説明

空気圧を利用した風除室

【課題】 不特定多数の人が出入りする建物の風除室を、建物内部の空調環境を保持しながら人の出入りを、安全かつスムースに出来るようにする。
【解決手段】
風除室内に、図1に示すように建物内部の温度と同じ温度の空気を2m/sec程度で送り込み連続的に吹き出す空気により建物内部と外部を遮断し、室内温度の損失も防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人の安全な移動方法と、建物内の熱と風圧の空間環境を守ることであるので、人間工学及び空気圧、熱伝導、空気流動を考慮する。
【背景技術】
【0002】
【発明の開示】

【発明の概要】
【0003】
この発明は、不特定多数の人々が出入りするビルディングの出入り口に設置する空気圧を利用した風除室である。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在設置されている風除室は自動ドアか回転式ドアによる物であるが、自動ドアは、人の出入りが多い場合、外側ドアと内側ドアが同時に開いている時間が長く、外の強風が入り込んできたり、ビル内部の熱量損失が大きい。
回転ドアにおいては、構造上人に対する危険性があることが指摘されている。
現に死亡事故をはじめ、多くの事故が発生して社会問題化している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1に示されるように風除室の内壁は空気の流動を導くために円形にし、▲1▼の風筒より▲E▼へ吹き出された空気は▲C▼側と▲D▼側へ流れようとするが、ビル内▲B▼の気圧と釣合ったところで▲D▼側への空気の流れは止まり、▲C▼側のみに流れビルの外部▲A▼へ流出する。
この場合▲1▼の風筒より吹き出される風速は2〜3m/sec程度あればよい。そして吹き出し空気の温度をビル内部の気温と同じにすることでビル内部の熱量の損失を防ぐ事が出来る。
又、ビルの外▲A▼の風が強い場合に風除室内部▲C▼に強風が入り込んで来るが図2に示すように誘導壁▲3▼を伝わって、天井の開口部▲2▼より外部へ流出する。このとき、▲A▼から▲C▼へ入ってきた外風は▲E▼から▲C▼へ流れる空気によって▲2▼へ押し出されるためビル内へはいってくることはない。
風筒▲1▼から吹き出す風速を2〜3m/secにすることで、通行人の髪や衣服の乱れが無く不快感がない.
風筒▲1▼は、通路▲E▼を挟んで互いに向き合わせ、噴き出し口の幅を約1mにし、高さは床面より天井までにする。穴はパンチングメタル穴6mm程度とする。
このように吹き出し面積を広くして連続して吹き出すことにより弱い風速でありながら、常に気圧が高い状態に保つことが出来る。このため外部▲A▼からビル内への空気の流入を防ぐ事が出来る.
ビル内部の気圧は、風筒▲1▼からの空気の流入により、外部より少し気圧が上がり、風量の釣り合った状態で空気の流れは止まる.
弱い風速で風量を多くすることにより、内部の気圧を外部より少し上げた状態にたもつことができる。そのために外気がビル内に進入してこない。又、ビル内の他の開口部が開いている場合、内圧は上がらないが風除室の吹き出し空気が流れ込んでくるが、外気が入ってくることはない。
しかし、強風のときは、内圧より大きな風力で風は入ってくるが誘導壁▲3▼を伝わって、上部抜け口▲2▼より外部へ流出される。この場合、誘導壁▲3▼の開口巾は、出入り口巾より20%程度広くしておく。
【発明の効果】
【0006】
現在使用されている自動ドアや回転式ドアのマイナス面を補い、しかも子供や身体障害者にとっても安全で、ビル内部の熱量の損失も少なく、多数の人の出入りが楽にできること。
【産業上の利用可能性】
【0007】
公共性のある大型建築物に使用することで大きな効果を生み出す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明にかかる風除室の平面図を示す
【図2】▲a▼−▲a▼断面図を示す
【図3】▲b▼−▲b▼断面図を示す
【符号の説明】
【0009】
▲A▼は建物の外部、▲B▼は建物の内部、▲C▼は風除室の出入り口付近、▲D▼は風除室から建物への出入り口付近、▲E▼は空気の吹き出し口付近、▲a▼−▲a▼、▲b▼−▲b▼は図2、図3の断面位置を示す。
破線による矢印は空気の流れを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風除室に空気を送るために空気の吹き出し口巾を1m、高さを天井までにした1対の風筒▲1▼を左右両側に配置し、外から進入した強風を排出するために開口巾を風除室の出入り口巾より20%程度広くし、放物線を描きながら後方に傾斜した誘導壁▲3▼と、この誘導壁を伝わって上がってきた強風を排出するために、その風力により開口面積を自動的に替えることの出来る開口部▲2▼を備えた風除室

【図1】
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【図2】
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【図3】
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