説明

立ち姿勢凭れ装置

【課題】立ち姿勢での人体の腰から背中にかけての接触部分に違和感や疲労感を与えずに、長時間にわたって楽に凭れかかることができる立ち姿勢凭れ装置を提供する。
【解決手段】上面に左右一対の挿入用支持部3を備えた接地スタンド用の台座2と、両挿入用支持部3それぞれに挿入して起立状に固定保持される左右一対の支持脚部4と、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触支持するよう両支持脚部4の高さ位置に架け渡した弾性保持部材7を介して当該両支持脚部4の相互間に配したクッション部材6とを備える。挿入用支持部3と支持脚部4とには、互いに合致する固定用孔13を備える。また、支持脚部4には、周囲を覆う透明合成樹脂材によるカバー体9を設けて宣伝広告用媒体10を粘着、収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバス停留所・駅のプラットホーム・空港の待合い場所、あるいは競輪競馬等の各種競技場やステージ等の立ち見による観覧場所、ライブハウス等、公園・公共広場等の休憩場所、立飲み屋等の様々な場所において、立ち姿勢のままで腰から背中にかけての部分を凭れさせて身体を保持できるようにする立ち姿勢凭れ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の立ち姿勢凭れ装置としては、例えば鉄製パイプ等によるアーチ型もしくはハードル型の背凭れ材を例えばコンクリート床面に立設し、立ち姿勢での人体の腰から背中にかけての部位が接触支持される当該背凭れ材の横パイプ部分に例えばゴム等の弾性筒材によるクッション部材を付設させて成るものがある。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来においては、上述したように立ち姿勢凭れ装置が背凭れ材上端の横パイプ部分にクッション部材を付設させて成るので、立ち姿勢での人体の腰から背中にかけての部位がこの横パイプ部分に凭れかかった際には当該横パイプ部分が鉄製で硬質であることから、このクッション部材では十分な弾性保持が得られず、このため人体に対しゴツゴツとした違和感を与え、かえって疲労感を増強させてしまうという問題点を有していた。
【0004】
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、例えばバス停留所・駅のプラットホーム・空港の待合い場所、あるいは競輪競馬等の各種競技場やステージ等の立ち見による観覧場所、公園・公共広場等の休憩場所等の様々な場所において、凭れかかった際の弾力性を確保でき、立ち姿勢での人体の腰から背中にかけての接触部分に違和感や疲労感を与えずに長時間にわたって楽に凭れかかることができる立ち姿勢凭れ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、挿入用支持部3を備えた接地スタンド用の台座2と、挿入用支持部3に挿入されて起立状に固定保持される支持脚部4と、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触支持するよう支持脚部4の所定の高さ位置に配されたクッション部材6とを備えて成るものである。
また、左右一対の挿入用支持部3を備えた接地スタンド用の台座2と、両挿入用支持部3それぞれに挿入されて起立状に固定保持される左右一対の支持脚部4と、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触支持するよう両支持脚部4の高さ位置に架け渡される弾性保持部材7を介して当該両支持脚部4の相互間に配されたクッション部材6とを備えて成るものとすることができる。
挿入用支持部3は台座2の上面に立脚状に設けられていたり、設置場所で埋設可能に台座2底面に筒状に設けられていたりすることができる。
前記弾性保持部材7は、両支持脚部4の相対向する各側面に配した伸縮保持可能な締結リング7bによって両端が保持されて成るベルト部材7cによって形成されているものとすることができ、また、支持脚部4の周壁面におけるほぼ同一の所定高さ位置、さらには左右対称位置に設けられることで、各支持脚部4を介して複数のクッション部材6が隣接配置可能にして成るものとすることができる。
クッション部材6は、支持脚部4に上下移動自在に設けることができる。
挿入用支持部3と該挿入用支持部3に挿入した支持脚部4とには、互いに合致するよう固定用の孔13を備え、挿入用支持部3に対する支持脚部4の固定保持は、互いに合致させた固定用の各孔に固定部材11を挿入させることによるものとすることができる。
固定用の孔13は、互いに隣接する台座2の各挿入用支持部3同士を連繋部材12によって連結させる連繋用の孔として利用可能にすることができ、また、挿入用支持部3と該挿入用支持部3に挿入した支持脚部4とのそれぞれに対し、上下方向に沿ってずらした位置で互いに合致するよう等間隔毎に設けられ、挿入用支持部3に対する支持脚部4の高さ調整用の孔として利用可能にしたものとすることができる。
支持脚部4は、その周囲を覆うカバー体9を備え、該カバー体9には、宣伝広告用媒体10を設けてあるものとすることができ、また、カバー体9は透明材にて形成し、宣伝用広告媒体10を外面に貼着可能にするか、もしくは内部に収容可能にしたものとすることができる。
さらには、台座2は、壁面に固定可能にして構成することもでき、この場合、支持脚部4は側面から見てL字形に形成することが望ましい。
【0006】
以上のように構成された本発明に係る立ち姿勢凭れ装置にあって、クッション部材6は、両支持脚部4に架け渡される弾性保持部材7を介して当該両支持脚部4の相互間に配されていることから、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけての部位が接触支持するようにクッション部材6に凭れかかった場合に、当該弾性保持部材7によってクッション部材6の弾力性を確保させる。
支持脚部4に上下移動自在に設けたクッション部材6は、立ち姿勢の人体Pそれぞれで異なる例えば腰部高さ位置に対応調整させる。
弾性保持部材7は、伸縮保持可能な締結リング7bによって両端が保持されて成るベルト部材7cによって形成されていることから、左右一対の支持脚部4の相互間におけるクッション部材6の強固な支持力と同時にクッション部材6の弾力性を確保させる。
挿入用支持部3と該挿入用支持部3に挿入した支持脚部4との互いに合致させた固定用の各孔に固定部材11を挿入させることで、クッション部材6に凭れかかった際の支持脚部4の転倒を未然に防止させる。
互いに隣接する台座2の各挿入用支持部3同士を連繋部材12によって連結させる連繋用の孔として利用可能にした固定用の孔13は、複数の立ち姿勢凭れ装置を、平面で例えば直列状、蛇行状、L字状等の種々の配列形態に安定して並置可能にさせる。
挿入用支持部3に対する支持脚部4の高さ調整用の孔として利用可能にした固定用の孔13は、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触支持可能な任意の高さ位置にクッション部材6を配置可能にさせる。
宣伝広告用媒体10を例えば外面に貼着可能にするかもしくは内部に収容可能にして設けた支持脚部4のカバー体9は、立ち姿勢のままでクッション部材6に凭れかかる利用者に対し、種々の宣伝効果を付与させる。
設置場所で埋設可能にするように台座2底面に設けた筒状の挿入用支持部3は、設置場所の床面、地面等に埋入されることで台座2を固定させ、設置状態を一層安定したものとさせる。
また、壁面に固定した台座2は、床面、地面等の状況にかかわりなく、種々な壁面に設置可能にさせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えばバス停留所・駅のプラットホーム・空港の待合い場所、あるいは競輪競馬等の各種競技場やステージ等の立ち見による観覧場所、ライブハウス等、公園・公共広場等の休憩場所、立飲み屋等の様々な場所において、凭れかかった際の弾力性を確保でき、また、座り込ませることもなく立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけての接触部分に違和感や疲労感を与えずに長時間にわたって楽に凭れさせることができる。
【0008】
すなわち、これは本発明が、挿入用支持部3を備えた接地スタンド用の台座2と、挿入用支持部3に挿入されて起立状に固定保持される支持脚部4と、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触支持するよう支持脚部4の所定の高さ位置に配されたクッション部材6とを備えて成るからであり、これにより、人体Pに対しゴツゴツとした違和感やこれによる疲労感を与えることが無く、長時間にわたって立ち姿勢のままで楽に凭れかかることができる。しかも、例えば高齢者であれば、一旦座り込んだときに再度立ち上がることが困難となることが度々あっても、本発明のように凭れ掛って一時的にでも簡単に休息できるようになるので、高齢者にとっても便利である。
【0009】
また、接地スタンド用の台座2の両挿入用支持部3それぞれに挿入された左右一対の支持脚部4の相互間に、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触する高さ位置に架け渡される弾性保持部材7を介してクッション部材6を備えて成るからであり、これにより、凭れかかった際の弾力性を十分に確保することができ、長時間にわたって立ち姿勢のままで楽に凭れかかることができる。
【0010】
前記弾性保持部材7は、両支持脚部4の相対向する各側面に配した伸縮保持可能な締結リング7bによって両端が保持されて成るベルト部材7cによって形成されているので、左右一対の支持脚部4の相互間におけるクッション部材6の強固な支持が得られると同時に、凭れかかった際の弾力性を十分に確保することができる。
【0011】
また、弾性保持部材7は、支持脚部4の周壁面におけるほぼ同一の所定高さ位置に設けられることで、各支持脚部4を介して複数のクッション部材6が隣接配置可能にして成るので、例えばバス停留所・駅のプラットホーム・空港の待合い場所、あるいは競輪競馬等の各種競技場やステージ等の立ち見による観覧場所、公園・公共広場等の休憩場所等の様々な場所において、複数の立ち姿勢凭れ装置が種々な方向で連鎖的に繋がれた状態に配置することができる。
【0012】
挿入用支持部3と該挿入用支持部3に挿入した支持脚部4とには、互いに合致するよう固定用の孔13を備え、挿入用支持部3に対する支持脚部4の固定保持は、互いに合致させた固定用の各孔に固定部材11を挿入させることによるものとしたので、台座2に対して支持脚部4の強固な支持が得られると同時に、クッション部材6に凭れかかった際の支持脚部4の離脱・転倒を未然に防ぐことができる。
【0013】
固定用の孔13は、互いに隣接する台座2の各挿入用支持部3同士を連繋部材12によって連結させる連繋用の孔として利用可能にしたので、例えばバス停留所・駅のプラットホーム・空港の待合い場所、あるいは競輪競馬等の各種競技場やステージ等の立ち見による観覧場所、公園・公共広場等の休憩場所等の様々な場所において、立ち姿勢凭れ装置を種々の配列形態、例えば平面で直列状、蛇行状、L字状その他の形態としながらも、安定した状態で並置することができる。
【0014】
固定用の孔13は、挿入用支持部3と該挿入用支持部3に挿入した支持脚部4とのそれぞれに対し、上下方向に沿ってずらした位置で互いに合致するよう等間隔毎に設けられ、挿入用支持部3に対する支持脚部4の高さ調整用の孔として利用可能にしたので、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触可能にする任意の高さ位置にクッション部材6を配置させることができる。
【0015】
支持脚部4は、その周囲を覆うよう例えば透明合成樹脂材によるカバー体9を備え、該カバー体9には、宣伝広告用媒体10を例えば外面に貼着可能にするかもしくは内部に収容可能にして設けたので、立ち姿勢のままでクッション部材6に凭れかかる利用者に対し、種々の宣伝効果を付与することができる。
【0016】
また、台座2の上面に挿入用支持部3を立脚状に設けることで、台座2を設置場所にそのまま載置セットできるから特別な設置据付工事を必要としない。逆に、台座2底面に、設置場所で埋設可能にした筒状の挿入用支持部3を設けることで、設置場所で埋設された挿入用支持部3が台座2を設置場所で固定的に安定した状態で据付けさせる共に、筒状の挿入用支持部3内に支持脚部4を挿入立脚させることで、耐荷重性を増大させ、凭れかかる人体Pの体重等を一層確実に支持できる利点がある。
【0017】
壁面等に台座2を固定することで、壁面に沿ってクッション部材6を配置でき、床面、地面等の状況にかかわりなく設置できる。
【0018】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付したもので、図面中の符号によって示された構造・形状に本発明が限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明する。図において示される符号1は、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて凭れかかることができるスタンド式の立ち姿勢凭れ装置の装置本体であり、例えばバス停留所・駅のプラットホーム・空港の待合い場所、あるいは競輪競馬等の各種競技場やステージ等の立ち見による観覧場所、公園・公共広場等の休憩場所等の様々な場所において設置されるものである。
【0020】
すなわち、装置本体1は、図1に示すように、例えば平面から見て湾曲した楕円体形状を呈する鉄板等の如き硬質で堅牢な平板材の上面左右対称位置に短尺な鉄パイプ状の如き筒状材製の挿入用支持部3が起立状に溶接固定されて成る接地スタンド用の台座2を備えている。
【0021】
尚、この台座2は、鉄板製の他に、硬質素材であれば例えばステンレス鋼板製、コンクリート板製、または木板製のいずれであっても良く、その平面形状は、湾曲した楕円体形状とする替わりに、円形状、長円形状、円弧形状、矩形状その他の任意形状等に形成されていても良い。
【0022】
また、図示を省略したが、相互に連繋された左右一対の例えば裁頭円錐体状に形成したコンクリート塊状の台座体によって台座2を構成することもでき、この場合、必要があれば台座体を設置場所で埋設することで固定的に配置するようにしても良い。
【0023】
この台座2には、これ自体を軽量化するために例えば円形、長円形、楕円形、円弧形状、矩形状その他の任意形状等の適数の開口部2aが形成されている。また、台座2の下面には、例えば楔状の複数の突起2bを突設配置することができ、当該台座2を地面、床面等に設置させた際にこの突起2bが地面その他に食い込んでしっかりと固定されるようにしてある。
【0024】
図2に示すように、これら両挿入用支持部3それぞれには長尺な鉄パイプ状の支持脚部4が挿入され、挿入用支持部3、支持脚部4それぞれに形成された固定用の孔13に固定部材11を挿入することで固定保持されるものとしてある。
【0025】
また、支持脚部4の上端開口側には例えばゴム製もしくはプラスチック製等の弾性もしくは非弾性のキャップ5が嵌め込まれ、該キャップ5を介して、透明材例えば透明合成樹脂材による筒状のカバー体9が支持脚部4の周囲を覆うよう配されている。尚、図中符号14は、台座2上面における挿入用支持部3の下端に、カバー体9下端の内径にほぼ対応した外径で形成された例えば軟弾材製の保持部であり、挿入用支持部3に嵌め合わせ立脚支持させたカバー体9の下部を支持するものとなっている。
【0026】
そして、このカバー体9の外面にシート状の宣伝広告用媒体10を貼着したり(図1参照)、カバー体9の内部に例えば筒状の宣伝広告用媒体10を収容したりすることで広告宣伝機能が発揮可能となるようにしてある。このとき、広告宣伝媒体10自体を点灯可能としたり、照明されるようにしたりでき、その広告用の電源としてバッテリーをカバー体9に内蔵することも可能であり、また、両挿入用支持部3の相互間で例えば外部電源を導入するように配線して、両サイドのカバー体9の宣伝広告用媒体10を点灯させるようにしても良い。この宣伝広告媒体10は、カバー体9を介さずに、支持脚部4に直接に取付けたり、支持脚部4上に旗の如き立脚状に設けたり等の取付設置形態は特に限定されるものではない。
【0027】
尚、キャップ5の上端には、例えばテーブル板を着脱式に連結することもでき、また支持脚部4にあるいは後述するクッション部材6荷物掛け用フック、灰皿、飲料ボトル用のボトルホルダー等を取り付けても良い。また、支持脚部4の上端開口側にキャップ5が嵌め込まれる替わりに、この上端開口側を密閉構造としてキャップレスにしても良い。
【0028】
また、挿入用支持部3には上下に沿って適数の固定用の孔13が設けられており、これらの孔13に対応合致するように、支持脚部4およびカバー体9の下端開口側にも適数の固定用の孔13が形成されている。そして、図3および図5に示すように、支持脚部4の下端開口側が挿入用支持部3に挿入されると同時にカバー体9の下端開口側が台座2上面に当接された状態で、これら固定用の孔13それぞれに貫通するようピン型の固定部材11を当該固定用の孔13に挿入することで支持脚部4およびカバー体9が挿入用支持部3に固定保持されるものとしてある。
【0029】
また、これらの固定用の孔13は、挿入用支持部3に対する支持脚部4の高さ調整用の孔として利用することも可能にしている。すなわち、支持脚部4の高さの変更により後述するクッション部材6の高さ位置が変えられるのであり、具体的には、図6に示すように、挿入用支持部3に挿入された支持脚部4を上下ないし長手方向に沿って上方にずらし、挿入用支持部3の上側の固定用の孔13と、支持脚部4の下側の固定用の孔13とを互いに合致させ、これら固定用の孔13それぞれに貫通するようピン型の固定部材11を当該固定用の孔13に挿入することで支持脚部4およびカバー体9が上方にスライドさせた状態となって挿入用支持部3に固定保持されるものとしてある。
【0030】
一方、左右一対の支持脚部4には、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて人体Pを支持すべく接触支持可能にする高さ位置に例えば上下3段となって弾性保持部材7が架け渡され、これら各弾性保持部材7を介して当該両支持脚部4の相互間に、例えば矩形状のクッション部材6が配されるものとしてある。このクッション部材6の外面には、シート状の宣伝広告用媒体10が貼着されることもある(図1参照)。
【0031】
尚、弾性保持部材7は、左右一対の支持脚部4間で1本もしくは2本さらには3本以上となって架け渡されても良く、クッション部材6の形状も適宜変更することができる。さらに、弾性保持部材7を使用する替わりに、支持脚部4相互間に安全性のための補強バーを架け渡し、クッション部材6の例えば後方部分を当該補強バーに取り付けられるようにしても良い。
【0032】
図示にあって、弾性保持部材7は、図4に示すように、両支持脚部4の相対向する各側面の上下方向に沿って所定数で例えばアイボルト状の連結治具7aがねじ込み固定されており、この連結治具7aの位置・数に対応してカバー体9に形成された適数の孔8を通じて、各連結治具7aにバネ材等によって伸縮保持可能な締結リング7bが取り付けられている。そして、この左右対向状に配された締結リング7bにより、リング状となった例えばワイヤー、ロープ、ベルト、バンドその他による補強用のベルト部材7cの各両端がそれぞれ保持されている。このとき、クッション部材6は、その前後いずれか側からでも凭れかかることができるよう前記したベルト部材7cが当該クッション部材6の内部を横断する状態となって配されている。
【0033】
また、図7に示すように、この弾性保持部材7を支持脚部4の周壁面反対側位置にも上記と同様な構成でもって設けることで、各支持脚部4を介して複数のクッション部材6が隣接配置できるようにしても良い。このとき、固定用の孔13は、互いに隣接する台座2の各挿入用支持部3同士を例えば棒ネジ等の連繋部材12によってねじ込み連結させる連繋用の孔として利用可能にしている。このような隣接配置形態は、平面で直列状を呈する場合に限定されず、L字状に折曲されたり、蛇行状、斜向状となっていたり、扇状となっていたり等に適宜に選定でき、これに対応するように、弾性保持部材7の取付位置、連繋部材12の固定用の孔13の取付位置は支持脚部4さらには挿入用支持部3等の周面の所定位置に配置形成されている。
【0034】
クッション部材6には、遠赤外線ヒーターその他の熱源、スピーカー等の音源その他を内蔵あるいは外側に配装させることもでき、これらは必要があれば支持脚部4に配置させることも可能である。
【0035】
クッション部材6は、支持脚部4に上下移動自在に設けることもでき、例えば支持脚部4の上下方向にスライド・固定できる筒状のホルダーに弾性保持部材7を連結させておき、対となる支持脚部4それぞれで高さを調整して固定することでクッション部材6を支持させるものとする。
【0036】
次に、以上のように構成された最良の形態についての組立、使用の一例について説明する。先ず、図2に示すように、支持脚部4の上端開口側に嵌め込まれたキャップ5を介してカバー体9が支持脚部4の周囲を覆うよう配される。また、左右一対の支持脚部4には、立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけて接触支持可能にする高さ位置となるようにクッション部材6が例えば3段に架け渡された弾性保持部材7を介して配されている。
【0037】
一方、台座2を所定の場所に設置しておき、台座2上面の左右一対の挿入用支持部3それぞれに前記した支持脚部4を挿入する。図3および図5に示すように、支持脚部4の下端開口側が挿入用支持部3に挿入されると同時にカバー体9の下端開口側が台座2上面の保持部14に嵌まり込んだ当接された状態で配置される。そして、固定用の孔13それぞれに貫通するようピン型の固定部材11を当該固定用の孔13に挿入することで支持脚部4およびカバー体9が挿入用支持部3に固定保持される。
【0038】
また、挿入用支持部3に対して支持脚部4を高めに調整する場合には、図6に示すように、挿入用支持部3に挿入された支持脚部4を長手方向に沿って上方にずらし、挿入用支持部3の上側の固定用の孔13と、支持脚部4の下側の固定用の孔13とを互いに合致させ、これら固定用の孔13それぞれにピン型の固定部材11を挿入する。これにより、支持脚部4およびカバー体9が上方にスライドさせた腰高位置となる状態となって挿入用支持部3に固定保持されるのである。
【0039】
また、複数の装置本体1を配置させる場合には、図7に示すように、支持脚部4の周壁面の所定方向に連繋されるように弾性保持部材7を設け、これら各弾性保持部材7を介して各支持脚部4の相互間にクッション部材6が取り付けられる。そして、台座2を所定の場所に設置しておき、台座2上面の左右一対の挿入用支持部3それぞれに支持脚部4を挿入する。こうして、各支持脚部4相互間の弾性保持部材7を介して複数のクッション部材6が互いに所定の方向に連結した隣接した状態となって配置される。このように互いに隣接する台座2の相対向する挿入用支持部3は、これらの固定用の孔13同士に架け渡すように取り付けられた連繋部材12によって互いに連結されることで配置される。
【0040】
使用に際しては、台座2上に足を載せて立ち姿勢のままでクッション部材6を背にして凭れかかれば良く、人体Pの腰から背中にかけての部分が支持脚部4相互間のクッション部材6によって柔軟に受け止められ、これによって立ち姿勢での人体Pの腰から背中にかけての接触部分に違和感や疲労感を与えずに長時間にわたって楽に凭れかからせることができる。
【0041】
以下に、スタンド式の立ち姿勢凭れ装置の他の例について説明する。尚、本例において、台座2、挿入用支持部3、支持脚部4、弾性保持部材7、カバー体9等の各構成は、上記した構成と略同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0042】
すなわち、図8に示す装置本体1では、台座2上面の左右一対の挿入用支持部3それぞれを前後何れかの方向に僅かに傾けた立脚状態のものとして構成してあり、クッション部材6に凭れ掛かり易くしている。
【0043】
また、図9に示す装置本体1では、両支持脚部4それぞれの上側を前方あるいは後方に向けて円弧状に湾曲させ、この湾曲部分を介して上端部分が略水平方向に向くように、あるいは円弧状に湾曲するように、側面からみて略?状を呈するように形成してあると共に、この水平部分相互間もしくは湾曲部分相互間でクッション部材6が略垂直に配されている。このように、クッション部材6が湾曲部分相互間で配されている場合には、両支持脚部4それぞれの水平部分が手摺として使用することができる。
【0044】
さらに、図10に示す装置本体1では、台座2上面の挿入用支持部3を1本とし、該挿入用支持部3に差し込まれるよう支持脚部4の形状を略Y字型に形成してある。このときのクッション部材6は、支持脚部4のY字の二股部分で支持されるようにしてある。こうすることで、1本足状の簡単な構成による挿入用支持部3による台座2構成とすることができ、取扱いも容易となる。
【0045】
また、上記した各例において、支持脚部4に取り付けられるクッション部材6の前面あるいは後面の支持構造を垂直方向としてあるが、これに限らず、クッション部材6を傾斜させるように位置決め固定することで、凭れることとせずに座るための座盤とすることも可能である。この場合、支持脚部4の一部が側面から見て傾斜している部分が形成されることもある。
【0046】
図示を省略したが、挿入用支持部3は、設置場所で床面、地面等に埋設可能に台座2底面に筒状にして設けられるものとしても良い。この場合、台座2上面における挿入用支持部3の上端は開口されていて支持脚部4が挿入可能とされ、挿入用支持部3下端は閉塞されていて土砂等が侵入されないように配慮されている。こうすることで、支持脚部4が挿入支持されて立脚されたときには耐荷重性が一層良好なものとなるばかりでなく、支持脚部4の挿入支持前では台座2上に立脚部分がなく、安全でもある。
【0047】
さらに図示を省略したが、台座2は壁面に固定可能にすることもできる。この場合、支持脚部4は側面から見て例えばL字形を呈するように形成しておくことが望ましく、その鉛直部分で弾性保持部材7を介してクッション部材6を所定高さ位置に設定して配すると良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を実施するための最良の形態における立ち姿勢凭れ装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同じく上端にクッション部材を備えた左右一対の支持脚部を台座上における左右の各挿入用支持部に挿入する前の状態を示す分解斜視図である。
【図3】同じく支持脚部を台座上における各挿入用支持部に挿入した後の状態を示す分解斜視図である。
【図4】同じく両支持脚部の高さ位置に架け渡される弾性保持部材の構成の一例を示す一部切欠斜視図である。
【図5】同じく挿入用支持部と支持脚部とに形成された互いに合致する固定用の孔に固定部材を差し込んで固定する状態を示す斜視図である。
【図6】同じく固定用の孔を高さ調整用の孔として利用した場合の一例を示す斜視図である。
【図7】同じく固定用の孔を連繋用の孔として利用した場合の一例を示す斜視図である。
【図8】立ち姿勢凭れ装置の他の例を示す斜視図である。
【図9】立ち姿勢凭れ装置の更に他の例を示す斜視図である。
【図10】立ち姿勢凭れ装置の更に他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
P…人体
1…装置本体 2…台座
2a…開口部 2b…突起
3…挿入用支持部 4…支持脚部
5…キャップ 6…クッション部材
7…弾性保持部材 7a…連結治具
7b…締結リング 7c…ベルト部材
8…孔 9…カバー体
10…宣伝広告用媒体 11…固定部材
12…連繋部材 13…固定用の孔
14…保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入用支持部を備えた接地スタンド用の台座と、挿入用支持部に挿入されて起立状に固定保持される支持脚部と、立ち姿勢での人体の腰から背中にかけて接触支持するよう支持脚部の所定の高さ位置に配されたクッション部材とを備えて成ることを特徴とする立ち姿勢凭れ装置。
【請求項2】
左右一対の挿入用支持部を備えた接地スタンド用の台座と、両挿入用支持部それぞれに挿入されて起立状に固定保持される左右一対の支持脚部と、立ち姿勢での人体の腰から背中にかけて接触支持するよう両支持脚部の高さ位置に架け渡される弾性保持部材を介して当該両支持脚部の相互間に配されたクッション部材とを備えて成ることを特徴とする立ち姿勢凭れ装置。
【請求項3】
挿入用支持部は台座の上面に立脚状に設けられている請求項1または2記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項4】
挿入用支持部は設置場所で埋設可能に台座底面に筒状に設けられている請求項1または2記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項5】
弾性保持部材は、両支持脚部の相対向する各側面に配した伸縮保持可能な締結リングによって両端が保持されて成るベルト部材によって形成されている請求項2乃至4のいずれか記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項6】
弾性保持部材は、支持脚部の周壁面におけるほぼ同一の所定高さ位置に設けられることで、各支持脚部を介して複数のクッション部材が隣接配置可能にして成る請求項2乃至5のいずれか記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項7】
クッション部材は、支持脚部に上下移動自在に設けてある請求項1乃至6記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項8】
挿入用支持部と該挿入用支持部に挿入した支持脚部とには、互いに合致するよう固定用の孔を備え、挿入用支持部に対する支持脚部の固定保持は、互いに合致させた固定用の各孔に固定部材を挿入させることによる請求項1乃至7のいずれか記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項9】
固定用の孔は、互いに隣接する台座の各挿入用支持部同士を連繋部材によって連結させる連繋用の孔として利用可能にした請求項8記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項10】
固定用の孔は、挿入用支持部と該挿入用支持部に挿入した支持脚部とのそれぞれに対し、上下方向に沿ってずらした位置で互いに合致するよう等間隔毎に設けられ、挿入用支持部に対する支持脚部の高さ調整用の孔として利用可能にした請求項9記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項11】
支持脚部は、その周囲を覆うカバー体を備え、該カバー体には、宣伝広告用媒体を設けてある請求項1乃至10のいずれか記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項12】
カバー体は透明材にて形成し、宣伝用広告媒体を外面に貼着可能にするか、もしくは内部に収容可能にした請求項11記載の立ち姿勢凭れ装置。
【請求項13】
台座は、壁面に固定可能にしてある請求項1乃至12のいずれか記載の立ち姿勢凭れ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−46239(P2010−46239A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212357(P2008−212357)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(308026447)
【Fターム(参考)】