説明

筐体とパイプの間の接続配管の開口部用の密閉式止め具、および該止め具を実装するための方法

本発明は、固定リングを備えた、筐体とパイプの間の接続配管(6)の開口部用の密閉式止め具(10)に関する。止め具(10)は、剛性の蓋(11)と、前記蓋(11)によって担持される密閉式の組立体(20)とを含んでおり、この密閉式の組立体が、少なくとも1つの内部環状チャンバ(26)を有する受動型環状シール(25)と、第1の固定式環状シール(30)と、第2の固定式環状シール(35)と、平坦な環状シール(40)とを含むことで、前記配管の開口部を確実にしっかりと締める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体とパイプの間の接続配管の開口部、より詳細には加圧水型原子炉の蒸気発生器の水室を一次回路の片側に接続する配管の開口部用の密閉式止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はまた、このような止め具を利用して筐体とパイプの間の接続配管の開口部を密閉するための方法に関する。
【0003】
加圧水型原子炉は、原子炉の炉心を冷却するのに使用された加圧水によって運ばれる熱によって供給水の加熱および蒸発を保証する蒸気発生器を含んでいる。
【0004】
加圧水型原子炉はそのそれぞれの一次分岐に蒸気発生器を含んでおり、これは原子炉を冷却するために加圧水が循環する第1の部分と、供給水を受け入れる第2の部分とを有しており、この供給水は加熱されて徐々に蒸発し、原子炉に結合されたタービンに送られる蒸気として蒸気発生器の第2の部分から流れ出て電流を生成する交流発電機を確実に駆動させる。
【0005】
このような蒸気発生器は、その軸がほぼ水平な管状プレートに垂直かつしっかりと固定された略円筒形の圧力殻と呼ばれる外殻を含んでおり、その下面すなわち入り口の面が、一次流体を形成する加圧水を蒸気発生器に供給する水室の壁を形成している。
【0006】
この略半球形の水室には開口部が交わっており、これらの開口部において原子炉の一次回路のループの高温の分岐と低温の分岐を接続するために配管が溶接される。
【0007】
原子炉は、例えば燃料集合体の管理などのメンテナンス、交換および修理作業を行なうために定期的に停止させる必要がある。
【0008】
このような停止時間によって、蒸気発生器のメンテナンスを行なうことも可能になる。
【0009】
原子炉の停止時間中に蒸気発生器に対して特定のメンテナンスや修理作業を行なう目的で、作業スタッフが水室の内部に入る必要がある場合がある。
【0010】
原子炉のメンテナンス作業中、一次回路および原子炉の圧力容器は水で満たされており、その結果、水室を空にしてその後それを一次回路から隔離することで、この水室の内部に作業員が入ることができる。
【0011】
作業員が水室の内部に入ることができるように、作業員が入る前に、この水室を一次回路に接続する配管を密閉するための装置(密閉栓とも呼ばれる止め具を含む)が、水室の配管内の所定の位置に設置される。
【0012】
この止め具を所定の場所に設置するために、止め具の装着リングが、配管に対して同軸の配置で、配管の筐体の内部に開口する部分において配管の開口部の周囲で水室の内側に溶接される。
【0013】
止め具はまた、装着リングおよび/または配管の開口部の内面に接触するように意図された密閉部材を含んでいる。
【0014】
一般に止め具は、水室内部で組み立てられる複数の部分で形成される必要があり、またはマンホールを介して止め具を水室の中に取り込む必要がある場合は、その直径が一般に止め具が配置される配管の開口部の直径より小さいため、折りたたみ可能な形態で形成される必要がある。
【0015】
このタイプの止め具は、とりわけ圧力、温度および作業員の計測線量の面から観て使用条件に関する設計要件を満たす必要がある。
【0016】
当然のことながら、止め具は一次回路のこの側で5バール程の圧力に耐え、かつ原子炉を冷却する際の損失に関しては120℃に達することもある温度に耐えることができなければならない。
【0017】
作業員が水室に入る際に取り込まれる計測線量の最大限の削減を実現することを目的として、止め具は短時間の人の立入時間で設置したり除去したりすることが可能であり、かつ好ましくは遠隔操作によって装着リングにねじ込むことができるようにすべきである。
【0018】
この目的のために、3つの隣接する部分で構成された密閉栓とも呼ばれる止め具が知られており、これはいったん組み立てられるとたらい状の容器を形成し、これは底部によって閉鎖されその直径がリングの内径より小さい第1の円筒形部分と、平坦な環状形状でありその外径がリングの内径より大きい第2の周辺部分とを含む。
【0019】
この場合、この止め具が所定の場所に設置される際、リングの内面と止め具の円筒形部分の外面との間に挿入される2つの膨張可能な周辺部の環状ガスケット、ならびに配管の開口部の内面またはリングの上面のいずれかに接触する固定式のガスケットと、装着リングの上面に接触するように適用されたリム形態の周辺部の保持部分とによって密閉が確実になる。
【0020】
止め具は一般に、例えばねじなどの装着部材によって所定の位置に確実に維持され、このねじは止め具の周辺部分を横切り、リング内に形成されたねじ山付きのオリフィスへとねじ込まれる。
【0021】
この種の止め具の主な欠点は、ガスケットを膨張ユニットに接続させる必要がある点と、密閉を保証するガスケットの膨張を継続して監視する必要がある点である。
【0022】
さらに、この種の止め具は機械的強度を有しており、具体的には該止め具の片側に作用する流体の温度または圧力に対する耐性があることが分かっているが、これは繰り返される使用および長時間の継続あるいは偶発的な状況では不十分な場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、筐体とパイプの間の接続配管の開口部用の信頼できる密閉式止め具を提案することによって、これらの欠点を回避すること、及び、作業員によって蒸気発生器の水室の内側に容易に適用される一方で、厳しい環境にこれらの作業員が入る時間を短縮させることである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
したがって本発明の目的は、筐体とパイプとの間の接続配管の開口部用の密閉式止め具であって、筐体へと開口する配管を接続するために当該開口の周囲に配置されると共に前記筐体の内面に装着される装着リングを含み、
-直径が装着リングの内径より小さい略円筒形の中心部分と、直径が前記装着リングの内径より大きく、このリング上に形成されたねじ山付きオリフィスにねじ込まれることを目的とした装着部材を備える平坦な環状部分とによって形成される剛性の蓋と、
-前記蓋が載せられた密閉式の組立体とを備えており、
その密閉式の組立体が、
-少なくとも1つの環状チャンバを含み少なくとも1つの外部リップを備えた受動型の環状ガスケットであって、装着リング上に蓋が置かれる際、前記少なくとも1つのチャンバを減圧することによって引っ込められる位置と、前記少なくとも1つのリップが装着リングの内面に接触するように配備された密閉位置との間で変形可能であるガスケットと、
-装着リングの内面および/または上部の内角に対する密閉を確実にすることができる第1の固定式環状ガスケットと、
-蓋のねじ込み部材をしっかりと締める際、前記リングの内側のリムとねじ山付きオリフィスの間に位置する装着リングの上面の領域上に載ることができる第2の固定式環状ガスケットと、
-蓋のねじ込み部材をしっかりと締める際、前記リングのねじ山付きオリフィスと外側のリムの間に位置する装着リングの上面の領域上に載ることができる平坦な環状ガスケットとを備えることを特徴とする止め具である。
【0025】
本発明の他の特徴によると、
-密閉式の組立体は、蓋の中心部分の下面に装着された膜にしっかりと固定され、
-受動型ガスケットの前記少なくとも1つの環状チャンバが、減圧システムに接続するために少なくとも1つの弁を介して接続され、
-第2の固定式環状ガスケットが単一の作用または二重の作用を持つタイプであり、
-蓋が、例えばアルミニウムなどの複合材料または金属合金を使っており、
-蓋が、蝶番で一緒に留められ互いの上に折りたたむことができるように連結された少なくとも2つのパネルによって形成され、
-蓋が、少なくとも2つの独立したパネルによって形成される。
【0026】
本発明の目的はまた、先に定義された止め具を利用して筐体とパイプの間の接続配管の開口部を気密式に密閉する方法であって、
-密閉式の組立体を担持する蓋がマンホールを介して筐体の内部に取り込まれるステップと、
-受動型ガスケットの前記少なくとも1つの環状チャンバの接続弁が減圧システムに接続されるステップと、
-受動型ガスケットが、前記少なくとも1つの環状チャンバを減圧することによって引っ込められ、その引っ込められた位置に維持されるステップと、
-第1の固定式環状ガスケットを装着リングの内面に接触するように配置する一方で、他方で第2の固定式環状ガスケットと平坦な環状ガスケットを前記リングの上面に配置することによって、止め具が装着リングに対して位置決めされると共に設置されるステップと、
-止め具がねじ込み部材によって装着リングに取り付けられるステップと、
-受動型ガスケットの前記少なくとも1つの環状チャンバの減圧が止められ、前記ガスケットを装着リングの内面に接触するように配備すると共に、配管の開口部を気密式に密閉するステップとで構成されることを特徴とする方法である。
【0027】
本発明による方法の他の特徴によると、
-折りたたまれた位置の蓋が筐体の中へと取り込まれ、前記蓋が配備され、
-蓋の独立したパネルが筐体の中に取り込まれ、前記蓋が配備される。
【0028】
本発明およびその利点は以下の記載を読むことでよりよく理解されると思われるが、この記載は単に一例として示されており添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】水室を備えた蒸気発生器の下部の分解組立斜視図である。
【図2】本発明による止め具用の装着リングを含む、蒸気発生器の水室の配管の断面図である。
【図3】本発明による止め具の垂直方向の正中面の概略断面図である。
【図4】本発明による止め具の頂部概略図である。
【図5】止め具が装着リング上に配置されたときのその垂直面での概略断面図である。
【図6】装着リング上に設置され、筐体の配管を接続する開口部の周囲に装着された止め具の垂直面での概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に蒸気発生器の下部が示されており、これは全体を表す参照番号1によって示され、水室2の半球形の壁を含んでいる。この半球形の壁は管状プレート3に溶接されており、そこにマニフォルド4の管の端部が装着されている。水室2は、横断する隔壁5によって内部が2つの部分に分割されている。
【0031】
隔壁5のいずれの側でも水室2の壁には開口部が交わっており、そこには一次回路の図示されない2本のパイプを一緒に接続するために配管6が装着されている。
【0032】
配管6によって、水室の一方の部分に加圧水を確実に供給し、水室の他方の部分によって蒸気発生器1のマニフォルド4の管の中を循環した加圧水を回収することが可能である。
【0033】
また、水室2の壁には、隔壁5によって隔てられたそれぞれの区画へと開口しているマンホール7が交わっている。これは図2に示されているように、水室2に交わる開口部のところに装着された配管6は、円筒形のテーパー状の内腔を含んでおり、この内腔は、第2のテーパー状の部分6bから延出された第1の円筒形部分6aを含み、この第2のテーパー状の部分6bは水室2の内部に向かって拡径されている。
【0034】
水室2の内部への立入を実施するために、作業員がマンホール7を通り抜け隔壁5によって隔てられた水室2の区画のいずれか一方に入る必要がある一方で、一次回路を水で満たしたまま維持する必要がある場合がある。このような状況下でこういった立入を可能にするには、あらかじめ一次回路を一時的に空にして蒸気発生器の一次配管の止め具を設置する必要があり、この止め具の機能は、一次回路と蒸気発生器の水室の内部との間に密閉された防壁を形成することである。一次回路はその後、蒸気発生器の水室の一次配管の止め具の設置が完了したら直ちに再び水で満たすことができる。
【0035】
この目的のために、装着リング8が、例えば水室2の内面に溶接することによって、配管6の拡径部分が水室2の内部に開口する領域で配管6の開口部に対して同軸に配置されて取り付けられる。
【0036】
また、配管6には、チャネル9が貫通しており、これを介して水室を完全に空にすることができる。
【0037】
図3から図6に全体が示される止め具は、水室2へと開口するマンホール7を介して該水室の内部に取り込まれなければならない。
【0038】
参照番号10によって全体が示されるこの止め具は、略円筒形の中心部分12によって形成され、たらい状の形態(図3)の剛性の蓋11を備える。このたらい形状の中心部分12は、リブ13(図4)によって補強されている。中心部分12の直径は、装着リング8の内径より小さい。
【0039】
蓋11はまた、平坦な環状の円盤型の部分15を含んでおり、その直径は装着リング8の内径より大きい。
【0040】
好ましくは、平坦な環状部分15の直径は、この装着リング8の外径とほぼ等しい。この部分15は、該装着リング8に形成されたねじ山の付いたオリフィス8cと協働する例えばねじ込み部材などの装着部材19(図6)を貫通させるためのオリフィス16を含む。
【0041】
蓋11は、例えばアルミニウムなどの複合材料または金属合金を使っていることにより、この蓋が数バール程の一次回路の水圧に耐える十分な剛性が保証される。
【0042】
マンホール7内での止め具10の質量および通過不能となる制約に対応するために、よって蓋11は、軽量材料で、かつ蝶番で一緒に留められ互いの上に折りたたむことができる少なくとも2つのパネルで作製される。
【0043】
図面に、より具体的には図4に示される例示の実施形態では、蓋11は、折りたたみライン17によって互いから隔てられた3つの並置パネル11aによって形成される。
【0044】
パネル11aは、既知のタイプの蝶番18を利用して、または任意の他の好適なシステムを利用して一緒に留められる。
【0045】
止め具10はまた、全体を表す参照番号20によって示され、該蓋11が上に載った密閉式の組立体を備える。
【0046】
好ましくは、密閉式の組立体20は、蓋11の中心部分12にしっかりと固定される。
【0047】
この目的のために、この蓋11の下面は、一次回路と水室2の内部との間を密閉する機能においてある役割を持つ膜21のための支持体として使用される。膜21は、後で分かるように、密閉式の組立体20の一部である。それは、例えばねじなどの任意の好適な手段によって、蓋11の下面に取り付けられる。
【0048】
図3および図5により詳細に示されるように、密閉式の組立体20は、4つの要素、すなわち、
-受動型環状ガスケット25、
-第1の固定式環状ガスケット30、
-第2の固定式環状ガスケット35および
-平坦な環状ガスケット40とで構成されている。
【0049】
受動型環状ガスケット25は、少なくとも環状チャンバ26を画定する外殻25aによって形成される。外殻25aは、その内側の面に、膜21に取り付けるためのヒール27を含み、その外側の面に、後で分かるように、装着リング8の内面に接触するように意図された少なくとも1つの外部リップ28、好ましくは2つの外部リップ28を含んでいる。
【0050】
図面に示される例示の実施形態において、受動型環状ガスケット25は環状チャンバ26を含み、このチャンバは少なくとも1つの接続弁29によって図示されない減圧システムに接続されており、この受動型環状ガスケット25の外径を、図5に示されるように、装着リング8の上に蓋11を置く際にチャンバ26を減圧することによって引っ込められる位置と、図6に示されるように、リップ28が装着リング8の内面に接触するように配備された密閉位置との間で変えることができる。
【0051】
蓋11を装着リング8の上に置くことができるように、チャンバ26は減圧され、よって引っ込められなければならない。
【0052】
この蓋11を装着した後、チャンバ26の圧力をガスケット25の配備された密閉位置に相当する大気圧に設定する。
【0053】
第1の固定式環状ガスケット30が、膜21によって直接成型されたリップによって形成され、このリップによって装着リング8の内面または上部の内角に対する密閉が保証されることで、圧力および真空圧に対する防壁を形成することができる。
【0054】
図面に示される例示の実施形態において、第1の環状ガスケット30のリップは三角形の部分を有しており、その底辺の外径は装着リング8の内径より大きく、その結果それは、蓋11のねじ込み部材19をしっかり締めた後、該内面に当たって平らになる。この第1の環状ガスケット30のリップが栓として機能する。
【0055】
単一の作用または二重の作用を持つタイプの第2の固定式ガスケット35が、膜21の中に形成された筐体36の中に設置される。この第2の固定式ガスケットは、装着リング8の上面の領域(図5)上に載るように意図されており、該装着リング8の内側のリム8aとねじ山付きオリフィス8cの間に位置する。
【0056】
平坦な環状ガスケット40が同様の材料で膜21と一緒に形成され、これは装着リング8の上面の領域B(図5)上に載るように意図されており、装着リング8のねじ山付きオリフィス8cと外側のリム8bの間に位置する。
【0057】
代替の形態によると、蓋11は、例えば縁を1つにまとめることによって少なくとも2つの並置された独立したパネルで形成される。パネルの1つが密閉組立体20を担持する。
【0058】
水室2の配管6の開口部への止め具10の配置は、以下のようにして行なわれる。
【0059】
まず作業員が水室2の対応する区画に進入し、この区画に折りたたまれた構成の密閉式の組立体20を担持する蓋11を取り込む。マンホールの内径は、配備されたときの蓋11の直径より小さいが、このような構成では蓋11はマンホール7を通過することが可能である。
【0060】
蓋11は、止め具10を装着リング8に取り付けることを目的としたねじ込み部材19を有する。
【0061】
その後、作業員は蓋11の配備を続け、受動型ガスケット25のチャンバ26を減圧システムに接続するために弁29を接続する。
【0062】
これにより、このチャンバ26を減圧することによって受動型ガスケット25が図5に示されるように引っ込められ、この減圧は、受動型ガスケット25を引っ込められた位置に保つように維持される。
【0063】
次に作業員が配管6の開口部の中に蓋11を置き、引っ込められた位置の受動型ガスケット25は、図5に示されるように装着リング8の内部に収容される。
【0064】
また、第1の固定式ガスケット30が装着リング8の内側のリム8aに接触し、第2の固定式環状ガスケット35が装着リング8の領域A上に載る。
【0065】
作業員は、ねじ込み部材19をねじ込むことによって装着リング8への止め具10の取り付けを進める。
【0066】
ねじ込み部材19が及ぼす力の影響を受けて、第1の固定式環状ガスケット30が装着リング8の内部へより深く貫通し、圧力および真空圧に対する防壁を確かなものにする。また、第2の固定式環状ガスケット35は装着リング8の領域Aに当たって平らになり、密閉されるべき部分から生じる、または止め具10の上部の偶発的な加圧により生じる可能性のある漏出を制限する役割を保証する。平坦な環状ガスケット40は装着リング8の領域Bに接触し、ねじ込み部材19全体をねじ込むことによって標準的な密閉が保証される。
【0067】
作業員は、受動型ガスケット25のチャンバ26の減圧を止めることで、該ガスケット25を装着リング8の内面に接触するように配備し、これにより配管の開口部を密閉する。
【0068】
蓋11が少なくとも2つの独立したパネルで構成される場合、これらのパネルは、対応するマンホールを介して水室2の区画に別々に取り込まれ、その後該蓋を配備するように組み立てられる。
【0069】
したがって、本発明による止め具10によって、装着リングに対して極めて優れた密閉式の接触を保証することが可能となり、この止め具は、圧力が作用する方向に関わらず圧力に対する耐性に優れている。
【0070】
本発明による止め具は、耐性がありかつ軽量であることで、作業を行なうのが容易であるという利点を有しており、所定の場所に設置するのが簡単であることにより、危険な環境にこのような作業員が入る時間が短縮される。
【符号の説明】
【0071】
1 蒸気発生器
2 水室
3 管状プレート
4 マニフォルド
5 隔壁
6 配管
6a 円筒形部分
6b 先細部分
7 マンホール
8 装着リング
8a 内側のリム
8b 外側のリム
8c ねじ山付きオリフィス
9 チャネル
10 止め具
11 蓋
11a パネル
12 中心部分
13 リブ
15 環状部分
16 オリフィス
17 折りたたみライン
18 蝶番
19 ねじ込み部材
20 密閉式組立体
21 膜
25 受動型環状ガスケット
25a 外殻
26 環状チャンバ
27 ヒール
28 リップ
29 弁
30 第1の固定式環状ガスケット
35 第2の固定式環状ガスケット
36 ガスケットの筐体
40 平坦な環状ガスケット
A,B 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(2)とパイプの間の接続配管(6)の開口部用の密閉式止め具(10)であって、前記筐体(2)へと開口する前記配管(6)を接続するために当該開口部の周囲に配置され、前記筐体の内面に装着される装着リング(8)を含んでおり、
直径が前記装着リング(8)の内径より小さい略円筒形の中心部分(12)と、直径が前記装着リング(8)の内径より大きく、このリング(8)上に形成されたねじ山付きオリフィス(8c)にねじ込まれることを目的とした装着部材(19)を備える平坦な環状部分(15)とによって形成される剛性の蓋(11)と、
前記蓋(11)が載せられた密閉式の組立体(20)とを備えており、
前記密閉式の組立体(20)が、
少なくとも1つの環状チャンバ(26)を含み少なくとも1つの外部リップ(28)を備えた受動型の環状ガスケット(25)であって、前記装着リング(8)上に前記蓋(11)が置かれる際、前記少なくとも1つの環状チャンバ(26)を減圧することによって引っ込められる位置と、前記少なくとも1つのリップ(28)が前記装着リング(8)の内面に接触するように配備された密閉位置との間で変形可能であるガスケット(25)と、
前記装着リング(8)の内面および/または上部の内角の間の密閉を確実にすることができる第1の固定式環状ガスケット(30)と、
前記蓋(11)の前記ねじ込み部材(19)をしっかりと締める際、前記リング(8)の内側のリム(8a)と前記ねじ山付きオリフィス(8c)の間に位置する前記装着リング(8)の上面の領域上に載ることができる第2の固定式環状ガスケット(35)と、
前記蓋(11)の前記ねじ込み部材(19)をしっかりと締める際、前記リング(8)の前記ねじ山付きオリフィス(8c)と外側のリム(8b)の間に位置する前記装着リング(8)の上面の領域上に載ることができる平坦な環状ガスケット(40)とを備えることを特徴とする止め具。
【請求項2】
前記密閉式の組立体(20)が、前記蓋(11)の前記中心部分(12)の下面に固定された膜(21)にしっかりと固定されることを特徴とする、請求項1に記載の止め具。
【請求項3】
前記受動型ガスケット(25)の前記少なくとも1つの環状チャンバ(26)が、減圧システムに接続するために少なくとも1つの弁(29)を介して接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載の止め具。
【請求項4】
前記第2の固定式環状ガスケット(35)が、単一作用または二重の作用を有するタイプであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の止め具。
【請求項5】
前記蓋(11)が、例えばアルミニウムなどの複合材料または金属合金を使っていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の止め具。
【請求項6】
前記蓋(11)が、蝶番で一緒に留められ互いの上に折りたたむことができる少なくとも2つのパネル(11a)によって形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の止め具。
【請求項7】
前記蓋(11)が、少なくとも2つの独立したパネルによって形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の止め具。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかによる止め具(10)を利用して筐体(2)とパイプの間の接続配管(6)の開口部を密閉する方法であって、
前記密閉式の組立体(20)を担持する前記蓋(11)がマンホール(7)を介して前記筐体(2)の内部に取り込まれるステップと、
前記受動型ガスケット(25)の前記少なくとも1つのチャンバ(26)の前記接続弁(29)が前記減圧システムに接続されるステップと、
前記受動型ガスケット(25)が、前記少なくとも1つの環状チャンバ(26)を減圧することによって引っ込められ、その引っ込められた位置に維持されるステップと、
前記第1の固定式環状ガスケット(30)を前記装着リング(8)の内面に接触するように配置する一方で、他方で前記第2の固定式環状ガスケット(35)と前記平坦な環状ガスケット(40)を前記リング(8)の上面に配置することによって、前記止め具(10)が前記装着リング(8)に対して位置決めされ設置されるステップと、
前記止め具(10)が前記ねじ込み部材(19)によって前記装着リングに取り付けられるステップと、
前記受動型ガスケット(25)の前記少なくとも1つの環状チャンバ(26)の減圧が止められ、前記ガスケット(25)を前記装着リング(8)の内面に接触するように配備して、前記配管(6)の前記開口部を気密式に密閉するステップとで構成されることを特徴とする方法。
【請求項9】
折りたたまれた位置の前記蓋(11)が前記筐体(2)の中に取り込まれ、前記蓋(11)が配備されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記蓋(11)の独立したパネルが前記筐体(2)の中に取り込まれ、前記蓋(11)が配備されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
蒸気発生器の水室(2)と加圧水型原子炉の一次回路のパイプとの間の接続配管(6)の開口部を密閉することを目的とした、請求項1から8のいずれかに記載の密閉式止め具(10)の利用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−515314(P2012−515314A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545780(P2011−545780)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050010
【国際公開番号】WO2010/081976
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(509337414)アレバ・エヌペ (18)
【Fターム(参考)】