説明

空気浄化用活性炭素繊維収納ボックス

【課題】夜間を問わず安定した窒素酸化物の除去効率が得られる活性炭素繊維を収納した空気浄化用活性炭素繊維収納ボックスを提供する。
【解決手段】上端が開放され、前面および後面に無数の孔部が形成され、下端も無数の孔部が形成されてなる平面形状が四角形を呈し、左右の両側面に外側に突出する縦方向の角型のガイド部5を備えてなり、内部に活性炭素長繊維の綿状シートを詰めるように構成され、沿道などの設置場所に立設されるH型材からなる左右の支柱18の凹部18aに前記ガイド部5を上から挿入して支持されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物の浄化を行なうための活性炭素繊維を収納した空気浄化用活性炭素繊維収納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から空気中の窒素酸化物を除去し環境を改善させるために特許文献1に開示されているような防音壁や防音パネルなどの道路付帯設備の外面に光触媒を含有する塗膜を形成し、この光触媒によって空気中の窒素酸化物を除去するようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開2001−122678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているような道路付帯設備の外面に光触媒を含有する塗膜を形成して、光触媒によって空気中の窒素酸化物を除去するものでは、太陽光を必要とし、夜間にあっては窒素酸化物の除去効率は大幅に低下するという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、昼夜を問わず安定した窒素酸化物の除去効率が得られる活性炭素繊維を収納した空気浄化用活性炭素繊維収納ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の空気浄化用活性炭素繊維収納ボックスは、上端が開放され、前面および後面に無数の孔部が形成され、下端も無数の孔部が形成されてなる平面形状が四角形を呈し、左右の両側面に外側に突出する縦方向の角型のガイド部を備えてなり、内部に活性炭素長繊維の綿状シートを詰めるように構成され、沿道などの設置場所に立設されるH型材からなる左右の支柱の凹部に前記ガイド部を上から挿入して支持されるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明の空気浄化用活性炭素繊維収納ボックスは、沿道などに沿って設置することにより汚染物質が含まれる空気、特に自動車の排気ガスなどの中に含まれる窒素酸化物を昼夜を問わず安定した窒素酸化物の除去効率が得られる活性炭素繊維からなる綿状シートにより酸化させるとともに硝酸として繊維内部に吸着させて蓄積させ窒素酸化物の浄化作用を行なうことができる。また、本発明の空気浄化用活性炭素繊維収納ボックスは、空気抵抗を低減させるために上端、下端、前後両面において通気可能な構成となっており、汚染物質が含まれる空気を自然に取り入れることが可能である。また、活性炭素長繊維からなる綿状シートが収納されたボックスは屋外に設置されることから雨に晒されることになるが、その雨はボックスの上端や前後面からボックス内に浸入し、綿状シートの汚れを落としながらボックスの下端から流れ出て綿状シートを洗浄することが可能となる。また、ボックスは沿道などの設置場所に立設されるH型材からなる左右の支柱の凹部にガイド部を上から挿入して支持されるものであるので、ボックスの据え付け工事が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を、図1〜図8を用いて具体的に説明する。
図において、1は活性炭素長繊維を綿状にしたものを収納するボックスで、このボックス1は平面形状が長方形(または正方形)を呈している。詳しくはこのボックス1は上下方向に向くコーナー部の4箇所に位置する縦枠2と、水平方向に向くコーナー部の8箇所に位置する横枠3と、長辺側の側面の長手方向中央部に位置する縦方向の補強材4とにより骨組を形成し、短辺側の左右の側面は外側に突出する縦方向の角型のガイド部5を備えた板体6により閉じられ、長辺側の側面は金網などの無数の孔部が形成されたメッシュ材7,8により閉じられている。なお、長辺側に位置する前面のメッシュ材7はボックス1に対してねじ止めにより着脱自在となっている。ところで、ボックス1の上端は長辺に対し直角方向に向く補強材9が長手方向に適当間隔おきに設けられて補強されており、ボックス1の上端はそのまま開口状態とされている。また、ボックス1の下端は無数の孔部が形成されたパンチングメタル板10により閉じられている。さらに、ボックス1の上端は前記ガイド部5の部分を除き上方に膨らむ凸形状となっており、またボックス1の下端はボックス1を上に積み重ねたときに上側のボックス1の下端と下側のボックス1の上端が嵌合するように凹形状となっている。
【0008】
前記ボックス1の内部には前記活性炭素長繊維を綿状シートにしたものを詰めてなる中ボックス11を前記補強材4を境に左右に2つづつ並べて収納するようになっている。前記中ボックス11は側面が板体12により閉じられ、上下両端は金網などの無数の孔部が形成されたメッシュ材13,14により閉じられている。なお、中ボックス11の前面および後面は開放状態であるが、内部に詰められた活性炭素長繊維の綿状シート15が抜け落ちないように桟16が設けられている。ところで、中ボックス11に収められる綿状シート15は厚みの中心に細い線材からなる芯材が設けられており、また綿状シート15と綿状シート15との間には金属線を波状に成形したスペーサー17が介在されている。
【0009】
このように綿状シート15が多数並べられて詰められた中ボックス11は前記ボックス1の前面のメッシュ材7を取り外した状態でボックス1の前面より補強材4を境に左右に2つづつ並べられた状態で収納され、その後ボックス1の前面をメッシュ材7で閉じるものである。
【0010】
以上のように中ボックス11が収納されたボックス1は屋外の沿道などの設置場所に立設されたH型材からなる支柱18に支持される。即ち、1つのボックス1を挟む位置に支柱18が立設され、この支柱18の凹部18aにボックス1のガイド部5を上から挿入して左右の支柱18によりボックス1が支持される。設置場所によってはボックス1は1段だけの箇所もあるが、複数断積み重ねるときは上側のボックス1の下端を下側のボックス1の上端に嵌合させるようにして図示のように積み重ねる。なお、ボックス1のガイド部5の前後の面には支柱18の凹部18aとの隙間を無くすためにゴムシート(図示せず)が貼り付けられる。
【0011】
以上のようにして沿道などに沿ってボックス1を設置することにより、自動車の排気ガスを含む空気は風の流れで自然にボックス1内を通過することになり、ボックス1内で前記活性炭素長繊維からなる綿状シート15に触れることにより自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物を綿状シート15により酸化させるとともに硝酸として繊維内部に吸着させて蓄積させ窒素酸化物の浄化作用を行なうことができる。
【0012】
活性炭素長繊維からなる綿状シート15が収納されたボックス1は屋外に設置されていることから雨に晒されることになるが、その雨はボックス1の上端や前後面からボックス1内に浸入し、綿状シート15の汚れを落としながらボックス1の下端から流れ出るものである。
【0013】
ボックス1内の綿状シート15が汚れて新しいものと取り替えたい場合は、前記前面のメッシュ材7を外し、汚れた綿状シート15を収納した中ボックス11をボックス1から取り出し、新しい綿状シート15を収納した中ボックス11をボックス1の中に収めて前面のメッシュ材7を装着すれば良い。
【0014】
ところで、以上述べた実施の形態では綿状シート15を収納した中ボックス11をボックス1の中に収めるようにしているが、ボックス1内に綿状シート15を直接詰め込むようにしても良い。その場合、隣り合う綿状シート15間には前述のスペーサー17を介在させるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態におけるボックスを上方から見た斜視図である。
【図2】同ボックスを下方から見た斜視図である。
【図3】同ボックス内に収納される中ボックスを上方から見た斜視図である。
【図4】同ボックス内に収納される中ボックスを下方から見た斜視図である。
【図5】同ボックス内に中ボックスを収納する状態を示す斜視図である。
【図6】同ボックス内に中ボックスを収納した状態を示す斜視図である。
【図7】同ボックスを支柱間に設置する状態を示す斜視図である。
【図8】同ボックスを支柱間に設置した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 ボックス
5 ガイド部
6 板体
7,8 メッシュ材
10 パンチングメタル板
11 中ボックス
12 板体
13,14 メッシュ材
15 綿状シート
17 スペーサー
18 支柱
18a 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開放され、前面および後面に無数の孔部が形成され、下端も無数の孔部が形成されてなる平面形状が四角形を呈し、左右の両側面に外側に突出する縦方向の角型のガイド部を備えてなり、内部に活性炭素長繊維の綿状シートを詰めるように構成され、沿道などの設置場所に立設されるH型材からなる左右の支柱の凹部に前記ガイド部を上から挿入して支持されるように構成したことを特徴とする空気浄化用活性炭素繊維収納ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−261164(P2008−261164A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105379(P2007−105379)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(592163918)ヒロセ技研株式会社 (5)
【Fターム(参考)】