説明

空間相関したマルチディスプレイヒューマンマシンインターフェース

【課題】同一または類似の仮想位置から見た異なる視界の画像を2つのディスプレイ間の空間相関を提供し空間への没入性を高めるインターフェースを提供する。
【解決手段】複数の窓または覗き窓は、ハンドヘルドまたは他のディスプレイ装置を用いて提供される。可動窓の多次元空間特性の向きが決定され画像を生成するために用いられる。可動窓は仮想空間への一人称の観点からの覗き窓を提示することができる。この覗き窓からのビューは、多次元空間内での静止窓に対する可動窓の空間特性の向きに基づいて変化する。ディスプレイは、仮想空間の画像を提示することができ、追加の可動型ディスプレイは同一の仮想空間の追加の画像を提示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願の優先権主張の基礎となる出願は、2011年2月2日出願の米国特許出願13/019924および2011年2月2日出願の米国特許出願13/019928の一部継続出願である。上記米国特許出願は共に米国特許法第119条により、以下の日本国特許出願に基づく優先権を主張している:特願2010−022022および2010−022023(2010年2月3日出願)、特願2010−177893(2010年8月6日出願)、特願2010−185315(2010年8月20日出願)、特願2010−192220および2010−192221(2010年8月30日出願)、ならびに特願2010−245298および2010−245299(2010年11月1日出願)。上記米国特許出願および日本国特許出願のすべてを参考のためここに援用する。
【0002】
(分野)
本技術は、ヒューマンマシンインターフェースに関し、特に複数の表示面を有する双方向グラフィカルコンピュータインターフェースに関する。本技術はさらに、複数の空間相関したディスプレイ(例えばハンドヘルドなど)を提供することにより仮想空間を介したユーザの体験を高める、没入型で直覚的な双方向マルチディスプレイヒューマンマシンインターフェースに関する。
【0003】
(背景技術および概要)
われわれ人間は3次元空間に存在しており、われわれを取り巻く3D世界内のどこにいるかを知っている。あなたの左、右、上、下を見られたい。今、あなたは室内の3D環境内におけるご自分の位置を判定した。
【0004】
コンピュータグラフィクスが双方向になって以来、人々は、現実世界を見回すことによって得られるものと同種の没入型空間体験を提供するヒューマンマシンインターフェースを創り出そうとしてきた。一例として、ユーザが周りを見回していわゆるCAVE仮想環境と対話できるようにする慣性感知型のヘッドマウントディスプレイを提供するシステムが公知である。例えば、『Buxton等、HMD’s, Caves & Chameleon: A Human−Centric Analysis of Interaction in Virtual Space, Computer Graphics:The SIGGRAPH Quarterly,(「HMD、洞窟とカメレオン:仮想空間の双方向性に対する人間中心の分析」、コンピュータグラフィックス:SIGGRAPHクウォータリー)32(4)、64〜68頁(1998)』を参照のこと。しかし、ヘッドマウントディスプレイのなかには、ユーザの視野を制限し得るか、または人が現実世界と対話する能力を損ない得るタイプがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日多くの家庭に普及しているフラットスクリーンテレビおよび他の同種のディスプレイを用いて仮想世界を表示することができる。これらは、高解像度または高精細度を有する適度に没入型の環境を低価格で提供し、ほとんどの消費者は既にこのようなディスプレイを所有している。これらのディスプレイのなかには「3D」(例えば特別な眼鏡を使用することによる)で、画像に奥行き感を与えるものさえある。テレビまたは他の同種のディスプレイを見ている、またはこれと対話している人は典型的には、少なくとも概してディスプレイの方を向いており、ディスプレイが提示する仮想環境を見てそれと対話し得る。室内にいる他の人々もディスプレイを見ることができ、それと対話し得る。これらのディスプレイは没入型コンテンツを表示するには優れているが、ステレオやシアターサウンドとは異なり、概してユーザを取り巻いたり取り囲んだりすることはない。取り巻きプロジェクション型または他のディスプレイも公知である(例えば、『Blanke等、「Active Visualization in a Multidisplay Immersive Environment」、Eighth Eurographics Workshop on Virtual Environments(「マルチディスプレイ没入型環境におけるアクティブ視覚化」第8回バーチャル環境に関するユーログラフィックスワークショップ)(2002)』参照)が、家庭用には高価すぎるかもしれない。さらなる革新が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の技術の、限定しない(非限定的)いくつかの実施形態は、仮想空間への可動(例えば把持可能)窓または覗き窓(porthole)の表示面を提供する。別のディスプレイ(例えば静止型ディスプレイ)に対する可動型ディスプレイ面の多次元空間特性である向きを決定し、これを用いて、複数のディスプレイの少なくともいくつかの空間特性の向きが相関されている間に画像を生成する。非限定的な一実施形態では、可動型ディスプレイは、仮想空間への一人称視点での「覗き窓」を提示することができる。この覗き窓からのビューは、多次元空間内において、ユーザに位置関係の空間的基準を提供する静止型ディスプレイに対する可動型ディスプレイの空間特性の向きに基づいて変化する。
【0007】
非限定的な一局面では、ヒューマンマシンインターフェースは、複数の可視提示面を含み、これらのうち少なくともいくつかは可動である。例えば、あるディスプレイは仮想空間の画像を提示し、別の可動型ディスプレイは、同一の仮想空間の画像であるが、上記画像とは異なる可能性のある視点、視界、視野、縮尺、画像の向き、オーグメンテーション、および/または、他の画像特性または向きから見た追加の画像を提示するようにできる。
【0008】
非限定的な可動型ディスプレイは、他のディスプレイに対するそれ自体の姿勢に応じて、仮想空間の追加の画像および/または他のユーザインターフェース情報(例えば、該他のディスプレイが提示する画像に関連する、またはその画像に対して補足的なテキスト、画像または動画)を選択的に表示することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、可動型ディスプレイはある環境ではポインティングデバイスとして作用可能である。可動型ディスプレイが他のディスプレイの方を向いている/指し示しているときには、可動型ディスプレイの姿勢は該他のディスプレイ上のポインティング記号の位置を制御する、またはそれに影響を与えることができる。他のディスプレイとは異なる方を向いている/指し示しているときには、可動型ディスプレイは、該別のディスプレイ上に表示された仮想空間の更なる画像であって、可動型ディスプレイの姿勢に依存する異なる視線方向から見た画像を表示することができる。
【0010】
技術を用いて、物理世界にあるディスプレイのうち少なくとも1つの空間特性の向きを決定することができ、決定された空間特性の向きを用いて、適切な視点、視界、および/または、視線方向から見た画像、および/または、他の特性を有する画像をディスプレイ上に提示することができる。非限定的な一実施形態では、静止型または他のディスプレイに対する可動型ディスプレイの上記決定された空間特性を用いて、上記複数のディスプレイが提示する画像間の相対的空間特性を提供することができる。
【0011】
非限定的な一実施形態では、没入型空間ヒューマンマシンインターフェースであって、自由空間内で可動な少なくとも1つのハンドヘルドディスプレイと、可動型ハンドヘルドディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの方位を決定するように構成された装置と、少なくとも1つの追加ディスプレイと、ハンドヘルドディスプレイと追加ディスプレイとに対して作用可能に接続された少なくとも1つのグラフィカル画像生成部であって、ハンドヘルドディスプレイと追加ディスプレイとの各々に表示させる仮想空間の画像を生成する少なくとも1つのグラフィカル画像生成部とを含み、少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、ハンドヘルドディスプレイおよび追加ディスプレイに表示させる、同一または類似の仮想位置、視点、地域、有利な地点、地域、近傍、領域などから見た異なる視界(ビュー)の画像を、決定された姿勢の方位に少なくとも部分的に応じて生成して2つのディスプレイ間の空間相関を提供し、それによって前記ヒューマンマシンインターフェースにおける空間への没入性を高める、インターフェースが提供される。
【0012】
このような非限定的実施例のインターフェースではさらに、2つの画像が実際上類似であれば、ハンドヘルドディスプレイによって提示された画像に代えて別の画像および/または関連情報が表示されてもよい。本明細書において「実際上類似」と表現する場合、2つのディスプレイを見ているユーザから見て類似、同一、またはほぼ同一であることを含み得る、または意味し得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、追加ディスプレイは、相対的に大型の静止型ディスプレイを含み、少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、決定された姿勢の向きに基づいて静止型ディスプレイ用に生成した画像に関して、境界部、周囲または周縁の場合に周りを見回す視界をシフトする可能性はあるがそれ以外は、レンダリングの視界(視点)を実際上変更しない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
これらおよび他の特徴および利点は、非限定的実施形態の以下の詳細な説明を図面を参照しながら読むことにより、より完全に理解される。
【図1】可動型ディスプレイ装置と静止型ディスプレイ装置とを含むシステムの非限定的実施例を示す図である。
【図1A】6自由度でオブジェクト(この場合は飛行機)を動かす例を示す図である。
【図2A】実施例の可動型ディスプレイ装置が垂直方向に並行移動するときに可動型ディスプレイ上に提示される画像の例を示す図である。
【図2B】実施例の可動型ディスプレイ装置が垂直方向に並行移動するときに可動型ディスプレイ上に提示される画像の例を示す図である。
【図3A】可動型ディスプレイ装置が垂直方向に並行移動するときに可動型ディスプレイ装置および静止型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図3B】可動型ディスプレイ装置が垂直方向に並行移動するときに可動型ディスプレイ装置および静止型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図4A】可動型ディスプレイ装置がロール軸回りに回転するときに可動型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図4B】可動型ディスプレイ装置がロール軸回りに回転するときに可動型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図5A】可動型ディスプレイ装置がロール軸回りに回転するときに可動型ディスプレイ装置および静止型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図5B】可動型ディスプレイ装置がロール軸回りに回転するときに可動型ディスプレイ装置および静止型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図6】可動型ディスプレイ装置がロール軸に直交するヨー軸回りに回転するときに可動型ディスプレイ装置および静止型ディスプレイ装置上に提示される画像の例を示す図である。
【図6A】静止型ディスプレイ装置に対する可動型ディスプレイ装置の姿勢の様々な例であって、範囲内、範囲外および遷移領域の相対的姿勢を含む姿勢の様々な例を示す図である。
【図6B】範囲内の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6C】範囲内の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6D】範囲内の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6E】範囲外の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6F】範囲外の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6G】範囲外の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6H】範囲外の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図である。
【図6I】遷移領域の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図。
【図6J】遷移領域の場合のアプリケーションおよび使用法の非限定的実施例を示す図。
【図7】可動型ディスプレイ装置のアプリケーションの非限定的実施例を示す図である。
【図8A】人が両手で可動型ディスプレイ装置を保持する様子を示す図である。
【図8B】人が一方の手で可動型ディスプレイ装置を保持し、他方の手の人差し指をタッチスクリーンに向ける様子を示す図である。
【図8C】可動型ディスプレイ装置が面上にある状態を示す図である。
【図8D】複数の可動型ディスプレイ装置を共通の静止型ディスプレイと共に用いる様子を示す図である。
【図8E】可動型ディスプレイ装置を面上に載置または保持し、スタイラスをタッチスクリーン上に表示された画像に向けて、この画像を操作する様子を示す図である。
【図9A】可動型ディスプレイ装置を一例としてのガンタイプの付属デバイスに取り付けた例を示す図である。
【図9B】可動型ディスプレイ装置を一例としてのガンタイプの付属デバイスに取り付けた例を示す図である。
【図10A】可動型ディスプレイ装置の非限定的実施例をさらに詳細に示す図である。
【図10B】可動型ディスプレイ装置の非限定的実施例をさらに詳細に示す図である。
【図10C】可動型ディスプレイ装置の非限定的実施例をさらに詳細に示す図である。
【図10D】可動型ディスプレイ装置の非限定的実施例をさらに詳細に示す図である。
【図11】可動型ディスプレイ装置の非限定的実施例を示すブロック図である。
【図12】処理の非限定的実施例を示すフローチャートである。
【図12A】静止型ディスプレイの視体積および変換ならびに可動型ディスプレイの現在の姿勢に応じた可動型ディスプレイの視体積および変換の非限定的実施例を示す図である。
【図12B】処理の更なる非限定的実施例を示すフローチャートである。
【図13A】ユーザが体験する仮想駆動シミュレーションの非限定的実施例を示す図である。
【図13B】ユーザが体験する仮想駆動シミュレーションの非限定的実施例を示す図である。
【図14A】ユーザが体験する仮想一人称視点の非限定的例を示す図である。
【図14B】ユーザが体験する仮想一人称視点の非限定的例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、空間没入型双方向マルチディスプレイヒューマンマシンインターフェースを提供するシステムSの非限定的実施例を示す。非限定的実施例におけるシステムSは、2つのディスプレイ装置SD、MDを含む。一方は可動(例えば把持可能)型であり、他方は静止型である。実施形態における可動型ディスプレイMDは、使用中に自由空間内で物理的に動かすことが可能であり、静止型ディスプレイSDは、使用中に空間内で物理的に相対的に静止している。無論、家庭用テレビなどの静止型ディスプレイSDはある場所から別の場所に移動させることはできるが、使用中は概して動かされない(あるいはあまり動かされない)。静止型ディスプレイSDの相対的に固定された位置によって、物理的に静止しているディスプレイSDと可動型ディスプレイMDとの物理的な相関関係が提供される。したがって用語「静止型」は必ずしも絶対的に動かないことを意味するわけではなく、使用中に概して動かされない(あるいはあまり動かされない)ディスプレイを含み得る。別の非限定的実施形態では、静止型ディスプレイSDも可動であるか、または部分的に可動であり得る。
【0016】
1以上のグラフィックスソースGは、コンピュータで生成された画像または他の画像を表示するようにディスプレイ装置SD、MDを制御するか、または該表示を可能にする。図示する非限定的実施例では、ディスプレイ装置SD、MDは空間的な相関関係を有し、共通の仮想世界の様子であって、例えば異なる視点または視界からの様子をそれぞれ表示する。
【0017】
ディスプレイ装置SDが静止型である場合、3D空間内でのその位置および姿勢は想定することができ、測定する必要はない。センサTは、例えばMARG(「磁気・角速度・重力」)技術を用いて、可動型ディスプレイ装置MDの、変化し得る空間特性である姿勢または他の向きを測定する。
【0018】
グラフィックスソースGは、センサTからの情報に応じて、ディスプレイ装置SD、MDの一方または両方に表示された画像を制御するように構成されている。例えばグラフィックスソースGは、センサTから情報を受け取り、受け取ったセンサ情報に基づいて上記表示された画像を制御する処理回路を含んでもよいし、上記処理回路と通信してもよい。
【0019】
非限定的本実施形態では、可動型ディスプレイ装置MDが表示した画像の視界、視点および/または視線方向は、可動型ディスプレイ装置の空間特性に応じて変化する。いくつかの例では、これらの画像の視界、視線方向および/または視点は、2つのディスプレイ装置SD、MDの見かけ上または実際の相対的な空間特性によって少なくとも部分的に決定され、2つのディスプレイの提示画像を継続的に空間相関する。したがって非限定的な一実施形態において、可動型ディスプレイMD上に提示された一連の画像は、静止型ディスプレイSD上に提示された一連の画像と空間的および時間的に相関している。
【0020】
ある特定の実施形態では、物理的ディスプレイ装置SDはそれが位置する室内で物理的に静止している。ディスプレイ装置SDは例えば、3D仮想世界(この例では素晴らしい山を含む風景)の画像を提示するために用いられる相対的に大きな固定型ディスプレイ(例えば壁掛け型またはテーブル置き型のテレビまたは他のディスプレイ)であり得る。ディスプレイ装置SDが表示する画像は静止画であってもよいし、動画であってもよい。例えばこれらの画像は、例えばユーザ入力または他の要因に応答して、視点を含む様々な方法で動的に変化する動画および/または動画化(例えば実写)画像であり得る。
【0021】
図示する非限定的実施形態では、ディスプレイ装置MDは自由空間内で可動である。可動型ディスプレイ装置MDは、移動しながら、静止型ディスプレイSD上に表示されるものと同一の仮想世界の動画を表示することができる。しかし、可動型ディスプレイ装置が表示する仮想世界の画像は、可動型ディスプレイ装置MDの空間特性の向きに基づいて変換される。例えば可動型ディスプレイMDの姿勢を用いて、異なる視点、視界、視線方向、視野、画像の向き、オーグメンテーション、縮尺および/または他の画像特性による仮想世界を可動型ディスプレイに表示することができる。
【0022】
人は、自由空間内の任意の位置に可動型ディスプレイ装置MDを移動させることができる。自由空間内の任意の位置にオブジェクトを移動させることは「6自由度(6DOF)」で移動させると表現されることがある。なぜならオブジェクトが移動できる基本的方法は概して6つあるからである(例として飛行機を示す図1Aを参照のこと)。
1)上下、
2)左右、
3)前後、
4)ピッチ回転(先端を上下させる)、
5)ヨー回転(水平飛行中のコンパス方位または向き)、および
6)ロール回転(一方または他方の翼を上げる)
【0023】
例えば人は、互いに直交する3軸、すなわち上下(垂直または「y」)、左右(水平または「x」)および前後(奥行きまたは「z」)のいずれに沿ってもディスプレイ装置MDを動かす(「並行移動」させる)ことができる。人は、互いに直交する3回転軸(ピッチ、ヨー、ロール)のうちいずれの回りにもディスプレイ装置MDを回転させることができる。人は、任意のオブジェクトと同様、これら「6自由度」のうち任意の組み合わせで同時にディスプレイ装置MDを動かし、3次元空間内で任意の方向および任意の姿勢にディスプレイ装置MDを動かすことができる。例えば人は、ディスプレイ装置MDを下方または他の任意の方向に並行移動させると同時にロール(および/または他の任意の)回転軸回りに回転させることができる。これは例えば飛行機がローリングすると同時に下降するようなものである。
【0024】
非限定的実施形態では、システムSは、可動型ディスプレイMDの空間特性の向き、例えば姿勢の向きを検出するセンサTを有する。これらのセンサTは加速度計、ジャイロセンサ、磁気計、超音波トランスデューサ、カメラなどのうち1以上を含んでもよい。これらのセンサによって、可動型ディスプレイ装置MDは、ディスプレイ装置の空間特性の現在の向きに応じた、異なる視点、視界、視線方向、または、他の特性にそれぞれ対応する、仮想世界(例えば、山)の異なる部分を表示することが可能となる。
【0025】
非限定的実施例では、人は可動型ディスプレイ装置MDを動かして、山の異なる部分を調べることができる新しい姿勢を取らせることが可能である。例えば山の麓を見るために、ディスプレイ装置MDを下方に動かす、または回転させることができる。1以上のセンサTがこの下方への動き、例えば並行移動および/または回転を検出し、グラフィックスソースGが下方への動きが検出されたことに応答して、可動型ディスプレイ装置MDに山の麓を表示させる。グラフィックスソースGは同時に、静止型ディスプレイ装置には山の同じビューを表示し続けてもよい。これによりグラフィックスソースGは、ディスプレイ装置MDが山の麓を示していることを理解するための基準またはコンテキスト(位置関係を表すもの)として、および山の別の部分を見るために更にディスプレイ装置MDを動かす、または回転させるための基準またはコンテキストとして、人が直覚的に用いることができるビューを効果的に提供する。例えば人は、山の頂上を見るために、ディスプレイ装置を上方に動かす、または回転させることができる。
【0026】
いくつかの非限定的実施例では、人はディスプレイ装置MDを動かして、3D仮想世界のうち静止型ディスプレイSDでは現在見ることができない部分を調べることができる。例えば、ディスプレイ装置MDを左右、上下、または静止型ディスプレイ装置SDから離れる方向に回転させて(例えば、可動型ディスプレイ装置MDから延びる線であって可動型ディスプレイ装置の平面に対して垂直な方向の線が静止型ディスプレイSDに交差しないような方向に)、仮想世界のうち静止型ディスプレイSDでは現在見ることができない部分(例えば、他の山、山の中の湖、谷、街、同じ山の別の側など)が見えるようにすることができる。
【0027】
このように一実施例では静止型ディスプレイSDは、3D仮想空間内でユーザを方向づける空間的基準として作用する。静止型ディスプレイSDは、可動型ディスプレイ装置MDを用いるユーザに、知覚的コンテキストまたはアンカーを提供する。人は静止型ディスプレイSDと可動型ディスプレイMDとを同時に見ることができるため、人の脳は両方の画像を考慮に入れる。2つの画像の少なくともいくつかの向きが空間的に相関すると、人の脳は2つの表示画像を補間または解釈して、同一の仮想世界への2つの窓または他のビューとすることができる。このように可動型ディスプレイMDは、静止型ディスプレイSDに表示された画像のみからは得られない3D空間効果を提供する。
【0028】
静止型ディスプレイSDに表示された画像は静止画であっても動画であってもよい。例えば、ジョイスティックを用いてバーチャルリアリティのデータベース内または空間内でキャラクタを動かすことが可能である。例えば、アナログスティックを用いて一人称プレイヤの方向を変更し、ゲーム中ずっと一人称キャラクタの歩行を制御することができる。一例はバーチャルリアリティのウォークスルーであり得る。この場合、静止型ディスプレイ(例えばテレビ)がキャラクタのビューまたは位置を動画シーンとして表示する。可動型ディスプレイMDの制御を操作(または可動型ディスプレイのハウジングの姿勢を変更)することにより、例えばシステムSが静止型ディスプレイSD上に一連の画像を生成し得る。これらの画像は次々に入れ替わって、仮想キャラクタが仮想シーンを進む様子を示す。いくつかの非限定的実施形態では、静止型ディスプレイSDに表示された変化する画像は、このように動画化されて、仮想キャラクタが3D仮想空間内を移動する間に様々な異なるオブジェクト、敵、味方および他の仮想物体を示し得る。図14Aを参照されたい。いくつかの実施形態では、ユーザは3D空間内で変化するビューを規定するために用いる仮想カメラの視点および視線方向を制御することができる。一旦仮想キャラクタが止まって可動型ディスプレイMDの姿勢が変更される(図14B参照)と、ユーザは可動型ディスプレイMD上のバーチャルリアリティのデータベースの追加のビューを見るというオプションを有し得る。例えばユーザは、可動型ディスプレイMDの姿勢を変更することによって仮想空間内で「周りを見回す」こと、または「首を伸ばす(ことによって向こうのものを見る)」ことができ、それによって仮想空間のうち静止型ディスプレイに現在表示されていないビューを表示することができる。人が可動型ディスプレイMDを用いて首を伸ばす、または周りを見回すことができると同時に、仮想キャラクタが双方向的に動く(歩く、または走る)ことが可能である。このように周りを見回すことは、おそらく仮想環境内で仮想キャラクタが一旦動きを停止した場合に最も自然に起こるが、歩くことまたは他の動きをすることと、首を伸ばすこととを同時にすることも可能である。
【0029】
このようにシステムSは高度の双方向性を提供する。人は、3D空間内の任意の位置に移動可能な追加の空間相関した視野面と対話することにより、仮想環境に没入する。自分が仮想環境内にいるかのように感じる。可動型ディスプレイMDを回転および/または並行移動させることにより(または可動型ディスプレイ装置を保持しながら自分自身が回転および/または並行移動することにより)、仮想環境内で周りを見回したり、仮想環境の新しい面を探索および発見することができる。さらには、興味または好奇心を持って周りを見回したり調べたりすることによって、仮想環境内で首を伸ばしたり熱心に周りを見回したりすることも可能である。さらに可動型ディスプレイMD上の追加のユーザ入力装置を介して仮想環境と対話することもできる。例えば非限定的な一実施形態では、可動型ディスプレイMDは、人が仮想環境の一部を直接操作(例えばタッチ)できるようにするタッチセンサTSを提供する。図8Bを参照されたい。一方、静止型ディスプレイSDはずっと人の視界内にある。そのため人が仮想環境のハンドヘルド型空間相関パッチを動かし更にこれと対話しているときに、静止型ディスプレイSDは人に基準、または、位置を確認するためのアンカーを提供し続ける。
【0030】
例えば人が仮想空間内を仮想的に歩いているとする。人は仮想世界で仮想的に歩くことができ(例えばジョイスイティックまたは可動型ディスプレイMD上のスライダー型のコントロールを制御することによる)、ユーザが仮想空間内で前に進んでいることを反映してそれに対応して変化する、静止型ディスプレイSD上の画像を見ることができる。人はいつでも立ち止まって周りを見回すことができる。このときシステムSは、ほぼ同一の位置からの2つの異なる角度を規定することができる。非限定的な一実施形態では、2つのディスプレイ(一方はSDで他方はMD)は、同一または類似の位置に基づいているが、2つの異なる視角または視界によって規定されるということが可能である。
【0031】
非限定的な一実施例では、可動型ディスプレイ装置のタッチスクリーンTSのサイズは、可動型ディスプレイ装置MDが容易に動かせて保持しても疲れないぐらい小さいが、可動型ディスプレイ装置MDが提示する3D仮想世界の空間相関パッチが人の空間感覚に有意な影響を与えるほどには大きい。可動型ディスプレイ装置MDは静止型ディスプレイSDよりもずっと人の目に近いため、人はその視野内で可動型ディスプレイ装置MDが大きいと知覚する。実際、人は静止型ディスプレイSDが一時的に見えない、または隠れた状態になるように可動型ディスプレイ装置MDを保持することができる。しかし静止型ディスプレイSDは人の環境内に存在し続け、時々は見える。静止型ディスプレイSDは、可動型ディスプレイMDに表示された空間相関した画像が静止型ディスプレイSDが表示するものと同一の仮想環境の一部であるように見せるコンテキストで、人の視覚を固定化し方向づける。概して、静止型ディスプレイSDの大型画面の方が大きいため、これを見る方が快適である。静止型ディスプレイSDおよび可動型ディスプレイMDに対して、同一、実際上同一、または類似の画像が表示されるならば、ほとんどのプレイヤは小型画面よりも大型画面に注目する。多くの非限定的場合では、ポインティングカーソルはポインティングターゲットとして静止型ディスプレイSD上に表示され得る。可動型ディスプレイMDの姿勢を変更することにより、静止型ディスプレイSDの表示領域または他の提示領域内でポインティングターゲットの位置を制御することが可能である。
【0032】
本明細書において、「実際上類似」または「実際上同一」とは、ユーザから見て同一またはほぼ同一であることを意味する。一実施形態では、処理は必ずしも画像が全く同一であることを条件にしていない。ユーザから見て視界が同一または類似であれば、または範囲内の状態であれば、処理は行われる。非限定的な一実施例では、「範囲内」の場合(例えば、可動型ディスプレイ装置MDからの線であって可動型ディスプレイ装置の平面に対して垂直な方向の線が静止型ディスプレイSD、または静止型ディスプレイSDの想定位置に交差する場合)、可動型ディスプレイは異なる情報を表示する。したがって2つのディスプレイ装置上のディスプレイがユーザの立場から見て本質的に同一である場合、ユーザは逆に、可動型ディスプレイMD上に何か異なるものを見ることがある。
【0033】
例えば、非限定的な別の実施例(図13A、図13B参照)では、静止型ディスプレイSDは、田舎道を走る車のフロントガラスから運転者が見る景色を表示し得る。図13Aの例では、可動型ディスプレイMDは「ダッシュボード情報」、例えば速度、燃料レベルおよび他の情報を表示することができる。いくつかの非限定的実施例では、可動型ディスプレイ装置MDは、静止型ディスプレイSDが表示しているもの全て(またはその一部)をぼかした又はかすませた状態で表示し得、ダッシュボード情報は、ぼかした又はかすんだ表示の上に重ねて表示される。他の実施例では、ダッシュボード情報は別の背景の上に重ねて表示されるか、または背景のない状態で表示される。静止型ディスプレイSDにこのコンテキストまたはアンカーが提示された場合、人は直覚的に可動型ディスプレイ装置MDを動かしておよび/または回転させて、助手席または後部座席の人に見える景色、または助手席側または運転席側の窓から見える田舎の景色を提供し得る。このようにユーザは、例えば仮想車両の窓から外を見たり(図13B)、車両の後ろを見たりすることができる。車が道を走行している間、人は車の中にいるかのように感じる。システムSは、この空間没入経験に追加し得る空間特性に応じて、サラウンド音響効果、触覚または他の知覚情報を生成することができる。
【0034】
多くの非限定的場合では、相対的に小型の可動型ディスプレイMDは、例えば武器あるいは他のアイテムの選択、または、ステータス情報を示す。主体が可動型ディスプレイを見続ける必要はなく、好きなときにタッチして例えばアイテムを選択したり変更したりできる。大型画面SDで何か面白いことが起これば、例えば音や声が聞こえたり、大型画面で敵が飛び上がったり飛び去ったりすれば、人は可動型ディスプレイ装置の位置を変える、またはそれを動かすことによって、上方、下方また更には後方のような「範囲外」(例えば可動型ディスプレイ装置MDからの線であって可動型ディスプレイ装置の平面に対して垂直な方向の線が、静止型ディスプレイSDまたは静止型ディスプレイSDの想定位置に交差しない状態)の位置に置くことができる。静止型ディスプレイSDのビューを取り囲む連続領域が可動型ディスプレイMDに表示され、静止型ディスプレイは同一または類似の位置に存在し続ける。静止型ディスプレイSDの大型画面は仮想世界の絶対的または相対的基準となり、人が元の場所へ引き返したり元の場所を一瞥したりすることを可能にする。
【0035】
(ディスプレイ間の空間相関の具体例)
図2A〜図7は、可動型ディスプレイMDが提供する画像と静止型ディスプレイSDが提示する画像間との相関関係の非限定的な例を示す。可動型ディスプレイがどのようにして仮想環境と双方向に作用するかをより良く説明するために、一部の図面に可動型ディスプレイMD自体を示し(静止型ディスプレイSDが存在していないか、作動していないかのように)、その後の図面に可動型ディスプレイと静止型ディスプレイとの相関関係を示す。
【0036】
図2Aおよび図2Bは、一連の多角形(ポリゴン)P1〜P5を含む単純な3D仮想世界または3D仮想空間への窓として作用する可動型ディスプレイ装置MDを示す。現実の3D世界には、ディスプレイ装置MDと人とが存在する。破線で示す多角形(P1〜P5)は仮想3D世界に存在する。人は腕と手で可動型ディスプレイ装置MDを保持している可能性があるが、図2Aおよび図2Bは簡略化しているため腕と手を省略している。
【0037】
非限定的実施形態では、ディスプレイ装置MDに表示させる画像を生成するための、仮想世界の視点、視界または視線方向、あるいは他の視野変換が、ディスプレイ装置MDの現実世界の姿勢によって決定される。例えば図2Aは、可動型ディスプレイMDが八面体P3の斜視図をその表示フレームの底部近傍に表示している様子を示す。ディスプレイ装置MDをy方向に沿って下方に移動させることにより(図2B参照)、八面体の底部がディスプレイ装置の表示フレームの上部近傍に表示されるように画像がシフトする。このように、可動型ディスプレイ装置MDの空間特性が変化すると、可動型ディスプレイ装置上にディスプレイを生成し提示するためにシステムSが用いる仮想世界への視点、視界または他の視野変換が変化する。
【0038】
図3Aおよび図3Bは同じ状況に静止型ディスプレイSDが加わった様子を示す。一実施形態では、静止型ディスプレイSDに表示させる画像を生成するために用いられる、3D仮想世界への視点、視界または視線方向、あるいは他の視野変換は変わらない。非限定的実施形態では、人は可動型ディスプレイ装置MD上の画像と静止型ディスプレイ装置SD上の画像とを同時に見ている。さらに、人が可動型ディスプレイ上の画像の向きを静止型ディスプレイ上の画像に対して変更した場合、システムSは2つの表示画像間の空間相関の少なくともいくつかの向きを維持する。したがって人は、可動型ディスプレイ装置MD上に表示された仮想世界の一部は、静止型ディスプレイSD上に表示された仮想世界の一部に対する空間特性を表していると知覚する。特に、センサTは空間特性の変化を感知し、グラフィックスソースGは、八面体のうち、この空間特性の変化に直覚的に対応する部分を表示するように可動型ディスプレイ装置MDを制御し、または該表示を可能にする。効果は著しく、高度に直覚的、没入的そして双方向性である。特に静止型ディスプレイ装置SDが相対的に大型(例えば最近の大型画面LCD、プラズマ、またはプロジェクション型ディスプレイ)であって、採用されている3Dグラフィックス生成がフォトリアリスティックに近い場合、人は静止型ディスプレイ装置SDが表示する画像を仮想現実として受け入れ、可動型ディスプレイMDが表示する画像を同一の仮想現実の可動パッチまたは一片として受け入れる。可動型ディスプレイMDが表示するパッチは、人が可動型ディスプレイをどのように動かすかにかかわらず、少なくともユーザから見た場合、システムSが該パッチと静止型ディスプレイSDが表示する画像との空間相関を維持するという意味で、多次元的である。
【0039】
静止型ディスプレイ装置SDが表示する画像はそれ自体、リアリスティックであるだけでなく双方向性であり動画化されている(例えば実写)。可動型ディスプレイMD上に表示されるパッチもまた双方向性であり動画化(例えば実写)されている。人は大型の静止型ディスプレイの提示画像にある程度没入しているように感じ得るが(そしてこの没入状態は3D効果および双方向性の提供により向上し得る)、静止型ディスプレイ装置SDの没入性は、可動型ディスプレイMD上の空間相関された画像パッチを追加することによって実質的に高まる。
【0040】
可動型ディスプレイ装置MDは人に近いため、サイズは小さく適切であるが没入性も高くなり得る。可動型ディスプレイ装置MDはさらに、ユーザ入力に応答して、動画化された双方向画像を表示してもよい。一実施形態では、人は、可動型ディスプレイ装置を動かすことにより、仮想3D世界に対する可動型ディスプレイ装置MDの視点、視界、視線方向または他の視野変換を制御することができる。可動型ディスプレイ装置MDは、仮想世界への双方向ビューを提供し、このビューは人が身体や頭部などを動かす際に変化する。この機能によって人は、仮想3D世界との高度な没入型双方向性を楽しむことができる。この効果は、同一の仮想世界内でユーザを方向づけるより大きな没入性画像を提供する静止型ディスプレイSDの偏在性によって実質的に向上する。一実施形態では、人は動画化仮想3D世界への自分だけの覗き窓を有しており、頭部着用ディスプレイまたは特別な眼鏡などの拘束的道具を着用する必要はない。
【0041】
さらにいくつかのアプリケーションではユーザは、可動型ディスプレイMDが表示するパッチと直接対話することができる。一実施例ではシステムSは、ユーザが可動型ディスプレイMDに指またはスタイラスを置くことによって仮想世界の一部に触れることをシミュレートすることができる。図8B、図8Eを参照のこと。
【0042】
例えば、可動型ディスプレイ装置MDを動かして図3Aに示す姿勢から図3Bに示す姿勢にすると、可動型ディスプレイ装置MDが表示する画像の内容が静止型ディスプレイ装置SDが表示し続ける画像に対して変化する。いずれの姿勢でも、可動型ディスプレイ装置MDは、静止型ディスプレイ装置SDが表示する仮想世界の部分であるサブセットに見えるものを表示してもよい。しかし特定のサブセットは、人が可動型ディスプレイ装置MDをどこへ動かすかに応じて変化する。いくつかの実施形態では、可動型ディスプレイ装置MDを下方に動かすと、可動型ディスプレイ装置MD上に表示させる画像を生成するために用いられる、仮想カメラの視点、視界、視角または視野変換が変化し、その結果、静止型ディスプレイSD上に表示される八面体の上部ではなく底部が可動型ディスプレイMD上に表示されるようになる。他の実施形態では、可動型ディスプレイMDは仮想空間のサブセットを選択的に表示してもよいし、これに代えて又はこれに加えて、例えば静止型ディスプレイSDに対する可動型ディスプレイの姿勢に応じて他の情報(例えば、メニュー、スコア、統計、補足テキスト、または他の補助的情報)を表示してもよい。
【0043】
さらにいくつかの非限定的実施形態では、可動型ディスプレイはこのように使用されている間、ポインティングデバイスとして作用して静止型ディスプレイSDが表示するポインティングオブジェクトの位置を特定してもよい。可動型ディスプレイMDに対して垂直な線が静止型ディスプレイSDの想定位置に交差した場合、システムSは可動型ディスプレイMDの姿勢の方位を用いてポインティングオブジェクト、例えば静止型ディスプレイSD上のカーソル、サイトまたは他のインジケータの位置を制御してもよい。
【0044】
さらなる実施例として図4Aおよび図4Bは、人がロール軸回りに可動型ディスプレイ装置MDを回転させると何が起こり得るかを示す。回転の前後で、人は仮想3D世界を見ることができるかのように、可動型ディスプレイ装置MD上に同じ向きで表示されている八面体を見る。この特定の実施例では、可動型ディスプレイ装置MDを介した人の視点が静止型ディスプレイSDが表示する仮想空間の一部と交差すると、可動型ディスプレイは仮想世界への透明窓として作用するように見える。但しいくつかの実施形態では、可動型ディスプレイ装置が表示する画像は何らかの方法でエンハンスまたはオーグメントすることができる。いくつかのアプリケーションでは、可動型ディスプレイ装置MDをピッチまたはロール方向に回転させると、可動型ディスプレイが提示する画像の3Dの視界が変化し、ユーザの目の視界では透明窓の錯覚が維持される。可動型ディスプレイMDをさらに回転させて静止型ディスプレイSDに現在表示されていない視界またはオブジェクトが窓から見えるのではないかとユーザに思わせることにより、このような追加のオブジェクトまたは視界が可動型ディスプレイの姿勢と空間的に一致した状態で見えるようにすることができる。これらのオブジェクトは静止していてもよいし、動画化されていてもよく、あるいはその組み合わせであってもよい。
【0045】
図5Aおよび図5Bは、一実施形態において、同一の八面体の向きが静止型ディスプレイSDに表示されている様子を示す。このような表示機能によって、可動型ディスプレイMDは人が仮想世界を覗き見ることができる個人の覗き窓または窓であるという錯覚が維持される。いくつかの実施形態では、可動型ディスプレイMDは、静止型ディスプレイSDの一部のビューを複製するのではなく、他の情報(例えば、テキスト、グラフィックス、命令、入力フィールドなど)を表示するために用いることができる。このことは、それ以外の場合に可動型ディスプレイ装置MDが空間特性に応じて表示する仮想世界のビューが、静止型ディスプレイSDがすでに提示しているビューと同一の広がりを有する場合はいつでも可能である。さらなる実施形態では、可動型ディスプレイMDが表示する別の情報は、可動型ディスプレイがその姿勢の少なくともいくつかの向きに基づいて提示する仮想世界のビューに重なるオーグメンテーションであってもよい。
【0046】
図6は、可動型ディスプレイ装置MDの姿勢を変えて、それが表示する画像が静止型ディスプレイ装置SDが表示する画像のサブセットでもなく該画像と同一の広がりを有するわけでもないようにする例を示す。この場合、可動型ディスプレイMDの面に垂直な線は、静止型ディスプレイSDの想定位置にも実際の位置にも交差しない。図示する例では、静止型ディスプレイ装置SDはピラミッド形状、八面体およびプリズム(P2、P3、P4)を表示するが、立方体(P1)は見えない。人と仮想立方体との間に仮想窓として配置される空間姿勢となるように可動型ディスプレイ装置MDを動かすことにより、人は可動型ディスプレイ装置上に立方体を「見る」ことができる。人は両方のディスプレイSDおよびMDを同時に見ることができるため、可動型ディスプレイ装置MDは、自分は仮想世界内に存在し仮想世界に囲まれていると人に感じさせることにより没入型3D仮想世界の空間特性を高める。可動型ディスプレイ装置MDによって人は、静止型ディスプレイ装置SDが見せていない仮想世界の面を発見する。例えば人は、可動型ディスプレイ装置MDを下方に向けて自分が立っている地面または他の仮想表面(例えば、ゴルフのフェアウェイ、砂漠の砂、船または宇宙船のデッキ、または他の仮想表面)を見えるようにすることができる。ゴルフの例として図7を参照されたい。図7は、仮想のゴルフボールと仮想のゴルフクラブヘッドを示す。あるいは人は、可動型ディスプレイMDを上方に向けて仮想の天井、空、星、月または他の仮想頭上空間を見ることができる。可能性は無限である。このような場合、所望であれば空間において延びる線(キュー)を静止型ディスプレイSD上に表示して、人が可動型ディスプレイMD上に表示された画像またはアクションと静止型ディスプレイSD上に表示された画像またはアクションとを知覚的に相関づけることを補助することができる。この例では可動型ディスプレイMDは静止型ディスプレイSDの空間を延長するものとして作用し、それによってシステムSは多次元的な空間であって空間的に干渉可能なものとなりユーザの仮想空間視野を広げる。
【0047】
静止型ディスプレイSDおよび可動型ディスプレイMDは2台以上あってもよい。図8Dは、1台の静止型ディスプレイSDと2台の可動型ディスプレイMD1、MD2とを有する実施例を示す。1人のユーザが1台の可動型ディスプレイMD1を保持し、別のユーザが追加の可動型ディスプレイMD2を保持することができる。2人のユーザは共に同じ静止型ディスプレイSDを見ることができる。このアプリケーションは、2人(またはそれ以上)のユーザが同じ仮想環境を同時に共有し対話したいと望む場合に有用である。ユーザは同じ場所にいる必要はない。例えばシステムSはネットワーク、例えばインターネットまたは他のネットワークによって分散し、各ユーザが自身の静止型ディスプレイSDと可動型ディスプレイMDとを有し、すべてのディスプレイが同じ仮想環境の一部を表示することも可能である。
他の実施形態では、静止画面がなくてもよい。最初のキャリブレーションステップで物理的空間の向きの相関が始まるN個のモバイルスクリーンを想像されたい。このキャリブレーションステップの後、N個のスクリーンは仮想データベースの物理的、空間的にコヒーレントなビューを表す。あらゆる状況で明瞭に位置を感知するよい方法がある場合、これは位置相関にも拡張可能である。いくつかの実施形態では、向きは、磁気センサを用いて向きのドリフトを補正することによって決定される。しかし完璧な位置情報を有するより良い位置センサが存在すれば、上記と同じものを提供することが可能である。
【0048】
(姿勢に基づいて可動型ディスプレイの状態を切り換えるアプリケーションの例)
いくつかの非限定的アプリケーションでは、可動型ディスプレイの、例えば静止型ディスプレイSDに対する姿勢および/またはポインティング方向に依存して複数の異なる目的または状態に可動型ディスプレイMDを用いることが望まれることがある。図6Aは可動型ディスプレイMDの姿勢と静止型ディスプレイSDの姿勢との関係のうち以下の3つの異なる一般的タイプの関係を示す。
(a)範囲内、
(b)範囲外、および
(c)遷移領域。
【0049】
図6Aは複数の範囲外の場合OR1〜OR4を示す。範囲外の場合OR1〜OR4では、可動型ディスプレイMDから出たベクトルであって可動型ディスプレイの面に対して垂直なベクトルは、静止型ディスプレイSDの理想的位置または想定位置に対応する領域内の位置を示してもいないし、それに交差してもいない。図6Aはさらに範囲内の場合IRを示す。範囲内の場合IRでは、可動型ディスプレイMDから出たベクトルは、静止型ディスプレイSDの理想的位置または想定位置に対応する領域内の位置を示すか、それに交差するか、またはその方向を向いている。図6Aはさらに範囲内の場合IRを取り囲むか、その境界線上にあるか、またはその周囲にある遷移領域TAを示す。遷移領域TAでは、可動型ディスプレイに対する垂線は、静止型ディスプレイSDの理想的位置または想定位置に対応する領域のエッジまたは周囲を示してもよいし、エッジまたは周囲に交差してもよい。
【0050】
いくつかの非限定的実施形態では、システムSは、可動型ディスプレイの姿勢またはポインティング方向が範囲内であるか範囲外であるかに応じて、可動型ディスプレイMDの使用法または状態を自動的に切り換えることができる。非限定的な一実施形態では、可動型ディスプレイMDのポインティング方向は例えば、可動型ディスプレイの面に垂直な線であって可動型ディスプレイの裏面からユーザとは逆方向に外方に延びる線によって規定されてもよい。従ってユーザが可動型ディスプレイMDを透明なガラス枠であるかのように透視することができれば、このような非限定的実施例のポインティング方向は、ユーザの視線方向に一致する。
【0051】
(範囲内)
図6Bは、範囲内の場合の実施例を示す。この実施例では、可動型ディスプレイMDに対する垂線は、静止型ディスプレイSDの理想的な姿勢および大きさに従って仮想的に決定された領域内の位置を示すか、それに交差する。この特定の実施例では、システムSは静止型ディスプレイSDの実際の姿勢および大きさを正確に知らないことがある(例えば、静止型ディスプレイが家庭用テレビを含む場合、ユーザは様々な異なるサイズおよび構造のテレビのいずれかを用い得る)。従ってシステムSは、静止型ディスプレイのサイズ、可動型ディスプレイMDと静止型ディスプレイとの間の距離、可動型ディスプレイに対する静止型ディスプレイSDの向きについてある想定を行ってもよい。このような想定が可能であるのは、ほとんどのユーザは典型的には少なくとも概して静止型ディスプレイSDの方を向いており、通常多少の差こそあれ、静止型ディスプレイの前にいるが、静止型ディスプレイに非常に近い位置にいるとか、非常に遠い位置にいるとは考えにくいからである。ユーザによる追加の入力(例えば、テレビ画面のサイズまたはタイプ)などを用いてこれらの想定を補足することもできる。
【0052】
このようないくつかの非限定的実施形態における範囲内の場合では、静止型ディスプレイSD上に表示された(図6Cに示す)ポインタ、例えばカーソルまたは他のオブジェクトの位置は、可動型ディスプレイMDの姿勢によって制御してもよい。このような非限定的実施形態では、可動型ディスプレイMDを動かして姿勢を変更すると、静止型ディスプレイSD上に表示されるポインタオブジェクトの位置が変化して(例えば、センサTからの情報に基づく)、可動型ディスプレイが自由空間ポインティングデバイスとして作用するようになる。ユーザは可動型ディスプレイMDの姿勢を変えると同時に、ディスプレイMDおよびSDの一方または両方が表示する画像の向きを制御し得る追加の入力を行ってもよい(例えば、タッチスクリーンTSに触れる、ボタンを押すなどによる)。このように一実施形態では、可動型ディスプレイMDは静止型ディスプレイの方を向いている時には、静止型ディスプレイSD用の仮想ポインタとして作用し、静止型ディスプレイの方を向いていない時には、可動型ディスプレイの姿勢の向きに応じて仮想世界の、空間相関した追加のビューを表示する。
【0053】
このような実施例では、静止型ディスプレイSDが表示するビューを規定する仮想カメラは、必ずしも可動型ディスプレイMDの姿勢に応じて移動または変化するわけではない。多くのまたはほとんどのアプリケーションでユーザは主に静止型ディスプレイSDを見る。そのため静止型ディスプレイSDが表示する仮想空間は、必ずしも可動型ディスプレイMD上に表示される必要はない。このような非限定的例では、可動型ディスプレイMDを用いて、他のタイプの情報、例えばスコア(ゲーム用)、統計、メニュー選択肢、ユーザ入力オプション、あるいはユーザに有用な様々な他の付随的またはその他の情報のいずれかを表示することができる。場合によっては、可動型ディスプレイは、このような情報を別の画像の上に重ねて表示し、可動型ディスプレイMDの姿勢に基づいた方向から見た仮想世界の表示画像をオーグメントしてもよい。そのためいくつかの実施形態では、ユーザが静止型ディスプレイSDに注目する傾向にあるときに、可動型ディスプレイMDは、より制限された(または異なる、補足的な、制御的な、冗長でない)情報を表示することができる。
【0054】
図6Dは、静止型ディスプレイSDが表示する仮想空間の鳥瞰地図または鳥瞰図を示す。図6Dの矢印は、静止型ディスプレイSDが表示する画像を仮想空間内の仮想キャラクタの一人称視点に基づいて規定する仮想カメラの方向を示す。仮想キャラクタを仮想空間内で移動させると、静止型ディスプレイが表示するビューが変化し得る。無論、他の実施形態では、可動型ディスプレイMD上に鳥瞰図または他のビューを表示して、静止型ディスプレイSDが表示する仮想空間内をユーザがより簡単にナビゲートできるようにすることも可能である。
【0055】
(範囲外)
図6Eは、範囲外の場合の非限定的実施例を示す。この実施例では、可動型ディスプレイMDに対する垂線が静止型ディスプレイSDの理想的な姿勢に従って仮想的に決定された領域内の位置を示したり、その方向を向いたり、それに交差したりしない。可動型ディスプレイMDに対する垂線が静止型ディスプレイSDの領域外の位置を示す場合、システムSは可動型ディスプレイMDを用いて仮想空間を表示してもよく、可動型ディスプレイMDに表示させる画像を生成する仮想カメラの方向は可動型ディスプレイの姿勢によって制御されてもよい。図6および図6Fを参照されたい。これらの図は、可動型ディスプレイMDがその姿勢に応じた方向から見た仮想空間を表示している様子を示す。ところで、このような非限定的場合では、静止型ディスプレイSDに表示させる画像を作成する仮想カメラの方向は、必ずしも可動型ディスプレイMDの姿勢に影響を受けるわけではない。ユーザは、可動型ディスプレイMDを動かすことによって仮想空間の右側、左上、下側および裏側を見ることができ、静止型ディスプレイSDを見ることによって仮想空間の前側を見ることができる。この非限定的アプリケーションでは、ユーザは、仮想空間の側面と前面とを同時に見ることができることにより、その可視性が広がったと感じることができる。
【0056】
いくつかの非限定的実施形態では、可動型ディスプレイMD上に表示されるポインタ、カーソルまたは他のオブジェクトが指し示す位置も制御可能であり、例えば可動型ディスプレイ装置に表示される画像の視線方向が可動型ディスプレイの姿勢を反映するように変化したときに、これらのオブジェクトが可動型ディスプレイ装置の表示画面の中央に留まるように制御することができる。図6Gを参照されたい。図6Hは、可動型ディスプレイMD用の仮想カメラの方向を示す、仮想空間の鳥瞰図の一例であり、2つの視線方向を示す。一方は静止型ディスプレイの視線方向、他方は可動型ディスプレイの視線方向である。静止型ディスプレイSD上に仮想空間の画像を表示し、同時に可動型ディスプレイMD上に異なる視線方向からの仮想空間の追加の画像を表示することにより、ユーザに奥行きと空間的没入を知覚させる。図12Aを参照されたい。
【0057】
(遷移領域)
図6Iおよび図6Jは、上記の範囲内の場合と範囲外の場合との間にある遷移領域の場合を示す。図6Iは、遷移領域TAが範囲内と範囲外(内側と外側)との間に構築可能であり、そのためユーザは何らかの処理によって視線(目の方向)を静止型ディスプレイSDから可動型ディスプレイMDに円滑に変更することができることを示す。例えば可動型ディスプレイMDの姿勢が遷移領域に対応する場合、静止型ディスプレイSD用の画像は視覚的、聴覚的および/または触覚的効果(例えば静止型ディスプレイSDが僅かにスクロールし得る)を提供してもよく、その結果ユーザは可動型ディスプレイMDの画像が範囲内状態から範囲外状態にいつ変わるか、または範囲外状態から範囲内状態にいつ変わるかを知ることができる。一実施形態では、可動型ディスプレイMDおよび静止型ディスプレイSDの相対的姿勢に応じて静止型ディスプレイSDを僅かにスクロールするまたは他の方法で動かすことにより、可動型ディスプレイMDの姿勢を回転し続けるまたは他の方法で変更し続ければ状態が変化することをユーザに警告することができる。同一のまたは異なる画像あるいは他の効果を用いて、範囲内から範囲外への変化および範囲外から範囲内への変化を示すことができる。
【0058】
このようにユーザは、可動型ディスプレイMDを静止型ディスプレイSDの大型画面の方に向けている場合、常に大型画面を見てターゲットを制御する傾向がある。ユーザが画面の縁領域近傍をターゲットにする場合、遷移モードが存在してもよい。大型画面は僅かにまたは少しだけガン方向にシフトする。しかし大型画面が少しだけ移動した後、可動型ディスプレイMDの小型画面が突然、静止型ディスプレイSD外の仮想空間の一部を表示し始める。これはドラマチックな効果となり得る。遷移時、僅かに周りを見回して、静止型ディスプレイSDが表示する画像を移動させることが可能である。このように境界または周囲における周りを見回すような画像のシフト(例えば可動型ディスプレイの姿勢の向きに応じて制御されたカーソルまたは他のポインタオブジェクトの存在に基づいて)は、可動型ディスプレイMDが動いた方向に、その動きに応じて行うことができ、これにより例えばユーザに、可動型ディスプレイの状態が周りを見回す表示モードから補助的情報表示モードに、またはその逆に切り換わろうとしていることを警告する。
【0059】
(より詳細な非限定的実施例)
図8Aに示すように、ディスプレイ装置MDは人が容易に保持し動かせるように構成および構築されている。例えばディスプレイ装置MDは相対的に小型で、持ち運び可能で、かつ、軽量であり、人の手で保持、把持、支持、操作および移動することができる。図8Aに示す特定の実施例ではディスプレイ装置MDは、人の左手と右手で同時に保持するように構築および構成されている。人が両手で可動型ディスプレイ装置MDを保持し支持した場合、左手の親指でいくつかの手動入力コントロール(例えば左手スライドパッド50および/またはDパッドスイッチ52)を操作でき、同時に右手の親指で他の手動入力コントロール(例えば、右手スライドパッド54および/またはボタン配列56)を操作できる。人差し指で操作可能な更なるコントロール58a、58bがあり、裏面には例えばディスプレイ装置MDを保持しながら中指で操作可能なトリガ60などの更なるコントロールがある(図10B、図10D参照)。可動型ディスプレイMDの詳細な電気機械的構成および動作の更なる詳細(図10A〜図10Dも参照のこと。これらの図面は人間工学に基づくハンドヘルド設計の非限定的実施例を示す)は、2011年2月2日出願の米国特許出願13/0199924および米国特許出願13/0199928に記載されている。これらの全体を参考のためここに援用する。図10A〜図10Cでは、可動またはハンドヘルド装置MDのハウジング200は、平坦な前面202と実質的に平坦でない裏面204とを含む。図10B、図10Cに示すように、平坦でない裏面204は、長手方向リッジ208まで傾斜する傾斜湾曲部206を含む。リッジ208の反対側の窪み210には、スタンドの脚(図8C参照)または他の周辺装置などの付属部品を受け入れる様々な収容部212が設けられてもよい。傾斜湾曲部206上に設けられた指で押圧可能なボタン60a、60b(図10D参照)は湾曲して傾斜湾曲部の輪郭に一致する輪郭を有する一方で、外方に延びてユーザの中指を快適に載せられるパッドとなっている。これによりユーザは、中指でボタン60を操作しながら人差し指でボタン58を引くことができる。他の装置、センサ、コネクタ、収容部および他の構造物(その一部は可動型ディスプレイMDを他の装置と連結させるのに有用であり得る)を周面212、214に設けてもよい。本実施形態はこの形態に限られず、可動型ハンドヘルドディスプレイ装置MDは他の形態(例えば、タブレットコンピュータ、iPAD、スマートフォン、電子書籍、PDAなど)であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ装置MDは人が着用することができ、例えば身体の一部、例えば、手首、前腕、上腕、脚、足首、ウエスト、頭部、あるいは身体または衣服の他の部分に取り付けることができる。他の実施形態では、可動型ハンドヘルド可能ディスプレイ装置MDは、可動または固定の無生物構造物(例えば図7、図8C参照)に固定的または他の方法で搭載することができる。例えばいくつかの構成では、図8Cに示すように、ディスプレイ装置MDは非可動構造物に一時的に固定または搭載することができる(例えば、別の構造物、例えばテーブルの上面、床、フレームなどに対するディスプレイ装置MDの姿勢を、ディスプレイ装置MDが容易に見えるような姿勢に維持する一体型の引き出し式または他の形態のスタンドを用いることによる)。他の構成では、ディスプレイ装置MDの姿勢は別の構造物に対して一時的に固定されてもよいが、好きなときに人が向きを変えたり、取り上げて動かしたりできる。
【0061】
上記のように、非限定的ディスプレイ装置MDは、スタイラス(図8E参照)または指(図8B参照)で触れることによって制御可能なタッチスクリーンTSを有する。タッチスクリーンを用いて、手書き、ジェスチャー入力などを含む様々な入力を提供することができる。
【0062】
センサTはディスプレイ装置MDの姿勢を決定する。センサTはディスプレイ装置MD内に収容してもよいし、ディスプレイ装置MD外に配置してもよい。あるいは一部のセンサをディスプレイ装置MD内に収容し、他のセンサをディスプレイ装置MD外に配置してもよい。センサTの構成の非限定的例の更なる詳細は、全体を参考のためここに援用する2011年2月2日出願の米国特許出願13/0199924および米国特許出願13/0199928に記載されている。特別な解決法またはアプリケーションは2D用の「MARG」のうちG(重力)のみ、M(磁気)のみ、またはMG(磁気+ジャイロ)のみ、より少ないまたは低減した動きのアプリケーション、特別なゲームのアプリケーション、または他のアプリケーションを用いてもよい。
【0063】
特定の一実施形態では、センサTはディスプレイ装置MDと、可動型ディスプレイMDを固定的に取付可能な可動付属デバイスとの間に広がる「MARG」センサ列を含んでもよい(図9A、9B参照)。例えばMARGの磁気計は付属デバイス内に配置することができ、MARGの加速度計およびジャイロセンサは可動型ハンドヘルドディスプレイ装置MDのハウジング内に配置することができる。可動型ディスプレイ装置MDと付属デバイスとは連結されており、その電気接続は、付属デバイス内の磁気計が可動型ハンドヘルド可能ディスプレイ装置MDからのパワーを受け取り、かつ可動型ディスプレイ装置が磁気計からのデータを受け取るようにすることができる。他の方法も可能である。
【0064】
別の実施形態では、図1に示すセンサTは任意の所望のセンサ、例えば、機械、音声、超音波、カメラ、光学、赤外線、磁気、電磁(例えば高周波またはマイクロ波)、慣性、ジャイロスコープ、加速度に基づく、基準マーカ(フィデューシャル)に基づく、外側から内側を見る、内側から外側を見る、GPS、携帯電話および/またはこれらのいずれかの組み合わせなどを含んでもよい。
【0065】
上記のようにいくつかの非限定的実施形態では、MARGを形成するセンサ群を代表するセンサTは1以上のハウジングまたは場所に分散してもよい。このようなハウジングは例えば静止型でもよいし、ユーザによって空間的に移動されるものでもよい。図9A、図9Bに示すように、ハウジング構成要件のサブセットを組み合わせて単一の構成要件として挙動させることもできる。
【0066】
一実施例ではセンサTは任天堂Wiiリモートコントローラおよび/または任天堂Wiiリモコンプラスビデオゲームコントローラで用いられるセンサ、すなわちダイレクトポインティングデバイス、3軸または他の加速度計、および/または3軸または他のジャイロスコープの一部または全部を含んでもよい。このようなセンサTはさらに、多軸シングルチップ磁気計、内側から外側を見るまたは外側から内側を見るタイプの外部光学、超音波および/または他のトラッキングセンサ、あるいは当業者であれば理解する他の多くの変形物を含み得る。家庭用のバーチャルリアリティゲームおよびビデオゲームなどの多くのアプリケーションには不要であるが、ある種のアプリケーションでは可動型ディスプレイMDの完全なポーズ(位置および向き)を所望の正確さで正確に追跡して、可動型ディスプレイMDが表示する画像と静止型ディスプレイSDが表示する画像との間の空間相関においてほぼ完璧な忠実度を提供することが望ましいことがある。下にリストアップし参考のためここに援用する文献を読めば、当業者は、特定のシステム要件および所望のアプリケーションに基づいてセンサTのいかなる所望の構成でも実施することができる。
X.Yunら、「Design and Implementation of the MARG Human Body Motion Tracking System」、Proceedings of the IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems(「MARG人体動作追跡システムの設計と実施」、インテリジェントロボットおよびシステムに関するIEEE/RSJ国際会議会議録)(IROS 04),日本国仙台、2004年9月〜10月
E.R.Bachmannら、「Inertial and Magnetic Posture Tracking for Inserting Humans into Networked Virtual Environments」、ACM Symposium on Virtual Reality Software and Technology,(「ネットワーク化バーチャル環境に人間を挿入する慣性および磁気姿勢追跡」、バーチャルリアリティソフトウェアおよび技術に関するACMシンポジウム) VRST 01,カナダ、アルバータ州バンフ、2001年11月、9〜16頁
Bachmann、「Orientation Tracking for Humans and Robots Using Inertial Sensors」、Computational Intelligence in Robotics and Automation Proceedings(「慣性センサを用いた人およびロボット用方位追跡」、ロボティクスおよびオートメーションプロシーディングにおけるコンピュテーショナルインテリジェンス)(IEEE 1999)(この文献は、人の動きの向きと位置を追跡することを開示している。)
Eric Bachmann、「Inertial and Magnetic Angle Tracking of Human Limb Segments for Inserting Humans into Synthetic Environments」、PhD in Computer Science、Naval Postgraduate School(「合成環境に人間を挿入する人体の四肢セグメントの慣性および磁気角度追跡」、コンピュータサイエンスPhD、海軍大学院)、2000年12月
Welchら、「Motion Tracking: No Silver Bullet, but a Respectable Arsenal」(動作追跡:特効薬ではないが、まずまずの集積)、IEEE CG&A(2002年11月/12月)
Wormellら、「Advancements in 3D Interactive Devices for Virtual Environments」(バーチャル環境用3D双方向デバイスの進歩)(2003)
米国特許出願13/0199924および13/0199928(2011年2月2日出願)
米国特許第7,942,745号
米国特許第7,931,535号
米国特許第7,927,216号
米国特許第7,925,467号
米国特許第7,924,264号
米国特許第7,920,985号
上記リストアップした文献は、多次元空間内での可動型ディスプレイMDの姿勢および他の特性を決定する様々な方法を可能にし開示する目的で参考のためここに援用する。
【0067】
(実施例のブロック図)
図11は、可動型ディスプレイMDの非限定的実施例を示す(詳細は、全体を参考のためここに援用する2011年2月2日出願の米国特許出願13/0199924および米国特許出願13/0199928を参照のこと)。上記で詳細に説明した手動コントロールからの手動コントロール入力をプロセッサ102に供給する。プロセッサはデータ入力(タッチパネルディスプレイTSからの入力も含む)を受け入れ、無線トランシーバ106または他の無線または有線の通信を介してリモートコンソールまたはコンピュータGに分析のため報告する。リモートコンソールまたはコンピュータG(無線または有線で静止型ディスプレイSDにも接続されていてもよい)は報告されたデータ入力を処理して圧縮または他の処理をした画像を生成してもよい。リモートコンソールまたはコンピュータGは、この画像を可動型ディスプレイの無線トランシーバ106に送信してもよい。可動型ディスプレイ装置プロセッサ102は受け取った画像を伸張してタッチパネルディスプレイTSに表示してもよい。
【0068】
リモートコンソールまたはコンピュータGは、1つの場所に位置する、または1以上のネットワークを介して通信する様々な場所に分散する1以上のグラフィックス生成部であり得る。このようなグラフィックス生成部は従来の3Dグラフィックス変換、仮想カメラおよび他の技術を用いて、ディスプレイMD、SDに表示させる空間的に適切にコヒーレントなまたは他の画像を提供することができる。例えばグラフィックス生成部Gは以下のいずれかであり得る。
【0069】
静止型ディスプレイSDの一部である、またはそれと共に配置される別のコンポーネントであり、可動型ディスプレイMDと遠隔に(例えば無線で)通信するグラフィックス生成部、
【0070】
可動型ディスプレイMDの一部である、またはそれと共に配置される別のコンポーネントであり、静止型ディスプレイSDまたは関連装置と遠隔に(例えば無線で)通信するグラフィックス生成部、
【0071】
一部が可動型ディスプレイMDのハウジング内に収容され、一部が静止型ディスプレイSDと共に配置される分散型グラフィックス生成アレンジメントであって、分散された部分は無線または有線ネットワークなどの接続を介して互いに通信する、分散型グラフィックス生成アレンジメント、
【0072】
静止型および可動型ディスプレイSD、MDのいずれからも遠方に(すなわちクラウド内に)位置し、1以上のネットワーク接続を介してこれらの各々と通信する、グラフィックス生成部、または
【0073】
上記の組み合わせまたは変形物。
【0074】
分散型グラフィックス生成器アーキテクチャまたはアレンジメントの場合、当業者であれば理解するように、適切なデータ交換および送信プロトコルを用いて、低レイテンシーを提供して双方向性を維持する。
【0075】
特定の一実施例では、MARG姿勢センサ(すなわち3軸加速度計、3軸ジャイロスコープおよび3軸磁気計)がセンサ出力をプロセッサ102に提供し、プロセッサ102は非一時的ファームウェア格納部104に格納された命令を実行する。ある非限定的方法では、重力ベクトル基準(ロールおよびピッチ用)に基づく3軸加速度計と北ベクトル基準(ヨー用)に基づく3軸磁力計を用いることによるエラー補正付きの3軸ジャイロスコープ(角速度)を用いる。このいわゆる向きまたは姿勢の測定は、「磁気角速度重力(MARG)」によって行う。図示する実施例では、MARGセンサTは絶対位置を検出することはできず、磁気計を用いて、地球の磁界に対する磁気コンパス方位のようなものと考えられ得るものを検出する。
【0076】
多くのアプリケーションでは、システムSが3D空間内の可動型ディスプレイMDの絶対位置を追跡することも、さらには相対位置を追跡することも不要である。なぜなら奥行きに関するユーザの知覚は、少なくともいくつかのアプリケーションではそのような忠実度を必要としないからである。例えば人の目は、近くの物体に焦点を合わすときと遠くの物体に焦点を合わすときとで形状が変わるレンズを含み、ユーザは単眼および両眼キューを用いて距離を知覚する。例えば、『Schwartzら、「Visual Perception, Fourth Edition : A Clinical Orientation」Chapter 10 (「視覚、第4版:臨床的オリエンテーション」第10章)、(McGraw Hill 2004)』を参照のこと。多くのアプリケーションでは、可動型ディスプレイMDはユーザの近くの視界の大半を占め、静止型ディスプレイSDはユーザの遠くの視界の一部分のみに存在する。したがって多くのアプリケーションでは、ユーザの目が一度に焦点を合わせるのは2つのディスプレイのうちの一方であり得る。両方のディスプレイがユーザの視界にあったとしても、ユーザはまず一方のディスプレイを見て、その後他方のディスプレイを見ることがある。このことは、多くの有用なアプリケーションでは、所望の没入型ユーザインターフェース効果を作り出すために、位置空間相関およびコヒーレンスの忠実度は厳密である必要はないことを意味し得、2つのディスプレイ間の厳密な位置または距離の空間相関の維持は不要であり得る。他のアプリケーションでは、他の構成が望まれ得る。
【0077】
さらに、実用的な消費者グレードのコンポーネントを用いた場合、システムSが可動型ディスプレイMDの急速な動きについていけない場合がある。幸い、可動型ディスプレイMDがこのように急速な動きをしている間は、それを保持している人も概して表示されている画像を見ることができない。したがって多くのアプリケーションではシステムSが、ユーザが可動型ディスプレイMDの画像を見ることができる、相対的に静止した、またはゆっくり動く状態において可動型ディスプレイMDの空間相関を維持していれば、概してそれで十分であり得る。
【0078】
最初のキャリブレーションステップを用いて、システムSが2つのディスプレイSD、MD間の姿勢空間コヒーレンスを確立し維持することが可能である。この場合、人は、可動型ディスプレイMDを静止型ディスプレイSDに対してある方向に向けてシステムをキャリブレートし、室内または他の環境内での静止型ディスプレイSDの磁気コンパス方位(例えば北北西または337.5°)がわかるようにすることを求められることがある。可動型ディスプレイMDのキャリブレーションは概して自由な空間内(3D)での向き、または変換(移動)で可能である(自由空間における使用のサブセットとして、2次元または1次元の方向または移動など、いくつかの特別な使用もまた可能である)。この場合、非限定的実施形態は、最初のキャリブレーションによる可動型ディスプレイMDの相対的動きに依存する。
【0079】
セットアップ中にキャリブレートするために、人は垂直ベクトルを概して静止型ディスプレイの中央に向けながら可動型ディスプレイMDの画面を静止型ディスプレイSDに対して平行に保持してもよい。ボタンまたは他のユーザコントロールを押してもよい。システムSが室内の磁界を測定および格納し、可動型ディスプレイMDが静止型ディスプレイSDの方を向いているとユーザが考えるときの可動型ディスプレイMDの向きを決定する。このキャリブレーションは、(1)室内の磁界が変化しないこと、(2)静止型ディスプレイSDが移動しないこと、および(3)静止型ディスプレイSDが室内にある状態で可動型ディスプレイMDをセットアップすること、を想定している。磁界が変化したり、静止型ディスプレイSDが移動したり、システムSが別の場所でセットアップされたりした場合は、再度キャリブレーションを行うことが望ましいと考えられる。例えば、室内の家具または室内の金属パネルが移動したり、バッテリが交換されたり(アルカリバッテリの金属の違い)、環境によって室内の磁界が変化したりした場合は、再度キャリブレーションを行ってもよい。市電またはトロリーなどのレールに近い住宅地では、磁界が動的に変化することがある。地球の磁界が予期せず動的に乱れた場合、最初の磁気読取値またはジャイロスコープ対応(correspondence)に対する予期しない値によって、その乱れをフィルタリングすることが可能である。
【0080】
図12は、ソフトウェア命令のフローチャートであり、その少なくとも一部は可動型ディスプレイMDの非一時的記憶装置104および/またはリモートコンピュータGと連動する非一時的記憶装置に格納されている(より詳細には、全体を参考のためここに援用する2011年2月2日出願の米国特許出願13/0199924および米国特許出願13/0199928に記載されている)。図示する実施例では、静止型ディスプレイ(SD)用の仮想3D世界の視点/視体積を規定する(ブロック120)(例えば図8A、図8Bに示す可動型ディスプレイMD、および/または、Wiiリモコンプラスおよびヌンチャクなどの他のユーザ入力装置に対するユーザコントロールからの入力に基づく)。その後センサTは、可動型ディスプレイMDの姿勢を取得し(ブロック122)、可動型ディスプレイ(MD)用の、仮想3D世界の視点/視体積を規定する(ブロック124)。その後システムSは、従来の高速双方向コンピュータグラフィックスハードウェアおよびソフトウェアを用いて、静止型ディスプレイに対して規定された視点/視体積に基づいて静止型ディスプレイ(SD)上に3D世界を投影する(ブロック126)。3D世界は、可動型ディスプレイに対して規定された視点/視体積に基づいて可動型ディスプレイ(MD)上にも投影される(ブロック128)。ブロック128では、可動型ディスプレイMDに3D仮想世界を投影するために用いる変換を、可動型ディスプレイMDの取得姿勢の一部または全部の向きを用いて変更することができる。取得姿勢をこのように用いる場合、視点、視角、視野、縮尺、回転、視体積、投影のタイプ、テクスチャマッピング、特殊効果、または、3D仮想世界から表示ビューを得るために用いるグラフィックス処理および計算の他の任意の態様を変更するなど、いずれの所望の方法で行ってもよい。非限定的な一実施例においてブロック128で、地球の磁界に対する可動型ディスプレイMDの決定された向きに基づいて、ビューの方向および/または向きを変えることができる。図12Aは静止型ディスプレイの視体積および変換SDTならびに可動型ディスプレイの視体積および変換MDTを示す。この非限定的実施例は、可動型ディスプレイMDに表示させる画像を生成するために用いる可動型ディスプレイの視体積および変換MDTの態様(例えば、変換の回転、位置、および縮尺の態様)を、可動型ディスプレイの現在の姿勢によって決定し得ることを示す。無論、静止型ディスプレイの視体積および変換SDTを固定する必要はない。いくつかのアプリケーションでは、この静止型ディスプレイの視体積および/または変換は、ユーザ入力、ソフトウェアプログラムなどに応じて変化し得る。いくつかの実施例のアプリケーションでは、2つの視体積および変換を規定する3D仮想世界内における、同一または実質的に同一の視点、位置、地域、領域および/または近傍を用いることが望ましいことがある。このように、システムSは、3D仮想空間内の同一または類似の有利な地点から見ることができる、3D仮想空間の2つの異なるビューをユーザに提供することができる。「同一」または類似の位置に関して、いくつかのアプリケーションは2つの異なるビューに対して全く同一の位置を用いないかもしれないが、例えば一方の画面により全体的なビューを提供するために僅かに高い位置を用いることがある。同一または類似の位置、領域、地域および/または近傍に関する他の可能性は、以下を含む。
−より高いまたはより低い位置、
−前方の位置または後方の位置、
−僅かに見上げる、または見下ろす(ピッチ)、
−ズームアウトまたはズームイン、
−僅かにロールまたはヨーする、
−位置的に僅かに左または右、
−その他の差異。
他のアプリケーションでは、静止型ディスプレイSDおよび可動型ディスプレイMDにそれぞれ表示させる画像を生成するために、3D仮想世界内の異なる視点、位置、地域、領域および/または近傍を用いることができる。
【0081】
図12Bは、非一時的メモリ内に格納されたプログラム命令が、可動型ディスプレイの状態を切り換えるために実行するステップの例を示す。非限定的な一実施形態では、システムSが可動型ディスプレイの姿勢を検出し(ブロック150)、可動型ディスプレイMDの表示面またはハウジングの平面に垂直なベクトルが静止型ディスプレイSDを囲む想定上の表面に交差するか否かを決定する。想定上の表面は、矩形、バウンディングボックス、球形、平面、または他の表面のいずれであってもよい。交差している場合(可動型および静止型ディスプレイMD、SDの相対的な向きまたは姿勢がある範囲内にあり、その結果静止型ディスプレイSDが存在しそうな空間内の領域の方を可動型ディスプレイが向いている場合)(ブロック152)、システムSは、静止型ディスプレイSDの方を向いている(あるいは静止型ディスプレイSDと対話する)ポインティングデバイスとして可動型ディスプレイMDをユーザが用いるつもり(「範囲内」あるいは補助的表示状態)であると推定する。この場合、システムSは可動型ディスプレイをポインティングデバイスとして用い(例えばそれによって静止型ディスプレイSD上に表示されるポインティング記号の位置を制御する)、さらに可動型ディスプレイ上に補助的情報を表示してもよい(ブロック154)。交差していない場合(「範囲外」または周りを見回す状態)(ブロック156)、システムSは、可動型ディスプレイMDがその姿勢に対応する視線方向から見た仮想世界の画像を提示するようにする(ブロック156)。いずれの場合も、交点が境界または周辺領域(「遷移領域」)内であれば(ブロック160)、ディスプレイMD、SDの一方、他方または両方が、その境界、周縁または周辺の状態を示す視覚効果(例えばディスプレイを動かす、またはスクロールする)を表示してもよい(ブロック160)。
【0082】
図12、図12Bのプロセスを何度も繰り返すことによって、例えば、ユーザが自由空間内で可動型ディスプレイMDを動かすときにリアルタイムで双方向的に更新する動画化画像のシーケンスを生成してもよい。いくつかの実施形態では、これらの図面の各ステップをリモートコンピュータGで行ってもよい。別の実施形態では、これらのステップを可動型ディスプレイMDのプロセッサ102で行う。さらに別の実施形態では、これらのステップの一部または全部を、静止型ディスプレイSD内、またはこれと連動するプロセッサが行ってもよい。さらに非限定的な別の実施形態では、これらのステップの一部または全部を、図8A、図8Bに示す1以上の付属デバイスが行ってもよい。
【0083】
図9Aおよび図9Bに示すように、いくつかの実施例の構成では、可動型ディスプレイMDは、ハンドヘルドプラスチックガンまたは他の照準補助装置などの付属部品に取り付けることができる。図9Aに示すガンGは、セットトップセンサIRバーを検出するCMOSセンサ(例えば、従来の任天堂Wiiリモコンプラス内に見られるタイプのセンサ)を含む。セットトップセンサIRバーは、絶対値測定用のフィデューシャルまたは基準ソースとして用いることができる。CMOSセンサの視体積には制限があり得るが、多くのまたはほとんどの「射撃」およびポインティングタイプのアプリケーションは、静止型ディスプレイSDの方を向いて行われる。これら2つの光学(IR)セットトップライトハウスまたはビーコンは、最初のキャリブレーションまたは再構成を簡素化する、また更には排除するのに役立つ。非限定的且つより包括的な一使用法は、MARG+光学(例えばCMOSセンサ)である。これは、慣性、光学および磁気による位置および向きの感知の組み合わせを提供する。例えばWelchら(上記で引用)に記載のKalmanフィルタリングまたは他の技術を用いてこれらの出力を融合して、または組み合わせて、融合結果を得ることができる。図9A、図9Bに示す付属部品を用いない可動型ディスプレイMDの例では、テレビ画面の位置に関連する絶対値測定にとって唯一の基準ソースとなる光学直接ポインティングデバイスはない。このようなアプリケーションでは、システムSは2つのディスプレイMD、SD間のみの姿勢の空間相関を提供するが、絶対的または相対的位置の空間相関は提供しない。
【0084】
本明細書では非限定的実施形態に関して技術を述べてきたが、本発明は本開示に限定されない。例えば本開示の概念の本質および実施可能な様々な異なる実施形態の詳細によると、本明細書中の多くの記載は、最終的に消費者に入手可能となり得る特定の実際の製品には対応しない。さらに、好ましい実施形態では静止型ディスプレイSDと可動型ディスプレイMDとが用いられるが、両方のディスプレイ共が可動型であってもよいし静止型であってもよい。あるいは3台以上のディスプレイがあり、一部が可動型で一部が静止型であってもよい。SDおよびMDの一方または両方が、観察者に奥行き感のある立体画像を提供する3Dディスプレイ(例えば自動立体視ディスプレイ)であってもよい。ディスプレイSDおよびMDの一方または両方が、いわゆる高精細度ディスプレイ(例えば1,280×720ピクセル(720p)または1,920×1,080ピクセル(1080i/1080p))であってもよい。さらに、ディスプレイSDおよびMDに表示された画像は、適切に変換または処理された動画化エンジン、ビデオゲームマシン、シミュレータまたはビデオなどのいずれのソースからのものでもよく、これにより異なる視界からのディスプレイが提供される。本発明は請求の範囲によって定義され、本明細書に具体的に記載されているか否かにかかわらず対応する構成および均等な構成のすべてを包括する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
没入型空間ヒューマンマシンインターフェースであって、
自由空間内で可動な少なくとも1つのハンドヘルドディスプレイと、
前記可動型のハンドヘルドディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きを決定するように構成された装置と、
少なくとも1つの追加ディスプレイと、
前記ハンドヘルドディスプレイと前記追加ディスプレイとに対して作用可能に接続された少なくとも1つのグラフィカル画像生成部であって、前記ハンドヘルドディスプレイと前記追加ディスプレイとに表示させる仮想空間の画像を生成する少なくとも1つのグラフィカル画像生成部と、を含み、
前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、前記ハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイに表示させる、同一の仮想位置からの異なる視界の画像を生成し、前記画像の少なくともいくつかは、前記決定された姿勢の向きに少なくとも部分的に応じて生成されて、前記ハンドヘルドディスプレイの画像と前記追加ディスプレイの画像との間の空間相関を提供し、それによって前記ヒューマンマシンインターフェースにおける空間への没入性を高める、インターフェース。
【請求項2】
前記ハンドヘルドディスプレイの画像と前記追加ディスプレイの画像とが実際上類似であるモードでは、前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は前記画像に代えて他の画像および/または情報を前記ハンドヘルドディスプレイに表示させる、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項3】
前記追加ディスプレイは相対的に大型の静止型ディスプレイを含み、前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、周りを見回すときに視界を僅かにシフトする可能性はあることを除き、静止型ディスプレイ用に生成される画像を描画する視界を前記決定された姿勢の向きに基づいて変更することは実際上ない、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項4】
前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、周りを見回すときに視界が僅かにシフトした場合に、前記静止型ディスプレイ用に生成した画像を描画する視界を変更する、請求項3に記載のインターフェース。
【請求項5】
前記ハンドヘルドディスプレイの視界と前記追加ディスプレイの視界とが実質的に同一または近いモードでは、前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は前記画像に代えて他の画像および/または情報を前記ハンドヘルドディスプレイに表示させる、請求項2に記載のインターフェース。
【請求項6】
没入型空間ヒューマンマシンインターフェースであって、
自由空間内で可動な少なくとも1つのハンドヘルドディスプレイと、
前記可動型のハンドヘルドディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きを決定するように構成された装置と、
少なくとも1つの追加ディスプレイと、
前記ハンドヘルドディスプレイと前記追加ディスプレイとに対して作用可能に接続された少なくとも1つのグラフィカル画像生成部であって、前記ハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイにそれぞれ表示させる、仮想空間内の共通の位置または互いに近い位置から見た異なる画像を生成する少なくとも1つのグラフィカル画像生成部と、を含み、
前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、前記ハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイに表示させる、前記仮想空間内の共通のまたは互いに近い位置から見た異なる視線方向の画像を生成し、少なくとも前記可動型ディスプレイに表示させるように生成された画像は、前記決定された姿勢の向きに応じて変化し、前記可動型ディスプレイが表示する画像と前記追加ディスプレイが表示する画像との間の空間相関を提供し、それによって前記ヒューマンマシンインターフェースにおける空間への没入性を高める、インターフェース。
【請求項7】
前記ハンドヘルドディスプレイ用の画像は、前記仮想空間の少なくとも一部であって、前記追加ディスプレイに表示させる画像内に表されていない一部を表す、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項8】
前記グラフィカル画像生成部は、前記追加ディスプレイに表示させる基準視線方向からの画像と、前記ハンドヘルドディスプレイに表示させる画像であって、前記決定された姿勢の向きに応じて変化する、異なる/自由な/任意の視線方向から見た画像とを生成し、前記異なる/自由な/任意の視線方向は、前記基準方向に基づいている、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項9】
前記グラフィカル画像生成部は、前記決定された姿勢の向きが前記追加ディスプレイに対応する範囲の外にあるとき、前記ハンドヘルドディスプレイ用の画像が、前記仮想空間の少なくとも一部であって、前記追加ディスプレイに表示させる画像内に表されていない一部を表すように、前記ハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイの各々に表示させる画像を生成する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項10】
前記グラフィカル画像生成部は、前記決定された姿勢の向きが所定の姿勢に対応するとき、前記ハンドヘルドディスプレイ用の画像が、前記仮想空間の少なくとも一部であって、前記追加ディスプレイに表示させる画像内に表されていない一部を表すように、前記ハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイの各々に表示させる画像を生成する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項11】
前記グラフィカル画像生成部は、前記ハンドヘルドディスプレイ用の仮想カメラを用いて前記ハンドヘルドディスプレイに表示させる画像を生成し、前記追加ディスプレイ用の仮想カメラを用いて前記追加ディスプレイに表示させる画像を生成し、前記グラフィカル画像生成部は、前記追加ディスプレイ用の前記仮想カメラの視線方向を実質的に変更することなく、前記決定された姿勢の向きに応じて前記ハンドヘルドディスプレイ用の前記仮想カメラの視線方向を変更する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項12】
前記ハンドヘルドディスプレイ用の前記仮想カメラの位置と、前記追加ディスプレイ用の前記仮想カメラの位置とは実質的に同一である、請求項11に記載のインターフェース。
【請求項13】
前記仮想カメラの位置はプレイヤオブジェクトの位置に基づいて決定され、前記プレイヤオブジェクトの位置はプレイヤの操作によって変化する、請求項12に記載のインターフェース。
【請求項14】
前記グラフィカル画像生成部は、前記ハンドヘルドディスプレイと無線で通信する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項15】
前記グラフィカル画像生成部は単一の情報処理ユニットであり、前記情報処理ユニットは、前記ハンドヘルドディスプレイ用の画像と前記追加ディスプレイ用の画像とを実質的に同時に生成する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項16】
前記追加ディスプレイは、相対的に大型の静止型ディスプレイを含み、前記静止型ディスプレイ用に生成した画像を描画する視界を前記決定された姿勢の向きに基づいて変更することはない、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項17】
前記可動型ディスプレイは、姿勢を決定するためにMARGセンサ装置を含む、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項18】
前記グラフィカル画像生成部は、前記可動型ディスプレイの前記決定された姿勢の向きに応じて投影視点を変更する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項19】
前記可動型ディスプレイはハウジングで取り囲まれ、前記装置は前記ハウジング内に配置されている、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項20】
前記ハンドヘルドディスプレイはタッチディスプレイを含む、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項21】
前記装置は少なくとも1つの磁気計を含む、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項22】
前記装置は、(a)加速度計、(b)ジャイロスコープ、(c)磁気計、(d)光学エレメント、(e)超音波エレメント、(f)赤外線エレメントから選択された少なくとも1つを含む、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項23】
前記装置は外側から内側を見るタイプである、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項24】
前記装置は内側から外側を見るタイプである、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項25】
前記可動型ハンドヘルドディスプレイは、前記追加ディスプレイが表示する画像と空間相関する、前記仮想空間の3D可動パッチを表示する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項26】
前記可動型ハンドヘルドディスプレイは3D画像を表示する、請求項6に記載のインターフェース。
【請求項27】
没入型空間ヒューマンマシンインターフェースであって、
各々が自由空間内で可動な複数のハンドヘルドディスプレイと、
前記可動型ハンドヘルドディスプレイのそれぞれの姿勢の少なくともいくつかの向きを決定するように構成された装置と、
少なくとも1つの追加ディスプレイと、
前記ハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイと通信する少なくとも1つのグラフィカル画像生成部であって、前記複数のハンドヘルドディスプレイの各々と前記追加ディスプレイとに表示させる仮想空間の画像を生成する少なくとも1つのグラフィカル画像生成部と、を含み、
前記少なくとも1つのグラフィカル画像生成部は、前記複数のハンドヘルドディスプレイおよび前記追加ディスプレイに同時に表示させる異なる視界の画像を、前記決定された姿勢の向きに少なくとも部分的に応じて生成し、すべての前記画像間の空間相関を提供し、それによって前記ヒューマンマシンインターフェースにおける空間の没入性を高める、没入型空間ヒューマンマシンインターフェース。
【請求項28】
没入型空間ヒューマンマシンインターフェースを提供する方法であって、
自由空間で可動な少なくとも1つのハンドヘルド提示面の姿勢の少なくともいくつかの向きの測定と、
前記ハンドヘルド提示面および追加提示面に表示させる仮想空間の画像の生成であって、前記測定した姿勢の向きに少なくとも部分的に応じて前記ハンドヘルド提示面と前記追加提示面とに同時に表示させる異なる画像を生成して、前記表示した画像間を空間的に整合させ、それによって前記ヒューマンマシンインターフェースにおける空間への没入性を高めることを含む生成と、を含む方法。
【請求項29】
コンピュータによって実行される場合に没入型空間ヒューマンマシンインターフェースを提供する命令を格納した非一時的格納媒体であって、
少なくとも1つのハンドヘルド提示面が自由空間内で動く場合に前記ハンドヘルド面の姿勢の少なくともいくつかの向きを決定する第1の命令と、
前記ハンドヘルド提示面および追加提示面に表示させる仮想空間の画像を生成する第2の命令であって、測定した姿勢の向きに少なくとも部分的に応じて、前記ハンドヘルド提示面と前記追加提示面とにおいて同時に見られるように異なる画像を生成して、表示した画像間を空間的に相関させ、それによって前記ヒューマンマシンインターフェースの没入性を高める命令を含む第2の命令と、を含む非一時的格納媒体。
【請求項30】
(1)可動型ディスプレイおよび(2)仮想空間の画像を表示する追加ディスプレイに対して用いるユーザインターフェース方法であって、
前記可動型ディスプレイがいつ前記追加ディスプレイの方を向く/指し示すかを決定することと、
前記決定によって、前記可動型ディスプレイが前記追加ディスプレイの方を向いている/指し示していると決定される場合、前記追加ディスプレイにポインティングオブジェクトを表示し、前記追加ディスプレイに対する前記可動型ディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きに応じてポインティングシンボルの表示位置を制御することと、
前記決定によって、前記可動型ディスプレイが前記追加ディスプレイの方を向いていない/指し示していないと決定される場合、前記可動型ディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きに応じた視線方向から見た、前記仮想空間の画像を前記可動型ディスプレイに表示することと、を含むユーザインターフェース方法。
【請求項31】
ユーザインターフェースであって、
可動型ディスプレイと、
仮想空間の画像を表示する追加ディスプレイと、
前記可動型ディスプレイがいつ前記追加ディスプレイの方を向く/指し示すかを決定する決定部と、
前記可動型ディスプレイおよび前記追加ディスプレイに接続された画像生成部であって、前記決定部が、前記可動型ディスプレイが前記追加ディスプレイの方を向いている/前記追加ディスプレイに向かっていると決定する場合、前記追加ディスプレイにポインティングオブジェクトを表示し、前記追加ディスプレイに対する前記可動型ディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きに応じてポインティングシンボルの表示位置を制御し、前記決定部が、前記可動型ディスプレイが前記追加ディスプレイの方を向いていない/指し示していないと決定する場合、前記可動型ディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きに応じた視線方向から見た、前記仮想空間の画像を前記可動型ディスプレイに表示する、画像生成部と、
を含むユーザインターフェース。
【請求項32】
(1)可動型ディスプレイおよび(2)仮想空間の画像を表示する追加ディスプレイに対して用いるユーザインターフェース方法であって、
前記可動型ディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きを決定することと、
前記決定された少なくともいくつかの向きに基づいて、前記追加ディスプレイに対する前記可動型ディスプレイの姿勢を推定することと、
前記可動型ディスプレイと前記追加ディスプレイとの推定された相対的姿勢に基づいて、(a)前記追加ディスプレイ上のポインティングオブジェクトの表示位置を制御することと、(b)前記決定した姿勢の少なくともいくつかの向きに応じた視線方向から見た前記仮想空間の画像を前記可動型ディスプレイに表示することとの間で、前記可動型ディスプレイの状態を切り換えることと、を含むユーザインターフェース方法。
【請求項33】
(1)自由空間内で可動なハンドヘルドディスプレイおよび(2)仮想空間の画像を表示するテレビを用いるユーザインターフェース方法であって、
前記ハンドヘルドディスプレイの姿勢の少なくともいくつかの向きを決定することと、
前記決定した少なくともいくつかの向きに基づいて、前記テレビに対する前記ハンドヘルドディスプレイの姿勢を推定することと、
前記推定した相対的な姿勢に基づいて、(a)前記決定した姿勢の少なくともいくつかの方位に応じた視線方向から見た、前記仮想空間内で周りを見回した画像を提示することと、(b)ユーザインターフェース制御情報を提示することとの間で前記ハンドヘルドディスプレイの状態を切り換えることと、を含むユーザインターフェース方法。
【請求項34】
前記姿勢の少なくともいくつかの向きに基づいて、前記ハンドヘルドディスプレイが前記テレビの周囲の方を向いているか否かを検出し、前記検出に応じて前記テレビの表示を選択的にシフトすることをさらに含む、請求項33に記載のユーザインターフェース。

【図1】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【公開番号】特開2012−161604(P2012−161604A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−14902(P2012−14902)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】