空調装置
【課題】空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのを抑制し得る空調装置を提供する。
【解決手段】運転制御手段11は、給気送風手段3と排気送風手段5とを作動させ、加湿用加熱手段8を加熱作用状態にし、除臭用加熱手段20を加熱停止状態にし及び調湿体6を駆動回転するように調湿用駆動手段7を作動させる空調運転、及び、給気送風手段3と排気送風手段5との両方を作動させた状態で、排気風路4を通流する空気に含まれている臭い成分が給気風路2を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、空調運転を停止して、臭い戻り抑制運転を実行するように構成されている。
【解決手段】運転制御手段11は、給気送風手段3と排気送風手段5とを作動させ、加湿用加熱手段8を加熱作用状態にし、除臭用加熱手段20を加熱停止状態にし及び調湿体6を駆動回転するように調湿用駆動手段7を作動させる空調運転、及び、給気送風手段3と排気送風手段5との両方を作動させた状態で、排気風路4を通流する空気に含まれている臭い成分が給気風路2を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、空調運転を停止して、臭い戻り抑制運転を実行するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる空調装置は、給気送風手段の通風作用により例えば外気を供給用空気として空調対象空間に供給すると共に、排気送風手段の通風作用により空調対象空間の空気を排出用空気として外部に排出するものであり、例えば、住宅内の複数の部屋等を空調対象空間とする用途で用いられる。
【0003】
そして、一部を給気風路に位置させ且つ他の一部を排気風路に位置させるように配置した調湿体を調湿用駆動手段にて駆動回転させながら、その調湿体における給気風路に位置させる部分を供給用空気を通過させ且つその調湿体における排気風路に位置させる部分を排出用空気を通過させることにより、供給用空気を空調して空調対象空間に供給するようにして、空調対象空間を換気しながら空調するようになっている。
【0004】
例えば、給気風路における調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に加熱作用するように、加湿用加熱手段を設けると、以下のように、供給用空気を無給水にて加湿して空調対象空間に供給することが可能となり、空調対象空間を換気しながら加湿することが可能となる。
つまり、加湿用加熱手段にて加熱された供給用空気が調湿体における給気風路に位置する部分を通過し、且つ、空調対象空間からの排出用空気が調湿体における排気風路に位置する部分を通過する形態で運転されることにより、空調対象空間からの排出用空気中の水蒸気が調湿体に吸収され、その調湿体に吸収された水分が供給用空気に放出されて供給用空気が加湿された状態で空調対象空間に供給されるので、空調対象空間を無給水にて加湿することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−4255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば、住宅内の複数の部屋を空調対象空間とする場合においては、トイレ、浴室等、臭気が発生する可能性がある空間を含むものとなる等、空調対象空間からの排出用空気には、水溶性の臭い成分が含まれている可能性がある。
【0007】
しかしながら、従来の空調装置では、空調運転の実行中、水溶性の臭い成分を含んだ排出用空気が調湿体を通過するときに、その排出用空気に含まれる臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解して、臭い成分が調湿体に蓄積すると共に、その調湿体に蓄積した臭い成分の一部が供給用空気に混入されて空調対象空間に戻ることになるので、臭い成分の蓄積量が多くなると、供給用空気に混入されて空調対象空間に戻る臭い成分が多くなって、空調対象空間を快適に空調することができなくなるという問題
があった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、臭いが発生する可能性がある空間を空調対象空間とする場合でも、空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのを抑制し得る空調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の空調装置は、空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられたものであって、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、及び前記調湿用駆動手段を停止させて前記調湿体の駆動回転を停止した、調湿体停止状態除臭運転を実行する点を特徴とする。
【0010】
即ち、運転制御手段は、空調運転として、加湿運転又は全熱交換運転を実行し、臭い抑制運転として、給気送風手段と排気送風手段とのうちの少なくとも排気送風手段を作動させた状態で、排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が調湿手段にて給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制するように運転を実行し、そして、空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、空調運転を停止して、臭い戻り抑制運転を実行する。
【0011】
ちなみに、臭い戻り抑制運転では、給気送風手段と排気送風手段とのうちの少なくとも排気送風手段を作動させて、臭い成分を含んでいる虞がある空調対象空間の空気を排出するための空調対象空間の排気を継続しながら、排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が調湿手段にて給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制するように運転される。
【0012】
つまり、空調運転が行われているときに、例えば、トイレが使用されることに伴って、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、空調運転が停止されると共に臭い戻り抑制運転が実行されて、空調対象空間の排気を継続しながら、排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が調湿手段にて給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りが抑制されるので、空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのが抑制されるのである。
従って、臭いが発生する可能性がある空間を空調対象空間とする場合でも、空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのを抑制し得る空調装置を提供することができるようになった。
また、臭い戻り抑制運転を行うに際して、通風孔を塞ぐ必要がない為、空調装置にダンパなどの風路切替手段を設けずに済む。よって、臭い戻り抑制運転可能な空調装置を廉価に製造できる。加えて、可動部を増やさずに済むことから、耐久性にも優れた臭い戻り抑制運転可能な空調装置を提供できる。
【0013】
加えて、上記構成の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、前記調湿体停止状態除臭運転が実行されて、調湿体の回転が停止された状態で、調湿体を通過する供給用空気中の水蒸気がその調湿体に吸収され、且つ、調湿体に吸収されている水分がその調湿体を通過する排出用空気に放出される状態となるので、排出用空気に臭い成分が含まれていたとしても、その臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解することが抑制され、しかも、調湿体における、臭い成分が含まれている虞がある排出用空気が通過した部分が給気風路に移動することがなく、もって、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
又、調湿体停止状態除臭運転では、調湿体にて、空調対象室に供給される供給用空気に除臭用加熱器にて加熱された排出用空気の保有熱が付与されることがないので、空調対象室の温度が上昇するのを防止することができるようになり、特に夏期や中間期において、空調対象室の温度が上昇して不快になるのを防止することができる。
【0014】
第2特徴構成は、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段と前記除臭用加熱手段とを加熱停止状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させる調湿体停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、
次に、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させて、前記調湿体に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する調湿体停止状態除臭運転を実行する点を特徴とする。
【0015】
上記構成の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、先ず、調湿体停止運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されるまで実行され、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されると、除臭用設定時間が経過するまで調湿体停止状態除臭運転が実行される。
【0016】
そして、調湿体停止運転では、排出用空気が加熱されることなく調湿体を通過することから、排出用空気に水蒸気と共に臭い成分が含まれていて、その臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解したとしても、調湿体の駆動回転が停止されているので、臭い成分が供給用空気に放出されることがない。
又、その調湿体停止運転に続いて実行される調湿体停止状態除臭運転では、調湿体が停止された状態で、供給用空気が調湿体における給気風路に位置する部分を通過し、空調対象室からの排出用空気が除臭用加熱器にて加熱された状態で調湿体における排気風路に位置する部分を通過する形態で運転されて、調湿体を通過する供給用空気中の水蒸気がその調湿体に吸収され且つ調湿体に吸収されている水分がその調湿体を通過する排出用空気に放出される状態となるので、調湿体に吸収されている水分に溶解している臭い成分は、水分と共に排出用空気に放出される状態で除去され、調湿体に付着している臭い成分は、排出用空気中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
【0017】
そして、その調湿体停止状態除臭運転は、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から除臭用設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気が空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解するのが抑制され、又、調湿体の全体にわたって臭い成分が除去される。
【0018】
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1参考形態に係る空調装置の全体概略構成を示す一部切り欠き斜視図
【図2】第1参考形態に係る空調装置の縦断面図
【図3】調湿部及び顕熱交換部の一部切り欠き斜視図
【図4】調湿体の回転速度と全熱交換性能との関係を示す図
【図5】第1参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図6】第1実施形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図7】第2参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図8】第2実施形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図9】第3参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図10】第4参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図11】第5参考形態に係る空調装置の縦断面図
【図12】別参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1参考形態〕
以下、本発明を住宅内を略全域にわたって換気する全体換気用の空調装置に適用した場合の第1参考形態を説明する。
図1及び図2に示すように、空調装置は、外気OAを空調対象空間としての複数の空調対象室に供給するための供給用空気SAとして装置内に吸い込む供給用空気入口1si、その供給用空気SAを送出する供給用空気出口1so、空調対象室の室内気RAを空調対象室外に排出するための排出用空気EAとして装置内に吸い込む排出用空気入口1ei及びその排出用空気EAを送出する排出用空気出口1eoを備えたケーシング1を用いて組み付けて構成してあり、図示は省略するが、住宅の天井裏等に配置する。
【0021】
そして、図示は省略するが、外気を導入する外気導入ダクトを前記供給用空気入口1siに接続し、各空調対象室の給気口に接続した給気ダクトを前記供給用空気出口1soに接続し、各空調対象室の排気口に接続した排気ダクトを前記排出用空気入口1eiに接続し、排出用空気を屋外等に排出する排気ダクトを前記排出用空気出口1eoに接続する。
そして、前記外気導入ダクトを通じて導入した外気OAを空調して供給用空気SAとして前記給気ダクトを通じて各空調対象室に供給する共に、前記排気ダクトを通じて各空調対象室から吸込んだ室内気RAを排出用空気EAとして前記排気導出ダクトを通じて屋外に排出するように構成してある。
【0022】
この第1参考形態の空調装置は、図2に示すように、空調対象室に供給する供給用空気SAの給気風路2に通風作用する給気送風手段としての給気送風機3と、空調対象室外に排出する排出用空気EAの排気風路4に通風作用する排気送風手段としての排気送風機5と、一部を前記給気風路2に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4に位置させるように配置される調湿体6及びその調湿体6における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体6を駆動回転する調湿用駆動手段としての調湿用電動モータ7を備えた調湿手段としての調湿部Lと、前記給気風路2における前記調湿体6よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段としての加湿用加熱器8と、前記排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段としての除臭用加熱器20と、一部を前記給気風路2における前記加湿用加熱器8よりも通風方向上手側に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向下手側に位置させるように配置される顕熱交換体9及びその顕熱交換体9における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記顕熱交換体9を駆動回転する顕熱交換用電動モータ10を備えた顕熱交換部Sと、この空調装置の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部11と、その運転制御部11に各種制御情報を指令する遠隔操作式の操作部12等を備えて構成
してある。
【0023】
そして、前記調湿部Lを、前記調湿体6の駆動回転速度を変更調節自在に構成し、前記加湿用加熱器8及び前記除臭用加熱器20を夫々、加熱作用状態と加熱停止状態とに切り換え自在に構成してある。
【0024】
以下、空調装置の各部について説明を加える。
図1及び図2に示すように、前記ケーシング1は、直方体形状に形成し、そのケーシング1の一側面に、前記供給用空気出口1so及び前記排出用空気入口1eiを並べて設け、それら供給用空気出口1so及び排出用空気入口1eiを設けた側面に対向する側面に、前記供給用空気入口1si及び前記排出用空気出口1eoを供給用空気入口1siが前記供給用空気出口1soと同じ側に位置する状態で並べて設けてある。
【0025】
図2及び図3に示すように、前記調湿部Lにおける調湿体6の支持構造及び回転駆動構造と、前記顕熱交換部Sにおける顕熱交換体9の支持構造及び回転駆動構造は、同様であるので、以下、前記調湿部Lを対象にして、調湿体6の支持構造及び回転駆動構造を説明する。
【0026】
前記調湿体6は、所謂デシカントロータであり、円板形状でその軸心方向に通気自在なハニカム状の基材に吸湿材(シリカゲルや塩化リチウム等)を保持して構成し、前記調湿部Lは、前記調湿体6をその軸心にて回転自在に矩形枠状の支持枠13に支持すると共に、その支持枠13に、前記調湿用電動モータ7をその出力軸と前記調湿体6の外周部とにわたってベルト14を巻回した状態で設けて、ユニット状に構成してある。
【0027】
前記支持枠13における前記調湿体6の軸心方向に並ぶ両側面部の夫々には、一対の概ね半円状の開口13wを、前記軸心方向視において一方の側面部の開口13wと他方の側面部の開口13wとが重なる状態で形成してある。
その支持枠13の各開口13wには、前記給気風路2と前記排気風路4とを分離するシール材15をその先端の開口縁が前記調湿体6に当接する状態で嵌め込んである。
【0028】
前記顕熱交換体9は、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料にて、円板形状でその軸心方向に通気自在なハニカム状に形成し、前記顕熱交換部Sは、上述した調湿部Lと同様に、前記顕熱交換体9をその軸心にて回転自在に前記支持枠13に支持すると共に、その支持枠13に、前記顕熱交換用電動モータ10をその出力軸と前記顕熱交換体9の外周部とにわたってベルト14を巻回した状態で設けて、ユニット状に構成してある。
【0029】
そして、図2に示すように、上述のようにユニット状に構成した調湿部L及び顕熱交換部Sを、調湿部Lが前記供給用空気出口1soの側に位置し且つ前記供給用空気入口1si及び前記供給用空気出口1soの並び方向に間隔を開けた状態で、調湿体6及び顕熱交換体9夫々の回転軸心が前記供給用空気入口1si及び前記供給用空気出口1soの並び方向に沿う姿勢にて、前記ケーシング1内に並べて設けてある。
【0030】
更に、そのケーシング1内を、仕切り壁16にて、前記供給用空気入口1si及び前記供給用空気出口1soが存在する側と前記排出用空気出口1eo及び前記排出用空気入口1eiが存在する側とに区画することにより、前記ケーシング1内に、一端が前記供給用空気入口1siに連通し且つ他端が前記供給用空気出口1soに連通する状態の前記給気風路2と、一端が前記排出用空気入口1eiに連通し且つ他端が前記排出用空気出口1eoに連通する状態の前記排気風路4を区画形成し、前記調湿体6を、その一部を前記給気風路2に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4に位置させるように配置し、並びに、前記顕熱交換体9を、その一部を前記給気風路2に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4
に位置させるように配置してある。
【0031】
そして、前記調湿用電動モータ7により前記調湿体6を駆動回転することにより、前記調湿体6における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように構成し、前記顕熱交換用電動モータ10により前記顕熱交換体9を駆動回転することにより、前記顕熱交換体9における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように構成してある。
そして、調湿用電動モータ7の回転速度を変更調節することにより、前記調湿体6の駆動回転速度を変更調節自在なように構成してある。
又、顕熱交換体9を駆動回転させるように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記顕熱交換部Sにて供給用空気と排出用空気との間で顕熱交換させ、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記顕熱交換部Sにおける供給用空気と排出用空気との間の顕熱交換を停止させるように構成してある。
【0032】
前記加湿用加熱器8は、熱媒を通流させる熱媒流通管(図示省略)を空気の通過が可能なように蛇行状に配管した熱媒循環式に構成し、図2に示すように、その加湿用加熱器8を前記給気風路2における前記調湿部Lと前記顕熱交換部Sとの間に設けて、その加湿用加熱器8と熱源機(図示省略)とを熱媒循環路17にて接続して、その熱源機にて加熱した熱媒を熱媒循環路17を通じて加湿用加熱器8に循環供給するように構成してある。
そして、前記熱媒循環路17に加湿用熱動弁18を設けて、その加湿用熱動弁16を開閉して前記加湿用加熱器8への熱媒の供給を断続することにより、前記加湿用加熱器8を加熱作用状態と加熱停止状態とに切り換え自在に構成してある。
【0033】
又、前記除臭用加熱器20は、前記加湿用加熱器8と同様に熱媒循環式に構成し、その除臭用加熱器20を排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向上手側に設けて、その除臭用加熱器20と前記熱源機とを熱媒循環路21にて接続して、その熱源機にて加熱した熱媒を熱媒循環路21を通じて除臭用加熱器20に循環供給するように構成してある。
そして、前記熱媒循環路21に除臭用熱動弁22を設けて、その除臭用熱動弁22を開閉して前記除臭用加熱器20への熱媒の供給を断続することにより、前記加除臭用加熱器20を加熱作用状態と加熱停止状態とに切り換え自在に構成してある。
【0034】
前記給気送風機3を、その吸い込み口を前記給気風路2内に臨ませ且つ吐き出し口を前記供給用空気出口1soに内嵌させた状態で前記給気風路2内に設けることにより、給気送風機3を、前記供給用空気入口1siから吸い込んだ供給用空気SAを、前記顕熱交換体9、前記加湿用加熱器8、前記調湿体6を順次通過させて前記供給用空気出口1soから送出するように、前記給気風路2に通風作用させる構成としてある。
又、前記排気送風機5を、その吸い込み口を前記排気風路4内に臨ませ且つ吐き出し口を前記排出用空気出口1eoに内嵌させた状態で前記排気風路4内に設けることにより、排気送風機5を、前記排出用空気入口1eiから吸い込んだ排出用空気EAを前記除臭用加熱器20、前記調湿体6、前記顕熱交換体9を順次通過させて前記排出用空気出口1eoから送出するように、前記排気風路4に通風作用させる構成としてある。
つまり、給気風路2の通風方向と排気風路4の通風方向が互いに逆向きになる。
【0035】
前記運転制御部11は、前記調湿部Lにて供給用空気を加湿して空調対象室に供給する前記空調運転としての加湿運転、前記調湿部Lにて供給用空気を排出用空気と全熱交換させた状態で空調対象室に供給する前記空調運転としての全熱交換運転、前記顕熱交換部Sにて供給用空気を排出用空気と顕熱交換させた状態で空調対象室に供給する顕熱交換運転、外気をそのまま供給用空気として空調対象室に供給し且つ空調対象室からの室内気をそ
のまま排出用空気として排出して空調対象室を換気する通常換気運転、供給用空気を前記加湿用加熱器8にて加熱して、そのまま空調対象室に供給する暖房運転、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する除臭運転、及び、前記給気送風機3と前記排気送風機5とのうちの少なくとも排気送風機5を作動させた状態で、前記排気風路4を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿部Lにて給気風路2を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成してある。
【0036】
以下、前記各運転における前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
前記運転制御部11は、前記加湿運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱作用状態にし、除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させるように構成してある。
【0037】
前記運転制御部11は、前記全熱交換運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8と除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、調湿体6を前記調湿用設定速度よりも高速の全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させるように構成してある。
【0038】
前記運転制御部11は、前記顕熱交換運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8と除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、調湿用電動モータ7を停止させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させるように構成してある。
【0039】
前記運転制御部11は、前記通常換気運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8と除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、及び、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させるように構成してある。
前記運転制御部11は、前記暖房運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱作用状態にし、除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、及び、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させるように構成してある。
【0040】
前記運転制御部11は、前記除臭運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させるように構成してある。
【0041】
この第1参考形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる前記除臭運転を実行するように構成してある。
【0042】
前記調湿用設定速度及び前記全熱交換用設定速度は、夫々予め設定して前記運転制御部11に記憶させてある。
以下、前記調湿用設定速度及び前記全熱交換用設定速度夫々の設定の仕方について説明を加える。
尚、前記調湿用設定速度については、詳細は後述の第5参考形態にて説明するが、調湿体6は、回転速度が1.3回/分のときに、調湿部Lの除湿性能が最大となるので、前記
調湿用設定速度は、例えば1.3回/分に設定してある。
【0043】
図4中の実線は、空調対象室が冷房される夏期を想定して、調湿部Lの全熱交換性能を検証したものであり、前記加湿用加熱器8及び前記除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、且つ、前記給気風路2の方が高温多湿になる状態でその給気風路2及び前記排気風路4の夫々に通風させる状態で、調湿体6の回転速度を変更させて、各回転速度での調湿部Lの全熱交換性能をエンタルピーにて、回転速度が1.3回/分のときを100%として比較したものである。
又、図4中の破線は、空調対象室が暖房される冬期を想定して、調湿部Lの全熱交換性能を検証したものであり、前記加湿用加熱器8及び前記除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、且つ、前記排気風路4の方が高温多湿になる状態で前記給気風路2及び前記排気風路4の夫々に通風させる状態で、調湿体6の回転速度を変更させて、各回転速度での調湿部Lの全熱交換性能をエンタルピーにて、回転速度が1.3回/分のときを100%として比較したものである。
【0044】
つまり、空調対象室が暖房される冬期等、排出用空気EAの方が供給用空気SAよりも高温多湿の状態となるときは、調湿部Lの全熱交換性能は、調湿体6の回転速度を前記調湿用設定速度である1.3回/分よりも高速にすると高くなり、2.8〜5.3回/分の範囲でより高くなり、4.7回/分のときに最高になることが分かる。
又、空調対象室が冷房される夏期等、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも高温多湿の状態となるときは、調湿部Lの全熱交換性能は、調湿体6の回転速度を前記調湿用設定速度である1.3回/分よりも高速にすると高くなり、4.0〜5.3回/分の範囲でより高くなり、4.7回/分のときに最高になることが分かる。
【0045】
調湿体6の回転速度を高くすることにより全熱交換性能を向上することができることについて考察すると、調湿体6の駆動回転速度を高くすることにより、調湿体6が給気風路2や排気風路4を移動する速度が速くなるので、調湿体6と供給用空気や排出用空気との間で顕熱及び潜熱の交換を十分に行わせながら、調湿体6における、供給用空気や排出用空気との間で顕熱及び潜熱の交換が行われた部分を速く移動させることが可能となり、調湿体6での供給用空気や排出用空気との間の全熱交換量を多くすることができるのである。
【0046】
従って、空調対象室が暖房される冬期等、排出用空気EAの方が供給用空気SAよりも高温多湿の状態のときは、前記全熱交換用設定速度を、前記調湿用設定速度の2.2〜4.1倍に設定するのが好ましく、前記調湿用設定速度の3.6倍に設定するのが最も好ましい。
又、空調対象室が冷房される夏期等、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも高温多湿の状態のときは、前記全熱交換用設定速度を、前記調湿用設定速度の3.1〜4.1倍に設定するのが好ましく、前記調湿用設定速度の3.6倍に設定するのが最も好ましい。
【0047】
以上のように、調湿体6の回転速度を調湿用設定速度よりも高くすることにより、調湿部Lの全熱交換性能を向上可能なことが分かる。
【0048】
前記操作部12には、図示を省略するが、上述のようにこの空調装置にて実行可能な複数種の運転のうち、除臭用運転及び臭い戻り抑制運転以外の運転を択一的に指令する運転切換部、及び、空調装置の停止を指令する停止スイッチを設けてある。
【0049】
又、住宅の複数の空調対象室のうちの一つであるトイレ内に人が存在するか否かを検出する人存否検出センサ19を設けてある。ちなみに、この参考形態では、前記人存否検出
センサ19はその検出域に人が存在するとオン信号を出力し、検出域に人が存在しないとオフ信号を出力するように構成してある。
そして、前記運転制御部11は、前記人存否検出センサ19からの信号がオンのときは、トイレ内にて臭いが発生する虞がある臭い戻り抑制必要状態であると判別し、前記人存否検出センサ19からの信号がオフのときは、臭い戻り抑制必要状態ではないと判別するように構成してある。
【0050】
次に、前記操作部12の運転切換部からの指令情報に基づく前記運転制御部11の制御動作について、説明する。
前記運転制御部11は、前記操作部12の運転切換部から、前記顕熱交換運転、前記通常換気運転及び前記暖房運転のうちのいずれか一つが指令されると、指令された運転を実行するように構成してある。
又、運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されると、前記除臭運転を除臭用設定時間の間実行した後、前記加湿運転を実行し、且つ、その加湿運転の実行中に、人存否検出センサ19の検出情報に基づいて臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記加湿運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
ちなみに、前記除臭用設定時間は、例えば、前記調湿体6が1回転するのに要する時間以上に設定する。
【0051】
又、運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されると、前記除臭運転を除臭用設定時間の間実行した後、前記全熱交換運転を実行し、且つ、その全熱交換運転の実行中に、人存否検出センサ19の検出情報に基づいて臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記全熱交換運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
【0052】
又、運転制御部11は、操作部12の停止スイッチから運転停止が指令されると、給気送風機3と排気送風機5とを停止させ、加湿用加熱器8が加熱作用状態のときは加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20が加熱作用状態のときは加熱停止状態に切り換え、調湿体6を駆動回転しているときは調湿用電動モータ7を停止させ、及び、顕熱交換体9を駆動回転しているときは顕熱交換用電動モータ10を停止させる停止処理を実行して、空調装置を停止させる。
【0053】
次に、図5に基づいて、前記操作部12の運転切換部から前記加湿運転又は前記全熱交換運転が指令されたときの前記運転制御部11の制御動作、及び、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
【0054】
運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる状態に維持して、除臭運転を実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始する。
【0055】
そして、運転制御部11は、前記加湿運転の実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別する
と、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0056】
運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる状態に維持して、前記除臭運転を実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0057】
そして、運転制御部11は、前記全熱交換運転の実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0058】
次に、上記の各運転による作用について、説明を加える。
前記加湿運転では、図2を参照すると、排出用空気入口1eiから排気風路4に吸い込まれた各空調対象室からの室内気RAは排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、調湿用設定速度にて回転する調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9を順次通過して通流して、排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出され、一方、供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた外気OAは供給用空気SAとして、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9、加熱作用状態の加湿用加熱器8、調湿用設定速度にて回転する調湿体6を順次通過して通流して、供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて各空調対象室に供給される。
【0059】
そして、排出用空気EAは、調湿用設定速度にて回転する調湿体6を通過するときに、その排出用空気EA中の水蒸気が調湿体6に吸収されると共に凝縮熱により加熱され、その加熱並びに除湿された排出用空気EAが顕熱交換体9を通過するときに、その保有熱が顕熱交換体9に与えられて顕熱交換体9が加熱され、一方、供給用空気SAは、顕熱交換体9を通過することで、顕熱交換体9が排出用空気EAから得た熱により加熱され、更に、前記加湿用加熱器8を通過することで加熱され、そのように加熱された供給用空気SAが前記調湿用設定速度にて回転する調湿体6を通過するときに調湿体6から放湿されて加
湿され、そのように加湿並びに加熱された供給用空気SAが空調対象室に供給される。
【0060】
つまり、この加湿運転では、空調対象室に供給される供給用空気SAを無給水にて加湿すると共に加熱して空調対象室に供給することが可能となり、各空調対象室を加湿並びに暖房することができる。
【0061】
前記全熱交換運転では、図2を参照すると、各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、全熱交換用設定速度にて回転する調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9を順次通過して通流し、一方、外気OAは、供給用空気SAとして、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、全熱交換用設定速度にて回転する調湿体6を順次通過して通流する。
【0062】
そして、全熱交換用設定速度にて回転する調湿体6においては、供給用空気SAと排出用空気EAとの間で全熱交換量をより多くする状態で全熱交換させることができ、顕熱交換体9においては、供給用空気SAと排出用空気EAとの間で顕熱交換させることができるので、エンタルピー交換効率を増大することができる。
【0063】
冬期等、この空調装置とは別の空調装置により空調対象室が暖房されているときや、夏期等、この空調装置とは別の空調装置により空調対象室が冷房されているときに、この空調装置を全熱・顕熱交換運転にて運転させると、暖房や冷房に係わる消費エネルギを削減することができる。
【0064】
前記顕熱交換運転では、図2を参照すると、各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、回転停止中の調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9を順次通過して通流し、一方、外気OAは、供給用空気SAとして、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、回転停止中の調湿体6を順次通過して通流するので、顕熱交換体9において、供給用空気SAと排出用空気EAとを顕熱交換させることができる。
【0065】
つまり、空調装置をこの顕熱交換運転にて運転すると、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも高温のときは、供給用空気SAを冷却して空調対象室に供給することができ、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも低温のときは、供給用空気SAを加熱して空調対象室に供給することができる。
【0066】
前記通常換気運転では、図2を参照すると、各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、回転停止中の調湿体6、回転停止中の顕熱交換体9を順次通過して通流し、一方、外気OAは、供給用空気SAとして、回転停止中の顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、回転停止中の調湿体6を順次通過して通流するので、各空調対象室が換気される。
【0067】
前記暖房運転では、図2を参照すると、前記供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた外気OAは、供給用空気SAとして、回転停止中の顕熱交換体9を顕熱交換されること無く通過し、前記加湿用加熱器8にて加熱され、回転停止中の調湿体6を全熱交換されること無く通過して、前記供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて各空調対象室に供給され、前記排出用空気入口1eiから前記排気風路4に吸い込まれた各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20を通過し、更に、停止中の調湿体6及び停止中の顕熱交換体9を熱交換されること無く通過して、前記排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出される。
【0068】
つまり、空調装置をこの暖房運転にて運転すると、供給用空気SAを加湿用加熱器8にて加熱して、空調対象室に供給することができるので、空調対象室を暖房することができる。
【0069】
前記除臭運転では、図2を参照すると、排出用空気入口1eiから排気風路4に吸い込まれた各空調対象室からの室内気RAは排出用空気EAとして、加熱作用状態の除臭用加熱器20、調湿用設定速度にて回転する調湿体6、回転停止中の顕熱交換体9を順次通過して通流して、排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出され、一方、供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた外気OAは供給用空気SAとして、回転停止中の顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、調湿用設定速度にて回転する調湿体6を順次通過して通流して、供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて各空調対象室に供給されるので、調湿体6を通過する供給用空気SA中の水蒸気がその調湿体6に吸収され、且つ、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となり、その除臭運転が少なくとも調湿体6が1回転する間継続される。
【0070】
つまり、加湿運転や全熱交換運転が実行される前に、既に調湿体6に臭い成分が付着したり、調湿体6に吸収されている水分に臭い成分が溶解していたとしても、除臭運転により、調湿体6に吸収されている水分に溶解している臭い成分が、水分と共に排出用空気EAに放出される状態で除去され、調湿体6に付着している臭い成分が、供給用空気SAから調湿体6に吸収された水分に溶解してその水分と共に排出用空気EAに放出されたり排出用空気中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
又、加湿運転や全熱交換運転の実行中に、排出用空気EAに臭い成分が含まれる状態となっても、除臭運転が行われて、排出用空気EAに含まれる臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制される。
従って、加湿運転や全熱交換運転を開始するときに、空調対象室に臭いが戻るのを抑制することができ、又、加湿運転や全熱交換運転の実行中に、トイレが使用されても、空調対象室に臭いが戻るのを抑制することができる。
【0071】
更に、前記除臭運転では、調湿体6が全熱交換用設定速度よりも遅い調湿用設定速度にて駆動回転されることから、調湿体6に付着している臭い成分や、調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に対して放出させ易いので、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0072】
以下、本発明の第1、第2実施形態、及び第2ないし第5の参考形態の各形態を説明するが、これらの形態は、臭い戻り抑制運転の運転形態を上記の第1参考形態と異ならせた実施形態であって、空調装置の構成及び臭い戻り抑制運転以外の運転の運転形態は第1参考形態と同様であるので、空調装置の構成及び臭い戻り抑制運転以外の運転の運転形態についての説明は省略して、主として、臭い戻り抑制運転の形態について説明する。
【0073】
〔第1実施形態〕
この実施形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、上記の第1参考形態における除臭運転において、前記調湿用電動モータ7を停止させて前記調湿体6の駆動回転を停止した、調湿体停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
つまり、運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿用電動モータ7及び顕熱交換用電動モータ10を停止させる調湿体停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
【0074】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図6に示すように、この実施形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0075】
次に、図6に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿用電動モータ7及び顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0076】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿用電動モータ7及び顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0077】
この実施形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、前記調湿体停止状態除臭運転が実行されて、調湿体6の回転が停止された状態で、調湿体6を通過する供給用空気SA中の水蒸気がその調湿体6に吸収され、且つ、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、排出用空気EAに臭い成分が含まれていたとしても、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解することが抑制され、しかも、調湿体6における、臭い成分が含まれている虞がある排出用空気EAが通過した部分が給気風路2に移動することがなく、もって、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
又、調湿体停止状態除臭運転では、調湿体6にて、空調対象室に供給される供給用空気SAに除臭用加熱器20にて加熱された排出用空気EAの保有熱が付与されることがないので、空調対象室の温度が上昇するのを防止することができるようになり、特に夏期や中
間期において、空調対象室の温度が上昇して不快になるのを防止することができる。
【0078】
〔第2参考形態〕
この参考形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、上記の第1参考形態における除臭運転において、前記給気送風機3を停止させて空調対象室への供給用空気の供給を停止した、給気停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
つまり、運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、給気送風機3を停止させ、排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を前記調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる給気停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
【0079】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図7に示すように、この参考形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0080】
次に、図7に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、給気送風機3を作動させ、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0081】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、給気送風機3を作動させ、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0082】
この参考形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、前記給気停止状態除臭運転が実行されて、空調対象室への供給用空気SAの供給が停止された状態で、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、排出用空気EAに臭い成分が含まれていたとしても、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解することが抑制され、しかも、空調対象室への供給用空気SAの供給が停止されており、もって、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
又、給気停止状態除臭運転では、空調対象室への供給用空気SAの供給が停止されて、除臭用加熱器20にて加熱された排出用空気EAの保有熱が空調対象室に戻るのが回避されるので、特に夏期や中間期において、空調対象室の温度が上昇して不快になるのを防止することができる。
【0083】
〔第2実施形態〕
この実施形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8と前記除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、及び、前記調湿用電動モータ7と前記顕熱交換用電動モータ10とを停止させる調湿体停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、次に、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、及び、前記調湿用電動モータ7と前記顕熱交換用電動モータ10とを停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する調湿体停止状態除臭運転を実行する調湿体停止式臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
【0084】
つまり、前記調湿体停止運転が、前記排気送風機5を作動させ、前記給気送風機3の作動と前記調湿体6を駆動回転するための前記調湿用電動モータ7の作動とのうちの少なくとも一方を停止する初期運転に相当する。
又、前記調湿体停止状態除臭運転が、前記給気送風機3と前記排気送風機5とのうちの少なくとも前記排気送風機5を作動させ、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、及び、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させる又は前記調湿用電動モータ7を停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する除臭運転に相当する。
【0085】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図8に示すように、この実施形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0086】
次に、図8に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
前記運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記調湿体停止運転を実行し
、その調湿体停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記調湿体停止式臭い戻り抑制運転を終了して、前記加湿運転を再び実行する。
【0087】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記調湿体停止運転を実行し、その調湿体停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記調湿体停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0088】
この実施形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、先ず、調湿体停止運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されるまで実行され、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されると、除臭用設定時間が経過するまで調湿体停止状態除臭運転が実行される。
【0089】
そして、調湿体停止運転では、排出用空気EAが加熱されることなく調湿体6を通過することから、排出用空気EAに水蒸気と共に臭い成分が含まれていて、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解したとしても、調湿体6の駆動回転が停止されているので、臭い成分が供給用空気SAに放出されることがない。
又、その調湿体停止運転に続いて実行される調湿体停止状態除臭運転では、調湿体6が停止された状態で、供給用空気SAが調湿体6における給気風路2に位置する部分を通過し、空調対象室からの排出用空気EAが除臭用加熱器20にて加熱された状態で調湿体6における排気風路4に位置する部分を通過する形態で運転されて、調湿体6を通過する供給用空気SA中の水蒸気がその調湿体6に吸収され且つ調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、調湿体6に吸収されている水分に溶解している臭い成分は、水分と共に排出用空気EAに放出される状態で除去され、調湿体6に付着している臭い成分は、排出用空気EA中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
【0090】
そして、その調湿体停止状態除臭運転は、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から除臭用設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気EAが空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制され、又、調湿体6の全体にわたって臭い成分が
除去される。
【0091】
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0092】
〔第3参考形態〕
この参考形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風機3を停止させ、前記排気送風機5を作動させ、前記加湿用加熱器8と前記除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる給気停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、次に、前記給気送風機3を停止させ、前記排気送風機5作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータを停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する給気停止状態除臭運転を実行する給気停止式臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
【0093】
つまり、前記給気停止運転が、前記排気送風機5を作動させ、前記給気送風機3の作動と前記調湿体6を駆動回転するための前記調湿用電動モータ7の作動とのうちの少なくとも一方を停止する初期運転に相当する。
又、前記給気停止状態除臭運転が、前記給気送風機3と前記排気送風機5とのうちの少なくとも前記排気送風機5を作動させ、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、及び、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させる又は前記調湿用電動モータ7を停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する除臭運転に相当する。
【0094】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図9に示すように、この参考形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0095】
次に、図9に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記給気停止運転を実行し、その給気停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、給気送風機3を作動させ、
加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記給気停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0096】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記給気停止運転を実行し、その給気停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、調湿体6を調湿用設定速度にて駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させて、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、給気送風器3を作動させ、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記給気停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0097】
この参考形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、先ず、給気停止運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されるまで実行され、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されると、除臭用設定時間が経過するまで給気停止状態除臭運転が実行される。
【0098】
そして、給気停止運転では、排出用空気EAが加熱されることなく調湿体6を通過するので、排出用空気EAに水蒸気と共に臭い成分が含まれていて、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解したとしても、給気送風機3が停止されているので、臭い成分が含んだ供給用空気SAが空調対象室に供給されることがない。
又、その給気停止運転に続いて実行される給気停止状態除臭運転では、空調対象室への供給用空気の供給が停止された状態で、空調対象室からの排出用空気EAが除臭用加熱器20にて加熱された状態で調湿体6における排気風路4に位置する部分を通過する形態で運転されて、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、調湿体6に吸収されている水分に溶解している臭い成分は水分と共に排出用空気EAに放出される状態で除去され、調湿体6に付着している臭い成分は調湿体6を通過する排出用空気EA中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
そして、その給気停止状態除臭運転は、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から除臭用設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気EAが空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制され、又、調湿体6の全体にわたって臭い成分が除去される。
【0099】
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0100】
〔第4参考形態〕
この参考形態では、前記運転制御部11を、前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別した時点から開始遅延用設定時間経過後に、前記空調運転としての前記加湿運転又は前記全熱交換運転を停止して前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
又、前記運転制御部11を、前記臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から終了遅延用設定時間が経過するまで、前記臭い戻り抑制運転を継続するように構成してある。
【0101】
この参考形態では、前記臭い戻り抑制運転として、上記の第1参考形態と同様に、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる前記除臭運転を実行するように構成してある。
【0102】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図示は省略するが、この参考形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0103】
次に、図10に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転の実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別しても、その判別の時点から開始遅延用設定時間が経過するまでは、加湿運転を継続して実行し、その開始遅延用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その後、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別しても、その除臭運転を継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後、終了遅延用設定時間が経過すると、前記加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、前記除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、前記顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように前記顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を再び実行する。
【0104】
運転制御部11は、前記全熱交換運転の実行中に、前記人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別しても、その判別の時点から開始遅延用設定時間が経過するまでは、全熱交換運転を継続して実行し、その開始遅延用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その後、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別しても、その除臭運転を継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了
したと判別した後、終了遅延用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0105】
この参考形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、開始遅延用設定時間が経過した後に、臭い戻り抑制運転が実行されるので、空調対象室に臭いが戻るのを抑制しながら、臭い戻り抑制運転の実行時間を短くすることが可能となって、空調対象空間の空調が停止される時間を短くすることが可能となり、又、臭い戻り抑制運転を実行するための消費エネルギを低減することが可能となる。
【0106】
又、臭い戻り抑制運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から終了遅延用の設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気が空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制される。
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0107】
〔第5参考形態〕
この参考形態の空調装置は、図11に示すように、上記の第1参考形態の構成に加えて、前記排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除湿用加熱器23と、一部を前記給気風路2における前記調湿体6よりも通風方向下手側に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4における前記除湿用加熱器23よりも通風方向上手側に位置させるように配置される顕熱交換体24及びその顕熱交換体24における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記顕熱交換体24を駆動回転する顕熱交換用電動モータ25を備えた除湿用顕熱交換部Sdとを備えて構成してある。
尚、以下の説明では、第1参考形態において備えてある顕熱交換部Sを加湿用顕熱交換部Sと記載して、前記除湿用顕熱交換部Sdと区別する。
【0108】
前記除湿用顕熱交換部Sdにおける顕熱交換体24の支持構造及び回転駆動構造は、上記の第1参考形態にて説明した前記調湿部Lにおける調湿体6の支持構造及び回転駆動構造と同様であるので、説明を省略する。
【0109】
前記除湿用加熱器23を、前記除湿用加熱器20に兼用するように構成して、空調装置の低廉化及び小型化を図っている。
【0110】
そして、この参考形態の空調装置は、運転として、上記の第1参考形態における加湿運転、全熱交換運転、顕熱交換運転、通常換気運転、暖房運転、除臭運転及び臭い戻り抑制運転に加えて、前記調湿部Lにて供給用空気を除湿して空調対象室に供給する除湿運転を備えるように構成して、加湿除湿兼用型に構成してある。
【0111】
以下、前記各運転における前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記除湿運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除湿用加熱器23を加熱作用状態にし、調湿体6を調
湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、加湿用顕熱交換部Sの顕熱交換用電動モータ10を停止させ、及び、除湿用顕熱交換部Sdの顕熱交換体24を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ25を作動させるように構成してある。
【0112】
運転制御部11は、前記加湿運転、前記全熱交換運転、前記顕熱交換運転、前記通常換気運転、前記暖房運転、前記除臭運転及び前記臭い戻り抑制運転夫々においては、給気送風機3、排気送風機5、加湿用加熱器8、除湿用加熱器23にて兼用する除臭用加熱器20を、及び、調湿用電動モータ7の夫々を、上記の第1参考形態と同様に作動させるように構成してある。
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転及び前記顕熱交換運転夫々においては、除湿用顕熱交換部Sdの顕熱交換体24を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ25を作動させ、並びに、前記加湿運転、前記通常換気運転、前記暖房運転、前記除臭運転及び前記臭い戻り抑制運転夫々においては、除湿用顕熱交換部Sdの顕熱交換用電動モータ25を停止させるように構成してある。
【0113】
次に、図4に基づいて、前記調湿用設定速度の設定の仕方について説明する。
図4中の一点鎖線は、前記除湿用加熱器23を加熱作用状態にし且つ前記給気風路2及び前記排気風路4の夫々に通風させる状態で、調湿体6の回転速度を変更させて、各回転速度での調湿体6の除湿性能(除湿量)を、回転速度が1.3回/分のときを100%として比較したものである。
調湿体6の回転速度が0.7〜1.3回/分のときに、調湿部Lの除湿性能が高くなるので、前記調湿用設定速度を例えば1.3回/分に設定してある。
【0114】
次に、前記除湿運転による作用について、説明を加える。
この除湿運転では、図11を参照すると、排出用空気入口1eiから排気風路4に吸い込まれた排出用空気EAは、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体24、加熱作用状態の除湿用の加熱器23、前記調湿用設定速度にて回転する調湿体6、回転停止中の顕熱交換体9を順次通過して通流して、排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出され、一方、供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた供給用空気SAは、回転停止中の顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、前記調湿用設定速度にて回転する調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体24を順次通過して通流して、供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて空調対象室に供給される。
【0115】
そして、排出用空気EAは、顕熱交換体24を通過するときに、その顕熱交換体24が供給用空気SAから得た熱を吸熱することにより加熱され、更に、除湿用加熱器23を通過することで加熱され、そのように加熱された排出用空気EAが調湿体6を通過するときに調湿体6から放湿されて加湿され、一方、供給用空気SAは、調湿体6を通過するときに、その供給用空気SA中の水蒸気が調湿体6に吸収されて除湿されると共に凝縮熱により加熱され、そのように除湿並びに加熱された供給用空気SAが顕熱交換体24を通過するときに、その保有熱が顕熱交換体24に与えられて冷却され、そのように除湿並びに冷却された供給用空気SAが空調対象室に供給されるので、空調対象室を除湿することができる。
【0116】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(1) 上記の実施形態では、空調運転の開始指令に基づいて、除臭運転を実行した後に空調運転を実行する構成、及び、空調運転の実行中に、前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると空調運転を停止して臭い戻り抑制運転を実行する構成の両方を備えるように、空調装置を構成する場合について例示したが、いずれか一方の構成を備えるように空
調装置を構成しても良い。
【0117】
(2) なお、本発明の権利範囲には含まれないが、参考形態として、加湿運転の実行中に実行する臭い戻り抑制運転としては、上記の各形態において例示した運転形態以外に種々の運転形態が可能である。
例えば、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8と前記除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、前記調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる給気加熱停止運転を臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、次に、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、前記調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる除臭運転を実行する給気加熱停止式臭い戻り抑制運転でも良い。
【0118】
この給気加熱停止運転では、排出用空気が加熱されることなく調湿体6を通過するので、臭い成分が溶解している可能性がある水分が調湿体6に吸収されるものの、供給用空気が加熱されることなく調湿体6を通過するので、調湿体6に吸収されている水分が供給用空気に放出されるのが抑制されることになり、空調対象室に臭いが戻るのを抑制することができる。
【0119】
次に、図12に基づいて、前記給気加熱停止式臭い戻り抑制運転を実行する場合の前記
運転制御部11の制御動作を説明する。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記給気加熱停止運転を実行し、その給気加熱停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記除臭運転を実行し、その除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了し、即ち、前記給気加熱停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0120】
(3) 前記除臭運転及び前記給気停止状態除臭運転夫々において、前記調湿体6を駆動回転する回転速度は、上記の参考形態において例示した調湿用設定速度に限定されるものではなく、前記全熱交換用設定速度でも良い。又、調湿用設定速度よりも遅く設定しても良い。ちなみに、調湿体6からの臭い成分が溶解した水分の放出除去をより効果的に行うには、調湿体6の回転速度を遅くするのが好ましい。
【0121】
(4) 前記除臭運転及び前記調湿体停止状態除臭運転夫々において、排気送風機5の回転速度を前記通常換気運転や加湿運転における通常の排気送風機5の回転速度よりも速くして、排出用空気の通風量を多くすると、調湿体6からの臭い成分が溶解した水分の放出除去をより効果的に行うことができるので好ましい。
【0122】
(5) 上記の各形態においては、前記除臭運転、前記給気停止状態除臭運転及び前記調湿体停止状態除臭運転夫々において、顕熱交換用電動モータ10を停止させたが、その顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度にて駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させても良い。
【0123】
(6) 空調対象空間において、臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別する対象の空間としては、上記の実施形態において例示したトイレに限定されるものではなく、浴室等、臭いが発生する可能性のある種々の空間を対象とすることができる。
そして、複数の異なる空間を対象にして臭い戻り抑制必要状態になったと判別する場合、臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときに実行する前記臭い戻り抑制運転は、その臭い戻り抑制必要状態になった空間に適合した条件で行うように構成しても良い。
例えば、浴室が臭い戻り抑制必要状態になったときは、トイレが臭い戻り抑制必要状態になったときよりも排出用空気の温度が高いと考えられるので、前記除臭運転、前記給気停止状態除臭運転及び前記調湿体停止状態除臭運転夫々において、除臭用加熱器20の加熱量を少なくする。
又、トイレが臭い戻り抑制必要状態になったときは、浴室が臭い戻り抑制必要状態になったときよりも臭い成分が多く含まれていると考えられるので、排気用送風機5の回転速度を速くして排出用空気の通風量を多くする。
【0124】
(7) 上記の第1、第2実施形態、及び第1ないし第4の参考形態の各形態において、臭い戻り抑制必要状態になったと判別した時点から開始遅延用設定時間経過後に、各形態に対応する臭い戻り抑制運転を実行するように構成しても良い。
【0125】
(8) 臭い戻り抑制必要状態になったか否かを判別するための情報を得るセンサとしては、上記の形態において例示した人存否検出センサ19に限定されるものではなく、トイレや浴室の照明用のスイッチ、トイレの着座センサでも良い。又、臭いそのものを検出するセンサでも良い。
【0126】
(9) 顕熱交換部Sを構成するに、上記の各形態においては、顕熱交換体9を顕熱交換用電動モータ10にて駆動回転する駆動回転型に構成する場合について例示したが、給気風路2を通流する供給用空気と排気風路4を通流する排出用空気とを顕熱交換させるように顕熱交換体を静止状に設けた静止型に構成しても良い。
又、この顕熱交換部Sを省略することが可能である。
(10) 前記加熱用加熱器8、前記除臭用加熱器20及び前記除湿用加熱器23としては、熱媒循環式に限定されるものではなく、例えば、電気ヒータでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0127】
空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0128】
2 給気風路
3 給気送風手段
4 排気風路
5 排気送風手段
6 調湿体
7 調湿用駆動手段
8 加湿用加熱手段
11 運転制御手段
20 除臭用加熱手段
L 調湿部
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる空調装置は、給気送風手段の通風作用により例えば外気を供給用空気として空調対象空間に供給すると共に、排気送風手段の通風作用により空調対象空間の空気を排出用空気として外部に排出するものであり、例えば、住宅内の複数の部屋等を空調対象空間とする用途で用いられる。
【0003】
そして、一部を給気風路に位置させ且つ他の一部を排気風路に位置させるように配置した調湿体を調湿用駆動手段にて駆動回転させながら、その調湿体における給気風路に位置させる部分を供給用空気を通過させ且つその調湿体における排気風路に位置させる部分を排出用空気を通過させることにより、供給用空気を空調して空調対象空間に供給するようにして、空調対象空間を換気しながら空調するようになっている。
【0004】
例えば、給気風路における調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に加熱作用するように、加湿用加熱手段を設けると、以下のように、供給用空気を無給水にて加湿して空調対象空間に供給することが可能となり、空調対象空間を換気しながら加湿することが可能となる。
つまり、加湿用加熱手段にて加熱された供給用空気が調湿体における給気風路に位置する部分を通過し、且つ、空調対象空間からの排出用空気が調湿体における排気風路に位置する部分を通過する形態で運転されることにより、空調対象空間からの排出用空気中の水蒸気が調湿体に吸収され、その調湿体に吸収された水分が供給用空気に放出されて供給用空気が加湿された状態で空調対象空間に供給されるので、空調対象空間を無給水にて加湿することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−4255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば、住宅内の複数の部屋を空調対象空間とする場合においては、トイレ、浴室等、臭気が発生する可能性がある空間を含むものとなる等、空調対象空間からの排出用空気には、水溶性の臭い成分が含まれている可能性がある。
【0007】
しかしながら、従来の空調装置では、空調運転の実行中、水溶性の臭い成分を含んだ排出用空気が調湿体を通過するときに、その排出用空気に含まれる臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解して、臭い成分が調湿体に蓄積すると共に、その調湿体に蓄積した臭い成分の一部が供給用空気に混入されて空調対象空間に戻ることになるので、臭い成分の蓄積量が多くなると、供給用空気に混入されて空調対象空間に戻る臭い成分が多くなって、空調対象空間を快適に空調することができなくなるという問題
があった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、臭いが発生する可能性がある空間を空調対象空間とする場合でも、空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのを抑制し得る空調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の空調装置は、空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられたものであって、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、及び前記調湿用駆動手段を停止させて前記調湿体の駆動回転を停止した、調湿体停止状態除臭運転を実行する点を特徴とする。
【0010】
即ち、運転制御手段は、空調運転として、加湿運転又は全熱交換運転を実行し、臭い抑制運転として、給気送風手段と排気送風手段とのうちの少なくとも排気送風手段を作動させた状態で、排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が調湿手段にて給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制するように運転を実行し、そして、空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、空調運転を停止して、臭い戻り抑制運転を実行する。
【0011】
ちなみに、臭い戻り抑制運転では、給気送風手段と排気送風手段とのうちの少なくとも排気送風手段を作動させて、臭い成分を含んでいる虞がある空調対象空間の空気を排出するための空調対象空間の排気を継続しながら、排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が調湿手段にて給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制するように運転される。
【0012】
つまり、空調運転が行われているときに、例えば、トイレが使用されることに伴って、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、空調運転が停止されると共に臭い戻り抑制運転が実行されて、空調対象空間の排気を継続しながら、排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が調湿手段にて給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りが抑制されるので、空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのが抑制されるのである。
従って、臭いが発生する可能性がある空間を空調対象空間とする場合でも、空調対象空間に供給される供給用空気に臭い成分が混入されるのを抑制し得る空調装置を提供することができるようになった。
また、臭い戻り抑制運転を行うに際して、通風孔を塞ぐ必要がない為、空調装置にダンパなどの風路切替手段を設けずに済む。よって、臭い戻り抑制運転可能な空調装置を廉価に製造できる。加えて、可動部を増やさずに済むことから、耐久性にも優れた臭い戻り抑制運転可能な空調装置を提供できる。
【0013】
加えて、上記構成の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、前記調湿体停止状態除臭運転が実行されて、調湿体の回転が停止された状態で、調湿体を通過する供給用空気中の水蒸気がその調湿体に吸収され、且つ、調湿体に吸収されている水分がその調湿体を通過する排出用空気に放出される状態となるので、排出用空気に臭い成分が含まれていたとしても、その臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解することが抑制され、しかも、調湿体における、臭い成分が含まれている虞がある排出用空気が通過した部分が給気風路に移動することがなく、もって、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
又、調湿体停止状態除臭運転では、調湿体にて、空調対象室に供給される供給用空気に除臭用加熱器にて加熱された排出用空気の保有熱が付与されることがないので、空調対象室の温度が上昇するのを防止することができるようになり、特に夏期や中間期において、空調対象室の温度が上昇して不快になるのを防止することができる。
【0014】
第2特徴構成は、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段と前記除臭用加熱手段とを加熱停止状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させる調湿体停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、
次に、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させて、前記調湿体に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する調湿体停止状態除臭運転を実行する点を特徴とする。
【0015】
上記構成の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、先ず、調湿体停止運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されるまで実行され、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されると、除臭用設定時間が経過するまで調湿体停止状態除臭運転が実行される。
【0016】
そして、調湿体停止運転では、排出用空気が加熱されることなく調湿体を通過することから、排出用空気に水蒸気と共に臭い成分が含まれていて、その臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解したとしても、調湿体の駆動回転が停止されているので、臭い成分が供給用空気に放出されることがない。
又、その調湿体停止運転に続いて実行される調湿体停止状態除臭運転では、調湿体が停止された状態で、供給用空気が調湿体における給気風路に位置する部分を通過し、空調対象室からの排出用空気が除臭用加熱器にて加熱された状態で調湿体における排気風路に位置する部分を通過する形態で運転されて、調湿体を通過する供給用空気中の水蒸気がその調湿体に吸収され且つ調湿体に吸収されている水分がその調湿体を通過する排出用空気に放出される状態となるので、調湿体に吸収されている水分に溶解している臭い成分は、水分と共に排出用空気に放出される状態で除去され、調湿体に付着している臭い成分は、排出用空気中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
【0017】
そして、その調湿体停止状態除臭運転は、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から除臭用設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気が空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体に付着したり、調湿体に吸収されている水分に溶解するのが抑制され、又、調湿体の全体にわたって臭い成分が除去される。
【0018】
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1参考形態に係る空調装置の全体概略構成を示す一部切り欠き斜視図
【図2】第1参考形態に係る空調装置の縦断面図
【図3】調湿部及び顕熱交換部の一部切り欠き斜視図
【図4】調湿体の回転速度と全熱交換性能との関係を示す図
【図5】第1参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図6】第1実施形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図7】第2参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図8】第2実施形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図9】第3参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図10】第4参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【図11】第5参考形態に係る空調装置の縦断面図
【図12】別参考形態に係る空調装置の制御動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1参考形態〕
以下、本発明を住宅内を略全域にわたって換気する全体換気用の空調装置に適用した場合の第1参考形態を説明する。
図1及び図2に示すように、空調装置は、外気OAを空調対象空間としての複数の空調対象室に供給するための供給用空気SAとして装置内に吸い込む供給用空気入口1si、その供給用空気SAを送出する供給用空気出口1so、空調対象室の室内気RAを空調対象室外に排出するための排出用空気EAとして装置内に吸い込む排出用空気入口1ei及びその排出用空気EAを送出する排出用空気出口1eoを備えたケーシング1を用いて組み付けて構成してあり、図示は省略するが、住宅の天井裏等に配置する。
【0021】
そして、図示は省略するが、外気を導入する外気導入ダクトを前記供給用空気入口1siに接続し、各空調対象室の給気口に接続した給気ダクトを前記供給用空気出口1soに接続し、各空調対象室の排気口に接続した排気ダクトを前記排出用空気入口1eiに接続し、排出用空気を屋外等に排出する排気ダクトを前記排出用空気出口1eoに接続する。
そして、前記外気導入ダクトを通じて導入した外気OAを空調して供給用空気SAとして前記給気ダクトを通じて各空調対象室に供給する共に、前記排気ダクトを通じて各空調対象室から吸込んだ室内気RAを排出用空気EAとして前記排気導出ダクトを通じて屋外に排出するように構成してある。
【0022】
この第1参考形態の空調装置は、図2に示すように、空調対象室に供給する供給用空気SAの給気風路2に通風作用する給気送風手段としての給気送風機3と、空調対象室外に排出する排出用空気EAの排気風路4に通風作用する排気送風手段としての排気送風機5と、一部を前記給気風路2に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4に位置させるように配置される調湿体6及びその調湿体6における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体6を駆動回転する調湿用駆動手段としての調湿用電動モータ7を備えた調湿手段としての調湿部Lと、前記給気風路2における前記調湿体6よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段としての加湿用加熱器8と、前記排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段としての除臭用加熱器20と、一部を前記給気風路2における前記加湿用加熱器8よりも通風方向上手側に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向下手側に位置させるように配置される顕熱交換体9及びその顕熱交換体9における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記顕熱交換体9を駆動回転する顕熱交換用電動モータ10を備えた顕熱交換部Sと、この空調装置の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部11と、その運転制御部11に各種制御情報を指令する遠隔操作式の操作部12等を備えて構成
してある。
【0023】
そして、前記調湿部Lを、前記調湿体6の駆動回転速度を変更調節自在に構成し、前記加湿用加熱器8及び前記除臭用加熱器20を夫々、加熱作用状態と加熱停止状態とに切り換え自在に構成してある。
【0024】
以下、空調装置の各部について説明を加える。
図1及び図2に示すように、前記ケーシング1は、直方体形状に形成し、そのケーシング1の一側面に、前記供給用空気出口1so及び前記排出用空気入口1eiを並べて設け、それら供給用空気出口1so及び排出用空気入口1eiを設けた側面に対向する側面に、前記供給用空気入口1si及び前記排出用空気出口1eoを供給用空気入口1siが前記供給用空気出口1soと同じ側に位置する状態で並べて設けてある。
【0025】
図2及び図3に示すように、前記調湿部Lにおける調湿体6の支持構造及び回転駆動構造と、前記顕熱交換部Sにおける顕熱交換体9の支持構造及び回転駆動構造は、同様であるので、以下、前記調湿部Lを対象にして、調湿体6の支持構造及び回転駆動構造を説明する。
【0026】
前記調湿体6は、所謂デシカントロータであり、円板形状でその軸心方向に通気自在なハニカム状の基材に吸湿材(シリカゲルや塩化リチウム等)を保持して構成し、前記調湿部Lは、前記調湿体6をその軸心にて回転自在に矩形枠状の支持枠13に支持すると共に、その支持枠13に、前記調湿用電動モータ7をその出力軸と前記調湿体6の外周部とにわたってベルト14を巻回した状態で設けて、ユニット状に構成してある。
【0027】
前記支持枠13における前記調湿体6の軸心方向に並ぶ両側面部の夫々には、一対の概ね半円状の開口13wを、前記軸心方向視において一方の側面部の開口13wと他方の側面部の開口13wとが重なる状態で形成してある。
その支持枠13の各開口13wには、前記給気風路2と前記排気風路4とを分離するシール材15をその先端の開口縁が前記調湿体6に当接する状態で嵌め込んである。
【0028】
前記顕熱交換体9は、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料にて、円板形状でその軸心方向に通気自在なハニカム状に形成し、前記顕熱交換部Sは、上述した調湿部Lと同様に、前記顕熱交換体9をその軸心にて回転自在に前記支持枠13に支持すると共に、その支持枠13に、前記顕熱交換用電動モータ10をその出力軸と前記顕熱交換体9の外周部とにわたってベルト14を巻回した状態で設けて、ユニット状に構成してある。
【0029】
そして、図2に示すように、上述のようにユニット状に構成した調湿部L及び顕熱交換部Sを、調湿部Lが前記供給用空気出口1soの側に位置し且つ前記供給用空気入口1si及び前記供給用空気出口1soの並び方向に間隔を開けた状態で、調湿体6及び顕熱交換体9夫々の回転軸心が前記供給用空気入口1si及び前記供給用空気出口1soの並び方向に沿う姿勢にて、前記ケーシング1内に並べて設けてある。
【0030】
更に、そのケーシング1内を、仕切り壁16にて、前記供給用空気入口1si及び前記供給用空気出口1soが存在する側と前記排出用空気出口1eo及び前記排出用空気入口1eiが存在する側とに区画することにより、前記ケーシング1内に、一端が前記供給用空気入口1siに連通し且つ他端が前記供給用空気出口1soに連通する状態の前記給気風路2と、一端が前記排出用空気入口1eiに連通し且つ他端が前記排出用空気出口1eoに連通する状態の前記排気風路4を区画形成し、前記調湿体6を、その一部を前記給気風路2に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4に位置させるように配置し、並びに、前記顕熱交換体9を、その一部を前記給気風路2に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4
に位置させるように配置してある。
【0031】
そして、前記調湿用電動モータ7により前記調湿体6を駆動回転することにより、前記調湿体6における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように構成し、前記顕熱交換用電動モータ10により前記顕熱交換体9を駆動回転することにより、前記顕熱交換体9における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように構成してある。
そして、調湿用電動モータ7の回転速度を変更調節することにより、前記調湿体6の駆動回転速度を変更調節自在なように構成してある。
又、顕熱交換体9を駆動回転させるように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記顕熱交換部Sにて供給用空気と排出用空気との間で顕熱交換させ、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記顕熱交換部Sにおける供給用空気と排出用空気との間の顕熱交換を停止させるように構成してある。
【0032】
前記加湿用加熱器8は、熱媒を通流させる熱媒流通管(図示省略)を空気の通過が可能なように蛇行状に配管した熱媒循環式に構成し、図2に示すように、その加湿用加熱器8を前記給気風路2における前記調湿部Lと前記顕熱交換部Sとの間に設けて、その加湿用加熱器8と熱源機(図示省略)とを熱媒循環路17にて接続して、その熱源機にて加熱した熱媒を熱媒循環路17を通じて加湿用加熱器8に循環供給するように構成してある。
そして、前記熱媒循環路17に加湿用熱動弁18を設けて、その加湿用熱動弁16を開閉して前記加湿用加熱器8への熱媒の供給を断続することにより、前記加湿用加熱器8を加熱作用状態と加熱停止状態とに切り換え自在に構成してある。
【0033】
又、前記除臭用加熱器20は、前記加湿用加熱器8と同様に熱媒循環式に構成し、その除臭用加熱器20を排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向上手側に設けて、その除臭用加熱器20と前記熱源機とを熱媒循環路21にて接続して、その熱源機にて加熱した熱媒を熱媒循環路21を通じて除臭用加熱器20に循環供給するように構成してある。
そして、前記熱媒循環路21に除臭用熱動弁22を設けて、その除臭用熱動弁22を開閉して前記除臭用加熱器20への熱媒の供給を断続することにより、前記加除臭用加熱器20を加熱作用状態と加熱停止状態とに切り換え自在に構成してある。
【0034】
前記給気送風機3を、その吸い込み口を前記給気風路2内に臨ませ且つ吐き出し口を前記供給用空気出口1soに内嵌させた状態で前記給気風路2内に設けることにより、給気送風機3を、前記供給用空気入口1siから吸い込んだ供給用空気SAを、前記顕熱交換体9、前記加湿用加熱器8、前記調湿体6を順次通過させて前記供給用空気出口1soから送出するように、前記給気風路2に通風作用させる構成としてある。
又、前記排気送風機5を、その吸い込み口を前記排気風路4内に臨ませ且つ吐き出し口を前記排出用空気出口1eoに内嵌させた状態で前記排気風路4内に設けることにより、排気送風機5を、前記排出用空気入口1eiから吸い込んだ排出用空気EAを前記除臭用加熱器20、前記調湿体6、前記顕熱交換体9を順次通過させて前記排出用空気出口1eoから送出するように、前記排気風路4に通風作用させる構成としてある。
つまり、給気風路2の通風方向と排気風路4の通風方向が互いに逆向きになる。
【0035】
前記運転制御部11は、前記調湿部Lにて供給用空気を加湿して空調対象室に供給する前記空調運転としての加湿運転、前記調湿部Lにて供給用空気を排出用空気と全熱交換させた状態で空調対象室に供給する前記空調運転としての全熱交換運転、前記顕熱交換部Sにて供給用空気を排出用空気と顕熱交換させた状態で空調対象室に供給する顕熱交換運転、外気をそのまま供給用空気として空調対象室に供給し且つ空調対象室からの室内気をそ
のまま排出用空気として排出して空調対象室を換気する通常換気運転、供給用空気を前記加湿用加熱器8にて加熱して、そのまま空調対象室に供給する暖房運転、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する除臭運転、及び、前記給気送風機3と前記排気送風機5とのうちの少なくとも排気送風機5を作動させた状態で、前記排気風路4を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿部Lにて給気風路2を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成してある。
【0036】
以下、前記各運転における前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
前記運転制御部11は、前記加湿運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱作用状態にし、除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させるように構成してある。
【0037】
前記運転制御部11は、前記全熱交換運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8と除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、調湿体6を前記調湿用設定速度よりも高速の全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させるように構成してある。
【0038】
前記運転制御部11は、前記顕熱交換運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8と除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、調湿用電動モータ7を停止させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させるように構成してある。
【0039】
前記運転制御部11は、前記通常換気運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8と除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、及び、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させるように構成してある。
前記運転制御部11は、前記暖房運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱作用状態にし、除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、及び、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させるように構成してある。
【0040】
前記運転制御部11は、前記除臭運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させるように構成してある。
【0041】
この第1参考形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる前記除臭運転を実行するように構成してある。
【0042】
前記調湿用設定速度及び前記全熱交換用設定速度は、夫々予め設定して前記運転制御部11に記憶させてある。
以下、前記調湿用設定速度及び前記全熱交換用設定速度夫々の設定の仕方について説明を加える。
尚、前記調湿用設定速度については、詳細は後述の第5参考形態にて説明するが、調湿体6は、回転速度が1.3回/分のときに、調湿部Lの除湿性能が最大となるので、前記
調湿用設定速度は、例えば1.3回/分に設定してある。
【0043】
図4中の実線は、空調対象室が冷房される夏期を想定して、調湿部Lの全熱交換性能を検証したものであり、前記加湿用加熱器8及び前記除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、且つ、前記給気風路2の方が高温多湿になる状態でその給気風路2及び前記排気風路4の夫々に通風させる状態で、調湿体6の回転速度を変更させて、各回転速度での調湿部Lの全熱交換性能をエンタルピーにて、回転速度が1.3回/分のときを100%として比較したものである。
又、図4中の破線は、空調対象室が暖房される冬期を想定して、調湿部Lの全熱交換性能を検証したものであり、前記加湿用加熱器8及び前記除臭用加熱器20を加熱停止状態にし、且つ、前記排気風路4の方が高温多湿になる状態で前記給気風路2及び前記排気風路4の夫々に通風させる状態で、調湿体6の回転速度を変更させて、各回転速度での調湿部Lの全熱交換性能をエンタルピーにて、回転速度が1.3回/分のときを100%として比較したものである。
【0044】
つまり、空調対象室が暖房される冬期等、排出用空気EAの方が供給用空気SAよりも高温多湿の状態となるときは、調湿部Lの全熱交換性能は、調湿体6の回転速度を前記調湿用設定速度である1.3回/分よりも高速にすると高くなり、2.8〜5.3回/分の範囲でより高くなり、4.7回/分のときに最高になることが分かる。
又、空調対象室が冷房される夏期等、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも高温多湿の状態となるときは、調湿部Lの全熱交換性能は、調湿体6の回転速度を前記調湿用設定速度である1.3回/分よりも高速にすると高くなり、4.0〜5.3回/分の範囲でより高くなり、4.7回/分のときに最高になることが分かる。
【0045】
調湿体6の回転速度を高くすることにより全熱交換性能を向上することができることについて考察すると、調湿体6の駆動回転速度を高くすることにより、調湿体6が給気風路2や排気風路4を移動する速度が速くなるので、調湿体6と供給用空気や排出用空気との間で顕熱及び潜熱の交換を十分に行わせながら、調湿体6における、供給用空気や排出用空気との間で顕熱及び潜熱の交換が行われた部分を速く移動させることが可能となり、調湿体6での供給用空気や排出用空気との間の全熱交換量を多くすることができるのである。
【0046】
従って、空調対象室が暖房される冬期等、排出用空気EAの方が供給用空気SAよりも高温多湿の状態のときは、前記全熱交換用設定速度を、前記調湿用設定速度の2.2〜4.1倍に設定するのが好ましく、前記調湿用設定速度の3.6倍に設定するのが最も好ましい。
又、空調対象室が冷房される夏期等、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも高温多湿の状態のときは、前記全熱交換用設定速度を、前記調湿用設定速度の3.1〜4.1倍に設定するのが好ましく、前記調湿用設定速度の3.6倍に設定するのが最も好ましい。
【0047】
以上のように、調湿体6の回転速度を調湿用設定速度よりも高くすることにより、調湿部Lの全熱交換性能を向上可能なことが分かる。
【0048】
前記操作部12には、図示を省略するが、上述のようにこの空調装置にて実行可能な複数種の運転のうち、除臭用運転及び臭い戻り抑制運転以外の運転を択一的に指令する運転切換部、及び、空調装置の停止を指令する停止スイッチを設けてある。
【0049】
又、住宅の複数の空調対象室のうちの一つであるトイレ内に人が存在するか否かを検出する人存否検出センサ19を設けてある。ちなみに、この参考形態では、前記人存否検出
センサ19はその検出域に人が存在するとオン信号を出力し、検出域に人が存在しないとオフ信号を出力するように構成してある。
そして、前記運転制御部11は、前記人存否検出センサ19からの信号がオンのときは、トイレ内にて臭いが発生する虞がある臭い戻り抑制必要状態であると判別し、前記人存否検出センサ19からの信号がオフのときは、臭い戻り抑制必要状態ではないと判別するように構成してある。
【0050】
次に、前記操作部12の運転切換部からの指令情報に基づく前記運転制御部11の制御動作について、説明する。
前記運転制御部11は、前記操作部12の運転切換部から、前記顕熱交換運転、前記通常換気運転及び前記暖房運転のうちのいずれか一つが指令されると、指令された運転を実行するように構成してある。
又、運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されると、前記除臭運転を除臭用設定時間の間実行した後、前記加湿運転を実行し、且つ、その加湿運転の実行中に、人存否検出センサ19の検出情報に基づいて臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記加湿運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
ちなみに、前記除臭用設定時間は、例えば、前記調湿体6が1回転するのに要する時間以上に設定する。
【0051】
又、運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されると、前記除臭運転を除臭用設定時間の間実行した後、前記全熱交換運転を実行し、且つ、その全熱交換運転の実行中に、人存否検出センサ19の検出情報に基づいて臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記全熱交換運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
【0052】
又、運転制御部11は、操作部12の停止スイッチから運転停止が指令されると、給気送風機3と排気送風機5とを停止させ、加湿用加熱器8が加熱作用状態のときは加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20が加熱作用状態のときは加熱停止状態に切り換え、調湿体6を駆動回転しているときは調湿用電動モータ7を停止させ、及び、顕熱交換体9を駆動回転しているときは顕熱交換用電動モータ10を停止させる停止処理を実行して、空調装置を停止させる。
【0053】
次に、図5に基づいて、前記操作部12の運転切換部から前記加湿運転又は前記全熱交換運転が指令されたときの前記運転制御部11の制御動作、及び、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
【0054】
運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる状態に維持して、除臭運転を実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始する。
【0055】
そして、運転制御部11は、前記加湿運転の実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別する
と、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0056】
運転制御部11は、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる状態に維持して、前記除臭運転を実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0057】
そして、運転制御部11は、前記全熱交換運転の実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0058】
次に、上記の各運転による作用について、説明を加える。
前記加湿運転では、図2を参照すると、排出用空気入口1eiから排気風路4に吸い込まれた各空調対象室からの室内気RAは排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、調湿用設定速度にて回転する調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9を順次通過して通流して、排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出され、一方、供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた外気OAは供給用空気SAとして、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9、加熱作用状態の加湿用加熱器8、調湿用設定速度にて回転する調湿体6を順次通過して通流して、供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて各空調対象室に供給される。
【0059】
そして、排出用空気EAは、調湿用設定速度にて回転する調湿体6を通過するときに、その排出用空気EA中の水蒸気が調湿体6に吸収されると共に凝縮熱により加熱され、その加熱並びに除湿された排出用空気EAが顕熱交換体9を通過するときに、その保有熱が顕熱交換体9に与えられて顕熱交換体9が加熱され、一方、供給用空気SAは、顕熱交換体9を通過することで、顕熱交換体9が排出用空気EAから得た熱により加熱され、更に、前記加湿用加熱器8を通過することで加熱され、そのように加熱された供給用空気SAが前記調湿用設定速度にて回転する調湿体6を通過するときに調湿体6から放湿されて加
湿され、そのように加湿並びに加熱された供給用空気SAが空調対象室に供給される。
【0060】
つまり、この加湿運転では、空調対象室に供給される供給用空気SAを無給水にて加湿すると共に加熱して空調対象室に供給することが可能となり、各空調対象室を加湿並びに暖房することができる。
【0061】
前記全熱交換運転では、図2を参照すると、各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、全熱交換用設定速度にて回転する調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9を順次通過して通流し、一方、外気OAは、供給用空気SAとして、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、全熱交換用設定速度にて回転する調湿体6を順次通過して通流する。
【0062】
そして、全熱交換用設定速度にて回転する調湿体6においては、供給用空気SAと排出用空気EAとの間で全熱交換量をより多くする状態で全熱交換させることができ、顕熱交換体9においては、供給用空気SAと排出用空気EAとの間で顕熱交換させることができるので、エンタルピー交換効率を増大することができる。
【0063】
冬期等、この空調装置とは別の空調装置により空調対象室が暖房されているときや、夏期等、この空調装置とは別の空調装置により空調対象室が冷房されているときに、この空調装置を全熱・顕熱交換運転にて運転させると、暖房や冷房に係わる消費エネルギを削減することができる。
【0064】
前記顕熱交換運転では、図2を参照すると、各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、回転停止中の調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9を順次通過して通流し、一方、外気OAは、供給用空気SAとして、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、回転停止中の調湿体6を順次通過して通流するので、顕熱交換体9において、供給用空気SAと排出用空気EAとを顕熱交換させることができる。
【0065】
つまり、空調装置をこの顕熱交換運転にて運転すると、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも高温のときは、供給用空気SAを冷却して空調対象室に供給することができ、供給用空気SAの方が排出用空気EAよりも低温のときは、供給用空気SAを加熱して空調対象室に供給することができる。
【0066】
前記通常換気運転では、図2を参照すると、各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20、回転停止中の調湿体6、回転停止中の顕熱交換体9を順次通過して通流し、一方、外気OAは、供給用空気SAとして、回転停止中の顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、回転停止中の調湿体6を順次通過して通流するので、各空調対象室が換気される。
【0067】
前記暖房運転では、図2を参照すると、前記供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた外気OAは、供給用空気SAとして、回転停止中の顕熱交換体9を顕熱交換されること無く通過し、前記加湿用加熱器8にて加熱され、回転停止中の調湿体6を全熱交換されること無く通過して、前記供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて各空調対象室に供給され、前記排出用空気入口1eiから前記排気風路4に吸い込まれた各空調対象室からの室内気RAは、排出用空気EAとして、加熱停止状態の除臭用加熱器20を通過し、更に、停止中の調湿体6及び停止中の顕熱交換体9を熱交換されること無く通過して、前記排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出される。
【0068】
つまり、空調装置をこの暖房運転にて運転すると、供給用空気SAを加湿用加熱器8にて加熱して、空調対象室に供給することができるので、空調対象室を暖房することができる。
【0069】
前記除臭運転では、図2を参照すると、排出用空気入口1eiから排気風路4に吸い込まれた各空調対象室からの室内気RAは排出用空気EAとして、加熱作用状態の除臭用加熱器20、調湿用設定速度にて回転する調湿体6、回転停止中の顕熱交換体9を順次通過して通流して、排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出され、一方、供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた外気OAは供給用空気SAとして、回転停止中の顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、調湿用設定速度にて回転する調湿体6を順次通過して通流して、供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて各空調対象室に供給されるので、調湿体6を通過する供給用空気SA中の水蒸気がその調湿体6に吸収され、且つ、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となり、その除臭運転が少なくとも調湿体6が1回転する間継続される。
【0070】
つまり、加湿運転や全熱交換運転が実行される前に、既に調湿体6に臭い成分が付着したり、調湿体6に吸収されている水分に臭い成分が溶解していたとしても、除臭運転により、調湿体6に吸収されている水分に溶解している臭い成分が、水分と共に排出用空気EAに放出される状態で除去され、調湿体6に付着している臭い成分が、供給用空気SAから調湿体6に吸収された水分に溶解してその水分と共に排出用空気EAに放出されたり排出用空気中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
又、加湿運転や全熱交換運転の実行中に、排出用空気EAに臭い成分が含まれる状態となっても、除臭運転が行われて、排出用空気EAに含まれる臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制される。
従って、加湿運転や全熱交換運転を開始するときに、空調対象室に臭いが戻るのを抑制することができ、又、加湿運転や全熱交換運転の実行中に、トイレが使用されても、空調対象室に臭いが戻るのを抑制することができる。
【0071】
更に、前記除臭運転では、調湿体6が全熱交換用設定速度よりも遅い調湿用設定速度にて駆動回転されることから、調湿体6に付着している臭い成分や、調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に対して放出させ易いので、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0072】
以下、本発明の第1、第2実施形態、及び第2ないし第5の参考形態の各形態を説明するが、これらの形態は、臭い戻り抑制運転の運転形態を上記の第1参考形態と異ならせた実施形態であって、空調装置の構成及び臭い戻り抑制運転以外の運転の運転形態は第1参考形態と同様であるので、空調装置の構成及び臭い戻り抑制運転以外の運転の運転形態についての説明は省略して、主として、臭い戻り抑制運転の形態について説明する。
【0073】
〔第1実施形態〕
この実施形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、上記の第1参考形態における除臭運転において、前記調湿用電動モータ7を停止させて前記調湿体6の駆動回転を停止した、調湿体停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
つまり、運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿用電動モータ7及び顕熱交換用電動モータ10を停止させる調湿体停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
【0074】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図6に示すように、この実施形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0075】
次に、図6に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿用電動モータ7及び顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0076】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿用電動モータ7及び顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0077】
この実施形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、前記調湿体停止状態除臭運転が実行されて、調湿体6の回転が停止された状態で、調湿体6を通過する供給用空気SA中の水蒸気がその調湿体6に吸収され、且つ、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、排出用空気EAに臭い成分が含まれていたとしても、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解することが抑制され、しかも、調湿体6における、臭い成分が含まれている虞がある排出用空気EAが通過した部分が給気風路2に移動することがなく、もって、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
又、調湿体停止状態除臭運転では、調湿体6にて、空調対象室に供給される供給用空気SAに除臭用加熱器20にて加熱された排出用空気EAの保有熱が付与されることがないので、空調対象室の温度が上昇するのを防止することができるようになり、特に夏期や中
間期において、空調対象室の温度が上昇して不快になるのを防止することができる。
【0078】
〔第2参考形態〕
この参考形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、上記の第1参考形態における除臭運転において、前記給気送風機3を停止させて空調対象室への供給用空気の供給を停止した、給気停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
つまり、運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、給気送風機3を停止させ、排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、調湿体6を前記調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させる給気停止状態除臭運転を実行するように構成してある。
【0079】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図7に示すように、この参考形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0080】
次に、図7に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、給気送風機3を作動させ、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0081】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、給気送風機3を作動させ、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0082】
この参考形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、前記給気停止状態除臭運転が実行されて、空調対象室への供給用空気SAの供給が停止された状態で、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、排出用空気EAに臭い成分が含まれていたとしても、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解することが抑制され、しかも、空調対象室への供給用空気SAの供給が停止されており、もって、空調対象室への臭い戻りをより一層抑制することができる。
又、給気停止状態除臭運転では、空調対象室への供給用空気SAの供給が停止されて、除臭用加熱器20にて加熱された排出用空気EAの保有熱が空調対象室に戻るのが回避されるので、特に夏期や中間期において、空調対象室の温度が上昇して不快になるのを防止することができる。
【0083】
〔第2実施形態〕
この実施形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8と前記除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、及び、前記調湿用電動モータ7と前記顕熱交換用電動モータ10とを停止させる調湿体停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、次に、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、及び、前記調湿用電動モータ7と前記顕熱交換用電動モータ10とを停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する調湿体停止状態除臭運転を実行する調湿体停止式臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
【0084】
つまり、前記調湿体停止運転が、前記排気送風機5を作動させ、前記給気送風機3の作動と前記調湿体6を駆動回転するための前記調湿用電動モータ7の作動とのうちの少なくとも一方を停止する初期運転に相当する。
又、前記調湿体停止状態除臭運転が、前記給気送風機3と前記排気送風機5とのうちの少なくとも前記排気送風機5を作動させ、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、及び、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させる又は前記調湿用電動モータ7を停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する除臭運転に相当する。
【0085】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図8に示すように、この実施形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0086】
次に、図8に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
前記運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記調湿体停止運転を実行し
、その調湿体停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記調湿体停止式臭い戻り抑制運転を終了して、前記加湿運転を再び実行する。
【0087】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、調湿用電動モータ7と顕熱交換用電動モータ10とを停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記調湿体停止運転を実行し、その調湿体停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記調湿体停止状態除臭運転を実行し、その調湿体停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記調湿体停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記調湿体停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0088】
この実施形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、先ず、調湿体停止運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されるまで実行され、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されると、除臭用設定時間が経過するまで調湿体停止状態除臭運転が実行される。
【0089】
そして、調湿体停止運転では、排出用空気EAが加熱されることなく調湿体6を通過することから、排出用空気EAに水蒸気と共に臭い成分が含まれていて、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解したとしても、調湿体6の駆動回転が停止されているので、臭い成分が供給用空気SAに放出されることがない。
又、その調湿体停止運転に続いて実行される調湿体停止状態除臭運転では、調湿体6が停止された状態で、供給用空気SAが調湿体6における給気風路2に位置する部分を通過し、空調対象室からの排出用空気EAが除臭用加熱器20にて加熱された状態で調湿体6における排気風路4に位置する部分を通過する形態で運転されて、調湿体6を通過する供給用空気SA中の水蒸気がその調湿体6に吸収され且つ調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、調湿体6に吸収されている水分に溶解している臭い成分は、水分と共に排出用空気EAに放出される状態で除去され、調湿体6に付着している臭い成分は、排出用空気EA中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
【0090】
そして、その調湿体停止状態除臭運転は、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から除臭用設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気EAが空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制され、又、調湿体6の全体にわたって臭い成分が
除去される。
【0091】
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0092】
〔第3参考形態〕
この参考形態では、前記運転制御部11は、前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風機3を停止させ、前記排気送風機5を作動させ、前記加湿用加熱器8と前記除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる給気停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、次に、前記給気送風機3を停止させ、前記排気送風機5作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータを停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する給気停止状態除臭運転を実行する給気停止式臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
【0093】
つまり、前記給気停止運転が、前記排気送風機5を作動させ、前記給気送風機3の作動と前記調湿体6を駆動回転するための前記調湿用電動モータ7の作動とのうちの少なくとも一方を停止する初期運転に相当する。
又、前記給気停止状態除臭運転が、前記給気送風機3と前記排気送風機5とのうちの少なくとも前記排気送風機5を作動させ、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、及び、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させる又は前記調湿用電動モータ7を停止させて、前記調湿体6に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する除臭運転に相当する。
【0094】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図9に示すように、この参考形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0095】
次に、図9に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記給気停止運転を実行し、その給気停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、給気送風機3を作動させ、
加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記給気停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0096】
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、給気送風機3を停止させ、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記給気停止運転を実行し、その給気停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、調湿体6を調湿用設定速度にて駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させて、前記給気停止状態除臭運転を実行し、その給気停止状態除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、給気送風器3を作動させ、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記給気停止状態除臭運転を終了し、即ち、前記給気停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0097】
この参考形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になると、先ず、給気停止運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されるまで実行され、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別されると、除臭用設定時間が経過するまで給気停止状態除臭運転が実行される。
【0098】
そして、給気停止運転では、排出用空気EAが加熱されることなく調湿体6を通過するので、排出用空気EAに水蒸気と共に臭い成分が含まれていて、その臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解したとしても、給気送風機3が停止されているので、臭い成分が含んだ供給用空気SAが空調対象室に供給されることがない。
又、その給気停止運転に続いて実行される給気停止状態除臭運転では、空調対象室への供給用空気の供給が停止された状態で、空調対象室からの排出用空気EAが除臭用加熱器20にて加熱された状態で調湿体6における排気風路4に位置する部分を通過する形態で運転されて、調湿体6に吸収されている水分がその調湿体6を通過する排出用空気EAに放出される状態となるので、調湿体6に吸収されている水分に溶解している臭い成分は水分と共に排出用空気EAに放出される状態で除去され、調湿体6に付着している臭い成分は調湿体6を通過する排出用空気EA中の水蒸気に溶解する状態で除去される。
そして、その給気停止状態除臭運転は、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から除臭用設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気EAが空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制され、又、調湿体6の全体にわたって臭い成分が除去される。
【0099】
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0100】
〔第4参考形態〕
この参考形態では、前記運転制御部11を、前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別した時点から開始遅延用設定時間経過後に、前記空調運転としての前記加湿運転又は前記全熱交換運転を停止して前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成してある。
又、前記運転制御部11を、前記臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から終了遅延用設定時間が経過するまで、前記臭い戻り抑制運転を継続するように構成してある。
【0101】
この参考形態では、前記臭い戻り抑制運転として、上記の第1参考形態と同様に、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、前記調湿体6を駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる前記除臭運転を実行するように構成してある。
【0102】
以下、前記運転制御部11の制御動作について説明する。
図示は省略するが、この参考形態でも、第1参考形態と同様に、操作部12の運転切換部から前記加湿運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を開始し、又、操作部12の運転切換部から前記全熱交換運転が指令されたときは、人存否検出センサ19の検出情報に拘らず、前記除臭用設定時間が経過するまでの間は、前記除臭運転を継続して実行し、前記除臭用設定時間が経過すると、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を開始する。
【0103】
次に、図10に基づいて、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときの前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記加湿運転の実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別しても、その判別の時点から開始遅延用設定時間が経過するまでは、加湿運転を継続して実行し、その開始遅延用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その後、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別しても、その除臭運転を継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後、終了遅延用設定時間が経過すると、前記加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、前記除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、前記顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように前記顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記加湿運転を再び実行する。
【0104】
運転制御部11は、前記全熱交換運転の実行中に、前記人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別しても、その判別の時点から開始遅延用設定時間が経過するまでは、全熱交換運転を継続して実行し、その開始遅延用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換え、及び、調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように前記調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記全熱交換運転を停止して、前記除臭運転を実行し、その後、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別しても、その除臭運転を継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオフになって臭い戻り抑制必要状態が終了
したと判別した後、終了遅延用設定時間が経過すると、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、調湿体6を全熱交換用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了して、前記全熱交換運転を再び実行する。
【0105】
この参考形態の空調装置では、前記加湿運転又は前記全熱交換運転の実行中に、臭い戻り抑制必要状態になったと判別されると、開始遅延用設定時間が経過した後に、臭い戻り抑制運転が実行されるので、空調対象室に臭いが戻るのを抑制しながら、臭い戻り抑制運転の実行時間を短くすることが可能となって、空調対象空間の空調が停止される時間を短くすることが可能となり、又、臭い戻り抑制運転を実行するための消費エネルギを低減することが可能となる。
【0106】
又、臭い戻り抑制運転が、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した時点から終了遅延用の設定時間が経過するまで実行されるので、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別した後も、空調対象室に臭い成分が残留していて、その残留臭い成分を含んだ排出用空気が空調装置に供給されても、臭い成分が調湿体6に付着したり、調湿体6に吸収されている水分に溶解するのが抑制される。
従って、加湿運転又は全熱交換運転の実行中にトイレが使用されても、その使用開始後から、使用終了後、臭い成分が含まれた排出用空気が空調装置に供給されなくなるまで、臭い戻り抑制運転を実行させるようにすることができるので、空調対象空間への臭い戻りをより一層抑制することができる。
【0107】
〔第5参考形態〕
この参考形態の空調装置は、図11に示すように、上記の第1参考形態の構成に加えて、前記排気風路4における前記調湿体6よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除湿用加熱器23と、一部を前記給気風路2における前記調湿体6よりも通風方向下手側に位置させ且つ他の一部を前記排気風路4における前記除湿用加熱器23よりも通風方向上手側に位置させるように配置される顕熱交換体24及びその顕熱交換体24における前記給気風路2に位置させる部分及び前記排気風路4に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記顕熱交換体24を駆動回転する顕熱交換用電動モータ25を備えた除湿用顕熱交換部Sdとを備えて構成してある。
尚、以下の説明では、第1参考形態において備えてある顕熱交換部Sを加湿用顕熱交換部Sと記載して、前記除湿用顕熱交換部Sdと区別する。
【0108】
前記除湿用顕熱交換部Sdにおける顕熱交換体24の支持構造及び回転駆動構造は、上記の第1参考形態にて説明した前記調湿部Lにおける調湿体6の支持構造及び回転駆動構造と同様であるので、説明を省略する。
【0109】
前記除湿用加熱器23を、前記除湿用加熱器20に兼用するように構成して、空調装置の低廉化及び小型化を図っている。
【0110】
そして、この参考形態の空調装置は、運転として、上記の第1参考形態における加湿運転、全熱交換運転、顕熱交換運転、通常換気運転、暖房運転、除臭運転及び臭い戻り抑制運転に加えて、前記調湿部Lにて供給用空気を除湿して空調対象室に供給する除湿運転を備えるように構成して、加湿除湿兼用型に構成してある。
【0111】
以下、前記各運転における前記運転制御部11の制御動作について、説明を加える。
運転制御部11は、前記除湿運転では、給気送風機3と排気送風機5とを作動させ、加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、除湿用加熱器23を加熱作用状態にし、調湿体6を調
湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、加湿用顕熱交換部Sの顕熱交換用電動モータ10を停止させ、及び、除湿用顕熱交換部Sdの顕熱交換体24を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ25を作動させるように構成してある。
【0112】
運転制御部11は、前記加湿運転、前記全熱交換運転、前記顕熱交換運転、前記通常換気運転、前記暖房運転、前記除臭運転及び前記臭い戻り抑制運転夫々においては、給気送風機3、排気送風機5、加湿用加熱器8、除湿用加熱器23にて兼用する除臭用加熱器20を、及び、調湿用電動モータ7の夫々を、上記の第1参考形態と同様に作動させるように構成してある。
又、運転制御部11は、前記全熱交換運転及び前記顕熱交換運転夫々においては、除湿用顕熱交換部Sdの顕熱交換体24を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ25を作動させ、並びに、前記加湿運転、前記通常換気運転、前記暖房運転、前記除臭運転及び前記臭い戻り抑制運転夫々においては、除湿用顕熱交換部Sdの顕熱交換用電動モータ25を停止させるように構成してある。
【0113】
次に、図4に基づいて、前記調湿用設定速度の設定の仕方について説明する。
図4中の一点鎖線は、前記除湿用加熱器23を加熱作用状態にし且つ前記給気風路2及び前記排気風路4の夫々に通風させる状態で、調湿体6の回転速度を変更させて、各回転速度での調湿体6の除湿性能(除湿量)を、回転速度が1.3回/分のときを100%として比較したものである。
調湿体6の回転速度が0.7〜1.3回/分のときに、調湿部Lの除湿性能が高くなるので、前記調湿用設定速度を例えば1.3回/分に設定してある。
【0114】
次に、前記除湿運転による作用について、説明を加える。
この除湿運転では、図11を参照すると、排出用空気入口1eiから排気風路4に吸い込まれた排出用空気EAは、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体24、加熱作用状態の除湿用の加熱器23、前記調湿用設定速度にて回転する調湿体6、回転停止中の顕熱交換体9を順次通過して通流して、排出用空気出口1eoから排気ダクトを通じて屋外に排出され、一方、供給用空気入口1siから前記給気風路2に吸い込まれた供給用空気SAは、回転停止中の顕熱交換体9、加熱停止状態の加湿用加熱器8、前記調湿用設定速度にて回転する調湿体6、顕熱交換用設定速度にて回転する顕熱交換体24を順次通過して通流して、供給用空気出口1soから給気ダクトを通じて空調対象室に供給される。
【0115】
そして、排出用空気EAは、顕熱交換体24を通過するときに、その顕熱交換体24が供給用空気SAから得た熱を吸熱することにより加熱され、更に、除湿用加熱器23を通過することで加熱され、そのように加熱された排出用空気EAが調湿体6を通過するときに調湿体6から放湿されて加湿され、一方、供給用空気SAは、調湿体6を通過するときに、その供給用空気SA中の水蒸気が調湿体6に吸収されて除湿されると共に凝縮熱により加熱され、そのように除湿並びに加熱された供給用空気SAが顕熱交換体24を通過するときに、その保有熱が顕熱交換体24に与えられて冷却され、そのように除湿並びに冷却された供給用空気SAが空調対象室に供給されるので、空調対象室を除湿することができる。
【0116】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(1) 上記の実施形態では、空調運転の開始指令に基づいて、除臭運転を実行した後に空調運転を実行する構成、及び、空調運転の実行中に、前記臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると空調運転を停止して臭い戻り抑制運転を実行する構成の両方を備えるように、空調装置を構成する場合について例示したが、いずれか一方の構成を備えるように空
調装置を構成しても良い。
【0117】
(2) なお、本発明の権利範囲には含まれないが、参考形態として、加湿運転の実行中に実行する臭い戻り抑制運転としては、上記の各形態において例示した運転形態以外に種々の運転形態が可能である。
例えば、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8と前記除臭用加熱器20とを加熱停止状態にし、前記調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる給気加熱停止運転を臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、次に、前記給気送風機3と前記排気送風機5とを作動させ、前記加湿用加熱器8を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱器20を加熱作用状態にし、前記調湿体6を調湿用設定速度で駆動回転するように調湿用電動モータ7を作動させ、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させる除臭運転を実行する給気加熱停止式臭い戻り抑制運転でも良い。
【0118】
この給気加熱停止運転では、排出用空気が加熱されることなく調湿体6を通過するので、臭い成分が溶解している可能性がある水分が調湿体6に吸収されるものの、供給用空気が加熱されることなく調湿体6を通過するので、調湿体6に吸収されている水分が供給用空気に放出されるのが抑制されることになり、空調対象室に臭いが戻るのを抑制することができる。
【0119】
次に、図12に基づいて、前記給気加熱停止式臭い戻り抑制運転を実行する場合の前記
運転制御部11の制御動作を説明する。
運転制御部11は、前記加湿運転を実行中に、人存否検出センサ19からの信号がオフからオンに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、加湿用加熱器8を加熱停止状態に切り換え、及び、前記顕熱交換用電動モータ10を停止させることにより、前記加湿運転を停止して、前記給気加熱停止運転を実行し、その給気加熱停止運転を人存否検出センサ19からの信号がオンの間継続する。
続いて、人存否検出センサ19からの信号がオンからオフに変化することに基づいて、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別すると、除臭用加熱器20を加熱作用状態に切り換えて、前記除臭運転を実行し、その除臭運転を除臭用設定時間が経過するまで継続し、その除臭用設定時間が経過すると、加湿用加熱器8を加熱作用状態に切り換え、除臭用加熱器20を加熱停止状態に切り換え、及び、顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度で駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させることにより、前記除臭運転を終了し、即ち、前記給気加熱停止式臭い戻り抑制運転を停止して、前記加湿運転を再び実行する。
【0120】
(3) 前記除臭運転及び前記給気停止状態除臭運転夫々において、前記調湿体6を駆動回転する回転速度は、上記の参考形態において例示した調湿用設定速度に限定されるものではなく、前記全熱交換用設定速度でも良い。又、調湿用設定速度よりも遅く設定しても良い。ちなみに、調湿体6からの臭い成分が溶解した水分の放出除去をより効果的に行うには、調湿体6の回転速度を遅くするのが好ましい。
【0121】
(4) 前記除臭運転及び前記調湿体停止状態除臭運転夫々において、排気送風機5の回転速度を前記通常換気運転や加湿運転における通常の排気送風機5の回転速度よりも速くして、排出用空気の通風量を多くすると、調湿体6からの臭い成分が溶解した水分の放出除去をより効果的に行うことができるので好ましい。
【0122】
(5) 上記の各形態においては、前記除臭運転、前記給気停止状態除臭運転及び前記調湿体停止状態除臭運転夫々において、顕熱交換用電動モータ10を停止させたが、その顕熱交換体9を顕熱交換用設定速度にて駆動回転するように顕熱交換用電動モータ10を作動させても良い。
【0123】
(6) 空調対象空間において、臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別する対象の空間としては、上記の実施形態において例示したトイレに限定されるものではなく、浴室等、臭いが発生する可能性のある種々の空間を対象とすることができる。
そして、複数の異なる空間を対象にして臭い戻り抑制必要状態になったと判別する場合、臭い戻り抑制必要状態になったと判別したときに実行する前記臭い戻り抑制運転は、その臭い戻り抑制必要状態になった空間に適合した条件で行うように構成しても良い。
例えば、浴室が臭い戻り抑制必要状態になったときは、トイレが臭い戻り抑制必要状態になったときよりも排出用空気の温度が高いと考えられるので、前記除臭運転、前記給気停止状態除臭運転及び前記調湿体停止状態除臭運転夫々において、除臭用加熱器20の加熱量を少なくする。
又、トイレが臭い戻り抑制必要状態になったときは、浴室が臭い戻り抑制必要状態になったときよりも臭い成分が多く含まれていると考えられるので、排気用送風機5の回転速度を速くして排出用空気の通風量を多くする。
【0124】
(7) 上記の第1、第2実施形態、及び第1ないし第4の参考形態の各形態において、臭い戻り抑制必要状態になったと判別した時点から開始遅延用設定時間経過後に、各形態に対応する臭い戻り抑制運転を実行するように構成しても良い。
【0125】
(8) 臭い戻り抑制必要状態になったか否かを判別するための情報を得るセンサとしては、上記の形態において例示した人存否検出センサ19に限定されるものではなく、トイレや浴室の照明用のスイッチ、トイレの着座センサでも良い。又、臭いそのものを検出するセンサでも良い。
【0126】
(9) 顕熱交換部Sを構成するに、上記の各形態においては、顕熱交換体9を顕熱交換用電動モータ10にて駆動回転する駆動回転型に構成する場合について例示したが、給気風路2を通流する供給用空気と排気風路4を通流する排出用空気とを顕熱交換させるように顕熱交換体を静止状に設けた静止型に構成しても良い。
又、この顕熱交換部Sを省略することが可能である。
(10) 前記加熱用加熱器8、前記除臭用加熱器20及び前記除湿用加熱器23としては、熱媒循環式に限定されるものではなく、例えば、電気ヒータでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0127】
空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0128】
2 給気風路
3 給気送風手段
4 排気風路
5 排気送風手段
6 調湿体
7 調湿用駆動手段
8 加湿用加熱手段
11 運転制御手段
20 除臭用加熱手段
L 調湿部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置であって、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、及び前記調湿用駆動手段を停止させて前記調湿体の駆動回転を停止した、調湿体停止状態除臭運転を実行する空調装置。
【請求項2】
空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置であって、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段と前記除臭用加熱手段とを加熱停止状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させる調湿体停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、
次に、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させて、前記調湿体に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する調湿体停止状態除臭運転を実行する空調装置。
【請求項1】
空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置であって、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、及び前記調湿用駆動手段を停止させて前記調湿体の駆動回転を停止した、調湿体停止状態除臭運転を実行する空調装置。
【請求項2】
空調対象空間に供給する供給用空気の給気風路に通風作用する給気送風手段と、
空調対象空間外に排出する排出用空気の排気風路に通風作用する排気送風手段と、
一部を前記給気風路に位置させ且つ他の一部を前記排気風路に位置させるように配置される調湿体、及び、その調湿体における前記給気風路に位置させる部分及び前記排気風路に位置させる部分を回転に伴って変更させるように前記調湿体を駆動回転する調湿用駆動手段を備えた調湿手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた空調装置であって、
前記排気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて、通流する空気に対して加熱作用する除臭用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段は、
前記給気送風手段と前記排気送風手段とを作動させ、前記給気風路における前記調湿体よりも通風方向上手側箇所にて通流する空気に対して加熱作用する加湿用加熱手段を加熱作用状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱停止状態にし及び前記調湿体を駆動回転するように前記調湿用駆動手段を作動させて、前記調湿手段にて供給用空気を加湿して空調対象空間に供給する空調運転、及び、
給気風路と排気風路とが通風状態で、且つ前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させた状態で、前記排気風路を通流する空気に含まれている臭い成分が前記調湿手段にて前記給気風路を通流する空気に放出される臭い戻りを抑制する臭い戻り抑制運転を実行できるように構成され、且つ、
前記空調運転の実行中に、空調対象空間内にて臭いが発生する又は臭いが発生する虞のある臭い戻り抑制必要状態になったと判別すると、前記空調運転を停止して、前記臭い戻り抑制運転を実行するように構成され、
前記臭い戻り抑制運転として、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段と前記除臭用加熱手段とを加熱停止状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させる調湿体停止運転を、臭い戻り抑制必要状態が終了したと判別するまで実行し、
次に、前記給気送風手段と前記排気送風手段との両方を作動させ、前記加湿用加熱手段を加熱停止状態にし、前記除臭用加熱手段を加熱作用状態にし、及び、前記調湿用駆動手段を停止させて、前記調湿体に吸収されている水分を排出用空気に放出させて除去する調湿体停止状態除臭運転を実行する空調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−153820(P2011−153820A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99831(P2011−99831)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2005−346452(P2005−346452)の分割
【原出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2005−346452(P2005−346452)の分割
【原出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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