説明

等方圧加圧装置のゴム型

【課題】様々な使用状況下にも適用可能で、加圧時のゴム型内壁の損傷を防止できる等方圧加圧装置のゴム型を提供する。
【解決手段】ゴム型本体1と、このゴム型本体1の上下開口部に嵌合された蓋体2とから構成され、前記ゴム型本体1及び前記蓋体2とにより画成される空間に充填された粉末状の成形原料3を、前記ゴム型本体1の外周部から圧力媒体により等方圧加圧することにより、成形原料3を加圧成形する等方圧加圧装置のゴム型において、前記ゴム型本体1の内周面1aと前記蓋体2の内面2aとの接線近傍の当該ゴム型本体1の内周部が、前記ゴム型本体1を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴム5からなる環状ゴム部材4により構成されると共に、前記ゴム型本体1における前記環状ゴム部材4の内周面4aと、その他ゴム型本体1の内周面1aとの間に実質的に段差が無い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、等方圧加圧装置のゴム型に係り、特に、乾式等方圧加圧装置のゴム型の消耗品としてのメリットを無くして、生産性の低下や加圧装置のコストアップを招くことの無い等方圧加圧装置のゴム型に関する。
【背景技術】
【0002】
等方圧加圧装置は、流体を圧力媒体として、通常100MPa以上の高圧の等方圧を粉末材料等に加え、中実棒状体、円筒体或いは有底円筒体等の種々の形状に成形する装置であり、セラミックスや粉末冶金の分野で有力な成形装置として利用されている。この様な等方圧加圧装置には、ゴム型を直接、水等の圧力媒体中に入れて加圧する湿式によるものと、圧力容器内に組み込まれたゴム型を介して加圧する乾式によるものとがある。
【0003】
乾式等方圧加圧装置のゴム型では、圧力容器や蓋との嵌合部において加圧による弾性変形が拘束されるのに対し、嵌合部以外の他の部分は半径方向に大きく変形するため、前記嵌合部と非嵌合部との間でゴム型の変形量が急激に変化する結果、成形品の外径寸法に軸方向の不均一を生じたり、これに起因する欠けや割れが発生して、歩留まり低下に至ることもあった。また、ゴム型の嵌合部において損耗が著しく、ゴム型寿命の低下要因となったり、圧力容器とのシール性が低下して、成形型内に圧力媒体が侵入して成形不良を生じさせるという問題もあった。
【0004】
そこで先ず、この様な問題点を改善するための従来技術につき、以下添付図4,5も参照しながら説明する。図4は従来例1に係る冷間静水圧加圧成形用成形型の実施例を示す断面図、図5は従来例2に係る乾式冷間正水圧加圧装置の実施例を示す立面断面図である。
【0005】
従来例1に係る冷間静水圧加圧成形用成形型は、図4に示す如く、粉体材料12が収容されるゴム型13の開口部14が、金属製蓋体15により着脱自在に施蓋され、蓋体15が、ゴム型13内に挿着される小径部18と、ゴム型13外部に位置し且つゴム型13の端面と接当する大径部19とを有するものにおいて、小径部18の内端縁部の外周面とゴム型13の内周面間に、弾性材料からなる介装リング11を配設することにより、粉体材料12の加圧時に変形するゴム型13当該部の損耗を防止するものである(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、この従来例1に係る加圧成形用成形型は、介装リング11を配設することにより、ゴム型13の端部開口径は小さくせざるを得ない。従来例1はそれが許容される場合のみ適用可能であり、ゴム型13の内径が単純円形状でなければならない場合(例えば、図4に示す様な円筒形状の成形において、ゴム型13の内径とマンドレル16の外径との差が非常に小さい場合、或いは粉体材料12の供給後に充填密度を向上させる目的で、ゴム型12内径より僅か小径の治具により粉体材料12を圧縮する必要がある場合)では適用できない。
【0007】
また、介装リング11は消耗品として交換する目的で、金属製蓋体15及びゴム型13から分離可能な構造となっているため、高生産性が要求される自動装置(乾式CIP装置等)では、介装リング11の着脱工程のため複雑な工程が必要となり、生産性の低下と装置コストの増大要因となる。尚、介装リング11を接着等により固定するとしても、ゴム型13に固定する場合は、介装リング11を消耗品とするメリットが無くなり、金属製蓋体15に固定する場合は、ゴム型13との間に粉体材料12が侵入し加圧により介装リング11を破損する恐れがある。従って、全自動式CIP装置等では、介装リング11の無い単純形状のゴム型が望ましい。
【0008】
次に、従来例2に係る乾式冷間静水圧加圧装置は、図5に示す如く、上下パンチ26,27の少なくとも何れか一方の端面に、加圧ゴム型22による径方向の成形圧力を受けて弾性変形することで軸方向の加圧力を付与すると共に、弾性復元可能なゴム蓋23を装着し、該装着面の反対側に被成形体21と接触する金属製スペーサ24を設けたものである(特許文献2参照)。
【0009】
しかしながら、この従来例2は、上下パンチ26,27の少なくとも何れか一方の端面に、ゴム蓋23と金属製スペーサ24を設けることにより、加圧ゴム型22の端面の変形を抑えているが、その部分だけ上下方向の成形スペースが減少するという課題がある。また、金属製スペーサ24の存在により、その部分だけ変形が不均一になるという問題もあった。
【0010】
更に、従来例3に係る乾式冷間静水圧加圧装置は、内側ゴム筒型を外側ゴム筒型に対して薄肉でかつゴム硬度を高くしているが、その目的はゴム型の交換を容易にしたり価格を抑えることにある。しかしながら、全面に亘って内側ゴム筒型のゴム硬度を高くしているので、内側ゴム筒型の高さ方向中央部の弾性変形が小さくなり、ゴム型としての弾性が劣るものとなる(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平1−66099号公報
【特許文献2】実公平7−39503号公報
【特許文献3】実公平5−4956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、様々な使用状況下にも適用可能で、加圧時のゴム型内壁の損傷を防止できる等方圧加圧装置のゴム型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る等方圧加圧装置のゴム型が採用した手段は、円筒状のゴム型本体と、このゴム型本体の上下開口部に嵌合された蓋体とから構成され、前記ゴム型本体及び前記蓋体とにより画成される空間に粉末状の成形原料が充填され、前記ゴム型本体をこのゴム型本体の外周部から圧力媒体により等方圧加圧することにより、成形原料を加圧成形する等方圧加圧装置のゴム型に関する。
【0014】
そして、本発明の請求項1に係る等方圧加圧装置のゴム型が採用した手段は、前記ゴム型本体の内周面と前記蓋体の内面との接線近傍の当該ゴム型本体の内周部が、前記ゴム型本体を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴムからなる環状ゴム部材により構成されると共に、前記ゴム型本体における前記環状ゴム部材の内周面と、その他ゴム型本体の内周面との間に実質的に段差が無いことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項2に係る等方圧加圧装置のゴム型が採用した手段は、請求項1に記載の等方圧加圧装置のゴム型において、前記環状ゴム部材が、前記ゴム型本体に設けられた周溝内に埋設接合されてなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項3に係る等方圧加圧装置のゴム型が採用した手段は、請求項1または2に記載の等方圧加圧装置のゴム型において、前記環状ゴム部材が、前記高硬度ゴムと前記ゴム型本体の間に、1層または2層以上からなる中間ゴム層が設けられると共に、この中間ゴム層のゴム硬度が、前記高硬度ゴムとゴム型本体のゴム硬度の中間の硬度とされてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に係る等方圧加圧装置のゴム型によれば、円筒状のゴム型本体と、このゴム型本体の上下開口部に嵌合された蓋体とから構成され、前記ゴム型本体及び前記蓋体とにより画成される空間に粉末状の成形原料が充填され、前記ゴム型本体をこのゴム型本体の外周部から圧力媒体により等方圧加圧することにより、成形原料を加圧成形する等方圧加圧装置のゴム型に関する。
【0018】
そして、前記ゴム型本体の内周面と前記蓋体の内面との接線近傍の当該ゴム型本体の内周部が、前記ゴム型本体を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴムからなる環状ゴム部材により構成されると共に、前記ゴム型本体における前記環状ゴム部材の内周面と、その他ゴム型本体の内周面との間に実質的に段差が無いので、様々な使用状況下にも適用可能になると共に、加圧時の前記ゴム型本体の内壁損傷に対する寿命が向上し、ランニングコストの低減に寄与する。
【0019】
また、本発明の請求項2に係る等方圧加圧装置のゴム型によれば、前記環状ゴム部材が、前記ゴム型本体に設けられた周溝内に埋設接合されてなるので、ゴム型としてより安定した挙動が得られ、長寿命化にも寄与する。
【0020】
更に、本発明の請求項3に係る等方圧加圧装置のゴム型によれば、前記環状ゴム部材が、前記高硬度ゴムと前記ゴム型本体の間に、1層または2層以上からなる中間ゴム層が設けられると共に、この中間ゴム層のゴム硬度が、前記高硬度ゴムとゴム型本体のゴム硬度の中間の硬度とされてなるので、前記ゴム型本体の内周面と前記蓋体の内面との接線近傍の当該ゴム型本体のゴム硬度が、内径側から外径側に向かって徐々に変化することになり、ゴム型の挙動が更に安定して長寿命化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、等方圧加圧装置のゴム型の上部構成右半分を示す部分立断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の他の態様例に係り、等方圧加圧装置のゴム型の上部構成右半分を示す部分立断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係り、等方圧加圧装置のゴム型の上部構成右半分を示す部分立断面図である。
【図4】従来例1に係る冷間静水圧加圧成形用成形型の実施例を示す断面図である。
【図5】従来例2に係る乾式冷間正水圧加圧装置の実施例を示す立面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
先ず、本発明の実施の形態1に係る等方圧加圧装置のゴム型について、以下添付図1,2を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係り、等方圧加圧装置のゴム型の上部構成右半分を示す部分立断面図、図2は本発明の実施の形態1の他の態様例に係り、等方圧加圧装置のゴム型の上部構成右半分を示す部分立断面図である。これら図1,2において、前記ゴム型外側のシール部や保持治具、CIP装置等の図示は省略している。また、当該ゴム型は、ゴム型本体の中心線Cを回転中心として、回転対称をなして構成されている。
【0023】
本発明の実施の形態1に係る等方圧加圧装置のゴム型は、円筒状のゴム型本体1と、このゴム型本体1の上部開口部に嵌合された蓋体2とから構成されており、ゴム型本体1及び蓋体2によって画成される空間に粉末状の成形原料3が充填される。そして、ゴム型本体1を、このゴム型本体1の外周部から、水等の流体を媒体とする圧力媒体により等方圧加圧することにより、成形原料3が所定形状に加圧成形される。符号Cは、円筒状のゴム型本体1の中心線を示す。
【0024】
この様な等方圧加圧装置のゴム型本体1において、ゴム型本体1の内周面1aと前記蓋体2の内面2aとの接線近傍の当該ゴム型本体1の内周部が、ゴム型本体1を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴム5からなる環状ゴム部材4により構成されている。同時に、ゴム型本体1における環状ゴム部材4の内周面4aと、その他ゴム型本体1の内周面1aとの間に実質的に段差が無い様に構成されている。ここで、「実質的に」とは、全く段差が無い場合に加えて、その段差が成形上の誤差程度の非常に僅でしかなく、等方圧加圧時に成形される製品に影響を及ぼさない程度のものでしかない場合を含む。
【0025】
本発明の実施の形態1に係る等方圧加圧装置のゴム型においては、加圧による変形で、蓋部2の内面2aが環状ゴム部材4の内周面4aと接する隅部付近に、大きな張力が発生すると同時に、蓋部2と環状ゴム部材4との嵌合部に成形原料3が侵入することもあるので、その過酷な環境下に曝される環状ゴム部材4の材質には高硬度のゴムが要求される。また、環状ゴム部材4は、ゴム型本体1全体の弾性に影響を与えない様な肉厚Tを選択する必要がある。一方、ゴム型本体1は、ゴム型として適切な弾性挙動(永久歪が少ない)が要求されるため、それに応えられる材質・硬度を選択することが肝要である。
【0026】
従って、ゴム型本体1のゴム硬度は、ゴムショア(JIS A)でHs50〜70の範囲が好ましいのに対し、環状ゴム部材4を構成する高硬度ゴム5のゴム硬度は、ゴムショア(JIS A)でHs70を超え90以下とする範囲が好ましい。また、図1,2において、ゴム型本体1の内周面半径Rは30〜300mm程度、肉厚T1は10〜300mm程度及びゴム型本体1と蓋体2の嵌合長さLは10〜100mm程度とする一方、環状ゴム部材4の肉厚T2は5〜20mm程度とするのが望ましい。
【0027】
更に、環状ゴム部材4の内周面4aが蓋体2の内面2aからなす上部高さがT〜L、前記内周面4aが蓋体2の内面2aからなす下部高さがT〜Rであるのが望ましい。そして、図1において環状ゴム部材4の内周面4aが蓋体2の内面2aからなす上部高さがLとなった場合、図2に相当する態様となる。
【0028】
また更に、ゴム型本体1の内周面1aに、断面形状が環状ゴム部材4と同一の周溝1bが設けられ、環状ゴム部材4はこの周溝1b内に埋設され、かつ接合されるのが好ましい。この様な構成により、環状ゴム部材4はゴム型としてより安定した挙動が得られ、長寿命化にも寄与する。環状ゴム部材4の周溝1b内への接合には、ゴム用接着剤等を用いることができる。
【0029】
尚、本発明の実施の形態1に係る等方圧加圧装置のゴム型は、ゴム型本体1の断面形状が円の外、矩形その他の特殊形状でも良い。そして、本発明の実施の形態1に係る等方圧加圧装置のゴム型は、図1,2ではゴム型本体1の上部開口部のみ示して説明したが、ゴム型本体1の下部開口部においても、上下対称な断面形状を有する構成をなすと共に、上部開口部と同一な機能を有している。尚、実施の形態1では上下両方に、本発明に係る高硬度ゴム型を適用した例を示したが、上下何れか一方だけでもよい。
【0030】
また、図示は省略するが、蓋体2を位置決めに利用し開孔部に中芯(マンドレル)を通して、円筒状の成形体を成形する場合にも適用可能である。更に、環状ゴム部材4の断面形状は、上下端部の形状が、図1,2に示す如く斜面を有する形状に限らず、中心線Cに直交する形状や円弧を有する形状等、他の形状であっても良い。
【0031】
本発明の実施の形態1に係る等方圧加圧装置のゴム型によれば、ゴム型本体1の内周面1aと蓋体2の内面2aとの接線近傍のゴム型本体1の内周部が、ゴム型本体1を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴム5からなる環状ゴム部材4により構成されると共に、ゴム型本体2における環状ゴム部材4の内周面4aと、その他ゴム型本体2の内周面1aとの間に実質的に段差が無いので、加圧時のゴム型本体2の内壁損傷に対する寿命が向上し、ランニングコストの低減に寄与するものである。
【0032】
次に、本発明の実施の形態2に係る等方圧加圧装置のゴム型を、以下添付図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態2に係り、等方圧加圧装置のゴム型の上部構成右半分を示す部分立断面図である。
尚、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、前記環状ゴム部材の構成にあり、その他は全く同構成であるから、環状ゴム部材の構成についての説明に止めるものとする。
【0033】
即ち、本発明の実施の形態1に係る環状ゴム部材4は、ゴム型本体1の内周面1aと前記蓋体2の内面2aとの接線近傍の当該ゴム型本体1の内周部において、ゴム型本体1を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴム5により1層に構成されていたのに対し、本発明の形態2に係る環状ゴム部材4は、高硬度ゴム5とゴム型本体1の間に、1層からなる中間ゴム層6が設けられている。また同時に、環状ゴム部材4は、中間ゴム層6のゴム硬度が、前記高硬度ゴム5とゴム型本体1のゴム硬度の中間の硬度に構成されている。この場合、ゴム型本体1の硬度をHs50〜70とした場合、中間ゴム層6の硬度をHs60〜80程度とし、高硬度ゴム5の硬度をHs70〜90程度とするのが望ましい。ゴム型の硬度は、内側の硬度を外側の硬度より高くすることが必要である。
【0034】
前記中間ゴム層6は1層に限定されることなく、2層以上であっても良い。この様な構成からなる場合は、各中間ゴム層6のゴム硬度は、高硬度ゴム5とゴム型本体1のゴム硬度の中間の硬度であって、且つ徐々に変化する様に構成されることが肝要である。環状ゴム部材4が、この様な中間ゴム層6の構成とされてなることによって、ゴム型本体1の内周面1aと蓋体2の内面2aとの接線近傍の当該ゴム型本体のゴム硬度が、内径側から外径側に向かって徐々に変化することになり、結果としてゴム型の挙動が更に安定して長寿命化に寄与することになる。
【符号の説明】
【0035】
C:ゴム型本体の中心線,
L:ゴム型本体と蓋体の嵌合長さ,
R:ゴム型本体の内周面半径,
T1:ゴム型本体の肉厚,
T2:環状ゴム部材の肉厚,
1:ゴム型本体, 1a:内周面, 1b:周溝,
2:蓋体, 2a:内面,
3:成形材料,
4:環状ゴム部材, 4a:内周面,
5:高硬度ゴム,
6:中間ゴム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のゴム型本体と、このゴム型本体の上下開口部に嵌合された蓋体とから構成され、
前記ゴム型本体及び前記蓋体とにより画成される空間に粉末状の成形原料が充填され、前記ゴム型本体をこのゴム型本体の外周部から圧力媒体により等方圧加圧することにより、成形原料を加圧成形する等方圧加圧装置のゴム型において、
前記ゴム型本体の内周面と前記蓋体の内面との接線近傍の当該ゴム型本体の内周部が、前記ゴム型本体を構成する他の部分のゴム材料より硬度の高い高硬度ゴムからなる環状ゴム部材により構成されると共に、
前記ゴム型本体における前記環状ゴム部材の内周面と、その他ゴム型本体の内周面との間に実質的に段差が無いことを特徴とする等方圧加圧装置のゴム型。
【請求項2】
前記環状ゴム部材が、前記ゴム型本体に設けられた周溝内に埋設接合されてなることを特徴とする請求項1に記載の等方圧加圧装置のゴム型。
【請求項3】
前記環状ゴム部材が、前記高硬度ゴムと前記ゴム型本体の間に、1層または2層以上からなる中間ゴム層が設けられると共に、この中間ゴム層のゴム硬度が、前記高硬度ゴムとゴム型本体のゴム硬度の中間の硬度とされてなることを特徴とする請求項1または2に記載の等方圧加圧装置のゴム型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−206135(P2012−206135A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72547(P2011−72547)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】