説明

竹粉炭の土壌改良材及びその製造方法

【課題】竹を材料とする土壌改良効果の高い土壌改良材を安価にして提供すること。竹林の荒廃を防ぎ、資源として有効活用をし、循環型産業としての確立を目指し、地域産業(炭焼き技術)を活性化させ、雇用拡大に貢献する。
【解決手段】竹炭Aをカッティング方式+フリースイングハンマー方式の粉砕機1と送風機2と集塵機3をエアーパイプで連結させた装置で粉砕することにより機械の目詰まりを起こさず、通気性の良い竹粉炭Bが生産できる。さらに、ミキサー4に移し、竹酢液Cを5〜60%加え、2日間浸透させることにより粉塵の出ない竹酢液入り竹粉炭Dが大量生産できるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は竹炭を粉砕して出来た竹粉炭と竹炭を焼く過程で出来る竹酢液を混合して出来た竹酢液入り竹粉炭及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土壌改良材として木材を蒸し焼きにして生成した木粉炭が知られている木粉炭は大きな土壌改良効果を有しており、多くの農家で重用されている。
【0003】
【特許文献1】 特開平7−118633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上を述べた従来からの木粉炭は比重が小さく農作地に散布すると風で散逸し、その使用や取り扱いには効率の悪さという問題点があった。そういった点からかなり高価なものになり、木材を蒸し焼きにして生成されているが、木材は山からの伐り出しが面倒であり、また蒸し焼きに長時間を要することから木材を原料とする木粉炭はかなり高価である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
竹は各地に自然生育しているが有用な利用方法がないことから、ほとんど放置されている実情である。しかし竹は木材より、はるかに伐りだしやすく成長もとても早く蒸し焼きも木炭の半分の時間にてでき、低コストで粉炭ができる。さらにこれに竹炭をつくる課程で出る竹酢液を入れ集め2日間浸透させる事により取り扱いが容易な竹粉炭・竹酢液入り土壌改良材として加工したものである。
【発明の効果】
【0006】
竹炭を大小の粒状〜チップ状にしたものに竹酢液を加え、2日間浸透させることにより、風や雨水などに散逸しにくくなり、耕地に均一に散布、土壌にも混合しやすく、取り扱いが容易である。また、特定有機肥料として大量生産が可能である。さらに、竹林の間伐及び有効活用に繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
竹炭をチップ材粉砕機で5mm以下に粉砕した竹粉炭を木工用集塵機に送風機を連結し、フィルターバックに集塵・蓄積が可能になった。フィルターバックから竹粉炭をミキサーに移し入れ竹酢液を5%〜60%を加え、粉塵が出なくなるまで充分に時間をかけて混ぜ合わせる。次にミキサーから大型容器に移し、2日間浸透させる。そのことにより粉塵が出なくなる。
竹粉炭の土壌改良材を耕地・園芸・果樹・鉢物・造園に特定有機肥料として使用することで成長を早め効果が高い。
【実施例】
【0008】
竹酢液入り竹粉炭としての効果について
鉢物・プランターの場合(ラン、山野草)成長が早く雑草が生えにくい葉につやが出る。更に、水はけ、通気性が良く根腐れを防ぐ。
耕地の場合(里イモ、トマト、ダイコン、キュウリ、ナス、イチゴ)
芋類は特に成長が約2倍の差がある。トマト、ダイコン、キュウリ、ナスは成長も良く葉の色も濃く試食して、甘味が強い。
造園の場合、根元にふるだけで、竹酢液の効果により、アブラ虫、アリの発生を防ぎ、葉の色が濃くなる。
図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1の粉砕機1・2に80cmの竹炭Aを上方より1・2本ずつ入れ、粒状〜チップ状に粉砕する。送風機2と集塵機3の同時稼動により、機械の目詰りする事がなくエアーパイプの中を流れて集塵機3のエアーバックに入る。大量に入れると逆流する為、60%位の蓄積状態で完了にする。次に竹粉炭Bをミキサー4に移し、5%〜60%の竹酢液Cを入れながら、粉塵が出なくなるまで回すと竹酢液入り竹粉炭(竹酢液混合)Dが出来る。大型容器に移し2日間浸透後、袋詰めをする。2日間より早く袋詰めすると硬化してしまう為、2日間浸透の時間を要する。しかし、従来の木粉炭の生産工程と比較すると作業時間が大幅に短縮でき大量生産が可能になり、地域活性化の産業として大いに期待が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は農作地の土壌の性質を改良する土壌改良材とその製造方法に関するものである。竹の特性である早い成長を利用し、特定有機肥料として活用することで資源循環型産業として期待することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の製造方法を示した図である
【符号の説明】
【0011】
A 竹炭
B 竹粉炭
C 竹酢液
D 竹酢液入り竹粉炭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹は木材(木炭)と比較すると、中が空洞であり木目がない。更に蒸し焼きの工程を加える事で、竹の特性を利用した粉砕方法によって小馬力のエンジンでも粉砕がしやすくなり、木炭の粉砕時には、大量発生する粉塵に比べると少ない。よって木工用集塵機のパイプに詰まる事がなく連続運転ができる事で粉砕の大量生産が可能であることを特徴とする竹粉炭の土壌改良材。
【請求項2】
竹酢液を5%〜60%加え、2日間浸透させる事により、散逸する事がなく取り扱いがよいうえ、特定有機肥料としての相乗効果も高いことを特徴とする竹粉炭の土壌改良材。
【請求項3】
粉砕した竹粉炭は、大小の小粒状のため土粒子と混ぜて使用すると根に対する通気性が良く成長がきわめて早いことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の竹粉炭の土壌改良材及び製造方法。
【請求項4】
竹材を塩分濃度の低い海水に含ませ炭化したものを土壌改良材として、使用することにより作物の糖度を上げる効果がある。深く入りこんだ湾内に流れ込んでいる川からの淡水と混ざり塩分濃度が低い海水を利用することで、低コストの海水を最大限に利用できる。
【請求項5】
炭化温度が400℃〜450℃で炭化した竹粉炭に蒸留竹酢液を2倍に薄め、2日間浸透させることによって、PHが6〜7の土壌改良材が出来る。
【請求項6】
硬く締まった北限の竹材は炭化した時の歩止りが極めて良く、多くの竹炭化の割合が極めて高い。竹は全国に分布しているが、南の竹ほど柔らかく炭化しても容量が少ない。北限の竹を炭化することにより大量生産が可能となる。
【請求項7】
木酢粉炭に比べ、竹酢粉炭を使用することにより土壌の連作障害を防止することが可能になる。

【図1】
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【公開番号】特開2006−124711(P2006−124711A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313443(P2005−313443)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(504400126)
【出願人】(504400090)
【Fターム(参考)】