端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法
【課題】容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とを確実に電気的に接続できるようにすると共に、組立性も向上させる。
【解決手段】インクを収容するインクパックを有した容器本体5と、インクパックのインク残量状態を検出するセンサ部材がユニットケース33に組み込まれて容器本体5内に収容される液体残量検出ユニット11と、容器本体5外に取付けられる回路基板31と、一端がセンサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が回路基板31の端子31dに電気的に接続される端子間導電部材とを備える。端子間導電部材は、容器本体5に形成された貫通穴を介して回路基板の端子に接触する基板側端子導電部材34,34と、ユニットケース33に取付けられてセンサ部材の端子に接続されるセンサ側端子導電部材43,44とを有する。センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面は、回路基板の取付け方向に弾性変位可能とされる。
【解決手段】インクを収容するインクパックを有した容器本体5と、インクパックのインク残量状態を検出するセンサ部材がユニットケース33に組み込まれて容器本体5内に収容される液体残量検出ユニット11と、容器本体5外に取付けられる回路基板31と、一端がセンサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が回路基板31の端子31dに電気的に接続される端子間導電部材とを備える。端子間導電部材は、容器本体5に形成された貫通穴を介して回路基板の端子に接触する基板側端子導電部材34,34と、ユニットケース33に取付けられてセンサ部材の端子に接続されるセンサ側端子導電部材43,44とを有する。センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面は、回路基板の取付け方向に弾性変位可能とされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法に関し、特に、容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とを電気的に接続する端子間導電部材を備えた液体収容容器の端子間接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
捺染装置やマイクロデスペンサ、さらには超高品質での印刷が求められる商業用のインクジェット式記録装置等の液体噴射ヘッドは、液体収容容器から被吐出液の供給を受けるが、液体が供給されていない状態で作動させると、いわゆる空打ちとなって噴射ヘッドが損傷を受けるため、これを防止すべく容器の液体残量を監視する必要がある。
【0003】
そこで、インクジェット式記録装置の場合では、インクを貯留する液体収容容器であるインクカートリッジ自体にインク残量を検出する液体残量検出ユニット(液体センサユニット)を装備したものが各種提案されている。
【0004】
ところで、インクジェット式記録装置に搭載されるインクカートリッジは、大気開放型のものと、密閉型のものに大別することができる。
大気開放型のインクカートリッジは、カートリッジ内に画成したインク収容部に大気開放孔を連通させたもので、インク収容部に貯留されているインクの消費に伴ってインク収容部に外気を導入することで、インクカートリッジから記録装置側へのインクの供給に大気圧を利用することができるため、容器構成を単純化でき、比較的に小容量のインクカートリッジに適している。
【0005】
一方、密閉型のインクカートリッジは、インク収容部を密閉構造の可撓性袋体等で形成して、大気との接触によるインクの劣化を抑止するようにしたもので、貯留しているインクの品質を長期に渡って安定維持できるため、大容量のインクカートリッジに適するが、インク収容部である可撓性袋体を外部から加圧する加圧手段の装備が必要になって、大気開放型と比較すると、カートリッジ及び記録装置が大型になり易い。
【0006】
このようなインクカートリッジに液体残量検出ユニットを装備する場合、カートリッジの組立工程を簡略化して生産性を向上させることから、液体残量検出ユニットのカートリッジケース(容器本体)への取付けを容易にしておくことが重要な課題となる。
【0007】
これまで、大気開放型のインクカートリッジとしては、インク収容部を有した容器本体に前記インク収容部に貫通する取付穴を形成し、該取付穴に液体残量検出ユニットをねじ込んで取付けるようにしたものが開発されている。
この場合、液体残量検出ユニットは、前記取付穴にねじ込み可能に嵌合する円柱部と、この円柱部の外周から半径方向外方に突出して設けられて、円柱部をねじ込み操作すると容器本体に設けられた係止部に係合して容器本体への固定を果たす係止片と、円柱部に埋設された圧電装置とを具備した構成である。そして、液体残量検出ユニットは、圧電装置によってインク収容部内に発振した振動に対する残留振動に基づいて、インク収容部内のインク残量を検出する(例えば、特許文献1)。
【0008】
このインクカートリッジでは、容器本体への液体残量検出ユニットの取付けが、容器本体に形成された取付穴に液体残量検出ユニットをねじ込むだけで良く、カートリッジの組立工程を簡略化して生産性を向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】特開2001−328280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、密閉型のインクカートリッジの場合は、前述した大気開放型のインクカートリッジに採用されたねじ込み式の液体残量検出ユニットをそのまま適用することができない。
即ち、大気開放型のインクカートリッジの場合は、インクの消費に伴ってインク収容室に導入される外気のために、インク収容室内の振動特性がインク消費に相応して顕著に変化していくため、圧電装置による単純な残留振動測定で、かなり正確にインク残量を検出することができ、圧電装置をコンパクト化することもできる。しかし、密閉型のインクカートリッジの場合は、インクが消費されても、インク収容室内に外気が導入されないため、大気開放型のインクカートリッジで採用した単純な残留振動測定では、高精度にインク残量を検出することができない。
【0011】
そこで、液体残量検出ユニットとしては、インク残量に応じて変化する圧力(流量)測定を実施することが提案されているが、その場合には、残存するインクが流入する流路と、その流路に流入するインク量の変動等を検出するセンサ部材と、を装備した構成となるために、液体残量検出ユニット自体が大型化し、大気開放型の場合と同様のねじ込み式で取付けようとすると、不都合が生じてしまう。
【0012】
また、インクカートリッジでは、インクの残量をより正確に管理したり、あるいは、誤装着を防止したりするための各種情報を記録装置(外部機器)側から読み書きできるように、記録装置側の接続端子に導通接続される接点を有した回路基板を容器本体の外面に装備し、この回路基板に情報の読み書きが可能なメモリ素子を搭載することが行われている。
そこで、このような回路基板を具備したインクカートリッジでは、インク残量を検出する液体残量検出ユニットにおけるセンサ部材の端子を、液体残量検出ユニット上に組み付けられた中継端子(端子間導電部材)を介して前記回路基板の端子に導電接続することができれば、センサ部材を記録装置側から制御可能になると同時に、センサ部材への配線を簡略化できる。
【0013】
しかしながら、前述したように密閉型のインクカートリッジでは、液体残量検出ユニット自体が大型化すると、寸法公差による組付け誤差等によって液体残量検出ユニット上の中継端子と回路基板上の端子との位置ずれが生じ易くなり、接触不良等の不都合が発生する虞があった。
その為、液体残量検出ユニットを容器本体に組み付ける際には手間がかかり、生産性の向上が難しいという問題が生じていた。
【0014】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とを確実に電気的に接続することができると共に、組立性を向上することができる液体収容容器の端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る上記目的は、液体を収容する液体収容部を有した容器本体と、
前記液体収容部の液体残量状態を検出するセンサ部材がユニットケースに組み込まれて前記容器本体内に収容される液体残量検出ユニットと、
外部機器との接点を有して前記容器本体外に取付けられる回路基板と、
一端が前記センサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が前記回路基板の端子に電気的に接続される端子間導電部材と、を備える液体収容容器の端子間接続構造であって、
前記端子間導電部材は、前記容器本体に形成された貫通穴を介して前記回路基板の端子に接触する基板側端子導電部材と、前記ユニットケースに取付けられて前記センサ部材の端子に接続されるセンサ側端子導電部材とを有し、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材との接触面が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能であることを特徴とする端子間接続構造により達成される。
【0016】
上記構成の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材と基板側端子導電部材との接触面が、回路基板の取付け方向に弾性変位可能なので、部品寸法のバラツキや液体残量検出ユニットと容器本体とのガタによって回路基板の端子に加わる荷重の変動が軽減され、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良を抑止できる。
また、センサ側端子導電部材とは別体に形成された基板側端子導電部材が、容器本体に形成された貫通穴を介して回路基板の端子に接触するので、貫通穴を小さくして塵埃等の侵入を防止することができる。
【0017】
尚、上記構成の端子間接続構造において、前記液体残量検出ユニットは、前記容器本体上の前記回路基板から離れた位置に設定された取付け部に回転操作により取付けられることが望ましい。
【0018】
このような構成の端子間接続構造によれば、液体残量検出ユニットの取付け方向と端子接触方向とが異なる場合であっても、容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とが確実に電気的に接続されるので、液体残量検出ユニットが容器本体の取付け部に回転操作により取付け可能となる。
【0019】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記センサ側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能な可撓片を有することが望ましい。
【0020】
このような構成の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材が、弾性変位可能な可撓片を有することで、端子接触部の荷重バラツキが吸収可能となる。これにより、基板側端子導電部材に、単純なピン部材が採用可能となり、設計自由度が高まると共にコスト低減が可能となる。つまり、基板側端子導電部材をバネ部材とする必要がない。
【0021】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記基板側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能なバネ部材から成ることが望ましい。
【0022】
このような構成の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材及び基板側端子導電部材の双方にバネ性を持たせることで、異なるバネ定数を設定できる。例えば、弱いバネと強いバネを組み合わせることで、回路基板を容器本体に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板の取付け方向に付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板の取付け方向に付与されるように構成できる。これにより、位置決め時に基板が動かし易くなり、電気的接触を確保しながら、組み付け性が良好となる。
【0023】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記ユニットケースの位置決め部に圧入固定される前記センサ側端子導電部材の取付け穴の周辺には、当該センサ側端子導電部材の剛性を高める絞り部が、長手方向に沿って形成されることが望ましい。
【0024】
このような構成の端子間接続構造によれば、絞り部によってセンサ側端子導電部材の剛性が高くなるので、例えば、センサ側端子導電部材の取付穴をユニットケース上の位置決め部(ボス)に圧入する際の荷重でセンサ側端子導電部材が変形することを防止でき、取付け時の荷重による変形でセンサ側端子導電部材の位置決め精度が低下することを防止できる。
【0025】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記貫通穴が、前記回路基板の端子に対する前記基板側端子導電部材の位置を規制することが望ましい。
このような構成の端子間接続構造によれば、回路基板の端子に対する基板側端子導電部材の組立時の位置決め精度が向上する。
【0026】
また、本発明に係る上記目的は、上記構成の端子間接続構造を備えたことを特徴とする液体収容容器により達成される。
【0027】
上記構成の液体収容容器によれば、部品寸法のバラツキや液体残量検出ユニットと容器本体とのガタによる回路基板の端子に加わる荷重の変動が軽減され、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良が抑止される。これにより、液体収容容器の組立性が向上し、例えば、密閉型インクカートリッジ等の液体収容容器の生産性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明に係る上記目的は、上記構成の端子間接続構造を備え、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材とを異なるバネ定数に設定した液体収容容器の組立方法であって、
前記容器本体上の取付け部に、前記液体残量検出ユニットを組み付ける工程と、
該液体残量検出ユニットが組み付けられた後、一端を前記センサ側端子導電部材に接触させると共に他端を前記貫通穴から突出させて前記基板側端子導電部材を前記容器本体にセットする工程と、
前記貫通穴から突出させた前記基板側端子導電部材に前記回路基板の端子を接触させ、該回路基板を前記基板側端子導電部材のバネ力に抗し押圧しながら前記容器本体に溶着する工程と、
を含む液体収容容器の組立方法により達成される。
【0029】
上記構成の液体収容容器の組立方法によれば、センサ側端子導電部材及び基板側端子導電部材の双方に異なるバネ定数を設定し、取付け部に液体残量検出ユニットを組み付けた後、一端をセンサ側端子導電部材に接触させると共に他端を貫通穴から突出させて基板側端子導電部材を容器本体にセットし、貫通穴から突出させた基板側端子導電部材に回路基板の端子を接触させ、回路基板を基板側端子導電部材のバネ力に抗し押圧しながら容器本体に溶着することができる。
そこで、回路基板を容器本体に取付ける際、回路基板を容器本体に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板の取付け方向に付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板の取付け方向に付与されるので、確実な導電性と良好な組み付け性の両立が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る端子間接続構造を備えた液体収容容器の外観斜視図、図2は図1に示した液体収容容器の分解斜視図、図3は液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板取付け部の側面視を(b)に表した説明図、図4は図2に示した端子間接続構造の分解斜視図である。
【0031】
図1に示したインクカートリッジ(液体収容容器)1は、商業用のインクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に着脱可能に装着されて、記録装置に装備された記録ヘッド(液体噴射ヘッド)にインクを供給する。
【0032】
このインクカートリッジ1は、加圧手段によって加圧される図2に示す袋体収容部3を区画形成した容器本体5と、インク(液体)を貯留して袋体収容部3内に収容されて袋体収容部3の加圧により貯留しているインクを接続口7aから排出する液体収容部としてのインクパック7と、外部の液体消費装置である記録ヘッドにインクを供給するための液体導出部9を有して容器本体5に着脱可能に装着される液体残量検出ユニット11と、を備えている。
【0033】
容器本体5は、樹脂成形によって形成された筐体で、上部を開放した略箱形の袋体収容部3と、この袋体収容部3の前面側に位置して液体残量検出ユニット11を収容する検出ユニット収容部13とが区画形成されている。袋体収容部3の開放面は、インクパック7の収容後にシールフィルム15によって封止される。これにより、袋体収容部3が密封室になる。
【0034】
袋体収容部3と検出ユニット収容部13との間を区画している隔壁5aには、シールフィルム15により密封室に形成された袋体収容部3内に加圧空気を送給するための連通路である加圧口17が装備されている。インクカートリッジ1をインクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に装着すると、加圧口17にカートリッジ装着部側の加圧空気供給手段が接続され、袋体収容部3内に供給される加圧空気よってインクパック7を加圧することが可能になる。
【0035】
インクパック7は、樹脂フィルム層の上にアルミニウム層が積層形成されたアルミラミネート複層フィルムにより形成した可撓性袋体7bの一端側に、液体残量検出ユニット11の接続針(図示せず)が挿入接続される筒状の接続口7aを接合したものである。アルミラミネート複層フィルムを使用したことで、高いガスバリア性を確保している。
【0036】
インクパック7の接続口7aは、隔壁5aに形成した接続口挿通用の開口18(図4参照)を気密に挿通して、先端が検出ユニット収容部13内に突出するようになっている。インクパック7には、液体残量検出ユニット11を接続する前に、予め脱気度の高い状態に調整されたインクが充填される。
袋体収容部3にインクパック7を装着したときには、可撓性袋体7bの前後の傾斜部7c,7dの上に、樹脂製のスペーサ19が装着される。樹脂製のスペーサ19は、袋体収容部3の上面がシールフィルム15によって覆われて、袋体収容部3が密封室となる時に、該密封室内でインクパック7がガタつくことを防止すると同時に、密封室内の余分な空き空間を埋めて、袋体収容部3内を加圧空気により加圧する際の加圧効率を高める。
【0037】
検出ユニット収容部13の開放面を封止したシールフィルム15の上には、樹脂製の蓋体であるカバー21が装着される。カバー21は、容器本体5の上に被せると、不図示の係合手段が、容器本体5側の係合部(図示せず)に係合して、容器本体5に固定される。
【0038】
隔壁5aに開口した開口18の周囲には、図4に示すように、液体残量検出ユニット11が回転可能に嵌合装着される取付け部23が装備されている。
本実施形態の場合、取付け部23は、容器本体5上の後述する回路基板31(図1参照)から離れた位置に設けられたもので、円環状の凸壁により液体残量検出ユニット11の回転を規制する。
【0039】
また、図4に示すように、取付け部23に近接した位置で、隔壁5aに直交する如く検出ユニット収容部13に立設された隔壁5bには、取付け部23に嵌合した液体残量検出ユニット11の抜けを防止する係止溝24が形成されている。
【0040】
検出ユニット収容部13の前面側を覆う隔壁である容器本体5の前面壁5cには、液体残量検出ユニット11の取付け操作のために、取付け部23と対向する位置に切り欠き開口26が形成されている。前面壁5cの両側部には、インクカートリッジ1をカートリッジ装着部に装着した際に、カートリッジ装着部側に装備されている位置決めピンが挿入される一対の位置決め孔27,28が装備されている。一方の位置決め孔27は丸孔に設定され、他方の位置決め孔28は容器本体5の幅方向(図1の矢印X方向)に細長い長孔に設定されている。このように、一方の位置決め孔28を長孔に形成しておくことで、位置決め精度を保つ一方で寸法公差等の許容が容易になる。
【0041】
丸孔の位置決め孔27に近い容器本体5の側壁上で、前面寄りの位置には、図3(b)に示す基板取付け部29が凹設される。この基板取付け部29には、インクカートリッジ1をカートリッジ装着に装着した際にカートリッジ装着部側に装備された後述のセンサ側端子導電部材43,44(図4参照)に、基板側端子導電部材34(図4参照)を介し接触して電気的な接続を果たす回路基板31が装備される。この回路基板31は、図1に示すように、その表面31aに、カートリッジ装着部側に装備された接続端子に接触する複数の接点31bが形成されている。
【0042】
また、回路基板31の裏面には、インク残量やカートリッジの使用履歴等の情報を記録するためのメモリ素子(図示せず)が搭載されると共に、液体残量検出ユニット11に搭載される図示しない液体残量状態を検出するセンサ(圧電素子)をインクジェット式記録装置側の接続端子に導通接続するための接点31d(図6参照)が形成されている。従って、インクカートリッジ1が記録装置のカートリッジ装着部に装着されて、回路基板31の表面の各接点31bがカートリッジ装着部側の接続端子に接続されると、この回路基板31を介して、メモリ素子や液体残量状態を検出するセンサ部材(以下、単にセンサ部材とも云う)が記録装置側の制御回路に電気接続され、これらのメモリ素子やセンサ部材の動作を記録装置側から制御することが可能になる。
【0043】
液体残量検出ユニット11は、回転操作により容器本体5に取付けられる樹脂製のユニットケース33と、このユニットケース33の裏面側にセンサベースを介して固定される不図示のセンサ部材と、このセンサ部材上の端子を、基板側端子導電部材34を介して回路基板31の裏面の接点31dに接続するべくユニットケース33に取付けられる一対の金属板製のセンサ側端子導電部材43,44と、を備えている。
【0044】
ユニットケース33は、カートリッジ装着部側のインク供給針が挿入接続される液体導出部9とこの液体導出部9に連通した内部流路空間46を有したケース本体33aと、前記内部流路空間46の上を覆う不図示のセンサフィルム及び蓋体と、内部流路空間46内に装填されて内部流路空間46との協働で液体導出部9に連通した流路を形成する不図示の流路形成部材とから構成されている。
【0045】
液体導出部9には、カートリッジ装着部側のインク供給針が挿入された時に流路を開く流路開閉機構55が装着される。流路開閉機構55は、液体導出部9に固定される筒状の弁座部材55aと、該弁座部材55aに着座することにより流路を閉じた状態に保持する弁体55bと、弁体55bを弁座部材55aに着座する方向に付勢するばね部材55cとから構成されており、インク供給針が液体導出部9に挿入されると、このインク供給針が弁体55bを弁座部材55aから離脱させることで、ユニットケース33内の流路がインク供給針に連通した状態になり、記録装置側へのインク供給が可能になる。
【0046】
ケース本体33aは、その裏面側で容器本体5の取付け部23に対応する位置に、該取付け部23に回転可能に嵌合する不図示の容器嵌合部を有しており、この容器嵌合部の内側には、インクパック7の接続口7aに挿入接続する不図示の接続針が設けられている。前述の内部流路空間46と流路形成部材が形成する流路は、液体導出部9と接続針とを連通させる内部流路である。
【0047】
インクパック7のインク残量状態を検出するセンサ部材は、内部流路に振動を印加できるようにケース本体33aの裏面側に固定された圧電センサで、内部流路内のインク流量(圧力)の変化に伴う残留振動の変化を電気信号として出力する。このセンサ部材の出力信号を記録装置側の制御回路が解析することで、インクパック7におけるインク残量が検出される。
【0048】
ケース本体33aの周囲には、係止片38が設けられている。この係止片38は、図2に示すように取付け部23に容器嵌合部を嵌合させた状態から矢印(イ)に示すように液体残量検出ユニット11を回転させた時に、容器本体5側の係止溝24に係合して、嵌合部の抜け止めを果たす。
【0049】
図5は端子間接続構造を異なる方向(a),(b)で見た斜視図、図6は貫通穴近傍の断面図、図7は端子間導電部材と基板側端子導電部材との接触部を表した拡大側面図である。
ユニットケース33に組み付けられるセンサ側端子導電部材43,44は、一端43a,44aがユニットケース33に組み付けられたセンサ部材の端子(図示せず)に接触し、且つ他端43b,44bが基板側端子導電部材34に接触するようにユニットケース33のケース本体33aに取付けられ、回路基板31にセンサ部材を電気的に接続する。
【0050】
センサ側端子導電部材43,44は、一端43a,44a側がセンサ部材の端子に接触・導通した状態にユニットケース33のケース本体33aに固定されている。具体的には、センサ側端子導電部材43,44の一端43a,44a側には、センサ部材の端子に接触させるための接触片43c,44cが一体形成されると共に、ケース本体33aに突設されたボス39,39(図5参照)に圧入される取付穴61,61が設けられており、圧入によりケース本体33aに固定される。
【0051】
更に、本実施形態の場合、センサ側端子導電部材43,44の一端43a,44a側の取付穴61,61の周辺には、端子の剛性を高める絞り部73を、端子の長手方向に沿って形成している(図5(a)参照)。この絞り部73によってセンサ側端子導電部材43,44の剛性が高くなるので、例えば、センサ側端子導電部材43,44の取付穴61,61をユニットケース33上の位置決め部(ボス39,39)に圧入する際の荷重でセンサ側端子導電部材43,44が変形することを防止でき、取付け時の荷重による変形でセンサ側端子導電部材43,44の位置決め精度が低下することを防止できる。センサ側端子導電部材43,44は、金属板のプレス成形品で、絞り部73はプレス加工により形成する。
【0052】
本第1実施形態では、端子間導電部材40,41が、図5に示すように、センサ側端子導電部材43,44と、基板側端子導電部材34,34とからなる。端子間導電部材40,41は、一端がセンサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が回路基板31の端子31d,31d(図6参照)に電気的に接続される。基板側端子導電部材34,34は、それぞれ容器本体5に形成された貫通穴45,45を介して回路基板31の端子31d,31dに接触する。この貫通穴45は、圧縮コイルばねから成る基板側端子導電部材34の巻径よりも若干大きい内径を有しており、回路基板31の端子31d,31dに対する基板側端子導電部材34,34の位置を規制している。
【0053】
図5(b)に示すように、センサ側端子導電部材43,44は、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能な可撓片43e,44eを有する。すなわち、可撓片43e,44eは、図7に示すように、ユニットケース33から間隙Sだけ離間され、この間隙S分だけ基板側端子導電部材34,34からの荷重によって変位可能となっている。センサ側端子導電部材43,44が、弾性変位可能な可撓片43e,44eを有することで、端子接触部の荷重バラツキが吸収可能となる。これにより、基板側端子導電部材34,34に、単純なピン部材が採用可能となり、設計自由度が高まると共にコスト低減が可能となる。つまり、基板側端子導電部材34,34をバネ部材とする必要がなくなる。
【0054】
本第1実施形態においては、基板側端子導電部材34,34が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能なバネ部材(圧縮コイルばね)から成る。このように、センサ側端子導電部材43,44及び基板側端子導電部材34,34の双方にバネ性を持たせることで、それぞれに異なるバネ定数を設定できる。例えば、弱いバネと強いバネを組み合わせることで、回路基板31を容器本体5に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与されるように構成できる。これにより、位置決め時に回路基板31が動かし易くなり、接触を確保しながら、組み付け性が良好となる。
【0055】
本実施形態における端子間導電部材40,41は、センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面62が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能である。これにより、回路基板31が容器本体5に固定(熱カシメ)される際、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良が抑止される。
【0056】
また、本実施形態のインクカートリッジ1は、センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面62が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能なことから、液体残量検出ユニット11の取付け方向と端子接触方向とが略直交して異なるにも関わらず、容器本体5内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板31とが確実に電気的に接続される。これにより、液体残量検出ユニット11が取付け部23に回転操作により取付け可能となっている。
【0057】
このように、上記の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面62が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能であるので、回路基板31を容器本体5に固定(熱カシメ)する際、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良を抑止でき、端子接触部の荷重バラツキを吸収して、組立性を向上させることができる。
【0058】
また、一体に形成された端子間導電部材の場合、一端に形成した可撓片等の接続端子を回路基板31の端子31d,31dに接触させるためには、容器本体5に大きな開口を設ける必要があったが、本発明に係る構成によれば、センサ側端子導電部材43,44とは別体に形成された基板側端子導電部材34,34が、容器本体5に形成された貫通穴45,45を介して回路基板31の端子31d,31dに接触するので、貫通穴45,45を小さくして塵埃等の侵入を防止することができる。
【0059】
更に、上記の端子間接続構造を備えたインクカートリッジ1によれば、部品寸法のバラツキや液体残量検出ユニット11と容器本体5とのガタによる回路基板31の端子31d,31dに加わる荷重の変動が軽減され、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良が抑止される。これにより、組立性が向上し、密閉型のインクカートリッジ1の生産性を向上させることができる。
【0060】
次に、本第1実施形態に係るインクカートリッジ1の組立方法を説明する。
先ず、容器本体5の取付け部23に液体残量検出ユニット11を垂直に立てた状態で嵌合させる。次いで、嵌合させた液体残量検出ユニット11を矢印(イ)方向に回転させて抜け止め固定する(液体残量検出ユニットを組み付ける工程)。
その後、容器本体5の袋体収容部3内に、インクパック7を装填して、接続口7aを液体残量検出ユニット11の接続針に接続し、更に、インクパック7の傾斜部7c,7dの上にスペーサ19をセットする。
【0061】
次いで、容器本体5の上面にシールフィルム15を溶着等により貼付して、袋体収容部3を密封室に仕上げ、その上にカバー21を取付ける。
そして、貫通穴45,45に基板側端子導電部材34,34を挿入し、その一端をセンサ側端子導電部材43,44に接触させると共に他端を貫通穴45,45から突出させて基板側端子導電部材34,34を容器本体5にセットする(基板側端子導電部材を容器本体にセットする工程)。ここで、貫通穴45が、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材34の位置を規制することにより、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材34の組立時の位置決め精度が向上する。
【0062】
次に、貫通穴45,45から突出させた基板側端子導電部材34,34に回路基板31の端子31d,31dを接触させ、回路基板31を基板側端子導電部材34,34のバネ力に抗して押圧しながら容器本体5に溶着する(回路基板を容器本体に溶着する工程)。そして、該回路基板31の取付けを完了する。
【0063】
このインクカートリッジ1の組立方法によれば、センサ側端子導電部材43,44及び基板側端子導電部材34,34の双方に異なるバネ定数を設定することで、回路基板31を容器本体5に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与されるので、確実な導電性と良好な組み付け性とを両立が可能となる。
【0064】
次に、本発明の他の実施形態に係る端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法を詳細に説明する。
図8は本発明の第2実施形態に係る端子間接続構造を備えた容器本体の斜視図、図9は図8に示した液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板の取付けられた液体収容容器の側面視を(b)に表した説明図、図10は図8に示した端子間接続構造の分解斜視図、図11は図8に示した端子間接続構造の斜視図である。なお、図1〜図7に示した部材と同等の部材には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0065】
本第2実施形態に係る端子間接続構造では、液体残量検出ユニット11の取付け部23に支持軸47が垂設されている。この支持軸47には、図9(a)に示す一対の基板側端子導電部材48,48が外装されている。図10に示すように、これら基板側端子導電部材48,48は、スペーサ50を介して支持軸47に相互に離間して挿入されることで絶縁されている。
【0066】
基板側端子導電部材48,48は、中央部に環状部48aを有するねじりコイルバネ(バネ部材)から成り、図9(b)に示すように、一端48b,48bが基板取付け部29に穿設されたスリット状の一対の貫通穴49,49から外部へ突出している。基板側端子導電部材48,48の他端48c,48cは、センサ側端子導電部材56,57の可撓片56e,57eに接触される。この貫通穴49は、ねじりコイルバネから成る基板側端子導電部材48の一端48bの線径よりも若干広いスリット幅を有しており、回路基板31の端子31d,31dに対する基板側端子導電部材48,48の上下位置を規制している。
【0067】
図11に示すように、センサ側端子導電部材56,57は、一端56a,57a側がセンサ部材の端子に接触・導通した状態にユニットケース33のケース本体33aに固定されている。具体的には、センサ側端子導電部材56,57の一端56a,57a側には、センサ部材の端子に接触させるための接触片56c,57cが一体形成されると共に、ケース本体33aに突設されたボス39,39(図5参照)に圧入される取付穴61,61が設けられており、圧入によりケース本体33aに固定される。
【0068】
本第2実施形態によるセンサ側端子導電部材56,57の場合にも、取付穴61,61(図10参照)の周辺には、端子の剛性を高める絞り部73を、端子の長手方向に沿って形成している。これにより、上記第1実施形態のセンサ側端子導電部材43,44と同様に、センサ側端子導電部材56,57の取付穴61,61をユニットケース33上の位置決め部(ボス39,39)に圧入する際の荷重でセンサ側端子導電部材56,57が変形することを防止でき、取付け時の荷重による変形でセンサ側端子導電部材56,57の位置決め精度が低下することを防止できる。
【0069】
次に、本第2実施形態に係るインクカートリッジの組立方法を説明する。
先ず、容器本体5の取付け部23に液体残量検出ユニット11を垂直に立てた状態で嵌合させ、上記と同様にして液体残量検出ユニット11を回転操作により抜け止め固定する(液体残量検出ユニットを組み付ける工程)。
その後、容器本体5の袋体収容部3内に、インクパック7を装填して、接続口7aを液体残量検出ユニット11の接続針に接続する。
【0070】
次いで、基板側端子導電部材48,48がスペーサ50を介して支持軸47に挿入される。この際、基板側端子導電部材48,48の一端48b,48bは、貫通穴49,49から外部へと突出し、他端48c,48cは、センサ側端子導電部材56,57の可撓片56e,57eに弾性接触することとなる(基板側端子導電部材を容器本体にセットする工程)。ここで、貫通穴49が、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材48の一端48bの上下位置を規制することにより、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材48の組立時の位置決め精度が向上する。
【0071】
次いで、インクパック7の傾斜部7c,7dの上にスペーサ19をセットし、容器本体5の上面にシールフィルム15を溶着等により貼付して、袋体収容部3を密封室に仕上げた後、その上にカバー21を取付ける。
次いで、貫通穴49,49から突出する基板側端子導電部材48,48の一端48b,48bに回路基板31の端子31d,31dを接触させ、回路基板31を基板側端子導電部材48,48のバネ力に抗して押圧しながら容器本体5に溶着する(回路基板を容器本体に溶着する工程)。そして、該回路基板31の取付けを完了する。
【0072】
このように、本第2実施形態に係る端子間接続構造及びインクカートリッジの組立方法
によっても、回路基板31を容器本体5に固定(熱カシメ)する際、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良を抑止でき、端子接触部の荷重バラツキを吸収して、組立性を向上させることができる。また、貫通穴49,49を小さくして塵埃等の侵入を防止することができる。
【0073】
尚、本発明の液体収容容器の用途は、インクジェット記録装置のインクカートリッジに限らない。液体消費装置等の各種の外部機器に流用可能である。
また、液体消費装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置、捺染装置やマイクロデスペンサ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態に係る端子間接続構造を備えた液体収容容器の外観斜視図である。
【図2】図1に示した液体収容容器の分解斜視図である。
【図3】液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板取付け部の側面視を(b)に表した説明図である。
【図4】図2に示した端子間接続構造の分解斜視図である。
【図5】端子間接続構造を異なる方向(a),(b)で見た斜視図である。
【図6】貫通穴近傍の断面図である。
【図7】端子間導電部材と基板側端子導電部材との接触部を表した拡大側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る端子間接続構造を備えた容器本体の斜視図である。
【図9】図8に示した液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板の取付けられた液体収容容器の側面視を(b)に表した説明図である。
【図10】図8に示した端子間接続構造の分解斜視図である。
【図11】図8に示した端子間接続構造の斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
1…インクカートリッジ(液体収容容器)、5…容器本体、7…インクパック(液体収容部)、11…液体残量検出ユニット、23…取付け部、31…回路基板、31b…接点、31d,31d…回路基板の端子、33…ユニットケース、34,48…基板側端子導電部材、40,41…端子間導電部材、43,44…センサ側端子導電部材、43e,44e…可撓片、45,49…貫通穴、61…取付け穴、62…接触面、73…絞り部
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法に関し、特に、容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とを電気的に接続する端子間導電部材を備えた液体収容容器の端子間接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
捺染装置やマイクロデスペンサ、さらには超高品質での印刷が求められる商業用のインクジェット式記録装置等の液体噴射ヘッドは、液体収容容器から被吐出液の供給を受けるが、液体が供給されていない状態で作動させると、いわゆる空打ちとなって噴射ヘッドが損傷を受けるため、これを防止すべく容器の液体残量を監視する必要がある。
【0003】
そこで、インクジェット式記録装置の場合では、インクを貯留する液体収容容器であるインクカートリッジ自体にインク残量を検出する液体残量検出ユニット(液体センサユニット)を装備したものが各種提案されている。
【0004】
ところで、インクジェット式記録装置に搭載されるインクカートリッジは、大気開放型のものと、密閉型のものに大別することができる。
大気開放型のインクカートリッジは、カートリッジ内に画成したインク収容部に大気開放孔を連通させたもので、インク収容部に貯留されているインクの消費に伴ってインク収容部に外気を導入することで、インクカートリッジから記録装置側へのインクの供給に大気圧を利用することができるため、容器構成を単純化でき、比較的に小容量のインクカートリッジに適している。
【0005】
一方、密閉型のインクカートリッジは、インク収容部を密閉構造の可撓性袋体等で形成して、大気との接触によるインクの劣化を抑止するようにしたもので、貯留しているインクの品質を長期に渡って安定維持できるため、大容量のインクカートリッジに適するが、インク収容部である可撓性袋体を外部から加圧する加圧手段の装備が必要になって、大気開放型と比較すると、カートリッジ及び記録装置が大型になり易い。
【0006】
このようなインクカートリッジに液体残量検出ユニットを装備する場合、カートリッジの組立工程を簡略化して生産性を向上させることから、液体残量検出ユニットのカートリッジケース(容器本体)への取付けを容易にしておくことが重要な課題となる。
【0007】
これまで、大気開放型のインクカートリッジとしては、インク収容部を有した容器本体に前記インク収容部に貫通する取付穴を形成し、該取付穴に液体残量検出ユニットをねじ込んで取付けるようにしたものが開発されている。
この場合、液体残量検出ユニットは、前記取付穴にねじ込み可能に嵌合する円柱部と、この円柱部の外周から半径方向外方に突出して設けられて、円柱部をねじ込み操作すると容器本体に設けられた係止部に係合して容器本体への固定を果たす係止片と、円柱部に埋設された圧電装置とを具備した構成である。そして、液体残量検出ユニットは、圧電装置によってインク収容部内に発振した振動に対する残留振動に基づいて、インク収容部内のインク残量を検出する(例えば、特許文献1)。
【0008】
このインクカートリッジでは、容器本体への液体残量検出ユニットの取付けが、容器本体に形成された取付穴に液体残量検出ユニットをねじ込むだけで良く、カートリッジの組立工程を簡略化して生産性を向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】特開2001−328280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、密閉型のインクカートリッジの場合は、前述した大気開放型のインクカートリッジに採用されたねじ込み式の液体残量検出ユニットをそのまま適用することができない。
即ち、大気開放型のインクカートリッジの場合は、インクの消費に伴ってインク収容室に導入される外気のために、インク収容室内の振動特性がインク消費に相応して顕著に変化していくため、圧電装置による単純な残留振動測定で、かなり正確にインク残量を検出することができ、圧電装置をコンパクト化することもできる。しかし、密閉型のインクカートリッジの場合は、インクが消費されても、インク収容室内に外気が導入されないため、大気開放型のインクカートリッジで採用した単純な残留振動測定では、高精度にインク残量を検出することができない。
【0011】
そこで、液体残量検出ユニットとしては、インク残量に応じて変化する圧力(流量)測定を実施することが提案されているが、その場合には、残存するインクが流入する流路と、その流路に流入するインク量の変動等を検出するセンサ部材と、を装備した構成となるために、液体残量検出ユニット自体が大型化し、大気開放型の場合と同様のねじ込み式で取付けようとすると、不都合が生じてしまう。
【0012】
また、インクカートリッジでは、インクの残量をより正確に管理したり、あるいは、誤装着を防止したりするための各種情報を記録装置(外部機器)側から読み書きできるように、記録装置側の接続端子に導通接続される接点を有した回路基板を容器本体の外面に装備し、この回路基板に情報の読み書きが可能なメモリ素子を搭載することが行われている。
そこで、このような回路基板を具備したインクカートリッジでは、インク残量を検出する液体残量検出ユニットにおけるセンサ部材の端子を、液体残量検出ユニット上に組み付けられた中継端子(端子間導電部材)を介して前記回路基板の端子に導電接続することができれば、センサ部材を記録装置側から制御可能になると同時に、センサ部材への配線を簡略化できる。
【0013】
しかしながら、前述したように密閉型のインクカートリッジでは、液体残量検出ユニット自体が大型化すると、寸法公差による組付け誤差等によって液体残量検出ユニット上の中継端子と回路基板上の端子との位置ずれが生じ易くなり、接触不良等の不都合が発生する虞があった。
その為、液体残量検出ユニットを容器本体に組み付ける際には手間がかかり、生産性の向上が難しいという問題が生じていた。
【0014】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とを確実に電気的に接続することができると共に、組立性を向上することができる液体収容容器の端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る上記目的は、液体を収容する液体収容部を有した容器本体と、
前記液体収容部の液体残量状態を検出するセンサ部材がユニットケースに組み込まれて前記容器本体内に収容される液体残量検出ユニットと、
外部機器との接点を有して前記容器本体外に取付けられる回路基板と、
一端が前記センサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が前記回路基板の端子に電気的に接続される端子間導電部材と、を備える液体収容容器の端子間接続構造であって、
前記端子間導電部材は、前記容器本体に形成された貫通穴を介して前記回路基板の端子に接触する基板側端子導電部材と、前記ユニットケースに取付けられて前記センサ部材の端子に接続されるセンサ側端子導電部材とを有し、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材との接触面が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能であることを特徴とする端子間接続構造により達成される。
【0016】
上記構成の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材と基板側端子導電部材との接触面が、回路基板の取付け方向に弾性変位可能なので、部品寸法のバラツキや液体残量検出ユニットと容器本体とのガタによって回路基板の端子に加わる荷重の変動が軽減され、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良を抑止できる。
また、センサ側端子導電部材とは別体に形成された基板側端子導電部材が、容器本体に形成された貫通穴を介して回路基板の端子に接触するので、貫通穴を小さくして塵埃等の侵入を防止することができる。
【0017】
尚、上記構成の端子間接続構造において、前記液体残量検出ユニットは、前記容器本体上の前記回路基板から離れた位置に設定された取付け部に回転操作により取付けられることが望ましい。
【0018】
このような構成の端子間接続構造によれば、液体残量検出ユニットの取付け方向と端子接触方向とが異なる場合であっても、容器本体内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板とが確実に電気的に接続されるので、液体残量検出ユニットが容器本体の取付け部に回転操作により取付け可能となる。
【0019】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記センサ側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能な可撓片を有することが望ましい。
【0020】
このような構成の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材が、弾性変位可能な可撓片を有することで、端子接触部の荷重バラツキが吸収可能となる。これにより、基板側端子導電部材に、単純なピン部材が採用可能となり、設計自由度が高まると共にコスト低減が可能となる。つまり、基板側端子導電部材をバネ部材とする必要がない。
【0021】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記基板側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能なバネ部材から成ることが望ましい。
【0022】
このような構成の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材及び基板側端子導電部材の双方にバネ性を持たせることで、異なるバネ定数を設定できる。例えば、弱いバネと強いバネを組み合わせることで、回路基板を容器本体に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板の取付け方向に付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板の取付け方向に付与されるように構成できる。これにより、位置決め時に基板が動かし易くなり、電気的接触を確保しながら、組み付け性が良好となる。
【0023】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記ユニットケースの位置決め部に圧入固定される前記センサ側端子導電部材の取付け穴の周辺には、当該センサ側端子導電部材の剛性を高める絞り部が、長手方向に沿って形成されることが望ましい。
【0024】
このような構成の端子間接続構造によれば、絞り部によってセンサ側端子導電部材の剛性が高くなるので、例えば、センサ側端子導電部材の取付穴をユニットケース上の位置決め部(ボス)に圧入する際の荷重でセンサ側端子導電部材が変形することを防止でき、取付け時の荷重による変形でセンサ側端子導電部材の位置決め精度が低下することを防止できる。
【0025】
また、上記構成の端子間接続構造において、前記貫通穴が、前記回路基板の端子に対する前記基板側端子導電部材の位置を規制することが望ましい。
このような構成の端子間接続構造によれば、回路基板の端子に対する基板側端子導電部材の組立時の位置決め精度が向上する。
【0026】
また、本発明に係る上記目的は、上記構成の端子間接続構造を備えたことを特徴とする液体収容容器により達成される。
【0027】
上記構成の液体収容容器によれば、部品寸法のバラツキや液体残量検出ユニットと容器本体とのガタによる回路基板の端子に加わる荷重の変動が軽減され、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良が抑止される。これにより、液体収容容器の組立性が向上し、例えば、密閉型インクカートリッジ等の液体収容容器の生産性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明に係る上記目的は、上記構成の端子間接続構造を備え、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材とを異なるバネ定数に設定した液体収容容器の組立方法であって、
前記容器本体上の取付け部に、前記液体残量検出ユニットを組み付ける工程と、
該液体残量検出ユニットが組み付けられた後、一端を前記センサ側端子導電部材に接触させると共に他端を前記貫通穴から突出させて前記基板側端子導電部材を前記容器本体にセットする工程と、
前記貫通穴から突出させた前記基板側端子導電部材に前記回路基板の端子を接触させ、該回路基板を前記基板側端子導電部材のバネ力に抗し押圧しながら前記容器本体に溶着する工程と、
を含む液体収容容器の組立方法により達成される。
【0029】
上記構成の液体収容容器の組立方法によれば、センサ側端子導電部材及び基板側端子導電部材の双方に異なるバネ定数を設定し、取付け部に液体残量検出ユニットを組み付けた後、一端をセンサ側端子導電部材に接触させると共に他端を貫通穴から突出させて基板側端子導電部材を容器本体にセットし、貫通穴から突出させた基板側端子導電部材に回路基板の端子を接触させ、回路基板を基板側端子導電部材のバネ力に抗し押圧しながら容器本体に溶着することができる。
そこで、回路基板を容器本体に取付ける際、回路基板を容器本体に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板の取付け方向に付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板の取付け方向に付与されるので、確実な導電性と良好な組み付け性の両立が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る端子間接続構造を備えた液体収容容器の外観斜視図、図2は図1に示した液体収容容器の分解斜視図、図3は液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板取付け部の側面視を(b)に表した説明図、図4は図2に示した端子間接続構造の分解斜視図である。
【0031】
図1に示したインクカートリッジ(液体収容容器)1は、商業用のインクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に着脱可能に装着されて、記録装置に装備された記録ヘッド(液体噴射ヘッド)にインクを供給する。
【0032】
このインクカートリッジ1は、加圧手段によって加圧される図2に示す袋体収容部3を区画形成した容器本体5と、インク(液体)を貯留して袋体収容部3内に収容されて袋体収容部3の加圧により貯留しているインクを接続口7aから排出する液体収容部としてのインクパック7と、外部の液体消費装置である記録ヘッドにインクを供給するための液体導出部9を有して容器本体5に着脱可能に装着される液体残量検出ユニット11と、を備えている。
【0033】
容器本体5は、樹脂成形によって形成された筐体で、上部を開放した略箱形の袋体収容部3と、この袋体収容部3の前面側に位置して液体残量検出ユニット11を収容する検出ユニット収容部13とが区画形成されている。袋体収容部3の開放面は、インクパック7の収容後にシールフィルム15によって封止される。これにより、袋体収容部3が密封室になる。
【0034】
袋体収容部3と検出ユニット収容部13との間を区画している隔壁5aには、シールフィルム15により密封室に形成された袋体収容部3内に加圧空気を送給するための連通路である加圧口17が装備されている。インクカートリッジ1をインクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に装着すると、加圧口17にカートリッジ装着部側の加圧空気供給手段が接続され、袋体収容部3内に供給される加圧空気よってインクパック7を加圧することが可能になる。
【0035】
インクパック7は、樹脂フィルム層の上にアルミニウム層が積層形成されたアルミラミネート複層フィルムにより形成した可撓性袋体7bの一端側に、液体残量検出ユニット11の接続針(図示せず)が挿入接続される筒状の接続口7aを接合したものである。アルミラミネート複層フィルムを使用したことで、高いガスバリア性を確保している。
【0036】
インクパック7の接続口7aは、隔壁5aに形成した接続口挿通用の開口18(図4参照)を気密に挿通して、先端が検出ユニット収容部13内に突出するようになっている。インクパック7には、液体残量検出ユニット11を接続する前に、予め脱気度の高い状態に調整されたインクが充填される。
袋体収容部3にインクパック7を装着したときには、可撓性袋体7bの前後の傾斜部7c,7dの上に、樹脂製のスペーサ19が装着される。樹脂製のスペーサ19は、袋体収容部3の上面がシールフィルム15によって覆われて、袋体収容部3が密封室となる時に、該密封室内でインクパック7がガタつくことを防止すると同時に、密封室内の余分な空き空間を埋めて、袋体収容部3内を加圧空気により加圧する際の加圧効率を高める。
【0037】
検出ユニット収容部13の開放面を封止したシールフィルム15の上には、樹脂製の蓋体であるカバー21が装着される。カバー21は、容器本体5の上に被せると、不図示の係合手段が、容器本体5側の係合部(図示せず)に係合して、容器本体5に固定される。
【0038】
隔壁5aに開口した開口18の周囲には、図4に示すように、液体残量検出ユニット11が回転可能に嵌合装着される取付け部23が装備されている。
本実施形態の場合、取付け部23は、容器本体5上の後述する回路基板31(図1参照)から離れた位置に設けられたもので、円環状の凸壁により液体残量検出ユニット11の回転を規制する。
【0039】
また、図4に示すように、取付け部23に近接した位置で、隔壁5aに直交する如く検出ユニット収容部13に立設された隔壁5bには、取付け部23に嵌合した液体残量検出ユニット11の抜けを防止する係止溝24が形成されている。
【0040】
検出ユニット収容部13の前面側を覆う隔壁である容器本体5の前面壁5cには、液体残量検出ユニット11の取付け操作のために、取付け部23と対向する位置に切り欠き開口26が形成されている。前面壁5cの両側部には、インクカートリッジ1をカートリッジ装着部に装着した際に、カートリッジ装着部側に装備されている位置決めピンが挿入される一対の位置決め孔27,28が装備されている。一方の位置決め孔27は丸孔に設定され、他方の位置決め孔28は容器本体5の幅方向(図1の矢印X方向)に細長い長孔に設定されている。このように、一方の位置決め孔28を長孔に形成しておくことで、位置決め精度を保つ一方で寸法公差等の許容が容易になる。
【0041】
丸孔の位置決め孔27に近い容器本体5の側壁上で、前面寄りの位置には、図3(b)に示す基板取付け部29が凹設される。この基板取付け部29には、インクカートリッジ1をカートリッジ装着に装着した際にカートリッジ装着部側に装備された後述のセンサ側端子導電部材43,44(図4参照)に、基板側端子導電部材34(図4参照)を介し接触して電気的な接続を果たす回路基板31が装備される。この回路基板31は、図1に示すように、その表面31aに、カートリッジ装着部側に装備された接続端子に接触する複数の接点31bが形成されている。
【0042】
また、回路基板31の裏面には、インク残量やカートリッジの使用履歴等の情報を記録するためのメモリ素子(図示せず)が搭載されると共に、液体残量検出ユニット11に搭載される図示しない液体残量状態を検出するセンサ(圧電素子)をインクジェット式記録装置側の接続端子に導通接続するための接点31d(図6参照)が形成されている。従って、インクカートリッジ1が記録装置のカートリッジ装着部に装着されて、回路基板31の表面の各接点31bがカートリッジ装着部側の接続端子に接続されると、この回路基板31を介して、メモリ素子や液体残量状態を検出するセンサ部材(以下、単にセンサ部材とも云う)が記録装置側の制御回路に電気接続され、これらのメモリ素子やセンサ部材の動作を記録装置側から制御することが可能になる。
【0043】
液体残量検出ユニット11は、回転操作により容器本体5に取付けられる樹脂製のユニットケース33と、このユニットケース33の裏面側にセンサベースを介して固定される不図示のセンサ部材と、このセンサ部材上の端子を、基板側端子導電部材34を介して回路基板31の裏面の接点31dに接続するべくユニットケース33に取付けられる一対の金属板製のセンサ側端子導電部材43,44と、を備えている。
【0044】
ユニットケース33は、カートリッジ装着部側のインク供給針が挿入接続される液体導出部9とこの液体導出部9に連通した内部流路空間46を有したケース本体33aと、前記内部流路空間46の上を覆う不図示のセンサフィルム及び蓋体と、内部流路空間46内に装填されて内部流路空間46との協働で液体導出部9に連通した流路を形成する不図示の流路形成部材とから構成されている。
【0045】
液体導出部9には、カートリッジ装着部側のインク供給針が挿入された時に流路を開く流路開閉機構55が装着される。流路開閉機構55は、液体導出部9に固定される筒状の弁座部材55aと、該弁座部材55aに着座することにより流路を閉じた状態に保持する弁体55bと、弁体55bを弁座部材55aに着座する方向に付勢するばね部材55cとから構成されており、インク供給針が液体導出部9に挿入されると、このインク供給針が弁体55bを弁座部材55aから離脱させることで、ユニットケース33内の流路がインク供給針に連通した状態になり、記録装置側へのインク供給が可能になる。
【0046】
ケース本体33aは、その裏面側で容器本体5の取付け部23に対応する位置に、該取付け部23に回転可能に嵌合する不図示の容器嵌合部を有しており、この容器嵌合部の内側には、インクパック7の接続口7aに挿入接続する不図示の接続針が設けられている。前述の内部流路空間46と流路形成部材が形成する流路は、液体導出部9と接続針とを連通させる内部流路である。
【0047】
インクパック7のインク残量状態を検出するセンサ部材は、内部流路に振動を印加できるようにケース本体33aの裏面側に固定された圧電センサで、内部流路内のインク流量(圧力)の変化に伴う残留振動の変化を電気信号として出力する。このセンサ部材の出力信号を記録装置側の制御回路が解析することで、インクパック7におけるインク残量が検出される。
【0048】
ケース本体33aの周囲には、係止片38が設けられている。この係止片38は、図2に示すように取付け部23に容器嵌合部を嵌合させた状態から矢印(イ)に示すように液体残量検出ユニット11を回転させた時に、容器本体5側の係止溝24に係合して、嵌合部の抜け止めを果たす。
【0049】
図5は端子間接続構造を異なる方向(a),(b)で見た斜視図、図6は貫通穴近傍の断面図、図7は端子間導電部材と基板側端子導電部材との接触部を表した拡大側面図である。
ユニットケース33に組み付けられるセンサ側端子導電部材43,44は、一端43a,44aがユニットケース33に組み付けられたセンサ部材の端子(図示せず)に接触し、且つ他端43b,44bが基板側端子導電部材34に接触するようにユニットケース33のケース本体33aに取付けられ、回路基板31にセンサ部材を電気的に接続する。
【0050】
センサ側端子導電部材43,44は、一端43a,44a側がセンサ部材の端子に接触・導通した状態にユニットケース33のケース本体33aに固定されている。具体的には、センサ側端子導電部材43,44の一端43a,44a側には、センサ部材の端子に接触させるための接触片43c,44cが一体形成されると共に、ケース本体33aに突設されたボス39,39(図5参照)に圧入される取付穴61,61が設けられており、圧入によりケース本体33aに固定される。
【0051】
更に、本実施形態の場合、センサ側端子導電部材43,44の一端43a,44a側の取付穴61,61の周辺には、端子の剛性を高める絞り部73を、端子の長手方向に沿って形成している(図5(a)参照)。この絞り部73によってセンサ側端子導電部材43,44の剛性が高くなるので、例えば、センサ側端子導電部材43,44の取付穴61,61をユニットケース33上の位置決め部(ボス39,39)に圧入する際の荷重でセンサ側端子導電部材43,44が変形することを防止でき、取付け時の荷重による変形でセンサ側端子導電部材43,44の位置決め精度が低下することを防止できる。センサ側端子導電部材43,44は、金属板のプレス成形品で、絞り部73はプレス加工により形成する。
【0052】
本第1実施形態では、端子間導電部材40,41が、図5に示すように、センサ側端子導電部材43,44と、基板側端子導電部材34,34とからなる。端子間導電部材40,41は、一端がセンサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が回路基板31の端子31d,31d(図6参照)に電気的に接続される。基板側端子導電部材34,34は、それぞれ容器本体5に形成された貫通穴45,45を介して回路基板31の端子31d,31dに接触する。この貫通穴45は、圧縮コイルばねから成る基板側端子導電部材34の巻径よりも若干大きい内径を有しており、回路基板31の端子31d,31dに対する基板側端子導電部材34,34の位置を規制している。
【0053】
図5(b)に示すように、センサ側端子導電部材43,44は、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能な可撓片43e,44eを有する。すなわち、可撓片43e,44eは、図7に示すように、ユニットケース33から間隙Sだけ離間され、この間隙S分だけ基板側端子導電部材34,34からの荷重によって変位可能となっている。センサ側端子導電部材43,44が、弾性変位可能な可撓片43e,44eを有することで、端子接触部の荷重バラツキが吸収可能となる。これにより、基板側端子導電部材34,34に、単純なピン部材が採用可能となり、設計自由度が高まると共にコスト低減が可能となる。つまり、基板側端子導電部材34,34をバネ部材とする必要がなくなる。
【0054】
本第1実施形態においては、基板側端子導電部材34,34が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能なバネ部材(圧縮コイルばね)から成る。このように、センサ側端子導電部材43,44及び基板側端子導電部材34,34の双方にバネ性を持たせることで、それぞれに異なるバネ定数を設定できる。例えば、弱いバネと強いバネを組み合わせることで、回路基板31を容器本体5に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与されるように構成できる。これにより、位置決め時に回路基板31が動かし易くなり、接触を確保しながら、組み付け性が良好となる。
【0055】
本実施形態における端子間導電部材40,41は、センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面62が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能である。これにより、回路基板31が容器本体5に固定(熱カシメ)される際、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良が抑止される。
【0056】
また、本実施形態のインクカートリッジ1は、センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面62が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能なことから、液体残量検出ユニット11の取付け方向と端子接触方向とが略直交して異なるにも関わらず、容器本体5内のセンサ部材と容器本体外に取付けられる回路基板31とが確実に電気的に接続される。これにより、液体残量検出ユニット11が取付け部23に回転操作により取付け可能となっている。
【0057】
このように、上記の端子間接続構造によれば、センサ側端子導電部材43,44と基板側端子導電部材34,34との接触面62が、回路基板31の取付け方向に弾性変位可能であるので、回路基板31を容器本体5に固定(熱カシメ)する際、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良を抑止でき、端子接触部の荷重バラツキを吸収して、組立性を向上させることができる。
【0058】
また、一体に形成された端子間導電部材の場合、一端に形成した可撓片等の接続端子を回路基板31の端子31d,31dに接触させるためには、容器本体5に大きな開口を設ける必要があったが、本発明に係る構成によれば、センサ側端子導電部材43,44とは別体に形成された基板側端子導電部材34,34が、容器本体5に形成された貫通穴45,45を介して回路基板31の端子31d,31dに接触するので、貫通穴45,45を小さくして塵埃等の侵入を防止することができる。
【0059】
更に、上記の端子間接続構造を備えたインクカートリッジ1によれば、部品寸法のバラツキや液体残量検出ユニット11と容器本体5とのガタによる回路基板31の端子31d,31dに加わる荷重の変動が軽減され、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良が抑止される。これにより、組立性が向上し、密閉型のインクカートリッジ1の生産性を向上させることができる。
【0060】
次に、本第1実施形態に係るインクカートリッジ1の組立方法を説明する。
先ず、容器本体5の取付け部23に液体残量検出ユニット11を垂直に立てた状態で嵌合させる。次いで、嵌合させた液体残量検出ユニット11を矢印(イ)方向に回転させて抜け止め固定する(液体残量検出ユニットを組み付ける工程)。
その後、容器本体5の袋体収容部3内に、インクパック7を装填して、接続口7aを液体残量検出ユニット11の接続針に接続し、更に、インクパック7の傾斜部7c,7dの上にスペーサ19をセットする。
【0061】
次いで、容器本体5の上面にシールフィルム15を溶着等により貼付して、袋体収容部3を密封室に仕上げ、その上にカバー21を取付ける。
そして、貫通穴45,45に基板側端子導電部材34,34を挿入し、その一端をセンサ側端子導電部材43,44に接触させると共に他端を貫通穴45,45から突出させて基板側端子導電部材34,34を容器本体5にセットする(基板側端子導電部材を容器本体にセットする工程)。ここで、貫通穴45が、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材34の位置を規制することにより、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材34の組立時の位置決め精度が向上する。
【0062】
次に、貫通穴45,45から突出させた基板側端子導電部材34,34に回路基板31の端子31d,31dを接触させ、回路基板31を基板側端子導電部材34,34のバネ力に抗して押圧しながら容器本体5に溶着する(回路基板を容器本体に溶着する工程)。そして、該回路基板31の取付けを完了する。
【0063】
このインクカートリッジ1の組立方法によれば、センサ側端子導電部材43,44及び基板側端子導電部材34,34の双方に異なるバネ定数を設定することで、回路基板31を容器本体5に取付ける際、位置決め時には弱いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与され、溶着完了時には合わせた強いバネ力が回路基板31の取付け方向に抗して付与されるので、確実な導電性と良好な組み付け性とを両立が可能となる。
【0064】
次に、本発明の他の実施形態に係る端子間接続構造及び液体収容容器並びに液体収容容器の組立方法を詳細に説明する。
図8は本発明の第2実施形態に係る端子間接続構造を備えた容器本体の斜視図、図9は図8に示した液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板の取付けられた液体収容容器の側面視を(b)に表した説明図、図10は図8に示した端子間接続構造の分解斜視図、図11は図8に示した端子間接続構造の斜視図である。なお、図1〜図7に示した部材と同等の部材には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0065】
本第2実施形態に係る端子間接続構造では、液体残量検出ユニット11の取付け部23に支持軸47が垂設されている。この支持軸47には、図9(a)に示す一対の基板側端子導電部材48,48が外装されている。図10に示すように、これら基板側端子導電部材48,48は、スペーサ50を介して支持軸47に相互に離間して挿入されることで絶縁されている。
【0066】
基板側端子導電部材48,48は、中央部に環状部48aを有するねじりコイルバネ(バネ部材)から成り、図9(b)に示すように、一端48b,48bが基板取付け部29に穿設されたスリット状の一対の貫通穴49,49から外部へ突出している。基板側端子導電部材48,48の他端48c,48cは、センサ側端子導電部材56,57の可撓片56e,57eに接触される。この貫通穴49は、ねじりコイルバネから成る基板側端子導電部材48の一端48bの線径よりも若干広いスリット幅を有しており、回路基板31の端子31d,31dに対する基板側端子導電部材48,48の上下位置を規制している。
【0067】
図11に示すように、センサ側端子導電部材56,57は、一端56a,57a側がセンサ部材の端子に接触・導通した状態にユニットケース33のケース本体33aに固定されている。具体的には、センサ側端子導電部材56,57の一端56a,57a側には、センサ部材の端子に接触させるための接触片56c,57cが一体形成されると共に、ケース本体33aに突設されたボス39,39(図5参照)に圧入される取付穴61,61が設けられており、圧入によりケース本体33aに固定される。
【0068】
本第2実施形態によるセンサ側端子導電部材56,57の場合にも、取付穴61,61(図10参照)の周辺には、端子の剛性を高める絞り部73を、端子の長手方向に沿って形成している。これにより、上記第1実施形態のセンサ側端子導電部材43,44と同様に、センサ側端子導電部材56,57の取付穴61,61をユニットケース33上の位置決め部(ボス39,39)に圧入する際の荷重でセンサ側端子導電部材56,57が変形することを防止でき、取付け時の荷重による変形でセンサ側端子導電部材56,57の位置決め精度が低下することを防止できる。
【0069】
次に、本第2実施形態に係るインクカートリッジの組立方法を説明する。
先ず、容器本体5の取付け部23に液体残量検出ユニット11を垂直に立てた状態で嵌合させ、上記と同様にして液体残量検出ユニット11を回転操作により抜け止め固定する(液体残量検出ユニットを組み付ける工程)。
その後、容器本体5の袋体収容部3内に、インクパック7を装填して、接続口7aを液体残量検出ユニット11の接続針に接続する。
【0070】
次いで、基板側端子導電部材48,48がスペーサ50を介して支持軸47に挿入される。この際、基板側端子導電部材48,48の一端48b,48bは、貫通穴49,49から外部へと突出し、他端48c,48cは、センサ側端子導電部材56,57の可撓片56e,57eに弾性接触することとなる(基板側端子導電部材を容器本体にセットする工程)。ここで、貫通穴49が、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材48の一端48bの上下位置を規制することにより、回路基板31の端子31dに対する基板側端子導電部材48の組立時の位置決め精度が向上する。
【0071】
次いで、インクパック7の傾斜部7c,7dの上にスペーサ19をセットし、容器本体5の上面にシールフィルム15を溶着等により貼付して、袋体収容部3を密封室に仕上げた後、その上にカバー21を取付ける。
次いで、貫通穴49,49から突出する基板側端子導電部材48,48の一端48b,48bに回路基板31の端子31d,31dを接触させ、回路基板31を基板側端子導電部材48,48のバネ力に抗して押圧しながら容器本体5に溶着する(回路基板を容器本体に溶着する工程)。そして、該回路基板31の取付けを完了する。
【0072】
このように、本第2実施形態に係る端子間接続構造及びインクカートリッジの組立方法
によっても、回路基板31を容器本体5に固定(熱カシメ)する際、荷重バラツキが大きいことにより発生する接点の接触不良を抑止でき、端子接触部の荷重バラツキを吸収して、組立性を向上させることができる。また、貫通穴49,49を小さくして塵埃等の侵入を防止することができる。
【0073】
尚、本発明の液体収容容器の用途は、インクジェット記録装置のインクカートリッジに限らない。液体消費装置等の各種の外部機器に流用可能である。
また、液体消費装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置、捺染装置やマイクロデスペンサ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態に係る端子間接続構造を備えた液体収容容器の外観斜視図である。
【図2】図1に示した液体収容容器の分解斜視図である。
【図3】液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板取付け部の側面視を(b)に表した説明図である。
【図4】図2に示した端子間接続構造の分解斜視図である。
【図5】端子間接続構造を異なる方向(a),(b)で見た斜視図である。
【図6】貫通穴近傍の断面図である。
【図7】端子間導電部材と基板側端子導電部材との接触部を表した拡大側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る端子間接続構造を備えた容器本体の斜視図である。
【図9】図8に示した液体残量検出ユニット取付け部の平面視を(a)、回路基板の取付けられた液体収容容器の側面視を(b)に表した説明図である。
【図10】図8に示した端子間接続構造の分解斜視図である。
【図11】図8に示した端子間接続構造の斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
1…インクカートリッジ(液体収容容器)、5…容器本体、7…インクパック(液体収容部)、11…液体残量検出ユニット、23…取付け部、31…回路基板、31b…接点、31d,31d…回路基板の端子、33…ユニットケース、34,48…基板側端子導電部材、40,41…端子間導電部材、43,44…センサ側端子導電部材、43e,44e…可撓片、45,49…貫通穴、61…取付け穴、62…接触面、73…絞り部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体収容部を有した容器本体と、
前記液体収容部の液体残量状態を検出するセンサ部材がユニットケースに組み込まれて前記容器本体内に収容される液体残量検出ユニットと、
外部機器との接点を有して前記容器本体外に取付けられる回路基板と、
一端が前記センサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が前記回路基板の端子に電気的に接続される端子間導電部材と、を備える液体収容容器の端子間接続構造であって、
前記端子間導電部材は、前記容器本体に形成された貫通穴を介して前記回路基板の端子に接触する基板側端子導電部材と、前記ユニットケースに取付けられて前記センサ部材の端子に接続されるセンサ側端子導電部材とを有し、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材との接触面が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能であることを特徴とする端子間接続構造。
【請求項2】
前記液体残量検出ユニットは、前記容器本体上の前記回路基板から離れた位置に設定された取付け部に回転操作により取付けられることを特徴とする請求項1に記載の端子間接続構造。
【請求項3】
前記センサ側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能な可撓片を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の端子間接続構造。
【請求項4】
前記基板側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能なバネ部材から成ることを特徴とする請求項3に記載の端子間接続構造。
【請求項5】
前記ユニットケースの位置決め部に圧入固定される前記センサ側端子導電部材の取付け穴の周辺には、当該センサ側端子導電部材の剛性を高める絞り部が、長手方向に沿って形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の端子間接続構造。
【請求項6】
前記貫通穴が、前記回路基板の端子に対する前記基板側端子導電部材の位置を規制することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の端子間接続構造。
【請求項7】
前記請求項1乃至6の何れか1項に記載の端子間接続構造を備えたことを特徴とする液体収容容器。
【請求項8】
請求項4記載の端子間接続構造を備え、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材とを異なるバネ定数に設定した液体収容容器の組立方法であって、
前記容器本体上の取付け部に、前記液体残量検出ユニットを組み付ける工程と、
該液体残量検出ユニットが組み付けられた後、一端を前記センサ側端子導電部材に接触させると共に他端を前記貫通穴から突出させて前記基板側端子導電部材を前記容器本体にセットする工程と、
前記貫通穴から突出させた前記基板側端子導電部材に前記回路基板の端子を接触させ、該回路基板を前記基板側端子導電部材のバネ力に抗し押圧しながら前記容器本体に溶着する工程と、
を含む液体収容容器の組立方法。
【請求項1】
液体を収容する液体収容部を有した容器本体と、
前記液体収容部の液体残量状態を検出するセンサ部材がユニットケースに組み込まれて前記容器本体内に収容される液体残量検出ユニットと、
外部機器との接点を有して前記容器本体外に取付けられる回路基板と、
一端が前記センサ部材の端子に電気的に接続され、且つ他端が前記回路基板の端子に電気的に接続される端子間導電部材と、を備える液体収容容器の端子間接続構造であって、
前記端子間導電部材は、前記容器本体に形成された貫通穴を介して前記回路基板の端子に接触する基板側端子導電部材と、前記ユニットケースに取付けられて前記センサ部材の端子に接続されるセンサ側端子導電部材とを有し、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材との接触面が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能であることを特徴とする端子間接続構造。
【請求項2】
前記液体残量検出ユニットは、前記容器本体上の前記回路基板から離れた位置に設定された取付け部に回転操作により取付けられることを特徴とする請求項1に記載の端子間接続構造。
【請求項3】
前記センサ側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能な可撓片を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の端子間接続構造。
【請求項4】
前記基板側端子導電部材が、前記回路基板の取付け方向に弾性変位可能なバネ部材から成ることを特徴とする請求項3に記載の端子間接続構造。
【請求項5】
前記ユニットケースの位置決め部に圧入固定される前記センサ側端子導電部材の取付け穴の周辺には、当該センサ側端子導電部材の剛性を高める絞り部が、長手方向に沿って形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の端子間接続構造。
【請求項6】
前記貫通穴が、前記回路基板の端子に対する前記基板側端子導電部材の位置を規制することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の端子間接続構造。
【請求項7】
前記請求項1乃至6の何れか1項に記載の端子間接続構造を備えたことを特徴とする液体収容容器。
【請求項8】
請求項4記載の端子間接続構造を備え、
前記センサ側端子導電部材と前記基板側端子導電部材とを異なるバネ定数に設定した液体収容容器の組立方法であって、
前記容器本体上の取付け部に、前記液体残量検出ユニットを組み付ける工程と、
該液体残量検出ユニットが組み付けられた後、一端を前記センサ側端子導電部材に接触させると共に他端を前記貫通穴から突出させて前記基板側端子導電部材を前記容器本体にセットする工程と、
前記貫通穴から突出させた前記基板側端子導電部材に前記回路基板の端子を接触させ、該回路基板を前記基板側端子導電部材のバネ力に抗し押圧しながら前記容器本体に溶着する工程と、
を含む液体収容容器の組立方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−155596(P2008−155596A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350226(P2006−350226)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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