死点方向に作動した時点で吸気バルブを通りシリンダー内部に流入するものである。
なお、特殊な形状のピストンにはバルブが組み込まれ、ピストンが下死点方向に作動した時点でバルブが開く事によりはピストンヘッド中心よりピストン内部を気流が通過することで、ピストンの下死点方向作動時の抵抗を減少している。
【0044】
本発明の空圧式回転補助装置において、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等を備える車両、船舶、航空機、あるいは建築物、構造物等に固定されたクランクシャフトは、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体の主軸としてのみならず、本発明の中心軸としても共有あれるものであるが、空圧式回転補助装置を多気筒構成とした場合においては、前述の0023項に記したように星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置をそれぞれ9気筒とした場合は20度、10気筒とした場合は18度、12気筒とした場合は15度、18気筒とした場合は10度のクランク角を与えられた形状と構造を有し、9気筒であれば0度と20度においてコンロッドで中心軸の外周位置に設置される空気加圧装置と空気圧駆動装置のピストンへとそれぞれ連結され、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性ならびに本発明の空圧式回転補助装置のエネルギーにより回転する回転部が回転する事でピストンは必然的に空気加圧装置と空気圧駆動装置のシリンダー内部を往復する事となる。
【0045】
前述の0044項に記した空気加圧装置と空気圧駆動装置を多気筒構成とした場合においては本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体内部においてクランクシャフトを中心軸として星型に配列されるものであり、それぞれの気筒のピストンがメインコンロッドならびにサブコンロッドによりクランクシャフトのクランクピンへと連結されるものである。
この星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置がクランクシャフト同軸上のクランクピンにクランクシャフトに対し直列に配置される構造は、星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置のシリンダーが、それぞれ並列に配列される事から、多気筒化の場合においても気筒数による装置のサイズが拡大する事がない事と回転装置としてのバランス面において望ましいものである。
【0046】
本発明の空圧式回転補助装置においては人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体と空圧式回転補助装置が一体構造を有する事から前記のメインコンロッドがクランクシャフトの周囲を回転する回転数と回転体の回転数は1:1の関係式にあるものである。
【0047】
空気加圧装置のシリンダー内部に流入した大気は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転する回転体の回転により、前述の0044項に示したように空気加圧装置のピストンが上昇する機構と構造を有する事からシリンダー内の大気が圧縮され、圧縮時の反発力によりメインコンロッドとサブコンロッドが固定されているクランクシャフトのクランクピンを押す事で回転方向に圧力エネルギーを加えるものである。
【0048】
空気加圧装置のシリンダー内において圧縮された空気はピストン上死点付近で圧縮空気によりシリンダーヘッド内部に設けられる頭上弁式の空気加圧装置排気弁を開ける事により圧縮空気の状態のまま排吸気管を通じ空気圧駆動装置シリンダーヘッドに設けられる給気孔からスライドバルブ間に送られ蓄圧される。
【0049】
空気圧駆動装置のシリンダー内部におけるピストンは前述の0044項に記したように、多気筒構成とした場合、空気加圧装置のピストンが上死点に達した後にクランク角分遅れて上死点に達する機構と構造を有するものであり、当然の事ながら、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転する回転体の回転により、前述の0044項に示したように空気加圧装置のピストンが上昇する機構と構造を有するものである。
【0050】
空気圧駆動装置の給気バルブは空気圧駆動装置シリンダーヘッドならびにシリンダー内部でスライドしピストンにより同期する特殊なスライドバルブ構造を有するものであり、ピストンがスライドバルブ内で往復する構造により、ピストン上死点で給気孔が開き、シリンダーヘッド上部、スライドバルブ頂部に設けられるバルブスプリングでピストン降下時にはピストンと共に押下げられる事により給気孔を閉じる構造を有するものである。
【0051】
空気加圧装置と空気圧駆動装置間の排吸気管ならびに空気圧駆動装置シリンダーヘッドのスライドバルブ間に蓄圧された圧縮空気は、前述の0049項、0050項に記したように、空気圧駆動装置シリンダーヘッドならびにシリンダー内部でスライドしピストンにより同期する特殊なスライドバルブにより、ピストン上死点で給気孔が開き空気圧駆動装置のスライドバルブ内に開放されピストンを押し下げる事によりメインコンロッドとサブコンロッドが固定されているクランクシャフトのクランクピンを押す事で回転方向に圧力エネルギーを加えるものである。
【0052】
空気圧駆動装置のシリンダー内において開放された空気はピストンが上死点方向へ上昇する際には、シリンダーとスライドバルブ間においてはシリンダーヘッドの排気孔から排出され、スライドバルブとピストン間においてはバルブが組み込まれた特殊な形状のピストンにより、ピストンが上死点方向に作動した時点ではバルブが開きピストンヘッド中心よりピストン内部を気流が通過することでピストンの上死点方向作動時の抵抗を減少すると共に排気するものである。
【0053】
なお、0044項で記した通り空気加圧装置ならびに空気圧駆動装置のシリンダー内においてピストンはクランク角により必然的にコントロールされるものであり、0043項から0053項までの作動が本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体が意図的に停止されるか、何らかの外部要因による抵抗が回転体を停止させるまで繰り返されるものである。
【0054】
本発明の空圧式回転補助装置においては、空気加圧装置と空気圧駆動装置を多気筒構成として星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置とした場合、隣接した空気加圧装置と空気圧駆動装置の間で、前記、0043項から0053項までの作動が本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体が1回転の間に作動するものであり、星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置を、それぞれ9気筒とした場合は9回、10気筒とした場合は10回、12気筒とした場合は12回、18気筒とした場合は18回が1回転の間に作動するものである。
【実施例】
【0055】
以下、添付図に従って実施例を説明する。
【0056】
図1は、本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化した場合のシリンダー配列とクランクピン位置、コンロッドの関連を示す一実施形態である。
本発明の空圧式回転補助装置の空気加圧装置と空気圧駆動装置を多気筒構成とした場合においては本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体内部において、図1に示すようにクランクシャフトを中心軸として星型に配列されるものであり、この星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置がクランクシャフト同軸上のクランクピンにクランクシャフトに対し直列に配置される構造は、星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置のシリンダーが、それぞれ並列に配列され、それぞれの気筒のピストンがメインコンロッドならびにサブコンロッドによりクランクシャフトのクランクピンへと連結されるものである。
図中、シリンダーのボア、ストローク共に大きいシリンダーが空気加圧装置シリンダー1であり、ボア、ストロークの小さいシリンダーが空気圧駆動装置シリンダー2である。
また、空気加圧装置シリンダー1には空気加圧装置ピストンが挿入されており、空気加圧装置メインコンロッド3が空気加圧装置ピストンとクランクシャフトのクランクピンをつなぐものである。
なお、図1は一実施形態として星型空気加圧装置とした事から、空気加圧装置シリンダー1を9基装備するものであり、上記の空気加圧装置メインコンロッド3が挿入される空気加圧装置シリンダー1を1番シリンダーとすると、2番から9番までの空気加圧装置シリンダー1の空気加圧装置ピストンと空気加圧装置メインコンロッド3が空気加圧装置サブコンロッド4により連結されているものである。
また、空気圧駆動装置シリンダー2も一実施形態として星型空気圧駆動装置とした事から、空気圧駆動装置シリンダー2を9基装備するものであり、上記の空気圧駆動装置メインコンロッド5が挿入される空気圧駆動装置シリンダー2を1番シリンダーとすると、2番から9番までの空気圧駆動装置シリンダー2の空気圧駆動装置ピストンと空気圧駆動装置メインコンロッド5が空気圧駆動装置サブコンロッド6により連結されているものである。
次に、クランクシャフト位置7は本発明の空圧式回転補助装置の中心軸であり、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転する本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の中心軸を兼ねるか、その延長線上にあるものである。
また、クランクシャフトの同軸上に設けられるクランクピンは、本発明の空圧式回転補助装置の空気加圧装置の空気加圧装置メインコンロッド3が連結される空気加圧装置クランクピンとなる空気加圧装置クランクピン位置8と空気圧駆動装置の空気圧駆動装置メインコンロッド5が連結される空気圧駆動装置クランクピンとなる空気圧駆動装置クランクピン位置9となり、前述の0023項に記したように星型空気加圧装置と星型空気圧駆動装置をそれぞれ9気筒とした場合は20度、10気筒とした場合は18度、12気筒とした場合は15度、18気筒とした場合は10度のクランク角を与えられるものである。
ちなみに、図1は空気加圧装置を9気筒、空気圧駆動装置を9気筒に設定した場合の一実施形態である事から20度のクランク角を与えられるものであり、空気加圧装置メインコンロッド3は空気加圧装置クランク位置8を中心に回転し、空気圧駆動装置メインコンロッド5は空気圧駆動装置クランク位置9を中心に回転するものである。
なお、空気加圧装置シリンダー1と空気圧駆動装置シリンダー2の内部に表示される◎はピストン位置である。
【0057】
図2は、本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化した場合のシリンダー配列とクランクピン位置、コンロッドとピストンの関連を示す一実施形態であり、前記の0056項に示した空気加圧装置を9気筒、空気圧駆動装置を9気筒に設定した場合の一実施形態を基に、空気加圧装置シリンダー1に装着される空気加圧装置シリンダーヘッド10、空気加圧装置ピストン11、ならびに空気圧駆動装置シリンダー2に装着される空気圧駆動装置シリンダーヘッド12、空気圧駆動装置スライドバルブ13、空気圧駆動装置ピストン14の関連を示したものである。
【0058】
図3は、本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化した場合のシリンダーとクランクピン位置、コンロッドとピストンならびに増速装置の一実施形態を示すものであり、一例として自転車の前輪ホイール、風力発電のノーズコーン等に組み込んだ場合の空圧式回転補助装置の配置をクランクシャフトに沿った形で断面を表したものである。
図中においては回転体は本発明の空圧式回転補助装置以外に回転体自体は動力装置を有さず、本発明の空圧式回転補助装置自転車が組み込まれた自転車の前輪ホイール、風力発電のノーズコーン等が人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性等により回転するものとしての一実施形態であり、空気加圧装置シリンダー1、空気加圧装置シリンダーヘッド10、空気加圧装置メインコンロッド3、空気圧駆動装置シリンダー2、空気圧駆動装置メインコンロッド5については0056項、0057項と同様のレイアウトで圧力エネルギーによりクランクピンを押す構造であり、空気圧駆動装置クランクピン9軸内に内蔵される増速装置15は空気圧駆動装置メインコンロッド5の回転により駆動され、空気圧駆動装置クランクピン位置9を中心軸として増速装置15の遊星歯車が空気圧駆動装置メインコンロッド5に装備されるリングギヤと噛合い、上記の回転部の回転数とは異なる回転数を取り出す事ができる出力軸16を有する事で回転エネルギーが出力されるものである。
なお図3は、人力、その他の自然エネルギー等の外部動力要因により回転するホイール、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転を原動力とした場合の一例であり、図中左方のクランクシャフトは固定軸としてクランク角の設定等の機能を果たし、空気圧駆動装置クランクピン9軸内に内蔵される増速装置15内部より出力軸16として回転エネルギーが出力されるものであり、この出力軸16は本発明の空圧式回転補助装置の中心軸位置に設定されているものである。
【0059】
図4は、本発明の空圧式回転補助装置を多気筒化し回転体に組み込んだ状態の一実施形態を示すものであり、一例として自転車の後輪ホイール等に代表される回転力を機械的な機構で得ている装置に組み込んだ場合の空圧式回転補助装置の配置をクランクシャフトに沿った形で断面を表したものである。
図中においては本発明の空圧式回転補助装置が装着され一体化された形状と構造により作動する回転体としてのホイールが人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性等により回転する要素となる原エネルギーを機械的な機構により入力する装置として、ドライブシャフト17からベベルギヤ18により後輪ホイール19を回転させる機構と空圧式回転補助装置を一体化した場合の一実施形態を示したものである。
なお、本発明においては当然の事ながら回転体としてのホイールが回転する事により空圧式回転補助装置が作動する機構と構造である事から、上記の後輪ホイール19を原エネルギーで機械的な機構により入力する装置と空圧式回転補助装置は中心軸を共有している事、ホイールと一体である空気加圧装置シリンダーならびに空気圧駆動装置シリンダー以外には機構として縁が切れているものである。
図4において後輪ホイールを回転させるための原動力は、ドライブシャフト17からベベルギヤ18により角度を変えて入力され、中心軸として機能する固定軸21にベアリング22によりフロートマウントされる駆動軸20を経て、駆動軸20と後輪ホイール19間でキーを備えるワンウェイクラッチ23により、後輪ホイール19に前進方向のみの推進力を与えられるものである。
後輪ホイール19の中心軸として機能する固定軸21は本発明の空圧式回転補助装置の中心軸でもあり、また空圧式回転補助装置のクランクシャフトとして機能するものであり、空気加圧装置クランクピン8には空気加圧装置メインコンロッド3が、空気圧駆動装置クランクピン9は増速装置15を兼ね空気圧駆動装置メインコンロッド5が装着されるものである。
本図においては、空気加圧装置の空気加圧装置ピストン11が上昇時の空気加圧装置シリンダー1内の圧縮空気の圧縮時の反発力が空気加圧装置メインコンロッド3を通じ空気加圧装置クランクピン8を押す事により、第1段の圧力エネルギーが回転方向に加えられるものであり、次に空気圧駆動装置の空気圧駆動装置シリンダー2に圧縮空気が送り込まれる事で空気圧駆動装置シリンダー2内の空気圧駆動装置ピストン14が押し下げられ空気圧駆動装置クランクピン9に連結された空気圧駆動装置メインコンロッド5を通じて空気圧駆動装置クランクピン9を押す力により第2段の圧力エネルギーが回転方向に加えられるものである。
また、、空気圧駆動装置クランクピン9軸内に内蔵される増速装置15内部より出力軸16として回転エネルギーが出力されるものであり、出力軸16は後輪ホイールに直結しているものである。
【0060】
図5は、本発明の空圧式回転補助装置における空気加圧装置シリンダー1と空気加圧装置シリンダーヘッド26ならびに空気加圧装置吸気バルブ24、空気加圧装置排気バルブ25の一実施形態を示すものである。
図中においては、空気加圧装置シリンダーヘッド26は2分割され、ヘッドボルトで組み立てられるものであり、排吸気管34の装着部も含むものである。
また、空気加圧装置シリンダーヘッド26側面と頂部に設けられ、大気吸入孔である空気加圧装置吸気孔27と空気加圧装置吸気バルブ24間は吸気ポート35により空気加圧装置シリンダーヘッド26内部で通じているものであり、1気筒あたり2基の空気加圧装置吸気バルブ24と共に大気吸入効率に優れた形状と構造を有するものである。
【0061】
図6は、本発明の空圧式回転補助装置における空気加圧装置ピストン11とピストンリング29、バックアップリング30、ならびに空気加圧装置ピストン用コントロールバルブ36の一実施形態を示すものである。
図中においては、空気加圧装置ピストン11はピストン内部に気流流通装置を有し、空気加圧装置ピストン用コントロールバルブ36により、空気加圧装置シリンダー1の内部において空気加圧装置ピストン11下降時には、ピストン下部よりピストン内部を通り、ピストン頂部に設けられる空気加圧装置ピストン用排気孔37から気流が流出する事で、大気吸入時の空気加圧装置吸気バルブ24の吸入効率を補助する形状と構造を有するものである。
なお、空気加圧装置ピストン11上昇時には、空気加圧装置ピストン用コントロールバルブ36が閉じる事で通常の圧縮工程を利用した圧縮時の反発力でクランクシャフトのクランクピンを押す力が発生するものである。
【0062】
図7は、本発明の空圧式回転補助装置における空気圧駆動装置シリンダー2と空気圧駆動装置シリンダーヘッド10ならびに空気圧駆動装置スライド式バルブ13の一実施形態を示すものである。
図中においては、空気圧駆動装置スライド式バルブ13は空気圧駆動装置シリンダー2と空気圧駆動装置シリンダーヘッド10の内部において空気圧駆動装置ピストン14によりコントロールされるものであり、空気圧駆動装置ピストン14が上死点方向へ上昇時には、空気圧駆動装置ピストン14が空気圧駆動装置シリンダー2と空気圧駆動装置シリンダーヘッド10の内部において、空気圧駆動装置スライド式バルブ13を押し上げるものであるが、空気圧駆動装置シリンダー2の頂部に設けられる空気圧駆動装置排気孔38より気流が流出する事で空気圧駆動装置シリンダー2と空気圧駆動装置スライド式バルブ13間の空気圧駆動装置ピストン14の上死点方向へ上昇時の圧縮抵抗ロスを減少する形状と構造を有するものである。
なお、空気圧駆動装置ピストン14が上死点方向へ上昇時には、空気圧駆動装置スライド式バルブ13と空気圧駆動装置ピストン14間においても圧縮抵抗ロスが発生するものであるが、空気圧駆動装置ピストン14に設けられる、空気圧駆動装置ピストン用コントロールバルブにより解決するものであり、空気圧駆動装置ピストン14については下記0063項で述べるものとする。
また、上死点において空気圧駆動装置スライド式バルブ13が開き流入する圧縮空気により空気圧駆動装置ピストン14が下死点方向へ下降時には、空気圧駆動装置シリンダーヘッド内部の空気圧駆動装置スライド式バルブ13の頂部に装備するバルブスプリングの作用により、空気圧駆動装置スライド式バルブ13内部で空気圧駆動装置ピストン14が押し下げられ、下死点付近においては空気圧駆動装置スライド式バルブ13のスカート部に設けられるエッジが空気圧駆動装置ピストン14により引き下げられ下死点方向へ向かう機構と構造を有するものである。
【0063】
図8は、本発明の空圧式回転補助装置における空気圧駆動装ピストン14の一実施形態を示すものである。
図中においては、空気圧駆動装ピストン14はピストン内部に気流流通装置を有し、空気圧駆動装置ピストン用コントロールバルブ39により、空気圧駆動装置スライドバルブ13の内部において空気圧駆動装置ピストン14上昇時には、ピストン頂部の空気圧駆動装置ピストン用吸気孔40よりピストン内部を通り、ピストン下部に設けられる空気圧駆動装置ピストン用排気孔44から気流が流出する事で、空気圧駆動装置ピストン14上昇時の空気圧駆動装置排気孔38の排気効率を補助する形状と構造を有するものである。
なお、空気圧駆動装ピストン14が下死点方向へ下降時には、空気圧駆動装置ピストン用コントロールバルブ39が閉じる事で空気圧駆動装置ピストン14は空気圧駆動装置スライドバルブ13内に流入した圧縮空気の圧力により下降しクランクシャフトのクランクピンを押す機構と構造を有するものである。
【0064】
図9は、本発明の空圧式回転補助装置における空気加圧装置メインコンロッド3の一実施形態を示すものである。
頂部は空気加圧装置シリンダー1内に位置する空気加圧装置ピストン11とピストンピン45で連結され、回転中心軸はベアリングで空気加圧装置クランクピン8と連結されるものである。
なお、空気加圧装置メインコンロッド3に設けられるサブコンロッド連結位置46はサブコンロッドにより、それぞれ星型に隣接する空気加圧装置シリンダー1内に位置する空気加圧装置ピストン11とピストンピン45で連結されるものである。
【0065】
図10は、本発明の空圧式回転補助装置における空気圧駆動装置メインコンロッド5の一実施形態を示すものである。
頂部は空気圧駆動装置シリンダー2内に位置する空気圧駆動装置ピストン14とピストンピン45で連結され、中心軸は空気圧駆動装置クランクピン9にクランクとしての機能を兼ねるものであり、増速装置15の増速装置遊星歯車47と噛合うリングギヤ48を有する特徴的な形状と機構を有するものである。
なお、空気圧駆動装置メインコンロッド5に設けられるサブコンロッド連結位置46はサブコンロッドにより、それぞれ星型に隣接する空気圧駆動装置シリンダー2内に位置する空気圧駆動装置ピストン14とピストンピン45で連結されるものである。
【0066】
図11は、本発明の空圧式回転補助装置における増速装置15の一実施形態を示すものである。
前記0065項に記したように空気圧駆動装置クランクピン9軸内に内蔵される増速装置15は空気圧駆動装置クランクピン9としての機能を兼ねる物である事から、増速装置ケース49はクランクシャフトの空気圧駆動装置クランクピン9として回転しない構造を有するものであり、空気圧駆動装置メインコンロッド5に圧入されてキーにより固定されるリングギヤ48の回転を増速装置ケース49からギヤ部が突出した増速装置遊星歯車47により入力し、本図においては7軸のダウンギヤのセットにより出力軸16を増速装置ケース49後端より取り出しているものである。
なお増速装置15より出力される出力軸16は、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転数とは異なる回転数を出力する機構と構造を有する装置として機能するものである。
【0067】
図12は、使用の一例として、本発明の空圧式回転補助装置を自転車等のホイールに組み込んだ場合の一実施形態を示す概念図である。
ちなみに自転車等においては、人力、自然エネルギー等の外部動力要因を機械的機構によりホイールの回転力に変換し、ホイールと一体を成すタイヤによる対地駆動、あるいは慣性により走行するものであるが、本発明の空圧式回転補助装置をホイールに組み込んだ場合、ホイールが回転する事により、空気加圧装置による圧縮時の反発力で空気加圧装置クランクピン8を押す力、ならびに加圧された空気により空気圧駆動装置が空気圧駆動装置クランクピン9を押す力、そして増速装置15より出力される出力軸16の回転力により、ホイールが回転する限り、常時ホイールの回転を補助するものである。
また、自転車等においては一般的に人力の外部動力要因をクランク、スプロケット、チェーンリング、チェーン又はドライブシャフト、フリーギヤ等の機械的機構により後ホイールの回転力に変換し、ホイールと一体を成すタイヤによる対地摩擦駆動、あるいは慣性により走行するものであり、前ホイールは多くの場合、対地摩擦により回転はしているものの駆動力は発生しておらず、操舵、および車体バランスのために存在しているものであるが、本発明の空圧式回転補助装置をホイールに組み込んだ場合、ホイールと一体を成すタイヤによる対地摩擦駆動、あるいは慣性により回転するホイールが回転する事により空圧式回転補助装置が作動する機構と構造で駆動力が発生する事から、後ホイールは勿論、走行と同時に回転する前ホイールにおいても駆動力を発生するものである。
なお、本図は自転車を一実施形態として表示したものであるが、電動自転車、モーターサイクル、その他の車両等においても同様の使用が可能であるものである。
【0068】
図13は、使用の一例として、本発明の空圧式回転補助装置を船舶のスクリュープロペラ55に組み込んだ場合の一実施形態を示す概念図である。
船舶等においてスクリュープロペラ55のボス内部に本発明の空圧式回転補助装置を装着する場合、プロペラシャフト56に本発明の空圧式回転補助装置を装着する場合、あるいは双方に本発明の空圧式回転補助装置を装着する場合の設置位置を表示するものであり、本発明の空圧式回転補助装置が回転方向を選ばず機能するのみならず規模的なサイズを選ばず機能する機構と構造を有する事で一実施形態として示したものである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の空圧式回転補助装置は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転を原動力として、回転部に一体化された形状と構造の空気加圧装置、空気圧駆動装置、増速装置により、圧力エネルギーと回転エネルギーを常時、回転部の回転方向に加える事から、外部動力エネルギーならびに回転エネルギーを補助する装置であり、外部動力エネルギーの省エネルギー化を成すものである。
【0070】
本発明の空圧式回転補助装置は、人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転する本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等を装着する車両、船舶、航空機、発電機、その他回転機構を有する機械等において、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転1回転に対し常時プラスアルファの補助回転エネルギーが加わる事から、2回目の回転の回転体の回転力は回転体の回転力にプラスアルファの補助回転エネルギーが加わったものになり、さらに3回目の回転の回転力は2回目の回転する回転体の回転力にプラスアルファの補助回転エネルギーが加わったものとなるものである。
したがって、上記、ホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転は回転すればするほど上昇する事から、原動力の原質である人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因のエネルギーを絞り回転数をコントロールする事により、原資源の省エネルギー化を具体的に実現する装置である
【0071】
前記の0071項に記したように、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転は回転すればするほど上昇する機構と構造を有し、外部動力要因のエネルギーを絞り回転数をコントロールする事が可能となる事から、上記回転体を有する車両、船舶、航空機、発電機、その他回転機構を有する機械等においては、従来に比較して動力要因となる原動機、電動機等の小型化、自然エネルギーを動力要因とする場合は装置ならびに設備全体の小型化が可能となるものである。
【0072】
本発明の空圧式回転補助装置においては、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体が人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転する限り作動する機構と構造を有する装置であり、一例として自転車のホイールに本発明の空圧式回転補助装置が装着された場合、登攀時においてもホイールが回転する限りホイールに回転方向への補助回転エネルギーが加えられるものである。
したがって、人力と回転効率、車体軽量化等で支えられてきた従来の自転車による登攀とは異なり、路面が走行可能な条件下であれば適切なギヤ比の選択と人力でホイールが回転する限り登攀可能なものであり、平地における走行と勾配がある路面における人力エネルギー消費の差は、従来の自転車と比較すると大幅に減少するものである。
なお、当然の事ながら、自転車の場合、原エネルギーの人力エネルギーには限りがある為、走行距離においては従来の自転車に比較し本発明の空圧式回転補助装置が装着されたホイールを有する自転車の走行距離は人力エネルギーを省力化する事から大幅に増加するものである。
また、本発明の空圧式回転補助装置においては、ホイールの回転を原動力とするために、自転車車体の荷重ならびに積載荷重の問題は登攀時同様に路面が走行可能な条件下であれば適切なギヤ比の選択と人力でホイールが回転する限り走行が可能なものである事から、インフラ設備の整わない地域への長距離交通手段、輸送手段として活用可能であり、また大都市部、国立公園内等における大気汚染防護手段等の環境問題に完全対応が可能なものである。
【0073】
本発明の空圧式回転補助装置においては、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体別に独立した装置であり、上記の回転体が回転する事で作動する事から、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイールの場合には、2輪車の場合には2輪駆動、4輪車の場合には4輪駆動、6輪車の場合には6輪駆動が容易に実現するものであり、同様の理由から前後左右のホイールに回転差を生じるデフ装置にも対応するものである。
【0074】
本発明の空圧式回転補助装置においては、本発明の空圧式回転補助装置が回転方向を選ばず機能する機構と構造を有する事で、車両、船舶、航空機等の正逆切替回転運転を必要とする装着対象に対応が可能なものである。
また、正逆運転切替時においても一切の切替操作を要せず、かつ機械的な切替装置を機構と構造上に有さない事から、運転、保守等の省力化が可能なものである。
【0075】
本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体を装備する船舶、航空機、水力発電機等の低中速回転を常用回転とする使用対象においては、前記のように、原動力の原質である原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因のエネルギーを絞り回転数をコントロールする事により、原資源である、化石燃料、水流等の省エネルギー化を具体的に実現する装置であり、同時に動力要因となる原動機、電動機等の小型化、自然エネルギーを動力要因とする場合は装置ならびに設備全体の小型化による省エネルギー化が可能となるものであるが、空圧式回転補助装置の増速装置から取り出した内側出力軸と上記の空圧式回転補助装置が装着される回転体の回転を取り出した外側出力軸との2重の出力軸を設定する事で、船舶、航空機等においては原動機、電動機につながる低中速回転の外側出力軸と発電機等につながる高速回転の内側出力軸とを同時に取り出す事が可能な事から省スペース化にも貢献するものである。
なお、当然の事ながら空圧式回転補助装置の増速装置から取り出した出力軸のみの回転出力、空圧式回転補助装置が装着される回転体の回転を取り出した出力軸のみの回転出力、あるいは空圧式回転補助装置の増速装置の出力を回転出力として圧力エネルギーで回転補助された回転体の回転に加える事も可能である事から、本発明の空圧式回転補助装置が装着される使用機器の特性に合わせた設定が可能なものである。
【0076】
本発明の空圧式回転補助装置は、空気加圧装置と空気圧駆動装置間に圧力タンクを有さない機構と構造から圧力タンクに空気圧駆動装置が圧力エネルギーを発生するだけの空圧を蓄圧する工程が存在しないを特徴とするものである。
この圧力タンクが存在しない事から、圧力タンクに代わり空気加圧装置シリンダーヘッド、空気加圧装置排気ポートと排吸気管が圧力エネルギーを発生するだけの空圧を蓄圧するものであり、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転体が回転初動時より回転を補助する圧力エネルギーと回転エネルギーが回転方向に加えられると共に、装置全体のコンパクト化ならびに軽量化にも大きく貢献するものである。
【符号の説明】
【0077】
1 空気加圧装置シリンダー
2 空気圧駆動装置シリンダー
3 空気加圧装置メインコンロッド
4 空気加圧装置サブコンロッド
5 空気圧駆動装置メインコンロッド
6 空気圧駆動装置サブコンロッド
7 クランクシャフト位置
8 空気加圧装置クランクピン
9 空気圧駆動装置クランクピン
10 空気加圧装置シリンダーヘッド
11 空気加圧装置ピストン
12 空気圧駆動装置シリンダーヘッド
13 空気圧駆動装置スライドバルブ
14 空気圧駆動装置ピストン
15 増速装置
16 出力軸
17 ドライブシャフト
18 ベベルギヤ
19 後輪ホイール
20 駆動軸
21 固定軸
22 ベアリング
23 ワンウェイクラッチ
24 空気加圧装置吸気バルブ
25 空気加圧装置排気バルブ
26 空気加圧装置シリンダーヘッド
27 空気加圧装置吸気孔
28 空気加圧装置排気孔
29 ピストンリング
30 バックアップリング
31 バルブスプリング
32 空気加圧装置吸気ポート
33 空気加圧装置排気ポート
34 排吸気管
35 吸気ポート
36 空気加圧装置ピストン用コントロールバルブ
37 空気加圧装置ピストン用排気孔
38 空気圧駆動装置排気孔
39 空気圧駆動装置ピストン用コントロールバルブ
40 空気圧駆動装置ピストン用吸気孔
41 空気圧駆動装置シリンダーヘッド吸気孔
42 空気圧駆動装置スライドバルブ吸気孔
43 空気圧駆動装置スライドバルブバルブスプリング
44 空気圧駆動装置ピストン用排気孔
45 ピストンピン
46 サブコンロッド連結位置
47 増速装置遊星歯車
48 リングギヤ
49 増速装置ケース
50 クランクジャーナル
51 クランクピン
52 クランクアーム
53 空圧式回転補助装置装着ホイール
54 ディスクブレーキ
55 スクリュープロペラ
56 プロペラシャフト
57 空圧式回転補助装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明の空圧式回転補助装置は人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー等の回転体に一体化された形状と構造を持ち、上記回転体の回転を原動力として、固定されたクランクシャフトの同軸上に設置されるクランクピンの周囲を回転するコンロッドにより空気加圧装置、空気圧駆動装置、ならびに増速装置を作動する事により、上記回転体の回転力を補助する機構と構造を特徴とする空圧式回転補助装置である。
【請求項2】
本発明の空圧式回転補助装置において、クランクシャフトの同軸上に設置される空気加圧装置の空気加圧装置クランクピンを中心軸として回転するコンロッドに連結されるピストンにより加圧された圧縮空気は、クランクシャフトが固定されている事により、圧縮時の反発力が空気加圧装置クランクピンを押す事で回転方向に圧力エネルギーを加える特徴的な機構と構造の請求項1記載の空圧式回転補助装置である。
【請求項3】
本発明の空圧式回転補助装置において、空気加圧装置により加圧された圧縮空気はクランクシャフトの同軸上に設置される空気圧駆動装置クランクピンにコンロッドの一方を連結される空気圧駆動装置に送りこまれるものであるが、本発明の空圧式回転補助装置は空気加圧装置と空気圧駆動装置間に圧力タンクを有さず、隣接する空気加圧装置シリンダーと空気圧駆動装置シリンダー間において圧力タンクに代わり空気加圧装置シリンダーヘッド、空気加圧装置排気ポートと排吸気管に蓄圧する事で回転初動時より圧力エネルギーを発生する機構と構造を特徴とする請求項1記載の空圧式回転補助装置である。
【請求項4】
本発明の空圧式回転補助装置において、空気圧駆動装置スライド式バルブは空気圧駆動装置シリンダー、ならびに空気圧駆動装置シリンダーヘッド内部を上下にスライドし、空気圧駆動装置ピストン、圧縮空気、バルブスプリングによりコントロールされるものであり、空気圧駆動装置シリンダーの頂部に設けられる空気圧駆動装置排気孔、空気圧駆動装置ピストン用コントロールバルブならびに空気圧駆動装置スライドバルブスカート部エッジと組み合される機構により、空気圧駆動装置ピストン上昇時における排気抵抗を減少し、ピストン上死点における圧縮空気流入機構を一体で確保する特徴的な形状と構造の請求項1記載の空圧式回転補助装置である。
【請求項5】
本発明の空圧式回転補助装置において、空気圧駆動装置クランクピン軸内に内蔵される増速装置は空気圧駆動装置クランクピンとしての機能を兼ねるため、増速装置ケースはクランクシャフトの空気圧駆動装置クランクピンとして回転しない構造を有するものであり、空気圧駆動装置メインコンロッドに圧入されてキーにより固定されるリングギヤの回転を増速装置ケースからギヤ部が突出した増速装置遊星歯車により入力し、増速装置ケース内においてダウンギヤのセットにより出力軸を増速装置ケース後端より出力する事で、本発明の空圧式回転補助装置が装着されるホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー、スクリュープロペラ等の回転部の回転数とは異なる回転数の回転エネルギーを出力する機構と構造を特徴とする請求項1記載の空圧式回転補助装置である。
【請求項6】
本発明の空圧式回転補助装置は人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因、あるいは慣性により回転するホイール、ドライブシャフト、ブレード、ノーズコーン、ローターケーシング、ランナコーン、インペラー等の回転体の回転を原動力として、固定されたクランクシャフトの同軸上に設置されるクランクピンの周囲を回転するコンロッドにより空気加圧装置、空気圧駆動装置、ならびに増速装置を作動する事により、上記回転体の回転力を補助する空圧式回転補助装置であり、上記回転体の回転1回転に対し常時プラスアルファの補助回転エネルギーが加わる機構と構造を有する事から、2回目の回転の回転力は回転する回転体の回転力にプラスアルファの補助回転エネルギーが加わったものになり、さらに3回目の回転の原動力は2回目の回転する回転体の回転力にプラスアルファの補助回転エネルギーが加わったものとなるものである。
したがって、上記回転体の回転は回転すればするほど上昇する事から、原動力の原質である人力、原動機、電動機、その他の自然エネルギー等の外部動力要因のエネルギーを絞り回転数をコントロールする事により、装置全体として、原資源の省エネルギー化を具体的に実現する機構と構造を特徴とする請求項1記載の空圧式回転補助装置である。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−96402(P2013−96402A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251069(P2011−251069)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(595148534)
【Fターム(参考)】