説明

窓口呼出装置における呼出制御方法

【課題】 顧客の待ち時間を意識したり、呼出に対し顧客が窓口に来られなかった場合に対応することを可能とする。
【解決手段】 窓口での業務を行うに際し、顧客に整理券を発行し、当該整理券の整理番号の順に窓口へ顧客を呼び出す窓口呼出装置において、前記窓口呼出装置を、窓口業務を行う業務端末を備えた業務システムと接続し、前記業務システムにより前記窓口呼出装置の発券機からの整理券の引き出しを検出し、当該検出時のクロック値を発券時刻として取得記憶し、当該整理券の整理番号と当該整理券に対応する業務を取得記憶し、所定時間毎に現在のクロック値から前記発券時刻を差し引いて求めた顧客の待ち時間を前記業務端末に表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓口呼出装置における呼出制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関や公共機関等で複数の窓口に顧客を誘導する窓口呼出装置においては、顧客により遠隔操作がなされると、整理番号が付された整理券が発行され、その整理番号の順に窓口へ顧客を誘導するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
また、窓口ごとに異なる業務が割り当てられている場合に、業務内容に対応づけて整理番号を記憶させ、業務毎かつ整理番号順に顧客の誘導を行うものがある(特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、上述した従来の装置では、整理券を発券し、発券順に顧客を窓口に呼びだしているにすぎず、顧客の待ち時間を意識したり、呼出に対し顧客が窓口に来られなかった場合の対応ができなかった。
【0005】
【特許文献1】特公昭63−41105号公報
【特許文献2】特開平10−320482号公報
【特許文献3】特許第2618531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、顧客の待ち時間を意識したり、呼出に対し顧客が窓口に来られなかった場合の対応ができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の窓口呼出装置における呼出制御方法は、窓口での業務を行うに際し、顧客に整理券を発行し、当該整理券の整理番号の順に窓口へ顧客を呼び出す窓口呼出装置において、前記窓口呼出装置を、窓口業務を行う業務端末を備えた業務システムと接続し、前記業務システムにより前記窓口呼出装置の発券機からの整理券の引き出しを検出し、当該検出時のクロック値を発券時刻として取得記憶し、当該整理券の整理番号と当該整理券に対応する業務を取得記憶し、所定時間毎に現在のクロック値から前記発券時刻を差し引いて求めた顧客の待ち時間を前記業務端末に表示することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の窓口呼出装置における呼出制御方法は、窓口呼出装置の発券機からの整理券の引き出しを検出し、当該検出時のクロック値を発券時刻として取得記憶し、当該整理券の整理番号と当該整理券に対応する業務を取得記憶し、所定時間毎に現在のクロック値から前記発券時刻を差し引いて求めた顧客の待ち時間を業務端末に表示するとともに、整理番号を記憶しておくようにしたので、顧客の待ち時間を意識することができ、記憶されている整理番号により、後に再度の呼出を行うなど、顧客が窓口に来られなかった場合の対応ができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
顧客の待ち時間を意識したり、呼出しに対し顧客が窓口に来られなかった場合に対応するという目的を、銀行の業務システムで、実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図示のシステムは、銀行等の業務システム1と、窓口呼出装置2とから成る。
【0011】
業務システム1は、複数の業務端末11、12、13、14と、管理装置15と、営業店サーバ16と、ネットワークプリンタ17とを備えている。
【0012】
複数の業務端末11、12、13、14は、各窓口で銀行員が使用する端末装置であり、各窓口で取り扱う業務の区分に対応した処理を行う。例えば、振込・税金・両替の窓口では、それらの処理を行う。
【0013】
管理装置15は、業務システム1の全体を管理する装置である。
営業店サーバ16は、銀行の営業店の各業務を提供するのに必要なデータを管理している。
ネットワークプリンタ17は、システムで共通に使用できるプリンタである。
【0014】
窓口呼出装置2は、業務システム1の管理装置15と接続されている。
窓口呼出装置2は、インターフェース21と、音声アンプ22と、音声スピーカ23と、複数のカウンタディスプレイ24、25、26、27と、複数の発券機28、29と、複数のモニタディスプレイ30、31、32とを備えている。
【0015】
インターフェース21は、複数のカウンタディスプレイ24、25、26、27、複数の発券機28、29、複数のモニタディスプレイ30、31、32と、業務システム1との間のインターフェースを制御する。
【0016】
音声アンプ22は、業務システム1の図示しない音声合成部から出力される音声信号を増幅し、音声スピーカ23に出力する。
音声スピーカ23は、整理番号や顧客に伝えたいメッセージを音声により出力する。
【0017】
複数のカウンタディスプレイ24、25、26、27は、窓口のカウンタにおいて現在処理の対象とされている整理番号を表示するディスプレイである。
複数の発券機28、29は、連続する整理番号の順に印字した整理券を印刷して顧客に差し出すためのものである。
【0018】
複数のモニタディスプレイ30、31、32は、現在処理の対象とされている整理番号を顧客の待合い席等において表示するディスプレイである。
【0019】
図2は、呼出し画面200の構成を示す図である。
これは、複数の業務端末11、12、13、14に表示される画面である。本発明では、銀行員は図2の画面により顧客を呼び出すことができる。その際、対象となる整理番号の顧客の待ち時間を確認できる。
【0020】
対象発券番号201のフィールドには、銀行員が呼び出したい整理番号を入力することができる。
業務区分202のフィールドには、当該業務端末が対象としている業務区分の番号が表示されない。
【0021】
業務区分の一覧203のフィールドでは、各業務区分に含まれる業務の内容を示している。
待ち時間204のフィールドには、銀行員が対象発券番号201のフィールドに入力した呼び出したい整理番号の顧客の待ち時間が表示される。
【0022】
保留人数205のフィールドには、呼出時に窓口に来られずに整理番号が保留にされた顧客の総人数が表示される。
保留番号206のフィールドには、保留にされた整理番号が表示される。
【0023】
呼出ボタン207は、銀行員が対象発券番号201のフィールドに入力した呼び出したい整理番号を呼び出す際に対応するファンクションキーを押下することにより操作される。呼出の制御は、呼出ボタン207の操作を各端末における窓口呼出制御装置における図示しない入力部が検出することにより開始され、図示しないデータ転送部が対象発券番号201のフィールドに入力されて所定の記憶部にコードデータとして記憶されている整理番号データを前述した図示しない音声合成部に転送し、当該音声合成部が転送された整理番号データを音声データに変換し、さらにアナログ音声信号に変換し、音声アンプ22が音声信号を増幅し、音声スピーカ23から出力することにより行う。
【0024】
保留ボタン208は、銀行員が対象発券番号201のフィールドに表示された整理番号を保留にする際に対応するファンクションキーを押下することにより操作される。保留とは、図5の記憶部44の保留ビットを「1」とする操作である。
削除ボタン209は、保留番号206のフィールドに表示された整理番号を削除する際に対応するファンクションキーを押下することにより操作される。削除とは、図5の記憶部44の保留ビットを「0」とする操作である。
終了ボタン211は、呼出し画面による作業を終了する際に対応するファンクションキーを押下することにより操作される。
なお、上記各ボタンの操作は、上述したファンクションキーの押下による場合に限らず、CRT画面上に周知の透明電極板から成るタッチパネルを設けて直接的に操作できるようにしてもよい。
【0025】
図3は、待ち・保留状況照会画面300の構成を示す図である。
これも、複数の業務端末11、12、13、14、または管理装置15に表示される画面である。図3の画面では、各業務毎の待ち人数・待ち時間、保留人数と保留番号一覧を図示しない表示制御部により表示する。銀行員は、図3の画面を用いて、各業務の待ち時間を確認でき、待ち時間の長い業務を銀行員であるオペレータが判断して呼出ボタン304を押下することにより優先して呼び出すことが可能となる。
【0026】
待ち人数・待ち時間一覧301のフィールドには、各業務区分ごとに顧客の待ち人数と待ち時間が表示される。
保留人数302のフィールドには、保留にされた顧客の人数が表示される。
【0027】
保留番号303のフィールドには、保留にされた顧客の整理番号が表示される。
呼出ボタン304は、保留番号303のフィールドにおいてクリック等して指定した整理番号を呼び出す際に対応するファンクションキーを押下することにより操作される。
【0028】
図4は、発券装置および窓口呼出制御装置の構成を示すブロック図である。
図示の発券装置は、発券センサ40と、整理番号付与部41と、時刻取得部43とから成り、窓口呼出制御装置は、クロック42と、記憶部44と、時間算出部45と、表示部46と、保留指示部47とから成る。ここに、発券装置は、発券機28、29に設けられるプログラムやセンサであり、窓口呼出制御装置は、業務端末11ないし14または管理装置15に設けられるプログラムやメモリ等である。
【0029】
発券センサ40は、発券機28、29に設けられているセンサであり、発券機の整理券の取り出し口において顧客による整理券の引き抜きを検出する。
整理番号付与部41は、発券機28、29に設けられているカウンタであり、発券機において連続した整理番号を付与する。この場合、例えば、発券機28は業務区分1ないし3用の発券機であり、発券機29は業務区分4ないし7用の発券機である。これらの発券機は、顧客または銀行員が操作する図示しない業務選択ボタンを備えており、当該業務選択ボタンの押下により業務毎に付与される整理番号が印刷された整理券が発行される。
【0030】
クロック42は、業務端末11ないし14または管理装置15におけるCPUクロック等である。
時刻取得部43は、発券機28、29におけるCPUにおいて実行されるプログラムであり、整理券の発券時に整理番号と関連付けて整理券の引き出しの時刻を窓口呼出制御装置の記憶部44に記憶させる。
【0031】
記憶部44は、業務端末11ないし14または管理装置15における記憶装置である。
時間算出部45は、業務端末11ないし14または管理装置15におけるCPUにおいて実行されるプログラムであり、クロック42が示す現在の時刻と記憶部44に記憶した整理番号の時刻とから顧客の待ち時間を算出する。
【0032】
表示部46は、業務端末11ないし14または管理装置15におけるCRT等の表示装置であり、図2または図3の画面において待ち時間や保留番号を表示する。
保留指示部47は、図2の画面において対象発券番号201が表示されている状態において保留ボタン208が押下された場合にその整理番号を記憶部44に記憶させる。
【0033】
図5は、記憶部44の記憶内容の説明図である。
図示の例では、業務区分51、整理番号52、発券時刻53を対応付けるとともに、保留ビット54を設けている。ここに、整理番号は業務区分毎の一連の番号として付与される。図示の例では、業務区分「1」についての整理番号「9」ないし「12」のみ示している。保留ビット54は、保留ボタン208の操作によりオン「1」にされ、削除ボタン209の操作によりオフ「0」にされる。
【0034】
図6は、発券処理を説明するフローチャートである。
顧客が発券機の該当する業務の選択ボタン(図示省略)を押して発券機の整理券を引き出すと、センサがこれを検出してインターフェース21を介して業務システム1の業務端末11ないし14または管理装置15におけるCPUに知らせる。
【0035】
これにより、図4の時刻取得部43はステップS601で整理券の引き出しを検出し、ステップS602でクロック値を取得記憶し、ステップS603で整理番号と該当する業務を取得記憶する。ここで、該当する業務は顧客による前述した図示しない業務選択ボタンの押下によって出力された信号により検知される。
【0036】
図7は、待ち時間表示処理を説明するフローチャートである。
図4の時間算出部45は、所定時間毎に起動され、ステップS701でクロック値から発券時刻を減じる。そして、ステップS702で業務端末の図示しない表示制御部により画像メモリ(図示省略)内の待ち時間値を書き換えて周知の表示制御を行い、待ち時間の表示値を更新する。
【0037】
図8は、呼出し処理を説明するフローチャートである。
図2または図3の画面において呼出ボタンを押下すると、ステップS801で業務端末の図示しない呼出制御部がこれを検出し、ステップS802で対象整理番号を取得し、ステップS803で音声合成・出力する。
【0038】
図9は、保留処理を説明するフローチャートである。
図2の画面において保留ボタンを押下すると、ステップS901で業務端末の図示しない入力部がこれを検出し、ステップS902で図示しないデータ転送部が対象整理番号を画像メモリから図5の記憶部44に転送して記憶し、保留する。
【0039】
これにより、保留した番号は、図示しない表示制御部により図5の記憶部44から読み出されて、保留番号303の一覧に追加表示される。すなわち、図示しない表示制御部は図5の記憶部44から保留ビット54がオン「1」になっている整理番号を読み出して画像メモリに書き込み、周知の表示制御により業務端末画面に表示する。これにより、オペレータは、保留した番号を常時確認することができる。確認した保留番号は、図2の画面において対象発券番号201に入力し、呼出ボタン207を押下することで図示しない音声合成部により対象発券番号のコードデータに対応した合成音声データが合成出力され、図1において音声アンプ22で音声増幅されて音声スピーカ23から音声出力され、これによって再呼出ができる。また、顧客が呼出済みの整理券を持ってきたときに保留番号であることを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】呼出し画面の構成を示す図である。
【図3】待ち・保留状況照会画面の構成を示す図である。
【図4】発券装置および窓口呼出制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】記憶部の記憶内容の説明図である。
【図6】発券処理を説明するフローチャートである。
【図7】待ち時間表示処理を説明するフローチャートである。
【図8】呼出し処理を説明するフローチャートである。
【図9】保留処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 業務システム
2 窓口呼出装置
11、12、13、14 業務端末
15 管理装置
21 インターフェース
22 音声アンプ
23 音声スピーカ
28、29 発券機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓口での業務を行うに際し、顧客に整理券を発行し、当該整理券の整理番号の順に窓口へ顧客を呼び出す窓口呼出装置において、
前記窓口呼出装置を、窓口業務を行う業務端末を備えた業務システムと接続し、
前記業務システムにより前記窓口呼出装置の発券機からの整理券の引き出しを検出し、
当該検出時のクロック値を発券時刻として取得記憶し、
当該整理券の整理番号と当該整理券に対応する業務を取得記憶し、
所定時間毎に現在のクロック値から前記発券時刻を差し引いて求めた顧客の待ち時間を前記業務端末に表示する、
ことを特徴とする窓口呼出装置における呼出制御方法。
【請求項2】
前記業務端末で呼び出した顧客が窓口に来なかった場合の当該整理番号を保留として当該業務端末に表示し、
所望時に再度当該整理番号を呼び出す、
ことを特徴とする請求項1に記載の窓口呼出装置における呼出制御方法。
【請求項3】
前記業務端末で行う業務は複数存在し、当該業務ごとに当該業務端末で顧客の待ち時間を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の窓口呼出装置における呼出制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−87080(P2007−87080A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274588(P2005−274588)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)沖ソフトウェア株式会社 (173)
【Fターム(参考)】