説明

空気調和機の室内機

【課題】吸着体を加熱する加熱手段を新たに設けることなく室内の加湿を行い、室内機の小型化を図り、加湿性能の向上を図る空気調和機の室内機を提供する。
【解決手段】空気調和機の室内機1において、室内の空気が吸い込まれる吸込口4とこの吸込口4の下方で、吸込口4から吸い込まれた空気が室内に吹き出す吹出口6とが形成され、室内に設置される室内機本体3と、室内機本体3内に設置され、吸込口4から吸い込まれて吹出口6から吹き出す空気の流れを発生させる横流ファン8と、室内機本体3内に設置され、吸込口4から吸い込まれて吹出口6から吹き出す空気を加熱する熱交換器9と、横流ファン8と吹出口6との間の吹出し通路6a内における吹出口6の上方側であって横流ファン8により送風される吹出し空気の流れ方向内周側に位置し、横流ファン8により送風される熱交換器9で加熱された空気によって水分が脱離される吸着体11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関し、特に、加湿機能などの被吸着物質の吸着、脱離機能を備えた空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1、2に記載されているように、空気中の水分を吸着可能及び脱離可能な吸着体を用いて室内の加湿を行う空気調和機の室内機が知られている。
【0003】
これらの室内機においては、加熱した空気を吸着体に送風することにより吸着体を加熱し、吸着体から水分を脱離させている。吸着体に送風する空気を加熱する手段として、ヒータが用いられている。
【特許文献1】特許第3132940号公報
【特許文献2】特許第3254381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した空気調和機の室内機においては、以下の点について配慮がなされていない。
【0005】
空気調和機の室内機は室内の壁面等に取付けられており、小型化の要望が高い。上述した空気調和機の室内機においては、吸着体を加熱して水分を脱離させる加熱手段としてヒータを用いているため、ヒータを設置するスペースを室内機内に確保する必要があり、室内機が大型化する原因となっている。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたのもであり、その目的は、吸着体を加熱する加熱手段を新たに設けることなく室内の加湿を行い、室内機の小型化を図り、さらに、加湿性能の向上を図ることができる空気調和機の室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、空気調和機の室内機において、室内の空気が吸い込まれる吸込口とこの吸込口の下方で、この吸込口から吸い込まれた空気が室内に吹き出す吹出口とが形成され、室内に設置される室内機本体と、前記室内機本体内に設置され、前記吸込口から吸い込まれて前記吹出口から吹き出す空気の流れを発生させる横流ファンと、前記室内機本体内に設置され、前記吸込口から吸い込まれて前記吹出口から吹き出す空気を加熱する熱交換器と、前記横流ファンと前記吹出口との間の吹出し通路内における前記吹出口の上方側であって前記横流ファンにより送風される吹出し空気の流れ方向内周側に位置し、前記横流ファンにより送風される前記熱交換器で加熱された空気によって水分が脱離される吸着体と、を備えることである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸着体を加熱する加熱手段を新たに設けることなく室内の加湿を行うことができ、吸着体を備えた室内機の小型化を図ることができ、さらに、加湿性能の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る空気調和機の室内機1は、図1に示すように室内と室外とを仕切る壁2の内側壁面に取付けられる室内機本体3を有し、室内機本体3の前面部と上面部とに複数の吸込口4が形成されている。室内機本体3の下部には、ルーバー5により開度を調整可能な吹出口6が形成されている。
【0011】
室内機本体3内には、図1及び図2に示すようにエアフィルタ7と、横流ファン8と、熱交換器9と、室外排気用ファン10と、吸着体11と、制御器12とが設置されている。
【0012】
エアフィルタ7は、室内機本体3の前面部と上面部との吸込口4に対向する位置に配置され、メッシュ状に形成されている。吸込口4から吸い込まれる空気中に埃が含まれている場合、この空気がエアフィルタ7を通過する過程で埃がエアフィルタ7により捕集される。
【0013】
熱交換器9は、室外に設置されている室外機(図示せず)内に設けられている室外熱交換器等に2本の冷媒配管13、14によって接続され、内部に冷媒が流れ、冷房運転状態と暖房運転状態とに切替可能に設けられている。熱交換器9は、冷房運転時には低温となって熱交換器9を通過する空気を冷却し、暖房運転時には高温となって熱交換器9を通過する空気を加熱する。
【0014】
室外排気用ファン10は、室外に連通する排気用パイプ15内に設置され、室外排気用ファン10にはこの室外排気用ファン10を回転駆動させるモータ16が連結されている。排気用パイプ15は、吸着体11を介して室外に連通する吸気用パイプ17に接続され、これらの排気用パイプ15の一端と吸気用パイプ17の一端とは壁2を貫通して室外に開口している。室外排気用ファン10が駆動されることにより、室外の空気が吸気用パイプ17から吸い込まれ、吸い込まれた空気が図2、図3及び図5の矢印aで示す方向に流れ、吸着体11の後述する第1空気経路30a、30b内を送風され、第1空気経路30a、30b内を送風された後に排気用パイプ15内を通って室外に排気される。なお、吸気用パイプ17と排気用パイプ15と2本の冷媒配管13、14とは、壁2に設けられた1つの孔2aを共通に用いて室外に貫通されている。この孔2aは、室内機本体3の背面側であって室内側からは見えない位置に設けられ、見栄えを良くしている。
【0015】
横流ファン8は、長尺円筒形状に形成された貫流送風機であり、室内機本体3内の長手方向に設置され、吸着体11の長手方向と平行に位置している。すなわち、室内機1が壁2に取付けられた場合、室内機本体3内に設置された横流ファン8は、横流ファン8の長手方向が壁2と平行であって水平な方向に向けられている。横流ファン8には、この横流ファン8を回転駆動させるモータ18が連結されている。横流ファン8が駆動されることにより、室内の空気が吸込口4から室内機本体3内に吸い込まれ、吸い込まれた空気が熱交換器9を通過することにより加熱され又は冷却され、加熱された温風又は冷却された冷風となって吹出口6から室内に吹き出す。
【0016】
吸着体11は、図3ないし図5に示すように、円筒状の吸着板ユニット19とこの吸着板ユニット19を保持する保持体20とにより形成されている。
【0017】
吸着板ユニット19は、外形が長尺円筒形状をなし、断面形状がY字形状に形成された長尺状の仕切体21、水分や吸着可能及び脱離可能な複数枚の吸着板22及びリング状枠23を有している。吸着板22は、紙などを素材とする基板の表面にゼオライト等の吸着材粒子を塗布することにより形成されている。吸着材は、低温(室温)で水分を吸着し、高温になると吸着した水分を脱離する。吸着板22は、長尺の板状部材を一方の面が凸状となって他方の面が凹状となる向きに湾曲させて形成され、凸状側を仕切体21の中心側に向けて配置されている。このような湾曲形状とすることで吸着板22の面積をかせぎ、吸着量を増加させている。複数枚の吸着板22は、仕切体21により仕切られた3つの領域内にそれぞれ同じように配置されている。これらの吸着板22は、面と面とを対向させてそれらの面と面との間に送風可能な隙間をもって連結されている。なお、仕切体21は、吸着板22群をほぼ均等に3分割するように設けられる。
【0018】
複数枚の吸着板22の連結は、吸着板22の長手方向の両端をリング状枠23で固定することにより行われている。リング状枠23は、Y字形状の仕切体21の3つの頂点部に固定されている。仕切体21の中心線上の両端部には、吸着板22の長手方向に沿って吸着板22から離反する方向である外側向きに延びた回転軸24が固定されている。
【0019】
保持体20は、筒状に形成されており、内径寸法が吸着板ユニット19の外径寸法よりもわずかに大きく形成されている。保持体20は、その内部に吸着板ユニット19を回転軸24を中心として回転可能に保持する。保持体20内への吸着板ユニット19の組み込みは、保持体20を長手方向に沿って2分割構造とすることにより、又は、後述する第1カバー部25と一方の第2カバー部26との間を分割構造とすることにより行うことができる。
【0020】
保持体20は、保持する吸着板ユニット19における一部の吸着板22の長手方向に沿った方向の外周部を気密に覆う第1カバー部25と、保持する吸着板ユニット19における他の一部の吸着板22の長手方向の両端部を気密に覆う一対の第2カバー部26とを有している。第1カバー部25は、吸着板ユニット19の周方向の約240°の範囲を覆う形に形成されている。第2カバー部26には、回転軸24が回転可能に軸支される支持穴27が形成されている。第2カバー部26は、仕切体21により仕切られる1つの領域内に配置される吸着板22の長手方向の端部を覆うよう支持穴27を中心として約120°の角度に広がる扇形に形成されている。なお、第1カバー部25が覆う約240°の範囲と第2カバー部26の覆う約120°の範囲は周方向において丁度反対となるように配置されている。
【0021】
吸着板ユニット19の回転軸24には、吸着板ユニット19を回転軸24の中心線回りに回転駆動させるモータ28が複数のギアを噛み合わせた減速機構29を介して連結されている。
【0022】
吸着体11には、図3及び図5に示すように、空気が送風可能な第1空気経路30a、30bと第2空気経路31とが形成されている。第1空気経路30a、30bは、第1カバー部25と一部の吸着板22とに囲まれて吸着板22の長手方向に沿って形成され、室外排気用ファン10が駆動された場合に送風される空気が流れ、空気中の水分が吸着板22に吸着される吸着用空気経路である。この空気通路の入口及び出口は、左右の第2カバー部26に設けられた約240°の範囲の開口である。第2空気経路31は、一対の第2カバー部26と他の一部の吸着板22とに囲まれて吸着板22の長手方向と直交する方向に形成され、横流ファン8が駆動された場合に送風されて熱交換器9で加熱された空気が流れ、吸着板22から水分が脱離される脱離用空気経路である。第2空気経路31の空気の流れを図1、図3及び図5中に矢印bで示している。なお、第1空気経路30a、30bの入口30A側に吸気用パイプ17が接続され、第1空気経路30a、30bの出口30B側に排気用パイプ15が接続されている。
【0023】
室内機本体3内における吸着体11の設置位置は、横流ファン8と吹出口6との間の吹出し通路6a内における吹出口6の上方側であって、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側であるノーズ32側とされている。ノーズ32は、横流ファン8の回転に伴って吹出口6から吹き出す空気の流れを発生させるために形成されている凸状構造部であり、横流ファン8の外周に近接する位置に突出している。
【0024】
また、室内機本体3内における吸着体11の設置向きは、第2空気経路31の出口が吹出口6に対向する向きとされ、第1カバー部25の約120°の開口が吹出し通路6aに面するように配置されている。
【0025】
室内機本体3内には、横流ファン8により送風されて熱交換器9で加熱された空気の流れ方向に沿った吸着体11の上流側に位置し、加熱されて送風される空気を第2空気経路31に向けて案内する風向板33が設けられている。風向板33はダンパーとして機能するもので、この風向板33を回動させる手段としてモータ34が連結されている。風向板33は、加湿運転時には横流ファン8により送風される空気の流れを第2空気経路31の方向に向かわせる位置に回動され、加湿運転時以外は第2空気経路31への空気の流れを遮断する位置に回動される。
【0026】
制御器12は、プログラムされたマイコン及びその周辺機器からなる。制御器12は、室内機本体3内に収納され、室内機本体3内の制御対象物の制御を行う。制御器12には、図6に示すように、吸着体11の吸着板ユニット19を回転駆動させるモータ28と、室外排気用ファン10を回転駆動させるモータ16と、横流ファン8を回転駆動させるモータ18と、風向板33を回動させるモータ34と、室外機に設けられる圧縮機35を回転駆動させるモータ36とが接続されている。さらに、制御器12には、熱交換器9の温度を検知する温度センサ37と、空気調和機の運転状態を操作するリモコン38からの赤外線信号を受光する受光部39等が接続されている。
【0027】
空気調和機の運転制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。制御器12は、リモコン38からの信号の入力の有無を監視している(S1)。リモコン38から信号の入力が有った場合は(S1のYES)、その信号が暖房運転の開始信号であるか否かが判断され(S2)、及び、加湿運転の開始信号が有ったか否かが判断される(S3)。
【0028】
入力された信号が暖房運転の開始信号でない場合は(S2のNO)、入力された暖房運転以外のモードによる運転制御が行われる(S4)。また、暖房運転の開始信号が入力されたが(S2のYES)、加湿運転の開始信号は入力されない場合は(S3のNO)、加湿運転を伴わない通常暖房の運転制御が行われる(S5)。
【0029】
暖房運転の開始信号が入力され(S2のYES)、かつ、加湿運転の開始信号が入力された場合は(S3のYES)、加湿運転が実行される。
【0030】
加湿運転が実行された場合には、制御器12に内蔵されているタイマのカウントがスタートされ(S6)、熱交換器9の温度を測定する温度センサ37の値が読込まれる(S7)。そして、温度センサ37の測定値に基づいて、温度センサ37の値が加湿運転に適した目標値まで上昇するように圧縮機駆動用のモータ36の運転周波数が制御される(S8)。これにより、吹出口6から吹き出す温風の温度が、吸着体11を使用した加湿用に適した温度に上昇し、維持される。
【0031】
さらに、風向板33が、横流ファン8により送風される温風の一部を吸着体11の第2空気経路31に向けて案内する位置に回動され(S9)、横流ファン8が駆動され(S10)、室外排気用ファン10が駆動される(S11)。
【0032】
ここで、ステップS11において室外排気用ファン10が駆動されることにより、室外の空気が吸気用パイプ17を通って室内機本体3内に吸い込まれ、吸い込まれた空気が吸着体11の第1空気経路30a、30b内を送風され、第1空気経路30a、30b内を送風された後に排気用パイプ15内を通って室外に排気される。この際、送風される空気が第1空気経路30a、30b内の吸着板22に当たることにより、室外の空気中に含まれている水分が第1空気経路30a、30b内の吸着板22に吸着される。
【0033】
また、ステップS10において横流ファン8が駆動されることにより、室内の空気が吸込口4から室内機本体3内に吸い込まれ、吸い込まれた空気が熱交換器9により加熱され、温風となって吹出口6から室内に吹き出し、暖房運転が行われる。
【0034】
さらに、ステップS9において風向板33が吸着体11の第2空気経路31側への案内位置へ回動することにより、熱交換器9により加熱されて吹出口6側へ送風される温風の一部が吸着体11の第2空気経路31側へ案内され、この空気が第2空気経路31内を送風され、第2空気経路31内を送風された後に吹出口6から室内に吹き出す。この過程において、加熱された空気が第2空気経路31内の吸着板22に当たり、吸着板22から水分が脱離される。吸着板22から脱離された水分は、横流ファン8の駆動により吹出口6から吹き出す温風に含まれて室内に放出され、室内が加湿される。
【0035】
その後、タイマのカウント時間“T”が、吸着板22に対する水分の吸着及び吸着板22からの水分の脱離を行うために予め設定されている設定時間を経過したか否かが判断され(S12)、さらに、加湿運転の終了信号が入力されたか否かが判断される(S13)。
【0036】
加湿運転の終了信号が入力される前に(S13のNO)、タイマのカウント時間“T”が設定時間を経過した場合には(S12のYES)、モータ28が駆動されて吸着板ユニット19が120°回転され(S14)、タイマがリセットされ及び再スタートされる(S15)。
【0037】
ステップS14において吸着板ユニット19が約120°回転されることにより、回転後は、Y字形状の仕切体21のいずれか2つの頂部が第1カバー部25の開口端部に位置することになる。そのため、回転前に第2空気経路31内に位置していた吸着板22が第1空気経路30a内に移動し、回転前に第1空気経路30a内に位置していた吸着板22が第1空気経路30b内に移動し、回転前に第1空気経路30b内に位置していた吸着板22が第2空気経路31内に移動する。これが設定時間ごとに繰り返され、吸着板ユニット19は、設定時間ごとに約120°ずつ同じ方向に回転する。
【0038】
第1空気経路30b内から第2空気経路31内に移動した吸着板22に対しては、横流ファン8の駆動により送風される空気であって熱交換器9により加熱された空気が当たり、第2空気経路31内に移動した吸着板22から水分が脱離される。吸着板22から脱離された水分は、横流ファン8の駆動により吹出口6から吹き出す温風に含まれて室内に放出され、室内が加湿される。
【0039】
一方、第1空気経路30a内から第1空気経路30b内に移動した吸着板22及び第2空気経路31内から第1空気経路30a内に移動した吸着板22に対しては、室外排気用ファン10の駆動により吸気用パイプ17内を通って室外から吸い込まれた空気が当たり、第1空気経路30a、30b内に移動した吸着板22に対して水分の吸着が行われる。
【0040】
したがって、この実施の形態のように、3つの空気経路30a、30b、31を設け、そのうちの2つを水分の吸着用として用い、残りの1つを水分の脱離用として用いることにより、吸着板22に対して水分を吸着させる時間を長く設定することができる。すなわち、一般に、吸着材は、吸着に要する時間が脱離に要する時間よりも長い。そこで、本実施の形態では吸着板22を3つのグループ分けにして、そのうちの1つを脱離用に用いて残り2つを吸着用に用いることで、吸着時間を脱離時間の2倍に設定することができる。それにより、吸着板22に吸着される水分の量を増やすことができ、吸着板22から脱離される水分量を増やして加湿性能を高めることができる。
【0041】
加湿運転の終了信号が入力された場合は(S13のYES)、タイマがリセットされ(S16)、室外排気用ファン10の駆動が停止され(S17)、風向板33が吸着体11の第2空気経路31側への送風を遮断する位置へ回動され(S18)、通常暖房の運転制御が開始される(S5)。
【0042】
このような構成において、横流ファン8により送風され、熱交換器9により加熱された空気の一部は、図1、図3及び図5において矢印bで示す方向に流れて第2空気経路31内を送風され、吸着体11の吸着板22から水分を脱離させる。このため、吸着体11から水分を脱離させるために吸着体11を加熱する新たな加熱手段を設ける必要がなく、加湿機構を追加した室内機1でありながらその室内機1の小型化を図ることができる。
【0043】
室内機本体3内における吸着体11の設置位置は、横流ファン8と吹出口6との間の吹出し通路6a内における吹出口6内の上方側であって、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側とされ、第2空気経路31の出口が吹出口6に対向している。吹出し通路6a内における吹出口6の上方側の位置は、横流ファン8の特性上吹き出す温風の温度が高い。しかも、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側は、横流ファン8により送風される風量が少ない場合でも、風量が最も多くなる箇所である。このような箇所に吸着体11を設置することにより、横流ファン8により送風される温風(熱交換器9で加熱された空気)を利用した吸着体11からの水分の脱離を効率良く行うことができ、加湿性能を高めることができる。
【0044】
さらに、第2空気経路31は、この第2空気経路31の出口が吹出口6に対向する向きに設けられているため、第2空気経路31内の吸着板22から脱離された水分を直接室内に放出することができ、効率良く室内の加湿を行うことができる。
【0045】
また、横流ファン8により送風されて熱交換器9で加熱された空気の流れ方向に沿った吸着体11の上流側に、熱交換器9で加熱された空気を第2空気経路31に向けて案内する風向板33が設けられているため、熱交換器9で加熱された空気を確実に第2空気経路31に導くことができる。このため、熱交換器9で加熱された空気を第2空気経路31に送風することによる水分の脱離を効率良く行うことができる。
【0046】
しかも、この風向板33は、横流ファン8により送風される空気(熱交換器9で加熱された空気)の流れに対する角度を調節可能に設けられている。このため、加湿量を増やす場合には、第2空気経路31に導く風量を増加させる向きに風向板33を回動させ、吸着板22から脱離される水分量を増やすことができ、室内の加湿量を調整することができる。
【0047】
風向板33は、加湿運転時以外は、第2空気経路31への空気の流れを遮断する位置に回動される。このため、第2空気経路31内への汚れの付着や、冷房運転時における結露を防止することができ、汚れの付着や結露が原因となる吸着体11の機能低下を抑制することができる。
【0048】
なお、吸着板ユニット19を回転させるにあたり、空気経路30a、30b、31を確保するためには、仕切体21の頂部と保持体20の第1カバー部25の開口端部との位置を正確に一致させる必要がある。このため、単なるモータ28の回転角度制御ではなく、何等かの回転角センサまたは位置検知センサを設け、このセンサ出力に基づき回転角を制御することが好ましい。
【0049】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る空気調和機の室内機1Aについて、図8に基づいて説明する。なお、第2の実施の形態及びこれ以降の実施の形態において、先行して説明した他の実施の形態の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
【0050】
この室内機1Aは、第1の実施の形態で説明した室内機1から吸気用パイプ17をなくしたもので、室外から吸引する空気の代わりに室内の空気を吸着体11の第1空気経路30a、30b内に送風するものである。この変更部分以外は、第1の実施の形態と同一であるため、その説明を省略し、以下、変更部分を重点的に説明する。
【0051】
室内機本体3Aの右側面には、室内空気を吸込む第2吸込口41が設けられ、この第2吸込口41は、第1空気経路30a、30bの入口30Aに直線状のダクト42を介して連通している。このため、室外排気用ファン10が回転駆動されることにより、室内の空気が第2吸込口41からダクト42を介して室内機本体3A内に吸い込まれ、吸い込まれた空気が、第1空気経路30a、30b内を送風されて出口30Bから排気用パイプ15内に入り、排気用パイプ15内を通って室外に排気される。
【0052】
この際、室内空気が第1空気経路30a、30b内の吸着板22に当たることにより、室内の空気中に含まれている水分が第1空気経路30a、30b内の吸着板22に吸着され、排気用パイプ15からは水分が減少した乾燥空気が室外に排気される。この結果、室内の水分は吸着板22に保持され、この吸着板22が、第2空気経路31内に回転移動したところで横流ファン8により送風されて熱交換器9を通過して加熱された空気によって吸着板22に吸着されていた水分が脱離され、室内に戻される。この間、室外排気用ファン10による排気によって室内の空気が減少した分だけ部屋の隙間からその時の外気の湿度分だけの水分を含んだ外部の空気が流入しているため、結果的に室内の湿度は上昇する。
【0053】
このような構成において、この第2の実施の形態によれば、壁2を貫通して室外へ延び出すパイプが排気用パイプ15のみとなるため、壁2の孔2aが小さくて済む。また、第2吸込口41を、室内機本体3Aにおける室外排気用ファン10と反対側の側面であって第1空気経路30a、30bの入口30A側に形成し、かつ、第2吸込口41と第1空気経路30a、30bとを直線状のダクト42で連結したため、ダクト42の長さを短くすることができ、送風抵抗が小さくなる。すなわち、第2吸込口41、ダクト42、吸着体11をほぼ直線状に配置して、送風経路を短くしたため、室外排気用ファン10による風量が大きくなり、吸着時間を短縮することができる。さらに、室外排気用ファン10による送風は室内空気を室外に排気することになり、加湿運転の運転/停止にかかわらず室外排気用ファン10を運転することで換気が可能となる等種々の効果がある。
【0054】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る空気調和機の室内機1Bについて、図9ないし図12に基づいて説明する。
【0055】
この室内機1Bは、第1の実施の形態で説明した室内機1で使用した吸着体11に代えて、吸着体51を用いたものである。この変更部分以外は、第1の実施の形態と同一であるため、その説明を省略し、以下、変更部分を重点的に説明する。
【0056】
吸着体51は、図12に示すように、吸着板ユニット52と保持体53とにより形成されている。
【0057】
吸着板ユニット52は、長尺の板状(長方形状)に形成されて水分を吸着可能及び脱離可能な複数枚の吸着板54を有し、これらの吸着板54が面と面とを対向させてそれらの面と面との間に送風可能な隙間をもって連結されている。
【0058】
複数枚の吸着板54の連結は、吸着板54の長手方向の両端をリング状枠55で固定することにより行われ、吸着板ユニット52の外形形状は円柱状とされている。
【0059】
リング状枠55には、吸着板54と平行に伸び、リング状枠55の直径方向に固定された仕切板56が設けられている。仕切板56の側面中央部には、吸着板54の長手方向に沿って吸着板54から離反する方向である外側向きに延びた回転軸57が固定されている。仕切板56は、吸着板54と同様にリング状枠55の一端から他端にわたり、複数枚の吸着板54を2つのグループに2分割すると共に、吸着板ユニット52の補強を兼ねている。
【0060】
保持体53は、吸着板ユニット52を回転軸57の中心線回りに回転可能に保持している。保持体53は、保持する吸着板ユニット52における仕切板56に仕切られた片側の吸着板54の長手方向に沿った方向の外周部を気密に覆う第1カバー部58と、保持する吸着板ユニット52における仕切板56に仕切られた他の片側の吸着板54の長手方向の両端部を気密に覆う一対の第2カバー部59とを有している。第1カバー部58は、吸着板ユニット52の周方向の約180°の範囲を覆う半円筒形に形成されている。第2カバー部59は、半円形に形成されている。第2カバー部59には、回転軸57が回転可能に軸支される支持穴60が形成されている。
【0061】
吸着体51には、図11に示すように、空気が送風可能な吸着用空気経路である第1空気経路61と脱離用空気経路である第2空気経路62とが形成されている。第1空気経路61は、第1カバー部58と一部の吸着板54とに囲まれて吸着板54の長手方向に沿って形成され、室外排気用ファン10が駆動された場合に矢印a方向に空気が流れ、空気中の水分が吸着板54に吸着される。第2空気経路62は、一対の第2カバー部59と他の一部の吸着板54とに囲まれて形成され、横流ファン8が駆動された場合に送風されて熱交換器9で加熱された空気の一部が矢印b方向に流れ、吸着板54から水分が脱離される。なお、第1空気経路61の入口61A側には吸気用パイプ17が接続され、第1空気経路61の出口61B側には排気用パイプ15が接続されている。また、第1空気経路61と第2空気経路62との間に仕切板56が位置するようにし、空気が第1空気経路61と第2空気経路62との間を行き来することがないようにしている。
【0062】
室内機本体3B内における吸着体51の設置位置は、横流ファン8と吹出口6との間の吹出し通路6a内における吹出口6の上方側であって、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側であるノーズ32側とされている。
【0063】
また、室内機本体3B内における吸着体51の設置向きは、第2空気経路62の出口が吹出口6に対向する向きとされている。
【0064】
室内機本体3B内には、横流ファン8により送風されて熱交換器9で加熱された空気の流れ方向に沿った吸着体51の上流側に位置し、熱交換器9で加熱された空気を第2空気経路62に向けて案内する風向板33が設けられている。
【0065】
このような構成において、加湿運転時には、室外排気用ファン10の駆動により送風される空気が矢印a方向に流れ、第1空気経路61内の吸着板54に水分が吸着される。一方、横流ファン8の駆動により送風される温風の一部が矢印b方向に流れ、第2空気経路62内の吸着板54から水分が脱離され、脱離された水分が吹出口6から室内に放出される。
【0066】
加湿運転中は、吸着板ユニット52が設定時間毎に180°ずつ回転され、吸着板54が第1空気経路61内と第2空気経路62内とに交互に位置するようになり、吸着板54への水分の吸着と、吸着した水分の脱離とが繰り返される。
【0067】
吸着板54からの水分の脱離に際しては、横流ファン8により送風され、熱交換器9により加熱された空気の一部が、図9及び図11において矢印bで示す方向に吸着体51の第2空気経路62内を送風される。このため、吸着体51から水分を脱離させるために吸着体51を加熱する新たな加熱手段を設ける必要がなく、加湿機構を追加した室内機1Bでありながらその室内機1Bの小型化を図ることができる。
【0068】
室内機本体3B内における吸着体51の設置位置は、横流ファン8と吹出口6との間の吹出し通路6a内における吹出口6内の上方側であって、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側とされている。吹出し通路6a内における吹出口6の上方側の位置は、横流ファン8の特性上吹き出す温風の温度が高い。しかも、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側は、横流ファン8により送風される風量が少ない場合でも、風量が最も多くなる箇所である。このような箇所に吸着体51を設置することにより、横流ファン8により送風される温風(熱交換器9で加熱された空気)を利用した吸着体51からの水分の脱離を効率良く行うことができ、加湿性能を高めることができる。
【0069】
さらに、第2空気経路62は、この第2空気経路62の出口が吹出口6に対向する向きに設けられているため、第2空気経路62内の吸着板54から脱離された水分を直接室内に放出することができ、効率良く室内の加湿を行うことができる。
【0070】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る空気調和機の室内機1Cについて、図13及び図14に基づいて説明する。
【0071】
この室内機1Cは、第1の実施の形態で説明した室内機1で使用した吸着体11に代えて、吸着体71を用いたものである。この変更部分以外は、第1の実施の形態と同一であるため、その説明を省略し、以下、変更部分を重点的に説明する。
【0072】
吸着体71は、図14に示すように、紙などを素材とする長方形状の基材の表面にゼオライト等の吸着材粒子を塗布することにより形成された複数枚の吸着板72と、これらの吸着板72の両端を支持する支持枠73とにより直方体形状に形成されている。吸着板72は長尺状に形成され、隣合う吸着板72が隙間をもって配置されている。両端の支持枠73の中央部分はともに空気が流通可能な開口となっている。
【0073】
室内機1Cには、室内機本体3Cの外側板と熱交換器9の下端側との間に位置し、吸着体71をスライド可能に収容する収容部74が形成されている。収容部74は、横流ファン8の回転軸と平行な横長形状に形成されている。吸着体71は、吸着体71の長手方向と横流ファン8の回転軸とが平行となる向きに収容部74に収容されている。収容部74の長手方向の一端側には吸気用パイプ17が接続され、収容部74の長手方向の他端側には排気用パイプ15が接続されている。
【0074】
収容部74にスライド可能に収容された吸着体71は、実線で示す収容部74に収容される位置(吹出し通路6a内から退避する位置)と、二点鎖線で示す収容部74から露出して吹出し通路6a内に位置する位置とにスライド可能に設けられている。吸着体71が実線で示す退避位置に位置する場合、隣合う吸着板72の間が、室外排気用ファン10の駆動により送風される空気が流れる第1空気経路(吸着用空気経路)75となる。図14において、矢印a方向が第1空気経路75を送風される空気の方向である。吸着体71が二点鎖線で示す露出位置に位置する場合、隣合う吸着板72の間が、横流ファン8の駆動により送風されて熱交換器9で加熱された空気が流れる第2空気経路(脱離用空気経路)76となる。図14において、矢印b方向が第2空気経路76を送風される空気の方向である。
【0075】
吸着体71が二点鎖線で示す露出位置に位置する場合、この吸着体71は、吹出し通路6a内における吹出口6の上方側であって、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側であるノーズ32側に位置する。さらに、二点鎖線で示す露出位置に位置する吸着体71は、第2空気経路76の入口が横流ファン8側に開口し、第2空気経路76の出口が吹出口6側に開口している。
【0076】
また、吸着体71が二点鎖線で示す露出位置に位置する場合における吸着体71の向きは、第2空気経路76の入口が横流ファン8側に開口し、第2空気経路76の出口が吹出口6側に対向する向きとされている。
【0077】
吸着体71を実線で示す収納位置と二点鎖線で示す露出位置とに移動させる移動手段として、吸着体71に設けられて収容部74から露出して位置するラック77と、ラック77に噛み合うピニオン78と、ピニオン78を回転駆動させるモータ79とが設けられている。
【0078】
このような構成において、横流ファン8と熱交換器9とを駆動させている暖房運転時において、加湿運転を行う場合について説明する。
【0079】
まず、吸着体71を実線で示す収容位置に位置させ、室外排気用ファン10を駆動させる。これにより、室外の空気が吸気用パイプ17内を通って室内機本体3C内に吸い込まれ、収容部74に収容されている吸着体71の第1空気経路75内に送風され、第1空気経路75内を送風された後に排気用パイプ15内を通って室外に排気される。この過程において、第1空気経路75を送風される吸着板72に当たり、空気中の水分が吸着板72に吸着される。
【0080】
室外排気用ファン10を設定時間駆動させた後、室外排気用ファン10の駆動を停止させ、及び、モータ79を駆動させて吸着体71を二点鎖線で示す露出位置にスライドさせる。これにより、横流ファン8の駆動により吸込口4から吸い込まれ、熱交換器9により加熱されて吹出口6から室内に吹き出す温風の一部が、吸着体71の第2空気経路76内を送風される。この過程において、熱交換器9により加熱された空気が吸着板72に当たり、吸着板72から水分が脱離され、脱離された水分が吹出口6から吹き出す温風に含まれて室内に放出され、室内が加湿される。
【0081】
吸着体71が二点鎖線で示す位置にスライドした後に設定時間が経過した場合には、モータ79の駆動により吸着体71が再び実線で示す収納位置にスライドし、及び、室外排気用ファン10が再び駆動されて吸着板72に対して水分の吸着が行われる。
【0082】
このようにして、収納位置と露出位置とへの吸着体71のスライドと、室外排気用ファン10のオン・オフとを繰り返すことにより、室内の加湿が行われる。
【0083】
二点鎖線で示す露出位置にスライドした場合の吸着体71の位置は、吹出し通路6a内における吹出口6の上方側であって、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側とされている。吹出し通路6a内における吹出口6の上方側の位置は、横流ファン8の特性上吹き出す温風の温度が高い。しかも、横流ファン8により送風される空気の流れ方向内周側は、横流ファン8により送風される風量が少ない場合でも、風量が最も多くなる箇所である。このような箇所に吸着体71を位置させることにより、横流ファン8により送風される温風(熱交換器9で加熱された空気)を利用した吸着体71からの水分の脱離を効率良く行うことができ、加湿性能を高めることができる。
【0084】
吸着体71が二点鎖線で示す露出位置に位置する場合における吸着体71の向きは、第2空気経路76の出口が吹出口6に対向する向きとされているため、空気が第2空気経路76を送風される場合に吸着板72から脱離された水分を直接室内に放出することができ、効率良く室内の加湿を行うことができる。
【0085】
なお、本実施の形態においても、第2の実施の形態のように室外排気用ファン10の吸込み空気を室外ではなく、室内空気としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る空気調和機の室内機を示す縦断側面図である。
【図2】その水平断面図である。
【図3】吸着体を示す斜視図である。
【図4】その吸着体を示す分解斜視図である。
【図5】その吸着体を示す側面図である。
【図6】空気調和機の室内機の電気的接続構造を示すブロック図である。
【図7】空気調和機の運転制御について説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る空気調和機の室内機を示す水平断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る空気調和機の室内機を示す縦断側面図である。
【図10】その水平断面図である。
【図11】吸着体を示す斜視図である。
【図12】その分解斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る空気調和機の室内機を示す縦断側面図である。
【図14】吸着体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0087】
3、3A、3B、3C…室内機本体、4…吸込口、6…吹出口、6a…吹出し通路、8…横流ファン、9…熱交換器、10…室外排気用ファン、11…吸着体、30a、30b…吸着用空気経路、31…脱離用空気経路、33…風向板、51…吸着体、61…吸着用空気経路、62…脱離用空気経路、71…吸着体、75…吸着用空気経路、76…脱離用空気経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の空気が吸い込まれる吸込口とこの吸込口の下方で、この吸込口から吸い込まれた空気が室内に吹き出す吹出口とが形成され、室内に設置される室内機本体と、
前記室内機本体内に設置され、前記吸込口から吸い込まれて前記吹出口から吹き出す空気の流れを発生させる横流ファンと、
前記室内機本体内に設置され、前記吸込口から吸い込まれて前記吹出口から吹き出す空気を加熱する熱交換器と、
前記横流ファンと前記吹出口との間の吹出し通路内における前記吹出口の上方側であって前記横流ファンにより送風される吹出し空気の流れ方向内周側に位置し、前記横流ファンにより送風される前記熱交換器で加熱された空気によって水分が脱離される吸着体と、
を備えることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記室内機本体内に設置され、この室内機本体内に空気を吸い込み、吸い込んだ空気を室外に排気する室外排気用ファンを備え、
前記吸着体は、前記室内機本体の横幅方向に延びた長尺形状に形成され、前記横流ファン側に入口が開口し前記吹出口側に出口が開口する脱離用空気経路と、前記室外排気用ファンにより送風される空気が流れて空気中の水分が前記吸着体に吸着される吸着用空気経路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記室内機本体内に設置され、この室内機本体内に空気を吸い込み、吸い込んだ空気を室外に排気する室外排気用ファンを備え、
前記吸着体は、前記室内機本体の横幅方向に延びた長尺形状に形成され、
前記吸着体を、前記横流ファンにより送風される加熱された空気の入口が前記横流ファン側に開口しこの加熱された空気の出口が前記吹出口側に開口する前記吹出し通路内の位置と、前記吹出し通路内から退避して前記室外排気用ファンにより送風される空気が流れて空気中の水分が前記吸着体に吸着される位置との間を移動させる移動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記横流ファンにより送風されて前記熱交換器で加熱された空気の流れ方向に沿った前記吸着体の上流側に、送風される空気を前記吸着体に向けて案内する風向板を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
加湿運転時以外は、前記吸着体への空気の流れを遮断する位置に前記風向板を回動させる手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の空気調和機の室内機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−122020(P2008−122020A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308340(P2006−308340)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(399023877)東芝キヤリア株式会社 (320)
【Fターム(参考)】