説明

空容器回収装置

【課題】装置内に配置した空容器を収容する回収箱の満杯を確実に検知することができる空容器回収装置を提供する。
【解決手段】投入口から投入されたペットボトル等の空容器を、装置内に設けた回収箱11に収容し、且つ前記回収箱内の空容器を検知する検知部を備えた空容器回収装置において、前記回収箱11に回収される空容器を検知する光学検知部12を、該回収箱より上方に複数設け、前記複数の光学検知部12,12’は、それぞれの光軸が、前記回収箱11内における最大収容位置Lの面内において交差するよう配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水などを収容していた缶やペットボトル等の空容器を回収する空容器回収装置に関し、更に詳しくは、回収した空容器を収容する回収箱の満杯を検知する検知部の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料水などが収容された缶やペットボトル等の空容器は、材料資源の再利用等の観点から回収装置にて回収することが普及している。そして、その空容器回収装置は、ペットボトルや缶(アルミ缶、スチール缶等)を材質毎に分けて回収し、且つ回収した空容器は減容化せずそのまま回収箱に収容するものもあるが、殆どの回収装置は限られた大きさの回収箱に多くの空容器を収容できるように、内部に減容手段を備え、減容処理して回収箱に収容するようになっている。収容される減容処理された空容器が回収箱から溢れないように、前記回収箱の開口上縁付近に光学センサ等が設けられ、回収箱の満杯を検出し得るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、前記減容手段で減容化される形態は一定でなく、且つランダムに積み上げられ、特にペットボトルの場合は乱反射しやすい透明色であるために、前記光学センサを用いても精度よく検知できないという場合がある。
前記問題に対しては、回収箱の上部開口縁の内側に前記センサを取り付け、減容処理された空容器が前記回収箱内に順次収容され、前記センサのすぐ近くに減容処理された空容器が溜まっていくことで、乱反射による誤検知を気にすることなく、満杯を検知することも考えられる。
しかし、その場合、センサは回収箱の上部開口縁近傍に固着されるため、センサに空容器が当たるなどしてセンサが損傷する、或いは回収箱に満杯に溜まった空容器を搬出するために回収箱を装置から取り出す際、センサに接続された配線コードを外さなければならない等、作業性においても問題があり、また、回収箱自体は装置を設置するユーザーが所有することが多く回収箱自体に加工を施すことは難しく、従って上記したように回収箱の上方から検知せざるを得ないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−179501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、ペットボトル等の回収した空容器を収容する回収箱の満杯を確実に回収箱の上方から検知することができる空容器回収装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の空容器回収装置は、投入口から投入されたペットボトル等の空容器を、装置内に設けた回収箱に収容し、且つ前記回収箱内の空容器を検知する検知部を備えた空容器回収装置において、前記回収箱に回収される空容器を検知する光学検知部を、該回収箱より上方に複数設け、前記複数の光学検知部は、それぞれの光軸が、前記回収箱内における最大収容位置の面内において交差するよう配置されていることを特徴とする。
【0007】
前記空容器回収装置は、装置に投入された空容器をそのままの形態で種類ごとに分けて回収箱に収容するもの、或いは装置内部に減容手段を備え、投入された空容器を減容手段で減容化して回収箱に収容するものの何れでもよい。
また、前記光学検知部は、回収箱の予め決められた最大収容位置に空容器が溜まったことを検知できるものであれば検知部(センサ)の形態は問わないが、検知部が取り付けられる環境等を考慮すると、該光学検知部としては、測定光を照射する発光素子(光源)と、測定対象物によって反射した反射測定光を受光する受光素子とを対で備えた距離センサが好適である。
前記回収箱の最大収容位置とは、回収箱における空容器を収容できる限界の位置、即ち、これ以上収容すると回収装置の動作に支障をきたす位置、あるいは、その支障をきたす位置よりも多少早く収容限界を検知することで装置の安全を保つことができる位置のことで、所謂、満杯の位置を意味し、回収箱毎に決定される。
【0008】
また、前記複数の光学検知部は、それぞれの光軸を、回収箱内の高さ方向の最大収容位置の面内で交差するように配置するが、回収箱に対する空容器の集積形態は一定ではなく、装置内に取り込んだ空容器の投入傾向(回収箱に対して落下する位置等)によって異なる。その為に、前記光軸の交差部は、前記回収箱における空容器の集積傾向によるピーク位置に合わせて配置するのが有効である。これにより、回収箱に集積された空容器が、最大収容位置に最初に到達したことを確実に検知することができる。そして、前記最大収容位置に空容器が達したか否かを確実に検知する必要があるが、特にペットボトルの空容器は、光学検知部から照射される測定光を乱反射させるが、本装置では複数の光学検知部の光軸が、前記回収箱内の最大収容位置の面内において交差するように配置したので、複数の光学検知部の何れかで反射光を受光でき、空容器が回収箱の最大収容位置に到達したことを確実に検知することができる。
【0009】
また、前記複数の光学検知部は前記したように光軸が交差するように装置の枠体等に取り付けるが、その取り付けは複数の光学検知部を、枠体等に個々に取り付けてもよいが、複数の光学検知部を同じ部材(単一の取付基板)に取り付け、その部材を装置の枠体に取り付けるようにしてもよい。これにより、光軸が交差する光学検知部の位置関係がずれることは無く、長期にわたって安定よく保持できる。又、その場合、複数の光学検知部を取り付けた取付基板は、装置の枠体に対して位置、傾き等を調節可能に取り付けてもよい。また、取付板に対する光学検知部の取り付けも、調節可能とすることで、光軸のズレ調整等を容易に行うことが可能となる。
【0010】
上記手段によれば、空容器回収装置に投入されたペットボトル等の空容器は、回収対象の空容器であれば内部に取り込まれ、減容手段が備えられていなければそのまま、減容手段が備えられていれば減容化された後、回収箱に収容される。一方、回収箱における最大収容位置は、これ以上空容器が集積されると、上方に位置する装置の各部分に影響を与える虞れがある位置としているので、回収箱の最大収容位置に空容器の集積の頂点が達したか否かを確実に検知する必要がある。しかし、ペットボトル等の空容器は、光学検知部から照射される測定光を乱反射させるが、本装置では複数の光学検知部の光軸が、前記回収箱の最大収容位置の面内において交差するように配置したので、複数の光学検知部の何れかで反射光を受光でき、空容器が回収箱の最大収容位置に到達したことを確実に検知することができる。尚、光学検知部は回収箱の空容器が最大収容位置に達したことを検知した場合、その検知信号により回収装置に備えられている表示器に、空容器が所定量に達したことを表示し、該回収装置を設置しているお店の係員を呼ぶ、或いは、新たに空容器の投入を受け入れないよう装置の回収機能を停止するなどの処理が行われるようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の空容器回収装置は、光学検知部を回収箱の上方に配置しながら、該回収箱に収容される空容器の満杯到達を確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る空容器回収装置の実施の形態の一例を示し、(a)は概略側面図、(b)は同平面図。
【図2】同正面図。
【図3】回収箱と光学検知部との位置関係を示し、(a)は正面図、(b)は同側面図。
【図4】回収される空容器(ペットボトル)の減容状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る空容器回収装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は空容器回収装置Aの概略を示し、1は容器回収装置Aの外枠であるケース、2は前記ケース1の前面に開設された空容器aの投入口で、該ケース1内には前記投入口2から投入された空容器aを装置内に搬入する前部搬送手段3,後部搬送手段4、前部搬送手段3で搬入された空容器をバーコード読み取り位置に支持する転動支持手段5、前部搬送手段3から前記転動支持手段5に空容器aを載せ替えるために前記前部搬送手段3を上下揺動させる上下移動手段6、前記転動支持手段で支持される空容器aに表示(貼付)されたバーコード(種別)を読み取るバーコード用カメラ7、前記バーコード用カメラ7で種別検知が終わり後部搬送手段4上に搬送された空容器aを、前記バーコード用カメラ7の検知情報に基づき仕分ける仕分け手段8、前記仕分け手段8の初期位置における空容器の有無を検知する容器検知手段9、前記仕分け手段8で仕分けられた空容器aを減容処理する減容手段10,10’、前記減容手段10,10’で減容化された空容器a’を収容する回収箱11,11’、前記回収箱11,11’における最大収容位置(満杯)を示すラインLに空容器a’が達したか否かを検知する複数の光学検知部12,12’、回収した空容器に対してデポジット或いは特典のチケットを発行するプリンタ13、前記光学検知部12,12’が回収箱の満杯を検知した時、満杯になったことを報知するメッセージを表示する液晶表示部14等が装備されている。
【0014】
ケース1の投入口2から投入された空容器(ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等)aを装置内に搬入する搬送装置は、空容器aをバーコード用カメラ7による読み取り可能位置まで搬送する前部搬送手段3と、種別検知が終わった空容器aを種別検知の検知情報に基づいて作動する仕分け手段8の仕分け領域に搬送する後部搬送手段4とで構成されている。
前部搬送手段3は、断面円形の無端状ベルト3aを、駆動プーリ3bと従動プーリ3cとに亘り所定間隔(筒状の空容器を二点で支持する間隔)を置いて2本平行に巻回したベルトコンベアで構成され、前記駆動プーリ3bはモータ3dの回転が動力伝達手段を介し伝達され、駆動回転されるように構成されている。
そして、搬送面を構成する無端状ベルト3aの表面は、後述する転動支持手段5を構成するローラの表面(アルミ材)における摩擦抵抗より大きい材質、例えば、ウレタン樹脂、或いは塩化ビニル樹脂等で構成されている。
また、その前部搬送手段3は、ケース1内に架設した基台15上にロードセル16を介して支持した取付台17上に上下揺動可能に載置されている。
【0015】
前部搬送手段3の支持は、搬送始端側である駆動プーリ3bの軸端を取付台17上に起立した起立枠18で回動可能に支持し、前部搬送手段3の機長方向の略中央位置が、取付台17上に設置した上下移動手段6で支持されている。
上下移動手段6は、モータ6aとそのモータの出力軸に取り付けた偏心回転板6bと偏心回転板6bと前記前部搬送手段3を連結するアーム6cとで構成され、モータ6aが作動することでアーム6cが揺動し、それにより前部搬送手段3が搬送始端(駆動プーリ3b)側を支点として搬送終端(従動プーリ3c)側が上下される。尚、この上下移動手段6は、図示の構成に限定されず、搬送始端側を支点として反対側を上下し得る方法であれば何れの方式でもよい。
【0016】
また、前記前部搬送手段3の始端側上部には空容器aの投入を検出する容器検出用カメラ19が設置されている。容器検出用カメラ19による撮像で空容器aの投入の有無及び投入された空容器aの搬送状態(位置)を判断する。前記判断は、撮像した画像の領域をマトリックス状に区分けし、位置を識別する。具体的には、空容器aの長さ方向、高さ方向の各領域の画像を一定のしきい値により二値化して各領域の像の有無により判断する。そして、この容器検出用カメラ19の画像データの判断に基づいて前記前部搬送手段3の駆動/停止が制御される。そして、容器検出用カメラ19は、搬送手段3上の領域全てを撮像することができ、前記のようにマトリックス状に区分けし、空容器aの位置を検出することができるので、該マトリックス状のどの位置から空容器aを検知したかを把握することができる。つまり、上流方向から像が生じたと判断した場合には空容器aの移動方向が順方向、即ち、投入口2から装置内へ空容器aが移動したと判断することができる。逆に、下流方向から像が生じたと判断された場合には、空容器aの移動方向が逆方向、即ち、装置内から投入口2方向へ空容器aが移動したと判断することができる。
また、前記容器検出用カメラ19による撮像を鮮明に行うために照明の光源(LED)(図示省略)が配置されている。
【0017】
転動支持手段5は、前記前部搬送手段3を構成する無端状ベルト3aを挟んで左右両側に水平に配置した2本のローラ5a,5bと、その2本のローラ5a,5bを回転させるモータ(図示省略)と、そのモータの回転を前記2本のローラ5a,5bに伝達する動力伝達部材(図示省略)とで構成されている。尚、動力伝達部材は、前記2本のローラ5a,5bが同一方向に回転するように構成されている。
【0018】
また、この転動支持手段5のローラ5a,5bは、前記前部搬送手段3の機長の中程位置から終端側手前位置までの長さを有しており、投入される缶及びペットボトル等の空容器aの全長を安定よく支持し得るようになっている。尚、転動支持手段5を構成する2本のローラ5a,5bは、前記前部搬送手段3による搬送時、2本のローラのうちの何れか1本が空容器と接触している。
そして、前記前部搬送手段3が上下移動手段6によって前方下向きに傾斜下降されると、それまで無端状ベルト3aと2本のローラ5a,5bの片方の二点で支持されていた空容器は、無端状ベルト3aによる支持がなくなることで2本のローラ5a,5bによる二点支持に切り替わり、ローラの回転によって転動されることになる。
【0019】
バーコード用カメラ7は、投入された空容器aの周面に表示されているバーコードを読み取るもので、前記転動支持手段5の上方位置に、転動支持手段5の方向に向けて設置されている。尚、このバーコード用カメラ7は、所定角度に固定してもよいが、首振り回動式、スライド式等として、読み取り可能範囲を拡大するようにしてもよい。また、バーコード用カメラ7の台数は、1台に限らず、複数台でもよいものである。
このバーコード用カメラ7によるバーコードの読み取りは、バーコード用カメラにて空容器aのバーコードが検知され、そのデータを、制御部のデータベースに格納されているデータと比較して処理される。例えば、ペットボトルの場合であれば、ペットボトルの色情報、ペットボトルの商品の名称、ペットボトルの空の重量値に対する基準重量値(空のボトルの重量よりも若干重い重量が設定され、飲み残しの有無の判断に利用される)、ボトルにより付与すべきデポジット額等が読み出される。尚、デポジットシステムに対応する装置においては、仮に投入された空容器aがデポジット対象でない空容器である場合は、容器の回収は行うが、デポジットの付与を行わないようにすることも可能である。
【0020】
前記バーコード用カメラ7による検知が完了すると、空容器aは前記転動支持手段5から再び前部搬送手段3に移載され、その前部搬送手段3の駆動で後部搬送手段4に供給され、該後部搬送手段4の駆動で空容器aは仕分け手段8の初期位置に搬送される。
後部搬送手段4は、前記前部搬送手段3と同様、断面円形の無端状ベルト4aを、駆動プーリ4bと従動プーリ4cとに亘り所定間隔(筒状の空容器を二点で支持する間隔)を置いて2本平行に巻回したベルトコンベアで構成され、前記駆動プーリ4bはモータ4dの回転が動力伝達手段を介し伝達され、駆動回転されるように構成されている。
そして、搬送面を構成する無端状ベルト4aは、空容器aを安定して搬送し得るように摩擦係数の大きい材質、例えば、ウレタン樹脂、或いは塩化ビニル樹脂等で構成されている。
また、後部搬送手段4は、前記仕分け手段8の初期位置における空容器aの有無を検出する計量器(空容器検出手段)9を介して支持されている。即ち、後部搬送手段4は、ケース1内に架設した基台15上に、計量器9を介して支持した取付台20上に載置されている。これにより、仕分け手段8の初期位置(後部搬送手段4が空容器aを載承支持する位置)における該仕分け手段8の仕分け位置から初期位置へ移動した時の重量変化を検出でき、計量器9の計量値に変化(仕分け手段の動作前における計量値>仕分け手段の動作後の計量値)があれば、空容器aは正しく仕分け回収されたと判断でき、逆に仕分け手段8の動作前後における計量器9の計量値に変化がなければ、空容器aは正しく仕分け回収されず、不正行為が行われたものと判断される。
【0021】
前記仕分け手段8は、図1に示すように、金属板或いは樹脂板等によって前後面(後部搬送手段4で搬送される空容器aの前後面と対応する面)及び下面(後部搬送手段4で搬送される空容器aの下半部外周面と対応する面)が開放され、前記後部搬送手段4に載承支持される空容器aを挟むよう対向する一対の壁部を有する断面略門型の振分け枠8aと、その振分け枠8aを左右方向に揺動させる揺動機構8bとで構成され、前記後部搬送手段4の直上に位置し、後部搬送手段4の機長方向略全ての範囲を覆い左右方向に揺動可能に支持されている。
左右方向への揺動は、後部搬送手段4上に支持されている空容器aを、前記バーコード用カメラ7の検知情報に基づいて前記後部搬送手段4の左右両側に配置した減容手段10,10’に振り分けるもので、ケース1内に垂下固着した取付板21に前記振分け枠8aの長手方向の先端側上部中央が軸23で揺動可能に軸支されている。
【0022】
前記揺動機構8bは、カムなどの揺動手段と、その揺動手段を駆動するモータとで構成されている。そして、前記振分け枠8aは前記揺動機構8bによって前記後部搬送手段4上に略垂直状態で垂下する初期位置から、前記バーコード用カメラ7の検知情報に基づいて左方向又は右方向の仕分け位置に揺動される。
前記振分け枠8aの揺動位置の検出は、例えば、センサとフラグによって検知することができる。
【0023】
前記仕分け手段8の振分け枠8aの仕分け位置には、該振分け枠8aの揺動で初期位置から仕分け位置に移動された空容器aを減容化する減容手段10,10’が配置されている。
減容手段10,10’は、図1及び図3に示すように、仕分け手段8で仕分けられた空容器aを減容化するもので、2個の歯付きドラム10a,10bと、空容器を前記歯付きドラム10a,10bに押し込む回転羽根10cと前記振分け枠8aで振り分けられた空容器aを前記歯付きドラム10a,10bに案内するホッパー10dで構成されている。そして、左右の減容手段10,10’は1個のモータ(図示省略)で駆動するように構成されている。
前記前記ホッパー10dは金属材又は樹脂材によって樋状に形成され、そのホッパー10dが前記後部搬送手段4を挟む左右両側位置に平行、且つ長さ方向の後端側(ケース1の投入口と対向する端部)を下向きに傾斜させて配置され、そのホッパー10dの案内方向先端部に回転羽根10cが配置されている。それにより、振分け枠8aで仕分け位置に振り分けられた空容器aはホッパー10dを通り回転羽根10cで歯付きドラム10a,10b間に押し込まれ、図4に示すように、表面に穴が開けられて扁平状に押し潰される。尚、この減容手段10,10’は、図示の形態に限定されず、例えば、空容器aを細片状に切断する形態のもの等、適宜選択し得るものである。
【0024】
前記減容手段10,10’で扁平状に減容化された空容器a’は、その減容手段10,10’の下方に配置されている回収箱11,11’に落下収容される。
前記回収箱11,11’は、合成樹脂材によって上面が開口した縦長の箱体形状に構成された今日周知のもので、該回収箱11,11’には空容器a’がこれ以上収容されると回収装置の各部に影響を与える虞れがある最大収容位置(満杯)を示すラインLが表示され、その最大収容位置に空容器a’が到達したか否かを検知する複数(図示例は2個)の光学検知部12,12’が、前記回収箱11,11’より上方で、更に、仕分けられた空容器aを前記減容手段10,10’へ送るホッパー(搬送路)10dの下方で、且つ、前記減容手段10,10’近傍のケース1の枠体に、取付基板22を介して配置されている。
【0025】
前記光学検知部12,12’は、測定光を照射する発光素子(LEDやレーザダイオード等の光源)と、測定対象物によって反射した反射測定光を受光する受光素子(PSDやCOMS等)とを対で備えた今日周知の距離センサで、測定対象物(空容器)の距離位置の変化に伴い前記受光素子上の結像位置は距離と比例的に変化する。この受光素子上の受光位置を解析し、距離を測定する三角測距方式の距離センサを使用する。尚、前記光学検知部に使用する距離センサとしては、三角測距方式の距離センサに限らず、測定光が照射されてから受光されるまでのわずかな時間を測定し、その時間差を距離に換算するタイム・オブ・フライト方式の距離センサでもよい。
【0026】
前記2個の光学検知部12,12’は、図3(a),(b)に示すように、それぞれの光軸が前記回収箱11,11’の最大収容位置(満杯)を示すラインLの面内で、且つ、該回収箱11,11’における空容器a’の集積傾向によるピーク位置(減容手段10,10’から回収箱11,11’へ落下されてできる空容器a’の山の頂部)で交差するように配置されている。
そして、前記光学検知部12,12’は、1個の取付基板22に前記状態(光軸が交差する状態)に取り付けられ、その取付基板22はケース1の枠体1’に位置調節可能に取り付けられている。ケース1の枠体に対する取付基板22の調節可能な取り付けは、例えば、取付基板22を枠体にネジ止めする場合、取付基板22に開設する取付孔をバカ穴或いは長穴とし、それにより取付基板22を上下及び左右方向に移動調整して、前記光軸の交差位置と、空容器の投入傾向によるピーク位置とのズレを容易に修正することが可能となる。
また、前記回収箱11,11’はケース1の前面或いは側面に設けた開閉扉を開けて出し入れされ、該回収箱11,11’に収容された空容器a’を回収し得るようになっている。
【0027】
前記光学検知部12,12’が、回収箱11,11’に収容された空容器a’の山が最大収容位置に達したことを検知すると、液晶表示部14に「回収箱が満杯になりました」のメッセージを表示し、空容器投入者に空容器回収装置を設置しているお店の係員を呼ぶなどの行動を促すと共に、回収装置の回収機能を停止させて、新たに空容器を受け入れないようにする。
【0028】
上記の如く構成した空容器回収装置Aによれば、ケース1内に投入された空容器aは搬送過程で回収対象の空容器であるか否か、仕分けの種別等が判別され、搬送の後段で仕分け手段8により仕分けされ、仕分けられた空容器aは減容手段10,10’へ送り込まれ、減容化される。回収される空容器aがペットボトルの場合は、図4に示すように扁平状に押し潰されて減容手段10,10’の下方に配置された回収箱11,11’に溜められる。
一方、空容器a’を収容する回収箱11,11’の上方には、2個の光学検知部12,12’が、それぞれの光軸を該回収箱11,11’の最大収容位置(満杯)を示すラインLの面内で交差するように配置されている為、回収箱11,11’に収容された空容器a’の山が前記最大収容位置(満杯)を示すラインLに達すると、前記2個の光学検知部12,12’から照射された測定光は空容器a’で反射し、その反射光が前記光学検知部12,12’の何れかで受光検知される。それにより、空容器a’が回収箱11,11’の最大収容位置(満杯)を示すラインLに到達したことを確実に検知できる。従って、回収した空容器a’の山が回収箱11,11’の最大収容位置(満杯)を示すラインLを超えて装置の回収動作に支障となる、回収箱から溢れこぼれるのを防止できる。
【0029】
また、前記2個の光学検知部12,12’は、光軸の交差部を、前記減容手段10,10’に対する回収箱の設置位置との関係(落下位置)により決定される集積傾向のピーク位置に合わせて配置されている為、最大収容位置(満杯)のラインLに最初に到達する空容器a’の山を確実に検知することができる。それにより、最大収容位置(満杯)を示すラインLに達した空容器a’の山を崩して均し、回収箱11,11’内に空容器a’を効率よく回収することが可能となる。
また、前記光学検知部12,12’が、空容器を減容手段に供給するホッパー(搬送路)10dの下方に配置されていることで、空容器が減容化された時に生じる破砕片などが前記光学検知部に付着することが少なく、従って、光学検知部の機能を長期にわたって安定して保持できる。
【0030】
本発明に係る空容器回収装置は図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、回収箱の上方に配置する複数の光学検知部として2個用いた例を示したがこれに限定されず、3個以上でもよい。
(2)実施の形態では、減容手段として歯付きドラムにより扁平状に圧潰する形態を示したが、これに限定されず、空容器を小片状に破砕する破砕機等、何れでもよい。
(3)実施の形態では、投入された空容器を搬送路を挟んで左右に仕分けし、左右に配置した回収箱に回収する回収装置を示したが、これに限らず、単一種類の空容器を1個の回収箱に回収する装置であってもよい。
(4)実施の形態では、最大収容位置(満杯)のラインLに最初に到達する空容器a’を検知することで満杯としていたが、回収箱11、11’の下にそれぞれの回収箱を底部から振動させる機構を備えることで、最大収容位置(満杯)を示すラインLに達した際、回収箱11、11’に振動を与えることで空容器a’の山を崩して回収箱11,11’内に空容器a’が均一に収容されるように制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
A…空容器回収装置 a…空容器
a’…減容処理された空容器 1…ケース
2…投入口 10,10’…減容手段
11,11’…回収箱 12,12’…光学検知部
22…取付基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口から投入されたペットボトル等の空容器を、装置内に設けた回収箱に収容し、且つ前記回収箱内の空容器を検知する検知部を備えた空容器回収装置において、
前記回収箱に回収される空容器を検知する光学検知部を、該回収箱より上方に複数設け、
前記複数の光学検知部は、それぞれの光軸が、前記回収箱内における最大収容位置の面内において交差するよう配置されていることを特徴とする空容器回収装置。
【請求項2】
前記光学検知部は、前記光軸の交差部が、前記回収箱内における空容器の集積傾向によるピーク位置に合わせて配置されていることを特徴とする請求項1記載の空容器回収装置。
【請求項3】
前記複数の光学検知部は、回収箱より上方に位置する単一の取付基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の空容器回収装置。
【請求項4】
前記回収箱の上方に、投入された空容器を減容する減容手段と該減容手段へ空容器を送る搬送路を備え、前記光学検知部を取り付けた前記取付基板が前記搬送路の下方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の空容器回収装置。
【請求項5】
前記光学検知部を取り付けた前記取付基板は調節可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の空容器回収装置。
【請求項6】
前記光学検知部は、測定光を照射する発光素子と、対象物によって反射した反射測定光を受光する受光素子とを対で備えたセンサであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の空容器回収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−91546(P2013−91546A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234753(P2011−234753)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】