説明

立坑の構築方法及びこの方法に用いる上向きシールド

【課題】径が異なる複数の立坑を安価に構築できる立坑の構築方法を提供する。
【解決手段】上向きシールド1を、カッタ部3と中胴部5と後胴部7とに予め分割形成し、カッタ部3のカッタ8を支持する前胴部10を、構築する立坑42の最小径に形成し、カッタ部3のカッタ径と中胴部5の径と後胴部7の径を立坑42と同径に形成し、かつ、カッタ部3の前胴部10に構築する立坑42の径と合致させるべく外殻フレーム24を嵌合させて上向きシールド1を形成して発進させ、他の径の立坑42を構築するときに、カッタ部3と推進ジャッキ4を回収して再利用すると共に立坑42の径に合わせて外殻フレーム24、中胴部5、後胴部7を形成すると共にこれらにカッタ部3と推進ジャッキ4を取り付けて上向きシールド1を形成して立坑42を構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設トンネルに沿って順次径の異なる上向きシールドを発進させて径の異なる立坑を構築する立坑の構築方法と、この方法に用いる上向きシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
図10に示すように、地中の調節池40に下水を流す下水道トンネル41には、調節池40に接続され横方向に延びるトンネル20と、地上とトンネル20を結ぶように上下に延びる立坑(マンホール)42とを備えたものがある。
【0003】
このような下水道トンネル41を構築する工法としては、まず、図示しない発進立坑から調節池40にシールド掘進機(図示せず)を掘進させてトンネル20を構築したのち、既設トンネル20内に上向きシールド43を搬入し、既設トンネル20内から上向きシールド43を上方に発進させて立坑42を構築する方法が知られている。
【0004】
この工法によれば、地上から地面を掘り下げて立坑42を構築する場合と比べて地上の占有期間を短くでき、周辺への影響を最小限に抑えることができる。
【0005】
【特許文献1】特開平6−341289号公報
【特許文献2】特許第3439745号公報
【特許文献3】特開2007−146465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、既設トンネル20には通常複数の立坑42が接続され、これら立坑42の径は流す水量等に応じて適宜決定され、上向きシールド43の径は立坑42の径に応じて決定されるものであるため、径の異なる立坑42を複数構築する場合、各立坑42の径に合わせた複数の上向きシールド43が必要となり、不経済であるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、既設トンネルから上向きシールドを発進させて構築する複数の立坑の径が異なる場合であっても立坑を安価に構築できる立坑の構築方法とこの方法に用いる上向きシールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、既設トンネルに沿って順次径の異なる上向きシールドを発進させて径の異なる立坑を構築するに際し、上向きシールドを、駆動部を有するカッタ部と推進ジャッキを保持する中胴部とセグメントを構築するための後胴部とに予め分割形成し、カッタ部のカッタを支持する前胴部を、既設トンネルに沿って構築する立坑の最小径に形成し、カッタ部のカッタ径と中胴部の径と後胴部の径を構築する立坑と同じ径に形成し、かつ、上記カッタ部の前胴部に構築する立坑の径と合致させるべく外殻フレームを嵌合させて構築する立坑の径に合わせた上向きシールドを形成して発進させ、その後、他の径の立坑を構築するときに、上記カッタ部と中胴部の推進ジャッキを回収して再利用すると共に構築する立坑の径に合わせて外殻フレーム、中胴部、後胴部を形成すると共にこれらに回収したカッタ部と推進ジャッキを取り付けて構築する立坑の径に合わせた上向きシールドを形成して立坑を構築するものである。
【0009】
上記上向きシールドが地上に到達したとき、上記中胴部と後胴部を分割し、中胴部を回収して後胴部をトンネル壁の一部として土中に残置するとよい。
【0010】
また、上下に延びて形成され既設トンネルから上方に掘進して立坑を構築する上向きシールドにおいて、駆動部を有するカッタ部と、推進ジャッキを保持する中胴部と、セグメントを構築するための後胴部とに予め分割形成され、カッタ部のカッタを支持する前胴部が、構築する立坑の最小径に形成され、カッタ部のカッタ径と中胴部の径と後胴部の径とが、構築する立坑と同じ径に形成され、構築する立坑が最小径の立坑より大径のとき、上記カッタ部の前胴部には、構築する立坑の径と合致させるための外殻フレームが嵌合されるものである。
【0011】
上記外殻フレームは上記中胴部から離間するように前胴部に嵌合され、上記中胴部には、上記前胴部の下端面に当接すべく径方向内方に延びるフランジが設けられ、推進ジャッキの推力が中胴部から前胴部に直接伝達するように構成されるとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既設トンネルから上向きシールドを発進させて構築する複数の立坑の径が異なる場合であっても立坑を安価に構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好適実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0014】
図1は立坑の構築に用いる上向きシールドの側面図であり、図2は図1に示す上向きシールドの平面図である。
【0015】
図1に示すように、上向きシールド1は、上下に延びて形成され、駆動部2を有するカッタ部3と、推進ジャッキ4を保持する中胴部5と、セグメント6を構築するための後胴部7とに予め分割形成されている。
【0016】
カッタ部3は、土砂を掘削するカッタ8と、カッタ8を軸受9を介して回転自在に支持する前胴部10と、前胴部10に設けられカッタ8を駆動する駆動部2とを備える。図1及び図2に示すように、カッタ8は、回転中心から放射状に径方向外方に延びると共に構築する立坑42と同じ半径に形成されるカッタスポーク11と、これらカッタスポーク11の前面に設けられた複数のカッタビット12、13とを備えて構成される。カッタビット12、13には、土砂を掘削するためのメインビット12と、メインビット12より上方に延びモルタル等からなる掘削可能壁14(図3参照)を掘削するための先行ビット13との2種類がある。これらメインビット12と先行ビット13は、それぞれ先端に非常に硬く形成された高価な超硬ビット(図示せず)を有する。また、カッタ8と前胴部10との間に介設される軸受9は、特に高い精度と強度を求められ、高価に形成される。前胴部10は、筒状に形成される前端部フレーム15と、前端部フレーム15の前端を塞いで前方にカッタ室16を形成するための隔壁17と、前端部フレーム15に設けられカッタ8を回転自在に支持すると共に駆動部2を支持する支持フレーム18とを備える。隔壁17は、外周から中心に向かうにつれて下方に傾斜する漏斗状に形成され、後述する排土機構19に掘削した土砂を案内するようになっている。また、前胴部10は、構築する複数の立坑42のうち最小径の立坑42と同径に形成される。またさらに、前胴部10には、カッタ8で掘削した土砂を既設トンネル20(図3参照)に送るための排土機構19が設けられる。排土機構19は、隔壁17の中央に取り付けられカッタ室16に接続される排土管21と、排土管21に上下に離間して設けられる一対の排土ゲート22と、これら排土ゲート22間の排土管21に設けられるピンチバルブ23とを備えて構成される。また、構築する立坑42が最小径の立坑42より大径のとき、前胴部10の外周には、構築する立坑42の径と合致させるための外殻フレーム24が嵌合される。具体的には、外殻フレーム24は、前胴部10にボルト25を介して着脱可能に取り付けられると共に、中胴部5から離間するように前胴部10に嵌合されており、推進ジャッキ4の推力を中胴部5を介して受けないようになっている。また、外殻フレーム24は、筒状に形成されると共に、構築する立坑42と略同じ外径に形成される。
【0017】
中胴部5は、筒状に形成され外周壁を形成する中間部フレーム26と、中間部フレーム26の上端に径方向内方に延びて設けられ前胴部10の下端面にボルト27を介して取り外し可能に取り付けられる第1フランジ28と、中間部フレーム26の下端に径方向内方に延びて設けられ周方向に並ぶ複数の推進ジャッキ4を着脱可能に保持する第2フランジ29と、これら第1フランジ28と第2フランジ29との間に上下に延びて設けられると共に中間部フレーム26の内周面に設けられるリブ30とを備えて構成される。第1フランジ28は、推進ジャッキ4の推力が中胴部5から前胴部10に直接伝達するように機能する。また、中間部フレーム26は、構築する立坑42と同じ外径に形成される。
【0018】
後胴部7は、筒状に形成され外周壁を形成する後端部フレーム31と、後端部フレーム31の上端に径方向内方に延びて設けられ中胴部5の第2フランジ29にボルト32を介して取り外し可能に取り付けられる第3フランジ33と、後端部フレーム31の下端側に設けられ後胴部7内で構築されたセグメント6の外周に摺接してセグメント6と後端部フレーム31との間をシールするテールシール34とを備えて構成される。後端部フレーム31は予め周方向に分割形成されており、上向きシールド1が既設トンネル20から発進するときに順次組み立てられるようになっている。後胴部7には、セグメント6を組み立てるための図示しないセグメント組立装置が設けられる。また、後端部フレーム31は、構築する立坑42と同じ外径に形成される。
【0019】
次に立坑42の構築方法について述べる。
【0020】
既設トンネル20に沿って順次径の異なる上向きシールド1を発進させて径の異なる立坑42を構築する場合、既設トンネル20の上壁のうち上向きシールド1を発進させる発進位置の上壁をそれぞれモルタル等から成る掘削可能壁14で形成すると共に、掘削可能壁14の外周に上向きシールド1発進時の土砂・水の流出防止のためエントランス35を予め設けておく。
【0021】
また、カッタ部3のカッタ径と、中胴部5の径と、後胴部7の径とを、最初に構築する立坑42と同じ径に形成した上向きシールド1を形成する。このとき、構築する立坑42が最小径の立坑42でない場合、さらに外殻フレーム24の径も立坑42と同じ径に形成し、前胴部10に外殻フレーム24を嵌合する。
【0022】
図3に示すように、上向きシールド1を最初に構築する位置の既設トンネル20内に、上向きシールド1を発進可能に載置する反力架台36を設置する。
【0023】
この後、後胴部7を取り外した上向きシールド1を反力架台36上に載置すると共に、発進ガイド35にセットし、カッタ8を回転駆動しながら推進ジャッキ4を伸長させ、反力架台36から反力をとって上向きシールド1を掘進させる。推進ジャッキ4が1セグメント分伸長されたら反力架台36上にセグメント6を組み立て、順次セグメント6を組み立てながら上向きシールド1を鉛直上方に掘進させる。そして、上向きシールド1が所定高さ掘進したら、図1及び図4に示すように、上向きシールド1の中胴部5に予め周方向に分割された後胴部7を取り付けて上向きシールド1を完成させ、上向きシールド1を更に掘進させる。
【0024】
図5に示すように、上向きシールド1が予め地上に形成された到達立坑37に到達したら、図6に示すように中胴部5と後胴部7を分割し、カッタ部3と中胴部5を図示しないクレーンで吊り上げる等して回収し、後胴部7をトンネル壁38の一部として土中に残置する。
【0025】
この後、図7に示すように、回収したカッタ部3から外殻フレーム24を取り外すと共に中胴部5から推進ジャッキ4を取り外し、カッタ部3と推進ジャッキ4を回収して再利用する。具体的には、次に構築する他の径の立坑42に合わせて外殻フレーム24と中胴部5と後胴部7を新たに形成する一方、カッタ部3のカッタ径を構築する立坑42の径に合わせ、カッタ部3に新たな外殻フレーム24を嵌合すると共に中胴部5を取り付け、この中胴部5に推進ジャッキ4を取り付けて上向きシールド1を再形成する。このとき、カッタ径の調整は、カッタ8のカッタスポーク11を適宜切断したりカッタスポーク11の先端に部材(図示せず)を継ぎ足すなどして行う。
【0026】
このようにして、後胴部7が分割された状態の上向きシールド39が形成されたらこの上向きシールド39を既設トンネル20内に搬入し、次の発進位置に設置した反力架台36上に載置し、上述と同様の手順で鉛直上方に発進させる。図8に示すように、最初に構築した立坑42とは径が異なる上向きシールド39が掘進することとなるため、径が異なる立坑42を構築できる。
【0027】
また、三番目に構築する立坑42の径が、二番目に構築した立坑42とあまり変わらず、二番目に構築した立坑42より僅かに大きい程度である場合、二番目の立坑42から回収した外殻フレーム24付きのカッタ部3と中胴部5を再利用する。具体的には、図9に示すように、カッタ部3と共に回収した外殻フレーム24の外周に、三番目の立坑42の径に合わせて形成した外殻フレーム50を嵌合させ、中胴部5の外周に、三番目の立坑42の径に合わせて形成した中胴用外殻フレーム51を嵌合させて上向きシールド53を再形成する。このとき、外殻フレーム50は、回収した外殻フレーム24にボルト25を介して着脱可能に取り付ける。また、カッタ部3のカッタ径を三番目の立坑42の径に合わせると共に、推進ジャッキ4の後端に設けられるジャッキシュー52を、三番目の立坑42の径に対応したものに交換する。
【0028】
このようにして、後胴部7が分割された状態の上向きシールド53が形成されたら上述と同様の手順で三番目の発射位置から上向きシールド53を発射させる。上向きシールド53が所定高さ掘進したら、予め三番目の立坑42の径に合わせて形成されると共に周方向に分割された後胴部7を中胴部5に取り付けて上向きシールド53を完成させ、上向きシールド53をさらに掘進させて三番目の立坑42を構築する。カッタ部3及び推進ジャッキ4に加えて外殻フレーム24、中胴部5も再利用でき、立坑42をさらに安価に構築できる。また、中胴部5から推進ジャッキ4を取り外す手間やカッタ部3から外殻フレーム24を取り外す手間を省くこともできる。
【0029】
このように、既設トンネル20に沿って順次径の異なる上向きシールド1を発進させて径の異なる立坑42を構築するに際し、上向きシールド1を、駆動部2を有するカッタ部3と推進ジャッキ4を保持する中胴部5とセグメント6を構築するための後胴部7とに予め分割形成し、カッタ部3のカッタ8を支持する前胴部10を、既設トンネル20に沿って構築する立坑42の最小径に形成し、カッタ部3のカッタ径と中胴部5の径と後胴部7の径を構築する立坑42と同じ径に形成し、かつ、カッタ部3の前胴部10に構築する立坑42の径と合致させるべく外殻フレーム24を嵌合させて構築する立坑42の径に合わせた上向きシールド1を形成して発進させ、その後、他の径の立坑42を構築するときに、カッタ部3と中胴部5の推進ジャッキ4を回収して再利用すると共に構築する立坑42の径に合わせて外殻フレーム24、中胴部5、後胴部7を形成すると共にこれらに回収したカッタ部3と推進ジャッキ4を取り付けて構築する立坑42の径に合わせた上向きシールド39を形成して立坑42を構築するため、高価な超硬ビットや軸受9を含むカッタ部3と、高価な推進ジャッキ4とを再利用することができ、径の異なる複数の立坑42を安価に構築することができる。
【0030】
また、上向きシールド1が地上に到達したとき、中胴部5と後胴部7を分割し、中胴部5を回収して後胴部7をトンネル壁38の一部として土中に残置するものとしたため、カッタ部3と推進ジャッキ4を容易に再利用できると共にトンネル壁38を短時間で形成でき、工期を短縮でき、立坑42を安価に構築できる。
【0031】
また、上向きシールド1が、駆動部2を有するカッタ部3と、推進ジャッキ4を保持する中胴部5と、セグメント6を構築するための後胴部7とに予め分割形成され、カッタ部3のカッタ8を支持する前胴部10が、構築する立坑42の最小径に形成され、カッタ部3のカッタ径と中胴部5の径と後胴部7の径とが、構築する立坑42と同じ径に形成され、構築する立坑42が最小径の立坑42より大径のとき、カッタ部3の前胴部10には、構築する立坑42の径と合致させるための外殻フレーム24が嵌合されるものとしたため、簡易な構造で容易に上向きシールド1を拡径または縮径することができ、立坑42を安価に構築できる。
【0032】
外殻フレーム24は中胴部5から離間するように前胴部10に嵌合され、中胴部5には、前胴部10の下端面に当接すべく径方向内方に延びる第1フランジ28が設けられるものとしたため、推進ジャッキ4の推力を中胴部5から前胴部10に直接伝達することができ、外殻フレーム24を簡易な構造にできる。
【0033】
なお、カッタ8は駆動部2により回転駆動されるものとしたが、揺動駆動されるものとしてもよい。
【0034】
また、後胴部7には、セグメント組立装置が設けられるものとしたが、上向きシールドが小口径の場合、作業員が手作業でセグメントを組み立てるものとし、セグメント組立装置を設けないものとしてもよい。
【0035】
また、三番目に構築する立坑42の径が、二番目に構築した立坑42とあまり変わらず、二番目に構築した立坑42より僅かに大きい程度である場合、外殻フレーム50、中胴用外殻フレーム51の外周に更に他の外殻フレーム50、中胴用外殻フレーム51を重ねて嵌合してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す上向きシールドの側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】既設トンネル内に搬入した上向きシールドの側面図である。
【図4】既設トンネルから発進した上向きシールドの側面図である。
【図5】地上に到達した上向きシールドの側面図である。
【図6】回収される上向きシールドの側面図である。
【図7】上向きシールドから回収され次の上向きシールドに再利用されるカッタ部と推進ジャッキの側面図である。
【図8】上向きシールドから回収したカッタ部と推進ジャッキを用いて形成された上向きシールドの側面図である。
【図9】上向きシールドから回収したカッタ部と中胴部と推進ジャッキを用いて形成された上向きシールドの側面図である。
【図10】下水トンネルの概略説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 上向きシールド
2 駆動部
3 カッタ部
4 推進ジャッキ
5 中胴部
6 セグメント
7 後胴部
8 カッタ
10 前胴部
24 外殻フレーム
42 立坑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設トンネルに沿って順次径の異なる上向きシールドを発進させて径の異なる立坑を構築するに際し、上向きシールドを、駆動部を有するカッタ部と推進ジャッキを保持する中胴部とセグメントを構築するための後胴部とに予め分割形成し、カッタ部のカッタを支持する前胴部を、既設トンネルに沿って構築する立坑の最小径に形成し、カッタ部のカッタ径と中胴部の径と後胴部の径を構築する立坑と同じ径に形成し、かつ、上記カッタ部の前胴部に構築する立坑の径と合致させるべく外殻フレームを嵌合させて構築する立坑の径に合わせた上向きシールドを形成して発進させ、その後、他の径の立坑を構築するときに、上記カッタ部と中胴部の推進ジャッキを回収して再利用すると共に構築する立坑の径に合わせて外殻フレーム、中胴部、後胴部を形成すると共にこれらに回収したカッタ部と推進ジャッキを取り付けて構築する立坑の径に合わせた上向きシールドを形成して立坑を構築することを特徴とする立坑の構築方法。
【請求項2】
上記上向きシールドが地上に到達したとき、上記中胴部と後胴部を分割し、中胴部を回収して後胴部をトンネル壁の一部として土中に残置する請求項1記載の立坑の構築方法。
【請求項3】
上下に延びて形成され既設トンネルから上方に掘進して立坑を構築する上向きシールドにおいて、駆動部を有するカッタ部と、推進ジャッキを保持する中胴部と、セグメントを構築するための後胴部とに予め分割形成され、カッタ部のカッタを支持する前胴部が、構築する立坑の最小径に形成され、カッタ部のカッタ径と中胴部の径と後胴部の径とが、構築する立坑と同じ径に形成され、構築する立坑が最小径の立坑より大径のとき、上記カッタ部の前胴部には、構築する立坑の径と合致させるための外殻フレームが嵌合されることを特徴とする上向きシールド。
【請求項4】
上記外殻フレームは上記中胴部から離間するように前胴部に嵌合され、上記中胴部には、上記前胴部の下端面に当接すべく径方向内方に延びるフランジが設けられ、推進ジャッキの推力が中胴部から前胴部に直接伝達するように構成された請求項3記載の上向きシールド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−243220(P2009−243220A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93159(P2008−93159)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】