説明

空気通路開閉装置およびそれを備えた車両用空調装置

【課題】複数のモードにおいて通風抵抗を低減できる空気通路開閉装置およびそれを備えた車両用空調装置を提供する。
【解決手段】板状に形成されたドア本体部31を有し、ケース11内にスライド移動可能に配置されて加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17を開閉するエアミックスドア30と、ドア本体部31に設けられ、エアミックスドア30の移動方向に配置されたラック32と、ドア駆動手段により回転駆動される回転軸34と、回転軸34に設けられ、ラック32と噛み合うピニオン33とを備え、冷風バイパス通路17を開放する最大冷房時、および加熱用冷風通路16を開放する最大冷房時の双方において、回転軸34の軸線方向から見た断面形状が、回転軸34近傍の空気流れ方向に直交する方向よりも前記空気流れ方向に平行な方向の方が長い扁平形状になるように、回転軸34の回転角度を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気通路を開閉する空気通路開閉装置およびそれを備えた車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1において、シャフト等の回転体(回転軸)によりスライドドアを駆動することにより、空調装置の小型化を図るという技術が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の空調装置では、空気通路内に回転体が存在することにより、回転体が設けられた部分を通過する空気の通風抵抗が増大するため、風量低下や、騒音の増大等を招くという問題がある。
【0003】
また、特許文献2には、空気通路を形成するケースに回転自在に支持される軸部と、この軸部と一体に回転して空気通路を開閉する板部とを備える板ドアにおいて、軸部の形状を扁平化することにより通風抵抗を小さくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−105535号公報
【特許文献2】特開2009−12715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、板ドアの板部が空気流れに対して平行になる1つのモードにおいてのみ通風抵抗を低減できるものであり、他のモード、すなわち板部が空気流れに対して平行とならない状態では、通風抵抗の低減効果が発揮できない。特に、特許文献2に記載の技術をスライドドアのシャフト等の回転角度の大きいものに適用した場合、上記他のモードにおいて、逆に通風抵抗が増加する虞がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、複数のモードにおいて通風抵抗を低減できる空気通路開閉装置およびそれを備えた車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、複数の空気通路(16、17)を形成するケース(11)と、板状に形成されたドア本体部(31、41)を有し、ケース(11)内にスライド移動可能に配置されて複数の空気通路(16、17)を開閉するスライドドア(30、40)と、ドア本体部(31、41)に設けられ、スライドドア(30、40)の移動方向に配置された第1ギヤ(32、42)と、スライドドア(30、40)を移動させるための駆動手段により回転駆動される回転軸(34、44)と、回転軸(34、44)に設けられ、第1ギヤ(32、42)と噛み合う第2ギヤ(33、43)とを備え、複数の空気通路(16、17)のうち一の空気通路(17)を開放する第1モード、および複数の空気通路(16、17)のうち一の空気通路(17)を除く他の空気通路(16)を開放する第2モードにおいて、回転軸(34、44)の軸線方向から見た断面形状が、回転軸(34、44)近傍の空気流れ方向に直交する方向よりも前記空気流れ方向に平行な方向の方が長い扁平形状になるように、回転軸(34、44)の回転角度が設定されていることを特徴としている。
【0008】
これによれば、第1モードおよび第2モードの両モードにおいて、回転軸(34、44)の軸線方向から見た断面を、回転軸(34、44)近傍の空気流れ方向に直交する方向よりも空気流れ方向に平行な方向の方が長い扁平形状にできるので、回転軸(34、44)が設けられた部分を通過する空気の通風抵抗を低減できる。したがって、複数のモードにおいて通風抵抗を低減することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の空気通路開閉装置において、第1モードから第2モードへ移行する際の回転軸(34、44)の回転角度α[rad]は、第1モードから第2モードへ移行する際のスライドドア(30、40)の移動量がL[mm]、第2ギヤ(33、43)のピッチ円直径がD[mm]、第1モードにおける回転軸(34、44)の軸線方向からみた長手方向と、第2モードにおける回転軸(34、44)の軸線方向からみた長手方向とのなす変位角がθ[rad]、nが自然数であるとして、次の数式1および数式2
(数1)
L=D×α/2
(数2)
α=θ+(n−1)π±(π/6)
にて示される関係を満たすように設定されていることを特徴としている。
【0010】
これによれば、後述する図7に示すように、回転軸(34、44)の軸線方向から見た断面形状が円形状になっている従来のスライドドアと比較して、回転軸(34、44)が設けられた部分を通過する空気の通風抵抗を低減できる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の空気通路開閉装置において、第1モードから第2モードへ移行する際の回転軸(34、44)の回転角度α[rad]は、次の数式3および数式4
(数3)
L=D×α/2
(数4)
α=θ+(n−1)π±(π/9)
にて示される関係を満たすように設定されていることを特徴としている。これによれば、後述する図7に示すように、回転軸(34、44)の軸線方向から見た断面形状が円形状になっている従来のスライドドアと比較して、回転軸(34、44)が設けられた部分を通過する空気の通風抵抗をより確実に低減できる。
【0012】
ところで、車両用空調装置では、夏期の炎天下駐車後のように冷房熱負荷が非常に大きい条件下で冷房を始動する際には、車室内温度を急速に引き下げるために非常に大きな冷房能力が要求される。その結果、車室内への吹出風量も最大限に増大することが要求される。このような最大冷房時(フェイスモード)での吹出風量は、冬期の最大暖房時での吹出風量よりも大きな風量が要求される。
【0013】
そこで、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置を備える車両用空調装置において、ケース(11)内に配置され、車室内へ吹き出される空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、ケース(11)内に形成され、加熱用熱交換器(15)をバイパスして空気が流れる冷風バイパス通路(17)と、ケース(11)内に形成され、加熱用熱交換器(15)にて加熱される空気が流れる加熱用冷風通路(16)と、ケース(11)内に配置され、冷風バイパス通路(17)を通過する空気風量と加熱用冷風通路(16)を通過する空気風量との割合を調整するエアミックスドア(30)とを備え、エアミックスドア(30)は、スライドドアにより構成されており、第1モードは、エアミックスドア(30)が冷風バイパス通路(17)を全開する最大冷房時であり、第2モードは、エアミックスドア(30)が加熱用冷風通路(16)を全開する最大暖房時であることを特徴としている。
【0014】
これによれば、最大冷房時および最大暖房時において、エアミックスドア(30)の回転軸(34)近傍を通過する空気の通風抵抗を低減することができる。そのため、最も大きな吹出風量が要求される、すなわち最も通風抵抗を低減したい最大冷房時において通風抵抗を低減できるとともに、最大暖房時においても通風抵抗を低減できるので、実用上、極めて有効である。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置を備える車両用空調装置において、ケース(11)に形成され、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部(25)と、ケース(11)に形成され、車両の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ開口部(24)と、ケース(11)内に配置され、フェイス開口部(25)を全開するフェイスモードと、デフロスタ開口部(24)を全開するデフロスタモードとを切り替える吹出モードドア(40)とを備え、吹出モードドア(40)は、スライドドアにより構成されており、第1モードはフェイスモードであり、第2モードはデフロスタモードであることを特徴としている。
【0016】
これによれば、フェイスモードおよびデフロスタモードにおいて、吹出モードドア(40)の回転軸(44)近傍を通過する空気の通風抵抗を低減することができる。そのため、最も大きな吹出風量が要求される、すなわち最も通風抵抗を低減したいフェイスモードにおいて通風抵抗を低減できるとともに、デフロスタモードにおいても通風抵抗を低減できるので、実用上、極めて有効である。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置を備える車両用空調装置であって、ケース(11)に形成され、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部(25)と、ケース(11)に形成され、車室内乗員の足元側へ向けて空気を吹き出すフット開口部(26)と、ケース(11)内に配置され、フェイス開口部(25)を全開するフェイスモードと、フット開口部(26)を全開するフットモードとを切り替える吹出モードドア(40)とを備え、吹出モードドア(40)は、スライドドアにより構成されており、第1モードはフェイスモードであり、第2モードはフットモードであることを特徴としている。
【0018】
これによれば、フェイスモードおよびフットモードにおいて、吹出モードドア(40)の回転軸(44)近傍を通過する空気の通風抵抗を低減することができる。そのため、最も大きな吹出風量が要求される、すなわち最も通風抵抗を低減したいフェイスモードにおいて通風抵抗を低減できるとともに、フットモードにおいても通風抵抗を低減できるので、実用上、極めて有効である。
【0019】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る車両用空調装置の室内空調ユニット10を車両左右方向から見た断面図である。
【図2】第1実施形態におけるエアミックスドア30の回転軸34近傍を示す模式図である。
【図3】(a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図である。
【図4】第1実施形態における第1モードの室内空調ユニット10を示す断面図である。
【図5】第1実施形態における第2モードの室内空調ユニット10を示す断面図である。
【図6】第1実施形態におけるエアミックスドア30の回転軸34をその軸線方向から見た模式図である。
【図7】第1実施形態におけるエアミックスドア30の回転軸34の回転角度とケース11内を流れる空気の圧力損失との関係を示す特性図である。
【図8】第2実施形態における第1モードの室内空調ユニット10を示す断面図である。
【図9】第2実施形態における第2モードの室内空調ユニット10を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0022】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態は、本発明の空気通路開閉装置を車両用空調装置に適用したものである。図1は本第1実施形態に係る車両用空調装置の室内空調ユニット10を車両左右方向から見た断面図である。図中、上下前後の矢印は、車両搭載状態における各方向を示す。
【0023】
室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側のうち、車両左右方向(車両幅方向)の略中央部に配置されている。室内空調ユニット10は、その外殻を形成するとともに、車室内へ向かって送風される室内送風空気の空気通路を形成するケース11を有している。このケース11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
【0024】
さらに、ケース11は、車両左右方向の略中央部に車両上下方向の分割面を有しており、この分割面で左右2つの分割部に分割できる。そして、左右2つの分割部は、その内部に後述する蒸発器13、ヒータコア15等の各構成機器を収容した状態で、金属バネ、クリップ、ネジ等の締結手段によって一体に結合されている。
【0025】
ケース11の車両前方側の部位には、空気入口空間12が形成されている。空気入口空間12には、送風機ユニット(図示せず)の出口からの送風空気が流入する。空気入口空間12の空気流れ下流側(車両後方側)には、蒸発器13が略上下方向(略鉛直方向)に配置されている。
【0026】
蒸発器13は、周知の蒸気圧縮式冷凍サイクル(図示せず)を構成する機器の1つであり、冷凍サイクル内の低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることで、室内送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
【0027】
ケース11内部において、蒸発器13の空気流れ下流側の車両後方側には、蒸発器13通過後の空気を流す加熱用冷風通路16、冷風バイパス通路17といった空気通路、並びに、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17から流出した空気を混合させる混合空間18が形成されている。
【0028】
加熱用冷風通路16には、蒸発器13通過後の空気を加熱するためのヒータコア15が配置されている。ヒータコア15は、エンジンを冷却するエンジン冷却水と蒸発器13通過後の送風空気とを熱交換させて、蒸発器13通過後の送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。
【0029】
一方、冷風バイパス通路17は、蒸発器13の車両後方側であって、かつ、ヒータコア15の上方側に形成されている。この冷風バイパス通路17は、蒸発器13通過後の空気を、ヒータコア15を通過させることなく、混合空間18に導くための空気通路である。したがって、混合空間18にて混合された送風空気の温度は、加熱用冷風通路16を通過する空気および冷風バイパス通路17を通過する空気の風量割合によって変化する。
【0030】
蒸発器13の直後には、加熱用冷風通路16側へ流入させる空気と冷風バイパス通路17側へ流入させる空気との風量割合を調整するエアミックスドア30が配置されている。このエアミックスドア30は、車両上下方向に円弧状に湾曲して延びる板状に形成されたドア本体部31を有し、ケース11内にスライド移動可能に配置されて加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17を開閉するスライドドアで構成されている。
【0031】
エアミックスドア30のドア本体部31を車両上方に移動(スライド)させることによって、冷風バイパス通路17側の通路開度を増加させて加熱用冷風通路16側の通路開度を減少させる。逆に、ドア本体部31を車両下方に移動(スライド)させることによって、冷風バイパス通路17側の通路開度を減少させて加熱用冷風通路16側の通路開度を増加させる。したがって、エアミックスドア30は、混合空間18内の空気温度(車室内へ送風される送風空気の温度)を調整する温度調整手段を構成する。このエアミックスドア30の詳細な構成については後述する。
【0032】
ケース11の空気流れ最下流部には、混合空間18から空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す開口部24〜26が配置されている。
【0033】
具体的には、ケース11の上面部であって、車両後方側には、車両前面窓ガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ開口部24が設けられている。このデフロスタ開口部24を通過した空気は、図示しないデフロスタダクトおよび車両計器盤上面に設けられたデフロスタ吹出口を介して、車両前面窓ガラスの内面に向けて吹き出される。
【0034】
ケース11の上部であって、デフロスタ開口部24の車両後方側には、車室内乗員の上半身側へ向けて空調風を吹き出すフェイス開口部25が設けられている。具体的には、このフェイス開口部25を通過した空気は、図示しないフェイスダクトおよび車両計器盤前面等に設けられたフェイス吹出口を介して、車室内乗員の上半身側に向けて吹き出される。
【0035】
デフロスタ開口部24およびフェイス開口部25の直前には、デフロスタ開口部24を通過させる空調風およびフェイス開口部25を通過させる空調風の風量を調整する吹出モードドア40が配置されている。この吹出モードドア40は、車両上下方向に円弧状に湾曲して延びる板状に形成されたドア本体部41を有し、ケース11内にスライド移動可能に配置されてデフロスタ開口部24およびフェイス開口部25を開閉するスライドドアで構成されている。
【0036】
吹出モードドア40のドア本体部41を車両上方に移動(スライド)させることによって、フェイス開口部25の開度を増加させてデフロスタ開口部24の開度を減少させる。逆に、ドア本体部41を車両下方に移動(スライド)させることによって、フェイス開口部25の開度を減少させてデフロスタ開口部24の開度を増加させる。
【0037】
すなわち、吹出モードドア40のドア本体部41を移動させることにより、デフロスタ開口部24を全閉するとともにフェイス開口部25を全開するフェイスモード、デフロスタ開口部24およびフェイス開口部25の双方を開放するバイレベルモード、およびデフロスタ開口部24を全開するとともにフェイス開口部25を全閉するデフロスタモードを設定できるようになっている。この吹出モードドア40の詳細な構成については後述する。
【0038】
ケース11の側面部であって、フェイス開口部25の下方側、かつヒータコア15の車両後方側には、車室内乗員の足元側へ向けて空調風を吹き出すフット開口部26が設けられている。具体的には、このフット開口部26を通過した空気は、図示しないフットダクトおよび車室内乗員の足元近傍に設けられたフット吹出口を介して、車室内乗員の足元側に向けて吹き出される。このフット開口部26の直前には、フット開口部26を開閉する図示しないフットドアが配置されている。
【0039】
次に、本実施形態におけるエアミックスドア30の詳細な構成について説明する。
【0040】
エアミックスドア30のドア本体部31は、ドア本体部31の移動方向に延びるように設けられた第1ギヤとしてのラック32を有している。ラック32は、ドア本体部31の空気流れ上流側の面に配置されている。本実施形態では、ラック32は、ドア本体部31の幅方向(車両左右方向)両端部近傍に配置されている。
【0041】
エアミックスドア30は、ラック32と噛み合う第2ギヤとしてのピニオン33を備えている。ピニオン33は、ドア本体部31の空気流れ上流側に配置されている。また、ピニオン33は、ドア本体部31の幅方向に延びる回転軸34に結合されている。
【0042】
図2は本第1実施形態におけるエアミックスドア30の回転軸34近傍を示す模式図である。図2に示すように、回転軸34の両端部はケース11の側面壁部の軸受け穴11aにより回転自在に支持されるようになっている。そして、回転軸34の一端部は、エアミックスドア30を移動させる駆動手段としての図示しないドア駆動装置(サーボモータ等)に結合されている。本例では、ピニオン33および回転軸34は樹脂にて一体成形されている。
【0043】
図3(a)は図2のA−A断面図、図3(b)は図2のB−B断面図である。図3に示すように、回転軸34は、その軸線方向、すなわちドア本体部31の幅方向(車両左右方向)から見た断面が、扁平形状(本例では楕円形状)になっている。なお、回転軸34の詳細な構成については後述する。
【0044】
図1に戻り、ケース11には、ドア本体部31の移動をガイドするガイド溝35が形成されている。ガイド溝35は、ドア本体部31の幅方向両側に配置されている。また、ガイド溝35は、ドア本体部31の空気流れ上流側にてドア本体部31の移動方向に延びる上流側壁部35aと、ドア本体部31の空気流れ下流側にて上流側壁部35aと対向する下流側壁部35bとを有している。
【0045】
この上流側壁部35aと下流側壁部35bとの間にドア本体部31の幅方向両端部が摺動可能に挿入される。これにより、上流側壁部35aおよび下流側壁部35bからなるガイド溝35によってドア本体部31の移動がガイドされることとなる。
【0046】
次に、吹出モードドア40の詳細な構成について説明する。吹出モードドア40は、エアミックスドア30と同様のスライドドアであり、ドア本体部41は、第1ギヤとしてのラック42を有している。ラック42は、ドア本体部41の空気流れ上流側の面におけるドア本体部41の幅方向両端部近傍に配置されている。
【0047】
吹出モードドア40は、エアミックスドア30と同様に、第2ギヤとしてのピニオン43を備えており、このピニオン43は、ドア本体部41の幅方向に延びる回転軸44に結合されている。回転軸44の一端部は、吹出モードドア40を移動させる駆動手段としての図示しないドア駆動装置(サーボモータ等)に結合されている。また、回転軸44は、エアミックスドア30の回転軸34と同様、その軸線方向から見た断面が、扁平形状(本例では楕円形状)になっている。なお、回転軸44の詳細な構成については後述する。
【0048】
吹出モードドア40のドア本体部41の移動をガイドするガイド溝45は、エアミックスドア30におけるガイド溝35と同様に、ドア本体部41の空気流れ上流側に位置する上流側壁部45aと、ドア本体部41の空気流れ下流側に位置する下流側壁部45bとを有している。
【0049】
上述したエアミックスドア30を駆動するドア駆動装置、および吹出モードドアを駆動するドア駆動装置等のアクチュエータの作動は、図示しない空調制御装置(ECU)によって制御される。
【0050】
空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置は、そのROM内に空調装置制御プログラムを記憶しており、その空調装置制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、各種運転モードを実行し、運転モードに応じて空調制御装置の出力側に接続された空調制御機器の作動を制御する。
【0051】
ここで、運転モードとしては、エアミックスドア30により冷風バイパス通路17を全開する最大冷房時において、吹出モードドア40によりフェイス開口部25を全開するフェイスモードとする第1モードや、エアミックスドア30により加熱用冷風通路16を全開する最大暖房時において、吹出モードドア40によりデフロスタ開口部24を全開するデフロスタモードとする第2モード等がある。
【0052】
次に、エアミックスドア30の回転軸34および吹出モードドア40の回転軸44の詳細な構成について説明する。図4は第1モードの室内空調ユニット10を示す断面図、図5は第2モードの室内空調ユニット10を示す断面図である。図4および図5中、実線矢印は空気の流れを示している。
【0053】
図4および図5に示すように、エアミックスドア30の回転軸34の回転角度は、第1モード(すなわち最大冷房時)および第2モード(すなわち最大暖房時)の双方において、回転軸34の軸線方向から見た断面形状が、空気流れ方向に直交する方向よりも空気流れ方向の方が長い扁平形状になるように、設定されている。
【0054】
また、エアミックスドア30と同様に、吹出モードドア40の回転軸44の回転角度は、第1モード(すなわちフェイスモード)および第2モード(すなわちデフロスタモード)の双方において、回転軸44の軸線方向から見た断面形状が、空気流れ方向に直交する方向よりも空気流れ方向の方が長い扁平形状になるように、設定されている。
【0055】
ところで、エアミックスドア30の回転軸34の回転角度は、具体的には次のように設定される。すなわち、第1モード(最大冷房位置)から第2モード(最大暖房位置)へ移行する際のエアミックスドア30のドア本体部31の移動量がL[mm]、ピニオン33のピッチ円直径がD[mm]、nが自然数であるとしたとき、第1モードから第2モードへ移行する際の回転軸34の回転角度α[rad]は、次の数式5および数式6を満たすように設定されている。
【0056】
(数5)
L=D×α/2
(数6)
α=θ+(n−1)π
ここで、図6はエアミックスドア30の回転軸34をその軸線方向から見た模式図である。図6では、回転軸34は、第1モード時の停止位置を実線で示し、第2モード時の停止位置を破線で示している。図6に示すように、上記数式6において、θ[rad]は、第1モード(最大冷房位置)における回転軸34の軸線方向からみた長手方向と、第2モード(最大暖房位置)における回転軸34の軸線方向からみた長手方向とのなす変位角である。
【0057】
続いて、上記数式5、6に示される回転軸34の回転角度αの許容範囲について検討を行った。図7は検討結果を示すもので、横軸は、回転軸34の軸線方向から見た断面において、回転軸34が車両前後方向に平行になっている場合を0°としたときの回転軸34の回転角度であり、縦軸はケース11内を流通する空気の圧力損失である。
【0058】
図7中、破線aは、本実施形態の室内空調ユニット10においてエアミックスドア30を最大冷房位置とした場合を示しており、実線bは、破線aと同様の構成の室内空調ユニットに対して、エアミックスドア30の回転軸34を従来の形状(すなわち回転軸34の軸線方向から見た断面形状が円形状)としたものにおいて、エアミックスドア30を最大冷房位置とした場合を示している。
【0059】
図7から明らかなように、エアミックスドア30の回転軸34の回転角度を70°にした場合、圧力損失が最も小さくなる。以下、圧力損失が最も小さくなるときの回転軸34の回転角度(本例では70°)を、最小損失角度という。
【0060】
回転軸34の回転角度を40〜100°の範囲内、すなわち最小損失角度±30°にすることにより、回転軸34の軸線方向から見た断面形状が円形状になっている従来のエアミックスドアと比較して圧力損失を低減することができる。さらに、回転軸34の回転角度を50〜90°の範囲内、すなわち最小損失角度±20°にすることにより、上記従来のエアミックスドアと比較して圧力損失をより確実に低減することができる。
【0061】
したがって、上記数式1における回転軸34の回転角度αの許容範囲は、±30°(π/6[rad])とするのが望ましく、さらに±20°(π/9[rad])とすることがより望ましい。
【0062】
このため、エアミックスドア30における第1モード(最大冷房位置)から第2モード(最大暖房位置)へ移行する際の回転軸34の回転角度α[rad]は、次の数式7および数式8を満たすように設定することができる。
【0063】
(数7)
L=D×α/2
(数8)
α=θ+(n−1)π±(π/6)
さらに、エアミックスドア30の回転軸34の回転角度α[rad]を、次の数式9および数式10を満たすように設定することで、回転軸34近傍を通過する空気の通風抵抗をより低減することができる。
【0064】
(数9)
L=D×α/2
(数10)
α=θ+(n−1)π±(π/9)
なお、エアミックスドア30の回転軸34の回転角度αは、例えばピニオン33のギヤ径を変更することにより調整することができる。
【0065】
また、吹出モードドア40の回転軸44の回転角度も、エアミックスドア30と同様に設定することができる。すなわち、第1モード(フェイスモード)から第2モード(デフロスタモード)へ移行する際の吹出モードドア40のドア本体部41の移動量がL[mm]、ピニオン43のピッチ円直径がD[mm]、第1モード(フェイスモード)における回転軸44の軸線方向からみた長手方向と、第2モード(デフロスタモード)における回転軸44の軸線方向からみた長手方向とのなす変位角がθ[rad]、nが自然数であるとしたとき、第1モードから第2モードへ移行する際の回転軸44の回転角度α[rad]は、次の数式11および数式12を満たすように設定することができる。
【0066】
(数11)
=D×α/2
(数12)
α=θf+(n−1)π±(π/6)
さらに、吹出モードドア40の回転軸44の回転角度α[rad]を、次の数式13および数式14を満たすように設定することで、回転軸44近傍を通過する空気の通風抵抗をより低減することができる。
【0067】
(数13)
=D×α/2
(数14)
α=θf+(n−1)π±(π/9)
なお、吹出モードドア40の回転軸44の回転角度αは、例えばピニオン43のギヤ径を変更することにより調整することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の車両用空調装置によれば、第1モードおよび第2モードの両モードにおいて、エアミックスドア30の回転軸34の軸線方向から見た断面形状、および吹出モードドア40の回転軸44の軸線方向から見た断面形状の双方を、各回転軸34、44近傍の空気流れ方向に直交する方向よりも空気流れ方向に平行な方向の方が長い扁平形状にできる。このため、第1モードおよび第2モードの両モードにおいて、各回転軸34、44が設けられた部分を通過する空気の通風抵抗を低減できる。したがって、複数のモードにおいて通風抵抗を低減することが可能となる。
【0069】
ところで、車両用空調装置では、冷房熱負荷が非常に大きい条件下で冷房を始動する際には、車室内温度を急速に引き下げるために非常に大きな冷房能力が要求される。その結果、車室内への吹出風量も最大限に増大することが要求される。このような最大冷房時(フェイスモード)での吹出風量は、冬期の最大暖房時での吹出風量よりも大きな風量が要求される。
【0070】
これに対し、本実施形態では、第1モードを最大冷房時とするとともに、第2モードを最大暖房時とすることで、最大冷房時および最大暖房時の双方において、エアミックスドア30の回転軸34近傍を通過する空気の通風抵抗を低減することができる。そのため、最も大きな吹出風量が要求される、すなわち最も通風抵抗を低減したい最大冷房時において通風抵抗を低減できるとともに、最大暖房時においても通風抵抗を低減できるので、実用上、極めて有効である。
【0071】
さらに、本実施形態では、第1モードをフェイスモードとするとともに、第2モードをデフロスタモードとすることで、フェイスモードおよびデフロスタモードの双方において、吹出モードドア40の回転軸44近傍を通過する空気の通風抵抗を低減することができる。そのため、最も大きな吹出風量が要求される、すなわち最も通風抵抗を低減したいフェイスモードにおいて通風抵抗を低減できるとともに、デフロスタモードにおいても通風抵抗を低減できるので、実用上、極めて有効である。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8および図9に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、室内空調ユニット10内の構成機器(蒸発器13、ヒータコア15等)および開口部24〜26の配置が異なっている。
【0073】
図8は本第2実施形態における第1モードの室内空調ユニット10を示す断面図、図9は本第2実施形態における第2モードの室内空調ユニット10を示す断面図である。図8および図9中、実線矢印は空気の流れを示している。
【0074】
図8および図9に示すように、ケース11の車両下方側の部位に、空気入口空間12が形成されている。空気入口空間12の車両上方側には、蒸発器13が略水平方向に配置されている。
【0075】
ケース11内部において、蒸発器13の車両上方側に、ヒータコア15、加熱用冷風通路16、冷風バイパス通路17、および混合空間18が形成されている。冷風バイパス通路17は、蒸発器13の車両上方側であって、かつ、ヒータコア15の車両後方側に形成されている。
【0076】
蒸発器13の直後には、エアミックスドア30が配置されている。このエアミックスドア30は、車両前後方向に円弧状に湾曲して延びる板状に形成されたドア本体部31を有し、ケース11内にスライド移動可能に配置されて加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17を開閉するスライドドアで構成されている。
【0077】
エアミックスドア30のドア本体部31を車両前方側に移動(スライド)させることによって、冷風バイパス通路17側の通路開度を増加させて加熱用冷風通路16側の通路開度を減少させる。逆に、ドア本体部31を車両後方側に移動(スライド)させることによって、冷風バイパス通路17側の通路開度を減少させて加熱用冷風通路16側の通路開度を増加させる。
【0078】
ケース11の空気流れ最下流部、すなわち車両上方側には、混合空間18から空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す開口部24〜26が配置されている。
【0079】
具体的には、ケース11の上面部であって、車両前方側には、デフロスタ開口部24が設けられている。デフロスタ開口部24は、板状のデフロスタドア240により開閉される。
【0080】
ケース11の上面部であって、デフロスタ開口部24の車両後方側には、フェイス開口部25が設けられている。また、ケース11の車両後方側の面であって、エアミックスドア30の車両上方側には、フット開口部26が設けられている。
【0081】
フェイス開口部25およびフット開口部26の直前には、フェイス開口部25を通過させる空調風およびフット開口部26を通過させる空調風の風量を調整する吹出モードドア40が配置されている。この吹出モードドア40は、車両上下方向に円弧状に湾曲して延びる板状に形成されたドア本体部41を有し、ケース11内にスライド移動可能に配置されてフット開口部26およびフェイス開口部25を開閉するスライドドアで構成されている。
【0082】
吹出モードドア40のドア本体部41を車両下方に移動(スライド)させることによって、フェイス開口部25の開度を増加させてフット開口部26の開度を減少させる。逆に、ドア本体部41を車両上方に移動(スライド)させることによって、フェイス開口部25の開度を減少させてフット開口部26の開度を増加させる。
【0083】
すなわち、吹出モードドア40のドア本体部41を移動させることにより、フット開口部26を全閉するとともにフェイス開口部25を全開するフェイスモード、フット開口部26およびフェイス開口部25の双方を開放するバイレベルモード、およびフット開口部26を全開するとともにフェイス開口部25を全閉するフットモードを設定できるようになっている。
【0084】
ここで、本実施形態の運転モードとしては、エアミックスドア30により冷風バイパス通路17を全開する最大冷房時において、吹出モードドア40によりフェイス開口部25を全開するフェイスモードとする第1モードや、エアミックスドア30により加熱用冷風通路16を全開する最大暖房時において、吹出モードドア40によりフット開口部26を全開するフットモードとする第2モード等がある。
【0085】
エアミックスドア30の回転軸34の回転角度は、第1モード(すなわち最大冷房時)および第2モード(すなわち最大暖房時)の双方において、回転軸34の軸線方向から見た断面形状が、空気流れ方向に直交する方向よりも空気流れ方向の方が長い扁平形状になるように、設定されている。
【0086】
また、エアミックスドア30と同様に、吹出モードドア40の回転軸44の回転角度は、第1モード(すなわちフェイスモード)および第2モード(すなわちフットモード)の双方において、回転軸44の軸線方向から見た断面形状が、空気流れ方向に直交する方向よりも空気流れ方向の方が長い扁平形状になるように、設定されている。
【0087】
本実施形態によれば、第1モードをフェイスモードとするとともに、第2モードをフットモードとすることで、フェイスモードおよびフットモードの双方において、吹出モードドア40の回転軸44近傍を通過する空気の通風抵抗を低減することができる。そのため、最も大きな吹出風量が要求される、すなわち最も通風抵抗を低減したいフェイスモードにおいて通風抵抗を低減できるとともに、フットモードにおいても通風抵抗を低減できるので、実用上、極めて有効である。
【0088】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、本発明のスライドドアを、エアミックスドア30および吹出モードドア40の双方に適用した例について説明したが、これに限らず、エアミックスドア30および吹出モードドア40のいずれか一方に適用してもよい。
【符号の説明】
【0089】
16 加熱用冷風通路(空気通路)
17 冷風バイパス通路(空気通路)
30 エアミックスドア(スライドドア)
31 ドア本体部
32 ラック(第1ギヤ)
33 ピニオン(第2ギヤ)
34 回転軸
40 吹出モードドア(スライドドア)
41 ドア本体部
42 ラック(第1ギヤ)
43 ピニオン(第2ギヤ)
44 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の空気通路(16、17)を形成するケース(11)と、
板状に形成されたドア本体部(31、41)を有し、前記ケース(11)内にスライド移動可能に配置されて前記複数の空気通路(16、17)を開閉するスライドドア(30、40)と、
前記ドア本体部(31、41)に設けられ、前記スライドドア(30、40)の移動方向に配置された第1ギヤ(32、42)と、
前記スライドドア(30、40)を移動させるための駆動手段により回転駆動される回転軸(34、44)と、
前記回転軸(34、44)に設けられ、前記第1ギヤ(32、42)と噛み合う第2ギヤ(33、43)とを備え、
前記複数の空気通路(16、17)のうち一の空気通路(17)を開放する第1モード、および前記複数の空気通路(16、17)のうち前記一の空気通路(17)を除く他の空気通路(16)を開放する第2モードの双方において、前記回転軸(34、44)の軸線方向から見た断面形状が、前記回転軸(34、44)近傍の空気流れ方向に直交する方向よりも前記空気流れ方向に平行な方向の方が長い扁平形状になるように、前記回転軸(34、44)の回転角度が設定されていることを特徴とする空気通路開閉装置。
【請求項2】
前記第1モードから前記第2モードへ移行する際の前記回転軸(34、44)の回転角度α[rad]は、前記第1モードから前記第2モードへ移行する際の前記スライドドア(30、40)の移動量がL[mm]、前記第2ギヤ(33、43)のピッチ円直径がD[mm]、前記第1モードにおける前記回転軸(34、44)の軸線方向からみた長手方向と、前記第2モードにおける前記回転軸(34、44)の軸線方向からみた長手方向とのなす変位角がθ[rad]、nが自然数であるとして、次の数式1および数式2
(数1)
L=D×α/2
(数2)
α=θ+(n−1)π±(π/6)
にて示される関係を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
【請求項3】
前記第1モードから前記第2モードへ移行する際の前記回転軸(34、44)の回転角度α[rad]は、次の数式3および数式4
(数3)
L=D×α/2
(数4)
α=θ+(n−1)π±(π/9)
にて示される関係を満たすように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置を備える車両用空調装置であって、
前記ケース(11)内に配置され、車室内へ吹き出される空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、
前記ケース(11)内に形成され、前記加熱用熱交換器(15)をバイパスして空気が流れる冷風バイパス通路(17)と、
前記ケース(11)内に形成され、前記加熱用熱交換器(15)にて加熱される空気が流れる加熱用冷風通路(16)と、
前記ケース(11)内に配置され、前記冷風バイパス通路(17)を通過する空気風量と前記加熱用冷風通路(16)を通過する空気風量との割合を調整するエアミックスドア(30)とを備え、
前記エアミックスドア(30)は、前記スライドドアにより構成されており、
前記第1モードは、前記エアミックスドア(30)が前記冷風バイパス通路(17)を全開する最大冷房時であり、
前記第2モードは、前記エアミックスドア(30)が前記加熱用冷風通路(16)を全開する最大暖房時であることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置を備える車両用空調装置であって、
前記ケース(11)に形成され、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部(25)と、
前記ケース(11)に形成され、車両の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ開口部(24)と、
前記ケース(11)内に配置され、前記フェイス開口部(25)を全開するフェイスモードと、前記デフロスタ開口部(24)を全開するデフロスタモードとを切り替える吹出モードドア(40)とを備え、
前記吹出モードドア(40)は、前記スライドドアにより構成されており、
前記第1モードは前記フェイスモードであり、前記第2モードは前記デフロスタモードであることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置を備える車両用空調装置であって、
前記ケース(11)に形成され、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部(25)と、
前記ケース(11)に形成され、車室内乗員の足元側へ向けて空気を吹き出すフット開口部(26)と、
前記ケース(11)内に配置され、前記フェイス開口部(25)を全開するフェイスモードと、前記フット開口部(26)を全開するフットモードとを切り替える吹出モードドア(40)とを備え、
前記吹出モードドア(40)は、前記スライドドアにより構成されており、
前記第1モードは前記フェイスモードであり、前記第2モードは前記フットモードであることを特徴とする車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−148380(P2011−148380A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10710(P2010−10710)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】