説明

空気加湿方法及び空気加湿装置

【解決課題】斜行ハニカムを用いる空気加湿方法であって、空気加湿装置を併設することなく、加湿水として純水を使用することなく、連続して加湿空気の供給を行うことができ且つ加湿時に臭気の問題が発生しない空気加湿方法を提供すること。
【解決手段】斜行ハニカム内で被加湿空気と加湿水とを接触させて、該被加湿空気の加湿を行う加湿工程を行い、該加湿工程中に、該加湿水として、次亜塩素酸を含有する加湿水を、該斜行ハニカム内に供給することにより、該被加湿空気の加湿を行いながら、該斜行ハニカムの除菌を行う加湿兼除菌工程を、間欠的に繰り返し行うこと、を特徴とする空気加湿方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜行ハニカムを用いて被加湿空気の加湿を行う空気加湿方法において、被加湿空気の加湿を中断することなく、斜行ハニカムに付着する菌の除菌を行う空気加湿方法及びそれを実施するための空気加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被加湿空気を加湿する方法としては、無機繊維からなる斜行ハニカムを用いて、斜行ハニカムの上部より斜行ハニカム内に加湿水を供給し、斜行ハニカムの下面から加湿水を排出しつつ、且つ、斜行ハニカムの前面より斜行ハニカム内に被加湿空気を供給し、斜行ハニカムの後面から加湿空気を排出することにより、斜行ハニカム内で被加湿空気と加湿水とを接触させて、被加湿空気の加湿を行う空気加湿方法が行われている。
【0003】
このような空気加湿方法では、加湿を続けるうちに、斜行ハニカムに被加湿空気中に浮遊している菌が付着し、付着した菌が繁殖して、斜行ハニカムに存在する菌の量が増加し、異臭等の原因となるため、斜行ハニカムに存在する菌の量が多くなり過ぎた場合には、除菌しなければならない。なお、斜行ハニカムに付着する被加湿空気中に浮遊している菌とは、細菌及び真菌であり、本発明では、これらを総称して、菌と記載する。
【0004】
従来の空気加湿方法では、斜行ハニカムに存在する菌の量が多くなり過ぎた場合には、斜行ハニカムへ空気を供給をしたまま、斜行ハニカムへの加湿水の供給を止めて、斜行ハニカムを乾燥させることにより、斜行ハニカムに付着した菌の除菌が行われていた。
【0005】
また、半導体工場の製造エリアなどでは、高い清浄度が要求されるため、斜行ハニカムの前面に高機能フィルタを置くと共に、加湿水を純水とすることにより、斜行ハニカムに菌が繁殖し難くする加湿方法が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
斜行ハニカムへ空気を供給したまま、斜行ハニカムへの加湿水の供給を止めて、斜行ハニカムを乾燥させることにより、斜行ハニカムに付着した菌の除菌を行う場合、乾燥を行っている間は、被加湿空気の加湿を行うことができない。また、この場合、被加湿空気の加湿を再開したときに、加湿空気中に異臭が発生することがある。
【0007】
夜間には、人がいなくなるような施設であれば、夜間に、上記のような斜行ハニカムの乾燥を行い、被加湿空気の加湿を再開すれば、乾燥の間、被加湿空気の加湿が行えなくても、また、再開直後に加湿空気が臭くなっても、問題は起こらない。
【0008】
しかし、病院、製薬工場、食品工場、動物や微生物を取り扱う研究所、オフィスビルや商業ビル等の24時間施設内に人がいるような施設には、24時間連続して加湿空気を供給する必要があるので、被加湿空気の加湿を停止することができず、また、加湿の再開直後に加湿空気が臭くなると、臭気の問題が起こる。
【0009】
そのため、従来の除菌方法では、これらの問題を回避するために、空気加湿装置を2つ用意し、一方の空気加湿装置で、被加湿空気の加湿を行い、斜行ハニカムに存在する菌の量が多くなり過ぎたときには、被加湿空気の加湿運転を、他方の空気加湿装置に切り替え、他方の空気加湿装置での加湿運転を行っている間に、一方の斜行ハニカムの除菌及び加湿の再開を行い、それらが終了してから、再び、一方の空気加湿装置での加湿運転に切り替えるということが必要であった。
【0010】
しかし、このような方法では、空気加湿装置を2つ併設しなければならず、装置の設置に大きな場所が必要になること、及びメンテナンスコストが高くなってしまうという新たな問題が発生する。
【0011】
このようなことから、24時間施設内に人がいるような施設への加湿空気の供給には、ボイラー等で発生させた水蒸気による加湿空気の供給が一般的であった。ところが、蒸気式の場合は、燃料コストが発生すると共に、地球温暖化等の環境への影響が懸念されている。
【0012】
また、斜行ハニカムの前面に高機能フィルタを置き、加湿水を純水とする方法では、高コストの高機能フィルタ及び純水製造装置が必要である。そのため、コストが高くなり過ぎるので、一般用途での使用は難しい。
【0013】
従って、本発明の課題は、斜行ハニカムを用いる空気加湿方法であって、空気加湿装置を併設することなく、また、加湿水として純水を使用することなく、連続して加湿空気の供給を行うことができ且つ加湿時に臭気の問題が発生しない空気加湿方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、斜行ハニカムに供給する加湿水として、次亜塩素酸(HClO)を含有する加湿水を用いることにより、被加湿空気の加湿を行いながら、斜行ハニカムの除菌も行えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】
すなわち、本発明(1)は、一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、該波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する斜行ハニカムの上部より該斜行ハニカム内に加湿水を供給し、該斜行ハニカムの下面から該加湿水を排出しつつ、且つ、該斜行ハニカムの前面より該斜行ハニカム内に被加湿空気を供給し、該斜行ハニカムの後面から加湿空気を排出することにより、該斜行ハニカム内で該被加湿空気と該加湿水とを接触させて、該被加湿空気の加湿を行う加湿工程を行い、
該加湿工程中に、該加湿水として、次亜塩素酸を含有する加湿水を、該斜行ハニカム内に供給することにより、該被加湿空気の加湿を行いながら、該斜行ハニカムの除菌を行う加湿兼除菌工程を、間欠的に繰り返し行うこと、
を特徴とする空気加湿方法を提供するものである。
【0016】
また、本発明(2)は、一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、該波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する斜行ハニカムと、
該斜行ハニカムの上部より該斜行ハニカム内に加湿水を供給するための加湿水供給手段と、
該加湿水を貯めるための加湿水タンクと、
該加湿水タンクに補給水を補給するための加湿水補給管と、
該加湿水の一部を排出するための加湿水排出管と、
次亜塩素酸水溶液を供給するための次亜塩素酸水溶液供給管と、
を有することを特徴とする空気加湿装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、斜行ハニカムを用いる空気加湿方法であって、空気加湿装置を併設することなく、また、加湿水として純水を使用することなく、連続して加湿空気の供給を行うことができ且つ菌の繁殖を防いで加湿時に臭気の問題が発生しない空気加湿方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る斜行ハニカムを示す模式図である。
【図2】本発明の係る斜行ハニカムを構成する波形シートを、通気空洞の形成方向に対して垂直な面で切ったときの斜視図である。
【図3】本発明の空気加湿装置の形態例の模式的な端面図である。
【図4】本発明の空気加湿装置の形態例の模式的な端面図である。
【図5】本発明の空気加湿装置の形態例の模式的な端面図である。
【図6】本発明の空気加湿装置の形態例の模式的な端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の空気加湿方法は、一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、該波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する斜行ハニカムの上部より該斜行ハニカム内に加湿水を供給し、該斜行ハニカムの下面から該加湿水を排出しつつ、且つ、該斜行ハニカムの前面より該斜行ハニカム内に被加湿空気を供給し、該斜行ハニカムの後面から加湿空気を排出することにより、該斜行ハニカム内で該被加湿空気と該加湿水とを接触させて、該被加湿空気の加湿を行う加湿工程を行い、
該加湿工程中に、該加湿水として、次亜塩素酸を含有する加湿水を、該斜行ハニカム内に供給することにより、該被加湿空気の加湿を行いながら、該斜行ハニカムの除菌を行う加湿兼除菌工程を、間欠的に繰り返し行うこと、
を特徴とする空気加湿方法である。
【0020】
そして、本発明の空気加湿装置は、本発明の空気加湿方法を実施するために用いられる空気加湿装置であり、一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、該波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する斜行ハニカムと、
該斜行ハニカムの上部より該斜行ハニカム内に加湿水を供給するための加湿水供給手段と、
該加湿水を貯めるための加湿水タンクと、
該加湿水タンクに補給水を補給するための加湿水補給管と、
該加湿水の一部を排出するための加湿水排出管と、
次亜塩素酸水溶液を供給するための次亜塩素酸水溶液供給管と、
を有することを特徴とする空気加湿装置である。
【0021】
本発明の空気加湿方法は、斜行ハニカムを用いて行われる。本発明の空気加湿方法に用いられる斜行ハニカムの構造について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る斜行ハニカムを示す模式図である。図2は、本発明に係る斜行ハニカムを構成する波形シートを、通気空洞の形成方向に対して垂直な面で切ったときの斜視図である。図1中、斜行ハニカム2は、波形形状に加工されている波形シート3を、図1中のA方向に積層して作成されており、四面、すなわち、被加湿空気が供給される面である前面4(図1中、右面)、加湿空気が排出される面である後面5(図1中、左面)、上面6及び下面7に、通気空洞の開口8を有している。波形シート3が積層される方向(A方向)と、斜行ハニカム2に、加湿水10が供給される方向(B方向)と、被加湿空気9が供給される方向(C方向)は、それぞれ直交している。
【0022】
図2には、斜行ハニカム2の作成に用いられる波形シート3qを示す。波形シート3qは、一方向に向かって伝播する波形形状に加工されており、斜行ハニカム2中で、他の波形シート3p及び3rに挟み込まれることにより、波形シート3qの山部11が連続する方向に延びた、略半円柱状の通気空洞12が形成される。以下の説明において、山部11の頂点部分の延長線(尾根の部分)を、山部の稜線13と呼ぶ。通気空洞12は山部の稜線13と平行に形成される。図2では、波形シート3qを挟み込んでいる、波形シート3p及び3rを記載していないが、山部11aと11cを結ぶ線上に、波形シート3pの山部の稜線が位置することになるので、波形シート3q及び山部11aと11cを結ぶ線に囲まれる部分が、通気空洞12aである。同様に、山部11bと11dを結ぶ線上に、波形シート3rの山部の稜線が位置することになるので、波形シート3q及び山部11bと11dを結ぶ線に囲まれる部分が、通気空洞12bである。
【0023】
本発明に係る斜行ハニカムは、波形シートを積層方向(図1では、A方向)から見たときに、波形シートの山部の稜線の方向が、(i)挟まれている両側の波形シートの山部の稜線の方向とは異なる方向であり、すなわち、挟まれている両側の波形シートとは山部の稜線の方向が交差しており、且つ(ii)一枚おきに山部の稜線方向が同一方向となるように積層される。具体例を示すと、(i)波形シート3pの山部の稜線の方向が、波形シート3qの山部の稜線の方向とは異なる方向になるように、すなわち、A方向から見た時に、波形シート3pの山部の稜線と、波形シート3qの山部の稜線が交差するように、且つ(ii)波形シート3pの山部の稜線の方向と、波形シート3rの山部の稜線の方向が同一方向となるように、すなわち、A方向に見た時に、波形シート3pの山部の稜線と、波形シート3rの山部の稜線が平行になるように積層される。
【0024】
通常、斜行ハニカム2は、山部の稜線が交互に斜めに交差し且つ山部の稜線が一枚おきに略同一方向になるように積層された積層物を、前面4、後面5、上面6及び下面7の4面に通気空洞の開口8が形成されるようにカットして製造される。そして、その断面が、前面4、後面5、上面6及び下面7となる。
【0025】
通気空洞12の形成方向について、更に詳細に説明する。波形シート3aは、斜行ハニカム2の最も外側の波形シートであり、波形シート3bは、外側から2番目の波形シートである。図1に示すように、C方向と通気空洞12の形成方向の関係、すなわち、C方向に対する波形シート3aの山部の稜線の角度Xは、通常15〜45度、好ましくは25〜35度であり、C方向に対するコルゲート状担体シート3bの山部の稜線の角度Xは、通常15〜45度、好ましくは25〜35度である。また、波形シート3aの山部の稜線と波形シート3bの山部の稜線の交差角度Yは、通常30〜90度、好ましくは50〜70度である。
【0026】
波形シート3の山高さ(図2中、符号h)は、特に制限されないが、好ましくは2.0〜8.0mm、特に好ましくは3.0〜5.0mmである。また、波形シート3のピッチ(図2中、符号p)は、特に制限されないが、好ましくは2.5〜12.0mm、特に好ましくは5.0〜10.0mmである。
【0027】
すなわち、本発明に係る斜行ハニカムは、一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する。
【0028】
本発明に係る斜行ハニカムを構成する波形シートは、基材シートが波形に加工されたものである。このような基材シートは、表面に凹凸があり、内部が多孔質であることが、エレメントの表面積が大きく採れ、エレメントに浸透して流下する水と空気との接触面積が高まる点で好ましい。このような基材シートとしては、例えば、3次元網目構造を有して所定の繊維間空隙率を有するものが挙げられ、具体的には、アルミナ、シリカ及びチタニアからなる群より選択される1又は2以上の充填材又は結合材を含有し、無機繊維からなる無機繊維基材シートが挙げられる。このうち、チタニアを配合したものが酸性のガス状化学汚染物質の除去効率が向上するため好ましい。また、無機繊維基材シートは、通常、充填材又は結合材を60〜93重量%、繊維を7〜40重量%を含み、好ましくは充填材又は結合材を70〜88重量%、繊維を12〜30重量%を含む。無機繊維基材シートの配合比率が範囲内にあると、無機繊維基材シートの水浸透性及び強度が高いため好ましい。なお、充填材及び結合材を含有する無機繊維基材シートは、公知の方法で作製され、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維又はアルミナ繊維で作製された無機繊維基材シートを、アルミナゾル等の結合材とアルミナ水和物等の充填材を混合したスラリーに浸漬した後、乾燥し、コルゲート加工し、その後、乾燥処理と熱処理を行い、水分と有機分を除去することにより作製される。無機繊維基材シートが、アルミナ以外にシリカやチタニアを含有する場合、例えば、シリカ及びチタニアの配合量は、アルミナ100重量部に対してそれぞれ通常5〜40重量部である。
【0029】
また、上記結合材又は充填材を含有する無機繊維基材シートの繊維間空隙率は、通常65〜85%、好ましくは75〜82%である。無機繊維基材シートの繊維間空隙率を上記範囲内とすることにより、ほどよい浸透性を実現でき、空気と水との接触効率を高めることができる。また、上記結合材又は充填材を含有する無機繊維基材シートの厚さ、すなわち、壁の厚さが通常200〜1000μm、好ましくは300〜800μmである。上記結合材又は充填材を含有する無機繊維基材シートが、上記空隙率と上記厚さを有すると、液ガス比及び水の浸透速度が適度な範囲となり、水と空気の接触効率を高めると共に、強度的にも十分となる。
【0030】
上記無機繊維基材シートをコルゲート状の波形シートに成形する方法としては、径方向に振幅する波形の凹凸が表面に形成された複数の歯車間に平板状シートを通すような公知のコルゲーターを用いる方法が挙げられる。得られた波形シートから上記斜行ハニカムを成形する方法としては、例えば、まず、上記波形シートを縦100mm(成形後の厚み寸法)×横3000mm程度の矩形の裁断型に対し、波の伝播方向が矩形型の一辺に対して15〜45度になるように配置して裁断して矩形の波形シートを作製し、次いで、得られた矩形の波形シートを1枚おきの波の伝播方向が斜交するように配置し、これらを接着して又は接着することなく積層する方法が挙げられる。なお、このようにして製造した場合、上記裁断型の縦の長さが斜行ハニカムの奥行(図1中の斜行ハニカム2のC方向の長さ)となる。
【0031】
無機繊維基材シートを構成する繊維の平均繊維径は、特に制限されないが、好ましくは1〜20μm、特に好ましくは3〜10μmである。平均繊維径が範囲内にあることにより、斜行ハニカムの機械的強度が高くなる。
【0032】
斜行ハニカムの奥行(図1中の斜行ハニカム2のC方向の長さ)は、好ましくは100〜1000mm、特に好ましくは200〜800mmである。
【0033】
本発明の空気加湿装置は、斜行ハニカムを有しており、本発明の空気加湿方法を実施するために用いられる空気加湿装置である。本発明の空気加湿装置について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、本発明の空気加湿装置の形態例の模式的な端面図であり、波形シートの積層方向に対して垂直な面で切ったときの端面図である。そして、図3は、加湿工程を行っている様子を示す図であり、図4は、加湿兼除菌工程を行っている様子を示す図である。よって、図3及び図4の上下方向が加湿水の供給方向であり、図3及び図4の左右方向が被加湿空気の供給方向である。
【0034】
図3中、空気加湿装置20aは、斜行ハニカム2と、加湿水25を貯めるための加湿水タンク18と、斜行ハニカム2の上面より加湿水25を散水するための散水部12と、散水部12と加湿水タンク18とを繋ぐ送水管13と、加湿用タンク18から散水部12へ加湿水25を送液するための第1送液ポンプ14と、加湿水タンク18に補給水22を補給するため補給水補給管19と、加湿水タンク18に次亜塩素酸水溶液23を供給するための次亜塩素酸水溶液供給管21と、加湿水25の一部を装置外へ排出するための加湿水排出管16aと、を有する。斜行ハニカム2への加湿水25の供給量と、加湿水排出管16aから排出する加湿水25の排出量との割合を調節するために、送水管13には第1弁15が、加湿水排出管16aには第2弁17aが、それぞれ付設されている。加湿水補給管19には、補給水22の供給量を調節するために、第3弁33が付設されている。次亜塩素酸水溶液供給管21には、次亜塩素酸水溶液23の供給量を調節するために、第4弁34が付設されている。
【0035】
散水部12から供給される加湿水25は、斜行ハニカム2内を下方に向かって流下し、被加湿空気を加湿し、そして、被加湿空気の加湿に使用されなかった分が、斜行ハニカム2の下面7から排出されて、加湿水タンク18に返送される。
【0036】
なお、空気加湿装置20aでは、散水部12、送水管13及び第1送液ポンプ14が、本発明の空気加湿装置に係る加湿水供給手段に該当する。
【0037】
空気加湿装置20aを用いて、連続して被加湿空気の加湿を行う方法について説明する。先ず、被加湿空気の加湿を開始する前に、斜行ハニカム2を構成する波形シートが加湿水25で十分湿った状態になるように、第1弁15を開とし、第2弁17aを閉として、第1送液ポンプ14を用いて、斜行ハニカム2に、加湿水タンク18内の加湿水25を供給する運転準備をしておく。
【0038】
次いで、斜行ハニカム2を構成する波形シートが加湿水25で十分に湿った状態になったならば、第1送液ポンプ14を用いて、斜行ハニカム2の上面8より、斜行ハニカム2内に、加湿水タンク18内の加湿水25を供給し、斜行ハニカム2の下面7から、被加湿空気の加湿に使用されなかった加湿水26を排出すると共に、斜行ハニカム2の前面4より、斜行ハニカム2内に被加湿空気を供給し、斜行ハニカム2の後面5から加湿空気を排出する。斜行ハニカム2内では、被加湿空気と加湿水25とが接触するので、被加湿空気は加湿水25により加湿される。そして、斜行ハニカム2への被加湿空気及び加湿水25の供給を連続して行うことにより、被加湿吸気の加湿を連続して行う。
【0039】
このようにして、斜行ハニカム2の上部より斜行ハニカム2内に加湿水25を供給し、斜行ハニカム2の下面7から加湿水を排出しつつ、且つ、斜行ハニカム2の前面4より斜行ハニカム2内に被加湿空気を供給し、斜行ハニカム2の後面5から加湿空気を排出することにより、斜行ハニカム2内で被加湿空気と加湿水25とを接触させて、被加湿空気の加湿を行う加湿工程を行うことができる。
【0040】
なお、加湿工程を行っている間、第1弁15及び第2弁17aの開度を調節して、斜行ハニカム2への加湿水25の供給量と加湿水排出管16aからの加湿水25の排出量とを調節することにより、斜行ハニカム2へ加湿水25を供給しながら、加湿水排出管16aから加湿水25の一部を装置外へ排出してもよいし、あるいは、第2弁17aを閉として、加湿水排出管16aから加湿水25を排出しなくてもよい。
【0041】
加湿工程では、被加湿空気の加湿に使用された分(加湿水排出管16aから加湿水25を排出する場合は、被加湿空気の加湿に使用された分に加えて、加湿水排出管16aから排出された加湿水25の分)、加湿水タンク18内の加湿水25の量が減るので、第3弁33を開として、その減少分に相当する量の補給水22を、加湿水タンク18に補給する。なお、加湿工程を行っている間、第4弁34は閉とする。
【0042】
加湿工程を続けていると、斜行ハニカム2に、被加湿空気中に浮遊している菌が付着し繁殖するので、斜行ハニカム2に存在する菌の量が、時間の経過と共に増えてゆく。
【0043】
そして、斜行ハニカム2に存在する菌の量が多くなり過ぎたとき又は多くなり過ぎる前に、図4に示すように、第3弁33を閉とし、第4弁34を開として、次亜塩素酸水溶液23を供給することにより、加湿水タンク18内の加湿水を、次亜塩素酸を含有する加湿水30とし、斜行ハニカム2に、次亜塩素酸を含有する加湿水を供給する。なお、斜行ハニカム2に、次亜塩素酸を含有する加湿水30を供給している間も、斜行ハニカム2に、被加湿空気を供給する。
【0044】
このようにして、斜行ハニカム2の上部より斜行ハニカム2内に次亜塩素酸を含有する加湿水30を供給し、斜行ハニカム2の下面7から次亜塩素酸を含有する加湿水31を排出しつつ、且つ、斜行ハニカム2の前面4より斜行ハニカム2内に被加湿空気を供給し、斜行ハニカム2の後面5から加湿空気を排出することにより、斜行ハニカム2内で被加湿空気の加湿を行いながら、斜行ハニカム2の除菌を行う加湿兼除菌工程を行う。
【0045】
空気加湿装置20aを用いる場合、次亜塩素酸水溶液23の供給を開始した直後は、加湿水タンク18内の加湿水は、次亜塩素酸の濃度が非常に低い。そのため、加湿水タンク18内の加湿水、すなわち、次亜塩素酸を含有する加湿水30中の次亜塩素酸の濃度上昇速度を速めるために、第1弁15及び第2弁17aの開度を調節して、斜行ハニカム2に次亜塩素酸を含有する加湿水30を供給しながら、次亜塩素酸を含有する加湿水30の一部を、加湿水排出管17aから装置外へ排出することが好ましい。
【0046】
次亜塩素酸は、斜行ハニカム2に存在する菌を除菌する作用を有するので、斜行ハニカム2内に、次亜塩素酸を含有する加湿水30を供給することにより、斜行ハニカム2の除菌を行うことができる。このとき、斜行ハニカム2に、加湿水としても作用する次亜塩素酸を含有する加湿水30を、斜行ハニカム2に供給することにより行われるため、斜行ハニカム2の除菌を行っている間も、被加湿空気の加湿を行うことができる。よって、加湿兼除菌工程を行う前から、加湿兼除菌工程を行っている間もずっと、被加湿空気の加湿を行っているので、被加湿空気の加湿を行っている最中、すなわち、加湿工程の最中に、斜行ハニカム2の除菌を行っている。
【0047】
そして、斜行ハニカム2に存在している菌がなくなるまで、加湿水タンク18への次亜塩素酸水溶液23の供給、すなわち、斜行ハニカム2への次亜塩素酸を含有する加湿水30の供給を行う。
【0048】
次いで、斜行ハニカム2に存在している菌が十分に除菌されると、加湿水タンク18への次亜塩素酸水溶液23の供給を止め、代りに、補給水22を補給して、被加湿空気の加湿を続けて行う。つまり、除菌を止めて、加湿工程を行う。そして、再び、斜行ハニカム2に存在する菌の量が多くなり過ぎたときに、加湿水タンク18へ次亜塩素酸水溶液23を供給して、すなわち、斜行ハニカム2への次亜塩素酸を含有する加湿水30の供給を行い、斜行ハニカム2の除菌を行いつつ、被加湿空気の加湿を行う。以降は、このような操作を繰り返す。
【0049】
このようにして、加湿工程を行っている最中に、加湿兼除菌工程を、間欠的に繰り返し行う。
【0050】
図3及び図4では、散水部12が、斜行ハニカム2の上面6より上に設置されている旨を示したが、散水部12の設置位置は、加湿効果が低くなり過ぎない範囲であれば、斜行ハニカム2内の上側であってもよい。
【0051】
また、図3及び図4では、次亜塩素酸水溶液供給管21は、加湿水タンク18に繋がれる旨を示したが、本発明の空気加湿装置では、次亜塩素酸水溶液供給管21は、送水管13等の加湿水供給手段のどこかに繋がれていてもよいし、補給水補給管22に繋がれていてもよい。
【0052】
本発明の空気加湿装置のうち、次亜塩素酸水溶液供給管21が、加湿水供給手段に繋がれている形態例では、加湿兼除菌工程のときに、次亜塩素酸の濃度が高い次亜塩素酸水溶液23が、加湿水タンク18内の次亜塩素酸を含有する加湿水30で希釈される前に、斜行ハニカム2に供給されるので、除菌効率が高くなる。
【0053】
また、本発明の空気加湿装置のうち、次亜塩素酸水溶液供給管21が、補給水補給管22に繋がれている形態例では、加湿兼除菌工程のときに、次亜塩素酸水溶液23は、次亜塩素酸供給管21から補給水補給管19を経て供給される。このとき、次亜塩素酸水溶液23中の次亜塩素酸濃度を調節するために、次亜塩素酸水溶液23を供給すると共に、同時に補給水22も供給することができる。
【0054】
また、本発明の空気加湿装置は、図5に示す空気加湿装置20bのように、更に、斜行ハニカム2から排出される加湿水(加湿水26及び次亜塩素酸を含有する加湿水31)を受けるための加湿水受器32を有しており、加湿水受器32には、斜行ハニカム2から排出される加湿水を、加湿水タンク18に返送するための返送管27が付設されており、加湿水排出管16bが、返送管27に付設されている形態例であってもよい。空気加湿装置20bでは、返送管27には、斜行ハニカム2から排出される加湿水を、加湿水タンク18に送液するための第2ポンプ28が設置されている。また、加湿水タンク18へ加湿水の返送量と加湿水排出管16bからの加湿水の排出量の割合を調節するために、返送管27には第5弁35が、加湿水排出管16bには第2弁17bが、それぞれ付設されている。空気加湿装置20bでは、加湿水排出管16bは、加湿水受器32に直接繋がれていてもよい。
【0055】
加湿兼除菌工程のときに、斜行ハニカム2から排出される加湿水31中の次亜塩素酸濃度は、加湿水タンク18内の加湿水30に比べ低い。そして、空気加湿装置20bでは、次亜塩素酸濃度が低い加湿水31から装置外へ排出されるべき加湿水を抜き出すので、加湿水タンク18内の加湿水30へ返送される加湿水31の量を少なくできるため、加湿水タンク18内の加湿水30の次亜塩素酸濃度が低くなるのを低減できる。言い換えると、装置外へ抜き出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が低いので、次亜塩素酸の利用効率が高くなる。
【0056】
本発明の空気加湿装置は、図6に示す空気加湿装置20cのように、送水管13から分岐し、且つ、斜行ハニカム2内の途中に設置される第2散水部36を有する形態例であってもよい。なお、斜行ハニカム内の途中とは、上下方向の途中のことであり、言い換えると、加湿水の流下経路の途中ということである。
【0057】
次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸は、低濃度になるほど分解し易くなる性質を有している。そして、斜行ハニカム2の下に行くほど、加湿水中の次亜塩素酸濃度が低くなる。そのため、空気加湿装置20cによれば、斜行ハニカム2内を流下することにより、次亜塩素酸濃度が低下した加湿水中の次亜塩素酸濃度を高くすることができるので、次亜塩素酸の分解を低減できる。
【0058】
本発明の空気加湿方法により得られる加湿空気の温度は、通常、被加湿空気の温度とほぼ同等か又は少し低い温度となる。また、本発明の空気加湿方法では、得られる加湿空気の湿度は、加湿水の量や斜行ハニカムの材質又は設計条件等に異なるが、概ね相対湿度は100%に近い値となる。そして、加湿空気の湿度及び温度は、被加湿空気の湿度及び温度、被加湿空気の供給風量、加湿水の供給量及び温度、斜行ハニカムの大きさ、斜行ハニカムを構成する波形シートの材質及び形状、波形シートの積層の仕方等により、若干変化する。そのため、本発明の空気加湿方法では、加湿空気が供給される空間で要求される湿度及び温度に応じて、その要求値の湿度及び温度となるように、被加湿空気の湿度及び温度、被加湿空気の供給風量、加湿水の供給量及び温度、斜行ハニカムの大きさ、斜行ハニカムを構成する波形シートの材質及び形状、波形シートの積層の仕方等を、適宜選択することが好ましい。なお、加湿空気の温度を調節するためには、空気加湿装置の前段にクーラーやヒーターを設置すること、あるいは、空気加湿装置の後段にヒーターを設置することができる。
【0059】
加湿工程及び加湿兼除菌工程において、被加湿空気は、屋外空気又は屋内空気であり、被加湿空気の温度は、通常0〜50℃である。
【0060】
加湿工程及び加湿兼除菌工程における斜行ハニカムへの被加湿空気の供給風量は、斜行ハニカムの前面(被加湿空気が供給される面)の単位面積当たり単位時間当たり、5m/秒/m(斜行ハニカムの前面)以下、好ましくは0.5〜3.5m/秒/m(斜行ハニカムの前面)である。
【0061】
加湿工程で斜行ハニカムに供給される加湿水としては、特に制限されず、水道水、工業用水、井戸水、地下水等が挙げられる。また、次亜塩素酸を含有する加湿水の次亜塩素酸が溶解されている水としては、特に制限されず、水道水、工業用水、井戸水、地下水等が挙げられる。
【0062】
加湿工程における斜行ハニカム内への加湿水の供給量は、斜行ハニカムの上面(加湿水が供給される面)の単位面積当たり単位時間当たり、2〜100L/分/m(斜行ハニカムの上面)、好ましくは5〜80L/分/m(斜行ハニカムの上面)、特に好ましくは10〜60L/分/m(斜行ハニカムの上面)である。また、加湿兼除菌工程における斜行ハニカム内への次亜塩素酸を含有する加湿水の供給量は、斜行ハニカムの上面(次亜塩素酸を含有する加湿水が供給される上面)の単位面積当たり単位時間当たり、2〜100L/分/m(斜行ハニカムの上面)、好ましくは5〜80L/分/m(斜行ハニカムの上面)、特に好ましくは10〜60L/分/m(斜行ハニカムの上面)である。
【0063】
加湿工程において、加湿水の温度は、0℃より高く且つ45℃以下、好ましくは5〜40℃である。また、加湿兼除菌工程において、次亜塩素酸を含有する加湿水の温度は、5〜45℃、好ましくは10〜40℃である。
【0064】
加湿工程及び加湿兼除菌工程では、斜行ハニカムの上面より上から加湿水又は次亜塩素酸を含有する加湿水を供給してもよいし、あるいは、加湿効果が低くなり過ぎない範囲であれば、斜行ハニカム内から供給してもよい。つまり、加湿工程及び加湿兼除菌工程では、斜行ハニカムの上部より、加湿水又は次亜塩素酸を含有する加湿水を供給する。
【0065】
加湿工程において、補給水の補給量が、被加湿空気の加湿に使用される加湿水の量(加湿水の一部を排出する場合は、被加湿空気の加湿に使用される加湿水の量及び加湿水の排出量の合計量)と同じになるように、補給水の補給量を設定する。また、加湿兼除菌工程において、次亜塩素酸水溶液の供給量が、被加湿空気の加湿に使用される次亜塩素酸を含有する加湿水の量(次亜塩素酸を含有する加湿水の一部を排出する場合は、被加湿空気の加湿に使用される次亜塩素酸を含有する加湿水の量及び次亜塩素酸を含有する加湿水の排出量の合計量)と同じになるように、次亜塩素酸水溶液の供給量を設定する。
【0066】
加湿兼除菌工程において、次亜塩素酸を含有する加湿水中の次亜塩素酸濃度は、斜行ハニカムに存在している菌を除菌できる範囲で、適宜選択される。例えば、本発明の空気加湿装置を用いて、本発明の空気加湿方法を行う場合は、次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸濃度を適宜選択することにより、次亜塩素酸を含有する加湿水中の次亜塩素酸濃度を調節する。
【0067】
加湿兼除菌工程では、斜行ハニカムに存在している菌の除菌が可能となる加湿水中の次亜塩素酸濃度は、0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lである。
【0068】
加湿兼除菌工程の開始直後は、加湿水中の次亜塩素酸が除菌に消費されるために、斜行ハニカムから排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度は、非常に低い。そして、加湿兼除菌工程を続けると、斜行ハニカム内の除菌が進み、斜行ハニカム内の除菌が、ほぼ終了すると、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が、0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lとなる。そのため、加湿兼除菌工程では、少なくとも、斜行ハニカムから排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が、0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lとなるまで、斜行ハニカムに次亜塩素酸を含有する加湿水を供給する。斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が、0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lとなるまで、加湿兼除菌工程を行うことにより、斜行ハニカム全体を除菌することができる。なお、斜行ハニカム全体の除菌を確実にするために、斜行ハニカムから排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が、0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lとなった後も、一定時間、斜行ハニカムに次亜塩素酸を含有する加湿水を供給してもよい。
【0069】
また、加湿兼除菌工程では、次亜塩素酸を含有する加湿水中の次亜塩素酸は、菌を除菌することによって消失する他、菌がなくとも、被加湿空気を通風下で斜行ハニカム内を加湿水が流下するだけで、加湿水中から次亜塩素酸が消失する。つまり、斜行ハニカムに菌が存在していない状態(以下、無菌状態とも記載する。)でも、次亜塩素酸を含有する加湿水が、斜行ハニカムを流下することにより、次亜塩素酸を含有する加湿水中の次亜塩素酸濃度が低減する。なお、本発明では、無菌状態とは、斜行ハニカムに付着している菌の量が、50CFU/100cm未満の状態を指す。また、本発明では、斜行ハニカムに次亜塩素酸を含有する加湿水を供給し続けて除菌を行い、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が、少なくとも0.4mg/L以上となったときの斜行ハニカムの状態が、無菌状態である。
【0070】
そのため、該加湿兼除菌工程では、斜行ハニカムに供給される加湿水中の次亜塩素酸濃度は、少なくとも、通風下で斜行ハニカム内を流下するだけで、加湿水中から消失する次亜塩素酸濃度の低減量に、0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lを、加算した濃度であることが必要である。例えば、無菌状態の斜行ハニカムに、被加湿空気を5m/秒/mで供給しながら、次亜塩素酸を含有する加湿水を供給する場合、斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量が、0.5mg/Lであるとすると、被加湿空気の供給条件が5m/秒/mのときに、斜行ハニカムに供給する加湿水中の濃度は、「0.5mg/L+0.4mg/L=0.9mg/L以上」、好ましくは「0.5mg/L+1〜80mg/L=1.5〜80.5mg/L」、特に好ましくは「0.5mg/L+2〜30mg/L=2.5〜30.5mg/L」必要である。
【0071】
斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量は、主に、斜行ハニカムの高さ、幅、奥行等の斜行ハニカムの形態や、被加湿空気の供給風量、加湿水の供給量等の運転条件により異なる。そのため、斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量を把握する方法としては、例えば、先ず、斜行ハニカムに次亜塩素酸を含有する加湿水を供給して、予め除菌を行い、斜行ハニカムを無菌状態とする。次いで、空気加湿装置の運転条件で、被加湿空気の供給及び次亜塩素酸を含有する加湿水を供給し、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度を測定する。そして、斜行ハニカムに供給した加湿水中の次亜塩素酸濃度から、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度を減じた値が、斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量である。
【0072】
そして、先ず、斜行ハニカムの形状及び空気加湿装置の運転条件を決定し、次いで、その運転条件で斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量(A(mg/L))を求め、次いで、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度(B(mg/L))を決定し、そして、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度の値に、斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量を加算した値(A+B)を、斜行ハニカムに供給する加湿水中の次亜塩素酸濃度とする。このようにして、運転条件を設計する。
【0073】
斜行ハニカムに供給する加湿水中の次亜塩素酸濃度は、斜行ハニカムの形状や空気加湿装置の運転条件等により、適宜選択されるが、概ね0.4mg/L以上、好ましくは1〜80mg/L、特に好ましくは2〜30mg/Lである。
【0074】
また、本発明の空気加湿装置を用いて、本発明の空気加湿方法を行う場合は、加湿水タンクに、次亜塩素酸水溶液を供給すると共に、加湿水排出管から、加湿水の一部を排出することにより、徐々に、加湿水タンク内の加湿水中の次亜塩素酸濃度が高くなっていき、特定の濃度でバランスする。よって、斜行ハニカム内を流下したときの次亜塩素酸濃度の低減量を考慮して、バランス時の斜行ハニカムに供給する次亜塩素酸を含有する加湿水中の次亜塩素酸濃度が、斜行ハニカム全体の除菌が可能となる濃度となるように、次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸濃度を適宜選択する。
【0075】
該加湿兼除菌工程では、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクへ返送して、再度、斜行ハニカムに供給する次亜塩素酸を含有する加湿水として使用してもよいし(循環式)、あるいは、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクへは返送せずに、装置外へ排出してもよい(非循環掛け流し式)。
【0076】
本発明の空気加湿方法では、加湿工程を行っている最中に、例えば、100時間毎に、加湿兼除菌工程を1時間行うとのように、間欠的に加湿兼除菌工程を繰り返し行う。つまり、この形態例では、斜行ハニカムには、加湿水25を99時間供給→次亜塩素酸を含有する加湿水30を1時間供給→加湿水25を99時間供給→次亜塩素酸を含有する加湿水30を1時間供給→・・・とのようにして、空気加湿方法を行う。なお、間欠的にとは、一定の時間を隔ててということである。また、加湿兼除菌工程を行う時間及び時期は、斜行ハニカムに存在する菌の増加量により、適宜選択される。
【0077】
本発明の空気加湿方法及び本発明の空気加湿装置によれば、斜行ハニカムの除菌を行っている間も、被加湿空気の加湿を行うことができるので、斜行ハニカムの除菌のときに、被加湿空気の加湿を止めなくてもよい。また、本発明の空気加湿方法及び本発明の空気加湿装置によれば、斜行ハニカムを乾燥させることなく、斜行ハニカムの除菌を行うことができるので、臭気の問題が発生しない。
【0078】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0079】
<空気加湿装置>
図3に示す構成で、斜行ハニカムとして下記斜行ハニカムAが奥行き方向に2つ設置されている空気加湿装置A(斜行ハニカム設置部位の幅500mm×高さ250mm×奥行200mm)と、下記斜行ハニカムBが高さ方向に3つ設置されている空気加湿装置B(斜行ハニカム設置部位の幅500mm×高さ1500mm×奥行100mm)と、を作製した。
【0080】
<斜行ハニカムA>
・無機繊維基材シート:ガラス繊維からなり、結合材としてアルミナゾル、充填材としてアルミナ水和物を使用、空隙率75%、厚み0.5mm
・セルピッチ10mm、セル山高さ5mm
・稜線角X:30度、稜線角X:30度、稜線の交差角Y:60度
・斜行ハニカムの幅:500mm、斜行ハニカムの高さ:250mm、斜行ハニカムの奥行:100mm
【0081】
<斜行ハニカムB>
・無機繊維基材シート:ガラス繊維からなり、結合材としてアルミナゾル、充填材としてアルミナ水和物を使用、空隙率75%、厚み0.5mm
・セルピッチ10mm、セル山高さ5mm
・稜線角X:30度、稜線角X:30度、稜線の交差角Y:60度
・斜行ハニカムの幅:500mm、斜行ハニカムの高さ:500mm、斜行ハニカムの奥行:100mm
【0082】
<斜行ハニカムの付着菌量の測定>
斜行ハニカムの通風面100cmの付着菌を滅菌綿棒による拭き取り検査法により採取し、生理食塩水で希釈し、定量試験を行った。細菌を標準寒天培地で30℃で1週間培養後、真菌をポテトデキストロース寒天培地で25℃で1週間培養後に、菌数測定を行った。なお、斜行ハニカムの付着菌量の測定では、斜行ハニカムの前面側(被加湿空気の入口側の面)の付着菌を採取した。また、菌の上下方向の採取位置は、斜行ハニカムの下側から20mmの位置から、斜行ハニカムの下側から120mmの位置までの100mmの範囲であり、左右方向の採取位置は、加湿兼除菌工程を行う前が、左右方向の中心から右へ100mmの位置までの100mmの範囲、加湿兼除菌工程行った後が、左右方向の中心から左へ100mmの位置までの100mmの範囲である(縦100mm×横100mm)。
<加湿水中の次亜塩素酸濃度の測定>
吸光光度法であるDPD(ジエチル−p−フェニレン−ジアミン)法を用いて測定した。
【0083】
(実施例1)
予め、空気加湿装置Aにて加湿運転を行い、斜行ハニカムに菌を付着させた。このときの斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が14000CFU/100cm、真菌が3400CFU/100cmであった。
【0084】
<加湿兼除菌工程>
斜行ハニカムの付着菌量が上記量である空気加湿装置Aを用い、斜行ハニカムに、12.6℃の被加湿空気を、2.5m/秒/m(斜行ハニカムの前面の単位面積当たり)で、次亜塩素酸濃度が6.4mg/Lの次亜塩素酸を含有する加湿水(10.3℃)を、60L/分/m(斜行ハニカムの上面の単位面積当たり)で、1時間供給した。このとき、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクに戻さずに、全て装置外へ排出した(非循環掛け流し式)。1時間後の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が5.3mg/Lであった。
【0085】
(実施例2)
予め、空気加湿装置Aにて加湿運転を行い、斜行ハニカムに菌を付着させた。このときの斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が32000CFU/100cm、真菌が3100CFU/100cmであった。
<加湿兼除菌工程>
斜行ハニカムの付着菌量が上記量である空気加湿装置Aを用い、斜行ハニカムに、13.7℃の被加湿空気を、2.5m/秒/m(斜行ハニカムの前面の単位面積当たり)で、次亜塩素酸濃度が0.94mg/Lの次亜塩素酸を含有する加湿水(10.8℃)を、60L/分/m(斜行ハニカムの上面の単位面積当たり)で、1時間供給した。このとき、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクに戻さずに、全て装置外へ排出した(非循環掛け流し式)。1時間後の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が0.63mg/Lであった。
【0086】
(実施例3)
予め、空気加湿装置Bにて加湿運転を行い、斜行ハニカムに菌を付着させた。このときの斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が76000CFU/100cm、真菌が400CFU/100cmであった。
【0087】
<加湿兼除菌工程>
斜行ハニカムの付着菌量が上記量である空気加湿装置Bを用い、斜行ハニカムに、30.2℃の被加湿空気を、0.7m/秒/m(斜行ハニカムの前面の単位面積当たり)で、次亜塩素酸濃度が4.23mg/Lの次亜塩素酸を含有する加湿水(25.2℃)を、60L/分/m(斜行ハニカムの上面の単位面積当たり)で、20分間供給した。このとき、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクに戻さずに、全て装置外へ排出した(非循環掛け流し式)。20分後の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が2.49mg/Lであった。
【0088】
(実施例4)
予め、空気加湿装置Bにて加湿運転を行い、斜行ハニカムに菌を付着させた。このときの斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が3700CFU/100cm、真菌が250CFU/100cmであった。
【0089】
<加湿兼除菌工程>
斜行ハニカムの付着菌量が上記量である空気加湿装置Bを用い、斜行ハニカムに、22.7℃の被加湿空気を、2.5m/秒/m(斜行ハニカムの前面の単位面積当たり)で、次亜塩素酸濃度が3.93mg/Lの次亜塩素酸を含有する加湿水12.6℃を、60L/分/m(斜行ハニカムの上面の単位面積当たり)で、1時間供給した。このとき、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクに戻さずに、全て装置外へ排出した(非循環掛け流し式)。1時間後の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が1.05mg/Lであった。
【0090】
(実施例5)
<加湿>
空気加湿装置Aを用い、斜行ハニカムに、13.8℃の被加湿空気を、2.5m/秒/m(斜行ハニカムの前面の単位面積当たり)で、8.0℃の加湿水を、60L/分/m(斜行ハニカムの上面の単位面積当たり)で、所定時間(1回目は288時間、2回目は168時間、3回目は336時間)供給した。このとき、加湿水タンク内の加湿水の水量が、30Lとなるように、加湿水排出管16aから加湿水25を、排出量と処理風量の重量比(L/G)が0.007の割合で排出すると共に、補給水22(次亜塩素酸濃度0.56mg/L未満、水道水)を供給した。
【0091】
<加湿兼除菌工程>
次いで、上記加湿を行った後の空気加湿装置Aの斜行ハニカムに、13.6℃の被加湿空気を、2.5m/秒/m(斜行ハニカムの前面の単位面積当たり)で供給を続けたまま、加湿水タンク内の加湿水の水量が、30Lとなるように、加湿水排出管16aから次亜塩素酸を含有する加湿水30を、排出量と処理風量の重量比(L/G)が0.007の割合で排出すると共に、補給水22の供給を止め、代りに次亜塩素酸水溶液供給管21より次亜塩素酸水溶液23を、1時間供給した。このとき、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水を、加湿水タンクに戻して循環使用した(循環式)。
【0092】
そして、288時間加湿(1回目)及び1時間の加湿兼除菌工程(次亜塩素酸水溶液供給管21より次亜塩素酸濃度が13.6mg/Lの次亜塩素酸水溶液23を供給した。)を1回、次いで168時間加湿(2回目)及び1時間の加湿兼除菌工程(次亜塩素酸水溶液供給管21より次亜塩素酸濃度が10.7mg/Lの次亜塩素酸水溶液23を供給した。)を1回、次いで336時間加湿(3回目)及び1時間の加湿兼除菌工程(次亜塩素酸水溶液供給管21より次亜塩素酸濃度が9.6mg/Lの次亜塩素酸水溶液23を供給した。)を1回実施した。
その結果、1回目の加湿後(288時間運転を行った後)の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が8500000CFU/100cm、真菌が860000CFU/100cmであった。また、1回目の加湿兼除菌工程後(1時間運転を行った後)の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムに供給される加湿水中の次亜塩素酸濃度が1.62mg/L、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が0.43mg/Lであった。
2回目の加湿後(168時間運転を行った後)の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が450CFU/100cm、真菌が50CFU/100cm未満であった。また、2回目の加湿兼除菌工程後(1時間運転を行った後)の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムに供給される加湿水中の次亜塩素酸濃度が1.49mg/L、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が1.36mg/Lであった。
3回目の加湿後(336時間運転を行った後)の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が420000CFU/100cm、真菌が290000CFU/100cmであった。また、3回目の加湿兼除菌工程後(1時間運転を行った後)の斜行ハニカムの付着菌量は、細菌が50CFU/100cm未満、真菌が50CFU/100cm未満、斜行ハニカムに供給される加湿水中の次亜塩素酸濃度が0.76mg/L、斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が0.55mg/Lであった。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば、24時間施設内に人がいるような施設にも、連続して加湿空気の供給が可能な空気加湿装置を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、該波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する斜行ハニカムの上部より該斜行ハニカム内に加湿水を供給し、該斜行ハニカムの下面から該加湿水を排出しつつ、且つ、該斜行ハニカムの前面より該斜行ハニカム内に被加湿空気を供給し、該斜行ハニカムの後面から加湿空気を排出することにより、該斜行ハニカム内で該被加湿空気と該加湿水とを接触させて、該被加湿空気の加湿を行う加湿工程を行い、
該加湿工程中に、該加湿水として、次亜塩素酸を含有する加湿水を、該斜行ハニカム内に供給することにより、該被加湿空気の加湿を行いながら、該斜行ハニカムの除菌を行う加湿兼除菌工程を、間欠的に繰り返し行うこと、
を特徴とする空気加湿方法。
【請求項2】
前記斜行ハニカムの下面から排出される加湿水中の次亜塩素酸濃度が、0.4mg/L以上となるまで、前記加湿兼除菌工程を行うことを特徴とする請求項1記載の空気加湿方法。
【請求項3】
一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シートが複数積層されてハニカム形状を呈し、隣り合う波形シートの山部の稜線方向が斜めに交差し、且つ、一枚おきに波形シートの山部の稜線方向が略同一方向になるように、該波形シートが積層されており、前面、後面、上面及び下面の4面に通気空洞の開口を有する斜行ハニカムと、
該斜行ハニカムの上部より該斜行ハニカム内に加湿水を供給するための加湿水供給手段と、
該加湿水を貯めるための加湿水タンクと、
該加湿水タンクに補給水を補給するための加湿水補給管と、
該加湿水の一部を排出するための加湿水排出管と、
次亜塩素酸水溶液を供給するための次亜塩素酸水溶液供給管と、
を有することを特徴とする空気加湿装置。
【請求項4】
更に前記斜行ハニカムから排出される加湿水を受ける加湿水受器を有し、
該加湿水受器には、前記斜行ハニカムから排出される加湿水を前記加湿水タンクに返送するための返送管が付設されており、
前記加湿水排出管が、該加湿水受器又は該返送管に付設されていること、
を特徴とする請求項2記載の空気加湿装置。
【請求項5】
前記加湿水供給手段が、前記斜行ハニカム内の途中にも前記加湿水を供給するための斜行ハニカム内供給部を有することを特徴とする請求項3又は4いずれか1項記載の空気加湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−163705(P2011−163705A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28918(P2010−28918)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】