説明

空気清浄機

【課題】本体の下部吸気口だけでなく、本体の側部に設けた側部吸気口の吸気量を調整して、室内の粒径大の粉塵に対応して、本体への吸気量を確保できる空気清浄機を得ることを目的とする。
【解決手段】本体1に設けた室内空気を吸気する下部吸気口7および側部吸気口8と、この吸気口7,8からの室内空気を清浄化する清浄化手段2と、この清浄化手段2に通風する送風手段3と、清浄空気を吹き出す吹出口4と、粉塵の粒径を検出する埃センサー5と、送風手段3を制御する制御部6と、側方吸気口8に下部開口8aを残して開閉可能な側方吸込蓋9を有し、制御部6は埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、側方吸込蓋9を開閉制御することにより、下側吸気口7と側方吸気口8の風量を調整して、粉塵の粒径に適応した吸気ができる空気清浄機を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の空気中に含まれる粉塵を吸気口から吸気して浄化する空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気清浄機は、本体の下部に設けた下部吸気口に開閉手段を設けて、床面付近の汚染空気を吸気できるものが知られている。
【0003】
以下その空気清浄機について図12および図13を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、本体100の前面吸気口101および下部吸気口102とを備え、下部吸気口102は前カバー103の下端部付近に開閉手段104を設けて、必要なときに開口することにより、前面吸気口101との吸気比率を変えて、床面付近の汚染空気を本体100内に吸気しやすい構成としている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−21353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の空気清浄機では、本体の下部に設けた下部吸気口に開閉手段を設けて、側面吸気口との吸気比率を変更しているが、粒径大なる粉塵に対しては本体下部からの吸気量がまだ不充分であり、空気清浄機能が充分に発揮できないという課題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、本体の下部吸気口だけでなく、本体の側部に設けた側部吸気口の吸気量を調整して、室内の粒径大の粉塵に対応して、本体への吸気量を充分に確保できる空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の空気清浄機は、上記目的を達成するために、本体に設けた室内空気を吸気する吸気口と、この吸気口から吸気した空気を清浄化する清浄化手段と、この清浄化手段に通風する送風手段と、清浄された空気を室内に吹出すための吹出口と、空気中の粉塵の粒径を検出する埃センサーと、前記送風手段を制御する制御部と、本体下側に設けた下側吸気口と、本体側方に縦長に設けた側方吸気口と、前記側方吸気口に開閉可能な側方吸込蓋を有し、前記制御部は、前記埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記側方吸込蓋を開閉制御してなるものである。
【0008】
また、他の手段は、側方吸気口に開閉可能に設けた側方吸込蓋は、閉蓋時に側方吸気口の開口下部を閉蓋せずに、開放状態としたものである。
【0009】
また、他の手段は、下側吸気口に開閉可能な下側吸込蓋を設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記下側吸込蓋を開閉可能に制御したものである。
【0010】
また、他の手段は、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、下側吸気口を開放状態とするとともに、側方吸気口の上部の側方吸込蓋を閉鎖する状態としたものである。
【0011】
また、他の手段は、第一の吹出口を本体の前面上部に設け、この吹出口に俯角、水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバーを設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出しルーバーを角度変更して、第二の吹出口からの吹出風向を、俯角、水平および仰角方向に変更可能としたものである。
【0012】
また、他の手段は、第二の吹出口を本体天面に設け、この吹出口に水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバーを設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、前記吹出しルーバーを角度調整して、吹出口からの吹出風向を、水平または仰角方向に変更可能としたものである。
【0013】
また、他の手段は、本体前面上部に設けた第一の吹出口と、本体天面に設けた第二の吹出口と、二つの前記吹出口を制御する切り換えダンパーを有し、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記切り換えダンパーを制御して、前記吹出口からの吹出方向を俯角、水平および仰角方向に変更可能としたものである。
【0014】
また、他の手段は、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、制御部は送風手段の風速を下げるとともに、吹出ルーバーの吹出方向を水平方向または俯角方向としたものである。
【0015】
また、他の手段は、吹出口に、俯仰方向へ角度調整可能な吹出ルーバーと、左右方向に角度を広げる拡張ルーバーを設けたものである。
【0016】
また、他の手段は、吹出口にマイナスイオン発生装置を設け、埃センサーが小粒径の粉塵を検出するときに、制御部は、吹出ルーバーを仰角方向に設定するととともに、前記マイナスイオン発生装置よりマイナスイオンを発生させてなるものである。
【0017】
これにより、本体の下部吸気口だけでなく、本体の側部に設けた側部吸気口の吸気量を調整して、室内の粒径大の粉塵に対応して、本体への吸気量を充分に確保できる空気清浄機が得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、側方吸気口の側方吸込蓋によって、室内の空気中に存在する粉塵の粒径に対応して側方吸気口を開閉制御することができるので、下側吸気口と側方吸気口の風量を調整して、粉塵の粒径に適応した空気浄化ができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0019】
また、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合は、下側吸気口に加えて側方吸気口の開口下部を開放状態とすることにより、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率良く吸気することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0020】
また、埃センサーが小粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口の吸気蓋を開放することで、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を本体に効率良く吸気できるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0021】
また、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口の下部側と下側吸気口が自動的に開口され、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率良く吸気して集塵することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0022】
また、埃センサーが検出した粉塵の粒径の大・中・小に対応して、本体の前面上部に設けた第一の吹出しルーバーを俯角・水平・仰角に設定し、室内の低・中・高空間に循環エリアを形成して、各空間に浮遊しやすい粒径の粉塵を、効率よく吸気して集塵できるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0023】
また、制御部は、埃センサーの検知した粉塵の粒径の大・小に応じて、本体天面に設けた第二の吹出口の吹出ルーバーを、水平または仰角方向とすることにより、浮遊粉塵の粒径に応じた中低域または高域空間に循環エリアを形成することができ、各空間に浮遊しやすい浮遊粉塵を効率良く本体に吸気して集塵することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0024】
また、第一、第二の2つの吹出口の一方、または両方に通風可能とする切り換えダンパーにより、1つの循環エリアを形成する場合と、一度に2つの循環エリアを形成することができる場合とを使い分けることにより、浮遊粉塵の粒径分布に適応させて吸気効率を高めて集塵することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0025】
また、埃センサーが大粒径の粉塵を検出したとき、風速を下げるとともに、吹出ルーバーを水平または俯角方向として、本体の前面に小規模な循環エリアを形成するとともに、下側吸気口と側方吸気口を連動させて、粒径大なる粉塵を各吸気口より効率よく吸気して集塵することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0026】
また、循環エリアの左右方向のデッドスペースを無くすことができ、左右に幅の広い室内に置いても、粉塵を効率よく吸気することができ、また吹出風速を分散させて使用者の体感温度が低減するのを防止することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【0027】
また、吹出ルーバーを仰角方向とするときに、マイナスイオン発生装置よりマイナスイオンを発生することにより、小粒径の粉塵にマイナスイオンを付着させて凝集して本体前方に導き、容易に吸気させることができるので、小粒径の粉塵に対しても効率よく吸気することができるという効果のある空気清浄機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の請求項1記載の空気清浄機は、本体に設けた室内空気を吸気する吸気口と、この吸気口から吸気した空気を清浄化する清浄化手段と、この清浄化手段に通風する送風手段と、清浄された空気を室内に吹出すための吹出口と、空気中の粉塵の粒径を検出する埃センサーと、前記送風手段を制御する制御部と、本体下側に設けた下側吸気口と、本体側方に縦長に設けた側方吸気口と、前記側方吸気口に開閉可能な側方吸込蓋を有し、前記制御部は、前記埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記側方吸込蓋を開閉制御してなるものであり、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口の側方吸込蓋を閉鎖することで、吸気口が全て本体の下側に位置することとなり、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を下側吸気口に案内し、粒径の大きい粉塵を本体に効率良く吸気することができ、また埃センサーが小粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口の側方吸込蓋を開放することで吸気口が下側吸気口および側方吸気口となり、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を側方吸気口に案内し、粒径の小さい粉塵を本体に効率良く吸気することができるという作用を有する。
【0029】
また、側方吸気口に開閉可能に設けた側方吸込蓋は、閉蓋時に側方吸気口の開口下部を閉蓋せずに、開放状態としたものであり、下側吸気口と側方吸気口の開口下部を開放状態とすることにより、低域空間に影響を与える吸込風量を大きくすることができるため、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口の開口上部の側方吸込蓋を閉鎖することで、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を多く吸気口に案内し、粒径の大きい粉塵を効率良く吸気することができるという作用を有する。
【0030】
また、下側吸気口に開閉可能な下側吸込蓋を設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記下側吸込蓋を開閉可能に制御してなるものであり、埃センサーが小粒径の粉塵を検出した場合、下側吸気口の下側吸込蓋を閉鎖し、側方吸気口の吸気蓋を開放することで、高域空間に影響を与える吸込風量を大きくすることができるため、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を吸気口により多く案内し、粒径の小さい粉塵を本体に効率良く吸気できるという作用を有する。
【0031】
また、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、下側吸気口を開放状態とするとともに、側方吸気口の上部の側方吸込蓋を閉鎖する状態としたものであり、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、自動的に下側吸気口を開放状態とするとともに、側方吸気口の上部の側方吸込蓋を閉鎖することで、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を下側吸気口に案内し、粒径の大きい粉塵を本体に効率良く吸気することができるという作用を有する。
【0032】
また、第一の吹出口を本体の前面上部に設け、この吹出口に俯角、水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバーを設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出しルーバーを角度変更して、第二の吹出口からの吹出風向を、俯角、水平および仰角方向に変更可能としたものであり、制御部は埃センサーが中粒径の粉塵を検出した場合、吹出しルーバーを水平方向に設定して室内の中域空間に循環エリアを形成することで、中域空間に浮遊する中小粒径の粉塵を本体に効率よく吸気し、また制御部は埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、吹出しルーバーを俯角方向に設定して室内の低域空間に循環エリアを形成することで、低域空間に浮遊する大粒径の粉塵を本体に効率よく吸気し、また制御部は埃センサーが小粒径の粉塵を検出した場合、吹出しルーバーを仰角方向に設定して室内の高域空間に循環エリアを形成することで、高域空間に浮遊する大粒径の粉塵を本体に効率よく吸気するという作用を有する。
【0033】
また、第二の吹出口を本体天面に設け、この吹出口に水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバーを設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、前記吹出しルーバーを角度調整して、吹出口からの吹出風向を、水平または仰角方向に変更可能としたものであり、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、吹出方向を水平方向として中低域空間に循環エリアを形成することで、中低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を本体に効率よく吸気し、また埃センサーが小粒径の粉塵を検出した場合、吹出方向を仰角方向として高域空間に循環エリアを形成することで、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を本体に効率よく吸気するという作用を有する。
【0034】
また、本体の前面上部に設けた第一の吹出口と、本体天面に設けた第二の吹出口と、二つの前記吹出口を制御する切り換えダンパーを有し、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記切り換えダンパーを制御して、前記吹出口からの吹出方向を俯角、水平および仰角方向に変更可能としたものであり、第一、第二の2つの吹出口を設け、この2つの吹出口に連通して、いずれか一方、または両方に通風可能とする切り換えダンパーを設け、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出ルーバーと切り換えダンパーを制御することにより、2つの吹出口から俯角、水平および仰角方向に風向変更して、1つの循環エリアを形成する場合と、二つの方向に同時に風を吹き出して、一度に2つの循環エリアを形成することができる場合との使い分けを行ない、浮遊粉塵の粒径分布に適応した循環エリアを選択して形成し、吸気効率を高めることができるという作用を有する。
【0035】
また、埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、制御部は送風手段の風速を下げるとともに、吹出ルーバーの吹出方向を水平方向または俯角方向としたものであり、埃センサーが大粒径の粉塵を検出したとき、制御部は送風手段の風速を下げるとともに、吹出ルーバーの吹出方向を水平方向または俯角方向として中低域空間に循環エリアを形成し、下側吸気口を開放状態、側方吸気口の上部の側方吸込蓋を閉鎖して、中低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を下側吸気口に案内することで、本体の前面に小規模な循環エリアが形成され、各吸気口に粒径の大きい粉塵を効率よく吸気することができるという作用を有する。
【0036】
また、吹出口に、俯仰方向へ角度調整可能な吹出ルーバーと、左右方向に角度を広げる拡張ルーバーを設けたものであり、吹出口に設けた左右方向に角度を広げる拡張ルーバーにより、本体が左右方向に広い室内に設置されて使用された場合でも、循環エリアを左右方向に広げて、室内の左右方向を含む広範囲な循環エリアを形成して清浄空気を広く行き渡らせて、デッドスペースを無くすことができ、また吹出風速を分散させることで使用者への吹出風の影響を少なくすることができ、体感温度の低減を防止することができるという作用を有する。
【0037】
また、吹出口にマイナスイオン発生装置を設け、埃センサーが小粒径の粉塵を検出するときに、制御部は、吹出ルーバーを仰角方向に設定するととともに、前記マイナスイオン発生装置よりマイナスイオンを発生させてなるものであり、埃センサーが小粒径の粉塵を検出すると、制御部は、吹出ルーバーを仰角方向に設定するとともに、マイナスイオン発生装置よりマイナスイオンを発生することにより、高域空間に浮遊する小粒径の粉塵にマイナスイオンを付着させて凝集し、凝縮して比重が大きくなった埃を本体に近い低域空間に導き入れることで、本体に容易に吸気させることができ、小粒径の粉塵に対しても効率よく吸気することができるという作用を有する。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1〜図5に示すように、本体1には室内空気を吸気する下側吸気口7および側方吸気口8と、この吸気口7,8から吸気した空気を清浄化するフィルターなどの清浄化手段2と、この清浄化手段2に通風するシロッコファンなどの送風手段3と、清浄空気を室内に吹出すための吹出口4を設けている。下側吸気口7は本体1の前面下側に設けられ、側方吸気口8は本体1の側方に縦長に設けられ、側方吸気口8には開閉可能な側方吸込蓋9を付設している。なお、側方吸込蓋9は側方吸気口8の開口下部8aを閉蓋せずに開放状態として、側方吸気口8の開口上部のみを開閉可能に設けている。
【0040】
また、本体1には空気中の粉塵の濃度および粒径の大小を検出する埃センサー5と、埃センサー5の検出値に応じて送風手段3を制御する制御部6を有し、制御部6は埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、側方吸込蓋9を開閉制御している。
【0041】
また、下側吸気口7に開閉可能な下側吸込蓋10を設け、制御部6は埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、下側吸込蓋10を開閉可能に制御している。
【0042】
また、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、下側吸気口7を開放状態とするとともに、側方吸気口8の上部の側方吸込蓋9を閉鎖する構成としている。
【0043】
上記構成により、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口8の側方吸込蓋9を閉鎖することで、本体1の下側に位置する吸気口のみとなり、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を下側吸気口7および側方吸気口8の開口下部8aに案内し、粒径の大きい粉塵を本体1に効率良く吸気することができる。また、埃センサー5が小粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口8の側方吸込蓋9を開放することで、側方吸気口8の上方部分から吸気することになり、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を側方吸気口8に案内し、本体1に効率良く吸気することができる。
【0044】
また、下側吸気口7と側方吸気口8の開口下部8aを開放状態とすることにより、低域空間に影響を与える吸込風量を大きくすることができるため、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、側方吸気口8の側方吸込蓋9を閉鎖することで、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を多く側方吸気口8の開口下部8aに案内し、粒径の大きい粉塵を効率良く吸気することができる。
【0045】
また、埃センサー5が小粒径の粉塵を検出した場合、下側吸気口7の下側吸込蓋10を閉鎖し、側方吸気口8の側方吸込蓋9を開放することで、高域空間に影響を与える吸込風量を大きくすることができるため、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を側方吸気口8により多く案内し、粒径の小さい粉塵を本体1内に効率良く吸気できる。
【0046】
また、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、自動的に下側吸気口7を開放状態とするとともに、側方吸気口8の上部の側方吸込蓋9を閉鎖することで、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を下側吸気口7に案内し、粒径の大きい粉塵を本体1内に効率良く吸気することができる。
【0047】
(実施の形態2)
図6〜図9に示すように、第一の吹出口12を本体1の前面上部に設け、第一の吹出口12に俯角、水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバー11を設け、制御部6は、埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出ルーバー11を角度変更して、第一の吹出口12からの吹出風向を、俯角、水平および仰角方向に変更可能としている。
【0048】
また、第二の吹出口14を本体1天面に設け、第二の吹出口14に水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバー13を設け、制御部6は、埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出ルーバー13を角度調整して、第二の吹出口14からの吹出風向を、水平または仰角方向に変更可能としている。
【0049】
また、本体1の前面上部に設けた第一の吹出口12と、本体1天面に設けた第二の吹出口14と、二つの吹出口12,14の上流側に位置して通風を制御する切り換えダンパー15を有し、制御部6は、埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、切り換えダンパー15を制御して、二つの吹出口12,14を同時に使用するか、または第二の吹出口14のみとするかを選択し、さらに吹出ルーバー11、13を制御して、吹出方向を俯角、水平および仰角方向に変更可能としている。
【0050】
また、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、制御部6は送風手段3の風速を下げるとともに、第一の吹出口12吹出ルーバー11の吹出方向を水平方向または俯角方向に設定できるものである。
【0051】
上記構成により、制御部6は埃センサー5が中粒径の粉塵を検出した場合、第一の吹出口12の吹出ルーバー13を水平方向に設定して室内の中域空間に循環エリアを形成することで、中域空間に浮遊する中小粒径の粉塵を本体1内に効率よく吸気する。また、制御部6は埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、吹出ルーバー13を俯角方向に設定して室内の低域空間に循環エリアを形成することで、低域空間に浮遊する大粒径の粉塵を本体1内に効率よく吸気する。また、制御部6は埃センサー5が小粒径の粉塵を検出した場合、吹出ルーバー13を仰角方向に設定して室内の高域空間に循環エリアを形成することで、高域空間に浮遊する大粒径の粉塵を本体1に効率よく吸気する。
【0052】
また、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出した場合、第二の吹出口14の吹出ルーバー13の吹出方向を水平方向として、中低域空間に循環エリアを形成することで、中低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を本体1に効率よく吸気する。また、埃センサー5が小粒径の粉塵を検出した場合、第二の吹出口14の吹出ルーバー13の吹出方向を仰角方向として高域空間に循環エリアを形成することで、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を本体1に効率よく吸気する。
【0053】
また、本体1に第一の吹出口12と第二の吹出口14の2つの吹出口を設け、この2つの吹出口12,14に連通して本体1内に切り換えダンパー15を設け、この切り換えダンパー15は第二の吹出口14のみに通風する場合と、両方の吹出口12,14に通風する場合とに切り換えできるものである。埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出ルーバー11,13と切り換えダンパー15を制御することにより、異なる循環エリアを形成するものである。すなわち、粒径分布が大粒径あるいは小粒径のいずれかに偏っている場合には、1つの循環エリアを形成するように第二の吹出口14のみに通風する。また、粒径分布が大粒径と小粒径ともに多いと判断する場合には、2つの吹出口12,14から吹出ルーバー11,13により風向変更して、二つの方向に同時に風を吹き出して、一度に2つの循環エリアを形成するように送風する。このように、埃センサー5より出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、切り換えダンパー15により通風する吹出口の数を選択するとともに、吹出ルーバー11,13にて風向変更することにより、浮遊粉塵の粒径分布に適応した循環エリアを選択的に形成することができ、本体1への吸気効率を高めることができる。
【0054】
また、埃センサー5が大粒径の粉塵を検出したとき、制御部6は送風手段3の風速を下げるとともに、第一の吹出口12の吹出ルーバー11の吹出方向を水平方向または俯角方向とすることにより、中低域空間に循環エリアを形成し、さらに下側吸気口7を開放し、側方吸気口8の上部の側方吸込蓋9を閉鎖して、中低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を下側吸気口7と側方吸気口8の開口下部8aに案内することで、本体1の前面に小規模な循環エリアが形成され、下側吸気口7と開口下部8aに粒径の大きい粉塵を効率よく吸気することができる。
【0055】
(実施の形態3)
図10に示すように、本体1上部に設けた第一の吹出口12または第二の吹出口14に、俯仰方向へ角度調整可能な吹出ルーバー11、13と、左右方向に角度を広げる拡張ルーバー16を設けている。
【0056】
上記構成により、第一の吹出口12または第二の吹出口14に設けた左右方向に角度を広げる拡張ルーバー16により、循環エリアを左右方向に広げることができ、本体1が左右方向に広い室内に設置されて使用された場合でも、室内の左右方向を含む広範囲な循環エリアを形成して清浄空気を広く行き渡らせることができ、清浄空気の行き届かないデッドスペースを減少することができる。また吹出風速を分散させることで、人体への直接風による体感温度が低下する現象を軽減して、使用者への吹出風の影響を少なくすることができるものである。
【0057】
このように本発明の空気清浄機によれば、循環エリアの左右方向のデッドスペースを無くすことができ、左右に幅の広い室内に設置しても、粉塵を効率よく吸気することができ、また吹出風速を分散させて使用者の体感温度が低減するのを防止することができることとなる。
【0058】
(実施の形態4)
図11に示すように、第二の吹出口14にマイナスイオン発生装置17を設け、埃センサー5が小粒径の粉塵を検出するときに、制御部6は、吹出ルーバー13を仰角方向に設定するととともに、マイナスイオン発生装置17よりマイナスイオンを発生させてなる構成とする。
【0059】
上記構成により、埃センサー5が小粒径の粉塵を検出すると、制御部6は、吹出ルーバー13を仰角方向に設定するとともに、マイナスイオン発生装置17よりマイナスイオンを発生することにより、高域空間に浮遊する小粒径の粉塵にマイナスイオンを付着させて凝集し、凝縮して比重が大きくなった埃を本体1に近い低域空間に導き入れることで、本体1に容易に吸気させることができ、小粒径の粉塵に対しても効率よく吸気することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態1の空気清浄機の外観斜視図
【図2】同、概略側断面図
【図3】同、概略平断面図
【図4】本発明の実施の形態2の空気清浄機の第一の吹出口を示す外観斜視図
【図5】同、第一の吹出口を示す要部の概略断面図
【図6】同、第二の吹出口を示す外観斜視図
【図7】同、第二の吹出口を示す要部の概略断面図
【図8】同、第一、第二の吹出口を備えた状態を示す外観斜視図
【図9】同、第一、第二の吹出口に設けた切り換えダンパーを示す概略断面図
【図10】本発明の実施の形態3の空気清浄機の拡張ルーバーを示す外観斜視図
【図11】同、空気清浄機のイオン発生部を示す要部の概略断面図
【図12】従来の空気清浄機の概略側断面図
【図13】同、要部断面図
【符号の説明】
【0061】
1 本体
2 清浄化手段
3 送風手段
4 吹出口
5 埃センサー
6 制御部
7 下側吸気口
8 側方吸気口
9 側方吸込蓋
10 下側吸込蓋
11 吹出ルーバー
12 第一の吹出口
13 吹出ルーバー
14 第二の吹出口
16 拡張ルーバー
17 マイナスイオン発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に設けた室内空気を吸気する吸気口と、この吸気口から吸気した空気を清浄化する清浄化手段と、この清浄化手段に通風する送風手段と、清浄された空気を室内に吹き出すための吹出口と、空気中の粉塵の粒径を検出する埃センサーと、前記送風手段を制御する制御部と、本体下側に設けた下側吸気口と、本体側方に縦長に設けた側方吸気口と、前記側方吸気口に開閉可能な側方吸込蓋を有し、前記制御部は、前記埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記側方吸込蓋を開閉制御してなる空気清浄機。
【請求項2】
側方吸気口に開閉可能に設けた側方吸込蓋は、閉蓋時に側方吸気口の開口下部を閉蓋せずに、開放状態とした請求項1記載の空気清浄機。
【請求項3】
下側吸気口に開閉可能な下側吸込蓋を設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記下側吸込蓋を開閉可能に制御してなる請求項1または2記載の空気清浄機。
【請求項4】
埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、下側吸気口を開放状態とするとともに、側方吸気口の上部の側方吸込蓋を閉鎖する状態とした請求項3記載の空気清浄機。
【請求項5】
第一の吹出口を本体の前面上部に設け、この吹出口に俯角、水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバーを設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、吹出しルーバーを角度変更して、第二の吹出口からの吹出風向を、俯角、水平および仰角方向に変更可能とした請求項1〜4のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項6】
第二の吹出口を本体天面に設け、この吹出口に水平または仰角方向へ角度調整可能な吹出ルーバーを設け、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて、前記吹出しルーバーを角度調整して、吹出口からの吹出風向を、水平または仰角方向に変更可能とした請求項1〜4のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項7】
本体前面上部に設けた第一の吹出口と、本体天面に設けた第二の吹出口と、二つの前記吹出口を制御する切り換えダンパーを有し、制御部は、埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさに応じて前記切り換えダンパーを制御して、前記吹出口からの吹出方向を俯角、水平および仰角方向に変更可能とした請求項5または6記載空気清浄機。
【請求項8】
埃センサーが大粒径の粉塵を検出した場合、制御部は送風手段の風速を下げるとともに、吹出ルーバーの吹出方向を水平方向または俯角方向とした請求項4記載の空気清浄機。
【請求項9】
吹出口に、俯仰方向へ角度調整可能な吹出ルーバーと、左右方向に角度を広げる拡張ルーバーを設けた請求項5〜8のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項10】
吹出口にマイナスイオン発生装置を設け、埃センサーが小粒径の粉塵を検出するときに、制御部は、吹出ルーバーを仰角方向に設定するととともに、前記マイナスイオン発生装置よりマイナスイオンを発生させてなる請求項5〜7のいずれかに記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−95767(P2009−95767A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269938(P2007−269938)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】