説明

竹粉を配合した油粘土

【課題】焼却による廃棄処分が可能で環境に優しく、また切削性が良好で且つ切削刃物の摩耗を少なくすることができ、さらに粘土の硬さが変化し難く且つ密着性が良好である竹粉を配合した油粘土を提供する。
【解決手段】油成分に粘土用成分を混練して製造される油粘土において、前記油成分に脂肪酸の金属塩とワックスとが配合され、前記粘土用成分に竹粉が配合されてなるものであり、焼却による廃棄処分が可能で環境に優しいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粘土用成分に竹粉が配合されてなる油粘土に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油粘土として、例えば脂肪酸の金属塩とワックスとからなる油成分と、例えばシリカやカオリナイト等を粉体状にした土砂粉又はポリエチレンやポリエステル等を粉体状にした樹脂粉からなる粘土用成分とを配合させたものが一般造形用及び工業用に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、上記の如く粘土用成分にシリカやカオリナイト等を粉体状にした土砂粉を配合したものについては、全体重量が重くなるため油粘土の運搬作業が困難になり取り扱いが難しいという問題があった。
【0004】
一方、上記の如く粘土用成分にポリエチレンやポリエステル等を粉体状にした樹脂粉を配合したものについては、粘土用成分にシリカやカオリナイト等を粉体状にした土砂粉を配合したものと比較して全体重量が軽くなるため油粘土の運搬作業が困難になるという問題を解決することができるが、焼却することができないため廃棄処分が困難であるという別の問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような問題を解決するため粘土用成分に竹粉を配合することに着目し、焼却による廃棄処分が可能で環境に優しく、また切削性が良好で且つ切削刃物の摩耗を少なくすることができ、さらに粘土の硬さが変化し難く且つ密着性が良好である竹粉を配合した油粘土を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、油成分に粘土用成分を混練して製造される油粘土において、前記油成分に脂肪酸の金属塩とワックスとが配合され、前記粘土用成分に竹粉が配合されてなるものであり、焼却による廃棄処分が可能で環境に優しいことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記竹粉の配合量を全体量の約70〜30%の範囲内に設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、粘土用成分に竹粉を配合することにより焼却による廃棄処分が可能で環境に優しい油粘土を提供することが可能になる。また、粘土用成分に竹粉を配合することにより樹脂粉を配合する場合よりも切削性が良好で且つ切削刃物の摩耗を少なくすることができる油粘土を提供することが可能になる。さらに、粘土用成分に竹粉を配合することにより油を吸収する度合いが一定になることから木粉を配合する場合よりも粘土の硬さが変化し難く且つ密着性が良好である油粘土を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の竹粉を配合した油粘土の特性について説明する。尚、本発明の竹粉を配合した油粘土は一般造形用及び工業用のいずれの用途にも使用することができる。
【0010】
表1に示すように竹粉の配合量を全体量の約70〜30%の範囲内に設定した油粘土と、従来の油粘土(土砂粉又は樹脂粉を配合)との特性(環境性・廃棄処分、切削性・刃物摩耗度、硬さ・密着性、重さ・作業性)を比較した評価内容は、表2に示す通りである。
【0011】
【表1】

【0012】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
油成分に粘土用成分を混練して製造される油粘土において、前記油成分に脂肪酸の金属塩とワックスとが配合され、前記粘土用成分に竹粉が配合されてなるものであり、焼却による廃棄処分が可能で環境に優しいことを特徴とする竹粉を配合した油粘土。
【請求項2】
前記竹粉の配合量を全体量の約70〜30%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に記載の竹粉を配合した油粘土。

【公開番号】特開2008−50474(P2008−50474A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228485(P2006−228485)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(506289206)栄光産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】