説明

立体模型、物体配置シミュレーションシステム、方法及びプログラム

【課題】立体模型及び専用用紙を用いて、実物を配置できるか否かの判定を正確に行うことが可能な物体配置シミュレーションシステム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】専用用紙には、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示されている。立体模型は、専用用紙上に配置される。立体模型においては、複数の座標検知手段がコード化パターンを読み取り、専用用紙上における配置座標を検知する。送信手段は、複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、座標検知手段の識別情報とを外部機器へ送信する。外部機器において、受信手段は、立体模型から配置座標及び識別情報を受信する。配置決定手段は、識別情報及び複数の配置座標に基づいて、専用用紙上における立体模型の配置を決定する。表示手段は、立体模型の配置に基づいて、物体配置環境及び物体配置環境における立体模型の配置を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード化パターンが印刷された専用用紙上に立体模型を配置し、物体を配置するシミュレーションを行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドットパターンなどのコード化パターンを印刷した専用紙などに対して、専用のペン型デバイスを用いて記入することにより、記入内容を取得するシステムが知られている。ペン型デバイスは、専用紙上のドットパターンを読み取り、所定の演算処理などを行うことにより、専用紙上の位置座標を算出する。
【0003】
上記のような原理を適用したデバイスの一例として、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを検出し、専用紙上のペンの位置座標を算出する。算出された位置座標の移動に基づいて、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。アノトペンにおける座標演算手法の例などが特許文献1及び2に記載されている。
【0004】
ところで、立体模型を2次元図面上に配置してみることにより、実物をその場所に配置できるか否かのシミュレーションを行うことが知られている。このような手法の例が特許文献3及び4に記載されている。
【0005】
また、車両が道路を通行できるか否かをソフトウェア演算により判定する手法も提案されている。例えば、特許文献5に記載されている緊急車両経路検索システムは、地図情データベースに記憶されている道路の幅、一般車両の幅、緊急車両の幅などのデータに基づいて、緊急車両が通行可能か否かを判定している。
【0006】
また、特許文献6には、ボードゲームの駒として使用されるフィギュア内にレンズを下向きにしてカメラを設け、ドットパターンを読み取るように構成したゲーム装置が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特表2003−519423号公報
【特許文献3】特開平10−97177号公報
【特許文献4】実開平6−82664号公報
【特許文献5】特開2004−184213号公報
【特許文献6】特再表2004−29871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、立体模型を2次元図面上に配置してみることで、実物をその場所に配置できるかをシミュレーションすることがよく行われる。具体的には、以下のような例が挙げられる。1つの例は、部屋の間取り図の上に家具の模型を置き、「その場所に配置が可能か」、「他の家具との調和がとれているか」などを確認する場合である。2つ目の例は、住宅地図の上に緊急車両の模型を置き、震災時に「その道を通ることができるか」、「何台停車できるか」などを確認する場合である。
【0009】
しかし、特許文献3、4などのように、単なる模型では、図面との関係を目視で確認するしかないため、位置情報の正確性に欠ける。また、前回の位置情報を記録できないため、前に振り返って検討し直すことができなかった。
【0010】
特許文献5のように動きをコンピュータ上でシミュレーションするソフトウェアも登場しているが、人間の手で模型を動かすという直感性が失われており、コンピュータソフトウェアの操作に慣れていない人は、確認作業に集中できないという問題がある。
【0011】
一方、特許文献6に記載される例は、フィギュアの大きさなどの情報を持っていないため、正確なシミュレーションが必要とされる用途には応用できない。
【0012】
本発明は、立体模型及び専用用紙を用いて、実物を配置できるか否かの判定を正確に行うことが可能な物体配置シミュレーションシステム、方法、プログラム及びそれに用いられる立体模型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の1つの観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される立体模型は、前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標を検知する複数の座標検知手段と、前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、前記複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備える。
【0014】
上記の立体模型は、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される。座標検知手段は、コード化パターンを読み取り、所定の処理により、専用用紙上における配置座標を検知する。記憶部は、立体模型の識別情報を記憶している。送信手段は、複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、識別情報とを外部機器へ送信する。したがって、外部機器は、配置座標と、識別情報とに基づいて、立体模型の物体配置環境への配置を認識することができる。
【0015】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器と、を備える物体配置シミュレーションシステムにおいて、前記立体模型は、前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標を検知する複数の座標検知手段と、前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、前記複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備え、前記外部機器は、前記立体模型から配置座標及び識別情報を受信する受信手段と、前記識別情報及び複数の前記配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定手段と、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示手段と、を備える。
【0016】
上記の物体配置シミュレーションシステムでは、専用用紙には、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示されている。立体模型は、専用用紙上に配置される。立体模型においては、複数の座標検知手段がコード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、専用用紙上における配置座標を検知する。記憶部は、立体模型の識別情報を記憶している。送信手段は、複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、識別情報とを外部機器へ送信する。外部機器においては、受信手段は、立体模型から配置座標及び識別情報を受信する。配置決定手段は、識別情報及び複数の配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する。表示手段は、立体模型の配置に基づいて、物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する。したがって、利用者は、立体模型の物体配置環境への配置の適正を確認することができる。
【0017】
上記の物体配置シミュレーションシステムの一態様では、前記外部機器は、前記物体配置環境を示す配置環境データを記憶する記憶部と、前記立体模型の配置と前記配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する報知手段と、を備える。この態様では、報知手段は、立体模型の配置と配置環境データとを比較し、物体配置環境における立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する。したがって、利用者は、物体配置環境における立体模型の配置が不適正である場合は、そのことを警告により知ることができる。
【0018】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、を利用する物体配置シミュレーション方法は、前記立体模型から前記立体模型の複数の位置に対応する複数の配置座標、及び、前記立体模型の識別情報を受信する受信工程と、前記識別情報及び複数の前記配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程と、前記立体模型の位置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程と、前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程と、を備える。
【0019】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器とを備える物体配置シミュレーションシステムにおいて実行される物体配置シミュレーションプログラムは、前記外部機器において実行されることにより、前記立体模型から前記立体模型の複数の位置に対応する複数の配置座標、及び、前記立体模型の識別情報を受信する受信工程、前記識別情報及び複数の前記配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程、前記立体模型の位置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程、前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程、を実行する。
【0020】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される立体模型は、前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに、前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する記憶部と、前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記形状関連情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備える。
【0021】
上記の立体模型は、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される。1つの座標検知手段は、コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、専用用紙上における配置座標及び専用用紙に対する配置角度を検知する。記憶部は、立体模型の形状及び大きさ、並びに、立体模型に対する座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する。送信手段は、座標検知手段が検知した配置座標及び配置角度と、形状関連情報とを外部機器へ送信する。したがって、外部機器は、これらの情報により、立体模型の物体配置環境への配置を認識することができる。
【0022】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器と、を備える物体配置シミュレーションシステムにおいて、前記立体模型は、前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに、前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する記憶部と、前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記形状関連情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備え、前記外部機器は、前記立体模型から前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報を受信する受信手段と、前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定手段と、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示手段と、を備える。
【0023】
上記の物体配置シミュレーションシステムにおいて、専用用紙にはコード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示される。立体模型は、専用用紙上に配置される。立体模型において、1つの座標検知手段は、コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、専用用紙上における配置座標及び専用用紙に対する配置角度を検知する。記憶部は、立体模型の形状及び大きさ、並びに、立体模型に対する座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する。送信手段は、座標検知手段が検知した配置座標及び配置角度と、形状関連情報とを外部機器へ送信する。外部機器では、立体模型から配置座標、配置角度及び形状関連情報を受信手段によって受信すると、配置決定手段によって、配置座標、配置角度及び形状関連情報に基づき、専用用紙上における立体模型の配置を決定し、表示手段によって、立体模型の配置に基づき、物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する。したがって、利用者は、立体模型の物体配置環境への配置の適正を確認することができる。
【0024】
上記の物体配置シミュレーションシステムの一態様では、前記外部機器は、前記物体配置環境を示す配置環境データを記憶する記憶部と、前記立体模型の配置と前記配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する報知手段と、を備える。この態様では、報知手段は、立体模型の配置と配置環境データとを比較し、物体配置環境における立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する。したがって、利用者は、物体配置環境における立体模型の配置が不適正である場合は、そのことを警告により知ることができる。
【0025】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、を利用する物体配置シミュレーション方法は、前記立体模型の配置座標及び配置角度と、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報と、を前記立体模型から受信する受信工程と、前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程と、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程と、前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程と、を備える。
【0026】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器とを備える物体配置シミュレーションシステムにおいて実行される物体配置シミュレーションプログラムは、前記外部機器において実行されることにより、前記立体模型の配置座標及び配置角度と、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報と、を前記立体模型から受信する受信工程、前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程、前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程、を実行する。
【0027】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される立体模型は、前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備える。
【0028】
上記の立体模型は、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される。座標検知手段は、コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、専用用紙上における配置座標及び専用用紙に対する配置角度を検知する。記憶部は、立体模型の識別情報を記憶している。送信手段は、座標検知手段が検知した配置座標及び配置角度と、識別情報とを外部機器へ送信する。したがって、外部機器は、立体模型が物体配置環境に配置される位置及び角度を認識することができる。
【0029】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器と、を備える物体配置シミュレーションシステムにおいて、前記立体模型は、前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備え、前記外部機器は、前記立体模型から前記配置座標、前記配置角度及び前記識別情報を受信する受信手段と、前記識別情報に対応付けて、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに、前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する記憶部と、前記受信手段が受信した前記識別情報に対応する形状関連情報を前記記憶部から取得する形状関連情報取得手段と、前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定手段と、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示手段と、を備える。
【0030】
上記の物体配置シミュレーションシステムでは、専用用紙には、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示されている。立体模型は、専用用紙上に配置される。立体模型においては、1つの座標検知手段はコード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する。記憶部は、立体模型の識別情報を記憶する。送信手段は、座標検知手段が検知した配置座標及び配置角度と、識別情報とを外部機器へ送信する。外部機器においては、受信手段は、立体模型から配置座標、配置角度及び識別情報を受信する。記憶部は、識別情報に対応付けて、立体模型の形状及び大きさ、並びに、立体模型に対する座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶している。形状関連情報取得手段は、受信手段が受信した識別情報に対応する形状関連情報を記憶部から取得する。配置決定手段は、配置座標、配置角度及び形状関連情報に基づいて、専用用紙上における立体模型の配置を決定する。表示手段は、立体模型の配置に基づいて、物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する。したがって、利用者は、立体模型の物体配置環境への配置の適正を確認することができる。
【0031】
上記物体配置シミュレーションシステムにおいて、前記外部機器は、前記物体配置環境を示す配置環境データを記憶する記憶部と、前記立体模型の配置と前記配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する報知手段と、を備える。この態様では、報知手段は、立体模型の配置と配置環境データとを比較し、物体配置環境における立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する。したがって、利用者は、物体配置環境における立体模型の配置が不適正である場合は、そのことを警告により知ることができる。
【0032】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、を利用する物体配置シミュレーション方法は、前記立体模型から前記立体模型の配置座標及び配置角度、並びに前記立体模型の識別情報を受信する受信工程と、前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を取得する形状関連情報取得工程と、前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程と、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程と、前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程と、を備える。
【0033】
本発明の他の観点では、コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器とを備える物体配置シミュレーションシステムにおいて実行される物体配置シミュレーションプログラムは、前記外部機器において実行されることにより、前記立体模型から前記立体模型の配置座標及び配置角度、並びに前記立体模型の識別情報を受信する受信工程、前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を取得する形状関連情報取得工程、前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程、前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程、前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程、を実行する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、専用用紙に印刷した2次元図面上に配置した立体模型の占める位置を取得できるのみでなく、その大きさ情報を使って配置の「正しさ」をチェックできる。しかも、立体模型の配置を随時変えて、配置の可能性を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
[基本原理]
まず、本発明の基本原理について説明する。仮想空間上の位置座標をドットパターンという形にエンコードし、紙などの媒体に表現する技術が知られている。この技術を使用した代表例が、アノト方式デジタルペンである。このデジタルペンで用いられている座標読取技術(デバイス)を立体模型に埋め込み、ドットパターンを印刷した専用用紙の上で動かす。その際にデバイスが読み取った情報を端末装置が処理し、画面表示や音声出力することにより、利用者は、その模型の専用用紙上に置かれた場所を正確に把握することが可能となる。
【0036】
そのうえで、この立体模型の形状及び大きさなどの情報を後述する各種の方法で保持することにより、「その模型をその場所に配置可能か」、「他の模型との関係に不整合が生じていないか」などを正確にチェック可能となる。これにより、立体模型に対応する実際の物体が、専用用紙が示す実際の場所や空間に配置できるか否かを判定することができる。なお、判定結果の提示方法は、表示装置への画像表示、音声の出力など、その形態は問わない。
【0037】
以下、立体模型の形状情報の保持方法により区別した複数の実施形態について説明する。
【0038】
[第1実施形態]
第1実施形態では、立体模型に複数の座標検知デバイス(座標検知手段)を設け、それらから得られる複数の座標に基づいて立体模型の配置及び形状を特定する。具体的に、第1実施形態は、以下の点を基本的な構成とする。
(1)立体模型の輪郭に沿って、複数の座標検知デバイスを設ける。
(2)座標検知デバイスは立体模型毎にグルーピングされている。
(3)各座標検知デバイスは、ドットパターン(コード化パターン)が印刷された用紙に配置されると、用紙における座標を求め、座標データを外部機器に送信する。
(4)外部機器は、グルーピングされている各座標検知デバイスから送信された座標データに基づいて、立体模型の配置された領域を演算し、ディスプレイ(表示装置)などに表示する。また、立体の模型の配置が不適正であれば、音声又は表示により報知する。
【0039】
以下、第1実施形態について詳細に説明する。第1実施形態は、部屋の間取りに家具を配置するシミュレーションに本発明を適用したものである。第1実施形態による物体配置シミュレーションシステム(以下、単に「シミュレーションシステム」とも呼ぶ。)の概略構成を図1に示す。図示のように、シミュレーションシステム100aは、家具模型(立体模型)20aと、間取りが印刷された用紙(専用用紙)30aと、外部機器50aとを備える。なお、間取りの縮尺と家具模型20aの縮尺は同じである。
【0040】
用紙30aには、ドットパターン(コード化パターン)32が印刷されており、さらにその上に部屋の間取り図が印刷されている。ドットパターン32は、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。一方、間取り図は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、ドットパターン32と間取り図とは用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらかを先に別々に印刷してもよい。
【0041】
ここで、ドットパターン32について詳しく説明する。図2は、用紙30aに印刷されたドットパターン32のドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターン32の各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置が格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトされているかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、用紙30a上の位置座標が決定される。
【0042】
図3(a)は、あるドットパターン32の配列を示している。図3(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、用紙30aのどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターン32は位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(b)は、図3(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、後述する座標検知デバイス10により実行される。
【0043】
家具模型20aは、例えばタンスなどの家具の模型であり、複数の座標検知デバイス(座標検知手段)10を有する。具体的には、4つの座標検知デバイス10が、略直方体である家具模型20aの四隅近傍に設けられている。これにより、家具模型20aは、用紙30a上の家具模型20aが配置された位置の四隅の座標を取得する。なお、家具模型20aは例えば樹脂などにより形成される。
【0044】
座標検知デバイス10の概略構成を図4に示す。座標検知デバイス10は、略円筒状の筐体12内に、通信ユニット(送信手段)11と、メモリ(記憶部)13と、イメージプロセッサ14と、圧力センサ15と、CMOSカメラ(以下、単に「カメラ」と呼ぶ。)16と、赤外線を照射するLED17とを備える。
【0045】
圧力センサ15は、座標検知デバイス10が用紙30aに対して押しつけられる圧力を検出することにより、座標検知デバイス10が用紙30a上に配置されたことを検出し、その旨を示す信号をイメージプロセッサ14へ送信する。
【0046】
用紙30a上に配置されたことを圧力センサ15が検出し、それに応じた信号をイメージプロセッサ14が受けて起動すると、イメージプロセッサ14は、赤外線を照射するようLED17を起動させるとともに、カメラ16に対して、所定周期(50〜100回/秒程度)で用紙30aを撮像するよう駆動させる。カメラ16は、用紙30a上に印刷されたドットパターン32を所定周期で撮像し、イメージプロセッサ14へ送信する。
【0047】
イメージプロセッサ14は、カメラ16からドットパターン32を撮像したドットパターン画像を受け取ると、ドットパターン32に基づいて所定の処理を実行することにより、用紙30a上における位置座標データを生成する。
【0048】
ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED17によって照射された赤外線は、ドットの部分でドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ16の撮影により、赤外線の反射量の違いから、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。たとえ撮影領域に罫線や枠などが印刷されてあったとしても、罫線や枠などのインクは、赤外域に吸収性を持たないため、ドットパターン32を認識することができる。なお、カメラ16による撮影領域は、図3(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲である。
【0049】
メモリ13は、家具模型20aに設けられた各座標検知デバイス10の識別情報(ID)を記憶している。このIDは、外部機器50aにおいて、同一の家具模型20aに設けられた複数の座標検知デバイス10をグルーピングするために使用される。
【0050】
通信ユニット11は、例えばBluethooth(登録商標)方式を利用し、外部機器50aへデータを送信する。本実施形態では、家具模型20a内に設けられている4つの座標検知デバイス10の各通信ユニット11は、イメージプロセッサ14により求められた座標検知デバイス10の位置座標データと、メモリ13に予め記憶されている座標検知デバイス10のIDとを、外部機器50aへ送信する。そのため、外部機器50aは、家具模型20a内にある4つの通信ユニット11それぞれから位置座標データとIDとを受信することとなる。
【0051】
外部機器50aは、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などの端末装置として構成される。図5に外部機器50aの機能構成を示す。図示のように、外部機器50aは、受信手段51、配置決定手段52、記憶部53、表示手段54及び報知手段55を備え、物理的には、アンテナ装置、CPUといったプロセッサ、ROMやRAM、ハードディスクといったメモリ、ディスプレイ、スピーカ等により構成される。
【0052】
受信手段51は、家具模型20aの各座標検知デバイス10から、位置座標データ及びIDを受信する。
【0053】
記憶部53は、用紙30aに印刷された間取り図における物体の配置環境を示す配置環境データを記憶している。配置環境データとは、例えば図1に示す間取り図においては、ベランダ、梁、玄関、壁などの位置及び範囲を示すデータである。また、記憶部53は、一つの家具模型20a内に設けられた複数の座標検知デバイス10の各メモリ13に記憶されているIDを、関連付けて記憶している。したがって、記憶部53は、家具模型20aごとに、その家具模型20a内に設けられた複数の座標検知デバイス10のIDをグループに分けて記憶している。
【0054】
配置決定手段52は、受信したIDに基づき、家具模型20a毎に位置座標データをグルーピングする。すなわち、配置決定手段52は、IDを受信すると、記憶部53に家具模型20aごとにグループ分けされて記憶されているIDと照合して、同一の家具模型20aに設けられた複数(4つ)の座標検知デバイス10の位置座標データをグループ化し、記憶部53に記憶させる。こうして得られた4つの位置座標データは、用紙30a上における家具模型20aの位置を示す。即ち、4つの位置座標データを結んでできる矩形の領域は、用紙30a上において家具模型20aが配置された領域に対応する。よって、配置決定手段52は、家具模型20aの各座標検知デバイス10から受信した位置座標データ及びIDに基づいて、用紙30a上における家具模型20aの配置を決定する。なお、4つの座標検知デバイス10の各々から座標データを取得しているため、配置決定手段52は、家具模型20aが配置された向きも特定することができる。
【0055】
表示手段54は、配置環境データを利用し、ディスプレイの画面上に、用紙30aに印刷された間取り図に対応する画像を表示する。さらに、表示手段54は、配置決定手段52が決定した家具模型20aの配置を、その間取り図上に表示する。間取り図の表示例を図6に示す。この例では、ディスプレイの表示画面上に間取り図が表示され、さらに家具模型20aの配置を示す斜線領域70が表示されている。
【0056】
報知手段55は、家具模型20aの配置と、配置環境データとを照合し、家具模型20aの配置が適正であるか否かを判定する。報知手段55は、図6の例のように家具模型20aが障害物の無い領域に配置されている場合、立体模型の配置は適正であると判定し、警告を出力しない。一方、配置環境データが示す配置環境に照らして家具模型20aの配置が不適正である場合、例えば家具模型20aがベランダや梁の位置に重なって配置されている場合などには、報知手段55は配置が不適正であることを示す警告を発する。なお、この警告はディスプレイの表示画面への表示によってもよく、スピーカによる音声出力によってもよい。警告の例としては「家具模型の配置が不適正です!」という文字メッセージや音声などが挙げられる。
【0057】
図7は、第1実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートを示す。なお、ここでは説明の便宜上、家具模型20aに設けられた4つの座標検知デバイス10を座標検知デバイスA〜Dと呼ぶこととする。
【0058】
まず、各座標検知デバイスA〜Dにおいては、用紙30a上への家具模型20aが配置されたことが圧力センサ15により検知され(ステップS101)、カメラ16及びイメージプロセッサ14により座標検知デバイスA〜Dの位置座標が演算される(ステップS102)。そして、通信ユニット11が、座標検知デバイスA〜Dの位置座標データと、メモリ13に記憶されている座標検知デバイスA〜DのIDとを外部機器50aへ送信する(ステップS103)。
【0059】
外部機器50aでは、受信手段51が各座標検知デバイスA〜Dから位置座標データ及び座標検知デバイスA〜DのIDを受信し、配置決定手段52が記憶部53を参照しつつ座標検知デバイスA〜DのIDに基づいて、受信した位置座標データをグルーピングする(ステップS104)。これにより、1つの家具模型20aに対応する位置座標データの集合が得られ、家具模型20aの配置が決定される。次に、表示手段54は、図6に例示するように、ディスプレイ(表示装置)に間取り図を表示するとともに(ステップS105)、家具模型20aの配置を表示する(ステップS106)。
【0060】
さらに、報知手段55は、配置環境データを参照して、家具模型20aの配置が不適正であるか否かを判定し(ステップS107)、不適正であれば、警告を発することによりその旨を報知する(ステップS108)。こうして、物体配置シミュレーション処理は終了する。
【0061】
このように、本第1実施形態によれば、家具模型20aに設けられた複数の座標検知デバイス10の位置座標を利用することにより、家具模型20aの配置を正確に決定することができる。また、間取り図に対応する配置環境に照らし合わせることにより、家具模型20aの配置が適正であるか否かを判定し、不適正である場合には警告を発するなどして利用者に報知することができる。
【0062】
本実施形態では、図6に例示するように家具模型20aの位置がディスプレイ画面に表示された後、家具模型20aを用紙30a上で移動させれば、移動後の家具模型20aの位置データなどが外部機器50aに送信され、ディスプレイ画面上の家具模型20aの位置70をほぼリアルタイムで移動させることができる。そして、家具模型20aの配置が不適正であると、報知手段55によって報知されれば、家具模型20aを移動させることにより、不適正の報知を解除させることができる。したがって、複数の家具模型20aを、間取り図が描かれた用紙30aに対して、不適正報知がされないように配置することで、容易に、利用者の理想的な間取り図上の家具の配置をアレンジすることができる。
【0063】
また、上記のように、用紙30a上で家具模型20aの位置を変更した場合において、外部機器50a内に利用者の任意の時点での家具模型20aの位置を記憶しておくようにすれば、いくつかの配置を比較して検討する場合などに便利となる。
【0064】
なお、本第1実施形態においては、配置決定手段52が記憶部53を参照しつつ座標検知デバイス10のIDに基づいて、受信した位置座標データをグルーピングしたが、一つの家具模型20a内に設けられた各座標検知デバイスA〜D(10)のメモリ13に記憶させるIDに共通情報(グループ情報)を含ませる情報体系とし、家具模型20aごとにメモリ13に記憶するIDのグループ情報を含ませるようにすれば、外部機器50aの記憶部53において各座標検知デバイスA〜DのIDをグループに分けて記憶していなくても、配置決定手段52は、受信したIDに含まれるグループ情報が同じものは、同じ一つの家具模型20a内に設けられた座標検知デバイスA〜Dであることを認識して、その位置座標データをグルーピングすることができる。
【0065】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態と同様に、立体模型に複数の座標検知デバイスを設け、それらから得られる複数の位置座標に基づいて立体模型の配置及び形状を特定する。よって、第2実施形態は第1実施形態と同様に、以下の点を基本的な構成とする。
(1)立体模型の輪郭に沿って、複数の座標検知デバイスを設ける。
(2)座標検知デバイスは立体模型毎にグルーピングされている。
(3)各座標検知デバイスは、ドットパターン(コード化パターン)が印刷された用紙に配置されると、用紙における座標を求め、座標データを外部機器に送信する。
(4)外部機器は、グルーピングされている各座標検知デバイスから送信された座標データに基づいて、立体模型の配置された領域を演算し、ディスプレイ(表示装置)などに表示する。また、立体の模型の配置が不適正であれば、音声又は表示により報知する。
【0066】
以下、第2実施形態について詳細に説明する。第2実施形態は、地図上の道路を緊急車両が通行可能か否かを判定するシミュレーションに本発明を適用したものである。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0067】
第2実施形態によるシミュレーションシステムの概略構成を図8に示す。図示のように、シミュレーションシステム100bは、緊急車両模型20b(以下、単に「車両模型(立体模型)」20bと呼ぶ。)と、地図が印刷された用紙(専用用紙)30bと、外部機器50bとを備える。
【0068】
用紙30bには、カーボンを含んだインキによりドットパターン32が印刷されており、さらにカーボンを含まないインキにより地図が印刷されている。
【0069】
車両模型20bは、図9に示すように、ほぼ四隅に4つの座標検知デバイス10を備える。各座標検知デバイス10の構成は、図4に示す第1実施形態のものと同様である。よって、車両模型20bは、用紙30b上に配置されたときに、4つの座標検知デバイス10から四隅の位置データを取得する。また、各座標検知デバイス10のメモリ13には、同一の車両模型20bに設けられた4つの座標検知デバイス10をグルーピングするためのIDが記憶されている。なお、用紙30b上に印刷された地図と車両模型20bの縮尺は同一である。
【0070】
外部機器50bは第1実施形態の外部機器50aと同様に構成されており、その機能構成は図5に示されている。
【0071】
第2実施形態において、外部機器50bに表示されるディスプレイへの表示画面例を図10に示す。外部機器50bは、用紙30bに印刷された地図に対応するデータを配置環境データとして記憶部53内に記憶しており、表示手段54はこれを用いてディスプレイ画面に地図を表示する。また、配置決定手段52は、4つの座標検知デバイス10からの位置データに基づいて、車両模型20bの配置(位置及び向きを含む)を決定し、地図上に車両模型20bの位置を示す斜線領域71を表示する。
【0072】
図11は、第2実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートを示す。なお、ここでは説明の便宜上、車両模型20bに設けられた4つの座標検知デバイス10を座標検知デバイスA〜Dと呼ぶこととする。
【0073】
まず、各座標検知デバイスA〜Dにおいては、用紙30b上への車両模型20bが配置されたことが圧力センサ15により検知され(ステップS201)、カメラ16及びイメージプロセッサ14により座標検知デバイスA〜Dの位置座標が演算される(ステップS202)。そして、通信ユニット11が、座標検知デバイスA〜Dの位置座標データと、メモリ13に記憶されている座標検知デバイスA〜DのIDとを外部機器50bへ送信する(ステップS203)。
【0074】
外部機器50bでは、受信手段51が各座標検知デバイスA〜Dから位置座標データ及び座標検知デバイスA〜DのIDを受信し、配置決定手段52が記憶部53を参照し座標検知デバイスA〜DのIDに基づいて、受信した位置座標データをグルーピングする(ステップS204)。これにより、1つの車両模型20bに対応する位置座標データの集合が得られ、車両模型20bの配置が決定される。次に、表示手段54は、図10に例示するように、ディスプレイ画面に地図を表示するとともに(ステップS205)、車両模型20bの配置を表示する(ステップS206)。
【0075】
さらに、報知手段55は、配置環境データを参照して、車両模型20bの配置が不適正であるか否かを判定し(ステップS207)、不適正であれば、警告を発することによりその旨を報知する(ステップS208)。車両模型20bの配置が不適正な場合とは、例えば車両模型20bの車幅が道路幅を超えている場合、車両模型20bが道路とビルとをまたがっている場合、などが挙げられる。また、車両模型20bの配置が不適正な場合の警告としては「緊急車両はその配置では通過できません!」などの表示や音声出力が挙げられる。こうして、物体配置シミュレーション処理は終了する。
【0076】
第2実施形態においても、一度車両模型20bを用紙30bに配置して図10のように表示画面に表示させた後、車両模型20bを動かせば、表示画面上の車両模型20bの位置(斜線領域71)をリアルタイムで移動させることができる。
【0077】
また、第2実施形態は、駐車場に対応する用紙30b上に複数の車両模型20bを配置し、複数の車両の駐車可否をシミュレーションする場合などにも適用することができる。
【0078】
なお、本第2実施形態においても、一つの車両模型20b内に設けられた各座標検知デバイスA〜D(10)のメモリ13に記憶させるIDに共通情報(グループ情報)を含ませる情報体系とし、車両模型20bごとにメモリ13に記憶するIDのグループ情報を含ませるようにすれば、外部機器50bの記憶部53において各座標検知デバイスA〜DのIDをグループに分けて記憶していなくても、配置決定手段52は、受信したIDに含まれるグループ情報が同じものは、同じ一つの車両模型20b内に設けられた座標検知デバイスA〜Dであることを認識して、その位置座標データをグルーピングすることができる。
【0079】
[第3実施形態]
第3実施形態では、立体模型に1つの座標検知デバイスを設けるとともに、立体模型の形状及び大きさなどの情報を座標検知デバイスに記憶する。そして、座標検知デバイスが検知した位置座標データと形状などの情報とに基づいて立体模型の配置及び形状を特定する。具体的に、第3実施形態は、以下の点を基本的な構成とする。
(1)立体模型に1つの座標検知デバイスを設ける。
(2)座標検知デバイスのメモリには、立体模型が占める形状・大きさ、模型の形状における座標検知デバイスの位置(以下、これらをまとめて「形状関連情報」と呼ぶ。)が記憶されている。
(3)座標検知デバイスは、ドットパターン(コード化パターン)が印刷された用紙に配置されると、用紙における座標を求めるとともに、座標検知デバイスの用紙に対する配置角度を求める。
(4)座標検知デバイスは、座標データ、配置角度及び形状関連情報を外部機器へ送信する。
(5)外部機器は、座標検知デバイスから送信された各データに基づいて立体模型が配置された領域を演算し、表示装置などに表示する。また、立体の模型の配置が不適正であれば、音声又は表示により報知する。
【0080】
以下、第3実施形態について詳細に説明する。第3実施形態は、部屋の間取りに家具を配置するシミュレーションに本発明を適用したものである。第3実施形態によるシミュレーションシステムの概略構成を図12に示す。図示のように、シミュレーションシステム100cは、家具模型(立体模型)20cと、間取りが印刷された用紙(専用用紙)30cと、外部機器50cとを備える。
【0081】
用紙30cは、第1実施形態における用紙30aと同様に構成される。即ち、用紙30cには、ドットパターン(コード化パターン)32が印刷されており、さらにその上に部屋の間取り図が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。一方、間取り図は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。
【0082】
家具模型20cは1つの座標検知デバイス10を備える。座標検知デバイス10の構成は図4に示した第1実施形態のものと基本的に同様であるが、以下の点で異なっている。
【0083】
まず、イメージプロセッサ14は、ドットパターン32を利用して用紙30c上の位置座標データを生成することに加え、用紙30cに対する座標検知デバイス10の配置角度を検出する。ここで、「配置角度」とは、用紙30cが規定する平面上に配置された座標検知デバイス10の回転角度である。これについて図13を参照して説明する。図13は、用紙30c上における2つの座標検知デバイス10a、10bの配置を平面視した模式図である。いま、座標検知デバイス10の1つの半径方向を基準方向Dとする。また、基準方向DがX、Y座標のY方向と一致する状態で座標検知デバイス10を配置した場合の配置角度を「0度」とし、そこから時計回り方向に配置角度を規定する。この場合、図13において、座標検知デバイス10aの配置角度は「0度」となる。一方、座標検知デバイス10bの配置角度は、基準方向Dが時計回り方向に90度回転しているので、「90度」となる。なお、上記の配置角度の規定方法は一例であり、他の規定方法を採用してもよい。
【0084】
次に、配置角度の決定方法について簡単に説明する。前述のように、ドットパターン32は用紙30c上のどの位置においてもユニークとなるように印刷されている。従って、カメラ16により所定数(例えば6×6個)のドットを含むドットパターン32を読み取った場合、そのドットパターン32は用紙30c上の1カ所に対応するとともに、用紙30cに対する相対的な配置角度も一意に決まる。
【0085】
原理的には、用紙30cに対する配置角度0度で座標検知デバイス10が読み取ったドットパターン32は、そのままの(即ち回転させることなく)用紙30c上のある1カ所に形成されているドットパターン32と一致する。また、用紙30cに対する相対的な配置角度90度で座標検知デバイス10が読み取ったドットパターン32は、そのままでは用紙30c上に形成されているドットパターン32と一致しないが、90度回転させれば用紙30c上のある1カ所に形成されているドットパターン32と一致する。従って、座標検知デバイス10が読み取ったドットパターン32を用紙30c上のドットパターン32に対して相対的に回転させつつパターンの一致を検出する処理を行い、パターンの一致が得られたときの座標検知デバイス10の回転角度を上記配置角度とすればよい。なお、前掲の特許文献2には、用紙に対するデジタルペンの配置角度を検出する具体的な手法が記載されており、この手法を本実施形態における配置角度の検出方法に適用してもよい。
【0086】
メモリ13は、座標検知デバイス10のIDと、家具模型20cの形状関連情報とを記憶している。座標検知デバイス10のIDは、外部機器50c側で複数の家具模型20cから受信したデータを、家具模型毎に区別するために使用される。形状関連情報は、家具模型20cが占める形状及び大きさ(即ち、家具模型20cの真上から底面への投影形状及び大きさ)、家具模型20cの形状における座標検知デバイス10の位置を含む。これらの情報は、座標検知デバイス10を設けた家具模型20cを作成した時点で既知となるので、座標検知デバイス10のメモリ13に予め記憶しておく。
【0087】
通信ユニット11は、イメージプロセッサ14が生成した座標検知デバイス10の位置座標データ及び用紙30cに対する配置角度、並びに、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のID及び形状関連情報をまとめて外部機器50cへ送信する。
【0088】
上記の点以外は、座標検知デバイス10の各構成要素の機能は第1実施形態と同様である。
【0089】
外部機器50cは、基本的に図5に示す第1実施形態の外部機器50aと同様の構成を有するが、配置決定手段52の機能が第1実施形態とは異なっている。上記のように、家具模型20cには座標検知デバイス10が1つのみ設けられており、外部機器50cは、1つの座標検知デバイス10の位置座標データ及び配置角度、並びに形状関連情報を受信する。よって、配置決定手段52は、これらに基づいて用紙30c上における家具模型20cの配置を決定する。具体的には、配置決定手段52は、位置座標データに基づいて用紙30c上の位置を決定する。次に、配置決定手段52は、配置角度、家具模型20cにおける座標検知デバイス10の位置及び家具模型20cが占める形状及び大きさに基づいて、用紙30c上において家具模型20cが占める領域を決定する。
【0090】
外部機器50cにおいて、上記以外の点は第1実施形態の外部機器50aと同様である。よって、用紙30c上における家具模型20cの配置が決定されると、図6と同様に表示手段54が間取り図及び家具模型20cの領域70をディスプレイ画面に表示する。また、間取り図に対して家具模型20cの配置が不適正である場合には、報知手段55がその旨を報知する。
【0091】
図14は、第3実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートを示す。
【0092】
まず、家具模型20cに設けられた座標検知デバイス10においては、用紙30c上へ家具模型20cが配置されたことが圧力センサ15により検出され(ステップS301)、カメラ16及びイメージプロセッサ14により座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度が演算される(ステップS302)。そして、通信ユニット11が、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のID及び形状関連情報とを外部機器50cへ送信する(ステップS303)。
【0093】
外部機器50cでは、受信手段51が座標検知デバイス10から上記各データを受信し、表示手段54が配置環境データに基づいて間取り図をディスプレイ(表示装置)に表示する(ステップS304)。次に、配置決定手段52は、上記のように、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のID及び形状関連情報とに基づいて、用紙30c上における家具模型20cの配置を決定する。次に、表示手段54は、図6に例示するように、家具模型20cの配置を表示する(ステップS305)。
【0094】
さらに、報知手段55は、配置環境データを参照して、家具模型20cの配置が不適正であるか否かを判定し(ステップS306)、不適正であれば、警告を発することによりその旨を報知する(ステップS307)。こうして、物体配置シミュレーション処理は終了する。
【0095】
このように、第3実施形態によれば、家具模型20cに設けられた1つの座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度を利用することにより、家具模型20cの配置を正確に決定することができる。また、間取り図に対応する配置環境に照らし合わせることにより、家具模型20cの配置が適正であるか否かを判定し、不適正である場合には警告を発するなどして利用者に報知することができる。
【0096】
本実施形態では、図6に例示するように家具模型20cの位置がディスプレイ(表示装置)に表示された後、家具模型20cを用紙30c上で移動させれば、移動後の家具模型20cの位置データなどが外部機器50cに送信され、ディスプレイ(表示装置)上の家具模型20cの位置70をリアルタイムで移動させることができる。
【0097】
また、上記のように、用紙30c上で家具模型20cの位置を変更した場合において、外部機器50c内に利用者の任意の時点での家具模型20cの位置を記憶しておくようにすれば、いくつかの配置を比較して検討する場合などに便利となる。
【0098】
[第4実施形態]
第4実施形態では、第3実施形態と同様に、立体模型に1つの座標検知デバイスを設けるとともに、立体模型の形状及び大きさなどの形状関連情報を座標検知デバイスに記憶する。そして、座標検知デバイスが検知した位置座標データと形状関連情報とに基づいて立体模型の配置及び形状を特定する。具体的に、第4実施形態は、以下の点を基本的な構成とする。
(1)立体模型に1つの座標検知デバイスを設ける。
(2)座標検知デバイスのメモリには、形状関連情報が記憶されている。
(3)座標検知デバイスは、ドットパターンが印刷された用紙に配置されると、用紙における座標を求めるとともに、座標検知デバイスの用紙に対する配置角度を求める。
(4)座標検知デバイスは、座標データ、配置角度及び形状関連情報を外部機器へ送信する。
(5)外部機器は、座標検知デバイスから送信された各データに基づいて立体模型が配置された領域を演算し、ディスプレイ(表示装置)などに表示する。また、立体の模型の配置が不適正であれば、音声又は表示により報知する。
【0099】
以下、第4実施形態について詳細に説明する。第4実施形態は、地図上の道路を緊急車両が通行可能か否かを判定するシミュレーションに本発明を適用したものである。以下、第3実施形態と異なる点について説明する。
【0100】
第4実施形態によるシミュレーションシステムの概略構成を図15に示す。図示のように、シミュレーションシステム100dは、車両模型(立体模型)20dと、地図が印刷された用紙(専用用紙)30dと、外部機器50dとを備える。
【0101】
用紙30dには、カーボンを含んだインキによりドットパターン32が印刷されており、さらにカーボンを含まないインキにより地図が印刷されている。
【0102】
車両模型20dは、図16に示すように、1つの座標検知デバイス10を備える。座標検知デバイス10の構成は、第3実施形態のものと同様である。よって、車両模型20dは、用紙30d上に配置されたときに、1つの座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度を取得する。なお、用紙30d上に印刷された地図と車両模型20dの縮尺は同一である。
【0103】
座標検知デバイス10のメモリ13は、座標検知デバイス10のIDと、車両模型20dの形状関連情報とを記憶している。座標検知デバイス10のIDは、外部機器50d側で複数の車両模型20dから受信したデータを、車両模型毎に区別するために使用される。
【0104】
通信ユニット11は、イメージプロセッサ14が生成した座標検知デバイス10の位置座標データ10及び用紙30dに対する配置角度、並びに、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のID及び形状関連情報をまとめて外部機器50dへ送信する。
【0105】
外部機器50dは第3実施形態と同様に構成されており、その機能構成は図5に示されている。外部機器50dでは、配置決定手段52は、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度、並びに座標検知デバイス10のID及び形状関連情報に基づいて、用紙30d上における車両模型20dの配置を決定する。
【0106】
第4実施形態において、外部機器50dに表示されるディスプレイへの表示画面例を図17に示す。外部機器50dは、用紙30dに印刷された地図に対応するデータを配置環境データとして記憶部53内に記憶しており、表示手段54はこれを用いてディスプレイ画面に地図を表示する。また、表示手段54は、車両模型20dの配置に基づいて地図上に車両模型20dの位置を示す斜線領域72を表示する。なお、図10に示す第2実施形態のディスプレイ画面例と比較すると理解されるように、車両模型20dの形状は第2実施形態の場合よりも忠実に再現される。これは、第2実施形態では、4つの座標検知デバイス10の位置座標により規定される矩形領域を車両模型20bの領域としていたのに対し、第4実施形態では形状関連情報中に車両模型20dの形状及び大きさに関する情報を保持しており、これを利用して車両模型20dの領域(斜線領域)72を表示するためである。
【0107】
図18は、第4実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートを示す。
【0108】
まず、車両模型20dに設けられた座標検知デバイス10においては、用紙30d上への車両模型20dが配置されたことが圧力センサ15により検出され(ステップS401)、カメラ16及びイメージプロセッサ14により座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度が演算される(ステップS402)。そして、通信ユニット11が、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のID及び形状関連情報とを外部機器50dへ送信する(ステップS403)。
【0109】
外部機器50dでは、受信手段51が座標検知デバイス10から上記各データを受信し、表示手段54が配置環境データに基づいて地図をディスプレイ(表示装置)に表示する(ステップS404)。次に、配置決定手段52は、上記のように、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のID及び形状関連情報とに基づいて、用紙30d上における車両模型20dの配置を決定する。次に、表示手段54は、図17に例示するように、車両模型20dの配置を表示する(ステップS405)。
【0110】
さらに、報知手段55は、配置環境データを参照して、車両模型20dの配置が不適正であるか否かを判定し(ステップS406)、不適正であれば、警告を発することによりその旨を報知する(ステップS407)。車両模型20dの配置が不適正な場合とは、例えば車両模型20dの車幅が道路幅を超えている場合、車両模型20dが道路とビルとをまたがっている場合、などが挙げられる。また、車両模型20dの配置が不適正な場合の警告としては「緊急車両はその配置では通過できません!」などの表示又は音声出力が挙げられる。こうして、物体配置シミュレーション処理は終了する。
【0111】
第4実施形態においても、一度車両模型20dを用紙30dに配置して図17のようにディスプレイ(表示装置)に表示させた後、車両模型20dを動かせば、ディスプレイ(表示装置)上の車両模型20dの位置(斜線領域72)をリアルタイムで移動させることができる。
【0112】
また、第4実施形態は、駐車場に対応する用紙30d上に複数の車両模型20dを配置し、複数の車両の駐車可否をシミュレーションする場合などにも適用することができる。
【0113】
[第5実施形態]
第5実施形態では、第3及び第4実施形態と同様に、立体模型に1つの座標検知デバイスを設ける。但し、第3及び第4実施形態と異なり、立体模型の形状及び大きさなどに関連する形状関連情報を、座標検知デバイス側ではなく、外部機器側に記憶する。外部機器は、座標検知デバイスが検知した位置座標データと、形状関連情報とに基づいて立体模型の配置を特定する。具体的に、第5実施形態は、以下の点を基本的な構成とする。
(1)立体模型に1つの座標検知デバイスを設ける。
(2)座標検知デバイスのメモリには、座標検知デバイスに固有のIDが記憶されている。
(3)外部機器の記憶部には、座標検知デバイスのIDに関連付けて形状関連情報が記憶されている。
(4)座標検知デバイスは、ドットパターンが印刷された用紙に配置されると、用紙における座標を求めるとともに、座標検知デバイスの用紙に対する配置角度を求める。
(5)座標検知デバイスは、位置座標及び配置角度、並びに座標検知デバイスのIDを外部機器へ送信する。
(6)外部機器は、座標検知デバイスから送信された位置座標及び配置角度、並びに、記憶部に記憶していた形状関連情報に基づいて立体模型が配置された領域を演算し、ディスプレイ(表示装置)などに表示する。また、立体の模型の配置が不適正であれば、音声又は表示により報知する。
【0114】
以下、第5実施形態について詳細に説明する。第5実施形態は、部屋の間取りに家具を配置するシミュレーションに本発明を適用したものである。第5実施形態によるシミュレーションシステムの概略構成を図19に示す。図示のように、シミュレーションシステム100eは、家具模型(立体模型)20eと、間取りが印刷された用紙(専用用紙)30eと、外部機器50eとを備える。
【0115】
用紙30eは、第3実施形態の用紙30cと同様である。
家具模型20eは、基本的に第3実施形態の家具模型20cと同様である。但し、メモリ13には、座標検知デバイスのIDのみが記憶されており、形状関連情報は記憶されていない。よって、通信ユニット11は、座標検知デバイス10が検知した位置座標及び配置角度と、座標検知デバイスのIDを外部機器50eへ送信する。
【0116】
外部機器50eは、基本的に第3実施形態の外部機器50cと同様である。但し、記憶部53には、家具模型20eのIDに関連付けて、各家具模型20eの形状関連情報を記憶している。
【0117】
図20は、第5実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートを示す。
【0118】
まず、家具模型20eに設けられた座標検知デバイスにおいては、用紙30e上への家具模型20eが配置されたことが圧力センサ15により検知され(ステップS501)、カメラ16及びイメージプロセッサ14により座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度が演算される(ステップS502)。そして、通信ユニット11が、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のIDとを外部機器50eへ送信する(ステップS503)。
【0119】
外部機器50eでは、受信手段51が座標検知デバイス10から上記各データを受信し、表示手段54が配置環境データに基づいて間取り図をディスプレイ(表示装置)に表示する(ステップS504)。次に、配置決定手段52は、上記のように、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、記憶部53に記憶されている形状関連情報とに基づいて、用紙30e上における家具模型20eの配置を決定する。次に、表示手段54は、図6に例示するように、家具模型20eの配置を表示する(ステップS505)。
【0120】
さらに、報知手段55は、配置環境データを参照して、家具模型20eの配置が不適正であるか否かを判定し(ステップS506)、不適正であれば、警告を発することによりその旨を報知する(ステップS507)。こうして、物体配置シミュレーション処理は終了する。
【0121】
このように、第5実施形態によれば、家具模型20eに設けられた1つの座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度を利用することにより、家具模型20eの配置を正確に決定することができる。また、間取り図に対応する配置環境に照らし合わせることにより、家具模型20eの配置が適正であるか否かを判定し、不適正である場合には警告を発するなどして利用者に報知することができる。
【0122】
本実施形態では、図6に例示するように家具模型20eの位置がディスプレイ(表示装置)に表示された後、家具模型20eを用紙30e上で移動させれば、移動後の家具模型20eの位置データなどが外部機器50eに送信され、ディスプレイ(表示装置)上の家具模型20eの位置70を移動させることができる。
【0123】
また、上記のように、用紙30e上で家具模型20eの位置を変更した場合において、外部機器50e内に利用者の任意の時点での家具模型20eの位置を記憶しておくようにすれば、いくつかの配置を比較して検討する場合などに便利となる。
【0124】
[第6実施形態]
第6実施形態では、第5実施形態と同様に、立体模型に1つの座標検知デバイスを設けるとともに、立体模型の形状及び大きさなどに関連する形状関連情報を、座標検知デバイス側ではなく、外部機器側に記憶する。外部機器は、座標検知デバイスが検知した位置座標データと、形状関連情報とに基づいて立体模型の配置を特定する。具体的に、第6実施形態は、以下の点を基本的な構成とする。
(1)立体模型に1つの座標検知デバイスを設ける。
(2)座標検知デバイスのメモリには、座標検知デバイスに固有のIDが記憶されている。
(3)外部機器の記憶部には、座標検知デバイスのIDに関連付けて形状関連情報が記憶されている。
(4)座標検知デバイスは、ドットパターンが印刷された用紙に配置されると、用紙における座標を求めるとともに、座標検知デバイスの用紙に対する配置角度を求める。
(5)座標検知デバイスは、位置座標及び配置角度、並びに座標検知デバイスのIDを外部機器へ送信する。
(6)外部機器は、座標検知デバイスから送信された位置座標及び配置角度、並びに、記憶部に記憶していた形状関連情報に基づいて立体模型が配置された領域を演算し、表示装置などに表示する。また、立体の模型の配置が不適正であれば、音声又は表示により報知する。
【0125】
以下、第6実施形態について詳細に説明する。第6実施形態は、地図上の道路を緊急車両が通行可能か否かを判定するシミュレーションに本発明を適用したものである。以下、第5実施形態と異なる点について説明する。
【0126】
第6実施形態によるシミュレーションシステムの概略構成を図21に示す。図示のように、シミュレーションシステム100fは、車両模型(立体模型)20fと、地図が印刷された用紙(専用用紙)30fと、外部機器50fとを備える。
【0127】
用紙30fは、第4実施形態の用紙30dと同様である。
車両模型20fは、基本的に第4実施形態の車両模型20dと同様である。但し、メモリ13には、座標検知デバイス10のIDのみが記憶されており、形状関連情報は記憶されていない。よって、通信ユニット11は、座標検知デバイス10が検知した位置座標及び配置角度と、座標検知デバイスのIDを外部機器50fへ送信する。
【0128】
外部機器50fは、基本的に第4実施形態の外部機器50dと同様である。但し、記憶部53には、車両模型20fのIDに関連付けて、各車両模型20fの形状関連情報を記憶している。
【0129】
図22は、第6実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートを示す。
【0130】
まず、車両模型20fに設けられた座標検知デバイス10においては、用紙30f上への車両模型20fが配置されたことが圧力センサ15により検知され(ステップS601)、カメラ16及びイメージプロセッサ14により座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度が演算される(ステップS602)。そして、通信ユニット11が、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、メモリ13に記憶されている座標検知デバイス10のIDとを外部機器50fへ送信する(ステップS603)。
【0131】
外部機器50fでは、受信手段51が座標検知デバイス10から上記各データを受信し、表示手段54が配置環境データに基づいて地図をディスプレイ(表示装置)に表示する(ステップS604)。次に、配置決定手段52は、上記のように、座標検知デバイス10の位置座標及び配置角度と、座標検知デバイス10のIDと、記憶部53に記憶されている形状関連情報とに基づいて、用紙30f上における車両模型20fの配置を決定する。次に、表示手段54は、図17に例示するように、車両模型20fの配置を表示する(ステップS605)。
【0132】
さらに、報知手段55は、配置環境データを参照して、車両模型20fの配置が不適正であるか否かを判定し(ステップS606)、不適正であれば、警告を発することによりその旨を報知する(ステップS607)。車両模型20fの配置が不適正な場合とは、例えば車両模型20fの車幅が道路幅を超えている場合、車両模型20fが道路とビルとをまたがっている場合、などが挙げられる。また、車両模型20fの配置が不適正な場合の警告としては「緊急車両はその配置では通過できません!」などの表示又は音声出力が挙げられる。こうして、物体配置シミュレーション処理は終了する。
【0133】
第6実施形態においても、一度車両模型20fを用紙30fに配置して図17のようにディスプレイ(表示装置)に表示させた後、車両模型20fを動かせば、ディスプレイ(表示装置)上の車両模型20fの位置(斜線領域72)をリアルタイムで移動させることができる。
【0134】
また、第6実施形態は、駐車場に対応する用紙30f上に複数の車両模型20fを配置し、複数の車両の駐車可否をシミュレーションする場合などにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、各種の環境に対して物体を配置できるか否かをシミュレーションするシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】第1実施形態に係る物体配置シミュレーションシステムの構成を示す。
【図2】専用用紙に印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図3】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す。
【図4】座標検知デバイスの構成を示す。
【図5】外部機器の構成を示す。
【図6】第1実施形態による外部機器のディスプレイの表示画面例である。
【図7】第1実施形態よる物体配置シミュレーション処理のフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る物体配置シミュレーションシステムの構成を示す。
【図9】第2実施形態による車両模型の構成を示す。
【図10】第2実施形態による外部機器のディスプレイの表示画面例である。
【図11】第2実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係る物体配置シミュレーションシステムの構成を示す。
【図13】座標検知デバイスの配置角度を説明する図である。
【図14】第3実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートである。
【図15】第4実施形態に係る物体配置シミュレーションシステムの構成を示す。
【図16】第4実施形態による車両模型の構成を示す。
【図17】第4実施形態による外部機器のディスプレイの表示画面例を示す。
【図18】第4実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートである。
【図19】第5実施形態に係る物体配置シミュレーションシステムの構成を示す。
【図20】第5実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートである。
【図21】第6実施形態に係る物体配置シミュレーションシステムの構成を示す。
【図22】第6実施形態による物体配置シミュレーション処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0137】
10 座標検知デバイス(座標検知手段)
11 通信ユニット(送信手段)
13 メモリ(記憶部)
14 イメージプロセッサ
15 圧力センサ
16 カメラ
17 LED
20a、20c、20e 家具模型(立体模型)
20b、20d、20f 車両模型(立体模型)
30a〜30f 用紙(専用用紙)
32 ドットパターン(コード化パターン)
50a〜50f 外部機器
51 受信手段
52 配置決定手段
53 記憶部
54 表示手段
55 報知手段
100a〜100f 物体配置シミュレーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される立体模型であって、
前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標を検知する複数の座標検知手段と、
前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、
前記複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする立体模型。
【請求項2】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器と、を備える物体配置シミュレーションシステムであって、
前記立体模型は、
前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標を検知する複数の座標検知手段と、
前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、
前記複数の座標検知手段の各々が検知した配置座標と、識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備え、
前記外部機器は、
前記立体模型から配置座標及び識別情報を受信する受信手段と、
前記識別情報及び複数の前記配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定手段と、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする物体配置シミュレーションシステム。
【請求項3】
前記外部機器は、
前記物体配置環境を示す配置環境データを記憶する記憶部と、
前記立体模型の配置と前記配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する報知手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の物体配置シミュレーションシステム。
【請求項4】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、を利用する物体配置シミュレーション方法であって、
前記立体模型から前記立体模型の複数の位置に対応する複数の配置座標、及び、前記立体模型の識別情報を受信する受信工程と、
前記識別情報及び複数の前記配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程と、
前記立体模型の位置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程と、
前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程と、を備えることを特徴とする物体配置シミュレーション方法。
【請求項5】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器とを備える物体配置シミュレーションシステムにおいて実行される物体配置シミュレーションプログラムであって、前記外部機器において実行されることにより、
前記立体模型から前記立体模型の複数の位置に対応する複数の配置座標、及び、前記立体模型の識別情報を受信する受信工程、
前記識別情報及び複数の前記配置座標に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程、
前記立体模型の位置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程、
前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程、を実行することを特徴とする物体配置シミュレーションプログラム。
【請求項6】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される立体模型であって、
前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、
前記立体模型の形状及び大きさ、並びに、前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する記憶部と、
前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記形状関連情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする立体模型。
【請求項7】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器と、を備える物体配置シミュレーションシステムであって、
前記立体模型は、
前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、
前記立体模型の形状及び大きさ、並びに、前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する記憶部と、
前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記形状関連情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備え、
前記外部機器は、
前記立体模型から前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報を受信する受信手段と、
前記配置座標、前記配置角度0及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定手段と、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする物体配置シミュレーションシステム。
【請求項8】
前記外部機器は、
前記物体配置環境を示す配置環境データを記憶する記憶部と、
前記立体模型の配置と前記配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する報知手段と、を備えることを特徴とする請求項7に記載の物体配置シミュレーションシステム。
【請求項9】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、を利用する物体配置シミュレーション方法であって、
前記立体模型の配置座標及び配置角度と、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報と、を前記立体模型から受信する受信工程と、
前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程と、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程と、
前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程と、を備えることを特徴とする物体配置シミュレーション方法。
【請求項10】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器とを備える物体配置シミュレーションシステムにおいて実行される物体配置シミュレーションプログラムであって、前記外部機器において実行されることにより、
前記立体模型の配置座標及び配置角度と、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報と、を前記立体模型から受信する受信工程、
前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程、
前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程、を実行することを特徴とする物体配置シミュレーションプログラム。
【請求項11】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙上に配置される立体模型であって、
前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、
前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、
前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする立体模型。
【請求項12】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器と、を備える物体配置シミュレーションシステムであって、
前記立体模型は、
前記コード化パターンを読み取り、所定の処理を行うことにより、前記専用用紙上における配置座標及び前記専用用紙に対する配置角度を検知する1つの座標検知手段と、
前記立体模型の識別情報を記憶する記憶部と、
前記座標検知手段が検知した前記配置座標及び前記配置角度と、前記識別情報とを外部機器へ送信する送信手段と、を備え、
前記外部機器は、
前記立体模型から前記配置座標、前記配置角度及び前記識別情報を受信する受信手段と、
前記識別情報に対応付けて、前記立体模型の形状及び大きさ、並びに、前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を記憶する記憶部と、
前記受信手段が受信した前記識別情報に対応する形状関連情報を前記記憶部から取得する形状関連情報取得手段と、
前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定手段と、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする物体配置シミュレーションシステム。
【請求項13】
前記外部機器は、
前記物体配置環境を示す配置環境データを記憶する記憶部と、
前記立体模型の配置と前記配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する報知手段と、を備えることを特徴とする請求項12に記載の物体配置シミュレーションシステム。
【請求項14】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、を利用する物体配置シミュレーション方法であって、
前記立体模型から前記立体模型の配置座標及び配置角度、並びに前記立体模型の識別情報を受信する受信工程と、
前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を取得する形状関連情報取得工程と、
前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程と、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程と、
前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程と、を備えることを特徴とする物体配置シミュレーション方法。
【請求項15】
コード化パターンが印刷され、かつ、物体配置環境が図示された専用用紙と、前記専用用紙上に配置される立体模型と、外部機器とを備える物体配置シミュレーションシステムにおいて実行される物体配置シミュレーションプログラムであって、前記外部機器において実行されることにより、
前記立体模型から前記立体模型の配置座標及び配置角度、並びに前記立体模型の識別情報を受信する受信工程、
前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する立体模型の形状及び大きさ、並びに前記立体模型に対する前記座標検知手段の相対位置に関する形状関連情報を取得する形状関連情報取得工程、
前記配置座標、前記配置角度及び前記形状関連情報に基づいて、前記専用用紙上における前記立体模型の配置を決定する配置決定工程、
前記立体模型の配置に基づいて、前記物体配置環境及び当該物体配置環境における立体模型の配置を表示する表示工程、
前記立体模型の配置と、前記物体配置環境を示す配置環境データとを比較し、前記物体配置環境における前記立体模型の配置が不適正である場合に、警告を出力する警告出力工程、を実行することを特徴とする物体配置シミュレーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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