説明

空気入りタイヤ

【課題】空気入りタイヤの転がり抵抗を低減する構造を提供すること。
【解決手段】空気入りタイヤ1は、円筒形状の環状構造体10と、環状構造体10の外側10soに、環状構造体10の周方向に向かって設けられてトレッド部となるゴム層11と、ゴムで被覆された繊維を有し、環状構造体10とゴム層11とを含む円筒形状の構造体2の中心軸(Y軸)と平行な方向における両側2Sに設けられるカーカス部12と、を含み、構造体2の子午断面において、ゴム層11の外側11soと、環状構造体10の外側10soとが同様の形状である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり抵抗を低減できる空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの転がり抵抗を低減することは、自動車の燃費を改善するために有用である。タイヤの転がり抵抗を低減するため、例えばシリカ配合のゴムをトレッドに適用する等の技術がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】土井昭政、「タイヤにおける最近の技術動向」、日本ゴム協会誌、1998年9月 Vol.71、p.588−594
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載されている空気入りタイヤの転がり抵抗を低減する手法は、材料に改良を加えるものであるが、空気入りタイヤの構造を変更することによって転がり抵抗を低減できる可能性もある。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減する構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するための手段は、円筒形状の環状構造体と、前記環状構造体の外側に、前記環状構造体の周方向に向かって設けられてトレッド部となるゴム層と、ゴムで被覆された繊維を有し、前記環状構造体と前記ゴム層とを含む円筒形状の構造体の中心軸と平行な方向における両側に設けられるカーカス部と、を含み、前記構造体の子午断面において、前記ゴム層の外側と、前記環状構造体の外側とが同様の形状であり、かつ前記中心軸と平行な方向における前記環状構造体の両側の領域は、それ以外の領域よりも剛性が高いことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0006】
上述した手段において、前記環状構造体は、前記両側の領域に、環状の補強構造体を有することが好ましい。
【0007】
上述した手段において、前記環状構造体及び前記補強構造体は、弾性率が70GPa以上250GPa以下であることが好ましい。
【0008】
上述した手段において、前記環状構造体及び前記補強構造体は、厚みが0.1mm以上2mm以下であることが好ましい。
【0009】
上述した手段において、請求項2から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの子午断面において、前記補強構造体の断面2次モーメントは、0.004mm以上20mm以下であることが好ましい。
【0010】
上述した手段において、前記環状構造体及び前記補強構造体は、金属であることが好ましい。
【0011】
上述した手段において、前記ゴム層の外側と、前記環状構造体の外側とは、前記中心軸と平行であることが好ましい。
【0012】
上述した手段において、前記環状構造体は、前記カーカス部よりも前記構造体の径方向内側に配置されることが好ましい。
【0013】
上述した手段において、前記中心軸と平行な方向における前記環状構造体の寸法は、前記中心軸と平行な方向における前記ゴム層の寸法の50%以上120%以下であることが好ましい。
【0014】
上述した手段において、前記環状構造体の外側と、前記ゴム層の外側との距離は、3mm以上20mm以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減する構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本実施形態に係るタイヤの斜視図である。
【図2−1】図2−1は、本実施形態に係るタイヤの分解図である。
【図2−2】図2−2は、本実施形態に係るタイヤの分解図である。
【図2−3】図2−3は、本実施形態に係るタイヤの分解図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るタイヤの子午断面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るタイヤが有するカーカス部の拡大図である。
【図5】図5は、環状構造体とゴム層との子午断面図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る補強構造体の変形例を示す子午断面図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る補強構造体の変形例を示す子午断面図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る補強構造体の変形例を示す子午断面図である。
【図9】図9は、本実施形態に係る補強構造体の変形例を示す子午断面図である。
【図10−1】図10−1は、子午断面におけるゴム層及び環状構造体の形状を示す図である。
【図10−2】図10−2は、子午断面におけるゴム層及び環状構造体の形状を示す図である。
【図11−1】図11−1は、本実施形態の変形例に係るタイヤの子午断面を示す図である。
【図11−2】図11−2は、本実施形態の変形例に係るタイヤの子午断面を示す図である。
【図11−3】図11−3は、本実施形態の変形例に係るタイヤの子午断面を示す図である。
【図12】図12は、本実施形態の他の変形例に係るタイヤの子午断面を示す図である。
【図13】図13は、評価結果を示す図である。
【図14−1】図14−1は、本評価における評価対象の接地面形状を示す平面図である。
【図14−2】図14−2は、本評価における評価対象の接地面形状を示す平面図である。
【図14−3】図14−3は、本評価における評価対象の接地面形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0018】
空気入りタイヤ(以下、必要に応じてタイヤという)の転がり抵抗を低減するため、タイヤの偏心変形を極限まで高めると、タイヤと路面との接地面積が小さくなり接地圧が増加する。その結果、トレッド部の変形による粘弾性エネルギ損失が大きくなり、転がり抵抗が増加する。本発明者らは、この点に注目し、タイヤと路面との接地面積を確保し、かつ偏心変形を維持することによって、転がり抵抗を低減し、かつ操安性を向上させることを試みた。偏心変形とは、タイヤのトレッドリング(クラウン領域のこと)が円形を保ったまま垂直に変位する一次モードの変形である。タイヤと路面との接地面積を確保し、かつ偏心変形を維持するため、本実施形態に係るタイヤは、例えば、金属の薄板で製造される円筒形状の環状構造体の外側に、前記環状構造体の周方向に向かってゴム層を設け、このゴム層をトレッド部とする構造を採用する。
【0019】
図1は、本実施形態に係るタイヤの斜視図である。図2−1から図2−3は、本実施形態に係るタイヤの分解図である。図3は、本実施形態に係るタイヤの子午断面図である。図4は、本実施形態に係るタイヤが有するカーカス部の拡大図である。図1に示すように、タイヤ1は、環状の構造体である。前記環状の構造体の中心を通る軸がタイヤ1の中心軸(Y軸)となる。タイヤ1は、使用時において、内部に空気が充填される。
【0020】
タイヤ1は、中心軸(Y軸)を回転軸として回転する。Y軸は、タイヤ1の中心軸かつ回転軸である。タイヤ1の中心軸(回転軸)であるY軸に直交し、かつタイヤ1が接地する路面と平行な軸をX軸、Y軸とX軸とに直交する軸をZ軸とする。Y軸と平行な方向がタイヤ1の幅方向である。Y軸を通り、かつY軸に直交する方向がタイヤ1の径方向である。また、Y軸を中心とする周方向が空気入りタイヤ1の周方向(図1の矢印CRで示す方向)である。
【0021】
図1、図2−1から図2−3及び図3に示すように、タイヤ1は、円筒形状の環状構造体10と、ゴム層11と、カーカス部12と、補強構造体15とを含む。環状構造体10は、円筒形状の部材である。ゴム層11は、環状構造体10の外側10soに、環状構造体10の周方向に向かって設けられることで、タイヤ1のトレッド部となる。カーカス部12は、図4に示すように、ゴム12Rで被覆された繊維12Fを有する。そして、カーカス部12は、図3に示すように、環状構造体10とゴム層11とを含む円筒形状の構造体2の中心軸(Y軸)と平行な方向(すなわち幅方向)における両側2Sに設けられる。タイヤ1は、構造体2の子午断面において、ゴム層11の外側11soと、環状構造体10の外側10soとが同様の形状である。
【0022】
環状構造体10は、本実施形態においては金属材料で作られる。環状構造体10に用いることができる金属材料としては、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等があるが、これらに限定されるものではない。例えば、CFRP(Carbone Fiber Reinforced Plastics)やGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)等の繊維強化プラスチックを環状構造体10に用いることもできる。
【0023】
環状構造体10の厚みは、後述するように0.1mm以上2.0mm以下と薄い。このため、タイヤ1へのインフレート時には環状構造体10の幅方向中央部が膨張しようとして、幅方向における両側にバックリングによる変形が発生することがある。その結果、環状構造体10及びタイヤ1の形状が歪み、タイヤ1の転動時における振動等の原因となることがある。この現象は、環状構造体10の厚みが小さい程、顕著になる。一方、環状構造体10の厚みが0.5mm以上になると、バックリングによる変形は抑制されるが、環状構造体10の質量が増加して、タイヤ1のばね下荷重が増加する。
【0024】
環状構造体10は、幅方向における両端部の剛性が低いため、前記両端部で上述したバックリングによる変形が発生しやすい。そこで、本実施形態では、補強構造体15を、環状構造体10のY軸と平行な方向における両側に設ける。補強構造体15は、環状の構造体であり、幅方向における環状構造体10の両側の領域に設けられる。補強構造体15に用いることができる金属材料としては、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等があるが、これらに限定されるものではない。例えば、CFRP(Carbone Fiber Reinforced Plastics)やGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)等の繊維強化プラスチックを補強構造体15に用いることもできる。
【0025】
補強構造体15により、Y軸と平行な方向における環状構造体10の両側の領域は、それ以外の領域よりも剛性が高くなる。このため、環状構造体10の両側に発生するバックリングによる変形を抑制しつつ、環状構造体10の質量増加を最小限に抑えることができる。剛性とは、径方向における剛性である。すなわち、一方の補強構造体15が設けられる領域(補強領域)と補強構造体15が設けられない領域(非補強領域)とに、それぞれ径方向に向かって同じ荷重を負荷した場合、補強領域の方が非補強領域よりも変形が少なくなる。
【0026】
補強構造体15と環状構造体10とは、機械的に結合していることが好ましい。両者の結合においては、補強構造体15と環状構造体10とが直接結合していてもよいし、その他の部材(例えば、接着剤又はゴム等)を介して結合していてもよい。両者を機械的に結合させる例としては、例えば、溶接、リベット又はボルトによる締結、接着、焼き嵌め又は冷やし嵌め焼等がある。
【0027】
環状構造体10の外側10soとゴム層11の内側11siとは互いに接触している。本実施形態において、環状構造体10とゴム層11とは、例えば接着剤によって固定されている。このような構造により、環状構造体10とゴム層11との間で相互に力を伝達できる。環状構造体10とゴム層11とを固定する手段は、接着剤に限定されるものではない。ゴム層11は、合成ゴムや天然ゴム又はこれらを混合したゴム材料と、当該ゴム材料に補強材として添加される炭素やSiO等を含む。ゴム層11は、図2−1に示すように、無端のベルト状の構造体である。本実施形態において、ゴム層11の子午断面形状は、図3に示すように長方形である。ゴム層11の子午断面形状は長方形に限定されるものではないが、ゴム層11の外側11soと内側11si(すなわち、環状構造体10の外側10so)とが平行(公差、誤差を含む)であることが好ましい。この点については後述する。ゴム層11は外側11soに複数の溝によって形成されるトレッドパターンを有していてもよい。
【0028】
カーカス部12は、タイヤ1に空気を充填した際に、環状構造体10とともに圧力容器としての役目を果たす強度メンバーである。カーカス部12及び環状構造体10は、内部に充填された空気の内圧によってタイヤ1に作用する荷重を支え、走行中にタイヤ1が受ける動的荷重に耐える。本実施形態において、タイヤ1のカーカス部12は、内側にインナーライナー14を有する。インナーライナー14によって、タイヤ1の内部に充填された空気の漏洩を抑制する。両方のカーカス部12は、径方向内側に、それぞれビード部13を有する。ビード部13は、タイヤ1が取り付けられるホイールのリムと嵌合する。なお、カーカス部12は、ホイールのリムと機械的に結合していてもよい。
【0029】
図5は、環状構造体とゴム層との子午断面図である。環状構造体10の弾性率は、70GPa以上250GPa以下とすることが好ましい。また、環状構造体10の厚みtmは、0.1mm以上2.0mm以下とすることが好ましい。環状構造体10の厚みtmは、環状構造体10の材料によって適切な大きさに設定されることが好ましい。環状構造体10の弾性率と厚みtmとの積(剛性パラメータという)は、10以上500以下とすることが好ましい。
【0030】
剛性パラメータを上記の範囲とすることにより、環状構造体10は、面内剛性が大きくなる。このため、タイヤ1に空気を充填したとき及びタイヤ1が路面に接地したときにおいては、環状構造体10によってトレッド部となるゴム層11の設置部における局所的な変形が抑制される。その結果、タイヤ1は、前記変形にともなう粘弾性エネルギの損失が抑制される。また、剛性パラメータを上記の範囲とすることにより、環状構造体10は、径方向における剛性は小さくなる。このため、タイヤ1は、従来の空気入りタイヤと同様に、路面との接地部でトレッド部が柔軟に変形する。このような機能により、タイヤ1は、接地部における局所的な歪み及び応力の集中を回避しながら偏心変形するので、接地部における歪みを分散させることができる。その結果、タイヤ1は、接地部におけるゴム層11の局所的な変形が抑制されるので、接地面積が確保され、転がり抵抗が低減される。
【0031】
さらに、タイヤ1は、環状構造体10の面内剛性が大きいこと及びゴム層11の接地面積を確保できる結果、周方向における接地長さを確保できることから、舵角が入力されたときに発生する横力が大きくなる。その結果、タイヤ1は、大きなコーナーリングパワーを得ることができる。また、環状構造体10を金属で製造した場合、タイヤ1の内部に充填された空気は環状構造体10をほとんど透過しない。その結果、タイヤ1の空気圧の管理が容易になるという利点もある。このため、長期にわたり、タイヤ1に空気を充填しないような使用態様に対しても、タイヤ1の空気圧低下を抑制できる。
【0032】
補強構造体15は、弾性率が70GPa以上250GPa以下であることが好ましい。このようにすることで、バックリングによる変形を効果的に抑制できるとともに、タイヤ1の転がり抵抗を低減でき、さらに及び操安性を向上させることができる。なお、環状構造体10の弾性率と補強構造体15の弾性率とは異なっていてもよい。また、補強構造体15は、厚みthが0.1mm以上2mm以下であることが好ましい。このようにすることで、バックリングによる変形を効果的に抑制できるとともに、タイヤ1の転がり抵抗を低減でき、さらに及び操安性を向上させることができる。なお、環状構造体10の厚みtmと補強構造体15の厚みthとは異なっていてもよい。
【0033】
タイヤ1の子午断面において、補強構造体15の断面2次モーメントは、0.004mm以上20mm以下であることが好ましい。このようにすれば、環状構造体10をより効果的に補強して、バックリングによる変形をより効果的に抑制することができる。図5に示す例において、補強構造体15の子午断面における形状は長方形である。この場合、断面2次モーメントIは、式(1)で求めることができる。補強構造体15の子午断面における形状は長方形である場合、I=0.004mmは、Wh=50mm、th=0.1mmに対応し、I=20mmは、Wh=30mm、th=2mmに対応する。Whは、補強構造体15の幅方向における寸法である。
I=Wh×th/12・・・(1)
【0034】
環状構造体10の外側10soと、ゴム層11の外側11soとの距離tr(ゴム層11の厚み)は、3mm以上20mm以下であることが好ましい。距離trをこのような範囲とすることで、乗り心地を確保しつつ、コーナーリング時におけるゴム層11の過度な変形を抑制できる。環状構造体10の中心軸(Y軸)と平行な方向、すなわち幅方向における環状構造体10の寸法(環状構造体幅)Wmは、中心軸(Y軸)と平行な方向におけるゴム層11の寸法(ゴム層幅)Wrの50%(Wr×0.5)以上120%(Wr×1.2)以下とすることが好ましい。WmがWr×0.5よりも小さい場合、環状構造体10の面内剛性が不足する結果、タイヤ幅に対して偏心変形を維持する領域が減少する。その結果、転がり抵抗を低減させる効果及びコーナーリングパワーも減少してしまうおそれがある。また、WmがWr×1.2を超えると、接地時においてトレッドが環状構造体10を中心軸(Y軸)方向に座屈変形させ、環状構造体10の変形を招くおそれがある。Wr×0.5≦Wm≦Wr×1.2とすることで、転がり抵抗を低減させつつコーナーリングパワーを維持し、さらに、環状構造体10の変形も抑制できる。
【0035】
図6から図9は、本実施形態に係る補強構造体の変形例を示す子午断面図である。図6に示すように、補強構造体15aは、環状構造体10の径方向外側に配置されてもよい。このようにすることで、補強構造体15aによって環状構造体10の径方向外側への変形を抑制することができる。また、図7に示すように、補強構造体15bは、径方向において環状構造体10と同じ位置に配置される。すなわち、補強構造体15bは、環状構造体10の幅方向における両端面にそれぞれ取り付けられる。この場合、環状構造体10の弾性率よりも補強構造体15の弾性率を高くすることにより、幅方向における環状構造体10の両側の領域は、それ以外の領域よりも剛性を高くすることができる。
【0036】
図8に示す補強構造体15cは、図7に示す補強構造体15bと同様に、環状構造体10の幅方向における両端面にそれぞれ取り付けられる。補強構造体15cは、幅方向外側に向かうにしたがって厚みが大きくしてある。補強構造体15は、環状構造体10の径方向内側に取り付けてもよいし、径方向外側に取り付けてもよい。図9は、環状構造体10dの幅方向両端部を幅方向内側かつ径方向内側に折り曲げて、折り曲げられた部分を補強構造体15dとしたものである。環状構造体10dは、折り曲がり部16で補強構造体15dと連結している。また、環状構造体10dと、折り曲がり部16と、補強構造体15dとは一体構造である。このようにすることで、幅方向における環状構造体10の両側の領域は、それ以外の領域よりも剛性を高くすることができる。折り曲がり部16は複数であってもよい。また、環状構造体10dの幅方向両端部を幅方向内側かつ径方向外側に折り曲げてもよい。
【0037】
図10−1、図10−2は、子午断面におけるゴム層及び環状構造体の形状を示す図である。図10−1に示すタイヤ(空気入りタイヤ)101は、子午断面において、ゴム層111の外側111soが幅方向中心部において径方向外側に突出しているのに対し、環状構造体110の外側110soは幅方向に向かって平坦である。図10−2に示すタイヤ(空気入りタイヤ)101aは、子午断面において、ゴム層111aの外側111soaが幅方向に向かって平坦であるのに対し、環状構造体110aの外側110soaは幅方向中心部において径方向外側に突出している。このように、タイヤ101及びタイヤ101aは、子午断面において、ゴム層111、111aの外側111so、111soaと、環状構造体110、110aの外側110so、110soaとは形状が異なっている。このような構造である場合は、ゴム層111、111aの外側111so、111soaと、環状構造体110、110aの外側110so、110soaとの距離が幅方向において異なるので、幅方向において剛性の分布が発生する。その結果、タイヤ101、101aは、トレッド部となるゴム層111、111aと、環状構造体110、110aとの変形状態が異なり、これに起因して、接地部には局所的な歪み及び応力の集中が発生する。そして、タイヤ101、101aは、接地部においてゴム層111、111aが局所的に変形するおそれがある。この局所的な変形により、ゴム層111、111aの粘弾性損失エネルギが増加して、転がり抵抗の増加を招くおそれがある。
【0038】
上記観点から、タイヤ1は、図4に示す構造体2の子午断面において、ゴム層11の外側11soと、環状構造体10の外側10soとは同様の形状であることが好ましい。このような構造により、タイヤ1の接地時や転動時においては、トレッド部となるゴム層11と、環状構造体10とは略同様に変形する。その結果、タイヤ1は、ゴム層11の変形が少なくなるので、粘弾性エネルギの損失はより小さくなり、転がり抵抗もより小さくなる。
【0039】
ゴム層11の外側11soと、環状構造体10の外側10soとが、タイヤ1の径方向外側に向かって突出したり、径方向内側に向かって突出したりすると、タイヤ1の接地部における圧力分布が不均一となる。その結果、接地部には局所的な歪み及び応力の集中が発生し、接地部においてゴム層11が局所的に変形するおそれがある。本実施形態において、タイヤ1は、図3に示すように、ゴム層11の外側11soと、環状構造体10の外側10soとは、ゴム層11及び環状構造体10(すなわち、構造体2)の中心軸(Y軸)と平行であることが好ましい。このような構造により、タイヤ1の接地部を略平坦にすることができる。そして、タイヤ1は、接地部における圧力分布が均一になるので、接地部の局所的な歪み及び応力の集中が抑制され、接地部におけるゴム層11の局所的な変形が抑制される。その結果、タイヤ1は、粘弾性エネルギの損失が小さくなるので、転がり抵抗も小さくなる。また、タイヤ1は、接地部におけるゴム層11の局所的な変形が抑制されるので、接地面積を確保でき、同時に周方向の接地長さを確保できる。このため、タイヤ1は、コーナーリングパワーも確保できる。
【0040】
本実施形態においては、上述したように、子午断面におけるゴム層11の形状は長方形であるが、ゴム層11の外側11soと、環状構造体10の外側10soとは、これらの中心軸(Y軸)と平行であれば、長方形に限定されない。例えば、子午断面におけるゴム層11の形状は、台形や平行四辺形であってもよい。子午断面におけるゴム層11の形状が台形である場合、台形の上底と下底とのいずれがゴム層11の外側11soであってもよい。
【0041】
図11−1から図11−3は、本実施形態の変形例に係るタイヤの子午断面を示す図である。これらの変形例は、環状構造体10等に対するカーカス部12の取り付け方式が上述した実施形態と異なる他は、上述した実施形態と同様である。図11−1に示すタイヤ1aは、カーカス部12aの一端部が、環状構造体10の外側10soに取り付けられ、かつ環状構造体10とゴム層11とに挟まれる。補強構造体15は、環状構造体10の径方向内側に設けられる。
【0042】
図11−2に示すタイヤ1bは、カーカス部12bが環状構造体10の外側10soにおいて、幅方向における一端部から他端部に向かって掛け渡され、かつ環状構造体10とゴム層11とによって両者の幅方向全領域で挟まれる。補強構造体15は、環状構造体10の径方向内側に設けられる。図11−3に示すタイヤ1cは、環状構造体10の内側10siにおいて、カーカス部12cが幅方向における一端部から他端部に向かって掛け渡され、かつ環状構造体10の内側10siに固定される。補強構造体15aは、環状構造体10の径方向外側に設けられる。タイヤ1cは、カーカス部12cが環状構造体10の内側10siに固定されるため、補強構造体15aとカーカス部12cとの干渉を回避する必要があるからである。
【0043】
図11−1、図11−2に示すタイヤ1a、1bのように、カーカス部12a、12bを環状構造体10とゴム層11とで挟むようにすると、カーカス部12は環状構造体10とゴム層11とに確実に固定され、高い強度を確保できるので好ましい。特に、図11−2に示すタイヤ1bのように、環状構造体10の外側10soにおいて幅方向全領域にわたりカーカス部12bが覆うようにすれば、カーカス部12bがタイヤ1bの幅方向において分断されないので、カーカス部12bと環状構造体10との接合部に作用する力を抑制できる。その結果、タイヤ1bは、前記接合部に不具合が発生するおそれを低減できるので、タイヤ1bをより強固な構造物とすることができるとともに、タイヤ1bの耐久性低下を抑制できる。
【0044】
図11−3に示すタイヤ1cは、カーカス部12cが環状構造体10の内側10siに固定される点は、図3に示すタイヤ1と同様であるが、環状構造体10の内側10siの幅方向全域で固定される点が異なる。このような構造により、タイヤ1は、カーカス部12cがタイヤ1cの幅方向において分断されない。図3に示すタイヤ1は、カーカス部12と環状構造体10との接合部に内圧が作用するが、図11−3に示すタイヤ1cは、内圧をカーカス部12c全体で受けることになり、カーカス部12cと環状構造体10との接合部に内圧は作用しない。このように、図11−3に示すタイヤ1cは、幅方向においてカーカス部12cが分断されないので、カーカス部12cと環状構造体10との接合部に作用する力を抑制できる。その結果、タイヤ1cは、前記接合部に不具合が発生するおそれを低減できるので、タイヤ1cの耐久性低下を抑制できる。
【0045】
図12は、本実施形態の他の変形例に係るタイヤの子午断面を示す図である。図12に示すように、タイヤ1dは、環状構造体10が、ゴム層11内に埋設されている。このようにすることで、環状構造体10とゴム層11とがより確実に固定される。タイヤ1dのカーカス部12は、環状構造体10の径方向内側を通って、両方のビード部13間を連結している。すなわち、カーカス部12は、両方のビード部13、13間で連続している。なお、カーカス部12は、環状構造体10の幅方向における両側に設けられて、両方のビード部13、13間で連続していなくてもよい。本変形例において、タイヤ1dは、ゴム層11が両方のカーカス部12、12の表面を覆っている。タイヤ1dは、両方のカーカス部12の内側にインナーライナー14を有する。
【0046】
タイヤ1dは、ゴム層11に溝を有さないが、溝を有していてもよい。ゴム層11が溝を有する場合、ゴム層11の外側(タイヤ1のトレッド面)と、環状構造体10の外側とが、トレッド面に形成された溝の部分を除いて同様の形状であり、平行(公差、誤差を含む)であることがより好ましい。このような構造により、タイヤ1dの接地時や転動時においては、トレッド部となるゴム層11と、環状構造体10とは略同様に変形する。その結果、タイヤ1dは、ゴム層11の変形が少なくなるので、粘弾性エネルギの損失はより小さくなり、転がり抵抗もより小さくなる。
【0047】
(評価例)
本実施形態に係るタイヤ1を基にして、コンピュータで解析可能な数値解析モデルを作成し、コンピュータを用いて有限要素法で解析した。数値解析モデルの元となったタイヤ1は、図3に示す子午断面形状を有している。タイヤ1の各部の寸法は、図3に示すタイヤ幅Wが190mm、カーカス高さ(ビード部13のヒール部13hから環状構造体10の内側10siまでの径方向における距離)Hが40mmである。環状構造体10は、ばね鋼であり、厚みtm(図5参照)は0.4mmである。ゴム層11は、環状構造体10の外側10soに接着して固定した。ゴム層11の厚みtr(図5参照)は8mmである。タイヤ1の直径は、225/50R18の空気入りタイヤの直径相当の大きさである。一対のカーカス部12は、環状構造体10の内側10siの幅方向における両端部にそれぞれ結合した。図3、図5に示す補強構造体15は、Wh=30mm、th=0.4mmで、断面2次モーメントI=0.16mmである。
【0048】
比較対象として、従来構造の空気入りタイヤ及び剛体板タイヤについて、コンピュータで解析可能な数値解析モデルを作成し、コンピュータを用いて有限要素法で接地解析及び転動解析を実行した。従来構造の空気入りタイヤは、サイズが225/50R18である。剛体板タイヤは、円板の外周部にゴム層を設けたものであり、図1、図3に示すタイヤ1が有する環状構造体10の剛性を極めて高くしたものに相当する。剛体板タイヤは、幅が190mmであり、直径は225/50R18の空気入りタイヤの直径相当の大きさである。剛体板タイヤは、偏心変形を極限まで高めたものである。
【0049】
タイヤ1と従来構造の空気入りタイヤと剛体板タイヤとを評価するための特性値は、縦剛性Kt及び横剛性Ky及びコーナーリングパワーCP及び転がり抵抗RRである。縦剛性は、評価対象(タイヤ1及び従来構造の空気入りタイヤ及び剛体板タイヤの数値解析モデル)に対して路面と直交する方向に荷重を与えた場合における、前記荷重の作用方向における変位に対する、前記荷重の変化率(kN/m)である。本評価例においては、評価対象に内圧として230kPaを評価対象へ負荷した状態で、路面と直交する方向における基準荷重(4kN)を評価対象に与え、かつ前記基準荷重を中心として±0.5kNの範囲で評価対象に与える荷重を変化させた際の前記変化率を縦剛性とした。
【0050】
横剛性は、評価対象に対して路面と直交する方向に荷重を与えながら、評価対象の幅方向(横方向)へ評価対象を動かした場合において、横方向における変位(横方向変位)に対する、横方向に与えた力(横力)の変化率(kN/m)である。本評価例においては、評価対象に内圧として230kPaを評価対象へ負荷し、かつ路面と直交する方向における基準荷重(4kN)を評価対象に与えた状態で、横力を所定の範囲で変化させることによって得られた、前記横方向変位に対する前記横力の変化率を横剛性とした。コーナーリングパワーは、評価対象を定常転動させた状態において評価対象に舵角を1度与えたときに、横方向に発生する力の大きさである。転がり抵抗(転動抵抗)は、特許第3969821に記載された方法によって求めた。この方法は、まず静的接地解析結果において、タイヤモデルが一回転する場合に相当する周方向のひずみと応力の履歴を求め、その履歴のフーリエ変換結果である振幅と材料の損失正接を用いてタイヤモデルの各所の損失エネルギを求める。これをタイヤモデル全体で総和することによりタイヤモデル全体での損失エネルギを求め、この全損失エネルギをタイヤモデルの周長で除算することにより転がり抵抗を算出する方法である。
【0051】
図13は、評価結果を示す図である。図13において、特性値である縦剛性Kt及び横剛性Ky及びコーナーリングパワーCP及び転がり抵抗RRは、従来構造の空気入りタイヤの特性値を100として、タイヤ1及び剛体板タイヤの結果を表してある。コーナーリングパワーCPは数値が大きい方がよく、転がり抵抗RRは数値が低い方がよい。縦剛性Kt及び横剛性Kyが過度に高いことは好ましくない。
【0052】
図13の結果から分かるように、タイヤ1(図13のC)は、従来構造の空気入りタイヤと比較して、コーナーリングパワーCPが増加し、転がり抵抗RRは大幅に低下する。より具体的には、タイヤ1のコーナーリングパワーCPは、従来構造の空気入りタイヤ(図13のA)の180%弱まで増加する。また、タイヤ1の転がり抵抗RRは、従来構造の空気入りタイヤの30%程度まで低下する。この結果から、タイヤ1は、従来構造の空気入りタイヤと比較して、燃費は向上し、かつ旋回性能も高くなると考えられる。また、タイヤ1は、縦剛性Ktは従来構造の空気入りタイヤと同程度なので、従来の空気入りタイヤと同程度の乗り心地を確保できると考えられる。
【0053】
一方、剛体板タイヤ(図13のB)は、従来構造の空気入りタイヤ及びタイヤ1と比較して、縦剛性Ktが過度に高くなるので、乗り心地が悪化すると考えられる。また、剛体板タイヤは、縦剛性Ktが過度に高いため、接地部の局所的な変形を招き接地面積及び周方向における接地長さが小さくなる。その結果、剛体板タイヤは、転がり抵抗RRの増加及びコーナーリングパワーCPの低下が発生すると考えられる。タイヤ1は、剛体板タイヤと比較して縦剛性Ktが小さいため、偏心変形自体は大きくなるが、偏心変形は維持されると考えられる。このため、タイヤ1は、接地面積を確保しつつ、偏心変形を維持できる。その結果、タイヤ1は、接地部の局所的な変形を抑制して接地面積及び周方向における接地長さを確保できるので、転がり抵抗RRの低減及びコーナーリングパワーCPの向上を実現できると考えられる。なお、タイヤ1は、環状構造体10の幅方向両端にバックリングによる変形は発生しなかった。
【0054】
図14−1、図14−2、図14−3は、本評価における評価対象の接地面形状を示す平面図である。図14−1のAは従来の空気入りタイヤの結果を示し、図14−2のBは剛体板タイヤの結果を示し、図14−3のCは、図4に示すタイヤ1(本実施形態)の結果を示す。濃淡のばらつきが小さい方が、接地圧のばらつきが小さいことを示す。図14−2に示すように、剛体板タイヤは、従来の空気入りタイヤと比較して接地部RCの接地面積が小さく、結果として接地圧が高くなってしまう。これに対して、タイヤ1は、接地部RCの接地面積が剛体板タイヤよりも広く、従来の空気入りタイヤと同等である。また、タイヤ1の接地部RCは、周方向における接地長さが従来の空気入りタイヤと同程度確保できており、接地圧は従来の空気入りタイヤと比較して、より均一になる。
【0055】
以上、本実施形態に係る空気入りタイヤは、弾性率と厚みとの積で規定される剛性パラメータが10以上500以下の環状構造体と、環状構造体の外側に配置されるゴム層とを有する。このような構造により、本実施形態に係るタイヤは、接地部におけるゴム層の局所的な歪み及び応力の集中を回避しながら偏心変形するので、接地部における歪みを分散させることができる。その結果、本実施形態に係るタイヤは、接地部におけるゴム層の局所的な変形が抑制されるので、接地部においては歪及び応力集中が分散されて、転がり抵抗が低減する。このように、本実施形態は、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減する構造を提供できる。
【0056】
また、上述した構造により、本実施形態に係る空気入りタイヤは、ゴム層が摩耗した場合には、ゴム層を環状構造体から取り外し、新しいゴム層を環状構造体に取り付ければよいので、リトレッドも容易である。そして、本実施形態に係る空気入りタイヤは、不具合が発生しない限り、カーカス部及び環状構造体を複数回使用できるので、廃棄部品が少なくなり、環境負荷を低減できる。さらに、本実施形態に係る空気入りタイヤは、板状の部材を円筒状に成型して環状構造体とし、空気が充填される空間を環状構造体が囲むようになっている。このため、本実施形態に係る空気入りタイヤは、踏面(ゴム層の外側)から空気が充填される空間に対する異物の侵入は、環状構造体によって阻止される。このため、本実施形態に係る空気入りタイヤは、パンクしにくいという利点もある。さらに、補強構造体により、環状構造体の両端部におけるバックリングによる変形も抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、転がり抵抗を低減することに有用である。
【符号の説明】
【0058】
1、1a、1b、1c、101、101a 空気入りタイヤ(タイヤ)
2 構造体
2S 両側
10、10d、110、110a 環状構造体
10so、110so、110soa 外側
10si 内側
11、111、111a ゴム層
11so、111so、111soa 外側
11si 内側
12、12a、12b、12c カーカス部
12F 繊維
12R ゴム
13 ビード部
13h ヒール部
14 インナーライナー
15、15a、15b、15c、15d 補強構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の環状構造体と、
前記環状構造体の外側に、前記環状構造体の周方向に向かって設けられてトレッド部となるゴム層と、
ゴムで被覆された繊維を有し、前記環状構造体と前記ゴム層とを含む円筒形状の構造体の中心軸と平行な方向における両側に設けられるカーカス部と、
を含み、前記構造体の子午断面において、前記ゴム層の外側と、前記環状構造体の外側とが同様の形状であり、かつ前記中心軸と平行な方向における前記環状構造体の両側の領域は、それ以外の領域よりも剛性が高いことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記環状構造体は、前記両側の領域に、環状の補強構造体を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記環状構造体及び前記補強構造体は、弾性率が70GPa以上250GPa以下である請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記環状構造体及び前記補強構造体は、厚みが0.1mm以上2mm以下である請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの子午断面において、前記補強構造体の断面2次モーメントは、0.004mm以上20mm以下である空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記環状構造体及び前記補強構造体は、金属である請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記ゴム層の外側と、前記環状構造体の外側とは、前記中心軸と平行である請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記環状構造体は、前記カーカス部よりも前記構造体の径方向内側に配置される請求項1から7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記中心軸と平行な方向における前記環状構造体の寸法は、前記中心軸と平行な方向における前記ゴム層の寸法の50%以上120%以下である請求項1から8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記環状構造体の外側と、前記ゴム層の外側との距離は、3mm以上20mm以下である請求項1から9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。

【図1】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図2−3】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10−1】
image rotate

【図10−2】
image rotate

【図11−1】
image rotate

【図11−2】
image rotate

【図11−3】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14−1】
image rotate

【図14−2】
image rotate

【図14−3】
image rotate


【公開番号】特開2012−144197(P2012−144197A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5291(P2011−5291)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)