説明

笑顔等誘導撮影装置

【課題】映像を使って、写そうとする被写体人を笑顔へと導き、自動でシャッターが切れるようにして、簡単に微笑ましい写真を撮ることが出来るようにする。
【解決手段】笑顔等誘導撮影装置は、被写体人に向けられる映像モニターとカメラとから成り、該映像モニターには、笑い又は驚き等の表情を起こさせるよう一連のストーリーを構成するコマ6a〜6eを並べ、該コマ6a〜6e毎にアドレス7a〜7eを付設し、前記ストーリーの中から笑い等が起こるであろうシーンに該当するアドレス7a、7c、7eを特定し、カメラのシャッターとその特定したアドレス7a、7c、7eとを連係関係に置き、該映像データの特定アドレス7a、7c、7eにおいてカメラのシャッターを自動的に作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラのアクセサリーシューに液晶モニターを取り付けることが出来るようにして、写そうとする被写体人の笑顔を誘導し、その笑顔を的確に撮影することができる液晶モニターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、写そうとする被写体人の表情を写真に捉えるとき、その人物の表情の動きを検出し、自動撮影を行う電子スチルカメラがある(例えば、特許文献1参照)。
本来、写真には、明るい笑顔や微笑ましい表情を写したいものである。
しかし、写真を撮る際、一般的に人間はカメラを向けられると、軽い緊張を覚え表情が硬くなってしまうことが多い。
【0003】
又、カメラを向けられた状況で笑顔を要求されても笑える筈もなく、自ら笑顔を作ることを不快に感じる人もいる。
ましてや、小さい子供は、大抵の場合あまり落ち着きが無く、素直に言うことを聴いてくれなかったり、恥ずかしがったりと自然な笑顔を引き出すどころか、その注意をカメラに引きつけておくことさえ難しく、笑顔を写真に収めることは大変困難である。
又、前記、笑顔等表情の変化に合わせ撮影を行う手段はあったが、写そうとする被写体人を笑顔にする等、その表情を変化させて魅力を引き出し、且つ同時に撮影を行う手段は無かった。
【0004】
以上のことをふまえると、上記、撮り手が写そうとする被写体人を笑顔にして微笑ましい写真を撮ることは容易なことではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−41643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、前途の欠点を解決しようとするもので、写真を撮る際、カメラの上部にあるアクセサリーシューに液晶モニターを取り付けることが出来る様にして、映像モニターに映像を映し出し、その映像を利用して、写そうとする被写体人の緊張を和らげると共に、表情を自然な明るい笑顔へと導き、被写体人が笑顔になると予測するタイミングに合わせてシャッター信号をカメラに送り、自動でシャッターが切れるようにして、誰でも簡単に微笑ましい写真を撮ることが出来るようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
笑顔等誘導撮影装置は、被写体に向けられたカメラと、同様に被写体に向けられる映像モニターとから成り、
該映像モニターには、
(a) 笑い又は驚き等の表情を起こさせるよう一連のストーリーを構成するコマを並べ、(b) 該コマ毎にアドレスを付設し、
(c) 上記ストーリーの中から笑い等が起こるであろうシーンに該当する部分のコマのアドレスを特定し、
上記
(a)〜(c)の条件を備えた映像データを取り込み、上記カメラのシャッターと上記映像データのアドレスとを連係関係に置き、該映像データの特定アドレスにおいてカメラのシャッターを自動的に作動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上途の様に、本発明の笑顔等誘導撮影装置は、写そうとする被写体人となる人物に向けられるカメラと、映像モニターとから構成されているので、映像モニターに映し出した映像を、写そうとする被写体人となる人物(以下、被写体人とする)に見せることが出来ると共に、その映像を見ている被写体人の表情をカメラで撮影することが出来る。
【0009】
次に、液晶モニター本体の上部に外部接続端子及び、ケイタイ接続端子を設けているので、映像データを外部から取り込むことが出来る。
又、上記、外部からの取り込みによって映像モニターに映し出す映像は、面白いストーリーや、楽しいストーリー、又は、ドッキリストーリーなどで構成する一連のストーリーを設定するので、被写体人の注意を引き付けると共に、笑い、驚きなどの様々な表情へと導くことが出来る。
【0010】
そして、上記、一連のストーリーのコマのすべてにアドレスを付設するので、そのコマの中から笑いが起きるであろうシーンのコマを選出し、そのコマのアドレスを特定することが出来る。
【0011】
その時、上記、特定のアドレスとカメラのシャッターを連係関係に置いたので、その特定のアドレスに合わせてシャッターが自動で作動し、写そうとする被写体人の笑い、驚きなどの様々な表情にタイミングを合わせて写真に収めることが出来る。
【0012】
その結果、誰でも簡単に被写体人を笑顔へと導き、微笑ましい写真を自動で撮ることが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】液晶モニターの正面斜視図。
【図2】一眼レフカメラの正面斜視図。
【図3】一眼レフカメラに取り付けを行った正面斜視図。
【図4】本考案の使用状態を示す斜視図。
【図5】本考案の映像のコマの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に従って実施の形態を説明する。
液晶モニター本体1は、主に図1に示すように、映像モニター1aに映し出す映像を、写そうとする被写体人に見せると共に、その映像を見ている被写体人の表情をカメラ1eで撮影することが出来るようにする為に、被写体人に向けて設けた映像モニター1aと、同じく被写体人に向けて設けたカメラ1eとから構成される。
【0015】
次に、映像モニター1aに映し出す映像データを外部から取り込むことが出来るようにする為に、液晶モニター本体1の上部に外部接続端子1b及び、ケイタイ接続端子1cを設けた。
尚、上記、外部から取り込んだ映像データを保存することが出来るようにする為に、液晶モニター本体1の側面に記憶機構1dを設けた。
【0016】
又、主に図2に示すように一眼レフカメラ3の上部にアクセサリーシュー3aが設置されているカメラ等に、液晶モニター本体1を装着することが出来るようにする為に、液晶モニター本体1底部にシュー接点ピン2を設けた(図1、3参照)。
【0017】
次に、図4に示すように、被写体人5の注意を映像モニター1aに映し出す映像に引き付けて、笑い、驚きなどの様々な表情を起こさせることが出来るようにする為に、面白いストーリーや、楽しいストーリー、又は、ドッキリストーリーなどで構成する一連のストーリー映像を設定する。
【0018】
ここで、上記ストーリー映像の一例を挙げる。
例えば、図5に示すように、子供たちが父親の誕生日に、その父親に対してドッキリを仕掛けるストーリーで構成する映像データ6を設定する。
【0019】
内容は、安全装置として車のハンドルに装備されているエアーバックを、リビングにあるソファーに仕掛け、そのソファーに父親を座らせる。
何も知らずに、ソファーに座らされた父親は、ビデオカメラに向かって愛想を振りまいていると、突然仕掛けられたエアーバックが開き、父親は真上に飛び上がって床に転がり込んでしまう。
まんまとドッキリに引っ掛かってしまい、真上に飛び上がってしまう父親のさまは実に滑稽なもので、その姿に誰もが大笑いしてしまう内容である。
【0020】
次に、図5に示すように、上記、ドッキリを仕掛けるストーリー例の映像データ6のコマ6a〜6eの中から、笑いが起きるであろうシーンのコマを選出し、その選出したコマを特定出来るようにする為に、コマ6a〜6eのすべてにアドレス7a〜7eを付設する。
【0021】
次に、上記ストーリーの中で、被写体人の笑顔を写真に収める為には、そのストーリーのコマ6a〜6eの中から、どのシーンを選出し特定するのか具体例を挙げる。
【0022】
まず、ドッキリに引っ掛かるかどうかを楽しみに見ている、被写体人のワクワクした表情にタイミングを合わせる為に、コマ6a〜6eの中から、父親がソファーに腰掛けていてビデオカメラに向かって愛想を振りまいている場面の、まさにドッキリに引っ掛かる直前のシーンのコマ6aを選出し、そのコマ6aに付設したアドレス7aを特定する。
【0023】
尚、上記ストーリーの中での最大の笑いに該当するシーンは、父親がドッキリに引っ掛かり、真上に飛び上がってしまうシーンである。
ところが、人間が映像を見て面白いと判断して笑いが起こり笑顔になるまでには、その状況を認識するまで多少の時差が生じる。
【0024】
そこで、上記、人間が状況を認識する間の時差を埋めて、被写体人が笑い、最高の笑顔になった時にタイミングを合わせられるようにする為に、コマ6a〜6eの中から父親が飛び上がってから一呼吸置いて、下に落ち出すシーンのコマ6cを選出し、そのコマ6cに付設したアドレス7cを特定する。
【0025】
又、人の笑いは一瞬で終わるものではなく、しばらく継続するものである。
そこで、被写体人の笑顔の変化にタイミングを合わせると同時に、より確実に被写体人の笑顔にタイミングを合わせることが出来るようにする為に、更に、コマ6a〜6eの中から、父親が床に落ちて転げ回るシーンのコマ6eを選出し、そのコマ6eに付設したアドレス7eを特定する。
【0026】
即ち、上記、特定したアドレス7a、7c、7eにおいてシャッターが自動で作動して、写真を撮影出来るようにする為に、その特定のアドレス7a、7c、7eとカメラのシャッターを連係関係に置く。
【0027】
その他、映像の例として、面白いアクション映像、又は、ハプニング映像や、話題の動画、更にはお笑い芸人の一発ギャグ特集などといった様々な映像内容が挙げられる。
又、子供向けの映像としては、人気のキャラクターが子供に話しかけてきたり、そのキャラクターとにらめっこをしたり、又は音楽に合わせて一緒に踊ったり、更には突然ずっこけたりするなど、様々なアクションを起こすような映像などが挙げられる。
【0028】
次に、本発明の実施の形態の作用効果を説明する。
従来では、人物を写真に写すときには、その人物の魅力あふれる素敵な表情を写真に写したいものである。
従って撮り手は、まず、写そうとする被写体人となる人物の魅力をいかに引き出せるかが鍵となる。
【0029】
ところが、大抵の場合は、被写体人に対して、笑いを誘うような言葉を掛けてあげることが出来ずに、無機質にカメラを向けた状態で撮影をする為、被写体人の表情をこわばらせてしまうことが多い。
又、被写体人自らが、その無機質に向けられたカメラに対して笑顔を作らなくてはならないことから、写真を撮られることを負担に思う人もいる。
【0030】
更に、前記、笑顔等表情の変化に合わせ撮影を行う手段はあったが、写そうとする被写体人を笑顔にする等、その表情を変化させて魅力を引き出し、且つ同時に撮影を行う手段は無かった。
【0031】
即ち、撮り手と被写体人が、双方の思惑を合致させ、信頼関係を築いた上で、お互いがその撮影状況を楽しめない限りは、被写体人の自然な笑顔を引き出し、且つ魅力のある写真を収めることは大変に難しいものであった。
【0032】
本発明にあっては、主に図1に示すように、液晶モニター本体1が、写そうとする被写体人に向けて設けた映像モニター1aと、同じく被写体人に向けて設けたカメラ1eとから構成されているので、映像モニター1aに映る映像を被写体人に見せることが出来ると共に、その映像を見ている被写体人の表情をカメラ1eで撮影することが出来る。
【0033】
次に、液晶モニター本体1の上部に外部接続端子1b及び、ケイタイ接続端子1cを設けているので、映像データを外部から取り込むことが出来る。
尚、液晶モニター本体1の側面に記憶機構1dを設けたので、上記、映像データを保存することが出来る。
又、液晶モニター本体1の底部にシュー接点ピン2を設けたので、一眼レフカメラ3等の上部にアクセサリーシュー4が設置されているカメラに装着が可能になる為、一眼レフカメラ3等を使った本格的な撮影も出来るようになる(図2、3参照)。
【0034】
次に、主に図4に示すように、液晶モニター本体1を前方に向けて一眼レフカメラ3に設置し、映像データを再生して一眼レフカメラ3を構えるか、又は、三脚4に備え付け、被写体人5に向けて撮影準備に入る。
【0035】
その時、外部からの取り込みによって映像モニター1aに映し出す映像データは、面白いストーリーや、楽しいストーリー、又は、ドッキリストーリーなどで構成する一連のストーリーを設定するので、被写体人5の注意を、映像モニター1aに映る映像に引き付けると共に、笑い、驚きなどの様々な表情を起こさせることが出来る。
【0036】
次に、図5に示すように、前記、ドッキリを仕掛けるストーリーの映像データ6のコマ6a〜6eのすべてにアドレス7a〜7eを付設したので、コマ6a〜6eの中から笑いが起きると予測するシーンのコマを選出して、そのコマに付設したアドレスを特定出来るようになる。
【0037】
次に、前記ストーリーのコマから、写そうとする被写体人の最高の笑顔を写真に収める為には、そのコマ6a〜6eの中から、どのシーンのコマを選出し特定すればいいのか具体例を挙げる。
【0038】
まず、コマ6a〜6eの中から、父親がソファーに腰掛けていて、ビデオカメラに向かって愛想を振りまいている場面の、まさにドッキリに引っ掛かる直前のシーンのコマ6aを選出し、そのコマ6aに付設したアドレス(10151)7a特定するので、ドッキリに引っ掛かるのを楽しみに見ている、被写体人のワクワクした表情にタイミングを合わせることが出来る。
【0039】
又、前記ストーリーの中で、最大の笑いに該当するシーンは、父親がドッキリに引っ掛かり、真上に飛び上がってしまうシーンである。
ところが、人間が映像を見て面白いと判断して笑いが起き、笑顔になるまでには、その状況を認識するまでの多少の時差が生じる。
【0040】
そこで、コマ6a〜6eの中から父親が飛び上がってから一呼吸置いて、下に落ち出すシーンのコマ6cを選出し、そのコマ6cに付設したアドレス(10181)7c特定するので、上記、人間が状況を認識する間の時差を埋めて、被写体人が笑い、最高の笑顔になった時にタイミングを合わせられるようになる。
【0041】
尚、人の笑いは一瞬だけではなく、しばらく継続するものである。
そこで、更に、コマ6a〜6eの中から父親が床に落ちて転げ回るシーンのコマ6eを選出し、そのコマ6eに付設したアドレス(10211)7e特定するので、被写体人の様々な笑顔の変化にタイミングを合わせると同時に、より確実に被写体人の笑顔にタイミングを合わせることが出来るようになる。
【0042】
即ち、上記、特定のアドレス7a、7c、7eとカメラのシャッターを連係関係に置いたので、その特定のアドレス7a、7c、7eにおいてシャッターが作動し、被写体人が笑い、笑顔になるタイミングに合わせて自動で写真を撮影することが出来るようになる。
【0043】
その他、映像の例として、子供に人気のキャラクターが喋りかけてきたり、踊り出したりするなどの、楽しい映像を設定すれば、子供を飽きさせることなく映像に注意を引き付けられるので、カメラで撮影していることを忘れさせると共に、その楽しさから自然と笑顔になり、思わず一緒に踊り出したくなるような効果を奏する。
又、犬やネコなど動物の可愛らしい動作や行動を写した映像を使用すれば、その可愛らしさに心が癒され、被写体を、とても優しい表情にさせる効果を奏する。
【0044】
本発明は、上途の如き構成からなるものであるから、主に図4に示すように、液晶モニター本体1を一眼レフカメラ3の上部に設置して、映像モニターに一連のストーリーから成る映像データ6を再生させ、そのストーリーを被写体人5に見せることで、従来のように、撮り手が被写体人5を笑顔にするためのアクションをすることなく、自然な笑顔へ導くことが出来る(図5参照)。
【0045】
更に、被写体人5が笑顔になると予測するシーンに合わせて、シャッターを作動させ、その笑顔を的確に捉えて、撮影することが出来る。
この時、撮り手は、液晶モニター本体1を取り付けた一眼レフカメラ3等を被写体人5に向けているだけで、自然で魅力的な被写体人5の表情を、自動的に次々と写真に収めることが出来るものである。
【符号の説明】
【0046】
1 液晶モニター本体
1a 映像モニター
1b 外部接続端子
1c ケイタイ接続端子
1d 記憶機構
1e カメラ
2 シュー接点ピン
3 一眼レフカメラ
3a アクセサリーシュー
4 三脚
5 被写体人
6 映像データ
6a〜6e コマ
7a〜7e アドレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)被写体に向けられたカメラと、同様に被写体に向けられる映像モニターとから成り、
(2)該映像モニターには、
(a)笑い又は驚き等の表情を起こさせるよう一連のストーリーを構成するコマを並べ、
(b)該コマ毎にアドレスを付設し、
(c)上記ストーリーの中から笑い等が起こるであろうシーンに該当する部分のコマのアドレスを特定し、
(3)上記 (a)〜(c)の条件を備えた映像データを取り込み、上記カメラのシャッターと上記映像データのアドレスとを連係関係に置き、
(4)該映像データの特定アドレスにおいてカメラのシャッターを自動的に作動させることを特徴とする笑顔等誘導撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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