説明

空気入りタイヤ

【課題】石油資源以外の材料の使用割合を大きくして所要の空気透過防止性を得る場合に、高い空気透過防止性と低転がり性を両立させるようにした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】インナーライナー用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜80モル%のエポキシ化天然ゴム30〜80重量%と天然ゴム20〜70重量%からなるゴム成分100重量部に対し、特定のカーボンブラックを1〜70重量部、板状無機充填剤を30〜150重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を1〜20重量部を配合してなり、カーカス用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜50モル%のエポキシ化天然ゴム10〜60重量%と天然ゴム40〜90重量%からなるゴム成分100重量部に対し、特定のカーボンブラックを5〜80重量部、前記ピネン・ジペンテン共重合体を2〜30重量部を配合してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、石油資源以外の材料の使用割合を大きくして所要の空気透過防止性を得る場合に、高い空気透過防止性と低転がり性とを両立させるようにした空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気入りタイヤの高性能化・高機能化は、主として石油資源から得られるタイヤ材料を使用することにより、開発が進められてきた。しかし、近年、石油資源の枯渇問題や二酸化炭素の排出規制などの課題を解決するため、石油資源以外のタイヤ材料の比率を高くすることや、燃費を向上させて二酸化炭素排出量を低減するようにした空気入りタイヤの開発が求められている。
【0003】
しかし、単に石油資源以外のタイヤ材料を使用するだけでは、従来のタイヤ性能を確保することが難しいという問題がある。特に、空気透過防止層としてタイヤ内面に設けられるインナーライナー層には、空気透過防止性能が優れたブチルゴムが使用されていたが、これを石油資源以外の材料に置換えると、タイヤの空気保持率が大幅に低下するという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する対策として、特許文献1は、インナーライナー層をエポキシ化天然ゴムを含むゴム組成物により構成することを提案し、また、特許文献2は、インナーライナー層を不要とし、カーカス層の被覆ゴムとしてエポキシ化天然ゴムを含むゴム組成物を用いることを提案している。しかし、これらのゴム組成物では、空気透過係数がブチルゴムと比べて劣るため、インナーライナー層又はカーカス層の厚さを従来のタイヤよりも大きくしなければならないため、タイヤ重量が増大し、転がり抵抗が悪化するという問題があった。
【特許文献1】特開2004−224963号公報
【特許文献2】特開平6−55665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、石油資源以外の材料の使用割合を大きくして所要の空気透過防止性を得る場合に、高い空気透過防止性と低転がり性とを両立させるようにした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、カーカス層の内側に空気透過防止用のインナーライナー層を設けた空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナー層を構成するインナーライナー用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜80モル%のエポキシ化天然ゴム30〜80重量%と天然ゴム20〜70重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が10〜50m/gで、DBP吸収量が30〜95cm/100gのカーボンブラックを1〜70重量部、板状無機充填剤を30〜150重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を1〜20重量部を配合してなり、前記カーカス層を構成するカーカス用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜50モル%のエポキシ化天然ゴム10〜60重量%と天然ゴム40〜90重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が20〜100m/gで、DBP吸収量が60〜120cm/100gのカーボンブラックを5〜80重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を2〜30重量部を配合してなることを特徴とする。
【0007】
前記板状無機充填剤は、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも1種であるとよい。
【0008】
また、前記カーカス用ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対し、前記板状無機充填剤を除く無機充填剤を10〜80重量部配合するとよく、また、前記板状無機充填剤を除く無機充填剤がシリカである場合には、シリカ100重量部に対し、シランカップリング剤を2〜12重量部配合するとよい。
【0009】
前記カーカス層を構成するカーカスコードは、レーヨン繊維からなり、このレーヨン繊維コードのディップ液が、レゾルシン(R)、ホルマリン(F)、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)からなり、レゾルシン(R)とホルマリン(F)とのモル比(R/F)が1/4〜1/2.5のレゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)を調製し、該レゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)とスチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)のモル比(RF/L)を25/100〜40/100にするとよい。
【0010】
前記インナーライナー層及びカーカス層を構成するタイヤ材料に石油資源以外の材料が占める重量割合は、70〜99重量%であるとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の空気入りタイヤは、エポキシ化天然ゴムをカーカス層とインナーライナー層との両方に配合し、かつインナーライナー用ゴム組成物は、エポキシ化率が5〜80モル%のエポキシ化天然ゴム30〜80重量%と天然ゴム20〜70重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が10〜50m/gで、DBP吸収量が30〜95cm/100gのカーボンブラックを1〜70重量部、板状無機充填剤を30〜150重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を1〜20重量部を配合するのに対して、カーカス用ゴム組成物は、エポキシ化率が5〜50モル%のエポキシ化天然ゴム10〜60重量%と天然ゴム40〜90重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が20〜100m/gで、DBP吸収量が60〜120cm/100gのカーボンブラックを5〜80重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を2〜30重量部を配合するようにしたことにより、石油資源以外の材料の使用割合を高くしているが、インナーライナー層とカーカス層との全体として所要の空気透過防止性を得ることができる。同時に、カーカス層とインナーライナー層との両方に天然ゴムを配合することにより発熱性が低いため低転がり性を向上すると共に、相互の接着性が良いためタイゴムを介在させる必要がないこと及び特定のカーボンブラック及び板状無機充填剤を配合し剛性を高くすることにより、タイヤ重量を低減し、転がり抵抗を一層向上し、高い空気透過防止性と両立することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層を構成するインナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分がエポキシ化天然ゴムと天然ゴムとからなるので、エポキシ化天然ゴムにより所要の空気透過防止性を確保し、天然ゴムは低発熱性であるため低転がり性を向上する。エポキシ化天然ゴムは、エポキシ化率が5〜80モル%であり、好ましくは20〜55モル%にするとよい。エポキシ化率が5モル%未満の場合には、所要の空気透過防止性を得ることができない。また、エポキシ化率が80モル%を超えると、粘度が高くなるため混合性が悪化し、また、加硫速度も過大になるため成形加工性が悪化する。
【0013】
インナーライナー用ゴム組成物のゴム成分は、エポキシ化天然ゴムを30〜80重量%、好ましくは40〜80重量%を含有する。エポキシ化天然ゴムが30重量%未満であると、所要の空気透過防止性を得ることができない。また、エポキシ化天然ゴムが80重量%を超えると、発熱性が高くなり低転がり性が悪化する共に、強度が低くなりタイヤ内面にクラックが生じやすくなるので耐久性が悪化する。天然ゴムの配合量は20〜70重量%であり、好ましくは20〜60重量%にするとよい。天然ゴムが20重量%未満であると、発熱性が高くなり転がり抵抗が悪化する共に、強度及び耐久性が悪化する。天然ゴムが70重量%を超えると、空気透過防止性が悪化する。
【0014】
インナーライナー用ゴム組成物のゴム成分は、エポキシ化天然ゴムと天然ゴムからなり、これ以外のブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム成分を含まないようにする。このため、石油資源以外の材料が占める割合を高くしている。また、ブチルゴムを使用する場合と比べて空気透過係数は高くなるが、インナーライナー層とカーカス層を形成するそれぞれのゴム組成物にエポキシ化天然ゴムを配合したのでタイヤ全体として空気透過防止性を向上することができる。
【0015】
本発明で使用するインナーライナー用ゴム組成物は、充填剤として、カーボンブラック及び板状無機充填剤を含有する。カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が10〜50m/gであり、好ましくは25〜50m/gである。窒素吸着比表面積が10m/g未満であると、十分な補強性能が得られない。また、窒素吸着比表面積が50m/gを超えると低発熱性及び低転がり性が悪化する。このためタイヤ気室内の温度が高くなるため空気透過防止性が悪化するため、周辺のゴム部材が酸化劣化することによりタイヤ耐久性が悪化する。窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
【0016】
インナーライナー用ゴム組成物に配合するカーボンブラックのDBP吸収量は、30〜95cm/100gであり、好ましくは50〜95cm/100gである。DBP吸収量が30cm/100g未満であると、ゴムの補強性が低く耐久性が悪化し好ましくない。DBP吸収量が95cm/100gを超えると、発熱性が高くなり転がり抵抗が悪化すると共に、ゴムの温度が高くなることにより空気透過防止性が悪化する。DBP吸収量は、JIS K6217−4に準拠して、測定するものとする。
【0017】
本発明に使用するカーボンブラックは、石炭系重質油、トール油を原料として製造されたものを使用するとよい。石炭系重質油、トール油は石油資源以外の材料であり、タイヤ材料に占める石油資源以外の材料の割合を高くすることができる。石炭系重質油としては比重1.05、相関係数(BMCI)150のものを、トール油としてはロジン成分量が5〜90重量%のものを使用することにより、カーボンブラックの生産効率を良好にすることができる。また、トール油中のアルカリ金属イオン濃度を1000ppm以下にするとよく、上記のコロイダル特性を有するようにすることができる。
【0018】
インナーライナー用ゴム組成物中のカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し、1〜70重量部であり、好ましくは30〜65重量部にするとよい。カーボンブラックが1重量部未満であると、十分な補強性能が得られない。また、カーボンブラックが70重量部を超えると、ゴムの発熱性が高くなり転がり抵抗が大きくなる。
【0019】
インナーライナー用ゴム組成物は、板状無機充填剤を含有することにより、空気透過係数を一層低くすると共にインナーライナー層の剛性を高くする。板状無機充填剤としては、例えば、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト、マイカが例示される。なかでもカオリンクレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイトが好ましい。
【0020】
板状無機充填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対し、30〜150重量部であり、好ましくは40〜120重量部にするとよい。板状無機充填剤が30重量部未満であると、空気透過防止性を向上する効果及び剛性を高くする効果が十分に得られない。また、板状無機充填剤が150重量部を超えると、混合性が悪化しハンドリングが悪くなる。
【0021】
本発明で使用するインナーライナー用ゴム組成物は、ピネン・ジペンテン共重合体を、アロマオイルの代わりに配合するため、石油資源以外の材料が占める割合を高くする。ピネン・ジペンテン共重合体は、90℃の粘度が20〜50mPa・sであり、このましくは25〜40mPa・sにするとよい。ピネン・ジペンテン共重合体の粘度が20mPa・s未満であると、混合中にゴムの中に入らずバンバリーミキサー中にたれてオイルスリップを起こす。ピネン・ジペンテン共重合体の粘度が50mPa・sを超えると、混合不良が発生したり、バンバリーミキサーの消費電力が高くなる。ピネン・ジペンテン共重合体の粘度は、JIS Z 8803に基づき回転粘度計法により、温度90℃で測定される粘度とする。
【0022】
インナーライナー用ゴム組成物において、ピネン・ジペンテン共重合の配合量は、ゴム成分100重量部に対し、1〜20重量部であり、好ましくは2〜15重量部にするとよい。ピネン・ジペンテン共重合が1重量部未満であると、アロマオイルの機能を置換するのが困難になり石油資源以外の材料が占める割合を高くすることができない。また、ピネン・ジペンテン共重合が20重量部を超えると、空気透過防止性が悪化する。
【0023】
本発明で使用するインナーライナー用ゴム組成物の空気透過係数は、特に限定されるものではないが、60℃の空気透過係数で、好ましくは15×10−5mm・mm/mm・sec・MPa以下にし、より好ましくは2〜12×10−5mm・mm/mm・sec・MPaにするとよい。60℃の空気透過係数をこのような範囲内にすることにより、空気入りタイヤの空気保持率を高くすることができる。なお、本発明において、空気透過係数は、JIS K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」のA法(差圧式)に準拠して、試験気体を空気相当(窒素:酸素=8:2)とし、試験温度60℃で測定される値とする。
【0024】
このようなインナーライナー用ゴム組成物からなるインナーライナー層は、厚みが好ましくは0.5〜1.5mmにし、より好ましくは0.7〜1.4mmにするとよい。インナーライナー層の厚みが0.5mm未満の場合には、所要の空気透過防止性を得ることができない。また、インナーライナー層の厚みが1.5mmを超えると、タイヤ重量が増大すると共に、低転がり性が悪化することにより、燃費が悪化する。
【0025】
本発明の空気入りタイヤは、上述したインナーライナー用ゴム組成物でインナーライナーを構成し、以下のカーカス用ゴム組成物からなる被覆ゴムによりカーカスコードを被覆することによりカーカス層を構成する。
【0026】
カーカス用ゴム組成物に使用するエポキシ化天然ゴムは、エポキシ化率が5〜50モル%であり、好ましくは20〜50モル%にする。エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が5モル%未満の場合には、所要の空気透過防止性を得ることができない。また、カーカス用ゴム組成物の場合には、ゴム強度を高くすることと可塑度(粘度)を低くする必要があるため、エポキシ化率の上限は50モル%にする。
【0027】
カーカス用ゴム組成物のゴム成分は、エポキシ化天然ゴムを10〜60重量%、好ましくは20〜40重量%を含有する。エポキシ化天然ゴムが10重量%未満であると、所要の空気透過防止性を得ることができない。また、エポキシ化天然ゴムが60重量%を超えると、被覆ゴムとしてのゴム強度が不足する。天然ゴムの配合量は40〜90重量%であり、好ましくは60〜80重量%にするとよい。天然ゴムが40重量%未満であると、カーカス層として必要なゴム強度が不足する。天然ゴムが90重量%を超えると、所要の空気透過防止性を得ることができない。
【0028】
カーカス用ゴム組成物のゴム成分は、エポキシ化天然ゴムと天然ゴムからなり、これ以外のブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム成分を含まないようにする。したがって、従来のカーカス用ゴム組成物に比べ、空気透過係数を大幅に低減する。カーカス用ゴム組成物の空気透過係数は、特に限定されるものではないが、60℃の空気透過係数で、好ましくは23.5×10−5mm・mm/mm・sec・MPa以下にし、より好ましくは5.0〜20.0×10−5mm・mm/mm・sec・MPaにするとよい。60℃の空気透過係数をこのような範囲内にすることにより、空気入りタイヤの空気保持率を高くすることができる。
【0029】
また、本発明において、インナーライナー層とカーカス層とが、互いに架橋しやすく層間の接着性が良いため、インナーライナー層とカーカス層の間に、タイゴムを介在させる必要がない。このため、タイヤ重量を低減し、かつ低転がり性を一層向上することができる。
【0030】
カーカス用ゴム組成物に配合するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が20〜100m/gであり、好ましくは35〜90m/gである。窒素吸着比表面積が20m/g未満であると、被覆ゴムとして要求される補強性能が十分に得られない。また、窒素吸着比表面積が100m/gを超えると低発熱性及び低転がり性が悪化すると共に、タイヤ気室内の温度が高くなり空気保持性も悪化する。
【0031】
また、カーボンブラックのDBP吸収量は、60〜120cm/100gであり、好ましくは60〜110cm/100gである。DBP吸収量が60cm/100g未満であると、ゴムの補強性や伸びが低下し耐久性が十分に得られない虞がある。DBP吸収量が120cm/100gを超えると、低発熱性及び低転がり性が悪化すると共に、空気保持性も悪化する。カーカス用ゴム組成物に使用するカーボンブラックは、石炭系重質油、トール油を原料として製造されたものを使用するとよい。
【0032】
カーカス用ゴム組成物中のカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し、5〜80重量部であり、好ましくは30〜70重量部にするとよい。カーボンブラックが5重量部未満であると、被覆ゴムとして要求される補強性能が十分に得られない。また、カーボンブラックが80重量部を超えると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎてカーカスコード被覆が困難になる。
【0033】
カーカス用ゴム組成物は、カーボンブラックのほか、板状無機充填剤を除く無機充填剤を配合してもよい。板状無機充填剤を除く無機充填剤を配合することにより、カーカス層の剛性が高くなり、操縦安定性を向上することができる。また、他のゴム部材の厚さを小さくすることにより、タイヤ重量を低減し、低転がり性を向上することができる。このような無機充填剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン等を例示することができる。カーカス用ゴム組成物に板状無機充填剤を配合した場合には、被覆ゴムの破断強度が低下し、カーカスコード周辺の被覆ゴムの厚さが薄いところでクラックが起こりやすくなり耐久性が低下するのに対し、粒状又は無定形の無機充填剤は、クラックの起点になりにくいため耐久性を悪化させることはない。
【0034】
板状無機充填剤以外の無機充填剤としてはシリカが好ましい。シリカの種類は、特に限定されるものではなく、通常ゴム組成物に配合されるものを使用することができ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカ、表面処理シリカを例示することができる。
【0035】
カーカス用ゴム組成物中の板状無機充填剤以外の無機充填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは10〜80重量部、より好ましくは30〜70重量部にするとよい。無機充填剤の配合量が10重量部未満の場合には、ゴムの補強性が低く、操縦安定性の向上が困難になる。また、無機充填剤の配合量が80重量部を超えると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎてカーカスコード被覆が困難になる。
【0036】
無機充填剤として、シリカを使用する場合には、シランカップリング剤を配合するとよい。シランカップリング剤の種類は、特に制限されるものではなく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系シランカップリング剤、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系シランカップリング剤、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系シランカップリング剤などを例示することができる。なかでもスルフィド系シランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対し、好ましくは2〜12重量部であり、より好ましくは5〜10重量部にするとよい。シランカップリング剤を配合することにより、シリカの分散性を向上しゴムとの補強性を高めることができる。シランカップリング剤がシリカ重量の2重量部未満の場合、シリカの分散が悪化する。また、シランカップリング剤が12重量部を超える場合、シランカップリング剤同士が重合してしまい、所望の効果を得ることができない。
【0038】
本発明で使用するカーカス用ゴム組成物は、ピネン・ジペンテン共重合体を、アロマオイルの代わりに配合する。ピネン・ジペンテン共重合体としては、上述した90℃の粘度が20〜50mPa・s、好ましくは25〜40mPa・sのものを使用する。
【0039】
カーカス用ゴム組成物において、ピネン・ジペンテン共重合の配合量は、カーカス用ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対し、2〜30重量部であり、好ましくは3〜20重量部にするとよい。ピネン・ジペンテン共重合が2重量部未満であると、可塑剤としての可塑化効果が低くなる。また、ピネン・ジペンテン共重合が30重量部を超えると、ゴムへの取り込みが悪化し混合が困難になる。
【0040】
カーカス層を構成するカーカスコードとしては、レーヨン繊維からなるものを使用するのがよく、タイヤ材料中の石油資源以外の材料が占める割合を高くする。また、本発明で使用するカーカス用ゴム組成物は板状無機充填剤を除く無機充填剤を配合するため剛性が高く、かつレーヨン繊維からなるカーカスコードの弾性率が高いため、レーヨン繊維コードのディップ液の組成は、剛性が高い樹脂層が得られるように構成するとよい。
【0041】
このような、ディップ液としては、例えば、レゾルシン(R)、ホルマリン(F)、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)からなり、レゾルシン(R)とホルマリン(F)とからレゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)を調製し、このレゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)とスチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)を混合するとよい。レゾルシン(R)とホルマリン(F)とのモル比(R/F)は、好ましくは1/4〜1/2.5にし、より好ましくは1/3〜1/2.5にするとよい。モル比(R/F)が1/4より小さいと、レゾルシン・ホルマリン縮合物の生成率が低くなり、レーヨン繊維コードと被覆ゴムとの接着性が十分に得られない。また、モル比(R/F)が1/2.5より大きいと、レゾルシン・ホルマリン縮合物の生成率が高くなりすぎて、カーカスゴムが剥離するときの被覆ゴムの破壊が促進される。
【0042】
レゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)とスチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)のモル比(RF/L)は、好ましくは25/100〜40/100にし、より好ましくは25/100〜35/100にするとよい。モル比(RF/L)が25/100より小さいと、レーヨン繊維コード中へRFLディップ液が浸透しやすくなりレーヨン繊維コードが剛直になりすぎて成形性が悪化する。また、モル比(RF/L)が40/100より大きいとRFLディップ液の粘度が高くなりすぎてレーヨン繊維コード中への浸透性が悪化する。
【0043】
このようにモル比(R/F)を通常のモル比(1/1〜1/2)より小さくすると共に、モル比(RF/L)を通常のモル比(10/100〜20/100)より大きくすることにより、レーヨン繊維コードと被覆ゴムとの接着を強化すると共に、タイヤ内部の空気がカーカスコードに浸透することを抑制する。
【0044】
本発明の空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層及びカーカス層を構成するタイヤ材料に占める石油資源以外の材料の重量割合は、好ましくは70〜99重量%であり、より好ましくは75〜99重量%にするとよい。石油資源以外の材料の重量割合をこのような範囲にすることにより、タイヤ製造時における地球環境への負荷を低減することができる。
【0045】
空気入りタイヤに使用するインナーライナー用ゴム組成物及びカーカス用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、加工助剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0046】
インナーライナー用ゴム組成物及びカーカス用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
【0047】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
ゴム組成物の調製
表1及び2に示す配合からなる11種類のゴム組成物(配合1〜11)を、それぞれ第一段混合の欄に記載した配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、温度160℃でマスターバッチを放出した。このマスターバッチを8インチのオープンロールに供し、第二段混合の欄に記載した配合成分を加え4分間混合し、インナーライナー用ゴム組成物及びカーカス用ゴム組成物を調製した。
【0049】
得られた11種類のゴム組成物(配合1〜11)を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴムシートの引張り強度、正接損失(tanδ)、空気透過係数を下記に示す方法により評価した。
【0050】
引張強度
得られた加硫ゴムシートからJIS3号ダンベル試験片を打ち抜き、JIS K6251に準拠し、引張強度を測定した。得られた結果を表1,2に示す。
【0051】
正接損失(tanδ)
得られた加硫ゴムシートの動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度60℃におけるtanδを測定した。得られた結果を表1,2に示す。温度60℃におけるtanδ(60℃)の指数が小さいほど低転がり性が優れることを意味する。
【0052】
空気透過係数
得られた加硫ゴムシートを用いて、JIS K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」のA法(差圧式)に準拠して、試験気体を空気相当(窒素:酸素=8:2)とし、試験温度60℃で空気透過係数(単位:×10−5mm・mm/mm・sec・MPa)を測定した。得られた結果を表1,2に示す。空気透過係数が小さいほど、空気透過性が小さく空気透過防止性能に優れることを意味する。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3
ENR−1:エポキシ化天然ゴム、クンプーランガスリー製ENR25(エポキシ化率25モル%)
ENR−2:エポキシ化天然ゴム、クンプーランガスリー製ENR50(エポキシ化率50モル%)
IIR:ブチルゴム、日本ブチル社製エクソンブロモブチル2255
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
SBR:スチレン−ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
カーボンブラック−1:新日化カーボン社製ニテロン#55S(窒素吸着比表面積28m/g、DBP吸収量87cm/100g、石炭系重質油を原料としたカーボンブラック)
カーボンブラック−2:新日化カーボン社製ニテロン#200(窒素吸着比表面積78m/g、DBP吸収量101cm/100g、石炭系重質油を原料としたカーボンブラック)
カーボンブラック−3:東海カーボン社製シーストV(窒素吸着比表面積27m/g、DBP吸収量87cm/100g)
カーボンブラック−4:昭和キャボット社製N330(窒素吸着比表面積75m/g、DBP吸収量102cm/100g)
シリカ:Degussa社製VN−3
カオリンクレー:Huber社製SUPREX CLAY
ベントナイト:クニミネ工業社製クニゲル−V1
シランカップリング剤:Degussa社製Si69
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
パラオクチルフェノール樹脂:日立化成工業社製ヒタノール1502Z
ピネン・ジペンテン共重合体:ヤスハラケミカル社製ダイマロン
アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤−1:三新化学工業社製サンセラーDM
加硫促進剤−2:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
加硫促進剤−3:フレキシス社製サンガードPVI DS POWDER
加硫促進剤−4:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
【0056】
空気入りタイヤの製作
タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを、カーカス層を1プライで構成しカーカスコードの種類をレーヨン繊維にすること及び10種類のゴム組成物(配合1〜10)のいずれかにより、インナーライナー層及びカーカス層の被覆ゴムを構成することを共通条件として、インナーライナー層を構成するゴム組成物の種類及び厚さ、カーカス層の被覆ゴムを構成するゴム組成物の種類及び厚さ、レーヨン繊維コードのディップ液の組成、タイゴムを介在させることの有無、タイゴムを用いる場合にはその厚さを、表3,4に示すように異ならせた11種類の空気入りタイヤ(実施例1〜6、比較例1〜5)を製作した。なお、タイゴムを使用するときは、上記により得られた配合11のゴム組成物により構成した。
【0057】
得られた11種類の空気入りタイヤ(実施例1〜6、比較例1〜5)の空気漏れ量、転がり抵抗を下記の方法により評価した。また、7種類の空気入りタイヤ(実施例1,4〜6、比較例1,3,5)の操縦安定性を下記の方法により評価した。
【0058】
空気漏れ量
空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、初期圧力900kPa、室温21℃、無負荷条件にて3ヶ月間静置する間、4日毎に内圧を測定した。初期圧力P0(kPa)、測定圧力Pt(kPa)、経過時間t(日)として、下記式(1)により回帰係数αを算出した。
Pt/P0=exp(−αt) (1)
【0059】
得られた回帰係数αから、t=30(日)として、下記の式(2)により1ヶ月当たりの圧力低下率β(%/月)を算出した。
β=(1−exp(−αt))×100 (2)
【0060】
得られたβの値を比較例1の値を100とする指数にして、表3,4に空気漏れ量として示した。この指数が小さいほど、空気透過防止性能が優れていることを意味する。
【0061】
転がり抵抗性
空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、JATMAイヤーブックに記載の正規空気圧を充填し、JIS D4230に準拠する室内ドラム式転動抵抗試験機(ドラム径1707mm)にかけて、荷重2Mpaを負荷し、速度50km/hの条件で走行時の抵抗力を測定し転がり抵抗とした。得られた結果は、比較例1のタイヤを100とする指数として表3,4に示した。この指数が小さいほどが低転がり性が優れている。
【0062】
操縦安定性
空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、JATMAイヤーブックに記載の正規空気圧を充填し、国産2.0リットルクラスの車両に装着して、テストコースを走行時の操縦安定性を専門パネラー5名が10点満点でフィーリング評価し、その平均点を求めた。得られた結果は、比較例1のタイヤを100とする指数として表3,4に示した。この値が大きいほど操縦安定性が優れている。
【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
なお、表3、4において「石油資源以外の材料の割合」とは「インナーライナー層及びカーカス層を構成するタイヤ材料における石油資源以外の材料の割合(重量%)」を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーカス層の内側に空気透過防止用のインナーライナー層を設けた空気入りタイヤにおいて、
前記インナーライナー層を構成するインナーライナー用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜80モル%のエポキシ化天然ゴム30〜80重量%と天然ゴム20〜70重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が10〜50m/gで、DBP吸収量が30〜95cm/100gのカーボンブラックを1〜70重量部、板状無機充填剤を30〜150重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を1〜20重量部を配合してなり、
前記カーカス層を構成するカーカス用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜50モル%のエポキシ化天然ゴム10〜60重量%と天然ゴム40〜90重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が20〜100m/gで、DBP吸収量が60〜120cm/100gのカーボンブラックを5〜80重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を2〜30重量部を配合してなる空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記板状無機充填剤が、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記カーカス用ゴム組成物が、ゴム成分100重量部に対し前記板状無機充填剤を除く無機充填剤を10〜80重量部更に配合した請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記板状無機充填剤を除く無機充填剤がシリカであり、該シリカ100重量部に対し、シランカップリング剤を2〜12重量部配合した請求項3に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記カーカス層を構成するカーカスコードがレーヨン繊維からなり、このレーヨン繊維コードのディップ液が、レゾルシン(R)、ホルマリン(F)、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)からなり、レゾルシン(R)とホルマリン(F)とのモル比(R/F)が1/4〜1/2.5のレゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)を調製し、該レゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)とスチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)のモル比(RF/L)を25/100〜40/100にした請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記インナーライナー層及びカーカス層を構成するタイヤ材料に石油資源以外の材料が占める重量割合が70〜99重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2010−6133(P2010−6133A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164869(P2008−164869)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】