空調給湯複合システム
【課題】
空調給湯複合システムにおいて、給湯サイクルの運転状態に関わらず、空調サイクルの排熱を回収し給湯に利用する。
【解決手段】
空調給湯複合システムは、第1の圧縮機19および四方弁18を有する空調サイクル1と、第2の圧縮機20を有する給湯サイクル2を備える。空調サイクルで発生する排熱を回収する第1水−冷媒熱交換器7と、第1水−冷媒熱交換器で空調サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第1貯湯槽5と、給湯サイクルに備えられこの給湯サイクルで発生する熱により水を加熱する第2水−冷媒熱交換器8と、第2水−冷媒熱交換器で給湯サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第2貯湯槽6と、第1貯湯槽の上部と前記第2貯湯槽の上部を第1の三方弁26を介して選択的に連通する第1の接続路11を設け、第1貯湯槽の水と第2貯湯槽の水を混合可能にした。
空調給湯複合システムにおいて、給湯サイクルの運転状態に関わらず、空調サイクルの排熱を回収し給湯に利用する。
【解決手段】
空調給湯複合システムは、第1の圧縮機19および四方弁18を有する空調サイクル1と、第2の圧縮機20を有する給湯サイクル2を備える。空調サイクルで発生する排熱を回収する第1水−冷媒熱交換器7と、第1水−冷媒熱交換器で空調サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第1貯湯槽5と、給湯サイクルに備えられこの給湯サイクルで発生する熱により水を加熱する第2水−冷媒熱交換器8と、第2水−冷媒熱交換器で給湯サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第2貯湯槽6と、第1貯湯槽の上部と前記第2貯湯槽の上部を第1の三方弁26を介して選択的に連通する第1の接続路11を設け、第1貯湯槽の水と第2貯湯槽の水を混合可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調サイクルと給湯サイクルとを備える空調給湯複合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空調給湯複合システムの例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の空調給湯複合システムでは、空調と給湯を同時に安定的に提供するために、熱源機が空調用圧縮機と流路切替手段および室外熱交換器を備える。また、室内機が室内熱交換器および空調用絞り手段を備える。さらに、給湯用熱源回路が冷媒−冷媒熱交換器および給湯熱源用絞り手段を備え、分岐ユニットが室内機と給湯用熱源用回路へ流通する冷媒を分配している。室内機と給湯熱源用回路は並列に接続されている。
【0003】
空調用冷凍サイクルが、分岐ユニットを介して熱源機と少なくとも2本の接続配管で接続されており、給湯用冷凍サイクルでは、給湯用圧縮機と、熱媒体−冷媒熱交換器と、給湯用絞り手段および冷媒−冷媒熱交換器が直列に接続されている。また、空調用冷凍サイクルと給湯用冷凍サイクルとは、冷媒−冷媒熱交換器で、空調用冷媒と給湯用冷媒とが熱交換するように接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−236817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の空調給湯複合システムは、空調サイクルと給湯サイクルを冷媒−冷媒熱交換器で接続することにより従来大気に放出していた空調サイクルの排熱を給湯サイクルに利用している。しかし、特許文献1の空調給湯複合システムは空調サイクルと給湯サイクルを同時に運転している場合にしか排熱を利用できない。このため例えば、給湯需要が少ない場合は、給湯サイクルが停止してしまうので排熱を利用できない。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、空調給湯複合システムにおいて、給湯サイクルの運転状態に関わらず空調サイクルの排熱を回収し給湯に利用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の特徴は、第1の圧縮機および四方弁を有する空調サイクルと、第2の圧縮機を有する給湯サイクルを備えた空調給湯複合システムにおいて、前記空調サイクルで発生する排熱を回収する第1水−冷媒熱交換器と、この第1水−冷媒熱交換器で前記空調サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第1貯湯槽と、前記給湯サイクルに備えられこの給湯サイクルで発生する熱により水を加熱する第2水−冷媒熱交換器と、前記第2水−冷媒熱交換器で前記給湯サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第2貯湯槽と、前記第1貯湯槽の上部と前記第2貯湯槽の上部を第1の三方弁を介して選択的に連通する第1の接続路を設け、前記第1貯湯槽の水と前記第2貯湯槽の水を混合可能にしたことにある。
【0008】
そしてこの特徴において、前記第1貯湯槽の上部と前記第2の貯湯槽の下部を、第2の三方弁を介して選択的に連通する第2の接続路を設けるのが好ましく、前記第2貯湯槽の底部と前記第2水−冷媒熱交換器を接続する配管の途中から分岐し、前記第1貯湯槽の底部に接続する第3の接続路を設け、前記第3の接続路に、この第3の接続路を開閉する二方弁を設けるのが望ましい。
【0009】
また、上記特徴において、前記給湯サイクルで発生する排熱を回収する第3水−冷媒熱交換器を設け、この第3水−冷媒熱交換器に前記第1貯湯槽を配管接続し、前記第1貯湯槽に貯湯された水と前記給湯サイクルを流通する冷媒とを前記第3水−冷媒熱交換器で熱交換させるようにしてもよい。
【0010】
さらに、前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1の接続路の給湯口端側に給水口に連通するポートを有する第3の三方弁を設け、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度の双方が予め定めた給湯温度より高いときには、前記第1貯湯槽に貯めた湯だけを前記第3の三方弁を介して給湯し、前記第3の三方弁で予め定めた給湯温度になるよう給水口からの水を混合してもよく、前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度のいずれかが予め定めた給湯温度より高く他方の温度が予め定めた給湯温度より低いときは、前記第1貯湯槽の上部から前記第1、第2の三方弁へ接続する第1、第2の接続路を開き、前記第1、第2貯湯槽の双方の水を前記第1の三方弁で混合して予め定めた給湯温度にするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、空調給湯複合システムにおいて、空調サイクルに排熱回収用水−冷媒熱交換器を付設し、空調サイクルと給湯サイクルに別個に貯湯槽を配設しこれら別個の貯湯槽の上部同士および空調用貯湯槽の上部と給湯用貯湯槽の底部とを選択的に連通したので、給湯サイクルの運転状態に関わらず空調サイクルの排熱を回収し給湯に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る空調給湯複合システムの一実施例のシステム図である。
【図2】図1に示した空調給湯複合システムにおける冷房運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図3】図1に示した空調給湯複合システムにおける暖房運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図4】図1に示した空調給湯複合システムにおける貯湯運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図5】図1に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図6】図1に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図7】本発明に係る空調給湯複合システムの他の実施例のシステム図である。
【図8】図7に示した空調給湯複合システムにおける貯湯運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図9】図7に示した空調給湯複合システムにおける貯湯運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図10】図7に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図11】図7に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図12】図7に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る空調給湯複合システムのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、特に弁の開閉を図面に明記する場合には、黒塗りを開としている。三方弁等で一部黒塗りがある場合には白い部分は閉を示し、特に明細書中の記載がない場合の白い部分は、開閉いずれの場合もありうる。
【実施例1】
【0014】
本発明に係る空調給湯複合システムの第1の実施例を、図1ないし図6を用いて説明する。本実施例に示す空調給湯複合システムは、空調サイクルと給湯サイクルとを組み合わせたシステムで、給湯サイクルの運転状態に関わらず空調サイクルの排熱を回収して、給湯に利用できるシステムである。
【0015】
図1に、空調給湯複合システムのシステム図を示す。空調給湯複合システムは、それぞれ独立に運転可能な空調サイクル1および給湯サイクル2と、空調排熱回収用水循環経路3と、給湯用水循環経路4と、第1貯湯槽5および第2貯湯槽6と、第1第1水−冷媒熱交換器7を主たる構成機器としている。第1貯湯槽5と第2貯湯槽6は、水経路9、10、11により接続されている。
【0016】
空調サイクル1は、R410A冷媒が循環するヒートポンプサイクルであり、圧縮機19および四方弁18、三方弁16、17、膨張弁12、13、室内熱交換器15、室外熱交換器14を備えている。四方弁18を切替えれば、冷房運転と暖房運転とが切替わる。冷房運転時には、圧縮機19の吐出側に設けた四方弁18を三方弁17への接続側に切替える。一方、暖房運転時には、四方弁18を三方弁16への接続側に切替える。
【0017】
四方弁18に配管接続された三方弁17には、第1水−冷媒熱交換器7に接続する経路と室外熱交換器14に接続する経路が接続されている。第1水−冷媒熱交換器7の一端側には三方弁17が、他端側には膨張弁12が配管接続されている。室外熱交換器14の一端側は三方弁17に、他端側は膨張弁13に配管接続されている。2つの膨張弁12、13の他端側はまとめられ、室内熱交換器15に配管接続される。室内熱交換器15は、四方弁18に配管接続された三方弁16に配管接続されている。三方弁16の残りのポートは、第1水−冷媒熱交換器7に配管接続されている。
【0018】
なお、本実施例では空調サイクル1を循環する冷媒として非共沸冷媒であるR410Aについて説明するが、冷媒はR410Aに限らず、R407C、R404A、R507A、R134a等、空調サイクルに利用できるものであればよい。また、空調サイクル1の構成は図1に示したものに限らず、ヒートポンプサイクルを用いた空調機能を有するものであって第1水−冷媒熱交換器7に排熱を放出できるものであればよい。
【0019】
給湯サイクル2は、CO2冷媒が循環するヒートポンプサイクルであり、圧縮機20および膨張弁21、室外熱交換器22を主構成機器として備えている。圧縮機20の吐出側は第2水−冷媒熱交換器8に配管接続されており、膨張弁21および室外熱交換器22、圧縮機20の吸込側の順に配管接続されている。なお、給湯サイクル2を循環する冷媒はCO2に限らず、R410A、R407C、R404A、R507A、R134a等の給湯サイクルに利用できるものであればよい。ただし、高温を発生するためにはCO2冷媒が好ましい。また給湯サイクル2の構成は、図1に示したものに限らず、第2水−冷媒熱交換器8に流入した水を加熱できるものであればよい。
【0020】
空調排熱回収用水循環経路3は、水循環ポンプ23を備えている。空調排熱回収用水循環経路3では、水循環ポンプ23の吐出側および第1水−冷媒熱交換器7、第1貯湯槽5の上部、三方弁26が順に配管接続されている。水循環ポンプ23の吸込み側と第1貯湯槽5の底部とが、配管接続されている。
【0021】
給湯用水循環経路4は、水循環ポンプ25を備えており、水循環ポンプ25の吐出側および第2水−冷媒熱交換器8、第2貯湯槽6の上部、三方弁26が順に配管接続されている。水循環ポンプ25の吸込側には、第1貯湯槽5の底部と二方弁28とを配管接続する第1の水経路9と、第2貯湯槽6の底部と三方弁29とを配管接続する第2の水経路10とが接続されている。第1の水経路9では、二方弁28と水循環ポンプ25が配管接続されている。第2の水経路10では、第1貯湯槽5の上部と三方弁29とが配管接続される。
【0022】
第1貯湯槽5の上部と第2貯湯槽6の上部は三方弁26に配管接続されており、三方弁26の残る一方は下流側に配置した三方弁27に接続されている。三方弁27は、三方弁26に接続される他に、給水口と給湯口に接続されている。給水口および給湯口には、図示しないが、開閉弁が取り付けられている。
【0023】
本実施例に示した空調給湯複合サイクルでは、各サイクルと、水および冷媒の循環・流通を制御するために、各部に温度センサが取り付けられている。室外熱交換器14の入口側には、室外熱交換器14の周辺の外気温を計測する温度センサ30が設けられている。第1貯湯槽5の底部と上部には、温度センサ31、33がそれぞれ取り付けられており、第1貯湯槽5の底部と上部の水温を計測する。第2貯湯槽6の底部と上部には、温度センサ32、34がそれぞれ取り付けられており、第2貯湯槽6の底部と上部の水温を計測する。
【0024】
なお図1に示した例では、第1貯湯槽5と第2貯湯槽6を独立した別々の容器として示しているが、一つの容器の中に仕切りを設け、一方を第1貯湯槽5、他方を第2貯湯槽6としてもよい。このように構成した空調給湯複合システムにおける、各運転モードでの動作を、以下に運転モードごとに説明する。
(冷房運転モード)
図1に示した空調給湯複合システムを、冷房運転した時の冷媒と水の流れを図2(a),図2(b)に示す。圧縮機19が起動され、三方弁16および四方弁18は、図2(a)、(b)で矢印で示した方向に冷媒が流れるように設定される。すなわち、圧縮機19から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁18を経て三方弁17に流入するように各弁18、17を切り替える。
【0025】
ここで、第1貯湯槽5の底部に設けた温度センサ31が計測した水温T31が予め定めた温度T1以下のときには、圧縮機19で圧縮された冷媒を第1水−冷媒熱交換器7にも分配するパターンAとする(図2(a))。温度センサ31が計測した水温T31が予め定めた温度T1以上の場合には、圧縮機19で圧縮された冷媒を室外熱交換器14に導くパターンBとする(図2(b))。
【0026】
ここで予め定めた温度T1としては、例えば、第1水−冷媒熱交換器7に冷媒を分配したパターンAに示す状態の空調サイクル1の効率と、室外熱交換器14に冷媒を導いたパターンBに示す状態の空調サイクル1の効率が一致する温度を用いる。温度T1を算出するには、例えば、各水温T31におけるパターンAに示す空調サイクルのサイクル効率COP1と、外気温T30ごとにパターンBに示す空調サイクルのサイクル効率COP2を、それぞれシミュレーション等で予め求めてテーブル化しておく。そして、外気温T30とサイクル効率COP2のテーブルから、室外熱交換器14の近傍に設けた温度センサ30が検出した温度T30に基づいてパターンBに示した空調サイクルのサイクル効率COP2を算出する。算出されたサイクル効率COP2と一致するサイクル効率COP1になるパターンAに示した空調サイクルの水温T31を求める。
【0027】
パターンAに示した空調サイクルでは、三方弁17から分配された高温高圧の冷媒は第1水−冷媒熱交換器7に流入し、この第1水−冷媒熱交換器7内を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁12により断熱膨張され低温低圧となって室内熱交換器15に流入する。そして、空調空間内の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、四方弁18を経て圧縮機19の吸込側に流入する。
【0028】
パターンBに示す空調サイクルでは、三方弁17を経た高温高圧の冷媒は室外熱交換器14に流入し、外気に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁13で断熱膨張し低温低圧となって室内熱交換器15に流入し、空調空間内の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、四方弁18を経て圧縮機19の吸込側に流入する。
【0029】
三方弁17から第1水−冷媒熱交換器7に冷媒が分配されている場合には、水循環ポンプ23を起動する。第1貯湯槽5の底部の水が水循環ポンプ23に吸い込まれ、第1水−冷媒熱交換器7に流入して空調サイクル1から放出された熱を吸収する。空調サイクル1の熱を吸収した水は、第1貯湯槽5の上部に還流し貯留される。
(暖房運転モード)
暖房運転モードにおける冷媒と水の流れを、図3に示す。圧縮機19が起動され、三方弁17、四方弁18は図に示す矢印の方向に冷媒が流れるように設定される。すなわち、圧縮機19から吐出された高温高圧の冷媒は、四方弁18を経て三方弁16に流入する。三方弁16は、室内熱交換器15と第1水−冷媒熱交換器7に冷媒を分配する。三方弁16における冷媒の分配比率は、例えば、圧縮機19の回転数に応じて決定する。
【0030】
ここで三方弁16における冷媒の分配比率の決定例を、以下に説明する。一般に圧縮機の効率は回転数に依存し、効率が最適な回転数が存在する。また特に暖房負荷が小さく圧縮機で設定可能な最低回転数でも空調出力が大きすぎる場合は、圧縮機のON/OFFを繰り返して断続運転する。圧縮機及び空調サイクルは、一般に起動直後は効率が悪い特性を有しているので、断続運転時は効率が悪い。そこで、圧縮機の効率を極力低下させないように三方弁16における冷媒の分配比率を決定する。
【0031】
具体的には、暖房負荷が小さく、圧縮機19の回転数が最適回転数より低く設定される場合、三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7への冷媒分配量を増やして、圧縮機19の回転数を高く設定する。一方、暖房負荷が大きく圧縮機19の回転数が高く設定される場合は、三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7への冷媒分配量を減らして回転数を低く設定する。
【0032】
三方弁16から室内熱交換器15に分配された高温高圧の冷媒は、空調空間内に熱を放出して凝縮する。ここで、膨張弁12は全開に設定されている。凝縮した冷媒は、膨張弁13で断熱膨張し低温低圧となって室外熱交換器14に流入し、室外の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、三方弁17、次いで四方弁18を経て圧縮機19の吸込側に流入する。
【0033】
三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7に分配された高温高圧の冷媒は、第1水−冷媒熱交換器7内を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁12を通過して、室内熱交換器15から流出した冷媒と合流する。
【0034】
ここで、三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7に冷媒が分配されている場合には、水循環ポンプ23を起動する。第1貯湯槽5の底部の水は水循環ポンプ23に吸い込まれ、第1水−冷媒熱交換器7に流入して空調サイクル1から放出された熱を吸収する。空調サイクル1から熱を吸収した水は、第1貯湯槽5の上部に還流し貯留される。
(貯湯運転モード)
貯湯運転モードにおける冷媒と水の流れを、図4(a)、(b)に示す。貯湯運転モードでは、圧縮機20と水循環ポンプ25が起動される。圧縮機20から吐出された高温高圧の冷媒は第2水−冷媒熱交換器8に流入し、第2水−冷媒熱交換器8を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁21で断熱膨張し低温低圧となって室外熱交換器22に流入し、室外の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機20の吸込側に還流する。
【0035】
一方貯湯に供する水は、第1貯湯槽5の底部に設けた温度センサー31で計測された水温T31および第2貯湯槽6の底部に設けた温度センサー32で計測された水温T32に応じて、その循環経路が第1水循環経路と第2水循環経路に切り替えられる。第1水循環経路を流通する場合は、図4(a)に示すように、二方弁28を閉じる。そして三方弁29では、第2貯湯槽6の底部に接続するポートと水循環ポンプ25に接続するポートを開く。第2貯湯槽6の底部の水は水循環ポンプ25に吸い込まれ、第2水−冷媒熱交換器8に流入して詳細を後述する給湯サイクル2から放出された熱を吸収する。熱を吸収した水は、第2貯湯槽6の上部に還流し貯留される。
【0036】
第2水循環経路に切替えられた場合には、図4(b)に示すように、二方弁28を開く。そして三方弁29では、第2貯湯槽6の底部に接続するポートと第1貯湯槽5の上部に接続するポートを開く。第1貯湯槽5の底部の水は水循環ポンプ25に吸い込まれ、第2水−冷媒熱交換器8に流入して給湯サイクル2から放出された熱を吸収する。熱を吸収した水は、第2貯湯槽6の上部に流入し貯留される。第2貯湯槽の底部の水は、三方弁29を経て第1貯湯槽5の上部に流入し貯留される。
【0037】
ここで第1水循環経路と第2水循環経路の切替える切替条件の設定例を、以下に説明する。第2水−冷媒熱交換器8において給湯サイクル1から熱を吸収する際、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度は低い方が給湯サイクル1の効率が高い。そこで、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度が低くなるように、第1水循環経路と第2水循環経路を切替える。具体的には、温度センサ31で計測された第1貯湯槽5の底部の水温T31と、温度センサ32で計測された第2貯湯槽6の底部の水温T32を比較し、第1貯湯槽5の底部の水温T31が第2貯湯槽6の底部の水温T32より高い場合は、第1水循環経路を使用し、それ以外の場合は第2水循環経路を使用する。
(給湯運転モード)
給湯運転モードにおける水の流れを、図5および図6に示す。水の流れは、温度センサ33が計測した第1貯湯槽5の上部温度T33および温度センサ34が計測した第2貯湯槽6の上部温度T34、温度センサ35が計測した給水温度T35に基づいて大きく2つのパターンに分けられる。
【0038】
第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqより高く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合の水の流れを図5に示す。三方弁26は、第2貯湯槽6の上部に接続されたポートを閉じる。第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路11、三方弁26を介して三方弁27へ流入する。三方弁27は第1貯湯槽5から流出した水と、給水口から給水された水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は給湯口へ流出する。
【0039】
第1貯湯槽5の上部温度T33と第2貯湯槽6の上部温度T34の何れか一方が給湯需要の要求温度Treqより高く、他方が給湯需要の要求温度Treqより低い場合の水の流れを、図6に示す。三方弁27は、給水口に接続されたポートを閉じる。三方弁29は、第1貯湯槽5の上部に接続されたポートと第2貯湯槽6の底部に接続されたポートを接続する。第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路10および水経路11へ流出する。
【0040】
水経路10へ流出した水は、三方弁29を経て第2貯湯槽6の底部に流入する。流入した水と同量の水が第2貯湯槽6の上部から流出し、三方弁26へ流入する。一方、水経路11へ流出した水は三方弁26へ流入する。三方弁26は、第1貯湯槽5から流出した水と、第2貯湯槽6から流出した水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は,三方弁27を経て給湯口へ流出する。
【0041】
本実施例によれば、給湯サイクルの運転状態に関わらず、空調サイクルの排熱を第1貯湯槽に蓄熱し、給湯に利用することができる。
【実施例2】
【0042】
本実施例が上記実施例と異なるのは、空調給湯複合システムが、空調サイクルからの排熱を利用するのに加えて、給湯サイクルからの排熱も利用するようにしたことにある。図7に、本実施例における空調給湯複合システムのシステム図を示す。本実施例の空調給湯複合システムは、空調サイクル1および給湯サイクル39、空調排熱回収用水循環経路3、給湯排熱回収用水循環経路40、給湯用水循環経路4、第1貯湯槽5および第2貯湯槽6、第1水−冷媒熱交換器7、第2水−冷媒熱交換器、第3水−冷媒熱交換器37を主構成機器としている。第1貯湯槽5と第2貯湯槽6とは、水経路9、10、11により接続されている。空調サイクル1および空調排熱回収用水循環経路3、給湯用水循環経路4の構成、第1貯湯槽5と第2貯湯槽6との間の接続構成は、図1に示した実施例と同様である。
【0043】
給湯サイクル39は、CO2冷媒が循環するヒートポンプサイクルであり、圧縮機20、膨張弁21、室外熱交換器22、三方弁38、温度センサ41を備えている。圧縮機20の吐出側は、第2水−冷媒熱交換器8、膨張弁21、三方弁38の順に配管接続されている。三方弁38の各ポートには、室外熱交換器22、圧縮機20の吸込み側の順に配管接続された経路と、第3水−冷媒熱交換器37、圧縮機20の吸込み側の順に配管接続された経路が接続されている。
【0044】
温度センサ41は、給湯サイクル39が備える室外熱交換器22の近傍の外気温度T41を計測する。なお、給湯サイクル39を循環する冷媒は、CO2に限らずR410A、R407C、R404A、R507A、R134a等の給湯サイクルに利用できるものでもよい。しかしながら、高温を得るのにはCO2冷媒が好ましい。また給湯サイクル39の構成は、図7に示したものに限らず、第2水−冷媒熱交換器8に流入した水を加熱し、第3水−冷媒熱交換器37から吸熱できるヒートポンプサイクルを備えるものであればよい。
【0045】
給湯排熱回収用水循環経路40は、水循環ポンプ36を備えており、水循環ポンプ36の吐出側、第3水−冷媒熱交換器37、第1貯湯槽5の底部の順に配管接続されている。水循環ポンプ36の吸込み側は、第1貯湯槽5の上部と配管接続されている。なお、図7に示した実施例では、第1貯湯槽5と第2貯湯槽6を別個の容器としているが、一つの容器の中に仕切りを設け、一方を第1貯湯槽5、他方を第2貯湯槽6としてもよい。
【0046】
上記実施例1と同様、各種運転モードにおける水と冷媒の流れを、図8ないし図12を用いて説明する。ただし、冷房時と暖房時の動作は、上記実施例1と同一であるので説明を省略する。
(貯湯運転モード)
貯湯運転モードにおける冷媒と水の流れを、図8(a)、(b)および図9に示す。貯湯運転モードでは、圧縮機20と水循環ポンプ25が起動される。圧縮機20から吐出された高温高圧の冷媒は第2水−冷媒熱交換器8に流入し、第2水−冷媒熱交換器8内を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁21で断熱膨張し、低温低圧となって三方弁38に流入する。
【0047】
三方弁38は、室外熱交換器22側と第3水−冷媒熱交換器37側にその接続を切り替えられる。図8(a)に示すように、室外熱交換器22に切り替えられた場合には、三方弁38に流入した低温低圧の冷媒は、室外熱交換器22において室外の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機20の吸込側に流入する。一方図8(b)に示すように、第3水−冷媒熱交換器37に切り替えられた場合には、三方弁に流入した低温低圧の冷媒は、水−冷媒熱交換器において、第3水−冷媒熱交換器37内を流通する水から熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機20の吸込側に流入する。
【0048】
次に、三方弁38における冷媒の分配方法例を、以下に説明する。三方弁38は、温度センサ41が計測した室外温度T41に基づいて算出された予め定めた温度T5tと温度センサ33が計測した第1貯湯槽5の上部温度T33を比較する。そして、第1貯湯槽5の上部温度T33が予め定めた温度T2より高い場合には、第3水−冷媒熱交換器37に冷媒の流れを切り替える。それ以外の場合には、室外熱交換器22に冷媒を流す。
【0049】
ここで予め定めた温度T2とは、図8(a)に示したように、第3水−冷媒熱交換器37に冷媒を流した場合(図8(a))の給湯サイクル39の効率COP3と、室外熱交換器22に冷媒を流した場合(図8(b))の給湯サイクル39の効率COP4が一致する温度である。温度の算出方法としては、例えば、予め各水温におけるサイクル効率COP3のテーブルと、各外気温T41におけるサイクル効率COP4のテーブルを作成する。そして、図8(b)に示したサイクルのサイクル効率COP4のテーブルを、温度センサ41で計測された外気温T41を参照して検索および補間し、サイクル効率COP4を算出し、算出したサイクル効率COP4と一致する図8(a)における水温T33を求める。
【0050】
水循環ポンプ36は、三方弁38から第3水−冷媒熱交換器37へ冷媒が流された場合に起動する。第1貯湯槽5の上部の水は水循環ポンプ36へ吸い込まれ、第3水−冷媒熱交換器37へ吐出される。第3水−冷媒熱交換器37に流入した水は、給湯サイクル39を流通する冷媒と熱交換して熱を放出し、第1貯湯槽5の底部へ還流し貯留される。
【0051】
第2貯湯槽6の底部の水は、三方弁29を介して水循環ポンプ25に吸い込まれる。水循環ポンプ25から吐出された水は、第2水−冷媒熱交換器8に流入し、給湯サイクル39を流通する冷媒から熱を吸収し、第2貯湯槽6の上部へ還流し貯留される。
【0052】
ところで、温度センサ32で計測された第2貯湯槽6の底部の水温T32が予め定めた温度T3より高く、かつ、温度センサ31で計測された第1貯湯槽5の底部の水温T31が予め定めた温度T3より低い場合には、図9に示すように、三方弁29の第1貯湯槽5の上部へ接続するポートおよび二方弁28を開く。そして、第2貯湯槽6の底部から流出した水の一部を、第1貯湯槽5の上部へ流出させる。第1貯湯槽5の上部へ流入した水と同量の水が、第1貯湯槽5の底部から二方弁28を通過する。この二方弁28を経た水と、第2貯湯槽6の底部から流出した水とを、混合する。
【0053】
ここで予め定めた温度T3とは、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水温と給湯サイクル39のサイクル効率との関係から算出される温度である。上記したように、給湯サイクルは第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度が高いとサイクル効率が低下する特性を有している。そこで、温度の低い第1貯湯槽5の底部の水を第2水−冷媒熱交換器8に流入する水に混合して、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度を低下させ、給湯サイクル39の効率向上を図る。
(給湯運転モード)
給湯運転モードにおける水の流れを、図10〜図12を用いて説明する。水の流れは、温度センサ33が計測した第1貯湯槽5の上部温度T33、および温度センサ34が計測した第2貯湯槽6の上部温度T34、温度センサ35が計測した給水温度T35に基づいて3つのパターンに大別される。
【0054】
まず第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqより高く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合(パターン1)の水の流れを図10に示す。三方弁26は、第2貯湯槽6の上部に接続されたポートを閉じる。第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路11および三方弁26を経て、三方弁27へ流入する。三方弁27は第1貯湯槽5から流出した水と、給水口から給水された水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は、給湯口へ流出する。
【0055】
次に、第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqより高く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより低い場合(パターン2)の水の流れを、図11に示す。三方弁27は給水口に接続されたポートを閉じる。三方弁29は、第1貯湯槽5の上部に接続されたポートと、第2貯湯槽6の底部に接続されたポートを連通させる。
【0056】
第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路10および水経路11へ流出する。水経路10へ流出した水は、三方弁29を経て第2貯湯槽6の底部に流入する。流入した水と同量の水が、第2貯湯槽6の上部から流出し、三方弁26へ流入する。水経路11へ流出した水は、三方弁26へ流入する。三方弁26は、第1貯湯槽5から流出した水と第2貯湯槽6から流出した水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は、三方弁27を経て給湯口へ流出する。
【0057】
第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqと給水温度T35の中間にあり、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合も、パターン2と同様である。
【0058】
第1貯湯槽5の上部温度T33が給水温度T35より低く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合の水の流れを図12に示す(パターン3)。三方弁26は、水経路11に接続されたポートを閉じる。第2貯湯槽6の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第2貯湯槽6の上部から三方弁26を介して三方弁27へ流入する。三方弁27は第2貯湯槽6から流出した水と、給水口から給水された水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は給湯口へ流出する。
【0059】
本実施例によれば、空調サイクルと給湯サイクルがそれぞれ互いの運転状態に関わらず自サイクルの排熱を第1貯湯槽に蓄熱することが可能になる。なお、本実施例では第3水−冷媒熱交換器37で排熱回収を可能にしているので、第1貯湯タンクと循環する水側の温度を低くすればするほど、この第3水−冷媒熱交換器37での排熱回収量が増大する。
【0060】
なお上記各実施例では、第1貯湯槽および第2貯湯槽内には、水または湯が充満されているように運転される。したがって、第1、第2貯湯槽の上部および底部に取り付けた各温度センサは、貯湯槽各部の水または湯の温度を正確に検出できる。また、上記各実施例の給湯運転モードでは三方弁が給湯温度を制御しているが、制御装置を別個に設けて三方弁の開度や給水量を制御するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0061】
さらに、上記各実施例では第1、第2貯湯槽を備えている。この理由は、第1貯湯槽は主として空調サイクルで発生する排熱を回収するためであり、主として第2貯湯槽は給湯サイクルで発生する排熱を回収するためである。空調サイクルは、給湯サイクルに比べて季節により回収できる排熱量が変動するとともに、排熱回収用の水−冷媒熱交換器に流入する冷媒の温度レベルが通常低い。そのため第1貯湯槽には、第2貯湯槽よりも比較的低温の湯が貯湯される。これは、空調サイクルが非共沸冷媒を使用し、給湯サイクルがCO2冷媒を使用することが主因である。ただし、空調サイクルでは給湯サイクルよりも湯量を豊富に確保できるので、第1貯湯槽を第2貯湯槽よりも大容量にするのが好ましい。
【0062】
なお、家庭用の空調給湯システム等に使用する場合には、設置面積の要求から第1貯湯槽の容量を大きくできない場合が多い。そこで、第1貯湯槽の湯を第2貯湯槽の湯よりも優先的に使用すれば、排熱回収効率が向上する。上記各実施例では、できるだけ第1貯湯槽の湯を使用して、給湯サイクルの運転を低減するようにしている。
【符号の説明】
【0063】
1…空調サイクル、2…給湯サイクル、3…空調排熱回収用水循環経路、4…給湯用水循環経路、5…第1貯湯槽、6…第2貯湯槽、7…第1水−冷媒熱交換器、8…第2水−冷媒熱交換器、10…水経路(第2の接続路)、11…水経路(第1の接続路)、12、13…膨張弁、14…(第1)室外熱交換器、15…室内熱交換器、16、17…三方弁、18…四方弁、19…(第1)圧縮機、20…(第2)圧縮機、22…(第2)室外熱交換器、23…(第1)水循環ポンプ、25…(第2)水循環ポンプ、26…(第1の)三方弁、27…(第3の)三方弁、28…二方弁(第3の接続路)、29…(第2の)三方弁、30〜35…温度センサ、36…(第3)水循環ポンプ、37…第3水−冷媒熱交換器、38…三方弁、39…給湯サイクル、40…給湯排熱回収用水循環経路、41…温度センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調サイクルと給湯サイクルとを備える空調給湯複合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空調給湯複合システムの例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の空調給湯複合システムでは、空調と給湯を同時に安定的に提供するために、熱源機が空調用圧縮機と流路切替手段および室外熱交換器を備える。また、室内機が室内熱交換器および空調用絞り手段を備える。さらに、給湯用熱源回路が冷媒−冷媒熱交換器および給湯熱源用絞り手段を備え、分岐ユニットが室内機と給湯用熱源用回路へ流通する冷媒を分配している。室内機と給湯熱源用回路は並列に接続されている。
【0003】
空調用冷凍サイクルが、分岐ユニットを介して熱源機と少なくとも2本の接続配管で接続されており、給湯用冷凍サイクルでは、給湯用圧縮機と、熱媒体−冷媒熱交換器と、給湯用絞り手段および冷媒−冷媒熱交換器が直列に接続されている。また、空調用冷凍サイクルと給湯用冷凍サイクルとは、冷媒−冷媒熱交換器で、空調用冷媒と給湯用冷媒とが熱交換するように接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−236817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の空調給湯複合システムは、空調サイクルと給湯サイクルを冷媒−冷媒熱交換器で接続することにより従来大気に放出していた空調サイクルの排熱を給湯サイクルに利用している。しかし、特許文献1の空調給湯複合システムは空調サイクルと給湯サイクルを同時に運転している場合にしか排熱を利用できない。このため例えば、給湯需要が少ない場合は、給湯サイクルが停止してしまうので排熱を利用できない。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、空調給湯複合システムにおいて、給湯サイクルの運転状態に関わらず空調サイクルの排熱を回収し給湯に利用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の特徴は、第1の圧縮機および四方弁を有する空調サイクルと、第2の圧縮機を有する給湯サイクルを備えた空調給湯複合システムにおいて、前記空調サイクルで発生する排熱を回収する第1水−冷媒熱交換器と、この第1水−冷媒熱交換器で前記空調サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第1貯湯槽と、前記給湯サイクルに備えられこの給湯サイクルで発生する熱により水を加熱する第2水−冷媒熱交換器と、前記第2水−冷媒熱交換器で前記給湯サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第2貯湯槽と、前記第1貯湯槽の上部と前記第2貯湯槽の上部を第1の三方弁を介して選択的に連通する第1の接続路を設け、前記第1貯湯槽の水と前記第2貯湯槽の水を混合可能にしたことにある。
【0008】
そしてこの特徴において、前記第1貯湯槽の上部と前記第2の貯湯槽の下部を、第2の三方弁を介して選択的に連通する第2の接続路を設けるのが好ましく、前記第2貯湯槽の底部と前記第2水−冷媒熱交換器を接続する配管の途中から分岐し、前記第1貯湯槽の底部に接続する第3の接続路を設け、前記第3の接続路に、この第3の接続路を開閉する二方弁を設けるのが望ましい。
【0009】
また、上記特徴において、前記給湯サイクルで発生する排熱を回収する第3水−冷媒熱交換器を設け、この第3水−冷媒熱交換器に前記第1貯湯槽を配管接続し、前記第1貯湯槽に貯湯された水と前記給湯サイクルを流通する冷媒とを前記第3水−冷媒熱交換器で熱交換させるようにしてもよい。
【0010】
さらに、前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1の接続路の給湯口端側に給水口に連通するポートを有する第3の三方弁を設け、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度の双方が予め定めた給湯温度より高いときには、前記第1貯湯槽に貯めた湯だけを前記第3の三方弁を介して給湯し、前記第3の三方弁で予め定めた給湯温度になるよう給水口からの水を混合してもよく、前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度のいずれかが予め定めた給湯温度より高く他方の温度が予め定めた給湯温度より低いときは、前記第1貯湯槽の上部から前記第1、第2の三方弁へ接続する第1、第2の接続路を開き、前記第1、第2貯湯槽の双方の水を前記第1の三方弁で混合して予め定めた給湯温度にするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、空調給湯複合システムにおいて、空調サイクルに排熱回収用水−冷媒熱交換器を付設し、空調サイクルと給湯サイクルに別個に貯湯槽を配設しこれら別個の貯湯槽の上部同士および空調用貯湯槽の上部と給湯用貯湯槽の底部とを選択的に連通したので、給湯サイクルの運転状態に関わらず空調サイクルの排熱を回収し給湯に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る空調給湯複合システムの一実施例のシステム図である。
【図2】図1に示した空調給湯複合システムにおける冷房運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図3】図1に示した空調給湯複合システムにおける暖房運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図4】図1に示した空調給湯複合システムにおける貯湯運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図5】図1に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図6】図1に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図7】本発明に係る空調給湯複合システムの他の実施例のシステム図である。
【図8】図7に示した空調給湯複合システムにおける貯湯運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図9】図7に示した空調給湯複合システムにおける貯湯運転モードの冷媒と水の流れを説明する図である。
【図10】図7に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図11】図7に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【図12】図7に示した空調給湯複合システムにおける給湯運転モードの水の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る空調給湯複合システムのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、特に弁の開閉を図面に明記する場合には、黒塗りを開としている。三方弁等で一部黒塗りがある場合には白い部分は閉を示し、特に明細書中の記載がない場合の白い部分は、開閉いずれの場合もありうる。
【実施例1】
【0014】
本発明に係る空調給湯複合システムの第1の実施例を、図1ないし図6を用いて説明する。本実施例に示す空調給湯複合システムは、空調サイクルと給湯サイクルとを組み合わせたシステムで、給湯サイクルの運転状態に関わらず空調サイクルの排熱を回収して、給湯に利用できるシステムである。
【0015】
図1に、空調給湯複合システムのシステム図を示す。空調給湯複合システムは、それぞれ独立に運転可能な空調サイクル1および給湯サイクル2と、空調排熱回収用水循環経路3と、給湯用水循環経路4と、第1貯湯槽5および第2貯湯槽6と、第1第1水−冷媒熱交換器7を主たる構成機器としている。第1貯湯槽5と第2貯湯槽6は、水経路9、10、11により接続されている。
【0016】
空調サイクル1は、R410A冷媒が循環するヒートポンプサイクルであり、圧縮機19および四方弁18、三方弁16、17、膨張弁12、13、室内熱交換器15、室外熱交換器14を備えている。四方弁18を切替えれば、冷房運転と暖房運転とが切替わる。冷房運転時には、圧縮機19の吐出側に設けた四方弁18を三方弁17への接続側に切替える。一方、暖房運転時には、四方弁18を三方弁16への接続側に切替える。
【0017】
四方弁18に配管接続された三方弁17には、第1水−冷媒熱交換器7に接続する経路と室外熱交換器14に接続する経路が接続されている。第1水−冷媒熱交換器7の一端側には三方弁17が、他端側には膨張弁12が配管接続されている。室外熱交換器14の一端側は三方弁17に、他端側は膨張弁13に配管接続されている。2つの膨張弁12、13の他端側はまとめられ、室内熱交換器15に配管接続される。室内熱交換器15は、四方弁18に配管接続された三方弁16に配管接続されている。三方弁16の残りのポートは、第1水−冷媒熱交換器7に配管接続されている。
【0018】
なお、本実施例では空調サイクル1を循環する冷媒として非共沸冷媒であるR410Aについて説明するが、冷媒はR410Aに限らず、R407C、R404A、R507A、R134a等、空調サイクルに利用できるものであればよい。また、空調サイクル1の構成は図1に示したものに限らず、ヒートポンプサイクルを用いた空調機能を有するものであって第1水−冷媒熱交換器7に排熱を放出できるものであればよい。
【0019】
給湯サイクル2は、CO2冷媒が循環するヒートポンプサイクルであり、圧縮機20および膨張弁21、室外熱交換器22を主構成機器として備えている。圧縮機20の吐出側は第2水−冷媒熱交換器8に配管接続されており、膨張弁21および室外熱交換器22、圧縮機20の吸込側の順に配管接続されている。なお、給湯サイクル2を循環する冷媒はCO2に限らず、R410A、R407C、R404A、R507A、R134a等の給湯サイクルに利用できるものであればよい。ただし、高温を発生するためにはCO2冷媒が好ましい。また給湯サイクル2の構成は、図1に示したものに限らず、第2水−冷媒熱交換器8に流入した水を加熱できるものであればよい。
【0020】
空調排熱回収用水循環経路3は、水循環ポンプ23を備えている。空調排熱回収用水循環経路3では、水循環ポンプ23の吐出側および第1水−冷媒熱交換器7、第1貯湯槽5の上部、三方弁26が順に配管接続されている。水循環ポンプ23の吸込み側と第1貯湯槽5の底部とが、配管接続されている。
【0021】
給湯用水循環経路4は、水循環ポンプ25を備えており、水循環ポンプ25の吐出側および第2水−冷媒熱交換器8、第2貯湯槽6の上部、三方弁26が順に配管接続されている。水循環ポンプ25の吸込側には、第1貯湯槽5の底部と二方弁28とを配管接続する第1の水経路9と、第2貯湯槽6の底部と三方弁29とを配管接続する第2の水経路10とが接続されている。第1の水経路9では、二方弁28と水循環ポンプ25が配管接続されている。第2の水経路10では、第1貯湯槽5の上部と三方弁29とが配管接続される。
【0022】
第1貯湯槽5の上部と第2貯湯槽6の上部は三方弁26に配管接続されており、三方弁26の残る一方は下流側に配置した三方弁27に接続されている。三方弁27は、三方弁26に接続される他に、給水口と給湯口に接続されている。給水口および給湯口には、図示しないが、開閉弁が取り付けられている。
【0023】
本実施例に示した空調給湯複合サイクルでは、各サイクルと、水および冷媒の循環・流通を制御するために、各部に温度センサが取り付けられている。室外熱交換器14の入口側には、室外熱交換器14の周辺の外気温を計測する温度センサ30が設けられている。第1貯湯槽5の底部と上部には、温度センサ31、33がそれぞれ取り付けられており、第1貯湯槽5の底部と上部の水温を計測する。第2貯湯槽6の底部と上部には、温度センサ32、34がそれぞれ取り付けられており、第2貯湯槽6の底部と上部の水温を計測する。
【0024】
なお図1に示した例では、第1貯湯槽5と第2貯湯槽6を独立した別々の容器として示しているが、一つの容器の中に仕切りを設け、一方を第1貯湯槽5、他方を第2貯湯槽6としてもよい。このように構成した空調給湯複合システムにおける、各運転モードでの動作を、以下に運転モードごとに説明する。
(冷房運転モード)
図1に示した空調給湯複合システムを、冷房運転した時の冷媒と水の流れを図2(a),図2(b)に示す。圧縮機19が起動され、三方弁16および四方弁18は、図2(a)、(b)で矢印で示した方向に冷媒が流れるように設定される。すなわち、圧縮機19から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁18を経て三方弁17に流入するように各弁18、17を切り替える。
【0025】
ここで、第1貯湯槽5の底部に設けた温度センサ31が計測した水温T31が予め定めた温度T1以下のときには、圧縮機19で圧縮された冷媒を第1水−冷媒熱交換器7にも分配するパターンAとする(図2(a))。温度センサ31が計測した水温T31が予め定めた温度T1以上の場合には、圧縮機19で圧縮された冷媒を室外熱交換器14に導くパターンBとする(図2(b))。
【0026】
ここで予め定めた温度T1としては、例えば、第1水−冷媒熱交換器7に冷媒を分配したパターンAに示す状態の空調サイクル1の効率と、室外熱交換器14に冷媒を導いたパターンBに示す状態の空調サイクル1の効率が一致する温度を用いる。温度T1を算出するには、例えば、各水温T31におけるパターンAに示す空調サイクルのサイクル効率COP1と、外気温T30ごとにパターンBに示す空調サイクルのサイクル効率COP2を、それぞれシミュレーション等で予め求めてテーブル化しておく。そして、外気温T30とサイクル効率COP2のテーブルから、室外熱交換器14の近傍に設けた温度センサ30が検出した温度T30に基づいてパターンBに示した空調サイクルのサイクル効率COP2を算出する。算出されたサイクル効率COP2と一致するサイクル効率COP1になるパターンAに示した空調サイクルの水温T31を求める。
【0027】
パターンAに示した空調サイクルでは、三方弁17から分配された高温高圧の冷媒は第1水−冷媒熱交換器7に流入し、この第1水−冷媒熱交換器7内を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁12により断熱膨張され低温低圧となって室内熱交換器15に流入する。そして、空調空間内の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、四方弁18を経て圧縮機19の吸込側に流入する。
【0028】
パターンBに示す空調サイクルでは、三方弁17を経た高温高圧の冷媒は室外熱交換器14に流入し、外気に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁13で断熱膨張し低温低圧となって室内熱交換器15に流入し、空調空間内の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、四方弁18を経て圧縮機19の吸込側に流入する。
【0029】
三方弁17から第1水−冷媒熱交換器7に冷媒が分配されている場合には、水循環ポンプ23を起動する。第1貯湯槽5の底部の水が水循環ポンプ23に吸い込まれ、第1水−冷媒熱交換器7に流入して空調サイクル1から放出された熱を吸収する。空調サイクル1の熱を吸収した水は、第1貯湯槽5の上部に還流し貯留される。
(暖房運転モード)
暖房運転モードにおける冷媒と水の流れを、図3に示す。圧縮機19が起動され、三方弁17、四方弁18は図に示す矢印の方向に冷媒が流れるように設定される。すなわち、圧縮機19から吐出された高温高圧の冷媒は、四方弁18を経て三方弁16に流入する。三方弁16は、室内熱交換器15と第1水−冷媒熱交換器7に冷媒を分配する。三方弁16における冷媒の分配比率は、例えば、圧縮機19の回転数に応じて決定する。
【0030】
ここで三方弁16における冷媒の分配比率の決定例を、以下に説明する。一般に圧縮機の効率は回転数に依存し、効率が最適な回転数が存在する。また特に暖房負荷が小さく圧縮機で設定可能な最低回転数でも空調出力が大きすぎる場合は、圧縮機のON/OFFを繰り返して断続運転する。圧縮機及び空調サイクルは、一般に起動直後は効率が悪い特性を有しているので、断続運転時は効率が悪い。そこで、圧縮機の効率を極力低下させないように三方弁16における冷媒の分配比率を決定する。
【0031】
具体的には、暖房負荷が小さく、圧縮機19の回転数が最適回転数より低く設定される場合、三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7への冷媒分配量を増やして、圧縮機19の回転数を高く設定する。一方、暖房負荷が大きく圧縮機19の回転数が高く設定される場合は、三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7への冷媒分配量を減らして回転数を低く設定する。
【0032】
三方弁16から室内熱交換器15に分配された高温高圧の冷媒は、空調空間内に熱を放出して凝縮する。ここで、膨張弁12は全開に設定されている。凝縮した冷媒は、膨張弁13で断熱膨張し低温低圧となって室外熱交換器14に流入し、室外の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、三方弁17、次いで四方弁18を経て圧縮機19の吸込側に流入する。
【0033】
三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7に分配された高温高圧の冷媒は、第1水−冷媒熱交換器7内を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁12を通過して、室内熱交換器15から流出した冷媒と合流する。
【0034】
ここで、三方弁16から第1水−冷媒熱交換器7に冷媒が分配されている場合には、水循環ポンプ23を起動する。第1貯湯槽5の底部の水は水循環ポンプ23に吸い込まれ、第1水−冷媒熱交換器7に流入して空調サイクル1から放出された熱を吸収する。空調サイクル1から熱を吸収した水は、第1貯湯槽5の上部に還流し貯留される。
(貯湯運転モード)
貯湯運転モードにおける冷媒と水の流れを、図4(a)、(b)に示す。貯湯運転モードでは、圧縮機20と水循環ポンプ25が起動される。圧縮機20から吐出された高温高圧の冷媒は第2水−冷媒熱交換器8に流入し、第2水−冷媒熱交換器8を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁21で断熱膨張し低温低圧となって室外熱交換器22に流入し、室外の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機20の吸込側に還流する。
【0035】
一方貯湯に供する水は、第1貯湯槽5の底部に設けた温度センサー31で計測された水温T31および第2貯湯槽6の底部に設けた温度センサー32で計測された水温T32に応じて、その循環経路が第1水循環経路と第2水循環経路に切り替えられる。第1水循環経路を流通する場合は、図4(a)に示すように、二方弁28を閉じる。そして三方弁29では、第2貯湯槽6の底部に接続するポートと水循環ポンプ25に接続するポートを開く。第2貯湯槽6の底部の水は水循環ポンプ25に吸い込まれ、第2水−冷媒熱交換器8に流入して詳細を後述する給湯サイクル2から放出された熱を吸収する。熱を吸収した水は、第2貯湯槽6の上部に還流し貯留される。
【0036】
第2水循環経路に切替えられた場合には、図4(b)に示すように、二方弁28を開く。そして三方弁29では、第2貯湯槽6の底部に接続するポートと第1貯湯槽5の上部に接続するポートを開く。第1貯湯槽5の底部の水は水循環ポンプ25に吸い込まれ、第2水−冷媒熱交換器8に流入して給湯サイクル2から放出された熱を吸収する。熱を吸収した水は、第2貯湯槽6の上部に流入し貯留される。第2貯湯槽の底部の水は、三方弁29を経て第1貯湯槽5の上部に流入し貯留される。
【0037】
ここで第1水循環経路と第2水循環経路の切替える切替条件の設定例を、以下に説明する。第2水−冷媒熱交換器8において給湯サイクル1から熱を吸収する際、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度は低い方が給湯サイクル1の効率が高い。そこで、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度が低くなるように、第1水循環経路と第2水循環経路を切替える。具体的には、温度センサ31で計測された第1貯湯槽5の底部の水温T31と、温度センサ32で計測された第2貯湯槽6の底部の水温T32を比較し、第1貯湯槽5の底部の水温T31が第2貯湯槽6の底部の水温T32より高い場合は、第1水循環経路を使用し、それ以外の場合は第2水循環経路を使用する。
(給湯運転モード)
給湯運転モードにおける水の流れを、図5および図6に示す。水の流れは、温度センサ33が計測した第1貯湯槽5の上部温度T33および温度センサ34が計測した第2貯湯槽6の上部温度T34、温度センサ35が計測した給水温度T35に基づいて大きく2つのパターンに分けられる。
【0038】
第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqより高く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合の水の流れを図5に示す。三方弁26は、第2貯湯槽6の上部に接続されたポートを閉じる。第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路11、三方弁26を介して三方弁27へ流入する。三方弁27は第1貯湯槽5から流出した水と、給水口から給水された水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は給湯口へ流出する。
【0039】
第1貯湯槽5の上部温度T33と第2貯湯槽6の上部温度T34の何れか一方が給湯需要の要求温度Treqより高く、他方が給湯需要の要求温度Treqより低い場合の水の流れを、図6に示す。三方弁27は、給水口に接続されたポートを閉じる。三方弁29は、第1貯湯槽5の上部に接続されたポートと第2貯湯槽6の底部に接続されたポートを接続する。第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路10および水経路11へ流出する。
【0040】
水経路10へ流出した水は、三方弁29を経て第2貯湯槽6の底部に流入する。流入した水と同量の水が第2貯湯槽6の上部から流出し、三方弁26へ流入する。一方、水経路11へ流出した水は三方弁26へ流入する。三方弁26は、第1貯湯槽5から流出した水と、第2貯湯槽6から流出した水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は,三方弁27を経て給湯口へ流出する。
【0041】
本実施例によれば、給湯サイクルの運転状態に関わらず、空調サイクルの排熱を第1貯湯槽に蓄熱し、給湯に利用することができる。
【実施例2】
【0042】
本実施例が上記実施例と異なるのは、空調給湯複合システムが、空調サイクルからの排熱を利用するのに加えて、給湯サイクルからの排熱も利用するようにしたことにある。図7に、本実施例における空調給湯複合システムのシステム図を示す。本実施例の空調給湯複合システムは、空調サイクル1および給湯サイクル39、空調排熱回収用水循環経路3、給湯排熱回収用水循環経路40、給湯用水循環経路4、第1貯湯槽5および第2貯湯槽6、第1水−冷媒熱交換器7、第2水−冷媒熱交換器、第3水−冷媒熱交換器37を主構成機器としている。第1貯湯槽5と第2貯湯槽6とは、水経路9、10、11により接続されている。空調サイクル1および空調排熱回収用水循環経路3、給湯用水循環経路4の構成、第1貯湯槽5と第2貯湯槽6との間の接続構成は、図1に示した実施例と同様である。
【0043】
給湯サイクル39は、CO2冷媒が循環するヒートポンプサイクルであり、圧縮機20、膨張弁21、室外熱交換器22、三方弁38、温度センサ41を備えている。圧縮機20の吐出側は、第2水−冷媒熱交換器8、膨張弁21、三方弁38の順に配管接続されている。三方弁38の各ポートには、室外熱交換器22、圧縮機20の吸込み側の順に配管接続された経路と、第3水−冷媒熱交換器37、圧縮機20の吸込み側の順に配管接続された経路が接続されている。
【0044】
温度センサ41は、給湯サイクル39が備える室外熱交換器22の近傍の外気温度T41を計測する。なお、給湯サイクル39を循環する冷媒は、CO2に限らずR410A、R407C、R404A、R507A、R134a等の給湯サイクルに利用できるものでもよい。しかしながら、高温を得るのにはCO2冷媒が好ましい。また給湯サイクル39の構成は、図7に示したものに限らず、第2水−冷媒熱交換器8に流入した水を加熱し、第3水−冷媒熱交換器37から吸熱できるヒートポンプサイクルを備えるものであればよい。
【0045】
給湯排熱回収用水循環経路40は、水循環ポンプ36を備えており、水循環ポンプ36の吐出側、第3水−冷媒熱交換器37、第1貯湯槽5の底部の順に配管接続されている。水循環ポンプ36の吸込み側は、第1貯湯槽5の上部と配管接続されている。なお、図7に示した実施例では、第1貯湯槽5と第2貯湯槽6を別個の容器としているが、一つの容器の中に仕切りを設け、一方を第1貯湯槽5、他方を第2貯湯槽6としてもよい。
【0046】
上記実施例1と同様、各種運転モードにおける水と冷媒の流れを、図8ないし図12を用いて説明する。ただし、冷房時と暖房時の動作は、上記実施例1と同一であるので説明を省略する。
(貯湯運転モード)
貯湯運転モードにおける冷媒と水の流れを、図8(a)、(b)および図9に示す。貯湯運転モードでは、圧縮機20と水循環ポンプ25が起動される。圧縮機20から吐出された高温高圧の冷媒は第2水−冷媒熱交換器8に流入し、第2水−冷媒熱交換器8内を流通する水に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁21で断熱膨張し、低温低圧となって三方弁38に流入する。
【0047】
三方弁38は、室外熱交換器22側と第3水−冷媒熱交換器37側にその接続を切り替えられる。図8(a)に示すように、室外熱交換器22に切り替えられた場合には、三方弁38に流入した低温低圧の冷媒は、室外熱交換器22において室外の熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機20の吸込側に流入する。一方図8(b)に示すように、第3水−冷媒熱交換器37に切り替えられた場合には、三方弁に流入した低温低圧の冷媒は、水−冷媒熱交換器において、第3水−冷媒熱交換器37内を流通する水から熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機20の吸込側に流入する。
【0048】
次に、三方弁38における冷媒の分配方法例を、以下に説明する。三方弁38は、温度センサ41が計測した室外温度T41に基づいて算出された予め定めた温度T5tと温度センサ33が計測した第1貯湯槽5の上部温度T33を比較する。そして、第1貯湯槽5の上部温度T33が予め定めた温度T2より高い場合には、第3水−冷媒熱交換器37に冷媒の流れを切り替える。それ以外の場合には、室外熱交換器22に冷媒を流す。
【0049】
ここで予め定めた温度T2とは、図8(a)に示したように、第3水−冷媒熱交換器37に冷媒を流した場合(図8(a))の給湯サイクル39の効率COP3と、室外熱交換器22に冷媒を流した場合(図8(b))の給湯サイクル39の効率COP4が一致する温度である。温度の算出方法としては、例えば、予め各水温におけるサイクル効率COP3のテーブルと、各外気温T41におけるサイクル効率COP4のテーブルを作成する。そして、図8(b)に示したサイクルのサイクル効率COP4のテーブルを、温度センサ41で計測された外気温T41を参照して検索および補間し、サイクル効率COP4を算出し、算出したサイクル効率COP4と一致する図8(a)における水温T33を求める。
【0050】
水循環ポンプ36は、三方弁38から第3水−冷媒熱交換器37へ冷媒が流された場合に起動する。第1貯湯槽5の上部の水は水循環ポンプ36へ吸い込まれ、第3水−冷媒熱交換器37へ吐出される。第3水−冷媒熱交換器37に流入した水は、給湯サイクル39を流通する冷媒と熱交換して熱を放出し、第1貯湯槽5の底部へ還流し貯留される。
【0051】
第2貯湯槽6の底部の水は、三方弁29を介して水循環ポンプ25に吸い込まれる。水循環ポンプ25から吐出された水は、第2水−冷媒熱交換器8に流入し、給湯サイクル39を流通する冷媒から熱を吸収し、第2貯湯槽6の上部へ還流し貯留される。
【0052】
ところで、温度センサ32で計測された第2貯湯槽6の底部の水温T32が予め定めた温度T3より高く、かつ、温度センサ31で計測された第1貯湯槽5の底部の水温T31が予め定めた温度T3より低い場合には、図9に示すように、三方弁29の第1貯湯槽5の上部へ接続するポートおよび二方弁28を開く。そして、第2貯湯槽6の底部から流出した水の一部を、第1貯湯槽5の上部へ流出させる。第1貯湯槽5の上部へ流入した水と同量の水が、第1貯湯槽5の底部から二方弁28を通過する。この二方弁28を経た水と、第2貯湯槽6の底部から流出した水とを、混合する。
【0053】
ここで予め定めた温度T3とは、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水温と給湯サイクル39のサイクル効率との関係から算出される温度である。上記したように、給湯サイクルは第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度が高いとサイクル効率が低下する特性を有している。そこで、温度の低い第1貯湯槽5の底部の水を第2水−冷媒熱交換器8に流入する水に混合して、第2水−冷媒熱交換器8に流入する水の温度を低下させ、給湯サイクル39の効率向上を図る。
(給湯運転モード)
給湯運転モードにおける水の流れを、図10〜図12を用いて説明する。水の流れは、温度センサ33が計測した第1貯湯槽5の上部温度T33、および温度センサ34が計測した第2貯湯槽6の上部温度T34、温度センサ35が計測した給水温度T35に基づいて3つのパターンに大別される。
【0054】
まず第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqより高く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合(パターン1)の水の流れを図10に示す。三方弁26は、第2貯湯槽6の上部に接続されたポートを閉じる。第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路11および三方弁26を経て、三方弁27へ流入する。三方弁27は第1貯湯槽5から流出した水と、給水口から給水された水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は、給湯口へ流出する。
【0055】
次に、第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqより高く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより低い場合(パターン2)の水の流れを、図11に示す。三方弁27は給水口に接続されたポートを閉じる。三方弁29は、第1貯湯槽5の上部に接続されたポートと、第2貯湯槽6の底部に接続されたポートを連通させる。
【0056】
第1貯湯槽5の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第1貯湯槽5の上部から水経路10および水経路11へ流出する。水経路10へ流出した水は、三方弁29を経て第2貯湯槽6の底部に流入する。流入した水と同量の水が、第2貯湯槽6の上部から流出し、三方弁26へ流入する。水経路11へ流出した水は、三方弁26へ流入する。三方弁26は、第1貯湯槽5から流出した水と第2貯湯槽6から流出した水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は、三方弁27を経て給湯口へ流出する。
【0057】
第1貯湯槽5の上部温度T33が給湯需要の要求温度Treqと給水温度T35の中間にあり、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合も、パターン2と同様である。
【0058】
第1貯湯槽5の上部温度T33が給水温度T35より低く、かつ、第2貯湯槽6の上部温度T34が給湯需要の要求温度Treqより高い場合の水の流れを図12に示す(パターン3)。三方弁26は、水経路11に接続されたポートを閉じる。第2貯湯槽6の底部の給水口から給水し、給水された水と同量の水が第2貯湯槽6の上部から三方弁26を介して三方弁27へ流入する。三方弁27は第2貯湯槽6から流出した水と、給水口から給水された水を混合し、要求温度Treqと一致するように混合比率を調整する。混合された水は給湯口へ流出する。
【0059】
本実施例によれば、空調サイクルと給湯サイクルがそれぞれ互いの運転状態に関わらず自サイクルの排熱を第1貯湯槽に蓄熱することが可能になる。なお、本実施例では第3水−冷媒熱交換器37で排熱回収を可能にしているので、第1貯湯タンクと循環する水側の温度を低くすればするほど、この第3水−冷媒熱交換器37での排熱回収量が増大する。
【0060】
なお上記各実施例では、第1貯湯槽および第2貯湯槽内には、水または湯が充満されているように運転される。したがって、第1、第2貯湯槽の上部および底部に取り付けた各温度センサは、貯湯槽各部の水または湯の温度を正確に検出できる。また、上記各実施例の給湯運転モードでは三方弁が給湯温度を制御しているが、制御装置を別個に設けて三方弁の開度や給水量を制御するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0061】
さらに、上記各実施例では第1、第2貯湯槽を備えている。この理由は、第1貯湯槽は主として空調サイクルで発生する排熱を回収するためであり、主として第2貯湯槽は給湯サイクルで発生する排熱を回収するためである。空調サイクルは、給湯サイクルに比べて季節により回収できる排熱量が変動するとともに、排熱回収用の水−冷媒熱交換器に流入する冷媒の温度レベルが通常低い。そのため第1貯湯槽には、第2貯湯槽よりも比較的低温の湯が貯湯される。これは、空調サイクルが非共沸冷媒を使用し、給湯サイクルがCO2冷媒を使用することが主因である。ただし、空調サイクルでは給湯サイクルよりも湯量を豊富に確保できるので、第1貯湯槽を第2貯湯槽よりも大容量にするのが好ましい。
【0062】
なお、家庭用の空調給湯システム等に使用する場合には、設置面積の要求から第1貯湯槽の容量を大きくできない場合が多い。そこで、第1貯湯槽の湯を第2貯湯槽の湯よりも優先的に使用すれば、排熱回収効率が向上する。上記各実施例では、できるだけ第1貯湯槽の湯を使用して、給湯サイクルの運転を低減するようにしている。
【符号の説明】
【0063】
1…空調サイクル、2…給湯サイクル、3…空調排熱回収用水循環経路、4…給湯用水循環経路、5…第1貯湯槽、6…第2貯湯槽、7…第1水−冷媒熱交換器、8…第2水−冷媒熱交換器、10…水経路(第2の接続路)、11…水経路(第1の接続路)、12、13…膨張弁、14…(第1)室外熱交換器、15…室内熱交換器、16、17…三方弁、18…四方弁、19…(第1)圧縮機、20…(第2)圧縮機、22…(第2)室外熱交換器、23…(第1)水循環ポンプ、25…(第2)水循環ポンプ、26…(第1の)三方弁、27…(第3の)三方弁、28…二方弁(第3の接続路)、29…(第2の)三方弁、30〜35…温度センサ、36…(第3)水循環ポンプ、37…第3水−冷媒熱交換器、38…三方弁、39…給湯サイクル、40…給湯排熱回収用水循環経路、41…温度センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の圧縮機および四方弁を有する空調サイクルと、第2の圧縮機を有する給湯サイクルを備えた空調給湯複合システムにおいて、
前記空調サイクルで発生する排熱を回収する第1水−冷媒熱交換器と、この第1水−冷媒熱交換器で前記空調サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第1貯湯槽と、前記給湯サイクルに備えられこの給湯サイクルで発生する熱により水を加熱する第2水−冷媒熱交換器と、前記第2水−冷媒熱交換器で前記給湯サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第2貯湯槽と、前記第1貯湯槽の上部と前記第2貯湯槽の上部を第1の三方弁を介して選択的に連通する第1の接続路を設け、前記第1貯湯槽の水と前記第2貯湯槽の水を混合可能にしたことを特徴とする空調給湯複合システム。
【請求項2】
前記第1貯湯槽の上部と前記第2の貯湯槽の下部を、第2の三方弁を介して選択的に連通する第2の接続路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空調給湯複合システム。
【請求項3】
前記第2貯湯槽の底部と前記第2水−冷媒熱交換器を接続する配管の途中から分岐し、前記第1貯湯槽の底部に接続する第3の接続路を設け、前記第3の接続路に、この第3の接続路を開閉する二方弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の空調給湯複合システム。
【請求項4】
前記給湯サイクルで発生する排熱を回収する第3水−冷媒熱交換器を設け、この第3水−冷媒熱交換器に前記第1貯湯槽を配管接続し、前記第1貯湯槽に貯湯された水と前記給湯サイクルを流通する冷媒とを前記第3水−冷媒熱交換器で熱交換させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空調給湯複合システム。
【請求項5】
前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1の接続路の給湯口端側に給水口に連通するポートを有する第3の三方弁を設け、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度の双方が予め定めた給湯温度より高いときには、前記第1貯湯槽に貯めた湯だけを前記第3の三方弁を介して給湯し、前記第3の三方弁で予め定めた給湯温度になるよう給水口からの水を混合することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の空調給湯複合システム。
【請求項6】
前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度のいずれかが予め定めた給湯温度より高く他方の温度が予め定めた給湯温度より低いときは、前記第1貯湯槽の上部から前記第1、第2の三方弁へ接続する第1、第2の接続路を開き、前記第1、第2貯湯槽の双方の水を前記第1の三方弁で混合して予め定めた給湯温度にすることを特徴とする請求項2ないし4の何れか1項に記載の空調給湯複合システム。
【請求項1】
第1の圧縮機および四方弁を有する空調サイクルと、第2の圧縮機を有する給湯サイクルを備えた空調給湯複合システムにおいて、
前記空調サイクルで発生する排熱を回収する第1水−冷媒熱交換器と、この第1水−冷媒熱交換器で前記空調サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第1貯湯槽と、前記給湯サイクルに備えられこの給湯サイクルで発生する熱により水を加熱する第2水−冷媒熱交換器と、前記第2水−冷媒熱交換器で前記給湯サイクルを流通する冷媒と熱交換して加熱された水を貯湯する第2貯湯槽と、前記第1貯湯槽の上部と前記第2貯湯槽の上部を第1の三方弁を介して選択的に連通する第1の接続路を設け、前記第1貯湯槽の水と前記第2貯湯槽の水を混合可能にしたことを特徴とする空調給湯複合システム。
【請求項2】
前記第1貯湯槽の上部と前記第2の貯湯槽の下部を、第2の三方弁を介して選択的に連通する第2の接続路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空調給湯複合システム。
【請求項3】
前記第2貯湯槽の底部と前記第2水−冷媒熱交換器を接続する配管の途中から分岐し、前記第1貯湯槽の底部に接続する第3の接続路を設け、前記第3の接続路に、この第3の接続路を開閉する二方弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の空調給湯複合システム。
【請求項4】
前記給湯サイクルで発生する排熱を回収する第3水−冷媒熱交換器を設け、この第3水−冷媒熱交換器に前記第1貯湯槽を配管接続し、前記第1貯湯槽に貯湯された水と前記給湯サイクルを流通する冷媒とを前記第3水−冷媒熱交換器で熱交換させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空調給湯複合システム。
【請求項5】
前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1の接続路の給湯口端側に給水口に連通するポートを有する第3の三方弁を設け、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度の双方が予め定めた給湯温度より高いときには、前記第1貯湯槽に貯めた湯だけを前記第3の三方弁を介して給湯し、前記第3の三方弁で予め定めた給湯温度になるよう給水口からの水を混合することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の空調給湯複合システム。
【請求項6】
前記第1貯湯槽の底部に給水口を配管接続し、前記第1貯湯槽の上部に第1の温度センサを、前記第2貯湯槽の上部に第2の温度センサをそれぞれ設け、前記第1および第2の温度センサが検出した温度のいずれかが予め定めた給湯温度より高く他方の温度が予め定めた給湯温度より低いときは、前記第1貯湯槽の上部から前記第1、第2の三方弁へ接続する第1、第2の接続路を開き、前記第1、第2貯湯槽の双方の水を前記第1の三方弁で混合して予め定めた給湯温度にすることを特徴とする請求項2ないし4の何れか1項に記載の空調給湯複合システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−108690(P2013−108690A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254677(P2011−254677)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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