説明

端末装置及びプリンタ装置

【課題】オリジナル画像から得られた原稿の画像を読取って電子データ化する際に、電子データ化された画像データを、オリジナル画像の状態に復元することができる画像処理装置に、原稿画像を提供するための端末装置及びプリンタ装置を提供する。
【解決手段】プリンタ装置と接続される端末装置54は、利用者に画像データを生成させるための画像生成アプリケーション部72と、利用者の指示に応答して、画像生成アプリケーション部72によって生成された画像データを印刷するときの印刷画像にマークを形成するための印刷条件印加部76とを含み、印刷条件印加部76によって画像データに形成されるマークからは、当該画像データの作成条件が確認可能であり、端末装置54はさらに、当該マークが形成された画像データの印刷を指示する印刷指示をプリンタ装置に送信するための印刷指示送信部74を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に画像を提供する端末装置及びプリンタ装置に関し、特に、オリジナル画像から得られた原稿の画像を読取って、当該原稿が作成されたときの条件を読取った画像上のマークから解析し、その条件に基づいて読取った画像をオリジナル画像の状態に復元することができる画像処理装置に、原稿画像を提供するための端末装置及びプリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会社のオフィス等において、ファクシミリ、複写機、及びプリンタとして機能する電子写真方式のMFP(Multifunction Peripheral)が設置され利用されている。
【0003】
最近のMFPは、以下に述べるN‐up機能を有する。
【0004】
N‐up機能とは、MFPが記録用紙に画像データを印刷する際に、複数のページの画像データを1枚の記録用紙に集約して印刷する機能である。以後、Nページ(Nは0より大きい整数である。)の画像データを1枚の記録用紙に集約して印刷することを、「N‐up印刷する。」という。例えば、2ページ及び4ページの画像データを1枚の記録用紙に集約して印刷することは、それぞれ「2‐up印刷する」及び「4‐up印刷する」と呼ばれる。なお、1ページの画像データを1枚の記録用紙に印刷することは、N‐up機能を用いない印刷行為であるが、そのような場合であっても、以後、その印刷行為を「1‐up印刷する」と呼ぶことがある。
【0005】
MFPにN‐up機能を備えることによって、印刷される用紙のページ数を削減できるので、記録用紙にかかる経費及び資源を節約することができる。
【0006】
MFPにN‐up機能が備わるようになったことに伴って、N‐up印刷された原稿の画像を再び電子データ化し、電子データを利用者の希望通りに加工して別の記録用紙に印刷できるようにすることが望ましい。
【0007】
特許文献1は、そのような要望に応えるために、複写機の原稿読取装置によって読取られた原稿が、N‐up印刷されたか否かを判定するための技術を開示している。特許文献1では、複数ページの画像データがN‐up印刷されるとき、各画像データは破線等の仕切り線で区切られて印刷される。特許文献1に記載の複写機は、仕切り線が原稿に描画されているか否かにしたがって、その原稿がN‐up印刷された否かを判定する。複写機は、原稿の画像を読取って、画像内に仕切り線を見つけた場合、読取った原稿の画像データを仕切り線に沿って分割する。複写機は、利用者の指示にしたがって、分割した画像データを加工して別の記録用紙に印刷する処理を実行する。
【0008】
特許文献2も、複写機の原稿読取装置によって読取られた原稿が、N‐up印刷されたか否かを判定するための技術を開示している。特許文献2では、複数の画像データがN‐up印刷される際、各画像データの間に境界線が描画される。境界線とは、実線、破線、又は帯状の空白線等である。特許文献2に記載の複写機は、原稿の画像を読取る際に、原稿に境界線が描画されているか否かを判定することによって、その原稿がN‐up印刷されたか否かを判定する。複写機は、原稿がN‐up印刷されていると判定したときは、境界線にしたがって画像データを分割し、利用者の指示にしたがって、分割された画像を加工して別の記録用紙に印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006‐253973号公報
【特許文献2】特開2004‐304546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、省資源化が進められており、会社のオフィス内において、各種書類ができるだけ電子データで管理されるようになっている。書類を電子化することによって、紙の資源の節約になるからである。したがって、一旦記録用紙に印刷された画像を、再び電子データ化し、電子データをコンピュータに記憶して管理することが望ましい。
【0011】
その場合、読取った画像を電子データ化して、その画像データをディスプレイに表示したとき、表示された画像データが利用者にとって見やすい方向で表示されていることが望ましい。例えば、原稿に文章が描画されていた場合に、その原稿の画像を電子データ化してディスプレイに表示したときに、文字の向きが逆さまに表示されたり、横向きに表示されたりしていては、ディスプレイ上で画像データの表示方向を回転する等の手動操作が必要となり、利用者にとってその電子データの使い勝手が悪くなる。
【0012】
N‐up印刷された原稿の画像を元の画像データに分割して電子化したい場合、特許文献1及び特許文献2に記載された、N‐up印刷されたか否かを判定する技術を用いることが可能である。しかし、特許文献1及び特許文献2に記載されている技術だけでは、以下に述べる課題が生じる。なぜなら、特許文献1及び特許文献2では、それぞれ仕切り線及び境界線があるか否かだけを確認することによって、N‐up印刷されたか否かを判定しているからである。そのような判定方法のみでは、N‐up印刷された原稿の画像を分割したとしても、分割した画像データがN‐up印刷される前の画像と同様の状態に復元されているかはわからない。したがって、特許文献1及び特許文献2に記載の技術だけでは、上記に記載した、電子データ化した画像の復元に関する問題点を解決することはできない。
【0013】
したがって、本発明の目的は、オリジナル画像から得られた原稿の画像を読取って電子データ化する際に、電子データ化された画像データを、オリジナル画像の状態に復元することができる画像処理装置に、原稿画像を提供するための端末装置及びプリンタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
後述する本発明の第1の局面に係る端末装置は、画像処理装置に、オリジナル画像を元に得られた原稿の画像を提供する。画像処理装置は、原稿の画像を読取る。画像処理装置は、読取った画像上のマークを認識する認識手段と、認識手段によって認識されたマークが有する内容を、当該マークから確認する確認手段と、確認手段が、当該マークに原稿の作成条件が含まれることを確認した場合に、当該マークに示されている原稿の作成条件に基づいて、読取った画像をオリジナル画像の状態に復元する画像復元手段とを含む。
【0015】
認識手段は、読取った画像上のマークを認識する。確認手段は、認識手段によって認識されたマークが有する内容を、当該マークから確認する。画像復元手段は、確認手段が、当該マークに原稿の作成条件が含まれることを確認した場合に、当該マークに示されている原稿の作成条件に基づいて、読取った画像をオリジナル画像の状態に復元する。
【0016】
利用者が、画像復元手段によって復元された画像を表示装置上に表示させた場合、オリジナル画像と同じ状態で表示される。利用者は、画像を電子データ化した後で、その画像がオリジナル画像と同じ状態で表示されるように、その画像を逐一修正する必要がない。したがって、原稿の画像を電子データ化した後、利用者にとっての使い勝手は良くなる。その結果、オリジナル画像から得られた原稿の画像を読取って電子データ化する際に、電子データ化された画像データを、オリジナル画像の状態に復元するための画像処理装置を提供することができる。
【0017】
好ましくは、画像復元手段は、確認手段が、当該マークに原稿の作成条件が含まれることを確認した場合に、当該マークに示されている原稿の作成条件に基づいて、読取った画像の画像方向を復元する。
【0018】
より好ましくは、画像処理装置はさらに、原稿の画像を入力するための画像入力手段を含む。確認手段は、画像入力手段に入力された入力画像上のマークから、当該原稿の画像において当該マークが形成された位置に関する位置情報を確認する。画像復元手段は、入力画像上のマークの位置と位置情報とを比較することによって、入力画像の画像方向を復元する。
【0019】
利用者が、画像復元手段によって記憶された画像を表示装置上に表示させた場合、その画像はオリジナル画像と同じ方向を向いている。利用者は、画像を電子データ化した後で、その画像の方向を逐一修正する必要がない。したがって、原稿の画像を電子データ化した後、利用者にとっての使い勝手は良くなる。その結果、オリジナル画像から得られた原稿の画像を読取って電子データ化する際に、電子データ化された画像データを、オリジナル画像の状態に復元するための画像処理装置を提供することができる。
【0020】
さらに好ましくは、画像入力手段に入力される原稿には、当該原稿の分割領域に、複数の画像が描画されている。当該原稿に形成されるマークからは、当該原稿の分割領域の情報がさらに確認可能である。確認手段は、入力画像上のマークから、分割領域の情報をさらに確認する。画像復元手段はさらに、画像方向が復元された画像を、確認手段によって確認された分割領域の情報にしたがって分割する。
【0021】
原稿に複数のページの画像が集約されて印刷されていたとしても、各ページの画像は、オリジナル画像と同じ向きで表示されるように分割される。したがって、そのような原稿の画像を読取って電子データ化した後、利用者にとっての使い勝手は良くなる。
【0022】
より好ましくは、画像入力手段に入力される原稿には、複数の画像がN‐up印刷されている。分割領域の情報は、N‐up数である。
【0023】
N‐up印刷された原稿の画像であっても、各画像がオリジナル画像と同じように表示されるように分割される。したがって、それらの画像を電子データ化した後、利用者にとっての使い勝手は良くなる。
【0024】
さらに好ましくは、画像処理装置はさらに、画像復元手段によって復元された画像から、マークを消去するための消去手段を含む。
【0025】
消去手段は、復元された画像からマークを消去する。入力画像が回転されて記憶されれば、マークは不要となる。したがって、余分な情報を消去することが可能となる。
【0026】
さらに好ましくは、読取った画像上のマークは、QRコード(登録商標)である。確認手段は、認識手段によって認識されたQRコードが有する内容を確認する。
【0027】
QRコードについては既に確立された技術が存在しており、実現はきわめて容易であり、その上、QRコードは小さな画像で大量の情報を符号化することができる。したがって、情報を符号画像として書類に記録する際の情報量に余裕が生じ、原稿の一部に情報を記録してもコンパクトに収めることが可能で、原稿の外観を損なうおそれが小さい。
【0028】
さらに好ましくは、画像入力手段は、複数の原稿の画像を入力する。複数の原稿の画像のうち、少なくとも1ページ目の原稿の画像には、マークが形成されている。画像復元手段は、2ページ目以降の画像の各々に対して、認識手段が当該画像上においてマークを認識することが出来なかったときに、1ページ目の画像と同様にして当該画像をオリジナル画像の状態に復元するための手段とを含む。
【0029】
さらに好ましくは、画像入力手段は、複数の原稿の画像を入力する。複数の原稿の画像のうち、少なくとも1ページ目の原稿の画像には、マークが形成されている。画像復元手段は、2ページ目以降の画像の各々に対して、認識手段が当該画像上においてマークを認識することが出来たか否かにしたがって、1ページ目の画像と同様にして当該画像をオリジナル画像の状態に復元する処理と、当該画像に対して何も行なわない処理とを選択的に実行するための手段とを含む。
【0030】
さらに好ましくは、当該原稿に形成されるマークからは、オリジナル画像のサイズがさらに確認可能である。画像復元手段は、読取った画像のサイズが、確認手段によって確認されたオリジナル画像のサイズに一致するように、読取った画像を拡大又は縮小するための手段を含む。
【0031】
さらに好ましくは、画像入力手段は、原稿を載置するための、光を透過可能な部材からなる原稿載置台と、原稿載置台の下に設置される露光ランプと、露光ランプから照射され、原稿載置台に載置された原稿から反射された光の強度を検出することにより、当該原稿の画像を読取る原稿読取手段とを含む。
【0032】
本発明の第1の局面に係る端末装置は、プリンタ装置と接続される端末装置である。端末装置は、利用者に画像データを生成させるための画像生成手段と、利用者の指示に応答して、画像生成手段によって生成された画像データを印刷するときの印刷画像にマークを形成するためのマーク形成手段とを含む。マーク形成手段によって画像データに形成されるマークからは、当該画像データの作成条件が確認可能である。端末装置はさらに、当該マークが形成された画像データの印刷を指示する印刷指示をプリンタ装置に送信するための送信手段を含む。
【0033】
好ましくは、マーク形成手段は、印刷画像が複数のページである場合に、1ページ目の印刷画像にのみマークを形成する。
【0034】
より好ましくは、印刷画像は、長方形状である。マーク形成手段は、印刷画像のいずれかの頂点領域にマークを形成する。
【0035】
さらに好ましくは、マーク形成手段は、印刷画像のいずれかの頂点領域が空白画像でなかったときに、マークを印刷画像上に形成せずに、マークを形成することができない旨を利用者に提示する。
【0036】
本発明の第2の局面に係るプリンタ装置は、端末装置と接続されるプリンタ装置である。プリンタ装置は、端末装置から、マークが形成された印刷画像の印刷を指示する印刷指示を受信するための受信手段と、受信手段が印刷指示を受信したことに応答して、記録用紙上に、印刷画像のうち、マークを不可視インクで印字し、かつ、印刷画像のうち、マーク以外の画像を通常のインクで印字するための印字手段とを含む。
【発明の効果】
【0037】
以上のように本発明によれば、利用者が、本発明に係る端末装置によって提供される原稿画像を、画像処理装置によって画像処理して表示装置上に表示させた場合、その画像は、オリジナル画像と同じ状態で表示される。利用者は、画像を電子データ化した後で、その画像がオリジナル画像と同じ状態で表示されるように、その画像を逐一修正する必要がない。したがって、原稿の画像を電子データ化した後、利用者にとっての使い勝手は良くなる。その結果、原稿の画像を読取って電子データ化する際に、電子データ化された画像データを、オリジナル画像の状態に復元する画像処理装置に、原稿画像を提供するための端末装置及びプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステム50の全体構造を示す模式図である。
【図2】図1に示す端末装置54のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すサーバ装置58のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すプリンタ装置56のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す画像処理装置52の外観構成を示す斜視図である。
【図6】図1に示す画像読取部152の外観構成及び内部構成を示す図である。
【図7】図1に示す画像読取部152のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】図5に示す操作装置154の平面図である。
【図9】印刷条件の設定画面を示す図である。
【図10】原稿内のQRコードに格納される情報について示す図である。
【図11】図2に示すCPU70によって実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図12】図4に示す制御部110によって実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図13】図7に示す制御部250によって実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図14】図13に示すステップ410の詳細なフローである。
【図15】N‐up印刷の情報について示す図である。
【図16】画像を復元する様子について示す図である。
【図17】画像を復元する様子について示す図である。
【図18】画像を復元する様子について示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステム650の全体構成を示す図である。
【図20】図19に示す画像処理装置652のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図21】フィットページ印刷をする場合の解像度計算について示す図である。
【図22】画像を復元する様子について示す図である。
【図23】画像を復元する様子について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0040】
[第1の実施の形態]
(ネットワーク環境)
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム50の全体構成を示す模式図である。図1を参照して、ネットワークシステム50は、LAN(Local Area Network)60に接続されており、ファクシミリ、複写機、及びプリンタとして機能する電子写真方式のMFPである画像処理装置52と、LAN60を介して画像処理装置52と接続されている、プリンタとして機能するプリンタ装置56と、LAN60を介して画像処理装置52及びプリンタ装置56と接続されている、PC(Personal Computer)等の端末装置54と、LAN60を介して画像処理装置52、プリンタ装置56、及び端末装置54と接続されている、画像処理装置52によって読取られた原稿の画像データを管理するためのサーバ装置58とを含む。
【0041】
(端末装置54の構成)
図2は、端末装置54の内部構成を示すブロック図である。図2を参照して、端末装置54は、ディスプレイ等の表示装置と利用者によって操作される、マウス及びキーボード等の操作装置等とからなる、利用者への入出力インタフェースを提供するためのコンソール装置82と、LAN60に接続され、LAN60を介して他の装置とデータの送受信を行なうためのNIC(Network Interface Card)80と、プログラム等の種々の情報を記憶するための記憶装置78とを含む。
【0042】
端末装置54はさらに、利用者に対して、画像データを生成するアプリケーションを実行するための画像生成アプリケーション部72と、利用者の指示に応答して、画像生成アプリケーション部72によって生成された画像データを印刷するための印刷指示を、NIC80を介してプリンタ装置56に送信するための印刷指示送信部74と、印刷指示送信部74が印刷指示を送信するときに、利用者によって設定された、印刷用紙のサイズ、及び両面印刷等の印刷条件を印刷指示に付加するための印刷条件印加部76とを含む。
【0043】
端末装置54はさらに、コンソール装置82、NIC80、記憶装置78、画像生成アプリケーション部72、印刷指示送信部74、及び印刷条件印加部76に接続されたバス84と、バス84に接続され、端末装置54の各部を操作し、プログラムを実行することで種々の機能を実現するためのCPU(Central Processing Unit)70とを含む。
【0044】
(サーバ装置58の構成)
図3は、サーバ装置58の内部構成を示すブロック図である。図3を参照して、サーバ装置58は、LAN60を介して他の装置とデータの送受信を行なうためのNIC96と、プログラム等の種々の情報を記憶するための記憶装置94と、NIC96を介して他の装置から画像データを受信したことに応答して、受信した画像データを記憶装置94に記憶するためのファイルサーバ部92とを含む。
【0045】
サーバ装置58はさらに、NIC96、記憶装置94、及びファイルサーバ部92に接続されたバス98と、バス98に接続され、サーバ装置58の各部を操作し、プログラムを実行することで種々の機能を実現するためのCPU90とを含む。
【0046】
(プリンタ装置56の構成)
図4は、プリンタ装置56の内部構成を示すブロック図である。図4を参照して、プリンタ装置56は、LAN60を介して他の装置とデータの送受信を行なうためのNIC122と、プログラム等の種々の情報を記憶するための記憶装置124と、NIC122を介して端末装置54から受信した印刷指示にしたがって、画像データに基づく画像を記録紙上に形成するための画像形成部112とを含む。
【0047】
プリンタ装置56はさらに、NIC122、記憶装置124、及び画像形成部112に接続されたバス126と、バス126に接続され、プリンタ装置56の各部を操作し、プログラムを実行することで種々の機能を実現するための制御部110とを含む。
【0048】
制御部110は、プリンタ装置56の全体の制御を司るものであって、CPU等から構成されており、NIC122、記憶装置124、及び画像形成部112に対する制御は、制御部110により行なわれる。
【0049】
プリンタ装置56には長方形状の記録用紙がセットされており、画像形成部112は、端末装置54から印刷指示を受信したことに応答して、当該印刷指示にしたがって記録用紙に画像を形成する。印刷指示に印刷条件が付加されていた場合、画像形成部112は、記録用紙の一方の面の4つの頂点のいずれかに、印刷条件を格納したQRコードを不可視インクで印字する。プリンタ装置56は、QRコード以外の画像に対しては通常のインクで印字する。なお、ここでの不可視インクとは、当該インクが記録用紙に印字された後所定の時間が経過すれば、人間の肉眼ではその印字箇所を見ることのできないインクである。本実施の形態では、その印字箇所に紫外線を照射したときに蛍光を発する不可視インクを用いる。
【0050】
(画像処理装置52の構成)
図5は、画像処理装置52の外観を示す斜視図である。図5を参照して、画像処理装置52は、画像読取部152、操作装置154、及び画像形成部156を備えている。
【0051】
ここで、画像読取部152が原稿の画像を読取るための動作説明を、画像読取部152の構成に関する説明と共に行なう。
【0052】
図6(A)は、画像読取部152の外観構成を示す斜視図である。図6(B)は、画像読取部152の内部構成を簡略化して示す図である。図6(A)及び図6(B)を参照して、画像読取部152は、手操作により原稿を読取る際に原稿が載置される、原稿載置台となるガラス製のプラテンガラス206と、プラテンガラス206に置かれた原稿を押圧し、外部から入射する光を遮るための原稿カバー182と、原稿カバー182上に設けられ、原稿カバー182上の原稿セットトレイ162上に載置された複数の原稿を連続して読取る際に原稿を搬送するためのADF(Auto Document Feeder)190と、ADF190を用いて原稿を搬送しながら読取る時に使用される原稿読取部192と、原稿カバー182の開閉を検知するための原稿カバー開閉検知センサ184と、プラテンガラス206上に載置された原稿のサイズを検知するために使用される、プラテンガラス206の内部の所定位置に配置された複数個の反射型センサ180とを含む。これら反射型センサ180は、プラテンガラス206の上に原稿が置かれているか否かを検出する原稿検出センサを兼ねる。
【0053】
図5、図6(A)、及び図6(B)を参照して、利用者は、プラテンガラス206に、画像が描画された表面が下側を向くように、原稿をセットする。利用者は操作装置154を操作して原稿読取の指示をする。
【0054】
上記指示に応答して、読取部210が原稿の表面(下側面)を読取る。読取部210は、第1の走査ユニット212、及び第2の走査ユニット214を有している。第1の走査ユニット212及び第2の走査ユニット214をいずれも所定位置に移動して位置決めする。第1の走査ユニット212の露光ランプが紫外線光を照射することによりプラテンガラス206を介して原稿の表面を照射し、原稿の反射光を第1の走査ユニット212及び第2の走査ユニット214の各反射ミラーにより結像レンズ216へと導く。導かれた原稿の反射光を結像レンズ216によりCCD(Charge Coupled Device)218に集光させ、原稿の表面の画像をCCD218上に結像させて原稿の表面の画像を読取る。
【0055】
以下、読取られた原稿の画像が、どのように電子データ化されるかについて説明する。プラテンガラス206の表面は長方形状であり、その表面のある短辺186は、原稿読取部192に平行である。また、プラテンガラス206の表面は、長辺188を有する。利用者は、プラテンガラス206に原稿をセットする際に、原稿の表面のある頂点が、プラテンガラス206の短辺186と長辺188との交点に一致するようにセットし、かつ、原稿の表面のある長辺及び短辺のいずれかが、プラテンガラス206の短辺186に接するようにセットする。
【0056】
そのように原稿がプラテンガラス206にセットされ、利用者が原稿画像読取の指示をした場合、画像処理装置52は、原稿の表面の各辺のうち、長辺188に接する辺が、利用者にとって上辺に見えるように、かつ、原稿の表面の各辺のうち、短辺186に接する辺が、利用者にとって右辺に見えるように、原稿の表面の画像を電子データ化する。
【0057】
[画像処理装置52のハードウェア構成]
図7は画像処理装置52のハードウェア構成を示すブロック図である。以下、画像処理装置52の構成のうち、上で説明したもの以外について説明する。
【0058】
図7を参照して、本画像処理装置52は、上に構成及び動作を説明した画像読取部152と、画像読取部152によって読取られた画像信号に対して画像処理を行なって出力するための画像処理部262と、画像処理部262によって出力された画像を用紙上に形成する印刷出力を行なう画像形成部156とを含む。
【0059】
画像処理装置52はさらに、LAN60を介して他の装置とデータの送受信を行なうためのNIC254と、画像読取部152の前部の左側に設置されており、利用者が画像処理装置52を操作する際に使用される操作装置154と、プログラム等の種々の情報、画像読取部152によって読取られた画像、及び画像処理部262によってデジタル処理された画像データ等を記憶するための記憶装置252とを含む。
【0060】
画像処理装置52はさらに、画像読取部152が読取った原稿の画像データにQRコードが含まれている場合に、そのQRコードに格納されている印刷条件を解析するための印刷条件認識部258と、印刷条件認識部258によって解析された印刷条件にしたがって、画像読取部152によって読取られた画像データを利用者にとって見やすい向きに回転させたりして加工するための画像復元部260とを含む。
【0061】
画像処理装置52はさらに、画像読取部152、画像処理部262、画像形成部156、NIC254、操作装置154、記憶装置252、印刷条件認識部258、及び画像復元部260に接続されたバス256と、バス256に接続され、所定の制御プログラムを実行することにより画像処理装置52の各部を制御し、画像形成装置としての一般的機能を実現するための制御部250とを含む。
【0062】
制御部250は、画像処理装置52の全体の制御を司るものであって、CPU等から構成されており、画像読取部152、画像処理部262、画像形成部156、NIC254、操作装置154、記憶装置252、印刷条件認識部258、及び画像復元部260に対する制御は、制御部250により行なわれる。
【0063】
(操作装置154の構成)
図8は、操作装置154の構成を示す平面図である。図7及び図8を参照して、操作装置154は、操作装置154の表面の右側領域282に配置されており、テンキー、及びその他の種々の操作ボタンであるハードキーが備えられている板状の操作パネル164と、操作装置154の中央部から左側領域280にわたって配置されており、小型のタッチパネル一体型液晶表示装置から構成されている表示パネル158とを含む。操作パネル164と表示パネル158とは一つの筐体に保持され、操作装置154は全体として一体となるように構成されている。
【0064】
表示パネル158は、GUI(Graphical User Interface)を提供するための表示部160と、表示部160上に積層されており、利用者によって操作され、操作内容に対応する信号を出力するためのタッチパネルからなる、スキャナ制御機能を有する操作部166とを含む。
【0065】
以下、操作部166はスキャナ制御機能を有する点を除き、通常のタッチパネルと同様に動作する。すなわち、制御部250は、状態に応じて表示部160に、種々のソフトウェアキーを配置した画面を表示する。利用者がソフトウェアキーにタッチすると、操作部166がタッチされた位置を示す座標を制御部250に送信する。制御部250は、表示部160に表示されたソフトウェアキーの位置と、入力された座標とによって操作者の操作が何かを判定する。操作者が図示しないハードウェアキーを操作した場合には、そのハードウェアキーから特定のキーコードが制御部250に送信される。制御部250はそのキーコードに応じて操作者の操作を判定する。
【0066】
端末装置54の利用者が、画像生成アプリケーション部72を利用して画像データを生成する場合、当該アプリケーションでは長方形状の画像を利用者に生成させる。当該長方形の長辺は、表示装置上において、利用者にとって垂直又は水平に見えるように表示される。
【0067】
利用者が、当該アプリケーション上で画像を生成し、その画像データの印刷指示を送信する指示を出したとき、端末装置54の図示しない表示装置には、印刷条件を設定するための設定画面が表示される。その設定画面では、利用者は、印刷部数、N‐up印刷をするか否かを示すN‐up数、後述するN−up配置方向、印刷用紙のサイズ、及び画像印刷時の解像度を設定することができる。本実施の形態において、解像度の単位はdpi(dot per inch)であるものとする。
【0068】
Nを4以上としてN‐up印刷するとき、複数のページの画像は1枚の原稿に複数行かつ複数列に配置され印刷される。N‐up配置方向とは、Nが4以上の場合に、複数のページの画像データを原稿に配置する順番を定めるためのものであり、以下に述べる第1の配置方法及び第2の配置方法のいずれかである。
【0069】
第1の配置方法では、先ず、原稿の1行目において、左から右に順番に画像を配置する。続いて、2行目において、左から右へ順番に画像を配置する。以下同様にして、3行目以降の各行において、画像を左から右へ順番に配置する処理を、最後の行まで繰返す。
【0070】
第2の配置方法では、先ず、原稿の1列目において、上から下へ順番に画像を配置する。続いて、2列目において、上から下に順番に画像を配置する。以下同様にして、3列目以降の各列において、画像を上から下に順番に配置する処理を、最後の列まで繰返す。
【0071】
画像印刷時の解像度は、この印刷指示にしたがってプリンタ装置56が印刷するときに、その印刷時の解像度を指定するための設定条件である。画像印刷時の解像度が指定されていた場合、プリンタ装置56は、その解像度で印刷する。
【0072】
図9は、上記の印刷条件を入力するための設定画面の一例を示す図である。図9を参照して、設定画面290は、印刷部数を指定するために1以上の整数を入力するためのプルダウンメニュー292、N‐up印刷するか否かを入力するためのプルダウンメニュー296、画像印刷時の解像度を入力するためのテキストボックス298、及び印刷用紙のサイズを入力するためのプルダウンメニュー302、N‐up配置方向を第1の配置方法及び第2の配置方法のいずれにするかを設定するためのラジオボタン306、確定ボタン304、並びに印刷条件の設定をキャンセルするためのキャンセルボタン308を含む。
【0073】
プルダウンメニュー302には、A3、A4、及びA5等のように、記録用紙のサイズを指定することができる。また、図示していないが、利用者は、アプリケーションで画像を生成したときの画像サイズ(スキャン後に復元したいサイズ)を、印刷指示の送信時に設定することが可能である。
【0074】
確定ボタン304を押下する操作が利用者によってなされると、端末装置54は、設定画面290に入力された印刷条件を印刷指示に付加して、当該印刷指示をプリンタ装置56に送信する。
【0075】
キャンセルボタン308を押下する操作が利用者によってなされると、端末装置54は、図示しない表示装置の表示面上から設定画面290を消去する。
【0076】
図10は、印刷条件が付加された印刷指示にしたがって、プリンタ装置56によって印刷された原稿の一例を示す図である。図10を参照して、原稿310はプリンタ装置56によって印刷された原稿である。原稿310の表面のある頂点には印刷条件を格納したQRコード312が描画されている。図10においては、QRコード312は、斜線で示されているが、プリンタ装置56はQRコードを不可視インクで印字するため、利用者は、このQRコード312を肉眼では見ることはできない。
【0077】
QRコード312には、上記した設定画面において利用者に入力された用紙サイズ、画像印刷時の解像度、N‐up数、及びN‐upの配置方向と、アプリケーションで生成された画像のサイズ(以下、画像生成時のサイズと呼ぶ。)と、N‐up印刷されたときに当該記録用紙に集約された画像の総ページ数と、原稿の表面においてQRコードが印字された場所に関する情報(以下、コード印加場所と呼ぶ。)とが格納される。
【0078】
QRコード312のN−up配置方向には、「第1の配置方法」及び「第2の配置方法」のいずれかが格納される。
【0079】
画像のサイズには、アプリケーションで生成された画像の長辺及び短辺の長さが格納される。
【0080】
したがって、QRコードに格納されるN‐up数と、総ページ数とが一致するとは限らない。なぜなら、アプリケーションで生成された画像が5ページであった場合、それらの画像を9‐up印刷するときがあるからである。
【0081】
通常、原稿の画像が長方形状である場合、当該画像は表示装置上において、互いに平行なある2辺が、利用者にとって略垂直に見えるように表示される。画像がそのように表示されると、画像の4つの各頂点は、利用者にとってそれぞれ「右下」、「右上」、「左下」、及び「左上」に位置するものとして認識される。
【0082】
コード印加場所は、画像が表示装置上に表示されているときに、利用者にとって「右下」、「右上」、「左下」、及び「左上」の頂点のいずれに印加されたかを示す情報である。コード印加場所には、「右下」、「右上」、「左下」、及び「左上」のいずれかが格納される。コード印加場所がどのように決定されるかについては、後述する。
【0083】
(ソフトウェア構成)
端末装置54の利用者は、画像生成アプリケーション部72によって提供されるアプリケーションを利用することによって画像データを生成する。本実施の形態では、その画像データは長方形状として生成される。利用者が、当該画像データを印刷するための印刷指示を送信する操作を端末装置54に対して行なった場合、端末装置54は、図示しない表示装置上に印刷条件を入力させるための設定画面290を表示する。
【0084】
図11は、上記したアプリケーションが利用者によって利用されているとき、端末装置54のCPU70によって実行される、印刷指示送信部74を制御するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図11を参照して、このプログラムは、利用者が、図9に示す設定画面290において確定ボタン304を押下するまで待機するステップ350と、ステップ350において確定ボタン304が押下された場合に、利用者によって生成された画像データのある頂点が空白であるか否かをチェックするステップ352とを含む。
【0085】
利用者が設定画面でN‐up印刷するように設定していた場合、ステップ352では、複数ページの画像を集約した後の画像の頂点が、空白であるか否かをチェックする。
【0086】
このプログラムはさらに、ステップ352の後、ステップ352においてチェックした頂点が空白であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ354とを含む。
【0087】
このプログラムはさらに、ステップ354において、ステップ352においてチェックした頂点が空白であると判定した場合に、設定画面で入力された印刷条件等を格納したQRコードをその頂点に描画するステップ356と、ステップ356の後、その画像データの印刷を指示する印刷指示をプリンタ装置56に送信して、制御をステップ350に戻すステップ358とを含む。なお、ステップ360において、画像データの頂点のうち未だチェックされていない頂点があると判定された場合、制御はステップ352に戻る。
【0088】
ステップ356では、具体的には以下のようにして、印刷条件の各々を定める。ステップ356では、ステップ352において空白であると判定された頂点が、表示装置上において、「右下」、「右上」、「左上」、及び「左下」のいずれの頂点であるかを判定し、判定結果に応じて「右下」、「右上」、「左上」、又は「左下」の文字列をコード印加場所に格納する。総ページ数は、利用者がアプリケーションで生成した画像のページ数が格納される。QRコードに格納される画像のサイズには、表示装置上において100%で画像データを表示したときの画像データの長辺及び短辺の長さが格納される。
【0089】
このプログラムはさらに、ステップ354において、ステップ352においてチェックした頂点が空白でないと判定した場合に、画像データの頂点のうち未だチェックされていない頂点があるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ360と、ステップ360において、画像データの頂点のうち未だチェックされていない頂点がないと判定された場合、QRコードを印字することが不可能である旨を示すメッセージを表示装置に表示して、制御をステップ350に戻すステップ362を含む。
【0090】
図12は、プリンタ装置56が起動された際にプリンタ装置56の制御部110によって実行される、画像形成部112を制御するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図12を参照して、このプログラムは、端末装置54から印刷指示を受信するまで待機するステップ370と、ステップ370において印刷指示を受信した場合に、QRコードが画像データに描画されていれば、QRコードを不可視インクで記録用紙に印字し、かつQRコード以外の画像を通常のインクで記録用紙に印字して、制御をステップ370に戻すステップ372とを含む。
【0091】
ステップ372では、複数枚の記録用紙に印刷する場合、1ページ目だけにQRコードを印字するか、又は、全てのページにQRコードを印字する。いずれの方法でQRコードを印字するかは、利用者によって予め設定される。
【0092】
図13及び図14は、画像処理装置52で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0093】
利用者は、プラテンガラス206にプリンタ装置56によって印刷された原稿をセットする。利用者は、操作装置154を操作して、原稿画像読取の指示をする。
【0094】
図13は、利用者によって当該指示がなされたときに、画像処理装置52の制御部250によって実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図13を参照して、このプログラムは、デフォルトの解像度で画像読取部152に原稿の画像を読取らせるステップ404と、ステップ404の後、読取られた画像データの4つの頂点を検索して、QRコードが描画されていることを認識できたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ408とを含む。
【0095】
ステップ408では、プリンタ装置56によって原稿にQRコードが印字されなかった場合、又は、QRコードが印字されたけれども画像状態が悪くQRコードであると認識することが出来なかった場合に、QRコードが描画されていることを認識できなかったと判定される。
【0096】
このプログラムはさらに、ステップ408において、QRコードが描画されていることを認識できた場合に、QRコードに画像印刷時の解像度が格納されていれば、読取時解像度と印刷時解像度とを比較して、読取時解像度が印刷時解像度を超える場合に、解像度ダウン処理又は再スキャン処理を行なうステップ428と、ステップ428の後、QRコードを画像から消去するステップ412と、ステップ412の後、QRコードに格納されていた情報にしたがって、後述する画像復元処理を実行するステップ410とを含む。
【0097】
画像復元処理では、読取った原稿画像がN‐up印刷された画像であれば、画像を分割する処理を実行したり、利用者にとって画像が見やすくなるように画像を回転する処理を実行したりする。
【0098】
このプログラムはさらに、ステップ410の後、復元した画像データをサーバ装置58に送信するステップ414と、ステップ414の後、次のページの原稿を読取るように利用者によって指示されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ416とを含む。なお、ステップ416において、次の原稿を読取るように利用者によって指示されなかった場合、このプログラムは終了する。
【0099】
このプログラムはさらに、ステップ416において次のページの原稿を読取るように利用者によって指示された場合に、利用者に次のページの原稿をセットさせて、制御をステップ404に戻すステップ430とを含む。
【0100】
このプログラムはさらに、ステップ408においてQRコードが描画されていることを
認識できなかった場合、以下に述べるいずれかの処理内容を利用者に選択させるステップ
420を含む。
【0101】
1つの印刷指示で、プリンタ装置56が複数枚の記録用紙に画像を形成した場合、1ページ目だけにQRコードが印字されている場合ある。
【0102】
そのような場合、ステップ420では、利用者に対して、1ページに印字されているQRコードと同じ印刷条件で画像を復元するか、又は、読取った画像をそのまま記憶する(すなわち、1‐up画像として記憶し、読取った画像のサイズを変換させず、かつ読取った画像を回転させない。)か、又は現在読取った原稿には何の処理もせずに次の原稿のための処理にスキップするかを選択させる。
【0103】
このプログラムはさらに、ステップ420の後、ステップ420において利用者が、1ページ目に印字されているQRコードと同じ印刷条件で画像を復元することを選択したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ422と、ステップ422において、利用者が、1ページ目に印字されているQRコードと同じ印刷条件で画像を復元することを選択しなかった場合に、利用者が、読取った画像をそのまま記憶するように選択したか否かを判定し、判定結果に従って制御の流れを分岐させるステップ424と、ステップ424において、利用者が、読取った画像をそのまま記憶するように選択していないと判定した場合、利用者が、現在読取った原稿には何の処理もせずに次の原稿の処理にスキップすることを選択したか否かにしたがって制御の流れを分岐させるステップ426とを含む。なお、ステップ422において、利用者が、1ページ目に印字されているQRコードと同じ印刷条件で画像を復元することを選択したと判定した場合、制御はステップ428に進む。ステップ424において、利用者が、読取った画像をそのまま記憶するように選択したと判定した場合、制御はステップ414に進む。ステップ426において、利用者が、現在読取った原稿には何の処理もせずに次の原稿の処理にスキップすることを選択したと判定した場合、制御はステップ416に進む。ステップ426において、利用者が、現在読取った原稿には何の処理もせずに次の原稿の処理にスキップすることを選択していないと判定した場合、このプログラムは終了する。
【0104】
サーバ装置58のファイルサーバ部92は、ステップ414において送信された画像データを受信すると、当該データを記憶装置94に記憶する。
【0105】
図14は、図13に示すステップ410の詳細なフローである。図14を参照して、このルーチンは、QRコードに格納されたコード印加場所と、読取った画像においてQRコードが印字されている頂点の位置とを比較することによって、アプリケーションで生成された画像に対する読取った画像の向きを認識するステップ454と、ステップ454の後、ステップ454において認識された画像の向きにしたがって、読取った画像の向きが、アプリケーションで生成された画像の向きと一致するように、画像データを回転させるステップ456とを含む。
【0106】
ステップ456では、具体的には以下のようにして画像を回転させる。
【0107】
コード印加場所に「右下」が格納されており、かつ、読取った画像のQRコードが、画像の右下、右上、左下、及び左上に位置していた場合、画像データをそれぞれ、0度回転(つまり、回転させない)、時計回りに90度回転、反時計回りに90度回転、及び180度回転させる。
【0108】
コード印加場所に「右上」が格納されており、かつ、読取った画像のQRコードが、画像の右下、右上、左下、及び左上に位置していた場合、画像データをそれぞれ、反時計回りに90度回転、0度回転、180度回転、及び時計回りに90度回転させる。
【0109】
コード印加場所に「左下」が格納されており、かつ、読取った画像のQRコードが、画像の右下、右上、左下、及び左上に位置していた場合、画像データをそれぞれ、時計回りに90度回転、180度回転、0度回転、及び反時計回りに90度回転させる。
【0110】
コード印加場所に「左上」が格納されており、かつ、読取った画像のQRコードが、画像の右下、右上、左下、及び左上に位置していた場合、画像データをそれぞれ、180度回転、反時計回りに90度回転、時計回りに90度回転、及び0度回転させる。
【0111】
このプログラムはさらに、ステップ456の後、QRコードに格納されている画像サイズと、読取った画像のサイズとが同じであるか否を確認して、画像を拡大又は縮小する必要があるか否かを確認するステップ458と、ステップ458の後、画像を拡大又は縮小する必要がある場合に、画像データの解像度を変更することによって画像データを拡大又は縮小するステップ460とを含む。
【0112】
端末装置54上のアプリケーションで生成された画像のサイズと、印刷指示時に利用者によって指定された記録用紙のサイズとが同じであるとは限らない。したがってステップ460では、画像のサイズをアプリケーションで生成された画像のサイズに戻す処理を行なう。具体的には、ステップ460では、データの解像度を変更することによって、読取った画像の長辺及び短辺が、QRコードに格納されている長辺及び短辺の長さに一致するように、読取った画像を拡大又は縮小する。本実施の形態において、画像データのドット数は固定であり、画像データのdpiによって画像のサイズが決まる。さらに、画像データを閲覧するためのビューアがディスプレイのdpiを参照することにより、画面表示時のドットサイズが決まる。
【0113】
図21は、フィットページ印刷をする場合の解像度計算について示す図である。以下、nを0より大きい整数とする。図21を参照して、フィットページ印刷において、BnサイズからA(n−1)サイズに変換する場合の解像度比は、1.15である。したがって、Bnサイズの原稿の画像をA(n−1)サイズの画像に復元したい場合は、その解像度比を元の解像度に乗算すればよい。
【0114】
また、AnサイズからBnサイズに復元する場合の解像度比は、1.22である。さらに、BnサイズからB(n−1)に復元する場合、又はAnサイズからA(n−1)に復元する場合の解像度比は、1.41である。
【0115】
このプログラムはさらに、ステップ460の後、QRコードに格納されているN‐up数にしたがって画像を分割して、サイズを復元するステップ462を含む。
【0116】
ステップ462では、具体的には、以下の処理を行なう。
【0117】
図15は、N‐up印刷された原稿を分割する場合に、各N‐up数に応じて画像を復元するための情報を示す表である。図15を参照して、この表は、N‐up数ごとに、ステップ460の後、画像を分割した後に、分割した画像を回転させる必要の有無があるか否かを示す情報と、当該N‐up印刷された際に、記録用紙の短辺及び長辺の分割数を示す情報、及び当該N‐up印刷された記録用紙を読取ったときの解像度と、分割した画像を元のサイズに復元したときの解像度との比を示す情報とを示す。
【0118】
任意のN‐up数について、N‐up印刷された原稿の画像を分割する方法は、従来よく知られた技術なので、ここではその詳細については省略する。
【0119】
2up印刷、6up印刷、又は8up印刷された原稿では、元々、アプリケーションで作成された各画像の短辺が、記録用紙の長辺と平行になるように印刷される。ステップ454において回転されたとき、アプリケーションで作成された画像の上辺が、回転された画像の横側の辺に平行になるように配置される。したがって、それらのN‐up印刷された原稿を分割する場合、画像を90度回転させた後、分割する。
【0120】
なお、どの方向に90度回転させるかは、画像が表示装置上において利用者にとって正立して表示されるように自動的に決定される。
【0121】
ステップ460では、画像を分割して回転させた後、その画像の長辺及び短辺の長さが、QRコードに格納されている、それぞれ長辺及び短辺の長さに一致するように、分割した各画像を拡大又は縮小する。
【0122】
このプログラムはさらに、ステップ462の後、各画像を記憶装置252に記憶して、このルーチンを終了するステップ468とを含む。
【0123】
分割された画像データは、サーバ装置58に送信された後、PDF(Portable Document Format)リーダで閲覧される。画像データからPDFファイルを生成する場合、生成前に解像度を設定する必要がある。解像度を設定するのは、後でPDFファイルを生成するためである。
【0124】
さらに、分割された画像データは、サーバ装置58に送信された後,TIFF(Image File Format)ビューアでも閲覧される。TIFFビューアの場合、当該ビューアが期待するサイズで画像を表示できるようにするため、画像に付加情報を与える。本実施の形態では、その付加情報として、解像度を設定する。
【0125】
(動作)
図1〜14を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係るネットワークシステム50は以下のように動作する。
【0126】
利用者は、端末装置54上において、画像を生成するアプリケーションで画像を生成する。利用者は、画像を生成した後、端末装置54に対して、その画像を印刷するための指示を出す。端末装置54は、その指示に応答して、設定画面290を表示装置上に表示する。利用者は、設定画面290において、印刷条件を入力し、確定ボタン304を押下する操作をする。
【0127】
端末装置54は、確定ボタン304が押下されると、原稿に印刷される画像のある頂点が空白であるか否かをチェックする(図11に示すステップ352)。端末装置54は、印刷される画像の4つの頂点が空白でない場合は、QRコードを印字することが不可能である旨を示すメッセージを表示装置上に表示する(図11に示すステップ362)。
【0128】
端末装置54は、空白である頂点を見つけた場合は(図11に示すステップ354においてYES)、印刷条件を格納したQRコードをその頂点に描画する(図11に示すステップ356)。端末装置54は、画像データの印刷を指示する印刷指示をプリンタ装置56に送信する(図11に示すステップ358)。
【0129】
プリンタ装置56は、端末装置54からの印刷指示を受信すると(図12に示すステップ370においてYES)、その印刷指示にしたがって記録用紙に画像を形成する(図12に示すステップ372)。ただし、プリンタ装置56は、QRコードが画像に描画されている場合は、不可視インクでそのQRコードを記録用紙に印字し、QRコード以外の画像を通常のインクで印字する。
【0130】
利用者は、プリンタ装置56によって印刷された原稿の1ページ目を画像処理装置52のプラテンガラス206にセットして、操作装置154を操作することによって、画像読取の指示を出す。
【0131】
画像処理装置52は、その1ページ目の原稿に対して、以下の処理を行なう。
【0132】
画像処理装置52は、所定の解像度でセットされた原稿を読取る(図13に示すステップ404)。画像処理装置52は、読取った画像の4つの頂点を検索する。画像処理装置52は、QRコードが描画されていることを認識できた場合(図13に示すステップ408においてYES)、QRコードにおいて画像読取時の解像度が指定されている場合は、その解像度で再度原稿の画像を読取る(図13に示すステップ428)。画像処理装置52は、読取った画像に対して以下の処理を行なう。
【0133】
画像処理装置52は、コード印加場所に格納されている値と、読取った画像においてQRコードが印字されている場所とを比較することによって、読取った画像を回転させる(図14に示すステップ454)。画像処理装置52は、QRコードに格納されている画像のサイズと、読取った画像のサイズとを比較して、画像を拡大又は縮小する必要があるか否かを判定する(図14に示すステップ458)。画像処理装置52は、QRコードに格納されている画像のサイズと同じになるように、読取った画像のサイズを拡大又は縮小する(図14に示すステップ460)。画像処理装置52は、その後、QRコードに格納されているN‐up数にしたがって、画像を分割して拡大する。2up、6up、又は8up印刷された原稿であれば、各N‐up数に応じて、分割して拡大した画像が表示装置上において正立して表示されるように、画像を90度回転する(図14に示すステップ462)。
【0134】
画像処理装置52は、分割した画像データを記憶装置に記憶させる。画像処理装置52は、N‐up数に応じて解像度を計算し、計算した解像度とQRコードに格納されているサイズとを画像データに付加する。
【0135】
画像処理装置52は、分割した画像にQRコードが描画されていれば、そのコードを画像から消去する(図13に示すステップ412)。画像処理装置52は、分割した画像データをサーバ装置58に送信する。
【0136】
サーバ装置58のファイルサーバ部92は、その画像データを受信すると、記憶装置94に記憶する。
【0137】
LAN60に接続されている他の端末装置は、サーバ装置58にアクセスすることによって、記憶装置94に記憶されている画像データを閲覧することが可能である。
【0138】
画像処理装置52は、次のページの原稿をセットするように利用者によって指示された場合(図13に示すステップ416においてYES)、次のページの原稿を利用者にセットさせる(図13に示すステップ430)。
【0139】
画像処理装置52は、新たにセットされた原稿の画像を所定の解像度で読取る。次のページの原稿に、QRコードが描画されていることを認識できなかった場合(図13に示すステップ408においてNO)、画像処理装置52は、利用者に対して、1ページに印字されているQRコードと同じ印刷条件で画像を復元するか、又は、読取った画像をそのまま記憶するか、又は現在読取った原稿には何の処理もせずに次の原稿の処理にスキップするかを選択させる。
【0140】
ステップ420において、利用者が、それらのいずれも選択しなかった場合(図13に示すステップ422においてNO、ステップ424においてNO、ステップ426においてNO)、画像処理装置52は、処理を終了する。
【0141】
ステップ420において、利用者が、1ページに印字されているQRコードと同じ印刷条件で画像を復元することを選択した場合、画像処理装置52は、ステップ428以降の処理を実行する。
【0142】
ステップ420において、利用者が、読取った画像をそのまま記憶することを選択した場合(図13に示すステップ424においてYES)、画像処理装置52は、ステップ414以降の処理を実行する。
【0143】
ステップ420において、利用者が、現在読取った原稿には何の処理もせずに次の原稿の処理にスキップすることを選択した場合(図13に示すステップ426においてYES)、画像処理装置52は、ステップ416以降の処理を実行する。
【0144】
図16(A)は、端末装置54のアプリケーション上で利用者が生成した画像500を示す図である。図16(A)を参照して、画像500には、文字「A」が描画されている。画像500がプリンタ装置56によって印刷されたとき、画像500の右下にQRコードが印字され、QRコードのコード印字場所には「右下」が格納される。また、原稿のサイズは、画像500のサイズよりも小さいものとする。
【0145】
利用者は、画像500の下辺及び右辺を、プラテンガラス206の短辺186及び長辺188に接するようにセットしたものとする。
【0146】
図16(B)は、そのように画像500の原稿がセットされた場合に、画像読取部152によって読取られたときの画像データの例を示す図である。図16(B)を参照して、画像データ502は、画像500の上辺に相当する辺が、画像データ502の左側の辺に位置し、画像500の右辺に相当する辺が、画像データ502の上側の辺に位置する。また、QRコード504は、画像データ502において、上側の辺と右側の辺とが交わる箇所に位置する。
【0147】
画像処理装置52は、図13に示すステップ410及びステップ412の処理を実行することによって、画像データ502を回転させ拡大し、QRコードを消去する。図16(C)は、画像データ502に対して、ステップ410及びステップ412の処理を施した画像を示す図である。図16(C)を参照して、画像506では、画像の向き及びサイズが画像500と同じになり、QRコードが消去されている。
【0148】
図17(A)は、9‐up印刷された原稿の画像の例を示す図である。図17(A)を参照して、原稿520の右下にはQRコードが印字されており、かつQRコードのコード印加場所には「右下」が格納されているものとする。また、QRコードのサイズには、原稿520の長辺及び短辺の長さと同じ値が格納されているものとする。図17(B)は、原稿520に対して、ステップ410及びステップ412の処理を実行した画像を示す図である。図17(B)を参照して、原稿520の画像は、9つの画像に分割される。9つの画像は、そのサイズが原稿520と同じになるように、それぞれ画像524〜540として拡大される。なお、画像540に印字されていたQRコードは消去される。
【0149】
図18(A)は、2‐up印刷された原稿の画像の例を示す図である。図18(A)を参照して、原稿560の右上にはQRコードが印字され、QRコードのコード印加場所には「右上」が格納されているものとする。
【0150】
図18(B)は、QRコードに格納されているサイズの値が、原稿560のサイズより大きい場合に、原稿560の画像に対してステップ410及び412の処理を実行したときの図である。図18(B)を参照して、原稿560の画像は、分割され、QRコードに格納されているサイズにしたがって、画像564及び566として拡大される。画像566に印字されていたQRコードは消去される。
【0151】
図18(C)は、QRコードに格納されているサイズの値が、原稿560のサイズと同じ値である場合に、原稿560の画像に対してステップ410及び412の処理を実行したときの図である。図18(C)を参照して、原稿560の画像は、画像568及び570として分割される。画像570に印字されていたQRコードは消去される。
【0152】
図22(A)は、複数ページの画像を、端末装置54のアプリケーション上で作成したときの画像例を示す図である。図22(A)を参照して、端末装置54の利用者は、画像800〜816を、アプリケーション上で作成したものとする。利用者は、端末装置54上において、画像800、画像802及び804、画像806、画像808、並びに画像810〜816を、それぞれ1−up印刷、2−up印刷、1−up印刷、1−up印刷、及び4−up印刷するように印刷条件を設定したものとする。
【0153】
図22(B)は、上記の印刷条件にしたがって画像800〜816が原稿に印刷された場合の原稿画像を示す図である。図22(B)を参照して、原稿818〜826は、それぞれ画像800が1−up印刷された原稿、画像802及び804が2−up印刷された原稿、画像806が1−up印刷された原稿、画像808が1−up印刷された原稿、及び画像810〜816が4−up印刷された原稿を示す。各原稿の頂点にはQRコードが印字されている。
【0154】
図22(C)は、画像処理装置52が原稿818〜826の順番に原稿の画像を読取った場合に復元した画像データを示す図である。図22(C)を参照して、画像828は、原稿818から読取られた画像を示す。画像830及び832は、原稿820から復元された画像を示す。画像834及び836は、それぞれ原稿822及び原稿824から読取られた画像を示す。画像838〜844は、原稿826から分割されて復元された画像を示す。なお、画像処理装置52は、どのような向きで原稿818〜原稿826の画像を読取ったとしても、各原稿に印刷された画像を端末装置54のアプリケーション上で表示された通りに復元することができる。
【0155】
図23(A)は、複数ページの画像を、端末装置54のアプリケーション上で作成したときの画像例を示す図である。図23(A)を参照して、端末装置54の利用者は、画像850〜864を、アプリケーション上で作成したものとする。利用者は、端末装置54上において、画像850、画像852及び854、画像856、画像858、並びに画像860〜864を、それぞれ1−up印刷、2−up印刷、1−up印刷、1−up印刷、及び4−up印刷するように印刷条件を設定したものとする。
【0156】
図23(B)は、上記の印刷条件にしたがって画像850〜864が原稿に印刷された場合の原稿画像を示す図である。図23(B)を参照して、原稿866〜874は、それぞれ画像850が1−up印刷された原稿、画像852及び854が2−up印刷された原稿、画像856が1−up印刷された原稿、画像858が1−up印刷された原稿、及び画像860〜864が4−up印刷された原稿を示す。各原稿の頂点にはQRコードが印字されている。なお、原稿874に印刷されるページ数は3なので、原稿874の右下の箇所は空白である。
【0157】
図23(C)は、画像処理装置52が原稿866〜874の順番に原稿の画像を読取った場合に復元した画像データを示す図である。図23(C)を参照して、画像876は、原稿866から読取られた画像を示す。画像878及び880は、原稿868から復元された画像を示す。画像882及び884は、それぞれ原稿870及び原稿872から読取られた画像を示す。画像886〜890は、原稿874から分割されて復元された画像を示す。原稿874のQRコードの総ページ数には3が格納されているので、画像処理装置52は、原稿874の空白のページの分の画像を記憶する処理は実行しない。
【0158】
(本実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係るネットワークシステム50を利用することにより、一旦プリンタ装置56によって印刷された原稿を画像処理装置52に読取らせることによって、アプリケーション上で作成されたときと同じ向きであり、かつ同じサイズの画像が復元される。したがって、プリンタ装置56に対して、N‐up印刷を指定するなど、どのような印刷条件で原稿を印刷させたとしても元の原稿の通りに復元されるため、利用者は、画像の電子データの管理をし易くなる。
【0159】
[第2の実施の形態]
図19は、本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステム650の全体構成を示す模式図である。図19を参照して、ネットワークシステム650は、端末装置54と、プリンタ装置56と、スキャナとして機能するスキャナ装置654と、通信線656を介してスキャナ装置654とUSB接続されており、スキャナ装置654によって読取られた原稿に対して、第1の実施の形態に係る画像処理装置52と同様の画像処理を実行する、PC等の画像処理装置652と、LAN60を介して画像処理装置652と接続されている端末装置54及びプリンタ装置56とを含む。
【0160】
スキャナ装置654の外観構成及び内部構成は、それぞれ図6(A)に示す外観構成及び図6(B)に示す内部構成と同様である。
【0161】
図20は、画像処理装置652の内部構成を示すブロック図である。図20を参照して、画像処理装置652は、図2に示すコンソール装置82と同様の機能を有するコンソール装置728と、図7に示す印刷条件認識部258及び画像復元部260とそれぞれ同様の機能を有する印刷条件認識部722及び画像復元部724と、LAN60を介して他の装置とデータの送受信を行なうためのNIC730と、通信線656を介してスキャナ装置654とUSB接続するためのUSBインタフェース部726と、プログラム等の種々の情報を記憶するための記憶装置732とを含む。
【0162】
画像処理装置652はさらに、コンソール装置728、印刷条件認識部722、画像復元部724、NIC730、USBインタフェース部726、及び記憶装置732に接続されたバス734と、バス734に接続され、画像処理装置652の各部を操作し、プログラムを実行することで種々の機能を実現するためのCPU720とを含む。
【0163】
本実施の形態に係る画像処理装置652のソフトウェア構成は、第1の実施の形態に係るソフトウェア構成とほぼ同様であるが、利用者が、プリンタ装置56によって印刷された原稿をスキャナ装置654にセットして、画像処理装置652が、スキャナ装置654に原稿の画像を読取らせる点において異なる。
【0164】
本実施の形態に係るネットワークシステム650の動作は、第1の実施の形態に係るネットワークシステム50の動作とほぼ同様であるが、利用者が、プリンタ装置56によって印刷された原稿をスキャナ装置654にセットして、画像処理装置652が、スキャナ装置654に原稿の画像を読取らせる点において異なる。
【0165】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によると、通常のPCに、スキャナ装置を接続することによって、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。したがって、画像形成装置を別途用意しなくても、PCに上記した画像処理を実行するプログラムをダウンロードさせれば、同様の効果を得ることができるので、幅広い利用者に手軽に利用され得る。
【0166】
[変形例]
上記した実施の形態では、利用者は、原稿をプラテンガラス206にセットして、原稿の画像を読込ませていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、原稿セットトレイ162に原稿をセットして原稿の画像を読込ませても良い。
【0167】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0168】
50 ネットワークシステム
52 画像形成装置
54 端末装置
56 プリンタ装置
58 サーバ装置
70,90,720 CPU
72 画像生成アプリケーション部
74 印刷指示送信部
76 印刷条件印加部
78,94,124,252,732 記憶装置
80,96,122,254,730 NIC
82,728 コンソール装置
92 ファイルサーバ部
110,250 制御部
112,156 画像形成部
152 画像読取部
154 操作装置
158 表示パネル
164 操作パネル
258,722 印刷条件認識部
260,724 画像復元部
262 画像処理部
726 USBインタフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ装置と接続される端末装置であって、
前記端末装置は、
利用者に画像データを生成させるための画像生成手段と、
利用者の指示に応答して、前記画像生成手段によって生成された画像データを印刷するときの印刷画像にマークを形成するためのマーク形成手段とを含み、
前記マーク形成手段によって画像データに形成されるマークからは、当該画像データの作成条件が確認可能であり、
前記端末装置はさらに、当該マークが形成された画像データの印刷を指示する印刷指示を前記プリンタ装置に送信するための送信手段を含む、端末装置。
【請求項2】
前記マーク形成手段は、前記印刷画像が複数のページである場合に、1ページ目の印刷画像にのみマークを形成する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記印刷画像は、長方形状であり、
前記マーク形成手段は、前記印刷画像のいずれかの頂点領域にマークを形成する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記マーク形成手段は、前記印刷画像のいずれの頂点領域も空白画像でなかったときに、マークを前記印刷画像上に形成せずに、マークを形成することができない旨を利用者に提示する、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置と接続されるプリンタ装置であって、
前記端末装置から、マークが形成された印刷画像の印刷を指示する印刷指示を受信するための受信手段と、
前記受信手段が前記印刷指示を受信したことに応答して、記録用紙上に、前記印刷画像のうち、前記マークを、人間の肉眼では見ることのできない不可視インクで印字し、かつ、前記印刷画像のうち、前記マーク以外の画像を通常のインクで印字するための印字手段とを含む、プリンタ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−10371(P2012−10371A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170713(P2011−170713)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【分割の表示】特願2009−28182(P2009−28182)の分割
【原出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】