端子ボックス
【課題】本発明は、容易に蓋を本体から取り外すことができる端子ボックスを提供する。
【解決手段】上部が開放された凹状の本体と本体の上部を塞ぐ蓋とを備えるボックスにおいて、蓋には一端に係止片が、他端にロック片がそれぞれ設けられており、本体には、蓋の係止片と係合して蓋を回動可能に係止する係止部と蓋のロック片をロックするロック部が設けられており、蓋のロック片は、本体の内壁に沿って延び、本体の内側に向かって変位可能であって、その先端に、本体の外側に向かって突出したロック爪を有しており、本体のロック部は、本体の内壁から突出し、本体の上部から底部に向かうにつれて本体の内側に向かって傾斜した傾斜面を有しており、ロック部の傾斜面を利用してロック片のロック爪を案内し、且つ、ロック部の突出とロック爪の突出を利用して、ロック部とロック片との間でロックとロック解除を行う。
【解決手段】上部が開放された凹状の本体と本体の上部を塞ぐ蓋とを備えるボックスにおいて、蓋には一端に係止片が、他端にロック片がそれぞれ設けられており、本体には、蓋の係止片と係合して蓋を回動可能に係止する係止部と蓋のロック片をロックするロック部が設けられており、蓋のロック片は、本体の内壁に沿って延び、本体の内側に向かって変位可能であって、その先端に、本体の外側に向かって突出したロック爪を有しており、本体のロック部は、本体の内壁から突出し、本体の上部から底部に向かうにつれて本体の内側に向かって傾斜した傾斜面を有しており、ロック部の傾斜面を利用してロック片のロック爪を案内し、且つ、ロック部の突出とロック爪の突出を利用して、ロック部とロック片との間でロックとロック解除を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールなどを、他の装置と電気的に接続するために用いられる端子ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護やクリーンエネルギーに対する注目が高まっており、太陽電池の開発が盛んである。出力電力を高めるために、太陽電池は、複数の太陽電池を電気的に接続した太陽電池モジュールとして利用される。また、複数の太陽電池モジュールを電気的に接続して、発生した電力を利用することもしばしばある。そのため、太陽電池モジュールを保護するための端子ボックスが必要である。
【0003】
特許文献1は、太陽電池モジュールに用いられる端子ボックスを開示している。この端子ボックスは、接続箱及び蓋で構成されており、接続箱と蓋との結合方法は、継手がなく、丁番装置と比較してわずかな費用で製造できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−130373
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、手によって、取り付け舌片を材料の弾性に逆らって外側に広げてから、蓋を引き上げることによって、蓋を底部分から取り外していた。そのため、作業者が、蓋を取り外す際にわずらわしさを感じることがあった。また、蓋の取り外し作業を繰り返し行うことによって、作業者の指を痛めることも考えられる。
【0006】
本発明は、上記の従来の状況を鑑み、容易に蓋を本体に取り付けることができるとともに、容易に蓋を本体から取り外すことができる端子ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、上部が開放された凹状の本体と、前記本体の上部を塞ぐ蓋と、を備えるボックスにおいて、前記蓋には、一端に係止片が、他端にロック片が、それぞれ設けられており、前記本体には、前記蓋の係止片と係合して前記蓋を回動可能に係止する係止部と、前記蓋のロック片をロックするロック部が設けられており、前記蓋のロック片は、前記本体の内壁に沿って延び、前記本体の内側に向かって変位可能であって、その先端に、前記本体の外側に向かって突出したロック爪を有しており、前記本体のロック部は、前記本体の内壁から突出し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記本体の内側に向かって傾斜した傾斜面を有しており、前記ロック部の傾斜面を利用して前記ロック片のロック爪を案内し、且つ、前記ロック部の突出と前記ロック爪の突出を利用して、前記ロック部と前記ロック片との間でロックとロック解除を行うことを特徴とする端子ボックスを提供する。
【0008】
また、本発明は、前記ロック部の突出した先端、及び、前記ロック爪の突出した先端は、鋭角をなしていることを特徴とする端子ボックスを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、前記本体は、前記傾斜面の側辺に隣接し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記係止部に接近するように傾斜した別の傾斜面を備えることを特徴とする端子ボックスを提供する。
【0010】
また、本発明は、前記本体は、前記係止片が挿入可能な程度に前記ロック部から間隔を空けた位置に、壁を備えることを特徴とする端子ボックスを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成を用いることによって、作業者は、容易に蓋を本体に取り付けることができるとともに、必要な場合には容易に蓋を本体から取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る一実施形態である端子ボックス10を示す概略図である。
【図2】端子ボックス10を構成する本体40の平面図である。
【図3】図2の平面図のAAによって示される断面の断面図である。
【図4】蓋12の側面図である。
【図5】蓋12の前面図である。
【図6】図2の平面図のBBによって示される断面の断面図である。
【図7】蓋12を本体40に取り付けた状態の端子ボックス10の平面図である。
【図8】図7の平面図のCCによって示される断面図である。
【図9】図7の平面図のDDによって示される断面図である。
【図10A】図9において、棒48をロック片24とロック部44との間に挿入した状態を示す。
【図10B】図10Aのロック片24及びロック部44の拡大図である。
【図11】ロック片24及びロック部44が受ける力を示すロック片24及びロック部44の拡大図である。
【図12】ロック部44の突出した先端及びロック爪26の突出した先端が、鋭角をなしている本発明の別の一実施形態におけるロック爪26及びロック部44の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態である端子ボックス10の斜視図である。端子ボックス10は、上部が開放された凹状の本体40及び本体40の上部を塞ぐ蓋12によって、構成されている。図1に示すように、蓋12には、一端に係止片16が、他端側にロック片24が、それぞれ設けられている。係止片16は、本体40の係止部42と係合し、また、ロック片24は、本体40のロック部44と係合し、蓋12は、本体40の上部に嵌合する。本体40の内部には、本体40に嵌合するプラグの端子を太陽電池などの機器に電気的に接続するための端子41が設けられている。
【0015】
図2は、本体40の平面図である。図3は、図2の平面図のAAによって示された断面の断面図である。また、図4は、蓋12の側面図である。本体40の係止部42は、図3に示すように、本体の内側方向45に向かって突出する。また、係止片16は、図4に示すように、蓋12の平板14から突出しており、蓋の外側方向21に伸びる係止爪22を持つ。本実施形態においては、係止片16が、係止部42の下側に入り込むことによって、蓋12が係止片16を含む辺18を回転軸として回動可能に本体40に係合されるが、本体40と蓋12を回動可能に係合するのであれば、別の構成であってもよい。また、係止部42の内側方向45に、蓋12の係止片16が挿入可能な程度に間隔を空けて、壁43を設けてもよい。本実施形態においては、係止片16及び係止部42は、それぞれ二つずつであるが、一つずつであってもよいし、三つずつ以上であってもよい。
【0016】
図5は、蓋12の前面図である。図6は、図2の平面図のBBによって示された断面の断面図である。蓋12には、図5に示すように、ロック片24が設けられている。ロック片24は、蓋12を本体40に取り付けた際に、本体40の内壁に沿って延びるように形成されていて、材料の弾性によって、本体40の内側方向25に変位することが可能である。また、ロック片24は、外側方向に向かって突出したロック爪26を有している。本体40には、図6に示すように、蓋12のロック片24をロックするロック部44が設けられている。ロック部44は、本体の内壁から突出し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて、本体の内側方向25に向かって傾斜した第一の傾斜面46を有している。また、図3に示すように、本体40は、傾斜面46の側辺に隣接して、上部から底部に向かうにつれて、係止部42に接近するように傾斜する第二の傾斜面47を設けてもよい。
【0017】
図7は、蓋12を本体40に嵌合させた状態の平面図である。図8は、図7の平面図のCCによって示された断面図である。図9は、図7の平面図のDDによって示される断面の断面図である。蓋12を本体部14に取り付ける場合には、係止爪22を、図3に示す内側方向45の斜め上方から係止部42の下側に配し、係止片16を含む辺18を回転軸として、蓋12を本体40側に回動させる。蓋12を本体40側に回動させると、ロック爪26が、傾斜面46に接触するが、蓋12を本体40側に向けて押さえることにより、ロック爪26が、傾斜面46に案内されて、内側方向25に変位しつつ蓋12を本体方向に移動させることができる。最終的に、図8に示すように、係止片16が、係止部42の下側に移動し、係止部42に係合し、かつ、ロック爪26が、図9に示すように、ロック部44の下側まで移動し、ロック爪26が、ロック部44によってロックされる。
【0018】
また、傾斜面46に隣接して、第二の傾斜面47を設ける場合には、蓋12を本体40に取り付ける際に、例えば、係止爪22が係止部42に、きちんと嵌まっていない状態で(すなわち、図3、8において、係止片16が、壁43よりに位置する状態で)、蓋12が、回動し始めたとしても、ロック爪28が傾斜面47に沿って案内されるので、係止爪22を、係止部42の下方に移動させることができる。また、ロック爪26は、傾斜面47によって、ロック部44に向けて案内されるので、蓋12を本体40に正確な位置で取り付けることができる。
【0019】
壁43が備えられている場合には、係止部42と壁43との間に係止片16を位置させることにより、容易に係止爪22を係止部42の下側に配することができる。すなわち、係止部42と壁43との間に係止片16を位置させることで、本体40に対する蓋12の位置合わせを容易に行うことができる。
【0020】
次に、蓋12を本体40から取り外す際について説明する。
マイナスドライバのような平らな面を持つ棒48を利用して、蓋12を本体40から外すことができる。図10Aは、ロック片24とロック部44との隙間に棒48を挿入した状態を示す。図10Bは、図10Aのロック片24とロック部44の係合部分の拡大図である。まず、棒48を傾斜面46とロック片24の間に挿入する。棒48をロック片24とロック部44との隙間から抜けない程度に、本体40の外側方向に傾けながら、本体底側方向51に押さえると、棒48が傾斜面46に案内されて、本体40の内側方向25に移動する。棒48から力を受けることによって、ロック片24は、本体40の内側方向25に変位し、ロック爪26が、ロック部44から外れる。そして、例えば、棒48を用いてロック片24に上部方向の摩擦力を与えて、蓋12をわずかでも上部方向に移動させると、ロック爪26の先端28が、傾斜面46と接触し、ロック爪26がロック部44に再びロックされないようにすることができる。
【0021】
図11には、ロック片24及びロック部44が受ける力を示したロック片24及びロック部44の拡大図である。蓋12を上方方向へ動かし、ロック爪26の下端26aが傾斜面46に接する。このとき、ロック爪26は、ロック爪26の弾性力52により、傾斜面46に力を加えるが、その力の反作用による力54をロック爪26は受ける。反作用による力54は、上方に分力56を持つため、分力56によって、ロック爪26は、傾斜面46に案内されて、上方に移動する。ロック爪26の上方への移動により、蓋12が、係止片16を含む辺18を回転軸として上方に回動し、ロック片24が、ロック部44の上部に位置するようになる。このとき、係止部42と係止片16が、嵌まり合っているので、平板14のロック片24側のみが、本体40から浮いている状態にすることができる。さらに、係止爪22を係止部42から外すことによって、本体40から蓋12を取り外すことができる。
【0022】
図12に、ロック部44の突出した先端及びロック爪26の突出した先端が、鋭角をなしている本発明の別の一実施形態を示す。本実施形態においては、棒48によって、ロック爪26をロック部44から外した後に、わずかでも上部方向に移動させることによって、ロック部44の傾斜面46にロック爪26の傾斜部50に接し、ロック爪26は、傾斜面46によって上方に案内されるようになる。すなわち、ロック爪26をロック部44から外れ、わずかでも上方に動かすと、分力56によって、蓋12が、上方に力を受け、辺18を回転軸として上方に回動し、蓋12を本体40から外すことができる。
【符号の説明】
【0023】
10 端子ボックス
12 蓋
14 平板
16 係止片
18 係止片を含む辺
21 蓋の外側方向
22 係止爪
24 ロック片
25 本体の内側方向
26 ロック爪
28 ロック爪の先端
40 本体
41 端子
42 係止部
43 壁
44 ロック部
45 本体の内側方向
46 第一の傾斜面
47 第二の傾斜面
48 棒
50 傾斜部
51 本体の底側方向
52 ロック爪の弾性力
54 反作用による力
56 反作用による力の分力
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールなどを、他の装置と電気的に接続するために用いられる端子ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護やクリーンエネルギーに対する注目が高まっており、太陽電池の開発が盛んである。出力電力を高めるために、太陽電池は、複数の太陽電池を電気的に接続した太陽電池モジュールとして利用される。また、複数の太陽電池モジュールを電気的に接続して、発生した電力を利用することもしばしばある。そのため、太陽電池モジュールを保護するための端子ボックスが必要である。
【0003】
特許文献1は、太陽電池モジュールに用いられる端子ボックスを開示している。この端子ボックスは、接続箱及び蓋で構成されており、接続箱と蓋との結合方法は、継手がなく、丁番装置と比較してわずかな費用で製造できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−130373
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、手によって、取り付け舌片を材料の弾性に逆らって外側に広げてから、蓋を引き上げることによって、蓋を底部分から取り外していた。そのため、作業者が、蓋を取り外す際にわずらわしさを感じることがあった。また、蓋の取り外し作業を繰り返し行うことによって、作業者の指を痛めることも考えられる。
【0006】
本発明は、上記の従来の状況を鑑み、容易に蓋を本体に取り付けることができるとともに、容易に蓋を本体から取り外すことができる端子ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、上部が開放された凹状の本体と、前記本体の上部を塞ぐ蓋と、を備えるボックスにおいて、前記蓋には、一端に係止片が、他端にロック片が、それぞれ設けられており、前記本体には、前記蓋の係止片と係合して前記蓋を回動可能に係止する係止部と、前記蓋のロック片をロックするロック部が設けられており、前記蓋のロック片は、前記本体の内壁に沿って延び、前記本体の内側に向かって変位可能であって、その先端に、前記本体の外側に向かって突出したロック爪を有しており、前記本体のロック部は、前記本体の内壁から突出し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記本体の内側に向かって傾斜した傾斜面を有しており、前記ロック部の傾斜面を利用して前記ロック片のロック爪を案内し、且つ、前記ロック部の突出と前記ロック爪の突出を利用して、前記ロック部と前記ロック片との間でロックとロック解除を行うことを特徴とする端子ボックスを提供する。
【0008】
また、本発明は、前記ロック部の突出した先端、及び、前記ロック爪の突出した先端は、鋭角をなしていることを特徴とする端子ボックスを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、前記本体は、前記傾斜面の側辺に隣接し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記係止部に接近するように傾斜した別の傾斜面を備えることを特徴とする端子ボックスを提供する。
【0010】
また、本発明は、前記本体は、前記係止片が挿入可能な程度に前記ロック部から間隔を空けた位置に、壁を備えることを特徴とする端子ボックスを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成を用いることによって、作業者は、容易に蓋を本体に取り付けることができるとともに、必要な場合には容易に蓋を本体から取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る一実施形態である端子ボックス10を示す概略図である。
【図2】端子ボックス10を構成する本体40の平面図である。
【図3】図2の平面図のAAによって示される断面の断面図である。
【図4】蓋12の側面図である。
【図5】蓋12の前面図である。
【図6】図2の平面図のBBによって示される断面の断面図である。
【図7】蓋12を本体40に取り付けた状態の端子ボックス10の平面図である。
【図8】図7の平面図のCCによって示される断面図である。
【図9】図7の平面図のDDによって示される断面図である。
【図10A】図9において、棒48をロック片24とロック部44との間に挿入した状態を示す。
【図10B】図10Aのロック片24及びロック部44の拡大図である。
【図11】ロック片24及びロック部44が受ける力を示すロック片24及びロック部44の拡大図である。
【図12】ロック部44の突出した先端及びロック爪26の突出した先端が、鋭角をなしている本発明の別の一実施形態におけるロック爪26及びロック部44の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態である端子ボックス10の斜視図である。端子ボックス10は、上部が開放された凹状の本体40及び本体40の上部を塞ぐ蓋12によって、構成されている。図1に示すように、蓋12には、一端に係止片16が、他端側にロック片24が、それぞれ設けられている。係止片16は、本体40の係止部42と係合し、また、ロック片24は、本体40のロック部44と係合し、蓋12は、本体40の上部に嵌合する。本体40の内部には、本体40に嵌合するプラグの端子を太陽電池などの機器に電気的に接続するための端子41が設けられている。
【0015】
図2は、本体40の平面図である。図3は、図2の平面図のAAによって示された断面の断面図である。また、図4は、蓋12の側面図である。本体40の係止部42は、図3に示すように、本体の内側方向45に向かって突出する。また、係止片16は、図4に示すように、蓋12の平板14から突出しており、蓋の外側方向21に伸びる係止爪22を持つ。本実施形態においては、係止片16が、係止部42の下側に入り込むことによって、蓋12が係止片16を含む辺18を回転軸として回動可能に本体40に係合されるが、本体40と蓋12を回動可能に係合するのであれば、別の構成であってもよい。また、係止部42の内側方向45に、蓋12の係止片16が挿入可能な程度に間隔を空けて、壁43を設けてもよい。本実施形態においては、係止片16及び係止部42は、それぞれ二つずつであるが、一つずつであってもよいし、三つずつ以上であってもよい。
【0016】
図5は、蓋12の前面図である。図6は、図2の平面図のBBによって示された断面の断面図である。蓋12には、図5に示すように、ロック片24が設けられている。ロック片24は、蓋12を本体40に取り付けた際に、本体40の内壁に沿って延びるように形成されていて、材料の弾性によって、本体40の内側方向25に変位することが可能である。また、ロック片24は、外側方向に向かって突出したロック爪26を有している。本体40には、図6に示すように、蓋12のロック片24をロックするロック部44が設けられている。ロック部44は、本体の内壁から突出し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて、本体の内側方向25に向かって傾斜した第一の傾斜面46を有している。また、図3に示すように、本体40は、傾斜面46の側辺に隣接して、上部から底部に向かうにつれて、係止部42に接近するように傾斜する第二の傾斜面47を設けてもよい。
【0017】
図7は、蓋12を本体40に嵌合させた状態の平面図である。図8は、図7の平面図のCCによって示された断面図である。図9は、図7の平面図のDDによって示される断面の断面図である。蓋12を本体部14に取り付ける場合には、係止爪22を、図3に示す内側方向45の斜め上方から係止部42の下側に配し、係止片16を含む辺18を回転軸として、蓋12を本体40側に回動させる。蓋12を本体40側に回動させると、ロック爪26が、傾斜面46に接触するが、蓋12を本体40側に向けて押さえることにより、ロック爪26が、傾斜面46に案内されて、内側方向25に変位しつつ蓋12を本体方向に移動させることができる。最終的に、図8に示すように、係止片16が、係止部42の下側に移動し、係止部42に係合し、かつ、ロック爪26が、図9に示すように、ロック部44の下側まで移動し、ロック爪26が、ロック部44によってロックされる。
【0018】
また、傾斜面46に隣接して、第二の傾斜面47を設ける場合には、蓋12を本体40に取り付ける際に、例えば、係止爪22が係止部42に、きちんと嵌まっていない状態で(すなわち、図3、8において、係止片16が、壁43よりに位置する状態で)、蓋12が、回動し始めたとしても、ロック爪28が傾斜面47に沿って案内されるので、係止爪22を、係止部42の下方に移動させることができる。また、ロック爪26は、傾斜面47によって、ロック部44に向けて案内されるので、蓋12を本体40に正確な位置で取り付けることができる。
【0019】
壁43が備えられている場合には、係止部42と壁43との間に係止片16を位置させることにより、容易に係止爪22を係止部42の下側に配することができる。すなわち、係止部42と壁43との間に係止片16を位置させることで、本体40に対する蓋12の位置合わせを容易に行うことができる。
【0020】
次に、蓋12を本体40から取り外す際について説明する。
マイナスドライバのような平らな面を持つ棒48を利用して、蓋12を本体40から外すことができる。図10Aは、ロック片24とロック部44との隙間に棒48を挿入した状態を示す。図10Bは、図10Aのロック片24とロック部44の係合部分の拡大図である。まず、棒48を傾斜面46とロック片24の間に挿入する。棒48をロック片24とロック部44との隙間から抜けない程度に、本体40の外側方向に傾けながら、本体底側方向51に押さえると、棒48が傾斜面46に案内されて、本体40の内側方向25に移動する。棒48から力を受けることによって、ロック片24は、本体40の内側方向25に変位し、ロック爪26が、ロック部44から外れる。そして、例えば、棒48を用いてロック片24に上部方向の摩擦力を与えて、蓋12をわずかでも上部方向に移動させると、ロック爪26の先端28が、傾斜面46と接触し、ロック爪26がロック部44に再びロックされないようにすることができる。
【0021】
図11には、ロック片24及びロック部44が受ける力を示したロック片24及びロック部44の拡大図である。蓋12を上方方向へ動かし、ロック爪26の下端26aが傾斜面46に接する。このとき、ロック爪26は、ロック爪26の弾性力52により、傾斜面46に力を加えるが、その力の反作用による力54をロック爪26は受ける。反作用による力54は、上方に分力56を持つため、分力56によって、ロック爪26は、傾斜面46に案内されて、上方に移動する。ロック爪26の上方への移動により、蓋12が、係止片16を含む辺18を回転軸として上方に回動し、ロック片24が、ロック部44の上部に位置するようになる。このとき、係止部42と係止片16が、嵌まり合っているので、平板14のロック片24側のみが、本体40から浮いている状態にすることができる。さらに、係止爪22を係止部42から外すことによって、本体40から蓋12を取り外すことができる。
【0022】
図12に、ロック部44の突出した先端及びロック爪26の突出した先端が、鋭角をなしている本発明の別の一実施形態を示す。本実施形態においては、棒48によって、ロック爪26をロック部44から外した後に、わずかでも上部方向に移動させることによって、ロック部44の傾斜面46にロック爪26の傾斜部50に接し、ロック爪26は、傾斜面46によって上方に案内されるようになる。すなわち、ロック爪26をロック部44から外れ、わずかでも上方に動かすと、分力56によって、蓋12が、上方に力を受け、辺18を回転軸として上方に回動し、蓋12を本体40から外すことができる。
【符号の説明】
【0023】
10 端子ボックス
12 蓋
14 平板
16 係止片
18 係止片を含む辺
21 蓋の外側方向
22 係止爪
24 ロック片
25 本体の内側方向
26 ロック爪
28 ロック爪の先端
40 本体
41 端子
42 係止部
43 壁
44 ロック部
45 本体の内側方向
46 第一の傾斜面
47 第二の傾斜面
48 棒
50 傾斜部
51 本体の底側方向
52 ロック爪の弾性力
54 反作用による力
56 反作用による力の分力
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放された凹状の本体と、前記本体の上部を塞ぐ蓋と、を備える端子ボックスにおいて、
前記蓋には、一端に係止片が、他端にロック片が、それぞれ設けられており、
前記本体には、前記蓋の係止片と係合して前記蓋を回動可能に係止する係止部と、前記蓋のロック片をロックするロック部が設けられており、
前記蓋のロック片は、前記本体の内壁に沿って延び、前記本体の内側に向かって変位可能であって、その先端に、前記本体の外側に向かって突出したロック爪を有しており、
前記本体のロック部は、前記本体の内壁から突出し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記本体の内側に向かって傾斜した傾斜面を有しており、
前記ロック部の傾斜面を利用して前記ロック片のロック爪を案内し、且つ、前記ロック部の突出と前記ロック爪の突出を利用して、前記ロック部と前記ロック片との間でロックとロック解除を行う、
ことを特徴とする端子ボックス。
【請求項2】
前記ロック部の突出した先端、及び、前記ロック爪の突出した先端は、鋭角をなしていることを特徴とする請求項1に記載の端子ボックス。
【請求項3】
前記本体は、前記傾斜面の側辺に隣接し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記係止部に接近するように傾斜した別の傾斜面を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子ボックス。
【請求項4】
前記本体は、前記係止片が挿入可能な程度に前記ロック部から間隔を空けた位置に、壁を備えることを特徴とする請求項1乃至3に記載の端子ボックス。
【請求項1】
上部が開放された凹状の本体と、前記本体の上部を塞ぐ蓋と、を備える端子ボックスにおいて、
前記蓋には、一端に係止片が、他端にロック片が、それぞれ設けられており、
前記本体には、前記蓋の係止片と係合して前記蓋を回動可能に係止する係止部と、前記蓋のロック片をロックするロック部が設けられており、
前記蓋のロック片は、前記本体の内壁に沿って延び、前記本体の内側に向かって変位可能であって、その先端に、前記本体の外側に向かって突出したロック爪を有しており、
前記本体のロック部は、前記本体の内壁から突出し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記本体の内側に向かって傾斜した傾斜面を有しており、
前記ロック部の傾斜面を利用して前記ロック片のロック爪を案内し、且つ、前記ロック部の突出と前記ロック爪の突出を利用して、前記ロック部と前記ロック片との間でロックとロック解除を行う、
ことを特徴とする端子ボックス。
【請求項2】
前記ロック部の突出した先端、及び、前記ロック爪の突出した先端は、鋭角をなしていることを特徴とする請求項1に記載の端子ボックス。
【請求項3】
前記本体は、前記傾斜面の側辺に隣接し、前記本体の上部から底部に向かうにつれて前記係止部に接近するように傾斜した別の傾斜面を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子ボックス。
【請求項4】
前記本体は、前記係止片が挿入可能な程度に前記ロック部から間隔を空けた位置に、壁を備えることを特徴とする請求項1乃至3に記載の端子ボックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−59439(P2012−59439A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199753(P2010−199753)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】
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