立ち上がり補助具
【課題】手摺部の高さを無段階に調節することができ、ホルダ部に、化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよい立ち上がり動作補助具を提供する。
【解決手段】床面と接するベース部と、このベース部に立設される上面が開口した中空のホルダ部と、手摺部5を備えホルダ部に挿脱自在な支柱部4と、を備え、ホルダ部内への支柱部4の挿入深さを変化させることにより手摺部5の高さ位置が変更される立ち上がり動作補助具において、支柱部4に、上下方向に伸縮する高さ調整部材6が設けられた。
【解決手段】床面と接するベース部と、このベース部に立設される上面が開口した中空のホルダ部と、手摺部5を備えホルダ部に挿脱自在な支柱部4と、を備え、ホルダ部内への支柱部4の挿入深さを変化させることにより手摺部5の高さ位置が変更される立ち上がり動作補助具において、支柱部4に、上下方向に伸縮する高さ調整部材6が設けられた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に介護・福祉の分野で使用される高齢者や要介護支援者らの立ち上がり動作補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢者や要介護支援者らが、日常生活において自力で立ち上がる際の補助具として、またリハビリテーションの道具として、立ち上がる際のバランスを補助しあるいは足腰の負担を軽減する立ち上がり補助具が広く用いられている。
【0003】
従来の立ち上がり補助具としては、図12に示すように、ベース部200と、ベース部200に立設される上面が開口した中空のホルダ部300と、手摺部500を備えホルダ部300に挿脱自在な支柱部400と、を備えた立ち上がり動作補助具100がある(特許文献1参照)。
【0004】
この立ち上がり動作補助具100では、ホルダ部300内への支柱部400の挿入深さを変化させることにより手摺部500の高さ位置が変更される。具体的には、図13に示すように、ホルダ部300の側面に穴310を設け、その穴310にビス又はネジ600を挿通し、このビス又はネジ600に支柱部400の下端を当接させることで支柱部400の下端の位置を決定しており、手摺部500の高さ位置を変更するには、ビス又はネジ600の挿通位置を変えることで、ホルダ部300内への支柱部400の挿入深さを変化させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3034536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の技術では、手摺部500の高さが穴310のピッチによって限定され、立ち上がり補助具100を使用する者(以下、単に使用者と略す)の体格に合わせて手摺部500の高さを微調整することができなかった。また、立ち上がり補助具100の外観を整えかつホルダ部300に設けた穴310の内周面が錆びるのを防止するために、ビス又はネジ600が挿通されない穴310に、化粧蓋320を装着する必要があり、使用の際の手間及び製造コストの面で問題があった。
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、手摺部の高さを無段階に調節することができ、ホルダ部に、化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよい立ち上がり動作補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る立ち上がり動作補助具は、床面と接するベース部と、このベース部に立設される上面が開口した中空のホルダ部と、手摺部を備え前記ホルダ部に挿脱自在な支柱部と、を備え、前記ホルダ部内への前記支柱部の挿入深さを変化させることにより前記手摺部の高さ位置が変更される立ち上がり動作補助具において、前記支柱部に、上下方向に伸縮する高さ調整部材が設けられたことを特徴としている。
【0009】
この特定事項により、手摺高さを無段階に調整することが可能となる。さらに、ホルダ部に、化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよくなる。
【0010】
前記高さ調整部材は、前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、この雌ネジ部と螺合するネジ杆と、からなるものであってもよい。
【0011】
この場合、高さ調整部材を安価に製作することができる。
【0012】
また、前記高さ調整部材は、前記支柱部の下端面から突設されたネジ杆と、このネジ杆と螺合する雌ネジ部を有する脚部材と、からなるものであっても、あるいは、
前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、この雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材と、からなるものであってもよい。
【0013】
これらの場合、高さ調整部材を安価に製作することができる上に、高さ調整部材として用いるネジ杆を回動させる捩りモーメントを大きくできる結果、使用者の高さ調整部材の操作に要する力を軽減させることができる。
【0014】
上記した立ち上がり補助具において、前記ホルダ部は雌ネジ溝を下端内周面に設けた円筒部材であって、前記ベース部は前記ホルダ部の立設位置に連結孔を備え、該連結孔に挿通され前記雌ネジ溝に螺合される雄ネジ部と、前記雄ネジ溝と前記雌ネジとが螺合されたとき前記ベース部を前記円筒部材の下端面とで挟持する突出部と、を有するホルダ部固定具を備えた構成であってもよい。
【0015】
この場合、ホルダ部をベース部に立設するために要する手間とコストを軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る立ち上がり補助具は、手摺の高さを無段階に調節することができる。また、ホルダ部に化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよいため、使用時の手間が省け、製造コストを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、「第1の状態」とは、立ち上がり補助具の手摺部の位置が最も高くなるように調整した状態を、「第2の状態」とは手摺部の位置が最も低くなるように調整した状態をいう。
【図1】本発明に係る立ち上がり補助具の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明に係る立ち上がり補助具の一実施形態における支柱部の正面図である。
【図3】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態1における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図4】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態1における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第2の状態のものである。
【図5】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態2における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図6】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態2における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第2の状態のものである。
【図7】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態3における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図8】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態3についての支柱部の図7におけるA−A断面に沿う水平方向断面図である。
【図9】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態4における支柱部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図10】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態5における支柱部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図11】本発明に係る立ち上がり補助具の高さ調整部材の変形例を示す正面図である。
【図12】従来の立ち上がり補助具の斜視図である。
【図13】従来の立ち上がり補助具の支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る立ち上がり補助具の斜視図を示している。図2は一実施形態における支柱部の正面図である。
【0019】
立ち上がり補助具1は、図1に示すように、床面と接するベース部2、上面が開口した中空のホルダ部3、手摺部5を備えホルダ部3に挿脱自在な支柱部4を備えている。支柱部4は、図2に示すように、手摺部5の他に高さ調整部材6も備えている。
【0020】
前記ベース部2は、立ち上がり補助具を床面に定着させる機能を有する。ベース部2の周端部には床面の方向に向かう傾斜面が設けられており、これによってベース部2の中央を床面から浮かせることで、後述するホルダ固定金具31をベース部2の下面に取り付けるスペースが確保されている。このようになるベース部2は、立ち上がり補助具の転倒による事故を回避するために、重心が低く床面との接触面積が大きくされている。このベース部2を構成するベース板21としては、金属製の板や強度の高い合成樹脂製の板を用いることが考えられる。上記した傾斜面の周端縁部には溝ゴムを装着することで、床面のスリ傷の発生を防止するとともに、使用者の安全を確保することができる。
【0021】
前記ホルダ部3は、前記支柱部4を支えかつベース部2と支柱部4を連結する機能を有する。このホルダ部3は、上面に開口した中空の筒状体であり、この開口した上面から支柱部4が挿脱される。ホルダ部3は、使用時に支柱部4を支持するのに十分な長さと強度を要する。このような支柱部4としては、金属製パイプ32を用いる例が挙げられる。この場合、金属製パイプ32の表面に塗装や樹脂製フィルムを施すことで、パイプに防錆効果を付与することが望ましい。ホルダ部3をベース部2に立設させる手段としては、図4に示すように、ベース板21に連結孔22を設けると共に、ベース板21の下面から雄ネジ溝35を設けたホルダ固定金具31を挿通し、雄ネジ溝35とホルダ部3の下端部内周面に設けた雌ネジ溝36を螺合させ、ベース部2のベース板21を挟んで締結する方法が挙げられる。このような立設方法は、各部材の加工の手間が少なくて済み好ましい。なお、ホルダ部3をベース部2に立設させる手段は上記のようなものに限られず、溶接等を用いてもよい。
【0022】
ホルダ固定金具31の上面にはゴム板34などの弾性材を接着し、ホルダ部3に支柱部4を挿入する際のホルダ部3及び支柱部4に加わる衝撃を和らげることが好ましい。
【0023】
前記支柱部4は、手摺部5を支える支柱としての機能を有する。支柱部4はホルダ部3の開口部に挿入される縦柱4aを必須の構成要素とする。縦柱4aの本数は1本でも複数本でも良い。図1は縦柱4aが2本の場合の一例を示すものである。
【0024】
手摺部5は、使用者が立ち上がる際につかむ手摺としての機能を有する。手摺部5は、つかみ易い形状のものであればよく、横桟に限らず縦梁でもよい。さらに、手摺部5は、人が握り易い太さのものとされる。手摺部5に適当な部材の例として、直径3cm程の円筒金属製パイプが挙げられる。手摺部5を支柱部4に連結支持させるには、溶接や樹脂性ジョイント51(図2)を用いるとよい。
【0025】
支柱部4には、図2に示すように、高さ調整部材6が設けられている。高さ調整部材6は、上下に無段階に伸縮する機能を有する。使用者は、支柱部4に設けられた高さ調整部材6を伸縮させることで支柱部4に連結支持されている手摺部5の高さを無段階に変えることができる。高さ調整部材6を設ける位置は、支柱部4の下端部に限られず、図9及び図10に示すように、支柱部4の中途部でも良い。高さ調整部材6としては、ネジ杆とそれに螺合するネジ穴を用いることが一般的であるが、図11に示すようなパンタグラフ式リンク機構62を用いる場合も考えられる。高さ調整部材6にネジ杆とそれに螺合するネジ穴を用いた場合は、ネジ杆やネジ穴を有する部材を手で回動させることで、高さ調整部材6を伸縮させる。
【0026】
以下、高さ調整部材6の複数の具体例別に実施形態を挙げる。
【0027】
<実施形態1、2、3共通>
高さ調整部材6が、支柱部4の下端部に設けられた雌ネジ部48と、この雌ネジ部48と螺合するネジ杆60である場合の実施形態について説明する。
【0028】
雌ネジ部48と螺合するネジ杆60にはボルト61を用いる。
【0029】
<実施形態1>
支柱部4の下端部に設けられる雌ネジ部48について、図3及び図4を参照して説明する。支柱部4を構成する部材として金属製パイプ(以下、支柱パイプ)を用いる。支柱パイプ41に、支柱パイプ41内周面に内接しボルト61に螺合するボルトブラケット42aを挿入する。ボルトブラケット42aが挿入された状態でボルトブラケット42a及び支柱パイプ41を貫通する小孔43を設ける。小孔43に支柱パイプ41の外径と同一の長さを有するスプリングピン44を挿入し、ボルトブラケット42aを支柱パイプ41下端に固定する。小孔43は、ボルト61が最も深くボルトブラケット42aに螺合している状態(第2の状態)(図4参照)で小孔43に挿入するスプリングピン44がボルト61の雄ネジ部先端に当たらない位置に設ける。こうして、支柱部4の下端部に図3及び図4に示すような雌ネジ部48を設ける。
【0030】
<実施形態2>
前記雌ネジ部48は、図5及び図6に示すように、支柱パイプ41内周面に内接しボルト61に螺合するボルトブラケット42bを支柱パイプ41にかしめ止めすることで、支柱パイプ41下端部に設けることもできる。ボルトブラケット42bの外周面にあらかじめ溝46aを設け、支柱パイプ41の下端部に支柱パイプ41内周面に外接するボルトブラケット42bを挿入する。支柱パイプ41側面をボルトブラケット42bの外周面に設けた溝46aに沿わせてかしめ、ボルトブラケット42bを支柱パイプ41下端に固定する。こうして、支柱部4の下端部に雌ネジ部48を設けることもできる。
【0031】
<実施形態3>
ボルトブラケット42bを支柱パイプ41下端部に固定する方法は、図5のようなかしめ止め以外に、図7及び図8のように二方向からビス47を用いて止めるものも考えられる。
【0032】
<実施形態1、2、3共通>
支柱部4に上方への引っ張り力が加わった場合、支柱部4がホルダ部3から抜脱し使用者の安全を損なうおそれがある。このような抜脱を防ぐため、図3に示すように、ホルダ部3側面に孔37を設け、当該孔37に止めネジ33を挿入し、支柱部4をホルダ部3に対して固定する。
【0033】
止めネジ33を挿入する孔37は、挿入した止めネジ33を外部から目に付きにくくするため、ホルダ部3が複数ある場合にはホルダ部3同士が向かい合う位置に設ける。孔32は、ボルト61が最も浅くボルトブラケット42に螺合している状態(第1の状態)でも止めネジ33が支柱パイプ41に当接するよう、ホルダ部3上端部に設ける。止めネジ33を挿入することで、支柱部4がホルダ部3に対して水平方向にも固定され、ホルダ部3内で支柱部4が水平方向にがたつくことを防止することもできる。
【0034】
本実施形態の立ち上がり補助具を使用する際は、止めネジ33を一旦緩め、支柱部4をホルダ部3から抜脱し、支柱部4に螺合したボルト61を手で回動させて高さ調整を行う。
【0035】
<実施形態4>
高さ調整部材6が、支柱部4の下端面から突設されたネジ杆と、このネジ杆と螺合する雌ネジ部を有する脚部材7とからなる場合について説明する(図9参照)。
【0036】
支柱部4の下端面から突設されたネジ杆は次のように作成する。支柱部4として金属パイプ(以下、支柱パイプ)を用いる。支柱パイプ41の内周面に内接するボルトブラケット42cを用意する。ボルトブラケット42cには、外周面にあらかじめ溝46bを設けるとともに、ボルトブラケット42cのネジ孔49にボルト61aを、そのボルト頭63の下面がボルトブラケット42cの上面に当接するまで螺入する。このとき、ボルト頭63とボルトブラケット42cの接触面を相互に接着材等で接着しボルト61aをボルトブラケット42cに対して回転不能に固定する。ボルトブラケット42cと一体となったボルト61aをボルト頭63側から支柱パイプ41の下端部へ挿入し、ボルトブラケット42cの下端面が支柱パイプ41の下端縁で隠れる位置で支柱パイプ41をボルトブラケット42cの溝46bに沿わせてかしめ、ボルトブラケット42cを支柱パイプ41に固定する。こうして、支柱部4の下端部から突設されたネジ杆を作成する。
【0037】
ネジ杆(ボルト61a)と螺合する雌ネジ部78を有する脚部材7aとしては、支柱パイプ41の外径と同一の外径を持つ円柱形の木材等を用いるとよい。木材を用いた場合は、その上面側にボルト61aと螺合する雌ネジ穴78を設けるだけで脚部材7aとなる。
【0038】
また、図9に示したように、金属パイプ内周面にボルトブラケット74aをかしめ止めしたものを脚部材7aとしてもよい。
【0039】
本実施形態でも、支柱部4が上方への引っ張りや水平方向への揺れに対して固定されるようにするには、図3に示したように止めネジ33を用いる。
【0040】
本実施形態の立ち上がり補助具1を使用する際は、止めネジ33を一旦緩め、支柱部4をホルダ部3から抜脱し、支柱部4に螺合する雌ネジ部を有する脚部材7aを手で回動させて高さ調整を行う。
【0041】
<実施形態5>
高さ調整部材6が、支柱部4の下端部に設けられた雌ネジ部と、この雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材7bからなる場合の実施形態について説明する(図10参照)。
【0042】
支柱部4の下端部に雌ネジ部を設ける方法は、上記の実施形態1、2及び3で述べたのと同じである。
【0043】
支柱部4に設けられた雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材7bを作成する方法について説明する。脚部材7として金属パイプ(以下、脚パイプ)を用い、脚パイプ73内周面に内接するボルトブラケット74を用意する。ボルトブラケット74には、外周面にあらかじめ溝75を設け、ボルトブラケット74と螺合するボルト72をボルト72のボルト頭79とボルトブラケット74下面とが当接するまで螺入する。このとき、ボルト72のボルト頭79とボルトブラケット74の接触面を相互に接着材等で接着しボルト72をボルトブラケット42cに対して回転不能に固定する。ボルトブラケット74と一体となったボルト72を、ボルト頭79側から脚パイプ73の上端へ挿入し、ボルトブラケット74の上面が脚パイプ73の上端で隠れる位置で脚パイプ73をボルトブラケット74に設けた溝75に沿わせてかしめ、ボルトブラケット74を脚パイプ73に固定する。ボルト72には、雄ネジ部76がボルトブラケット74の雌ネジ部77のみならず支柱部4下端に設けられた雌ネジ部48とも螺合するものを用いる。こうして、支柱部4下端に設けられた雌ネジ部48と螺合する突設されたネジ杆(ボルト72)を有する脚部材7を作成する。
【0044】
本実施形態でも、支柱部4が上方への引っ張りや水平方向への揺れに対して固定されるようにするには、図3に示したように止めネジ33を用いる。
【0045】
本実施形態の立ち上がり補助具1を使用する際は、止めネジ33を一旦緩め、支柱部4をホルダ部3から抜脱し、支柱部4に螺合したボルト72を有する脚部材7bを手で回動させて高さ調整を行う。
【0046】
上記いずれの実施形態においても、ネジ杆60に、一定間隔で複数の目印を設けておくと、各ネジ杆60同士で伸縮量を合わせることができるので都合がよい。目印としては、ネジ杆60の雄ネジ部64にペイントで線を付したり、あるいは雄ネジ部64を複数箇所に亘って部分的に切削したりすることで設けることが考えられる。
【符号の説明】
【0047】
1 立ち上がり補助具
2 ベース部
3 ホルダ部
4 支柱部
5 手摺部
6 高さ調整部材
7 脚部材
21 ベース板
31 ホルダ固定金具
32 金属パイプ(ホルダ部分)
33 止めネジ
34 ゴム板
35 雄ねじ部
36 雌ねじ部
37 孔
4a 縦柱(支柱部)
41 金属パイプ(支柱部分)
42a、42b、42c ボルトブラケット(支柱部分)
43 小孔
44 スプリングピン
46a、46b 溝
47 ビス
48 雌ネジ部
49 ネジ孔
60 ネジ杆
61、61a ボルト
62 パンタグラフ式リンク機構
63 ボルト頭
7a、7b 脚部材
72 ボルト(脚部分)
73 金属パイプ(脚部分)
74、74a ボルトブラケット(脚部分)
75 溝
76 雄ネジ部
77 雌ネジ部
78 雌ネジ部
79 ボルト頭
100 立ち上がり補助具
200 ベース部
300 ホルダ部
400 支柱部
500 手摺部
320 化粧蓋
600 ビス
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に介護・福祉の分野で使用される高齢者や要介護支援者らの立ち上がり動作補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢者や要介護支援者らが、日常生活において自力で立ち上がる際の補助具として、またリハビリテーションの道具として、立ち上がる際のバランスを補助しあるいは足腰の負担を軽減する立ち上がり補助具が広く用いられている。
【0003】
従来の立ち上がり補助具としては、図12に示すように、ベース部200と、ベース部200に立設される上面が開口した中空のホルダ部300と、手摺部500を備えホルダ部300に挿脱自在な支柱部400と、を備えた立ち上がり動作補助具100がある(特許文献1参照)。
【0004】
この立ち上がり動作補助具100では、ホルダ部300内への支柱部400の挿入深さを変化させることにより手摺部500の高さ位置が変更される。具体的には、図13に示すように、ホルダ部300の側面に穴310を設け、その穴310にビス又はネジ600を挿通し、このビス又はネジ600に支柱部400の下端を当接させることで支柱部400の下端の位置を決定しており、手摺部500の高さ位置を変更するには、ビス又はネジ600の挿通位置を変えることで、ホルダ部300内への支柱部400の挿入深さを変化させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3034536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の技術では、手摺部500の高さが穴310のピッチによって限定され、立ち上がり補助具100を使用する者(以下、単に使用者と略す)の体格に合わせて手摺部500の高さを微調整することができなかった。また、立ち上がり補助具100の外観を整えかつホルダ部300に設けた穴310の内周面が錆びるのを防止するために、ビス又はネジ600が挿通されない穴310に、化粧蓋320を装着する必要があり、使用の際の手間及び製造コストの面で問題があった。
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、手摺部の高さを無段階に調節することができ、ホルダ部に、化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよい立ち上がり動作補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る立ち上がり動作補助具は、床面と接するベース部と、このベース部に立設される上面が開口した中空のホルダ部と、手摺部を備え前記ホルダ部に挿脱自在な支柱部と、を備え、前記ホルダ部内への前記支柱部の挿入深さを変化させることにより前記手摺部の高さ位置が変更される立ち上がり動作補助具において、前記支柱部に、上下方向に伸縮する高さ調整部材が設けられたことを特徴としている。
【0009】
この特定事項により、手摺高さを無段階に調整することが可能となる。さらに、ホルダ部に、化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよくなる。
【0010】
前記高さ調整部材は、前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、この雌ネジ部と螺合するネジ杆と、からなるものであってもよい。
【0011】
この場合、高さ調整部材を安価に製作することができる。
【0012】
また、前記高さ調整部材は、前記支柱部の下端面から突設されたネジ杆と、このネジ杆と螺合する雌ネジ部を有する脚部材と、からなるものであっても、あるいは、
前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、この雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材と、からなるものであってもよい。
【0013】
これらの場合、高さ調整部材を安価に製作することができる上に、高さ調整部材として用いるネジ杆を回動させる捩りモーメントを大きくできる結果、使用者の高さ調整部材の操作に要する力を軽減させることができる。
【0014】
上記した立ち上がり補助具において、前記ホルダ部は雌ネジ溝を下端内周面に設けた円筒部材であって、前記ベース部は前記ホルダ部の立設位置に連結孔を備え、該連結孔に挿通され前記雌ネジ溝に螺合される雄ネジ部と、前記雄ネジ溝と前記雌ネジとが螺合されたとき前記ベース部を前記円筒部材の下端面とで挟持する突出部と、を有するホルダ部固定具を備えた構成であってもよい。
【0015】
この場合、ホルダ部をベース部に立設するために要する手間とコストを軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る立ち上がり補助具は、手摺の高さを無段階に調節することができる。また、ホルダ部に化粧蓋が必要とされるような穴を形成しなくてもよいため、使用時の手間が省け、製造コストを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、「第1の状態」とは、立ち上がり補助具の手摺部の位置が最も高くなるように調整した状態を、「第2の状態」とは手摺部の位置が最も低くなるように調整した状態をいう。
【図1】本発明に係る立ち上がり補助具の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明に係る立ち上がり補助具の一実施形態における支柱部の正面図である。
【図3】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態1における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図4】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態1における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第2の状態のものである。
【図5】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態2における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図6】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態2における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第2の状態のものである。
【図7】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態3における支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図8】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態3についての支柱部の図7におけるA−A断面に沿う水平方向断面図である。
【図9】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態4における支柱部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図10】本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態5における支柱部の鉛直方向断面図であって、第1の状態のものである。
【図11】本発明に係る立ち上がり補助具の高さ調整部材の変形例を示す正面図である。
【図12】従来の立ち上がり補助具の斜視図である。
【図13】従来の立ち上がり補助具の支柱部及びホルダ部の鉛直方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る立ち上がり補助具の斜視図を示している。図2は一実施形態における支柱部の正面図である。
【0019】
立ち上がり補助具1は、図1に示すように、床面と接するベース部2、上面が開口した中空のホルダ部3、手摺部5を備えホルダ部3に挿脱自在な支柱部4を備えている。支柱部4は、図2に示すように、手摺部5の他に高さ調整部材6も備えている。
【0020】
前記ベース部2は、立ち上がり補助具を床面に定着させる機能を有する。ベース部2の周端部には床面の方向に向かう傾斜面が設けられており、これによってベース部2の中央を床面から浮かせることで、後述するホルダ固定金具31をベース部2の下面に取り付けるスペースが確保されている。このようになるベース部2は、立ち上がり補助具の転倒による事故を回避するために、重心が低く床面との接触面積が大きくされている。このベース部2を構成するベース板21としては、金属製の板や強度の高い合成樹脂製の板を用いることが考えられる。上記した傾斜面の周端縁部には溝ゴムを装着することで、床面のスリ傷の発生を防止するとともに、使用者の安全を確保することができる。
【0021】
前記ホルダ部3は、前記支柱部4を支えかつベース部2と支柱部4を連結する機能を有する。このホルダ部3は、上面に開口した中空の筒状体であり、この開口した上面から支柱部4が挿脱される。ホルダ部3は、使用時に支柱部4を支持するのに十分な長さと強度を要する。このような支柱部4としては、金属製パイプ32を用いる例が挙げられる。この場合、金属製パイプ32の表面に塗装や樹脂製フィルムを施すことで、パイプに防錆効果を付与することが望ましい。ホルダ部3をベース部2に立設させる手段としては、図4に示すように、ベース板21に連結孔22を設けると共に、ベース板21の下面から雄ネジ溝35を設けたホルダ固定金具31を挿通し、雄ネジ溝35とホルダ部3の下端部内周面に設けた雌ネジ溝36を螺合させ、ベース部2のベース板21を挟んで締結する方法が挙げられる。このような立設方法は、各部材の加工の手間が少なくて済み好ましい。なお、ホルダ部3をベース部2に立設させる手段は上記のようなものに限られず、溶接等を用いてもよい。
【0022】
ホルダ固定金具31の上面にはゴム板34などの弾性材を接着し、ホルダ部3に支柱部4を挿入する際のホルダ部3及び支柱部4に加わる衝撃を和らげることが好ましい。
【0023】
前記支柱部4は、手摺部5を支える支柱としての機能を有する。支柱部4はホルダ部3の開口部に挿入される縦柱4aを必須の構成要素とする。縦柱4aの本数は1本でも複数本でも良い。図1は縦柱4aが2本の場合の一例を示すものである。
【0024】
手摺部5は、使用者が立ち上がる際につかむ手摺としての機能を有する。手摺部5は、つかみ易い形状のものであればよく、横桟に限らず縦梁でもよい。さらに、手摺部5は、人が握り易い太さのものとされる。手摺部5に適当な部材の例として、直径3cm程の円筒金属製パイプが挙げられる。手摺部5を支柱部4に連結支持させるには、溶接や樹脂性ジョイント51(図2)を用いるとよい。
【0025】
支柱部4には、図2に示すように、高さ調整部材6が設けられている。高さ調整部材6は、上下に無段階に伸縮する機能を有する。使用者は、支柱部4に設けられた高さ調整部材6を伸縮させることで支柱部4に連結支持されている手摺部5の高さを無段階に変えることができる。高さ調整部材6を設ける位置は、支柱部4の下端部に限られず、図9及び図10に示すように、支柱部4の中途部でも良い。高さ調整部材6としては、ネジ杆とそれに螺合するネジ穴を用いることが一般的であるが、図11に示すようなパンタグラフ式リンク機構62を用いる場合も考えられる。高さ調整部材6にネジ杆とそれに螺合するネジ穴を用いた場合は、ネジ杆やネジ穴を有する部材を手で回動させることで、高さ調整部材6を伸縮させる。
【0026】
以下、高さ調整部材6の複数の具体例別に実施形態を挙げる。
【0027】
<実施形態1、2、3共通>
高さ調整部材6が、支柱部4の下端部に設けられた雌ネジ部48と、この雌ネジ部48と螺合するネジ杆60である場合の実施形態について説明する。
【0028】
雌ネジ部48と螺合するネジ杆60にはボルト61を用いる。
【0029】
<実施形態1>
支柱部4の下端部に設けられる雌ネジ部48について、図3及び図4を参照して説明する。支柱部4を構成する部材として金属製パイプ(以下、支柱パイプ)を用いる。支柱パイプ41に、支柱パイプ41内周面に内接しボルト61に螺合するボルトブラケット42aを挿入する。ボルトブラケット42aが挿入された状態でボルトブラケット42a及び支柱パイプ41を貫通する小孔43を設ける。小孔43に支柱パイプ41の外径と同一の長さを有するスプリングピン44を挿入し、ボルトブラケット42aを支柱パイプ41下端に固定する。小孔43は、ボルト61が最も深くボルトブラケット42aに螺合している状態(第2の状態)(図4参照)で小孔43に挿入するスプリングピン44がボルト61の雄ネジ部先端に当たらない位置に設ける。こうして、支柱部4の下端部に図3及び図4に示すような雌ネジ部48を設ける。
【0030】
<実施形態2>
前記雌ネジ部48は、図5及び図6に示すように、支柱パイプ41内周面に内接しボルト61に螺合するボルトブラケット42bを支柱パイプ41にかしめ止めすることで、支柱パイプ41下端部に設けることもできる。ボルトブラケット42bの外周面にあらかじめ溝46aを設け、支柱パイプ41の下端部に支柱パイプ41内周面に外接するボルトブラケット42bを挿入する。支柱パイプ41側面をボルトブラケット42bの外周面に設けた溝46aに沿わせてかしめ、ボルトブラケット42bを支柱パイプ41下端に固定する。こうして、支柱部4の下端部に雌ネジ部48を設けることもできる。
【0031】
<実施形態3>
ボルトブラケット42bを支柱パイプ41下端部に固定する方法は、図5のようなかしめ止め以外に、図7及び図8のように二方向からビス47を用いて止めるものも考えられる。
【0032】
<実施形態1、2、3共通>
支柱部4に上方への引っ張り力が加わった場合、支柱部4がホルダ部3から抜脱し使用者の安全を損なうおそれがある。このような抜脱を防ぐため、図3に示すように、ホルダ部3側面に孔37を設け、当該孔37に止めネジ33を挿入し、支柱部4をホルダ部3に対して固定する。
【0033】
止めネジ33を挿入する孔37は、挿入した止めネジ33を外部から目に付きにくくするため、ホルダ部3が複数ある場合にはホルダ部3同士が向かい合う位置に設ける。孔32は、ボルト61が最も浅くボルトブラケット42に螺合している状態(第1の状態)でも止めネジ33が支柱パイプ41に当接するよう、ホルダ部3上端部に設ける。止めネジ33を挿入することで、支柱部4がホルダ部3に対して水平方向にも固定され、ホルダ部3内で支柱部4が水平方向にがたつくことを防止することもできる。
【0034】
本実施形態の立ち上がり補助具を使用する際は、止めネジ33を一旦緩め、支柱部4をホルダ部3から抜脱し、支柱部4に螺合したボルト61を手で回動させて高さ調整を行う。
【0035】
<実施形態4>
高さ調整部材6が、支柱部4の下端面から突設されたネジ杆と、このネジ杆と螺合する雌ネジ部を有する脚部材7とからなる場合について説明する(図9参照)。
【0036】
支柱部4の下端面から突設されたネジ杆は次のように作成する。支柱部4として金属パイプ(以下、支柱パイプ)を用いる。支柱パイプ41の内周面に内接するボルトブラケット42cを用意する。ボルトブラケット42cには、外周面にあらかじめ溝46bを設けるとともに、ボルトブラケット42cのネジ孔49にボルト61aを、そのボルト頭63の下面がボルトブラケット42cの上面に当接するまで螺入する。このとき、ボルト頭63とボルトブラケット42cの接触面を相互に接着材等で接着しボルト61aをボルトブラケット42cに対して回転不能に固定する。ボルトブラケット42cと一体となったボルト61aをボルト頭63側から支柱パイプ41の下端部へ挿入し、ボルトブラケット42cの下端面が支柱パイプ41の下端縁で隠れる位置で支柱パイプ41をボルトブラケット42cの溝46bに沿わせてかしめ、ボルトブラケット42cを支柱パイプ41に固定する。こうして、支柱部4の下端部から突設されたネジ杆を作成する。
【0037】
ネジ杆(ボルト61a)と螺合する雌ネジ部78を有する脚部材7aとしては、支柱パイプ41の外径と同一の外径を持つ円柱形の木材等を用いるとよい。木材を用いた場合は、その上面側にボルト61aと螺合する雌ネジ穴78を設けるだけで脚部材7aとなる。
【0038】
また、図9に示したように、金属パイプ内周面にボルトブラケット74aをかしめ止めしたものを脚部材7aとしてもよい。
【0039】
本実施形態でも、支柱部4が上方への引っ張りや水平方向への揺れに対して固定されるようにするには、図3に示したように止めネジ33を用いる。
【0040】
本実施形態の立ち上がり補助具1を使用する際は、止めネジ33を一旦緩め、支柱部4をホルダ部3から抜脱し、支柱部4に螺合する雌ネジ部を有する脚部材7aを手で回動させて高さ調整を行う。
【0041】
<実施形態5>
高さ調整部材6が、支柱部4の下端部に設けられた雌ネジ部と、この雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材7bからなる場合の実施形態について説明する(図10参照)。
【0042】
支柱部4の下端部に雌ネジ部を設ける方法は、上記の実施形態1、2及び3で述べたのと同じである。
【0043】
支柱部4に設けられた雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材7bを作成する方法について説明する。脚部材7として金属パイプ(以下、脚パイプ)を用い、脚パイプ73内周面に内接するボルトブラケット74を用意する。ボルトブラケット74には、外周面にあらかじめ溝75を設け、ボルトブラケット74と螺合するボルト72をボルト72のボルト頭79とボルトブラケット74下面とが当接するまで螺入する。このとき、ボルト72のボルト頭79とボルトブラケット74の接触面を相互に接着材等で接着しボルト72をボルトブラケット42cに対して回転不能に固定する。ボルトブラケット74と一体となったボルト72を、ボルト頭79側から脚パイプ73の上端へ挿入し、ボルトブラケット74の上面が脚パイプ73の上端で隠れる位置で脚パイプ73をボルトブラケット74に設けた溝75に沿わせてかしめ、ボルトブラケット74を脚パイプ73に固定する。ボルト72には、雄ネジ部76がボルトブラケット74の雌ネジ部77のみならず支柱部4下端に設けられた雌ネジ部48とも螺合するものを用いる。こうして、支柱部4下端に設けられた雌ネジ部48と螺合する突設されたネジ杆(ボルト72)を有する脚部材7を作成する。
【0044】
本実施形態でも、支柱部4が上方への引っ張りや水平方向への揺れに対して固定されるようにするには、図3に示したように止めネジ33を用いる。
【0045】
本実施形態の立ち上がり補助具1を使用する際は、止めネジ33を一旦緩め、支柱部4をホルダ部3から抜脱し、支柱部4に螺合したボルト72を有する脚部材7bを手で回動させて高さ調整を行う。
【0046】
上記いずれの実施形態においても、ネジ杆60に、一定間隔で複数の目印を設けておくと、各ネジ杆60同士で伸縮量を合わせることができるので都合がよい。目印としては、ネジ杆60の雄ネジ部64にペイントで線を付したり、あるいは雄ネジ部64を複数箇所に亘って部分的に切削したりすることで設けることが考えられる。
【符号の説明】
【0047】
1 立ち上がり補助具
2 ベース部
3 ホルダ部
4 支柱部
5 手摺部
6 高さ調整部材
7 脚部材
21 ベース板
31 ホルダ固定金具
32 金属パイプ(ホルダ部分)
33 止めネジ
34 ゴム板
35 雄ねじ部
36 雌ねじ部
37 孔
4a 縦柱(支柱部)
41 金属パイプ(支柱部分)
42a、42b、42c ボルトブラケット(支柱部分)
43 小孔
44 スプリングピン
46a、46b 溝
47 ビス
48 雌ネジ部
49 ネジ孔
60 ネジ杆
61、61a ボルト
62 パンタグラフ式リンク機構
63 ボルト頭
7a、7b 脚部材
72 ボルト(脚部分)
73 金属パイプ(脚部分)
74、74a ボルトブラケット(脚部分)
75 溝
76 雄ネジ部
77 雌ネジ部
78 雌ネジ部
79 ボルト頭
100 立ち上がり補助具
200 ベース部
300 ホルダ部
400 支柱部
500 手摺部
320 化粧蓋
600 ビス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面と接するベース部と、
このベース部に立設される上面が開口した中空のホルダ部と、
手摺部を備え前記ホルダ部に挿脱自在な支柱部と、
を備え、前記ホルダ部内への前記支柱部の挿入深さを変化させることにより前記手摺部の高さ位置が変更される立ち上がり動作補助具において、
前記支柱部に、上下方向に伸縮する高さ調整部材が設けられたことを特徴とする立ち上がり動作補助具。
【請求項2】
前記高さ調整部材は、
前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、
この雌ネジ部と螺合するネジ杆と、
からなることを特徴とする請求項1記載の立ち上がり動作補助具。
【請求項3】
前記高さ調整部材は、
前記支柱部の下端面から突設されたネジ杆と、
このネジ杆と螺合する雌ネジ部を有する脚部材と、
からなることを特徴とする請求項1記載の立ち上がり動作補助具。
【請求項4】
前記高さ調整部材は、
前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、
この雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材と、
からなることを特徴とする請求項1記載の立ち上がり動作補助具。
【請求項5】
前記ホルダ部は雌ネジ溝を下端内周面に設けた円筒部材であって、
前記ベース部は前記ホルダ部の立設位置に連結孔を備え、
該連結孔に挿通され前記雌ネジ溝に螺合される雄ネジ部と、前記雌ネジ溝と前記雄ネジとが螺合されたとき前記ベース部を前記円筒部材の下端面とで挟持する突出部と、を有するホルダ部固定具、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の立ち上がり補助具。
【請求項1】
床面と接するベース部と、
このベース部に立設される上面が開口した中空のホルダ部と、
手摺部を備え前記ホルダ部に挿脱自在な支柱部と、
を備え、前記ホルダ部内への前記支柱部の挿入深さを変化させることにより前記手摺部の高さ位置が変更される立ち上がり動作補助具において、
前記支柱部に、上下方向に伸縮する高さ調整部材が設けられたことを特徴とする立ち上がり動作補助具。
【請求項2】
前記高さ調整部材は、
前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、
この雌ネジ部と螺合するネジ杆と、
からなることを特徴とする請求項1記載の立ち上がり動作補助具。
【請求項3】
前記高さ調整部材は、
前記支柱部の下端面から突設されたネジ杆と、
このネジ杆と螺合する雌ネジ部を有する脚部材と、
からなることを特徴とする請求項1記載の立ち上がり動作補助具。
【請求項4】
前記高さ調整部材は、
前記支柱部の下端部に設けられた雌ネジ部と、
この雌ネジ部と螺合するネジ杆を有する脚部材と、
からなることを特徴とする請求項1記載の立ち上がり動作補助具。
【請求項5】
前記ホルダ部は雌ネジ溝を下端内周面に設けた円筒部材であって、
前記ベース部は前記ホルダ部の立設位置に連結孔を備え、
該連結孔に挿通され前記雌ネジ溝に螺合される雄ネジ部と、前記雌ネジ溝と前記雄ネジとが螺合されたとき前記ベース部を前記円筒部材の下端面とで挟持する突出部と、を有するホルダ部固定具、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の立ち上がり補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−223247(P2012−223247A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91335(P2011−91335)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000113779)マツ六株式会社 (68)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000113779)マツ六株式会社 (68)
【Fターム(参考)】
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