説明

端末装置及びプログラム

【課題】音関連機能を含む複数の機能が並行して動作している場合に、音関連機能に対して専用の操作部を設けなくても、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能に対する操作を実行できるようにする。
【解決手段】制御部1は、メイン処理(フォアグランド処理)として動作中の機能に並行してバックグラウンド処理として音関連機能が動作中の場合に、メイン操作部4による操作をメイン処理として動作中の機能に割り当てた状態のままであっても、タッチ画面TD、撮像部11、集音部12、筐体動作検出部13によって検出された使用者の動作に基づいて音関連機能を操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示部及び操作部を備え、音関連機能を含む複数の機能を並行して動作可能な端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の処理能力が年々向上し、音楽を聴きながら受信メールを読んだり、Webアクセスをしたりといった並列処理が可能となってきている。この場合、メイン処理(フォアグランド処理)として、受信メールを閲覧する機能、あるいはインターネット上のwebページを閲覧する機能を動作させ、バックグラウンド処理として音楽プレイヤ機能を動作させている状態において、選曲のような音楽に関する操作を行なう場合には、音楽プレイヤ機能を一時的にメイン処理として切り替えたのち、バックグラウンド処理に戻すという手順を踏む必要があり、ユーザに負担をかけることになる。
そこで、従来では、第2の操作部を備えることでバックグラウンド処理での音楽プレイヤ機能でも操作可能となるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−173137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した先行技術にあっては、音楽再生とそれ以外の機能を並行して実行している場合、バックグラウンド処理として動作中の音楽に関連する機能に対する操作を可能とするために、専用の操作部を備えることで、音楽再生以外の機能を終了させることなく、音楽に関する操作を行うことができるが、専用の操作部を設けることは、コスト高を招くと共に、小型化の支障となる。
【0004】
この発明の課題は、音関連機能を含む複数の機能が並行して動作している場合に、音関連機能に対して専用の操作部を設けなくても、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能に対する操作を実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、表示部及び操作部を備え、音関連機能を含む複数の機能を並行して動作可能な端末装置であって、使用者の動作を検出する動作検出手段と、この動作検出手段によって検出される動作と前記音関連機能に関連する操作を対応付けて記憶する記憶手段と、フォアグランド処理として動作中の機能に並行してバックグラウンド処理として前記音関連機能が動作中であるか否かを判別する動作状態判別手段と、この動作状態判別手段によってバックグラウンド処理で前記音関連機能が動作中であると判別された場合に、前記操作部による操作を前記フォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる一方、前記動作検出手段によって検出された動作を前記音関連機能に割り当て、この動作検出手段によって使用者の動作が検出された場合に、この動作に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記音関連機能の操作を実行させるように制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記バックグラウンド処理で前記音関連機能が動作中であると判別された場合に、前記表示部による表示及び前記操作部による操作を前記フォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記動作検出手段は、前記表示部上の座標位置を入力する座標入力操作を使用者の動作として検出する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項3に従属する発明として、前記操作部が使用可能状態であるか否かを判別する操作部状態判別手段を更に備え、前記制御手段は、前記操作部状態判別手段によって操作部が使用不可能な状態であると判別された場合には、前記動作状態判別手段によってバックグラウンド処理で音関連機能が動作中であると判別されるか否かに拘わらず、前記動作検出手段によって検出された座標入力操作をフォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項4に従属する発明として、前記制御手段は、前記操作部状態判別手段によって操作部が使用不可能な状態であると判別された場合に、フォアグランド処理として動作中の機能に使用される操作面を前記表示部の一部に設けた状態において、前記動作検出手段によって検出された座標入力操作が前記操作面に対するものであれば、この座標入力操作をフォアグランド処理として動作中の機能に割り当て、前記表示部の他の部分に対するものであれば、当該座標入力操作をバックグラウンド処理として動作中の前記音関連機能に割り当てる、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項3に従属する発明として、前記動作検出手段は、前記表示部と座標位置検出部とを備えたタッチ画面上で行われるタッチ操作を使用者の動作として検出し、前記制御手段は、前記タッチ画面へのタッチ操作を前記音関連機能に割り当てる、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、前記動作検出手段は、使用者を撮像した画像を解析し、その解析結果を使用者の動作として検出する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記動作検出手段は、集音した使用者の音声を認識し、その認識結果を使用者の動作として検出する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記動作検出手段は、装置本体が振られた場合に、その振り操作を使用者の動作として検出する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0014】
また、上述した課題を解決するために請求項10記載の発明は、コンピュータに対して、音関連機能を含む複数の機能を並行処理する手段と、使用者の動作を検出する手段と、前記検出される動作と前記音関連機能に関連する操作を対応付けて記憶管理する手段と、フォアグランド処理として動作中の機能に並行してバックグラウンド処理として前記音関連機能が動作中であるか否かを判別する手段と、前記バックグラウンド処理で前記音関連機能が動作中であると判別された場合に、前記操作部による操作を前記フォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる一方、前記検出された動作を前記音関連機能に割り当て、前記使用者の動作が検出された場合に、この動作に対応付けて記憶されている前記音関連機能の操作を実行させるように制御する手段と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、音関連機能を含む複数の機能が並行して動作している場合に、音関連機能に対して専用の操作部を設けなくても、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能に対する操作を実行することができ、実用効果の高いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1〜図10を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、携帯端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話機は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、音楽再生機能、カメラ機能、録音機能、万歩計(登録商標)機能など、各種の機能を備えている。制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御するもので、この制御部1にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。
【0017】
記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図6〜図10に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には、後述するフラグメモリFM、動作テーブルMTなどが設けられている。なお、記憶部3としては、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよい。メイン操作部4は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行う主要な操作部であり、制御部1は、メイン操作部4からのキー操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理など、各種の処理を実行する。
【0018】
通信部5は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0019】
音楽プレイヤ7は、音楽再生機能を構成するもので、再生対象としてユーザ操作によって任意に選択された音楽コンテンツを記憶部3から読み出して、サウンドスピーカ8から出力させる。表示部9は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用し、アイコン、文字データ、待受画像、撮影画像などを表示するもので、その表示パネル上に指、器具などの物体の接触位置(座標位置)を検出する座標位置検出部(タッチ操作面を構成する透明な接触センサ)10を積層配設することによってタッチスクリーン(タッチ画面)TDを構成している。このタッチ画面TDを構成する座標位置検出部10は、タッチ画面TD(表示部9)上においてその座標位置を入力する座標入力操作(タッチ操作)を検出する座標入力手段である。
【0020】
このタッチ画面TD上で行われる使用者(ユーザ)の動作として、後述する1点タップ、1点ダブルタップ、2点ダブルタップなどのタッチ操作が行われたことを座標位置検出部10によって検出されると、制御部1は、この使用者の動作(1点タップ、1点ダブルタップ、2点ダブルタップなど)に応じた処理を実行する。また、タッチ画面TD上に必要に応じて配置されたタッチキー(ソフトフェアキー)へのタッチ操作で、そのタッチキーに対応するキー操作信号が座標位置検出部10から出力されると、制御部1は、このキー操作信号に応じた処理を実行する。このように表示部9及び座標位置検出部10によって構成されたタッチ画面TDは、タッチキー操作部として利用されるほか、使用者の動作(タッチ)を検出する動作検出部としても利用される。
【0021】
撮像部11は、静止画撮影のほかに動画撮影も可能なカメラ機能を構成するもので、撮影レンズ、レンズ・ミラーブロック、撮像素子、その駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備え、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動を制御したり、シャッター駆動を制御したり、露出、ホワイトバランスなどを制御したりする。制御部1は、撮像部11によって撮像された画像を解析して、例えば、“指を上に振る”、“指を右に振る”などの使用者の動作を検出し、この使用者の動作(ジェスチャ)に応じた処理を実行するようにしている。このように撮像部11は、カメラ機能として利用されるほか、使用者の動作を検出する動作検出部としても利用される。
【0022】
集音部12は、音楽コンテンツなどを録音する録音機能を構成するほか、使用者の音声を入力するマイクで、制御部1は、集音部12からの入力音声を解析(音声認識)することによって、例えば、“うえ(上)”、“さいせい(再生)”、“ていし(停止)”などの音声指示を使用者の動作として検出し、この使用者の動作(音声指示)に応じた処理を実行するようにしている。このように集音部12は、録音機能として利用されるほか、使用者の動作を検出する動作検出部としても利用される。
【0023】
筐体動作検出部13は、例えば、3軸タイプの加速度センサによって構成され、万歩計(登録商標)機能を構成するもので、制御部1は、この筐体動作検出部13からの検出結果に応じて装置本体を振ったときの振り方向、例えば、“筐体を上に振る”、“筐体を下に振る”、“筐体を前に突き出す”、“筐体を右に振る”、“筐体を左に振る”を使用者の動作として検出し、この使用者の動作(筐体の振り)に応じた処理を実行するようにしている。このように筐体動作検出部13は、万歩計(登録商標)機能として利用されるほか、使用者の動作を検出する動作検出部としても利用される。スタイル検出部14は、装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて装置本体のスタイルを検出するもので、例えば、磁気センサ、マイクロスイッチ、機械的スイッチなどを有する構成で、制御部1は、スタイル検出部14からの各検出信号に基づいて装置本体の各スタイルを判別するようにしている。
【0024】
図2は、携帯電話機の外観図である。
携帯電話機は、その装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な2軸ヒンジタイプの電話装置であり、装置本体を構成する操作部筐体Aと表示部を有する表示部筐体Bとを折り畳み開閉自在及び回動自在にヒンジ部Cを介して連結した2軸ヒンジタイプである。このヒンジ部Cには操作部筐体Aと表示部筐体Bとを折り畳み開閉するための開閉用ヒンジ軸が設けられているほか、この開閉用ヒンジ軸と略直交して、一方の筐体を他方の筐体に対して回動するための回動用ヒンジ軸とが設けられており、このヒンジ部Cを介して操作部筐体Aと表示部筐体Bとは折り畳み開閉自在及び回動自在に連結されている。
【0025】
このような2軸ヒンジタイプの携帯電話装置は、操作部筐体Aと表示部筐体Bとが、どのように連結されているかに応じて携帯電話装置の形態を複数のスタイル(クローズスタイル、オープンスタイル、ビュースタイルなど)に変更可能なもので、図2(1)は、操作部筐体Aと表示部筐体Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示している。なお、操作部筐体Aの内面側には、図1で示した操作部4が配置され、表示部筐体Bの内面側には、図1で示したタッチ画面TDが配置されている。したがって、オープンスタイルでは操作部4及びタッチ画面TDが使用可能となると共にその表示内容が視認可能となる。図2(2)は、上述のオープンスタイルから操作部筐体Aに対して表示部筐体Bを180°回転させたのち、操作部筐体Aに対して表示部筐体Bを折り畳んだ状態のビュースタイルを示し、このビュースタイルでは操作部4が表示部筐体Bによって覆い隠されるが、タッチ画面TDは露出した状態となる。
【0026】
図3は、フラグメモリFMを説明するための図である。
フラグメモリFMは、動作中フラグMF、検出部フラグDF、スタイルフラグSFを記憶するもので、図3(1)〜(3)は、動作中フラグMF、検出部フラグDF、スタイルフラグSFの内容を示している。動作中フラグMFは、音関連機能(音関連アプリケーション)の動作状態を示すフラグである。すなわち、動作中フラグMFは、音楽プレイヤ7の動作状態を示すフラグで、図3(1)に示すように、その値が“0”のときには、音楽プレイヤ7が動作していないことを示し、その値が“1”のときには、音楽プレイヤ7がメイン処理(フォアグランド処理)として動作中であることを示し、その値が“2”のときには、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中であることを示している。
【0027】
検出部フラグDFは、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作している場合に、使用者の動作(タッチ、音声指示、筐体の振り、ジェスチャ)に応じた各種の操作手段のうち、どの操作手段をバックグランド処理に対する操作手段として使用するかを示すフラグである。すなわち、検出部フラグDFは、図3(2)に示すように、その値が“0”のときには、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作を行わないことを示し、その値が“1”のときには、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段として、座標位置検出部10からの検出結果を使用することを示している。また、検出部フラグDFの値が“2”のときには、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段として、撮像部11からの検出結果を使用することを示し、その値が“3”のときには、集音部12からの検出結果を使用することを示し、その値が“4”のときには、筐体動作検出部13からの検出結果を使用することを示している。
【0028】
スタイルフラグSFは、メイン操作部4が使用不可能となる特定スタイルであることを示すフラグで、図3(3)に示すように、その値が“0”のときには、ビュースタイル以外のスタイル(特定スタイル以外のスタイル)であることを示し、その値が“1”のときには、メイン操作部4が使用不可能となるビュースタイル(特定スタイル)であることを示している。なお、この実施形態では、2軸ヒンジタイプの携帯電話機に適用した場合を例示したが、操作部筐体Aの上を表示部筐体Bがスライドすることによって開閉するスライドタイプの携帯電話機の場合、メイン操作部4が使用不可能となるのは、操作部筐体Aの上に表示部筐体Bが重なる閉状態であるから、スタイルフラグSFの値が“0”のときには、操作部筐体Aと表示部筐体Bとが開いている開状態を示し、“1”
のときには、閉状態を示す。
【0029】
図4は、動作テーブルMTを説明するための図である。
動作テーブルMTは、バックグランド処理として動作している音関連機能(音関連アプリケーション)に対する操作手段として、使用者の各種の動作(タッチ、音声指示、筐体の振り、ジェスチャ)に応じた操作手段をそれぞれ定義するためのテーブルである。この動作テーブルMTには、「音関連機能に対する操作内容」、「検出部フラグ別の使用者の動作」の項目を有している。ここで、検出部フラグDFの値が“1”の場合において、「使用者の動作」には“2点間拡大ドラッグ”、“2点間縮小ドラッグ”、“1点タップ”、“1点ダブルタップ”、“2点ダブルタップ”が設定されている。この“2点間拡大ドラッグ”は、タッチ画面TD上において2本の指の間隔を徐々に開きながらドラッグするタッチ動作で、これに対応する「操作内容」には音楽プレイヤ7の設定音量を上げることを指示する“音量アップ”が設定されている。
【0030】
“2点間縮小ドラッグ”は、タッチ画面TD上において2本の指の間隔を徐々に狭めながらドラッグするタッチ動作で、これに対応する「操作内容」には音楽プレイヤ7の設定音量を下げることを指示する“音量ダウン”が設定されている。“1点タップ”は、タッチ画面TD上の1点を1回タッチする動作で、これに対応する「操作内容」には“再生”、“停止”が設定されており、音楽プレイヤ7が停止している状態で“1点タップ”の動作が行われると、音楽プレイヤ7に対して再生を指示し、音楽プレイヤ7の再生中に“1点タップ”
の動作が行われると、音楽プレイヤ7に対して再生の“停止”を指示する。“1点ダブルタップ”は、タッチ画面TD上の1点を2回連続してタッチする動作で、これに対応する「操作内容」には次の音楽コンテンツを再生対象として指定する“次コンテンツ”
が設定されている。“2点ダブルタップ”は、タッチ画面TD上の2点を2回連続してタッチする動作で、これに対応する「操作内容」には一つ前の音楽コンテンツを再生対象として指定する“前コンテンツ”
が設定されている。
【0031】
また、検出部フラグDFの値が“2”の場合において、「使用者の動作」には“指を上に振る”、“指を下に振る”、“指を前に突き出す”、“指を右に振る”、“指を左に振る”が設定され、これに対応する「操作内容」には、“音量アップ”、“音量ダウン”、“再生”/“停止”、“次コンテンツ”、“前コンテンツ”が設定されている。なお、“指を前に突き出す”に対応する「操作内容」には“再生”、“停止”が設定されており、音楽プレイヤ7が停止している状態で“指を前に突き出す”の動作が行われると、音楽プレイヤ7に対して再生を指示し、音楽プレイヤ7の再生中に“指を前に突き出す”の動作が行われると、音楽プレイヤ7に対して再生の“停止”を指示する。
【0032】
検出部フラグDFの値が“3”の場合において、「使用者の動作」には“音声(うえ)”、“音声(した)”、“音声(さいせい)”、“音声(ていし)”、“音声(つぎ)”、“音声(まえ)”が設定され、これに対応する「操作内容」には、“音量アップ”、“
音量ダウン”、“再生”、“停止”、“次コンテンツ”、“前コンテンツ”が設定されている。検出部フラグDFの値が“4”の場合において、「使用者の動作」には“筐体を上に振る”、“筐体を下に振る”、“筐体を前に突き出す”、“筐体を右に振る”、“筐体を左に振る”が設定され、これに対応する「操作内容」には、“音量アップ”、“
音量ダウン”、“再生”/“停止”、“次コンテンツ”、“前コンテンツ”が設定されている。なお、“筐体を前に突き出す”に対応する「操作内容」には“再生”、“停止”が設定されており、音楽プレイヤ7が停止している状態で“筐体を前に突き出す”の動作が行われると、音楽プレイヤ7に対して再生を指示し、音楽プレイヤ7の再生中に“筐体を前に突き出す”の動作が行われると、音楽プレイヤ7に対して再生の“停止”を指示する。
【0033】
図5は、アプリケーション動作中での表示例を示した図である。
図5(1)は、タッチ画面TDが露出した状態となるビュースタイル以外のスタイルにおいて、音楽プレイヤ7以外のアプリケーション(メール機能)がメイン(フォアグランド)処理として動作中の表示例を示した図である。この場合、メイン処理として動作中のアプリケーション(メール機能)に対する操作手段としては、メイン操作部4のほか、使用者の各種の動作(タッチ、音声指示、筐体の振り、ジェスチャ)に応じた操作手段がそれぞれ使用可能となる。なお、図中、「メール」は、メイン処理でメール機能が動作中であることを示している。
【0034】
図5(2)は、タッチ画面TDが露出した状態となるビュースタイル以外のスタイルにおいて、音楽プレイヤ7以外のアプリケーション(メール機能)がメイン処理として動作中の場合に、そのバックグランド処理として音楽プレイヤ7が動作中である場合の表示例を示した図である。この場合、図中、音符マークは、バックグランド処理として音楽プレイヤ7が動作中であることを示している。この場合、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段としては、タッチ画面TDの領域全体が割り当てられている。なお、図5(2)は、図5(1)に音符マークを追加したものとなる。
【0035】
図5(3)は、ビュースタイルにおいて、音楽プレイヤ7以外のアプリケーション(メール機能)がメイン処理として動作中の場合に、バックグランド処理として音楽プレイヤ7が動作中である場合の表示例を示した図である。この場合、タッチ画面TD内にメイン処理に対する操作面として、各種のタッチキー(ソフトフェアキー)を割り当て配置したキー操作パネルKPを設け、このキー操作パネルKP内のいずれかのタッチキーが接触された際に、制御部1は、そのキー操作信号に応じた処理を実行する。この場合、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段としては、タッチ画面TDにおいてキー操作パネルKP以外の領域全体が割り当てられている。
【0036】
すなわち、メイン処理として動作中の機能に使用される操作面(キー操作パネルKP)がタッチTDの一部に配置されている状態において、座標位置検出部10によって検出されたタッチ操作がキー操作パネルKP上で行われたものであれば、このタッチ操作をメイン処理として動作中の機能に割り当て、タッチ画面TDの他の部分に対するものであれば、バックグラウンド処理として動作中の音楽プレイヤ7に割り当てるようにしている。
【0037】
図5(4)は、タッチ画面TDが露出した状態となるビュースタイル以外のスタイルにおいて、音楽プレイヤ7がメイン処理として動作中の場合の表示例を示した図である。この場合、メイン処理として動作中のアプリケーション(音楽再生機能)に対する操作手段としては、メイン操作部4のほか、使用者の各種の動作(タッチ、音声指示、筐体の振り、ジェスチャ)に応じた操作手段がそれぞれ使用可能となる。なお、図示の例において、タッチ画面TDは、音楽の進行に応じて表示状態が変化するグラフィックイコライザ画面となる。
【0038】
次に、この実施形態における携帯電話機の動作概念を図6〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0039】
図6〜図9は、電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、所定のメモリをクリアするなどの初期処理を行ったのち(図6のステップA1)、着信などの待ち受け状態となる(ステップA2)。そして、この待ち受け状態において、通信部5から電話の着信有無をチェックし(ステップA3)、着信が無ければ、スタイル検出部14からの検出結果に基づいてスタイル変更操作が行われたかをチェックする(ステップA13)。
【0040】
いま、スタイル変更操作が行われなければ(ステップA13でNO)、図7のフローに移り、メイン操作部4からの操作有無を調べ(ステップA19)、メイン操作部4からの操作を検出した場合に、それが音楽プレイヤ7の起動を指示する操作であれば(ステップA20でYES)、音楽プレイヤ7をメイン処理として起動させると共に(ステップA21)、音楽プレイヤ7がメイン処理として動作中であることを示すために、動作中フラグMFに“1”をセットする(ステップA22)。この場合、タッチ画面TDは、図5(4)に示すような表示内容となる。その後、図6のステップA3に戻る。
【0041】
このように音楽プレイヤ7がメイン処理として動作している状態において、メイン操作部4からの操作を検出すると(ステップA19でYES)、それがメイン処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作であれば(ステップA23でYES)、音楽プレイヤ7の動作を終了させる操作であるかを調べる(ステップA24)。いま、その他の操作であれば(ステップA24でNO)、例えば、音量調整処理、コンテンツ変更処理など、その他の操作に応じた処理を音楽プレイヤ7に対して実行するが(ステップA27)、音楽プレイヤ7に対する終了操作であれば(ステップA24でYES)、音楽プレイヤ7の動作を終了させると共に(ステップA25)、動作中フラグMFに“0”をセットする(ステップA26)。
【0042】
また、メイン操作部4からの操作がメイン処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作でなければ(ステップA23でNO)、図8のフローに移り、音楽プレイヤ7以外のアプリケーションの起動を指示する操作であるかを調べ(ステップA28)、起動操作であれば、当該アプリケーションをメイン処理として起動させる(ステップA29)。この場合、タッチ画面TDは、図5(1)に示すような表示内容となる。そして、動作中フラグMFが“1”であるかを調べる(ステップA30)。
【0043】
動作中フラグMFが“1”でなければ、つまり、音楽プレイヤ7がメイン処理として動作中でなければ(ステップA30でNO)、そのまま図6のステップA3に戻るが、動作中フラグMFが“1”で、音楽プレイヤ7がメイン処理として動作中であれば(ステップA30でYES)、音楽プレイヤ7をメイン処理からバックグランド処理に移動する(ステップA31)。この場合、タッチ画面TDは、図5(2)に示すような表示内容となる。そして、動作中フラグMFに“2”をセットしたのち(ステップA32)、図6のステップA3に戻る。
【0044】
このように音楽プレイヤ7以外のアプリケーションがメイン処理として動作している状態において、メイン操作部4からの操作を検出すると(図7のステップA19でYES)、上述のステップA20、A23、A28ではその操作の種類を判別するが、それ以外の操作であれば(ステップA28でNO)、その操作はメイン処理として動作中の音楽プレイヤ7以外のアプリケーションに対する操作であるかを調べる(ステップA33)。いま、そのアプリケーションに対する操作ではなく、例えば、電源オフ操作などであれば、その操作に応じた処理を実行したのち(ステップA40)、図6のステップA3に戻る。
【0045】
また、メイン操作部4からの操作がメイン処理として動作中の音楽プレイヤ7以外のアプリケーションに対する操作であれば(ステップA33でYES)、そのアプリケーションの動作を終了させる操作であるかを調べ(ステップA34)、その他の操作であれば(ステップA34でNO)、その操作に応じた処理を当該アプリケーションに対して実行するが(ステップA39)、終了操作であれば(ステップA34でYES)、メイン処理として動作中のアプリケーションの動作を終了させる(ステップA35)。この場合、動作中フラグMFが“2”でなければ、つまり、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中でなければ(ステップA36でNO)、そのまま図6のステップA3に戻るが、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中であれば(ステップA36でYES)、音楽プレイヤ7をバックグランド処理からメイン処理に移動すると共に(ステップA37)、動作中フラグMFに“1”をセットしたのち(ステップA38)、図6のステップA3に戻る。
【0046】
一方、スタイルが変更された場合には(図6のステップA13でYES)、それがビュースタイルへの変更であれば(ステップA14でYES)、スタイルフラグSFを“1”に変更したのち(ステップA15)、メイン処理として動作中のアプリケーションに対する操作手段として、タッチ画面TD上にキー操作パネルKPを割り当て配置する(ステップA16)。この場合、タッチ画面TDは、図5(3)に示すような表示内容となる。また、ビュースタイルへの変更でなければ(ステップA14でNO)、スタイルフラグSFを“0”に変更したのち(ステップA17)、タッチ画面TD上のキー操作パネルKPを閉鎖する(ステップA18)。
【0047】
いま、電話着信を検出したときには(ステップA3でYES)、回線接続させるオフフック操作に応答して(ステップA4でYES)、通話可能状態とする通話処理を実行する(ステップA5)。そして、通話中において動作中フラグMFの値は“1”か、つまり、音楽プレイヤ7がメイン処理として動作中であるかを調べ(ステップA6)、動作中フラグMFの値が“1”ではなく、音楽プレイヤ7が動作していない場合、あるいはバックグランド処理として動作している場合には(ステップA6でNO)、後述するステップA9に移る。
【0048】
動作中フラグMFの値が“1”で、音楽プレイヤ7がメイン処理として動作中であれば(ステップA6でYES)、音楽プレイヤ7をメイン処理からバックグランド処理に移動すると共に(ステップA7)、動作中フラグMFの値を“2”に変更したのち(ステップA8)、次のステップA9に移り、座標位置検出部10からの出力が有るかに基づいてタッチ操作の有無を調べる。ここで、タッチ操作が行われたときには(ステップA9でYES)、後述する座標位置検出処理に移る(ステップA10)。以下、回線接続を解除するオンフック操作が行われるまで(ステップA11でNO)、上述のステップA9に戻るが、オンフック操作が行われると(ステップA11でYES)、回線切断処理を実行したのち(ステップA12)、上述のステップA3に戻る。
【0049】
図10は、タッチ操作に応答して実行される座標位置検出処理(図6のステップA10、図9のステップA42)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、スタイルフラグSFを参照し、その値は“1”か(ビュースタイルか)を調べ(ステップB1)、ビュースタイルであれば、図5(3)に示したキー操作パネルKP内の座標位置がタッチされたか、つまり、メイン用のキー操作パネルKP内に割り当て配置されているタッチキーが操作されたかを調べ(ステップB2)、そのタッチキーが操作されたときには、そのタッチキーに対応する操作をメイン処理として動作中のアプリケーションに対して実行する(ステップB3)。
【0050】
また、ビュースタイルにおいてメイン処理用のキー操作パネルKP以外がタッチされた場合には(ステップB2でNO)、動作中フラグMFを参照し、その値は“2”か(音楽プレイヤ7はバックグランド処理として動作中か)を調べ(ステップB4)、その値が“2”でなければ、メイン処理として動作中のアプリケーションに対して今回のタッチ操作に応じて予め決められている処理を実行する(ステップB3)。例えば、図5(1)に示すタッチ画面TD上で2点ダブルタップが行われた場合には、メイン処理として動作中のメール機能を終了させる処理を実行する。
【0051】
また、ビュースタイルにおいて動作中フラグMFが“2”で、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中であれば(ステップB4でYES)、検出部フラグDFを参照し、その値は“1”か、つまり、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段として、座標位置検出部10からの検出結果を使用することが指定されているかを調べる(ステップB5)。いま、検出部フラグDFの値が“1”でなければ、この時点で図10のフローから抜けるが、“1”であれば(ステップB5でYES)、タッチ操作の仕方に基づいて使用者の動作を検出する(ステップB6)。
【0052】
すなわち、タッチ操作の仕方は“2点間拡大ドラッグ”、“2点間縮小ドラッグ”、“1点タップ”、“1点ダブルタップ”、“2点ダブルタップ”のいずれであるかに基づいて使用者の動作を検出する。そして、検出した使用者の動作に基づいて動作テーブルMTを参照し、検出部フラグDFの値が“1”で、検出した使用者の動作に対応する「操作内容」を取得し(ステップB7)、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対して当該「操作内容」に応じた処理を実行する(ステップB8)。例えば、“2点間拡大ドラッグ”に応じて音量を1段階アップさせる処理を実行し、“1点タップ”に応じて再生動作を開始させる処理を実行する。
【0053】
また、スタイルフラグSFの値が“1”でない場合、つまり、タッチ画面TDが露出した状態となるビュースタイル以外のスタイル(例えば、オープンスタイル)において、タッチ操作が行われた場合には(ステップB1でNO)、上述したステップB4に移って以下、同様の動作を行う。すなわち、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中であること(ステップB4でYES)、この音楽プレイヤ7に対する操作手段として、座標位置検出部10からの検出結果を使用することが指定されていることを条件に(ステップB5でYES)、タッチ操作の仕方に基づいて使用者の動作を検出し、それに対応する「操作内容」に応じた処理をバックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対して実行する(ステップB6〜B8)。
【0054】
他方、メイン操作部4からの操作が行われない場合には(図7のステップA19でNO)、図9のフローに移り、出力標位置検出部10からの出力が有るかに基づいてタッチ操作の有無を調べ(ステップA41)、タッチ操作が行われたときには、上述の座標位置検出処理に移り(ステップA42)、タッチ入力に応じた操作としてメイン処理として動作中のアプリケーションに対する操作、あるいはバックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作を実行する。
【0055】
また、撮像部11からの出力を検出した場合には(ステップA43でYES)、制御部1は、撮像部11によって撮像された画像を解析して、例えば、“指を上に振る”、“指を右に振る”、などの使用者の動作(ジェスチャ)を検出する(ステップA44)。そして、動作中フラグMFの値は“2”か(音楽プレイヤ7はバックグランド処理として動作中か)を調べ(ステップA45)、その値が“2”でなければ、メイン処理として動作中のアプリケーションに対して今回の使用者の動作(ジェスチャ)に応じた処理を実行したのち(ステップA47)、図6のステップA3に戻る。また、動作中フラグMFが“2”で、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中であれば(ステップA45でYES)、検出部フラグDFを参照し、その値は“2”か、つまり、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段として、撮像部11からの検出結果を使用することが指定されているかを調べる(ステップA46)。
【0056】
検出部フラグDFの値が“2”でなければ(ステップA46でNO)、図6のステップA3に戻るが、その値が“2”であれば(ステップA46でYES)、上述のように検出した使用者の動作(ジェスチャ)に基づいて動作テーブルMTを参照し、検出部フラグDFの値が“2”で、検出した使用者の動作に対応する「操作内容」を取得し(ステップA56)、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対して当該「操作内容」に応じた処理を実行する(ステップA57)。例えば、“指を上に振る”に応じて音量を1段階アップさせる処理を実行し、“指を右に振る”に応じて前コンテンツを再生対象とする処理を実行する。
【0057】
また、集音部12からの出力を検出した場合(ステップA48でYES)、制御部1は、集音部12からの入力音声を解析(音声認識)することによって、例えば、“うえ(上)”、“さいせい(再生)”、“ていし(停止)”などの音声指示を使用者の動作として検出する(ステップA49)。そして、動作中フラグMFの値は“2”か(音楽プレイヤ7はバックグランド処理として動作中か)を調べ(ステップA50)、その値が“2”でなければ、メイン処理として動作中のアプリケーションに対して今回の使用者の動作(音声指示)に応じた処理を実行したのち(ステップA47)、図6のステップA3に戻る。
【0058】
また、動作中フラグMFが“2”で、音楽プレイヤ7がバックグランド動作中であれば(ステップA50でYES)、検出部フラグDFを参照し、その値は“3”か、つまり、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段として、集音部12からの検出結果を使用することが指定されているかを調べる(ステップA51)。いま、検出部フラグDFの値が“3”でなければ(ステップA51でNO)、図6のステップA3に戻るが、その値が“3”であれば(ステップA51でYES)、上述のように検出した使用者の動作(音声指示)に基づいて動作テーブルMTを参照し、検出部フラグDFの値が“3”で、検出した使用者の動作に対応する「操作内容」を取得し(ステップA56)、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対して当該「操作内容」に応じた処理を実行する(ステップA57)。例えば、“うえ(上)”に応じて音量を1段階アップさせる処理を実行し、“さいせい(再生)”に応じて再生動作を開始させる処理を実行する。
【0059】
また、筐体動作検出部13からの出力を検出した場合には(ステップA52でYES)、制御部1は、筐体動作検出部13からの検出結果に応じて装置本体を振ったときの振り方向を使用者の動作として検出する(ステップA53)。例えば、“筐体を上に振る”、“筐体を下に振る”、“筐体を前に突き出す”などを検出する。そして、動作中フラグMFの値は“2”か(音楽プレイヤ7はバックグランド処理として動作中か)を調べ(ステップA54)、その値が“2”でなければ、メイン処理として動作中のアプリケーションに対して今回の使用者の動作(振り方向)に応じた処理を実行したのち(ステップA47)、図6のステップA3に戻る。
【0060】
また、動作中フラグMFが“2”で、音楽プレイヤ7がバックグランド処理として動作中であれば(ステップA54でYES)、検出部フラグDFを参照し、その値は“4”か、つまり、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対する操作手段として、筐体動作検出部13からの検出結果を使用することが指定されているかを調べる(ステップA55)。いま、検出部フラグDFの値が“4”でなければ(ステップA55でNO)、図6のステップA3に戻る。
【0061】
また、検出部フラグDFの値が“4”であれば(ステップA55でYES)、上述のように検出した使用者の動作(振り方向)に基づいて動作テーブルMTを参照し、検出部フラグDFの値が“4”で、検出した使用者の動作に対応する「操作内容」を取得し(ステップA56)、バックグランド処理として動作中の音楽プレイヤ7に対して当該「操作内容」に応じた処理を実行する(ステップA57)。例えば、“筐体を上に振る”に応じて音量を1段階アップさせる処理を実行し、“筐体を下に振る”に応じて音量を1段階ダウンさせる処理を実行する。その後、図6のステップA3に戻る。
【0062】
以上のように、この実施形態において制御部1は、メイン処理(フォアグランド処理)として動作中の機能に並行してバックグラウンド処理として音関連機能が動作中の場合に、メイン操作部4による操作をメイン処理として動作中の機能に割り当てた状態のままであっても、使用者の動作に基づいて音関連機能を操作することができ、音関連機能に対して専用の操作部を設けることなく、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能を操作することができ、実用効果の高いものとなる。
【0063】
バックグラウンド処理として音関連機能が動作中である場合に、表示部9による表示及びメイン操作部4による操作をフォアグランド処理として動作中の機能に割り当てるようにしたので、バックグラウンド処理として音関連機能が動作していても、メイン処理として動作中の機能用として表示部9、メイン操作部4を使用することが可能となる。
【0064】
タッチ画面TDを構成する座標位置検出部10は、タッチ画面TD(表示部9)上においてその座標位置を入力する座標入力操作(タッチ操作)を使用者の動作として検出するようにしたので、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能の操作を座標位置の入力動作で行うことができると共に、既存のタッチ画面TDを音関連機能の操作手段として活用することができる。
【0065】
ビュースタイルのように、メイン操作部4が使用不可能な状態である場合には、バックグラウンド処理として音関連機能が動作中である場合でも、座標位置検出部10によって検出された座標入力操作をフォアグランド動作中の機能に割り当てるようにしたので、メイン操作部4が使用できない状態であってもメイン処理として動作中の機能を座標位置検出部10を介して操作することができる。
【0066】
メイン操作部4が使用不可能な状態である場合には、メイン処理として動作中の機能に使用される操作面(キー操作パネルKP)を表示部9の一部に設けた状態において、座標位置検出部10によって検出された座標入力操作がキー操作パネルKPに対するものであれば、この座標入力動作をメイン処理として動作中の機能に割り当て、表示部9の他の部分に対するものであれば、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能に割り当てるようにしたので、メイン操作部4が使用できない状態であっても、メイン処理として動作中の機能及びバックグラウンド処理として動作中の音関連機能のいずれに対しても操作することができる。
【0067】
タッチ画面TDの領域全体を音関連機能に割り当てるようにしたので、表示内容を目視しなくても、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能に対する操作を行うことができる。
【0068】
撮像部11によって使用者を撮像した画像を解析し、その解析結果を使用者の動作として検出するようにしたので、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能の操作を使用者の指などを動かすことによって行うことができ、その動かし方によって操作の種類を変えることができると共に、カメラ機能を構成する既存の撮像部11を音関連機能の操作手段として活用することができる。
【0069】
集音部12によって集音した使用者の音声を認識し、その認識結果を使用者の動作を検出するようにしたので、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能の操作を使用者の声や叩く音によって行うことができ、声の出し方や叩き方によって操作の種類を変えることができると共に、録音機能を構成する既存の集音部12を音関連機能の操作手段として活用することができる。
【0070】
筐体動作検出部13によって装置本体が振られた場合に、その振り操作を使用者の動作として検出するようにしたので、バックグラウンド処理として動作中の音関連機能の操作を当該端末装置の振ることによって行うことができ、振り方によって操作の種類を変えることができると共に、万歩計(登録商標)機能を構成する既存の筐体動作検出部13を音関連機能の操作手段として活用することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態においては、音関連機能として音楽プレイヤ7を例示したが、これに限らず、音関連機能例えば、アラーム機能、ラジオ機能、メールの音声読み上げ機能などであってもよい。
【0072】
また、上述した実施形態においては、表示部9上の座標位置を入力する座標入力操作を使用者の動作として検出する手段として、表示部9と座標位置検出部10とからなるタッチ画面TDを例示したが、タッチパット、トラックボールなどの座標入力手段であってもよい。
【0073】
また、上述した実施形態においては、2軸ヒンジタイプの携帯電話機に適用した場合を例示したが、上述したスライドタイプのほか、操作部筐体に対して表示部筐体を縦方向に開いた縦開き状態のオープンスタイルと、操作部筐体に対して表示部筐体Bを横方向に開いた横開き状態のオープンスタイルに変更可能な2ウエイオープンスタイルなどであってもよい。
【0074】
その他、携帯端末装置としては携帯電話装置に限らず、例えば、PDA(個人用の携帯情報端末)、デジタルカメラ、電子腕時計、音楽再生機などのであっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】携帯端末装置として適用した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】携帯電話機の外観図で、(1)は、操作部筐体Aと表示部筐体Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示した図、(2)は、上述のオープンスタイルから操作部筐体Aに対して表示部筐体Bを180°回転させたのち、操作部筐体Aに対して表示部筐体Bを折り畳んだ状態のビュースタイルを示した図。
【図3】フラグメモリFMを説明するための図。
【図4】動作テーブルMTを説明するための図。
【図5】(1)は、メール機能がメインとして動作中の場合、(2)は、メール機能がメインで動作中の場合に、バックグランドとして音楽プレイヤ7が動作中である場合、(3)は、ビュースタイルにおいてメール機能がメインで動作中の場合に、バックグランドとして音楽プレイヤ7が動作中である場合、(4)は、音楽プレイヤ7がメインで動作中の場合の表示例を示した図。
【図6】電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図7】図6に続く動作を示したフローチャート。
【図8】図7に続く動作を示したフローチャート。
【図9】図7に続く動作を示したフローチャート。
【図10】タッチ操作に応答して実行される座標位置検出処理(図6のステップA10、図9のステップA42など)を詳述するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
1 制御部
3 記憶部
4 メイン操作部
5 通信部
7 音楽プレイヤ
8 サウンドスピーカ
9 表示部
10 座標位置検出部
11 撮像部
12 集音部
13 筐体動作検出部
14 スタイル検出部
TD タッチ画面
FM フラグメモリ
MT 動作テーブル
MF 動作中フラグ
DF 検出部フラグ
SF スタイルフラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部及び操作部を備え、音関連機能を含む複数の機能を並行して動作可能な端末装置であって、
使用者の動作を検出する動作検出手段と、
この動作検出手段によって検出される動作と前記音関連機能に関連する操作を対応付けて記憶する記憶手段と、
フォアグランド処理として動作中の機能に並行してバックグラウンド処理として前記音関連機能が動作中であるか否かを判別する動作状態判別手段と、
この動作状態判別手段によってバックグラウンド処理で前記音関連機能が動作中であると判別された場合に、前記操作部による操作を前記フォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる一方、前記動作検出手段によって検出された動作を前記音関連機能に割り当て、この動作検出手段によって使用者の動作が検出された場合に、この動作に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記音関連機能の操作を実行させるように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記バックグラウンド処理で前記音関連機能が動作中であると判別された場合に、前記表示部による表示及び前記操作部による操作を前記フォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記動作検出手段は、前記表示部上の座標位置を入力する座標入力操作を使用者の動作として検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記操作部が使用可能状態であるか否かを判別する操作部状態判別手段を更に備え、
前記制御手段は、前記操作部状態判別手段によって操作部が使用不可能な状態であると判別された場合には、前記動作状態判別手段によってバックグラウンド処理で音関連機能が動作中であると判別されるか否かに拘わらず、前記動作検出手段によって検出された座標入力操作をフォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記操作部状態判別手段によって操作部が使用不可能な状態であると判別された場合に、フォアグランド処理として動作中の機能に使用される操作面を前記表示部の一部に設けた状態において、前記動作検出手段によって検出された座標入力操作が前記操作面に対するものであれば、この座標入力操作をフォアグランド処理として動作中の機能に割り当て、前記表示部の他の部分に対するものであれば、当該座標入力操作をバックグラウンド処理として動作中の前記音関連機能に割り当てる、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項6】
前記動作検出手段は、前記表示部と座標位置検出部とを備えたタッチ画面上で行われるタッチ操作を使用者の動作として検出し、
前記制御手段は、前記タッチ画面へのタッチ操作を前記音関連機能に割り当てる、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項7】
前記動作検出手段は、使用者を撮像した画像を解析し、その解析結果を使用者の動作として検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項8】
前記動作検出手段は、集音した使用者の音声を認識し、その認識結果を使用者の動作として検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項9】
前記動作検出手段は、装置本体が振られた場合に、その振り操作を使用者の動作として検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
音関連機能を含む複数の機能を並行処理する手段と、
使用者の動作を検出する手段と、
前記検出される動作と前記音関連機能に関連する操作を対応付けて記憶管理する手段と、
フォアグランド処理として動作中の機能に並行してバックグラウンド処理として前記音関連機能が動作中であるか否かを判別する手段と、
前記バックグラウンド処理で前記音関連機能が動作中であると判別された場合に、前前記操作部による操作を前記フォアグランド処理として動作中の機能に割り当てる一方、前記検出された動作を前記音関連機能に割り当て、前記使用者の動作が検出された場合に、この動作に対応付けて記憶されている前記音関連機能の操作を実行させるように制御する手段と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−103721(P2010−103721A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272659(P2008−272659)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】