説明

等速自在継手の外側継手部材およびその摩擦圧接方法

【課題】鍛造加工される等速自在継手の中実部材の接合部の脆化や割れを防止し、安定した品質で低コストな中実のロングステム部を有する等速自在継手の外側継手部材を提供する。
【解決手段】外側継手部材がカップ部材12’と軸部材13’の2部材からなり、カップ部材12’の中実形状の短軸部31と中実形状の軸部材13’を摩擦圧接したものにおいて、前記カップ部材12’と軸部材13’がいずれも中炭素鋼からなり、少なくとも前記カップ部材12’は、鍛造加工されてカップ部の底部より縮径された短軸部31を有し、短軸部31端面に凹部32を設けることにより環状接合面34を形成すると共に、前記軸部材13’の一端面に凹部33を設けることにより環状接合面35を形成し、前記両環状接合面34、35を突き合わせて摩擦圧接した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、等速自在継手の外側継手部材およびその摩擦圧接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や各種産業機械の動力伝達系を構成する等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸をトルク伝達可能に連結すると共に、前記二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる。等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位の両方を許容する摺動式等速自在継手とに大別され、例えば、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトにおいては、デフ側(インボード側)に摺動式等速自在継手が使用され、駆動車輪側(アウトボード側)には固定式等速自在継手が使用される。
【0003】
摺動式又は固定式を問わず、等速自在継手は主要な構成部材として、内周面にトルク伝達要素が係合するトラック溝を形成したカップ部と、このカップ部の底部から軸方向に延びた軸部とを有する外側継手部材を備えている。この外側継手部材は、中実の棒状素材を鍛造加工やしごき加工等の冷間塑性加工、切削、研削加工等の機械加工を施すことによって、カップ部と軸部とを一体成形する場合が多い。
【0004】
ところで、外側継手部材として、長寸の軸部(ロングステム)を有するものを用いる場合がある。左右のドライブシャフトの長さを等しくするために、片側のドライブシャフトのインボード側外側継手部材をロングステムにし、このロングステムが転がり軸受によって回転支持される。ロングステム部の長さは、車種により異なるが、概ね300〜400mm程度である。この外側継手部材では、軸部が長寸であるために、カップ部と軸部を精度良く一体成形することが困難である。そのため、カップ部を形成するカップ部材と軸部を形成する軸部材を二部材で構成し、両部材を摩擦圧接にて接合するものがある。このような摩擦圧接で接合した継手部材として、例えば、ステム部が中実タイプのものが特許文献1に記載されており、ステム部が中空タイプのものが特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−132284号公報
【特許文献2】特開2006−64060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたものは、ドライブシャフト等に用いられる接合軸について、炭素鋼を基本とし、焼入性を向上させる元素として少なくともCrを0.2〜0.8mass%添加した鋼を素材として用いて、軸を摩擦圧接により接合後、接合部を局部的に高周波再加熱・焼入れすることにより、接合部に生じるベイナイト状の異常組織を再加熱・焼入れすることにより消滅させるものである。そして、再加熱後の冷却により接合部のより中心まで焼入れ硬化させることで、接合部の強度を向上させ、他の部位よりも高強度として、接合部の強度の余裕を持たせるようにしている。Crを炭素鋼より増量添加し、再加熱・焼入れの硬化深さをより増加させている。しかし、Crを添加した特殊な材料を使用するため、材料コストの増加、材料の入手性が容易でないことおよび加工性の低下などの課題がある。
【0007】
特許文献2に記載されたロングステムタイプの等速自在継手の外側継手部材は、カップ部を形成する部材と、軸部を形成するパイプ状の部品を接合した後に、熱処理を施している。軸部を形成する部品の軸方向一端の外周面にスプライン(セレーションを含む。以下同じ)を形成することで、部品点数の削減、接合箇所の削減による低コスト化を図っている。さらに、接合部のみを大径とすることにより、接合部の強度が増し、軸部を形成する部品の軸方向のほぼ全域に熱処理を施すことで強度を向上することができる。このため、軸部を薄肉にすることができ、軽量化を図ることができる。しかし、長寸の軸部の全長を中空化するため、素材コストの大幅な増加や製造コストの増加などの課題がある。
【0008】
本発明者らは、中実のロングステム部を有する等速自在継手の外側継手部材を工業的に生産するための重要な課題を究明するために、後述するように鋭意検討した。
【0009】
通常、鋼材には、介在物や偏析が存在し、この介在物や偏析は鋼材の中心になるほど、清浄度は低下する。すなわち、鋼材の中心になるほど介在物が増加し偏析が多くなる。逆に外周部は清浄度が良くなる。ここで、介在物とは、製鋼時、不可避的に鋼の中に含まれる鉄以外の物質、例えば、硫化物、酸化物等をいい、清浄度は介在物の数をいい、偏析度は添加元素の均質性の指標をいう。以下、同じである。この鋼材を所定の長さで切断して、中実のロングステム部を形成する長寸の軸部材とする。この長寸の軸部材は、上述したように中心になるほど介在物が増加し偏析が多くなり、逆に外周部は清浄度が良くなっている。
【0010】
一方、カップ部を形成するカップ部材は、鋼材を切断したビレットから鍛造加工される。鍛造加工された外側継手部材のカップ側の底部の介在物は、鍛造により縮径されるため面積当たりの介在物の数は増加し、また、偏析もより中心が濃化する。このため、鍛造加工などで縮径された中実部材を接合する場合、この介在物が接合面に多く介在する場合がある。また、偏析の多い部分が接合面に介入すると接合後に接合部にマルテンサイトやベイナイトの硬い組織が局部的に散在する場合がある。このように、マルテンサイトの硬い組織が接合部に存在すると接合部の脆化や割れが生じる場合がある。この脆化や割れは接合する部材の炭素量が低ければ、発生し難い。その原因は、接合時の900〜1100℃前後の加熱状態から室温に空冷される際に、偏析の影響で局部的に空気焼入れされ、マルテンサイトやベイナイトが生じる。しかし、炭素量が低い例えば浸炭焼入れに多用されるクロム鋼(SCr)やクロム・モリブデン鋼(SCM)では、マルテンサイトやベイナイトの硬さが低いため、母材との硬さの差が小さいため、局部的な内部ひずみが小さく接合部への悪影響は小さくなり、一方、炭素量が増加すると空気焼入れにより生じたマルテンサイトやベイナイトの硬さが増加し、母材との硬さの差が大きくなり、局部的な内部ひずみが大きくなり接合部への悪影響が大きくなるためであると考えられる。
【0011】
ロングステム部を有する外側継手部材の多くは、カップ側は鍛造加工し、機械加工を経て接合加工に供される。鍛造加工は、鋼材を切断したビレットを加熱後、鍛造加工される。具体的には、カップ部は、鍛造によりビレットから拡径され、接合部になるカップ部の底部は所定の径に縮径される。その後、カップ部は冷間塑性加工により仕上げられる。鋼材には介在物や偏析が含まれており、これに加えて、カップ部底部のこの介在物や偏析は、鍛造により縮径されるため面積当たり介在物や偏析は増加する。また、前述のように介在物や偏析は中心になるほど増加し、逆に外周部になるほど介在物や偏析は減少する存在形態がある。これらを鋭意検討の結果、鍛造により縮径された中実部材を接合する場合、この介在物や偏析の濃化した部分が接合面に介入すると接合強度の低下や割れが生じる確率が増加することを見出した。この問題は、鍛造で縮径された中実部材を接合した外側継手部材の全てに生じるものではなく、量産した場合にある確立で発生するものであり、従来では、接合後、全数非破壊検査を行い接合部の健全性を検査する煩雑な工程を必要としていた。しかし、自動車の生産台数を考えた場合、このような問題は容認できるものではなく工業上極めて重要な問題である。
【0012】
本発明は、前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、鍛造加工された等速自在継手の中実部材の接合部の脆化や割れを防止し、安定した品質で低コスト化が可能な、中実のロングステムタイプの等速自在継手に好適な外側継手部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記の目的を達成するため種々検討した結果、鍛造加工等により縮径された中実部の断面内での介在物や偏析の存在形態に着目し、清浄度の悪化した中心付近部を接合加工前に予め除去し、清浄度の高い外周部のみを限定して接合するという新たな着想に至った。
【0014】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、トルク伝達要素が係合するトラック溝を内周に形成したカップ部と、該カップ部の底部に形成された軸部とを備えた等速自在継手の外側継手部材であって、該外側継手部材が前記カップ部を形成するカップ部材と前記軸部を形成する軸部材の2部材からなり、カップ部材の中実形状の短軸部と中実形状の軸部材を摩擦圧接したものにおいて、前記カップ部材と軸部材がいずれも中炭素鋼からなり、少なくとも前記カップ部材は、鍛造加工されてカップ部の底部より縮径された短軸部を有し、該短軸部端面に凹部を設けることにより環状接合面を形成すると共に、前記軸部材の一端面に凹部を設けることにより環状接合面を形成し、前記両環状接合面を突き合わせて摩擦圧接したことを特徴とするものである。これにより、接合部の脆化や割れの防止が可能となる。また、接合面の面積が小さくなるため、加熱時間が大幅に短縮でき、同時に加圧力や電力も減少するので、容量の小さな設備での処理が可能となりコストも低減する。
【0015】
カップ部材と軸部材の材料である中炭素鋼は、その炭素量が0.43mass%以上で、0.66mass%以下である。炭素量が0.43mass%未満では必要とする強度や耐久性が得られず望ましくない。また、炭素量が0.66mass%を越えると鍛造性や機械加工性が低下し、接合後の空気焼入れで著しく硬さが増加するため望ましくない。好ましくは、0.45mass%以上で0.58mass%以下である。
【0016】
カップ部材と軸部材の材料である中炭素鋼は、その炭素量を前記2部材で異ならせた。カップ部と軸部の炭素量を異ならせることにより、生産性を向上させることが可能となる。
【0017】
凹部の縦断面を湾曲形状にし、また、段差のない形状にした。接合部の熱影響部で肉厚が最小で、凹部の中心に向かって肉厚が増加する形状となり、空気焼入れされる熱影響部と母材部境界付近から母材部の凹部内面内に急激な段差のない滑らかな形状とすることにより、接合部への介在物や偏析の濃化部の流入を防止することが可能となり、接合部の脆化や接合部の割れを防止できる。さらに接合作業のサイクルタイムを大幅に短縮でき生産性を向上させ、品質の安定とコストの低減が可能となる。
【0018】
凹部をカップ部材の鍛造加工時に同時に形成することにより、カップ部と同軸度が向上し、接合部の振れが低減され接合後の曲がりや機械加工の取代削減が可能となり、また、カップ部が冷間塑性加工により仕上げられていることにより、高精度で一層コストが低減できる。
【0019】
摩擦圧接により生じるバリの先端が凹部内面に接触していない。バリ先端部は硬化しているが、凹部内面と接触していないので、凹部内面にバリ先端による摩耗や応力集中が生じず、脆化が防止できる。
【0020】
カップ部材の短軸部および軸部材の外径面に摩擦圧接により生じるバリを除去する径を、隣接する部分の外径より大きくした。これにより、接合前の外径をより小さくすることができ、コスト低減に効果がある。
【0021】
接合面の外周面を機械加工し、少なくともカップ部内部と軸部が局部的に表面焼入れされている。また、表面焼入れが高周波焼入れである。これにより、より高強度とすることが可能となる。
【0022】
軸部の高周波焼入れ表面に研削加工したことにより、圧縮残留応力を付与し、疲労強度をより向上することが可能となる。圧縮残留応力は、−200MPa〜−400MPaが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
中実のロングステムタイプの等速自在継手に本発明の外側継手部材を適用することにより、接合部の脆化や割れの防止が可能となる。また、接合面の面積が小さくなるため、加熱時間が大幅に短縮でき、同時に加圧力や電力も減少するので、容量の小さな設備での処理が可能となりコストも低減する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態の等速自在継手の外側継手部材を使用したドライブシャフトの全体構造を示す図である。
【図2】第1の実施形態の外側継手部材を拡大した部分縦断面図である。
【図3】接合前の外側継手部材の構成を示す部分縦断面図である。
【図4】接合部のバリの形成状態を示す縦断面図である。
【図5】接合部の熱影響状態を示す縦断面図である。
【図6】接合前のカップ部材の形状を示す縦断面図である。
【図7】凹部の測定位置を示す縦断面図である。
【図8】凹部の測定位置における硫黄(S)量の測定結果を示すグラフである。
【図9】凹部の測定位置における炭素(C)の偏析度の測定結果を示すグラフである。
【図10】外側継手部材の完成状態を示す縦断面図である。
【図11】接合部の凹部の変形例を示す縦断面図である。
【図12】接合部のバリ部の除去形状の変形例を示す縦断面図である。
【図13】本発明に至る過程で究明した知見を示す縦断面図である。
【図14】本発明に至る過程で究明した知見を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図16】第2の実施形態の外側継手部材を拡大した部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
本発明の第1の実施形態を図1〜図10に示す。図1は、本実施形態の等速自在継手10の外側継手部材11が使用されたドライブシャフト1の全体構造を示す図である。ドライブシャフト1は、デフ側(図中右側:以下、インボード側ともいう)に配置される摺動式等速自在継手10と、駆動車輪側(図中左側:以下、アウトボード側ともいう)に配置される固定式等速自在継手20と、両等速自在継手10、20をトルク伝達可能に連結する中間シャフト2とを主要な構成とする。
【0027】
図1に示す摺動式等速自在継手10は、いわゆるトリポード型等速自在継手(TJ)であり、カップ部12とカップ部12の底部から軸方向に延びた長寸軸部(ロングステム部)13とを有する外側継手部材11と、外側継手部材11のカップ部12の内周に収容された内側継手部材16と、外側継手部材11と内側継手部材16との間に配置されたトルク伝達要素としてのローラ19とを備える。内側継手部材16は、ローラ19を回転自在に外嵌した3本の脚軸18が円周方向等間隔に設けられたトリポード部材17で構成される。
【0028】
長寸軸部13の外周面にはサポートベアリング6の内輪が固定されており、このサポートベアリング6の外輪は、図示しないブラケットを介してエンジンに固定されている。外側継手部材11は、サポートベアリング6によって回転自在に支持され、このようなサポートベアリング6を設けておくことにより、運転時等における外側継手部材11の振れが可及的に防止される。
【0029】
図1に示す固定式等速自在継手20は、いわゆるツェッパ型等速自在継手であり、有底筒状のカップ部21aとカップ部21aの底部から軸方向に延びた軸部21bとを有する外側継手部材21と、外側継手部材21のカップ部21aの内周に収容された内側継手部材22と、外側継手部材21のカップ部21aと内側継手部材22との間に配置されたトルク伝達要素としてのボール23と、外側継手部材21のカップ部21aの内周面と内側継手部材22の外周面との間に配され、ボール23を円周方向等間隔に保持する保持器24とを備える。なお、固定式等速自在継手20として、アンダーカットフリー型等速自在継手が用いられる場合もある。
【0030】
中間シャフト2は、その両端部外径にトルク伝達用のスプライン(セレーションを含む。以下、同じ)3、3を有する。そして、インボード側のスプライン3を摺動式等速自在継手10のトリポード部材17の孔部とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト2と摺動式等速自在継手10のトリポード部材17とがトルク伝達可能に連結される。また、アウトボード側のスプライン3を固定式等速自在継手20の内側継手部材22の孔部とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト2と固定式等速自在継手20の内側継手部材22とがトルク伝達可能に連結される。この中間シャフト2として、中実タイプを示したが、中空タイプを用いることもできる。
【0031】
両等速自在継手10、20の内部には潤滑剤としてのグリースが封入されている。グリースの外部漏洩や継手外部からの異物侵入を防止するため、摺動式等速自在継手10の外側継手部材11と中間シャフト2との間、および固定式等速自在継手20の外側継手部材21と中間シャフト2との間には、筒状のブーツ4、5がそれぞれ装着されている。
【0032】
次に、長寸軸部13を有する摺動式等速自在継手10の外側継手部材11の構造を説明する。図2は外側継手部材11を拡大して示したもので、図2(a)は部分縦断面図で、図2(b)は左側面図である。図2に示すように、外側継手部材11は、一端が開口し、内周面の円周方向三等分位置にローラ19(図1参照)が転動するトラック溝30が形成された有底筒状のカップ部12と、カップ部12の底部から軸方向に延び、カップ部12と反対側(インボード側)の端部外径にトルク伝達用連結部としてのスプラインSpが設けられた長寸軸部13とからなる。外側継手部材11のカップ部12と長寸軸部13とは、破線Aの位置で接合されている。
【0033】
図3は、外側継手部材11のカップ部12と長寸軸部13の接合前の状態を示し、カップ部12を形成するカップ部材12’と長寸軸部13を形成する長寸軸部材13’の2部材からなる。カップ部材12’の短軸部31の接合部には縦断面が湾曲形状をなした凹部32が設けられている。同様に、長寸軸部材13’の接合部には縦断面が湾曲形状をなした凹部33が設けられている。そのため、カップ部12’の接合面34および長寸軸部材13’の接合面35は、いずれも外径側に位置する環状接合面として形成されている。接合面34、35および凹部32、33の詳細は後述する。
【0034】
図3に示すカップ部材12’は、鍛造加工され、その後、短軸部31の外周面および凹部32が機械加工される。鍛造加工は、鋼材を切断したビレットを加熱後、鍛造加工される。具体的には、カップ部12は、鍛造によりビレットから拡径され、接合部になるカップ部の底部の短軸部31は所定の径に縮径される。その後、カップ部材12’は、冷間塑性加工により仕上げられる。ところが、もともと鋼材に含まれていた介在物や偏析は中心になるほど増加し、逆に外周部になるほど介在物や偏析は減少する傾向になっているが、これに加えて、上記のような鍛造加工によって製作されるカップ部材12’では、鍛造により縮径される短軸部31において特に面積当たり介在物や偏析が増加することが分かった。
【0035】
凹部32、33の面粗さは生産性やねじり疲労強度に関係する。凹部32、33の面粗さはRa5以上でRa25以下が好ましい。Ra5以下となると生産性が低下し、Ra25以上となると接合部のねじり疲労強度が低下する。好ましくは、加工時間と強度の関係から、Ra12〜Ra20とする。
【0036】
凹部32をカップ部材12’と同時に鍛造加工して形成することができる。これにより、カップ部との同軸度が向上し、接合時の振れが低減され、接合後の曲がりや機械加工の取代削減が可能となり、よりコストが低減できる。
【0037】
摩擦圧接方法としては、図3に示すカップ部材12’の接合面34と長寸軸部材13’の接合面35とを高速で擦り合わせて、そのときに生じる摩擦熱によって、カップ部材12’と長寸軸部材13’の接合端部を軟化させると同時に軸方向に加圧力を付与する。その結果、図4に示すように、新生面を出すために接合面Aから塑性流動で排出されたバリ部36が外周側と内周側に形成される。
【0038】
図5に接合部の熱影響の状態を示す。この図は、接合面Aからカップ部材12’の短軸部31の側を示す。接合部は、接合面Aと、その周囲の熱影響部Bと、それに隣接する母材C、および新生面を出すために接合面Aから塑性流動で排出されたバリ部36とからなる。バリ部36の先端は鋭角で、接合後の冷却速度が速いので、硬化している。接合部の熱影響部Bにおいて短軸部31の肉厚が最小で、凹部32の中心に向かって肉厚が増加するように凹部32内面の縦断面は、湾曲形状となっている。接合部の熱影響部Bは空気焼入れされる。
【0039】
図6に接合前のカップ部材12’の短軸部31を示す。短軸部31の端面34に凹部32を設ける。凹部32の端面34側には、円筒状に寄代部Gが形成されている。寄代部Gは摩擦圧接において新生面を出すために塑性流動する部分である。凹部32は、その縦断面が円筒状の寄代部Gに滑らかに接続された湾曲形状に形成されている。凹部32は、清浄度の悪化した中心付近部を接合加工前に予め除去するために設けるもので、凹部32の内面の清浄度が中心から接合部に近づくとともに清浄度が向上する形状としている。これにより、接合部への介在物や偏析の濃化部の流入を防止することが可能となり、接合部の脆化や接合部の割れを防止でき、さらに、接合作業のサイクルタイムを大幅に短縮でき生産性を向上させ、品質の安定性とコストの低減が可能となる。
【0040】
凹部32の形状を決める要因は、主にねじり応力が作用する場合、鋼材の清浄度の向上と接合加工の生産性の向上の観点からは、内径を増加することが望ましく、逆に、凹部32の機械加工の生産性向上の観点からは、内径を減少させることが望ましい。中空円筒断面のねじりは、材料力学的には中心部の応力がゼロで外径に向かって増加し、外径部に最大ねじり応力が作用する。この最大ねじり応力(τmax)は、τmax=16TD/π(D4−d4)により求められる。ここで、Tはトルク、Dは外径、dは内径とする。例えば、中空円筒の形状を外径の1/2の内径とした場合、中空円筒断面の最大ねじり応力は、同じ外径をもつ中実の最大ねじり応力の6.7%の増加に止まる。このように、ねじりが作用する場合、中実を中空にすることによる脆化の影響は極めて小さい。
【0041】
さらに、接合部の熱履歴と材料特性を究明し、内径を増加しても強度の低下しない形状を見出した。ねじり強度は、硬さの増加とともに増加する。熱影響部Bは中空とすることにより中実に比べ、接合時の冷却速度が増加し硬さが断面内で比較的均一に増加する、したがって、熱影響部Bのねじり強度は、母材部に比べ高い許容剪断応力を持つ。また、母材部は、熱影響部Bよりも硬さは低く、そのため熱影響部Bよりもねじり強度は低下する。この材料特性を活かすために母材部の肉厚は厚く、熱影響部Bの肉厚を薄くすることを見出した。したがって、作用応力の観点からも本実施形態の外側継手部材11は十分なねじり強度を有する。
【0042】
図10に完成状態の外側継手部材11の縦断面を示す。カップ部材12’と長寸軸部材13’(図3参照)とを接合した後、外側継手部材11のカップ部12、短軸部31、長寸軸部13の外周面を旋削加工する。その後、長寸軸部31の端部のスプラインSPを転造加工する。その後、カップ部12の内部と長寸軸部31の外周面を高周波焼入れにより局部的に表面焼入れする。表面焼入れした部分をクロスハッチングして示している。高周波焼入れ後、接合部(短軸部31およびこれに接合する長寸軸部の端部)を研削加工し、圧縮残留応力を付与し、疲労強度をより向上させている。表面焼入れで生じる圧縮残留応力は、硬化比(焼入れ深さ/肉厚)が増加すると減少するため、研削加工により圧縮残留応力を付与し、ねじり疲労強度を向上することができる。この圧縮残留応力は、−200MPa〜−400MPa程度としている。図10では、長寸軸部31の外周面の軸方向のほぼ全長を高周波焼入れしたものを示したが、長寸軸部31の軸方向の部分的に高周波焼入れするものもある。
【0043】
次に、本発明に至る過程で究明した知見について、図13および図14に基づいて説明する。図13に、接合後、バリ部36の先端が凹部32の内面に接触したものを示す。バリ部36の先端は、鋭角で接合時、冷却速度が速く硬化しやすい。そのため、バリ部36の先端が凹部32の内面と接触した状態で負荷を受けると凹部32の内面に摩耗が生じ、その部位が応力集中の原因となり、強度が低下する場合があることが判明した。
【0044】
凹部32の形状面の知見を図14に示す。図14は、凹部32、33の内面に段差37、38を形成したものである。空気焼入れされる熱影響部Bと母材部の境界付近Cの内面に急激な段差37、38があると、その部位が応力集中の原因となり、強度が低下することが判明した。これを防止するために、本実施形態では、凹部32、33の内面を、その縦断面が段差のない滑らかな湾曲形状に形成した。
【0045】
本実施形態の接合部の凹部の変形例を図11に示す。バリ部36の先端が、凹部32、33(33は図示省略)の内面と接触することを防止するために、凹部32、33の形状を鍋型に形成し、バリ部36の先端がカールするようにしたものである。この変形例では、バリ部36の先端がカールするので、バリ部36先端が凹部32、33の内面に接触することはない。したがって、凹部32、33の内面の摩耗による応力集中の原因が回避されるので、強度が低下しない。
【0046】
次に、本実施形態の接合部の外周面のバリ部除去形状の変形例を示す。接合後に外周のバリ部36を除去する際に、バリ部36を除去する径φFを隣接する部分の外径φDより半径差δだけ局部的(バリ部36の生成した軸方向部分)に大きくしている。これにより、接合前のカップ部材12’の短軸部31の外径および長寸軸部材13’(図3参照)の外径をより小さくすることができ、コスト低減に効果がある。
【0047】
本発明の第2の実施形態を図15および図16に基づいて説明する。本実施形態は、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の外側継手部材に適用したもので、図1のインボード側の等速自在継手のみを示している。本実施形態では、外側継手部材については、第1の実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して、重複説明を省略する。
【0048】
摺動式等速自在継手10は、カップ部12とカップ部12の底部から軸方向に延びた長寸軸部13とを有する外側継手部材11と、外側継手部材11のカップ部12の内周に収容された内側継手部材16と、外側継手部材11と内側継手部材16のトラック溝30、40との間に配置されたトルク伝達要素としてのボール41と、外側継手部材11の筒状内周面42と内側継手部材16の球状外周面43とに、それぞれ嵌合する球状外周面45、球状内周面46を有し、ボール41を保持する保持器44とを備える。保持器44の球状外周面45の曲率中心O1と球状内周面46の曲率中心O2は、継手中心Oに対して、軸方向に反対側にオフセットされている。
【0049】
第1の実施形態と同様に、長寸軸部13はの外周面にはサポートベアリング6の内輪が固定され、このサポートベアリング6の外輪は、図示しないブラケットを介してエンジンに固定されている。外側継手部材11は、サポートベアリング6によって回転自在に支持され、運転時等における外側継手部材11の振れが可及的に防止される。
【0050】
図16に、外側継手部材11を拡大した部分縦断面を示す。図示したように、外側継手部材11は、一端が開口し、内周面42にボール41(図15参照)が配置される6本、又は8本のトラック溝30が形成された有底筒状のカップ部12と、カップ部12の底部から軸方向に延び、カップ部12と反対側(インボード側)の端部外径にトルク伝達用連結部としてのスプラインSpが設けられた長寸軸部13とからなる。第1の実施形態と同様に、外側継手部材11のカップ部12と長寸軸部13とは、破線Aの位置で接合されている。
【0051】
第1の実施形態における図3〜図14に基づいて前述した内容は、本実施形態でも同じであるので、重複説明を省略する。
【実施例】
【0052】
本発明の実施例を以下に説明する。本発明の等速自在継手10の外側継手部材11では、カップ部材12’は鍛造加工の後、凹部32を含み機械加工後に接合加工に供される。本実施例では、S53Cの鋼材を切断したビレットを780℃に加熱し鍛造加工した。使用したS53Cの化学成分は、C:0.52mass%、Si:0.25mass%、Mn:0.88mass%、P:0.008mass%、S:0.035mass%、Cu:0.01mass%、Ni:0.02mass%、Cr:0.17mass%で、鋼材の直径はφ75を用いた。
【0053】
カップ部材12’の底部の短軸部31(図3参照)の直径は、鍛造加工によりφ44に縮径させた。鍛造後、接合面の仕上げと共に凹部32を直径φ26に機械加工した。凹部32の硫黄(S)量と炭素(C)の偏析度(C/C00:表層部の炭素量、C:任意の部位における炭素量)の測定結果を図8および図9に示す。図8および図9における横軸は、図7に示すように、凹部32の内面を端面34側から線Xで表した。硫黄(S)の量と炭素(C)の偏析度(C/C0)は、いずれも、筒状部Hでは低く、その後、増加して平坦部Iを経て最大値となって中心に至っている。なお、カップ部材12’は、圧延のままの素材を機械加工し、脱炭層や傷などを除去後に鍛造される場合もある。又は、素材の段階で、表面を切削する場合もある。
【0054】
軸部材13’の素材は、圧延のままの表面性状の直径φ44のもので、使用したS45Cの化学成分は、C:0.44mass%、Si:0.23mass%、Mn:0.85mass%、P:0.010mass%、S:0.035mass%、Cu:0.01mass%、Ni:0.02mass%、Cr:0.15mass%であり、これを用いて切断後カップ部32’と同様な機械加工を行った。
【0055】
その後、摩擦圧接となるが、この摩擦圧接方法を次に説明する。摩擦圧接装置により、カップ部材12’と長寸軸部材13’を接合した。圧接の工程は、圧接工程の予備処理である接合部の洗浄工程と摩擦圧接装置による接合部の新生面の生成工程並びに新生面の接合工程、外周部のバリ除去工程および接合面の冷却工程からなる。ここで、新生面の生成工程は、長寸軸部材13’を固定し、カップ部材12’側を回転させながら長寸軸部材13’に押付け(摩擦圧力)擦り合わせることにより、摩擦熱で接合面を加熱(同時に軟化)させ、押付け荷重を徐々に増し、接合面の酸化物や汚れ等を接合面からバリとして排除する(新生面の生成)。接合面が約1200℃前後に達した後、更に押付け荷重(圧接圧力)を増加し急激に回転を停止させ、カップ部材12’と長寸軸部材13’の相対位置をより接近(寄り代)させ接合面に分子間引力が作用し生成した新生面を接合させる。尚、寄り代の増加に伴い、バリの高さも増加する。なお、バリの除去は別工程で実施する場合がある。本実施例品の寸法は外径φ44、内径φ26で、接合条件は日本工業規格 JIS Z 3607(炭素鋼の摩擦圧接作業標準)に準拠し、摩擦圧力3kg/cm2、圧接圧力8kg/cm2、全寄り代10mm、回転数1600rpmにて接合させた。
【0056】
外径が同じ中実品を摩擦圧接した場合と本実施例品を摩擦圧接した場合の作業時間を比較すると、中実品に比べて本実施例品は50%の時間削減が可能となった。
【0057】
摩擦圧接後、接合部を軸方向断面で縦割りにし、凹部断面表面から1mmの深さの硬さを調査した結果、カップ部12側の母材部の硬さは198〜205Hvで、熱影響部は、凹部32の筒状部分を軸方向に延長した線上で測定し、400〜500Hvの硬さであった。局部的に微少であるがマルテンサイトやベイナイトの析出が見られたが、主には、フェライトとパーライトの組織であった。一方、S45Cの長寸軸部13側は、カップ部12側に比較して50〜70Hv硬さが低下していた。組織は、主にフェライトとパーライトであった。
【0058】
図10に示すように、接合後一体となった外側継手部材の中間品を機械加工して仕上げた後、カップ部12の内周と長寸軸部13の外周を高周波焼入れした。焼入れ深さは部位により異なるが、中実部は有効硬化深さで3〜5mmとした。また、接合部の肉厚の最も薄い部分で硬化比(有効硬化深さ/肉厚の比)を0.35とした。表面硬さは、S53Cのカップ部12側は705Hvで、S45Cの長寸軸部13側で660Hvであった。異種材料を接合しているため、接合面を境に左右で焼入れ性が異なるため、接合面で硬化深さが不連続となる場合がある。S45Cの長寸軸部13側は、焼入れ性がS53Cより低下するため、S53Cのカップ部12側より焼入れ深さが浅くなる場合がある。
【0059】
接合部にサポートベアリング6が圧入される場合があるので、高周波焼入れ後、仕上げ加工として研削加工される。研削加工時、研削油を使用し、研削表面の加工発熱を抑えることにより、研削加工後圧縮残留応力を付与することができる。加工発熱による表面のフラッシュ温度は低温なほど好ましいが、訳700℃以上となると焼入れされ、好ましくない組織である白層が生成される。
【0060】
凹部32の形状は、図4と図14の形状を試作した。図4に示す本実施例品と段差を有する図14の試作品のねじり疲労強度を比較した結果、5×105回で、段差を有する試作品の疲労強度は約10%低下した。
【0061】
以上では、摺動式等速自在継手10としてのトリポード型等速自在継手、ダブルオフセット型等速自在継手に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、クロスグルーブ型等速自在継手等、他の摺動式等速自在継手の外側継手部材、さらには固定式等速自在継手20の外側継手部材21にも適用することができる。また、以上では、ドライブシャフト1を構成する等速自在継手の外側継手部材に本発明を適用しているが、本発明は、プロペラシャフトを構成する等速自在継手の外側継手部材にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ドライブシャフト
2 中間シャフト
3 スプライン
4 ブーツ
5 ブーツ
6 サポートベアリング
10 摺動式等速自在継手
11 外側継手部材
12 カップ部
12’ カップ部材
13 長寸軸部
13’ 長寸軸部材
16 内側継手部材
17 トリポード部材
19 トルク伝達要素(ローラ)
20 固定式等速自在継手
21 外側継手部材
22 内側継手部材
23 トルク伝達要素(ボール)
24 保持器
30 トラック溝
31 短軸部
32 凹部
33 凹部
34 環状接合面
35 環状接合面
36 バリ部
40 トラック溝
41 トルク伝達要素(ボール)
A 接合面
B 熱影響部
C 母材部の境界付近
D 外径
F バリ部の除去径
G 寄代部
H 筒状部
O 継手中心
曲率中心
曲率中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルク伝達要素が係合するトラック溝を内周に形成したカップ部と、該カップ部の底部に形成された軸部とを備えた等速自在継手の外側継手部材であって、該外側継手部材が前記カップ部を形成するカップ部材と前記軸部を形成する軸部材の2部材からなり、カップ部材の中実形状の短軸部と中実形状の軸部材を摩擦圧接したものにおいて、
前記カップ部材と軸部材がいずれも中炭素鋼からなり、少なくとも前記カップ部材は、鍛造加工されてカップ部の底部より縮径された短軸部を有し、該短軸部端面に凹部を設けることにより環状接合面を形成すると共に、前記軸部材の一端面に凹部を設けることにより環状接合面を形成し、前記両環状接合面を突き合わせて摩擦圧接したことを特徴とする等速自在継手の外側継手部材。
【請求項2】
前記カップ部材と軸部材の材料である中炭素鋼は、その炭素量が0.43mass%以上で、0.66mass%以下であることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項3】
前記カップ部材と軸部材の材料である中炭素鋼は、その炭素量を前記2部材で異ならせたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項4】
前記軸部材が長寸の軸部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項5】
前記凹部の縦断面を湾曲形状にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項6】
前記凹部の縦断面を段差のない形状にしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項7】
前記凹部をカップ部材の鍛造加工時に同時に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項8】
前記カップ部材のカップ部が冷間塑性加工により形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項9】
前記摩擦圧接により生じるバリの先端が、前記凹部内面に接触していないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項10】
前記カップ部材の短軸および軸部材の外径面に摩擦圧接により生じるバリを除去する径を、隣接する部分の外径より大きくしたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項11】
前記接合面の外周面を機械加工し、少なくともカップ部内部と軸部が局部的に表面焼入れされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項12】
前記表面焼入れが高周波焼入れであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項13】
前記軸部の高周波焼入れ表面に研削加工したことを特徴とする請求項12項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の等速自在継手の外側継手部材の摩擦圧接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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