立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法
【課題】立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するアスベスト処理施工時に、駐車車両を全面カバーし得る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法を提供すること。
【解決手段】車両カバー11を駐車車両Cの上から被せ、車両Cの底面部養生パット12は、左右前輪間と左右後輪間に挿入し得る幅を有しかつ車両Cの全長に略対応する長さを有し、車両Cの下側に挿入した状態から上昇させて車両底面部に押し付けたときに車両底面部の形状に合わせて弾性変形し密着する対車両底面部当てパット部13と、その下側に積層形成され対車両底面部当てパット部13を車両底面部に押し付けたときに対車両底面部当てパット部13の下面を平面状に維持する平面維持パネル14と、平面維持パネル14の下面に付設された走行手段としてのキャスター15とからなる。
【解決手段】車両カバー11を駐車車両Cの上から被せ、車両Cの底面部養生パット12は、左右前輪間と左右後輪間に挿入し得る幅を有しかつ車両Cの全長に略対応する長さを有し、車両Cの下側に挿入した状態から上昇させて車両底面部に押し付けたときに車両底面部の形状に合わせて弾性変形し密着する対車両底面部当てパット部13と、その下側に積層形成され対車両底面部当てパット部13を車両底面部に押し付けたときに対車両底面部当てパット部13の下面を平面状に維持する平面維持パネル14と、平面維持パネル14の下面に付設された走行手段としてのキャスター15とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場において薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物の断熱、耐火、防火および結露防止等を目的としてアスベスト繊維を含有する吹き付け材を建築構造物の内部の鉄骨材や壁面に吹き付けることにより、該鉄骨材や壁面がアスベスト構造体で被覆された建築構造物が今までに多数建設されてきた。しかし、その後、アスベスト繊維が老朽化すると、粉塵化して空気中に飛散し、この粉塵化し飛散したアスベスト繊維を人体、特に呼吸器が吸収した場合、中皮腫や肺ガンの発生原因となり極めて危険であることが分かり、アスベストの人体への害は深刻な社会問題となっており、アスベストの除去が緊急の課題となっている。アスベスト構造体は、除去するのが最良であるが完全に除去することは不可能または困難である。例えば、建築構造物の内部の人の手が入らない場所や足場や養生が組めない場所にも存在する。
【0003】
そこで、立地条件、周辺環境及び経済性等の事情から、アスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を霧状に吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するハイスペック・アスベスト封じ込め工法が開発され、アスベスト封じ込め処理が行われている。
【0004】
建築構造物に付設されたエレベータでは、エレベータシャフト内のアスベスト構造体に対するアスベスト処理工法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−263114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アスベスト繊維が鉄骨材や壁面に被覆された状態において多数建設された建築構造物の1つとして立体駐車場があるが、駐車場を稼働した状態でアスベスト封じ込め処理を行う場合、すなわち、駐車車両が駐車場内に存在する状態でアスベスト封じ込め処理を行う場合には、駐車車両を全面的に隠蔽する養生を行わないと、駐車車両に薬液が付着することになるから、車両カバーで駐車車両をカバーしてアスベスト封じ込め処理を行うことが必要になる。
【0007】
しかしながら、通常の車両カバーで駐車車両をカバーしても丈が短くタイヤが露出する。さらに、丈が長い車両カバーを選択して駐車車両をカバーしても、車両底面部が露出したままとなるから、隅々まで行き渡る霧状の薬液が車両底面部に付着してしまうことになり、さらには、車両カバーと車両のボデイとの間にも入り込んで車両のボデイにも薬液が付着してしまうことになる。
【0008】
本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するアスベスト処理施工時に駐車車両を全面カバーし得る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具は、駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するために薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するための駐車車両養生具であって、駐車車両の左右前輪間及び左右後輪間に近接して挿入し得る幅を有しかつ駐車車両の全長に略対応する長さを有し、駐車車両の下側に挿入した状態から上昇させて駐車車両底面部に押し付けたときに駐車車両底面部の形状に合わせて弾性変形し密着する対車両底面部当てパット部と、対車両底面部当てパット部の下側に積層形成され対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付けたときに対車両底面部当てパット部の下面を平面状に維持する平面維持パネルと、平面維持パネルの下面に付設された走行手段としてのキャスター又は橇と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、駐車車両底面部養生パットを駐車車両の下側に挿入した状態からジャッキで平面維持パネルを持ち上げて対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付けることができ、長めの車両カバーと併用して駐車車両を全面カバーし得る。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の他の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具は、対車両底面部当てパット部と平面維持パネルとの間に、空気を供給されることで厚さ方向に膨張して対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付ける、空気圧膨張部を備えることが好ましい。
この構成によれば、圧縮空気供給手段を用いて空気圧膨張部を膨張させて対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付けることができ、長めの車両カバーと併用して駐車車両を全面カバーし得る。コンプレッサの圧縮空気供給ホースを延ばすことで、高い位置の駐車車両に対する養生も行うことができる。ジャッキが使用できる低所作業条件下では、ジャッキも併用できる。空気圧膨張部を膨張させなくても良い。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の駐車車両養生方法は、駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するため、車両カバーを駐車車両に被せると共に、請求項1又は2に記載の駐車車両養生具を駐車車両の下側に挿入した状態から、平面維持パネルをジャッキで持ち上げるか、又は空気圧膨張部を膨張させることにより、対車両底面部当てパット部を上昇させて駐車車両底面部を隠蔽し、さらに、車両カバーの駐車車両の周囲に垂れる裾部分を、対車両底面部当てパット部と駐車車両底面部との間に仕舞い込むことにより、対車両底面部当てパット部で隠蔽できない駐車車両底面部周縁部を隠蔽して駐車車両を全面被覆することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の他の駐車車両養生方法は、循環式リフトを備えた立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、循環式リフトのケージに載置された駐車車両に薬液が付着することを防止するため、駐車車両を載置したケージにケージカバーを被せてこのケージを全面的に覆うことで駐車車両を養生する駐車車両養生方法であって、ケージカバーは、矩形の上面部と、この上面部の四方の側縁より角筒状に垂れる4つの側面部とを有し、4つの側面部のうち、ケージ上面部の駐車車両の前後面側中央部を吊上げる吊上げシャフトに対応する2つの側面部が中央より左右に二つ割れになっていて、この二つ割れを吊上げシャフトに対応させてケージに対して上方から被せて、4つの側面部のケージよりも下側に垂れる部分で、ケージ下面部を覆うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駐車車両の下側に挿入した状態からジャッキで平面維持パネルを持ち上げて対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付ける対車両底面部当てパット部と車両カバーとで構成してので、立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するアスベスト処理施工時に駐車車両を全面カバーし得る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の斜視図である。
【図2】図1に示す駐車車両養生具を構成する底面部養生パットを駐車車両の下側に挿入するところを示す斜視図である。
【図3】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽するところを示す斜視図である。
【図4】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、駐車車両の前部の車両前後方向の垂直面を視た縦断面図である。
【図5】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、駐車車両の片側の車両左右方向の垂直面を視た縦断面図である。
【図6】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、車輪の下側から上方を視て車輪に対する隠蔽状態を視た図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具を構成する底面部養生パットを示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具を構成する底面部養生パットを示す斜視図である。
【図9】図8に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽するところを示す斜視図である。
【図10】図8に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、車両左右方向の垂直面を視た縦断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る循環式リフトを備えた立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法における、養生対象である駐車車両を載置するケージを示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法に係り、養生対象である駐車車両を載置するケージを車両カバーにより隠蔽するところを示す斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法に係り、養生対象である駐車車両を載置するケージを車両カバーにより隠蔽するところを示す、斜め下から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
まず構成を説明する。図1〜図6は、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の第1の実施形態を示す。図1に示すように、駐車車両養生具1は、車両カバー11と底面部養生パット12とを備えて成る。
【0016】
底面部養生パット12は、図2に示すように、立体駐車場のリフト装置のパレットPに載置されている駐車車両Cに薬液が付着することを防止するため、駐車車両Cの下側に車両方向前方から挿入され、図3に示すように、ジャッキJ,Jを用いて持ち上げられることにより、駐車車両Cの駐車車両底面部C2に密着し押圧され該駐車車両底面部C2を隠蔽する。車両カバー11は、図3に示すように、駐車車両Cに対し、その上方から被せる。
【0017】
以下、詳細に説明する。車両カバー11は、駐車車両Cに対して上から被せたとき4つの車輪C1に対応する部分では矩形の切欠部11aを有していて、矩形の切欠部11aの上端が車輪C1の下端よりも若干下方へ垂れる長さとされ、矩形の切欠部11a以外の裾部11bが、車輪C1よりも下方へ大きく垂れて駐車車両底面部C2の周縁部を隠蔽して底面部養生パット12と駐車車両底面部C2との間に挟み込める長さを有している。
車両カバー11は、アスベスト処理工事における養生用であるから、高級品である必要はないが、軽量、柔軟にして取り扱い性が良く、引っぱり、引裂き力に対して強靭で、耐久性が高い材質で形成されることが好ましい。
【0018】
底面部養生パット12は、対車両底面部当てパット部13と、この対車両底面部当てパット部13の下側に積層された平面維持パネル14と、この平面維持パネル14の下面に設けられたキャスター15と、を備えて成る。
【0019】
対車両底面部当てパット部13は、例えばウレタンによりスポンジ様の厚肉な矩形板状に成形されていて、車両前後方向から挿入して駐車車両Cの左右前輪間及び左右後輪間に近接し得る幅を有しかつ駐車車両Cの全長に略対応する長さを有し、駐車車両Cの下側に挿入した状態から上昇させて駐車車両底面部C2に押し付けたときに駐車車両底面部C2の形状に合わせて弾性変形し密着する機能を備えている。対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2に押し付けたときに駐車車両底面部C2の凸部に当接する個所では窪んで少なくとも周辺部が駐車車両底面部C2の密着し得る機能を備えていればよい。
【0020】
平面維持パネル14は、金属製、プラスチック製、或いはセラミックよりなり、対車両底面部当てパット部13に対応した矩形板状に形成されていて、負荷が加わっても板平面を維持する剛性を有しかつ軽量化が図られていて、対車両底面部当てパット部13の下面に例えば接着により積層され、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けたときに対車両底面部当てパット部13の下面を平面状に維持する機能を備えている。なお、平面維持パネル14には、底面部養生パット12を駐車車両の下側に出し入れする方向の両端面に把手16を備えている。
【0021】
キャスター15は、平面維持パネル14の下面の四隅に付設され底面部養生パットを駐車車両の下側に出し入れする際の走行手段として機能する。
【0022】
続いて、養生方法を説明する。
立体駐車場のアスベスト処理を施工するとき、その施工に先行して、リフト装置のパレットPに載置されている駐車車両Cに対してアスベスト処理施工時に駐車車両Cに薬液が付着することを防止するため、図1に示す車両カバー11と底面部養生パット12とからなる駐車車両養生具1で駐車車両Cを全面的に隠蔽する。
【0023】
まず、図2に示すように、底面部養生パット12を駐車車両Cの下側に挿入し、次いで、図3に示すように、一対のジャッキJ,Jを車両前後方向から平面維持パネル14の前部下面及び後部下面の下側に差し込んで、該一対のジャッキJ,Jで平面維持パネル14を略水平状態を保って持ち上げることにより、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付ける。対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2に押し付けられ駐車車両底面部C2の凸部に当接する個所では窪むことにより駐車車両底面部C2の形状に合わせて弾性変形し密着する。対車両底面部当てパット部13の周辺部が駐車車両底面部C2の密着したことを確認する。図4は、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けた状態の駐車車両Cの前部を車両側方より視た図である。図5は、対車両底面部当てパット部13を車輪間に位置して駐車車両底面部C2に押し付けた状態を車両前後方向より視た図である。
【0024】
続いて、図3に示すように、車両カバー11を駐車車両Cに対して被せる。車両カバー11は、駐車車両Cの車輪よりも下側に垂れる。そこで、図5に示すように、車両カバー11の,駐車車両の周囲に垂れる矩形の切欠部11a以外の裾部11bを、対車両底面部当てパット部13と駐車車両底面部C2との間に仕舞い込む(挟み込む)ことにより、この裾部11bで、対車両底面部当てパット部13では隠蔽できない駐車車両底面部C2の周辺部を隠蔽する。また、車両カバー11の,矩形の切欠部11a以外の裾部11bを上記のように仕舞い込むことにより、図5及び図6に示すように、矩形の切欠部11aは車輪C1を隠蔽する。車両カバー11は、車輪C1の接地部C1'を除いて車輪C1を隠蔽することができる。
【0025】
なお、必要に応じて、別のジャッキを用いて駐車車両Cの片側を持ち上げて、車両カバー11の裾部分を車輪を下側に仕舞い込むことを、両側の車輪に対して行う。以上の、養生作業により、駐車車両Cを全面的に隠蔽することができ、霧状の薬液が侵入し得る隙間を皆無にすることができるので、アスベスト処理の施工時に駐車車両に薬液が付着することを防止できる。
また、上記の説明では、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けた後に車両カバー11を駐車車両Cに対して被せる手順を示したが、先に車両カバー11を駐車車両Cに対して被せてもよい。また、駐車車両Cが循環式リフトを備えた立体駐車場に駐車される場合には、高い位置でジャッキJの使用が困難なので、循環式リフトを循環移動して駐車車両Cを立体駐車場の出入り口に対応させて養生作業を行い、底面部養生パット12の下側に図示しない台座を挟入することにより、ジャッキJを取り外しても、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けた状態を維持することができる。これによって、循環式リフトを循環移動し養生を行った駐車車両Cを高所に移動できる。
【0026】
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の、底面部養生パット12Aを図示している。駐車車両養生具1は、車両カバー11と底面部養生パット12Aとを備えて成る。この実施形態に係る底面部養生パット12Aは、第1の実施形態に係る底面部養生パット12が平面維持パネル14の下面にキャスター15が付設されている構成であるのに対し、キャスター15に替えて橇17が付設されていて、この橇17が、駐車車両養生具を駐車車両の下側に出し入れする走行手段として機能する構成である点が唯一の相違点である。第2の実施形態に係る底面部養生パット12Aと第1の実施形態に係る底面部養生パット12とは駐車車両養生具を駐車車両の下側に出し入れする機能以外は同一である。従って、第2の実施形態に係る駐車車両養生具について、その他の構成及び養生方法の説明は省略する。
【0027】
<第3の実施形態>
図8〜図10は、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の第3の実施形態を示す。
構成を説明する。図8に示すように、駐車車両養生具1Bは、図示しない車両カバー11と底面部養生パット12Bとを備えて成る。
【0028】
底面部養生パット12Bは、対車両底面部当てパット部13と、この対車両底面部当てパット部13の下側に積層された空気圧膨張部18と、この空気圧膨張部18の下側に積層された平面維持パネル14と、この平面維持パネル14の下面に設けられたキャスター15と、を備えて成る。
【0029】
図示しない車両カバー11、及び底面部養生パット12Bを構成する対車両底面部当てパット部13と平面維持パネル14とキャスター15は、それぞれ、第1の実施形態に係る車両カバー11、対車両底面部当てパット部13、平面維持パネル14、又はキャスター15と同一の構成であり、かつ同一の機能を備えているもので、同一の符号を付してそれぞれの説明は省略する。なお、第2の実施形態と同様に、キャスター15に替えて橇を設けることもできる。
【0030】
空気圧膨張部18は、対車両底面部当てパット部13と平面維持パネル14との間に例えば接着により設けられる。空気圧膨張部18は、ゴムシート又はプラスチックシートから構成され、対車両底面部当てパット部13に接着される矩形の下面部と、平面維持パネル14に接着される矩形の上面部と、下面部の周縁と上面部の周縁とを接続している環状のジャバラ部とを備え、ジャバラ部の一側に、1つ又は複数の圧縮空気流入口19が付設され、圧縮空気流入口19に仕切り弁20を備えて成る。仕切り弁20を備えると、空気圧膨張部18を膨張させた後、仕切り弁を閉めてから、圧縮空気供給ホースBを圧縮空気流入口19から外すことができる。なお、仕切り弁20に替えて栓を設けても良い。空気圧膨張部18は、仕切り弁20に圧縮空気供給手段としてのコンプレッサAに接続された圧縮空気供給ホースBが接続されコンプレッサAから圧縮空気を供給されると、ジャバラ部が伸びていき厚さ方向に膨張する。図10に示すように、底面部養生パット12Bは、駐車車両Cの下側に位置されて、空気圧膨張部18が膨張されることにより、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付ける機能を有する。なお、空気圧膨張部18は、ゴムシート又はプラスチックシートから、浮マットの如く構成してもよい。
【0031】
続いて、養生方法を説明する。
立体駐車場のアスベスト処理を行うときは、まず、図9に示すように、リフト装置のパレットPに載置されている駐車車両Cの下側に底面部養生パット12を車両前後方向から挿入する。次いで、コンプレッサAの圧縮空気供給ホースBを空気圧膨張部18の仕切り弁20に接続し、コンプレッサAを稼働して圧縮空気を送り込み空気圧膨張部18を膨張させる。これにより、対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2に押し付けられる(図10)。対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2の凸部に当接する個所では窪むことにより駐車車両底面部C2の形状に合わせて弾性変形し密着する。対車両底面部当てパット部13の周辺部が駐車車両底面部C2の密着したことを確認し、さらに、図10に示すように、車両カバー11の駐車車両の周囲に垂れる裾部分を、対車両底面部当てパット部13と駐車車両底面部C2との間に仕舞い込むことにより、対車両底面部当てパット部13で隠蔽できない駐車車両底面部C2周縁部を隠蔽して駐車車両Cを全面被覆する。
【0032】
以上の養生作業により、駐車車両Cを全面的に隠蔽することができ、霧状の薬液が侵入し得る隙間を皆無にすることができるので、アスベスト処理の施工時に駐車車両に薬液が付着することを防止できる。こうして、空気圧膨張部18を膨張させて対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に密着させる構成では、長い圧縮空気供給ホースBを用意すれば、高所にある駐車車両に対して養生することができ、圧縮空気供給ホースBを切り離すことができて、ジャッキJを用意する必要がない。また、コンプレッサがない場合や停電時には、循環式リフトを循環移動して駐車車両Cを立体駐車場の出入り口に対応させることで、第1の実施形態と同様に、一対のジャッキJで平面維持パネル14を水平に持ち上げていき養生作業を行うことができる。
【0033】
<第4の実施形態>
図11〜図13は、本発明の第4の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法を図示している。
この実施形態の駐車車両養生方法は、循環式リフトを備えた立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、図11に示す循環式リフトのケージKに載置された駐車車両Cに薬液が付着することを防止するため、駐車車両Cを載置したケージKにケージカバー23を被せてこのケージKを全面的に覆うことで駐車車両Cを養生する方法である。ケージKは、ケージ上面部の,駐車車両Cの前後面側中央部を吊上げシャフトSにより吊上げられるように構成されている。
【0034】
図12に示すように、ケージカバー23は、ケージKの上面部を覆うための矩形の上面部23aと、この上面部23aの四方の側縁より角筒状に垂れる4つの側面部23b,23c,23d,23eとを有してなる。4つの側面部23b,23c,23d,23eのうち、駐車車両Cの前後面側に対応する2つの側面部23b,23dは、中央より左右に二つ割れになっていて、かつケージカバー23を上方から被せたときに、ケージよりも下側に短く垂れる底面隠蔽部23b',23d'を有し、駐車車両Cの左右側面側に対応する2つの側面部23c,23eは、ケージカバー23を上方から被せたときに、ケージよりも下側に長く垂れる底面隠蔽部23c',23e'を有する。
【0035】
従って、この駐車車両養生方法は、図12に示すように、2つの側面部23b,23dの2つの二つ割れを一対の吊上げシャフトSに対応させるようにして、ケージKに対してケージカバー23を上方から被せ、さらに、図13に示すように、先に底面隠蔽部23b',23d'をケージ底面部を覆うように折り重ね粘着テープ或いは紐等で止めてから、底面隠蔽部23c',23e'をケージ底面部を覆うように折り重ね、粘着テープで目張りすることにより、ケージKを全面的に覆うことで駐車車両Cを養生する。なお、底面隠蔽部23c',23e'の突き合わせ端を該突き合わせ端に備えるチャックで閉じるように構成すると共に、底面隠蔽部23b',23d'と底面隠蔽部23c',23e'との重ね合わせ部分を、ボタン等を備えて閉じ合わせても良い。
【0036】
<ケージカバーの加圧>
ケージカバーの折り重ね部やつなぎ目のシールが不完全であったり、作業中にシール部の粘着テープが剥がれたりすると、つなぎ目から薬液が入り、ボディーに付着してしまう可能性がある。これを防止するためには、ケージカバーへエアーポンプなどの圧力装置を接続し、ケージカバー内の気圧を常に外圧より高くして、薬液の侵入を防ぐことができる。
【0037】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態に限定されるものでなく、カバーの構造は一例を示すものである。特許請求の範囲の技術的範囲には、作業効率の向上やコストダウンのために、カバーの構造を変更し発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
【符号の説明】
【0038】
C 駐車車両
C1 車輪
C2 駐車車両底面部
1 駐車車両養生具
11 車両カバー
12,12A,12B 底面部養生パット
13 対車両底面部当てパット部
14 平面維持パネル
15,26 キャスター
17 橇
18 空気圧膨張部
J ジャッキ
23 車両カバー
23a 上面部
23b,23c,23d,23e 側面部
K ケージ
S シャフト
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場において薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物の断熱、耐火、防火および結露防止等を目的としてアスベスト繊維を含有する吹き付け材を建築構造物の内部の鉄骨材や壁面に吹き付けることにより、該鉄骨材や壁面がアスベスト構造体で被覆された建築構造物が今までに多数建設されてきた。しかし、その後、アスベスト繊維が老朽化すると、粉塵化して空気中に飛散し、この粉塵化し飛散したアスベスト繊維を人体、特に呼吸器が吸収した場合、中皮腫や肺ガンの発生原因となり極めて危険であることが分かり、アスベストの人体への害は深刻な社会問題となっており、アスベストの除去が緊急の課題となっている。アスベスト構造体は、除去するのが最良であるが完全に除去することは不可能または困難である。例えば、建築構造物の内部の人の手が入らない場所や足場や養生が組めない場所にも存在する。
【0003】
そこで、立地条件、周辺環境及び経済性等の事情から、アスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を霧状に吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するハイスペック・アスベスト封じ込め工法が開発され、アスベスト封じ込め処理が行われている。
【0004】
建築構造物に付設されたエレベータでは、エレベータシャフト内のアスベスト構造体に対するアスベスト処理工法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−263114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アスベスト繊維が鉄骨材や壁面に被覆された状態において多数建設された建築構造物の1つとして立体駐車場があるが、駐車場を稼働した状態でアスベスト封じ込め処理を行う場合、すなわち、駐車車両が駐車場内に存在する状態でアスベスト封じ込め処理を行う場合には、駐車車両を全面的に隠蔽する養生を行わないと、駐車車両に薬液が付着することになるから、車両カバーで駐車車両をカバーしてアスベスト封じ込め処理を行うことが必要になる。
【0007】
しかしながら、通常の車両カバーで駐車車両をカバーしても丈が短くタイヤが露出する。さらに、丈が長い車両カバーを選択して駐車車両をカバーしても、車両底面部が露出したままとなるから、隅々まで行き渡る霧状の薬液が車両底面部に付着してしまうことになり、さらには、車両カバーと車両のボデイとの間にも入り込んで車両のボデイにも薬液が付着してしまうことになる。
【0008】
本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するアスベスト処理施工時に駐車車両を全面カバーし得る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具は、駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するために薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するための駐車車両養生具であって、駐車車両の左右前輪間及び左右後輪間に近接して挿入し得る幅を有しかつ駐車車両の全長に略対応する長さを有し、駐車車両の下側に挿入した状態から上昇させて駐車車両底面部に押し付けたときに駐車車両底面部の形状に合わせて弾性変形し密着する対車両底面部当てパット部と、対車両底面部当てパット部の下側に積層形成され対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付けたときに対車両底面部当てパット部の下面を平面状に維持する平面維持パネルと、平面維持パネルの下面に付設された走行手段としてのキャスター又は橇と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、駐車車両底面部養生パットを駐車車両の下側に挿入した状態からジャッキで平面維持パネルを持ち上げて対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付けることができ、長めの車両カバーと併用して駐車車両を全面カバーし得る。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の他の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具は、対車両底面部当てパット部と平面維持パネルとの間に、空気を供給されることで厚さ方向に膨張して対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付ける、空気圧膨張部を備えることが好ましい。
この構成によれば、圧縮空気供給手段を用いて空気圧膨張部を膨張させて対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付けることができ、長めの車両カバーと併用して駐車車両を全面カバーし得る。コンプレッサの圧縮空気供給ホースを延ばすことで、高い位置の駐車車両に対する養生も行うことができる。ジャッキが使用できる低所作業条件下では、ジャッキも併用できる。空気圧膨張部を膨張させなくても良い。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の駐車車両養生方法は、駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するため、車両カバーを駐車車両に被せると共に、請求項1又は2に記載の駐車車両養生具を駐車車両の下側に挿入した状態から、平面維持パネルをジャッキで持ち上げるか、又は空気圧膨張部を膨張させることにより、対車両底面部当てパット部を上昇させて駐車車両底面部を隠蔽し、さらに、車両カバーの駐車車両の周囲に垂れる裾部分を、対車両底面部当てパット部と駐車車両底面部との間に仕舞い込むことにより、対車両底面部当てパット部で隠蔽できない駐車車両底面部周縁部を隠蔽して駐車車両を全面被覆することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の他の駐車車両養生方法は、循環式リフトを備えた立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、循環式リフトのケージに載置された駐車車両に薬液が付着することを防止するため、駐車車両を載置したケージにケージカバーを被せてこのケージを全面的に覆うことで駐車車両を養生する駐車車両養生方法であって、ケージカバーは、矩形の上面部と、この上面部の四方の側縁より角筒状に垂れる4つの側面部とを有し、4つの側面部のうち、ケージ上面部の駐車車両の前後面側中央部を吊上げる吊上げシャフトに対応する2つの側面部が中央より左右に二つ割れになっていて、この二つ割れを吊上げシャフトに対応させてケージに対して上方から被せて、4つの側面部のケージよりも下側に垂れる部分で、ケージ下面部を覆うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駐車車両の下側に挿入した状態からジャッキで平面維持パネルを持ち上げて対車両底面部当てパット部を駐車車両底面部に押し付ける対車両底面部当てパット部と車両カバーとで構成してので、立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止し得る薬液を吹き付けてアスベスト構造体の粉塵化を防止するアスベスト処理施工時に駐車車両を全面カバーし得る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具及び駐車車両養生方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の斜視図である。
【図2】図1に示す駐車車両養生具を構成する底面部養生パットを駐車車両の下側に挿入するところを示す斜視図である。
【図3】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽するところを示す斜視図である。
【図4】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、駐車車両の前部の車両前後方向の垂直面を視た縦断面図である。
【図5】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、駐車車両の片側の車両左右方向の垂直面を視た縦断面図である。
【図6】図1に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、車輪の下側から上方を視て車輪に対する隠蔽状態を視た図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具を構成する底面部養生パットを示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る、立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具を構成する底面部養生パットを示す斜視図である。
【図9】図8に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽するところを示す斜視図である。
【図10】図8に示す駐車車両養生具で駐車車両を隠蔽した状態における、車両左右方向の垂直面を視た縦断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る循環式リフトを備えた立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法における、養生対象である駐車車両を載置するケージを示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法に係り、養生対象である駐車車両を載置するケージを車両カバーにより隠蔽するところを示す斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法に係り、養生対象である駐車車両を載置するケージを車両カバーにより隠蔽するところを示す、斜め下から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
まず構成を説明する。図1〜図6は、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の第1の実施形態を示す。図1に示すように、駐車車両養生具1は、車両カバー11と底面部養生パット12とを備えて成る。
【0016】
底面部養生パット12は、図2に示すように、立体駐車場のリフト装置のパレットPに載置されている駐車車両Cに薬液が付着することを防止するため、駐車車両Cの下側に車両方向前方から挿入され、図3に示すように、ジャッキJ,Jを用いて持ち上げられることにより、駐車車両Cの駐車車両底面部C2に密着し押圧され該駐車車両底面部C2を隠蔽する。車両カバー11は、図3に示すように、駐車車両Cに対し、その上方から被せる。
【0017】
以下、詳細に説明する。車両カバー11は、駐車車両Cに対して上から被せたとき4つの車輪C1に対応する部分では矩形の切欠部11aを有していて、矩形の切欠部11aの上端が車輪C1の下端よりも若干下方へ垂れる長さとされ、矩形の切欠部11a以外の裾部11bが、車輪C1よりも下方へ大きく垂れて駐車車両底面部C2の周縁部を隠蔽して底面部養生パット12と駐車車両底面部C2との間に挟み込める長さを有している。
車両カバー11は、アスベスト処理工事における養生用であるから、高級品である必要はないが、軽量、柔軟にして取り扱い性が良く、引っぱり、引裂き力に対して強靭で、耐久性が高い材質で形成されることが好ましい。
【0018】
底面部養生パット12は、対車両底面部当てパット部13と、この対車両底面部当てパット部13の下側に積層された平面維持パネル14と、この平面維持パネル14の下面に設けられたキャスター15と、を備えて成る。
【0019】
対車両底面部当てパット部13は、例えばウレタンによりスポンジ様の厚肉な矩形板状に成形されていて、車両前後方向から挿入して駐車車両Cの左右前輪間及び左右後輪間に近接し得る幅を有しかつ駐車車両Cの全長に略対応する長さを有し、駐車車両Cの下側に挿入した状態から上昇させて駐車車両底面部C2に押し付けたときに駐車車両底面部C2の形状に合わせて弾性変形し密着する機能を備えている。対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2に押し付けたときに駐車車両底面部C2の凸部に当接する個所では窪んで少なくとも周辺部が駐車車両底面部C2の密着し得る機能を備えていればよい。
【0020】
平面維持パネル14は、金属製、プラスチック製、或いはセラミックよりなり、対車両底面部当てパット部13に対応した矩形板状に形成されていて、負荷が加わっても板平面を維持する剛性を有しかつ軽量化が図られていて、対車両底面部当てパット部13の下面に例えば接着により積層され、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けたときに対車両底面部当てパット部13の下面を平面状に維持する機能を備えている。なお、平面維持パネル14には、底面部養生パット12を駐車車両の下側に出し入れする方向の両端面に把手16を備えている。
【0021】
キャスター15は、平面維持パネル14の下面の四隅に付設され底面部養生パットを駐車車両の下側に出し入れする際の走行手段として機能する。
【0022】
続いて、養生方法を説明する。
立体駐車場のアスベスト処理を施工するとき、その施工に先行して、リフト装置のパレットPに載置されている駐車車両Cに対してアスベスト処理施工時に駐車車両Cに薬液が付着することを防止するため、図1に示す車両カバー11と底面部養生パット12とからなる駐車車両養生具1で駐車車両Cを全面的に隠蔽する。
【0023】
まず、図2に示すように、底面部養生パット12を駐車車両Cの下側に挿入し、次いで、図3に示すように、一対のジャッキJ,Jを車両前後方向から平面維持パネル14の前部下面及び後部下面の下側に差し込んで、該一対のジャッキJ,Jで平面維持パネル14を略水平状態を保って持ち上げることにより、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付ける。対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2に押し付けられ駐車車両底面部C2の凸部に当接する個所では窪むことにより駐車車両底面部C2の形状に合わせて弾性変形し密着する。対車両底面部当てパット部13の周辺部が駐車車両底面部C2の密着したことを確認する。図4は、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けた状態の駐車車両Cの前部を車両側方より視た図である。図5は、対車両底面部当てパット部13を車輪間に位置して駐車車両底面部C2に押し付けた状態を車両前後方向より視た図である。
【0024】
続いて、図3に示すように、車両カバー11を駐車車両Cに対して被せる。車両カバー11は、駐車車両Cの車輪よりも下側に垂れる。そこで、図5に示すように、車両カバー11の,駐車車両の周囲に垂れる矩形の切欠部11a以外の裾部11bを、対車両底面部当てパット部13と駐車車両底面部C2との間に仕舞い込む(挟み込む)ことにより、この裾部11bで、対車両底面部当てパット部13では隠蔽できない駐車車両底面部C2の周辺部を隠蔽する。また、車両カバー11の,矩形の切欠部11a以外の裾部11bを上記のように仕舞い込むことにより、図5及び図6に示すように、矩形の切欠部11aは車輪C1を隠蔽する。車両カバー11は、車輪C1の接地部C1'を除いて車輪C1を隠蔽することができる。
【0025】
なお、必要に応じて、別のジャッキを用いて駐車車両Cの片側を持ち上げて、車両カバー11の裾部分を車輪を下側に仕舞い込むことを、両側の車輪に対して行う。以上の、養生作業により、駐車車両Cを全面的に隠蔽することができ、霧状の薬液が侵入し得る隙間を皆無にすることができるので、アスベスト処理の施工時に駐車車両に薬液が付着することを防止できる。
また、上記の説明では、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けた後に車両カバー11を駐車車両Cに対して被せる手順を示したが、先に車両カバー11を駐車車両Cに対して被せてもよい。また、駐車車両Cが循環式リフトを備えた立体駐車場に駐車される場合には、高い位置でジャッキJの使用が困難なので、循環式リフトを循環移動して駐車車両Cを立体駐車場の出入り口に対応させて養生作業を行い、底面部養生パット12の下側に図示しない台座を挟入することにより、ジャッキJを取り外しても、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付けた状態を維持することができる。これによって、循環式リフトを循環移動し養生を行った駐車車両Cを高所に移動できる。
【0026】
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の、底面部養生パット12Aを図示している。駐車車両養生具1は、車両カバー11と底面部養生パット12Aとを備えて成る。この実施形態に係る底面部養生パット12Aは、第1の実施形態に係る底面部養生パット12が平面維持パネル14の下面にキャスター15が付設されている構成であるのに対し、キャスター15に替えて橇17が付設されていて、この橇17が、駐車車両養生具を駐車車両の下側に出し入れする走行手段として機能する構成である点が唯一の相違点である。第2の実施形態に係る底面部養生パット12Aと第1の実施形態に係る底面部養生パット12とは駐車車両養生具を駐車車両の下側に出し入れする機能以外は同一である。従って、第2の実施形態に係る駐車車両養生具について、その他の構成及び養生方法の説明は省略する。
【0027】
<第3の実施形態>
図8〜図10は、本発明の立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具の第3の実施形態を示す。
構成を説明する。図8に示すように、駐車車両養生具1Bは、図示しない車両カバー11と底面部養生パット12Bとを備えて成る。
【0028】
底面部養生パット12Bは、対車両底面部当てパット部13と、この対車両底面部当てパット部13の下側に積層された空気圧膨張部18と、この空気圧膨張部18の下側に積層された平面維持パネル14と、この平面維持パネル14の下面に設けられたキャスター15と、を備えて成る。
【0029】
図示しない車両カバー11、及び底面部養生パット12Bを構成する対車両底面部当てパット部13と平面維持パネル14とキャスター15は、それぞれ、第1の実施形態に係る車両カバー11、対車両底面部当てパット部13、平面維持パネル14、又はキャスター15と同一の構成であり、かつ同一の機能を備えているもので、同一の符号を付してそれぞれの説明は省略する。なお、第2の実施形態と同様に、キャスター15に替えて橇を設けることもできる。
【0030】
空気圧膨張部18は、対車両底面部当てパット部13と平面維持パネル14との間に例えば接着により設けられる。空気圧膨張部18は、ゴムシート又はプラスチックシートから構成され、対車両底面部当てパット部13に接着される矩形の下面部と、平面維持パネル14に接着される矩形の上面部と、下面部の周縁と上面部の周縁とを接続している環状のジャバラ部とを備え、ジャバラ部の一側に、1つ又は複数の圧縮空気流入口19が付設され、圧縮空気流入口19に仕切り弁20を備えて成る。仕切り弁20を備えると、空気圧膨張部18を膨張させた後、仕切り弁を閉めてから、圧縮空気供給ホースBを圧縮空気流入口19から外すことができる。なお、仕切り弁20に替えて栓を設けても良い。空気圧膨張部18は、仕切り弁20に圧縮空気供給手段としてのコンプレッサAに接続された圧縮空気供給ホースBが接続されコンプレッサAから圧縮空気を供給されると、ジャバラ部が伸びていき厚さ方向に膨張する。図10に示すように、底面部養生パット12Bは、駐車車両Cの下側に位置されて、空気圧膨張部18が膨張されることにより、対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に押し付ける機能を有する。なお、空気圧膨張部18は、ゴムシート又はプラスチックシートから、浮マットの如く構成してもよい。
【0031】
続いて、養生方法を説明する。
立体駐車場のアスベスト処理を行うときは、まず、図9に示すように、リフト装置のパレットPに載置されている駐車車両Cの下側に底面部養生パット12を車両前後方向から挿入する。次いで、コンプレッサAの圧縮空気供給ホースBを空気圧膨張部18の仕切り弁20に接続し、コンプレッサAを稼働して圧縮空気を送り込み空気圧膨張部18を膨張させる。これにより、対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2に押し付けられる(図10)。対車両底面部当てパット部13は、駐車車両底面部C2の凸部に当接する個所では窪むことにより駐車車両底面部C2の形状に合わせて弾性変形し密着する。対車両底面部当てパット部13の周辺部が駐車車両底面部C2の密着したことを確認し、さらに、図10に示すように、車両カバー11の駐車車両の周囲に垂れる裾部分を、対車両底面部当てパット部13と駐車車両底面部C2との間に仕舞い込むことにより、対車両底面部当てパット部13で隠蔽できない駐車車両底面部C2周縁部を隠蔽して駐車車両Cを全面被覆する。
【0032】
以上の養生作業により、駐車車両Cを全面的に隠蔽することができ、霧状の薬液が侵入し得る隙間を皆無にすることができるので、アスベスト処理の施工時に駐車車両に薬液が付着することを防止できる。こうして、空気圧膨張部18を膨張させて対車両底面部当てパット部13を駐車車両底面部C2に密着させる構成では、長い圧縮空気供給ホースBを用意すれば、高所にある駐車車両に対して養生することができ、圧縮空気供給ホースBを切り離すことができて、ジャッキJを用意する必要がない。また、コンプレッサがない場合や停電時には、循環式リフトを循環移動して駐車車両Cを立体駐車場の出入り口に対応させることで、第1の実施形態と同様に、一対のジャッキJで平面維持パネル14を水平に持ち上げていき養生作業を行うことができる。
【0033】
<第4の実施形態>
図11〜図13は、本発明の第4の実施形態に係る立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生方法を図示している。
この実施形態の駐車車両養生方法は、循環式リフトを備えた立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、図11に示す循環式リフトのケージKに載置された駐車車両Cに薬液が付着することを防止するため、駐車車両Cを載置したケージKにケージカバー23を被せてこのケージKを全面的に覆うことで駐車車両Cを養生する方法である。ケージKは、ケージ上面部の,駐車車両Cの前後面側中央部を吊上げシャフトSにより吊上げられるように構成されている。
【0034】
図12に示すように、ケージカバー23は、ケージKの上面部を覆うための矩形の上面部23aと、この上面部23aの四方の側縁より角筒状に垂れる4つの側面部23b,23c,23d,23eとを有してなる。4つの側面部23b,23c,23d,23eのうち、駐車車両Cの前後面側に対応する2つの側面部23b,23dは、中央より左右に二つ割れになっていて、かつケージカバー23を上方から被せたときに、ケージよりも下側に短く垂れる底面隠蔽部23b',23d'を有し、駐車車両Cの左右側面側に対応する2つの側面部23c,23eは、ケージカバー23を上方から被せたときに、ケージよりも下側に長く垂れる底面隠蔽部23c',23e'を有する。
【0035】
従って、この駐車車両養生方法は、図12に示すように、2つの側面部23b,23dの2つの二つ割れを一対の吊上げシャフトSに対応させるようにして、ケージKに対してケージカバー23を上方から被せ、さらに、図13に示すように、先に底面隠蔽部23b',23d'をケージ底面部を覆うように折り重ね粘着テープ或いは紐等で止めてから、底面隠蔽部23c',23e'をケージ底面部を覆うように折り重ね、粘着テープで目張りすることにより、ケージKを全面的に覆うことで駐車車両Cを養生する。なお、底面隠蔽部23c',23e'の突き合わせ端を該突き合わせ端に備えるチャックで閉じるように構成すると共に、底面隠蔽部23b',23d'と底面隠蔽部23c',23e'との重ね合わせ部分を、ボタン等を備えて閉じ合わせても良い。
【0036】
<ケージカバーの加圧>
ケージカバーの折り重ね部やつなぎ目のシールが不完全であったり、作業中にシール部の粘着テープが剥がれたりすると、つなぎ目から薬液が入り、ボディーに付着してしまう可能性がある。これを防止するためには、ケージカバーへエアーポンプなどの圧力装置を接続し、ケージカバー内の気圧を常に外圧より高くして、薬液の侵入を防ぐことができる。
【0037】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態に限定されるものでなく、カバーの構造は一例を示すものである。特許請求の範囲の技術的範囲には、作業効率の向上やコストダウンのために、カバーの構造を変更し発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
【符号の説明】
【0038】
C 駐車車両
C1 車輪
C2 駐車車両底面部
1 駐車車両養生具
11 車両カバー
12,12A,12B 底面部養生パット
13 対車両底面部当てパット部
14 平面維持パネル
15,26 キャスター
17 橇
18 空気圧膨張部
J ジャッキ
23 車両カバー
23a 上面部
23b,23c,23d,23e 側面部
K ケージ
S シャフト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するために薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するための駐車車両養生具であって、
駐車車両の左右前輪間及び左右後輪間に近接して挿入し得る幅を有しかつ駐車車両の全長に略対応する長さを有し、駐車車両の下側に挿入した状態から上昇させて駐車車両底面部に押し付けたときに駐車車両底面部の形状に合わせて弾性変形し密着する対車両底面部当てパット部と、
前記対車両底面部当てパット部の下側に積層形成され該対車両底面部当てパット部を前記駐車車両底面部に押し付けたときに該対車両底面部当てパット部の下面を平面状に維持する平面維持パネルと、
前記平面維持パネルの下面に付設された走行手段としてのキャスター又は橇と、
を備えたことを特徴とする立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具。
【請求項2】
前記対車両底面部当てパット部と前記平面維持パネルとの間に、空気を供給されることで厚さ方向に膨張して前記対車両底面部当てパット部を前記駐車車両底面部に押し付ける、空気圧膨張部を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の駐車車両養生具。
【請求項3】
駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するため、車両カバーを駐車車両に被せると共に、請求項1又は2に記載の駐車車両養生具を駐車車両の下側に挿入した状態から、前記平面維持パネルをジャッキで持ち上げるか、又は前記空気圧膨張部を膨張させることにより、前記対車両底面部当てパット部を上昇させて駐車車両底面部を隠蔽し、さらに、前記車両カバーの駐車車両の周囲に垂れる裾部分を、前記前記対車両底面部当てパット部と駐車車両底面部との間に仕舞い込むことにより、前記対車両底面部当てパット部で隠蔽できない駐車車両底面部周縁部を隠蔽して駐車車両を全面被覆することを特徴とする、駐車車両養生方法。
【請求項4】
循環式リフトを備えた立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、循環式リフトのケージに載置された駐車車両に薬液が付着することを防止するため、前記駐車車両を載置したケージにケージカバーを被せてこのケージを全面的に覆うことで駐車車両を養生する駐車車両養生方法であって、
前記ケージカバーは、柔軟なシート素材より成り、前記ケージを完全に覆い得る形状を有すると共に、駐車車両の前後面側中央部を吊上げる吊上げシャフトに対応する部分にこの吊上げシャフトを挿通するための穴または切欠きを有し、前記吊上シャフトを前記穴または切欠きに通すことでケージ全体を覆うことができるものであることを特徴とする、駐車車両養生方法。
【請求項1】
駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するために薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するための駐車車両養生具であって、
駐車車両の左右前輪間及び左右後輪間に近接して挿入し得る幅を有しかつ駐車車両の全長に略対応する長さを有し、駐車車両の下側に挿入した状態から上昇させて駐車車両底面部に押し付けたときに駐車車両底面部の形状に合わせて弾性変形し密着する対車両底面部当てパット部と、
前記対車両底面部当てパット部の下側に積層形成され該対車両底面部当てパット部を前記駐車車両底面部に押し付けたときに該対車両底面部当てパット部の下面を平面状に維持する平面維持パネルと、
前記平面維持パネルの下面に付設された走行手段としてのキャスター又は橇と、
を備えたことを特徴とする立体駐車場のアスベスト処理施工時の駐車車両養生具。
【請求項2】
前記対車両底面部当てパット部と前記平面維持パネルとの間に、空気を供給されることで厚さ方向に膨張して前記対車両底面部当てパット部を前記駐車車両底面部に押し付ける、空気圧膨張部を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の駐車車両養生具。
【請求項3】
駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、駐車車両に薬液が付着することを防止するため、車両カバーを駐車車両に被せると共に、請求項1又は2に記載の駐車車両養生具を駐車車両の下側に挿入した状態から、前記平面維持パネルをジャッキで持ち上げるか、又は前記空気圧膨張部を膨張させることにより、前記対車両底面部当てパット部を上昇させて駐車車両底面部を隠蔽し、さらに、前記車両カバーの駐車車両の周囲に垂れる裾部分を、前記前記対車両底面部当てパット部と駐車車両底面部との間に仕舞い込むことにより、前記対車両底面部当てパット部で隠蔽できない駐車車両底面部周縁部を隠蔽して駐車車両を全面被覆することを特徴とする、駐車車両養生方法。
【請求項4】
循環式リフトを備えた立体駐車場においてアスベスト構造体の粉塵化を防止するための薬液を吹き付けるアスベスト処理施工時に、循環式リフトのケージに載置された駐車車両に薬液が付着することを防止するため、前記駐車車両を載置したケージにケージカバーを被せてこのケージを全面的に覆うことで駐車車両を養生する駐車車両養生方法であって、
前記ケージカバーは、柔軟なシート素材より成り、前記ケージを完全に覆い得る形状を有すると共に、駐車車両の前後面側中央部を吊上げる吊上げシャフトに対応する部分にこの吊上げシャフトを挿通するための穴または切欠きを有し、前記吊上シャフトを前記穴または切欠きに通すことでケージ全体を覆うことができるものであることを特徴とする、駐車車両養生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−179954(P2012−179954A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42586(P2011−42586)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(511033209)株式会社ハイアス安全エコ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(511033209)株式会社ハイアス安全エコ (5)
【Fターム(参考)】
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